(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるユーザー装置、電子装置、方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20221006BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221006BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221006BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20221006BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W72/04 111
H04W16/28
H04W88/02 140
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509067
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2020107690
(87)【国際公開番号】W WO2021027705
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201910753424.8
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曹建飛
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067EE02
5K067EE10
5K067LL02
5K067LL05
(57)【要約】
本出願は、無線通信システムにおけるユーザー装置、電子装置、方法及記憶媒体を開示している。前記無線通信システムにおけるユーザー装置は、1つプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して、前記無線通信システムにおける電子装置と通信し、前記ユーザー装置は、1つ又は複数の処理回路を含み、前記処理回路は、前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断し、前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知するという動作を実行するように配置され、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザー装置であって、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記無線通信システムにおける電子装置と通信し、前記ユーザー装置は、1つ又は複数の処理回路を含み、
前記処理回路は、以下の動作を実行するように配置され、
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断し、
前記複数のセカンダリセルのうち少なく2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知し、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれるユーザー装置。
【請求項2】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
ビーム失敗の発生した各セカンダリセルは、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを選択し、
前記MAC CEには、選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は、前記インデックス情報と対応付けられる請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項3】
前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合、前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
同じ識別情報に対する複数のインデックス情報をグループに分けて、
前記MAC CEを、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置する請求項2に記載のユーザー装置。
【請求項4】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記MAC CEを、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置する請求項3に記載のユーザー装置。
【請求項5】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられるいずれかのセカンダリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索し、
いずれかの前記PDCCH信号が検出された場合、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる各セカンダリセルの回復検索空間へのビジー検出を停止する請求項3に記載のユーザー装置。
【請求項6】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索する請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項7】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号から、ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために前記電子装置によって再選択された新しいビームの識別情報を取得する請求項6に記載のユーザー装置。
【請求項8】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告し、
前記電子装置によってトリガーされる非同期のダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択する請求項2に記載のユーザー装置。
【請求項9】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記複数のセカンダリセルのそれぞれについて、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを事前選択し、
前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告し、
前記電子装置によってトリガーされる非同期的ダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択する請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項10】
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断する場合、前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
ビーム失敗検出のための参照信号セットq0に基づいて部分ビーム失敗状態を決定し、前記部分ビーム失敗状態では、前記q0のうち参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあり、
前記参照信号の一部が不良チャネル状態にあることを示す情報を前記電子装置に報告し、
前記電子装置からのメッセージに基づいて前記q0を再設置する請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項11】
前記電子装置は、基地局又は送信/受信ポートTRPである請求項1~10のいずれか1つに記載のユーザー装置。
【請求項12】
無線通信システムにおける電子装置であって、前記電子装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して、前記無線通信システムにおけるユーザー装置と通信し、前記電子装置は、
トランシーバと、
以下の動作を実行するように配置される1つ又は複数の処理回路と
を含み、
前記トランシーバに、前記ユーザー装置から単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信させ、前記MAC CEには、少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる電子装置。
【請求項13】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記インデックス情報に基づいてビーム失敗回復応答を行って、新しいビームを有効にする請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記MAC CEはさらに、前記ユーザー装置によって選択された新しいビームの識別情報を含み、前記識別情報は、前記インデックス情報と対応付けられる請求項12に記載の電子装置。
【請求項15】
前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合、同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報は、グループに分けられ、前記MAC CEは、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置される請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記MAC CEは、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置される請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記トランシーバに、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる任意の1つ又は複数又は全てのセカンダリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を、ビーム失敗回復応答BFRRとして送信させる請求項15に記載の電子装置。
【請求項18】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記トランシーバに、前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を送信させる請求項12に記載の電子装置。
【請求項19】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために新しいビームを再選択し、
前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号を、前記PDSCH信号に再選択された新しいビームの識別情報が含まれるように設置し、
前記トランシーバに前記PDSCH信号を送信させる請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記ユーザー装置から、新しいビームが存在しないことを示す情報を受信した場合、前記ユーザー装置が新しいビームを再選択するように、非同期のダウンリンクビーム走査プロセスをトリガーする請求項12に記載の電子装置。
【請求項21】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記ユーザー装置から、ビーム失敗検出のための参照信号セットq0において参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあることを示す情報を受信した場合、前記q0を再設置して前記ユーザー装置に通知する請求項12に記載の電子装置。
【請求項22】
前記電子装置は、基地局又は送信/受信ポートTRPである請求項12~21のいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項23】
無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法であって、前記無線通信システムは、ユーザー装置及び電子装置を含み、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記電子装置と通信し、前記方法は、
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断するステップと、
前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知するステップであって、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれるステップとを含む方法。
【請求項24】
ビーム失敗の発生した各セカンダリセルは、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを選択するステップ、をさらに含み、
前記MAC CEには、選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は前記インデックス情報と対応付けられる請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合に、前記方法はさらに、
同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報をグループに分けるステップと、
前記MAC CEを、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置するステップとをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記MAC CEを、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置するステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられるいずれかのセカンダリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索するステップと、
前記PDCCH信号が検出された場合、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる各セカンダリセルの回復検索空間へのビジー検出を停止するステップとをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索するステップをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号から、ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために前記電子装置によって再選択された新しいビームの識別情報を取得するステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告するステップと、
前記電子装置によってトリガーされる非同期のダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択するステップとをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のセカンダリセルのそれぞれについて、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを事前選択するステップと、
前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告するステップと、
前記電子装置によってトリガーされる非同期のダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択するステップとさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断する場合、前記方法はさらに、
ビーム失敗検出のための参照信号セットq0に基づいて、部分ビーム失敗状態を決定するステップであって、前記部分ビーム失敗状態では、前記q0における参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあるステップと、
前記参照信号の一部が不良チャネル状態にあることを示す情報を前記電子装置に報告するステップと、
前記電子装置からおメッセージに基づいて前記q0を再設置するステップとを含む請求項23に記載の方法。
【請求項33】
無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法であって、前記無線通信システムは、ユーザー装置及び電子装置を含み、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記電子装置と通信し、前記方法は、
前記ユーザー装置から、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信するステップを含み、
前記MAC CEには少なくともビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる方法。
【請求項34】
前記インデックス情報に基づいて、ビーム失敗回復応答を実行して、新しいビームを有効にするステップをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記MAC CEには、前記ユーザー装置によって選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は、前記インデックス情報に対応付けられる請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合に、同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報がグループに分けられ、前記MAC CEは、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置される請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記MAC CEは、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる任意の1つ又は複数又は全てのセカンダリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を、ビーム失敗回復応答BFRRとして送信するステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記トランシーバに、前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を送信させるステップをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項40】
ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために新しいビームを再選択するステップと、
前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号を、前記PDSCH信号には再選択された新しいビームの識別情報が含まれるように設置するステップと、
前記PDSCH信号を送信するステップとをさらに含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ユーザー装置から、新しいビームが存在しないことを示す情報を受信した場合、前記ユーザー装置が新しいビームを再選択するように、非同期のダウンリンクビーム走査プロセスをトリガーするステップをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記ユーザー装置から、ビーム失敗検出のための参照信号セットq0における参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあることを示す情報を受信した場合、前記q0を再配置して前記ユーザー装置に通知するステップをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項43】
実行可能なコンピュータ命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記実行可能なコンピュータ指令がコンピュータによって実行されるときに、請求項23~42のいずれか1つに記載の方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年8月15日に中国特許庁に提出された、出願号が201910753424.8であって、発明の名称が「無線通信システムにおけるユーザー装置、電子装置、方法及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照により本出願に援用する。
【0002】
本開示は、無線通信の技術分野に関し、具体的に、無線通信システムにおけるユーザー装置、電子装置、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の無線通信システムにおいて、ネットワーク側は、UE(User Equipment、ユーザー装置)が基地局と通信するように、1つのPCell(Primary Cell、プライマリセル)及び複数のSCell(Secondary Cell、セカンダリセル)を配置する。各SCellについて、UEは、ビーム失敗検出を行って、当該SCellに使用されるビームが失敗状態にあるかどうかを判断する。ビーム失敗が発生した場合、UEは、ネットワーク側にビーム失敗イベントを通知し、また、ビーム失敗が発生したSCellの識別子及びUEによって選択された新しいビームを通知する。その後、ネットワーク側は、UEによって選択された新しいビームを使用して信号を送信する。UEが当該信号を受信した場合、新しいビームが既に使用され、即ち、ビーム失敗回復が成功したと考えられる。
【0004】
第5世代移動通信システム(5G)のNR(New Radio、新しい無線)システムでは、通信伝送は、高周波帯域で動作する。人及び建物の遮断、UEの回転などのようなミリ波伝搬環境の変化により、UEとネットワーク間のビームにビーム失敗が発生することがよくある。また、UEが複数のSCellで配置される場合、複数のSCellはコロケーション(co-location)である、即ち、同じダウンリンク送信ビームを使用する可能性がある。そのため、ビーム失敗が発生した場合、複数のセカンダリセルに同時にビーム失敗が発生する可能性がある。1つのセカンダリセルにビーム失敗が発生するたびに、UEは、ネットワーク側に1つのビーム失敗イベントを通知し、それに対応して、ビーム失敗が発生したSCellの識別子及びUEによって選択された新しいビームを通知する。その結果、通信伝送のオーバーヘッドは大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、セカンダリセルにビーム失敗が発生した場合、通信伝送のオーバーヘッドを低減するための技術案を提案する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この部分は本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲又はその全ての特徴の完全な開示ではない。
【0007】
本開示の目的は、セカンダリセルにビーム失敗が発生した場合、通信伝送のオーバーヘッドを低減することができる無線通信システムにおけるユーザー装置、電子装置、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法及びコンピュータ可読記憶媒体を提供することである。
【0008】
本開示の一態様によれば、無線通信システムにおけるユーザー装置を提供し、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して、前記無線通信システムにおける電子装置と通信し、前記ユーザー装置は、1つ又は複数の処理回路を含み、前記処理回路は、以下の動作を実行するように配置され、前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断し、前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知し、前記MAC CEには少なくともビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【0009】
本開示の別の態様によれば、無線通信システムにおける電子装置を提供し、前記電子装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記無線通信システムにおけるユーザー装置と通信し、前記電子装置は、トランシーバと、以下の動作を実行するように配置される1つ又は複数の処理回路とを含み、前記トランシーバに、前記ユーザー装置から、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信させ、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【0010】
本開示の別の態様によれば、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法を提供し、前記無線通信システムは、ユーザー装置及び電子装置を含み、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記電子装置と通信し、前記方法は、前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断するステップと、前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知するステップであって、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれるステップとを含む。
【0011】
本開示の別の態様によれば、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法を提供し、前記無線通信システムはユーザー装置及び電子装置を含み、前記ユーザー装置は1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記電子装置と通信し、前記方法は、前記ユーザー装置から、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信するステップを含み、前記MAC CEには少なくともビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【0012】
本開示の別の態様によれば、実行可能なコンピュータ指令が含まれるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記実行可能なコンピュータ指令がコンピュータによって実行されるときに、本開示に記載の方法を前記コンピュータに実行させる。
【0013】
本開示による無線通信システムにおけるユーザー装置、電子装置、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法及びコンピュータ可読記憶媒体を使用することにより、セカンダリセルにビーム失敗が発生した場合、通信伝送のオーバーヘッドを低減することができる。
【0014】
ここで提供される説明から、さらなる適用可能な分野は明らかになる。この概要における説明及び具体例は、例示を目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書に記載される図面は、全ての可能な実施形態ではなく、選択される実施例の例示を目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0016】
【
図1】
図1は、発明者に知られているUEとネットワーク側の間のビーム失敗回復手順の概略図を示す。
【
図2】
図2は、発明者に知られている別のUEとネットワーク側の間のビーム失敗回復手順の概略図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の実施例による無線通信システムにおけるUE 300の構成を示す。
【
図4】
図4は、本開示の実施例による無線通信システムにおけるUE 300における処理回路310の構成を示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示の一実施例による複数のMAC CEのフォーマットの概略図である。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの複数のMAC CEを単一のMAC CEに省略した概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施例によるグループ化方法を使用するMAC CEの概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施例によるネットワーク側がグループ化方法を使用してBFRRをUEに送信する概略図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の一実施例によるPCellが部分的なBFRRを送信する概略図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の一実施例によるPCellが、2つの部分を使用してBFRRを送信する概略図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の一実施例による、UEがq1において品質要件を満たす新しいビームを見つけていない場合のネットワーク側との間のインタラクションの概略図を示す。
【
図11】
図11は、本開示の一実施例による、BFRの前処理が発生していない場合のUEとネットワーク側との間のインタラクションの概略図を示す。
【
図12】
図12は、ビームの一部が低品質であり、ビームの他の部分が高品質である送受信の概略図を示す。
【
図13】
図13は、本開示の一実施例による、q0におけるダウンリンク送信ビームを部分的に回復する概略図を示す。
【
図14】
図14は、本開示の別の実施例による、無線通信システムにおける電子装置の構成のブロック図である。
【
図15】
図15は、本開示の実施例による無線通信方法のフローチャートである。
【
図16】
図16は、本開示に適用可能なeNB(evolution Node Base Station、進化ノード基地局)又はgNB(第5世代通信システムにおける基地局)の概略構成の第1の例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、本開示に適用可能なeNB又はgNBの概略構成の第2の例を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、本開示に適用可能なスマートフォンの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、本開示に適用可能なカーナビゲーションの概略構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、様々な修正及び代替が容易であるが、その特定の実施例は、例として添付の図面に示され、本明細書に詳細に記載される。但し、本明細書における特定の実施例に対する説明は、本開示を具体的な形態に限定することを意図するものではなく、逆に、本開示が、本開示の精神及び範囲内に入る全ての修正、均等、及び置換を包含することを意図することは理解されたい。なお、いくつかの図面を通して、対応する符号は、対応する構成要素を示す。
【0018】
本開示の例について、添付の図面を参照してより十分に説明する。以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、適用又は使用を制限することを意図するものではない。
【0019】
本開示が詳しくなり、その範囲を当業者に十分に伝えるように、例示的な実施例を提供する。特定の部品、装置及び方法の例などの様々な特定の詳細を説明して、本開示の実施例に対する十分な理解を提供する。特定の詳細は必ずしも必要ではなく、例示的な実施例は多くの異なる形態で実施でき、それらが本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは、当業者には明らかである。いくつかの例示的な実施例では、周知のプロセス、周知の構造、及び周知の技術は詳細に記載されていない。
【0020】
本開示に関するUE(User Equipment、ユーザー装置)は、モバイル端末、コンピュータ、車載装置などの無線通信機能を有する端末を含むが、これらに限定されない。具体的に説明される機能によって、本開示に関するUEは、UE自体、又はチップなどのその構成要素であり得る。また、類似的に、本開示に関する基地局は例えば、eNB(evolution Node Base Station、進化ノード基地局)であってもよく、gNB(第5世代通信システムにおける基地局)であってもよく、又は、チップなどのeNB又はgNBにおける構成要素であってもよい。
【0021】
現在の無線通信システムでは、ネットワーク側は、UE(User Equipment、ユーザー装置)が基地局と通信するように、1つのPCell(Primary Cell、プライマリセル)及び複数のSCell(Secondary Cell、セカンダリセル)を配置する。各SCellについて、UEは、ビーム失敗検出を行って、SCellに使用されるビームが失敗状態にあるかどうかを判断する。ビーム失敗が発生した場合、UEは、ビーム失敗イベントをネットワーク側に通知し、ビーム失敗が発生したSCellの識別子及びSCellサービスを回復するためにUEによって選択された新しいビームを通知する。その後、ネットワーク側は、UEによって選択された新しいビームを使用して信号を送信する。UEが当該信号を受信した場合、新しいビームが有効化され、即ち、ビーム失敗回復が成功したと考えられる。
【0022】
図1は、発明者に知られているUEとネットワーク側の間のビーム失敗回復手順の概略図を示している。UEは、アップリンクを有する1つのPCell又はSCell及びダウンリンクのみを有する1つのSCellを介して基地局と通信する。
【0023】
図1に示すように、例えば、アップリンクを有するPCell又はSCellは、BFD(Beam Failure Detection、ビーム失敗検出)に対するq0セット(Reference Signal Set、参照信号セット)をUEに送信することができる。ダウンリンクのみを有するSCellは、明示的又は暗黙的な方法でBFD用に配置されるq0を設置する。例えば、明示的な配置方法について、参照信号セットq0は、gNBがRRC(Radio Resource Control、無線リソース制御)シグナリングによってUEのために各SCellに配置した最大2つの周期的なCSI-RS(Channel State Information Reference Signal、チャネル状態情報参照信号)リソースであってもよい。明示的な配置方法がない場合、暗黙的な配置方法を使用できる。暗黙的な配置方法について、UEは、q0セットに含まれる参照信号を自ら決定することができ、この参照信号は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel、物理ダウンリンク制御チャネル)が位置するCORESETと同じTCI(Transmission Configuration Indication、伝送配置指示)状態(即ち、同じビーム方向)を有する。
【0024】
その後、UEは、q0に基づいて、ビーム失敗イベントが発生するかどうかを判断することができる。例えば、UEは、q0における参照信号に基づき、当該参照信号に対応するPDCCHの仮想のBLER(Block Error Rate、ブロックエラー率)が高すぎるかどうかを判断することで、当該ビームが失敗状態にあるかどうかを判断することができる。ビーム失敗イベントが発生したと仮定すると、UEは、アップリンクを有するPCell又はSCellにPUCCH(Physical Uplink Control Channel、物理アップリンク制御チャネル)を送信して、ビーム失敗イベントを通知することができる。例えば、UEは、PUCCHでBFRQ(Beam Failure Recovery Request、ビーム失敗回復要求)を送信することができる。
【0025】
その後、アップリンクを有するPCell又はSCellは、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel、物理アップリンク共有チャネル)がMAC CE(Media Access Control-Control Element、メディアアクセス制御-制御要素)を担うことを許可することができる。次に、UEは、MAC CEによって、ビーム失敗が発生したセルID(Identification、識別子)及びUEによって選択された新しいビームを通知することができる。最後に、UEは、特定のPDCCH検索空間、即ち、RecoverySearchSpace回復検索空間において、新しいビームによって送信されたPDCCHを受信することができ、これにより、新しいビームが有効化された、即ち、ビーム失敗回復が成功したと考えられる。
【0026】
なお、UEが複数のSCellで配置される場合、複数のSCellは、コロケーションである、即ち、当該複数のSCellが同じダウンリンク送信ビームを使用する可能性がある。そのため、ビーム失敗が発生した場合、当該失敗が発生したビームを使用する複数のSCellに同時にビーム失敗が発生する可能性がある。1つのSCellにビーム失敗が発生するたびに、UEは、1つのビーム失敗イベントをネットワーク側に通知し、また、それに対応して、ビーム失敗が発生したSCellのID及びUEによって選択された新しいビームを通知する。その結果、通信伝送のオーバーヘッドは比較的大きくなる。
【0027】
図2は、発明者に知られている別のUEとネットワーク側の間のビーム失敗回復手順の概略図を示している。UEは、アップリンクを有する1つのPCell又はSCell及びダウンリンクのみを有する2つのSCell A及びBを介して基地局と通信する。
【0028】
図2に示すように、例えば、アップリンクを有するPCell又はSCellは、BFDに対するq0をUEに送信することができる。ダウンリンクのみを有するSCell A及びBは、明示的又は暗黙的な方法でBFD用に配置されるq0を設置することができる。その後、UEはそれぞれ、SCell A及びSCell Bから受信されたq0に基づいて、SCell A及びSCell Bにビーム失敗イベントが発生するかどうかを判断することができる。ビーム失敗イベントが発生したと仮定すると、UEは、アップリンクを有するPCell又はSCellに、SCell A及びSCell B に対するPUCCHをそれぞれ送信して、ビーム失敗イベントを通知することができる。その後、アップリンクを有するPCell又はSCellは、PUSCHがそれぞれ、SCell A及びSCell Bに対するMAC CEを担うことを許可することができる。次に、UEはそれぞれ、SCell A及びSCell Bに対するMAC CEを介して、ビーム失敗が発生したセルID及びUEによって選択された新しいビームを通知することができる。最後に、UEはそれぞれ、1つの特定のPDCCH検索空間、即ち、SCell Aに対する回復検索空間A及びSCell Bに対する回復検索空間 Bにおいて、新しいビームによって送信されたPDCCHを受信することができ、これによって、新しいビームが有効化された、即ち、ビーム失敗回復が成功したと考えられる。具体的に、回復検索空間Aにおいて対応するビームを受信した場合、SCell Aのビーム回復が成功したと考えられ、逆に、回復検索空間Aにおいて対応するビームが受信されていない場合、SCell Aのビームが正常に回復できていないと考えられる。SCell Bのビーム回復についても同様であり、ここでは繰り返さない。
【0029】
なお、例えば上記のコロケーションのSCell A及びSCell Bのように複数のSCellがコロケーションの場合、UEは、新しいビームの有効化を確認するために、各SCellの回復検索空間A及び回復検索空間Bを検索する必要がない。
【0030】
上記の課題の少なくとも1つを解決するために、本開示による技術案が提案される。
図3は、本開示の実施例による無線通信システムにおけるUE 300の構成を示している。
【0031】
図3に示すように、UE300は、処理回路310を含むことができる。なお、UE300は、1つの処理回路310を含んでもよいし、複数の処理回路310を含んでもよい。また、UE300は通信ユニット320などを含んでもよい。
【0032】
処理回路310は、様々な異なる機能及び/又は動作を実行するように様々な個別の機能ユニットを含むことができる。なお、これらの機能ユニットは、物理エンティティ又は論理エンティティであってもよく、異なる呼称のユニットは、同じ物理エンティティによって実現できる。
【0033】
本開示の一実施例によれば、
図3に示すように、処理回路310は、判断ユニット311及び設置ユニット312を含むことができる。
【0034】
判断ユニット311は、複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断するように配置できる。
【0035】
そして、判断ユニット311が、前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、設置ユニット312は、ビーム失敗イベントをネットワーク側に通知するために、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置するように配置されてもよい。
【0036】
本開示の一実施例によれば、MAC CEには、ビーム失敗が発生した全てのCC(Component Carrier、コンポーネントキャリア)のインデックス情報が含まれてもよい。ここで、本開示はこれに限定されず、MAC CEは当然、例えばUEによって選択された新しいビームなどの他の情報を含み得る。
【0037】
例えば、本開示の一実施例によれば、
図4に示すように、処理回路310はさらに選択ユニット313を含むことができる。
【0038】
選択ユニット313は、ビーム失敗の発生した各セカンダリセルは、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを選択するように配置されてもよい。本実施例によれば、MAC CEには、UEによって選択された新しいビームの識別情報が含まれてもよい。ここで、新しいビームの識別情報は、失敗したCCのインデックス情報に対応付けられる。
【0039】
図5Aに示すように、3つのMAC CEを概略的に示し、各MAC CEは8ビットで表される。各MAC CEの最初の5ビットは、失敗したCCインデックス情報を表し、最後の3ビットは、新しいビームIDを表す。但し、複数のSCell A1からAmが、準コロケーションの関係、即ち、同じダウンリンク送信ビームを有する関係にあり、同じ新しいビームAを選択し、複数のSCell B1からBmは、準コロケーションの関係にあり、同じ新しいビームBを選択する場合、複数のMAC CEを、単一のMAC CEに省略することができるため、MAC CEの実効負荷を低減することができる。
【0040】
例えば、
図5Bに示すように、さらに、失敗したCCインデックスA1から失敗したCCインデックスAmは、1つのグループに分けられ、MAC CEは、当該グループにおける複数のインデックスA1...Amが単一の新しいビームID Aに対応付けられるように設置できる。類似的に、失敗したCCインデックスB1から失敗したCCインデックスBmは、1つのグループに分けられ、MAC CEは、当該グループにおける複数のインデックスB1...Bmが単一の新しいビームID Bに対応付けられるように設置できる。これにより、MAC CEの実効負荷を低減することができる。
【0041】
MAC CEをより合理的に配置するために、本開示の一実施例によれば、設置ユニット312はさらに、前記MAC CEを、前記MAC CEにグループの長さを示す情報が含まれるように設置するように配置されてもよい。
【0042】
現在のプロトコルは、2つの異なるサイトアドレスの伝送しかサポートしないことを考慮すると、それに対応して、グループA及びグループBという2つのグループに分割して回復すると仮定する。当然ながら、3つ以上のグループに拡張することもできることは当業者には明らかである。
【0043】
例えば、
図6に示すように、各MAC CE報告の先頭に、各グループ、例えばAグループのビーム失敗が発生したSCellの数を設置し、次に、失敗したCCインデックス情報A1...Amを報告し、最後に、1つの新しいビームのID Aを追加する。次に、Bグループのビーム失敗が発生したSCellの数を報告し、その後、失敗したCCインデックス情報B1...Bmを報告し、最後に、1つの新しいビームのID Bを追加する。
【0044】
それに対応して、複数のSCellが準コロケーションの関係にある場合、本開示の一実施例によれば、ネットワーク側は、グループ化方法でBFRR(Beam Failure Recovery Response、ビーム失敗回復応答)をUEに送信することができる。
【0045】
例えば、
図7は、ネットワーク側がグループ化方法でBFRRをUEに送信する概略図を示し、ダウンリンクのみを有するSCell A1...Amは、Aグループと呼ばれるグループになり、ダウンリンクのみを有するSCell B1...Bmは、Bグループと呼ばれるグループになる。ネットワーク側は、Aグループ及びBグループの各グループのSCellに対して1つのBFRRのPDCCHを送信することを選択することができ、これにより、ネットワーク側のダウンリンクのシグナリングオーバーヘッドを低減させる。例えば、ネットワーク側は、Aグループに対する1つのBFRRのPDCCHをUEに送信してもよい。ネットワーク側は、Bグループに対する1つのBFRRのPDCCHを送信してもよい。
【0046】
次に、SCell A1...Amのグループ、即ち、Aグループは、同じ新しいビームを有し、SCell B1...Bmのグループ、即ち、Bグループは、同じ新しいビームを有する。すると、UEが、1つのグループのSCellのいずれかにおいて、回復検索空間におけるPDCCHを見つけることができる場合、UEは、当該グループのSCellのビーム失敗回復が成功したと考える。例えば、UEがAグループのSCell A1において、回復検索空間におけるPDCCHを見つけた場合、UEは、Aグループにおける全てのSCellのビーム失敗回復が成功したと考える。UEがBグループのSCell B1において、回復検索空間におけるPDCCHを見つけた場合、UEは、Bグループにおける全てのSCellのビーム失敗回復が成功したと考える。
【0047】
また、ネットワーク側が、グループ化の方法を使用してBFRRをUEに送信していない場合、即ち、ネットワーク側が、各グループの各SCellに対して1つのBFRRを送信する場合、UEは同様に、各グループに対して、1つの回復検索空間におけるPDCCHを見つけた場合、当該グループにおける全てのSCellのビーム失敗回復が成功したと考える。このようにして、UEが、追加のダウンリンク制御チャネルのビジー検出を行うことを回避できる。
【0048】
複数のSCellにおいてBFRRをUEに送信する技術案と異なり、PCellが、複数のSCellのために、BFRRをUEに送信してもよい。
【0049】
図8に示すように、PCellからUEに送信されるBFRRは、部分1及び部分2という2つの部分に分けることができる。部分1では、複数のSCellにおいてBFRRをUEに送信する場合と類似的に、UEは、RecoverySearchSpaceForSCellのようなPCellの回復検索空間においてPDCCHを見つけると、新しいビームが有効化された、即ち、ビーム失敗回復が成功したと考える。
【0050】
部分2では、オーバーヘッドを節約するために、PDCCHによってスケジューリングされるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel、物理ダウンリンク共有チャネル)リソースは、無効(invalid)リソースであってもよく、例えば、当該スケジューリングされるPDSCHの周波数領域リソースを、0RBに配置するか、又は、時間領域リソースのOFDM記号の数を0に配置する。
【0051】
なお、BFRRにより多くの次元の情報を含ませるために、
図9に示すように、部分1では、類似的に、UEは、PCellの回復検索空間においてPDCCHを見つけると、ビーム失敗回復が成功したと考える。部分2では、PDCCHによってスケジューリングされたPDSCHは、より多くの情報をUEに伝送するために使用される。例えば、PCellで送信されたBFRRに含まれたMAC CEでは、UEによって各SCellのために選択された新しいビームがネットワーク側によって受け入れられるかどうかを指示することができる。ネットワーク側が受け入れない場合、ネットワーク側は、新しいビームのID、例えばCSI-RSリソースインデックス又はSSBインデックスを提供する。ここで、PCellに対するMAC CEのフォーマットは、
図5Aに示すものと類似し、各MAC CEは8ビットで表され、各MAC CEの最初の5ビットが、失敗したCCインデックス情報を表し、最後の3ビットは新しいビームIDを表すことができる。
【0052】
上記のように、各SCellについて、UEは、q0及びq1という2つの参照信号セットが配置される。q0は、ビーム失敗検出のための参照信号セットであり、q1は、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットである。UEが、q1において、品質要件を満たす新しいビームを見つけていない場合、UEは、新しいビームが存在しないことを示す情報をネットワーク側に報告することができ、また、UEは、ネットワーク側でトリガーされる非同期のダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択することができる。
【0053】
図10に示すように、BFRQプロセスでは、UEが、q1において、品質要件を満たす、例えばL1-RSRP(Lay 1-Reference Signal Receiving Power、層1-参照信号受信電力)が特定の閾値を超える新しいビームを見つけていない場合、UEは、1つの新しいビームの特別な状態をネットワーク側に報告することができる。本開示の好ましい実施例によれば、この特別な状態は、PUCCHで報告することができる。ネットワーク側が、この特別な状態の報告を受信した後、DCIを介して非同期のダウンリンクビーム走査プロセスをトリガーすることを選択することができる。UEは、ダウンリンクビームを測定した後、ビーム品質が最も高いビームを新しいビームとしてネットワーク側にフィードバックすることができる。
【0054】
UEが、q1にL1-RSRP閾値を超える候補ビームである新しいビームがないことを検出した場合、この時点でq0におけるビームの品質が良好であっても、UEは依然として、PUCCH/PUSCHを介してこの状況をネットワーク側に報告し、
図11に示すように、1回の非周期的ビーム走査及び報告を要求することができる。
【0055】
現在のプロトコルでは、q0における全てのビームの品質が劣っている場合にのみ、1つのBFRケースと見なされる。しかしながら、
図12に示すように、Txビーム1及びTxビーム2に対応するRSは両方ともq0セットにあるが、Txビーム1の品質は劣っている。この場合、Txビーム2のビーム品質が常に優れているため、UEは、BFRケースをMAC CEに報告しない。
【0056】
そこで、上記の問題を解決するために、本開示の一実施例によれば、ビーム失敗検出のための参照信号セットq0に基づいて部分ビーム失敗状態を決定し、前記部分ビーム失敗状態では、前記q0における参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあっても、UEは、前記参照信号の一部が不良チャネル状態にあることを示す情報をネットワーク側に報告し、また、UEは、ネットワーク側からのメッセージに基づいて前記q0を再設置することができる。
【0057】
例えば、
図13に示すように、UEが、q0におけるRSの一部が不良チャネル状態にあることを検出した場合、q0における当該RSの一部に対応するCORESETビームを更新/変更することをネットワーク側に報告することができる。その後、ネットワーク側は、RRC再配置シグナリングを発行するか、又は、MAC CEを介して有効化する。次に、UEは、PUCCHを介してACKを伝送し、ネットワーク側によって発行されたRRC再配置又はMAC CEアクティベーションを正常に受信したことを示す。
【0058】
本開示の一実施例によれば、ネットワーク側は、基地局又はTRP(Transmit/Receive port、送信/受信ポート)を含むことができる。
【0059】
本開示による無線通信システムにおけるユーザー装置を使用することによって、セカンダリセルにビーム失敗が発生した場合、通信伝送のオーバーヘッドを低減することができる。
【0060】
次に、
図14を参照しながら、本開示の別の実施例による無線通信システムにおける電子装置1400を説明する。
【0061】
図14は、本開示の別の実施例による無線通信システムにおける電子装置1400の構成を示す。
【0062】
図14に示すように、電子装置1400は、処理回路1410を含むことができる。なお、電子装置1400は、1つの処理回路1410を含んでもよいし、複数の処理回路1410を含んでもよい。また、電子装置1400は、例えば、トランシーバのような通信ユニット1420などを含んでもよい。
【0063】
上記のように、同様に、処理回路1410は、様々な異なる機能及び/又は動作を実行するように、様々な独立の機能ユニットを含んでもよい。これらの機能ユニットは、物理エンティティ又は論理エンティティであってもよく、異なる呼称のユニットは、同じ物理エンティティによって実現することもできる。
【0064】
処理回路1410は、通信ユニット1420にユーザー装置から単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信させることができ、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【0065】
好ましくは、処理回路1410は、前記インデックス情報に基づいてビーム失敗回復応答を行って、新しいビームを有効にするという動作を実行するように配置されてもよい。
【0066】
好ましくは、前記MAC CEには、前記ユーザー装置によって選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は、前記インデックス情報に対応付けられてもよい。
【0067】
好ましくは、前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合、同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報は、グループに分けられ、前記MAC CEは、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置される。
【0068】
好ましくは、前記MAC CEは、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置される。
【0069】
好ましくは、処理回路1410はさらに、通信ユニット1420に、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる任意の1つ又は複数又は全てのセカンダリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を、ビーム失敗回復応答BFRRとして送信させるという動作を実行するように配置されてもよい。
【0070】
好ましくは、処理回路1410はさらに、通信ユニット1420に、前記プライマリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を送信させるという動作を実行するように配置されてもよい。
【0071】
好ましくは、処理回路1410はさらに、以下の動作を実行するように配置されてもよく、ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために新しいビームを再選択し、前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号を、前記PDSCH信号に再選択された新しいビームの識別情報が含まれるように設置し、通信ユニット1420に前記PDSCH信号を送信させる。
【0072】
好ましくは、処理回路1410はさらに、前記ユーザー装置から、新しいビームが存在しないことを示す情報を受信した場合、前記ユーザー装置が新しいビームを再選択するように、非同期のダウンリンクビーム走査プロセスをトリガーするという動作を実行するように配置される。
【0073】
好ましくは、処理回路1410はさらに、前記ユーザー装置から、ビーム失敗検出のための参照信号セットq0における参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあることを示す情報を受信した場合、前記q0を再設置して前記ユーザー装置に通知するという動作を実行するように配置されてもよい。
【0074】
なお、本開示の実施例によれば、上記の無線通信システムは、5G新しい無線NRシステムであってもよく、電子装置1400は、基地局又はTRPであってもよい。
【0075】
次に、
図15を参照しながら、本開示の実施例による無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法を説明する。
図15は、本開示の実施例による無線通信方法のフローチャートを示す。
【0076】
図15に示すように、まず、ステップS1510では、複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断する。
【0077】
その後、ステップS1520では、前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して、前記電子装置に通知し、前記MAC CEには少なくともビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【0078】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、ビーム失敗の発生した各セカンダリセルは、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを選択するステップを含み、前記MAC CEには、選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は、前記インデックス情報と対応付けられる。
【0079】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法は、前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合、さらに、同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報をグループに分けるステップと、前記MAC CEを、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置するステップとを含む。
【0080】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、前記MAC CEを、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置するステップを含む。
【0081】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられるセカンダリセルのいずれかの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索するステップと、前記PDCCH信号が検出された場合、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる各セカンダリセルの回復検索空間へのビジー検出を停止するステップとを含む。
【0082】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、前記プライマリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索するステップを含む。
【0083】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号から、前記電子装置によってビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために再選択された新しいビームの識別情報を取得するステップを含む。
【0084】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告するステップと、前記電子装置によってトリガーされる非同期のダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択するステップとを含む。
【0085】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法はさらに、前記複数のセカンダリセルのそれぞれについて、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを事前選択するステップと、前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告するステップと、前記電子装置によってトリガーされる非同期的ダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択するステップとを含む。
【0086】
好ましくは、本開示の一実施例による無線通信方法は、前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断する場合、ビーム失敗検出のための参照信号セットq0に基づいて部分ビーム失敗状態を決定するステップであって、前記部分ビーム失敗状態では、前記q0における参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあるステップと、前記参照信号の一部が不良チャネル状態にあることを示す情報を前記電子装置に報告するステップと、前記電子装置からのメッセージに基づいて前記q0を再設置するステップとを含む。
【0087】
本開示の別の実施例によれば、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法をさらに提供し、前記無線通信システムは、ユーザー装置及び電子装置を含み、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記電子装置と通信し、前記方法は、前記ユーザー装置から単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信するステップを含み、前記MAC CEには少なくともビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる。
【0088】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法はさらに、前記インデックス情報に基づいてビーム失敗回復応答を行って、新しいビームを有効にするステップを含む。
【0089】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法は、前記MAC CEに前記ユーザー装置により選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は前記インデックス情報に対応付けられる。
【0090】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法において、前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合、同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報がグループに分けられ、前記MAC CEは、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置される。
【0091】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法において、前記MAC CEは、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置される。
【0092】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法はさらに、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる任意の1つ又は複数又は全てのセカンダリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を、ビーム失敗回復応答BFRRとして送信するステップをさらに含む。
【0093】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法はさらに、前記トランシーバに前記プライマリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を送信させるステップを含む。
【0094】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法はさらに、ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために新しいビームを再選択するステップと、前記PDCCH信号によってスケジューリングされる物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号を、前記PDSCH信号に再選択された新しいビームの識別情報が含まれるように設置するステップと、前記PDSCH信号を送信するステップとを含む。
【0095】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法はさらに、前記ユーザー装置から新しいビームが存在しないことを示す情報を受信した場合、前記ユーザー装置が新しいビームを再選択するように、非同期のダウンリンクビーム走査プロセスをトリガーするステップを含む。
【0096】
好ましくは、本開示の別の実施例による方法はさらに、前記ユーザー装置から、ビーム失敗検出のための参照信号セットq0における参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあることを示す情報を受信した場合、前記q0を再設置して前記ユーザー装置に通知するステップを含む。
【0097】
本開示の実施例による、無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法の前述の各ステップの様々な特定の実施形態は、以上で詳細に説明されており、ここでは説明を繰り返さない。
【0098】
また、本開示の別の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供し、当該記憶媒体は、実行可能なコンピュータ指令を含むことができ、前記実行可能なコンピュータ指令がコンピュータによって実行されるときに、本開示の実施例に記載の方法をコンピュータに実行させることができる。
【0099】
本開示の技術は様々な製品に適用することができる。例えば、本開示で言及された基地局は、例えばマクロeNBやスモールeNBなどの任意のタイプの進化ノードB(eNB)として実現されることができる。スモールeNBは、例えばピコeNB、マイクロeNBと家庭(フェムト)eNBなどのマクロセルより小さいセルをカバーできるeNBであってもよい。その代わりに、基地局は、例えばNodeBと基地局トランシーバ(BTS)のような任意の他のタイプの基地局として実現されてもよい。基地局は、無線通信を制御するように配置される主体(基地局装置とも呼ばれる)と、主体と異なるところに設けられる1つ又は複数のリモート無線ヘッド(RRH)とを含んでもよい。また、後述する様々なタイプの端末は、基地局機能を一時的又は半永久的に実行することによって、基地局として動作することができる。
【0100】
例えば、本開示で言及されたUEは、携帯端末(例えばスマートフォン、タブレットパーソナルコンピューター(PC)、ノートPC、携帯ゲーム端末、ポータブル/ドングルモバイルルーターとデジタル撮影装置など)又は車載端末(カーナビゲーション装置など)として実現できる。UEはマシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(マシンタイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)としても実現できる。なお、UEは、上記端末のそれぞれに搭載された無線通信モジュール(例えば単一チップを含む集積回路モジュール)であってもよい。
【0101】
図16は、本開示の技術を適用できるeNBの概略構成の第1の例を示すブロック図である。eNB1000は1つ又は複数のアンテナ1010及び基地局装置1020を含む。基地局装置1020と各アンテナ1010はRFケーブルを介して互いに接続されてもよい。
【0102】
アンテナ1010のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えば多入力多出力(MIMO)アンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、基地局装置1020の無線信号の送受信に使用される。
図16に示すように、eNB1000は複数のアンテナ1010を含んでもよい。例えば、複数アンテナ1010はeNB1000に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図16に、eNB1000に複数のアンテナ1010が含まれる例を示したが、eNB1000は単一のアンテナ1010を含んでもよい。
【0103】
基地局装置1020は、コントローラ1021、メモリ1022、ネットワークインターフェース1023及び無線通信インターフェース1025を含む。
【0104】
コントローラ1021は例えばCPU又はDSPであってもよく、また、基地局装置1020の上位層の各種機能を動作させる。例えば、コントローラ1021は無線通信インターフェース1025で処理された信号におけるデータに基づいてデータパケットを生成し、ネットワークインターフェース1023を介して、生成されたパケットを伝送する。コントローラ1021は複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドルして、バンドルパケットを生成し、生成されたバンドルパケットを伝送することができる。コントローラ1021は、以下のような制御を実行する論理機能を有してもよく、これらの制御は例えば、無線リソース制御、無線ベアラ制御、モビリティ管理、受付制御、スケジューリングなどである。これらの制御は近くのeNB又はコアネットワークノードと連携して実行することができる。メモリ1022はRAMとROMを含み、コントローラ1021によって実行されるプログラムや様々なタイプの制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータ)を記憶する。
【0105】
ネットワークインターフェース1023は、基地局装置1020をコアネットワーク1024の通信インターフェースに接続するためのものである。コントローラ1021は、ネットワークインターフェース1023を介してコアネットワークノード又は別のeNBと通信することができる。この場合、eNB1000とコアネットワークノード又は他のeNBとは、論理インターフェース(例えばS1インターフェースとX2インターフェース)によって互いに接続されてもよい。ネットワークインターフェース1023は、有線通信インターフェース又は無線バックホール回線用の無線通信インターフェースであってもよい。ネットワークインターフェース1023が無線通信インターフェースであれば、無線通信インターフェース1025によって使用される周波数帯域と比べると、ネットワークインターフェース1023はより高い周波数帯域を無線通信に使用することができる。
【0106】
無線通信インターフェース1025は、任意のセルラー通信方式(例えば、長期的な進化(LTE)及びLTE‐Advanced)をサポートし、アンテナ1010を介して、eNB1000のセルに位置する端末への無線接続を提供する。無線通信インターフェース1025は通常、例えばベースバンド(BB)プロセッサ1026とRF回路1027を含むことができる。BBプロセッサ1026は例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/多重化解除を実行するとともに、レイヤー(例えばL1、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、パケットデータアグリゲーションプロトコル(PDCP))の様々なタイプの信号処理を実行することができる。コントローラ1021の代わりに、BBプロセッサ1026は、上記した論理機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ1026は、通信制御プログラムが記憶されるメモリであってもよく、或いは、プログラムを実行するように配置されるプロセッサと関連する回路を含むモジュールであってもよい。プログラムの更新は、BBプロセッサ1026の機能を変更させることができる。このモジュールは、基地局装置1020のスロットに挿入されるカード又はブレッドであってもよい。代わりに、このモジュールは、カード又はブレッドに搭載されるチップであってもよい。同時に、RF回路1027は、例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1010を介して無線信号を送受信してもよい。
【0107】
図16に示すように、無線通信インターフェース1025は複数のBBプロセッサ1026を含んでもよい。例えば、複数のBBプロセッサ1026はeNB1000に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図16に示すように、無線通信インターフェース1025は、複数のRF回路1027を含んでもよい。例えば、複数のRF回路1027は、複数のアンテナ素子と互換性があり得る。
図16に、無線通信インターフェース1025には複数のBBプロセッサ1026と複数のRF回路1027が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース1025は単一のBBプロセッサ1026又は単一のRF回路1027を含んでもよい。
【0108】
図17は、本開示の技術を適用できるeNBの概略構成の第2の例を示すブロック図である。eNB1130は1つ又は複数のアンテナ1140と、基地局装置1150と、RRH1160とを含む。RRH1160と各アンテナ1140はRFケーブルを介して互いに接続することができる。基地局装置1150とRRH1160は光ファイバケーブルのような高速回線を介して互いに接続することができる。
【0109】
アンテナ1140のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、RRH1160の無線信号の送受信に使用される。
図17に示すように、eNB1130は複数のアンテナ1140を含み得る。例えば、複数のアンテナ1140はeNB1130によって使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図17に、eNB1130には複数のアンテナ1140が含まれる例を示したが、eNB1130は単一のアンテナ1140を含んでもよい。
【0110】
基地局装置1150は、コントローラ1151と、メモリ1152と、ネットワークインターフェース1153と、無線通信インターフェース1155と、接続インターフェース1157とを含む。コントローラ1151、メモリ1152、ネットワークインターフェース1153は、
図16を参照して説明したコントローラ1021、メモリ1022、ネットワークインターフェース1023と同様である。
【0111】
無線通信インターフェース1155は、任意のセルラー通信方式(例えばLTEとLTE‐Advanced)をサポートし、RRH1160とアンテナ1140を介して、RRH1160に対応するセクタに位置する端末への無線通信を提供する。無線通信インターフェース1155は通常、例えばBBプロセッサ1156を含み得る。BBプロセッサ1156が接続インターフェース1157を介してRRH1160のRF回路1164に接続される以外、BBプロセッサ1156は、
図16を参照して説明したBBプロセッサ1026と同様である。
図17に示すように、無線通信インターフェース1155は複数のBBプロセッサ1156を含んでもよい。例えば、複数のBBプロセッサ1156はeNB1130に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図17に、無線通信インターフェース1155には複数のBBプロセッサ1156が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース1155は単一のBBプロセッサ1156を含んでもよい。
【0112】
接続インターフェース1157は、基地局装置1150(無線通信インターフェース1155)をRRH1160に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1157は、基地局装置1150(無線通信インターフェース1155)をRRH1160に接続するための上記した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0113】
RRH1160は、接続インターフェース1161と無線通信インターフェース1163を含む。
【0114】
接続インターフェース1161は、RRH1160(無線通信インターフェース1163)を基地局装置1150に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1161は、上記した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0115】
無線通信インターフェース1163は、アンテナ1140を介して無線信号を送受信する。無線通信インターフェース1163は通常、例えばRF回路1164を含み得る。RF回路1164は例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1140を介して無線信号を送受信してもよい。
図17に示すように、無線通信インターフェース1163は複数のRF回路1164を含んでもよい。例えば、複数のRF回路1164は複数のアンテナ素子をサポートすることができる。
図17に、無線通信インターフェース1163には複数のRF回路1164が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース1163は単一のRF回路1164を含んでもよい。
【0116】
図16及び
図17に示すeNB 1000及びeNB 1130では、
図14で説明した処理回路1410は、コントローラ1021及び/又はコントローラ1151によって実現でき、
図14で説明した通信ユニット1420は、無線通信インターフェース1025及び無線通信インターフェース1155及び/又は無線通信インターフェース1163によって実現できる。機能の少なくとも一部は、コントローラ1021及びコントローラ1151によって実現されてもよい。例えば、コントローラ1021及び/又はコントローラ1151は、対応するメモリに記憶された指令を実行することによって制御機能を実行することができる。
【0117】
図18は、本開示の技術を適用できるスマートフォン1200の概略構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン1200はプロセッサ1201、メモリ1202、記憶装置1203、外部接続インターフェース1204、撮影装置1206、センサー1207、マイク1208、入力装置1209、表示装置1210、スピーカ1211、無線通信インターフェース1212、1つ又は複数のアンテナスイッチ1215、1つ又は複数のアンテナ1216、バス1217、バッテリ1218及び補助コントローラ1219を含む。
【0118】
プロセッサ1201は例えばCPU又はシステムオンチップ(SoC)であり、スマートフォン1200のアプリケーション層と他の層の機能を制御することができる。メモリ1202はRAMとROMを含み、データとプロセッサ1201によって実行されるプログラムを記憶する。記憶装置1203は例えば半導体メモリとハードディスクのような記憶媒体を含むことができる。外部接続インターフェース1204は外部装置(例えばメモリカードとユニバーサルシリアルバス(USB)装置)をスマートフォン1200に接続するためのインターフェースである。
【0119】
撮影装置1206は、イメージセンサー(例えば電荷結合デバイス(CCD)と相補型金属酸化物半導体(CMOS))を含み、キャプチャ画像を生成する。センサー1207は例えば測定センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー及び加速度センサーのような1組みのセンサーを含んでもよい。マイク1208はスマートフォン1200に入力された音をオーディオ信号に変換する。入力装置1209は、例えば表示装置1210のスクリーン上のタッチを検出するように配置されるタッチセンサー、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチを含み、ユーザーから入力された操作又は情報を受信する。表示装置1210はスクリーン(例えば液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ)を含み、スマートフォン1200の出力画像を表示する。スピーカ1211はスマートフォン1200から出力したオーディオ信号を音に変換する。
【0120】
無線通信インターフェース1212は任意のセルラー通信方式(例えば、LTEとLTE‐Advanced)をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インターフェース1212は通常、例えばBBプロセッサ1213とRF回路1214を含むことができる。BBプロセッサ1213は例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/多重化解除を実行するとともに、無線通信のための様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1214は例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1216を介して無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース1212はその上にBBプロセッサ1213とRF回路1214が集積化される1つのチップモジュールであってもよい。
図18に示すように、無線通信インターフェース1212は複数のBBプロセッサ1213と複数のRF回路1214を含んでもよい。
図18に、無線通信インターフェース1212には複数のBBプロセッサ1213と複数のRF回路1214が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース1212は単一のBBプロセッサ1213又は単一のRF回路1214を含んでもよい。
【0121】
なお、セルラー通信方式の以外、無線通信インターフェース1212は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式や無線ローカルネットワーク(LAN)方式などの別のタイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース1212は、各無線通信方式に対するBBプロセッサ1213とRF回路1214を含んでもよい。
【0122】
アンテナスイッチ1215のそれぞれは、無線通信インターフェース1212に含まれる複数の回路(例えば異なる無線通信方式に使用される回路)間でアンテナ1216の接続先を切り替える。
【0123】
アンテナ1216のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれた複数のアンテナ素子)を含み、無線通信インターフェース1212の無線信号の送受信に使用される。
図18に示すように、スマートフォン1200は複数のアンテナ1216を含んでもよい。
図18に、スマートフォン1200には複数のアンテナ1216が含まれる例を示したが、スマートフォン1200は単一のアンテナ1216を含んでもよい。
【0124】
なお、スマートフォン1200は、各無線通信方式に対するアンテナ1216を含んでもよい。この場合、アンテナスイッチ1215はスマートフォン1200の配置から省略されてもよい。
【0125】
バス1217は、プロセッサ1201、メモリ1202、記憶装置1203、外部接続インターフェース1204、撮影装置1206、センサー1207、マイク1208、入力装置1209、表示装置1210、スピーカ1211、無線通信インターフェース1212及び補助コントローラ1219を互いに接続する。バッテリ1218は給電線によって
図18に示すスマートフォン1200の各ブロックに電力を供給し、給電線は図面において部分的に点線によって表される。補助コントローラ1219は例えば睡眠モードでスマートフォン1200の最少の必要な機能を動作させる。
【0126】
図18に示すスマートフォン1200では、
図3で説明した処理回路310及びそのうちの判断ユニット311及び設置ユニット312は、プロセッサ1201又は補助コントローラ1219によって実現でき、
図3で説明した通信ユニット320は、無線通信インターフェース1212によって実現できる。機能の少なくとも一部は、プロセッサ1201又は補助コントローラ1219によって実現されてもよい。例えば、プロセッサ1201又は補助コントローラ1219は、メモリ1202又は記憶装置1203に記憶された指令を実行することによって判断機能及び設置機能を実行することができる。
【0127】
図19は、本開示の技術を適用できるカーナビゲーション装置1320の概略構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1320は、プロセッサ1321、メモリ1322、全球位置決めシステム(GPS)モジュール1324、センサー1325、データインターフェース1326、コンテンツプレーヤー1327、記憶媒体インターフェース1328、入力装置1329、表示装置1330、スピーカ1331、無線通信インターフェース1333、1つ又は複数のアンテナスイッチ1336、1つ又は複数のアンテナ1337及びバッテリ1338を含む。
【0128】
プロセッサ1321は例えばCPU又はSoCであり、カーナビゲーション装置1320のナビゲーション機能と他の機能を制御することができる。メモリ1322はRAMとROMを含み、データ及びプロセッサ1321によって実行されるプログラムを記憶する。
【0129】
GPSモジュール1324は、GPS衛星から受信したGPS信号を使用してカーナビゲーション装置1320の位置(例えば、緯度、経度、高度)を測定する。センサー1325は例えばジャイロセンサー、地磁気センサー及び気圧センサーなどの1組みのセンサーを含んでもよい。データインターフェース1326は、図示されない端末を介して例えば車のネットワーク1341に接続され、車両によって生成されたデータ(例えば、車速データ)を取得する。
【0130】
コンテンツプレーヤー1327は、記憶(例えば、CDとDVD)に記憶されるコンテンツを再生し、当該記憶媒体は、記憶媒体インターフェース1328に挿入される。入力装置1329は、例えば表示装置1330のスクリーン上のタッチを検出するように配置されるタッチセンサー、ボタン又はスイッチを含み、ユーザーから入力された操作又は情報を受信する。表示装置1330は例えばLCDやOLEDディスプレイのスクリーンを含み、ナビゲーション機能の画像又は再生されたコンテンツを表示する。スピーカ1331はナビゲーション機能の音又は再生されたコンテンツを出力する。
【0131】
無線通信インターフェース1333は、任意のセルラー通信方式(例えば、LTE及びLTE-先進)をサポートし、無線通信を実行することができる。無線通信インターフェース1333は通常、例えばBBプロセッサ1334とRF回路1335を含み得る。BBプロセッサ1334は、例えば符号化/復号化、変調/復調、及び多重化/多重化解除を実行するとともに、無線通信に使用される様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1335は例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1337を介して無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース1333は、その上にBBプロセッサ1334とRF回路1335が集積化される1つのチップモジュールであってもよい。
図19に示すように、無線通信インターフェース1333は複数のBBプロセッサ1334と複数のRF回路1335を含んでもよい。
図19に、無線通信インターフェース1333には複数のBBプロセッサ1334と複数のRF回路1335が含まれる例を示したが、無線通信インターフェース1333は単一のBBプロセッサ1334又は単一のRF回路1335を含んでもよい。
【0132】
なお、セルラー通信方式の以外、無線通信インターフェース1333は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式と無線LAN方式などの別のタイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、各無線通信方式に対して、無線通信インターフェース1333はBBプロセッサ1334とRF回路1335を含んでもよい。
【0133】
アンテナスイッチ1336のそれぞれは無線通信インターフェース1333に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式に使用される回路)間でアンテナ1337の接続先を切り替える。
【0134】
アンテナ1337のそれぞれは単一又は複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、無線通信インターフェース1333の無線信号の送受信に使用される。
図19に示すように、カーナビゲーション装置1320は複数のアンテナ1337を含んでもよい。
図19に、カーナビゲーション装置1320には複数のアンテナ1337が含まれる例を示したが、カーナビゲーション装置1320は単一のアンテナ1337を含んでもよい。
【0135】
なお、カーナビゲーション装置1320は、各無線通信方式に対するアンテナ1337を含んでもよい。この場合、アンテナスイッチ1336はカーナビゲーション装置1320の配置から省略されてもよい。
【0136】
バッテリ1338は、給電線によって
図19に示すカーナビゲーション装置1320の各ブロックに電力を供給し、給電線は図面において部分的に点線によって表される。バッテリ1338は、車両から供給された電力を蓄積する。
【0137】
図19に示すカーナビゲーション装置1320では、
図3で説明した処理回路310及びそのうちの判断ユニット311及び設置ユニット312は、プロセッサ1321によって実現でき、
図3で説明した通信ユニット320は、無線通信インターフェース1333によって実現できる。機能の少なくとも一部は、プロセッサ1321によって実現されてもよい。例えば、プロセッサ1321は、メモリ1322に記憶された指令を実行することによって、様々な判断機能及び設置機能を実行することができる。
【0138】
本開示の技術は、カーナビゲーション装置1320、車載ネットワーク1341及び車両モジュール1342における1つ又は複数のブロックを含む車載システム(又は車両)1340として実現されてもよい。車両モジュール1342は、車両データ(例えば車速、エンジン速度及び異常情報)を生成し、生成されたデータを車載ネットワーク1341に出力する。
【0139】
本開示のシステム及び方法では、各構成要素又は各ステップが分解及び/又は再結合できることは明らかである。これらの分解及び/又は再結合は本開示の均等の方案とみなすべきである。さらに、上記した一連の処理を実行するステップは当然ながら、説明の順序に沿って時系列に実行することができるが、必ずしも時系列に実行される必要はない。いくつかのステップは並行的又は互いに独立に実行されてもよい。
【0140】
以上、図面を結合して本開示の実施例について詳細に説明したが、上記した実施形態は本開示を説明するためのものであり、本開示を限定するものではないと理解すべきである。当業者にとって、本開示の精神及び範囲から逸脱することがなく、上記した実施形態に対して、様々な修正及び変更が可能である。そのため、本開示の範囲は添付した特許請求の範囲及びその等価物のみによって限定される。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザー装置であって、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記無線通信システムにおける電子装置と通信し、前記ユーザー装置は、1つ又は複数の処理回路を含み、
前記処理回路は、以下の動作を実行するように配置され、
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断し、
前記複数のセカンダリセルのうち少なく2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知し、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれるユーザー装置。
【請求項2】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
ビーム失敗の発生した各セカンダリセルは、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを選択し、
前記MAC CEには、選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は、前記インデックス情報と対応付けられる請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項3】
前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合、前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
同じ識別情報に対する複数のインデックス情報をグループに分けて、
前記MAC CEを、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置する請求項2に記載のユーザー装置。
【請求項4】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記MAC CEを、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置する請求項3に記載のユーザー装置。
【請求項5】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられるいずれかのセカンダリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索し、
いずれかの前記PDCCH信号が検出された場合、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる各セカンダリセルの回復検索空間へのビジー検出を停止する請求項3に記載のユーザー装置。
【請求項6】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索する請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項7】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記PDCCH信号によってスケジューリングされた物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH信号から、ビーム失敗が発生したコンポーネントキャリアのために前記電子装置によって再選択された新しいビームの識別情報を取得する請求項6に記載のユーザー装置。
【請求項8】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告し、
前記電子装置によってトリガーされる非同期のダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択する請求項2に記載のユーザー装置。
【請求項9】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記複数のセカンダリセルのそれぞれについて、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを事前選択し、
前記q1に基づいて新しいビームを選択できない場合、新しいビームが存在しないことを示す情報を前記電子装置に報告し、
前記電子装置によってトリガーされる非同期的ダウンリンクビーム走査プロセスを介して、新しいビームを再選択する請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項10】
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断する場合、前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
ビーム失敗検出のための参照信号セットq0に基づいて部分ビーム失敗状態を決定し、前記部分ビーム失敗状態では、前記q0のうち参照信号の一部のみが不良チャネル状態にあり、
前記参照信号の一部が不良チャネル状態にあることを示す情報を前記電子装置に報告し、
前記電子装置からのメッセージに基づいて前記q0を再設置する請求項1に記載のユーザー装置。
【請求項11】
前記電子装置は、基地局又は送信/受信ポートTRPである請求項1~10のいずれか1つに記載のユーザー装置。
【請求項12】
無線通信システムにおける電子装置であって、前記電子装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して、前記無線通信システムにおけるユーザー装置と通信し、前記電子装置は、
トランシーバと、
以下の動作を実行するように配置される1つ又は複数の処理回路と
を含み、
前記トランシーバに、前記ユーザー装置から単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを受信させ、前記MAC CEには、少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれる電子装置。
【請求項13】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記インデックス情報に基づいてビーム失敗回復応答を行って、新しいビームを有効にする請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記処理回路はさらに、以下の動作を実行するように配置され、
前記トランシーバに、前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を送信させる請求項12に記載の電子装置。
【請求項15】
無線通信システムにおいて無線通信を行うための方法であって、前記無線通信システムは、ユーザー装置及び電子装置を含み、前記ユーザー装置は、1つのプライマリセル及び複数のセカンダリセルを介して前記電子装置と通信し、前記方法は、
前記複数のセカンダリセルのそれぞれにビーム失敗が発生するかどうかを判断するステップと、
前記複数のセカンダリセルのうち少なくとも2つにビーム失敗が発生したと判断した場合、単一のメディアアクセス制御の制御要素MAC CEを設置して前記電子装置に通知するステップであって、前記MAC CEには少なくとも、ビーム失敗が発生した全てのコンポーネントキャリアのインデックス情報が含まれるステップとを含む方法。
【請求項16】
ビーム失敗の発生した各セカンダリセルは、ビーム失敗回復のための候補参照信号セットq1に基づいて新しいビームを選択するステップ、をさらに含み、
前記MAC CEには、選択された新しいビームの識別情報がさらに含まれ、前記識別情報は前記インデックス情報と対応付けられる請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記識別情報のうち少なくとも2つが同じである場合に、前記方法はさらに、
同じ識別情報に対応付けられる複数のインデックス情報をグループに分けるステップと、
前記MAC CEを、前記グループにおける複数のインデックス情報が単一の識別情報に対応付けられるように設置するステップとをさらに含む請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記MAC CEを、前記MAC CEに前記グループの長さを示す情報が含まれるように設置するステップをさらに含む請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられるいずれかのセカンダリセルの回復検索空間において物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索するステップと、
前記PDCCH信号が検出された場合、前記グループにおける複数のインデックス情報に対応付けられる各セカンダリセルの回復検索空間へのビジー検出を停止するステップとをさらに含む請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記プライマリセルの回復検索空間において、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH信号を検索するステップをさらに含む請求項
15に記載の方法。
【国際調査報告】