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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】漏洩検出器システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/06 20060101AFI20221006BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20221006BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G01N27/06 A
A01G31/00 601Z
A47K3/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507464
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 SE2020050761
(87)【国際公開番号】W WO2021025607
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】1950916-5
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(31)【優先権主張番号】1950915-7
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(31)【優先権主張番号】1950949-6
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】519182615
【氏名又は名称】オービタル、システムズ、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】ORBITAL SYSTEMS AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】アミル、メハルダッド、マハドジュビ、ナミン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス、フリバリ
(72)【発明者】
【氏名】ディック、ハンメル
(72)【発明者】
【氏名】ミーケル、リデル
【テーマコード(参考)】
2B314
2D132
2G060
【Fターム(参考)】
2B314PB37
2D132FA09
2D132FH10
2D132FH11
2G060AA05
2G060AC01
2G060AE12
2G060AF08
2G060CD06
2G060HD00
2G060HE02
2G060KA05
(57)【要約】
本発明は、センサユニット(2)を含む漏洩検出器システム(1)について説明するものであり、センサユニット(2)は、水分センサ(20)と送信機とを含み、漏洩検出器システムは、センサユニット(2)を埋設した包囲材料(3)をさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサユニット(2)を含む漏洩検出器システム(1)であって、
前記センサユニット(2)は、水分センサ(20)と送信機とを含み、前記漏洩検出器システムは、前記センサユニット(2)を埋設した包囲材料(3)をさらに含む、漏洩検出器システム(1)。
【請求項2】
前記包囲材料(3)は、埋設構成であり、好ましくは密閉シールされる、請求項1に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項3】
前記送信機は、前記包囲材料(3)を通して信号を送信し得るように構成されている、請求項1または2に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項4】
前記包囲材料(3)は、水分バリア(4)の少なくとも一部である、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項5】
前記漏洩検出器システム(1)は、バッテリを含む充電ユニット(10)をさらに含み、前記充電ユニット(3)は、前記センサユニット(2)を充電し得るように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項6】
前記センサユニット(2)は、水分バリア(4)の密閉されたサイドに配置され、前記充電ユニット(10)は、前記水分バリア(4)の他のサイドに配置されている、請求項5に記載の漏洩検出システム(1)。
【請求項7】
前記充電ユニット(10)と前記センサユニット(2)との間は、配線で接続されている、請求項5または6に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項8】
前記充電ユニット(10)と前記センサユニット(2)との間は、無線で接続され、好ましくは、キー充電技術が適用されている、請求項5または6に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項9】
前記センサユニット(2)は、充電可能なバッテリまたはスーパーキャパシタを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項10】
前記漏洩検出器システム(1)は、ブルートゥース低エネルギ(BLE)技術を使用して構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項11】
前記センサユニット(2)は、前記センサユニット(2)の前記送信機から送信されたデータを転送するように構成されたネットワークブリッジに対して接続されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項12】
前記水分センサは、受動的センサであり、好ましくは、水分に対して接触した時に活性化される、請求項1~11のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項13】
前記漏洩検出器システム(1)は、前記センサユニット(2)に対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、前記センサユニット(2)の前記送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項14】
前記受信機ユニットと前記充電ユニット(10)とは、1つの同じユニットである、請求項13に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項15】
前記漏洩検出器システム(1)は、シャワーユニットが操作されて水がシステム内へと供給された時などのあるいは同種の時などの別の外部事象の存在に基づいて、前記センサユニット(2)に対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、前記センサユニット(2)の前記送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている、請求項13または14に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項16】
前記充電ユニット(10)は、データを送信するために、wifi接続を有して構成されている、請求項5~15のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項17】
前記水分センサ(2)は、近距離無線通信(NFC)センサである、請求項1~16のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項18】
前記センサユニット(2)は、温度センサをさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項19】
前記水分センサ(2)は、床排水ユニット(5)に近接して、水分バリア(4)の密閉されたサイドに配置されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項20】
前記センサユニット(2)は、1つまたは複数のセンサワイヤを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項21】
前記1つまたは複数のセンサワイヤは、供給チューブの周囲に配置されている、請求項20に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項22】
前記水分センサ(20)と前記包囲材料(3)との間には、保護ホルダ(6)が配置されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項23】
前記漏洩検出器システム(1)は、例えばコンクリートなどの床材(7)上に配置され、そして、スクリード層(8)内に埋設され、さらに、前記スクリード層(8)上に配置された前記水分バリア(4)を有している、請求項1~22のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【請求項24】
前記漏洩検出器システム(1)は、少なくとも2つの水分センサ(2)を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の漏洩検出器システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩検出器システムに関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、センサユニットを含む漏洩検出器システムに関するものであり、センサユニットは、水分センサと発信器とを含み、漏洩検出器システムは、センサユニットを埋設した包囲材料を、さらに含む。
【0003】
本発明による概念は、その最も広い意味合いにおいて、水分バリアの意図された乾燥サイドなどの、水漏れが非常に問題となるべき場所に水分センサが配置された構成を対象とするものであり、センサユニットは、例えば実際の水分バリアを構成している材料の一部などの包囲材料によって、埋設されている。このため、本発明の一実施形態によれば、包囲材料は、水分バリアの少なくとも一部である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の具体的な実施形態
以下においては、本発明の具体的な実施形態を開示して、さらに説明する。
【0005】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、包囲材料は、埋設構成であり、好ましくは密閉シールされる。埋設構成が、実際に、設置されている水分バリアの一部であり得ることに、再度言及しておくべきである。その上、埋設構成は、また、水分センサに関する別個のカバーとして提供されてもよく、その場合、そのユニット全体は、水分バリアの「直下」に配置される。
【0006】
さらに別の具体的な実施形態によれば、送信機は、包囲材料を通して信号を送信し得るように構成されている。
【0007】
また、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、バッテリを含む充電ユニットをさらに含み、充電ユニットは、センサユニットを充電し得るように構成されている。その上、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、センサユニットは、水分バリアの密閉されたサイドに配置され、充電ユニットは、水分バリアの他のサイドに配置されている。そのような例の1つが、図1に示されている。このような配置による1つの利点は、例えばバッテリなどの何かの部材を交換しなければならない場合などに、ユーザが充電ユニットに対して容易にアクセスし得ることである。
【0008】
センサユニットの充電が、本発明においては、異なる手段によって達成され得ることに留意されたい。一例は、センサユニットに、1つまたは複数の圧電素子を設けることである。例えばコンクリートと上部材料との間の温度差から得られる変形などの、材料内のわずかな変形が、1つまたは複数の圧電素子を起動するための駆動力として使用されてもよい。
【0009】
その上、しかしながら、センサユニットと充電ユニットとの間の接続が、本発明においては、異なる態様で提供され得ることにも留意されたい。1つの具体的な実施形態によれば、充電ユニットとセンサユニットとの間は、配線で接続される。このような場合、配線は、水分バリアの一部として設けられてもよく、例えば、電源コンセントの内部に配置された充電ユニットに対して接続されてもよい。このような場合、充電ユニットは、電源コンセントに対しての接続により、充電されてもよい。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、充電ユニットとセンサユニットとの間は、無線で接続され、好ましくは、キー充電技術が適用されている。キー充電技術は、例えばインダクタンスによって提供されてもよい。
【0011】
また、センサユニットは、好適には、充電可能なバッテリまたはスーパーキャパシタを含む。この場合、これは、充電ユニットによって充電されてもよい。
【0012】
また、1つの具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、ブルートゥース低エネルギ(BLE)技術を使用して構成されている。BLEは、好適には、充電ユニットから受信機への代替手段として使用することができる、あるいは、また、センサユニット構成要素と別のセンサ構成要素との間においても、またはセンサユニットと充電ユニットとの間においても、使用することができる。
【0013】
その上、さらに別の具体的な実施形態によれば、センサユニットは、センサユニットの送信機から送信されたデータを転送するように構成されたネットワークブリッジに対して、接続されている。上記に関連して、本発明による1つの好適な代替手段が、充電ユニットがデータ送信機としても機能することであることに、留意されたい。このような場合、充電ユニットは、好適には、wifi接続を有し、その場合、センサユニットから受信したデータを、クラウドに対して、またはモバイルデバイスに対して、または同種のものに対して、送信してもよい。よって、ユーザは、容易な態様で、リアルタイムデータを受信することができる。
【0014】
本発明による水分センサは、異なるタイプのものであってもよい。一実施形態によれば、水分センサは、受動的センサであり、好ましくは、水分に対して接触した時に活性化される。受動的センサユニットは、本発明によれば、異なる態様で使用されてもよい。一例として、制御システムが何らかのデータを収集したいと決定した時には、充電ユニットからセンサユニットへと、電流が送出されてもよい。これは、次に、別のユニットからの信号によって、操作されてもよい。一例として、本発明による漏洩検出器システムが、シャワーユニットに関連して設置されている場合には、電流は、例えばシャワーシーケンスが実行されている時などに、送出されてもよい。その上、別の例では、シャワーの例において有効であるだけではなく、設定された動作スケジュールは、また、充電ユニットからセンサユニットへと、「要求」を送信するタイミングを決定することもできる。例えば、夏のコテージでは、本発明によるシステムは、例えばメインの取水口が起動された信号に基づいてなどのように、水が消費された時にのみ要求を行うように、設定されてもよい。
【0015】
上記から理解されるように、本発明の一実施形態によれば、漏洩検出器システムは、センサユニットに対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、センサユニットの送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている。その上、上記で示唆したように、本発明の一実施形態によれば、受信機ユニットと充電ユニットとは、1つの同じユニットである。
【0016】
また、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、シャワーユニットが操作されて水がシステム内へと供給された時などのあるいは同種の時などの別の外部事象の存在に基づいて、センサユニットに対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、センサユニットの送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている。上述したように、漏洩検出器システムのうちの、センサユニットに対して信号を送信するように構成されたユニットは、漏洩検出器システムの充電ユニットであってもよい。
【0017】
その上、上記で示唆したように、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、充電ユニットは、データを送信するために、wifi接続を有して構成されている。
【0018】
また、本発明による実際の水分センサのために使用される技術は、異なるものであってもよい。本発明によれば、任意のタイプの低電力無線短距離データ通信を、使用することができる。本発明の1つの具体的な実施形態によれば、水分センサは、近距離無線(NFC)センサ、いわゆるNFCタグ(Rfid)、である。電界がセンサ上に提供された時には、NFCタグは、識別子等を有したデータを送信してもよい。センサが信号を返信するのを停止した場合には、その時点で、アラームが、活性化されてよく、送出されてもよい。その上、センサユニットは、また、追加的な構成要素を含んでもよい。一例として、1つの具体的な実施形態によれば、センサユニットは、温度センサをさらに含む。
【0019】
本発明による漏洩検出器システムは、多くの異なる場所に組み込まれてもよく、実際、水漏れのリスクがある場所であればどこでも、本発明による漏洩検出器システムにとっては、潜在的に好適な場所である。そのような好適な場所の1つは、床排水ユニットに対して近接した場所である。したがって、本発明の1つの具体的な実施形態によれば、水分センサは、例えばシャワーの床排水ユニットに対して近接した場所などにおいて、床排水ユニットに対して近接して、水分バリアの密閉されたサイドに配置されている。
【0020】
その上、本発明によるセンサユニットは、センサワイヤを含んでもよい。このようなセンサワイヤは、例えば、床排水ユニットの周囲に配置されさてもよく、これにより、床排水ユニット全体の周囲において検出が行われてもよい。よって、漏洩が検出された場合には、その漏洩がどこに位置するのかを、あるいは少なくとも漏洩発生源の方向を、知ることができる。また、本発明によれば、センサワイヤは、供給チューブの周囲に配置されるようにして、使用されてもよい。チューブが最も頻度の高い漏洩発生源であるため、これを使用することにより、漏洩を極めて早期に検出することが可能である。
【0021】
また、漏洩検出器システムは、他のユニットをさらに含んでもよい。1つの具体的な実施形態によれば、水分センサと包囲材料との間には、保護ホルダが配置されている。これを使用することにより、センサユニットのいくつかの設置を簡略化することができ、よって、全体的設置手順時にこれらが封入されることを確保することができる。
【0022】
また、本発明は、上述したように、例えばコンクリートなどの床材上に配置され、そして、スクリード層内に埋設され、さらに、スクリード層上に配置された水分バリアを有した、漏洩検出器システムをも、対象としている。
【0023】
その上、さらに別の具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、少なくとも2つの水分センサを含む。これは、冗長性を増加させ得るものであり、その結果、誤警報のリスクを低減させ得る。
【0024】
本発明は、いくつかの利点を提供する。非限定的な例としては、既存のシステムと比較して、センサユニットのために必要なサイズが小さくて済むことであり、また、システムの動作を長時間にわたって維持するためのエネルギ需要が少なくて済むことである。本発明は、効率的なエネルギ使用を有した通信システムを提供するものであり、BLEが可能な一例である。その上、本発明は、一例として、オンデマンド検出を使用した効率的な計画的データ送信を提供する。これらの利点は、必要なスペースの観点で要求がなくかつバッテリ時間が10年超にわたって持続するという解決策を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1には、本発明による漏洩検出器システム1の一実施形態が示されている。漏洩検出器システム1は、水分センサ20を含んでいるセンサユニット2を含む。注目すべきことは、この場合、センサユニット2が、また、充電ユニット10によって充電されるスーパーキャパシタをこの場合に好適に含んだユニットである「マザーユニット」を、含むことである。このような代替手段が、図2aおよび図2bに見られるように、また、ノードもしくは同種のものを有した複数の水分センサ20またはセンサワイヤを含んでもよいことに、留意されたい。また、センサユニット2のみを、水分センサ20と充電機能等を有した1つの単一ユニットとして組み込むことも、可能である。
【0026】
漏洩検出器システム1は、また、包囲材料3を含み、この場合、包囲材料3は、水分バリア4の一部である。また、上記で示唆したように、この実施形態では、漏洩検出器システム1は、また、充電ユニット10を含む。充電ユニット10は、センサユニット2を充電するものであって、センサユニット2は、識別子および水分アラームの有無に関する信号を、充電ユニット10に送り返してもよい。その後、充電ユニット10から、このデータが、クラウドに対して、またはモバイルデバイスに対して、または同種のものに対して、送信されてもよい。
【0027】
注目すべきことは、この実施形態では、漏洩検出器システム1が床排水ユニット5と関連して配置されていることである。
【0028】
その上、例えばコンクリートなどの床材7と、スクリード8と、が示されている。
【0029】
また、図2aおよび図2bでは、本発明による漏洩検出器システム1の別の実施形態が示されており、この場合も、床排水ユニット5と関連して配置されている。この具体的な場合には、センサユニット2は、床排水ユニット5の周囲に配置されたセンサワイヤを含む。よって、水分が検出された場合には、床排水ユニット5の周囲の漏洩方向も決定し得ることとなる。
【0030】
図3には、本発明のさらに別の具体的な実施形態が示されている。この場合、センサユニット2が、水分センサ20と包囲材料3との間に配置された保護ホルダ6によって保護されるという、代替手段が示されている。この場合、漏洩検出器システム1は、例えばコンクリートなどの床材7の上に配置され、スクリード8からなる層には、スクリード8からなる層の上に配置された水分バリア4が埋設されている。水分バリアの上には、モルタル、石膏、または接着剤が、配置され、そしてさらには、タイルまたは例えばカーペットの外面が適用される。
【0031】
本発明の第2態様
本発明の第2態様によれば、これは、センサユニットを含む漏洩検出器システムを含む床排水ユニットを指し、センサユニットは、水分センサと送信機とを含む。
【0032】
本発明による概念は、床排水ユニットのための、床排水ユニットの周囲に作製された水分バリアの意図された乾燥サイドに水分センサが配置されている構成において使用されることが意図されており、その場合、センサユニットは、水分バリア材料によって埋設されている。
【0033】
本発明の第2態様の具体的な実施形態
以下においては、本発明の具体的な実施形態について開示し、さらに説明する。
【0034】
本発明の1つの具体的な実施形態によれば、床排水ユニットは、水分センサを埋設するように構成された水分バリア材料と関連して配置されることが意図されている。
【0035】
1つの具体的な実施形態によれば、送信機は、水分バリア材料を通して信号を送信し得るように構成されている。
【0036】
また、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、バッテリを含む充電ユニットをさらに含み、充電ユニットは、センサユニットを充電し得るように構成されている。その上、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、センサユニットは、水分バリアの密閉されたサイドに配置され、充電ユニットは、水分バリアの他のサイドに配置されている。そのような例の1つが、図1に示されている。このような配置による1つの利点は、例えばバッテリなどの何かの部材を交換しなければならない場合などに、ユーザが充電ユニットに対して容易にアクセスし得ることである。
【0037】
センサユニットの充電が、本発明においては、異なる手段によって達成され得ることに留意されたい。一例は、センサユニットに、1つまたは複数の圧電素子を設けることである。例えばコンクリートと上部材料との間の温度差から得られる変形などの、材料内のわずかな変形が、1つまたは複数の圧電素子を起動するための駆動力として使用されてもよい。
【0038】
その上、しかしながら、センサユニットと充電ユニットとの間の接続が、本発明においては、異なる態様で提供され得ることにも留意されたい。1つの具体的な実施形態によれば、充電ユニットとセンサユニットとの間は、配線で接続される。このような場合、配線は、水分バリアの一部として設けられてもよく、例えば、電源コンセントの内部に配置された充電ユニットに対して接続されてもよい。このような場合、充電ユニットは、電源コンセントに対しての接続により、充電されてもよい。
【0039】
本発明の別の実施形態によれば、充電ユニットとセンサユニットとの間は、無線で接続され、好ましくは、キー充電技術が適用されている。キー充電技術は、例えばインダクタンスによって提供されてもよい。
【0040】
また、センサユニットは、好適には、充電可能なバッテリまたはスーパーキャパシタを含む。この場合、これは、充電ユニットによって充電されてもよい。また、1つの具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、ブルートゥース低エネルギ(BLE)技術を使用して構成されている。BLEは、好適には、充電ユニットから受信機への代替手段として使用することができる、あるいは、また、センサユニット構成要素と別のセンサ構成要素との間においても、またはセンサユニットと充電ユニットとの間においても、使用することができる。
【0041】
その上、さらに別の具体的な実施形態によれば、センサユニットは、センサユニットの送信機から送信されたデータを転送するように構成されたネットワークブリッジに対して、接続されている。上記に関連して、本発明による1つの好適な代替手段が、充電ユニットがデータ送信機としても機能することであることに、留意されたい。このような場合、充電ユニットは、好適には、wifi接続を有し、その場合、センサユニットから受信したデータを、クラウドに対して、またはモバイルデバイスに対して、または同種のものに対して、送信してもよい。よって、ユーザは、容易な態様で、リアルタイムデータを受信することができる。
【0042】
本発明による水分センサは、異なるタイプのものであってもよい。一実施形態によれば、水分センサは、受動的センサであり、好ましくは、水分に対して接触した時に活性化される。受動的センサユニットは、本発明によれば、異なる態様で使用されてもよい。一例として、制御システムが何らかのデータを収集したいと決定した時には、充電ユニットからセンサユニットへと、電流が送出されてもよい。これは、次に、別のユニットからの信号によって、操作されてもよい。一例として、本発明による漏洩検出器システムが、シャワーユニットに関連して設置されている場合には、電流は、例えばシャワーシーケンスが実行されている時などに、送出されてもよい。その上、別の例では、シャワーの例において有効であるだけではなく、設定された動作スケジュールは、また、充電ユニットからセンサユニットへと、「要求」を送信するタイミングを決定することもできる。例えば、夏のコテージでは、本発明によるシステムは、例えばメインの取水口が起動された信号に基づいてなどのように、水が消費された時にのみ要求を行うように、設定されてもよい。
【0043】
上記から理解されるように、本発明の一実施形態によれば、漏洩検出器システムは、センサユニットに対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、センサユニットの送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている。その上、上記で示唆したように、本発明の一実施形態によれば、受信機ユニットと充電ユニットとは、1つの同じユニットである。
【0044】
また、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、シャワーユニットが操作されて水がシステム内へと供給された時などのあるいは同種の時などの別の外部事象の存在に基づいて、センサユニットに対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、センサユニットの送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている。上述したように、漏洩検出器システムのうちの、センサユニットに対して信号を送信するように構成されたユニットは、漏洩検出器システムの充電ユニットであってもよい。
【0045】
その上、上記で示唆したように、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、充電ユニットは、データを送信するために、wifi接続を有して構成されている。
【0046】
また、本発明による実際の水分センサのために使用される技術は、異なるものであってもよい。本発明によれば、任意のタイプの低電力無線短距離データ通信を、使用することができる。本発明の1つの具体的な実施形態によれば、水分センサは、近距離無線(NFC)センサ、いわゆるNFCタグ(Rfid)、である。電界がセンサ上に提供された時には、NFCタグは、識別子等を有したデータを送信してもよい。センサが信号を返信するのを停止した場合には、その時点で、アラームが、活性化されてよく、送出されてもよい。その上、センサユニットは、また、追加的な構成要素を含んでもよい。一例として、1つの具体的な実施形態によれば、センサユニットは、温度センサをさらに含む。
【0047】
その上、本発明によるセンサユニットは、センサワイヤを含んでもよい。このようなセンサワイヤは、例えば、床排水ユニットの周囲に配置されさてもよく、これにより、床排水ユニット全体の周囲において検出が行われてもよい。よって、漏洩が検出された場合には、その漏洩がどこに位置するのかを、あるいは少なくとも漏洩発生源の方向を、知ることができる。
【0048】
また、漏洩検出器システムは、他のユニットをさらに含んでもよい。1つの具体的な実施形態によれば、水分センサと包囲材料との間には、保護ホルダが配置されている。これを使用することにより、センサユニットのいくつかの設置を簡略化することができ、よって、全体的設置手順時にこれらが封入されることを確保することができる。
【0049】
また、本発明は、上述したように、例えばコンクリートなどの床材上に配置され、そして、スクリード層内に埋設され、さらに、スクリード層上に配置された水分バリアを有した、漏洩検出器システムをも、対象としている。
【0050】
その上、さらに別の具体的な実施形態によれば、漏洩検出器システムは、少なくとも2つの水分センサを含む。これは、冗長性を増加させ得るものであり、その結果、誤警報のリスクを低減させ得る。
【0051】
本発明は、いくつかの利点を提供する。非限定的な例としては、既存のシステムと比較して、センサユニットのために必要なサイズが小さくて済むことであり、また、システムの動作を長時間にわたって維持するためのエネルギ需要が少なくて済むことである。本発明は、効率的なエネルギ使用を有した通信システムを提供するものであり、BLEが可能な一例である。その上、本発明は、一例として、オンデマンド検出を使用した効率的な計画的データ送信を提供する。これらの利点は、必要なスペースの観点で要求がなくかつバッテリ時間が10年超にわたって持続するという解決策を提供する。
【0052】
本発明の第2態様による条項
1.床排水ユニット(5)であって、センサユニット(2)を含む漏洩検出器システム(1)を含み、センサユニット(2)は、水分センサ(20)と送信機とを含む、床排水ユニット(5)。
【0053】
2.床排水ユニットは、水分センサ(2)を埋設するように構成された水分バリア材料(4)と関連して配置されることが意図されている、請求項1に記載の床排水ユニット(5)。
【0054】
3.送信機は、水分バリア材料(4)を通して信号を送信し得るように構成されている、請求項2に記載の床排水ユニット(5)。
【0055】
4.漏洩検出器システム(1)は、バッテリを含む充電ユニット(10)をさらに含み、充電ユニット(3)は、センサユニット(2)を充電し得るように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0056】
5.センサユニット(2)は、水分バリア(4)の密閉されたサイドに配置され、充電ユニット(10)は、水分バリア(4)の他のサイドに配置されている、請求項4に記載の床排水ユニット(5)。
【0057】
6.充電ユニット(10)とセンサユニット(2)との間は、配線で接続されている、請求項4または5に記載の床排水ユニット(5)。
【0058】
7.充電ユニット(10)とセンサユニット(2)との間は、無線で接続され、好ましくは、キー充電技術が適用されている、請求項4または5に記載の床排水ユニット(5)。
【0059】
8.センサユニット(2)は、充電可能なバッテリまたはスーパーキャパシタを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0060】
9.漏洩検出器システム(1)は、ブルートゥース低エネルギ(BLE)技術を使用して構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0061】
10.センサユニット(2)は、センサユニット(2)の送信機から送信されたデータを転送するように構成されたネットワークブリッジに対して接続されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0062】
11.水分センサは、受動的センサであり、好ましくは、水分に対して接触した時に活性化される、請求項1~10のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0063】
12.漏洩検出器システム(1)は、センサユニット(2)に対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、センサユニット(2)の送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0064】
13.受信機ユニットと充電ユニット(10)とは、1つの同じユニットである、請求項12に記載の床排水ユニット(5)。
【0065】
14.漏洩検出器システム(1)は、シャワーユニットが操作されて水がシステム内へと供給された時などのあるいは同種の時などの別の外部事象の存在に基づいて、センサユニット(2)に対して信号を送信することにより、測定を実行するように、さらに、センサユニット(2)の送信機から受信機ユニットへと測定データを送信するように、構成されている、請求項12または13に記載の床排水ユニット(5)。
【0066】
15.充電ユニット(10)は、データを送信するために、wifi接続を有して構成されている、請求項4~14のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0067】
16.水分センサ(2)は、近距離無線通信(NFC)センサである、請求項1~15のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0068】
17.センサユニット(2)は、温度センサをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0069】
18.センサユニット(2)は、1つまたは複数のセンサワイヤを含み、好ましくは、床排水ユニット(5)の周囲に配置された1つまたは複数のセンサワイヤを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0070】
19.センサユニット(2)と水分バリア材料(4)との間には、保護ホルダ(6)が配置されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0071】
20.漏洩検出器システム(1)は、例えばコンクリートなどの床材(7)上に配置され、そして、スクリード層(8)内に埋設され、さらに、スクリード層(8)上に配置された水分バリア(4)を有している、請求項1~19のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0072】
21.漏洩検出器システム(1)は、少なくとも2つの水分センサ(2)を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の床排水ユニット(5)。
【0073】
本発明の第3態様
本発明の第3態様によれば、これは、以下の特徴点を有した取水口監視ユニットを指す。
- 1つまたは複数の流量測定ユニット、
- 1つまたは複数の水質測定ユニット、
- 取水口監視ユニットを、家屋、アパート不動産、ホテル、または同種のもの、の取水口に対して接続可能とする、接続ユニット、および、
- 遮断弁または流路切換弁。
【0074】
「遮断弁または流路切換弁」という表現に関連して、取水口監視ユニットが、流れを、したがって潜在的な水漏れを、および水質を、測定する能力を有しており、弁を駆動することにより、閉塞し得るまたは開放し得る(または、開放したままとし得る)ことに言及しておくべきである。この駆動は、好適には、制御システムによって可能とされる。いくつかの例を挙げると、流量測定により漏洩の発生が示された場合、弁を閉塞することができ、これにより、例えば家庭内などの配水システム内へと水を流さないものとされる。これは、弁がいくつかの場合において遮断弁と見なされ得る理由でもある。別の潜在的なシステムでは、または補完的な特徴点として、その場合、水は、代わりに別のユニットへと切り換えられてもよい。例えば、低い水質が検出された場合には、水流は、そのような低い水質が許容され得るユニットへと向けられてもよく、例えばトイレを洗浄するために向けられてもよい。
【0075】
本発明による概念は、水流、水質、および/または温度などの、様々なパラメータを測定するためのユニットを対象とするものであり、これらのすべては、家屋、アパート不動産、ホテル、または同種のもの、内へと流入する水が様々な目的に関して使用するのに適しているかどうかに関連して、また、漏洩が存在するかもしくは将来的な漏洩に関して潜在的なリスクが存在するかに関連して、重要なデータを提供してもよい。これに基づいて、遮断弁は、また、意図しない流れが発生した場合に使用される重要な特徴点である。その上、水質が低い場合にも、取水口監視ユニットが、またはこれとリンクした制御ユニット/監視システムが、起動されてもよく、これにより、水を、トイレなどの特定の用途に対してのみ使用し得るものの、飲料水としては使用し得ないようにすることができる。その場合、アラーム機能により、水が飲料用には適さないが他の用途には使用可能であることを、使用者に対して知らせてもよい。
【0076】
本発明の第3態様の具体的な実施形態
以下においては、本発明の具体的な実施形態を開示して、さらに説明する。
【0077】
好適には、本発明による流入口監視ユニットには、ある種の通信が設けられている。本発明の1つの具体的な実施形態によれば、流入口監視ユニットは、ブルートゥース接続および/またはWi-Fi接続を含む。この点に関して、5G、GSM、または他のタイプなどの、他の形態も可能であることに留意されたい。
【0078】
また、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、流入口監視ユニットは、外部電源および/または内部バッテリを含む。後述するように、流入口監視ユニットは、好適には、制御システムまたはある種の操作システムを含む、あるいは、そのようなシステムに対して接続されている。制御システム内には、電源のいくつかの部材が、追加的にさらに設けられてもよい、あるいは、電源のいくつかの部材の代替として設けられてもよい。
【0079】
その上、流入口監視ユニットは、複数の異なるタイプのセンサを含んでもよい。したがって、本発明の1つの具体的な実施形態によれば、取水口監視ユニットは、温度センサをさらに含む。このセンサは、流入水の温度を、好適には冷水取水口の温度を、測定するために設けられてもよい。よって、これは、凍結リスクの増大に対するアラームとして、機能してもよい。その上、家庭または同種のものにおいて、冷水と温水とが混合器内へと流入する場合には、本発明による2つの流入口監視ユニットを、一方を冷水取水口に配置しかつ他方を温水取水口に配置した態様で、好適に設置し得ることに留意されたい。本発明による監視ユニットが、冷水取水口のみに配置されてもよく、この冷水が、ボイラ内で加熱されて温水が提供されてもよいことに、留意されたい。
【0080】
さて、可能なセンサへと戻る。1つの具体的な実施形態によれば、流入口監視ユニットは、また、周囲温度を測定するためのセンサを含む。この場合、このセンサは、チューブの外面の温度を測定し、これは、チューブに関する霜のリスクについての強い指標として機能してもよい。その上、温暖な気候では、このような周囲温度センサは、また、冷水が暖かすぎる場合のアラームとして、機能してもよい。これは、レジオネラ菌のアラームと見なされてもよい。一例を挙げると、飲料水出口またはシャワーユニットが、本発明による取水口監視ユニットに対して接続されている場合には、周囲温度を測定することは、または実際に冷水の温度を測定することは、この水が飲料またはシャワーに使用されることなくその代わりに廃棄系へと送出されることを確保するための警告機能として、機能してもよい。これは、制御システムによって直接的に処理されてもよい、あるいは、特定の使用者に対して知らせるための警告機能としてのみ機能してもよい。
【0081】
その上、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、1つまたは複数の水質測定ユニットは、水に関して好ましくは電気伝導度(EC)などの伝導度を測定する少なくとも1つのセンサ、または濁度センサ、またはこれらの組合せ、である。EC値は、水質の指標として使用されてもよい。ここで水質を測定することは、貴重なビッグデータの使用を提供するためであってもよく、また、特定の使用者に対する水質表示を提供するため、あるいは、例えば水循環ユニットや例えば循環シャワーなどのそれに依存したユニットに対する較正を提供するため、であってもよい。組み込むべき別の可能なセンサは、1つまたは複数のバイオセンサである。異なるタイプの水特性を測定し得るセンサの使用は、本発明によるユニットでは、興味深いことであり得る。導電性は、そのような1つであるけれども、他のものも、あり得る。
【0082】
また、本発明の1つの具体的な実施形態によれば、1つまたは複数の流量測定ユニットは、1つの低流量計と、1つの高流量計と、である。低流量域の流量計と高流量域の流量計とをそれぞれ組み込むことは、水流に対する広い測定範囲を確保するための方法である。また、本発明によれば、圧力を利用して動作する低流量計が使用されてもよい。
【0083】
本発明による取水口監視ユニットは、警報/アラームシステムとして機能してもよい。上記で示唆したように、このアラーム機能は、チューブにとって非常に問題となり得る霜/凍結というリスクを対象としてもよい。その上、例えばEC測定などからの低水質も、また、アラーム指標であり得る。また、流量に関して、流量は、本発明による方法に関連して後述するように、瞬時的な消費挙動と経時的な消費挙動との比較を可能にするために使用されてもよい。通常的に検出される消費量から明らかに外れた消費挙動が検出された時には、これは、どこかに漏洩が存在することを示し得る。このことは、本発明による取水口監視ユニットが、水漏れ検出機能をも有してもよいことを意味する。また、更なる他のパラメータを測定することにより、そのようなパラメータを、単一の指標として、あるいは、他の指標と共に使用される複数の指標として、使用し得ることに留意されたい。一例は、チューブ内の圧力降下を測定することである。これは、また、漏洩の指標として、あるいは、問題のある何かに関する指標として、機能してもよい。
【0084】
また、取水口監視ユニットは、他の手段または他のユニットを含んでもよい。本発明の1つの具体的な実施形態によれば、取水口監視ユニットは、ブルートゥース接続とWi-Fi接続との両方を含む。その上、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、取水口監視ユニットは、外部電源と、電源遮断時に接続を維持するために電力を供給するバッテリと、を含む。
【0085】
その上、本発明は、また、家庭内での水使用を意図した配水システムをも対象とするものであり、配水システムは、本発明による少なくとも1つの取水口監視ユニットを含む。上記で示唆したように、本発明の1つの具体的な実施形態によれば、冷水供給から温水供給を提供するために、流水ボイラが設けられている。その上、本発明による取水口監視ユニットは、冷水供給と水供給とに別々に設けられてもよい。したがって、本発明の1つの具体的な実施形態によれば、配水システムは、温水取水口用の本発明による1つの取水口監視ユニットと、冷水取水口用の本発明による1つの取水口監視ユニットと、を含む。別々の監視ユニットが設置される場合には、完全な消費プロファイルが測定されて評価され得るように、それらが互いに通信し得ることが興味深い。
【0086】
また、本発明は、潜在的な漏洩または進行中の漏洩を検出するための方法をも対象とするものであり、この方法は、1つまたは複数の水使用ユニット内における水使用とリンクした、本発明による取水口監視ユニットにおける経時的な流量挙動を監視することを含む。この方法は、監視ユニットが瞬時データを使用者プロファイルと比較し、消費挙動が正常でないと見受けられた場合には漏洩を示しているという一種のAIアプリケーションと見なされてもよい。
【0087】
本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、方法は、特定の流量挙動を経時的な流量挙動と比較することを含み、経時的な流量挙動と比較して特定の流量挙動に差が存在する場合には、使用者に対してアラームを送出することを含む。一例を挙げると、これは、経時的な水の消費量を測定するとともに、例えば家庭またはホテルまたは同種のものなどで、異なる期間を比較することにより、駆動され得る。
【0088】
その上、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、この方法は、周囲温度を測定することをさらに含み、霜のリスクまたはレジオネラ菌の増殖リスクが存在する時にはアラームを送出し得ることを含む。
【0089】
本発明による流入口監視ユニットに関して、以下のことにも言及し得る。機械学習は、大部分の用途に関する技術として使用することが、非常に好適である。いくつかの例を挙げると、大部分の蛇口は、同じ流量/圧力降下プロファイルを有し、トイレは、同じタイプ/サイズの貯水槽および洗浄量を有し、洗濯機は、同じ流量を有し、シャワーユニットは、時間的に同じ流速を有する、等々である。よって、制御ユニット/測定システムは、異なるユニットで使用される流量および/または体積の測定に基づいてのみ、そのようなすべての入力に基づいて使用者プロファイルを設定してもよい。これを流入口監視ユニットとリンクさせることで、アラーム/警報システムとして機能してもよい。使用量が通常の消費プロファイルと相関していないことが明らかな時には、レッドフラグが提供されてもよい。例としては、漏水が挙げられるが、蛇口から滴り落ちていることも、レッドフラグ警報を提供すべきそのような挙動であり得る。
【0090】
当然のことながら、複数のユニットが同時に使用される時には、それはより困難ではあるが、本発明によるシステムは、時間経過につれてこの挙動を学習することもできる。一例として、本発明によるシステムが、初回に特定の挙動をレッドフラグとすることがあったとしても、その特定の事象が漏洩を示すべきものでなかったことが通知された場合には、そのような挙動が生じた2回目には、システムは、これを認識してもよい。
【0091】
上記に基づき、水の使用プロファイルが明確に規定されたユニットが多ければ多いほど、監視システム全体として、より良好な設定が得られ得ることに、留意されたい。本発明による制御および/または監視システムにおいて使用されるソフトウェアは、そのような場合、より早く完全に動作するようになり、他の場合には、時間をかけて特定のことを学習する必要がある。これに関連して、ある使用者が、異なるアプリケーションを、本発明による制御および/または監視システムとリンクさせ、始動段階において、使用者が好適にアプリケーションを制御および/または監視システムに向けて実行し、これにより、すべてが最初に設定されることにも、言及し得る。これが1つの可能な始動手順であり得るだけでなく、他のより自動的で直接的な態様も完全に可能であることに、留意されたい。
【0092】
その上、本発明のさらに別の具体的な実施形態によれば、水質を経時的に測定するために、本発明による取水口監視ユニットを使用することを含む方法が提供される。
【0093】
本発明の第3態様に関連した図4の詳細な説明
図4には、本発明による流入口監視ユニット60に関する1つの可能な実施形態が示されている。この場合、ユニット60は、冷水取水口のところに設けられている。この場合、ユニット60には、以下の機能が設けられている。
- 実際の流量(低流量および高流量)を監視すること、
- 周囲温度および/または水温を監視すること、
- 例えばビッグデータ目的で使用するあるいは特定の水使用者ユニットの較正に使用するなどのために、水の導電率を監視すること、
- 意図しない流量が発生した場合に、遮断弁または流路切換弁を関与させること、
- ブルートゥース接続および/またはWi-Fi接続を有すること、
- 外部電源を有すること、
- 電源遮断時に接続を維持するために電力を供給するバッテリ駆動を有すること。
【0094】
本発明の第3態様による条項
1.取水口監視ユニット(60)であって、
- 1つまたは複数の流量測定ユニットと、
- 1つまたは複数の水質測定ユニットと、
- 取水口監視ユニット(60)を、家屋、アパート不動産、ホテル、または同種のもの、の取水口に対して接続可能とする、接続ユニットと、
- 遮断弁または流路切換弁と、を含む、取水口監視ユニット(60)。
【0095】
2.ブルートゥース接続および/またはWi-Fi接続をさらに含む、請求項1に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0096】
3.外部電源および/または内部バッテリをさらに含む、請求項1または2に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0097】
4.取水口監視ユニット(60)は、温度センサをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0098】
5.取水口監視ユニット(60)は、周囲温度を測定するためのセンサをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0099】
6.1つまたは複数の水質測定ユニットは、水の導電率および/もしくは濁度を測定する少なくとも1つのセンサである、および/または、バイオセンサである、請求項1~5のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0100】
7.1つまたは複数の流量測定ユニットは、1つの低流量計と、1つの高流量計と、である、請求項1~6のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0101】
8.取水口監視ユニット(60)は、ブルートゥース接続とWi-Fi接続とを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0102】
9.取水口監視ユニット(60)は、外部電源と、電源遮断時に接続を維持するために電力を供給するバッテリと、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)。
【0103】
10.家庭内での水使用を意図した配水システムであって、配水システムは、請求項1~9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの取水口監視ユニット(60)を含む、配水システム。
【0104】
11.冷水供給から温水供給を提供するために、流水ボイラが設けられている、請求項10に記載の配水システム。
【0105】
12.家庭内での水使用を意図した配水システムであって、配水システムは、温水取水口用の請求項1~9のいずれか一項に記載の1つの取水口監視ユニット(60)と、冷水取水口用の請求項1~9のいずれか一項に記載の1つの取水口監視ユニット(60)と、を含む、配水システム。
【0106】
13.潜在的な漏洩または進行中の漏洩を検出するための方法であって、1つまたは複数の水使用ユニット内における水使用とリンクした、請求項1~9のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)における経時的な流量挙動を監視することを含む、方法。
【0107】
14.方法は、特定の流量挙動を経時的な流量挙動と比較することを含み、経時的な流量挙動と比較して特定の流量挙動に差が存在する場合には、使用者に対してアラームを送出することを含む、請求項13に記載の方法。
【0108】
15.方法は、周囲温度を測定することをさらに含み、霜のリスクまたはレジオネラ菌の増殖リスクが存在する時にはアラームを送出し得ることを含む、請求項13または14に記載の方法。
【0109】
16.方法であって、水質を経時的に測定するために、請求項1~9のいずれか一項に記載の取水口監視ユニット(60)を使用することを含む、方法。
図1
図2A
図2B
図3
図4
【国際調査報告】