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特表2022-543936道路環境情報の自動化クラウドソーシング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】道路環境情報の自動化クラウドソーシング
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521791
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2021-04-21
(86)【国際出願番号】 US2020045802
(87)【国際公開番号】W WO2021030366
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】16/541,652
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ブラディメロス ブラディメロウ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC01
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL14
5H181MB02
(57)【要約】
道路関連情報をクラウドソーシングする方法およびシステム。クラウドソーシングされた道路関連情報は、車線レベルの警察の存在および/または動けない道路脇の車両の存在に関する特定車線データを含むことができる。クラウドソーシングされた道路関連情報は、車線レベルの車両間隔情報を含みうる。特定車線データを、クラウドソーシングされた道路状況サーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり得、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こり得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路関連情報をクラウドソーシングするシステムであって、
特定車線データを得る車両センサシステムと、
前記車両センサシステムに結合され、前記特定車線データをサーバに通信で送り、前記サーバから特定車線状況を受信する通信装置を備え、
前記特定車線データは、少なくとも車線レベルの警察の存在を示す、
システム。
【請求項2】
前記特定車線データは、少なくとも車線レベルの車両間隔情報を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記特定車線データを前記サーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記車両センサシステムは、車両カメラ、車両レーダー、および車両位置検出システムの少なくとも1つ以上を備えており、
前記車両位置検出システムは、全地球測位システムを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記特定車線データは、少なくとも動けない道路脇の車両の存在を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、および路肩の長さの1つ以上に関する情報を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、開放されている、および閉鎖されている車線の状況、事故の位置、動けない車両の位置、道路上の穴の状況、氷の張った道路の状況、交通渋滞状況、および車両速度状況の1つ以上に関する情報を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体であって、演算システムにより実行されると、前記演算システムに、
車両センサシステムを介して、特定車線データを収集させ、
前記車両センサシステムに結合されている通信装置を介して、前記特定車線データをサーバに通信で送らせ、
前記通信装置を介して、前記サーバから特定車線状況を受信させる、
実行可能プログラム命令のセットを備えており、
前記特定車線データは、少なくとも車線レベルの警察の存在を示す、少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項9】
前記特定車線データを前記サーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こる、請求項8に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項10】
前記特定車線データは、少なくとも車線レベルの車両間隔情報を示す、請求項8に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項11】
前記車両センサシステムは、車両カメラ、車両レーダー、および車両位置検出システムの1つ以上を備え、
前記車両位置検出システムは、全地球測位システムを備えている、請求項8に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項12】
前記特定車線データは、少なくとも動けない道路脇の車両の存在を示す、請求項8に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項13】
前記特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、および路肩の長さの1つ以上に関する情報を備えている、請求項8に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項14】
前記特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、開放されている、および閉鎖されている車線の状況、衝突事故の位置、動けない車両の位置、道路上の穴の状況、氷の張った道路の状況、交通渋滞状況、および車両速度状況の1つ以上に関する情報を備えている、請求項8に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体。
【請求項15】
道路関連情報をクラウドソーシングする方法であって、
車両センサシステムを介して、特定車線データを得ることと、
前記車両センサシステムに結合されている通信装置を介して、前記特定車線データをサーバに通信で送ることと、
前記通信装置を介して、前記サーバから特定車線状況を受信することと、
を有し、
前記特定車線データは、少なくとも車線レベルの警察の存在を示す、方法。
【請求項16】
前記特定車線データを前記サーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記特定車線データは、少なくとも車線レベルの車両間隔情報を示す、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記車両センサシステムは、車両カメラ、車両レーダー、および車両位置検出システムの1つ以上を備え、
前記車両位置検出システムは、全地球測位システムを備えている、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記特定車線データは、少なくとも動けない道路脇の車両の存在を示す、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、および路肩の長さの1つ以上に関する情報を備えている、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月15日に出願された、米国非仮特許出願第16/541,652号の優先権を主張するPCT国際特許出願であり、その主題全体を組み入れている。
【0002】
実施形態は全体的には、車両自動化クラウドソーシングに関する。特に、実施形態は、道路環境情報の自動化クラウドソーシングに関する。
【背景技術】
【0003】
運転者は、車両ナビゲーションアプリケーションからしばしば支援を受けることができる。これらの車両ナビゲーションアプリケーションは、更新されたリアルタイムの情報の不足、特定車線情報(lane-specific information)の不足、および/または、特定道路環境情報の不足により悪影響を受け得る。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態においては、道路関連情報をクラウドソーシングするシステムは、車両センサシステム、および車両センサシステムに結合されている通信装置を含んでいる。車両センサシステムは、特定車線データを得るように構成されている。通信装置は、特定車線データをサーバに通信で送り、サーバから特定車線状況を受信するように構成されている。特定車線データは、車線レベルの警察の存在(lane-level police presence)を含んでいる。
【0005】
システムの幾つかの実現形態においては、特定車線データは、少なくとも車線レベルの車両間隔情報を示す。
【0006】
システムの幾つかの実現形態においては、特定車線データをサーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こる。
【0007】
システムの幾つかの実現形態においては、車両センサシステムは、車両カメラ、車両レーダー、および車両位置検出システム(vehicle location system)の1つ以上を含み、車両位置検出システムは、全地球測位システムを含んでいる。
【0008】
システムの幾つかの実現形態においては、特定車線データは、少なくとも動けない(disabled)道路脇の車両の存在を示す。
【0009】
システムの幾つかの実現形態においては、特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線(pull-over lane)の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、および路肩の長さの1つ以上に関する情報を含んでいる。
【0010】
システムの幾つかの実現形態においては、特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、開放されている、および閉鎖されている車線の状況、事故の位置、動けない車両の位置、道路上の穴(pothole)の状況、氷の張った道路の状況、交通渋滞状況、および車両速度状況の1つ以上に関する情報を含んでいる。
【0011】
他の実施形態においては、少なくとも1つのコンピュータ可読格納媒体は、演算システムにより実行されると、演算システムに、車両センサシステムを介して、特定車線データを得るようにさせ、車両センサシステムに結合されている通信装置を介して、特定車線データをサーバに通信で送らせ、通信装置を介して、サーバから特定車線状況を受信させる実行可能プログラム命令のセットを含んでいる。特定車線データは、車線レベルの警察の存在を含んでいる。
【0012】
コンピュータ可読格納媒体の幾つかの実現形態においては、特定車線データをサーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こる。
【0013】
コンピュータ可読格納媒体の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、少なくとも車線レベルの車両間隔情報を示す。
【0014】
コンピュータ可読格納媒体の幾つかの実現形態においては、車両センサシステムは、車両カメラ、車両レーダー、および車両位置検出システムの1つ以上を含み、車両位置検出システムは、全地球測位システムを含んでいる。
【0015】
コンピュータ可読格納媒体の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、少なくとも動けない道路脇の車両の存在を示す。
【0016】
コンピュータ可読格納媒体の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、および路肩の長さの1つ以上に関する情報を含んでいる。
【0017】
コンピュータ可読格納媒体の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、開放されている、および閉鎖されている車線の状況、衝突事故の位置、動けない車両の位置、道路上の穴の状況、氷の張った道路の状況、交通渋滞状況、および車両速度状況の1つ以上に関する情報を含んでいる。
【0018】
更に他の実施形態においては、道路関連情報をクラウドソーシングする方法は、車両センサシステムを介して、特定車線データを得ることと、車両センサシステムに結合されている通信装置を介して、特定車線データをサーバに通信で送ることと、通信装置を介して、サーバから特定車線データを受信することを含んでいる。特定車線データは、車線レベルの警察の存在を含んでいる。
【0019】
方法の幾つかの実現形態においては、特定車線データをサーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こる。
【0020】
方法の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、少なくとも車線レベルの車両間隔情報を示す。
【0021】
方法の幾つかの実現形態においては、車両センサシステムは、車両カメラ、車両レーダー、および車両位置検出システムの1つ以上を含み、車両位置検出システムは、全地球測位システムを含んでいる。
【0022】
方法の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、少なくとも動けない道路脇の車両の存在を示す。
【0023】
方法の幾つかの実現形態においては、特定車線データは、複数の車線の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報と、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、および路肩の長さの1つ以上に関する情報を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施形態の種々の利点は、下記の明細書および付随する請求項を読み、下記の図面を参照することにより、この技術における当業者には明白になるであろう。
【0025】
図1】実施形態に係る、車両の特定車線案内システムの例のブロック図である。
図2】実施形態に係る、特定車線案内システムを利用する車両の例の図である。
図3】実施形態に係る、車両の特定車線案内システムを動作させる方法の例のフローチャートである。
図4】例としての実施形態に係る、特定車線案内システムの実現形態の例としてのスクリーンショットである。
図5】例としての実施形態に係る、特定車線案内システムの幾つかの実現形態の例としてのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上記のように、運転者は、車両ナビゲーションアプリケーションからしばしば支援を受けることができる。これらの車両ナビゲーションアプリケーションは、更新されたリアルタイムの情報の不足、特定車線情報の不足、および/または、特定道路環境情報の不足により悪影響を受け得る。
【0027】
下記により詳細に記述されるように、ここにおいて開示される幾つかの実現形態においては、より良好な交通案内を提供するシステムは、複数の車両からの、個々の車両車線に関連する道路環境情報を自動的に送る。例えば、複数の車両は、複数のセンサから収集された道路環境情報を送ることができる。複数の車両は、道路環境情報をクラウドソーシングするために、指定されたデータベース(例えば、クラウドデータベース)に道路環境情報を送ることができる。そのような実現形態においては、複数の車両および複数のセンサ(例えば、レーダー、ライダー、ソナー、および/またはカメラを使用して)からのデータにより、特定車線道路状況を確認できる。複数の車両および複数のセンサからのこの未処理データは、クラウドソーシングされた(crowd sourced)道路状況データベースにアップロードできる。
【0028】
幾つかの例においては、個々の車両車線に関連する道路状況情報の自動化クラウドソーシングのためのシステムは、下記の、車線の速度、車線の密度、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、プルオーバ車線の幅、ガードレールなど、および/またはそれらの組み合わせの1つ以上に関する情報を含むことができる。個々の車両車線に関連するそのような道路環境情報は、より良好な交通案内を提供するために、指定されたデータベースに情報を送る複数の車両および複数のセンサから得ることができる。そのような道路環境情報は、特定車線案内を車両の運転者に出力するために、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーションが随意的に利用できる。下記により詳細に記述されるように、車両は、車線識別を実行でき(または、車線識別は代替的に、クラウドデータベースから遠隔的に実行できる)、観測された隣接車線の速度、密度など、および/またはそれらの組み合わせをクラウドデータベースにアップロードする。車線レベルの交通マップは、少なくとも部分的には、クラウドデータベースにアップロードされた特定車線情報に基づいて実装(populate)できる。
【0029】
ここにおいて使用されているように、「車線レベル(lane-level)」および/または「特定車線(lane-specific)」という用語は、全体としての車道ではなく、個々の車線、路肩、縁石領域などのように、車道の特定のより細かい部分と関連付けられている交通状況、道路状況、および/または、マップ案内のことを指している。
【0030】
より具体的には、道路関連情報をクラウドソーシングする技術を提供できる方法およびシステムが下記に記述される。幾つかの実現形態においては、クラウドソーシングされた道路関連情報は、車線レベルの警察の存在に関する特定車線データを含むことができる。追加的に、または代替的に、クラウドソーシングされた道路関連情報は、車線レベルの車両間隔情報を含むことができる。更に、特定車線データを、クラウドソーシングされた道路状況サーバに通信で送ることは、1つのモードにおいては自動的に起こり得、他のモードにおいては、ユーザからの認可後のみに起こり得る。
【0031】
ここで図1を参照すると、車両(例えば、自動車、タクシー、シャトル、トラック、バン、スポーツ汎用車(SUV)、飛行機など)の一部は、特定車線案内システム100を含むことができる。ある実施形態においては、特定車線案内システム100は、道路関連情報をクラウドソーシングするために利用できる。例えば、特定車線案内システム100は、ネットワーククラウド106上で、無線通信104を介して、特定車線データを通信で送ることができる(例えば、特定車線データをサーバ102(例えば、クラウドソーシングされた道路状況サーバ)に通信で送ることができる)。
【0032】
幾つかの例においては、特定車線案内システム100からクラウドソーシングされた道路状況サーバ102に、特定車線データを通信で送ることは、1つのモード(例えば、自動モード)においては自動的に起こることができる。代替的に、特定車線案内システム100からクラウドソーシングされた道路状況サーバ102に、特定車線データを通信で送ることは、他のモード(例えば、ユーザ認可モード)においては、ユーザからの認可後のみに起こることができる。例えば、自動モードをデフォルトモードとして設定でき、ユーザは、自動モードではなく、ユーザ認可モードを使用することを選択できる。逆に、ユーザ認可モードをデフォルトモードとして設定でき、ユーザは、ユーザ認可モードをデフォルトモードではなく、自動モードを使用することを選択できる。
【0033】
幾つかの例においては、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、クラウドデータベース108に情報を格納できる。クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110をサポートできる。例えば、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110は、特定車線案内を車両の運転者に提示するために、特定車線案内システム100と関連付けることができる。クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110は、WAZETM、GASBUDDYTM、Google MapsTM、Apple MapsTM、ソーシャルメディアタイプ道路状況アプリケーション、または、類似のマップアプリケーションの修正版を含むことができ、またはそれと関連付けることができる。
【0034】
例示されている実現形態においては、特定車線案内システム100は、車両搭載型、手持ち型、デスクトップ型の何れであってもよく、または、単一演算装置の他の形状であってよく、または、多数の演算装置から構成されてもよい。例えば、特定車線案内システム100は、情報を編集または処理できる、中央演算装置および/または他のタイプの類似の装置、または多数の装置のような、1つ以上のプロセッサ112を含むことができる。特定車線案内システム100は、ランダムアクセスメモリデバイス(RAM)または、他の適切なタイプの格納装置などのようなメモリ114を含むことができる。示されている例においては、メモリ114は、バス116を使用してプロセッサ112がアクセスできるクラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110を随意的に含むことができる。
【0035】
幾つかの例においては、特定車線案内システム100は、特定車線データを得るために車両センサシステム120を含んでいる。例えば、車両センサシステム120は、1台以上の車両カメラ122、車両レーダー124(および/またはライダー、またはソナー)、車両位置検出システム126など、および/または、それらの組み合わせを含むことができる。1つの例においては、車両位置検出システム126は、全地球測位システム(GPS)を含むことができる。
【0036】
例示されている実現形態においては、特定車線案内システム100は、車両センサシステム120に結合されている通信装置130を含むことができる。動作においては、通信装置130は、特定車線データを、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102に通信で送ることができ、無線通信104を介して、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102から特定車線状況を受信できる。1つの例においては、通信装置は、無線通信104を促進するために車内ナビゲーションシステム132を含むことができる。追加的に、または、代替的に、通信装置は、無線通信104を促進するためにモバイルフォン134(例えば、パーソナルセルフォン)を含むことができる。例示されている実現形態においては、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110は、代替的に、または追加的に、特定車線案内を車両の運転者に提示するためにモバイルフォン上で作動できる。示されている例においては、そのような特定車線案内は、車両の表示インタフェース136を介して、車両の運転者に提示できる。
【0037】
幾つかの例においては、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、対応する複数の車両センサシステム(例えば、対応する複数の車両と関連付けられている複数のセンサシステム120)を有する複数の車両から特定車線データを受信するために動作できる。クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、特定車線データをクラウドデータベース108に格納するために動作できる。そして、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、複数の車両からの受信特定車線データに応答して、特定車線交通マップを更新できる。クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、複数の車両からの受信特定車線データに応答して、個々の運転者に特定車線案内を提供できる。
【0038】
示されている例においては、特定車線案内システム100は、自己運転車両システムがなくても動作するように構成できる。例えば、特定車線案内システム100は、自己運転機能を含んでいない車両において実現できる。他の例においては、特定車線案内システム100は、そのような自己運転車両システムと連携して動作するように構成できる。
【0039】
図2は、特定車線案内システム100を利用している、例としての車両200の図を示している。例示されている実現形態においては、特定車線案内システム100は、複数の車線(例えば、第1車線202、第2車線204、および第3車線206)の何れの車線に状況が当てはまるかに関する情報を検出できる。
【0040】
示されている例においては、特定車線案内システム100は、車線レベルの警察の存在を検出する。例えば、特定車線案内システム100は、車両カメラ122および/または車両ライダー224からの、光学式文字認識(OCR)、コンピュータビジョンなど、および/またはそれらの組み合わせの処理データを介して、警察車両207を検出および識別できる。例えば、特定車線案内システム100は、図5に関して下記により詳細に記述されるように、道路脇、路肩上などの警察車両207の存在を検出および識別できる。特定車線案内システム100は、警察の存在と関連付けられている車線レベルの位置を割り当てることができる。警察車両207は、例えば、中央分離帯216、車線202/204/206、プルオーバ車線210、路肩212、および/または縁石214において検出、識別でき、および位置を検出できる。追加的に、または代替的に、特定車線案内システム100は、そのエリアにおいては、レーダー速度検出が使用されていることを示す、車両レーダー124からの情報を介して、警察車両207を検出および識別できる。更に、特定車線案内システム100は、運転者に、警察による停止、警察による召喚、警察による逮捕など、および/またはそれらの組み合わせに関する履歴データに基づく警察の存在を例示している特定車線データを提示できる。
【0041】
追加的に、または代替的に、特定車線案内システム100は、車線レベルの車両間隔状況を検出できる。例えば、特定車線案内システム100は、車両ライダー224(および/またはレーダーまたはソナー)および/または車両カメラ122からのコンピュータビジョン処理データを介して、車両間隔情報209を検出および決定できる。特定車線案内システム100は、車両間隔情報209と関連付けられている車線レベルの位置を割り当てることができる。車両間隔情報209は、例えば、車線202/204/206、プルオーバ車線210、および/または路肩212において、検出、識別でき、および位置を検出できる。交通が通常の速度で移動していても、複数の車両の中には、安全でない停止距離で続いている多くの車両が含まれていることもあり得る。そのような状況においては、運転者は、通信で送られてきているそのような車線レベルの車両間隔状況に基づいて、速度を落とすことを決定できる。同様に、運転者は、車両の自動航行安全機能を起動することを決定でき、例えば、感知された先行車両との距離に応じて航行速度を自動的に落とすことができる。
【0042】
幾つかの例においては、特定車線データは、車線の位置、車線の幅、車線の縁、車線の縁の長さ、縁石の位置、縁石の幅、縁石の長さ、ガードレールの位置、ガードレールのサイズ、ガードレールの長さ、プルオーバ車線の位置、プルオーバ車線の幅、プルオーバ車線の長さ、路肩の位置、路肩の幅、路肩の長さなど、および/またはそれらの組み合わせの1つ以上を含むことができる。示されている例においては、特定車線案内システム100は、例えば、車線202/204/206、ガードレール208、プルオーバ車線210、路肩212、および/または縁石214の検出および識別から、車線レベルの車両間隔情報を検出できる。
【0043】
追加的に、または代替的に、特定車線データは、車線レベルの開放されている、および閉鎖されている車線の状況、車線レベルの衝突事故の位置、車線レベルの動けない車両の位置、車線レベルの交通渋滞状況、車線レベルの道路上の穴の状況、車線レベルの氷の張った道路の状況、車線レベルの交通渋滞状況、車線レベルの車両速度状況など、および/またはそれらの組み合わせの1つ以上を含むことができる。例えば、特定車線案内システム100は、車両カメラ122および/または車両ライダー224からの、光学式文字認識(OCR)、コンピュータビジョン、および/またはそれらの組み合わせの処理データを介して特定車線データを検出および識別できる。
【0044】
図3は、道路関連情報をクラウドソーシングするために特定車線案内システム100を動作させる方法300を示している。ある実施形態においては、方法300は、ロジック命令(例えば、ソフトウェア)、設定可能ロジック、固定機能ハードウェアロジックなど、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実現できる。方法300においては、特定車線案内システム100のある部分が例示されており、図1の特定車線案内システム100の他の部分は、方法の説明を簡略化するために意図的に除去されている。
【0045】
例示されている処理動作302においては、特定車線データを得ることができる。例えば、特定車線データは、車両センサシステム120を介して得ることができる。特定車線案内システム100は、車線識別を実行できる。代替的に、車線識別は、遠隔的に実行でき、例えば、クラウドソーシングされた道路状況サーバまたは、クラウドデータベースと通信する他のシステムにより実行できる。
【0046】
幾つかの実現形態においては、特定車線案内システム100は、周囲の車両のような、周囲の対象物についての情報を使用して、車線識別を実行できる。ここにおいて使用されているように、「周囲の車両」という用語は、特定車線案内システム100を利用している車両のセンサ範囲内に位置している車両または対象物を意味する。例えば、特定車線案内システム100を利用している車両は、特定車線案内システム100を利用している車両に先行する、および/または、後続する周囲の車両を追尾できる。周囲の車両の位置データは、時間の経過において追尾できる。周囲の車両のそのような追尾された位置データを使用して、特定車線案内システム100を利用している車両の現在の位置を推定できる。例えば、特定車線案内システム100を利用している車両の現在の位置は、追尾されている周囲の車両の1つの位置とほぼ縦方向に同じ位置であると推定できる。例えば、車両の現在の位置は、周囲の車両または対象物の以前の位置とほぼ縦方向に同じ位置であると決定することに応答して、車両の現在の位置と、周囲の車両または対象物の以前の位置との間の横方向のオフセットを決定できる。横方向のオフセットは、特定車線案内システム100を利用している車両の現在の走行車線を識別し、車線の交差を決定し、走行車線確率分布を決定するなど、および/またはそれらの組み合わせを実行するために使用できる。
【0047】
追加的に、または代替的に、特定車線案内システム100は車線識別を、車両が車道の複数の車線の特別な車線にいる確率を示す、車線識別信頼性の判断を生成することにより実行できる。車線識別信頼性の判断は、任意の検出された車線の交差、車道における車線の数、車両の現在の位置における車両の左側および右側の車線標識のタイプ、および/または、車両の走行の前方方向における車両の現在の位置の前方の車線標識のタイプ、および/または、瞬間的な車線識別信頼性の判断と、現在のサンプリング時間期間に先行する車線識別信頼性の判断との重み付け平均に基づくことができる。幾つかの実現形態においては、車線識別信頼性の判断は、現在のサンプリング時間に先行する車線識別信頼性の判断の関数、最後の距離リセットから車両が走行した距離、現在のサンプリング時間の間に車両が走行した距離、および、現在のサンプリング時間の間に、車道における車両の瞬間的な位置において計算された瞬間的な車線識別信頼性の判断ベクトル確率に少なくとも部分的に基づいて計算できる。
【0048】
例示されている処理動作304においては、ユーザからのユーザの認可を催促および記録できる。例えば、特定車線データを、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102に通信で送ることは、1つのモードにおいては、ユーザからの認可の後のみに起こることができる。他のモードにおいては、特定車線データを、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102に通信で送ることは自動的に起こることができる。
【0049】
例示されている処理動作306においては、特定車線データを通信で送ることができる。例えば、特定車線データは、通信装置(図1参照)を介して、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110からクラウドソーシングされた道路状況サーバ102に通信で送ることができる。
【0050】
例示されている処理動作308においては、特定車線データを、対応する複数の車両センサシステムを有している複数の車両から受信および格納できる。例えば、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は特定車線データを受信でき、それをクラウドデータベース(図1参照)に格納できる。
【0051】
例示されている処理動作310においては、特定車線交通マップを、複数の車両からの受信特定車線データに応じて更新できる。例えば、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、複数の車両からの受信特定車線データに応じて特定車線交通マップを更新できる。
【0052】
例示されている処理動作312においては、特定車線状況を、複数の車両からの受信特定車線データに応じて提供できる。例えば、クラウドソーシングされた道路状況サーバ102は、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110を介して、運転者に特定車線案内を提供できる。
【0053】
例示されている処理動作314においては、局所特定車線マップを、受信した特定車線状況に応じて更新できる。例えば、クラウドソーシングされた道路状況アプリケーション110は、受信した特定車線状況に応じて、局所車両と関連付けられている局所特定車線マップを更新できる。1つの例においては、局所特定車線マップを、車道の特別な車線または部分と関連付けられている警察の存在を含むために更新できる。
【0054】
例示されている処理動作316においては、特定車線案内を運転者に提供できる。例えば、更新された局所特定車線マップを、表示インタフェース136上に表示できる。他の例においては、表示インタフェースは、特定車線案内に応じて、可聴警告、提案、および/または命令を提供する。
【0055】
幾つかの実現形態においては、更新された局所特定車線マップを含んでいる特定車線案内は、類似の車両からのクラウド情報に基づいて、最も速い/最も遅い交通の車線の識別を提供できる。追加的に、または代替的に、更新された局所特定車線マップを含んでいる特定車線案内は、各車線からの交通の意図されている目的地の識別を提供できる。
【0056】
図4は、クラウドソーシングされた道路関連情報に基づいてユーザに案内を発行する特定車線案内システム(図1)の例としてのスクリーンショット400を示している。示されている例においては、スクリーンショット400は、A地点とB地点との間の、第1ルート402と第2ルート404の表示を示している。
【0057】
例えば、第1ルート402は、斜線で示され、2つの車線の何れが推奨されるかを示している特定車線であってよい。追加的に、第1ルート402と第2ルート404は、警察の存在406の例示されている通知画像により互いに区別することができ、この画像は、特定車線の警察の存在を示している。例えば、ユーザは、警察の存在406が特別な車線の交通を遅くさせ得るとの心配から、第1ルート402に沿う車線を変更することを選択できる。代替的に、ユーザは、警察の存在406が、第1ルート402の道路全体に沿う交通を遅くさせ得るとの心配から、第1ルート402を回避するために第2ルート404を選択できる。上記に検討したように、そのような特定車線の警察の存在は、クラウドソーシングする車両カメラ、車両ライダー、および/または車両レーダー情報から決定できる。追加的に、または代替的に、そのような特定車線の警察の存在は、警察による停止、警察による召喚、警察による逮捕など、および/またはそれらの組み合わせに関する履歴データに基づいて決定できる。
【0058】
図5は、クラウドソーシングされた道路関連情報に基づいてユーザに案内を発行する特定車線案内システム(図1)の幾つかの実現形態の例としてのスクリーンショットを示している。示されている例においては、スクリーンショット500は、例示されている通知画像502に対しては、特別な車線における警察の存在の表示を示しており、例示されている通知画像504に対しては、路肩に沿う警察の存在の表示を示しており、例示されている通知画像506に対しては、路肩に直交している警察の存在の表示を示しており、例示されている通知画像508に対しては、前方の路肩上で停止している車両の表示を示している。
【0059】
例えば、図4の警察の存在406の通知画像は、決定された警察の存在の詳細により、特別な車線における警察の存在502として、路肩に沿う警察の存在504として、路肩に直交している警察の存在506としてなど、またはそれらの組み合わせとして提示できる。示されている例においては、例示されている通知画像502、504、506、および/または508のそれぞれは、幾つかの構成要素を含むことができる。例えば、例示されている通知画像502、504、506および/または508のそれぞれは、例示されている車両構成要素510(例えば、例示されている警察車両、例示されている停止車両、例示されている衝突車両、例示されている緊急車両など、またはそれらの組み合わせ)、アイコン表現構成要素512(例えば、バッジタイプのアイコン、サイレンタイプのアイコンなど、またはそれらの組み合わせ)、および/またはテキストによる通知構成要素514(例えば、右側車線上の前方に警察、路肩上の前方に警察、右側路肩上の前方に停止車両、など)を含むことができる。追加的に、または代替的に、例示されている通知画像502、504、506、および/または508のそれぞれは、何れの車線、路肩、または他の位置に、警察車両(または他の車両)が位置しているか、または、何れの車線、路肩、または他の位置に沿って走行しているかを示す矢印構成要素(例示されていない)を含むことができる。
【0060】
「結合されている」という用語は、ここにおいては、関与する構成要素間の直接または間接的な任意のタイプの関係のことを指すために使用でき、電気的、機械的、流体的、光学的、電磁気的、電気機械的、または他の接続に適用できる。加えて、「第1」、「第2」などのような用語は、ここにおいては、検討を容易するためのみに使用でき、別途示されない限り、特別な時間的または時系列的意味は有していない。
【0061】
この技術における当業者は、前述の記述から、本発明の実施形態の広い範囲の技術を、様々な形式で実現できるということを認識するであろう。従って、この発明の実施形態は、その特別な例と関連して記述されてきたが、当業者が図面、明細書、および下記の請求項を研究すれば、他の修正例が彼らには明白となるので、発明の実施形態の真の範囲はそのように制限されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】