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特表2022-543834電子デバイス用プローブヘッド、および対応するプローブカード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】電子デバイス用プローブヘッド、および対応するプローブカード
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20221006BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G01R1/073 E
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022507535
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2020071893
(87)【国際公開番号】W WO2021023739
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】102019000014208
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリッパ、ロベルト
【テーマコード(参考)】
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB07
2G011AB08
2G011AC14
2G011AE03
2G011AF07
4M106AA01
4M106DD03
4M106DD09
4M106DD10
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの上方ガイドおよび1つの下方ガイド内に備えられたガイド穴内に挿入された複数のコンタクトプローブであって、各コンタクトプローブが、下方ガイドから第1の長さで突出し、および、被試験デバイスのかかる接触パッドに当接するように構成された接触先端で終端する少なくとも1つの第1の端子部と、下方ガイドから第2の長さで突出し、および、試験装置と接続し、または連結するためのPCBの接触パッドに当接するように構成された接触ヘッドで終端する第2の端子部とを有する、複数のコンタクトプローブ、上方および下方ガイド間に画定された、複数のコンタクトプローブ用の曲げ領域を備え、好適には、PCBの方へ、複数のコンタクトプローブの長手方向展開軸の方向に上方ガイドから突出する少なくとも1つの保護構造を備え、上記保護構造がよって、複数のコンタクトプローブの複数の接触ヘッドにおいて延在する、プローブヘッドについて記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブヘッド(21)であって、少なくとも1つの上方ガイド(23)および1つの下方ガイド(24)内に備えられたガイド穴内に挿入された複数のコンタクトプローブ(22)であって、前記複数のコンタクトプローブ(22)それぞれが、前記下方ガイド(24)から第1の長さ(LA)で突出し、および、被試験デバイス(30)のそれぞれの接触パッド(30A)に当接するように構成された接触先端(22A)で終端する少なくとも1つの第1の端子部(21A)と、前記上方ガイド(23)から第2の長さ(LB)で突出し、および、試験装置と接続し、または連結するためのPCB(28)の接触パッド(28A)に当接するように構成された接触ヘッド(22B)で終端する第2の端子部(21B)とを有する、複数のコンタクトプローブ(22)、前記上方および前記下方ガイド(23、24)間に画定された、前記複数のコンタクトプローブ(22)用の曲げ領域(26)を備え、前記PCB(28)の方へ、前記複数のコンタクトプローブ(22)の長手方向展開軸(z)の方向に前記上方ガイド(23)から突出する少なくとも1つの保護構造(27)を備え、前記保護構造(27)が、前記複数のコンタクトプローブ(22)の複数の前記接触ヘッド(22B)において延在する、プローブヘッド(21)。
【請求項2】
前記保護構造(27)が、前記上方ガイド(23)に、場合によっては除去可能なように固定された、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項3】
前記保護構造(27)が、接着グルー層、溶接、または、保護面(27)および前記上方ガイド(23)に少なくとも部分的に交差する、ねじもしくはクリップから選択される固定手段により、前記上方ガイド(23)に固定された、請求項2に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項4】
前記保護構造(27)が、前記PCB(28)の方への、前記複数のコンタクトプローブ(22)の前記長手方向展開軸(z)の前記方向における、前記上方ガイド(23)の突出している部分(23’)により、備えられた、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項5】
前記保護構造(27)は、前記PCB(28)と前記上方ガイド(23)との間に交互に積層された個々に着脱可能な複数の層(27a、27b、27c、27d)を備える、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項6】
前記保護構造(27)が、接着材料、好ましくは弱いシールを有するグルー、または、前記複数の層(27a、27b、27c、27d)を互いに一体化させるように構成された除去可能な結合手段を備える、請求項5に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項7】
前記保護構造(27)が、フレーム、半フレームの対、柱などの単一の突出要素、から選択される形状を有する、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項8】
前記保護構造(27)、および、存在する場合、前記保護構造(27)の複数の層(27a~27d)が、前記上方ガイド(23)および/または前記PCB(28)に対して突出しているように備えられた、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項9】
前記保護構造(27)、および、存在する場合、前記保護構造(27)の複数の層(27a~27d)が、透明の、もしくは半透明のプラスチック材料、セラミック材料、または、金属材料、有機材料、もしくは、シリコーンで、好ましくはカプトン(Kapton)(登録商標)でできている、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項10】
基本支持体(23A、23B;24A、24B)の対を含み、ならびに、複数の前記基本支持体(23A、23B;24A、24B)間に位置付けられたスペーサ構造(27u、27l)を備えた前記上方ガイド(23)および/または前記下方ガイド(24)を備える、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項11】
前記スペーサ構造(27u、27l)が、場合によっては除去可能なように、前記複数の基本支持体(23A、23B;24A、24B)の1つに固定され、もしくは、前記基本支持体の突出している部分(23B’、24B’)により、備えられ、または、複数の重なり合っており個々に除去可能な層を備える、請求項10に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項12】
前記保護構造(27)が、前記複数のコンタクトプローブ(22)の前記接触ヘッド(22B)の拡大部分の高さ(HB)すべてのうちの最大のものの1つに対して等しく、または好ましくは大きい高さ(H1)を有する、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項13】
前記保護構造(27)が、前記複数のコンタクトプローブ(22)の前記接触ヘッド(22B)のテーパ部分の高さすべてのうちの最大のものの1つに対して等しく、または好ましくは大きい高さ(H1)を有する、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項14】
電子デバイスの試験装置用のプローブカード(20)であって、請求項1~13のいずれか1項に記載の少なくとも1つのプローブヘッド(21)、ならびに、前記試験装置と接続し、および、連結するための少なくとも1つのPCB(28)を備え、前記プローブヘッド(21)には、スペーストランスフォーマ(28)の複数の接触パッド(28A)に当接するように構成された複数のコンタクトプローブ(22)が備えられた、電子デバイスの試験装置用のプローブカード(20)。
【請求項15】
請求項14に記載のプローブカード(20)であって、前記プローブヘッド(21)の複数のガイドおよび/または複数の基本支持体を作るように構成された保持手段をさらに備え、保護構造(27)および/またはスペーサ構造(27u、27l)には、一体化された、前記保持手段用の好適な収容座が備えられたプローブカード(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの試験装置用のプローブヘッドに関連する。
【0002】
本発明は特に、排他的でないが、特に半導体ウェーハ上に集積された、電子デバイスを試験するための、垂直プローブを有するプローブヘッドに関連しており、および、以下の開示はその説明を簡素化する目的のみで本出願の技術分野を参照して行う。
【背景技術】
【0003】
よく知られているように、プローブヘッドは基本的には、マイクロストラクチャ、特に、ウェーハ上に集積された電子デバイスの複数の接触パッドを、それらの機能、特に電気的なものを検証する試験装置の対応するチャンネルと電気的に接続するように構成された装置である。
【0004】
集積デバイスに対して行われる試験は、既に製造段階にある欠陥デバイスを検出し、および分離するために使用される。通常、プローブヘッドはその場合、ウェーハ上に集積された複数のデバイスの、それらの切断、および、チップ格納パッケージ内での組み立て前の電気的試験のために使用される。
【0005】
プローブヘッドは、少なくとも1つの板、通常、一対の板またはガイドであって、略板状であり、および互いに平行であり、ならびに、複数のコンタクトプローブの移動および考えられる変形のためにフリー領域またはエア領域を残すように、それらの間に特定の距離をおいて配置された一対の板またはガイドにより、保持された複数の可動の接触要素またはコンタクトプローブを備える。上記一対のガイドは特に、通常、「上方ダイ」との語で示す上方ガイド、および、「下方ダイ」との語で示す下方ガイドを含み、「上方」および「下方」との形容詞は、当該分野において、プローブヘッドであって、その動作中のプローブヘッドを参照して、および、図の図示に対応して使用され、上記ヘッドは、(上方の)試験装置と、(下方の、)被試験デバイスを備える半導体ウェーハとの間に位置付けられる。すなわち、上方ガイドは試験装置の最も近くに位置付けられるものであり、および、下方ガイドは、被試験デバイスのウェーハの最も近くに位置付けられるものである。
【0006】
複数のガイドは、複数のガイド穴であって、通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金ワイヤにより、形成された複数のコンタクトプローブが軸方向にそれらの中を摺動する複数のガイド穴をいずれも備えている。
【0007】
プローブヘッドはさらに、通常、セラミックでできており、ならびに、プローブを収容し、および保護するように構成された、上方および下方ガイド間に配置されたケースにより、完全なものにされる。
【0008】
複数のコンタクトプローブと、被試験デバイスのそれぞれの接触パッドとの間の良好な接続は、デバイス自体に対する、すなわち、それを備えるウェーハに対する、プローブヘッドの圧力により、確実にされ、上方および下方ガイド内に作られた複数のガイド穴内で移動可能な複数のコンタクトプローブは、押圧接触の場合に、複数のガイド間のエア領域内での曲げ、および上記複数のガイド穴内での摺動を受ける。
【0009】
この種のプローブヘッドは通常、「垂直プローブヘッド」の語で示される。
【0010】
複数の垂直プローブヘッドは基本的には、エア領域であって、複数のコンタクトプローブの曲げがその中で生じるエア領域を有しており曲げ領域としても示される;さらに、複数のコンタクトプローブの曲げは、プローブ自体の好適な構成により、および/または、ガイドの好適な相対的な位置付けまたは位相シフトのおかげで加勢され得る。
【0011】
場合によっては、複数のコンタクトプローブは、上方ガイドにおいてプローブヘッドに、たとえば溶接または接合により、固定して接続される:それらは、複数のブロック化プローブを有する複数のプローブヘッドと呼ばれている。
【0012】
より頻繁には、複数のプローブヘッドは、プローブヘッドを含み、および試験装置に接続されたプローブカードの一部である、「スペーストランスフォーマ」と通常、呼ばれているスペーストランスフォーメーションボードに、固定して接続されていないが、連結された複数のプローブとともに使用される;それらは、複数の非ブロック化プローブを有する複数のプローブヘッドと呼ばれる。一般に、プローブヘッドは、それを備えるプローブカードのPCBに連結され、および接続されて、試験装置であって、そのプローブカードが端子要素である試験装置に連結される。
【0013】
複数の非ブロック化垂直プローブを有するプローブヘッドを備えるプローブカードは、図示を単純にするために、そうしたプローブヘッドに通常含まれる複数のプローブのうちの1つのコンタクトプローブのみを示す図1に概略的に示す。
【0014】
特に、プローブカード10は、プローブヘッド1と、スペーストランスフォーマ8などの、試験装置と接続し、および連結するためのPCBとを備える;プローブヘッドは、今度は、少なくとも、略平坦および平行の板状支持体でできており、それぞれの上方ガイド穴3Aおよび下方ガイド穴4Aであって、それらの中でそれぞれのコンタクトプローブ2が摺動するそれぞれの上方ガイド穴3Aおよび下方ガイド穴4Aを有する上方ガイド3および下方ガイド4を含む。図1では、プローブカード10は、少なくとも1つの被試験デバイス7を備えるウェーハ上に載っているプローブヘッド1とともに、動作状態において示す。
【0015】
プローブヘッド1は、コンタクトプローブ2を収容し、および保護するように上方および下方ガイド(3および4)間に配置された、補強材としてもふるまうケース4も備える。ケース4は、特に、上記ガイド間のエアまたは曲げ領域6において延在する。
【0016】
各コンタクトプローブ2は、略ロッド状本体2C、および少なくとも1つの接触端または先端2Aを有する。端または先端との語は、ここでは、および以下では、必ずしも先がとがっていない、端の部分を示す。特に、接触先端2Aは、被試験デバイス7の接触パッド7Aに当接し、上記デバイスと、試験装置(図示せず)であって、そのプローブカード10が端子要素である試験装置との間の機械的および電気的接触を行う。
【0017】
図1に示す例では、コンタクトプローブ2は、スペーストランスフォーマ8の複数の接触パッド8Aの方に向かう、通常、接触ヘッド2Bとして示すさらなる接触端を有する。複数のプローブと、スペーストランスフォーマとの間の良好な電気的接触は、被試験デバイスとの接触と同様に、それぞれの接触パッドに対する、複数のコンタクトプローブの複数の端部の、特に、ヘッドの圧力により、確実にされる。
【0018】
より一般には、上述したように、複数のプローブの複数の接触ヘッドを有する複数の接触パッドは、プローブヘッドを備えるプローブカードとの接続に使用される試験装置と接続され、または連結されるためのPCB上に作られ、前述した考慮事項は、上記PCBについても有効であり得る。
【0019】
上方ガイド3および下方ガイド4は好適には、複数のコンタクトプローブ2の変形を可能にするエアまたは曲げ領域6と間隔をおいて配置され、複数の上方ガイド穴3Aおよび複数の下方ガイド4Aは、それらの中でのかかるコンタクトプローブの摺動を可能にするように必要な大きさにされる。浮動領域と呼ばれるさらなる領域9が上方ガイド3とスペーストランスフォーマ8との間に画定される;上記浮動領域9は、プローブヘッド1の、したがって、被試験デバイス7上の複数のコンタクトプローブ2の、すなわち、関連した複数の接触パッド7A上の複数の接触先端2Aの押圧接触の場合の、複数の接触ヘッド2Bの移動が保証されるように確立され、いずれにせよ、スペーストランスフォーマ8の複数の接触パッド8Aとの、複数の接触ヘッド2Bの接触が確実にされる。
【0020】
いわゆる「シフトさせられた板」の技術により、作られたプローブヘッドの場合、上方ガイド3および下方ガイド4は、図中、πで示すそれらの展開平面に平行である方向Dshiftにおいて偏位させられ、または移動させられ、ならびに、「バックリングビーム」とも呼ばれる複数のコンタクトプローブ2はしたがって、複数の上方および下方ガイドの複数のガイド穴内でのプローブの正しい保持を可能にし、方向Dshiftにほぼ対応する、その特権的な曲げ方向を強いるように、図1に示すような略中央位置において、好適に変形させられたプローブ本体を有する。
【0021】
忘れてはならないのは、プローブヘッドの、および、したがって、それを備えるプローブカードの正しい動作が基本的に、2つのパラメータ、すなわち、複数のコンタクトプローブの垂直方向の移動、またはオーバートラベル、および、被試験デバイス7の複数の接触パッド7A上のそれぞれの接触端、特に複数の接触先端2Aであって、上記複数のパッドの表面「清掃」を実現し、よって、その耐用寿命全体の間、そのプローブヘッド1により、すなわち、その複数のコンタクトプローブ2により、行われる接触を改善することができる複数の接触先端2Aの水平方向の移動、またはスクラブと関連付けられることである。
【0022】
複数のコンタクトプローブ2の複数の接触ヘッド2Bの浮動領域9が、プローブヘッド内の上記複数の接触ヘッド2Bの正しい収容、ならびに、スペーストラスフォーマ8の複数の接触パッド8A上のその機械的および電気的接触を確実にするように必要な大きさにされることを確実にすることも重要である。
【0023】
これらの特徴はすべて、プローブヘッドの実現中に評価され、および校正されるべきであり、複数のプローブ、被試験デバイス、および試験装置間の良好な電気接続は常に保証される必要がある。
【0024】
複数のコンタクトプローブの複数の端、特に、複数の被試験デバイスの複数のパッドに接触する複数の先端は、一般に汚れと呼ばれる材料の堆積を使用中に受け、それは、それらの性能を低下させ、および、リスクが、被試験デバイスとの、複数のプローブの正しい接触を損ない、その場合、上記複数の先端のスクラブはしかし、複数のパッドとの電気的接触を確実にすることができるものでない。
【0025】
したがって、複数のプローブヘッドの、特に、研磨布による、それらの複数のプローブの複数の接触先端の定期的な清掃動作を行うことが知られている。
【0026】
上記清掃動作にはしかし、複数のプローブの端部の一部の、特に接触先端の消費が関係し、および、したがって、厳密には、各清掃により、短縮化される、上記先端の長さにより、回数が制限される。接触先端の端部のいかなる後の摩耗も、特に、厳密に接触先端を備える、下方ガイドから突出するテーパ状のプローブの部分に制限されなければならない。
【0027】
プローブヘッドの清掃動作の回数は実際には、その耐用寿命、および、よって、それを収容するプローブカードの耐用寿命を定める。
【0028】
複数のコンタクトプローブの複数の端部の長さを、特に複数の接触点において調節するように、格納要素と、上方および下方ガイドの1つとの間に、除去可能なように挿入されたスペーサ要素の使用は、同一出願人名義で、国際公開第2014/167410号により、2014年10月16日付で公開された、国際出願(PCT)により、知られている。
【0029】
上記プローブヘッドは、種々の点で有利であるが、スペーサまたはその層を除去することにより、もたらされる複数の端部の長さの変化が不可避的に、複数のコンタクトプローブのエアまたは曲げ領域も変化させ、よって、接触力学を修正し、および、複数の接触パッドに対して、複数のプローブにより、作用させられる力と、さらに、それらに対して与えられ得るスクラブとに関する問題をもたらし、ならびに、それぞれのガイド穴内の上記複数のプローブの永久的な変形または噛み合いのリスクを伴って、上記エア領域内で複数のプローブにより、受けられる変形を修正することに関連付けられた欠点を有する。
【0030】
どのようにして、コンタクトプローブであって、プローブヘッドから、特に、被試験デバイスの方へ、その先端端部において、突出するコンタクトプローブの長さを修正することを目的とした方策には多くの場合、複数のプローブのヘッド端部における浮動領域内の不必要な変更も関係し、試験装置の方への、PCBとのそれらの接続を損ない、全体としてのプローブヘッドの誤った動作をもたらすかが直ちに検証可能でもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明の技術的課題は、ウェーハ上に集積された電子デバイスのプローブヘッドであって、その中での複数のコンタクトプローブの正しい収容を保証し、さらに、機能的損失なしで複数のコンタクトプローブの清掃動作に従うような構造的および機能特性を有する、ウェーハ上に集積された電子デバイスのプローブヘッドを提供し、従来技術によって作られた複数のプローブヘッドになお悪影響をおよぼしている制約および欠点を解消し、特に、浮動領域内の複数のプローブの複数の接触ヘッドの十分な保護および正しい保持、それぞれのガイド穴内の複数のプローブの正しい摺動、および、複数回の清掃動作後もの、プローブヘッドおよびそれを備えるプローブカードの寿命にわたる、複数のプローブ、被試験デバイスの接触パッド、および試験装置に接続されたPCB間の正しい接触のための不可欠なスクラブ機構を確実にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の基礎をなす解決策の考えは、その複数のプローブの複数の接触ヘッド部用のそのプローブヘッド内の好適な保護構造であって、そうした保護構造がさらに、プローブヘッドの通常の動作の妨げにならないように位置付けられ、および、好ましくは除去可能であり、場合によっては、しかし、複数のプローブの曲げ領域の長さを変化させることなく、接触先端部においてその長さを低減した、清掃動作後に、浮動領域の長さ、および、よって、被試験デバイスの方へプローブヘッドから突出するプローブの長さを修正するように個々に除去可能な層により、備えられる好適な保護構造を提供することである。
【0033】
上記解決策の考えに基づけば、上記技術的課題は、少なくとも1つの上方ガイドおよび1つの下方ガイド内に備えられたガイド穴内に挿入された複数のコンタクトプローブであって、上記複数のコンタクトプローブそれぞれが、下方ガイドから第1の長さで突出し、および、被試験デバイスのそれぞれの接触パッドに当接するように構成された接触先端で終端する少なくとも1つの第1の端子部と、上方ガイドから第2の長さで突出し、および、試験装置と接続し、または連結するためのPCBの接触パッドに当接するように構成された接触ヘッドで終端する第2の端子部とを有する、複数のコンタクトプローブ、上方および下方ガイド間に画定された、複数のコンタクトプローブ用の曲げ領域を備え、PCBの方へ、複数のコンタクトプローブの長手方向展開軸の方向に上記上方ガイドから突出する少なくとも1つの保護構造を備え、上記保護構造が、複数のコンタクトプローブの複数の接触ヘッドにおいて延在する、プローブヘッドによって解決される。
【0034】
特に、本発明は、個々に、または、必要な場合、組み合わせで採用される以下のさらなる、および任意的な特徴を備える。
【0035】
本発明の別の態様によれば、保護構造は、上方ガイドに、場合によっては除去可能なように固定され得る。
【0036】
特に、保護構造は、接着グルー層、溶接、または、保護面および上方ガイドに少なくとも部分的に交差する、ねじもしくはクリップから選択される固定手段により、上方ガイドに固定され得る。
【0037】
本発明の別の態様によれば、保護構造は、PCBの方への、複数のコンタクトプローブの長手方向展開軸の方向における、上方ガイドの突出している部分により、備えられ得る。
【0038】
本発明のさらに別の態様によれば、保護構造は、PCBと上方ガイドとの間に交互に積層された個々に着脱可能な複数の層を備え得る。
【0039】
特に、保護構造は、接着材料、好ましくは弱いシールを有するグルー、または、複数の層を互いに一体化させるように構成された除去可能な結合手段を備え得る。
【0040】
本発明の別の態様によれば、保護構造は、フレーム、半フレームの対、柱などの単一の突出要素から選択される形状を有し得る。
【0041】
さらに、本発明の別の態様によれば、保護構造、および、場合によっては、その複数の層は、上方ガイドおよび/またはPCBに対して突出しているように備えられ得る。
【0042】
保護構造、および、場合によっては、その複数の層は、透明の、もしくは半透明のプラスチック材料、セラミック材料、または、金属材料、有機材料、もしくは、シリコーンで、好ましくはカプトン(Kapton)(登録商標)でできている場合もある。
【0043】
本発明の別の態様によれば、プローブヘッドは、基本支持体の対を含み、ならびに、複数の基本支持体間に位置付けられたスペーサ構造を備えた上方ガイドおよび/または下方ガイドを備え得る。
【0044】
本発明の上記態様によれば、スペーサ構造は、場合によっては除去可能なように、複数の基本支持体の1つに固定される場合があり、もしくは、その突出している部分により、備えられ、または、複数の重なり合っており個々に除去可能な層を備える。
【0045】
本発明の別の態様によれば、保護構造は、複数のコンタクトプローブの接触ヘッドの拡大部分の高さすべてのうちの最大のものの1つに対して等しく、または好ましくは大きい高さを有し得る。
【0046】
あるいは、保護構造は、複数のコンタクトプローブの接触ヘッドのテーパ部分の高さすべてのうちの最大のものの1つに対して等しく、または好ましくは大きい高さを有し得る。
【0047】
技術的課題は、少なくとも1つのプローブヘッド、ならびに、試験装置と接続し、および、連結するための少なくとも1つのPCBを備える、電子デバイスの試験装置用のプローブカードであって、上記プローブヘッドには、スペーストランスフォーマの複数の接触パッドに当接するように構成された複数のコンタクトプローブが備えられ、プローブヘッドが上述したように備えられる、電子デバイスの試験装置用のプローブカードによっても解決される。
【0048】
本発明の別の態様によれば、プローブカードは、プローブヘッドの複数のガイドおよび/または複数の基本支持体を作るように構成された保持手段をさらに備える場合があり、保護構造および/またはスペーサ構造には、一体化された、保持手段用の好適な収容座が備えられる場合がある。
【発明の効果】
【0049】
本発明によるプローブヘッドの特徴および利点は、添付図面を参照して、限定でない例として表すその実施形態の例の以下に行った説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】従来技術により、備えられた、特にウェーハ上に集積された電子デバイスのプローブカードを概略的に示す。
図2】本発明の実施形態により、備えられたプローブヘッドの断面図を概略的に示す。
図3A】本発明によって備えられたプローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図3B】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図3C】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図4A】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図4B】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図4C】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図5A】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図5B】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図5C】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図5D】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図6】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
図7】本発明によって備えられた、プローブヘッドの代替的な実施形態を備えるプローブカードをそれぞれの断面図において概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
これらの図、および特に図2を参照すれば、本発明によるプローブヘッドは、大局的に21により、示す。
【0052】
留意すべきは、複数の図が、概略図を表しており、縮尺通りに描かれていないが、その代わりに、本発明の重要な特徴を強調するように描かれていることである。さらに、特定の実施形態を参照して示す方策が明らかに他の実施形態と組み合わせて使用され得ることを指摘する。最後に、構造的に、および機能的に対応する要素を示すために、異なる複数の図において同じ参照番号が使用される。
【0053】
プローブヘッド21は、板状であり、および平行であるそれぞれの支持体、または上方ガイド23および下方ガイド24の好適なガイド穴内に収容された複数のコンタクトプローブ22を含む。プローブヘッド21は、複数のコンタクトプローブ22が、図中、π1により示す第1の平面においてプローブヘッド21が当接する、半導体ウェーハ内に通常収容された被試験デバイス上のプローブの押圧接触の場合にさらに変形させられ得る、Lにより示す高さを有するエア領域または曲げ領域26において、上方ガイド23と下方ガイド24との間に延在する格納要素またはケース25も備える。
【0054】
特に、図2に示すプローブヘッド21は、非ブロック化垂直プローブタイプのものであり、コンタクトプローブ22はそれぞれ、それぞれの接触パッドと機械的および電気的接触を行うように構成されたそれぞれの端子部21Aおよび21Bを有する;特に、第1の端子部21Aが、第1の平面π1において被試験デバイスの接触パッドに当接するように構成された接触先端22Aで終端する一方、第2の端子部21Bは、図中、π2により示す第2の平面において、スペーストランスフォーメーションもしくはスペーストランスフォーマの層、または汎用的な接続もしくはインターフェースPCBなどの、試験装置の方の、接続要素のさらなる接触パッドに当接するように構成された接触ヘッド22Bで終端する。このようにして、コンタクトプローブ22は、被試験デバイスと、そのプローブヘッド21が端子要素である試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触に備える。コンタクトプローブ22は、上記第1の、および第2の端部(21Aおよび21B)間に延在される略ロッド状プローブ本体22Cも有する。
【0055】
「端子部」との語は、ガイドに、したがってケース25に対して、特に、それぞれ、被試験デバイスの、またはプローブヘッド21を備えるプローブカードのPCBの方向に突出する、コンタクトプローブ22の一部を意味する。さらに、前述したように、先端との語は、必ずしも先がとがっていない端部を示す。
【0056】
特に、接触先端22Aにおける、コンタクトプローブ22の第1の端子部21Aは、プローブヘッド21の下方ガイド24の下に、図の局所参照においてzにより示す、プローブの長手方向展開軸に対して反対の方向に延在する。同様に、接触ヘッド22Aにおける、コンタクトプローブ22の第2の端子部21Bは、長手方向展開軸zの方向において、プローブヘッド21の上方ガイド23の上に延在する。
【0057】
前述したように、コンタクトプローブ22は、被試験デバイスの接触パッド上で略点状の接触を行うようにテーパ形状を有する接触先端22Aを備える第1の端子部21Aを有する。さらに、コンタクトプローブ22は、少なくとも1つの拡大部分が備えられた、すなわち、第2の端子部21Bの、および、一般に、プローブ本体22Cの残りの部分の横径D1よりも大きな寸法である横径D2を有する接触ヘッド22Bを備える第2の端子部21Bを有しており、径は、コンタクトプローブ22の長手方向展開軸zに直交する上記部分の断面の最大横径を表す;接触ヘッド22Bは、プローブヘッド21を備えるプローブカードのPCBのパッド上で略点状の接触を行うようにさらなるテーパ状を有する。接触ヘッド22Bは、その拡大部分のおかげで、上方ガイド23上に載り、プローブヘッド21内での、コンタクトプローブ22の所望の保持を、被試験デバイスとの上記プローブヘッド21の接触がない場合にも実現するように構成された、それぞれのアンダーカット状壁も有する。
【0058】
厳密には、複数のコンタクトプローブ22の接触ヘッド22Bにおけるそうした拡大部分の存在は、プローブヘッド21内の複数のコンタクトプローブ22の正しい格納、および移動の自由度に結び付けられた問題を増大させる。既に説明したように、上記プローブヘッド21の動作中、すなわち、半導体ウェーハ上に集積されたデバイスの試験動作の場合、複数のコンタクトプローブ22は、それらの複数の接触先端22Aが、被試験デバイスの複数のパッドに当接し、および、それらの複数の接触ヘッド22Bが、PCBの、または、上記プローブヘッド21を備えるプローブカードのスペーストランスフォーマの、対応する複数の接触パッドに当接する場合に、曲げおよび変形を受ける;上記接触中、複数のコンタクトプローブ22は、しかし、プローブヘッド21全体も、すなわち、図中の長手方向展開軸zの方向に応じて、試験装置の方に、実質的に押し上げられる。
【0059】
好適には、本発明によるプローブヘッド21は、試験装置の方向において、すなわち、図において示す長手方向展開軸zの方向において、上方ガイド23から突出する少なくとも1つの保護構造27を備える。保護構造27はしたがって、厳密には、長手方向展開軸zの方向に応じて上方ガイド23から突出する複数の接触ヘッド22Bにおいて延在する。
【0060】
特に、保護構造27は、複数の接触ヘッド22Bであって、それらの拡大部分から開始して実接触の略点状端までの、複数の接触ヘッド22Bの対応する高さHBに対して等しく、または好ましくは大きい高さH1(H1≧HB)を有する。より具体的には、それぞれの個々の接触ヘッド22Bの高さHBが、アンダーカット状壁Sqから、すなわち、最大径の断面から、実接触領域、すなわち、略点状の最小径断面を形成するテーパ状端まで測定される。さらに、保護構造27の高さH1は、複数のコンタクトプローブ22の複数の接触ヘッド22Bの高さすべてのうちの最大のものに対して等しく、または好ましくは大きいように選択される;このようにして、保護構造27は、プローブヘッド21の複数のコンタクトプローブ22の複数の接触ヘッド22Bすべてを正しく保護することができる。
【0061】
図に示していないが、プローブヘッド21が、複数の非拡大接触ヘッド22Bが備えられた第2の端子部21Bを有する複数のコンタクトプローブ22を備える場合もあることを指摘する。この場合、保護構造27は、上方ガイド23との、複数の接触ヘッド22Bの、特に、接触の実領域の、過剰な接近を避けるために使用され、その接近は、かかる複数の上方ガイド穴23H内の複数の接触ヘッド22Bの噛み合いを、全体としてのプローブヘッド21の結果として生じる誤動作とともに、特に、試験装置と接続し、および連結するためのPCBとの接触の欠如により、もたらし得る。この場合、保護構造27の高さH1は、接触ヘッド22Bを形成する第2の端子部21Bのテーパ部分よりも大きいように、または、いずれにせよ、上方ガイド23内にそれを収容する対応する上方ガイド穴23H内の接触ヘッド22Bの噛み合いを避けるように選択される;さらにこの場合、保護構造27の高さH1は、複数のコンタクトプローブ22の複数の接触ヘッド22Bの複数のテーパ部分の高さすべてのうちの最大のものの1つに対して等しく、または好ましくは大きいように定められる。
【0062】
保護構造27は、たとえば、接着グルー層により、溶接により、または、保護面27および上方ガイド23に少なくとも部分的に交差する、ねじもしくはクリップなどの固定手段により、上方ガイド23に、ほぼ除去可能なように固定される。
【0063】
そうした保護構造27は、複数のガイド穴により、したがって、すべて、長手方向展開軸zの方向において上方ガイド23から突出している複数のコンタクトプローブ22により交差されない、上方ガイド23の領域において、実質的には、フレームとしての形状をしており、または1つまたは複数の部分を備えている場合がある。
【0064】
図3Aは、スペーストランスフォーマまたは一般に、試験装置(図示せず)と接続し、および連結するためのPCB28も備える、プローブカード20に取り付けられたプローブヘッド21を示す。特に、PCB28は、複数の接触パッド28Aであって、複数のコンタクトプローブ22の複数の接触ヘッド22Bがそれらに当接する複数の接触パッド28Aを備える。プローブカード20は、特に半導体ウェーハ30’上に集積され、および、対応する複数のパッド30Aであって、複数のコンタクトプローブ22の複数の接触先端22Aがそれらに当接する、対応する複数のパッド30Aが備えられた被試験デバイス30に、そのプローブヘッド21により、当接するように構成される。
【0065】
既に示したように、プローブカード20によって行われる試験動作中、すなわち、プローブヘッド21が、被試験デバイス30に、およびPCB28に押圧接触している場合、コンタクトプローブ22は、上方ガイド23と下方ガイド24との間で延在しており、ケース25の高さに対応する長さLを有する曲げ領域26において曲がる。
【0066】
接触先端22Aにおける、コンタクトプローブ22の第1の端子部21Aは、下方ガイド24と被試験デバイス30との間の第1の領域ZA内に延在している;特に、接触先端22Aは、第1の領域ZAの長さに対応して、上記プローブヘッド21と押圧接触している被試験デバイス30のウェーハ20’により、定められる平面π1を基準にして、プローブヘッド21の下方ガイド24に対して、好適な第1の長さLAで突出する。上記第1の領域ZAは、プローブヘッド21の、およびそれを備えるプローブカード20の動作中の、被試験デバイス30の接触パッド30A上の、コンタクトプローブ22の接触先端22Aの移動を可能にし、および、したがって、スクラブ領域ZAとして示す。
【0067】
同様に、接触ヘッド22Bにおける、コンタクトプローブ22の第2の端子部21Bは、プローブヘッド21の上方ガイド23と、PCB28との間の第2の領域ZB内に延在している;特に、接触ヘッド21Bは、第2の領域ZBの長さに対応して、被試験デバイス30と同様に、プローブヘッド21と押圧接触しているPCB28の平面π2を基準にして、上記上方ガイド23に対して、好適な第2の長さLBで突出する。上記第2の領域ZBは、プローブヘッド21の、およびそれを備えるプローブカード20の動作中の、コンタクトプローブ22の接触先端22Bの移動を可能にし、および、したがって、浮動領域ZBとして示す。
【0068】
実質的には、図3Aは、動作状態における、すなわち、ウェーハ30’内に集積された被試験デバイス30の試験段階中のプローブヘッド21であって、その中に収容された複数のコンタクトプローブ22それぞれが、上記被試験デバイス30の接触パッド30Aと押圧接触している接触先端22A、およびPCB28の接触パッド28Aと押圧接触している接触ヘッド22Bを有する場合の、プローブヘッド21を示す;図の例では、保護構造27は、PCB28と接触している。
【0069】
したがって、プローブヘッド21の保護構造27が、基本的には、複数のコンタクトプローブ22の接触ヘッド22Bと、PCB28との間のスペーサ要素としてふるまって、上記PCB28との、したがって、試験装置であってそのプローブカード20が端子要素を構成する試験要素との、一定の、および正しい接触、厳密にはPCB28の接触パッド28Aに接触ヘッド22Bが当接することにより行われる接触を確実にして、浮動領域ZBの長さLBが一定に保たれることを可能にすることを指摘する。上記保護構造27は、複数のコンタクトプローブ22が、複数の拡大された接触ヘッド22Bなしでも、上方ガイド23内に備えられ、および、それらを収容するように構成された複数の上方ガイド穴23H内で噛み合わないように防ぐこともできる。対応する複数の下方ガイド穴24Hが、複数のコンタクトプローブ22を収容するために下方ガイド24内に備えられる。
【0070】
上方ガイド23の好適な構成により、特に、PCB28の方向において突出している部分23’をそれに備えることにより、保護構造27を作ることも可能であり、上記突出している部分23’は、たとえば、上方ガイド穴23Hが備えられた、上記上方ガイド23の領域外に延在しており、したがって、図3Bに概略的に示すように、プローブヘッド21の、およびそれを備えるプローブカード20の正しい動作を保証するようにコンタクトプローブ22を収容するように構成された、上方ガイド23のフレームまたはエッジの形態を有することができる。この場合、保護構造27は、上方ガイド23と一体として作られる。
【0071】
図3Cに示すように、保護構造27は、修正され得る高さH1を有する保護構造27を備えるように、個々に着脱可能または剥離可能である、好適には、PCB28と上方ガイド23との間に交互に積層された複数の層27a、27b、27c、27dによっても作られ得る。上記複数の層27a、27b、27c、27dは場合によっては、それらの互いとの分離を容易に可能にするように、弱いシールを有するグルーなどの接着材料により、互いに一体化される。
【0072】
図3Cに示す保護構造27は、限定でない例のみとして、4つの層を備えており、上記構造は、等しい、または異なる厚さを有する任意の数の、場合によっては1つのみの層も備えることができる。
【0073】
そうした実施形態は、特に、好都合であることが分かっている。実際に、プローブヘッド21が使用されるにつれ、上述したように、研磨布上のその接触先端22Aの通過によって、第1の端子部21Aがその長さLAを低減することがよく知られている。基本的には、第1の端子部21Aは、対応する接触先端22Aの各清掃動作中に摩耗し、プローブヘッド21がもう正しく機能することが可能でない状態になるまで、スクラブ領域ZAの長さLAを低減する。
【0074】
好適には、本実施形態によれば、保護構造27は、1つまたは複数の層27a、27b、27c、27dを除去することにより、高さが低減され、それは、浮動領域ZBの長さLBを低減し、よって、上方ガイド23‐下方ガイド24‐ケース25のアセンブリの、すなわち、プローブヘッド21の他方への移動を可能にし、その中に収容されたコンタクトプローブ22が、下方ガイド24からより多く突出することを可能にし、よって、スクラブ領域ZAの長さLAを増加させ得る。
【0075】
保護構造27、特に、その複数の層27a、27b、27c、27dの数または高さは、保護構造27の複数の層27a、27b、27c、27dの1つまたは複数の除去後も、接触ヘッド22Bの正しい格納、および、特に、浮動領域ZBの十分な長さLBを保証することができるように、接触ヘッド22Bの高さHBよりも十分に大きな高さH1を有するように必要な大きさにされる。
【0076】
図において示していない代替的な実施形態によれば、保護構造27は、少なくとも、接触ヘッド22Bの高さHBに対して等しく、または大きい高さを有する、固定部分、および個々に除去可能な層を有するさらなる部分を備える。このようにして、保護構造27の高さH1が常に、除去可能な層すべての除去後も、接触ヘッド22Bの高さHBに対して大きく、または等しいことが確実にされる。
【0077】
保護構造27、および、存在する場合、その複数の層27a~27dは、透明の、もしくは半透明のプラスチック材料、セラミック材料、または、金属材料、有機材料、もしくは、シリコーンで、好ましくはカプトン(Kapton)(登録商標)でできている。さらに、上記複数の層は、たとえば、好ましくは弱い密着を有する接着材料の層により、または、ねじもしくはクリップなどのさらに除去可能な結合手段により、互いに一体化される場合がある。
【0078】
図3Cに示す実施形態では、例によれば、保護構造27およびその個々の層27a~27dは、フレームの形態で作られる。さらに、プローブヘッド21および上方ガイド23の実質的に両方の、平行の側に沿って延在されている半フレーム対の形態で保護構造27を作ることも可能である。
【0079】
図に示していないが、保護構造27、および、存在する場合、その層27a~27dが、上方ガイド23および/またはPCB28に対して突出するように作られる場合もあることを指摘する。
【0080】
保護構造27は、たとえば、図4Aに概略的に示すような、対応する複数の上方ガイド穴23Hなしの領域内の、複数のコンタクトプローブ22のハウジング領域内の、上方ガイド23上に位置付けられた1つまたは複数の個々の柱などの、完全に異なる形状を呈する場合もある。図の例では、保護構造27は、複数のコンタクトプローブ22により占められていない領域内の、上方ガイド23とPCB28との間に延在する一対の柱を備える。
【0081】
さらに、この場合には、保護構造27は、試験装置の方向において上方ガイド23から突出しており、たとえば、接着グルー層、溶接、または、保護構造27および上方ガイド23に少なくとも部分的に交差する、ねじもしくはクリップなどの固定手段により、上記ガイドに、ほぼ除去可能なように固定される。さらに、前述したように、保護構造27は、常に、プローブヘッド21内に収容された複数のコンタクトプローブ22の個々の複数の接触ヘッド22Bの高さのうちの最大のものとして意図された、複数の接触ヘッド22Bであって、それらの拡大部分を有する複数の接触ヘッド22Bの全体のボリュームに対応する、対応する高さHBに対して等しく、または好ましくは大きい高さH1(H1≧HB)を有する。あるいは、保護構造27の高さH1は、特に拡大部分が存在していない場合の、上方ガイド23の対応する複数の上方ガイド穴23H内の接触ヘッド22Bの噛み合いを避けるように確立される。
【0082】
前述したように、上方ガイド23の好適な構成により、特に、図4Bに概略的に示すような、PCB28の方向において突出している部分23’をそれに備えることにより、または、複数の個々に着脱可能もしくは剥離可能である、好適には、図4Cに概略的に示すような、PCB28と上方ガイド23との間に交互に積層された複数の層27a、27b、27cにより、例としてのみで、3つの層により、形成された単一の柱を備える保護構造27により、保護構造27を作ることも可能である。
【0083】
図に示すような、「バックリングビーム」タイプの垂直プローブヘッドでは、複数のコンタクトプローブ22が、それぞれの複数のガイド穴内の摩擦の重大な問題であって、それらの中での、複数のプローブの摺動を困難にし、またはさらにそれを妨げ得る、摩擦の重大な問題を示すこともよく知られている。
【0084】
清掃動作による、複数のコンタクトプローブ22の第1の端子部21Aの短縮化は、複数のプローブが、複数の対応する下方ガイド穴内で噛み合う可能性を増大させる;同様に、PCB28に対する、上方ガイド23の接近、および、したがって、浮動領域ZBの長さLBの減少は、複数の上方ガイド穴23H内で、複数のコンタクトプローブ22が噛み合うリスクを、特に、拡大された接触ヘッド22Bが存在していない場合に、増大させる。
【0085】
好適には、図5A~5Dに概略的に示すように、プローブヘッドの上方および/または下方ガイドの少なくとも1つを形成するための、互いに平行の、複数の、好ましくは2つの基本支持体の使用のおかげで、複数のプローブの上記摺動摩擦の減少を実現することが可能である。
【0086】
たとえば、図5Aに示す実施形態におけるように、プローブヘッド21は、長さLUを有する少なくとも1つの上方エア領域ZUにより隔てられた、板状であり平行の、一対の基本支持体、すなわち上方基本支持体23Aおよび下方基本支持体23Bにより形成された上方ガイド23を備え得る。
【0087】
プローブヘッド21はこの場合、上方ガイド23から、特に、PCB28の方向においてその上方基本支持体23Aから、突出している保護構造27も備える一方、被試験デバイス30への、複数のプローブの押圧接触の場合に、複数のコンタクトプローブ22がさらに変形し得る曲げ領域26は、下方基本支持体23Bと下方ガイド24との間に画定される。
【0088】
好適には、プローブヘッド21は、上方ガイド23の複数の基本支持体間に位置付けられ、それらの間の距離、したがって、図5Aに概略的に示すような、上方エア領域ZUの長さLUが維持されることを確実にする、高さH2を有する上方スペーサ構造27uも備える。
【0089】
上方ガイド23の下方基本支持体23Bの好適な構成により、特に、図5Bに概略的に示すような、上方基本支持体23Aの、したがってPCB28の方向において、突出している部分23B’をそれに提供することにより、または、図5Cに概略的に示すような、複数の個々に着脱可能または剥離可能である、好適に上方基本支持体23Aと下方基本支持体23Bとの間に交互に積層された層により、上方スペーサ構造27uであって、上方スペーサ構造27uが、例としてのみで、3つの層を備えており、および、上方エア領域ZUについての所望の長さLUを保証するような高さを有する上方スペーサ構造27uを提供することも可能である。
【0090】
好適には、複数の個々に剥離可能な層により作られた上方スペーサ構造27uが、積層保護構造27について前述したように、上方ガイド23の下方基本支持体23Bと下方ガイド24との間に画定された曲げ領域26の長さLを修正することなく、浮動領域ZBおよびスクラブ領域ZAの長さを調節するために、使用され得る。
【0091】
図5Dに概略的に示す、好ましい実施形態では、プローブヘッド21は、複数の個々に、および無関係に除去可能または剥離可能な層により作られた、保護構造27および上方スペーサ構造27uをいずれも備え得る。
【0092】
直近でなされた考慮事項は、図6に概略的に示すような、長さLLを有する下方エア領域ZLを画定する、高さH3を有する下方スペーサ構造27lにより隔てられた一対の基本支持体(24Aおよび24B)により、下方ガイド24が形成された場合に適用される場合もあり、および、いずれのガイドも同様である場合、プローブヘッドは、したがって、図7に概略的に示すような、複数のコンタクトプローブ22の複数の接触ヘッド22Bの保護構造27に加えて、二対の基本支持体(23A、23Bおよび24A、24B)と、それぞれの高さH2ならびにH3を有する2つのスペーサ構造27uおよび27lとを備える。
【0093】
さらに、上記代替的な実施形態の場合、プローブヘッド21の、および、それを備えるプローブカード20の応用ニーズに応じて解決策を互いに組み合わせて、上述したような複数の構造の1つまたは複数を備えることが可能である。
【0094】
保護構造27の、ならびに、スペーサ構造27uおよび/または27lの異なる層が、プローブヘッド21から突出している複数の部分であって、好ましくは、それらの正しい除去を容易にするように異なる長さを有する複数の部分を有するように作られ得ることが指摘される。好適には、上記突出している複数の部分は、異なる複数の構造の複数の対応する層について等しい長さを有し、たとえば、PCB28に最も近い層の突出している部分は、図の局所参照を考慮すれば、上記構造の下に位置付けられたガイドまたは支持体に徐々に、より近い、後の複数の層の1つと同じ短い長さを有する。上記複数の層の番号つけに、たとえば、徐々に増加する番号つけにより、備えることも可能であり、上記番号つけは、目に見えるものであり、および、単に、複数の層の突出している部分すべての上の上記番号つけを読み取ることにより、上記複数の構造すべてが、所望の数の層を備えることを検証することを可能にするように、層の突出している部分において施される。
【0095】
上記複数の層の非対称の除去は、支持体および/またはガイド間の相対距離を修正することを可能にし、特に、支持体およびガイドのいずれの製造または組み立ての誤りも補償するようにその傾斜をもたらす場合もある。
【0096】
プローブカード20は、上記ボードの種々の構成要素、特に、要素ガイドおよび/または支持体、ならびに、保持手段用の好適な収容座が上記目的で備えられた保護構造27およびスペーサ構造(27uおよび27l)を一体化させるように構成されたかかる保持手段(図示せず)も備える。上記保持手段は、PCB28、すなわち、スペーストランスフォーマ、および、互いに一体化されたケース25を作るために使用される場合もある。
【0097】
本発明による、プローブヘッドおよびプローブカードの例証された実施形態がすべて、接触先端を備えており、ならびに、したがって、プローブ自体の曲げ領域の長さ、および、したがって、その運動力学を特にスクラブに関して修正することなしで消費される、コンタクトプローブの端子部の長さの調節と、PCBまたはスペーストランスフォーマ、および、したがって、試験装置との一定の、および正しい接触を確実にするように、コンタクトプローブの接触ヘッド用の浮動領域の一定の維持を確実にすることとを可能にし、コンタクトプローブの接触先端の長さが調節される場合に、一定の、および変化させられていない長さで上記浮動領域が維持されることを指摘する。
【0098】
さらに、保護構造の存在は、複数のコンタクトプローブの、特に、場合によっては拡大部分が備えられたそれらの接触ヘッドの、保護および正しい保持を保証するように、上方ガイドと、プローブヘッドに関連付けられたPCBとの間の好適な距離を維持することを可能にする。
【0099】
まとめれば、本発明によるプローブヘッドは、長い持続時間を有するが、それは、プローブヘッドの正しい動作に対応する長さに対して等しくまたは大きいように下方ガイドに対して突出しているコンタクトプローブの、端子部の長さの後の調節により、対応する先端の多数回の清掃動作に備え、接触ヘッドを備えるさらなる端子部の正しい格納を常に確実にすることが可能であるからである。このようにして、そうしたヘッドを備えるプローブカードの耐用寿命がさらに、延長される。
【0100】
好適には、上記接触ヘッドの保護構造は、ガイドの長さに対して厳しく制限される場合にも、制限された領域にわたり延在するように作られ、よって、数においても位置においても任意に位置付け可能であり得る。
【0101】
さらに、複数のコンタクトプローブの端子部の長さに対するさらなる調節を、それらを含むプローブヘッドの寿命における異なる時点において、特に、接触先端を備える上記端子部が、使用および清掃により、短縮化されており、ならびに、プローブヘッドの正しい動作に対応する長さよりも小さい長さを有するときはいつでも、行い、さらに、複数のプローブ自体を作るためのプロセスの公差により、それぞれの接触先端の位置合わせ不良の場合に、異なる複数のコンタクトプローブについて異なるやり方で端子部の長さを修正することを可能にすることが可能である。
【0102】
明らかに、当業者は、非特定のおよび特定のニーズを満たすために、すべて、以下の請求項によって画定されるような、本発明の保護の範囲内に収まる、数多くの修正および変形を上述のプローブヘッドに対して行い得る。
【0103】
特に、明らかに、図中、例として図示されたもの以外の幾何学的形状を検討することが可能である。
【0104】
さらに、くぼみまたは拡大部分などの、先端部の、および、本体であってそれから突出するストッパのような本体の、特定の形成などのさらなる方策を、本発明によるプローブヘッドのコンタクトプローブに備えることが可能である。
【0105】
最後に、コンタクトプローブは、平面状重なりでの、または、同心もしくは同軸での、導体、半導体、または絶縁材料の多層の組み合わせにより、作られる場合がある;多層の解決策も、本発明によるプローブヘッドに含まれるガイドおよび/または支持体を備えるために可能である。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブヘッド(21)であって、少なくとも1つの上方ガイド(23)および1つの下方ガイド(24)内に備えられたガイド穴内に挿入された複数のコンタクトプローブ(22)であって、前記複数のコンタクトプローブ(22)それぞれが、前記下方ガイド(24)から第1の長さ(LA)で突出し、および、被試験デバイス(30)のそれぞれの接触パッド(30A)に当接するように構成された接触先端(22A)で終端する少なくとも1つの第1の端子部(21A)と、前記上方ガイド(23)から第2の長さ(LB)で突出し、および、試験装置と接続し、または連結するためのPCB(28)の接触パッド(28A)に当接するように構成された接触ヘッド(22B)で終端する第2の端子部(21B)とを有する、複数のコンタクトプローブ(22)、前記上方および前記下方ガイド(23、24)間に画定された、前記複数のコンタクトプローブ(22)用の曲げ領域(26)を備え、前記プローブヘッドは、前記PCB(28)の方へ、前記複数のコンタクトプローブ(22)の長手方向展開軸(z)の方向に前記上方ガイド(23)から突出する少なくとも1つの保護構造(27)を備え、前記保護構造(27)が、前記PCB(28)の方への、前記複数のコンタクトプローブ(22)の前記長手方向展開軸(z)の前記方向における、前記上方ガイド(23)の突出している部分(23’)により、備えられ、前記保護構造(27)が、前記上方ガイド(23)と一体で作られた、プローブヘッド(21)。
【請求項2】
前記保護構造(27)が、少なくとも、前記複数のコンタクトプローブ(22)の複数の前記接触ヘッド(22B)の高さ(HB)に対して等しく、または大きい高さを有する、前記上方ガイド(23)と一体で作られた固定部分、および個々に除去可能な複数の層(27a、27b、27c、27d)を有するさらなる部分を備える、請求項に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項3】
前記保護構造(27)の前記さらなる部分は、前記PCB(28)と前記上方ガイド(23)との間に交互に積層された個々に着脱可能な複数の層(27a、27b、27c、27d)を備える、請求項に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項4】
前記保護構造(27)の前記さらなる部分が、接着材料、または、前記複数の層(27a、27b、27c、27d)を互いに一体化させるように構成された除去可能な結合手段を備える、請求項に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項5】
前記保護構造(27)の前記さらなる部分が、前記接着材料としての、弱いシールを有するグルーを備える、請求項4に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項6】
前記保護構造(27)が、フレーム、半フレームの対、柱などの単一の突出要素、から選択される形状を有する、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項7】
前記保護構造(27)、および、存在する場合、前記保護構造(27)の複数の層(27a~27d)が、透明の、もしくは半透明のプラスチック材料、セラミック材料、または、金属材料、有機材料、もしくは、シリコーンでできている、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項8】
基本支持体(23A、23B;24A、24B)の対を含み、ならびに、複数の前記基本支持体(23A、23B;24A、24B)間に位置付けられたスペーサ構造(27u、27l)を備えた前記上方ガイド(23)および/または前記下方ガイド(24)を備える、請求項1に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項9】
前記スペーサ構造(27u、27l)が、前記複数の基本支持体(23A、23B;24A、24B)の1つに固定され、もしくは、前記基本支持体の突出している部分(23B’、24B’)により、備えられ、または、複数の重なり合っており、および個々に除去可能な層を備える、請求項に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項10】
前記スペーサ構造(27u、27l)が、除去可能なように、前記複数の基本支持体(23A、23B;24A、24B)の1つに固定される、請求項9に記載のプローブヘッド(21)。
【請求項11】
電子デバイスの試験装置用のプローブカード(20)であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の少なくとも1つのプローブヘッド(21)、ならびに、前記試験装置と接続し、および、連結するための少なくとも1つのPCB(28)を備え、前記プローブヘッド(21)には、スペーストランスフォーマ(28)の複数の接触パッド(28A)に当接するように構成された複数のコンタクトプローブ(22)が備えられた、電子デバイスの試験装置用のプローブカード(20)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
どのようにして、コンタクトプローブであって、プローブヘッドから、特に、被試験デバイスの方へ、その先端端部において、突出するコンタクトプローブの長さを修正することを目的とした方策には多くの場合、複数のプローブのヘッド端部における浮動領域内の不必要な変更も関係し、試験装置の方への、PCBとのそれらの接続を損ない、全体としてのプローブヘッドの誤った動作をもたらすかが直ちに検証可能でもある。
さらに、Crippaら(TECHNOPROBE)による米国特許出願公開第US2019/113539A1号によって知られているのは、スペーストランスフォーマとその上方ガイドとの間に挿入された好適なスペーサ要素であって、スペーサ要素が、個々に除去可能な複数の重なり合う層であって、互いとの間で徐々に増加し、または減少する長さを有しており、対応する複数の層の容易な除去を可能にする、プローブヘッドからの、それぞれの突出している部分を有する、複数の重なり合う層を備えるスペーサ要素を有するプローブカードである。さらに、Schmidら(FEINMETALL GMBH)による米国特許第US6,150,830号、およびNihon Micronics KK名義の欧州特許第EP2645113号は、複数のコンタクトプローブを備えるプローブヘッドであって、その複数のガイドの1つに当接して、複数のプローブのいずれの摺動も阻止することに適した被覆層または部分を有するプローブヘッドに関する。さらに、Everett Charles Inc.名義の英国特許出願公開第GB2086670号、Micronics Japan Co.Ltd.名義の特開第2015-025749号、およびMcQuade(DSL LABS INC)による米国特許出願公開第US2008/238408号は、ストッパとしてふるまうさらなるフレームまたは層を備えるプローブヘッドを開示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
上記解決策の考えに基づけば、上記技術的課題は、少なくとも1つの上方ガイドおよび1つの下方ガイド内に備えられたガイド穴内に挿入された複数のコンタクトプローブであって、上記複数のコンタクトプローブそれぞれが、下方ガイドから第1の長さで突出し、および、被試験デバイスのそれぞれの接触パッドに当接するように構成された接触先端で終端する少なくとも1つの第1の端子部と、上方ガイドから第2の長さで突出し、および、試験装置と接続し、または連結するためのPCBの接触パッドに当接するように構成された接触ヘッドで終端する第2の端子部とを有する、複数のコンタクトプローブ、上方および下方ガイド間に画定された、複数のコンタクトプローブ用の曲げ領域を備え、PCBの方へ、複数のコンタクトプローブの長手方向展開軸の方向に上記上方ガイドから突出する少なくとも1つの保護構造を備え、上記保護構造が、PCBの方への、複数のコンタクトプローブの長手方向展開軸の方向における、上方ガイドの突出している部分により、備えられ、保護構造が、上方ガイドと一体で作られた、プローブヘッドによって解決される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
本発明の別の態様によれば、保護構造は、少なくとも、複数のコンタクトプローブの複数の接触ヘッドの高さに対して等しく、または大きい高さを有する、上方ガイドと一体で作られた固定部分、および個々に除去可能な複数の層を有するさらなる部分を備え得る
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
本発明のさらに別の態様によれば、保護構造のさらなる部分は、PCBと上方ガイドとの間に交互に積層された個々に着脱可能な複数の層を備え得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
特に、保護構造のさらなる部分は、接着材料、好ましくは弱いシールを有するグルー、または、複数の層を互いに一体化させるように構成された除去可能な結合手段を備え得る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】削除
【補正の内容】
【国際調査報告】