(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/33 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A24C5/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507574
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 IB2020057445
(87)【国際公開番号】W WO2021024222
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】102019000014352
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】バロッタ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】アルビッツァーニ,モレノ
(72)【発明者】
【氏名】マラボルタ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ブルスキ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ガンベリーニ,ジュリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,ルカ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CC03
4B144CE07
4B144CL04
4B144CM02
4B144CM03
4B144CM04
(57)【要約】
本発明は、棒状物品(A)を整列させるためのコンベヤ(1)に関し、供給経路(P)に沿って移動可能であり且つ対応するそれぞれの棒状物品(A)または棒状物品(A)のグループを保持するように構成される一連の溝(2)を備える。各溝(2)について、コンベヤ(1)は、当該吸引溝(2)に収容された棒状物品または棒状物品(A)のグループの一端のための当接面を規定するように、少なくとも当該溝の一端に配置された当接部分(3)を有する。当接部分(3)は、当接部分(3)に対して吸引によって棒状物品または棒状物品(A)のグループの端部を保持するために、少なくとも1つの吸引ゾーン(4)を備える。吸引ゾーン(4)は、負圧源に接続されたまたは接続可能であり且つ横方向のサイズが、例えば、1mmより小さく、好ましくは0.8mmより小さく、さらにより好ましくは、6mmyほりも小さい複数の吸引穿孔(4a)によって記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状物品(A)を整列させるためのコンベヤ(1)であって、
各棒状物品(A)は、所与の横方向サイズを有する複数の粒子もしくは繊維または充填材料を備え、
前記コンベヤ(1)は、供給経路(P)に沿って移動され且つそれぞれの棒状物品または棒状物品(A)のグループを保持するように構成された一連の溝(2)を備え、
前記一連の溝(2)は、前記供給経路(P)に対して垂直に方向付けられており、
前記コンベヤ(1)は、少なくとも各溝(2)について、当該溝(2)に収容された前記棒状物品または棒状物品のグループ(A)の一端のための当接面を規定するべく、当該溝(2)の端部に配置された少なくとも1つの当接部分(3)を有し、前記当接部分(3)は、前記当接部分(3)に対して吸引によって前記棒状物品または棒状物品(A)のグループの前記一端を保持するために少なくとも1つの吸引ゾーン(4)を備えており、
前記吸引ゾーン(4)は、負圧源に接続されたまたは接続可能であり且つ横方向のサイズが前記棒状物品(A)の粒子もしくは繊維の、または前記棒状物品(A)の充填材料の横方向のサイズよりも小さい複数の吸引穿孔(4a)によって規定される、コンベヤ(1)。
【請求項2】
各当接部分(3)の前記吸引ゾーン(4)が、対応する溝(2)、好ましくは対応する吸引溝(2)の底面に近接して配置された前記当接部分(3)の下部に設けられている、請求項1に記載のコンベヤ(1)。
【請求項3】
前記吸引ゾーン(4)の前記複数の吸引穿孔(4a)が2列以上で、および/または前記当接面に二方向に分布したパターンに従って配置されている、請求項1または2に記載のコンベヤ(1)。
【請求項4】
前記吸引ゾーン(4)が前記当接部分(3)と一体になっており、前記複数の吸引穿孔(4a)が、特に、前記当接部分(3)および少なくとも関連する前記吸引溝(2)を規定するモノブロック部分に直接作られている、請求項1から3の一項または複数に記載のコンベヤ(1)。
【請求項5】
前記吸引ゾーン(4)が、前記当接部分(3)に取り外し可能に挿入可能である、または適用可能である有孔インサートの形態で作られている、請求項1から3の一項または複数に記載のコンベヤ(1)。
【請求項6】
前記吸引ゾーン(4)が、前記当接部分(3)に取り外し可能に挿入可能である、または適用可能である多孔質要素の形態で作られている、請求項1から3の一項または複数に記載のコンベヤ(1)。
【請求項7】
前記吸引ゾーン(4)が、負圧源に接続されたまたは接続可能であり且つ横方向のサイズが1mmより小さい、好ましくは0.8mmより小さい、さらにより好ましくは0.6mmより小さい複数の吸引穿孔(4a)、好ましくは複数の穴(4a)を含む、請求項1から6の一項または複数に記載のコンベヤ(1)。
【請求項8】
前記コンベヤ(1)は、前記一連の吸引溝(2)および前記当接部分(3)を備えた周辺マントル(M)を備えるドラムの形態で作られており、前記当接部分(3)は、好ましくは前記マントル(M)と一体に作られている、請求項1から7の一項または複数に記載のコンベヤ(1)。
【請求項9】
前記ドラムは、各吸引溝(2)が、前記当接部分(3)を備える第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部であって、軸方向に供給される対応する棒状物品(A)を受け入れるために開いている第2の端部とを有するブレーキドラムであり、前記吸引溝(2)の前記第2の端部は、好ましくは、前記第1の端部に向かって収束する構成を有する、請求項8に記載のコンベヤ(1)。
【請求項10】
前記ドラムはセンタリングドラムであり、前記センタリングドラムは、少なくとも第1の吸引溝(2a)および第2の吸引溝(2b)を備え、各々が供給経路(P)に沿って互いに交互に配置され且つ対応する当接部分(3)を備え、
前記第1の吸引溝(2a)の当接面および前記第2の吸引溝(2b)の当接面は、軸方向に反対方向を向いており、各第1の吸引溝(2a)の前記当接部分(3)は、各第2の吸引溝(2b)の前記当接部分(3)に対して軸方向にオフセットされており、その結果、前記第1の吸引溝(2a)は、棒状物品(A)の対応する前端の、第1の方向および第1の当接面における長手方向の整列を実行し、前記第2の吸引溝(2b)は、棒状物品(A)の対応する前端の、前記第1の方向とは反対の第2の方向および前記第1の当接面に平行且つ離間された第2の当接面における長手方向の整列を実行し、前記第1の吸引溝(2a)および前記第2の吸引溝(2b)の前記当接面には、前記複数の吸引孔(4a)が設けられている、請求項8に記載のコンベヤ(1)。
【請求項11】
前記センタリングドラムはまた、前記第1の吸引溝(2a)および前記第2の吸引溝(2b)と交互にされた第3の吸引溝(2c)であって、前記第1の当接面と前記第2の当接面との間の位置に既に軸方向に整列されているそれぞれの棒状物品(A)を受け入れることができるように、各々が前記第1の吸引溝(2a)および前記第2の吸引溝(2b)の前記当接面と軸方向に整列された対応する当接部分(3)の対の間に延びる第3の吸引溝(2c)を有し、前記第3の吸引溝(2c)の前記当接面には、好ましくは前記吸引穴(4a)がない、請求項10に記載のコンベヤ。
【請求項12】
請求項1から11の一項または複数に記載のコンベヤ(1)に棒状物品(A)を保持するための方法であって、
一連の棒状物品(A)を準備するステップであって、各物品(A)が所与の横方向のサイズを有する複数の粒子もしくは繊維または充填材料を含むステップと、
前記一連の棒状物品(A)を前記コンベヤ(1)の対応するそれぞれの溝(2)に挿入するステップと、
挿入する前記ステップと同時に、または挿入する前記ステップの後に、前記一連の物品の少なくとも一部を、当該物品の前端が前記対応するそれぞれの溝(2)の当接部分(3)に突き当たるまで、前記対応するそれぞれの溝(2)に沿って軸方向に動かすステップと、
前記当接部分(3)を通して提供される吸引によってそれぞれの棒状物品(A)の端部を保持するステップと、を含み、
吸引により保持する前記ステップは、横方向のサイズが前記棒状物品(A)の繊維もしくは粒子の、または前記棒状物品(A)の充填材料の横方向のサイズよりも小さい複数の吸引穿孔(4a)によって達成され、その結果、前記繊維または粒子が前記複数の吸引穿孔(4a)を通して吸い込まれない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法に関する。
【0002】
「棒状物品」という用語は、長手方向の展開軸を有し且つ喫煙物品の技術分野および関連分野に適用可能である完成品または半製品を意味するために使用される。例として、本発明の文脈において(および非網羅的なリストによれば)、様々な種類の紙巻きタバコ、葉巻、シガリロなどは完成品と見なすことができ、紙巻きタバコのロッドセグメントおよび/またはフィルタセグメント(単一であろうと複合であろうと)は半製品と見なすことができる。
【背景技術】
【0003】
棒状物品の製造では、所定の軌道に沿って物品を整列させるように構成されたコンベヤが使用されており、したがって、例えば、複数の長さのフィルタロッドが次々に横方向に前進する一連の単一の長さのセグメントに細分されるフィルタチップ取り付け機において、所定の軸方向位置に物品を配置することができる。
【0004】
より詳細には、ロッドが単一の長さのセグメントに切断されると、単一の長さのセグメントはドラムの特定の吸引溝に配置され、連続して配置されたドラムのトレーンによって、互いに接線方向にオフセットされた単一の長さのセグメントは、整列ドラムの連続する溝において、それらの側端が整列されて、次々に前進する一連の単一セグメントを規定するように、互いに軸方向に整列される。通常、整列は整列ドラムのマントルによって達成され、整列ドラムは各吸引溝の一端または両端の近くに当接部分を備え、当接部分はそれに当接して物品を受け入れるように構成される。この種の解決策は、例えば、特許出願EP679345から知られている。
【0005】
他の通常のドラムは、物品が軸方向に溝に移されると、特に物品が軸方向の移動から横方向の移動に移る機械のゾーンで、物品をマントルの近くに保持するために同じ概念を使用する。
【0006】
不利なことに、どちらの場合も、当接部分と棒状物品との間の衝突により、物品が跳ね返り、物品に損傷を与えるリスクがあり、例えば、充填材料が物品から飛び出す可能性がある。実際、軸方向に移動する物品は、その開放端で当接部分に衝撃を与え、そこから充填繊維または粒子(相互密着によって一緒に保持されている)が衝撃および振動の結果として容易に崩れる可能性があることに留意すべきである。
【0007】
このため、当接部分には、上記の問題を防止するために当接部分に対して物品を保持する機能を有する吸引開口部が設けられている。この種の構成に従って製造された整列ドラムは、本出願人の名前で特許出願WO2014/155317に記載されている。
【0008】
上記の吸引構成はそれ自体、過度に高い値に設定された場合に物品に損傷を与える可能性がある吸引のために、棒状物品の粒子、繊維、または他の充填構成要素(フィルタ、タバコロッドまたは他の同様の構成要素)の緩み、したがって望ましくない吸引につながる可能性があることに留意されたい。逆に、不十分な吸引は、跳ね返りによって物品が損傷するリスクに対抗するには弱すぎる可能性がある。
【0009】
その結果、粒子は吸引ダクトに吸い込まれ、そこで粒子は捕捉され、時間の経過とともに目詰まりを引き起こして吸引ダクトを塞ぎ、ダクトを定期的に清掃する必要性をもたらす。
【0010】
特許US4287981は、通常の吸引溝の代わりに、特に吸引溝の基部にある、多孔質材料で作られたマントルを開示する。しかしながら、この解決策は、上記の問題とは無関係である。
【発明の概要】
【0011】
これに関連して、本発明の基礎を形成する技術的目的は、従来技術の上記の欠点を克服するための、棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法を提案することである。
【0012】
より具体的には、本発明は、棒状物品の損傷および/または棒状物品を構成する材料の減少を防ぐことができる、棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明のさらなる目的は、保守要件を低減することができる、棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法を提供することである。
【0014】
示された技術的目的および指定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を備える、棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法によって実質的に達成される。
【0015】
本発明は棒状物品を整列させるためのコンベヤを開示し、コンベヤは、供給経路に沿って移動可能な一連の吸引溝を備え且つそれぞれの棒状物品または棒状物品のグループを保持するように構成される。
【0016】
各棒状物品は、所与の横方向サイズを有する複数の粒子または繊維、または所与の横方向サイズを有する粒子または繊維からも構成される充填材料を含む。粒子または繊維の所与の横方向のサイズは、好ましくは0.9mmより大きく、さらにより好ましくは1mmより大きい。
【0017】
一連の吸引溝は、供給経路に対して垂直に方向付けられている。各吸引溝について、コンベヤは、吸引溝の対応する端部に配置された当接部分を有し、当該吸引溝に収容された棒状物品または棒状物品のグループの一端のための当接面を規定する。当接部分には、当接部分に吸引によって物品または物品のグループの端部を保持するための吸引ゾーンが設けられている。吸引ゾーンは複数の吸引穿孔によって規定され、複数の吸引穿孔は負圧源に接続されており、または接続可能であり、その横方向のサイズが1mmより小さく、好ましくは0.8mmより小さく、さらにより好ましくは0.6mmより小さい。
【0018】
有利には、横方向のサイズが1mmよりも小さい(または好ましくは0.8mmよりも小さい、さらにより好ましくは0.6mmよりも小さい)ことにより、棒状物品の粒子または繊維が、負圧源に接続されたまたは接続可能な吸引ダクトに入るのを防ぎ、したがって、望ましくない目詰まりを防ぐことができる。
【0019】
換言すれば、吸引ゾーンの複数の吸引穴は、棒状物品の粒子または繊維よりも横方向のサイズにおいて小さい。
【0020】
本発明はまた、上述のコンベヤ上に棒状物品を保持するための方法を提供し、当該方法は、一連の棒状物品を準備するステップと、一連の棒状物品をコンベヤのそれぞれの吸引溝に挿入するステップと、この挿入するステップと同時にまたは後に、少なくともいくつかの物品をそれぞれの吸引溝に沿って、当該物品の前端が対応する吸引溝の当接部分に突き当たるまで、軸方向に動かすステップと、を含む。
【0021】
方法はまた、当接部分を通して提供される吸引によって、対応する棒状物品の端部を保持することを含む。
【0022】
吸引による保持のステップは、横方向のサイズが棒状物品の繊維または粒子の横方向のサイズまたは棒状物品の充填材料の横方向のサイズよりも小さい複数の吸引穴によって達成され、その結果、これらの繊維または粒子は、複数の吸引穴から吸い込まれない。
【0023】
参照により本明細書に組み込まれる従属請求項は、本発明の種々の実施形態に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に示されているように、棒状物品を整列させるためのコンベヤおよび方法の好ましいが非排他的な実施形態の指示的、したがって非限定的な説明においてより明白である。
【
図1A】本発明のコンベヤの実施形態の概略図である。
【
図2A】本発明のコンベヤのさらなる実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面を参照して、数字1は、全体として、棒状物品Aを整列させるためのコンベヤを示し、コンベヤは、説明を簡単にするために、以下「コンベヤ1」と呼ばれる。
【0026】
「棒状物品A」とは、あらゆる種類の紙巻きタバコ、葉巻、シガリロなどの任意の物品を意味する。例えば、「棒状物品A」という用語は、紙巻きタバコロッドおよび/またはフィルタロッド(マルチセグメントであろうとシングルセグメントであろうと)を表すために使用され得る。
【0027】
コンベヤ1は、供給経路Pに沿って移動する一連の溝2を含む。添付の図面では、コンベヤ1はドラムの形で表されているので、供給経路Pはドラムの回転によって規定される。
【0028】
一連の溝2は、好ましくは吸引溝2であり、対応するそれぞれの棒状物品または棒状物品Aのグループを保持するように構成される。換言すれば、一連の吸引溝2は、棒状物品Aを少なくとも供給経路Pの一部に沿って保持するのに協力するように構成される。
【0029】
一連の吸引溝2は、供給経路Pに対して垂直に方向付けられている。換言すれば、一連の吸引溝2の展開軸は、供給経路Pに垂直に且つ供給経路の位置決め面と平行に延びる。
【0030】
好ましくは、一連の吸引溝2は、弧形の形状を有し、コンベヤ1の供給経路Pに垂直であるそれぞれの展開軸に沿って延びる。さらにより好ましくは、一連の吸引溝2は、U字形を有する。換言すれば、一連の吸引溝2は、棒状物品Aを受け入れて保持するのに適した形状を有する。
【0031】
少なくとも各吸引溝2について、コンベヤ1は、当該吸引溝2に収容された棒状物品または棒状物品Aのグループの一端のための当接面を規定するべく、当該吸引溝2の少なくとも一端に配置された当接部分3を有する。好ましくは、当接面は、コンベヤ1の中央部分によって規定され得る。本発明のコンベヤ1の実施形態では、棒状物品または棒状物品Aのグループを保持するための空間を規定するために、当接部分3は吸引溝2の両端に配置されてもよい。
【0032】
当接部分3は、当接部分3に対して吸引によって物品または物品Aのグループの端部を保持するために、少なくとも1つの吸引ゾーン4を備える。吸引ゾーン4は、棒状物品A(または棒状物品Aのグループ)を吸引によって保持するように、負圧源(添付の図面には示されていない)に接続されている、または接続可能である。好ましくは、吸引ゾーン4は、前述の負圧源に直接接続されている、または接続可能な吸引ダクト(図示せず)と流体連通している。
【0033】
吸引ゾーン4はまた、圧縮空気源(添付の図面には示されていない)に接続されている、または接続可能であり、機械の稼働中の任意の特定の瞬間に、圧縮空気のジェットが吸引ゾーン4を通して注入され得ることに留意されたい。換言すれば、圧縮空気の流れは、閉塞を引き起こす可能性のある粉塵を吸引ゾーン4から取り除くために、負圧源の方向とは反対方向の空気の流れを生成するべく、放出され得る。
【0034】
使用中、棒状物品Aは、当接部分3によって軸方向に受け入れられるように、吸引溝2の一端に加速され得る。このようにして、吸引ゾーン4は、当接部分3に対して吸引によって棒状物品Aを保持することができ、材料の減少または棒状物品Aの損傷につながる可能性のある衝撃または振動を防止する。
【0035】
あるいは、棒状物品Aは、例えば吸引溝2自体の上部を通して、吸引溝2に挿入され、吸引ゾーン4からの吸引によって当接面に対して整列されてもよい。
【0036】
各当接部分3の吸引ゾーン4は、対応する吸引溝2の底面に近接して配置された当接部分3の下部に設けられてもよい。換言すれば、例えば
図2Bに示されるように、吸引ゾーン4は、当接面の一部であってもよい。
【0037】
あるいは、
図1Bに示すように、吸引ゾーン4は、当接面全体に広がってもよい。
【0038】
吸引ゾーン4は、参照ラベル4aによって全体が示される複数の吸引穿孔によって規定される。複数の吸引穿孔4aは、前述の負圧源に接続されている、または接続可能である。換言すれば、複数の吸引穿孔4aは、前述の負圧源に直接接続されている、または接続可能な吸引ダクトに接続されている、または接続可能である。
【0039】
吸引ゾーン4の各吸引穿孔4aは、好ましくは吸引穴4aであり、1mm未満の横方向のサイズを有する。
【0040】
好ましくは、吸引ゾーン4の各吸引穴4aは、0.8mm未満の横方向のサイズを有する。
【0041】
さらにより好ましくは、吸引ゾーン4の各吸引穴4aは、0.6mm未満の横方向のサイズを有する。
【0042】
換言すれば、各吸引穴4aは、コンベヤ1上で処理される棒状物品Aの粒子または繊維の横方向サイズよりも小さい(すなわち、未満の)横方向サイズを有する。
【0043】
有利なことに、各吸引穴4aの横方向のサイズは、棒状物品Aの一部を形成する粒子または繊維が、負圧源に接続された、または接続可能な吸引ダクトに入るのを防ぎ、ひいては、ダクトのおよび/または負圧源の不要な目詰まりを防ぐことを可能にする。
【0044】
吸引ゾーン4の複数の吸引穴4aは、対応するそれぞれの吸引溝2の少なくとも1つの断面寸法に広がるように、2列以上で配置されている。
【0045】
吸引ゾーン4の複数の吸引穴4aは、当接面上に二方向に分布したパターンに従って配置されてもよい。
【0046】
あるいは、吸引ゾーン4の複数の吸引穴4aは、当接面上に二方向に分布したパターンに従って、2列以上で配置されてもよい。
【0047】
吸引ゾーン4の複数の吸引穴4aは、対応するそれぞれの吸引溝2の少なくとも1つの断面寸法に広がるように、分布パターンに従って配置されている。
【0048】
吸引ゾーン4の複数の吸引穴4aは、対応するそれぞれの吸引溝2の少なくとも1つの断面寸法に広がるように、分布パターンに従って2列以上で配置されている。
【0049】
換言すれば、複数の吸引穴4aは、棒状物品A、特に棒状物品Aの端部が効果的に保持されることを可能にするように、吸引ゾーン4(すなわち、当接面)に配置されている。
【0050】
コンベヤ1の実施形態では、吸引ゾーン4は、当接部分3と一体になっている。より具体的には、複数の吸引穴4aは、当接部分3自体(すなわち、当接面)を規定するモノブロック壁に直接形成されている。これらの穴は、当接部分3および少なくとも関連する吸引溝2を規定するモノブロック要素に直接形成されてもよい。
【0051】
コンベヤ1のさらなる実施形態では、吸引ゾーン4は、当接部分3(すなわち、当接面)に取り外し可能に挿入可能である有孔インサートの形態で作られている。あるいは、有孔インサートは、当接部分3(すなわち、当接面)に取り外し可能に適用可能である。
【0052】
さらなる実施形態では、吸引ゾーン4は、当接部分3(すなわち、当接面)に取り外し可能に挿入可能である多孔質要素の形態で作られている。あるいは、多孔質要素は、当接部分3(すなわち、当接面)に取り外し可能に適用可能である。
【0053】
図示されていないさらなる実施形態では、吸引ゾーン4は、メッシュ(例えば、金属またはプラスチックメッシュ)の形態で作られており、メッシュは、吸引が当該メッシュを通過することを可能にする。
【0054】
いずれにせよ、フォーマット切り替えの場合、取り外し可能性は特に有利であり、フォーマット切り替えでは、棒状物品は、異なるサイズの粒子または繊維から形成されてもよく、吸引穴のサイズは、インサートまたは多孔質要素を置換することによって、当該異なるサイズに適合され得る。
【0055】
図1Aおよび1Bを参照して以下に説明するのは、本発明のコンベヤ1の第1の実施形態である。
【0056】
図1Aは、ドラムの形で作られたコンベヤ1を示す。ドラムは、吸引溝2および当接部分3を備えたマントルMを備える。当接部分3は、マントルMと一体に形成されてもよい。
【0057】
ドラムはブレーキドラムであり、各吸引溝2は、当接部分3を備えた第1の端部と、軸方向に供給される棒状物品Aを受け入れるために開いている、第1の端部とは反対側の第2の端部とを有する。好ましくは、吸引溝2の第2の端部は、第1の端部に向かって収束する構成を有する。
【0058】
換言すれば、各吸引溝2は、それに供給される棒状物品Aを受け入れるように構成された受け入れ部分2dを備えてもよい。受け入れ部分2dはまた、棒状物品Aを吸引溝2の(吸引溝2自体の主要部分を規定する)長手方向部分に付随させるように構成される。
【0059】
受け入れ部分2dは、マントルMの(すなわち、コンベヤ1の)周縁から吸引溝2の長手方向部分に収束するように形作られている。使用中、棒状物品Aは、吸引溝2に向かって軸方向に加速され、ドラム(すなわち、コンベヤ1)が移動するとき、受け入れ部分2dは、棒状物品Aを吸引溝2の主要部分に付随させ、それが軸方向に正しく挿入されることを確実にする。
【0060】
吸引ゾーン4を備えた当接部分3は、受け入れ部分2dを持つ端部とは反対側の、吸引溝2の端部に配置されている。添付の図面では、吸引ゾーン4が当接部分全体に広がる。吸引ゾーン4が、例えば、当接部分の底部のみに広がる他の実施形態もまた想像可能である。
【0061】
さらに、添付の図面に示されている吸引ゾーン4は、当接部分と一体に作られているが、有孔インサートまたは多孔質要素などの他の実施形態も想像できる。
【0062】
有利には、この実施形態では、棒状物品Aが吸引溝2に向かって加速されるとき、吸引ゾーンは、当接部分3に対する棒状物品Aの衝突が、棒状物品Aが吸引溝2から落ちる原因となる、または棒状物品Aを損傷するような振動をもたらすことを防止する。さらに、衝突に続いて、複数の吸引穴4aは、有利なことに、棒状物品Aを構成する粒子、繊維または他の構成要素が吸引ゾーン4に吸引され、望ましくない目詰まりを引き起こすのを防止する。
【0063】
図2Aおよび2Bを参照して以下に説明するのは、本発明のコンベヤ1の別の実施形態である。
【0064】
図2Aは、ドラムの形で作られたコンベヤ1を示す。ドラムは、吸引溝2および当接部分3を備えたマントルMを備える。当接部分3は、マントルMと一体に形成されてもよい。
【0065】
ドラムは、少なくとも第1の吸引溝2aおよび第2の吸引溝2bを備えるセンタリングドラムであり、各々が当接部分3を備え、供給経路Pに沿って互いに交互に配置されている。第1の吸引溝2aの当接面および第2の吸引溝2bの当接面は、軸方向に反対の方向を向いている。各第1の吸引溝2aの当接部分3は、各第2の吸引溝2aの当接部分3に対して軸方向にオフセットされ、これにより、第1の吸引溝2aは、第1の方向および第1の当接面において棒状物品Aの対応する前端の長手方向の整列を実行し、第2の吸引溝2bは、第1の方向とは反対の第2の方向および第1の当接面に平行且つ間隔を置いた第2の当接面において棒状物品Aの対応する前端の長手方向の整列を実行する。第1および第2の吸引溝2a、2bの当接面には、吸引穴4aが設けられている。
【0066】
例えば、このコンベヤ1において、一連の吸引溝2は、互いに交互に配置された第1の一連の吸引溝2および第2の一連の吸引溝2を含み、各第1の吸引溝2aの自由端はコンベヤ1の(すなわち、マントルMの)第1の周縁に沿って配置され、各第2の吸引溝2bの自由端は、コンベヤ1の(すなわち、マントルMの)第1の周縁の反対側の、コンベヤ1の第2の周縁に沿って配置される。
【0067】
マントルMは各々が吸引ゾーン4を備えた当接部分3を備え、吸引ゾーン4は、マントルM自体の中央部分Cに配置され、当接部分3は、前述の第1および第2の当接面を規定する。
【0068】
センタリングドラムはまた、第1および第2の吸引溝2aおよび2bと交互に配置され且つ各々が第1および第2の吸引溝2aおよび2bの当接面と軸方向に整列した対応する当接部分3の対の間に延びる第3の吸引溝2cを有する。
【0069】
換言すれば、一連の吸引溝2は、それらの両端に当接部分3を設けることができ、したがって、マントルMの中央部分Cにおいて、棒状物品Aを収容するための収容スペースV(上部が開いている)を規定する。
【0070】
このようにして、第3の吸引溝2cは、第1の当接面と第2の当接面との間の位置にすでに軸方向に整列されている棒状物品Aを受け入れることができる。
【0071】
好ましくは、第3の吸引溝2cの当接面には、吸引穴4aが設けられていない。換言すれば、当接部分3は、吸引ゾーン4を備えていない可能性がある。
【0072】
一方、吸引ゾーン4が設けられている場合、それは、当接部分の一部のみに広がるものとして表される。あるいは、吸引ゾーン4は、当接部分全体に広がってもよい。
【0073】
さらに、添付の図面に示されている吸引ゾーン4は当接部分と一体に作られているが、有孔インサートまたは多孔質要素などの他の実施形態も想像できる。
【0074】
使用中、複数の棒状物品は、上部の開口部を通して一連の吸引溝2に配置され、異なる吸引溝2内で互いにずれている。したがって、吸引ゾーン4は、棒状物品Aを吸引溝2内で動かして、それらすべてをドラムの(すなわち、コンベヤ1の)中央部分Cに整列させるように構成される。
【0075】
棒状物品Aがスライドさせられない第3の吸引溝2cは、2つの第1および2つの第2の吸引溝2aおよび2bの間で交互に配置されるが、2つの第2の吸引溝2bと次の2つの第1の吸引溝2aとの間ではない。ドラムは、4つの垂直な切断面に沿って1本のロッドを切断することによって得られる少なくとも5つのセグメント(4つの側部と1つの中央部)を受け取るように構成されているからである。最初のロッドが切断されるセグメントの数の変化は、第1および第2の吸引溝2aおよび2bの分布を変化させる(そして第3の吸引溝2cが必要かどうかを決定する)。
【0076】
有利なことに、棒状物品Aが当接部分3に衝突した後、吸引穴4aは、棒状物品Aを構成する粒子、繊維または他の構成要素が吸引ゾーン4に吸い込まれ、望ましくない目詰まりを引き起こすのを防ぐ。
【0077】
上記の2つの実施形態は、本発明のコンベヤ1の可能な実施形態のほんの一部にすぎないことが強調される。
【0078】
例えば、
図2Aおよび2Bに示されるようなコンベヤ1でさえ、受け入れ部分2dを備えてもよい。
【0079】
あるいは、コンベヤ1は、コンベヤベルトの形態で形成されてもよい。
【0080】
本発明はまた、目的のために、棒状物品を保持するための方法を有する。この方法は、前述のようにコンベヤ1上で実行される。
【0081】
この方法は、一連の棒状物品Aを準備するステップ、一連の棒状物品Aをコンベヤ1の対応するそれぞれの吸引溝2に挿入するステップを含む。挿入するステップは、棒状物品Aを対応するそれぞれの吸引溝2に加速させることによって、またはそれらを吸引溝2の開いた上部を通して挿入することによって実行され得る。
【0082】
挿入するステップと同時に、または挿入するステップの後に、この方法は、物品の少なくとも一部をそれぞれの吸引溝2に沿って、当該物品の前端が対応する吸引溝2の当接部分3に突き当たるまで、軸方向に動かすことを含む。
【0083】
この時点で、この方法は、吸引ゾーン4を備えたコンベヤ1の当接部分3を介して加えられる吸引によって、それぞれの棒状物品または棒状物品Aのグループの一端を保持することを含む。吸引により保持するステップは、当接部分3に形成され且つ横方向のサイズが棒状物品Aの繊維もしくは粒子のまたは棒状物品Aの充填材料の最大横方向のサイズよりも小さい複数の吸引穴4aによって達成される。
【0084】
吸引ゾーン4の各吸引穴4aは、1mm未満の横方向のサイズを有する。
【0085】
好ましくは、吸引ゾーン4の各吸引穴4aは、0.8mm未満の横方向のサイズを有する。
【0086】
さらにより好ましくは、吸引ゾーン4の各吸引穴4aは、0.6mm未満の横方向のサイズを有する。
【0087】
より具体的には、吸引により保持するステップは、繊維または粒子が複数の吸引穴4aを通して吸い込まれないように実行される。
【0088】
言い換えれば、吸引により保持するステップが、繊維または粒子が複数の吸引穴4aを通して吸い込まれないように実行されることを述べることはまた、複数の吸引穴4aが個々の繊維もしくは粒子または繊維もしくは粒子のグループを棒状物品A内のそれらの位置から軸方向に動かさないことを意味すると解釈されなければならない。
【0089】
有利なことに、この方法は、当接部分3が望ましくない振動または衝撃を引き起こさないようにしながら、棒状物品Aを保持することを可能にする。
【0090】
本発明は、従来技術の不利な点を克服することができる。
【0091】
有利なことに、棒状物品Aを規定する粒子または繊維よりも横方向のサイズにおいて小さい吸引穴4aまたは吸引穿孔4aは、吸引ゾーン4の目詰まりを防ぐことを可能にする。吸引穴4aのより小さなサイズはまた、吸引が棒状物品Aからの材料の望ましくない減少を引き起こすことを防ぐ。
【0092】
コンベヤ1の吸引ゾーン4は、コンベヤ1上の異なる位置にあってもよく、その結果、整列は、1つの溝2から別の溝2へと異なる方法で実行されることに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】EP679345
【特許文献2】WO2014/155317
【特許文献3】US4287981
【国際調査報告】