(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】磁気ガイド装置
(51)【国際特許分類】
H02K 41/02 20060101AFI20221006BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02K41/02 C
B65G54/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507920
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2020072336
(87)【国際公開番号】W WO2021028367
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】102019211986.7
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257752
【氏名又は名称】フィジック インストゥルメント(ピーアイ)ゲーエムベーハー アンド ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グッデイ,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ホーマン,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴル,ダニエル
【テーマコード(参考)】
3F021
5H641
【Fターム(参考)】
3F021AA07
3F021BA02
3F021CA05
3F021DA05
5H641HH02
5H641HH03
5H641JA07
(57)【要約】
本発明は、ステータ(2)と、ステータ(2)に対して案内方向(Z)に沿って移動可能なスライド(3)とを有する磁気ガイド装置(1)に関し、ステータ(2)およびスライド(3)は、ステータ(2)およびスライド(3)を通って延びる磁界(M)が、案内方向(Z)に沿って作用する磁気支持力(U)をスライド(3)上に発生させるように磁化されるかまたは磁化可能である。本発明によれば、差動スリップ、ジャーキングおよび変動摩擦を回避することによってスライド(3)の走行特性を改善するために、ステータ(2)およびスライド(3)を通って延在する磁界(M)は、スライド(3)およびステータ(2)を互いに対して付勢する磁気予負荷力(F)を同時に生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(2)と、案内方向(Z)に沿って前記ステータ(2)に対して移動可能なスライド(3)とを有する磁気ガイド装置(1)であって、前記ステータ(2)および前記スライド(3)は、前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延在する磁界(M)が、前記案内方向(Z)に沿って作用する磁気支持力(U)を前記スライド(3)上に発生させるように磁化されるかまたは磁化可能であり、前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延在する前記磁界(M)が、前記スライド(3)および前記ステータ(2)を互いに対して付勢する磁気予負荷力(F)を同時に生成することを特徴とする、磁気ガイド装置(1)。
【請求項2】
前記ステータを貫通する前記磁界(M)は、1つ以上の永久磁石によって形成され、前記磁気支持力(U)は、前記1つ以上の永久磁石によって形成される前記磁界(M)によってのみ生成されることを特徴とする、請求項1に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項3】
前記ステータ(2)および/または前記スライド(3)は、少なくとも部分的に磁気的であるように、および任意選択的に他の態様で磁気的に伝導性であるように、具現化されることを特徴とする、請求項1または2に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項4】
前記支持力(U)は、前記案内方向(Z)に沿って、好ましくは前記スライド(3)の全移動範囲(S)にわたって一定であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項5】
前記スライド(3)が前記ステータ(2)に対して前記案内方向(Z)に沿って移動する際、前記支持力(U)は、好ましくは一貫して、好ましくは線形に変化することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項6】
前記スライド(3)は、前記案内方向(Z)に沿って反対方向に移動可能であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項7】
前記ステータ(2)は、前記スライド(3)を前記案内方向(Z)に沿って案内するための案内プロファイル(2c)を有し、前記案内プロファイルは、好ましくは、前記案内方向(Z)に沿った移動を除く、前記スライド(3)の移動についてのすべての自由度を阻止することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項8】
前記案内方向(Z)は、直線または円形経路に沿って延びることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項9】
前記磁気予負荷力(F)は、少なくとも部分的にまたは完全に前記スライド(3)の重力の方向に作用することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項10】
前記ステータ(2)と前記スライド(3)とは、互いに重なり合うときに、ほぼ閉じたリングプロファイルをともに形成し、前記ほぼ閉じたリングプロファイル内で前記磁界(M)が案内され、前記ほぼ閉じたリングプロファイルは好ましくは前記案内方向(Z)に垂直な平面内に存在し、前記ほぼ閉じたリングプロファイルのプロファイル軸は、好ましくは、前記案内方向(Z)に沿って、またはそれと平行に延在することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項11】
前記ステータ(2)または前記スライド(3)は、間隙を有する開いたリング形状を有し、前記ステータ(2)および前記スライド(3)のそれぞれの他の要素が、前記間隙を橋渡しして、ほぼ閉じたプロファイルをともに形成することを特徴とする、請求項10に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項12】
前記ステータ(2)または前記スライド(3)は、開いたリング形状としてCプロファイルまたはUプロファイルを有し、前記ステータ(2)および前記スライド(3)のそれぞれの他の要素は、CプロファイルまたはUプロファイルをほぼ閉じたリングプロファイルとしてのOプロファイルに補完することを特徴とする、請求項9、10または11に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項13】
前記ステータ(2)および/または前記スライド(3)の磁極(N/S)は、前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延びる前記磁界(M)の磁束線に沿って同じ方向または反対方向に向けられることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項14】
前記ステータ(2)および/または前記スライド(3)は、少なくとも1つの永久磁石および/または少なくとも1つの磁気伝導性要素(Fe)から構成され、前記永久磁石および/または前記磁気伝導性要素(Fe)は、好ましくは、前記案内方向(Z)に沿って一定の断面形状を有し、前記永久磁石および/または前記磁気伝導性要素(Fe)は、好ましくは、多角形、矩形、特に直方体の断面形状を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項15】
前記スライド(3)は、好ましくは、前記ステータ(2)と前記スライド(3)との間の距離を調整することによって前記支持力(U)および/または前記予負荷力(F)が調整可能であるように、前記ステータ(2)に対して、前記案内方向(Z)に垂直な面内において、好ましくは前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延在する前記磁界(M)の磁束線に沿って、および/またはそれに垂直に、調整可能であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項16】
前記ガイド装置(1)はリニアガイドまたはロータリガイドもしくは回転ガイドとして具現化されることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の磁気ガイド装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載に従って、ステータと、ステータに対して案内方向に沿って移動可能なスライドとを有する磁気ガイド装置に関し、ステータおよびスライドは、ステータおよびスライドを通って延びる磁界が案内方向に沿ってスライド上に磁気支持力を生成するように磁化されるかまたは磁化可能である、磁気ガイド装置に関する。
【発明の概要】
【0002】
磁気支持力を生成する装置が、US2004/0004405 A1から公知である。それは、リニアドライブと組み合わされて、例えばリニアドライブが垂直に配置されるとき、リニアドライブによって動かされるべき荷重を完全にまたは大部分補償することができ、その結果、リニアドライブは、荷重が軽減され、基本的に、動かされる荷重による動的荷重を考慮して設計されるだけでよい。US2004/0004405 A1の
図19および対応する説明部分は、磁気支持力装置が結合されたリニアドライブを開示し、可動部はステータ内で案内される。案内に適した案内手段は、例えばプロファイルレールを介して実現することができる。
【0003】
しかしながら、いかなる追加の手段もなければ、差動スリップ、ジャーキング、および変動摩擦が、プロファイルレールまたは同様に設計された案内手段において生じ、これは、ステータに対する可動部品の走行特性を劣化させる。ガイドのジャーキングは、とりわけ、可動部品の詰まりを引き起こし、最終的に、位置の制御性が悪いことによる再加工による労力の増加につながる可能性がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基底にある目的は、案内方向に沿って磁気支持力を供給すると同時に、差動スリップ、ジャーキング、および変動摩擦を回避することによってステータに対するスライドの走行特性を改善する磁気ガイド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載の磁気ガイド装置を提供する。
この目的は、ステータおよびスライドを通って延在する磁界が、スライドおよびステータを互いに対して付勢する磁気予負荷力を追加的に生成することによって、同様に達成される。それによって、対応する圧力がスライドとステータとの間にかけられ、差動スリップ、ジャーキング、および変動摩擦が回避され得、スライドは、ステータにおいて、改善された走行特性で、案内され得る。本発明の磁気ガイド装置によって、例えば座屈ばね装置などの、スライドの機械的な予負荷力を有するガイド装置とは対照的に、追加の高次共振またはダイナミクスはシステム(ガイド、ドライブ)に導入されず、位置制御に利点をもたらす。さらに、より長いストロークでは、スライドの機械的予負荷力を伴うガイド装置に対する設置スペースの利点がある。したがって、本発明による磁気ガイド装置は、スライドの走行特性を改善するために、特にモノレール案内システムのために、好ましくは走行方向における一定の支持力および横断予負荷力を同時に発生させるための磁気装置を形成する。しかしながら、横断予負荷力は、モノレール案内システムだけでなく、例えば、空気軸受として具現化された案内手段にも利点をもたらし、というのも、それによって、予負荷力を発生させるための真空の煩雑な提供を伴わずにす済むからである。
【0006】
本発明の有利なさらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
ステータを通って延在する磁界が1つ以上の永久磁石によって形成され、磁気支持力が1つ以上の永久磁石によって形成される磁界によってのみ生成されることは、意味をなし得る。
【0007】
ステータおよび/またはスライドが、少なくとも部分的に、磁気的に具現化され、他の態様では選択肢的に磁気的に伝導性であることは、有利であり得る。この実施形態では、磁界を生成するための外部手段をほんのわずかにしか、またはまったく必要としない。
【0008】
しかしながら、支持力および/または予負荷力が、案内方向に沿って、スライドの移動範囲を画定する領域にわたって一定であることも、意味をなし得る。これにより、移動範囲に沿って、特に均等でジャークのない移動を達成することができる。これにより、より単純な制御性と、ガイド装置に連結された駆動部の位置決め精度の改善とを同時にもたらす。スライドの移動範囲の2つの限界は、案内方向に沿った、ステータとスライドとの間の重なりがそれぞれ最小または最大である位置に起因する(
図1a参照)。
【0009】
しかしながら、支持力が、ステータに対するスライドの移動において案内方向に沿って変化し、好ましくは絶えず、好ましくは直線的に変化することは、有用であることが判明し得る。したがって、支持力は、スライドがステータに対して案内方向に移動すると減少し、スライドがステータに対して案内方向と反対に移動すると増加すると考えられる。好ましくは、支持力は、ステータとスライドとが重なり合うほど増加する(
図4参照)。
【0010】
この場合、ステータの断面形状が、案内方向に対して垂直に配向された切断面において、特に移動範囲にわたって変化すること、および/またはスライドとステータとの間の距離が変化することが、有利であり得る。
【0011】
しかしながら、スライドが案内方向に沿って反対方向に移動可能であることも有用であることが判明し得る。このような実施形態では、スライドは、案内距離の両端間に可逆的に位置決め可能であり、案内距離に沿って繰り返し移動させることができる。支持力は、好ましくは、スライドに対して、案内方向(例えば+Z方向)においては加速的に作用し、案内方向と反対方向(例えば-Z方向)においては遅延的に作用する。
【0012】
ステータが案内方向に沿ってスライドを案内するためのガイドプロファイルを有することは意味をなし得、ガイドプロファイルは、好ましくは、案内方向に沿った移動を除いて、スライドの移動についてのすべての自由度を阻止する。好ましくは、丁度磁気浮上列車レールシステムがレール上で積極的に把持するように、スライドは、例えば、案内方向に対して垂直に配向された切断面においてステータ上で積極的に把持する。
【0013】
案内方向が直線または円形経路に沿って延びることも実行可能である。第1のケースでは、案内手段は、例えば、リニアガイドとして機能し、第2のケースでは、ロータリーガイドまたは回転ガイドとして機能する。これらの実施形態では、本発明によるガイド装置に幅広い適用分野がある。ロータリーガイドまたは回転ガイドは、トルクが適用される玉軸受の分野で特に有利に用いることができる。
【0014】
磁気予負荷力が、スライドの重力の方向に、少なくとも部分的に、またはそうでなければ完全に作用することは有用であることが証明され得る。この実施形態では、磁界は、磁気浮上列車レールシステムの場合のように、ステータ上のスライドの重力を低減または相殺しないが、スライドの重力に加えて、スライドとステータとの間の力作用を増加させるので、磁気浮上列車レールシステムと比較して反対の効果を有する。この実施形態では、スライドの走行特性の特に良好な改善が達成される。スライドのより大きな質量によってスライドとステータとの間の予負荷力を増大させることも基本的に可能であるが、この手段は、スライドのより大きな質量が、ガイド装置の、より大きな総重量、低下したダイナミクス、および最終的により高いコストをもたらすので、不利であると考えられる。さらに、質量による予負荷力の増加は、水平運動においてのみ適用可能であり、垂直運動においては適用可能ではなく、なぜならば、この場合、重力は、案内方向と平行に作用し、案内方向に対して垂直には作用せず、その結果、総重量の増大は、垂直運動においては、スライドとステータとの間の接触圧力の増大をもたらさないからである。本発明による解決策によって、(例えばらせん状引張ばねの座屈ばね構成におけるように)補償力の摩擦支持はなく、したがって、摩擦系と比較して位置決め制御に利点がもたらされる。
【0015】
ここで、ステータとスライドとが互いに重なり合うときに、すなわち移動範囲内で、ほぼ閉じたリングプロファイルをともに形成し、ほぼ閉じたリングプロファイル内で磁界が案内され、ほぼ閉じたリングプロファイルは好ましくは案内方向に垂直な平面内に存在し、ほぼ閉じたリングプロファイルのプロファイル軸は、好ましくは、案内方向に沿って、またはそれと平行に延在することは、意味を成し得る。この設計により、案内方向において、および案内方向に垂直に、高い磁力を特に容易に発生させることができる。
【0016】
ステータまたはスライドが、間隙を有する開いたリング形状を有し、ステータおよびスライドのそれぞれの他の要素が、この間隙を橋渡しして、ほぼ閉じたリングプロファイルをともに形成することをは、実用的であることが証明され得る。この設計により、スライドとステータは、特に効果的かつ省スペースな態様で磁気的に結合されることができる。閉じた線に沿って延在するプロファイルは、リングプロファイルと呼ばれる。この閉じた線は、例えば、多角形、矩形、円形、楕円形、または円形であり得る。リングプロファイルは、ステータおよびスライドのそれぞれの他の要素がステータまたはスライドによって形成される間隙を認識可能に低減し、双方の要素が閉じた線に沿って配置される場合、特に双方の要素がこの配置において間隙の架橋によって(より強く)磁気的に結合される場合、「ほぼ閉じた」と称され得る。この場合、スライドとステータとの間に接触がなくても、本発明の意味での間隙の架橋が存在し、なぜならば、スライドとステータとは互いに対して移動可能であり、互いに対して移動可能なままでなければならないからである。
【0017】
しかしながら、ステータまたはスライドが開いたリングプロファイルとしてCプロファイルまたはUプロファイルを有することも有利であり得、ステータおよびスライドのそれぞれの他の要素は、CプロファイルまたはUプロファイルをほぼ閉じたリングプロファイルとしてOプロファイルに補完する。ここで、このプロファイルは、案内方向に垂直な断面プロファイルと呼ばれる。このような基本プロファイルは、低コストで利用可能であり、簡単な方法でリングプロファイルに結合することができる。
【0018】
ステータおよび/またはスライドの磁極が、ステータおよびスライドを通って延在する磁界の磁束線に沿って同じ方向または反対方向に配向されることが有用であることが証明され得る。この設計では、ステータとスライドとの間に作用する磁力が簡単な方法で強められる。ステータおよび/またはスライドの磁極がステータおよびスライドを通る磁界の磁束線に沿って反対方向に向けられると、予負荷力および支持力の方向が逆転する。
【0019】
ステータおよび/またはスライドは、少なくとも1つの永久磁石および/または少なくとも1つの磁気伝導性要素から構成され、永久磁石および/または磁気伝導性要素は、好ましくは、案内方向に沿って一定の断面形状を有し、永久磁石および/または磁気伝導性要素は、好ましくは、多角形、矩形、特に直方体の断面形状を有することも、適当であり得る。ここで、このプロファイルは、案内方向に垂直な断面プロファイルと呼ばれる。外角または内角が90°または270°である断面形状を多角形矩形と呼ぶ。
【0020】
スライドは、好ましくは、ステータとスライドとの間の距離を調整することによって補償力および/または予負荷力が調整可能であるように、ステータに対して、案内方向に垂直な面内において、好ましくはステータおよびスライドを通って延在する磁界の磁束線に沿って、および/またはそれに垂直に、調整可能であることも、有利であり得る。この設計では、本発明によるガイド装置は、特定の用途のために意図的に構成することができる。さらに、作業公差は、スライドとステータとの相対位置を調整することによって、特に容易に補償することができる。
【0021】
しかしながら、ガイド装置がリニアガイドまたはロータリーガイドもしくは回転ガイドとして具現化されることも意味をなし得る。これらの設計により、本発明は広範な適用分野を提供する。
【0022】
用語および定義
支持力
本発明の範囲内で、支持力という用語は、スライドに作用する力を指し、この力は、特に、案内方向においてスライドに作用する他の力を強め、低減し、補償し、またはさらには過剰補償する。しかしながら、支持力は、例えば、水平方向に向けられた磁気ガイド装置において、案内方向に関して力を伴わずにスライドに作用して、例えば、1つの方向において、より高いダイナミクスを達成するか、または主電源故障の場合に特定の端部位置への移動を強制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明によるリニアガイドとして具現化された磁気ガイド装置の構成を、一方では移動範囲の両端における異なる位置における側面図a)で、他方では案内方向に垂直な断面図b)で、概略的に示す。
【
図2】a)~h)の概略断面図において、スライドおよびステータの様々な構成を有する本発明によるガイド装置のさらなる実施形態を示す。
【
図3】例えば、玉軸受に関して予負荷力をかけて一定のトルクを発生させるために用いることができる、本発明によるロータリーガイドまたは回転ガイドとして具現化されたガイド装置を、図a)においては断面図で、図b)においては斜視図で示す。
【
図4】a)、b)、およびc)において、支持力Uが移動範囲にわたって変化する本発明によるガイド装置の異なる実施形態を概略的に示し、実施形態a)およびb)においては、各々、案内方向に垂直な平面における断面図が図の左半分に示され、側面図が図の右半分に示され、実施形態c)では、案内方向に垂直な平面における断面図が図の左半分に示され、平面図が図の右半分に示される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明を実施するための形態
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は、リニアガイドとして具現化された磁気ガイド装置1の本発明による実施形態を、図a)においては、図示の座標系におけるY-Z平面上を見た側面から示し、図b)においては、X-Y平面における、このガイド装置1を通る断面を示す。
【0026】
図1に示すガイド装置1は、ステータ2と、案内方向Zに沿って(すなわち、案内方向Zに向かって、およびそれとは反対方向に)ステータ2に対して移動可能なスライド3とを備える。ガイド装置1の案内方向は、図示の座標系において+Z方向に延びている。
図1b)の断面は、X-Y平面において、案内方向に垂直に延びる。ステータ2およびスライド3は、ステータ2およびスライド3を通って延在する磁界Mが、案内方向に沿って作用する磁気支持力Uをスライド3上に発生させるように磁化されるかまたは磁化可能である。本実施形態では、例えば、ステータ2のみが永久磁石で構成されている。スライドは、磁力を増加させるために、例えば鉄部品として強磁性であるように具体化することができるが、永久磁石として具体化することもできる。本発明によれば、ステータ2およびスライド3を通って延在する磁界Mは、スライド3およびステータ2を互いに対して付勢する磁気予負荷力Fを生成する。支持力Uは、ばね力などのスライド3に作用する力、または垂直配置では重力に抗して作用する。特定の適用例では、支持力Uが、スライド3に作用する力、すなわち例えばばね力または重力を完全に補償し、したがってスライド3を力のバランスに維持することも有利であり得る。この場合、支持力Uは+Z方向、すなわち案内方向に作用する。予負荷力Fは、本実施形態では-Y方向に作用する。
【0027】
X-Y平面における断面において対称に、かつ部分的に磁気的に具現化されるステータ2は、スライド3の対応する案内キャリッジ3cが案内方向Zに沿って移動可能に取り付けられるプロファイルガイドレール2cを有する。案内キャリッジ3cにより、スライド3は案内方向に沿って案内されるが、スライド3の移動の他のすべての考えられ得る自由度は阻止される。
図1b)による断面図に概略的に示されるように、プロファイルガイドレール2cの各側において、矩形断面を有する永久磁石2aが、C字形断面プロファイルを有する鉄の磁気伝導性要素2b内に配置される。Cプロファイルの両脚部は、プロファイルガイドレール2cに面しない。永久磁石2aは、Cプロファイルの下脚部上に配置されている。磁気伝導性要素2bは、プロファイルガイドレール2cを支持する基部2dと接触している。永久磁石2aのN極は+Y方向を向き、S極は-Y方向を向いている。したがって、その断面がC字形である磁気伝導性要素2bは、永久磁石2aを内側下脚部で支持して、それとともに、磁気N極Nと磁気伝導性要素2bの内側上脚部との間に残る間隙を有する、開いたリングプロファイルを形成する。
【0028】
スライド3は、少なくとも部分的に磁気伝導性であるように具現化され、この場合、ガイドキャリッジ3cとともにプロファイルガイドレール2c上で案内されるプラットフォーム3bと、X-Y平面における断面においてその側方に配置される2つのL字形の磁気伝導性脚部3aとを備える。脚部3aは、案内方向に対して横断方向にステータ2を把持し、端部が互いに対向した状態で、永久磁石2aとステータ2の磁気伝導性要素2bの内側上脚部との間のそれぞれの間隙に各々貫入する。互いに向かい合う脚部3aの端部は、この間隙を磁気的に橋渡しし、ステータ2の開いたリングプロファイルを、
図1bに一点鎖線で概略的に示される磁界Mが延在するほぼ閉じたリングプロファイルに完成させる。
【0029】
この実施形態では、予負荷力Fは、案内方向Zに沿ってスライド3の全移動範囲Sにわたって一定ではなく、ステータ2に対するスライド3の位置に応じて変化し、予負荷力Fは、スライド3とステータ2との重なりが増加するにつれて増加し、スライド3とステータ2との重なりが減少するにつれて減少する。しかしながら、移動範囲Sの各位置において、すなわちステータとスライドとの相互重複の各位置において、予負荷力Fが特定の最小値を超えることが保証される。しかしながら、支持力Uは、スライド3の案内方向Zに沿って全移動範囲Sにわたって一定である。
【0030】
スライド3の脚部3aは、この場合、Y方向および/またはX方向においてスライド3のプラットフォーム3bに調整可能に固定される。これにより、スライド3は、ステータ2に対して、案内方向に垂直なX-Y平面内において、ステータ2およびスライド3を通って+/-Y方向およびそれに垂直に+/-X方向(挿入方向)に双方ともが延びる、磁界Mの磁束線に沿った2つの垂直方向に調整可能であり、したがって、支持力Uおよび予負荷力Fの両方が、ステータ2とスライド3との間の距離を調整することによって調整可能である。スライド3の脚部3aの代わりに、磁気伝導性要素2bを、Y方向および/またはX方向に調整可能であるように、基部2dに固定して、支持力Uおよび予負荷力Fの調整性を達成することが考えられる。最後に、スライド3の脚部3aおよび磁気伝導性要素2bの両方が、Y方向および/またはX方向に調整可能であるように構成されることが考えられる。当然ながら、スライド3およびステータ2の磁気特性は交換することができ、すなわち、磁気回路は、スライド3に固定されることができ、固定されないこともでき、または加えてステータ2に固定されることもできる。
【0031】
動作原理
スライド3の脚部3aは、スライド3およびステータ2を通過する磁力によってステータ2のそれぞれの永久磁石2aに向かって引かれる。この引力は、予負荷力Fを生成し、それによって、スライド3のプラットフォーム3bおよびガイドキャリッジ3cは、ステータ2のプロファイルガイドレール2cに押し付けられる。
【0032】
移動範囲S内では、US2004/0004405 A1に開示されるのと同様に、スライド3が磁力によって装置内に引き込まれるので、走行方向に一定の支持力Uが存在する。
【0033】
ステータ2に対するスライド3の相対的な位置決め、または永久磁石2aおよび磁気伝導性Cプロファイル2bなどのそれらの磁気的に有効な部品の相対的な位置決めによって、ステータ2の方向に作用する予負荷力Fおよび案内方向Zに作用する支持力Uの両方が調整可能である。予負荷力Fは、主に、スライド3を+/-Y方向においてステータ2の永久磁石2aに近づけることにより設定される。支持力Uは、主として、+/-X方向におけるステータ2の永久磁石2aと磁気伝導性要素2bとによって形成される間隙へのスライド3の貫入深さを介して設定される。
【0034】
図2は、概略断面図a)~h)において、
図1による実施形態に基づく本発明によるガイド装置1のさらなる実施形態を示すが、ステータ2およびスライド3の構成が異なる。表現の目的で、
図2では、ステータ2およびスライド3の磁気的に有効な部分のみが簡略化して示されている。ステータ2および/またはスライド3が、図a)~h)に表される部分とは別のさらなる部分を有することができることは自明である。以下の
図2のa)~h)において、参照番号Feは、例えば鉄製の、磁気的に伝導性の強磁性または常磁性要素を示し、記号NおよびSは、それぞれ、永久磁石の磁極(N極についてはN、S極についてはS)を示す。図a)~h)に示す断面は、各々、ステータ2とスライド3との重なり領域内、すなわち、移動範囲S内で、案内方向に対して垂直に、またはX-Y平面内において延在する。好ましくは、すべてのプロファイルは、案内方向に沿って一定の断面形状を有する。
【0035】
図2aによる実施形態では、ステータ2は、2つの磁気伝導性の強磁性または常磁性要素Feを含み、その断面は、好ましくは同一かつ矩形であり、その間に永久磁石N/Sが配置され、間隙を有するC字形の開いたリングプロファイルを形成する。Cプロファイルの脚部間の開口部は、図a)において左側に位置する。永久磁石N/Sは、ステータ2の任意の磁気伝導性要素よりも高さが高く、好ましくは幅の半分未満である。矩形断面を有する強磁性または常磁性スライド3は、C字形ステータ2の脚部間の間隙に位置して間隙を橋渡しし、ステータ2の開いたC字形リングプロファイルをほぼ閉じたリングプロファイルに完成させる。ここで、結果として生じる磁界Mは、点線によって象徴的に表される。任意選択的に、スライド3は、ステータ2とスライド3との間の距離を調整することによって支持力Uおよび予負荷力Fが調整可能であるように、ステータ2に対して、X-Y平面内において、好ましくはステータ2およびスライド3を通って延在する磁界Mの磁束線に沿って、およびそれに垂直に、調整可能である。
【0036】
図2aによる設計とは対照的に、
図2bによる実施形態では、スライド3は、矩形断面を有する永久磁石として具現化される。ステータ2およびスライド3の磁極N/Sは、ステータ2およびスライド3を通って延びる磁界Mの磁束線に沿って整流される。この設計の他の特徴は、
図2aによる設計に対応する。
【0037】
図2bによる設計とは対照的に、
図2cによる設計では、ステータ2は、強磁性または常磁性材料からなる磁気伝導性の一体成形されたCプロファイルとして具現化される。スライド3のみが永久磁石を含む。この設計の他の特徴は、
図2bによる設計に対応する。
【0038】
図2dによる設計では、ステータ2は、矩形断面を有する2つの永久磁石と、例えば鉄などの強磁性または常磁性材料のC字形または矩形断面を有する1つの磁気伝導性要素とから構成される。これらの磁化または磁気伝導性部品は、上側に開口部を有するC字形プロファイルをともに形成する。矩形断面を有し、磁気伝導性要素として具現化されるスライド3は、ステータ2の脚部間に形成される間隙を前側で橋渡しして、ほぼ閉じたリングプロファイルを形成する。
【0039】
図2eによる設計では、ステータ2は、矩形の断面を有する2つの磁気伝導性要素と、矩形または正方形の断面を有する1つの永久磁石とから構成される。永久磁石のN極NおよびS極Sは、異なる側面または磁気伝導性要素に面する。これらの磁化または磁気伝導性部品は、上側に開口部を有するC字形プロファイルをともに形成する。磁気的に伝導性であるように具現化され、矩形断面を有するスライド3は、ステータ2の脚部間に形成される間隙に位置し、ステータ2の開いたリングプロファイルをほぼ閉じたリングプロファイルに完成させる。
【0040】
図2fによる設計では、ステータ2は、右側に開口部を有する強磁性または常磁性材料からなる磁気伝導性Cプロファイルを備える。矩形断面を有する永久磁石は、その磁気N極NがCプロファイルの上脚部の内側に当接するように位置し、矩形断面を有する別の永久磁石の磁気S極Sが、Cプロファイルの下脚部の内側に接触する。磁気的に伝導性の強磁性または常磁性要素として具現化され、矩形断面を有するスライド3は、ステータ2の永久磁石間に形成される間隙に位置し、ステータ2の開いたリングプロファイルをほぼ閉じたリングプロファイルに完成させる。
【0041】
図2fによる設計とは対照的に、
図2gによる設計では、スライド3自体が永久磁石として具現化され、ステータ2およびスライド3の磁極N/Sは、ステータ2およびスライド3を通って延びる磁界Mの磁束線に沿って整流される。この設計の他の特徴は、
図2fによる設計に対応する。
【0042】
図2eによる設計とは対照的に、
図2hによる設計におけるスライド3は、C字形プロファイルの脚部間に位置しないが、
図2dによる設計と同様に、ステータ2の脚部の間に形成される間隙を前側で橋渡しして、おおよそ閉じたリングプロファイルを形成する。この設計の他の特徴は、
図2eによる設計または2dによる設計に対応する。
【0043】
図2に示される設計は、単なる例として与えられており、限定として理解されるべきではない。本発明の範囲内でさらなる実施形態を実現できることは自明である。
【0044】
図3による実施形態では、本発明によるガイド装置は、案内方向が円形経路に沿って延びるロータリーアクターの一部である。この設計は、例えば、玉軸受に予負荷力をかけると同時に一定のトルクを発生させるのに有利である。
【0045】
上記のステータがロータとして作用し、上記のロータがステータとして作用するガイド装置の反転は、本発明による教示の背景に対する専門的な作用の範囲内であることが理解されるであろう。
【0046】
図4は、支持力Uが移動範囲にわたって変化する3つの異なる実施形態a)、b)およびc)を示す。これらの3つの実施形態では、案内方向Zに垂直に配向された、案内方向Zに沿った切断面におけるステータ2の断面形状は、特に移動範囲にわたって一定ではなく、および/またはスライド3とステータ2との間の距離は一定ではない。これにより、ステータ2に対する、移動範囲に沿ったスライド3の位置に応じて、異なる量の支持力Uがスライド3に加えられる。当然ながら、これは予負荷力Fにも影響を及ぼす。しかしながら、予負荷力Fは、とりわけ、スライド3とステータ2との重なりにも依存し、従って、いずれにせよ一定ではない。
【0047】
図4に示す実施形態a)およびc)では、支持力Uは、スライド3がステータ2内にさらに挿入されるにつれて変化し、その理由は、例えば、ステータ2の磁気伝導性断面積および/またはスライド3とステータ2との間の距離が少なくともいくつかの領域において案内方向Zに沿って変化するからである。
【0048】
図4に示す実施形態b)では、支持力Uは、最初は移動範囲にわたって減少し、次いで再び増加する。
【0049】
このような設計によって、スライド3に加えられる支持力Uは、それぞれの適用例に選択的に適合させることができる。
【0050】
もちろん、
図4に示す原理は、
図2に示すすべてのステータプロファイルに転用することができる。
【符号の説明】
【0051】
参照番号リスト
1 ガイド装置
2 ステータ
2a 永久磁石
2b 磁気伝導性要素
2c プロファイルレールガイド
2d 基部
3 スライド
3a 脚部
3b プラットフォーム
3c ガイドキャリッジ
X-Y 案内方向に垂直な平面
Z 案内方向
U 支持力
M 磁界
S 移動範囲
F 予負荷力
【手続補正書】
【提出日】2022-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(2)と、案内方向(Z)に沿って前記ステータ(2)に対して移動可能なスライド(3)とを有する磁気ガイド装置(1)であって、前記ステータ(2)および前記スライド(3)は、前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延在する磁界(M)が、前記案内方向(Z)に沿って作用する磁気支持力(U)を前記スライド(3)上に発生させるように磁化されるかまたは磁化可能であり、前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延在する前記磁界(M)が、前記スライド(3)および前記ステータ(2)を互いに対して付勢する磁気予負荷力(F)を同時に生成することを特徴とする、磁気ガイド装置(1)。
【請求項2】
前記ステータを貫通する前記磁界(M)は、1つ以上の永久磁石によって形成され、前記磁気支持力(U)は、前記1つ以上の永久磁石によって形成される前記磁界(M)によってのみ生成されることを特徴とする、請求項1に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項3】
前記ステータ(2)および/または前記スライド(3)は、少なくとも部分的に磁気的であるように、および任意選択的に他の態様で磁気的に伝導性であるように、具現化されることを特徴とする、請求項1または2に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項4】
前記支持力(U)は、前記案内方向(Z)に沿って、好ましくは前記スライド(3)の全移動範囲(S)にわたって一定であることを特徴とする、請求項
1から3のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項5】
前記スライド(3)が前記ステータ(2)に対して前記案内方向(Z)に沿って移動する際、前記支持力(U)は、好ましくは一貫して、好ましくは線形に変化することを特徴とする、請求項
1から4のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項6】
前記スライド(3)は、前記案内方向(Z)に沿って反対方向に移動可能であることを特徴とする、請求項
1から5のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項7】
前記ステータ(2)は、前記スライド(3)を前記案内方向(Z)に沿って案内するための案内プロファイル(2c)を有し、前記案内プロファイルは、好ましくは、前記案内方向(Z)に沿った移動を除く、前記スライド(3)の移動についてのすべての自由度を阻止することを特徴とする、請求項
1から6のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項8】
前記案内方向(Z)は、直線または円形経路に沿って延びることを特徴とする、請求項
1から7のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項9】
前記磁気予負荷力(F)は、少なくとも部分的にまたは完全に前記スライド(3)の重力の方向に作用することを特徴とする、請求項
1から8のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項10】
前記ステータ(2)と前記スライド(3)とは、互いに重なり合うときに、ほぼ閉じたリングプロファイルをともに形成し、前記ほぼ閉じたリングプロファイル内で前記磁界(M)が案内され、前記ほぼ閉じたリングプロファイルは好ましくは前記案内方向(Z)に垂直な平面内に存在し、前記ほぼ閉じたリングプロファイルのプロファイル軸は、好ましくは、前記案内方向(Z)に沿って、またはそれと平行に延在することを特徴とする、請求項
1から9のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項11】
前記ステータ(2)または前記スライド(3)は、間隙を有する開いたリング形状を有し、前記ステータ(2)および前記スライド(3)のそれぞれの他の要素が、前記間隙を橋渡しして、ほぼ閉じたプロファイルをともに形成することを特徴とする、請求項10に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項12】
前記ステータ(2)または前記スライド(3)は、開いたリング形状としてCプロファイルまたはUプロファイルを有し、前記ステータ(2)および前記スライド(3)のそれぞれの他の要素は、CプロファイルまたはUプロファイルをほぼ閉じたリングプロファイルとしてのOプロファイルに補完することを特徴とする、請求項9、10または11に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項13】
前記ステータ(2)および/または前記スライド(3)の磁極(N/S)は、前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延びる前記磁界(M)の磁束線に沿って同じ方向または反対方向に向けられることを特徴とする、請求項
1から12のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項14】
前記ステータ(2)および/または前記スライド(3)は、少なくとも1つの永久磁石および/または少なくとも1つの磁気伝導性要素(Fe)から構成され、前記永久磁石および/または前記磁気伝導性要素(Fe)は、好ましくは、前記案内方向(Z)に沿って一定の断面形状を有し、前記永久磁石および/または前記磁気伝導性要素(Fe)は、好ましくは、多角形、矩形、特に直方体の断面形状を有することを特徴とする、請求項
1から13のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項15】
前記スライド(3)は、好ましくは、前記ステータ(2)と前記スライド(3)との間の距離を調整することによって前記支持力(U)および/または前記予負荷力(F)が調整可能であるように、前記ステータ(2)に対して、前記案内方向(Z)に垂直な面内において、好ましくは前記ステータ(2)および前記スライド(3)を通って延在する前記磁界(M)の磁束線に沿って、および/またはそれに垂直に、調整可能であることを特徴とする、請求項
1から14のいずれか1項に記載の磁気ガイド装置(1)。
【請求項16】
前記ガイド装置(1)はリニアガイドまたはロータリガイドもしくは回転ガイドとして具現化されることを特徴とする、請求項
1から15の1つに記載の磁気ガイド装置(1)。
【国際調査報告】