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特表2022-543889醸造者による使用済み穀物からタンパク質組成物及び繊維組成物を回収する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】醸造者による使用済み穀物からタンパク質組成物及び繊維組成物を回収する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20221006BHJP
   A23J 1/12 20060101ALI20221006BHJP
   A23L 29/00 20160101ALI20221006BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20221006BHJP
【FI】
A23L5/00 K
A23J1/12
A23L5/00 M
A23L5/00 N
A23L29/00
A23L33/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508554
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2020072432
(87)【国際公開番号】W WO2021028405
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】BE2019/5518
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(31)【優先権主張番号】BE2019/5519
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(31)【優先権主張番号】BE2019/5589
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522056116
【氏名又は名称】エバーグレイン インターナショナル ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュンヒ ステフィン
(72)【発明者】
【氏名】バルデペレス ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD02
4B018MD04
4B018MD05
4B018MD06
4B018MD19
4B018MD20
4B018MD23
4B018MD47
4B018MD49
4B018ME01
4B018ME11
4B018ME14
4B018MF06
4B018MF07
4B035LC06
4B035LG01
4B035LG02
4B035LG14
4B035LG15
4B035LG16
4B035LG20
4B035LP59
(57)【要約】
本開示は、醸造者による使用済み穀物からタンパク質組成物及び繊維組成物を製造する方法を提供する。この方法は、ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化すること、及び空気分級機を使用して微粒子化された醸造者による使用済み穀物を分別することを含む。本開示はまた、タンパク質組成物及び繊維組成物、タンパク質組成物又は繊維組成物を組み込んだ食品を製造する方法、並びにタンパク質組成物又は繊維組成物を含む食品を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維組成物及びタンパク質組成物を製造する方法であって、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して前記乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して前記微粒子化された醸造者による使用済み穀物を分画して、粗画分及び微細画分を得ること、並びに
d)前記粗画分を回収して前記繊維組成物を得ること、及び前記微細画分を回収して前記タンパク質組成物を得ること、を含む、方法。
【請求項2】
前記醸造者による使用済み穀物が、使用済み大麦と、任意選択で、米、トウモロコシ、モロコシ及びキャッサバから選択され、好ましくは米及びトウモロコシから選択される、1つ以上の他の使用済み穀物又は他のデンプン質材料とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記醸造者による使用済み穀物が、醸造に使用される前記穀物が、穀物の総乾燥重量に基づいて、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%の量の大麦を含む醸造プロセスから得られる使用済み穀物である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記醸造者による使用済み穀物が、AOAC 991.43によって決定される48%から62%未満の総食物繊維含有量(乾物重量%)、及び変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される20%超から35%未満の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意する工程が、醸造所から醸造者による使用済み穀物を回収し、次いで10重量%以下、好ましくは8重量%以下、好ましくは5重量%以下の水分含有量まで乾燥させることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記乾燥が、前記回収から4時間以内、好ましくは3時間以内、好ましくは3時間未満以内に行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記醸造者による使用済み穀物が、乾燥前に、好ましくはデカンタ又はスクリュープレスを使用して脱水される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥が、オーブン、フラッシュ乾燥機、リング乾燥機又は流動床乾燥機で行われる、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記乾燥された醸造者による使用済み穀物が、微粒子化の前に、好ましくはハンマーミルを使用する脱塊に供される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ピンミルが、逆回転ピンミルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記微粒子化された醸造者による使用済み穀物が、二峰性粒径分布を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記微粒子化された醸造者による使用済み穀物が、レーザー回折によって決定される場合、30から130μm、好ましくは30から70μm、好ましくは40から100μm、好ましくは40から60μmの粒径(d50)と、150から350μm、好ましくは150から300μm、好ましくは190から280μm、好ましくは190から260μmの粒径(d90)とを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記分画が、前記分画を前記粗画分及び前記微細画分に最適化するために、前記空気分級機の回転速度及び空気流量を選択することを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
繊維組成物及びタンパク質組成物を製造する方法であって、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して乾燥した前記醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して前記微粒子化された醸造者による使用済み穀物を分画して第1の粗画分及び第1の微細画分を得ること、
d)好ましくはピンミルを使用して前記第1の粗画分を微粒子化して微粒子化された第1の粗画分を得ること、
e)好ましくは空気分級機を使用して前記微粒子化された第1の粗画分を分画して第2の粗画分及び第2の微細画分を得ること、
f)前記第2の粗画分を回収して前記繊維組成物を得ること、及び
g)前記第1及び第2の微細画分を組み合わせて前記タンパク質組成物を得ること、を含む、方法。
【請求項15】
繊維組成物及びタンパク質組成物を製造する方法であって、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して乾燥した前記醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して前記微粒子化された醸造者による使用済み穀物を分画して第1の粗画分及び第1の微細画分を得ること、
d)好ましくは空気分級機を使用して前記第1の粗画分を分画して第2の粗画分及び第2の微細画分を得ること、
e)前記第2の粗画分を回収して前記繊維組成物を得ること、及び
f)前記第1及び第2の微細画分を組み合わせて前記タンパク質組成物を得ること、を含む、方法。
【請求項16】
前記繊維組成物が、レーザー回折によって決定される場合、200から500μm、好ましくは200から450μm、好ましくは250から350μmの粒径(d90)を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記繊維組成物が、AOAC 991.43によって決定される場合、55%を超え、好ましくは60%を超える総食物繊維含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記繊維組成物が、AOAC 2011.25によって決定される場合、55~75%、好ましくは60~70%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)、及び0~10%、好ましくは0~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記繊維組成物が、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、15~30%、好ましくは18~25%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記繊維組成物が、70~100%、好ましくは85~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)を有し、0.30~0.55、好ましくは0.30~0.45、好ましくは0.30~0.40のタンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)を有し、前記総食物繊維含有量はAOAC 991.43によって決定され、前記総タンパク質含有量は変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記繊維組成物が、0.34から0.45g/mLのかさ密度と、0.42から0.60g/mLのタップ密度と、1.15から1.34、好ましくは1.20から1.24のハウスナー比とを有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記繊維組成物の前記総食物繊維含有量(乾物重量)が、AOAC 991.43によって決定される場合、前記醸造者による使用済み穀物の前記総食物繊維含有量(乾物重量)よりも少なくとも10%、好ましくは少なくとも12%、好ましくは少なくとも14%高い、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記繊維組成物の前記総タンパク質含有量(乾物重量)が、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される場合、前記醸造者による使用済み穀物の前記総タンパク質含有量(乾物重量)よりも少なくとも16%、好ましくは少なくとも18%、好ましくは少なくとも20%低い、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記繊維組成物が、前記繊維組成物100g(乾物)当たり9から15mg、好ましくは10から14mgの鉄含有量を有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記繊維組成物の前記鉄含有量が、前記醸造者による使用済み穀物の前記鉄含有量よりも少なくとも18%、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも26%、好ましくは少なくとも28%低い、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記タンパク質組成物が、レーザー回折によって決定される場合、20~200μm、好ましくは40~130μm、好ましくは50~130μm、好ましくは50~100μmの粒径(d90)を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記タンパク質組成物が、AOAC 991.43によって決定される場合、35%超55%未満の総食物繊維含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質組成物が、AOAC 2011.25によって決定される場合、30~60%、好ましくは35~50%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)、及び0~10%、好ましくは1~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記タンパク質組成物が、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、少なくとも33%、好ましくは33~50%、好ましくは35~40%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記タンパク質組成物が、80~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)及び0.75~1.5のタンパク質と食物繊維(乾物重量%)の比を有し、前記総食物繊維含有量がAOAC 991.43によって決定され、前記総タンパク質含有量が変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記タンパク質組成物が、0.25から0.35g/mLのかさ密度と、0.30から0.42g/mLのタップ密度と、1.18から1.30、好ましくは1.18から1.22のハウスナー比とを有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記タンパク質組成物の前記総タンパク質含有量(乾物重量)が、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される場合、前記醸造者による使用済み穀物の前記総タンパク質含有量(乾物重量)よりも少なくとも19%、好ましくは少なくとも21%、好ましくは少なくとも23%高い、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記タンパク質組成物の前記総食物繊維含有量(乾物重量)が、AOAC 991.43によって決定される場合、前記醸造者による使用済み穀物の前記総食物繊維含有量(乾物重量)より少なくとも13%、好ましくは少なくとも14%、好ましくは少なくとも16%低い、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記タンパク質組成物が、前記タンパク質組成物100g(乾物)当たり14から26mg、好ましくは17から26mg、好ましくは19から25mgの鉄含有量を有する、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記タンパク質組成物の前記鉄含有量が、前記醸造者による使用済み穀物の前記鉄含有量よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも26%、好ましくは少なくとも28%高い、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
醸造者による使用済み穀物から製造された繊維組成物であって、
レーザー回折によって決定される場合、200~500μm、好ましくは200~450μm、好ましくは250~350μmの粒径(d90)を有する粉末の形態であり、
AOAC 991.43によって決定される場合、55%を超え、好ましくは60%を超える総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
AOAC 2011.25によって決定される場合、55~75%、好ましくは60~70%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)、及び0~10%、好ましくは0~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、15~30%、好ましくは18~25%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する、繊維組成物。
【請求項37】
前記繊維組成物が、70~100%、好ましくは85~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)を有し、0.30~0.55、好ましくは0.30~0.45、好ましくは0.30~0.40のタンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)を有し、前記総食物繊維含有量はAOAC 991.43によって決定され、前記総タンパク質含有量は変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される、請求項36に記載の繊維組成物。
【請求項38】
前記繊維組成物が、0.34から0.45g/mLのかさ密度と、0.42から0.60g/mLのタップ密度と、1.15から1.34、好ましくは1.20から1.24のハウスナー比とを有する、請求項36又は37に記載の繊維組成物。
【請求項39】
前記繊維組成物が、前記繊維組成物100g(乾物)当たり9から15mg、好ましくは10から14mgの鉄含有量を有する、請求項36~38のいずれか一項に記載の繊維組成物。
【請求項40】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法に従って製造される、請求項36~39のいずれか一項に記載の繊維組成物。
【請求項41】
醸造者による使用済み穀物から生産されたタンパク質組成物であって、
レーザー回折によって決定される場合、20~200μm、好ましくは40~130μm、好ましくは50~130μm、好ましくは50~100μmの粒径(d90)を有する粉末の形態であり、
AOAC 991.43によって決定される場合、35%超55%未満の総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
AOAC 2011.25によって決定される場合、30~60%、好ましくは35~50%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)、及び0~10%、好ましくは1~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、少なくとも33%、好ましくは33~50%、好ましくは35~40%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する、タンパク質組成物。
【請求項42】
前記タンパク質組成物が、80~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)及び0.75~1.5のタンパク質と食物繊維(乾物重量%)の比を有し、前記総食物繊維含有量がAOAC 991.43によって決定され、前記総タンパク質含有量が変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される、請求項41に記載のタンパク質組成物。
【請求項43】
前記タンパク質組成物が、0.25から0.35g/mLのかさ密度と、0.30から0.42g/mLのタップ密度と、1.18から1.30、好ましくは1.18から1.22のハウスナー比とを有する、請求項41又は42に記載のタンパク質組成物。
【請求項44】
前記タンパク質組成物が、前記タンパク質組成物100g(乾物)当たり14から26mg、好ましくは17から26mg、好ましくは19から25mgの鉄含有量を有する、請求項41~43のいずれか一項に記載のタンパク質組成物。
【請求項45】
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法に従って製造される、請求項41~44のいずれか一項に記載のタンパク質組成物。
【請求項46】
請求項36~40のいずれか一項に記載の繊維組成物又は請求項41~45のいずれか一項に記載のタンパク質組成物を食品に組み込むことを含む、食品を製造する方法。
【請求項47】
請求項36~40のいずれか一項に記載の繊維組成物又は請求項41~45のいずれか一項に記載のタンパク質組成物を含む食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、醸造者による使用済み穀物からタンパク質食品組成物及び繊維食品組成物を製造する方法に関する。本発明はまた、タンパク質組成物及び繊維組成物、タンパク質又は繊維組成物を組み込んだ食品を製造する方法、並びにタンパク質又は繊維組成物を含む食品に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸留又は醸造副産物は、蒸留及び醸造プロセス中に豊富に生成される。醸造者による使用済み穀物(BSG)は、ビール醸造プロセスで生成される最も豊富な副生成物である。この材料は、マッシュ濾過又は麦汁濾過後に固形画分として得られる麦芽及び穀物殻を含む。今日まで、この蒸留所又は醸造所の副産物は、主に低価値の用途に、特に動物飼料として供されてきた。
【0003】
年々、ヒトの摂食パターンはますますアンバランスになっており、特定の栄養素が欠乏する一方で、他の栄養素は過剰摂取されている。例えば、平均的な西洋成人は1日当たり12から15gの繊維を消費するが、推奨される1日の値は28~30gである。現在のヒトの摂食パターンは、体重増加及び他の健康問題(例えば、糖尿病、心臓の問題など)と関係がある。このことが消費者の習慣に変化を起こしており、より多くの栄養製品への関心が高まっている。食品製造業者にとっての現在の課題の1つは、これらの消費者の期待に応える製品を提供できることである。食品及び飲料の改質を促進するためのいくつかの措置、とりわけ、健康的な栄養の促進、食品供給の栄養品質の改善、及び消費者に優しいラベリングなどが、世界保健機関によって西側諸国に提案されている。
【0004】
上記に加えて、国際連合(UN)の食糧農業機関(FAO)からの報告書「The State of Food Security and Nutrition in the World(2019)」によれば、推定8億2000万人が十分な食物を欠いており、前年の8億1100万人から増加している。並行して、肥満のレベルは、すべての地域で、特に学齢期の小児及び成人の間で増加し続けている。世界は、2050年までに100億人近くの人々を養えるように適応する必要があり、世界資源研究所(WRI)の新しい報告書「持続可能な食の未来の創造」によって提案された、食料ギャップを埋めるための選択肢のいくつかは、農地を拡大することなく食料生産を増加させ、より健康でより持続可能な食生活に移行することである。
【0005】
蒸留所又は醸造所の副産物、特にBSGは、栄養素、特にタンパク質及び繊維が豊富である。したがって、これらの副生成物を使用してヒトが消費するための栄養価の高い食品を製造する機会があり、これは食品成分として使用することができ、これによって上述の問題に対処するに役立ち得る。
【0006】
BSGなどの蒸留所又は醸造所の副産物からヒトが消費するための食品組成物を製造するための様々な試みがなされてきた。
【0007】
国際公開第2018/050863号は、植物タンパク質の含有量が高い食品組成物、特にペットフード組成物に関する。植物タンパク質は、約15%から約35重量%の水分含有量を有する醸造者による使用済み穀物(BSG)を、BSGの粒径を小さくするように加工し、加工されたBSGを、小さい粒径、高いタンパク質画分が得られるようにふるい分けによって分離することによって調製される。
【0008】
国際公開第2019/023647号は、醸造者による使用済み穀物(BSG)からタンパク質に富む小麦粉及び繊維に富む小麦粉を抽出するための方法及びシステムに関する。この発明は、特に、BSGを乾燥、粉砕及び分画することによって、タンパク質及び繊維に富む小麦粉において、異なるタンパク質含有量が得られる可能性を示すことを目的とする。セルミルが使用され、この粉砕装置は、シャフト上に配置された回転ブレードを含み、分画は、1つ以上のスクリーン、回転バー及び/又はふるいを含む分級機を使用して行われる。
【0009】
米国特許第4,341,805号は、BSGをタンパク質含有量の多い画分又は食物繊維含有量の多い画分のいずれかに分類する方法に関する。乾燥した使用済み穀物を粉砕し、次いでふるい分けによって画分に分離する。
【0010】
蒸留所又は醸造所の副産物、特にBSGを高タンパク質画分及び高繊維画分へとより効果的に分離し、高タンパク質画分のタンパク質含有量を最大化し、高繊維画分の繊維含有量を最大化するプロセスが依然として求められている。そのようなプロセスは、蒸留又は醸造の副産物の使用をヒトが消費する食品に拡張することを可能にし、それによってそのような食品の栄養価及び健康上の利益を改善する。そのような食品は、糖尿病、高コレステロール、肥満、便秘などに罹患している人々に特に適し得る。
【0011】
本発明の目的は、蒸留所又は醸造所の副産物から高タンパク質及び高繊維組成物を製造するための改善された方法を提供し、それにより、蒸留所又は醸造所の副産物をヒトの食生活に組み込むことによってヒトの食習慣を改善することである。
【発明の概要】
【0012】
本発明及びその実施形態は、上述の1つ以上の不利益に対する解決策を提供するのに役立つ。
【0013】
本発明は、醸造者による使用済み穀物から高タンパク質及び高繊維組成物を製造するための改善された方法を提供する。本方法は、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して微粒子化した醸造者による使用済み穀物を分画して、粗画分及び微細画分を提供すること、並びに
d)粗画分を回収して繊維組成物を得ること、及び微細画分を回収してタンパク質組成物を得ること、を含む。
【0014】
醸造者による使用済み穀物は、好ましくは、使用済み大麦と、任意選択で、米、トウモロコシ、モロコシ及びキャッサバから選択され、好ましくは米及びトウモロコシから選択される、1つ以上の他の使用済み穀物又は他のデンプン質材料とを含む。それは好ましくは、醸造に使用される穀物が、穀物の総乾燥重量に基づいて、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%の量の大麦を含む醸造プロセスから得られる使用済み穀物である。プロセスの出発材料として使用される醸造者による使用済み穀物は、好ましくは、AOAC 991.43によって決定される48%から62%未満の総食物繊維含有量(乾物重量%)、及び変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される20%超から35%未満の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する。
【0015】
乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意する工程は、好ましくは、醸造所から、例えばマッシュフィルタ又は麦汁タンから醸造者による使用済み穀物を回収し、次いで10重量%以下、好ましくは8%以下、好ましくは5重量%以下の水分含有量まで乾燥させることを含む。乾燥は、好ましくは、回収から4時間以内、好ましくは3時間以内、好ましくは3時間未満以内に行われる。好ましくは、醸造者による使用済み穀物は、乾燥前に、好ましくはデカンタ又はスクリュープレスを使用して脱水される。乾燥は、好ましくは、オーブン、フラッシュ乾燥機、リング乾燥機又は流動床乾燥機で行われる。
【0016】
必要に応じて、乾燥した醸造者による使用済み穀物を、微粒子化の前に、好ましくはハンマーミルを使用する脱塊に供することができる。
【0017】
微粒子化工程で使用されるピンミルは、好ましくは逆回転ピンミルである。微粒子化醸造者による使用済み穀物は、好ましくは二峰性の粒径分布を有する。微粒子化された醸造者による使用済み粒子の粒径(d50)は、レーザー回折によって決定される場合、好ましくは30から130μm、好ましくは30から70μm、好ましくは40から100μm、好ましくは40から60μmであり、粒径(d90)は、好ましくは150から350μm、好ましくは150から300μm、好ましくは190から280μm、好ましくは190から260μmである。
【0018】
分画は、好ましくは、分画を粗画分及び微細画分に最適化するために、空気分級機の回転速度及び空気流量を選択することを含む。
【0019】
本方法の変形例では、粗画分を再微粒子化してもよい。この方法の変形例によれば、本方法は、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して微粒子化した醸造者による使用済み穀物を分画して、第1の粗画分及び第1の微細画分を提供すること、
d)好ましくはピンミルを使用して、第1の粗画分を微粒子化して微粒子化された第1の粗画分を得ること、
e)好ましくは空気分級機を使用して微粒子化された第1の粗画分を分画して、第2の粗画分及び第2の微細画分を得ること、
f)第2の粗画分を回収して繊維組成物を得ること、及び
g)第1及び第2の微細画分を組み合わせて、タンパク質組成物を得ること、を含む。
【0020】
本明細書全般に記載される本方法の好ましい特徴は、必要な変更を加えてこの方法の変形例に適用される。
【0021】
本方法のさらなる可能な変形例では、粗画分は第2の分画に供され得る。この方法の変形例によれば、本方法は、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して微粒子化した醸造者による使用済み穀物を分画して、第1の粗画分及び第1の微細画分を提供すること、
d)好ましくは空気分級機を使用して第1の粗画分を分画して、第2の粗画分及び第2の微細画分を得ること、
e)第2の粗画分を回収して繊維組成物を得ること、及び
f)第1及び第2の微細画分を組み合わせて、タンパク質組成物を得ること、を含む。
【0022】
本明細書全般に記載される本方法の好ましい特徴は、必要な変更を加えてこの方法の変形例に適用される。
【0023】
本発明の方法によって得られる繊維組成物は、好ましくは、レーザー回折によって決定される場合、200~500μm、好ましくは200~450μm、好ましくは250~350μmの粒径(d90)を有する。その総食物繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 991.43によって決定される場合、好ましくは55%超、好ましくは60%超である。その総不溶性繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 2011.25によって決定される場合、好ましくは55~75%、好ましくは60~70%であり、その総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)は、好ましくは0~10%、好ましくは0~5%である。その総タンパク質含有量(乾物重量%)は、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、好ましくは15~30%、好ましくは18~25%である。繊維組成物中のタンパク質と食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)は、好ましくは70~100%、好ましくは85~100%であり、タンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)は、好ましくは0.30~0.55、好ましくは0.30~0.45、好ましくは0.30~0.40であり、総食物繊維含有量は、AOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。繊維組成物は、好ましくは、0.34から0.45g/mLのかさ密度と、0.42から0.60g/mLのタップ密度と、1.15から1.34、好ましくは1.20から1.24のハウスナー比とを有する。
【0024】
本発明の方法に従って得られる繊維組成物の総食物繊維含有量(乾物重量)は、AOAC 991.43によって決定された場合、醸造者による使用済み穀物の総食物繊維含有量(乾物重量)よりも、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも12%、好ましくは少なくとも14%高い。繊維組成物の総タンパク質含有量(乾物重量)は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される場合、醸造者による使用済み穀物の総タンパク質含有量(乾物重量)よりも、好ましくは少なくとも16%、好ましくは少なくとも18%、好ましくは少なくとも20%低い。
【0025】
本発明の方法により得られる繊維組成物は、好ましくは、繊維組成物100g(乾物)当たり9から15mg、好ましくは10から14mgの鉄含有量を有する。繊維組成物の鉄含有量は、醸造者による使用済み穀物の鉄含有量よりも、好ましくは少なくとも18%、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも26%、好ましくは少なくとも28%低い。
【0026】
本発明の方法に従って得られるタンパク質組成物は、好ましくは、レーザー回折によって決定される場合、20~200μm、好ましくは40~130μm、好ましくは50~130μm、好ましくは50~100μmの粒径(d90)を有する。その総食物繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 991.43によって決定される場合、好ましくは35%超55%未満である。その総不溶性繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 2011.25によって決定される場合、好ましくは30~60%、好ましくは35~50%であり、その総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)は、好ましくは0~10%、好ましくは1~5%である。その総タンパク質含有量(乾物重量%)は、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、好ましくは少なくとも33%、好ましくは33~50%、好ましくは35~40%である。タンパク質組成物中のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)は、好ましくは80~100%であり、タンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)は、好ましくは0.75~1.5であり、ここで、総食物繊維含有量は、AOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。タンパク質組成物は、好ましくは、0.25から0.35g/mLのかさ密度と、0.30から0.42g/mLのタップ密度と、1.18から1.30、好ましくは1.18から1.22のハウスナー比とを有する。
【0027】
本発明の方法に従って得られるタンパク質組成物の総タンパク質含有量(乾物重量)は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される場合、醸造者による使用済み穀物の総タンパク質含有量(乾物重量)よりも好ましくは少なくとも19%、好ましくは少なくとも21%、好ましくは少なくとも23%高い。タンパク質組成物の総食物繊維含有量(乾物重量)は、AOAC 991.43によって決定される場合、醸造者による使用済み穀物の総食物繊維含有量(乾物重量)よりも、好ましくは少なくとも13%、好ましくは少なくとも14%、好ましくは少なくとも16%低い。
【0028】
本発明の方法に従って得られるタンパク質組成物は、好ましくは、タンパク質組成物100g(乾物)当たり14から26mg、好ましくは17から26mg、好ましくは19から25mgの鉄含有量を有する。タンパク質組成物の鉄含有量は、醸造者による使用済み穀物の鉄含有量よりも、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも26%、好ましくは少なくとも28%高い。
【0029】
本発明はまた、醸造者による使用済み穀物から製造された繊維組成物を提供し、繊維組成物は、
レーザー回折によって決定される場合、200~500μm、好ましくは200~450μm、好ましくは250~350μmの粒径(d90)を有する粉末の形態であり、
AOAC 991.43によって決定される場合、55%を超え、好ましくは60%を超える総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
AOAC 2011.25によって決定される場合、55~75%、好ましくは60~70%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)を有し、0~10%、好ましくは0~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、15~30%、好ましくは18~25%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する。
【0030】
繊維組成物は、好ましくは、70~100%、好ましくは85~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)を有し、0.30~0.55、好ましくは0.30~0.45、好ましくは0.30~0.40のタンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)を有し、ここで、総食物繊維含有量はAOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。そのかさ密度は、好ましくは0.34から0.45g/mLであり、そのタップ密度は、好ましくは0.42から0.60g/mLであり、そのハウスナー比は、好ましくは1.15から1.34、好ましくは1.20から1.24である。繊維組成物は、好ましくは、繊維組成物100g(乾物)当たり9から15mg、好ましくは10から14mgの鉄含有量を有する。繊維組成物は、好ましくは、本発明の方法に従って製造される。
【0031】
本発明はまた、醸造者による使用済み穀物から製造されたタンパク質組成物を提供し、タンパク質組成物は、
レーザー回折によって決定される場合、20~200μm、好ましくは40~130μm、好ましくは50~130μm、好ましくは50~100μmの粒径(d90)を有する粉末の形態であり、
AOAC 991.43によって決定される場合、35%超55%未満の総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
AOAC 2011.25によって決定される場合、30~60%、好ましくは35~50%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)を有し、0~10%、好ましくは1~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、少なくとも33%、好ましくは33~50%、好ましくは35~40%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する。
【0032】
タンパク質組成物は、好ましくは、80~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)を有し、0.75~1.5のタンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)を有し、ここで、総食物繊維含有量は、AOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。そのかさ密度は、好ましくは0.25から0.35g/mLであり、そのタップ密度は、好ましくは0.30から0.42g/mLであり、そのハウスナー比は、好ましくは1.18から1.30、好ましくは1.18から1.22である。タンパク質組成物は、好ましくは、タンパク質組成物100g(乾物)当たり14から26mg、好ましくは17から26mg、好ましくは19から25mgの鉄含有量を有する。タンパク質組成物は、好ましくは、本発明の方法に従って製造される。
【0033】
本発明はまた、食品を製造する方法を提供し、本方法は、本発明の繊維組成物又は本発明のタンパク質組成物を食品に組み込むことを含む。本発明はまた、本発明の繊維組成物又は本発明によるタンパク質組成物を含む食品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、実施例2で得られた、アトリションミリング後の粉末及びその後のアトリションミリング粉末の空気分級後の粉末の粒度分布を示す。
図2図2は、実施例2で得られた、逆回転ピンミリング後の粉末及びその後のピンミリング粉末の空気分級後の粉末の粒径分布を示す。
図3図3は、アトリションミリング及びその後のアトリションミリング粉末の空気分級によって実施例2で得られた粗画分及び微細画分のタンパク質含有量(乾物%)を示す。
図4図4は、逆回転ピンミリング及びその後のピンミリング粉末の空気分級によって実施例2で得られた粗画分及び微細画分のタンパク質含有量(乾物%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、醸造者による使用済み穀物からタンパク質組成物及び繊維組成物を製造するための改善された方法、高タンパク質及び高繊維組成物(本明細書では「粉末状食品組成物」又は「粉末状組成物」とも呼ばれる)、タンパク質又は繊維組成物を組み込んだ食品の製造方法、及びタンパク質又は繊維組成物を含む食品を提供する。
【0036】
別段の定義がない限り、本発明の開示に使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。さらなる指針によって、本発明の教示をよりよく理解するために用語定義が含まれる。
【0037】
本明細書で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
【0038】
本明細書で使用される「A」、「an」、及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数及び複数の指示対象の両方を指す。例として、「区画」は、1つ又は複数の区画を指す。
【0039】
パラメータ、量、時間間隔などの測定可能な値を指すときに本明細書で使用される「約」は、指定された値からの+/-20%以下、好ましくは+/-10%以下、より好ましくは+/-5%以下、さらにより好ましくは+/-1%以下、さらにより好ましくは+/-0.1%以下の変動を、そのような変動が開示された発明を実施するのに適切である限りにおいて包含することを意味する。ただし、修飾語「約」が指す値自体も具体的に開示されていることを理解されたい。
【0040】
本明細書で使用される「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、及び「含む(comprises)」及び「からなる(comprised of)」は、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(includes)」又は「含有する(contain)」、「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、後に続くもの(例えば、構成要素)の存在を指定する包括的又は非限定的な用語であり、当技術分野で知られているか又はそこに開示されている追加の、列挙されていない構成要素、特徴、要素、部材、工程の存在を排除又は除外するものではない。
【0041】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、特定されない限り、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも連続的又は時系列的な順序を説明するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載される本発明の実施形態は、本明細書に記載又は図示されている以外の順序で実施することができることを理解されたい。
【0042】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含されるすべての数及び分数、並びに列挙された端点を含む。
【0043】
本明細書及び本明細書全体を通して、「重量%」、「重量パーセント」、「%wt」又は「wt%」という表現は、特に定義されない限り、配合物の総重量に基づくそれぞれの成分の相対重量を指す。
【0044】
一群のメンバーの1つ以上又は少なくとも1つのメンバーなどの「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という用語は、それ自体明確であるが、さらに例証すれば、この用語は、とりわけ、前記メンバーのいずれか1つ、又は前記メンバーのいずれか2つ以上、例えば前記メンバーのいずれか≧3、≧4、≧5、≧6又は≧7など、及び前記メンバーのすべてまでへの言及を包含する。
【0045】
本明細書で使用される「繊維」、「総食物繊維」又は「粗質食料」は、ヒト消化酵素によって完全に分解することができない植物由来の食物の部分を指す。好ましくは、繊維は可溶性繊維及び不溶性繊維を含む。繊維は、非デンプン多糖類、セルロース、ヘミセルロース、耐性デンプン、デキストリン、ポリデキストロース、イヌリン、リグニン、キチン、キトサン、ペクチン、ベータ-グルカン、ガム、オリゴ糖類又はそれらの組み合わせを含んでいても含まなくてもよい。本明細書で使用される「可溶性繊維」は、液体に溶解し得る繊維を指す。本明細書で使用される「不溶性繊維」は、水に溶解しない繊維を指す。
【0046】
本明細書で使用される「タンパク質」は、1つ以上のアミノ酸残基を含む生体分子を指す。本明細書で使用される「アミノ酸」は、各アミノ酸に特異的な側鎖と共に、アミン(-NH)及びカルボキシル(-COOH)官能基を含む有機化合物を指す。
【0047】
本明細書で使用される「必須アミノ酸」は、人体が他の化合物から産生することができず、それゆえ食品として摂取されなければならないアミノ酸を指す。好ましくは、必須アミノ酸は、フェニルアラニン、バリン、トレオニン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、リジン又はヒスチジンからなる群より選択されるアミノ酸である。
【0048】
本明細書で使用される「条件付き必須アミノ酸」は、病気又はストレスなどの特定の状況下で必須になるアミノ酸を指す。好ましくは、条件付き必須アミノ酸は、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン又はチロシンからなる群より選択されるアミノ酸である。
【0049】
本明細書で使用される「非必須アミノ酸」は、人体によって他の化合物から産生され得るアミノ酸を指す。好ましくは、非必須アミノ酸は、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、セレノシステイン又はピロリジンからなる群より選択されるアミノ酸である。
【0050】
本明細書で使用される「糖」は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖又はそれらの組み合わせを指す。好ましくは、本明細書で使用される糖は、フルクトース、ガラクトース、グルコース、マルトース、ラクトース、スクロース又はそれらの組み合わせを指す。
【0051】
本明細書で使用される「炭水化物」は、炭素(C)、水素(H)及び酸素(O)原子からなる生体分子を指す。
【0052】
本明細書で使用される「粒径」は、レーザー回折粒径分析器(例えば、Mastersizer(登録商標)3000、Malvern Panalytical Ltd.)を用いレーザー回折を使用して測定される粒径を指す。本明細書で使用されるパラメータ「d90」は、サイズ分布の概念を与え、組成物の体積の90%が指定する値より小さいサイズを有する粒子からなるところのサイズを指す(例えば、150μmのd90は、組成物の体積の90%が150μm未満のサイズを有する粒子からなることを指す)。同様に、パラメータ「d50」は、組成物の体積の50%が指定する値より小さいサイズを有する粒子からなるところのサイズを指す。
【0053】
本明細書で使用される「大麦麦芽」は、「麦芽製造」として知られる方法によって得られた、大麦を含む発芽穀物を指す。穀物は、米、オート麦、小麦、トウモロコシ、モロコシ、キビ又はそれらの組み合わせなどの他のデンプン源を含んでいても含まなくてもよい。
【0054】
別段の定義がない限り、本発明の開示に使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。さらなる指針により、本明細書で使用される用語の定義は、本発明の教示をよりよく理解するために含まれる。本明細書で使用される用語又は定義は、単に本発明の理解を助けるために提供される。
【0055】
本明細書を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態では、」又は「実施形態では、」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではないが、そうである場合もある。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、本開示から当業者に明らかであるように、任意の適切な態様で組み合わせることができる。さらに、本明細書に記載されたいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含み、他の特徴を含まないが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者によって理解されるように、本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれも、任意の組み合わせの形で使用することができる。
【0056】
醸造者による使用済み穀物
本発明の方法の出発材料は、醸造者による使用済み穀物である。醸造者による使用済み穀物は、マッシング工程後の醸造産業の副産物である。醸造プロセスのこの時点で、不溶性画分が除去されている間に、可溶性画分(「麦汁」として知られている)がさらなる醸造工程に進められる。この不溶性画分が、醸造者による使用済み穀物である。
【0057】
本発明の方法で使用される醸造者による使用済み穀物は、好ましくは、大麦と、任意選択で、米、コーン、モロコシ及びキャッサバ、特に米及び/又はコーンなどの1つ以上の他の穀物又はデンプン質を含む穀物で醸造した後に得られる。醸造に使用される穀物(すなわち、醸造プロセスの開始時に使用される穀物混合物)は、好ましくは、穀物の総乾燥重量に基づいて、少なくとも40重量%(例えば、少なくとも40、45、50、55、60、65若しくは70重量%、又は任意の中間値)、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%の量の大麦を含む。
【0058】
本発明の方法で使用される醸造者による使用済み穀物は、AOAC 991.43によって決定される場合、好ましくは48%から62%未満、好ましくは50%から60%未満(例えば、51、52、53、54、55、56、57、58若しくは59%、又は任意の中間値)の総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、20%超から35%未満、好ましくは25%超から35%未満(例えば、26、27、28、29、30、31、32、33若しくは34%、又は任意の中間値)の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する。
【0059】
方法
本発明は、醸造者による使用済み穀物から高タンパク質及び高繊維組成物を製造するための改善された方法を提供する。本方法は、
a)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
b)ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
c)空気分級機を使用して微粒子化した醸造者による使用済み穀物を分画して、粗画分及び微細画分を提供すること、並びに
d)粗画分を回収して繊維組成物を得ること、及び微細画分を回収してタンパク質組成物を得ること、を含む。
【0060】
乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意する工程は、好ましくは、醸造所から、例えばマッシュフィルタ又は麦汁タンから醸造者による使用済み穀物を回収し、次いで、10重量%以下(例えば、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、又は4重量%以下)、好ましくは8%以下、好ましくは5重量%以下の水分含有量まで乾燥させることを含む。乾燥は、好ましくは、回収から4時間以内、好ましくは3時間以内、好ましくは3時間未満以内に行われる。好ましくは、醸造者による使用済み穀物は、乾燥前に、好ましくはデカンタ又はスクリュープレスを使用して脱水される。乾燥は、好ましくは、オーブン、フラッシュ乾燥機、リング乾燥機又は流動床乾燥機で行われる。
【0061】
必要に応じて、乾燥した醸造者による使用済み穀物を、微粒子化の前に、好ましくはハンマーミルを使用する脱塊に供することができる。この工程は、乾燥工程中に著しい凝集が起こった場合に有用であり得、乾燥装置の選択に部分的に依存する。当業者であれば、任意の所与の場合において、脱塊工程が望ましいか否かを容易に理解することができるであろう。
【0062】
本発明の微粒子化工程は、ピンミルを使用する。ピンミルは、典型的には回転により繰り返し互いにすれ違って移動するピンの作用によって材料を粉砕する。本発明者らは、本発明の微粒子化工程におけるピンミルの使用が、醸造者による使用済み穀物を所望の程度まで微粒子化するのに有効であり、本発明の分画工程において特に有効な分画をもたらすことを見出した。
【0063】
微粒子化工程で使用されるピンミルは、好ましくは逆回転ピンミルである。逆回転ピンミルは、非常に高い相対ディスク速度を達成することを可能にする2つの逆回転ピンディスクを有する。
【0064】
微粒子化醸造者による使用済み穀物は、好ましくは二峰性の粒径分布を有する。二峰性の径分布は、粒径の2つの集団を含む径分布である。第2の集団の存在は、2つの集団が重複する程度に応じて、粒径分布における第2のピークの存在(図1を参照されたい)によって明らかになり得、又は粒径分布における肩部の存在(図2を参照されたい)によって明らかになり得る。
【0065】
微粒子化された醸造者による使用済み穀物の粒径(d50)は、レーザー回折によって決定される場合、好ましくは30から130μm、好ましくは30から70μm、好ましくは40から100μm、好ましくは40から60μmである。例えば、d50は、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130μm、又は任意の中間値であり得る。
【0066】
微粒子化された醸造者による使用済み穀物の粒径(d90)は、レーザー回折によって決定される場合、好ましくは150から350μm、好ましくは150から300μm、好ましくは190から280μm、好ましくは190から260μmである。例えば、d90は、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350μm又は任意の中間値であり得る。
【0067】
ピンミルは既知である。微粒子化された醸造者による使用済み穀物の好ましい粒径分布を達成するための任意の所与のピンミルの較正は、当業者にとって日常的なことである。
【0068】
本発明の分画工程では、空気分級機を用いる。空気分級機は、空気流中のそれらの挙動に基づいて材料を分離し、ひいては、粒径、形状及び密度に基づいて分離する。これは、粒子の密度に基づいて粒子を区別しないふるい分けと比べて異なる分離原理である。
【0069】
空気分級機は既知であり、当業者は、目下の要件に基づいて適切な空気分級機を選択することができる。任意の所与の空気分級機について、当業者は、例えば空気分級機の回転速度や空気流量を選択することによって、所望の分画を達成するように分級機を較正することができる。
【0070】
本発明者らは、ピンミルと空気分級機との特定の組み合わせが、醸造者による使用済み穀物の、高いタンパク質含有量を有するタンパク質組成物及び高い繊維含有量を有する繊維組成物への分画を驚くほど効果的に達成し得ることを見出した。アトリションミルなどの他の種類のミルは、粉砕技術として有効であることが示されたが、驚くべきことに、その後に空気分級機を使用して分画した場合、高タンパク質及び高繊維画分への分画はあまり有効ではなかった。粉砕技術と分画技術との特定の組み合わせの選択が、分画の有効性にそのような有意な影響を及ぼし得ると予測することはできなかった。
【0071】
本方法の変形例では、粗画分を再微粒子化してもよい。この方法の変形例によれば、本方法は、
h)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
i)ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
j)空気分級機を使用して微粒子化した醸造者による使用済み穀物を分画して、第1の粗画分及び第1の微細画分を提供すること、
k)好ましくはピンミルを使用して、第1の粗画分を微粒子化して微粒子化された第1の粗画分を得ること、
l)好ましくは空気分級機を使用して微粒子化された第1の粗画分を分画して、第2の粗画分及び第2の微細画分を得ること、
m)第2の粗画分を回収して繊維組成物を得ること、及び
n)第1及び第2の微細画分を組み合わせて、タンパク質組成物を得ること、を含む。
【0072】
本明細書全般に記載される本方法の好ましい特徴は、必要な変更を加えてこの方法の変形例に適用される。
【0073】
本方法のさらなる可能な変形例では、粗画分は第2の分画に供され得る。この方法の変形例によれば、本方法は、
g)10重量%以下の水分含有量を有する乾燥した醸造者による使用済み穀物を用意すること、
h)ピンミルを使用して乾燥した醸造者による使用済み穀物を微粒子化して、微粒子化された醸造者による使用済み穀物を得ること、
i)空気分級機を使用して微粒子化した醸造者による使用済み穀物を分画して、第1の粗画分及び第1の微細画分を提供すること、
j)好ましくは空気分級機を使用して第1の粗画分を分画して、第2の粗画分及び第2の微細画分を得ること、
k)第2の粗画分を回収して繊維組成物を得ること、及び
l)第1及び第2の微細画分を組み合わせて、タンパク質組成物を得ること、を含む。
【0074】
本明細書全般に記載される本方法の好ましい特徴は、必要な変更を加えてこの方法の変形例に適用される。
【0075】
上記の方法の変形例によれば、タンパク質組成物の全体的な収率を改善することができることが見出された。
【0076】
本発明の方法によって得られる繊維組成物は、好ましくは、レーザー回折によって決定される場合、200~500μm、好ましくは200~450μm、好ましくは250~350μmの粒径(d90)を有する。例えば、繊維組成物のd90は、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340又は350μm、又は任意の中間値であり得る。その総食物繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 991.43によって決定される場合、好ましくは55%超、好ましくは60%超である。その総不溶性繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 2011.25によって決定される場合、好ましくは55~75%、好ましくは60~70%であり、その総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)は、好ましくは0~10%、好ましくは0~5%である。その総タンパク質含有量(乾物重量%)は、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、好ましくは15~30%、好ましくは18~25%である。繊維組成物中のタンパク質と食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)は、好ましくは70~100%、好ましくは85~100%であり、タンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)は、好ましくは0.30~0.55、好ましくは0.30~0.45、好ましくは0.30~0.40であり、総食物繊維含有量は、AOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。繊維組成物は、好ましくは、0.34から0.45g/mLのかさ密度と、0.42から0.60g/mLのタップ密度と、1.15から1.34、好ましくは1.20から1.24のハウスナー比とを有する。繊維組成物の総食物繊維含有量(乾物重量)は、AOAC 991.43によって決定された場合、醸造者による使用済み穀物の総食物繊維含有量(乾物重量)よりも好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも12%、好ましくは少なくとも14%高い。繊維組成物の総タンパク質含有量(乾物重量)は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される場合、醸造者による使用済み穀物の総タンパク質含有量(乾物重量)よりも、好ましくは少なくとも16%、好ましくは少なくとも18%、好ましくは少なくとも20%低い。
【0077】
繊維組成物は、好ましくは、繊維組成物100g(乾物)当たり9から15mg(例えば、9、10、11、12、13、14若しくは15mg、又は任意の中間値)、好ましくは10から14mgの鉄含有量を有する。繊維組成物の鉄含有量は、醸造者による使用済み穀物の鉄含有量よりも、好ましくは少なくとも18%(例えば、少なくとも18、19、20、21、22、23、24、25、26、27若しくは28%、又は任意の中間値)、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも26%、好ましくは少なくとも28%低い。本発明の方法によって繊維組成物の鉄含有量が減少する度合は驚くべきことである。
【0078】
本発明の方法により得られた繊維組成物は、本発明の繊維組成物の説明において以下により詳細に記載される。
【0079】
本発明の方法に従って得られるタンパク質組成物は、好ましくは、レーザー回折によって決定される場合、20~200μm、好ましくは40~130μm、好ましくは50~130μm、好ましくは50~100μmの粒径(d90)を有する。その総食物繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 991.43によって決定される場合、好ましくは35%超55%未満である。その総不溶性繊維含有量(乾物重量%)は、AOAC 2011.25によって決定される場合、好ましくは30~60%、好ましくは35~50%であり、その総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)は、好ましくは0~10%、好ましくは1~5%である。その総タンパク質含有量(乾物重量%)は、変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、好ましくは少なくとも33%、好ましくは33~50%、好ましくは35~40%である。タンパク質組成物中のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)は、好ましくは80~100%であり、タンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)は、好ましくは0.75~1.5であり、ここで、総食物繊維含有量は、AOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。タンパク質組成物は、好ましくは、0.25から0.35g/mLのかさ密度と、0.30から0.42g/mLのタップ密度と、1.18から1.30、好ましくは1.18から1.22のハウスナー比とを有する。タンパク質組成物の総タンパク質含有量(乾物重量)は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される場合、醸造者による使用済み穀物の総タンパク質含有量(乾物重量)よりも好ましくは少なくとも19%、好ましくは少なくとも21%、好ましくは少なくとも23%高い。タンパク質組成物の総食物繊維含有量(乾物重量)は、AOAC 991.43によって決定される場合、醸造者による使用済み穀物の総食物繊維含有量(乾物重量)よりも、好ましくは少なくとも13%、好ましくは少なくとも14%、好ましくは少なくとも16%低い。
【0080】
本発明の方法により得られるタンパク質組成物は、好ましくは、タンパク質組成物100g(乾物)当たり14から26mg(例えば、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25若しくは26mg、又は任意の中間値)、好ましくは17から26mg、好ましくは19から25mgの鉄含有量を有する。タンパク質組成物の鉄含有量は、醸造者による使用済み穀物の鉄含有量よりも、好ましくは少なくとも20%(例えば、少なくとも20、21、22、23、24、25、26、27若しくは28%、又は任意の中間値)、好ましくは少なくとも24%、好ましくは少なくとも26%、好ましくは少なくとも28%高い。本発明の方法によってタンパク質組成物の鉄含有量が増加する度合は驚くべきことである。
【0081】
本発明の方法に従って得られたタンパク質組成物は、本発明のタンパク質組成物の説明において以下により詳細に記載される。
【0082】
タンパク質組成物
本発明のタンパク質組成物は、醸造者による使用済み穀物から製造される。タンパク質組成物:
レーザー回折によって決定される場合、20~200μm、好ましくは40~130μm、好ましくは50~130μm、好ましくは50~100μmの粒径(d90)を有する粉末の形態であり、
AOAC 991.43によって決定される場合、35%超55%未満の総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
AOAC 2011.25によって決定される場合、30~60%、好ましくは35~50%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)を有し、0~10%、好ましくは1~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、少なくとも33%、好ましくは33~50%、好ましくは35~40%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する。
【0083】
本発明のタンパク質組成物は、タンパク質画分と繊維画分とを含む粉末状食品組成物とも呼ばれる。
【0084】
本発明者らは、そのようなタンパク質組成物が、様々な最終食品中のタンパク質及び繊維の濃度、並びにそれらを含有する食品の消費者のタンパク質及び繊維の平均1日摂取量を増加させる成分として適していることに気づいた。繊維摂取量の増加に関連する健康上の利点に加えて、繊維とタンパク質の特定の混合物は、腸内の脂肪取り込みの低下、組織(例えば、筋肉、骨、軟骨の皮膚又は血液)の構築又は修復のための成長の増加、抗炎症特性の増加、腸の健康の向上(消化の増加、腸内微生物叢の刺激及び便通の正常化)、減量の促進、及び健康な体格の維持に有利であると考えられる最終食品を得るのにさらに有益である。タンパク質組成物は、脂肪のない体を維持又は得たい人、及び糖尿病患者又は高コレステロール若しくは便秘に苦しんでいる患者に有益であると考えられる最終食品を得るのに特に有利である。さらに、高い繊維及び高いタンパク質含有量のために、適度な量のタンパク質組成物の添加は、糖又は脂肪含有量を増加させることなく、最終食品のタンパク質及び繊維含有量を増加させるのに十分である。適度な量のタンパク質組成物を添加することにより、タンパク質組成物が最終食品の味に影響を及ぼし得る可能性が最小限に抑えられる。
【0085】
さらに、タンパク質組成物は、従来、対応する醸造プロセス後に、廃棄されたり、動物飼料、ペットフード又は堆肥として再利用するために使用されたりしていた生成物から得られ、これは年間を通して大量に容易に入手可能であり、経済的及び環境的観点からタンパク質組成物を持続可能にする。
【0086】
前記タンパク質組成物のタンパク質含有量は、当技術分野における従来の手段、例えばケルダール法に基づくFoss装置によって、又は限定するものではないがDumas法などの当技術分野で公知の任意の他の適切な方法によって測定することができる。ケルダール法で用いられる窒素:タンパク質変換係数は6.25である。適切な方法は、BS 4401 Pt 2:1980に従って見出すことができる。
【0087】
好ましくは、前記タンパク質組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比(すなわち、食物繊維に対するタンパク質の比)は、0.70~3.50、より好ましくは0.70~3.00、さらにより好ましくは0.70~2.50、さらにより好ましくは0.70~2.00、さらにより好ましくは0.70~1.9、さらにより好ましくは0.70~1.8、さらにより好ましくは0.90~1.21、さらにより好ましくは0.70~1.20、さらにより好ましくは0.70~1.19、さらにより好ましくは0.70~1.18、さらにより好ましくは0.70~1.17、さらにより好ましくは0.70~1.16、さらにより好ましくは0.70~1.15、さらにより好ましくは0.70~1.14、さらにより好ましくは0.70~1.13、さらにより好ましくは0.70~1.12、さらにより好ましくは0.70~1.11、さらにより好ましくは0.70~1.10、さらにより好ましくは0.70~1.09、さらにより好ましくは0.70~1.08、さらにより好ましくは0.70~1.07、さらにより好ましくは0.70~1.06、さらにより好ましくは0.70~1.05、さらにより好ましくは0.70~1.04、さらにより好ましくは0.70~1.03、さらにより好ましくは0.70~1.02、さらにより好ましくは0.70~1.01、さらにより好ましくは0.70~1.00、さらにより好ましくは0.70~0.99、さらにより好ましくは0.70~0.98、さらにより好ましくは0.70~0.97、さらにより好ましくは0.70~0.96、さらにより好ましくは0.70~0.95、さらにより好ましくは0.70~0.94、さらにより好ましくは0.70~0.93、さらにより好ましくは0.70~0.92、さらにより好ましくは0.70~0.91、さらにより好ましくは0.70~0.90、さらにより好ましくは0.71~0.89、さらにより好ましくは0.72~0.88、さらにより好ましくは0.73~0.87、さらにより好ましくは0.74~0.86、さらにより好ましくは0.75~0.85である。
【0088】
さらなる実施形態又は他の実施形態では、前記タンパク質組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比は、0.70~3.50、より好ましくは0.75~3.50、さらにより好ましくは0.80~3.50、さらにより好ましくは0.85~3.50、さらにより好ましくは0.90~3.50、さらにより好ましくは0.95~3.50、さらにより好ましくは1.00~3.50、さらにより好ましくは1.05~3.50、さらにより好ましくは1.10~3.50、さらにより好ましくは1.15~3.50、さらにより好ましくは1.20~3.50、さらにより好ましくは1.25~3.50、さらにより好ましくは1.30~3.50、さらにより好ましくは1.35~3.50、さらにより好ましくは1.40~3.50、さらにより好ましくは1.45~3.50、さらにより好ましくは1.50~3.50、さらにより好ましくは1.55~3.50、さらにより好ましくは1.60~3.50、さらにより好ましくは1.65~3.50、さらにより好ましくは1.70~3.50、さらにより好ましくは1.75~3.50、さらにより好ましくは1.80~3.50、さらにより好ましくは1.85~3.50、さらにより好ましくは1.90~3.50、さらにより好ましくは1.95~3.50、さらにより好ましくは2.00~3.50、さらにより好ましくは2.05~3.50、さらにより好ましくは2.10~3.50、さらにより好ましくは2.15~3.50、さらにより好ましくは2.20~3.50、さらにより好ましくは2.25~3.50、さらにより好ましくは2.30~3.50、さらにより好ましくは2.35~3.50、さらにより好ましくは2.40~3.50、さらにより好ましくは2.45~3.50、さらにより好ましくは2.50~3.50である。
【0089】
好ましくは、前記タンパク質組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比は、少なくとも0.70、より好ましくは少なくとも0.71、さらにより好ましくは少なくとも0.72、さらにより好ましくは少なくとも0.73、さらにより好ましくは少なくとも0.74、さらにより好ましくは少なくとも0.75である。さらなる実施形態では、タンパク質及び繊維画分の比は、少なくとも0.76、好ましくは少なくとも0.77、より好ましくは少なくとも0.78、さらにより好ましくは少なくとも0.79、さらにより好ましくは少なくとも0.80、さらにより好ましくは少なくとも0.81、さらにより好ましくは少なくとも0.82、さらにより好ましくは少なくとも0.83、さらにより好ましくは少なくとも0.84、さらにより好ましくは少なくとも0.85、さらにより好ましくは少なくとも0.86、さらにより好ましくは少なくとも0.87、さらにより好ましくは少なくとも0.88、さらにより好ましくは少なくとも0.89、さらにより好ましくは少なくとも0.90、さらにより好ましくは少なくとも0.91、さらにより好ましくは少なくとも0.92、さらにより好ましくは少なくとも0.93、さらにより好ましくは少なくとも0.94、さらにより好ましくは少なくとも0.95、さらにより好ましくは0.96、さらにより好ましくは少なくとも0.97、さらにより好ましくは少なくとも0.98、さらにより好ましくは少なくとも0.99、さらにより好ましくは少なくとも1.00である。タンパク質画分と繊維画分の比は、少なくとも1.1以上、例えば1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4又は2.5であってもよく、又はそうでなくてもよい。
【0090】
一実施形態では、前記タンパク質組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比は、最大で3.50、より好ましくは最大で3.40、さらにより好ましくは最大で3.30、さらにより好ましくは最大で3.20、さらにより好ましくは最大で3.10、さらにより好ましくは最大で3.00、さらにより好ましくは最大で2.90、さらにより好ましくは最大で2.80、さらにより好ましくは最大で2.70、さらにより好ましくは最大で2.60、さらにより好ましくは最大で2.50、さらにより好ましくは最大で2.40、さらにより好ましくは最大で2.30、さらにより好ましくは最大で2.20、さらにより好ましくは最大で2.10、さらにより好ましくは最大で2.00、さらにより好ましくは最大で1.90、さらにより好ましくは最大で1.80、さらにより好ましくは最大で1.70、さらにより好ましくは最大で1.60、さらにより好ましくは最大で1.50、さらにより好ましくは最大で1.40、さらにより好ましくは最大で1.30、さらにより好ましくは最大で1.20、さらにより好ましくは最大で1.10、さらにより好ましくは最大で1.00である。
【0091】
好ましくは、前記タンパク質組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量(すなわち、タンパク質及び食物繊維の合計含有量)は、前記組成物の重量基準で、最大100乾燥重量%、より好ましくは最大99乾燥重量%、さらにより好ましくは最大98乾燥重量%、さらにより好ましくは最大97乾燥重量%、さらにより好ましくは最大96乾燥重量%、さらにより好ましくは最大95乾燥重量%、さらにより好ましくは最大94乾燥重量%、さらにより好ましくは最大93乾燥重量%、さらにより好ましくは最大92乾燥重量%、さらにより好ましくは最大91乾燥重量%、さらにより好ましくは最大90乾燥重量%である。
【0092】
好ましくは、前記タンパク質組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量は、少なくとも70乾燥重量%、より好ましくは少なくとも71乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも72乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも73乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも74乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも75乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも76乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも77乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも78乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも79乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも80乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも81乾燥重量%である。
【0093】
特に好ましい実施形態では、前記タンパク質組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量は、前記組成物の重量基準で80~100乾燥重量%である。前記タンパク質組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比は0.75~1.50である。
【0094】
タンパク質組成物は、好ましくは、80~100%(例えば、80、85、90若しくは95%、又は任意の中間値)のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)を有し、0.75~1.5(例えば、0.75、0.80、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50又は任意の中間値)のタンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)を有し、ここで、総食物繊維含有量は、AOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は、変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。
【0095】
タンパク質組成物のかさ密度は、好ましくは0.25から0.35g/mLであり、そのタップ密度は、好ましくは0.30から0.42g/mLであり、そのハウスナー比は、好ましくは1.18から1.30、好ましくは1.18から1.22である。タンパク質組成物は、好ましくは、本発明の方法に従って製造される。
【0096】
より多量のタンパク質を含むタンパク質組成物は、アスリートのための最終食品を得るのに特に有益であると考えられる。タンパク質組成物は、最終食品の栄養組成を改善すると考えられ、それによって、指定された繊維及びタンパク質画分を含む最終食品は、身体組成及び代謝リスク因子を改善し、インスリン感受性グルコース及び脂質レベルを改善し、それに伴って体重減少を促進し、除脂肪量保持を改善するために特に有益である。さらに、最終食品は、血漿脂質に対する有益な効果を含む。
【0097】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分(すなわち、タンパク質組成物の総食物繊維含有量)は、繊維画分の総重量に基づいて、80から100乾燥重量%、好ましくは85から100乾燥重量%、より好ましくは90から100乾燥重量%、さらにより好ましくは91から99乾燥重量%、さらにより好ましくは91から98乾燥重量%、さらにより好ましくは91から97乾燥重量%、さらにより好ましくは91から96乾燥重量%、さらにより好ましくは91から95乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する。繊維画分がほとんど不溶性繊維のみからなるタンパク質組成物は、便通を改善し、体重減少又は健康な体重の維持を助けるのに特に有利な最終食品をもたらすと考えられる。
【0098】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、5から90乾燥重量%、好ましくは10から90乾燥重量%、より好ましくは15から90乾燥重量%、さらにより好ましくは20から90乾燥重量%、さらにより好ましくは25から90乾燥重量%、さらにより好ましくは30から90乾燥重量%、さらにより好ましくは30から95乾燥重量%、より好ましくは35から95乾燥重量%、さらにより好ましくは35から90乾燥重量%、さらにより好ましくは40から90乾燥重量%、らにより好ましくは40から85乾燥重量%、さらにより好ましくは40から80乾燥重量%、さらにより好ましくは40から75乾燥重量%、さらにより好ましくは45から75乾燥重量%、さらにより好ましくは45から70乾燥重量%、さらにより好ましくは50から70乾燥重量%、さらにより好ましくは50か65乾燥重量%、さらにより好ましくは50から60乾燥重量%のアラビノキシランを含む。前記好ましいタンパク質組成物を含む食品は、免疫調節活性、コレステロール低下活性、ミネラルの吸収、II型糖尿病の弱毒化及びプレバイオティクス効果を改善するのに特に有益であると考えられる。
【0099】
好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、最大で90乾燥重量%、より好ましくは最大で85乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で80乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で75乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で70乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で60乾燥重量%のアラビノキシランを含む。好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、少なくとも5乾燥重量%、より好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも15乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも20乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも25乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも30乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも35乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも40乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも45乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも50乾燥重量%のアラビノキシランを含む。
【0100】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、0~60乾燥重量%、好ましくは0~55乾燥重量%、より好ましくは5~55乾燥重量%、さらにより好ましくは5~50乾燥重量%、さらにより好ましくは10~50乾燥重量%、さらにより好ましくは10~45乾燥重量%、さらにより好ましくは15~45乾燥重量%、さらにより好ましくは15~40乾燥重量%、さらにより好ましくは20~40乾燥重量%、さらにより好ましくは20~35乾燥重量%、さらにより好ましくは25~35乾燥重量%のセルロースを含む。
【0101】
好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、最大で70乾燥重量%、より好ましくは最大で65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で60乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で55乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で50乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で45乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で40乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で35乾燥重量%のセルロースを含む。好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、少なくとも5乾燥重量%、より好ましくは少なくとも8乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも12乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも14乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも16乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも18乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも20乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも22乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも24乾燥重量%のセルロースを含む。
【0102】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、0~50乾燥重量%、好ましくは0~45乾燥重量%、より好ましくは0~40乾燥重量%、さらにより好ましくは0~35乾燥重量%、さらにより好ましくは0~30乾燥重量%、さらにより好ましくは0~20乾燥重量%、さらにより好ましくは5~20乾燥重量%、さらにより好ましくは10~20乾燥重量%のリグニンを含む。
【0103】
好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、最大で70乾燥重量%、より好ましくは最大で65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で60乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で55乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で50乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で45乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で40乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で35乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で30乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で25乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で20乾燥重量%のリグニンを含む。好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、少なくとも2乾燥重量%、より好ましくは少なくとも4乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも6乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも8乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも12乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも14乾燥重量%のリグニンを含む。
【0104】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、0~20乾燥重量%、好ましくは1~19乾燥重量%、さらにより好ましくは2~18乾燥重量%、さらにより好ましくは3~17乾燥重量%、さらにより好ましくは4~16乾燥重量%、さらにより好ましくは5~15乾燥重量%、さらにより好ましくは5~14乾燥重量%、さらにより好ましくは5~13乾燥重量%、さらにより好ましくは5~12乾燥重量%、さらにより好ましくは5~11乾燥重量%、さらにより好ましくは5~10乾燥重量%、さらにより好ましくは5~9乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する。
【0105】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、5~90乾燥重量%、好ましくは10~85乾燥重量%、より好ましくは10~80乾燥重量%、さらにより好ましくは10~75乾燥重量%、さらにより好ましくは10~70乾燥重量%、さらにより好ましくは10~65乾燥重量%、さらにより好ましくは20~65乾燥重量%、さらにより好ましくは25~65乾燥重量%、さらにより好ましくは10~50乾燥重量%、さらにより好ましくは11~49乾燥重量%、さらにより好ましくは12~48乾燥重量%、さらにより好ましくは13~47乾燥重量%、さらにより好ましくは14~46乾燥重量%、さらにより好ましくは15~45乾燥重量%、さらにより好ましくは16~44乾燥重量%、さらにより好ましくは17~43乾燥重量%、さらにより好ましくは18~42乾燥重量%、さらにより好ましくは19~41乾燥重量%、さらにより好ましくは20~41乾燥重量%のアミノ酸含有量を有する。より好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、34~46乾燥重量%、より好ましくは35~45乾燥重量%、さらにより好ましくは36~44乾燥重量%、さらにより好ましくは37~43乾燥重量%、さらにより好ましくは38~42乾燥重量%、さらにより好ましくは39~41乾燥重量%のアミノ酸含有量を有する。
【0106】
好ましくは、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、最大90乾燥重量%、好ましくは最大85乾燥重量%、より好ましくは最大80乾燥重量%、さらにより好ましくは最大75乾燥重量%、さらにより好ましくは最大70乾燥重量%、さらにより好ましくは最大65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大60乾燥重量%のアミノ酸含有量を有する。好ましくは、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、少なくとも5乾燥重量%、好ましくは少なくとも10乾燥重量%、より好ましくは少なくとも15乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも20乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも25乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも30乾燥重量%のアミノ酸含有量を有する。
【0107】
特に好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記タンパク質組成物の重量基準で、5~25重量%、より好ましくは7~23乾燥重量%、さらにより好ましくは9~21乾燥重量%、さらにより好ましくは11~19乾燥重量%の必須アミノ酸含有量と、前記タンパク質組成物の重量基準で、1~20乾燥重量%、より好ましくは3~18乾燥重量%、さらにより好ましくは5~16乾燥重量%、さらにより好ましくは6~15乾燥重量%、さらにより好ましくは7~14乾燥重量%の条件付き必須アミノ酸含有量と、前記組成物の重量基準で、5~25乾燥重量%、より好ましくは7~23乾燥重量%、さらにより好ましくは9~21乾燥重量%、さらにより好ましくは11~19乾燥重量%の非必須アミノ酸含有量とを有する。
【0108】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、0~12乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~9乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8乾燥重量%、さらにより好ましくは0~7乾燥重量%、さらにより好ましくは1~7乾燥重量%、さらにより好ましくは2~7乾燥重量%、さらにより好ましくは3~7乾燥重量%のデンプン含有量を有する。タンパク質組成物が10乾燥重量%を超えるデンプン含有量を有さないことを確実にすることによって、タンパク質組成物は、インスリンレベルを低下させ、体重管理を改善し、心疾患のリスクを低下させるのに有益であると考えられる、低いデンプン濃度を含む最終食品を得るのに特に適している。
【0109】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で最大10重量%の水分含有量を有する。水分含有量が最大でも10重量%であることは、タンパク質組成物の貯蔵寿命を延ばすために、より具体的には、タンパク質組成物が塊状になり、ひいては溶解しにくくなるまで、及び/又はタンパク質組成物が汚染されるまでの時間を延ばすために有益である。水分濃度が低いと、貯蔵寿命がさらに延びた。貯蔵寿命が延びることは、タンパク質組成物(粉末状組成物)の貯蔵に有益である。
【0110】
好ましくは、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、最大10重量%、好ましくは最大9重量%、より好ましくは最大8重量%、さらにより好ましくは最大7重量%、さらにより好ましくは最大6重量%、さらにより好ましくは最大5重量%、さらにより好ましくは最大4重量%、さらにより好ましくは最大3重量%、さらにより好ましくは最大2重量%、さらにより好ましくは最大1重量%の水分含有量を有する。好ましくは、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、0~10重量%、より好ましくは0~9重量%、さらにより好ましくは0~8重量%、さらにより好ましくは0~7重量%、さらにより好ましくは0~6重量%、さらにより好ましくは0~5重量%、さらにより好ましくは0~4重量%、さらにより好ましくは0~3重量%、さらにより好ましくは0~2重量%、さらにより好ましくは0~1重量%の水分含有量を有する。
【0111】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記タンパク質組成物の、0~15乾燥重量%、より好ましくは0~14乾燥重量%、さらにより好ましくは0~13乾燥重量%、さらにより好ましくは0~12乾燥重量%、さらにより好ましくは0~11乾燥重量%、さらにより好ましくは0~10乾燥重量%、さらにより好ましくは0~9乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8乾燥重量%、さらにより好ましくは1~8乾燥重量%、さらにより好ましくは2~8乾燥重量%、さらにより好ましくは3~8乾燥重量%、さらにより好ましくは4~8乾燥重量%の脂肪含有量を有する。タンパク質組成物は、より低い脂肪含有量を有する最終食品を得るのに有益である。低脂肪含有量を有する食品は、減量、並びに心疾患、高コレステロール及び糖尿病になるリスクを低下させるのに有益であると考えられる。
【0112】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、15~60乾燥重量%、より好ましくは16~60乾燥重量%、さらにより好ましくは17~60乾燥重量%、さらにより好ましくは18~60乾燥重量%、さらにより好ましくは19~60乾燥重量%、さらにより好ましくは20~60乾燥重量%、さらにより好ましくは21~59乾燥重量%、さらにより好ましくは22~58乾燥重量%、さらにより好ましくは23~57乾燥重量%、さらにより好ましくは24~56乾燥重量%、さらにより好ましくは25~55乾燥重量%、さらにより好ましくは26~54乾燥重量%、さらにより好ましくは27~53乾燥重量%、さらにより好ましくは28~52乾燥重量%、さらにより好ましくは29~51乾燥重量%、さらにより好ましくは30~50乾燥重量%、さらにより好ましくは20~50乾燥重量%、さらにより好ましくは31~49乾燥重量%、さらにより好ましくは32~48乾燥重量%、さらにより好ましくは33~47乾燥重量%、さらにより好ましくは34~46乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する。
【0113】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の、0~15乾燥重量%、より好ましくは0~14乾燥重量%、さらにより好ましくは0~13乾燥重量%、さらにより好ましくは0~12乾燥重量%、さらにより好ましくは0~11乾燥重量%、さらにより好ましくは0~12乾燥重量%、さらにより好ましくは0~10乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8%、さらにより好ましくは1~8%、さらにより好ましくは1~7%、さらにより好ましくは1~6%、さらにより好ましくは1~5%の可溶性繊維含有量を有する。
【0114】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、タンパク質組成物100g(乾物)当たり14から26mg(例えば、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25若しくは26mg、又は任意の中間値)、好ましくは17から26mg、好ましくは19から25mgの鉄含有量を有する。本発明の特定の利点は、タンパク質組成物において、そのような高濃度の鉄を達成し得ることである。
【0115】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、(レーザー回折によって測定した場合)最大200μm、より好ましくは最大150μm、さらにより好ましくは最大145μm、さらにより好ましくは最大140μm、さらにより好ましくは最大135μm、さらにより好ましくは最大130μm、さらにより好ましくは最大125μm、さらにより好ましくは最大120μm、さらにより好ましくは最大115μm、さらにより好ましくは最大110μm、さらにより好ましくは最大105μm、さらにより好ましくは最大100μmの粒径d90を有する。さらにより好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、20~200μm、好ましくは20~180μm、より好ましくは20~150μm、さらにより好ましくは50~150μm、さらにより好ましくは55~145μm、さらにより好ましくは60~140μm、さらにより好ましくは40~130μm、さらにより好ましくは60~130μm、さらにより好ましくは50~130μm、さらにより好ましくは65~135μm、さらにより好ましくは70~130μm、さらにより好ましくは75~125μm、さらにより好ましくは80~120μm、さらにより好ましくは70~120μm、さらにより好ましくは80~115μm、さらにより好ましくは80~110μm、さらにより好ましくは80~105μm、さらにより好ましくは80~100μm、さらにより好ましくは50~100μmの粒径d90を有する。さらにより好ましい実施形態では、粒径d90は約100μmである。
【0116】
本出願人は、最大200μmの粒径、特に最大100μmの粒径を有すると、タンパク質組成物を異なる食品に添加した場合に、感覚的及び質感的属性が改善されることに気づいた。また、タンパク質組成物の灰分含有量が低下した。
【0117】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、より好ましくは0~14乾燥重量%、さらにより好ましくは0~13乾燥重量%、さらにより好ましくは0~12乾燥重量%、さらにより好ましくは0~11乾燥重量%、さらにより好ましくは0~10乾燥重量%、さらにより好ましくは0~9乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8乾燥重量%、さらにより好ましくは0~7乾燥重量%、さらにより好ましくは0~6乾燥重量%、さらにより好ましくは0~5乾燥重量%、さらにより好ましくは0~4乾燥重量%、さらにより好ましくは0~3乾燥重量%、さらにより好ましくは0~2.5乾燥重量%、さらにより好ましくは0~2乾燥重量%、さらにより好ましくは、0~1.5乾燥重量%の糖含有量を有する。
【0118】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、0~80乾燥重量%、好ましくは5~75乾燥重量%、より好ましくは10~70乾燥重量%、さらにより好ましくは15~65乾燥重量%、さらにより好ましくは20~60乾燥重量%、さらにより好ましくは25~60乾燥重量%、さらにより好ましくは30~60乾燥重量%、さらにより好ましくは35~60乾燥重量%、さらにより好ましくは40~60乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する。
【0119】
好ましくは、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、最大80乾燥重量%、より好ましくは最大75乾燥重量%、さらにより好ましくは最大70乾燥重量%、さらにより好ましくは最大65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大60乾燥重量%、さらにより好ましくは最大55乾燥重量%、さらにより好ましくは最大50乾燥重量%、さらにより好ましくは最大45乾燥重量%、さらにより好ましくは最大40乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する。好ましくは、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、少なくとも0乾燥重量%、より好ましくは少なくとも5乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも15乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも20乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも25乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも30乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも35乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも40乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する。
【0120】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~14乾燥重量%、より好ましくは0~13乾燥重量%、さらにより好ましくは0~12乾燥重量%、さらにより好ましくは0~11乾燥重量%、さらにより好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~9乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8乾燥重量%、さらにより好ましくは0~7乾燥重量%、さらにより好ましくは0~6乾燥重量%、さらにより好ましくは0~5乾燥重量%、さらにより好ましくは1~5乾燥重量%の灰分含有量を有する。
【0121】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、前記組成物の重量基準で0乾燥重量%のアルコール含有量を有する。
【0122】
好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、内側の少なくとも1つの面、好ましくはすべての面に食品グレードのプラスチックライナーを有する包装に包装される。好ましくは、包装は、多重壁クラフト紙をさらに含む。
【0123】
本発明の例示的なタンパク質組成物は、タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物であり、前記組成物は、醸造者による使用済み穀物に由来し、前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で70~100乾燥重量%にあり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.55~3であり、0~12乾燥重量%のデンプン含有量を有し、20~55%の不溶性繊維含有量を有することを特徴とする。
【0124】
本発明によるタンパク質組成物はまた、以下の番号が付けられた項を参照して説明することができる。
【0125】
1.タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物であって、前記組成物が植物材料に由来し、前記植物材料が大麦、大麦麦芽、蒸留所又は醸造所の副産物、好ましくは醸造者による使用済み穀物であり、前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で70~100乾燥重量%であり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.7~3.50であることを特徴とする、粉末状食品組成物。
【0126】
2.前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で80~100乾燥重量%であり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.75~1.5である、第1項に記載の組成物。
【0127】
3.前記繊維画分が、前記繊維画分の80~100乾燥重量%、好ましくは90~100乾燥重量%、さらにより好ましくは91~95乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する、第1項又は第2項のいずれかに記載の組成物。
【0128】
4.前記繊維画分が、30~90乾燥重量%、好ましくは45~75乾燥重量%のアラビノキシランと、5~55乾燥重量%、好ましくは15~45乾燥重量%のセルロースと、0~30乾燥重量%、好ましくは10~20乾燥重量%のリグニンとを含む、第3項に記載の組成物。
【0129】
5.前記繊維画分が、前記繊維画分の、0~20乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、さらにより好ましくは5~9乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する、第1項から第4項のいずれかに記載の組成物。
【0130】
6.前記組成物の重量基準で、0~12乾燥重量%、好ましくは0~8乾燥重量%、より好ましくは3~7乾燥重量%のデンプン含有量を有する、第1項から第5項のいずれかに記載の組成物。
【0131】
7.前記組成物が、前記組成物の重量基準で最大10重量%の水分含有量を有する、第1項から第6項のいずれかに記載の組成物。
【0132】
8.前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~6乾燥重量%の脂肪含有量を有する、第1項から第7項のいずれかに記載の組成物。
【0133】
9.前記組成物の重量基準で、15~60乾燥重量%、好ましくは30~50乾燥重量%、より好ましくは35~45乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する、第1項から第8項のいずれかに記載の組成物。
【0134】
10.前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは1~5乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する、第1項から第9項のいずれかに記載の組成物。
【0135】
11.20~200μm、好ましくは60~130μm、より好ましくは70~120μmの粒径分布d90を有する、第1項から第10項のいずれかに記載の組成物。
【0136】
12.前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~5乾燥重量%の糖含有量を有する、第1項から第11項のいずれかに記載の組成物。
【0137】
13.前記組成物の重量基準で、25~60乾燥重量%、好ましくは40~50乾燥重量%、より好ましくは50~60乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する、第1項から第12項のいずれかに記載の組成物。
【0138】
14.前記組成物の重量基準で、0~10乾燥重量%、好ましくは0~7乾燥重量%、より好ましくは1~5乾燥重量%の灰分含有量を有する、第1項から第13項のいずれかに記載の組成物。
【0139】
15.タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物であって、前記組成物が植物材料に由来し、前記植物材料が蒸留所又は醸造所の副産物、好ましくは醸造者による使用済み穀物から選択され、前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で70~100乾燥重量%にあり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.70~3.50であり、0~12乾燥重量%のデンプン含有量を有し、20~55乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有することを特徴とする、粉末状食品組成物。
【0140】
繊維組成物
本発明の繊維組成物は、醸造者による使用済み穀物から製造される。繊維組成物:
レーザー回折によって決定される場合、200~500μm、好ましくは200~450μm、好ましくは250~350μmの粒径(d90)を有する粉末の形態であり、
AOAC 991.43によって決定される場合、55%を超え、好ましくは60%を超える総食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
AOAC 2011.25によって決定される場合、55~75%、好ましくは60~70%の総不溶性繊維含有量(乾物重量%)を有し、0~10%、好ましくは0~5%の総可溶性食物繊維含有量(乾物重量%)を有し、
変換係数6.25を使用するケルダール法によって決定される場合、15~30%、好ましくは18~25%の総タンパク質含有量(乾物重量%)を有する。
【0141】
本発明の繊維組成物は、タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物とも呼ばれる。
【0142】
本発明者らは、そのような繊維組成物が、様々な最終食品中の繊維及びタンパク質の濃度、並びにそれらを含有する食品の消費者のタンパク質及び繊維の平均1日摂取量を増加させる成分として適していることに気づいた。前記繊維組成物を含む食品は、腸内の脂肪取り込みの低下、組織(例えば、筋肉、骨、軟骨の皮膚又は血液)の構築又は修復のための成長の増加、抗炎症特性の増加、腸の健康の増加(消化の増加、腸内微生物叢の刺激及び便通の正常化)、体重減少の促進、及び健康な体格の維持などの多くの健康上の利益に関連する毎日の繊維摂取量を増加させるのに特に有益である。繊維組成物は、減量したい人又は健康な体重を維持するのに苦労している人、及び糖尿病患者又は高コレステロール若しくは便秘に苦しんでいる患者に有益であると考えられる最終食品を得るのに特に有利である。さらに、高い繊維含有量のために、わずかな量の前記繊維組成物を添加することで、最終食品の繊維含有量を増加させるのに十分であので、消費者にとって経済的に有益である可能性があり、繊維組成物が最終食品の味に影響を及ぼし得る可能性を低減する上で有益である。
【0143】
さらに、繊維組成物は、従来、対応する醸造プロセス後に、廃棄されたり、動物飼料、ペットフード又は堆肥として使用されたりしていた生成物から得られ、これは年間を通して大量に容易に入手可能であり、経済的及び環境的観点から繊維組成物を持続可能にする。
【0144】
前記繊維組成物のタンパク質含有量は、当技術分野における従来の手段、例えばケルダール法に基づくFoss装置によって、又は限定するものではないがDumas法などの当技術分野で公知の任意の他の適切な方法によって測定することができる。ケルダール法で用いられる窒素:タンパク質変換係数は6.25である。適切な方法は、BS 4401 Pt 2:1980に従って見出すことができる。
【0145】
好ましくは、前記繊維組成物中の前記タンパク質及び前記繊維部分の総量(すなわち、タンパク質及び食物繊維の合計含有量)は、前記組成物の重量基準で、最大100乾燥重量%、好ましくは最大99乾燥重量%、より好ましくは最大98乾燥重量%、さらにより好ましくは最大97乾燥重量%、さらにより好ましくは最大96乾燥重量%、さらにより好ましくは最大95乾燥重量%、さらにより好ましくは最大94乾燥重量%である。
【0146】
好ましくは、前記繊維組成物中の前記タンパク質及び前記繊維部分の総量は、前記組成物の重量基準で、前記組成物の重量基準で、前記組成物の重量基準で、少なくとも70乾燥重量%、好ましくは少なくとも71乾燥重量%、より好ましくは少なくとも72乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも73乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも74乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも76乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも77乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも78乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも79乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも80乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも81乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも82乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも83乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも84乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも85乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも86乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも87乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも88乾燥重量%である。
【0147】
好ましくは、前記繊維組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比は、0.30~0.70(例えば、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70又は任意の中間値)、より好ましくは0.30~0.65、さらにより好ましくは0.30~0.60、さらにより好ましくは0.30~0.55、さらにより好ましくは0.30~0.54、さらにより好ましくは0.30~0.53、さらにより好ましくは0.30~0.52、さらにより好ましくは0.30~0.51、さらにより好ましくは0.30~0.50、さらにより好ましくは0.30~0.49、より好ましくは0.31~0.49、さらにより好ましくは0.31~0.48、さらにより好ましくは0.32~0.48、さらにより好ましくは0.32~0.47、さらにより好ましくは0.33~0.47、さらにより好ましくは0.33~0.46、さらにより好ましくは0.34~0.46、さらにより好ましくは0.34~0.46、さらにより好ましくは0.35~0.45である。
【0148】
特に好ましい実施形態では、前記繊維組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量は、前記組成物の重量基準で85~100乾燥重量%である。前記繊維組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比は0.30~0.55である。前記繊維組成物は、最終食品の繊維含有量を増加させるのに特に有益である。
【0149】
繊維組成物は、好ましくは、70~100%(例えば、70、75、80、85、90若しくは95%又は任意の中間値)、好ましくは85~100%のタンパク質及び食物繊維の総合計含有量(乾物重量%)を有し、0.30~0.55(例えば、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55又は任意の中間値)、好ましくは0.30~0.45、好ましくは0.30~0.40のタンパク質と食物繊維の比(乾物重量%)を有し、ここで、総食物繊維含有量はAOAC 991.43によって決定され、総タンパク質含有量は変換係数6.25を使用してケルダール法によって決定される。
【0150】
繊維組成物のかさ密度は、好ましくは0.34から0.45g/mLであり、そのタップ密度は、好ましくは0.42から0.60g/mLであり、そのハウスナー比は、好ましくは1.15から1.34、好ましくは1.20から1.24である。
【0151】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分(すなわち、総食物繊維含有量)は、繊維画分の総重量に基づいて、80から100乾燥重量%、好ましくは85から100乾燥重量%、より好ましくは90から100乾燥重量%、さらにより好ましくは91から100乾燥重量%、さらにより好ましくは92から100乾燥重量%、さらにより好ましくは93から100乾燥重量%、さらにより好ましくは94から100乾燥重量%、さらにより好ましくは95から99乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する。繊維画分がほとんど不溶性繊維のみからなる繊維組成物は、便通を改善し、体重減少又は健康な体重の維持を助けるのに特に有利な最終食品をもたらすと考えられる。
【0152】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維の総重量に基づいて、5~90乾燥重量%、好ましくは10~90乾燥重量%、より好ましくは15~90乾燥重量%、さらにより好ましくは15~85乾燥重量%、さらにより好ましくは15~80乾燥重量%、さらにより好ましくは20~80乾燥重量%、さらにより好ましくは20~75乾燥重量%、より好ましくは25~75乾燥重量%、さらにより好ましくは25~70乾燥重量%、さらにより好ましくは25~70乾燥重量%、さらにより好ましくは30~70乾燥重量%、さらにより好ましくは35~70乾燥重量%、さらにより好ましくは35~65乾燥重量%、さらにより好ましくは35~60乾燥重量%、さらにより好ましくは40~60乾燥重量%のアラビノキシランを含む。前記好ましい繊維組成物を含む食品は、免疫調節活性、コレステロール低下活性、ミネラルの吸収、II型糖尿病の弱毒化及びプレバイオティクス効果を改善するのに特に有益であると考えられる。
【0153】
好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、最大で90乾燥重量%、より好ましくは最大で90乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で85乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で80乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で75乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で70乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で60乾燥重量%のアラビノキシランを含む。好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、少なくとも5乾燥重量%、より好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも15乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも20乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも25乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも30乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも35乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも40乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも45乾燥重量%のアラビノキシランを含む。
【0154】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、0から70乾燥重量%、好ましくは5から70乾燥重量%、より好ましくは5から65乾燥重量%、さらにより好ましくは10から65乾燥重量%、さらにより好ましくは15から65乾燥重量%、さらにより好ましくは15から60乾燥重量%、さらにより好ましくは20から60乾燥重量%、さらにより好ましくは20から55乾燥重量%、さらにより好ましくは25から55乾燥重量%、さらにより好ましくは25から50乾燥重量%、さらにより好ましくは20から50乾燥重量%のセルロースを含む。
【0155】
好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、最大で70乾燥重量%、より好ましくは最大で65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で60乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で55乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で50乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で45乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で40乾燥重量%のセルロースを含む。好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、少なくとも5乾燥重量%、より好ましくは少なくとも8乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも12乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも14乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも16乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも18乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも20乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも22乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも24乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも26乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも28乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも30乾燥重量%のセルロースを含む。
【0156】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、0から50乾燥重量%、好ましくは0から45乾燥重量%、より好ましくは0から40乾燥重量%、さらにより好ましくは0から35乾燥重量%、さらにより好ましくは0から33乾燥重量%、さらにより好ましくは3から33乾燥重量%、さらにより好ましくは5から30乾燥重量%、さらにより好ましくは5から25乾燥重量%、さらにより好ましくは10から25乾燥重量%、さらにより好ましくは10から23乾燥重量%、さらにより好ましくは13から23乾燥重量%、さらにより好ましくは13から21乾燥重量%、さらにより好ましくは15から21乾燥重量%のリグニンを含む。
【0157】
好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、最大で70乾燥重量%、より好ましくは最大で65乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で60乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で55乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で50乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で45乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で40乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で35乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で30乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で25乾燥重量%、さらにより好ましくは最大で20乾燥重量%のリグニンを含む。好ましくは、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、少なくとも2乾燥重量%、より好ましくは少なくとも4乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも6乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも8乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも10乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも12乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも14乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも15乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも16乾燥重量%のリグニンを含む。
【0158】
特に好ましい実施形態では、前記繊維画分は、繊維画分の総重量に基づいて、0~20乾燥重量%、好ましくは0~19乾燥重量%、さらにより好ましくは0~18乾燥重量%、さらにより好ましくは0~17乾燥重量%、さらにより好ましくは0~16乾燥重量%、さらにより好ましくは0~15乾燥重量%、さらにより好ましくは0~14乾燥重量%、さらにより好ましくは0~13乾燥重量%、さらにより好ましくは0~12乾燥重量%、さらにより好ましくは0~11乾燥重量%、さらにより好ましくは0~10乾燥重量%、さらにより好ましくは0~9乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8乾燥重量%、さらにより好ましくは0~7乾燥重量%、さらにより好ましくは0~6乾燥重量%、さらにより好ましくは0~5乾燥重量%、さらにより好ましくは0~4乾燥重量%、さらにより好ましくは0~3乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する。
【0159】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0から60乾燥重量%、好ましくは0から50乾燥重量%、より好ましくは0から45乾燥重量%、さらにより好ましくは0から40乾燥重量%、さらにより好ましくは1から39乾燥重量%、さらにより好ましくは2から38乾燥重量%、さらにより好ましくは3から37乾燥重量%、さらにより好ましくは4から36乾燥重量%、さらにより好ましくは5から35乾燥重量%、さらにより好ましくは6から34乾燥重量%、さらにより好ましくは7から33乾燥重量%、さらにより好ましくは8から32乾燥重量%のアミノ酸含有量を有する。より好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、14から26乾燥重量%、より好ましくは15から25乾燥重量%、さらにより好ましくは16から24乾燥重量%、さらにより好ましくは17から23乾燥重量%、さらにより好ましくは18から22乾燥重量%、さらにより好ましくは19から21乾燥重量%のアミノ酸含有量を有する。
【0160】
特に好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0から25乾燥重量%、より好ましくは0から20乾燥重量%、さらにより好ましくは0から15乾燥重量%、さらにより好ましくは0から10乾燥重量%、さらにより好ましくは4から10乾燥重量%の必須アミノ酸含有量と、前記組成物の重量基準で、前記組成物の0から20乾燥重量%、より好ましくは0から15乾燥重量%、さらにより好ましくは0から10乾燥重量%、さらにより好ましくは0から8乾燥重量%、さらにより好ましくは2から8乾燥重量%の条件付き必須アミノ酸含量と、前記組成物の重量基準で、0から25乾燥重量%、より好ましくは0から20乾燥重量%、さらにより好ましくは0から15乾燥重量%、さらにより好ましくは0から10乾燥重量%、さらにより好ましくは4から10乾燥重量%の非必須アミノ酸含有量とを有する。
【0161】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0から10乾燥重量%、好ましくは0から9乾燥重量%、より好ましくは0から8乾燥重量%、さらにより好ましくは0から7.5乾燥重量%、さらにより好ましくは0から7乾燥重量%、さらにより好ましくは0から6乾燥重量%、さらにより好ましくは0から5乾燥重量%、さらにより好ましくは0から4乾燥重量%、さらにより好ましくは0から3乾燥重量%、さらにより好ましくは0から2乾燥重量%、さらにより好ましくは0から1乾燥重量%のデンプン含有量を有する。繊維組成物が10乾燥重量%を超えるデンプン含有量を有さないことを確実にすることにより、繊維組成物は、インスリンレベルを低下させ、体重管理を改善し、心疾患のリスクを低減するのに有益であると考えられる、低いデンプン濃度を含む最終食品を得るのに特に適している。
【0162】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で最大10%の水分含有量を有する。水分含有量が最大でも10重量%であることは、繊維組成物の貯蔵寿命を延ばすために、より具体的には、繊維組成物が塊状になり、ひいては溶解しにくくなるまで、及び/又は繊維組成物が汚染されるまで時間を延ばすために有益である。水分濃度が低いと、貯蔵寿命がさらに延びた。貯蔵寿命が延びることは、繊維組成物の貯蔵に有益である。
【0163】
好ましくは、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、最大10重量%、好ましくは最大9重量%、より好ましくは最大8重量%、さらにより好ましくは最大7重量%、さらにより好ましくは最大6重量%、さらにより好ましくは最大5重量%、さらにより好ましくは最大4重量%、さらにより好ましくは最大3重量%、さらにより好ましくは最大2重量%、さらにより好ましくは最大1重量%の水分含有量を有する。好ましくは、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0~10重量%、より好ましくは0~9重量%、さらにより好ましくは0~8重量%、さらにより好ましくは0~7重量%、さらにより好ましくは0~6重量%、さらにより好ましくは0~5重量%、さらにより好ましくは0~4重量%、さらにより好ましくは0~3重量%、さらにより好ましくは0~2重量%、さらにより好ましくは0~1重量%の水分含有量を有する。
【0164】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0から15乾燥重量%、より好ましくは0から14乾燥重量%、さらにより好ましくは0から13乾燥重量%、さらにより好ましくは0から12乾燥重量%、さらにより好ましくは0から11乾燥重量%、さらにより好ましくは0から10乾燥重量%、さらにより好ましくは0から9乾燥重量%、さらにより好ましくは0から8乾燥重量%、さらにより好ましくは1から8乾燥重量%、さらにより好ましくは2から8乾燥重量%、さらにより好ましくは3から8乾燥重量%、さらにより好ましくは4から8乾燥重量%の脂肪含有量を有する。繊維組成物は、より低い脂肪含有量を有する最終食品を得るのに有益である。低脂肪含有量を有する食品は、減量、並びに心疾患、高コレステロール及び糖尿病になるリスクを低下させるのに有益であると考えられる。
【0165】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、20~90乾燥重量%、より好ましくは30~90乾燥重量%、さらにより好ましくは35~85乾燥重量%、さらにより好ましくは36~84乾燥重量%、さらにより好ましくは37~83乾燥重量%、さらにより好ましくは38~82乾燥重量%、さらにより好ましくは39~81乾燥重量%、さらにより好ましくは40~80乾燥重量%、さらにより好ましくは41~80乾燥重量%、さらにより好ましくは42~80乾燥重量%、さらにより好ましくは43~80乾燥重量%、さらにより好ましくは44~80乾燥重量%、さらにより好ましくは45~80乾燥重量%、さらにより好ましくは46~80乾燥重量%、さらにより好ましくは47~80乾燥重量%、さらにより好ましくは48~80乾燥重量%、さらにより好ましくは49~80乾燥重量%、さらにより好ましくは50~80乾燥重量%、さらにより好ましくは51~79乾燥重量%、さらにより好ましくは52~78乾燥重量%、さらにより好ましくは53~77乾燥重量%、さらにより好ましくは54~76乾燥重量%、さらにより好ましくは55~75乾燥重量%、さらにより好ましくは56~74乾燥重量%、さらにより好ましくは57~73乾燥重量%、さらにより好ましくは58~72乾燥重量%、さらにより好ましくは59~71乾燥重量%、さらにより好ましくは60~70%の不溶性繊維含有量を有する。
【0166】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0から15乾燥重量%、より好ましくは0から14乾燥重量%、さらにより好ましくは0から13乾燥重量%、さらにより好ましくは0から12乾燥重量%、より好ましくは0から11乾燥重量%、さらにより好ましくは0から10乾燥重量%、さらにより好ましくは0から9乾燥重量%、さらにより好ましくは0から8乾燥重量%、さらにより好ましくは0から7乾燥重量%、さらにより好ましくは0から6乾燥重量%、さらにより好ましくは0から5乾燥重量%、さらにより好ましくは0から4乾燥重量%、さらにより好ましくは0から3乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する。
【0167】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、繊維組成物100g(乾物)当たり9から15mg(例えば、9、10、11、12、13、14若しくは15mg、又は任意の中間値)、好ましくは10から14mgの鉄含有量を有する。
【0168】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、(レーザー回折によって測定した場合)最大700μm、より好ましくは最大650μm、さらにより好ましくは最大600μm、さらにより好ましくは最大550μm、さらにより好ましくは最大500μm、さらにより好ましくは最大450μm、さらにより好ましくは最大400μm、さらにより好ましくは最大380μm、さらにより好ましくは最大360μm、さらにより好ましくは最大340μm、さらにより好ましくは最大320μm、さらにより好ましくは最大310μm、さらにより好ましくは最大300μmの粒径d90を有する。
【0169】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、少なくとも50μm、より好ましくは少なくとも55μm、さらにより好ましくは少なくとも60μm、さらにより好ましくは少なくとも65μm、さらにより好ましくは少なくとも70μm、さらにより好ましくは少なくとも75μm、さらにより好ましくは少なくとも80μm、さらにより好ましくは少なくとも85μm、さらにより好ましくは少なくとも90μm、さらにより好ましくは少なくとも95μm、さらにより好ましくは少なくとも100μm、さらにより好ましくは少なくとも105μm、さらにより好ましくは少なくとも110μm、さらにより好ましくは少なくとも120μm、さらにより好ましくは少なくとも130μm、さらにより好ましくは少なくとも140μm、さらにより好ましくは少なくとも150μm、さらにより好ましくは少なくとも160μm、さらにより好ましくは少なくとも170μm、さらにより好ましくは少なくとも180μm、さらにより好ましくは少なくとも190μm、さらにより好ましくは少なくとも200μm、さらにより好ましくは少なくとも210μm、さらにより好ましくは少なくとも220μm、さらにより好ましくは少なくとも230μm、さらにより好ましくは少なくとも240μm、さらにより好ましくは少なくとも250μm、さらにより好ましくは少なくとも260μm、さらにより好ましくは少なくとも270μm、さらにより好ましくは少なくとも280μm、さらにより好ましくは少なくとも290μm、さらにより好ましくは少なくとも300μmの粒径(d90)を有する。
【0170】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、50~700μm、より好ましくは100~700μm、さらにより好ましくは50~600μm、さらにより好ましくは55~550μm、さらにより好ましくは60~500μm、さらにより好ましくは60~450μm、さらにより好ましくは65~400μm、さらにより好ましくは70~350μm、さらにより好ましくは75~300の粒径d90を有する。さらにより好ましい実施形態では、繊維組成物は、100~500μm、好ましくは150~450μm、より好ましくは200~500μm、より好ましくは200~450μm、さらにより好ましくは200~400μm、さらにより好ましくは250~350μmの粒径分布d90を有し、さらにより好ましくは繊維組成物は、約300μmの粒径d90を有する。
【0171】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0から15乾燥重量%、より好ましくは0から14乾燥重量%、さらにより好ましくは0から13乾燥重量%、さらにより好ましくは0から12乾燥重量%、より好ましくは0から11乾燥重量%、さらにより好ましくは0から10乾燥重量%、さらにより好ましくは0から9乾燥重量%、さらにより好ましくは0から8乾燥重量%、さらにより好ましくは0から7乾燥重量%、さらにより好ましくは0から6乾燥重量%、さらにより好ましくは0から5乾燥重量%、さらにより好ましくは0から4乾燥重量%、さらにより好ましくは0から3乾燥重量%、さらにより好ましくは0から2乾燥重量%の糖含有量を有する。
【0172】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、最大95乾燥重量%、好ましくは最大90乾燥重量%、より好ましくは最大89乾燥重量%、さらにより好ましくは最大88乾燥重量%、さらにより好ましくは最大87乾燥重量%、さらにより好ましくは最大86乾燥重量%、さらにより好ましくは最大85乾燥重量%、さらにより好ましくは最大84乾燥重量%、さらにより好ましくは最大83乾燥重量%、さらにより好ましくは最大82乾燥重量%、さらにより好ましくは最大81乾燥重量%、さらにより好ましくは最大80乾燥重量%、さらにより好ましくは最大79乾燥重量%、さらにより好ましくは最大78乾燥重量%、さらにより好ましくは最大77乾燥重量%、さらにより好ましくは最大76乾燥重量%、さらにより好ましくは最大75乾燥重量%、さらにより好ましくは最大74乾燥重量%、さらにより好ましくは最大73乾燥重量%、さらにより好ましくは最大72乾燥重量%、さらにより好ましくは最大71乾燥重量%、さらにより好ましくは最大70乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する。
【0173】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、少なくとも40乾燥重量%、好ましくは少なくとも41乾燥重量%、より好ましくは少なくとも42乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも43乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも44乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも45乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも46乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも47乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも48乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも49乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも50乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも51乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも52乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも53乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも54乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも55乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも56乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも57乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも58乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも59乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも60乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも61乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも62乾燥重量%、さらにより好ましくは少なくとも63乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する。
【0174】
特に好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、50から95乾燥重量%、好ましくは50から90乾燥重量%、より好ましくは50から85乾燥重量%、さらにより好ましくは50から80乾燥重量%、さらにより好ましくは55から80乾燥重量%、さらにより好ましくは55から75乾燥重量%、より好ましくは60から70乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する。
【0175】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~9乾燥重量%、さらにより好ましくは0~8乾燥重量%、さらにより好ましくは1~8乾燥重量%、さらにより好ましくは2~8乾燥重量%、さらにより好ましくは2~7乾燥重量%、さらにより好ましくは3~6乾燥重量%の灰分含有量を有する。
【0176】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、前記組成物の重量基準で0乾燥重量%のアルコール含有量を有する。
【0177】
好ましい実施形態では、繊維組成物は、内側の少なくとも1つの面、好ましくはすべての面に食品グレードのプラスチックライナーを有する包装に包装される。好ましくは、包装は、多重壁クラフト紙をさらに含む。
【0178】
本発明の例示的な繊維組成物は、タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物であり、前記組成物は、醸造者による使用済み穀物に由来し、前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で70~100乾燥重量%にあり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.30~0.65であり、0~7.5乾燥重量%のデンプン含有量を有し、40~80乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有することを特徴とする。
【0179】
本発明による繊維組成物はまた、以下の番号が付けられた項を参照して説明することができる。
【0180】
1.タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物であって、前記組成物が植物材料に由来し、前記植物材料が大麦、大麦麦芽、又は蒸留所若しくは醸造所の副産物、好ましくは醸造者による使用済み穀物であり、前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で70~100重量%(乾燥質量)であり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.30~0.70であることを特徴とする、粉末状食品組成物。
【0181】
2.前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で85~100乾燥重量%であり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.30~0.55である、第1項に記載の組成物。
【0182】
3.前記繊維画分が、前記繊維画分の80~100乾燥重量%、好ましくは90~100乾燥重量%、さらにより好ましくは95~99乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する、第1項又は第2項のいずれかに記載の組成物。
【0183】
4.前記繊維画分が、20~80乾燥重量%、好ましくは35~65乾燥重量%のアラビノキシランと、15~65乾燥重量%、好ましくは25~55乾燥重量%のセルロースと、3~33乾燥重量%、好ましくは13~23乾燥重量%のリグニンとを含む、第3項に記載の組成物。
【0184】
5.前記繊維画分が、前記繊維画分の、0~20乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、さらにより好ましくは0~5乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する、第1項から第4項のいずれかに記載の組成物。
【0185】
6.前記組成物の重量基準で、0~7.5乾燥重量%、好ましくは0~5乾燥重量%、より好ましくは0~3乾燥重量%のデンプン含有量を有する、第1項から第5項のいずれかに記載の組成物。
【0186】
7.前記組成物が、前記組成物の重量基準で最大10重量%の水分含有量を有する、第1項から第6項のいずれかに記載の組成物。
【0187】
8.前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~6乾燥重量%の脂肪含有量を有する、第1項から第7項のいずれかに記載の組成物。
【0188】
9.前記組成物の重量基準で、45~85乾燥重量%、好ましくは55~75乾燥重量%、より好ましくは60~70乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有する、第1項から第8項のいずれかに記載の組成物。
【0189】
10.前記組成物の重量基準で、0~10乾燥重量%、好ましくは0~7乾燥重量%、より好ましくは0~3乾燥重量%の可溶性繊維含有量を有する、第1項から第9項のいずれかに記載の組成物。
【0190】
11.100~700μm、好ましくは200~500μm、より好ましくは250~350μmの粒径分布d90を有する、第1項から第10項のいずれかに記載の組成物。
【0191】
12.前記組成物の重量基準で、0~15乾燥重量%、好ましくは0~10乾燥重量%、より好ましくは0~5乾燥重量%の糖含有量を有する、第1項から第11項のいずれかに記載の組成物。
【0192】
13.前記組成物の重量基準で、50~85乾燥重量%、好ましくは55~75乾燥重量%、より好ましくは60~70乾燥重量%の総炭水化物含有量を有する、第1項から第12項のいずれかに記載の組成物。
【0193】
14.前記組成物の重量基準で、0~10乾燥重量%、好ましくは0~7.5乾燥重量%、より好ましくは1~5乾燥重量%の灰分含有量を有する、第1項から第13項のいずれかに記載の組成物。
【0194】
15.タンパク質画分及び繊維画分を含む粉末状食品組成物であって、前記組成物が植物材料に由来し、前記植物材料が蒸留所又は醸造所の副産物、好ましくは醸造者による使用済み穀物から選択され、前記組成物中の前記タンパク質画分及び前記繊維画分の総量が前記組成物の重量基準で70~100乾燥重量%にあり、前記組成物中のタンパク質画分と繊維画分の比が0.30~0.65であり、0~5乾燥重量%のデンプン含有量を有し、40~80乾燥重量%の不溶性繊維含有量を有することを特徴とする、粉末状食品組成物。
【実施例
【0195】
本発明を、以下の実施例を参照してさらに例示する。本発明は、与えられた例又は図に提示された実施形態に決して限定されない。
【0196】
実施例1(参考):
粉砕技術は、以下のタイプのミルを使用して評価した。
-ピンミル(100UPZ、Hosokawa-Alpine(登録商標)、ピンディスクを装備)
-ビータミル(100UPZ、Hosokawa-Alpine(登録商標)、ビーターディスクを装備)
-インパクト(ZPS)ミル(70ZPS,Hosokawa-Alpine(登録商標))
-アトリションミル(ATM8アトリションミル、ポイターミル)
-逆回転ピンミル(CW250アルパインCW Contraplex PinMill、Hosokawa Micron Powder Systems)
【0197】
乾燥したBSGの代表的な試料を粗粉砕して、ナイフミル(SM300、Retsch(登録商標))を用いて乾燥工程後に存在する凝集物を取り出し、次いで評価に使用した。
【0198】
インパクト(ZPS)ミルは、繊維材料を分画に適した小粒径粉末に効果的に粉砕することができなかった。同様に、ビータミルでは、十分に微細な粉末を生成することができなかった。ピンミル、アトリションミル及び逆回転ピンミルはすべて効果的であり、異なるミリング原理を使用して所望の二峰性粒径分布を生成することができた。
【0199】
実施例2(参考):
実施例1のアトリションミル及び逆回転ピンミルを、空気分級機(70ATP分級機、Hosokawa-Alpine(登録商標))と組み合わせて使用した。
【0200】
アトリションミルの回転速度を50Hzに設定し、50kg/hの蒸発容量を得た。装置内の保持時間をモニタリングして、200~300μmのd90を有する粉末を得た。
【0201】
逆回転ピンミルは、各ローターを6500、8000又は9400rpmに設定した。
【0202】
空気分級機は、100m/hの空気流量及び3000rpm、3500rpm又は5000rpmの回転速度に設定した。供給速度は9kg/hに設定した。
【0203】
アトリションミリング後に得られた粉末及びその後のアトリションミリング粉末の5000rpmでの空気分級後に得られた粉末の粒度分布を図1に示す。
【0204】
逆回転ピンミリング(各ローター9400rpm)後に得られた粉末及びその後のピンミリング粉末の5000rpmでの空気分級後に得られた粉末の粒径分布を図2に示す。
【0205】
アトリションミリング及びその後のアトリションミリング粉末の5000rpmでの空気分級によって得られた、粗画分及び微細画分のタンパク質含有量(乾物%;ケルダール法によって決定される場合;変換係数6.25)を図3に示す。
【0206】
逆回転ピンミリング及びその後のピンミリング粉末の空気分級によって得られた、粗画分及び微細画分のタンパク質含有量(乾物%;ケルダール法によって決定される場合;変換係数6.25)を図4に示す。
【0207】
図1図4から、ピンミル、特に逆回転ピンミルと空気分級機との組み合わせが、高タンパク質(微細)画分及び低タンパク質/高繊維(粗)画分への驚くほど良好な分離を達成することが分かる。
【0208】
実施例3~10:
試料の調製:
使用済み大麦を含む湿潤BSGは醸造所から調達した。BSGを乾燥させ、粉砕し、微細組成物及び粗組成物に分画した。
【0209】
乾燥工程は、トレイオーブンを用いて水分含有量が10%以下になるまで行った。湿潤BSGをオーブンに入れ、水分濃度を10%以下の濃度に達するまでモニタリングした。
【0210】
粉砕は、各ローターが6500、8000又は9400rpmに設定された逆回転ピンミル(CW250 Alpine CW Contraplex Pin Mill、Hosokawa Micron Powder Systems)を用いて行った。
【0211】
分画は、100m/hの空気流量及び3000rpm、3500rpm又は5000rpmの回転速度に設定した空気分級機(70ATP分級機、Hosokawa-Alpine(登録商標))を用いて行った。供給速度は9kg/hに設定した。
【0212】
分析方法:
AOAC公定法2011.25に従って総食物繊維含有量を決定して、試料を脱糖及び脱脂することによって、食品中の不溶性食物繊維、可溶性食物繊維、及び総食物繊維を求めた。さらに、試料を耐熱性α-アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼによる酵素消化にさらし、澱粉及びタンパク質を除去した。不溶性食物繊維含有量を濾過し、洗浄し、乾燥させ、秤量した。残渣を分割し、一方の部分をタンパク質含有量について試験し、他方を灰分含有量の測定について試験した。タンパク質、灰分及びブランクについて、不溶性食物繊維含有量を補正後に重量測定で決定した。可溶性繊維については、濾液をアルコールで沈殿させて、水:アルコール不溶性繊維を重量測定により決定し、非沈殿性水:アルコール可溶性繊維を濾過し、脱イオンし、濃縮して、液体クロマトグラフィーによって決定した。
【0213】
触媒として硫酸銅(II)を使用して試料を濃硫酸と硫酸カリウムの混合物で消化し、存在する有機窒素を硫酸アンモニウムに変換することによって、タンパク質含有量を決定した。冷却した消化物に過剰の水酸化ナトリウムを自動的に添加して、硫酸アンモニウムからアンモニアを遊離させた。アンモニアを過剰の自動分注された指示薬ホウ酸溶液に自動蒸留し、次いで標準硫酸溶液で自動滴定した。生成されたアンモニア量から試料の窒素含有量を算出した。窒素の量は、生成されたアンモニアとして測定し、この手順で指定された条件下で決定し、適切な単位で表した。上記のように決定された窒素含有率に関連する係数(6.25)を掛けて、タンパク質の質量%として表した。
【0214】
タンパク質画分及び繊維画分の合計により、タンパク質画分及び繊維画分の総量を計算した。タンパク質画分と繊維画分の比は、タンパク質画分を繊維画分で割ることによって計算した。
【0215】
酸加水分解及びその後の塩酸による試料の消化の後に、重量測定によって脂肪含有量を決定した。この工程の後、試料を濾過し、乾燥させ、石油エーテルで抽出した。
【0216】
総質量を求め、総質量から水分含有量、灰分含有量、脂肪含有量、タンパク質含有量を差し引いて総炭水化物画分を得た。
【0217】
デンプン含有量は、総炭水化物画分から総食物繊維画分を差し引くことによって得た。
【0218】
実施例3:
微細組成物及び粗組成物について分析を行った。総食物繊維画分、タンパク質画分、脂肪含有量及び灰分含有量を決定し、重量%(乾燥質量)で表した。また、タンパク質画分と繊維画分の合計量、タンパク質画分と繊維画分の比を算出した。
【0219】
微細組成物の9つの異なる試料(1f~9f)及び粗組成物の8つの異なる試料(1c~8c)について得られた値を表1a及び表1bに示す。
【0220】
【表1a】
【0221】
【表1b】
【0222】
実施例4(比較):
他の粉末状組成物及び種子又はふすまを分析した。得られた値を表2に示す。
【0223】
【表2】
【0224】
表2から、比較した小麦粉、ふすま又は種子は、いずれもタンパク質画分及び繊維画分の総量が70から100重量%を有さず、いずれもタンパク質画分と繊維画分の比が0.70~3.50を有さず、いずれもタンパク質画分と繊維画分の比が0.30~0.70を有さないことが明らかである。
【0225】
実施例5:
微細組成物及び粗組成物について一般分析を行った。得られた結果を表3a及び表3bに示す。
【0226】
【表3a】
【0227】
【表3b】
【0228】
この結果から、微細組成物は、タンパク質画分及び繊維画分の総量が多く、粗組成物は、タンパク質画分及び繊維画分の総量が多いが、いずれの組成物も、脂肪、糖及びデンプンの含有量が非常に少ないと結論付けることができる。
【0229】
実施例6:
微細組成物及び粗組成物について微生物学分析を行った。得られた結果を表4a及び表4bに示す。
【0230】
【表4a】
【0231】
【表4b】
【0232】
この結果は、いずれの組成物も有害な細菌培養物を含まず、両方ともヒトの食事での使用に適していることを示す。
【0233】
実施例7:
微細組成物及び粗組成物について仕様分析を行った。得られた結果を表5a及び表5bに示す。
【0234】
【表5a】
【0235】
【表5b】
【0236】
実施例8:
微細組成物及び粗組成物についてアミノ酸分析を行った。得られた結果を表6a及び表6bに示す。
【0237】
【表6a】
【0238】
この結果は、試験した微細組成物が、40.6乾燥重量%の必須アミノ酸含有量、9.36乾燥重量%の条件付き必須アミノ酸含有量、及び15.48乾燥重量%の非必須アミノ酸含有量を有することを示す。
【0239】
【表6b】
【0240】
この結果は、試験した粗組成物が、7.76乾燥重量%の必須アミノ酸含有量、4.62乾燥重量%の条件付き必須アミノ酸含有量、及び7.67乾燥重量%の非必須アミノ酸含有量を有することを示す。
【0241】
実施例9:
微細組成物及び粗組成物に対して鉱物分析を行った。得られた結果を表7a及び表7bに示す。
【0242】
【表7a】
【0243】
【表7b】
【0244】
実施例10:
微細組成物及び粗組成物に対してビタミン分析を行った。得られた結果を表8a及び表8bに示す。
【0245】
【表8a】
【0246】
【表8b】
【0247】
実施例11(参考):
大麦植物の外皮及び醸造所から調達した醸造者による使用済み穀物の乾燥質量を、総食物繊維含有量、タンパク質含有量、脂肪含有量及び灰分含有量について分析した。加えて、タンパク質画分と繊維画分の合計量、及びタンパク質画分と繊維画分の比を算出した。タンパク質画分及び繊維画分の合計により、タンパク質画分及び繊維画分の総量を計算した。タンパク質画分と繊維画分の比は、タンパク質画分を繊維画分で割ることによって計算した。得られた結果を表9に示す。
【0248】
【表9】
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】