(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ビークル-グリッド-ホーム電力インターフェース
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20221006BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20221006BHJP
H02J 3/16 20060101ALI20221006BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20221006BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20221006BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20221006BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20221006BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20221006BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20221006BHJP
B60L 53/62 20190101ALI20221006BHJP
B60L 55/00 20190101ALI20221006BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20221006BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J7/34 J
H02J7/00 L
H02J3/16
H02J3/32
H02J50/10
H02J50/80
H02M7/48 E
H02M7/12 A
B60L53/12
B60L53/62
B60L55/00
B60M7/00 X
B60L5/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509103
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 IB2020057750
(87)【国際公開番号】W WO2021033131
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504448092
【氏名又は名称】オークランド ユニサービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AUCKLAND UNISERVICES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【氏名又は名称】井出 正威
(72)【発明者】
【氏名】マダワラ,ウダヤ クマラ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,レイ
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H006
5H105
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
5G066DA06
5G066FB15
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB06
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD06
5H006CA01
5H006CB01
5H006CC01
5H006DB01
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105CC19
5H105DD10
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC25
5H125BC21
5H125BC24
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE51
5H125EE61
5H770AA29
5H770BA11
5H770DA01
5H770DA10
5H770DA41
5H770KA01Y
(57)【要約】
グリッド供給をDCリンクに変換するよう構成されている第一フルブリッジコンバータ、および前記DCリンクに接続され、車両充電に使用する出力交流電流を供給するよう構成されている一次フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法。前記方法は、車両の充電電力要件を検出し、全デューティサイクルで操作しているとき、充電電力要件を満たすための電力をコンバータが供給可能になるためにDCリンクに必要な電圧を決定し、一次フルブリッジコンバータを全デューティサイクルで操作し、必要電力へDCリンクの電圧を制御することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッド供給をDCリンクに変換するよう構成されている第一フルブリッジコンバータ、および
前記DCリンクに接続され、車両充電に使用する出力交流電流を供給するよう構成されている一次フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法であり、
前記装置により充電される車両の充電電力要件を検出し、
前記一次フルブリッジコンバータが全デューティサイクルで動作しているとき、前記充電電力要件を満たすための電力を前記一次フルブリッジコンバータが供給可能になるために前記DCリンクに必要な電圧を決定し、
前記一次フルブリッジコンバータを全デューティサイクルで操作し、
必要電力へのDCリンクの電圧を制御することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記車両を無線で充電することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一次フルブリッジコンバータと前記車両間の双方向無線結合を与えることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
無線電力伝送を可能にする誘導結合のために、前記車両の追加的コイルを結合するコイルに、前記一次フルブリッジコンバータの前記出力を供給することをさらに含む、請求項2あるいは請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記グリッドに接続された負荷の無効電力要件を検出し、
前記無効電力要件を補う前記第一フルブリッジコンバータを操作することをさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、
前記第一および一次フルブリッジコンバータが前記車両から前記負荷および/あるいは前記グリッドに電力を供給するよう操作することをさらに含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記グリッド、負荷、車両間で双方向無線電力伝送を制御するために、前記車両に関連して前記一次フルブリッジコンバータと二次フルブリッジコンバータを制御することをさらに含む、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記車両への、あるいは車両からの電力潮流を調整するために、相対位相角(Θ)で前記一次および二次フルブリッジコンバータを操作することをさらに含み、Θは+90度あるいは-90度である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記一次コンバータのデューティサイクル(φ
p)を180度で操作することをさらに含む、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
電力潮流を制御するために前記二次コンバータのデューティサイクル(φ
s)を操作することをさらに含む、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
瞬時の負荷電力を計算し、
前記第一フルブリッジコンバータにより供給用基準電流を決定し、
補償を提供するために前記第一フルブリッジコンバータのスイッチを制御することをさらに含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
グリッドに接続され、グリッド供給をDCリンクに転換するように構成されている第一フルブリッジコンバータ、および
前記DCリンクに接続され、車両の充電で用いる出力交流電流を提供するように構成されている第二フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法であり、
前記グリッドに接続された負荷の無効電力要件を検出し、
前記無効電力要件を補償するために前記第一フルブリッジコンバータを操作すること、を含む方法。
【請求項13】
前記装置により充電される車両の充電電力要件を検出し、
前記車両を充電するよう前記第二コンバータを操作することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、
前記車両から前記負荷および/あるいはグリッドに電力を供給するよう前記第一および第二フルブリッジコンバータを操作することをさらに含む、請求項12あるいは請求項13に記載の方法。
【請求項15】
グリッドに接続され、グリッド供給をDCリンクに転換するよう構成されている第一フルブリッジコンバータ、および
前記DCリンクに接続され、車両の充電で用いる出力交流電流を供給するよう構成されている第二フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法であり、
前記負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、
前記車両から前記負荷および/あるいはグリッドに電力を供給するよう前記第一および第二フルブリッジコンバータを操作することを含む方法。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法を実施するよう構成されている、あるいは実施するよう作動するコントローラーを備えるVehicle-Grid-Homeインターフェース。
【請求項17】
フルブリッジコンバータと、
ユーティリティ電力供給に結合した入力と、
無線電力伝送システムに結合した出力と、
前記出力に必要なDC電圧を決定し、決定した必要DC電圧で前記フルブリッジコンバータを操作するよう構成されているコントローラーとを備える、
電力品質制御コンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は電力系統、特にGrid-Homeインターフェース、あるいはバッテリー、バッテリーを有する電気自動車、車両間インターフェースなどの別の電源や負荷への接続を含む家庭用電力インターフェースで使用される電力系統に関するものである。本明細書は家庭内および家庭用負荷に言及しているが、当然のことながら開示された主題が他の電気負荷に関係する用途もありうる。
【背景技術】
【0002】
電気自動車での使用のため、あるいは家電などの家庭用負荷や工業負荷にまでも電力を供給するためにエネルギーを蓄える手段としてのバッテリーの使用は、より一般的になってきている。
【0003】
また、高電力レベルにおいて無線で電力を伝送するために、安全で効率的なメカニズムとしての磁気結合の使用は、今では商業的に可能である。現在、無線電力伝送(WPT)技術は電気自動車を充電するために使われており、安全性と利便性に関してかなり有利なものである。
【0004】
家庭用や車両用バッテリーに蓄積されたエネルギーは、ユーティリティネットワークの需要が高い時に例えば家電などの負荷に電力を供給する、あるいは場合により家庭用や車両用バッテリーからユーティリティネットワーク(別名グリッドとして知られている)に電力を戻す、もしくは停電時や緊急事態で家庭や重要負荷に電力を供給することにより、より大きな柔軟性でエネルギーを管理するため、あるいは効率的で費用効果の高い方法でグリッドサービスを提供するために使用できるエネルギー源である。
【0005】
そういった例や用途においては、グリッド、無線で結合された電源、グリッドか無線で結合された源のいずれかより供給、受け取られるかもしれない負荷の間に効率的な双方向インターフェースが必要である。
【0006】
しかしながら、電力インターフェースの汎用性と効率の両方を改善するだけでなく、基準を順守して全体的なコストを低く抑えるために、対処する必要がある技術的な問題がたくさんある。無線電力伝送(WPT)技術は通常高いスイッチング周波数で正常に動作し、著しいスイッチング/電力損失へとつながる。他の問題には、高調波および力率問題、非線形負荷への電力の供給、制約の範囲内における電源と負荷間のエネルギー供給と需要の管理、使用する部品数や転化段階数の低減が含まれる。
【発明の概要】
【0007】
前記開示した主題は、Versatile Wireless Vehicle-Grid-Home Power Interface(VW-VGH-PI)などの汎用性の高い無線電力インターフェースへの適用の適応DCリンク電圧制御方法を提供する。新規の無線電力インターフェース技術も開示され、グリッドと無線電力伝送(WPT)システム間の電力&品質制御コンバータ(PQCC)を備えている。新規のVW-VGH-PI用動作モードも有効電力融通および無効・高調波電力補償用に開示される。これらには、単独運転モード、アクティブ電力フィルタ(APF)モード、Grid-to-Vehicle-Home(G2VH)モード、Vehicle-Grid-to-Home(VG2H)モード、Vehicle-to-Home(V2H)、Vehicle-to-Vehicle(V2V)モードが含まれる。
【0008】
開示された主題には、電力品質補償を提供するための開示された技術を使用する制御戦略、方法、システムも含む。
【0009】
本開示の一形態は、グリッド供給をDCリンクに変換するよう構成されている第一フルブリッジコンバータ、およびDCリンクに接続され、車両充電に使用する出力交流電流を供給するよう構成されている一次フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法を提供し、その方法は、前記装置により充電される車両の充電電力要件を検出し、一次フルブリッジコンバータが全デューティサイクルで動作しているとき、充電電力要件を満たすための電力を前記一次フルブリッジコンバータが供給可能にするDCリンクに必要な電圧を決定し、一次フルブリッジコンバータを全デューティサイクルで操作し、必要電力へのDCリンクの電圧を制御することを含むものである。
【0010】
望ましくは前記方法が、車両を無線で充電することをさらに含むとよい。
【0011】
望ましくは前記方法が、一次フルブリッジコンバータと車両間の双方向無線結合を提供することをさらに含むとよい。
【0012】
望ましくは前記方法が、無線電力伝送を可能にする誘導結合のための車両の追加的コイルを結合するコイルに、一次フルブリッジコンバータの前記出力を供給することをさらに含むとよい。
【0013】
望ましくは前記方法が、グリッドに接続された負荷の無効電力要件を検出し、無効電力要件を補償する第一フルブリッジコンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0014】
望ましくは前記方法が、負荷かグリッドの電力要件を検出し、第一および一次フルブリッジコンバータが車両から負荷および/あるいはグリッドに電力を供給するよう操作することをさらに含むとよい。
【0015】
望ましくは前記方法が、グリッド、負荷、車両間で双方向無線電力伝送を制御するために、一次フルブリッジコンバータと二次フルブリッジコンバータを車両に関連して制御することをさらに含むとよい。
【0016】
望ましくは、前記方法は前記車両への、あるいは車両からの電力潮流を調整するために、相対位相角(θ)で前記一次および二次フルブリッジコンバータを操作することを含む。望ましくは、θは+90度あるいは-90度である。
【0017】
望ましくは前記方法が、一次コンバータのデューティサイクル(φp)を180度で操作することをさらに含むとよい。
【0018】
望ましくは前記方法が、電力潮流を制御するように二次コンバータのデューティサイクル(φs)操作することをさらに含むとよい。
【0019】
望ましくは前記方法が、瞬時の負荷電力を計算し、第一フルブリッジコンバータにより供給用参照電流を決定し、補償を提供するために第一フルブリッジコンバータのスイッチを制御することをさらに含むとよい。
【0020】
本開示の別の形態は、グリッドに接続され、グリッド供給をDCリンクに変換するよう構成されている第一フルブリッジコンバータ、およびDCリンクに接続され、車両の充電で用いる出力交流電流を供給するよう構成されている第二フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法を提供し、前記方法は、グリッドに接続された負荷の無効電力要件を検出し、無効電力要件を補償するために前記第一フルブリッジコンバータを操作することを含むものである。
【0021】
望ましくは前記方法が、前記装置より充電される車両の充電電力要件を検出し、車両を充電するために第二コンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0022】
望ましくは前記方法が、負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、車両から負荷および/あるいはグリッドに電力を供給するよう第一および第二フルブリッジコンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0023】
望ましくは前記方法が、車両を無線で充電することをさらに含むとよい。
【0024】
望ましくは前記方法が、一次フルブリッジコンバータと車両との間で双方向無線結合を提供することをさらに含むとよい。
【0025】
望ましくは前記方法が、無線電力伝送を可能にする誘導結合のための車両の追加的コイルを結合するコイルに、一次フルブリッジコンバータの出力を供給することをさらに含むとよい。
【0026】
望ましくは前記方法が、グリッドに接続された負荷の無効電力要件を検出し、無効電力要件を補償するために第一フルブリッジコンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0027】
望ましくは前記方法が、負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、車両から負荷および/あるいはグリッドに電力を供給するために第一および一次フルブリッジコンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0028】
望ましくは前記方法が、グリッド、負荷、車両間の双方向無線電力伝送を制御するために、車両に関連して一次フルブリッジコンバータと二次フルブリッジコンバータを制御することをさらに含むとよい。
【0029】
望ましくは、前記方法は前記車両への、あるいは車両からの電力潮流を調整するために、相対位相角(θ)で前記一次および二次フルブリッジコンバータを操作することを含む。望ましくは、θは+90度あるいは-90度である。
【0030】
望ましくは前記方法が、一次コンバータのデューティサイクル(φp)を180度で操作することをさらに含むとよい。
【0031】
望ましくは前記方法が、電力潮流を制御するように二次コンバータのデューティサイクル(φs)を操作することをさらに含むとよい。
【0032】
望ましくは前記方法が、瞬時の負荷電力を計算し、第一フルブリッジコンバータにより供給用参照電流を決定し、補償を提供するために第一フルブリッジコンバータのスイッチを制御することをさらに含むとよい。
【0033】
本開示の別の形態は、グリッドに接続され、グリッド供給をDCリンクに変換するよう構成されている第一フルブリッジコンバータと、DCリンクに接続され、車両の充電で用いる出力交流電流を提供するよう構成されている第二フルブリッジコンバータを備える電気自動車充電装置を操作する方法を提供し、前記方法は、負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、車両から負荷および/あるいはグリッドへ電力を供給する前記第一および第二フルブリッジコンバータを操作することを含むものである。
【0034】
望ましくは前記方法が、車両を充電するため、DCリンク電圧を調節、制御、あるいは適応させることを含むとよい。
【0035】
望ましくは、フルブリッジコンバータが全デューティサイクルで操作されるとよい。
【0036】
望ましくは前記方法が、車両を無線で充電することをさらに含むとよい。
【0037】
望ましくは前記方法が、一次フルブリッジコンバータと車両間で双方向無線結合を提供することをさらに含むとよい。
【0038】
望ましくは前記方法が、無線電力伝送を可能にする誘導結合のための車両の追加的コイルを結合するコイルに、一次フルブリッジコンバータの出力を供給することをさらに含むとよい。
【0039】
望ましくは前記方法が、グリッドに接続された負荷の無効電力要件を検出し、無効電力要件を補償するために前記第一フルブリッジコンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0040】
望ましくは前記方法が、負荷あるいはグリッドの電力要件を検出し、車両から負荷および/あるいはグリッドに電力を供給する第一および一次フルブリッジコンバータを操作することをさらに含むとよい。
【0041】
望ましくは前記方法が、グリッド、負荷、車両間で双方向無線電力伝送を制御するように、一次フルブリッジコンバータと二次フルブリッジコンバータを前記車両に関連して制御することをさらに含むとよい。
【0042】
望ましくは、前記方法は前記車両への、あるいは車両からの電力潮流を調整するために、相対位相角(θ)で前記一次および二次フルブリッジコンバータを操作することを含む。望ましくは、θは+90度あるいは-90度である。
【0043】
望ましくは前記方法が、一次コンバータのデューティサイクル(φp)を180度で操作することをさらに含むとよい。
【0044】
望ましくは前記方法が、電力潮流を制御するように前記二次コンバータのデューティサイクル(φs)操作することをさらに含むとよい。
【0045】
望ましくは前記方法が、瞬時の負荷電力を計算し、第一フルブリッジコンバータにより供給用参照電流を決定し、補償を提供するために第一フルブリッジコンバータのスイッチを制御することをさらに含むとよい。
【0046】
別の形態において、本開示は上記の方法のいずれか一以上を実施するよう構成されている、あるいは実施するよう作動するコントローラーを備えるVehicle-Grid-Homeインターフェースを提供する。
【0047】
別の形態において、主に一次コイル、共振補償ネットワーク、フルブリッジコンバータからなる無線電力伝送装置を操作する方法を提供する。一次コイルは、補償ネットワーク、フルブリッジコンバータ、無線電力を伝送あるいは受け取るDCサプライ/負荷と接続している第二コイルと磁気的に結合され、前記方法は、一次側フルブリッジコンバータの全デューティサイクルを選択し、全デューティサイクルによって決まるDCサプライ/負荷用に必要なDC電圧を決定し、必要DC電圧を供給するDCサプライ/負荷を制御することを含むものである。
【0048】
望ましくは、前記DCサプライ/負荷はAC-DCコンバータを使ってACサプライと結合する。
【0049】
別の形態において、フルブリッジコンバータ、ユーティリティ電源に結合する入力、無線電力伝送システムに結合する出力、前記出力用必要DC電力を決定し、それに応じて前記フルブリッジコンバータを操作するよう構成されているコントローラーを備えるPQCCを提供する。
【0050】
別の形態において、共振補償ネットワーク、無線電力を伝送あるいは受け取るようDCサプライ/負荷を前記補償ネットワークに接続するよう作動するフルブリッジコンバータ、前記フルブリッジコンバータ用全デューティサイクルを選択し、前記全デューティサイクルによって決まる前記DCサプライ/負荷に必要なDC電圧を決定し、前記必要DC電圧を提供する前記DCサプライ・負荷を制御するよう構成されているコントローラーを有する、無線電力伝送装置を提供する。
【0051】
別の形態において、共振補償ネットワーク、無線電力を伝送あるいは受け取るためDCサプライ/負荷を前記補償ネットワークに接続するよう作動するフルブリッジコンバータ、前記DCサプライ・負荷により供給される負荷をモニターし、前記負荷によって引き起こされる変化を補償するために前記DCサプライ/負荷から電流を引き出す、あるいは前記DCサプライ/負荷に電流を供給するコンバータを操作するよう構成されているコントローラーを有する、無線電力伝送装置を提供する。
【0052】
別の形態において、無線電力伝送装置とグリッド接続を結ぶPQCCと、前記グリッドにより供給される負荷をモニターし、前記負荷によって引き起こされる変化を補償するため、前記グリッド接続から電流を引き出す、あるいは前記グリッド接続に電流を供給する前記PQCCを操作するよう構成されているコントローラーとを有する、無線電力伝送装置を提供する。
【0053】
他の形態は以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】ビークル-グリッド-ホーム(VGH)ユニット型システムである。
【
図2】VW-VGH-PIシステム用回線トポロジーである。
【
図6】電力、入力電圧、一次コンバータ制御パラメータのプロットである。
【
図7】(a)高DC電圧での従来のWPT制御方法および(b)本明細書に開示されている低DC電圧での適応DC制御方法用における、波形を示す。
【
図8】P
VおよびQ
Lの観点からV
DC(PQCC)のプロットである。
【
図10】異なるモードにおける提案システムの定常状態波形を示し、(a)VG2Hから単独運転モード、(b)VG2HからG2HV、(c)V2HGからV2Hである。
【
図11】G2VHモードにおける提案されているVW-VGH-PIシステムの動的および定常状態波形を示し、(a)v
G、i
G、i
L、i
siの動的波形、(b)v
si、i
si、v
pi、i
piの動的波形、(c)P
V=200Wである定常状態波形、(d)P
V=350Wである定常状態波形である。
【
図12】VG2Hモードにおける提案されているVW-VGH-PIシステムの動的および定常状態波形を示し、(a)v
G、i
G、i
L、i
siの動的波形、(b)v
si、i
si、v
pi、i
piの動的波形、(c)P
V=-200Wである定常状態波形、(d)P
V=-350Wである定常状態波形である。
【発明の詳細な説明】
【0055】
図1および2は、Versatile Wireless Vehicle-Grid-Home Power Interface(VW-VGH-PI)と一般に称される、ビークル-グリッド-ホームシステム用の、本明細書において一般に1で言及されるシステムトポロジーを示す。ユーティリティサプライ(あるいはグリッド、あるいは主電源)2は電力を電圧v
Gおよび電流i
Gでの主電源周波数(例えば、50あるいは60Hz)で供給する。家庭用、家庭内、局所的負荷を含む説明された例における負荷4が電気的にグリッドに接続され、電圧v
Gで電流i
Lを引き出す。前記負荷4は非線形でもよく、通常は非線形である。
【0056】
本明細書で電力&品質制御コンバータ(PQCC)として参照される第一フルブリッジコンバータは、グリッド1と結合する入力5と無線電力伝送システム(BD-WPT)と結合する出力6を有する。この例では、BD-WPTは双方向無線電力伝送システムである。他の例では、WPTが単方向でも可能である。当然のことながら当業者なら前記WPTシステムは、フルブリッジコンバータが絶縁変圧器に電流を供給し、充電するため(あるいはグリッド/負荷に電力を戻すため)に車両に関連する別のコンバータが交流電流を直流電流に変換する、有線充電システムに置き換えることができるとわかるであろう。また、直列同調補償ネットワークを
図2に示しているが、他のネットワーク、例えば並列同調ネットワークを使ってもよい。
【0057】
PQCCはフルブリッジ構成に配置されているスイッチS11、S12、S13、S14を含む。インダクタLcなどのカップリング成分やネットワークは、電流リップルを低減するためにグリッドに(この例では直列に)接続されている。並列コンデンサーCcはこの例で使用されており、単独運転モードで出力電圧を維持している。DCリンクコンデンサーCDCは、DCリンクのDC電圧を出力6で、あるいは良好な電圧リップル下で維持するようになっている。電圧vconvはPQCCのブリッジの入力を通した電圧である。PL、QL、SLhはそれぞれ負荷有効電力、無効電力、高調波電力であり、PVはBD-WPTシステムから受け取る、あるいはBD-WPTシステムに供給する有効電力である。PQCCはVconvで電流icを生成するよう制御され、必要なPV、QL、SLhを供給する。
【0058】
BD-WPTモジュールにおいて、二次側コンバータがバッテリーなどの負荷に接続されているとみなされる間に、一次側コンバータがグリッドからPQCCを介して電力を引き出し、出力DC電圧V
DCにより供給される。これは
図2に電気自動車(EV)として表されており、個々のDC源V
outにより表されてエネルギーを保存あるいは回収している。自己インダクタンスL
piおよびL
siによりそれぞれ表される一次および二次側コイルはエアギャップにより分けられるが、相互インダクタンスMを介して磁気的に結合される。一次および二次側直列接続コンデンサーC
piおよびC
siは、BD-WPTにおける無効電力要件を最小化するようになっている。
【0059】
PQCCは、P
G=(P
V-P
L)に従って有効電力供給/需要を満たしながら、非線形家庭内負荷の無効電力および高調波電力(Q
LおよびS
Lh)補償をサポートするために使用される。BD-WPTモジュールは、単独運転モード、V2Hモード、G2VHモード、VG2H、V2HGおよびその他可能なモードにおいて有効電力Pvを伝送する(出来れば双方向に)ために使用される。これらの動作モードは
図3として説明されている。全てのモードにおいて、家庭内負荷の無効電力および高調波電力の両方とも、その容量を対象としてPQCCより供給される、あるいは供給できる。EVは、G2VHモードにおいて送電網から有効電力(Pv>0)を吸収する有効負荷として機能する。それ一方で、EVはVG2Hモードにおいて家庭内負荷に電力(Pv<0)を供給するDCサプライとして表される。また、EV電力はVW-VGH-PIを介して別のEVに流れ込むことができる。当業者なら、本明細書において示され説明されているような、モニターされた、あるいはサンプリングしたパラメータ、特に以下の
図9に示される制御システムで特定されるパラメータは適当な動作モードを決定するため(
図3のように)、後に説明するように、そのモードで動作するシステムを制御するために使用してもよいとわかるであろう。
【0060】
図4に示すように、BD-WPTモジュールには一次側のフルブリッジコンバータを採用し、DCリンク電圧V
DCから一次コイル/トラックにおける高周波電流を生成する。二次側で採用されたフルブリッジコンバータはEVなどの有効負荷に接続でき、エネルギーの供給や回収を可能にする。
【0061】
図4に基づいて、入力および出力電流は以下のように表すことができる。
【数1】
【数2】
式中、V
pおよびV
sはそれぞれ一次および二次コイルに誘起される電圧であり、Mは相互インダクタンスである。V
DCおよびV
outからコンバータにより生成した電圧V
piおよびV
siは以下のように表すことができる。
【数3】
【数4】
式中、nは調和次数であり、φ
pは一次側位相シフト変調であり、φ
sは二次側位相シフト変調であり、θはコンバータにより生成された2つの電圧間の相対位相角であり、ω
sは一次および二次コンバータの両方の角スイッチング周波数であり、それは角共振周波数ω
rに等しく、以下のように表すことができる。
【数5】
【0062】
EV側の電力潮流は以下のように表すことができる。
【数6】
【数7】
【0063】
BD-WPTコントローラーの目的は、その無効電力要件を最小化しながら、その基準値でP
Vを制御することである。上記式(6)および(7)において、システムの両側における無効電力成分は、一次および二次側コンバータ間の相対位相角θを+90°か-90°のいずれかに維持することにより最小化できる(Q
V=0)。電力潮流の方向は相対位相角の符号を使って制御できる。θは別として、ω
sだけでなくφ
pもφ
sも有効電力伝送を制御するために使用できる。この例において、φ
sを180°に設定しながら、φ
pは有効電力制御の最優先事項として設定する。式(6)を基にして、P
V,V
DC、φ
pの関係は
図6のように示すことができる。
【0064】
図6から明らかなように、P
Vは制御位相シフトφ
pあるいは入力電圧V
DCの制御を介して調整できる。従来、V
DCを固定値に設定しながら、P
Vはφ
pを制御することによって調整している。しかしながら、提案するPQCCでは適応DCリンク電圧制御方法を採用し、V
DCを変化させることによって必要に応じてP
Vを調整し、それによってBD-WPTモジュールの一次コンバータにおいてだけでなくPQCCにおいてもスイッチング損失と高調波ひずみを下げる。φ
pを使う従来の制御方法と提案する制御方法の比較は、
図7を参考にしている。
【0065】
従来、
図7(a)にあるように、V
DCは固定値V
DC(WPT)_convになるようになっており、P
VはWPTモジュールの一次側コンバータのφ
p(効果的にデューティサイクル)を介して間接的にV
DC(WPT)_convを制御することによって調整される。
【0066】
その一方で、
図7(b)にあるように、WPTモジュールの一次側コンバータのφ
pを100%の最大デューティサイクルに相当する180°で維持しながら、提案する適応方法はPQCCを介して直接V
DC=V
DC(WPT)_adapを制御しながらP
Vを調整する。V
DC(WPT)_adapは最大P
Vの供給あるいは吸収のいずれかに相当する条件のために考案されている。
【0067】
PQCCにおけるあらゆるセミコンダクター装置のスイッチング損失は、以下のように近似できる。
【数8】
式中、V
DC、I
C、I
CN、t
rN、t
fN、f
swはそれぞれDCリンク電圧、PQCC出力電流、定格電流、定格立ち上がり時間、定格立ち下り時間、スイッチング周波数である。式(8)から明らかなように、有効、無効、高調波電力要件に基づいてグリッドに投入される任意のI
Cに対し、V
DCはスイッチング損失に比例する。それゆえ、必要に応じて適応制御コンセプトを使ってV
DCを下げることにより、PQCCのスイッチング損失を低減できる。
【0068】
式(8)に定めるPQCCの条件下、式(6)の同じ電力P
V(V
DC,φ
p)はBD-WPTモジュールの一次側コンバータを介して伝送されなければならない。そして、従来の一定なDCリンク電圧方法と新しい適応DCリンク制御の両方を介する同じ電力伝送を考慮し、以下の式を得ることができる。
【数9】
【数10】
【0069】
それに応じて、式(6)と(8)に基づいて、従来の方法と一次側BD-WPTコンバータの提案する方法の間のスイッチング損失には式(11)が挙げられる。
【数11】
【0070】
式(11)におけるより小さいφpは、従来の方法が低PVを伝送するために高DCリンク電圧を使用し、高スイッチング損失を被ることを示すが、適応制御ではそのスイッチング損失は従来のスイッチング損失のほんの一部だけである。さらに、一次側BD-WPTコンバータはいつも全デューティサイクルで操作され、近似のソフト―スイッチングでの動作を可能にする。その結果として、高調波ひずみを下げることに加えて、スイッチング損失はさらに低減する。
【0071】
式(6)より、およびφ
p=φ
s=180°およびθ=+90°あるいは-90°の条件において、BD-WPTモジュールに必要な最高DCリンク電圧は以下のように計算する。
【数12】
【0072】
式(12)で得られるDCリンク電圧は、基準P
Vに従ってPQCCに適応制御される。しかし、BD-WPTモジュール要件を満たす式(12)で特定した最高V
DC電圧に加え、V
DC(PQCC)で表される最小V
DC電圧もあり、それでPQCCは必要なP
V、Q
L、S
LhでACグリッドの供給が常に保証されている。
図2に基づき、PQCCにより生成された電圧の基本成分は以下のように表すことができる。
【数13】
【0073】
最小必要基本DCリンク電圧は式(13)から以下のように得ることができる。
【数14】
【0074】
式(14)および表1のパラメータよりV
DC(PQCC)の要件は決定でき、
図8から明らかなように、最小基本DCリンク電圧V
DC(PQCC)はPQCCにより供給される有効および無効電力によって決まる。
【0075】
高調波電力要件S
Lhを満たすため、DCリンク電圧の高調波成分は以下であるべきである。
【数15】
式中、nは高調波次数、Nは用途に応じて選択した最高高調波、nωL
cは高調波インピーダンス、I
Lnは高調波負荷電流である。したがって、PQCCの総必要DCリンク電圧は以下のように表すことができる。
【数16】
【0076】
最終DCリンク電圧はVDC(WPT)_adapおよびVDC(PQCC)の2値の最大値を選択することによって決定できる。
【0077】
図1に示すシステムは、
図9に示すように構成したコントローラーあるいは制御モジュール10を使って制御される。コントローラーは、PQCC用コントローラーである第一部品52およびWPTモジュール用コントローラーである第二部品54の2つのパーツにより備えることができる。ある実施形態において、PQCCはコントローラー11を有する別ユニットとして備えられてもよく、別のコントローラーあるいはコントローラー12と13を有していてもよい既存WPTモジュールと接続可能となる。PQCCはWPT装置との組み合わせで備えられてもよく、すなわちWPT装置はPQCCを含んでもよい。コントローラーは
図9に示され、本明細書で開示されている制御機能を行うようプログラムされている1以上のプロセッサとして備えられてもよい。必要ならば、制御モジュール10,11,12,13の間で通信が行われる。また、通信手段14は、システム1がグリッドあるいはユーティリティ供給事業体により操作されてもよい同様のコントローラーと通信できるように備えることができる。それゆえ、グリッドの需要を低減させる必要がある場合、例えば車両の充電が低減できる、あるいは追加の補償が提供できるように、これがコントローラー10と通信してもよい。
【0078】
適応DCリンク電圧制御の制御戦略およびシステムが今提供され、
図9のコントローラーを参考にして開示されている。
【0079】
図9において、P
V
*変化は自動的にモード間の遷移を決定するために主に使用される。そのP
V
*はグリッドコントローラーあるいはEVユーザーからのものである。
【0080】
一例を挙げれば、単相PQ方法はコントローラーを実行するために使われる。これにより瞬時の有効および無効電流P-Qコントローラーを電流i
Cの調整用に実行させることを要する。特に基準値i
C
*を追跡するために、PQCCコントローラーは、電流ヒステリシスパルス幅変調(PWM)制御などのパルス幅変調制御を使って電流i
Cを生成する。本例では、ヒステリシスPWMはその実行の簡便性、速い動的応答、優れた電流制限能力ゆえに選択される。基準値i
C
*は従って以下のように計算できる。
【数17】
式中、v
Gおよびv
G
Dはグリッド電圧および負荷電圧の瞬時のπ/2ラグであり、P
V
*はBD-WPTモジュールからの基準有効電力であり、p
DCはDC制御必要有効電力であり、p
Lおよびq
LはDC成分とAC成分の両方を含む負荷瞬時有効および無効電流である。AC成分
~p
Lはp
Lをローパス・フィルタ(LPF)に通過させ、その後の減算で求められる。式(17)において、p
L、q
L、p
DCは以下のように表すことができる。
【数18】
【数19】
式中、i
Lおよびi
L
Dは負荷電流および負荷電流の瞬時π/2ラグであり、V
DCおよびV
DC
*はDCリンク電圧およびその基準値であり、k
pは比例ゲイン制御である。基準V
DC
*はV
DC(PQCC)
*およびV
DC(BD-WPT)
*の最大値を式(16)および(12)をそれぞれ使用して選択することで求められる。V
DC(PQCC)
*およびV
DC(WPT)
*の瞬時の式は式(14)および(12)に基づいてP
V=P
V
*を減算することで以下のように得られる。
【数20】
【数21】
【0081】
最後に、V
DC
*は式(18)におけるV
DC(PQCC)
*の最大値および式(19)のV
DC
*を選択することで以下のように求められる。
【数22】
【0082】
図-9によると、基準DCリンク電圧(VDC(PQCC)
*およびVDC(WPT)_adap
*)はPQCC およびBD-WPTモジュール用に式(20)および(21)をそれぞれ使って即時に計算される。そして、これらの2つの電圧の最大値は式(22)毎にVDC
*の最終値として取られる。これに、DCリンク電圧制御用の必要有効電力pDCを計算する式(19)の使用、および負荷無効電力qLおよび有効電力pLを計算する式(18)の使用が続く。LPFおよび式(17)は負荷無効電力、高調波電力、基準有効電力、ic
*に対するpDCを転換するために使用される。このicを生成するために、PQCCのフルブリッジコンバータのスイッチング信号はPWM制御を使い、icをic
*と比較することで得られる。
【0083】
BD-WPTモジュールの制御のため、有効電力PVがφpおよびφsを介して制御され、θは有効電力潮流の方向を制御するために使用される。位相シフトφpおよびφsはPIあるいはPIDコントローラーであるPID1およびPID2を使って生成できる。VDC(WPT)_adap
*>VDC(PQCC)
*である場合、BD-WPTモジュールはφp=φs=180°における全デューティサイクルで操作される。その一方で、VDC(WPT)_adap
*≦VDC(PQCC)
*の場合、有効電力PVはφpおよびφsを180°以下に制御することにより、その基準PV
*で調整される。
【0084】
提案されたコンセプトを立証するためにシミュレーションが行われており、表1はその立証に使用されたパラメータを示す。
【表1】
【0085】
図10は提案されたVW-VGH-PIシステムの動的性能を異なるモードで示している。
【0086】
図10(a)は、VG2Hモードから単独運転モードにt=80msで伝送されている、提案されたVW-VGH-PIシステムを示している。最初、システムはVG2Hモードで動作し、250Wの有効電力P
VをEVからPQCCを介してグリッドに伝送して、i
L=7.5Aの負荷需要を3.3Aの低減グリッド電流で満足させながら、PF
GおよびTHD
iGでそれぞれ表されるグリッド側力率および総高調波ひずみが一致して<5%になるように制御されている。単独運転モード(グリッド供給なし)v
Gは、提案している電圧コントローラーを介して提案システムにより発生させる。ACグリッド側はどんな電力も供給しないので、PQCC電流i
cはi
Lに等しく、負荷需要はPQCCを介してEVにより満足させられる。
【0087】
図10(b)は、提案しているVW-VGH-PIシステムのAPFモードからG2VHモードへのt=80msでの遷移を示している。予想通り、PF
GおよびTHD
iGはPQCCにより一致して<5%で維持されている。APFモードにおいて、負荷の無効および高調波電力は補償されるので、グリッド電流i
Gは4.2Aであり、必要な負荷電流i
L6.9Aよりも小さい。その一方で、G2VHモードでは、EV需要がグリッドにより満足され、250Wの有効電力P
VをEV側に転換させる。それゆえ、グリッド電流はi
G=9.2Aに増加する。
【0088】
図10(c)は、提案しているVW-VGH-PIシステムの、V2HGモードからV2Hモードへのt=80msでの遷移を示している。予想通り、PQCCはPF
GおよびTHD
iGを一致して<5%で維持されている。最初はV2HGモードで、PQCCは440Wの有効電力P
VをEVから伝送して家庭の負荷P
L=210Wを全面的にサポートし、その間余剰の有効電力をグリッドに投入する。そして、グリッド電力のないV2Hモードにおいて、PQCCはEVを使用して負荷電力要件を全面的にサポートする。
【0089】
図11および
図12はそれぞれ、G2VHおよびVG2Hモードにおける適応DCリンク電圧制御での提案しているVW-VGH-PIシステムの動的波形を示している。
図11(a)において、基準P
V
*はt=0.2sで200Wから350Wに変化している。その変化にもかかわらず、PQCCはPF
GおよびTHD
iGを一致させて3%未満に維持している。増加したEVの有効電力需要を満足させるため、負荷の無効および有効電力需要を満足させながら、グリッド電流をi
G=10.1Aから12.2Aに増加させている。
図11(b)は、電力増加に対応する、BD-WPTモジュールにおいて増加した電圧と電流を示している。
図11(c)~(d)は、ソフトスイッチング動作がどのようにして提案している適応DCリンク電圧制御で達成するかを説明している。
【0090】
図12(a)は、EVからグリッドへの有効電力P
Vの投入が200Wから350Wに変化する間の波形を示している。操作の間ずっと、PQCCはTHD
iGおよびPF
Gを負荷力率PF
L=0.780で一致させ<4.6%に維持している。350WのP
V投入により、グリッド電流はi
Gは4.6Aから2.7Aに減っている。
図12(c)~(d)は、近接したソフトスイッチング動作を円滑にしながら、増加した電力潮流に従ってどのようにDCリンク電圧がPQCCの適応コントローラーにより150Vから220Vに変化するのかを示している。
【0091】
図12に示すように、BD-WPTモジュールにおける出力および出力電圧と電流の波形は提案している制御方法により制御できる。
【0092】
本発明の実施形態は、電気自動車への特定の用途で説明されてきたが、当業者は代替の応用分野が、例えば携帯電話、時計、歯ブラシなどの携帯用電子機器を含むと認識するであろう。
【0093】
文脈が明らかに他を要さない限り、発明の説明および請求項の初めから終わりまで、単語の「comprise」、「comprising」(=含む)などは排他的あるいは徹底的な意味とは対照的に、包括的な意味、すなわち「含めるがそれに限定せず」という意味で解釈されるべきである。
【0094】
前述の説明で既知の同等物を有する発明の特定の成分や整数が言及されているのなら、そういった同等物は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0095】
ここで留意すべきは、本開示で説明された機能ブロック、特性、方法、装置、システムは、当業者に知られているように、システム、装置、機能ブロックの異なる組み合わせに組み込まれるか分割してもよい、ということである。適切なプログラミング言語およびプログラミング技術はどれも特定の実装のルーティンを実行するために使用することができる。手続型やオブジェクト指向など異なるプログラミング技術を採用してもよい。そのルーティンは単一の処理装置や複数のプロセッサで実行してもよい。工程、操作、演算は特定の順序で提示されてもよいが、その順序は異なる特定の実装において変更されることもある。実装によっては、本明細書に順次的なものとして示される複数の工程やブロックが同時に行われることもある。このように数例の発明の実施形態を説明したので、当業者は様々な変更、修正、改良を容易に思い付くであろう。本開示により明らかにされるそういった変更、修正、改良は、本明細書に明示的に記載されていないが、本説明の一部であると意図され、本発明の精神および範囲内にあることが意図される。それにより、前述の説明はほんの一例であり、限定するものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲およびこれらと同等と認められるもので定義されているものに限定される。
【国際調査報告】