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▶ イ.エンメ.ア.インドゥストリア マッキーネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオニの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】カプセルを製造するための機械
(51)【国際特許分類】
   B65B 29/02 20060101AFI20221006BHJP
   B65B 1/04 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B65B29/02
B65B1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507567
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2020056648
(87)【国際公開番号】W WO2021024055
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】102019000013971
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594073646
【氏名又は名称】イ.エンメ.ア.インドゥストリア マッキーネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】リボラ,サウロ
(72)【発明者】
【氏名】ビアンキ,マウロ
(72)【発明者】
【氏名】ベッティ,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA03
3E118AB03
3E118BA02
3E118BA06
3E118DA02
3E118DA10
3E118EA05
3E118EA07
(57)【要約】
粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するための機械が説明される。当該機械は、粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するためのそれぞれの処理を実行するように構成された複数の処理ステーション(2)と、複数の処理ステーション(2)を通って延びる処理経路に沿って前記カプセル(C)を搬送するように構成された移動手段(3)とを備える。移動手段(3)は、移送ドラム(4)と、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニット(5)と、を備える。各ユニット(5)は、移送ドラム(4)の側面に結合され且つ移送ドラム(4)の回転軸(Y)に平行なそれぞれの配向軸(X)周りに側面に対して回転するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するための機械であって、
粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するためのそれぞれの処理を実行するように構成された複数の処理ステーション(2)と、
前記複数の処理ステーション(2)を通って延びる曲線状の処理経路に沿って前記カプセル(C)を搬送するように構成された移動手段(3)であって、移送軸(Y)周りに回転するように構成された移送ドラム(4)と、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニット(5)と、を備える移動手段(3)と、を備え、
各ユニット(5)は、前記移送ドラム(4)の側面に結合され且つ前記移送ドラム(4)に対して所定の向きをとるように前記側面に対して配置されるように構成され、
前記複数の処理ステーション(2)は、前記カプセル本体に前記粉末状の製品(R)をドーズするように構成された少なくとも1つのドージングステーション(2b)および/または前記カプセル本体にカバーを密封するように構成された密封ステーション(2c)を備える、機械。
【請求項2】
前記移送ドラム(4)は一連の角度位置をとるように構成されており、前記一連の角度位置の各々において、少なくとも1つのユニット(5)が対応する処理ステーション(2)に配置される、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
各ユニット(5)は、前記移送ドラム(4)が前記移送軸(Y)に対して回転するときに当該ユニット(5)が受ける振動を低減するように構成された減衰装置を備える、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
各ユニット(5)は、前記移送ドラム(4)が前記移送軸(Y)に対して回転するときに発生する加速度を相殺するように、当該ユニット(5)の傾斜を修正するように構成された補償装置を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
各ユニット(5)が、前記移送ドラム(4)の前記回転軸(Y)に平行なそれぞれの配向軸(X)周りに回転する、請求項1から4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
各ユニット(5)が、吸引源に動作可能に接続可能な少なくとも1つの吸引穴を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
前記複数の処理ステーション(2)のうちの一つに対する前記複数のユニット(5)のうちの少なくとも1つのユニット(5)の正しい位置を評価するための、少なくとも1つの処理ステーション(2)に関連付けられた検出システム(6)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記密封ステーション(2c)が、前記カプセル本体を閉鎖するためのカバーを作るための手段を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項9】
前記複数の処理ステーションはまた、
カプセル本体を供給するためのステーション(2a)と、
インサート(I)、好ましくはフィルタ材料で作られたインサート(I)を、前記カプセル本体の内部に挿入するための挿入ステーション(2d)と、の少なくとも一方を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
前記挿入ステーション(2d)が、インサート(I)を挿入するための第1の要素(2d)と、インサート(I)を挿入するための第2の要素(2d)とを備え、前記第1の要素(2d)と前記第2の要素(2d)との間に前記ドージングステーション(2b)が配置される、請求項8に記載の機械。
【請求項11】
カプセル(C)を製造するための方法であって、
移送軸(Y)周りに回転するように構成された移送ドラム(4)と、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニット(5)であって、前記複数のユニット(5)の各ユニット(5)が前記移送ドラム(4)の側面に結合されている複数のユニット(5)と、を準備するステップと、
前記複数のユニット(5)を動かすために前記移送ドラム(4)を動かすステップと、
前記移送ドラム(4)に対して所定の向きをとるように、前記移送ドラム(4)の前記側面に対して少なくとも1つのユニット(5)を選択的に回転させるステップと、を含み、
前記カプセル本体の内部に粉末状の製品(R)をドーズするドージングステップ(2b)と、
前記カプセル本体にカバーを密封する密封ステップと、の少なくとも一方のステップをさらに含み
前記ドージングステップおよび前記密封ステップは、前記ユニット(5)が前記移送ドラム(4)の前記側面に対して所定の角度位置をとるときに実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用(特に飲料用)の調製物の用量を収容する使い捨て容器、例えば、コーヒー、茶または他の抽出用の調製物のためのポッドまたはカプセルのパッケージングの技術分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するための機械および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特に抽出飲料用の使い捨てカプセルおよびポッドの普及は、これらのタイプの製品の使用の単純さ、利便性および速度のおかげで継続的に拡大しており、当該製品は、職場環境での使用の効率および速度について特に高く評価されており、家庭環境でもますます使用されている。
【0004】
したがって、需要の高まりによって、特に完成品の製造に必要な処理時間の短縮に関して、製造プロセスを継続的に最適化する必要がある。
【0005】
さらに、ロジスティクスの観点から、利用可能なスペースの使用を最適化する必要があり、ひいては、カプセルを製造するために設計された機械の全体的な寸法を縮小する必要がある。
【0006】
この文脈における従来技術の解決策によれば、カプセルは、一連の処理ステーションに延びる少なくとも部分的に円形の軌道に沿って移送ドラムによって運ばれる。
【0007】
しかしながら、この解決策には、パフォーマンスレベルが低いと効率が低下するという欠点がある。
【0008】
実際、カプセルの特定の製造状況では、カプセルを処理ステーションに対する特定の位置において適切な位置に維持しながら必ず実行される必要がある一連の処理ステップがある。
【0009】
例えば、上記は、カプセルが収容しなければならない粉末状の製品でカプセルを充填するためのプロセスに関して特に当てはまる。粉末状の製品が移送されるときにカプセルが誤って傾斜していると、その一部が必然的に外に出てしまい、廃棄物を発生させ、カプセルの充填が不十分になる。
【0010】
このため、従来技術の装置はカプセルの移動速度とコンパクトさのニーズを満たすことができるが、非常に柔軟性に欠け、あまり機能的ではない。特定の製造ステップを実行するために、カプセルを運ぶための経路の限られた角度部分しか効果的に使用され得ないからである。
【0011】
言い換えれば、機械にさまざまな処理ステーションを設置するために利用できるスペースのロジスティクス管理は、カプセルがその搬送中にとる特定の向きによって制約される。
【発明の概要】
【0012】
この文脈において、本発明の基礎を形成する技術的目的は、従来技術の上記の欠点の少なくともいくつかを克服する、カプセルを製造するための機械および方法を提供することである。
【0013】
特に、本発明の目的は、特にコンパクトであると同時に用途が広く且つ使いやすい、カプセルを製造するための機械および方法を提供することである。
【0014】
示された技術的目的および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む、カプセルを製造するための機械および方法によって実質的に達成される。
【0015】
本発明は、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するためのそれぞれの処理を実行するように構成された複数の処理ステーションと、複数の処理ステーションを通って延びる処理経路に沿って前記カプセルを搬送するように構成された移動手段とを備える、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するための機械を説明する。
【0016】
移動手段は、移送ドラムと、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニットとを備える。
【0017】
さらに、各ユニットは、移送ドラムの側面に結合されており、移送ドラムの回転軸に平行なそれぞれの配向軸周りに側面に対して回転するように構成される。
【0018】
有利なことに、本発明による機械は、個々のユニットが、それらが配置されるドラムの側面の様々な部分によってとられる位置によって制約されることなく独立して方向付けられることを可能にし、個々の処理ステーションとの位置合わせを最適化することを可能にする。
【0019】
本発明はまた、複数の処理ステーションを通って延びる処理経路に沿って一連のユニットを移送ドラムによって搬送するステップを含む、カプセルを製造するための方法に関する。
【0020】
好ましくは、各ユニットは、移送ドラムの側面に結合されており、移送ドラムの回転軸に平行なそれぞれの配向軸周りに側面に対して回転するように構成される。
【0021】
この方法はまた、移送ドラムの側面に対して少なくとも1つのユニットを、その角度位置の関数として、選択的に回転させることを含む。
【0022】
有利には、本発明による方法は、個々のユニットの動きを独立して管理することを可能にし、これらのユニットが作業経路全体に沿って処理ステーションに対して常に最適に方向付けられるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に示されるように、カプセルを製造するための機械および方法の好ましいが非排他的な実施形態を参照して、以下の詳細な説明においてより明白である。
図1】本発明による機械および/または方法を使用して処理することができるカプセルを示す。
図2】本発明によるカプセルを製造するための機械を示す。
図3図2の機械の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面において、数字1は概して、粉末状の製品「R」を収容するカプセル「C」を製造するための機械を示し、当該機械は、以下に単に機械1として示される。
【0025】
本発明による機械1は、複数の処理ステーション2と、様々な処理ステーション2を介した処理中にカプセル「C」を搬送するように構成された移動手段3とを備える。
【0026】
例として、カプセル「C」は、金属材料、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金を成形することによって作られたカプセル本体を備えてもよい。
【0027】
図1に見られるように、カプセル「C」は、実質的に円錐台形の回転体の形状を有してもよく、底部に配置された頂部(vertex)とわずかなテーパとを有し、円形のベース「B」によって底部で閉じられ、上部に円形の開口部「A」を備え、水平に横たわる円形クラウンによって規定されるエッジウォール「P」を備える。
【0028】
1つまたは複数のインサート「I」をカプセル「C」の内部に挿入することもできる。
【0029】
一般に、複数の処理ステーション2は、それぞれの所定の処理時間で粉末状の製品「R」を収容するカプセル「C」を製造することを目的としたそれぞれの処理を実行するように構成される。
【0030】
例として、以下でより詳細に説明されるように、機械1は、以下のうちの少なくとも1つを含む複数の処理ステーション2を備えてもよい。すなわち、カプセル本体を供給するように構成された供給ステーション2a、粉末状の製品「R」がカプセル本体の内部にドーズされ且つ導入される充填およびドージングステーション2b、閉鎖カバーを作るためのステーション2c、およびカバーがカプセル本体に安定して接続される、添付の図面には示されていない密封ステーションのうちの少なくとも1つを含む複数の処理ステーション2を備えてもよい。
【0031】
複数の処理ステーション2はまた、例えばフィルタリング材料で作られたインサートなどのインサート「I」をカプセル本体に適用するように構成された少なくとも1つの挿入ステーション2dを備えてもよい。
【0032】
複数の処理ステーション2はまた、粉末状の製品「R」のカプセル本体の内部への挿入の後、カプセル本体のエッジ部分「P」を洗浄するために特に設計された少なくとも1つの圧縮および洗浄ステーション2eを備えてもよい。
【0033】
他方、移動手段3は、複数の処理ステーション2を通って延びる処理経路に沿ってカプセル「C」を搬送するように構成されている。
【0034】
換言すれば、処理経路は、各カプセル「C」が様々な処理ステーション2に、または様々な処理ステーション2の内部に搬送されることを可能にし、当該処理ステーションがカプセルに対して作用することを可能にするように、機械1において延びる。
【0035】
構造的に、移動手段3は、移送ドラム4と、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニット5とを備える。
【0036】
特に、各ユニット5は、移送ドラム4の回転が、作業経路であって、実質的に円形の軌道に沿って特に円弧に沿って延びる作業経路に沿って、各ユニット5が搬送されることを可能にするように、移送ドラム4の側面に結合される。
【0037】
より具体的には、各ユニット5は、移送ドラム4の側面に結合されており、前記移送ドラム4に対して所定の向きをとるように、前記側面に対して配置されるように構成されている。
【0038】
さらに、各ユニット5は、当該ユニット5が取り付けられている移送ドラム4の側面に対して回転するように構成され、移送ドラム4の回転軸「Y」に平行なそれぞれの配向軸「X」周りに回転する。
【0039】
好ましくは、各配向軸「X」は、移送ドラム4の側面にある。
【0040】
換言すれば、各ユニットは、各処理ステーション2とそれらの特定の動作要件に従って適切に位置合わせできるように調整可能であるように、その側面で移送ドラム4にアイドル状態で接続されている。
【0041】
例えば、粉末状の製品「R」がカプセル本体の内部に導入されなければならない充填ステーションでは、カプセル本体が粉末状の製品「R」がその外に落ちるリスク無しに完全に充填されることを可能にするように、ユニットが実質的に水平な構成をとる必要があり得る。
【0042】
有利なことに、個々のユニットを方向付ける能力は、機械1に高い汎用性および効率を提供する。実際、個々の処理ステーション2に対して適切に方向付けられているのは個々のユニットであり、処理経路に沿った個々のユニット5の向きに応じて且つ向きが特定の処理ステップの動作と適合する点にのみ処理ステーション2を配置するという必要はもはやない。
【0043】
好ましくは、移送ドラム4は、一連の種々の角度位置をとるように構成され、そこで、少なくとも1つのユニット5がそれぞれの処理ステーション2に配置される。
【0044】
換言すれば、移送ドラム4は、連続するステップにおいて所定のユニット5が処理経路に沿って移動し、機械1の一部を形成する様々な処理ステーション2を次々に通過するように、離散ステップで回転するように設定され得る。
【0045】
このようにして、機械1に供給された後のカプセル本体は、順番にユニット5に移され、処理され、例えば、下流に配置され且つカプセル「C」のグルーピングおよびパッケージングを実行するように設計されたさらなる機械に向かって移動するように、最終的にユニット5から抽出される。
【0046】
したがって、複数のユニット5は、移送ドラム4の特定の角度位置に応じて、および、したがってそれらがその特定の角度位置にある処理ステーション2に応じて、移送ドラム4の側面に対して種々の向きをとることができる。
【0047】
換言すれば、移送ドラム4がとり得る角度位置ごとに、どのユニット5がどの処理ステーション2に配置されているかがわかるので、各ユニット5に、当該ユニット5がとる必要がある特定の向きであって、移送ドラム4によってその瞬間にとられた角度位置に応じて決定される特定の向きを関連付けることが可能である。
【0048】
好ましくは、複数のユニットは、移送ドラム4の回転軸「Y」周りに半径方向に配置されており、移送ドラム4の側面に互いに等距離に(一定の間隔に)ある。
【0049】
このようにして、移送ドラム4は、その角度位置が常に所定の一定値によって変更される連続するステップに従って移動することができる。
【0050】
好ましくは、各ユニット5は、移送ドラム4がその角度位置を変化させる(移送軸Yに対して回転する)ときに受ける振動を低減するように構成された減衰装置を備える。
【0051】
実際、移送ドラム4の段階的な動きは、個々のユニットおよびそこに含まれるカプセル本体に連続的な加速および減速を加える。
【0052】
したがって、減衰装置の存在は、この非連続的な動きがさまざまな製造ステップを通過する間に処理されているカプセル本体の望ましくない劣化、またはその中に挿入された要素(それが粉末状の製品「R」であろうと、さらなるインサート「I」であろうと)の偶発的な動きを生じさせることを防止する。
【0053】
有利には、受動装置として構成される衝撃吸収装置に加えて、各ユニット5は補償装置をさらに備えてもよく、補償装置は、他方、移送ドラム4がその角度位置を変化させるときに発生する加速度を相殺するように傾斜を修正するためにそれぞれのユニット5に作用する。
【0054】
言い換えれば、補償装置は、ユニット5が1つの処理ステーション2と次の処理ステーション2との間を搬送される間、ユニット5が正しい向きを維持することを保証する。
【0055】
例えば、粉末状の製品「R」がカプセル本体に導入された後、例えばカバーなどの少なくとも1つの保持要素を適用する前にカプセル本体が傾斜しないことを保証する必要があり、したがって、問題となる区間に沿って実質的に水平な構成にユニット5を維持するように、当該ユニット5が移送ドラム4によって決定される半円形の軌道に沿って搬送される間に、補償装置がユニット5を(例えば、連続的に)回転させる。
【0056】
各ユニット5はまた、少なくとも1つの吸引穴、特に、各カプセル本体のために受け入れるように構成された少なくとも1つの吸引穴を有し、これは、吸引源に動作可能に接続可能である。
【0057】
したがって、吸引穴によって、負圧を生成することが可能であり、負圧は処理経路全体に沿って、さまざまな処理ステーション2と位置合わせするためにユニット5がとる特定の向きとは無関係に、それぞれのユニット5内のカプセル本体の正しい保持を促進する。
【0058】
機械1はまた、処理ステーション2の処理の正しい実行を評価するために(より具体的には、少なくとも1つのユニット5の、前記処理ステーション2の1つに対する正しい位置を評価するために)、少なくとも1つの処理ステーション2に関連付けられた検出システム6を備える。
【0059】
より具体的には、検出システムは、処理または当該処理に使用される原材料および/または半製品材料に起因する不良または欠陥を検出するように、所定のカプセル本体を排除する必要性を決定することができる少なくとも1つのセンサであって、それぞれの処理ステーション2からの出口(outfeed)でカプセル本体を検査する(光学的、機械的、電磁気的または他のタイプの)センサを備える。
【0060】
図2に概略的に示される特定の実施形態によれば、機械1は、例えば、機械1の上流のプロセスからカプセル本体を受け取り、それらを移送ドラム4の実質的に下に位置する平面に搬送するコンベヤベルトによって形成された、カプセル本体を供給するためのステーション2aを備える。
【0061】
カプセル本体が移送ドラムに到着すると、カプセル本体は対応するそれぞれのユニット5に受け入れられ、例えば、吸引源によって生成され且つ吸引ダクトを介してカプセル本体に加えられる負圧のおかげで保持される。
【0062】
供給ステーション2aの下流には、挿入ステーション2dがある。
【0063】
前記挿入ステーション2dは、インサートIを挿入するための第1の要素2dと、インサートIを挿入するための第2の要素2dとを備え、第1の要素2dと第2の要素2dとの間にドージングステーション2bが配置される。
【0064】
より詳細には、供給ステーション2aの下流には、第1のインサート「I」がカプセル本体の内部に導入される第1の挿入ステーションが存在する。上記のステーションには、第1の挿入要素がある。
【0065】
挿入ステーション2dは、例えば、インサート「I」を作るように設計された材料で作られたウェブのリールをほどくための経路と、経路に沿って作用し且つウェブと係合して一連のインサート「I」を分離させてカプセル本体内への挿入を促進するように構成された1つまたは複数のパンチとを備えてもよい。
【0066】
第1の挿入ステーション2dの下流には、粉末状の製品「R」をドージングするための少なくとも1つのステーション2bがあり、図2に例として示される特定の構成においては2つのドージングステーション2bがある。
【0067】
特に、第1の挿入ステーション2dから少なくとも1つのドージングステーション2bに所定のユニット5を運ぶ移送ドラム4の回転と同時に、ユニット5を粉末状の製品「R」がカプセル本体内に正しい態様で挿入されることを可能にする実質的に水平な構成にするように、移送ドラム4の側面に対するユニット5の相対的な回転もある。
【0068】
一般に、処理ステーション2の各々において、ユニット5は、機械1内の個々の処理ステーション2の位置を管理することおよび/または様々な処理の動作を最適化することに関して、どの向きが最も有利であるかに応じて種々の向きをとることが可能である。
【0069】
少なくとも1つのドージングステーション2bの下流には、圧縮および洗浄ステーション2eがあり、ここでは、カプセル本体の外側に偶然に残った粉末状の製品「R」の部分、特にエッジ部分「P」に残った部分、したがって、カプセル本体に対するカバーの後続する結合に悪影響を与え得る部分が、排除される。
【0070】
圧縮および洗浄ステーション2eの下流には、第2の挿入ステーション2dがあり、第2の挿入ステーション2dは、さらなるインサート「I」の適用を可能にし、さらなるインサート「I」は、したがって、粉末状の製品「R」の上に配置されることになり、カプセル本体内の閉じ込めを容易にする。
【0071】
図2に示される特定の例では、第2の挿入ステーション2dにおいて、ユニット5は、移送ドラム4の側面と再び位置合わせされる。
【0072】
言い換えると、図2に示す構造は、複数のインサート「I」がカプセル本体の内部に適用されて、粉末状の製品「R」がそれらの間に封入されることを可能にする。
【0073】
第2の挿入ステーション2dの下流には、第2のインサート「I」の正しい適用を、その結果として第2のインサート「I」による粉末状の製品「R」の正しい保持を、制御する検出システム6がある。
【0074】
検出システム6の下流には、閉鎖カバーを作るためのステーション2cがあり、ステーション2cは、ステーション内でカバーが作られてカプセル本体に適用されるだけでなくそれと接続されるように、密封ステーションと一致する場合と一致しない場合がある。
【0075】
一態様によれば、密封ステーション2cは、前記カプセル本体を閉鎖するためのカバーを作るための手段を備える。
【0076】
特に、閉鎖カバーを作るためのステーション2cは、カバーを作るように設計された材料で作られたウェブのロールをほどくための経路と、経路に沿って作用し、ウェブと係合して、一連のカバーを切り離して、その適用を促進し、必要に応じて、カプセル本体のエッジ部分「P」へ密封するように構成された1つまたは複数のパンチと、を備えてもよい。
【0077】
製造ステーション2cの下流には、排出ステーション2fがあり、排出ステーション2fを用いて、機械1によって製造されたカプセル「C」は、機械1の下流に位置するさらなる製造プロセスに移送される。
【0078】
特に、排出ステーションは、移送ドラム4の下に配置されたコンベヤベルトによって具体化されてもよく、吸引穴と所定のユニットの吸引源との間の流体接続を単に遮断するように、もはや吸引源によって生成された負圧によって対抗されない単に重力の影響下で、ユニットに保持されたカプセル「C」をコンベヤベルトに落下させることが可能である。
【0079】
有利なことに、本発明は、コンパクトで用途が広く且つ処理経路に沿ったカプセル本体の正しい動きを保証する、粉末状の製品「R」を収容するカプセル「C」を製造するための機械をユーザに提供することによって、従来技術の欠点を克服する予め設定された目的を達成する。
【0080】
本発明はまた、粉末状の製品「R」を収容するカプセル「C」を製造するための方法に関し、当該方法は、好ましくは、上記のように製造された機械1を使用して実施され得る。
【0081】
一態様によれば、方法は、移送軸Y周りに回転するように構成された移送ドラム4と、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニット5であって、当該複数のユニット5の各ユニット5が移送ドラム4の側面に結合されている複数のユニット5と、を準備するステップを含む。
【0082】
別の態様によれば、方法は、前記複数のユニット5を動かすために前記移送ドラム4を動かすステップを含む。
【0083】
別の態様によれば、方法は、前記移送ドラム4に対して所定の向きをとるように、移送ドラム4の側面に対して少なくとも1つのユニット5を選択的に回転させるステップを含む。
【0084】
別の態様によれば、方法はまた、以下のステップのうちの少なくとも1つを含む、すなわち、
カプセル本体内に粉末状の製品Rをドージングするステップ2bと、
カプセル本体にカバーを密封するステップと、の少なくとも1つを含み、
前記ドージングするステップおよび密封するステップは、前記ユニット5が移送ドラム4の側面に対して所定の角度位置をとるときに実行される。
【0085】
本発明による方法のさらなる態様は以下に説明される。
【0086】
方法は、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された一連のユニット5を搬送することを含む。
【0087】
特に、一連のユニット5は、移送ドラム4によって、複数の処理ステーション2を通って延びる処理経路に沿って搬送される。
【0088】
機械1に関して上でより詳細に説明したように、一連のユニット5は、移送ドラム4の側面に結合されており、それぞれの配向軸「X」周りに移送ドラム4に対して回転するように構成される。
【0089】
次に、一連のユニット5は、カプセル「C」を製造するためにカプセル本体を処理できるように、様々な処理ステーション2を通る処理経路に沿って通過させられる。
【0090】
作業経路に沿った一連のユニット5の移動中、少なくとも1つのユニット5は、移送ドラム4の角度位置に応じて、移送ドラム4の側面に対して選択的に回転される。
【0091】
好ましくは、少なくとも1つのユニット5は、処理経路の少なくとも1つの区間に沿って実質的に水平な構成をとるように回転される。
【0092】
このようにして、一連のユニット5は、個々の処理ステーション2の特定の動作ニーズに従って選択的に方向付けられ得る。
【0093】
有利なことに、本発明は、特に様々な処理ステーション2の使用および位置に関して、利用可能な資源の管理を最適化することを可能にする、カプセルを製造するための方法をユーザに提供することによって、従来技術の欠点を克服する予め設定された目的を達成する。
図1
図2
図3
【国際調査報告】