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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】モノ構造体
(51)【国際特許分類】
   F16F 7/00 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
F16F7/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507372
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 GB2020051851
(87)【国際公開番号】W WO2021023981
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】1911319.0
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513268058
【氏名又は名称】スリー スミス グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】THREE SMITH GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Habergham Works, Ainley Industrial Estate, Elland, West Yorkshire, HX5 9JP United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ルーク
【テーマコード(参考)】
3J066
【Fターム(参考)】
3J066AA29
3J066AA30
3J066BA01
3J066BB04
3J066BC01
3J066BC03
3J066BD05
3J066BE05
(57)【要約】
第1層(20)と第2層(30)とを備えるモノ構造体(10)である。前記第1層(20)は、前記第2層(30)と分子的に連続性を有する。前記第1層(20)および第2層(30)の各々は、特徴的な機械的性質を有する。前記第1層(20)の前記特徴的な機械的性質の値は、前記第2層(30)の前記特徴的な機械的性質の値とは異なっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐衝撃部材および/またはダンパーとして設けられるモノ構造体(10)であって、
前記モノ構造体が、単一の材料から一体的に形成されており、
第2層(30)と一体的に形成された第1層(20)、を備え、
前記第1層(20)が、前記第2層(30)と分子的連続性を有し、
前記第1層(20)および前記第2層(30)のそれぞれの材料が、特徴的な機械的性質を有し、
前記第1層(20)の材料の前記特徴的な機械的性質の値が、前記第2層(30)の材料の前記特徴的な機械的性質の値と異なり、
前記特徴的な機械的性質が、硬度であり、前記第1層(20)が、前記第2層(30)の硬度値よりも大きい硬度値を有する、モノ構造体。
【請求項2】
前記特徴的な機械的性質が、
a. 硬度;
b. 弾性率;
c. 密度;
d. 極限引張強さ;
e. 耐力;
f. 降伏強度;
g. 降伏ひずみ;
h. 高い疲労強度、または
i. クリープ強度および/または延性
のうちの何れかである、請求項1に記載のモノ構造体。
【請求項3】
前記構造体が、鋳造構造体である、請求項1または2に記載のモノ構造体。
【請求項4】
前記層のうちの少なくとも1層が、発泡領域を含む、請求項1または2に記載のモノ構造体。
【請求項5】
前記層が、ポリマーから作製される、請求項1から4の何れか1項に記載のモノ構造体。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載のモノ構造体を備える、部材(50)。
【請求項7】
前記部材(50)が、細長く、長さ(L)を有し、前記第1層(20)が、前記長さ(L)の少なくとも50%の長さを有する、請求項6に記載の部材(50)。
【請求項8】
前記部材(50)が、第3層(40)をさらに備え、前記第3層(40)が、前記第2層(30)によって前記第1層(20)から離間され、
前記第3層(40)が、前記第2層(30)と分子的連続性を有し、
前記第3層(40)が、特徴的な機械的性質を有し、
前記第3層(40)の特徴的な機械的性質の値が、前記第2層の特徴的な機械的性質と異なり、
前記第2層(30)が、前記第1層(20)または前記第3層(40)よりも柔軟であり、それによって前記第1層(20)と前記第3層(40)との間に揺動可能なリンクが形成される、請求項6または7に記載の部材(50)。
【請求項9】
前記第1層(20)が、前記第3層(40)の硬度値よりも大きい硬度値を有する、請求項8に記載の部材(50)。
【請求項10】
前記特徴的な機械的性質が、弾性率をさらに含み、前記第1層(20)が、前記第2層(30)の弾性率値よりも大きくかつ前記第3層(40)の弾性率値よりも大きい弾性率値、を有する、請求項8または9に記載のモノ構造体。
【請求項11】
前記部材(50)が、平坦であり、前記部材(50)の長さおよび横幅が、奥行きよりも大きい、請求項7に記載の部材(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノ構造体(mono-structure)に関する。特に、本開示は、モノキャストのモノ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
耐衝撃構造体は周知であり、多くの用途がある。例えば、ダンパー/バンパーを工場内の壁に適用して、車両からの損傷を制限することができる。そのような例の1つでは、ダンパー、バンパーおよび/または緩衝材を商品搬入口の壁に適用して、車両を搬入口までバックさせて、車両から品物を積み込んだり降ろしたりする際に、搬入口を損傷から保護することができる。耐衝撃ボラードも周知である。バンパーは、衝撃のエネルギーを吸収・消散させ、車体への損傷を最小化または回避するために、車両の前部に装着される。
【0003】
このような耐衝撃構造体は、従来、異なる材料(例えば、金属基板上に支持された均一な特性を有する単一材料からなるプラスチック)から構成されている。異なる構成要素の機械的性質を選択して最適な減衰性能および構造統合性を実現できるので有益であるが、異種材料の接合は、製造工程を複雑にし、時間の経過とともに構造体の材料が分離する傾向があるため、構造体に固有の弱点をもたらす可能性がある。一度分離してしまうと、前記構造体は完全に破損するか、あるいは少なくとも性能が著しく低下する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、先行技術の例の衝撃保護および/または減衰能力を提供し、それらを改善しつつ、先行技術の解決方法の複数の材料を接合することの問題を克服することができる物品が、非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示によれば、添付の特許請求の範囲に記載されるモノ構造体および部材が提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項、および以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
第1層(20)と、第2層(30)とを備えるモノ構造体(10)が提供され得、前記第1層(20)は前記第2層(30)と分子的連続性を有し、前記第1層(20)および第2層(30)のそれぞれは、特徴的な機械的性質を有し、前記第1層(20)の前記特徴的な機械的性質の値は、前記第2層(30)の前記特徴的な機械的性質の値と異なっている。
【0007】
前記第1層(20)の前記特徴的な機械的性質の値は、前記第2層(30)の特徴的な機械的性質の値と実質的に異なり得る。
【0008】
前記特徴的な機械的性質は、
a. 硬度;
b. 弾性率;
c. 密度;
d. 極限引張強さ;
e. 耐力;
f. 降伏強度;
g. 降伏ひずみ;
h. 高い疲労強度、または
i. クリープ強度および/または延性
のうちのいずれかであり得る。
【0009】
前記特徴的な機械的性質は、硬度であり得、前記第1層(20)は、前記第2層(30)の硬度値とは実質的に異なる硬度値を有する。
【0010】
前記特徴的な機械的性質は、弾性率であり得、前記第1層(20)は、前記第2層の弾性率値と実質的に異なる弾性率値を有する。
【0011】
前記構造体は、鋳造構造体であってもよい。
【0012】
前記層のうちの少なくとも1層は、発泡領域を含んでいてもよい。
【0013】
前記層は、ポリマーから作製され得る。前記層は、同じポリマーから作製され得る。
【0014】
本開示によるモノ構造体を備える部材(50)が、提供され得る。
【0015】
前記部材(50)は、細長くてもよく、長さ(L)を有し、前記第1層(20)は、前記長さ(L)の少なくとも50%の長さを有し得る。
【0016】
前記部材(50)は、第3層(40)をさらに備えてもよく、前記第3層(40)は、前記第2層(30)によって前記第1層(20)から離間され、前記第3層(40)は、前記第2層(30)と、一体的に形成され、分子的連続性を有し、前記第3層(40)は、特徴的な機械的性質を有し、前記第3層(40)の特徴的な機械的性質の値は、前記第2層の特徴的な機械的性質と異なり、前記第2層(30)は、前記第1層(20)または前記第3層(40)よりも柔軟であり、それによって前記第1層(20)と前記第3層(40)との間に揺動可能なリンクが形成され得る。
【0017】
前記特徴的な機械的性質は硬度であり得、前記第1層(20)は、前記第2層(30)の硬度値よりも大きくかつ前記第3層(40)の硬度値よりも大きい硬度値を有し得る。
【0018】
前記特徴的な機械的性質は弾性率であり得、前記第1層(20)は、前記第2層(30)の弾性率値よりも大きくかつ前記第3層(40)の弾性率値よりも大きい弾性率値、を有し得る。
【0019】
部材(50)は、平坦であり得、部材(50)の長さおよび横幅(breadth)は、奥行き(width)よりも大きい。
【0020】
また、モノ構造体として形成される衝撃吸収ポストが、提供され得る。
【0021】
モノ構造体(10)として形成され、長さ(L)を有する、第1層(20)、第2層(30)および第3層(40)を備える衝撃吸収ポスト(100,102,104)が、提供され得る。前記第3層(40)は、前記ポスト(100,102,104)の前記長さ(L)に沿って、前記第2層(30)によって前記第1層(20)から離間され得る。前記第3層(40)は、支持基板(60)に取り付けられるように構成され得る。前記第2層(30)および前記第1層(20)は、前記支持基板(60)から離れる方向に延在し得る。前記第2層(30)は、前記第1層(20)または前記第3層(40)よりも柔軟であり、それによって前記第1層(20)と前記第3層(40)との間に揺動可能なリンクが形成され得る。
【0022】
前記第1層(20)は、前記第2層(30)と分子的連続性を有し得る。前記第3層(40)は、前記第2層(30)と分子的連続性を有し得る。前記層(20,30,40)は、ポリマー(例えば、非線形ポリマー)、またはゴムから形成され得る。
【0023】
前記ポスト(100,102,104)の前記層(20,30,40)は、前記ポスト(100,102,104)がその長さ(L)の少なくとも一部に沿って中空であるように、前記ポスト(100,102,104)内に空洞を画定する側壁(110)を画定し得る。
【0024】
前記側壁(110)は、5mm以上30mm以下の厚さを有し得る。
【0025】
前記側壁(110)は、9mm以上15mm以下の厚さを有し得る。
【0026】
前記ポスト(100,102,104)は、前記第1層(20)によって画定される前記ポスト(100,102,104)の長さの少なくとも一部に沿って中空であり得る。
【0027】
前記ポスト(100,102,104)は、前記第2層(30)によって画定される前記ポスト(100,102,104)の長さに沿って中空であり得る。
【0028】
前記ポスト(100,102,104)は、前記第3層(40)によって画定される前記ポスト(100,102,104)の長さの少なくとも一部に沿って中空であり得る。
【0029】
前記第3層(40)は、前記支持基板(60)の表面の下から延在するように、前記支持基板(60)に少なくとも部分的に取り付けられるように構成され得る。前記第2層(20)は、前記長さ(L)の2%以上10%以下の長さを有し得る。前記第3層(40)は、前記長さ(L)の8%以上20%以下の長さを有し得る。
【0030】
前記第2層(20)は、前記長さ(L)の約4%の長さを有し得る。前記第3層(40)は、前記長さ(L)の約14%の長さを有し得る。
【0031】
前記第3層(40)は、支持基板(60)の外側の面から延在するように、前記支持基板(60)上に取り付けられるように構成され得る。前記第2層(20)は、前記長さ(L)の2%以上10%以下の長さを有し得る。前記第3層(40)は、前記長さ(L)の3%以上20%以下の長さを有する。
【0032】
前記第2層(20)は、前記長さ(L)の約4%の長さを有し得る。前記第3層(20)は、前記長さ(L)の約6%の長さを有し得る。
【0033】
前記第3層(40)は、前記ポスト(102)の端壁(112)を画定し得、前記端壁(112)は、前記端壁(112)を通って前記支持基板(60)内に延在する固定要素(116)を受け入れるための取り付け構成部(mounting feature)(114)を画定する。
【0034】
前記第3層(40)は、前記側壁(110)の周りに間隔を置いて配置された複数の取り付け構成部(120)を含み得、各取り付け構成部(120)は、支持基板(60)内に延在する固定要素(116)を受け入れるように構成されている。
【0035】
前記第1層(20)、前記第2層(30)および前記第3層(40)のそれぞれは、特徴的な機械的性質を有し得、前記第1層(20)、前記第2層(30)および前記第3層(40)のそれぞれの特徴的な機械的性質の値は、他の層(20,30,40)と異なっている。
【0036】
前記特徴的な機械的性質は硬度であり得、前記第1層(20)は、前記第2層(30)の硬度値よりも大きくかつ前記第3層(40)の硬度値よりも大きい硬度値、を有し得る。
【0037】
前記特徴的な機械的性質は弾性率であり得、前記第1層(20)は、前記第2層(30)の弾性率値よりも大きくかつ前記第3層(40)の弾性率値よりも大きい弾性率値、を有し得る。
【0038】
したがって、構造統合性を保持しながら耐衝撃性、減衰性および/またはエネルギー吸収性を提供するように構成される、モノキャストのモノ構造体として形成された衝撃吸収ポストが提供される。
【0039】
少なくとも2つの層を含み、その構造統合性を保持しながら耐衝撃性、減衰性および/またはエネルギー吸収性を提供するように構成された、モノキャストのモノ構造体であってもよいモノ構造体が、提供され得る。
【0040】
次に、本開示の例が、異なる用途で使用され得る本開示によるモノ構造体の例を示す添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】ダンパーおよび/または耐衝撃部材の例を示す図である。
図2】ダンパーおよび/または耐衝撃部材の例を示す図である。
図3】ポストとして設けられた耐衝撃部材の概略例を示す図である。
図4】ポストとして設けられた耐衝撃部材の概略例を示す図である。
図5図4の耐衝撃ポストの第1の例を示す図である。
図6図4の耐衝撃ポストの第2の例を示す図である。
図7図4の耐衝撃ポストの第2の例を示す図である。
図8図4の耐衝撃ポストの第3の例を示す図である。
図9図4の耐衝撃ポストの第3の例を示す図である。
図10図4,6,7のポスト、および図5,8,9の同様のポストを変形させた状態で示す図である。
図11】細長い部材として提供される本開示の耐衝撃部材の例を示す図である。
図12】細長い部材として提供される本開示の耐衝撃部材の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
本開示は、耐衝撃部材50および/または減衰部材50として提供され得るモノ構造体に関する。前記モノ構造体は、単一の材料から一体的に形成されている。言い換えれば、前記モノ構造体は、単一の材料から一体として形成される。前記モノ構造体は、鋳造され得る。すなわち、本開示による構造体は、モノキャスト構造体であってもよい。本開示による構造体は、一体型(monolithic)構造体であってもよい。
【0043】
図1~12は、本開示によるモノ構造体の例を示す図である。「部材」という用語は、本開示による耐衝撃部材および減衰部材の両方を指すために使用される。
【0044】
すべての例において、モノ構造体10は、第1層20および第2層30を含む。すなわち、前記モノ構造体10は、少なくとも前記第1層20および前記第2層30を含む。また、図2,4,5~12に示すように、第3層40が設けられ得る。他の例では、前記モノ構造体10は、4つ以上の層を含み得る。
【0045】
すべてのケースにおいて、少なくともいくつかの層は一体的に形成されている。つまり、少なくともいくつかの層の間には、分子的連続性がある。言い換えれば、ある層の性質が、構造体中の隣接する層または他の層と異なる可能性があるが、前記層は、単一(unitary)構造体(すなわちモノ構造体)を形成するように、連続プロセスの一部として形成されている。したがって、隣接する層の間の領域を画定する分子は、両方の層と連続的な構造を形成する。つまり、一体的に形成された(分子的に連続した)層の間には、接合部が存在しない。別の言い方をすれば、本開示のモノ構造体は、異なる特徴的な機械的性質を有する領域(ここでは、区分(section)、ボリュームおよび/または層と表現する)を有する単一構造体として定義され得る。前記層は、異なる層の材料の構成部分が同じである限り、同じ材料から作製されているが、前記構成部分は、他の層と比較していくつかの層で異なる濃度で存在し得、それによって層の性質(例えば、特徴的な機械的性質)に差異が生じ得る。
【0046】
各層は、特徴的な機械的性質によって規定され得る。一体的に形成された層が2つしかない例では、第1層20を形成する材料の区分(すなわちボリューム)の特徴的な機械的性質の値は、第2層30を形成する材料の区分(すなわちボリューム)の特徴的な機械的性質の値と異なっている。(図2,4,5~12に示すように)2層を超える例では、1つの層を形成する材料の区分(すなわちボリューム)の特徴的な機械的性質の値は、他の層の少なくとも1つを形成する材料の区分(すなわちボリューム)の特徴的な機械的性質と異なっている。このような例では、すべての層ではなく、2つ以上の層を形成する材料の区分(すなわちボリューム)の特徴的な機械的性質の値は同じであり得る。さらなる例では、特徴的な機械的性質の値は、各層で異なり得る。
【0047】
前記材料は、ポリマー(例えば非線形ポリマー)、またはゴムであってもよく、および/またはそれらを含んでもよい。
【0048】
したがって、図1,3に示される例では、第1層20は、第2層30と一体的に形成されている。すなわち、第1層20は、第2層30と分子的連続性を有する。別の言い方をすれば、第1層20を形成する材料の区分(すなわちボリューム)は、第2層30を形成する材料の区分(すなわちボリューム)と分子的連続性を有する。第1層20および第2層30は、いずれも同じ材料から作製され得る。第1層20および第2層30は、第1層20および第2層30の材料の構成部分が同じである限り、同じ材料から作製され得るが、前記構成部分は、第1層20おいて、第2層30とは異なる濃度で存在し得る。
【0049】
第1層20を画定する区分(すなわちボリューム)は、第2層30を画定する区分(すなわちボリューム)に対する特徴的な機械的性質の値とは実質的に異なる特徴的な機械的性質を有している。
【0050】
部材50は、任意の適切な形状で提供され得る。例えば、図1図2に示す例では、部材50は、立方体または円筒形および/または細長い形状であり得る。他の例では、部材50は、シートとして構成され得る(例えば、その長さおよび横幅よりも実質的に薄い厚さを有する)。すなわち、部材50は平坦であり得、部材50の長さおよび横幅(Breadth)は、奥行き(width)よりも大きい。
【0051】
すべての例において、部材50は、部材50のすべての層を包含する寸法である長さ「L」(その向きに応じて高さ「H」とも呼ばれる)を有する。第1層20は、長さ「L」の50%超であり得、長さLの残りの部分は、残りの1つまたは複数の層から構成される。
【0052】
例えば、図2,4の例に示すように、部材50は第3層40を含み、第3層40は、第2層30によって第1層20から離間している。このような例では、部材50の長さ「L」の少なくとも50%が第1層20から構成され、残りは第2層30と第3層40とから構成されている。第2層30は、第3層40よりも長くても、短くても、同じ長さであってもよい。第3層40は、第2層30と同じ材料から一体的に形成され、第2層30と分子的連続性を有している。第3層40は、特徴的な機械的性質を有し、第3層の特徴的な機械的性質の値は、第2層の特徴的な機械的性質の値と異なる。
【0053】
前記特徴的な機械的性質は、硬度、弾性率、密度、極限引張強さ、耐力、降伏強度、降伏ひずみ、高い疲労強度、またはクリープ強度および/または延性のいずれかであり得る。
【0054】
第1層20は、第2層30の特徴的な機械的性質値よりも実質的に大きな特徴的な機械的性質値を有し得る。第1層20は、第2層30の特徴的な機械的性質値よりも実質的に小さい特徴的な機械的性質値を有し得る。
【0055】
第1層20は、第2層30の特徴的な機械的性質値よりも実質的に大きい特徴的な機械的性質値を有していてもよく、第1層20の特徴的な機械的性質値は、第3層40の特徴的な機械的性質値よりも実質的に大きく、第2層30の特徴的な機械的性質値は、第3層40の特徴的な機械的性質値より低くてもよい。
【0056】
第1層20は、第2層30の特徴的な機械的性質値よりも実質的に低い特徴的な機械的性質値を有していてもよく、第1層20の特徴的な機械的性質値は、第3層40の特徴的な機械的性質値よりも実質的に低くてもよく、第2層30の特徴的な機械的性質値は、第3層40の特徴的な機械的性質値よりも大きくてもよい。
【0057】
特徴的な機械的性質が硬度である例において、第1層20は、第2層30の硬度値とは実質的に異なる硬度値を有し得る。例えば、第1層20は、第2層30の硬度値よりも実質的に大きい硬度値を有し得る。前記層(複数)の硬度値は、少なくとも5%異なり得る。第1層20は、第2層30の硬度値よりも少なくとも5%大きい硬度値を有し得る。
【0058】
別の例では、第1層20は、第2層30の硬度値よりも実質的に小さい硬度値を有し得る。第1層20は、第2層30の硬度値の95%以下の硬度値を有し得る。
【0059】
特徴的な機械的性質が弾性率である例において、第1層20は、第2層30の弾性率値と実質的に異なる弾性率値を有し得る。例えば、第1層20は、第2層30の弾性率値よりも実質的に小さい弾性率値を有し得る。
【0060】
特徴的な機械的性質が弾性率である別の例では、第1層20は、第2層30の弾性率値よりも実質的に大きい弾性率値を有し得る。
【0061】
第1層20は、第2層30の硬度値よりも実質的に大きくかつ第3層40の硬度値よりも大きい硬度値、を有し得る。あるいは、またはさらに、第1層20は、第2層30の弾性率値よりも実質的に大きくかつ第3層40の弾性率値よりも大きい弾性率値、を有し得る。
【0062】
第1層20は、第2層30の硬度値よりも実質的に小さくかつ第3層40の硬度値よりも小さい硬度値、を有し得る。あるいは、またはさらに、第1層20は、第2層30の弾性率値よりも実質的に小さくかつ第3層40の弾性率値よりも小さい弾性率値、を有し得る。
【0063】
第1層20は、第2層30の硬度値よりも実質的に大きい硬度値を有し得、第1層20の硬度値は、第3層40の硬度値よりも実質的に大きくてもよく、第2層30の硬度値は、第3層40の硬度値よりも低くてもよい。
【0064】
第1層20は、ショアD硬度スケールで約60の硬度値を有し得る。
【0065】
第2層30は、ショアA硬度スケールで約90の硬度値を有し得る。
【0066】
第3層40は、ショアA硬度スケールで約95の硬度値を有し得る。
【0067】
あるいは、またはさらに、前記第1層20は、第2層30の弾性率値よりも実質的に大きい弾性率値を有し得、第1層20の弾性率値は、第3層40の弾性率値よりも実質的に大きくてもよく、第2層30の弾性率値は、第3層40の弾性率値よりも低くてもよい。
【0068】
したがって、例えば、図1~4に示される例では、前記第1層20は、前記第2層30よりも硬く、および/または高い弾性率を有し得る。
【0069】
図1,2の例がダンパーまたは耐衝撃部材として提供される場合、第1層20は保護層を提供し(すなわち、第2層30よりも硬く、柔軟性が低い)、第2層30は減衰/柔軟性/エネルギー吸収の大部分を提供して、それによって(使用時に)部材が取り付けられる基板60を保護する。
【0070】
図1の例では、第2層30は、基板60に、すなわち化学結合、機械的結合(例えば固定具)、またはそれらが一緒に保持されるように第2層30および基板60上の共働機能の提供(例えばさね継ぎ(tongue and groove)、またはそのような配置)によって接着され得る。
【0071】
図2の例では、第2層30よりも硬いおよび/または柔軟性が低い(すなわち、より高い値の弾性率を有する)第3層40は、例えば、図1の例において第2層30が基板60に固定され得るのと同じ方法で、基板60にボルト止め、またはその他の方法で固定され得る。
【0072】
したがって、図1,2の例は、商品搬入口の(すなわち工場または小売店の)壁60を車両からの衝撃損傷から保護するのに適し得るか、基板60を衝撃から保護することが有益な車両用バンパーとしてまたは他の用途で使用され得る。
【0073】
図3,4の例では、耐衝撃部材は、図3に示すように2層、または図4に示すように3層のいずれかのポスト90,100、例えばボラードとして提供され得る。前記ポスト90,100は、例えば図1,2の例に関連して説明されるように、または以下の図5~7,図10の例に関連して説明されるように、接着剤を用いて、または何らかの機械的固定具によって地面に固定され得る。あるいは、図9に示されるように、前記ポストは、その一部が、基板60の中に埋め込まれ得る。そのような例では、第2層30は、第1層20と基板60との間の揺動可能なリンクを形成するように、第1層20および/または第3層40(存在する場合)よりも柔軟であるように製造される。
【0074】
したがって、図3の例では、第2層30は、第1層20と基板60との間にヒンジを提供する。図4~10の例では、第3層40は、第2層30よりも硬く/高い弾性率を有し、それゆえ、基板60に対する固定アンカー(rigid anchor)を提供する。この例では、第2層30は、第1層20または第3層40よりも柔軟であり、第1層20と第3層40との間に揺動可能なリンク/ヒンジを形成する。
【0075】
図5~10は、図4のポスト/ボラード100のさまざまな例を示す。
【0076】
図において、異なる層は、3つの異なる層の存在を示すために、異なる陰影/ハッチングが施されている。しかし、すべての例において、3つの層はすべて視覚的に同一である可能性がある。すなわち、それらはすべて、前記層間の目に見える移行部を伴わない、同じ外部色およびテクスチャを有し得る。
【0077】
図5は、図4の耐衝撃ポストの第1の例100の側面図であり、実質的に円筒形であり得る。図6,7は、図4の耐衝撃ポストの第2の例102の端面図および側面図をそれぞれ示している。図8,9は、図4の耐衝撃ポストの第3の例104の端面図および側面図をそれぞれ示している。図10は、作動中の図6,7のポスト102(図5,8,9の例の作動態様と同一である)を示す。
【0078】
図5から図10のすべての例において、ポスト/ボラード100,102,104は、モノ構造体10として形成され長さLを有する、第1層20,第2層30および第3層40を備える。
【0079】
前記第3層40は、ポスト100,102,104の長さLに沿って、第2層30によって第1層20から離間されている。各例において、前記第3層40は、支持基板60に取り付けられ、固着され(anchored)、および/または固定される(fixed)ように構成される。すなわち、第3層40は、支持基板60(すなわち、地面の領域、建物の床、人工表面-例えば、コンクリート、舗装(tarmac)表面、樹脂、セラミック、またはハードコア構造、または他の適切な基礎材料)に固定されるように構成される(例えば、成形され、および適切な構造統合性および物理的特性を有する)。
【0080】
したがって、使用時には、車両および他の移動体に対する障害物、障壁および/または目印を提供するために、第3層40は適切な基板60に固定され、第2層30および第1層20は支持基板60から離れる方向に延在している。
【0081】
前述し、図10に関してより詳細に後述するように、第2層30は、第1層20または第3層40よりも柔軟であり、それによって第1層20と第3層40の間に揺動可能なリンクが形成される。したがって、(例えば車両によって)衝突されると、第1層20は、第2層30によってもたらされる揺動可能なリンクによって、第3層40に対して相対的に移動し得る。また、第1層20および第3層40は、衝撃を受ける際に変形する可能性がある。
【0082】
また、前述したように、第1層20は第2層30と分子的連続性を有し、第3層40は第2層30と分子的連続性を有している。ポスト100,102,104の層20,30,40は、ポリマー(例えば非線形ポリマー)、またはゴムから形成され得る。
【0083】
また、前述したように、ポスト100,102,104の第1層20,第2層30および第3層40のそれぞれは、特徴的な機械的性質を有し、第1層20,第2層30および第3層40のそれぞれの特徴的な機械的性質の値は、他の層20,30,40と異なる。
【0084】
図5~10のポストの例100,102,104の層20,30,40は、ポスト100,102,104がその長さ(L)の少なくとも一部に沿って中空であるように、ポスト100,102,104内に空洞130を画定する側壁110を画定している。図2,3の例も同様に、中空であり得る。
【0085】
前記側壁110は、5mm以上30mm以下の厚さを有し得る。前記側壁110は、9mm以上15mm以下の厚さを有し得る。前記側壁110は、約11mm、11.5mm、または12mmの厚さを有し得る。
【0086】
図5~10の例のポスト100,102,104は、ポスト100,102,104の全長に実質的に沿って100mm以上300mm以下の外径を有し得る。
【0087】
図5~10の例のポスト100,102,104は、ポスト100,102,104の全長に実質的に沿って150mm以上250mm以下の外径を有し得る。
【0088】
図5~10の例のポスト100,102,104は、ポスト100,102,104の全長に実質的に沿って約180mm、190mmまたは200mmの外径を有し得る。
【0089】
図6,7,10および図8,9の例では、ポストの外径は、ポスト102,104の全長に沿って実質的に一定である。
【0090】
図5の例では、ポストの外径は、ポスト102,104の長さの大部分に沿って実質的に一定であり得、前記ポストは、第3層40を備えるポスト100の端部に向かって最大直径が増加する。
【0091】
図5の例では、外径は、ポスト102,104の長さの80%以上90%以下に沿って実質的に一定であり得、前記ポストは、第3層40を含むポスト100の端部に向かって最大外径が増加する。
【0092】
図5の例では、外径は、ポスト102,104の長さの約85%に沿って実質的に一定であり得、前記ポストは、第3層40を備えるポスト100の端部に向かって最大外径が増加する。
【0093】
図5から図10の例では、ポスト100,102,104は、第1層20によって画定されるポスト100,102,104の長さの少なくとも一部に沿って中空であり得る。図5から図10の例では、ポスト100,102,104は、第2層30によって画定されるポスト100,102,104の長さに沿って中空であり得る。図5から図10の例では、ポスト100,102,104は、第3層40によって画定されるポスト100,102,104の長さの少なくとも一部に沿って中空であり得る。
【0094】
図8,9の例では、ポスト100,102,104は、ポスト104の全長に沿って中空であり得、側壁110は、両端で開口していてもよい中空管を画定している。
【0095】
図5~18の例では、第1層20によって画定されるポスト100,102,104の端部を覆いおよび/または封止して空洞130を閉口するために、キャップ140(図10に示す)が、設けられ得る。
【0096】
図5,6,7,10に示す例では、第3層40は、支持基板60上に少なくとも部分的に取り付けられるように構成される。すなわち、図5,6,7,10に示される例では、第3層40は、支持基板60の外側の面(すなわち、上方を向く面)に取り付けられるように構成されている。すなわち、これらの例では、第3層40は、支持基板60の外側の面から延在するが、支持基板60の中に入らないように支持基板60上に取り付けられるように構成されている。したがって、本開示による基板60とポスト100,102とを含む構造体が、提供され得る。
【0097】
図5,6,7,10の例では、第3層40は、ポスト102の端壁112を画定し、前記端壁112は、ポスト102を定位置に保持するために端壁112を通って支持基板60内に延在する固定要素116(例えばボルト、リベット、ピンまたは他の固定部材)を受け入れるための取り付け構成部114を、画定する。
【0098】
図5の例では、第3層40の取り付け構成部114は、側壁110の周りに間隔を置いて配置された複数の取り付け構成部120を備え、各取り付け構成部120は、使用時に、支持基板60内に延在してポストを定位置に保持する固定要素116(点線で示す)を受け入れるように構成されている。前記取り付け構成部114は、第3層40を有する端部に向かって直径が増加する領域を画定する。前記取り付け構成部114は、適切な数の通路を有するボス、フランジ(単数または複数)として設けられ得、これらの各々は、固定要素116を受け入れるように構成されている。
【0099】
図6,7,10の例では、前記取り付け構成部114は、前記端壁112を通って前記支持基板60の中に延在する固定要素116を受け入れるための通路118である。通路118は、ポスト102の中心軸に合わせて位置決めされ得る端部壁112の幾何学的中心に設けられ得る。
【0100】
図5,6,7,10の例では、第2層30は、前記長さ(L)の2%以上10%以下の長さを有し得、第3層40は、前記長さ(L)の3%以上20%以下の長さを有し得る。前記第2層(20)は、前記長さ(L)の約4%の長さを有し得、前記第3層40は、前記長さ(L)の約6%の長さを有し得る。
【0101】
非限定的な例では、図6,7,10の例におけるポスト102の長さLは、約1275mmであり得、第2層30は約50mmの長さを有し、第3層は約75mmの長さを有する。
【0102】
図8,9に示す例では、第3層40は、少なくとも一部が支持基板60中に取り付けられるように構成されている。したがって、使用時には、第3層40または第3層40の長さの少なくとも一部は、基板60に没入され、めり込まれ、埋め込まれ、および/または鋳込まれ得る。したがって、本開示による基板60およびポスト104を備える構造体が提供され得る。したがって、そのままの状態(in-situ)の場合、第3層40は、支持基板60の表面の下から延在し得る。ポスト104がその長さに沿って中空であり、少なくとも第3層40によって画定される端部で開口している例では、前記基板60の材料は、例えば基板がコンクリート、舗装材または他の何らかの硬化媒体である場合、ポスト104を定位置に固定することを補助するために、ポスト104の内側に沿って部分的に延在し得る。
【0103】
図8,9に示す例では、第2層30は、前記長さ(L)の2%以上10%以下の長さを有し得、第3層40は、前記長さ(L)の少なくとも8%、ただし20%以下の長さを有し得る。第2層30は、前記長さ(L)の約4%の長さを有し得、第3層40は、前記長さ(L)の約14%の長さを有し得る。
【0104】
非限定的な例では、図8,9の例におけるポスト104の長さLは約1275mmであり得、第2層30は約50mmの長さを有し、第3層は約175mmの長さを有する。
【0105】
したがって、使用時に、第3層40、またはその一部は、基板60に没入され、めり込まれ、埋め込まれ、および/または鋳込まれ得る。したがって、本開示による基板60とポスト104とを含む構造体が提供され得る。したがって、そのままの状態の場合、第3層40は、支持基板60の表面の下から延在し得る。
【0106】
図10は、図5図9の配置が衝撃にどのように反応するかを示しており、衝撃は矢印で示されている。この図は、図6,7の配置に最もよく類似しており、中央のボルト116がポスト102を基板60に保持している。しかし、図3,4,5~9のすべての例の作動のモードは、同じであるが、取り付けられている。
【0107】
本明細書で前述のように、第2層30は、第1層20および/または第3層40よりも柔軟であるように作製され、前記第2層30が第1層20と基板60との間に揺動可能なリンクを形成する。したがって、作動において、ポスト100,102,104が、第1層20上で物体(例えば、車両)によって衝突されると、第2層30は、衝撃側で張力をかけられ、衝撃と反対側で圧縮され、それにより第1層20が第3層40および/または基板60に対して揺動する(すなわち、角度がつけられる)ことが、可能になる。第1層20は衝撃によって変形する可能性があり、より少ない程度で第3層40も変形する可能性がある。
【0108】
ポスト100,102,104の材料が、ポリマー(例えば非線形ポリマー)、またはゴムを含む例では、衝撃が終了し、物体(例えば車両)がポスト100,102,104から離れると、第1層20,第2層30および第3層40は、元の形状および相対的な配置に戻る。
【0109】
図11,12の例では、耐衝撃部材50は細長い部材として設けられており、第1層20および第3層40の特徴的な機械的性質の値は同じであるが、その間に挟まれた第2層30の特徴的な機械的性質の値とは異なっている。したがって、第2層30が第1層20および第3層40よりも柔軟であり、よってヒンジが間に提供されるように、第2層30の特徴的な機械的性質が選択される。この用途では、部材50は、図12に示すように、角部を有する基板60に適用され、角部の周りに屈曲して、第2層30が基板の角部を保護し得る。第1層20および第3層40は、角部を画定する壁に適用されるように構成されており、したがって、使用時には、互いに角度をなしている(例えば、図12に示すように、互いに直角で)。したがって、第1層20および第3層40は、衝撃損傷保護を提供し、第2層30は、さらなる減衰および角部の保護を提供するとともに、部材50が基板60の周りに屈曲し容易に固定されることを可能にする。これは、耐衝撃部材50を、組み立てる必要がなく一体的に提供し、1ステップで基板60に、螺着、接着、またはその他の方法で固定することができることを意味する。
【0110】
上記のように、前記構造体は、鋳造構造体であってもよい。すなわち、前記モノ構造体は、鋳造プロセスによって製造され得、よって、前記層の材料特性および/または機械的性質は、鋳造構造体の製造プロセスによって影響され得る。
【0111】
前記モノ構造体は、鋳造構造体ではなく、例えば射出成形技術によって製造される例では、層の少なくとも1つが発泡領域を含み得る。
【0112】
前記モノ構造体は、単一の材料から一体として形成されるが、前記モノ構造体は製品の一部を形成し得、前記製品は、モノ構造体に追加された他の層または材料、例えばラベル、グラフィック、備品および付属品を含むことが理解されよう。
【0113】
したがって、(図1,2,11,12に示すように)基板の保護を補助するように、または(例えば図3から図10に示すように)基板をアンカーとして使用する障壁として、基板に装着されるように構成される一体型部材50が、提供される。耐衝撃部材がモノ構造体(モノキャストのモノ構造体であってもよい)を含むことは、ユーザーに提供されて組み立ての必要なく定位置に装着され得ることを、意味する。これにより、製造、出荷、および設置が簡素化される。さらに本開示による部材50は、関連技術の例よりも優れた構造統合性を有する(すなわち、分解される、例えば、剥離する可能性が低い)。
【0114】
図5~10の例のポストの壁および/または層の絶対的および/または相対的厚さは、ポストが要求する物理的反応に応じて、衝撃に対するさまざまな反応を提供するように選択される。用途にもよるが、選択された値が低すぎると、その構造体は所望の効果を発揮しない。厚すぎると、ポストは曲がりすぎたり、たわみすぎたりして、十分な力で抵抗することができなくなる。
【0115】
本願に関連して本明細書と同時またはそれ以前に提出され、本明細書とともに一般に公開されているすべての論文および文書に注意を払い、このようなすべての論文および文書の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
本明細書(添付の請求項、要約書および図面を含む)に開示されたすべての特徴、および/または開示された方法もしくはプロセスのすべてのステップは、このような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0117】
本明細書(添付の請求項、要約書および図面を含む)に開示された各特徴は、明示的に別段の記載がない限り、同一、同等または類似の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。したがって、明示的に別段の記載がない限り、開示された各特徴は、同等または類似の特徴の一般的な一連の一例にすぎない。
【0118】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なもの、または任意の新規な組み合わせ、あるいはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規なもの、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】