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特表2022-543912最終的な駆動歯車に対して負荷を共有する平行なツイン歯車対を有する変速機を備える電気駆動モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】最終的な駆動歯車に対して負荷を共有する平行なツイン歯車対を有する変速機を備える電気駆動モジュール
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/12 20060101AFI20221006BHJP
   F16H 1/22 20060101ALI20221006BHJP
   F16H 63/34 20060101ALI20221006BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60K17/12
F16H1/22
F16H63/34
B60T1/06 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516345
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 US2020062541
(87)【国際公開番号】W WO2021113159
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/942,496
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501090308
【氏名又は名称】アメリカン アクスル アンド マニュファクチャリング,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ダウンズ、ジェームズ・ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バレンテ、ポール・ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3D042
3J009
3J067
【Fターム(参考)】
3D042AA06
3D042AB01
3D042AB17
3D042BE01
3J009EA12
3J009EA21
3J009EA34
3J009EA44
3J009FA04
3J067AC01
3J067FA57
3J067FB83
3J067GA01
(57)【要約】
電気モータと、差動組立体と、電気モータと差動組立体の間で回転動力を伝達する変速機とを含む電気駆動モジュール。変速機は、第1の減速機および第2の減速機を有する。第1の減速機は、第1の軸周りで回転可能な駆動歯車と、駆動歯車に対してそれぞれかみ合い係合され、各第2の軸周りで回転可能な1対の第1の減速歯車とを有する。第2の軸は、互いに離間されており、第1の軸に平行である。第2の減速機は、被駆動歯車と、1対の第2の減速歯車とを有する。被駆動歯車は、第1の軸に平行な第3の軸周りで回転可能である。第2の減速歯車のそれぞれは、被駆動歯車に対してかみ合い係合され、また第1の減速歯車の関連するものに対して非回転可能に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動モジュール(24)であって、
電気モータ(42)と、
差動組立体(46)と、
前記電気モータ(42)と前記差動組立体(46)の間で回転動力を伝達する変速機(44)と、前記変速機(44)は、第1の減速機および第2の減速機を含み、前記第1の減速機は、駆動歯車(60)および1対の第1の減速歯車(62)を有し、前記駆動歯車(60)は、第1の軸(58)周りで回転可能であり、前記第1の減速歯車(62)のそれぞれは、前記駆動歯車(60)とかみ合い係合され、各第2の軸(74)周りで回転可能であり、ここにおいて、前記第2の軸(74)は互いに離間され、また前記第1の軸(58)に平行であり、前記第2の減速機は、被駆動歯車(66)および1対の第2の減速歯車(64)を有し、前記被駆動歯車(66)は、前記第1の軸(58)に平行な第3の軸(76)周りで回転可能であり、前記第2の減速歯車(64)のそれぞれは、前記被駆動歯車(66)にかみ合い係合され、また前記第1の減速歯車(62)の関連するものに非回転可能に結合される、
を有する、電気駆動モジュール(24)。
【請求項2】
前記電気モータ(42)は、出力シャフト(56)を含み、前記駆動歯車(60)は、前記第1の軸(58)周りで共に回転するために前記出力シャフト(56)に結合される、請求項1に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項3】
前記差動組立体(46)は、差動入力部材(80)を含み、前記被駆動歯車(66)は、前記第3の軸(76)周りで共通の回転を行うように前記差動入力部材(80)に結合される、請求項2に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項4】
前記差動組立体(46)は、差動歯車セット(82)を含む、請求項3に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項5】
前記差動歯車セット(82)は、1対のサイド歯車(92)とかみ合い係合される複数の差動ピニオン(90)を備える、請求項4に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項6】
1対の前記差動ピニオン(90)は、前記差動入力部材(80)に取り付けられたクロスピン(94)に取り付けられる、請求項5に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項7】
前記差動組立体(46)は、差動入力部材(80)を含み、前記被駆動歯車(66)は、前記第3の軸(76)周りで共通の回転を行うように前記差動入力部材(80)に結合される、請求項1に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項8】
前記差動組立体(46)は、差動歯車セット(82)を含む、請求項7に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項9】
前記差動歯車セット(82)は、1対のサイド歯車(92)とかみ合い係合される複数の差動ピニオン(90)を備える、請求項8に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項10】
1対の前記差動ピニオン(90)は、前記差動入力部材(80)に取り付けられたクロスピン(94)に取り付けられる、請求項9に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項11】
前記変速機(44)および前記差動組立体(46)が中に受け入れられるハウジング(40)と、
1対の駐車歯車(202)と、前記駐車歯車(202)のそれぞれは、前記第2の減速歯車(64)の関連するものに非回転可能に結合される、
1対の係合歯(222)を有する歯止め(204)と、前記歯止め(204)は、前記ハウジング(40)に結合され、また前記係合歯(222)のそれぞれが、前記駐車歯車(202)の対応するものと係合する係合位置と、前記係合歯(222)が、前記駐車歯車(202)から係合解除される係合解除位置との間で枢動可能である、
第1の位置と第2の位置の間で移動可能な1対のプランジャ(206)と、前記プランジャ(206)のそれぞれが、第1の本体部分(232)、および前記第1の本体部分(232)よりも直径が小さい第2の本体部分(236)を有し、ここにおいて、前記プランジャ(206)の前記第1の本体部分(232)と前記歯止め(204)との間の接触が、前記歯止め(204)を前記係合位置に位置決めし、ここにおいて、前記プランジャ(206)の前記第2の本体部分(236)が、前記歯止め(204)に接触したとき、前記歯止め(204)は、前記係合解除位置に配置される、
をさらに備える、請求項1に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項12】
前記歯止め(204)が、前記係合位置にあるとき、前記係合歯(222)の第1のものと、前記駐車歯車(202)の第1のものとの間で伝達される第1の負荷は、前記係合歯(222)の第2のものと、前記駐車歯車(202)の第2のものとの間で伝達される第2の負荷に等しい、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項13】
前記歯止め(204)は、枢動軸(226)上で枢動可能に配置され、前記歯止め(204)と前記枢動軸(226)の間の嵌合は、前記枢動軸(226)に対する前記歯止め(204)の回転しない動きを可能にして、前記係合歯(222)と前記駐車歯車(202)の間で伝達される負荷が等しくなるようにする、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項14】
前記プランジャ(206)の前記第1の本体部分(232)は、円錐台形状をしている、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項15】
各プランジャ(206)は、前記第1の本体部分(232)と前記第2の本体部分(236)の間に配置される遷移部分(234)をさらに備え、前記遷移部分(234)は、円錐台形状をしており、前記第1の本体部分(232)の円錐角は、前記遷移部分(234)の円錐角よりも小さい、請求項14に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項16】
前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記プランジャ(206)の動きを制御するためのアクチュエータ(210)をさらに備え、前記アクチュエータ(210)は、アクチュエータハブ(252)と、カムプレート(254)と、複数のカムフォロワ(250)とを備え、前記アクチュエータハブ(252)は前記ハウジング(40)に結合され、前記カムプレート(254)は、前記アクチュエータハブ(252)周りで回転可能であり、また1対のカム(312)を画定し、前記カム(312)のそれぞれは、第1の円周方向端部(320)と第2の円周方向端部(322)の間でテーパの付いた深さを有する円周方向に延びる溝であり、前記カムフォロワ(250)のそれぞれは、前記カム(312)の対応するものに受け入れられ、また前記プランジャ(206)の関連するものと1列に配置される、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項17】
前記カムフォロワ(250)のそれぞれは、前記プランジャ(206)の前記関連するものに対して固定して係合される、請求項16に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項18】
前記アクチュエータ(210)は、前記アクチュエータハブ(252)と前記カムプレート(254)の間に配置されたねじりばね(258)をさらに含み、前記ねじりばね(258)は、前記カムプレート(254)を、前記アクチュエータハブ(252)に対して第1の回転位置に向けて付勢する、請求項16に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項19】
前記アクチュエータ(210)は、ロックアクチュエータ(262)をさらに含み、前記ロックアクチュエータ(262)は、ソレノイド組立体(400)とロック開口部(402)とを有し、前記ソレノイド組立体(400)はソレノイドプランジャ(412)を有し、前記ロック開口部(402)は前記カムプレート(254)に形成され、前記ソレノイド組立体(400)は、前記カムプレート(254)が、前記カム(312)の前記第2の円周方向端部(322)を前記カムフォロワ(250)に位置合せする回転位置へと回転されたとき、付勢されて前記ソレノイドプランジャ(412)を前記ロック開口部(402)の中に受け入れて前記カムプレート(254)に係合させる、請求項16に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項20】
軸受(256)が、前記アクチュエータハブ(252)と前記カムプレート(254)の間に半径方向に配置される、請求項16に記載の電気駆動モジュール(24)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願に対する相互参照
本出願は、2019年12月2日に出願された米国仮特許出願第62/942496号の利益を主張するものであり、その開示は、本明細書に詳細に完全に記載されている場合と同様に参照により組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、最終的な駆動歯車に対して負荷を共有する平行な歯車対を有する変速機を備える電気駆動モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]このセクションは、本開示に関連する背景情報を提供するが、それは必ずしも先行技術ではない。
【0004】
[0004]変速機を介して差動組立体を駆動する電気モータを有する電気駆動モジュールを提供することが、当技術分野において知られている。知られた電気駆動モジュール構成は、電気モータの出力シャフト、差動組立体、および変速機の入出力が、共通の回転軸周りに配置される同軸の構成、または電気モータの出力シャフト、差動組立体、および変速機の入出力が、互いに平行な2つ以上の回転軸周りに配置される構成を有することができる。このような構成は、それらの意図される目的によく適しているが、側方もしくは横方向に、または半径方向に十分な空間がないこともあるので、いくつかの乗物の中に収めること、または嵌合させることは幾分困難になり得る。したがって、比較的小型に設計された電気駆動モジュールが、当技術分野で求められている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]このセクションは、本開示の概略的な要約を提供するものであり、その完全な範囲、またはその特徴のすべてを包含する開示ではない。
【0006】
[0006]一形態では、本開示は、電気モータと、差動組立体と、電気モータと差動組立体の間で回転力を伝達する変速機とを含む電気駆動モジュールを提供する。変速機は、第1の減速機および第2の減速機を有する。第1の減速機は、第1の軸周りで回転可能な駆動歯車と、駆動歯車に対してそれぞれかみ合い係合され、各第2の軸周りで回転可能な1対の第1の減速歯車とを有する。第2の軸は互いに離間されており、第1の軸に平行である。第2の減速機は、被駆動歯車と、1対の第2の減速歯車とを有する。被駆動歯車は、第1の軸に平行な第3の軸周りで回転可能である。第2の減速歯車のそれぞれは、被駆動歯車にかみ合い係合され、また第1の減速歯車の関連するものに非回転可能に結合される。
【0007】
[0007]さらなる適用可能な領域は、本明細書で提供される記述から明らかになろう。この要約における記述および特定の例は、例示のためだけに意図されており、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
【0008】
[0008]本明細書で述べられる図面は、すべての可能な実装形態ではなく、選択された実施形態を例示するためだけのものであり、また本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]本開示の教示に従って構成された電気駆動モジュールを有する例示的な乗物の概略図。
図2】[0010]電気モータおよび変速機をより詳細に示した、図1の電気駆動モジュールの一部が分解された斜視図。
図3】[0011]変速機の最終的な駆動歯車と差動組立体とを示す、図1の電気駆動モジュールの一部の横断面図。
図4】[0012]電気モータ、変速機、および差動組立体の相対位置を示す図1の電気駆動モジュールの一部の概略図。
図5】[0013]任意選択の駐車ロック機構を示す図1の電気駆動モジュールの一部の斜視図。
図6】[0014]電気駆動モジュールの中間軸を固定するように1対の駐車歯車と係合状態に配置された歯止めを示す駐車ロック機構の一部の平面図。
図7】[0015]第1の回転位置に方向付けられたカムプレートと、延長位置に配置された1対のプランジャとを示す、駐車ロック機構の一部を通る断面図。
図8】[0016]1対の駐車歯車から係合解除されて、電気駆動モジュールの中間シャフトが回転できる状態の歯止めを示す駐車ロック機構の一部の斜視図。
図9】[0017]第2の回転位置に方向付けられたカムプレートと、後退位置に配置された1対のプランジャとを示す、駐車ロック機構の一部を通る断面図。
図10】[0018]駐車ロック機構の一部が断面化された斜視図。
図11】[0019]カムプレートの第1の面をより詳細に示す駐車ロック機構の一部の斜視図。
図12】[0020]ロックアクチュエータをより詳細に示す駐車ロック機構の一部の断面図。
図13】[0021]カムプレートの第2の面に形成されたロック開口部を示すカムプレートの一部の斜視図。
図14】[0022]延長位置にあるプランジャと、係合位置にある歯止めとを示す駐車ロック機構の一部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0023]対応する参照数字は、図面のいくつかの図にわたって対応する部分を示す。
【0011】
[0024]図面の図1を参照すると、本開示の教示に従って構成された駆動モジュールを有する例示的な乗物は、全体的に参照数字10によって示される。乗物10は、前部または第1の動力伝達装置14と、後部または第2の動力伝達装置16とを含むことができる。前部動力伝達装置14は、エンジン18と変速機20とを備えることができ、また前部もしくは第1の組の駆動輪22を駆動するように構成され得る。後部動力伝達装置16は、必要に応じて、または「要求に応じて」、後部または第2の組の駆動輪26を駆動するように構成され得る電気駆動モジュール24を備えることができる。前輪22は、本例においては、第1の動力伝達装置14に関連付けられ、また後輪26は、第2の動力伝達装置16に関連付けられるが、代替形態では、後輪が第1の動力伝達装置により駆動され、前輪が第2の動力伝達装置により駆動され得ることが理解されよう。さらに電気駆動モジュール24は、この例では、一部の時間に第2の組の駆動輪を駆動するように構成されるものとして示されているが、本教示に従って構成された駆動モジュールは、乗物を推進するための単独の手段として、または推進する別の手段と共に、フルタイムに駆動輪(例えば、前輪または1組の車輪)のうちの1組の(前部、後部、または他の)駆動輪を駆動するようにも使用され得ることが理解されよう。電気駆動モジュール24は、駆動ユニット30と、1対の軸シャフト32とを備えることができる。
【0012】
[0025]図2および図3を参照すると、駆動ユニット30は、ハウジング40と、電気モータ42と、変速機44と、差動組立体46とを備えることができる。ハウジング40は、駆動ユニット30の他の構成要素が取り付けられる構造を画定することができる。ハウジング40は、複数のねじ付きの締結具によるなど、共に固定して結合され得る2つ以上のハウジング要素から形成され得る。電気モータ42は、永久磁石モータなど、任意のタイプの電気モータとすることができる。電気モータ42は、ハウジング40上のフランジ(具体的に示されていない)に取り付けることができ、また第1の回転軸58(図4)に沿って配置され、ハウジング40の中に受け入れられ得る出力シャフト56を有することができる。
【0013】
[0026]図2および図4を参照すると、変速機44は、電気モータ42の出力シャフトにより駆動される変速機入力と、差動組立体46を駆動する変速機出力とを提供する1つまたは複数の変速機段、または減速機を備えることができる。変速機44は、複数レベルの歯車減速を提供する1つまたは複数の変速機段または減速機を備えることができ、また任意選択で、1つまたは複数の多速度変速機段を含むことができる。さらに任意選択で、差動組立体46を、電気モータ42から選択的に結合を解除するために、変速機出力と差動組立体46の間で、クラッチ(示されていない)が使用され得る。提供される例では、変速機44は、駆動歯車もしくは入力ピニオン60と、複数の第1の減速歯車62と、複数の第2の減速歯車64と、被駆動歯車もしくは最終的な駆動歯車66とを備える。入力ピニオン60は、共に回転するための電気モータ組立体の出力シャフトに結合され得る。第1の減速歯車62は、入力ピニオン60とかみ合い係合され、入力ピニオン60よりも多くの歯を有し、また入力ピニオン60のピッチ円直径よりも比較的大きいピッチ円直径を有する。第1の減速歯車62のそれぞれは、複合減速歯車70を形成するために、第2の減速歯車64の関連するものに固定して結合され得る。第2の減速歯車64は、第1の減速歯車62よりもピッチ円直径が大きく、より多くの歯を有する。複合減速歯車70のそれぞれは、第1の回転軸58に平行であり、オフセットされた第2の回転軸74周りで回転するようにハウジング40に取り付けられた中間シャフトまたは軸72上に配置され得る。中間シャフト72のそれぞれは、ハウジング40に取り付けられ得る1対の軸受により支持され得る。中間シャフト72のそれぞれは、複合減速歯車70の対応するものに組み立てられ得る別個の構成要素として形成され得る、または複合減速歯車70の対応するものと単体として一体に形成され得ることも理解されよう。最終的な駆動歯車66は、第2の回転軸74および第1の回転軸58に平行でありオフセットされた出力軸76周りで回転するために、ハウジング40により支持され得る。提供される例では、入力ピニオン60、第1の減速歯車62、第2の減速歯車64、および最終的な駆動歯車66は、はすば歯車である、また第1の減速歯車62および第2の減速歯車64は、入力ピニオン60と第1の減速歯車62の間、および第2の減速歯車64と最終的な駆動歯車66の間の回転動力の伝達に関連する、複合減速歯車70に対する軸方向力を打ち消すために反対回りである。変速機44は、はすば歯車を使用するものとして述べられているが、これらの歯車のいくつか、またはすべては、平歯車としても構成され得ることが理解されよう。
【0014】
[0027]図3を参照すると、差動組立体46は、差動入力部材と、1対の差動出力部材とを含むことができる。差動入力部材は、出力軸76周りで共に回転するための最終的な駆動歯車66に結合され得るが、差動出力部材のそれぞれは、軸シャフト32の対応するものと回転するように結合され得る。提供される特定の例では、差動組立体46は、差動ケース80と差動歯車セット82とを含む。差動ケース80は、差動入力部材として機能することができ、1対の軸受84により、出力軸76周りでハウジング40上で回転するように支持され得る。軸受84は、提供される例では、テーパの付いた回転軸受として示されているが、軸受84は、代替形態では、アンギュラ玉軸受、または玉軸受としても構成され得ることが理解されよう。差動歯車セット82は、1対の差動ピニオン90と1対のサイド歯車92とを含むことができる。差動ピニオン90は、差動ケース80に受け入れることができ、また差動ケース80に取り付けられたクロスピン94上で回転可能に配置される。クロスピン94は、差動ケース80を少なくとも部分的に通って延びることができ、出力軸76に対して直角に方向付けられる。サイド歯車92は、提供される例における差動出力部材である。サイド歯車92は、差動ケース80内に受け入れられ、出力軸76周りで差動ケース80に対して回転することができる。サイド歯車92のそれぞれは、差動ピニオン90とかみ合い係合される。
【0015】
[0028]軸シャフト32のそれぞれは、サイド歯車92の対応するものに対して、非回転であるが、軸方向に摺動可能に係合され得る。提供される例では、軸シャフト32のそれぞれは、サイド歯車92の対応するものにおける内部にスプラインが付けられた開口部102に嵌合して係合される雄のスプラインが付けられたセグメント100を有する。軸シャフト32のそれぞれは、サイド歯車92の一方と、乗物の車輪の関連するものとの間で回転動力を伝達するように構成される。
【0016】
[0029]変速機44の構成は、いくつかの側面において有利である。例えば、複合減速歯車70は、比較的高速の電気モータおよび比較的小さな入力ピニオンを使用することができ、それは、ピッチ線速度を低下させ、したがって、入力ピニオン60および第1の減速歯車62の曲げ応力、負荷能力、および耐用年数に対して良い影響を与える。別の例として、最終的な駆動歯車66に対する負荷は、第2の減速歯車64にわたって共有されて、(負荷全体が、単一の歯車により最終的な駆動歯車66へと伝達される構成とは反対に)第2の減速歯車64の寸法を低減することができる。その結果、電気モータ42と最終的な駆動歯車66の間の歯車の取付け構成は、駆動ユニット30のパッケージサイズを低減させ、さらに、これらの歯車は、知られた電気駆動ユニットの構成要素よりも比較的小さく、および/または費用のかからない材料から形成されて、それにより、電気駆動モジュール24のコストを削減し、質量を低下させることができる。
【0017】
[0030]望ましい場合、駐車ロック機構(示されていない)が、電気駆動モジュール24に組み込まれ得る。図2および図4を参照すると、駐車ロック機構は、ハウジング40に枢動可能に結合される歯止めと、最終的な駆動歯車66に、または出力軸76周りで回転可能な差動組立体46の構成要素に回転可能に結合される歯付きロッキングホイールとを用いて、従来方法で構成され得る。歯止めは枢動して、ハウジング40に対して、最終的な駆動歯車66の回転を阻止するために、歯付きロッキングホイール上の歯と係合することも、外れることもできる。代替的に、駐車ロック機構は、中間シャフト72をハウジング40へと選択的にロックするようにも構成され得る。はさみ機構、またはシーソーするレバー機構が、中間シャフト72をハウジング40に同時にロックするために使用され得る。
【0018】
[0031]図5から図7までを参照すると、任意選択の駐車ロック機構200が、駆動ユニット30の中に組み込まれ得る。駐車ロック機構200は、1対の駐車歯車202と、歯止め204と、1対のプランジャ206と、1対のプランジャ付勢ばね208と、アクチュエータ210とを含むことができる。
【0019】
[0032]駐車歯車202のそれぞれは、中間シャフト72の関連するものに対して非回転可能に結合され、複数の歯216と複数の谷218とを画定することができる。谷218のそれぞれは、歯216の各対の間に配置される。
【0020】
[0033]歯止め204は、歯止め本体220と、歯止め本体220の両端に配置される1対の係合歯222とを含む。歯止め本体220は、歯止め204が、係合歯222のそれぞれが駐車歯車202の関連するものと係合し(すなわち、各係合歯222が、駐車歯車202の関連するものの谷218の中に受け入れられる)、それにより、駐車歯車202および中間シャフト72をハウジング40に回転してロックする係合位置(図6)と、各係合歯222が、駐車歯車202の関連するものの歯216を離れて、歯止め204が、ハウジング40に対して、駐車歯車202または中間シャフト72の回転を阻止しないようにする係合解除位置(図8)との間で移動され得るように、駆動ユニット30のハウジング40に枢動可能に結合される。提供される例では、枢動軸226は、ハウジング40に取り付けられて、歯止め204を通り、アクチュエータ210の中へと延びる。歯止め204は、枢動軸226に幾分ゆるく受け入れられて、駐車ロック機構200を通って伝達される負荷が、確実に駐車歯車202によって、ならびに係合歯222によって等しく共有されるようにする。歯止め204は、係合解除位置など、望ましい回転位置に向けて、枢動軸226周りで付勢され得る。提供される例では、螺旋状のねじりばね258が、枢動軸226周りに配置され、ハウジング40と歯止め本体220に係合される。
【0021】
[0034]図7を参照すると、プランジャ206のそれぞれは、ガイド部分230と、第1の本体部分232と、遷移部分234と、第2の本体部分236とを備えるプランジャ本体を有することができる。ガイド部分230は、プランジャ206の第1の軸方向端部に配置され、また第1の直径を備えた円筒形の形状であり得る。第1の本体部分232は、ガイド部分230と遷移部分234の間に配置され、望ましいように寸法を付すことができる。例えば、第1の本体部分232は、第1の直径など、望ましい直径を有する概して円筒形の形状にすることもできる。提供される例では、第1の本体部分232は、円錐台状の形状をしており、(第1の本体部分232がガイド部分230と交差する)ベースを有し、第1の直径に等しい直径と、第1の本体部分232の外側表面を、ガイド部分230と遷移部分234の間で、2度から30度、好ましくは5度から15度などの望ましい量だけ、プランジャ206の中心軸の方向に内側にテーパを付けさせる比較的浅い円錐角とを備える。
【0022】
[0035]第2の本体部分236はまた、円筒形の形状とすることができるが、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。遷移部分234は、第1の本体部分232と第2の本体部分236の間でテーパを付けるために、円錐台形状にされ得る。ばね開口部240が、プランジャ206の第1の軸方向端部に形成され、そこにプランジャ付勢ばね208の対応するものを受け入れるような寸法にされる。提供される例では、プランジャ付勢ばね208のそれぞれは、螺旋コイル圧縮ばねであるが、他のタイプのばねが、螺旋コイル圧縮ばねに代えて、またはそれに加えて使用され得ることが理解されよう。
【0023】
[0036]各プランジャ206およびプランジャ付勢ばね208は、ハウジング40内のプランジャ開口部244の中に受け入れられる。示された例では、ハウジング40は、硬化鋼など、適切な材料から形成され得る任意選択のプランジャブッシング246の対を含む。プランジャブッシング246のそれぞれは、プランジャ206の対応するものの第1の本体部分232と、プランジャ付勢ばね208の対応するものを受け入れるような寸法であるプランジャ開口部244を画定する。プランジャ開口部244は、めくら穴とすることができ、したがって、プランジャブッシング246は、プランジャ付勢ばね208の対応するものの端部がそれに対して当接できる内壁248を画定する。
【0024】
[0037]プランジャ206のそれぞれは、プランジャ206のそれぞれの第1の本体部分232が、歯止め本体220の回転経路に配置される延長位置(図6および図7で示される)と、後退位置(図8および図9で示される)との間で、ハウジング40に対してその長手方向に沿って移動可能である。プランジャ206を延長位置に配置するために、係合歯222は、駐車歯車202に係合される必要がある。第1の本体部分232の外側表面にテーパが付けられている場合(円錐台状に)、プランジャ付勢ばね208は、プランジャ206をプランジャ開口部244から外方向に圧迫し、各プランジャ206の第1の本体部分232の外側表面が歯止め本体220に接触するようにする。プランジャ206が、その後退位置に配置されたとき、歯止め204は、ねじりばね258により、係合解除位置へと回転され得る。歯止め204は、歯止め204が係合解除位置にあるとき、プランジャ206の一方または両方の第2の本体部分236と接触することができる。
【0025】
[0038]図7および図10を参照すると、アクチュエータ210は、延長位置と後退位置の間で、プランジャ206の動きを制御するように構成される。アクチュエータ210は、1対のカムフォロワ250と、アクチュエータハブ252と、カムプレート254と、軸受256と、ねじりばね258と、回転アクチュエータ260と、ロックアクチュエータ262とを含むことができる。
【0026】
[0039]図7および図9を参照すると、カムフォロワ250のそれぞれは、プランジャ206の関連するものと一列に配置され得る。提供される例では、カムフォロワ250のそれぞれは、プランジャ206の関連するものと単体として一体に形成される。より具体的には、カムフォロワ250は、第1の軸端とは反対にあるプランジャ206の第2の軸端上の球状の半径とすることができる。
【0027】
[0040]アクチュエータハブ252は、歯止め204が周りで枢動する軸と同心に、ハウジング40に固定的に結合され得る。提供される例では、アクチュエータハブ252は、枢動軸226に圧入嵌めされる。アクチュエータハブ252は、中心部分270と、軸受取付け部272と、ロックアクチュエータ取付け部274とを含むことができる。中心部分270は、共通軸に沿って位置合せされた枢動軸開口部280と、ねじ付き開口部282とを画定することができる。枢動軸開口部280は、中心部分270の第1の軸側を通って形成され、圧入嵌めで枢動軸226に係合するような寸法である。ねじ付き開口部282は、第2の、中心部分270の軸方向の反対側を通って形成される。軸受取付け部272は、中心部分270の周囲に同心に配置され、フランジ部材284を介して、または代替的に、複数のスポークまたはウェブを介して中心部分270に結合され得る。軸受取付け部272は、外側の円周方向表面286と、外側の円周方向表面から外側半径方向に延びる肩部288と、外側の円周方向表面286の中に形成される保持リング溝290とを有する。ロックアクチュエータ取付け部274は、図5で最もよく見られるが、腎臓(すなわち、インゲン豆)の形を有することができ、また中心部分270から半径方向にオフセットされるように、軸受取付け部272に固定して結合され得る(例えば、一体に形成される)。
【0028】
[0041]図5図7、および図11を参照すると、カムプレート254は、環状プレート300と、歯車部分302と、ねじりばね取付け部304と、1対のセンサターゲット306a、306bとを備えることができる。環状プレート300は、適切な材料から形成され得る。環状プレート300は、内側の円周方向表面310を有することができ、また1対のカム312を画定することができる。カム312のそれぞれは、カムフォロワ250およびプランジャ206の方向に向いた環状プレート300の第1の面へと形成される。カム312のそれぞれは、環状プレート300の第1の面において、円周方向に延びる溝とすることができる。カム312のそれぞれは、溝が最も深い、溝の第1の円周方向端部320(図11)と、溝が最も浅い、溝の第2の反対側の円周方向端部322(図11)との間でテーパを付けることができる。カムフォロワ250のそれぞれは、カム312(すなわち、溝)の対応するものの中に受け入れられ、したがって、歯止め204がその周りで枢動する軸周りでカムプレート254が回転すると、プランジャ206の対応する直線運動を生ずる。より具体的には、図7で示されるように、カムフォロワ250を、カム312の関連するものの最も深い部分(すなわち、カム312の関連するものを形成する溝の第1の円周方向端部320)の中に配置することは、プランジャ付勢ばね208の対応するものが、プランジャ206の関連するものを、その延長位置へと強制できるようにするが、図9で示されるように、カム312の関連するものの最も浅い部分(すなわち、カム312の関連するものを形成する溝の第2の円周方向端部)にカムフォロワ250を配置することは、プランジャ206の対応するものを、プランジャ付勢ばね208の対応するものの付勢に対してその後退位置に配置する。歯車部分302は、環状プレート300に固定して結合され得る複数の歯車の歯を含むことができ、歯車の歯が、内側の円周方向表面310と同心になるようにする。提供される例では、歯車の歯は、環状プレート300と単体として一体に形成される。歯車の歯は、提供される例で示されるように、環状プレート300の全周の周りに配置され得る、または環状プレート300のセクタの周りに形成することもできる。ねじりばね取付け部304は、第1の面とは反対の、環状プレート300の第2の面から延びることができる円筒形の柱または突起とすることができる。センサターゲット306a、306bのそれぞれは、環状プレート300に取り付けることができ、またカムプレート254が、ハウジング40に対して所定の回転位置にあるとき、センサ328(図10)によって感知されるように構成される。提供される例では、センサターゲット306a、306bのそれぞれは磁石であり、またセンサ328は、ハウジング40に結合されるホール効果センサである。
【0029】
[0042]図7を参照すると、軸受256は、アクチュエータハブ252に対して回転するように、カムプレート254を支持するように構成される。軸受256は、内側の軸受軌道輪330と、外側の軸受軌道輪332と、内側の軸受軌道輪330と外側の軸受軌道輪332の間に受け入れられる複数の軸受要素334とを含むことができる。内側の軸受軌道輪330は、軸受取付け部272の外側の円周方向表面286上に受け入れられ、肩部288に当接することができる。望ましい場合、内側の軸受軌道輪330は、軸受取付け部272の外側の円周方向表面286に圧入嵌めされ得る。外側の保持リング336が、保持リング溝290の中に受け入れられ、肩部288から離れる方向への、アクチュエータハブ252上の内側の軸受軌道輪330の軸方向移動を阻止することができる。外側の軸受軌道輪332は、任意の望ましい方法で、カムプレート254に結合され得る。例えば、外側の軸受軌道輪332は、環状プレート300の内側の円周方向表面310に、圧入嵌め、または接着剤で接合され得る。代替的に、環状プレートが、プラスチック材料から形成される例では、環状プレート300は、外側の軸受軌道輪332が、環状プレート300に対して凝集力により(cohesively)接合されるように、外側の軸受軌道輪332にオーバーモールドされてもよい。
【0030】
[0043]図5および図7を参照すると、ねじりばね258は、中心部分270の周りに巻かれて、アクチュエータハブ252に対して作用することのできる第1の突起部(tang)340と、カムプレート254上のねじりばね取付け部304に作用することのできる第2の突起部342とを有することができる。提供される例では、第1の突起部340は、フランジ部材284に形成される穴の中に受け入れられる。ねじりばね258は、ワッシャ346により、また中心部分270におけるねじ付き開口部282にねじ込まれるねじ付き締結具348により、中心部分270に固定され得る。ねじりばね258は、カムプレート254を、その回転軸周りで、第1の回転位置に向けて回転方向に付勢するように構成され、それは、カム312の最も深い部分をカムフォロワ250に向ける位置とすることができる。代替的に、ねじりばね258は、カムプレート254を、その回転軸周りで、カム312の最も浅い部分がカムフォロワ250に方向付けられる位置へと、回転方向に付勢するようにも構成され得る。
【0031】
[0044]図10を参照すると、回転アクチュエータ260が、第1の回転位置と第2の回転位置の間で、その回転軸周りで、カムプレート254の回転を制御するように構成される。回転アクチュエータ260は、回転電気モータ(具体的に示されていない)と、カムプレート254の歯車部分302の歯車の歯にかみ合い係合される出力ピニオン(具体的に示されていない)とを含むことができる。電気モータは、ハウジング40に結合され得る(例えば、取り付けられる)。出力ピニオンは、直接的に(例えば、出力ピニオンは、電気モータの出力シャフトに取り付けられる)、または電気モータと出力ピニオンの間の動力伝達経路に配置される1つまたは複数の歯車(示されていない)を有する変速機(示されていない)を介することより、電気モータによって駆動され得る。
【0032】
[0045]電気モータは、カムプレート254を、第2の回転位置へと駆動するように動作され得るが、それは、カムフォロワ250に対して、カム312の最も浅い部分など、カム312の反対側の円周方向端部に方向付ける位置とすることができる。いくつかの形態では、電気モータは、カムプレート254を望ましい回転位置へと駆動し、その後に、カムプレート254をこの回転位置に保持するために使用され得る。任意選択で、カムプレート254は、電気モータが、カムプレート254を、望ましい回転位置へと回転させる、または駆動したとき、ハウジング40に結合される嵌合停止部材(示されていない)に当接する停止部材(示されていない)を備えて構成され得る。しかし、提供される例では、電気モータへの電力は維持される必要がないように、カムプレート254を望ましい回転位置に維持するために、センサターゲット306b、センサ328、およびロックアクチュエータ262が使用される。
【0033】
[0046]第1および第2の回転位置のそれぞれへのカムプレート254の配置は、センサ328によって感知することができ、またセンサ328は、それに応じて、対応するセンサ信号を生成することができる。例えば、カムプレート254を第1の回転位置に配置することは、センサターゲット306aをセンサ328に方向付けて、センサ328は、それに応じて、第1のセンサ信号を生成するが、第2の回転位置にカムプレート254を配置することは、センサターゲット306bをセンサ328に方向付けて、センサ328は、それに応じて、第2のセンサ信号を生成する。第2のセンサ信号の受信に応じて、制御装置(示されていない)は、ロックアクチュエータ262を制御して、ロックアクチュエータ262をカムプレート254に係合させて、第2の回転位置から外れる(すなわち、ねじりばね258によりカムプレート254に加えられるモーメントに起因する)カムプレート254の回転を阻止することができる。
【0034】
[0047]図10および図12を参照すると、ロックアクチュエータ262は、ハウジング40に対するカムプレート254の回転を阻止するための任意の手段を備えることができる。提供される例では、ロックアクチュエータ262は、ソレノイド組立体400とロック開口部402とを備える。ソレノイド組立体400は、ハウジング40に結合することができ、ソレノイド410と、ソレノイドプランジャ412と、ソレノイドばね414とを含むことができる。ソレノイドプランジャ412は、延ばされた、または掛止された位置と、後退した、または掛止解除された位置との間で、ソレノイド410内で移動可能である。ソレノイドばね414は、ソレノイドプランジャ412を延ばされた、または掛止された位置へと付勢する。ロック開口部402は、環状プレート300の第2の面に形成され、カムプレート254が、第2の回転位置にあるとき、その中にソレノイドプランジャ412を受け入れるように構成される。示された例では、ソレノイドプランジャ412は、球状の半径によって画定される先端420を有し、またロック開口部402は、円錐台形状の側壁422を有する。ソレノイドプランジャ412の先端420の輪郭、およびロック開口部402の側壁422の輪郭は、電力がソレノイド410または電気モータに提供されないとき、ソレノイドプランジャ412が、ねじりばね258により、後退した、または掛止解除された位置に向けて駆動されるようにする。
【0035】
[0048]図5図7、および図12を参照すると、駆動ユニット30の動作中に、電力が電気モータまたはソレノイド410に提供されない場合、ねじりばね258は、図7で示されるように、カム312の最も深い部分がカムフォロワ250に位置合せされる第1の回転位置へと、カムプレート254を付勢し、したがって、プランジャ206は、その延長位置に配置されて、第1の本体部分232が、歯止め本体220に接触し、歯止め204が、枢動軸226周りで、図6で示されるように、係合歯222が駐車歯車202に係合するように配置される。この状態において、中間シャフト72は、ハウジング40に対して、有効に、非回転可能にロックされ、また駐車ロック機構200の構成に起因して、各係合歯222および各駐車歯車202により伝達される負荷は等しくなる。この状態において、センサターゲット306aは、センサ328に位置合せされ、センサ328は、それに応じて第1のセンサ信号を生成する。第1のセンサ信号は、制御装置(示されていない)により受け取られて、カムプレート254が回転位置にあると決定するために使用することができ、それは、駐車ロック機構200に、中間シャフト72をハウジング40に対してロックさせる。ロックアクチュエータ262のソレノイドばね414は、ソレノイドプランジャ412の先端420を、環状プレート300の第2の面に対して付勢する。
【0036】
[0049]ハウジング40に対して中間シャフト72が回転できるように、中間シャフト72をハウジング40からロックを解除するために、電力を電気モータに加えることができ、出力ピニオンを駆動して、カムプレート254を、その回転軸周りで第1の回転方向に対応して回転させるようにする。図9で示されるように、カムプレート254の第2の回転方向への回転は、カムフォロワ250に対して、溝またはカム312のより浅い部分へと徐々に位置合せして、プランジャ206を、その延長位置から後退した位置へと移動させる。プランジャ206の第1の本体部分232および遷移部分234のテーパの付いた構成、ならびにねじりばね258により歯止め204に加えられたモーメントにより、係合歯222は、プランジャ206が徐々にその後退位置の方に移動すると、駐車歯車202の歯216から徐々に離れるように移動される。図8および図9で示されるように、プランジャ206の第2の本体部分236と接触する歯止め204の配置は、係合歯222を、駐車歯車202から離れて、駐車歯車202、したがって、中間シャフト72が、ハウジング40に対して自由に回転できる位置に位置決めする。第1の回転方向へのカムプレート254のさらなる回転は、カムプレート254を第2の回転位置に位置決めし、それは、センサターゲット306bをセンサ328へと方向付け、したがって、センサ328は、それに応じて、第2のセンサ信号を生成する。第2のセンサ信号に受信に応じて、制御装置は、電力をソレノイド410に提供して、ソレノイドプランジャ412をロック開口部402の中へと駆動し、ソレノイドプランジャ412をこの位置に保持することができる。任意選択で、制御装置はまた、モータへの電力の供給を終了することもできる。カムプレート254を第1の回転位置に向けて強制するために、ねじりばね258によってカムプレート254に加えられるモーメントは、電力がソレノイド410に供給されたとき、ソレノイドプランジャ412をロック開口部402の外へと強制するには不十分である。
【0037】
[0050]ハウジング40に対して中間シャフト72を再度ロックして、ハウジング40に対する中間シャフト72の回転を阻止するために、ソレノイド410に対する電力の供給が終了される。カムプレート254を、第1の回転位置に向けて強制するために、ねじりばね258によってカムプレート254に加えられるモーメントは、ソレノイドばね414によってソレノイドプランジャ412に加えられる力に打ち勝つには十分であり、ソレノイドプランジャ412を強制してロック開口部402の外に出す。ねじりばね258によりカムプレート254に加えられるモーメントは、カムプレート254を、第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転させる。カムプレート254が、第1の回転位置に向けて回転し、その位置になると、第2の回転方向へのカムプレート254の回転は、歯車部分302の歯車の歯に、出力ピニオンを逆駆動させることができる。第2の回転方向へのカムプレート254の回転はまた、カムフォロワ250に対して、溝またはカム312のより深い部分に徐々に位置を合わせ、プランジャ206をその後退位置からその延長位置へと移動させる。プランジャ206のそれぞれの遷移部分234および第1の本体部分232のテーパの付いた構成のため、カムプレート254が第2の回転方向に回転されたとき、歯止め本体220とプランジャ206の間の接触は、歯止め204を枢動軸226周りで駆動し、したがって、係合歯222は、その各駐車歯車202に向けて回転する。係合歯222は、駐車歯車202が受入れ位置に方向付けられている状況において、駐車歯車202の谷218の中に直接移動することができる。他の状況では、谷218の中への係合歯222の移動はブロックされ得るが、それは、駐車歯車202が、各係合歯222が、駐車歯車202の関連するものの歯に接触する位置を向いているからである。しかし、プランジャ付勢ばね208は、中間シャフト72がわずかに回転したとき、プランジャ206をその延長位置へと駆動する順応性を提供する(第1の本体部分232の外側表面が歯止め204と係合し、それにより係合歯222を駆動して、駐車歯車202と係合させるようにする)。
【0038】
[0051]諸実施形態の前述の記述は、例示および説明のために提供されている。それは、網羅的であるように、または本開示を限定するように意図されるものではいない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、概して、その特定の実施形態に限定されるのではなく、適用可能な場合は、具体的に示されていない、または述べられていない場合であっても、相互に交換可能であり、また選択された実施形態で使用され得る。本開示はまた、多くの方法で変更することができる。このような変更は、本開示からの逸脱であると見なすべきではなく、このような修正のすべては、本開示の範囲内に含まれるように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動モジュール(24)であって、
モーター出力シャフト(56)を有する電気モータ(42)と、
被駆動歯車(66)と、
前記被駆動歯車(66)によって駆動される差動組立体(46)と、
前記電気モータ(42)と前記被駆動歯車(66)の間で回転動力を伝達する変速機(44)と、前記変速機(44)は、駆動歯車(60)1対の第1の減速歯車(62)、および1対の第2の減速歯車(64)を含み、前記駆動歯車(60)は、第1の軸(58)周りで共に回転するために前記モーター出力シャフト(56)に結合され、前記第1の減速歯車(62)のそれぞれは、前記駆動歯車(60)とかみ合い係合され、各第2の軸(74)周りで回転可能であり、ここにおいて、前記第2の軸(74)は互いに離間され、また前記第1の軸(58)に平行であり、前記第2の減速歯車(64)のそれぞれは、前記被駆動歯車(66)にかみ合い係合され、また前記第1の減速歯車(62)の関連するものに非回転可能に結合され
ここにおいて、前記被駆動歯車(66)は第3の軸(76)周りで回転可能である、
を有する、電気駆動モジュール(24)。
【請求項2】
前記差動組立体(46)は、差動入力部材(80)を含み、前記被駆動歯車(66)は、前記第3の軸(76)周りで共通の回転を行うように前記差動入力部材(80)に結合される、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項3】
前記差動組立体(46)は、差動歯車セット(82)を含む、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項4】
前記差動歯車セット(82)は、1対のサイド歯車(92)とかみ合い係合される複数の差動ピニオン(90)を備える、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項5】
1対の前記差動ピニオン(90)は、前記差動入力部材(80)に取り付けられたクロスピン(94)に取り付けられる、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項6】
前記変速機(44)および前記差動組立体(46)が中に受け入れられるハウジング(40)と、
1対の駐車歯車(202)と、前記駐車歯車(202)のそれぞれは、前記第2の減速歯車(64)の関連するものに非回転可能に結合される、
1対の係合歯(222)を有する歯止め(204)と、前記歯止め(204)は、前記ハウジング(40)に結合され、また前記係合歯(222)のそれぞれが、前記駐車歯車(202)の対応するものと係合する係合位置と、前記係合歯(222)が、前記駐車歯車(202)から係合解除される係合解除位置との間で枢動可能である、
第1の位置と第2の位置の間で移動可能な1対のプランジャ(206)と、前記プランジャ(206)のそれぞれが、第1の本体部分(232)、および前記第1の本体部分(232)よりも直径が小さい第2の本体部分(236)を有し、ここにおいて、前記プランジャ(206)の前記第1の本体部分(232)と前記歯止め(204)との間の接触が、前記歯止め(204)を前記係合位置に位置決めし、ここにおいて、前記プランジャ(206)の前記第2の本体部分(236)が、前記歯止め(204)に接触したとき、前記歯止め(204)は、前記係合解除位置に配置される、
をさらに備える、請求項1に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項7】
前記歯止め(204)が、前記係合位置にあるとき、前記係合歯(222)の第1のものと、前記駐車歯車(202)の第1のものとの間で伝達される第1の負荷は、前記係合歯(222)の第2のものと、前記駐車歯車(202)の第2のものとの間で伝達される第2の負荷に等しい、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項8】
前記歯止め(204)は、枢動軸(226)上で枢動可能に配置され、前記歯止め(204)と前記枢動軸(226)の間の嵌合は、前記枢動軸(226)に対する前記歯止め(204)の回転しない動きを可能にして、前記係合歯(222)と前記駐車歯車(202)の間で伝達される負荷が等しくなるようにする、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項9】
前記プランジャ(206)の前記第1の本体部分(232)は、円錐台形状をしている、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項10】
各プランジャ(206)は、前記第1の本体部分(232)と前記第2の本体部分(236)の間に配置される遷移部分(234)をさらに備え、前記遷移部分(234)は、円錐台形状をしており、前記第1の本体部分(232)の円錐角は、前記遷移部分(234)の円錐角よりも小さい、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項11】
前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記プランジャ(206)の動きを制御するためのアクチュエータ(210)をさらに備え、前記アクチュエータ(210)は、アクチュエータハブ(252)と、カムプレート(254)と、複数のカムフォロワ(250)とを備え、前記アクチュエータハブ(252)は前記ハウジング(40)に結合され、前記カムプレート(254)は、前記アクチュエータハブ(252)周りで回転可能であり、また1対のカム(312)を画定し、前記カム(312)のそれぞれは、第1の円周方向端部(320)と第2の円周方向端部(322)の間でテーパの付いた深さを有する円周方向に延びる溝であり、前記カムフォロワ(250)のそれぞれは、前記カム(312)の対応するものに受け入れられ、また前記プランジャ(206)の関連するものと1列に配置される、請求項に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項12】
前記カムフォロワ(250)のそれぞれは、前記プランジャ(206)の前記関連するものに対して固定して係合される、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項13】
前記アクチュエータ(210)は、前記アクチュエータハブ(252)と前記カムプレート(254)の間に配置されたねじりばね(258)をさらに含み、前記ねじりばね(258)は、前記カムプレート(254)を、前記アクチュエータハブ(252)に対して第1の回転位置に向けて付勢する、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項14】
前記アクチュエータ(210)は、ロックアクチュエータ(262)をさらに含み、前記ロックアクチュエータ(262)は、ソレノイド組立体(400)とロック開口部(402)とを有し、前記ソレノイド組立体(400)はソレノイドプランジャ(412)を有し、前記ロック開口部(402)は前記カムプレート(254)に形成され、前記ソレノイド組立体(400)は、前記カムプレート(254)が、前記カム(312)の前記第2の円周方向端部(322)を前記カムフォロワ(250)に位置合せする回転位置へと回転されたとき、付勢されて前記ソレノイドプランジャ(412)を前記ロック開口部(402)の中に受け入れて前記カムプレート(254)に係合させる、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項15】
軸受(256)が、前記アクチュエータハブ(252)と前記カムプレート(254)の間に半径方向に配置される、請求項11に記載の電気駆動モジュール(24)。
【請求項16】
前記第3の軸(76)は前記第1の軸(58)に平行である、請求項1に記載の電気駆動モジュール(24)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
[0051]諸実施形態の前述の記述は、例示および説明のために提供されている。それは、網羅的であるように、または本開示を限定するように意図されるものではいない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、概して、その特定の実施形態に限定されるのではなく、適用可能な場合は、具体的に示されていない、または述べられていない場合であっても、相互に交換可能であり、また選択された実施形態で使用され得る。本開示はまた、多くの方法で変更することができる。このような変更は、本開示からの逸脱であると見なすべきではなく、このような修正のすべては、本開示の範囲内に含まれるように意図されている。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 電気駆動モジュール(24)であって、
電気モータ(42)と、
差動組立体(46)と、
前記電気モータ(42)と前記差動組立体(46)の間で回転動力を伝達する変速機(44)と、前記変速機(44)は、第1の減速機および第2の減速機を含み、前記第1の減速機は、駆動歯車(60)および1対の第1の減速歯車(62)を有し、前記駆動歯車(60)は、第1の軸(58)周りで回転可能であり、前記第1の減速歯車(62)のそれぞれは、前記駆動歯車(60)とかみ合い係合され、各第2の軸(74)周りで回転可能であり、ここにおいて、前記第2の軸(74)は互いに離間され、また前記第1の軸(58)に平行であり、前記第2の減速機は、被駆動歯車(66)および1対の第2の減速歯車(64)を有し、前記被駆動歯車(66)は、前記第1の軸(58)に平行な第3の軸(76)周りで回転可能であり、前記第2の減速歯車(64)のそれぞれは、前記被駆動歯車(66)にかみ合い係合され、また前記第1の減速歯車(62)の関連するものに非回転可能に結合される、
を有する、電気駆動モジュール(24)。
[2] 前記電気モータ(42)は、出力シャフト(56)を含み、前記駆動歯車(60)は、前記第1の軸(58)周りで共に回転するために前記出力シャフト(56)に結合される、[1]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[3] 前記差動組立体(46)は、差動入力部材(80)を含み、前記被駆動歯車(66)は、前記第3の軸(76)周りで共通の回転を行うように前記差動入力部材(80)に結合される、[2]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[4] 前記差動組立体(46)は、差動歯車セット(82)を含む、[3]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[5] 前記差動歯車セット(82)は、1対のサイド歯車(92)とかみ合い係合される複数の差動ピニオン(90)を備える、[4]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[6] 1対の前記差動ピニオン(90)は、前記差動入力部材(80)に取り付けられたクロスピン(94)に取り付けられる、[5]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[7] 前記差動組立体(46)は、差動入力部材(80)を含み、前記被駆動歯車(66)は、前記第3の軸(76)周りで共通の回転を行うように前記差動入力部材(80)に結合される、[1]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[8] 前記差動組立体(46)は、差動歯車セット(82)を含む、[7]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[9] 前記差動歯車セット(82)は、1対のサイド歯車(92)とかみ合い係合される複数の差動ピニオン(90)を備える、[8]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[10] 1対の前記差動ピニオン(90)は、前記差動入力部材(80)に取り付けられたクロスピン(94)に取り付けられる、[9]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[11] 前記変速機(44)および前記差動組立体(46)が中に受け入れられるハウジング(40)と、
1対の駐車歯車(202)と、前記駐車歯車(202)のそれぞれは、前記第2の減速歯車(64)の関連するものに非回転可能に結合される、
1対の係合歯(222)を有する歯止め(204)と、前記歯止め(204)は、前記ハウジング(40)に結合され、また前記係合歯(222)のそれぞれが、前記駐車歯車(202)の対応するものと係合する係合位置と、前記係合歯(222)が、前記駐車歯車(202)から係合解除される係合解除位置との間で枢動可能である、
第1の位置と第2の位置の間で移動可能な1対のプランジャ(206)と、前記プランジャ(206)のそれぞれが、第1の本体部分(232)、および前記第1の本体部分(232)よりも直径が小さい第2の本体部分(236)を有し、ここにおいて、前記プランジャ(206)の前記第1の本体部分(232)と前記歯止め(204)との間の接触が、前記歯止め(204)を前記係合位置に位置決めし、ここにおいて、前記プランジャ(206)の前記第2の本体部分(236)が、前記歯止め(204)に接触したとき、前記歯止め(204)は、前記係合解除位置に配置される、
をさらに備える、[1]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[12] 前記歯止め(204)が、前記係合位置にあるとき、前記係合歯(222)の第1のものと、前記駐車歯車(202)の第1のものとの間で伝達される第1の負荷は、前記係合歯(222)の第2のものと、前記駐車歯車(202)の第2のものとの間で伝達される第2の負荷に等しい、[11]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[13] 前記歯止め(204)は、枢動軸(226)上で枢動可能に配置され、前記歯止め(204)と前記枢動軸(226)の間の嵌合は、前記枢動軸(226)に対する前記歯止め(204)の回転しない動きを可能にして、前記係合歯(222)と前記駐車歯車(202)の間で伝達される負荷が等しくなるようにする、[11]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[14] 前記プランジャ(206)の前記第1の本体部分(232)は、円錐台形状をしている、[11]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[15] 各プランジャ(206)は、前記第1の本体部分(232)と前記第2の本体部分(236)の間に配置される遷移部分(234)をさらに備え、前記遷移部分(234)は、円錐台形状をしており、前記第1の本体部分(232)の円錐角は、前記遷移部分(234)の円錐角よりも小さい、[14]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[16] 前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記プランジャ(206)の動きを制御するためのアクチュエータ(210)をさらに備え、前記アクチュエータ(210)は、アクチュエータハブ(252)と、カムプレート(254)と、複数のカムフォロワ(250)とを備え、前記アクチュエータハブ(252)は前記ハウジング(40)に結合され、前記カムプレート(254)は、前記アクチュエータハブ(252)周りで回転可能であり、また1対のカム(312)を画定し、前記カム(312)のそれぞれは、第1の円周方向端部(320)と第2の円周方向端部(322)の間でテーパの付いた深さを有する円周方向に延びる溝であり、前記カムフォロワ(250)のそれぞれは、前記カム(312)の対応するものに受け入れられ、また前記プランジャ(206)の関連するものと1列に配置される、[11]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[17] 前記カムフォロワ(250)のそれぞれは、前記プランジャ(206)の前記関連するものに対して固定して係合される、[16]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[18] 前記アクチュエータ(210)は、前記アクチュエータハブ(252)と前記カムプレート(254)の間に配置されたねじりばね(258)をさらに含み、前記ねじりばね(258)は、前記カムプレート(254)を、前記アクチュエータハブ(252)に対して第1の回転位置に向けて付勢する、[16]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[19] 前記アクチュエータ(210)は、ロックアクチュエータ(262)をさらに含み、前記ロックアクチュエータ(262)は、ソレノイド組立体(400)とロック開口部(402)とを有し、前記ソレノイド組立体(400)はソレノイドプランジャ(412)を有し、前記ロック開口部(402)は前記カムプレート(254)に形成され、前記ソレノイド組立体(400)は、前記カムプレート(254)が、前記カム(312)の前記第2の円周方向端部(322)を前記カムフォロワ(250)に位置合せする回転位置へと回転されたとき、付勢されて前記ソレノイドプランジャ(412)を前記ロック開口部(402)の中に受け入れて前記カムプレート(254)に係合させる、[16]に記載の電気駆動モジュール(24)。
[20] 軸受(256)が、前記アクチュエータハブ(252)と前記カムプレート(254)の間に半径方向に配置される、[16]に記載の電気駆動モジュール(24)。
【国際調査報告】