(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】PYY化合物とN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/22 20060101AFI20221006BHJP
C07K 14/575 20060101ALI20221006BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20221006BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221006BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221006BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20221006BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A61K38/22
C07K14/575 ZNA
A61P3/04
A61P3/10
A61K9/20
A61K47/12
A61K47/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507487
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2020072137
(87)【国際公開番号】W WO2021023817
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヴェッゲ
(72)【発明者】
【氏名】ビアギッテ・シュレルプ・ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】ビアギッテ・ニスン
(72)【発明者】
【氏名】セーレン・ウスタゴー
(72)【発明者】
【氏名】ベティ・ロムシュタイン・ペデルセン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC21
4C076DD41
4C076DD52
4C076FF01
4C076FF33
4C076GG14
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4C084BA08
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4C084BA23
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4C084DB37
4C084MA35
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4C084ZC351
4C084ZC352
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA18
4H045BA50
4H045BA55
4H045CA40
4H045DA30
4H045EA20
4H045EA50
(57)【要約】
本発明は、PYY化合物とN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物、およびそれらの医薬品における使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
d)0.5~100mgのPYY化合物と、
e)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
f)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
前記ステアリン酸マグネシウムが、前記組成物の賦形剤の1~5パーセント(w/w)を構成し、
前記N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、前記組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
【請求項2】
前記ステアリン酸マグネシウムが、前記組成物の賦形剤の2~4パーセント(w/w)を構成する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ステアリン酸マグネシウムが、前記組成物の賦形剤の2~2.5パーセント(w/w)を構成する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ステアリン酸マグネシウムが、前記組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記PYY化合物が、hPYY(3-36)(配列番号2)と比較して最大10個のアミノ酸修飾を有し、かつ、
i)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置にリジン、
ii)hPYY(1-36)(配列番号1)の30位に対応する位置にトリプトファン、
iii)hPYY(1-36)(配列番号1)の31位に対応する位置にロイシン、
iv)hPYY(1-36)(配列番号1)の28位に対応する位置にチロシンおよび/またはhPYY(1-36)(配列番号1)の22位に対応する位置にイソロイシン、ならびに
v)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置に前記リジンのイプシロンアミノ基に結合された修飾基を含み、
前記修飾基が、A-[B]r-C-またはA-[B]r-C-[B]wによって定義され、式中、
A-が、Chem.1およびChem.2
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
Chem.2:HO3S-(CH2)q-CO-*
(式中、pが、14~18の範囲の整数であり、qが、15~17の範囲の整数である)
から選択され、
B-が、Chem.3
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-]-*
であり、
rが、1~3の範囲の整数であり、
wが、1~3の範囲の整数であり、
C-が、不在であるか、またはChem.4およびChem.5
Chem.4:*[NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]s-O-(CH2)t-CO-]u-*
Chem.5:*[NH-(CH2)v-CO-]x-*
(式中、sが、1~3の範囲の整数であり、tが、1~3の範囲の整数であり、uが、1~4の範囲の整数であり、vが、3~7の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数である)
から選択され、
ここで、*が、結合点を示し、A、B、およびCが、アミド結合を介して相互接続され、前記配列中では前記結合点を介して示され、
あるいは、前記PYY化合物の薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルであり、
前記修飾基がA-B-C-Bである場合、Cは不在であることができない、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記PYY化合物が、化合物4、20、または32である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
セマグルチドまたはGLP-1作動薬Aから選択される0.5~20mgのGLP-1受容体作動薬をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記組成物が、経口投与用の、錠剤などの固形組成物である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
医薬品における使用のための、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
糖尿病および/または肥満の治療および/または予防における使用のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチドチロシンチロシン(PYY)化合物とN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含む固形組成物、およびそれらの医薬品における使用に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
「190071EP01 SEQ_ST25」と題される配列表は、16.442バイトであり、2019年7月5日に作成され、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
PYYは、遠位小腸および結腸のL細胞から食事中に放出される。PYYは、胃腸(GI)管において末梢作用を有することが公知であり、また満腹シグナルとして中枢的に作用する。PYYは、C末端アミドを有する36アミノ酸ペプチド(PYY(1-36))として天然に分泌されるが、循環PYYの約50%を構成するPYY(3-36)に切断される。分解に関与する酵素は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)である。PYY(3-36)は、プロテアーゼおよび他のクリアランス機構によって急速に除去される。PYY(3-36)の半減期は、ブタにおいて30分未満であると報告されている。したがって、PYYは、最適ではない薬物動態特性を示し、ペプチドを少なくとも1日2回投与しなければならないことを意味する。
【0004】
PYY(1-36)は、Y1、Y2、およびY5受容体を非常に少ない選択性で活性化し、Y4受容体はわずかに少ないが、DPPIV処理したPYY(3-36)は、Y1、Y4、およびY5受容体よりもY2受容体の選択性の増加を示すが、一部のY1およびY5の親和性は保持される。Y2受容体活性化は、食欲および食物摂取量を減少させることが公知であるが、一方で、Y1およびY5受容体活性化は、食欲および食物摂取量の増加をもたらす。さらに、Y1およびY5受容体活性化は、血圧の増加をもたらし得る。
【0005】
PYY(3-36)は、動物モデルおよびヒトにおけるこれらのペプチドのある特定の実証された効果、ならびに肥満の人々がPYYの低い基底レベルと、このペプチドのより低い食事応答とを有するという事実に基づいて、肥満および関連疾患の治療における使用のために提案されている。さらに、Y2受容体作動薬は、胃腸(GI)管において抗分泌効果および吸収促進効果を有することが実証されている。いくつかのGI障害の治療におけるY2受容体作動薬の潜在的な使用が示唆されている。
【0006】
例えば、Zuckerラットおよび食事誘発肥満(DIO)マウスY2選択的PYY(3-36)類似体における実証された効果に基づくと、グルコース代謝にプラスの効果を有し、したがって、糖尿病の治療に使用されることが示唆される。WO2011/058165、WO2015/071355、およびWO2016/198682は、遅延性の薬物動態特性を有するY2選択的受容体作動薬の例を開示している。
【0007】
PYY(3-36)は、他のペプチドと組み合わされて、例えば、GLP-1(7-36)と組み合わされて投与され、肥満および糖尿病の治療に対して有望な結果を示している(Schmidt et al.,Am J Physiol Endocrinol Metab,306:E1248-E1256,2014)。
【0008】
ヒトPYYおよびその類似体は、低い経口バイオアベイラビリティを有する。ヒトPYYおよびその類似体は、ある特定の吸収促進剤と共に特定の量で製剤化された場合、経口投与後に血漿中でのみ検出され得る。
【0009】
Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92,810-817)は、PYY(3-36)と、150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)とを含む錠剤、ならびにまた150mgのSNACを含むGLP-1(7-36)およびPYY(3-36)の組み合わせを含む錠剤の経口投与を開示している。WO2004/104018およびWO2006/017251は、それぞれ、錠剤の形態で、または頬側投与のために、SNACを送達剤として使用するPYY(3-36)の経口投与について記載している。GLP-1受容体作動薬セマグルチドは、経口バイオアベイラビリティを有する錠剤を得るためにSNACを用いて製剤化されている(WO2012/080471およびWO2013/139694)。
【0010】
これらの所見にもかかわらず、経口投与用の最適化された医薬組成物の必要性が依然として存在し、この組成物は、PYY化合物を含み、任意選択でGLP-1受容体作動薬と組み合わされている。
【発明の概要】
【0011】
一態様では、本発明は、PYY化合物と、吸収促進剤または送達剤とを含む、組成物に関する。一実施形態では、本発明による組成物の賦形剤は、非常に高い含量の送達剤と、最小限の含量の本明細書に記載されるさらなる賦形剤とを含む。提供される組成物は、促進された溶解を示し、活性医薬成分のより迅速な取り込みを可能にする。
【0012】
治療用ペプチドの経口投与は、GI系におけるそのようなペプチドの迅速な分解のために困難である。
【0013】
経口投与によるPYY化合物の促進された溶解および吸収を提供する医薬組成物が本明細書に記載される。したがって、セマグルチドについて取得された過去のデータに基づいて、経口投与によるPYY化合物の曝露の改善が予測される。本発明者らは、驚くべきことに、組成物の賦形剤が、非常に高い含量の吸収促進剤と最小限の含量の任意のさらなる賦形剤とを含む場合、PYY化合物の溶解が増加することを発見した。
【0014】
一態様では、本発明は、総組成物に対する、または特に組成物の他の賦形剤に対する、送達剤の重量比が非常に高い組成物に関する。
【0015】
一実施形態では、本発明は、PYY化合物と、SNACなどの送達剤および/または吸収促進剤とを含み、送達剤/吸収促進剤は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物に関する
【0016】
一実施形態では、本発明は、PYY化合物と、SNACなどの送達剤および/または吸収促進剤とを含み、送達剤/吸収促進剤は、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物に関する。
【0017】
追加の実施形態では、組成物は、潤滑剤をさらに含む。
【0018】
一態様では、本発明は、例えば、糖尿病および/または肥満の治療のための、医薬品における使用のための本発明の組成物に関し、当該組成物は、経口投与される。
【0019】
一態様では、本発明は、糖尿病または肥満の治療方法であって、この方法は、その治療を必要とする患者に、本明細書で定義される組成物を投与することを含み、当該組成物は、錠剤であり、経口投与される、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、試験組成物1と比較して、試験組成物2および試験組成物3のPYY化合物4の高速溶解(放出)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一態様では、本発明は、PYY化合物と、吸収促進剤または送達剤とを含む組成物に関する。組成物は、錠剤、小袋、またはカプセルなど、経口投与に好適な形態であってもよい。一実施形態では、組成物は、経口組成物、または経口医薬組成物などの医薬組成物である。
【0022】
一実施形態では、本発明による組成物は、高い含量の送達剤と、最小限の含量の本明細書の以下に記載されるさらなる賦形剤とを含む。提供される組成物は、促進された溶解を示し、それによって活性医薬成分の迅速かつ効率的な取り込みを可能にする。
【0023】
PYY化合物
本明細書で使用される「hPYY(1-36)」という用語は、ヒトペプチドYYを指し、その配列は配列表に配列番号1として含まれる。配列番号1の配列を有するペプチドはまた、天然hPYYと称され得る。
【0024】
本明細書で使用される「PYY化合物」という用語は、hPYY(1-36)のバリアントであるペプチド、または化合物を指す。本明細書で使用される「PYY化合物」という用語はまた、hPYY(3-36)(配列番号2)のバリアントであるペプチド、または化合物を指し得る。本明細書で使用される「PYY化合物」という用語はまた、hPYY(4-36)(配列番号29)のバリアントであるペプチド、または化合物を指し得る。いくつかの実施形態では、「バリアント」という用語は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加、および/または挿入を含む化合物を指す。
【0025】
本組成物中に含まれるPYY化合物のC末端は、それぞれ、天然のhPYY(1-36)(配列番号1)、hPYY(3-36)(配列番号2)、およびhPYY(4-36)(配列番号29)のC末端であるため、アミドである。
【0026】
本組成物に含まれるPYY化合物は、PYY類似体および/またはその誘導体であり得る。
【0027】
「PYY類似体」という用語は、hPYY(1-36)と比較して、骨格に少なくとも一つのアミノ酸修飾が存在する、PYY化合物に使用される。
【0028】
「PYY誘導体」という用語は、共有結合した少なくとも一つの非アミノ酸置換基を含むPYY化合物に使用される。したがって、PYY誘導体は、PYY類似体、およびそれゆえ、骨格に少なくとも一つのアミノ酸修飾と、共有結合した少なくとも一つの非アミノ酸置換基とを含むPYY化合物の誘導体である。
【0029】
本組成物中に含まれるPYY化合物は、hPYY(3-36)(配列番号2)と比較して、最大10個のアミノ酸修飾を含み得る。
【0030】
本出願全体を通して使用される「アミノ酸修飾」という用語は、hPYY(3-36)と比較して、アミノ酸に対する修飾の意味で使用される。この修飾は、アミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、またはあるアミノ酸を別のアミノ酸で置換することの結果であり得る。
【0031】
一態様では、本組成物中に含まれるPYY化合物は、WO2016/198682の実施例1(化合物1~63、65~71)およびその中に効力として記載されるそれらの生物学的データ(実施例2)、結合親和性(実施例3)、半減期(実施例4)、ならびにそれらの薬力学的データ(血中グルコースおよび食物摂取量に対する効果、実施例5)に記載されている。
【0032】
一態様では、本組成物中に含まれるPYY化合物は、i)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置にリジン、ii)hPYY(1-36)(配列番号1)の30位に対応する位置にトリプトファン、iii)hPYY(1-36)(配列番号1)の31位に対応する位置にロイシン、およびiv)hPYY(1-36)(配列番号1)の28位に対応する位置にチロシンを含み得、この態様のPYY化合物が、hPYY(1-36)(配列番号1)の7位、30位、28位、および31位に対応する位置でのこれらの修飾に加えて、hPYY(3-36)と比較して、最大6個のアミノ酸修飾を含み得ることを意味する。
【0033】
別の態様では、本組成物中に含まれるPYY化合物は、i)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置にリジン、ii)hPYY(1-36)(配列番号1)の30位に対応する位置にトリプトファン、iii)hPYY(1-36)(配列番号1)の31位に対応する位置にロイシン、iv)hPYY(1-36)(配列番号1)の28位に対応する位置にチロシン、およびv)hPYY(1-36)(配列番号1)の22位に対応する位置にイソロイシンを含み得、この態様のPYY化合物が、hPYY(1-36)(配列番号1)の7位、30位、22位、28位、および31位に対応する位置でのこれらの修飾に加えて、hPYY(3-36)と比較して、最大5個のアミノ酸修飾を含み得ることを意味する。
【0034】
一例として、[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(3-36)は、hPYY(3-36)と比較して6個のアミノ酸置換を含む。別の例として、[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)は、hPYY(3-36)と比較して6個のアミノ酸置換基および1個の欠失を含み、この化合物が、hPYY(3-36)と比較して7個のアミノ酸修飾を有することを意味する。
【0035】
本組成物中に含まれるPYY化合物は、i)変更されるアミノ酸残基に対応するhPYY(1-36)(配列番号1)中のアミノ酸残基(すなわち、hPYY(1-36)中の対応する位置)の数、およびii)実際の変化を参照することによって記載され得る。
【0036】
「~に同等の位置」または「対応する位置」という表現は、hPYY(1-36)を参照してバリアントPYY配列の変化部位を特徴付けるために使用される。
【0037】
概して、本出願全体を通して、PYY類似体の特定の位置について言及する場合、言及される位置は、hPYY(1-36)の特定の位置に対応するPYY類似体の位置である。
【0038】
配列表では、所与の配列の第1のアミノ酸残基には番号1が割り当てられている。これは、例えば、イソロイシンであるhPYY(3-36)の第1のアミノ酸残基は、配列表で番号1が割り当てられることを意味する。しかしながら、本出願全体を通して、この位置は、hPYY(1-36)の3位に対応する位置と呼ばれる。
【0039】
PYY化合物が、hPYY(1-36)のある特定の位置に対応する位置に特定のアミノ酸を含むという本出願全体を通して使用される表現は、その位置の天然アミノ酸が、その特定のアミノ酸で置き換えられていることを意味する。
【0040】
以下は、好適な類似体命名法の非限定的な例である。
【0041】
[Lys7,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(3-36)は、ヒトPYY(1-36)の類似体を指定し、7位の天然に存在するアラニンは、リジンで置換されており、28位の天然に存在するロイシンは、チロシンで置換されており、30位の天然に存在するロイシンは、トリプトファンで置換されており、31位の天然に存在するバリンは、ロイシンで置換されており、それぞれ、1位および2位のチロシンおよびプロリンは、欠失されている。同様に、[Lys7,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(3-36)もまた、ヒトPYY(3-36)の類似体を指定すると言うことができ、7位の天然に存在するアラニンは、リジンで置換されており、28位の天然に存在するロイシンは、チロシンで置換されており、30位の天然に存在するロイシンは、トリプトファンで置換されており、31位の天然に存在するバリンは、ロイシンで置換されている。
【0042】
以下は、PYY類似体の誘導体に好適な命名法の非限定的な例である。N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)は、hPYY(4-36)の類似体の誘導体を指定し、[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]は、PYY(1-36)の対応する位置を指す数で、ヒトPYY(4-36)と比較してアミノ酸変化を指定し、置換基3-メチルブタノイルは、N末端アミノ酸残基のアルファアミノ基に結合され、置換基[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]は、hPYY(1-36)中の7位に対応する位置でのリジンのイプシロンアミノ基に結合される。
【0043】
アミノ酸残基は、その完全な名称、1文字のコード、および/または3文字のコードによって識別され得る。これら3つの方法は、完全に同等である。
【0044】
一定の特定された変化を「含む」類似体は、hPYY(1-36)と比較したときに、さらなる変化を含み得る。一態様では、類似体は、特定された変化を「有する」。
【0045】
PYY類似体
PYY類似体は、いくつかのアミノ酸残基が、hPYY(1-36)またはhPYY(3-36)と比較したときに修飾されているPYY化合物である。これらの修飾には、置換、挿入、および/または欠失が単独でまたは組み合わせて含まれる。
【0046】
特定の態様では、本発明の組成物中に含まれるPYY類似体は、「非必須」アミノ酸残基の1つ以上の修飾を含む。本発明の文脈において、「非必須」アミノ酸残基は、改変され得る、すなわち、Y2受容体に対するPYY類似体の活性を消滅または実質的に減少させることなく、ヒトPYYアミノ酸配列内で欠失または置換され得る残基である。
【0047】
一態様では、アミノ酸は、保存的置換によって置換され得る。本明細書で使用される場合、「保存的置換」という用語は、1つ以上のアミノ酸を別の生物学的に類似した残基で置換することを意味する。例としては、類似する特徴物(characteristics)、例えば、小さなアミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸、および芳香族アミノ酸でのアミノ酸残基の置換が挙げられる。
【0048】
一態様では、本発明の組成物中に含まれるPYY類似体は、1つ以上の非天然アミノ酸および/または非アミノ酸、例えば、アミノ酸模倣体のPYY配列の中への置換を含み得る。
【0049】
一態様では、本発明の組成物中に含まれるPYY類似体は、ヒトPYYのアミノ酸配列から欠失された1つ以上のアミノ酸残基を単独でまたは1つ以上の挿入もしくは置換と組み合わされて有し得る。
【0050】
一態様では、本発明の組成物中に含まれるPYY類似体は、ヒトPYYのアミノ酸配列に挿入された1つ以上のアミノ酸残基を単独でまたは1つ以上の欠失および/もしくは置換と組み合わされて有し得る。
【0051】
一態様では、本発明のPYY類似体は、1つ以上の非天然アミノ酸および/または非アミノ酸のPYY配列への挿入を含み得る。
【0052】
「アミノ酸」という用語は、タンパク質原性(またはコードされたもしくは天然)アミノ酸(20の標準アミノ酸中)、ならびに非タンパク質原性(またはコードされていないもしくは非天然)アミノ酸を含む。タンパク質原性アミノ酸は、タンパク質の中へと天然に組み込まれるものである。標準アミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるアミノ酸である。非タンパク質原性アミノ酸は、タンパク質中に見出されないか、または標準細胞機構によって産生されないかのいずれかである(例えば、それらは、翻訳後修飾に供されていない場合がある)。非タンパク質原性アミノ酸の非限定的な例は、タンパク質原性アミノ酸のD異性体である。タンパク質原性アミノ酸のD異性体の一例は、アスパラギン酸のD異性体であり、これもD-Aspとして記述することができる。
【0053】
以下では、光学異性体が記載されていないときのPYY化合物のすべてのアミノ酸は、(別段の指定がない限り)L異性体を意味すると理解されるべきである。
【0054】
PYY誘導体
PYY化合物または類似体の文脈で、本明細書で使用される「誘導体」という用語は、1つ以上の置換基がペプチドに共有結合されている化学修飾PYYペプチドを意味する。
【0055】
本発明の一態様では、置換基は、N末端置換基であり得る。
【0056】
また、あるいは代替的に、一態様では、置換基は、修飾基であるか、あるいは代替的に、延長部分と呼ばれる場合がある。
【0057】
N末端置換基
本発明の一態様では、PYY化合物は、PYY化合物のN末端にあるアミノ酸残基のα-アミノ基に共有結合した置換基を含む。一態様では、hPYY(1-36)の1~3位に対応する位置でのアミノ酸残基は不在であり、N末端置換基は、hPYY(1-36)の4位に対応する位置でアミノ酸残基に共有結合される。
【0058】
一態様では、N末端置換基は、アルカノイル基である。一態様では、N末端置換基は、最大12個の炭素原子を含むアルカノイル基である。別の態様では、N末端置換基は、最大6個の炭素原子を含むアルカノイル基である。別の態様では、N末端置換基は、3-メチルブタノイルまたはアセチルから選択される。
【0059】
修飾基
一態様では、PYY化合物は、hPYY(1-36)の7位または10位に対応する位置でアミノ酸残基に共有結合された修飾基を含む。さらなる一態様では、置換基または修飾基は、タンパク質と非共有結合抱合体を形成する能力があり、それによって誘導体の血流内での循環を促進し、またPYY誘導体とアルブミンの抱合体は腎クリアランスにより緩慢にのみ除去されるという事実により、誘導体の作用時間を延長させる効果を有する。したがって、置換基、または修飾基は全体として、延長部分と呼ばれる場合がある。
【0060】
修飾基は、アシル化によって、すなわち、修飾基のカルボン酸基とリジン残基のイプシロンアミノ基との間に形成されたアミド結合を介して、PYYペプチドのリジン残基に共有結合され得る。リジンのアミノ基はまた、還元的アミノ化によって修飾基のアルデヒドに結合され得る。別の態様では、システインのチオール基は、マイケル付加により修飾基のマレイイミド基に結合され得るか、または求核置換により修飾基のクロロ-またはヨードアセチル基に結合され得る。
【0061】
一態様では、修飾基は、アシル化によって、すなわち、修飾基のカルボン酸基とリジン残基のイプシロンアミノ基との間に形成されたアミド結合を介して、hPYY(1-36)の7位または10位に対応する位置でリジン残基に共有結合される。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物中に含まれるPYY化合物は、WO2016/198682(実施例1)の化合物1~63、65~71から選択されるか、または本明細書の実施形態下で化合物1~63、65~71および配列番号3~28としてのペプチド骨格として封入されるPYY誘導体である。
【0063】
送達剤
本発明の組成物に使用される送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩であり、賦形剤として含まれる。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの構造式を式(I)に示す。
【化1】
【0064】
いくつかの実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、1つの1価陽イオン、2つの1価陽イオン、または1つの2価陽イオンを含む。いくつかの実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩から成る群から選択される。一実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩から成る群から選択される。一実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩である。一実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、ナトリウム塩またはアンモニウム塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの塩は、例えば、WO96/030036、WO00/046182、WO01/092206、またはWO2008/028859に記載される方法を使用して調製されてもよい。
【0065】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、結晶性であってもよく、かつ/または非晶質であってもよい。いくつかの実施形態では、送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の無水物、一水和物、二水和物、三水和物、溶媒和物、または水和物の3分の1(one third of a hydrate)、ならびにそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、送達剤は、WO2007/121318に記載されるように、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩である。
【0066】
いくつかの実施形態では、送達剤は、8-(サリチロイルアミノ)オクタン酸ナトリウムとしても公知である、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(本明細書では「SNAC」と呼ばれる)である。
【0067】
GLP-1受容体作動薬との組合せ
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、PYY化合物と組み合わされたGLP-1受容体作動薬をさらに含む。本明細書で使用される「GLP-1受容体作動薬」という用語は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化する化合物を指す。GLP-1受容体作動薬という用語、ならびに本明細書に記載される特定のGLP-1受容体作動薬はまた、その塩形態も包含することを意味する。
【0068】
その結果、GLP-1受容体作動薬は、「GLP-1活性」を示すべきであるということになり、これは、GLP-1受容体に結合し、シグナル伝達経路を開始し、当該技術分野で公知のようなインスリン分泌促進作用または他の生理学的効果をもたらす、化合物、すなわち、GLP-1類似体またはGLP-1類似体を含む化合物の能力を指す。いくつかの実施形態では、「GLP-1受容体作動薬」は、当該技術分野で公知の方法(例えば、WO98/08871を参照されたい)によって測定したときに1μM未満、例えば100nM未満の、例えば、親和性定数(KD)で、GLP-1受容体に結合するか、またはその効力(EC50)で受容体を活性化し、インスリン分泌促進活性を示し、ここで、インスリン分泌促進活性は、当業者に公知のインビボまたはインビトロアッセイで測定され得る。例えば、GLP-1受容体作動薬は、血糖が増加した動物(例えば、静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を使用して得られる)に投与されてもよい。当業者であれば、好適なグルコース投与量および好適な採血方法を決定し、例えば、IVGTTに関する動物種に応じて)、経時的な血漿インスリン濃度を測定することができるであろう。好適なアッセイは、WO2015/155151などに記載されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、任意選択で1つの置換基を含む、GLP-1類似体である。本明細書で使用される「GLP-1類似体」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))のバリアントである、ペプチド、または化合物を指す。GLP-1(7-37)は、配列HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号31)を有する。GLP-1(7-36)は、配列HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(配列番号30)を有する。いくつかの実施形態では、「バリアント」という用語は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加、および/または挿入を含む化合物を指す。
【0070】
一実施形態では、GLP-1受容体作動薬のC末端は、アミドである。いくつかの実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、GLP-1(7-37)アミドまたはGLP-1(7-36)アミドである。
【0071】
いくつかの実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、置換基を含み、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0072】
いくつかの実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)(配列番号32)としても公知のセマグルチドであり、これは、WO2006/097537の実施例4に記載されるように調製されてもよく、以下の構造を有する。
【化2】
【0073】
一実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、「GLP-1作動薬A」であり、これは、WO2012/140117の実施例31に示され、N-イプシロン27-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]、N-イプシロン36-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Glyと呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(配列番号33)であり、以下の構造を有する。
【化3】
【0074】
セマグルチドおよびGLP-1作動薬Aは、PCT出願第PCT/EP2019/052487号に記載されるようなSNAC製剤で製剤化されたときに、経口的に利用可能であることが示されている。
【0075】
一般に、「GLP-1受容体作動薬」という用語は、GLP-1受容体作動薬およびその任意の薬学的に許容可能な塩、アミド、またはエステルを包含するよう意図されている。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1受容体作動薬またはその薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1受容体作動薬および1つ以上の薬学的に許容可能な対イオンを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、WO93/19175、WO96/29342、WO98/08871、WO99/43707、WO99/43706、WO99/43341、WO99/43708、WO2005/027978、WO2005/058954、WO2005/058958、WO2006/005667、WO2006/037810、WO2006/037811、WO2006/097537、WO2006/097538、WO2008/023050、WO2009/030738、WO2009/030771およびWO2009/030774で言及されるGLP-1受容体作動薬のうちの1つ以上から選択される。
【0077】
組成物
本発明の組成物または医薬組成物は、本明細書で以下にさらに記載されるように、経口経路による投与に適した固体または乾燥組成物である。
【0078】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも一つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性治療成分または活性医薬成分(API)以外の任意の構成要素を広く指す。賦形剤は、薬学的に不活性な物質、非活性物質、および/または治療的もしくは医薬的に活性でない物質であり得る。
【0079】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、充填剤、結合剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、流量制御剤、結晶化抑制剤、可溶化剤、安定剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、乳化剤、もしくはそれらの組み合わせとして、ならびに/または治療活性物質もしくは活性医薬成分の投与および/もしくは吸収を改善するために、様々な目的を果たし得る。本明細書に記載されるように、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、送達剤として作用する賦形剤である。使用される各賦形剤の量は、当該技術分野の従来の範囲内で変化し得る。経口剤形を製剤化するために使用され得る技法および賦形剤については、Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th edition,Sheskey et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press,publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain(2017)、およびRemington:the Science and Practice of Pharmacy,22nd edition,Remington and Allen,Eds.,Pharmaceutical Press(2013)に記載されている。
【0080】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン)など、充填剤、例えば、セルロース粉末、微結晶性セルロース、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプンなど、潤滑剤および/または滑剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、トリベヘン酸グリセロールなど、流量制御剤、例えば、コロイダルシリカ、タルクなど、結晶化抑制剤、例えば、ポビドンなど、可溶化剤、例えば、プルロニック、ポビドンなど、着色剤、染料および色素、例えば、べんがらまたは鉄黄、二酸化チタン、タルクなどを含む、pH調整剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウムなど、界面活性剤および乳化剤、例えば、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシ化および水添ヒマシ油など、ならびにこれらの賦形剤および/またはアジュバントのうちの2つ以上の混合物から選択され得る。
【0081】
組成物は、結合剤、例えば、ポビドン、デンプン、セルロースおよびその誘導体、例えば、微結晶性セルロース、例えば、FMC(Philadelphia,PA)製のAvicel PH、Dow Chemical Corp.(Midland,MI)製のヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースMETHOCEL、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、ポリサッカライド、ならびにゼラチンを含んでもよい。結合剤は、乾燥結合剤および/または湿式造粒結合剤から成る群から選択されてもよい。好適な乾燥結合剤は、例えば、セルロース粉末および微結晶性セルロース、例えば、Avicel PH 102およびAvicel PH 200である。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 102などのAvicelを含む。湿式造粒または乾式造粒に好適な結合剤は、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、ならびにセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、組成物は、ポビドンを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、マンニトール、エリスリトール、スクロース、ソルビトール、リン酸カルシウム、例えば、カルシウム水素リン酸、微結晶性セルロース、粉末セルロース、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、およびデキストロースから選択され得る充填剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 101、Avicel PH 102、またはAvicel PH 200などの微結晶性セルロースを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、組成物は、潤滑剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、潤滑剤および/または滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、ベヘノイルポリオキシル-8グリセリド、ポリエチレンオキシドポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、水添植物油、二酸化ケイ素、および/またはポリエチレングリコールなどを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリル(ジエステル画分が優勢であるベヘン酸(C22)のモノ-、ジ-、およびトリエステルからなる、製品Compritol(登録商標)888 ATOなど)を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、組成物は、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または乾燥コーンスターチを含む。
【0085】
組成物は、1つ以上の界面活性剤、例えば、界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、または2つの異なる界面活性剤を含んでもよい。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分、および脂溶性(親油性)部分から構成される、任意の分子またはイオンを指す。界面活性剤は、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、および/または双性イオン界面活性剤から成る群から選択されてもよい。
【0086】
本明細書の実施例に示されるように、本発明の組成物は、非常に高い含量の送達剤を有する。この非常に高い含量は、活性医薬成分(すなわち、任意選択でGLP-1受容体作動薬と組み合わされた、PYY化合物)も含む錠剤の全含量に対して、または代替的に、活性医薬成分を除く賦形剤の全含量に対して定義され得る。本明細書の以下の説明はまた、特定の成分、PYY化合物、賦形剤、および任意選択でGLP-1受容体作動薬から成る組成物も指し、「から成る」という用語は、それでもなお、組成物の機能に影響を及ぼさない微量の任意の物質を包含すると理解されるべきであり、これはまた、「から本質的に成る」とも呼ばれる場合がある。そのような物質は、任意選択でGLP-1受容体作動薬からのPYY化合物の調製物、またはNACの塩の製造、または製剤の品質もしくは吸収に影響を与えない最小限の量(1%未満)の任意の薬学的に許容可能な賦形剤から残っている不純物であり得る。
【0087】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)または60パーセント超(w/w)を構成する。
【0088】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、当該組成物の70パーセント超(w/w)、例えば75パーセント超(w/w)、例えば80パーセント超(w/w)、例えば85パーセント(w/w)、例えば90パーセント超(w/w)を構成する。
【0089】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、当該組成物の少なくとも70パーセント(w/w)、例えば少なくとも75パーセント(w/w)、例えば少なくとも80パーセント(w/w)、例えば少なくとも85パーセント(w/w)、例えば少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。
【0090】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。
【0091】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも少なくとも91パーセント(w/w)、例えば少なくとも92パーセント(w/w)、例えば少なくとも93パーセント(w/w)、例えば少なくとも94パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0092】
一実施形態では、医薬組成物は、
c)PYY化合物、および
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩から成り、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。
【0093】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも少なくとも91パーセント(w/w)、例えば少なくとも92パーセント(w/w)、例えば少なくとも93パーセント(w/w)、例えば少なくとも94パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0094】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)賦形剤であって、賦形剤が、
i.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤である、賦形剤と、
c)任意選択でGLP-1受容体作動薬と、から成り、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。
【0095】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも少なくとも91パーセント(w/w)、例えば少なくとも92パーセント(w/w)、例えば少なくとも93パーセント(w/w)、例えば少なくとも94パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0096】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)GLP-1受容体作動薬と、
c)賦形剤であって、賦形剤が、
i.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤である、賦形剤と、から成り、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。
【0097】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも91パーセント(w/w)、例えば少なくとも92パーセント(w/w)、例えば少なくとも93パーセント(w/w)、例えば少なくとも94パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0098】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば、少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0099】
一実施形態では、医薬組成物は、
c)PYY化合物と、
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、から成り、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば、少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0100】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)任意選択でGLP-1受容体作動薬と、
c)賦形剤であって、賦形剤が、
i.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤であである、賦形剤と、から成り、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば、少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0101】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の60パーセント超(w/w)、例えば70パーセント超(w/w)、例えば75パーセント超(w/w)、例えば80パーセント(w/w)、または90パーセント超(w/w)を構成する。
【0102】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95パーセント(w/w)、例えば少なくとも96パーセント(w/w)、例えば少なくとも97パーセント(w/w)、または例えば少なくとも98パーセント(w/w)を構成する。
【0103】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)GLP-1受容体作動薬と、
c)賦形剤であって、賦形剤が、
i.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤である、賦形剤、とから成り、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば、少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0104】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の60パーセント超(w/w)、例えば70パーセント超(w/w)、例えば75パーセント超(w/w)、例えば80パーセント超(w/w)、または90パーセント超(w/w)を構成する。
【0105】
さらなるこのような実施形態では、NACの塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95パーセント(w/w)、例えば少なくとも96パーセント(w/w)、例えば少なくとも97パーセント(w/w)、または例えば少なくとも98パーセント(w/w)を構成する。
【0106】
上述のように、送達剤以外の賦形剤の含量は、本発明に従うものであり、好ましくは最小限である。一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの潤滑剤を含む。
【0107】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
c)少なくとも1つの潤滑剤と、を含むか、またはそれらから成る。
【0108】
このような実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリルであり得る。一実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、潤滑剤は、ジベヘン酸グリセリルである。
【0109】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、上述の組成物はさらに、当該塩が、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)または60パーセント(w/w)超を構成する組成物であってもよい。
【0110】
同様に、当該塩が、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)または60パーセント(w/w)超を構成する、上述の組成物はさらに、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する組成物であってもよい。
【0111】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)GLP-1受容体作動薬と、
c)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
d)少なくとも1つの潤滑剤と、を含むか、またはそれらから成る。
【0112】
このような実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはジベヘン酸グリセリルであり得る。一実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、潤滑剤は、ジベヘン酸グリセリルである。
【0113】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、上述の組成物はさらに、当該塩が、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)または60パーセント(w/w)超を構成する組成物であってもよい。
【0114】
同様に、当該塩が、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)または60パーセント(w/w)超を構成する、上述の組成物はさらに、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する組成物であってもよい。
【0115】
医薬組成物はさらに、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩から成る群から選択されるか、あるいはナトリウム塩およびカリウム塩のみから成る群から選択される、組成物であってもよい。一実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウムである。
【0116】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する実施形態では、任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大10パーセント(w/w)を構成し、すなわち、任意のそのような結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤は、組成物の賦形剤の重量の最大10パーセント(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90パーセント(w/w)またはそれを超える送達剤、および5パーセント未満(w/w)の任意のさらなる賦形剤、例えば結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90パーセント(w/w)の送達剤および5パーセント未満(w/w)の潤滑剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90パーセント(w/w)の送達剤および3パーセント未満(w/w)の潤滑剤を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも90パーセント(w/w)またはそれを超える送達剤、および0.1~5パーセント(w/w)、例えば0.5~4パーセント(w/w)または1~3パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、2~2.5パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、1~5パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、1~4パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、1~3パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、1~2.5パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、2~3パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、2~4パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、2~5パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、2.5パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。
【0118】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95パーセント(w/w)を構成する実施形態では、組成物の任意のさらなる賦形剤は、賦形剤の最大5パーセント(w/w)を構成し、すなわち、任意のそのような結合剤、充填剤、および/または潤滑剤/滑剤は、組成物の賦形剤の重量の最大5パーセント(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95パーセント(w/w)の送達剤および5パーセント未満(w/w)の潤滑剤を含む。一実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95パーセント(w/w)の送達剤および3パーセント未満(w/w)の潤滑剤を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、組成物の賦形剤は、少なくとも95パーセント(w/w)の送達剤、および0.1~5パーセント(w/w)、例えば0.5~4パーセント(w/w)または1~3パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。さらなるこのような実施形態では、組成物の賦形剤は、2~2.5パーセント(w/w)の潤滑剤を含む。
【0120】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、本明細書で以下に記載される経口投与に好適な剤形で製造される。以下では、本発明の組成物の成分の絶対量は、投与単位の、すなわち、錠剤、カプセル、または小袋当たりの含量を参照して提供される。
【0121】
本発明の医薬組成物は、さらなる実施形態では、用量単位当たり最大1000mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩を含み得る。一実施形態では、本発明は、用量単位が、最大500mgの当該塩を含む、組成物に関する。
【0122】
いくつかの実施形態では、用量単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、少なくとも0.05mmol、例えば少なくとも0.075mmol、例えば少なくとも0.1mmol、例えば少なくとも0.125mmol、例えば少なくとも0.15mmol、例えば少なくとも0.20mmol、少なくとも0.25mmol、少なくとも0.30mmol、少なくとも0.35mmol、少なくとも0.40mmol、少なくとも0.45mmol、少なくとも0.50mmol、少なくとも0.55mmol、または少なくとも0.60mmolである。
【0123】
いくつかの実施形態では、組成物の投与単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、最大3mmol、例えば最大2.75mmol、例えば最大2.5mmol、例えば最大2.25mmol、例えば最大2mmol、例えば最大1.5mmol、最大1mmol、最大0.75mmol、最大0.6mmol、最大0.5mmol、最大0.4mmol、最大0.3mmol、および最大0.2mmolである。
【0124】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、0.05~3mmol、0.10~2.5mmol、0.15~2.0mmol、0.20~1.5mmol、0.25~1.0mmol、0.30~0.75mmol、または例えば0.45~0.65mmolの範囲である。
【0125】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、少なくとも15mg、例えば少なくとも20mg、例えば少なくとも25mg、例えば少なくとも50mg、例えば少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、および少なくとも300mgである。
【0126】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、最大1000mg、最大800mgなど、最大600mgなど、最大575mgなど、最大550mgなど、最大525mg、最大500mg、最大475mg、最大450mg、最大425mg、最大400mg、最大375mg、最大350mg、最大325mg、または用量単位当たり最大300mgである。
【0127】
NACの塩がSNACであるいくつかの実施形態では、組成物中のSNACの量は、用量単位当たり、15~1000mg、例えば20~800mg、例えば25~600mg、例えば50~500mg、例えば50~400mg、例えば75~400mg、例えば80~350mg、または例えば約100~約300mgの範囲である。
【0128】
NACの塩がSNACである一実施形態では、SNACの量は、用量単位当たり、20~200mg、例えば25~175mg、例えば75~150mg、例えば80~120mg、例えば約100mgの範囲である。
【0129】
NACの塩がSNACである一実施形態では、SNACの量は、用量単位当たり、200~800mg、例えば250~400mg、例えば250~350mg、例えば275~325mg、例えば約300mgの範囲である。
【0130】
一実施形態では、本発明の医薬組成物の用量単位は、0.1~100mg、0.2~100mg、または0.5~50mgのPYY化合物を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位は、0.2~50mgまたは1~40mgの範囲の量のPYY化合物を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~5mgのPYY化合物、例えば0.75~4.5mg、例えば1、1.5、2、2.5、もしくは3mg、または3.5、4、4.5mg、例えば1~3mgもしくは3~5mgのPYY化合物を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~20mgのPYY化合物、例えば2~15mg、例えば2、3、4、5、6、もしくは7mg、例えば2、3、4、もしくは5mg、または例えば8、10、12、または14mg、例えば15mgもしくは例えば20mgのPYY化合物を含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5~50mgのPYY化合物、例えば10~45mg、例えば20、30、もしくは40mg、または例えば25、35、もしくは45mg、または例えば30~50mg、または例えば20~40mgのPYY化合物を含む。
【0135】
PYY化合物の量は、PYY化合物の同一性、所望の効果、および適応症に応じて変化し得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、PYY化合物に加えてGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物の用量単位は、0.1~100mgまたは0.2~100mgのGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物の用量単位は、0.2~50mgまたは1~40mgの範囲のの量のGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、0.5~5mgのGLP-1受容体作動薬、例えば0.75~4.5mg、例えば1、1.5、2、2.5、もしくは3mg、または3.5、4、4.5mg、例えば1~3mgもしくは3~5mgのGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、2~20mgのGLP-1受容体作動薬、例えば2~15mg、例えば2、3、4、5、6、もしくは7mg、例えば2、3、4、もしくは5mg、または例えば8、10、12、もしくは14mg、例えば15mg、または例えば20mgのGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり、5~50mgのGLP-1受容体作動薬、例えば10~45mg、例えば20、30、もしくは40mg、または例えば25、35、もしくは45mg、または例えば30~50mg、または例えば20~40mgのGLP-1受容体作動薬を含む。GLP-1受容体作動薬の量は、GLP-1受容体作動薬の同一性、所望の効果、および適応症に応じて変化し得、例えば、より高い含量は、糖尿病と比較して肥満の治療に適切であり得る。
【0137】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、0.5~25mgのステアリン酸マグネシウム、例えば1~10mg、例えば2~8mg、または例えば2~5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0138】
好ましい実施形態では、ステアリン酸マグネシウムの量は、組成物の単位用量が、SNACなどのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩100mg当たり、1~8mgのステアリン酸マグネシウム、または例えば2~5mgのステアリン酸マグネシウムもしくは2~3mgのステアリン酸マグネシウムを含むように、SNACなどのNACの塩の量に対して決定される。
【0139】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、0.5~5mgのPYY化合物、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0140】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、1.5~10mgのPYY化合物、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0141】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、5~50mgのPYY化合物、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0142】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、0.5~5mgの化合物、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0143】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、1.5~10mgのPYY化合物、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0144】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、5~50mgのPYY化合物、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0145】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、0.5~5mgのPYY化合物、0.5~5mgのGLP受容体作動薬、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0146】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、1.5~10mgのPYY化合物、1.5~10mgのGLP受容体作動薬、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0147】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、80~120mgのSNAC、5~50mgのPYY化合物、5~50mgのGLP受容体作動薬、および2~3mgの潤滑剤を含む。
【0148】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、0.5~5mgの化合物、0.5~5mgのGLP受容体作動薬、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0149】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、1.5~10mgのPYY化合物、1.5~10mgのGLP受容体作動薬、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0150】
好ましい実施形態では、組成物の単位用量は、250~350mgのSNAC、5~50mgのPYY化合物、5~50mgのGLP受容体作動薬、および3~10mgの潤滑剤を含む。
【0151】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビトロでの迅速な崩壊または溶解を有する。崩壊または溶解は、当該技術分野で公知であり、かつアッセイIまたはアッセイIIにおいて本明細書に記述されるように試験され得る。
【0152】
溶解または放出は、組成物のPYY化合物の総含量に対する所与の期間の後の溶液中で測定されたPYY化合物の量として表され得る。相対量は、パーセンテージで与えられてもよい。一実施形態では、本発明の医薬組成物からのPYY化合物の放出は、15分以内に少なくとも85%、または30分以内に少なくとも95%である。このような一実施形態では、放出は、pH6.8で測定される。
【0153】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
PYY化合物の放出は、15分以内に85%、または30分以内に95%に達する。一実施形態では、放出は、pH6.8で測定される。
【0154】
実験は、PYY化合物/SNACを含む本発明の組成物が、崩壊および溶解に関してセマグルチド/SNAC組成物のように挙動することを実証した(本明細書の実施例2および3)。さらに、本発明の組成物は、経口投与からインビボで生体的に利用可能である(本明細書の実施例4)。セマグルチドおよび他のGLP-1受容体作動薬について以前に観察されたもの(PCT/EP2019/052487)と類似した、WO2012/080471およびWO2013/139694に従って調製されたPYY化合物/SNAC組成物と比較して、本発明による組成物を使用したPYY化合物の血漿曝露の改善が、本明細書のアッセイIVを使用して実証され得る。
【0155】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでの早期の曝露を提供する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでのPYY化合物の曝露の増加を提供する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、インビボでの早期曝露の増加を提供する。そのようなインビボ曝露は、本明細書に記載されるアッセイIVなどの関連モデルで試験されてもよい。曝露はまた、所定の期間にわたって測定されてもよく、累積の用量補正された曝露(AUC)が、t=0~30分などについて計算されてもよい。
【0156】
一実施形態では、本発明は、GLP-1作動薬をPYY化合物で置換する、WO2013/139694に記載されるように調製されたPYY化合物組成物に対して、t=30分での用量補正された曝露が増加される、医薬組成物に関する。あるいは、参照は、本明細書に記載される試験組成物1であってもよい。
【0157】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
t=30分での用量補正された曝露は、WO2013/139694のFタイプとして調製されたPYY化合物組成物に対して増加される。
【0158】
一実施形態では、医薬組成物は、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)は、WO2013/139694のFタイプとして調製されたPYY化合物組成物に対して増加される。
【0159】
一実施形態では、t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)は、WO2013/139694のタイプFとして調製されたPYY化合物組成物と比較して、少なくとも1.2倍、例えば1.5倍、例えば2倍増加される。
【0160】
一実施形態では、医薬組成物は、
c)PYY化合物と、
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
t=30分での用量補正された曝露は、本明細書に記載される試験組成物1に対して増加される。
【0161】
一実施形態では、医薬組成物は、
c)PYY化合物と、
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)は、本明細書に記載される試験組成物1に対して増加される。
【0162】
一実施形態では、t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)は、本明細書に記載される試験組成物1と比較して、少なくとも1.2倍、例えば1.5倍、例えば2倍増加される。
【0163】
剤形
組成物は、いくつかの剤形で、例えば、錠剤、コーティング錠、小袋、または硬質もしくは軟質シェルゼラチンカプセルなどのカプセルとして投与され得、こうしたすべての組成物は、固形経口剤形とみなされる。
【0164】
組成物は、例えば、安定性および/または溶解度を改善するために、またはバイオアベイラビリティをさらに改善するために、薬物担体または薬物送達系でさらに配合され得る。組成物は、凍結乾燥または噴霧乾燥組成物であってもよい。
【0165】
組成物は、錠剤などの用量単位の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、50mg~1000mgの範囲、例えば50~750mgの範囲、または例えば約100~500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、75mg~350mgの範囲、例えば100~300mgの範囲、または例えば200~350mgの範囲である。いくつかの実施形態では、単位用量の重量は、100mg~400mgの範囲、例えば50~300mgの範囲、または例えば200~400mgの範囲である。
【0166】
いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤へと圧縮される(compacted)、例えば、圧縮される(compressed)前に造粒されてもよい。組成物は、粒内部分および/または粒外部分を含んでもよく、粒内部分は造粒され、粒外部分は造粒後に添加されている。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の粒内部および/または粒外部分を含んでもよく、1つ以上の粒内部は造粒化され、粒外部分は造粒化後に添加される。
【0167】
粒内部分は、PYY化合物、送達剤、ならびに/または潤滑剤および/もしくは滑剤などの賦形剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒内部分は、送達剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤、および任意選択でGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、PYY化合物およびGLP-1受容体作動薬の両方を含み得る。このような一実施形態では、当該組成物は、PYY化合物、GLP-1受容体作動薬、送達剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む1つの粒内部分から作製され得る。また、または代替的に、一実施形態では、当該組成物は、2つの粒内部分:i)PYY化合物、送達剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含むある粒内部分と、ii)GLP-1受容体作動薬、送達剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む別の粒内部分とを混合することによって作製され得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、粒外部分は、PYY化合物、ならびに/またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および/もしくは滑剤および任意選択でGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、粒外部分は、PYY化合物および任意選択でGLP-1受容体作動薬を含む。いくつかの実施形態では、粒外部分は、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および/または滑剤などの賦形剤を含む。
【0169】
さらなる実施形態では、粒内部分は、PYY化合物、送達剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む。このような実施形態では、造粒物は、錠剤に直接圧縮されてもよく、錠剤は、粒外部分を有しない。
【0170】
組成物の調製
本発明による組成物の調製は、当該技術分野で公知の方法に従って実施され得る。
【0171】
錠剤成形材料の乾燥ブレンドを調製するために、様々な構成要素を任意選択で砕塊またはふるい分けし、計量し、次いで組み合わせる。構成要素の混合は、均質なブレンドが得られるまで行われてもよい。
【0172】
「造粒物」および「顆粒」という用語は、上述のように調製され得る組成物材料の粒子を指すために、本明細書では互換的に使用される。この用語は、固形用量製剤の調製で使用される粒子、顆粒、および凝集体の形態の医薬成分を広く指す。一般に、顆粒は、粉末またはブレンドを処理して固体を得て、続いてそれを分解して所望のサイズの顆粒を得ることによって得られる。
【0173】
錠剤成形材料に顆粒が使用される場合、顆粒は、例えば、「蓄積(built-up)」顆粒または「分解(broken-down)」顆粒の製造について公知の湿式造粒法を使用して、当業者に公知の方法で製造され得る。蓄積顆粒の形成のための方法は、連続的に動作し、例えば同時に、造粒物塊に造粒溶液を噴霧し、例えば、ドラム型造粒機中で、パン造粒機中で、ディスク型造粒機上で、流動床中で、噴霧乾燥、噴霧造粒、または噴霧凝固によって乾燥させることを含み得るか、あるいは例えば、流動床、回転式流動床、バッチミキサ、例えば、高剪断ミキサもしくは低剪断ミキサ、または噴霧乾燥ドラム中で、不連続的に動作し得る。分解顆粒の製造のための方法は、不連続に行われ得、造粒塊が最初に造粒溶液と湿潤凝集体を形成し、これが続いて粉砕されるか、または他の手段によって所望のサイズの顆粒に形成され、次いで、顆粒が乾燥され得る。湿式造粒ステップに好適な設備は、遊星型ミキサ、低剪断ミキサ、高剪断ミキサ、押出機、およびスフェロナイザ、例えば、Loedige、Glatt、Diosna、Fielder、Collette、Aeschbach、Alexanderwerk、Ytron、Wyss&Probst、Werner&Pfleiderer、HKD、Loser、Fuji、Nica、Caleva and Gabler社製の装置である。顆粒はまた、賦形剤および/または活性医薬成分のうちの1つ以上が、圧縮されて比較的大きい成形物、例えば、スラグまたはリボンを形成し、これが、すりつぶすことによって粉砕され、すりつぶした材料が、後に圧縮される錠剤成形材料の役割を果たす、乾式造粒技法によっても形成され得る。乾式造粒に好適な設備は、Gerteis MICRO-PACTOR、MINI-PACTOR、およびMACRO-PACTORなどのGerteis製のローラー圧縮装置であるが、これらに限定されない。
【0174】
錠剤成形材料を固形経口剤形、例えば、錠剤へと圧縮するために、錠剤プレスが使用されてもよい。錠剤プレスでは、錠剤成形材料は、ダイキャビティに充填される(例えば、強制供給または重力供給)。次いで、錠剤成形材料は、圧力を印加する一組のパンチによって圧縮される。その後、得られた圧縮物、または錠剤は、錠剤プレスから排出される。上述の錠剤成形プロセスは、本明細書ではこれ以降、「圧縮プロセス」と称される。好適な錠剤プレスとしては、回転式錠剤プレスおよび偏心錠剤プレスが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤プレスの例としては、Fette 102i(Fette GmbH)、Korsch XL100、Korsch PH106回転式錠剤プレス(Korsch AG、Germany)、Korsch EK-O偏心錠剤成形プレス(Korsch AG、Germany)、Romaco Kilian STYL’ONE Evo錠剤プレス、およびManesty F-Press(Manesty Machines Ltd.、United Kingdom)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0175】
概して、造粒物は、湿式、溶融、または乾式造粒、好ましくは乾式造粒によって調製されてもよい。したがって、i、ii、および/またはiii、任意選択でivの顆粒は、本明細書のブレンドの乾式造粒によって、例えばローラー圧縮によって得ることができる。また、または代替的に、一実施形態では、湿式造粒を使用して顆粒を得ることができる。次いで、この材料を直接使用して、またはさらに精製して、最終顆粒を得ることができる。
【0176】
一実施形態では、組成物は、少なくとも1つの造粒物を含む。一実施形態では、組成物は、1つのタイプの造粒物を含む。組成物は、代替的に、2つのタイプの造粒物を含んでもよい。
【0177】
一実施形態では、本発明は、
i.PYY化合物と、
ii.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
iii.潤滑剤と、を含む組成物に関し、
組成物は、iiおよび任意選択でiiiの造粒物を含む。さらなる実施形態では、顆粒部分は、iおよびii、ならびに任意選択でiiiを含んでもよい。
【0178】
一実施形態では、本発明は、
i.PYY化合物と、
ii.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
iii.潤滑剤と、
iv.GLP-1受容体作動薬と、を含む組成物に関し、
組成物は、iiおよび任意選択でiiiの造粒物を含む。さらなる実施形態では、顆粒部分は、i、ii、およびiv、ならびに任意選択でiiiを含んでもよい。
【0179】
一実施形態では、本発明は、
i.PYY化合物と、
ii.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
iii.潤滑剤と、
iv.GLP-1受容体作動薬と、を含む組成物に関し、
組成物は、2つの造粒物:iおよびii、ならびに任意選択でiiiの第1の造粒物と、iv、ii、および任意選択でiiiの第2の造粒物とを含む。
【0180】
造粒は、上記の様々な方法によって得ることができ、i、ii、および/もしくはiii、ならびに/または任意選択でivは、最初に粉末として、または両方の成分を含む溶液の調製によってのいずれかで混合される。
【0181】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒することと、b)a)の造粒物をPYY化合物および任意選択でさらなる潤滑剤とブレンドすることと、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮することとを含む。
【0182】
一実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒することと、b)a)の造粒物をPYY化合物およびGLP-1受容体作動薬ならびに任意選択でさらなる潤滑剤とブレンドすることと、次いでc)b)のブレンドを錠剤に圧縮することとを含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、PYY化合物、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒することと、b)a)の造粒物を錠剤に圧縮することと、ならびに任意選択でさらなる潤滑剤を含むこととを含む。いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、PYY化合物、GLP-1受容体作動薬、および任意選択で潤滑剤を含む混合物を造粒することと、b)a)の造粒物を錠剤に圧縮することと、ならびに任意選択でさらなる潤滑剤を含むこととを含む。いくつかの実施形態では、錠剤の調製方法は、a)送達剤、PYY化合物、および任意選択で潤滑剤を含む第1の混合物を造粒することと、b)送達剤、GLP-1受容体作動薬、および任意選択で潤滑剤を含む第2の混合物を造粒することと、c)a)およびb)の造粒物を混合することおよびa)およびb)の混合物を錠剤に圧縮することと、ならびに任意選択でさらなる潤滑剤を含むこととを含む。
【0184】
均質な造粒物を得るために、最終乾式造粒工程/ローラー圧縮または錠剤圧縮工程の前に、1つ以上のふるい分け工程が含まれ得る。
【0185】
最後に、潤滑剤などのさらなる賦形剤が、錠剤の圧縮前に添加されて、粒外部分を形成してもよい。
【0186】
医薬品の適応症
本発明はまた、医薬として使用するための本発明の組成物に関する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下の医学的処置に使用され得、すべては、好ましくは何らかの方法で糖尿病および/または肥満に関する。
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病などのすべての形態の糖尿病の予防および/もしくは治療、ならびに/またはHbA1Cの低減、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、インスリン抵抗性の遅延または予防、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、
(iii)β細胞アポトーシスの減少、β細胞機能および/もしくはβ細胞質量の増加、ならびに/またはβ細胞へのグルコース感受性の回復などのβ細胞機能の改善、
(iv)例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による、肥満などの摂食障害の予防および/もしくは治療、過食性障害、神経性大食症、および/もしくは抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された肥満の治療もしくは予防、胃運動の減少、胃内容排出の遅延、身体的可動性の増加、ならびに/または骨関節炎および/もしくは尿失禁などの肥満の併存疾患の予防および/もしくは治療、
(v)血管障害、末梢神経障害を含む神経障害、腎症、および/または網膜症などの糖尿病合併症の予防および/もしくは治療、
(vi)脂質パラメータの改善(脂質異常症の予防および/もしくは治療、総血清脂質の低下、HDLの増加、小型高密度LDLの低下、VLDLの低下、トリグリセリドの低下、コレステロールの低下、ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下、またはインビトロおよび/もしくはインビトロでのアポリポタンパク質a(apo(a))の生成の阻害など)、
(vii)心血管疾患の予防および/もしくは治療、
(viii)脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝臓炎または脂肪肝などの肝臓障害の予防および/もしくは治療、
(ix)睡眠時無呼吸の予防および/もしくは治療、ならびに/または
(x)(薬剤誘発性または食事と運動による)減量成功後の体重維持-すなわち、減量成功後の体重増加の予防。
【0187】
以下の適応症が特に好ましい:2型糖尿病、および/または肥満。
【0188】
治療方法
本発明は、治療を必要とする対象者の治療方法であって、当該対象者に本発明による治療有効量の組成物を投与することを含む、方法にさらに関する。一実施形態では、治療方法は、糖尿病もしくは肥満および/または上記で特定されたさらなる適応症の治療のためのものである。
【0189】
いくつかの実施形態では、肥満を治療するための方法は、それを必要としている対象者に、PYY化合物と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、任意選択で潤滑剤と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含むことが記載されている。いくつかの実施形態では、肥満を治療するための方法は、それを必要としている対象者に、PYY化合物と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、任意選択で潤滑剤と、任意選択でGLP-1受容体作動薬と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含むことが記載されている。
【0190】
いくつかの実施形態では、肥満を治療するための方法は、それを必要としている対象者に、本明細書に記載されるように、
0.5~100mgのPYY化合物と、
25~600mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
1~10mgの潤滑剤と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含むことが記載されている。
【0191】
いくつかの実施形態では、肥満を治療するための方法は、それを必要としている対象者に、本明細書に記載されるように、
0.5~100mgのPYY化合物と、
25~600mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
1~10mgの潤滑剤と、
0.5~50mgのGLP-1受容体作動薬と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含むことが記載されている。
【0192】
好ましい実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。好ましい実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、組成物の賦形剤の少なくとも95パーセント(w/w)を構成する。
【0193】
代替的な実施形態では、肥満を治療するための方法は、それを必要としている対象者に、約1~30mgのPYY化合物と、約100~300mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、約2~8mgのステアリン酸マグネシウムと、任意選択で約1~20mgのGLP-1受容体作動薬と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含むことが記載されている。
【0194】
いくつかの実施形態では、PYY化合物は、本明細書に開示される化合物1~63、65~71、およびWO2016/198682(化合物1~63、65~71、実施例1)から選択される。いくつかの実施形態では、PYY化合物は、化合物4(N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36))、化合物20(N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36))、および化合物32(N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36))から選択される。
【0195】
いくつかの実施形態では、GLP-1受容体作動薬は、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブトリルアミノ)エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)の式を有するセマグルチドであり、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である。ステアリン酸マグネシウムを含む、潤滑剤の様々な例が記載されている。組成物は、経口投与され、錠剤、カプセル、または小袋の形態である。
【0196】
さらなるそのような実施形態では、1つ以上の用量単位が、必要としている当該対象者に投与されてもよい。
【0197】
実施形態
本発明は、本発明の以下の非限定的な実施形態によってさらに説明される。
1.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
2.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
3.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)賦形剤とであって、賦形剤が、
i.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、および
ii.1つ以上のさらなる賦形剤である、賦形剤と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
4.組成物が、少なくとも1つの潤滑剤をさらに含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の医薬組成物。
5.組成物が、GLP-1受容体作動薬をさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の医薬組成物。
6.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)少なくとも一つの潤滑剤と、を含む、医薬組成物。
7.
a)PYY化合物と、
b)GLP-1受容体作動薬と、
c)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
d)少なくとも1つの潤滑剤と、から成る、実施形態6に記載の医薬組成物。
8.潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態4~7のいずれか1つに記載の医薬組成物。
9.組成物が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩100mg当たり、1~8mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の医薬組成物。
10.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の少なくとも60パーセント(w/w)を構成する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
11.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の医薬組成物。
12.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩から成る群から選択される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
13.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の医薬組成物。
14.用量単位が、最大1000mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の医薬組成物。
15.用量単位が、0.5~100mgのPYY化合物を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
16.PYY化合物が、PYY類似体である、実施形態1~15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
17.PYY化合物が、PYY誘導体である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
18.PYY化合物が、WO2016/198682の化合物1~63、65~71から選択される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の組成物。
19.PYY誘導体が、脂肪酸または脂肪二酸を含む、実施形態17または18に記載の医薬組成物。
20.PYY誘導体が、C16、C18、もしくはC20脂肪酸、またはC16、C18、もしくはC20脂肪二酸を含む、実施形態17~19のいずれか1つに記載の医薬組成物。
21.PYY化合物が、PYY化合物の骨格に結合された修飾基を含むPYY誘導体であり、当該修飾基が、A-[B]
r-C-or A-[B]
r-C-[B]
wによって定義され、式中、
A-が、Chem.1およびChem.2
Chem.1:HOOC-(CH
2)
p-CO-*、
Chem.2:HO
3S-(CH
2)
q-CO-*
(式中、pが、14~18の範囲の整数であり、qが、15~17の範囲の整数である)から選択され、
B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH
2)
2-CO-]-*、
rが、1~3の範囲の整数であり、
wが、1~3の範囲の整数であり、
C-が、不在であるか、またはChem.4およびChem.5
Chem.4:*[NH-(CH
2)
2-[O-(CH
2)
2]
s-O-(CH
2)
t-CO-]
u-*
Chem.5:*[NH-(CH
2)
v-CO-]
x-*
(式中、sが、1~3の範囲の整数であり、tが、1~3の範囲の整数であり、uが、1~4の範囲の整数であり、vが、3~7の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数である)から選択され、
*が、結合点を示し、A、B、およびCが、アミド結合を介して相互接続され、配列中では当該結合点を介して示され、または
当該PYY化合物の薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルであり、
修飾基がA-B-C-Bである場合、Cは不在であることができない、実施形態1~20のいずれか1つに記載の医薬組成物。
22.修飾基が、A-[B]
r-C-によって定義され、式中、
A-が、Chem.1
Chem.1:HOOC-(CH
2)
p-CO-*、
(式中、pが、16である)であり、
B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH
2)
2-CO-]-*、
rが、1であり、
C-が、Chem.5
Chem.5:*[NH-(CH
2)
v-CO-]
x-*
(式中、vが、5であり、xが、1である)である、実施形態21に記載の医薬組成物。
23.修飾基が、hPYY(1-36)の7位または10位に対応する位置で、PYY化合物の骨格に結合される、実施形態21または22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
24.PYY化合物が、hPYY(3-36)と比較して、最大10個のアミノ酸修飾を有するPYY誘導体であり、PYY誘導体が、
a)hPYY(1-36)の7位または10位に対応する位置にリジン、
b)hPYY(1-36)の30位に対応する位置にトリプトファン、
c)hPYY(1-36)の31位に対応する位置にロイシン、
d)hPYY(1-36)の28位に対応する位置にチロシンおよび/またはhPYY(1-36)の22位に対応する位置にイソロイシン、ならびに
e)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置で当該リジンのイプシロンアミノ基に結合された修飾基を含み、
当該修飾基が、A-[B]
r-C-またはA-[B]
r-C-[B]
wによって定義され、式中、
A-が、Chem.1およびChem.2
Chem.1:HOOC-(CH
2)
p-CO-*、
Chem.2:HO
3S-(CH
2)
q-CO-*
(式中、pが、14~18の範囲の整数であり、qが、15~17の範囲の整数である)から選択され、
B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH
2)
2-CO-]-*、
rが、1~3の範囲の整数であり、
wが、1~3の範囲の整数であり、
C-が、不在であるか、またはChem.4およびChem.5
Chem.4:*[NH-(CH
2)
2-[O-(CH
2)
2]
s-O-(CH
2)
t-CO-]
u-*
Chem.5:*[NH-(CH
2)
v-CO-]
x-*
(式中、sが、1~3の範囲の整数であり、tが、1~3の範囲の整数であり、uが、1~4の範囲の整数であり、vが、3~7の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数である)から選択され、
*が、結合点を示し、A、B、およびCが、アミド結合を介して相互接続され、配列中では当該結合点を介して示され、または
当該PYY誘導体の薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルであり、
修飾基がA-B-C-Bである場合、Cは不在であることができない、実施形態1~23のいずれか1つに記載の組成物。
25.化合物が、hPYY(3-36)と比較して、最大10個のアミノ酸修飾を有するPYY誘導体であり、PYY誘導体が、
a)hPYY(1-36)の4位に対応する位置にアルギニン、
b)hPYY(1-36)の7位に対応する位置にリジン、
c)hPYY(1-36)の18位に対応する位置にグルタミン、
d)hPYY(1-36)の30位に対応する位置にトリプトファン、
e)hPYY(1-36)の31位に対応する位置にロイシン、
f)hPYY(1-36)の28位に対応する位置にチロシン、および
g)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位に対応する位置で当該リジンのイプシロンアミノ基に結合された修飾基を含み、
当該修飾基が、A-B-C-によって定義され、式中、
A-が、Chem.1
Chem.1:HOOC-(CH
2)
p-CO-*、
(式中、pが、14~18の範囲の整数である)であり、
B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH
2)
2-CO-]-*、
C-が、Chem.5
Chem.5:*[NH-(CH
2)
v-CO-]
x-*
(式中、vが5であり、xが1の範囲の整数である)であり、
*が、結合点を示し、A、B、およびCが、アミド結合を介して相互接続され、配列では当該結合点を介して示されるか、またはその薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルである、実施形態1~24のいずれか1つに記載の組成物。
26.PYY化合物が、
N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(3-36)(化合物1、配列番号3)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物2、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物3、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物4、配列番号5)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]-アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物5、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物6、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物7、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物8、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイル-アミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物9、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物10、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物11、配列番号5)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物12、配列番号5)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Ser9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物13、配列番号6)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Thr9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物14、配列番号7)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Thr13,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物15、配列番号8)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Thr13,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物16、配列番号8)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ala24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物17、配列番号9)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物18、配列番号10)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物19、配列番号10)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物20、配列番号10)、
N{アルファ-4}-}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物21、配列番号5)、
N{アルファ-4}-アセチル,N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物22、配列番号11)、
N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Trp30,Leu31]hPYY(3-36)(化合物23、配列番号12)、
N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Trp30,Leu31]hPYY(3-36)(化合物24、配列番号12)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物25、配列番号13)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物26、配列番号13)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Ile22,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物27、配列番号14)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物28、配列番号13)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物29、配列番号15)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物30、配列番号15)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物31、配列番号15)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物32、配列番号15)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物33、配列番号15)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Ala24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物34、配列番号16)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Gln22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物35)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Gln22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物36、配列番号17)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Gln22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物37、配列番号17)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物38、配列番号18)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物39、配列番号18)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物40、配列番号18)、
N{アルファ-4}-}-(3-メチルブタノイル)-(N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物41、配列番号18)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Thr9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物42、配列番号7)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Thr9,Gln18,Gln22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物43、配列番号19)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Thr9,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物44、配列番号20)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Thr13,Gln18,Gln22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物45、配列番号21)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Thr13,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物46、配列番号22)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Thr13,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物47、配列番号22)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物48、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物49、配列番号15)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys10,Gln18,Glu22,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物50、配列番号23)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys10,Gln18,Glu22,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物51、配列番号23)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys10,Gln18,Glu23,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物52、配列番号24)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys10,Gln18,Glu23,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物53、配列番号24)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Pro9,Lys10,Gln18,Glu22,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物54、配列番号25)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物55、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Pro9,Lys10,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物56、配列番号26)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Val22,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物57、配列番号18)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物58、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Lys10,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY-(4-36)(化合物59、配列番号27)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Ala24,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物60、配列番号9)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY-(4-36)(化合物61、配列番号5)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物62、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(3-36)(化合物63、配列番号3)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]-エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物65、配列番号5)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物66、配列番号5)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物67、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY(4-36)(化合物68、配列番号4)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-10}-[(4S)-4-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]-エトキシ]アセチル]アミノ]ブタノイル]-[Arg4,Pro9,Lys10,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY-(4-36)(化合物69、配列番号26)、
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY-(4-36)(化合物70、配列番号5)、および
N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]-PYY-(4-36)(化合物71、配列番号5)から成る群から選択される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の医薬組成物。
27.PYY化合物が、N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物4)である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【化4】
28.PYY化合物が、N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile24,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物20)である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【化5】
29.PYY化合物が、N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物32)である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【化6】
30.PYY化合物が、ヒトY2受容体作動薬である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の医薬組成物。
31.PYY化合物が、完全ヒトY2受容体作動薬である、実施形態1~30のいずれか1つに記載の医薬組成物。
32.PYY化合物が、選択的ヒトY2受容体作動薬である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の医薬組成物。
33.PYY化合物が、選択的完全ヒトY2受容体作動薬である、実施形態1~32のいずれか1つに記載の医薬組成物。
34.PYY化合物が、ヒトY2受容体を活性化することができる、実施形態1~33のいずれか1つに記載の医薬組成物。
35.PYY化合物が、ヒトY2受容体に結合することができる、実施形態1~34のいずれか1つに記載の医薬組成物。
36.組成物が、GLP-1受容体作動薬を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の医薬組成物。
37.組成物が、セマグルチドおよびGLP-1作動薬Aから成る群から選択されるGLP-1受容体作動薬を含む、実施形態1~36のいずれか1つに記載の医薬組成物。
38.組成物が、少なくとも1つの造粒物を含む、実施形態1~37のいずれか1つに記載の医薬組成物。
39.少なくとも一つの造粒物が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩を含む、実施形態38に記載の医薬組成物。
40.少なくとも一つの造粒物は、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤をさらに含む、実施形態38または39のいずれか1つに記載の医薬組成物。
41.少なくとも一つの造粒物が、PYY化合物および任意選択でGLP-1受容体作動薬をさらに含む、実施形態38~40のいずれか1つに記載の医薬組成物。
42.少なくとも一つの造粒物は、ローラー圧縮などの乾式造粒によって調製される、実施形態38~41のいずれか1つに記載の医薬組成物。
43.組成物が、粒外部分を含む、実施形態38~42のいずれか1つに記載の医薬組成物。
44.組成物の粒外部分が、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤もしくは滑剤および/またはPYY化合物を含む、実施形態38~43のいずれか1つに記載の医薬組成物。
45.組成物の粒外部分が、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、PYY化合物、およびGLP-1受容体作動薬を含む、実施形態38~44のいずれか1つに記載の医薬組成物。
46.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物と、
b)20~800mg、例えば25~600mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
47.医薬組成物であって、
a)0.5~50mgのPYY化合物と、
b)50~400mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
48.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)75~150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
49.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)75~125mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
50.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)80~120mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
51.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)200~400mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
52.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)250~350mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物4である、医薬組成物。
53.GLP-1受容体作動薬、例えば、セマグルチドまたはGLP-1作動薬Aをさらに含む、実施形態46~52のいずれか1つに記載の医薬組成物。
54.組成物が、0.5~50mgのGLP-1受容体作動薬、例えば1~25mgまたは1~15mgのGLP-1受容体作動薬を含む、実施形態53に記載の医薬組成物。
55.ステアリン酸マグネシウムなどの1~10mgの潤滑剤をさらに含む、実施形態46~54のいずれか1つに記載の医薬組成物。
56.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩100mg当たり、1~8mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む、実施形態46~54のいずれか1つに記載の医薬組成物。
57.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、実施形態46~56のいずれか1つに記載の医薬組成物。
58.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物と、
b)20~800mg、例えば25~600mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
59.医薬組成物であって、
a)0.5~50mgのPYY化合物と、
b)50~400mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
60.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)75~150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
61.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)75~125mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
62.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)80~120mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
63.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)200~400mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
64.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物と、
b)250~350mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成し、PPY化合物が、化合物32である、医薬組成物。
65.GLP-1受容体作動薬、例えば、セマグルチドまたはGLP-1作動薬Aをさらに含む、実施形態58~64のいずれか1つに記載の医薬組成物。
66.組成物が、0.5~50mgのGLP-1受容体作動薬、例えば1~25mgまたは1~15mgのGLP-1受容体作動薬を含む、実施形態65に記載の医薬組成物。
67.ステアリン酸マグネシウムなどの1~10mgの潤滑剤をさらに含む、実施形態58~66のいずれか1つに記載の医薬組成物。
68.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩100mg当たり、1~8mg、例えば2~5mg、または例えば2~3mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む、実施形態58~66のいずれか1つに記載の医薬組成物。
69.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、実施形態58~68のいずれか1つに記載の医薬組成物。
70.組成物が、経口投与用である、実施形態1~69のいずれか1つに記載の医薬組成物。
71.組成物が、固形組成物である、実施形態1~70のいずれか1つに記載の医薬組成物。
72.組成物が、固形組成物、例えば、錠剤、カプセル、または小袋の形態である、実施形態71に記載の医薬組成物。
73.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
PYY化合物の放出が、15分以内に85パーセント、または30分以内に95パーセントに達する、医薬組成物。
74.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
t=30分での用量補正された曝露が、本明細書の試験組成物1に対して増加される、医薬組成物。
75.医薬組成物であって、
a)PYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、を含み、
t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)が、本明細書の試験組成物1に対して増加される、医薬組成物。
76.
a)PYY化合物の放出が、15分以内に85%に達するか、
b)PYY化合物の放出が、30分以内に95%に達するか、
c)t=30分での用量補正された曝露が、本明細書の試験組成物1に対して増加されるか、または
d)t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)が、試験組成物1に対して増加される、実施形態1~72のいずれか1つに記載の医薬組成物。
77.T=0~30分の用量補正された曝露(AUC)が、少なくとも1.2倍、例えば1.5倍、例えば少なくとも2倍増加される、実施形態73または実施形態76に記載の医薬組成物。
78.放出が、本明細書のアッセイIIのように決定され、かつ/または用量補正された曝露が、アッセイIVのように決定される、実施形態73~77のいずれか1つに記載の医薬組成物。
79.医薬品における使用のための、実施形態1~78のいずれか1つに記載の医薬組成物。
80.肥満の治療および/または予防における使用のための、実施形態1~79のいずれか1つに記載の医薬組成物。
81.糖尿病、例えば、2型糖尿病の治療および/または予防における使用のための、実施形態1~78のいずれか1つに記載の医薬組成物。
82.例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による、肥満などの摂食障害の予防および/もしくは治療、過食性障害、神経性大食症、および/もしくは抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された肥満の治療もしくは予防、胃運動の減少、胃内容排出の遅延、身体的可動性の増加、ならびに/または骨関節炎および/もしくは尿失禁などの肥満の併存疾患の予防および/もしくは治療のための医薬の製造における、実施形態1~78のいずれか1つに記載の組成物の使用。
83.肥満の予防および/または予防のための医薬の製造における、実施形態1~78のいずれか1つに記載の組成物の使用。
84.糖尿病、例えば、2型糖尿病の治療および/または予防のための医薬の製造における、実施形態1~78のいずれか1つに記載の組成物の使用。
85.治療を必要とする対象者における治療方法であって、実施形態1~78のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象者に投与することを含む、方法。
86.対象者における肥満の治療および/または予防方法であって、実施形態1~78のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象者に投与することを含む、方法。
87.対象者における糖尿病、例えば、2型糖尿病の治療および/または予防方法であって、実施形態1~78のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象者に投与することを含む、方法。
88.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物と、
b)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)潤滑剤と、を含み、
PYY化合物が、hPYY(3-36)(配列番号2)と比較して最大10個のアミノ酸修飾を有し、
i)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置にリジン、
ii)hPYY(1-36)(配列番号1)の30位に対応する位置にトリプトファン、
iii)hPYY(1-36)(配列番号1)の31位に対応する位置にロイシン、
iv)hPYY(1-36)(配列番号1)の28位に対応する位置にチロシンおよび/またはhPYY(1-36)(配列番号1)の22位に対応する位置にイソロイシン、ならびに
v)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置で当該リジンのイプシロンアミノ基に結合された修飾基を含み、
当該修飾基が、A-[B]r-C-またはA-[B]r-C-[B]wによって定義され、式中、
A-が、Chem.1およびChem.2、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
Chem.2:HO3S-(CH2)q-CO-*
(式中、pが、14~18の範囲の整数であり、qが、15~17の範囲の整数である)から選択され、
B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-]-*、
rが、1~3の範囲の整数であり、
wが、1~3の範囲の整数であり、
C-が、不在であるか、またはChem.4およびChem.5
Chem.4:*[NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]s-O-(CH2)t-CO-]u-*
Chem.5:*[NH-(CH2)v-CO-]x-*
(式中、sが、1~3の範囲の整数であり、tが、1~3の範囲の整数であり、uが、1~4の範囲の整数であり、vが、3~7の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数であり、
*が、結合点を示し、A、B、およびCが、アミド結合を介して相互接続され、配列では当該結合点を介して示される)から選択されるか、または当該PYY化合物の薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルであり、
修飾基がA-B-C-Bである場合、Cは不在であることができない、医薬組成物。
89.
A-が、Chem.1およびChem.2から選択され、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
Chem.2:HO3S-(CH2)q-CO-*
式中、pが、16~18の範囲の整数であり、qが、15である、実施形態1~81および88のいずれか1つに記載の医薬組成物。
90.A-が、Chem.1であり、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
式中、pが、14~18の範囲の整数である、実施形態1~81および88~89のいずれか1つに記載の医薬組成物。
91.A-が、Chem.1であり、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
式中、pが、16~18の範囲の整数である、実施形態1~81および88~90のいずれか1つに記載の医薬組成物。
92.B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-]-*、
rが、1~2の範囲の整数であり、
wが、1~2の範囲の整数である、実施形態1~81および88~91のいずれか1つに記載の医薬組成物。
93.C-が、不在であるか、またはChem.4aおよびChem.5aから選択され、
Chem.4a:*[NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]2-O-(CH2)2-CO-]u-*
Chem.5a:*[NH-(CH2)5-CO-]x-*
式中、uが、1~4の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数である、実施形態1~81および88~92のいずれか1つに記載の医薬組成物。
94.hPYY(1-36)(配列番号1)の1位および2位に対応する位置が、不在である、実施形態1~81および88~93のいずれか1つに記載の医薬組成物。
95.hPYY(1-36)(配列番号1)の1~3位に対応する位置が、不在である、実施形態1~81および88~94のいずれか1つに記載の医薬組成物。
96.hPYY(1-36)(配列番号1)の1~3位に対応する位置が、不在であり、PYY化合物が、N末端置換基をさらに含み、N末端置換基が、最大12個の炭素原子を含むアルコキシ基である、実施形態1~81および88~95のいずれか1つに記載の医薬組成物。
97.医薬組成物であって、
d)0.5~100mgのPYY化合物4、20、または32と、
e)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
f)潤滑剤と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
98.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物4と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)潤滑剤と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
99.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物20と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)潤滑剤と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
100.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物32と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)潤滑剤と、を含み、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
101.当該潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムである、実施形態1~81および88~100のいずれか1つに記載の組成物。
102.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の1~5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
103.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の1~4パーセント(w/w)を構成する、実施形態102に記載の医薬組成物。
104.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の1~3パーセント(w/w)を構成する、実施形態102または103のいずれか1つに記載の医薬組成物。
105.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の1~2.5パーセント(w/w)を構成する、実施形態102~104のいずれか1つに記載の医薬組成物。
106.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2~3パーセント(w/w)を構成する、実施形態102~105のいずれか1つに記載の医薬組成物。
107.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2~4パーセント(w/w)を構成する、実施形態102~106のいずれか1つに記載の医薬組成物。
108.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2~5パーセント(w/w)を構成する、実施形態102~107のいずれか1つに記載の医薬組成物。
109.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2~2.5パーセント(w/w)を構成する、実施形態102~108のいずれか1つに記載の医薬組成物。
110.ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成する、実施形態102~109のいずれか1つに記載の医薬組成物。
111.
PYY化合物が、hPYY(3-36)(配列番号2)と比較して最大10個のアミノ酸修飾を有し、
i)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置にリジン、
ii)hPYY(1-36)(配列番号1)の30位に対応する位置にトリプトファン、
iii)hPYY(1-36)(配列番号1)の31位に対応する位置にロイシン、
iv)hPYY(1-36)(配列番号1)の28位に対応する位置にチロシンおよび/またはhPYY(1-36)(配列番号1)の22位に対応する位置にイソロイシン、ならびに
v)hPYY(1-36)(配列番号1)の7位または10位に対応する位置で当該リジンのイプシロンアミノ基に結合された修飾基を含み、
当該修飾基が、A-[B]r-C-またはA-[B]r-C-[B]wによって定義され、式中、
A-が、Chem.1およびChem.2
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
Chem.2:HO3S-(CH2)q-CO-*
(式中、pが、14~18の範囲の整数であり、qが、15~17の範囲の整数である)から選択され、
B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-]-*、
rが、1~3の範囲の整数であり、
wが、1~3の範囲の整数であり、
C-が、不在であるか、またはChem.4およびChem.5
Chem.4:*[NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]s-O-(CH2)t-CO-]u-*
Chem.5:*[NH-(CH2)v-CO-]x-*
(式中、sが、1~3の範囲の整数であり、tが、1~3の範囲の整数であり、uが、1~4の範囲の整数であり、vが、3~7の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数であり、
*が、結合点を示し、A、B、およびCが、アミド結合を介して相互接続され、配列では当該結合点を介して示される)から選択されるか、または当該PYY化合物の薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルであり、
修飾基がA-B-C-Bである場合、Cは不在であることができない、実施形態102~110のいずれか1つに記載の医薬組成物。
112.
A-が、Chem.1およびChem.2から選択され、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
Chem.2:HO3S-(CH2)q-CO-*
式中、pが、16~18の範囲の整数であり、qが、15である、実施形態24に記載の医薬組成物。
113.A-が、Chem.1であり、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
式中、pが、14~18の範囲の整数である、実施形態111または112のいずれか1つに記載の医薬組成物。
114.A-が、Chem.1であり、
Chem.1:HOOC-(CH2)p-CO-*、
式中、pが、16~18の範囲の整数である、実施形態111~113のいずれか1つに記載の医薬組成物。
115.B-が、Chem.3であり、
Chem.3:*[NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-]-*、
rが、1~2の範囲の整数であり、
wが、1~2の範囲の整数である、実施形態111~114のいずれか1つに記載の医薬組成物。
116.C-が、不在であるか、またはChem.4aおよびChem.5aから選択され、
Chem.4a:*[NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]2-O-(CH2)2-CO-]u-*
Chem.5a:*[NH-(CH2)5-CO-]x-*
式中、uが、1~4の範囲の整数であり、xが、1~3の範囲の整数である、実施形態111~115のいずれか1つに記載の医薬組成物。
117.hPYY(1-36)(配列番号1)の1位および2位に対応する位置が、不在である、実施形態111~116のいずれか1つに記載の医薬組成物。
118.hPYY(1-36)(配列番号1)の1~3位に対応する位置が、不在である、実施形態111~117のいずれか1つに記載の医薬組成物。
119.hPYY(1-36)(配列番号1)の1~3位に対応する位置が、不在であり、PYY化合物が、N末端置換基をさらに含み、N末端置換基が、最大12個の炭素原子を含むアルコキシ基である、実施形態111~118のいずれか1つに記載の医薬組成物。
120.PYY化合物が、化合物4、20、または32である、実施形態111に記載の医薬組成物。
121.PYY化合物が、化合物4である、実施形態111に記載の医薬組成物。
122.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物4、20、または32と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
123.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物4と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
124.医薬組成物であって、
a)1~50mgのPYY化合物4と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
125.医薬組成物であって、
a)1~30mgのPYY化合物4と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
126.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物20と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
127.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物32と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2.5パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
128.医薬組成物であって、
a)0.5~100mgのPYY化合物4と、
b)20~800mg、例えば50~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩と、
c)ステアリン酸マグネシウムと、を含み、
ステアリン酸マグネシウムが、組成物の賦形剤の2~3パーセント(w/w)を構成し、
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の当該塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)であり、組成物の賦形剤の少なくとも90パーセント(w/w)、例えば少なくとも95パーセント(w/w)を構成する、医薬組成物。
129.組成物が、経口投与用である、実施形態1~81および88~128のいずれか1つに記載の医薬組成物。
130.組成物が、固形組成物である、実施形態1~81および88~129のいずれか1つに記載の医薬組成物。
131.組成物が、錠剤、カプセル、または小袋の形態の固形組成物である、実施形態130に記載の医薬組成物。
132.医薬組成物であって、
c)PYY化合物と、
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
PYY化合物の放出が、15分以内に85パーセント、または30分以内に95パーセントに達する、医薬組成物。
133.医薬組成物であって、
c)PYY化合物と、
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
t=30分での用量補正された曝露が、本明細書の試験組成物1に対して増加される、医薬組成物。
134.医薬組成物であって、
c)PYY化合物と、
d)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩とを含み、
t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)が、本明細書の試験組成物1に対して増加される、医薬組成物。
135.
a.PYY化合物の放出が、15分以内に85%に達するか、
b.PYY化合物の放出が、30分以内に95%に達するか、
c.t=30分での用量補正された曝露が、本明細書の試験組成物1に対して増加されるか、または
d.t=0~30分の用量補正された曝露(AUC)が、試験組成物1に対して増加される、実施形態88~131のいずれか1つに記載の医薬組成物。
136.T=0~30分の用量補正された曝露(AUC)が、少なくとも1.2倍、例えば1.5倍、例えば少なくとも2倍増加される、実施形態132または実施形態135に記載の医薬組成物。
137.放出が、本明細書のアッセイIIのように決定され、かつ/または用量補正された曝露が、アッセイIVのように決定される、実施形態132~136のいずれか1つに記載の医薬組成物。
138.医薬品における使用のための、実施形態1~81および88~137のいずれか1つに記載の医薬組成物。
139.肥満の治療および/または予防における使用のための、実施形態1~81および88138のいずれか1つに記載の医薬組成物。
140.糖尿病、例えば、2型糖尿病の治療および/または予防における使用のための、実施形態88~137のいずれか1つに記載の医薬組成物。
141.例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による、肥満などの摂食障害の予防および/もしくは治療、過食性障害、神経性大食症、および/もしくは抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された肥満の治療もしくは予防、胃運動の減少、胃内容排出の遅延、身体的可動性の増加、ならびに/または骨関節炎および/もしくは尿失禁などの肥満の併存疾患の予防および/もしくは治療のための医薬の製造における、実施形態88~137のいずれか1つに記載の組成物の使用。
142.肥満の予防および/または予防のための医薬の製造における、実施形態88~137のいずれか1つに記載の組成物の使用。
143.糖尿病、例えば、2型糖尿病の治療および/または予防のための医薬の製造における、実施形態88~137のいずれか1つに記載の組成物の使用。
144.治療を必要とする対象者における治療方法であって、実施形態88~137のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象者に投与することを含む、方法。
145.対象者における肥満の治療および/または予防方法であって、実施形態88~137のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象者に投与することを含む、方法。
146.対象者における糖尿病、例えば、2型糖尿病の治療および/または予防方法であって、実施形態88~137のいずれか1つに記載の治療有効量の組成物を当該対象者に投与することを含む、方法。
【0198】
方法および実施例
検出および特徴付けの一般的方法
アッセイI:崩壊試験
崩壊試験を、適切な崩壊装置、例えば、USP崩壊装置で行い、試験組成物の崩壊時間をインビトロで測定する。
【0199】
アッセイII:溶解試験
インビトロでPYY化合物およびSNACの放出を測定するために、欧州薬局方(Ph Eur 2.9.3)に従った標準的な溶解試験が行われ得る。
【0200】
溶解試験を、適切な溶解装置、例えば、USP溶解装置2で行う。より具体的には、50rpmのパドル回転速度を使用して、米国薬局方35に従って装置2を使用する。pH6.8で試験するために、0.05Mのリン酸緩衝液の500mLの溶解媒体を、37±0.5℃の温度で使用する。溶解媒体は、0.1% Brij(登録商標)35の含量を有する。試料を適切な間隔で除去し、SNACおよびPYY化合物の二重検出のためのRP-UHPLC法を使用して、試料含量を決定する。
【0201】
試料含量を、それぞれ、PYY化合物およびSNAC参照のピーク面積に対するクロマトグラムのPYY化合物およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。PYY化合物およびSNACの放出量を、試験組成物中の総含量の割合として計算する。錠剤中の総含量を、アッセイIIIを使用して決定する。
【0202】
アッセイIII:PYY化合物およびSNACの量の分析
アッセイ分析については、錠剤を、PYY化合物およびSNACの抽出前に計量する。錠剤を、20%のアセトニトリルで、pH7.4の0.05Mのリン酸緩衝液の関連する量中に溶解する。2時間の抽出時間を使用する。試料を遠心分離し、好適な体積をHPLCバイアルに移す。関連するPYY化合物およびSNACの標準を、試料と同じ希釈剤を使用することによって調製する。UV検出器を有するUHPLCを、PYY化合物およびSNAC含量の二重決定に使用する。錠剤含量を、それぞれ、PYY化合物およびSNAC参照のピーク面積に対するクロマトグラムのPYY化合物およびSNACピークのピーク面積に基づいて計算する。
【0203】
アッセイIV:ビーグル犬における薬物動態研究
ビーグル犬における薬物動態(PK)研究を行い、異なる剤形の経口投与後のPYY化合物の曝露を決定する。
【0204】
薬物動態研究のために、研究開始時に1~5歳で、体重約10~12kgの雄ビーグル犬を使用する。イヌを囲いに群収容し(12時間明:12時間暗)、Royal Canin Medium Adult dog(Royal Canin Products,China Branch、またはBrogaarden A/S,Denmark)を個別かつ制限的に1日1回給餌する。運動および群の社交を、可能なときはいつでも毎日許可する。イヌを、連続投与間の好適なウォッシュアウト期間を伴う反復薬物動態研究のために使用する。最初の薬物動態研究の開始前に、適切な順応期間を与える。動物のすべての取り扱い、投薬、および採血は、訓練を受けた熟練したスタッフによって行われる。研究前、イヌは一晩、および投薬後0~4時間絶食する。また、イヌは投薬1時間前から投薬4時間後まで水を制限されるが、それ以外、全期間を通して水に自由にアクセスできる。
【0205】
PYY化合物を含む錠剤を、以下の様式で投与する:錠剤投与の10分前、イヌに約3nmol/kgの配列番号34)を皮下投与する。PYY錠剤をイヌの口の奥に置いて、噛むのを防ぐ。次いで、口を閉じ、水道水を注射器または強制経口によって与えて、錠剤の嚥下を促進する。
【0206】
血液試料採取
PYY化合物の完全な血漿濃度-時間吸収プロファイルを十分にカバーするために、投薬後10時間までの所定の時点で血液を採取する。
【0207】
各採血時点について、約0.8mLの全血を1.5mLのEDTAコーティングチューブに採取し、チューブを穏やかに回転させて試料をEDTAと混合させる。血液試料(例えば、0.8mL)をEDTA緩衝液(8mM)中に採取し、次いで、4℃および2000Gで10分間遠心分離する。血漿をドライアイス上のMicronicチューブにピペットで移し、分析まで-20℃で維持する。
【0208】
血液試料を必要に応じて、例えば、前脚の橈側皮静脈のベンフロンから最初の2時間、次いで、残りの時点については頸静脈から注射器で採取する(最初の数滴をベンフロンから排出させて、試料中のベンフロンからのヘパリン生理食塩水を防ぐ)。
【0209】
血漿分析:
PYY化合物を、血漿タンパク質析出およびターボフロー液体クロマトグラフィータンデム質量分析(TF-LC-MS/MS)によりイヌ血漿中でアッセイした。0.5~200nMの範囲のPYY化合物でブランクイヌ血漿をスパイクすることによって、キャリブレータを調製した。1体積のキャリブレータ、ブランク血漿、および研究試料を、3体積のエタノール(内部標準で)で沈殿させ、遠心分離した。1体積の上清を、2体積のMilli-Q水(1%ギ酸を含む)と混合した。混合物を、Cycloneターボフローカラム(0.5×50mm、ThermoFisher Scientific)およびAeris Peptide 3.6um XB-C18分析カラム(50×2.1mm、Phenomenex)またはPoroshell SB-C18 2.7um分析カラム(50×2.1mm、Agilent)を使用してTF-LC-MS/MSにより分析した。移動相A(1%ギ酸および5%メタノール/アセトニトリル(50/50)を含むMilli-Q水から成る)、ならびに移動相B(1%ギ酸および5%Milli-Q水を含むメタノール/アセトニトリル(50/50)から成る)を使用して、勾配溶離を行った。TSQ AltisまたはQE Plus質量分析計(ThermoFisher Scientific)を、単一または平行反応モニタリングモード(m/z 968.5~m/z 883.4またはm/z 806.7576、NCE 17)で検出器として使用した。血漿試料中の濃度を計算するために、線形較正曲線(1/x2加重)を使用した。品質管理試料を含んだ。キャリブレータおよび品質管理試料における公称濃度と計算された濃度との間の偏差は、20%未満であった。
【0210】
錠剤調製のための一般的方法
方法1:乾式造粒
乾式造粒を、Gerteis MINI-PACTOR上でのローラー圧縮によって行う。ローラー速度を3rpm、ローラー圧縮力を6kN/cm、ギャップを1mmに設定する。
【0211】
乾式造粒前に、SNACおよびステアリン酸マグネシウムならびに任意選択でMCCを、Vシェルブレンダー、Pharmatech MB100などの好適なブレンダー中でブレンドする。
【0212】
方法2:錠剤圧縮
錠剤を、Fette 102iまたは単一セットのパンチが取り付けられたFette 102iをシミュレートしたKilian STYL’ONE上で製造し、7mmの円形、7.2×12mmまたは7.5×13mmの楕円形のスコアのない錠剤をもたらす。パンチサイズを、錠剤総重量に従って選択する。プレス速度を20rpmに設定する。充填体積を、107mg~403mgの目標重量を有する錠剤を得るために調整する。約7~8.5kNの圧縮力を印加して、錠剤サイズに対してそれぞれ約56~134Nの破砕強度を有する錠剤を得る。
【0213】
錠剤の圧縮前に、方法1により得られた造粒物を、turbulaミキサ(7分、25rpm)上で、PYY化合物および任意のさらなる賦形剤とブレンドする。
【実施例】
【0214】
[実施例1-組成物の調製]
WO2016/198682(実施例1、化合物4および32)に記載されるように調製されたペプチドベースのPYY化合物を含む試験組成物を、以下の表1に従って調製した。試験された化合物は、以下の名称および構造を有する。N{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Pro9,Gln18,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物4):
【化7】
およびN{アルファ-4}-(3-メチルブタノイル)-N{イプシロン-7}-6-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ヘキサノイル-[Arg4,Lys7,Gln18,Ile22,Tyr28,Trp30,Leu31]hPYY(4-36)(化合物32):
【化8】
【0215】
組成物を、本明細書で上記に記載される方法の組み合わせを使用することによって調製した。試験組成物1は、WO2013/139694に記載されるように、SNAC、ステアリン酸マグネシウム、およびMCCのブレンドを造粒することによって生成した。その後、錠剤圧縮(方法2)前に、造粒物を、ポビドン、PYY化合物、ならびにさらなるMCCおよびステアリン酸マグネシウムとブレンドした。乾式造粒(方法1)前に、ステアリン酸マグネシウムとSNACとをブレンドすることによって、試験組成物2、3、および4を調製した。その後、錠剤圧縮(方法2)前に、得られた造粒物をPYY化合物とブレンドした。組成物を表1に記載する。
【表1】
【0216】
[実施例2-崩壊試験]
本研究の目的は、実施例1に記載の一連の錠剤組成物の崩壊を評価することであった。
【0217】
自動検出を用いる、欧州薬局方に従ったPharmatech PTZ自動崩壊試験器を使用して、アッセイIに従って、崩壊を測定した。試験組成物1~4を水R中で試験し、自動検出が展開されたときに崩壊したとみなした。結果を、3錠の平均として報告する。
【0218】
表2は、上記の実施例1に従って調製された錠剤の結果を示す。
【表2】
【0219】
得られた結果は、試験組成物2、3、および4が、試験組成物1について観察されたものよりも有意に速い崩壊を呈することを示す。
【0220】
[実施例3-溶解試験]
本研究の目的は、実施例1に記載の一連の錠剤組成物の溶解を評価することであった。
【0221】
溶解を、アッセイIIに従って測定し、SNACおよびPYY化合物の量をアッセイIIIに従って測定した。SNACおよびPYY化合物の放出量を、錠剤中の実際の含量(すなわち、100/300mg/錠剤SNACおよび3mg/錠剤PYY化合物)の割合として計算した。
【0222】
PYY化合物の含量(放出量)は、3錠の平均として報告する。
【0223】
表3は、上記の実施例1に従って調製された錠剤についての結果を示し、放出を、実験開始時の錠剤中のPYY化合物の総量と比較した、15、30、および60分後の溶液中のPYY化合物の量を記述する「溶液中のPYY化合物(%)」として提示する。錠剤中のPYY化合物の総量を、アッセイIIIに従って決定した。
【表3】
【0224】
得られた結果は、試験組成物2および3が、試験組成物1について観察されたものと比較して、より迅速なPYY化合物の放出を呈することを示す。PYY化合物の有意により迅速な放出が、早期の時点、すなわち、15分および30分で観察される。放出の差は、60分後にはあまり有意ではない。錠剤中のSNACの量は、実質的に、PYY化合物の放出に影響を与えず、すなわち、100mgのSNACを含む錠剤は、15分後以降に測定した場合、300mgのSNACを含む錠剤と同じくらい迅速に溶解する。
【0225】
試験組成物1~3について5、10、15、20、30、45、および60分後に得られたさらなるデータを
図1に示し、試験2および試験3が、すべての時点で試験1よりも優れていることを実証する。
【0226】
[実施例4-経口曝露]
この研究の目的は、PYY化合物32および4(試験組成物4および3、表1)を含む組成物のビーグル犬における経口曝露を評価することであった。
【表4】
【0227】
データは、PYY化合物が、本発明の製剤で経口投与から生物学的に利用可能であることを確認した。
【0228】
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、ここで、多くの修正、置換、変更、および均等物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にあるこうしたすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。
【配列表】
【国際調査報告】