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特表2022-543981洗濯機用減速クラッチ装置及び洗濯機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】洗濯機用減速クラッチ装置及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/40 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
D06F37/40 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577038
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2020094071
(87)【国際公開番号】W WO2020259235
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910566255.7
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910566672.1
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910566587.5
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910566266.5
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】518357782
【氏名又は名称】青島海爾智能技術研発有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】▲ハォ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】労春峰
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
(72)【発明者】
【氏名】金学峰
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA15
3B165AE01
3B165BA08
3B165BA23
3B165BA43
3B165BA52
3B165BA82
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA22
3B165GA27
3B165GA28
(57)【要約】
洗濯機用減速クラッチ装置及び洗濯機は、減速機構を含む。前記減速機構は、入力軸(1)と、第1リングギヤ(9)を含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤ(9)に接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸(22)と、出力軸(22)に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ(21)と、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪(17)、を含む。前記制動輪(17)と出力ブッシュ(21)の間には転がり軸受が装着されている。転がり軸受を従来の一方向軸受の代わりに装着することで、ソフト洗浄プログラムの実行時に、内槽とパルセータの同一速度で同一方向の時計回りの回転と、同一速度で同一方向の反時計回りの回転を交互に実行可能となる。これにより、衣類の摩擦が低減するだけでなく、一段と多様化された水流を形成することも可能なため、衣類の清浄化率が向上する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機構を含み、
前記減速機構は、
入力軸と、
第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、
第2軸固定歯車列と、
前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、
出力軸に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、
前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪と、を含み、
前記制動輪と前記出力ブッシュとの間に転がり軸受が装着されていることを特徴とする洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項2】
前記制動輪の一端には軸受ハウジングが備わっており、前記軸受ハウジング内には前記転がり軸受が装着されており、前記出力ブッシュは、前記転がり軸受との連携によって、前記制動輪に動作可能に接続されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項3】
前記転がり軸受の内輪は前記出力ブッシュに接続されるとともに、前記出力ブッシュに付随して回動し、前記転がり軸受の外輪は前記軸受ハウジングに連携及び固定接続されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項4】
前記出力ブッシュには軸受装着部が設置されており、前記軸受装着部は、出力ブッシュにおける制動輪寄りの端部から延伸して形成されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項5】
前記軸受装着部の外径は前記転がり軸受の内径よりも大きく、前記出力ブッシュと転がり軸受は締り嵌めとされることを特徴とする請求項4に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項6】
前記出力ブッシュの直径と軸受装着部の直径は異なっており、前記出力ブッシュの外径は前記軸受装着部の外径よりも大きく、前記出力ブッシュと軸受装着部は、移行傾斜部を介して移行して、接続されており、
好ましくは、前記移行傾斜部の外周壁にはいくつかのネジ山が設置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項7】
前記第2軸固定歯車列は、固設される第2軸固定歯車フレームと、回動可能に第2軸固定歯車フレームに装着される第2軸固定歯車群を含み、前記軸受装着部の端部の外壁には、前記第2軸固定歯車群と連携する挿入歯溝が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項8】
前記制動輪における出力ブッシュ寄りの側には開口が設けられており、前記軸受ハウジングは、前記開口が外側に延伸して形成される中空の筒状構造であり、
好ましくは、前記軸受ハウジングの外縁には中心に向かって屈曲する屈曲辺が設けられており、転がり軸受の装着位置を規制することを特徴とする請求項2に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項9】
前記軸受ハウジングの内径は前記転がり軸受の外径よりも小さく、前記転がり軸受と前記軸受ハウジングは締り嵌めとされることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項10】
内槽、パルセータ及び減速クラッチ装置を含み、
前記減速クラッチ装置は、
入力軸と、
第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、
第2軸固定歯車列と、
前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、
出力軸に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、
前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪と、を含み、
前記制動輪と出力ブッシュの間に転がり軸受が装着されていることを特徴とする洗濯機。
【請求項11】
入力軸と、
開口した内部空間を内部に有する制動輪と、
入力軸の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪の開口端に固定される制動輪軸と、
制動輪の内部空間内に設置される歯車列と、
接続プレート及び駆動部材を含むクラッチ機構と、を含み、
前記接続プレートは、制動輪軸をロックして入力軸を単独で回動可能とする第1の位置と、制動輪を解放して制動輪と入力軸を接続し、これらを連動させる第2の位置を有し、前記駆動部材は、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させることを特徴とする洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項12】
前記クラッチ機構はシフトフォークを含み、前記シフトフォークは、一端が前記駆動部材まで延伸し、他端が前記接続プレートまで延伸しており、前記駆動部材は前記シフトフォークの一端を上下動させ、前記シフトフォークの他端は、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させることを特徴とする請求項11に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項13】
前記シフトフォークの中央部は、回動可能にシフトフォークホルダに装着され、前記駆動部材は駆動モータを含み、駆動モータの出力軸には回転押動部材が接続されており、前記回転押動部材には押動部が設けられており、シフトフォークの一端が前記押動部に当接し、前記駆動モータが回転押動部材を回動させると、回転押動部材の押動部が自転して、前記シフトフォークの対応する一端を上下動させるよう押動し、これにより、シフトフォークの他端が、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置との間で運動させることを特徴とする請求項12に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項14】
前記回転押動部材は円柱体を含み、前記円柱体の一端は駆動モータの駆動軸に接続され、前記円柱体の他端には前記押動部が設けられており、前記押動部は前記円柱体の周方向に延伸する螺旋面を有し、前記円柱体が回動すると、前記螺旋面が自転して、シフトフォークの対応する端部を上下動させるよう押動し、これにより、シフトフォークの他端が、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させることを特徴とする請求項13に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項15】
前記押動部は、前記円柱体の一端における円形面の辺縁から周方向に延設される突条を含み、突条の先頭と末尾は隙間を有しており、前記突条の一端から他端に向かう延伸方向において、突条の上面は、前記円形面から徐々に上昇し、最も高い位置に到達したあと、前記円形面まで徐々に下降する螺旋面をなすよう成型されており、前記シフトフォークの対応する端部には球状ボスが設けられており、前記球状ボスが前記螺旋面と接触及び連携することを特徴とする請求項14に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項16】
前記駆動モータと回転押動部材は上から下に順に設置され、回転押動部材の上部は駆動モータに駆動可能に接続され、回転押動部材の底部には前記押動部が設けられており、前記シフトフォークにおける前記押動部に対応する一端は、上方に屈曲して前記螺旋面と接触するまで延伸していることを特徴とする請求項15に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項17】
前記シフトフォークにおける前記螺旋面まで延伸する一端の端面には球状ボスが突設されており、前記球状ボスが前記螺旋面に当接することを特徴とする請求項16に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項18】
前記接続プレートには環状ボスが設けられており、前記シフトフォークにおける前記接続プレートまで延伸する一端には半環状挟持部が設けられており、前記シフトフォークは、前記半環状挟持部によって前記環状ボスを挟持することを特徴とする請求項12~17のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項19】
前記クラッチ機構は、トルク伝達ブッシュ及び位置決めプレートを含み、前記トルク伝達ブッシュは、入力軸に配設されて入力軸と一体的に回動し、前記位置決めプレートは、前記制動輪軸の外部に配設されて位置が固定されており、前記接続プレートは、制動輪軸に配設されて、前記トルク伝達ブッシュと位置決めプレートの間に位置するとともに、軸方向にのみ摺動可能であり、前記位置決めプレートにはシフトフォークホルダが突設されており、シフトフォークの中央部は回動可能に当該シフトフォークホルダに装着され、シフトフォークは、一端が前記駆動部材まで延伸し、他端が前記接続プレートまで延伸しており、前記第1の位置は、接続プレートが位置決めプレートに向かって摺動し、位置決めプレートに接続される位置であり、前記第2の位置は、接続プレートがトルク伝達ブッシュに向かって摺動し、トルク伝達ブッシに接続される位置であることを特徴とする請求項11~16のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項20】
洗濯機の洗浄槽に固設される外部ケーシングを含み、前記制動輪は前記外部ケーシング内に装着され、前記位置決めプレートは前記外部ケーシング上に固定的に装着され、前記外部ケーシング/位置決めプレートにはバネキャップが設けられており、前記バネキャップと前記接続プレートの間にバネが圧縮して配置されていることを特徴とする請求項19に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項21】
入力軸と、
第1リングギヤ及び固設される第1軸固定歯車フレームを含む第1軸固定歯車列と、
第2軸固定歯車フレームを含む第2軸固定歯車列と、
前記第1リングギヤに接続されるとともに、前記第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、
出力軸に配設されて第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、を含み、
前記第1軸固定歯車フレームと前記第2軸固定歯車フレームは固定的に接続されることを特徴とする洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項22】
制動輪及び制動輪軸を含み、前記制動輪は、開放された内部空間を内部に有しており、前記制動輪軸は、入力軸の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪の開口端に固定され、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列は制動輪の内部空間内にそれぞれ設置され、前記第1軸固定歯車フレームは制動輪軸又は制動輪に固定され、
前記第2軸固定歯車フレームは第1軸固定歯車フレームに固定されることを特徴とする請求項21に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項23】
前記制動輪軸は、入力軸の外部に配設されるブッシュ部と、制動輪の開口端を閉塞するエンドカバー部を含み、第1軸固定歯車フレームは制動輪軸のエンドカバーに固定され、前記第2軸固定歯車フレームは第1軸固定歯車フレームに固定的に接続されることを特徴とする請求項22に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項24】
前記第1軸固定歯車フレームは、第1軸固定歯車フレーム本体、第1軸固定歯車フレームカバー、複数の接続固定ロッド及び複数の第1歯車軸を含み、
前記接続固定ロッドは、一端が第1軸固定歯車フレーム本体に固定され、他端が制動輪軸のエンドカバー部に固定され、
前記第1歯車軸の両端は、それぞれ、第1軸固定歯車フレーム本体と第1軸固定歯車フレームカバーに固定され、
前記第2軸固定歯車フレームは、第2軸固定歯車フレーム本体、第2軸固定歯車フレームカバー、及び、第2軸固定歯車フレーム本体と第2軸固定歯車フレームカバーに固定的に接続される第2歯車軸を含み、
前記第2軸固定歯車フレーム本体は第1軸固定歯車フレーム本体に固設されることを特徴とする請求項23に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項25】
前記第1軸固定歯車フレーム本体には挿入歯溝が設けられており、前記第2軸固定歯車フレーム本体には挿入歯が設けられており、
前記第2軸固定歯車フレーム本体の挿入歯を前記第1軸固定歯車フレーム本体の挿入歯溝に挿入することで、相対的な固定接続が実現されることを特徴とする請求項24に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項26】
前記第1軸固定歯車フレーム本体の挿入歯溝の下部には歯受位置規制部が備わっており、前記第2軸固定歯車フレーム本体の挿入歯の端面が前記歯受位置規制部に当接することを特徴とする請求項25に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項27】
前記第1軸固定歯車列は第1軸固定歯車群を含み、前記第1軸固定歯車群は回動可能に前記第1歯車軸に装着され、
前記第1リングギヤは、第1軸固定歯車群と内噛み合い伝動を行うことを特徴とする請求項21~26のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項28】
前記第1軸固定歯車群は一次軸固定歯車群及び二次軸固定歯車群を含み、前記一次軸固定歯車群は二次軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行い、前記二次軸固定歯車群はリングギヤと内噛み合い伝動を行い、
前記入力軸は、一次軸固定歯車群に動力を伝達し、一次軸固定歯車群、二次軸固定歯車群、第1リングギヤを経て減速された動力が出力軸に出力されることを特徴とする請求項27に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項29】
前記二次軸固定歯車群の歯車の数は一次軸固定歯車群の歯車の数と同じであり、且つ一対一で対応していることを特徴とする請求項28に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項30】
前記第1軸固定歯車列は入力軸歯車を更に含み、前記入力軸歯車は、前記入力軸に固定的に配設されて前記第1軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行い、
好ましくは、前記入力軸歯車は入力軸と一体的に設置され、
好ましくは、前記入力軸歯車は一次軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行うことを特徴とする請求項27に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項31】
入力軸と、
第1リングギヤ及び固設される第1軸固定歯車フレームを含む第1軸固定歯車列と、
第2リングギヤ、固設される第2軸固定歯車フレーム、及び、回動可能に第2軸固定歯車フレームに装着される第2軸固定歯車群を含む第2軸固定歯車列と、
前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、
前記出力軸に配設されて第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、を含み、
前記入力軸は動力を第1軸固定歯車列に伝達し、前記第1軸固定歯車列は動力を前記出力軸に出力し、前記出力軸は、動力を前記第2軸固定歯車群にも同時に伝達し、前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤに動力を伝達して出力ブッシュを回動させることを特徴とする洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項32】
前記第2軸固定歯車列は第2トルク伝達プレートを含み、
前記出力ブッシュ、第2リングギヤは、前記第2トルク伝達プレートにそれぞれ固定的に接続され、前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤに伝動可能に接続され、
前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤに動力を伝達して、前記第2トルク伝達プレート及び前記出力ブッシュを同期して回動させることを特徴とする請求項31に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項33】
前記第2トルク伝達プレートの外周には第2トルク伝達プレート挿接歯が設けられており、前記第2リングギヤには、第2トルク伝達プレート挿接歯と一致する第2リングギヤ歯受溝が設けられており、第2トルク伝達プレート挿接歯を第2リングギヤ歯受溝内に挿接することで、第2トルク伝達プレートと第2リングギヤを一体的に接続し、
前記第2トルク伝達プレートの中央部には第2トルク伝達プレート挿入歯溝が設けられており、前記出力ブッシュの一端には出力ブッシュ挿入歯が設けられており、出力ブッシュ挿入歯を第2トルク伝達プレート挿入歯溝内に挿接することで、出力ブッシュと第2トルク伝達プレートを一体的に接続することを特徴とする請求項32に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項34】
前記第2リングギヤ歯受溝の歯形は前記第2軸固定歯車群の歯形と同一であり、且つ、前記第2リングギヤ歯受溝の歯は前記第2軸固定歯車群の歯に接続され、
前記第2トルク伝達プレートにおける第2トルク伝達プレート挿接歯に位置する一端には歯受位置規制部が設けられており、前記歯受位置規制部は第2リングギヤの端面に当接することを特徴とする請求項33に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項35】
前記歯受位置規制部は、第2トルク伝達プレート挿接歯の端部に設けられる位置規制エンドカバーであり、前記位置規制エンドカバーは、第2トルク伝達プレート挿接歯の歯溝の軸方向における貫通を閉塞することを特徴とする請求項34に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項36】
前記第2リングギヤ歯受溝と前記第2軸固定歯車群の間には、前記第2リングギヤ歯受溝に対する前記第2トルク伝達プレート挿接歯の挿入深さを規定するための位置規制段差が備わっていることを特徴とする請求項33に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項37】
前記第2リングギヤはプラスチック製の第2リングギヤであり、前記第2トルク伝達プレートは金属製のプレート状構造をなしており、
前記第2トルク伝達プレートは、前記出力ブッシュ、前記第2リングギヤにそれぞれ固定接続されて一体をなすことを特徴とする請求項31~36のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項38】
前記第2軸固定歯車列は、前記出力軸に固定的に装着される中央歯車を含み、
前記第2軸固定歯車フレームは複数の第2歯車軸を含み、前記第2軸固定歯車群は、それぞれ回動可能に各第2歯車軸に装着される第2軸固定歯車を含み、前記中央歯車は、全ての第2軸固定歯車と外噛み合い伝動を行い、全ての前記第2軸固定歯車は前記第2リングギヤと内噛み合い伝動を行い、
好ましくは、前記第2歯車軸を4つ含み、各第2歯車軸にそれぞれ第2軸固定歯車が設置されることを特徴とする請求項31~36のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項39】
前記第1軸固定歯車列は第1軸固定歯車群及び第1トルク伝達プレートを含み、
前記第1リングギヤは、前記第1軸固定歯車群と内噛み合い伝動を行い、前記第1トルク伝達プレートは、それぞれ、前記第1リングギヤ及び前記出力軸に固定的に接続されることを特徴とする請求項31~36のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【請求項40】
前記第1トルク伝達プレートの外周には第1トルク伝達プレート挿接歯が設けられており、前記第1リングギヤには、第1トルク伝達プレート挿接歯と一致する第1リングギヤ歯受溝が設けられており、第1トルク伝達プレート挿接歯を第1リングギヤ歯受溝内に挿接することで、第1トルク伝達プレートと第1リングギヤを一体的に接続し、
前記第1トルク伝達プレートの中央部には第1トルク伝達プレート挿入歯溝が設けられており、前記出力軸の一端には出力軸挿入歯が設けられており、出力軸挿入歯を第1トルク伝達プレート挿入歯溝内に挿接することで、出力軸と第1トルク伝達プレートを一体的に接続することを特徴とする請求項31~36のいずれか1項に記載の洗濯機用減速クラッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には、洗濯機用減速クラッチ装置及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用電気製品として、洗濯機は次第に人々の生活に不可欠な一部となっている。また、全自動パルセータ洗濯機は、主要な洗濯機のタイプとして応用範囲がますます広がっている。従来の全自動パルセータ洗濯機の動作方式では、通常、洗浄及びすすぎ時に、駆動装置が減速クラッチ装置を通じて洗濯機のパルセータを正逆に回転駆動させる。また、脱水時には、駆動装置が、減速クラッチ装置を通じて洗濯機のパルセータと内槽を同期して高速で回転駆動させる。
【0003】
しかし、科学技術の急速な発展に伴って、従来の全自動パルセータ洗濯機のように、単純にパルセータで水流を攪拌する洗浄方式では、次第に衣類の洗浄効果の向上に限界が生じるようになっている。そこで、全自動パルセータ洗濯機の洗浄の多様性を如何にして増加させ、洗浄効果を向上させるかが、早急に解決すべき技術的課題となっている。
【0004】
現在、この課題については、いくつかの特許が解決策を提案している。例えば、出願番号が第02804912.8号、名称が、2方向回動を発生させる伝動機構、2方向洗浄を発生させる洗濯機及び方法、並びに関連の内槽及び撹拌器である特許文献1が存在する。当該特許は、洗濯機への使用に適した2方向駆動を発生させる伝動機構を開示している。当該機構は、動力入力端及び2つの動力出力端を含む。このうち、一方の動力出力端は撹拌器軸(10)に接続されて、撹拌器軸を第1の方向に回動させる。また、他方の動力出力端は内槽軸(11)に接続されて、内槽軸を第1の方向とは反対の第2の方向に回動させる。また、2方向洗浄を発生させる洗濯機、及び洗濯機内に2方向洗浄を発生可能とする洗浄方法、洗濯機に用いられる撹拌器及び内槽について、当該特許は、洗濯機に2方向駆動を発生可能とする伝動機構を開示している。且つ、明細書には、当該伝動機構の具体的構造が開示されている。明細書及び図面の内容から明らかなように、当該特許は、従来の全自動パルセータ洗濯機における洗浄時の動力駆動方式が単一的であるとの課題を幾分か解決している。しかし、ここで開示されている伝動機構は構造が複雑であり、製造及び取り付けの難易度が高く、製造コストが高い等の問題がある。
【0005】
加えて、従来のパルセータ洗濯機における減速クラッチ装置は、出力ブッシュと制動輪の間が一方向軸受となっている場合がほとんどである。そのため、ソフト洗浄プログラムの実行時には、内槽とパルセータが同一速度、同一方向で時計回りに回動するか、同一速度、同一方向で反時計回りに回動することしかできない。つまり、一方向にしか回転し得ないため、衣類の洗浄効果が著しく低下する。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願第02804912.8号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消することであり、本発明は、洗濯機用減速クラッチ装置及び洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を実現するために、本発明では以下の技術方案を用いる。
【0010】
洗濯機用減速クラッチ装置は、以下を特徴とする。即ち、減速機構を含み、前記減速機構は、入力軸と、第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、出力軸に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪、を含む。前記制動輪と出力ブッシュの間には転がり軸受が装着されている。
【0011】
更に、前記制動輪の一端には軸受ハウジングが備わっており、前記軸受ハウジング内には前記転がり軸受が装着されている。出力ブッシュは、前記転がり軸受との連携によって、前記制動輪に動作可能に接続される。
【0012】
更に、前記転がり軸受の内輪は前記出力ブッシュに接続されるとともに、出力ブッシュに付随して回動し、前記転がり軸受の外輪は前記軸受ハウジングに連携及び固定接続される。
【0013】
更に、前記出力ブッシュには軸受装着部が設置されている。前記軸受装着部は、出力ブッシュにおける制動輪寄りの端部から延伸して形成される。
【0014】
更に、前記軸受装着部の外径は前記転がり軸受の内径よりも大きく、前記出力ブッシュと転がり軸受は締り嵌めとされる。
【0015】
更に、前記出力ブッシュの直径と軸受装着部の直径は異なっている。前記出力ブッシュの外径は前記軸受装着部の外径よりも大きく、前記出力ブッシュと軸受装着部は、移行傾斜部を介して移行し、接続されている。
【0016】
好ましくは、前記移行傾斜部の外周壁にはいくつかのネジ山が設置されている。
【0017】
更に、前記第2軸固定歯車列は、固設される第2軸固定歯車フレームと、回動可能に第2軸固定歯車フレームに装着される第2軸固定歯車群を含む。前記軸受装着部の端部の外壁には、前記第2軸固定歯車群と連携する挿入歯溝が設けられている。
【0018】
更に、前記制動輪における出力ブッシュ寄りの側には開口が設けられており、前記軸受ハウジングは、前記開口が外側に延伸して形成される中空の筒状構造である。
【0019】
好ましくは、前記軸受ハウジングの外縁には中心に向かって屈曲する屈曲辺が設けられており、転がり軸受の装着位置を規制する。
【0020】
更に、前記軸受ハウジングの内径は前記転がり軸受の外径よりも小さく、前記転がり軸受と前記軸受ハウジングは締り嵌めとされる。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、更に、上記の減速クラッチ装置を用いる洗濯機を提供することである。当該洗濯機は、内槽、パルセータ及び減速クラッチ装置を含む。減速クラッチ装置は、入力軸と、第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、出力軸に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪、を含む。前記制動輪と出力ブッシュの間には転がり軸受が装着されている。
【0022】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0023】
本発明で提供する減速クラッチ装置は減速機構を含む。前記減速機構は、入力軸と、第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、出力軸に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュと、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪、を含む。前記制動輪と出力ブッシュの間には転がり軸受が装着されている。揉みによる損傷が生じやすい衣類の場合には、ソフト洗浄プログラムを行う必要がある。転がり軸受を従来の一方向軸受の代わりに装着することで、内槽とパルセータについて、同一方向の時計回りの回転、又は、同一方向の反時計回りの回転を実現可能となる。また、内槽とパルセータが、同一速度で同一方向の時計回りの回転と反時計回りの回転を交互に行うよう制御することも可能である。これにより、衣類の摩擦が低減するだけでなく、一段と多様化された水流を形成することも可能なため、衣類の清浄化率が向上して、衣類の洗浄効果が保証される。
【0024】
洗濯機用減速クラッチ装置は、入力軸と、開口した内部空間を内部に有する制動輪と、入力軸の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪の開口端に固定される制動輪軸と、制動輪の内部空間内に設置される歯車列と、接続プレート及び駆動部材を含むクラッチ機構、を含む。接続プレートは、制動輪軸をロックして入力軸を単独で回動可能とする第1の位置と、制動輪を解放して制動輪と入力軸を接続し、これらを連動させる第2の位置を有する。前記駆動部材は、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0025】
上記の方案において、クラッチ機構の駆動部材は、前記接続プレートを運動させることで、入力軸の単独回動と、入力軸及び制動輪の同期回動との切替を実現可能である。本実施形態は、構造がシンプルで設計が合理的であり、機械性能が安定している。
【0026】
好ましくは、前記クラッチ機構はシフトフォークを含む。シフトフォークは、一端が前記駆動部材まで延伸し、他端が前記接続プレートまで延伸している。前記駆動部材は前記シフトフォークの一端を上下動させ、シフトフォークの他端は、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0027】
好ましくは、前記シフトフォークの中央部は、回動可能にシフトフォークホルダに装着される。前記駆動部材は駆動モータを含む。駆動モータの出力軸には回転押動部材が接続されている。前記回転押動部材には押動部が設けられており、シフトフォークの一端が前記押動部に当接する。前記駆動モータが回転押動部材を回動させると、回転押動部材の押動部が自転して、前記シフトフォークの対応する一端を上下動させるよう押動する。これにより、シフトフォークの他端が、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0028】
上記の方案では、回転押動部材に押動部を設け、押動部を自転させることで、接続プレートの運動を実現可能としている。本駆動方案の構造はシンプル且つ精巧であり、エネルギー消費も小さい。
【0029】
更に、シフトフォークの一端は、押動部と当接状態を維持する。実現の原理としては、シフトフォークを戻しバネに接続することで実現してもよいし、その他の構造で実現してもよい。
【0030】
好ましくは、前記回転押動部材は円柱体を含む。円柱体の一端は駆動モータの駆動軸に接続され、円柱体の他端には前記押動部が設けられている。押動部は円柱体の周方向に延伸する螺旋面を有する。前記円柱体が回動すると、前記螺旋面が自転して、シフトフォークの対応する端部を上下動させるよう押動する。これにより、シフトフォークの他端が、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0031】
好ましくは、前記押動部は、前記円柱体の一端における円形面の辺縁から周方向に延設される突条を含む。突条の先頭と末尾は隙間を有している。前記突条の一端から他端に向かう延伸方向において、突条の上面は、前記円形面から徐々に上昇し、最も高い位置に到達したあと、前記円形面まで徐々に下降する螺旋面をなすよう成型されている。前記シフトフォークの対応する端部には球状ボスが設けられており、前記球状ボスが前記螺旋面と接触及び連携する。
【0032】
好ましくは、前記駆動モータと回転押動部材は上から下に順に設置される。回転押動部材の上部は駆動モータに駆動可能に接続され、回転押動部材の底部には前記押動部が設けられている。前記シフトフォークにおける前記押動部に対応する一端は、上方に屈曲して前記螺旋面と接触するまで延伸している。
【0033】
好ましくは、前記シフトフォークにおける前記螺旋面まで延伸する一端の端面には球状ボスが突設されており、前記球状ボスが前記螺旋面に当接する。
【0034】
好ましくは、前記接続プレートには環状ボスが設けられており、前記シフトフォークにおける前記接続プレートまで延伸する一端には半環状挟持部が設けられている。前記シフトフォークは、前記半環状挟持部によって前記環状ボスを挟持する。
【0035】
好ましくは、前記クラッチ機構は、トルク伝達ブッシュ及び位置決めプレートを含む。前記トルク伝達ブッシュは、入力軸に配設されて入力軸と一体的に回動する。前記位置決めプレートは、前記制動輪軸の外部に配設されて位置が固定されている。前記接続プレートは、制動輪軸に配設されて、前記トルク伝達ブッシュと位置決めプレートの間に位置するとともに、軸方向にのみ摺動可能である。前記位置決めプレートにはシフトフォークホルダが突設されており、シフトフォークの中央部が回動可能に当該シフトフォークホルダに装着される。シフトフォークは、一端が前記駆動部材まで延伸し、他端が前記接続プレートまで延伸している。前記第1の位置は、接続プレートが位置決めプレートに向かって摺動し、位置決めプレートに接続される位置であり、前記第2の位置は、接続プレートがトルク伝達ブッシュに向かって摺動し、トルク伝達ブッシに接続される位置である。
【0036】
好ましくは、洗濯機用減速クラッチ装置は、洗濯機の洗浄槽に固設される外部ケーシングを含む。前記制動輪は前記外部ケーシング内に装着され、前記位置決めプレートは前記外部ケーシング上に固定的に装着される。前記外部ケーシング/位置決めプレートにはバネキャップが設けられており、前記バネキャップと前記接続プレートの間にバネが圧縮して配置されている。
【0037】
本発明の洗濯機用減速クラッチ装置は、入力軸と、開口した内部空間を内部に有する制動輪と、入力軸の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪の開口端に固定される制動輪軸と、制動輪の内部空間内に設置される歯車列と、接続プレート及び駆動部材を含むクラッチ機構、を含む。接続プレートは、制動輪軸をロックして入力軸を単独で回動可能とする第1の位置と、制動輪を解放して制動輪と入力軸を接続し、これらを連動させる第2の位置を有する。前記駆動部材は、前記接続プレートを前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。本発明のクラッチ機構は、接続プレートを介して制動輪軸をロックするか、制動輪軸を解放することで、入力軸の単独回動と、入力軸及び制動輪の一体回動との切替を実現する。当該クラッチ機構は構造がシンプルで設計が合理的であり、機械構造の性能が安定している。また、従来技術における制動ベルトを省略して、内槽のゼロ付随を実現している。
【0038】
洗濯機用減速クラッチ装置は、入力軸と、第1リングギヤ及び固設される第1軸固定歯車フレームを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車フレームを含む第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、前記第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、出力軸に配設されて第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ、を含む。前記第1軸固定歯車フレームと前記第2軸固定歯車フレームは固定的に接続される。
【0039】
更に、制動輪及び制動輪軸を含む。制動輪は、開放された内部空間を内部に有している。前記制動輪軸は、入力軸の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪の開口端に固定される。前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列は制動輪の内部空間内にそれぞれ設置される。前記第1軸固定歯車フレームは制動輪軸又は制動輪に固定される。
【0040】
前記第2軸固定歯車フレームは第1軸固定歯車フレームに固定される。
【0041】
更に、前記制動輪軸は、入力軸の外部に配設されるブッシュ部と、制動輪の開口端を閉塞するエンドカバー部を含む。第1軸固定歯車フレームは制動輪軸のエンドカバーに固定され、前記第2軸固定歯車フレームは第1軸固定歯車フレームに固定的に接続される。
【0042】
更に、前記第1軸固定歯車フレームは、第1軸固定歯車フレーム本体、第1軸固定歯車フレームカバー、複数の接続固定ロッド及び複数の第1歯車軸を含む。
【0043】
前記接続固定ロッドは、一端が第1軸固定歯車フレーム本体に固定され、他端が制動輪軸のエンドカバー部に固定される。
【0044】
前記第1歯車軸の両端は、それぞれ、第1軸固定歯車フレーム本体と第1軸固定歯車フレームカバーに固定される。
【0045】
前記第2軸固定歯車フレームは、第2軸固定歯車フレーム本体、第2軸固定歯車フレームカバー、及び、第2軸固定歯車フレーム本体と第2軸固定歯車フレームカバーに固定的に接続される第2歯車軸を含む。
【0046】
前記第2軸固定歯車フレーム本体は第1軸固定歯車フレーム本体に固設される。
【0047】
更に、前記第1軸固定歯車フレーム本体には挿入歯溝が設けられており、前記第2軸固定歯車フレーム本体には挿入歯が設けられている。
【0048】
前記第2軸固定歯車フレーム本体の挿入歯を前記第1軸固定歯車フレーム本体の挿入歯溝に挿入することで、相対的な固定接続が実現される。
【0049】
更に、前記第1軸固定歯車フレーム本体の挿入歯溝の下部には歯受位置規制部が備わっており、前記第2軸固定歯車フレーム本体の挿入歯の端面が前記歯受位置規制部に当接する。
【0050】
更に、前記第1軸固定歯車列は第1軸固定歯車群を含み、前記第1軸固定歯車群は回動可能に前記第1歯車軸に装着される。
【0051】
前記第1リングギヤは、第1軸固定歯車群と内噛み合い伝動を行う。
【0052】
更に、前記第1軸固定歯車群は一次軸固定歯車群及び二次軸固定歯車群を含む。前記一次軸固定歯車群は二次軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行い、前記二次軸固定歯車群はリングギヤと内噛み合い伝動を行う。
【0053】
前記入力軸は、一次軸固定歯車群に動力を伝達し、一次軸固定歯車群、二次軸固定歯車群、第1リングギヤを経て減速された動力が出力軸に出力される。
【0054】
更に、前記二次軸固定歯車群の歯車の数は一次軸固定歯車群の歯車の数と同じであり、且つ一対一で対応している。
【0055】
更に、前記第1軸固定歯車列は入力軸歯車を含む。前記入力軸歯車は、前記入力軸に固定的に配設されて前記第1軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行う。
【0056】
好ましくは、前記入力軸歯車は入力軸と一体的に設置される。
【0057】
好ましくは、前記入力軸歯車は一次軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行う。
【0058】
洗濯機用減速クラッチ装置は、入力軸と、第1リングギヤ及び固設される第1軸固定歯車フレームを含む第1軸固定歯車列と、第2リングギヤ、固設される第2軸固定歯車フレーム、及び、回動可能に第2軸固定歯車フレームに装着される第2軸固定歯車群を含む第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、前記出力軸に配設されて第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ、を含む。
【0059】
前記入力軸は動力を第1軸固定歯車列に伝達し、前記第1軸固定歯車列は動力を前記出力軸に出力する。前記出力軸は、動力を前記第2軸固定歯車群にも同時に伝達する。前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤに動力を伝達して出力ブッシュを回動させる。
【0060】
更に、前記第2軸固定歯車列は第2トルク伝達プレートを含む。
【0061】
前記出力ブッシュ、第2リングギヤは、前記第2トルク伝達プレートにそれぞれ固定的に接続され、前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤに伝動可能に接続される。
【0062】
前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤに動力を伝達して、前記第2トルク伝達プレート及び前記出力ブッシュを同期して回動させる。
【0063】
更に、前記第2トルク伝達プレートの外周には第2トルク伝達プレート挿接歯が設けられており、前記第2リングギヤには、第2トルク伝達プレート挿接歯と一致する第2リングギヤ歯受溝が設けられている。第2トルク伝達プレート挿接歯を第2リングギヤ歯受溝内に挿接することで、第2トルク伝達プレートと第2リングギヤを一体的に接続する。
【0064】
前記第2トルク伝達プレートの中央部には第2トルク伝達プレート挿入歯溝が設けられており、前記出力ブッシュの一端には出力ブッシュ挿入歯が設けられている。出力ブッシュ挿入歯を第2トルク伝達プレート挿入歯溝内に挿接することで、出力ブッシュと第2トルク伝達プレートを一体的に接続する。
【0065】
更に、前記第2リングギヤ歯受溝の歯形は前記第2軸固定歯車群の歯形と同一である。且つ、前記第2リングギヤ歯受溝の歯は前記第2軸固定歯車群の歯に接続される。
【0066】
前記第2トルク伝達プレートにおける第2トルク伝達プレート挿接歯に位置する一端には歯受位置規制部が設けられている。前記歯受位置規制部は第2リングギヤの端面に当接する。
【0067】
更に、前記歯受位置規制部は、第2トルク伝達プレート挿接歯の端部に設けられる位置規制エンドカバーである。前記位置規制エンドカバーは、第2トルク伝達プレート挿接歯の歯溝の軸方向における貫通を閉塞する。
【0068】
更に、前記第2リングギヤ歯受溝と前記第2軸固定歯車群の間には、前記第2リングギヤ歯受溝に対する前記第2トルク伝達プレート挿接歯の挿入深さを規定するための位置規制段差が備わっている。
【0069】
更に、前記第2リングギヤはプラスチック製の第2リングギヤであり、前記第2トルク伝達プレートは金属製のプレート状構造をなしている。
【0070】
前記第2トルク伝達プレートは、前記出力ブッシュ、前記第2リングギヤにそれぞれ固定接続されて一体をなす。
【0071】
更に、前記第2軸固定歯車列は、前記出力軸に固定的に装着される中央歯車を含む。
【0072】
前記第2軸固定歯車フレームは複数の第2歯車軸を含み、前記第2軸固定歯車群は、それぞれ回動可能に各第2歯車軸に装着される第2軸固定歯車を含む。前記中央歯車は、全ての第2軸固定歯車と外噛み合い伝動を行い、全ての前記第2軸固定歯車は前記第2リングギヤと内噛み合い伝動を行う。
【0073】
好ましくは、前記第2歯車軸を4つ含み、各第2歯車軸にそれぞれ第2軸固定歯車が設置される。
【0074】
更に、前記第1軸固定歯車列は第1軸固定歯車群及び第1トルク伝達プレートを含む。
【0075】
前記第1リングギヤは、前記第1軸固定歯車群と内噛み合い伝動を行う。前記第1トルク伝達プレートは、それぞれ、前記第1リングギヤ及び前記出力軸に固定的に接続される。
【0076】
更に、前記第1トルク伝達プレートの外周には第1トルク伝達プレート挿接歯が設けられており、前記第1リングギヤには、第1トルク伝達プレート挿接歯と一致する第1リングギヤ歯受溝が設けられている。第1トルク伝達プレート挿接歯を第1リングギヤ歯受溝内に挿接することで、第1トルク伝達プレートと第1リングギヤを一体的に接続する。
【0077】
前記第1トルク伝達プレートの中央部には第1トルク伝達プレート挿入歯溝が設けられており、前記出力軸の一端には出力軸挿入歯が設けられている。出力軸挿入歯を第1トルク伝達プレート挿入歯溝内に挿接することで、出力ブッシュと第1トルク伝達プレートを一体的に接続する。
【発明の効果】
【0078】
本発明の洗濯機用減速クラッチ装置は、第1軸固定歯車列、第2軸固定歯車列という2つの軸固定歯車列により、入力軸から入力された動力を減速して出力軸及び出力ブッシュに割り当てる。シンプル且つ安定的な軸固定歯車列によって、1つの動力入力に対し、2つの動力出力という効果を実現可能である。これにより、本発明の洗濯機用減速クラッチ装置は、洗濯機に応用された場合に、洗濯機の洗浄/すすぎ過程において出力軸及び出力ブッシュからの2つの動力出力を実現可能である。よって、デュアルパワー洗浄効果が実現され、洗浄水流の多様性が増すため、洗浄効果が向上する。
【0079】
本発明の洗濯機用減速クラッチ装置は、構造配置が合理的である。前記減速器は2つの軸固定歯車列で構成される。2つの軸固定歯車列はそれぞれ動力を減速して伝達し、出力軸及び出力ブッシュから2つの動力を出力する。これにより、減速比や、出力軸及び出力ブッシュの相対的に反対方向の一定伝達比による回動、及び負荷容量が満たされるため、従来のデュアルパワークラッチ減速装置における負荷容量に劣り、ノイズが大きい等の欠点が解消される。
【0080】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1図1は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の原理図である。
図2図2は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の断面図である。
図3図3は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の分解図である。
図4図4は、接続プレート、位置決めプレート、トルク伝達ブッシュの3つについての組み合わせの構造図である。
図5図5は、洗濯機用減速クラッチ装置の立体構造図である。
図6図6は、本発明のシフトフォークの概略構造図である。
図7図7は、本発明の回転押動部材の概略構造図である。
図8図8は、本発明における制動輪と出力ブッシュの組み合わせの概略構造図である。
図9図9は、本発明における制動輪の概略構造図である。
図10図10は、本発明の出力ブッシュの概略構造図である。
図11図11は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第1軸固定歯車フレーム本体の概略構造図である。
図12図12は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第1軸固定歯車フレーム本体の他の側面の概略構造図である。
図13図13は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の制動輪軸の概略構造図である。
図14図14は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第2軸固定歯車フレームの概略構造図である。
図15図15は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の概略図である。
図16図16は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第2リングギヤの概略構造図である。
図17図17は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の出力ブッシュの概略構造図である。
図18図18は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第2トルク伝達プレートの概略構造図である。
図19図19は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第2軸固定歯車列の概略構造図である。
図20図20は、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置の第1トルク伝達プレートの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下に、図面を組み合わせて、本発明における洗濯機用減速クラッチ装置及び洗濯機について詳細に記載する。
【実施例1】
【0083】
図1及び図2に示すように、本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は減速機構を含む。前記減速機構は、入力軸1と、第1リングギヤ9を含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤ9に接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸22と、出力軸22に配設されて第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ21、を含む。
【0084】
本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は、第1軸固定歯車列、第2軸固定歯車列という2つの軸固定歯車列により、入力軸1から入力された動力を減速して出力軸22及び出力ブッシュ21に割り当てる。シンプル且つ安定的な軸固定歯車列によって、1つの動力入力に対し、2つの動力出力という効果を実現可能である。
【0085】
これにより、本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は、洗濯機に応用された場合に、洗濯機の洗浄/すすぎ過程において出力軸22及び出力ブッシュ21からの2つの動力出力を実現可能である。出力軸22及び出力ブッシュ21の2つの回転方向が相対的に反対の場合には、内槽とパルセータがそれぞれ相対的に反対方向に運動することで、デュアルパワー洗浄効果が実現される。これにより、洗浄水流の多様性が増して、洗浄効果が向上する。また、出力軸22と出力ブッシュ21が同一速度で同一方向に回動する場合には、内槽とパルセータがそれぞれ同一速度で同一方向に回動することで、衣類に対する摩擦の小さいソフト洗浄効果が実現される。
【0086】
具体的に、本実施例で記載する第1軸固定歯車列は第1軸固定歯車群を含む。前記第1リングギヤ9は第1軸固定歯車群と内噛み合い伝動を行う。本実施例における第1軸固定歯車列は、第1軸固定歯車群と第1リングギヤ9の噛み合い伝動によって減速作用を実現するため、構造全体がよりシンプルであり、組み付けが容易である。また、第1リングギヤ9を通じて動力を出力軸22に伝達することで、トルクの伝達がいっそう安定的となる。
【0087】
更に、本実施例で記載する第1軸固定歯車群は、一次軸固定歯車群及び二次軸固定歯車群を含む。前記一次軸固定歯車群8-1は二次軸固定歯車群8-2と外噛み合い伝動を行い、前記二次軸固定歯車群8-2はリングギヤ9と内噛み合い伝動を行う。本実施例の第1軸固定歯車群8-1は、2つの軸固定歯車の外噛み合い伝動を使用しており、減速を実現するだけでなく、方向転換機能も兼ね備えている。
【0088】
更に、前記一次軸固定歯車群8-1は、固設される第1軸固定歯車フレーム6と、回動可能に第1軸固定歯車フレーム6に装着される複数の一次軸固定歯車を含む。前記入力軸1は、一次軸歯車群8-1に動力を伝達し、一次軸固定歯車群8-1、二次軸固定歯車群8-2、第1リングギヤ9を経て減速された動力が出力軸22に出力される。
【0089】
本実施例で記載する二次軸固定歯車群は、固設される軸固定歯車フレームと、回動可能に軸固定歯車フレームに装着される複数の二次軸固定歯車を含む。
【0090】
好ましくは、前記二次軸固定歯車は、回動可能に第1軸固定歯車フレーム6に装着される。即ち、一次軸固定歯車群8-1及び二次軸固定歯車群8-2は同一の軸固定歯車フレームを共用する。これにより、構造全体がいっそうシンプルとなり、加工や製造及び取り付けが容易となる。
【0091】
本実施例の第1軸固定歯車フレーム6は複数の第1歯車軸7を含む。前記一次軸固定歯車及び二次軸固定歯車は、それぞれ回動可能に第1歯車軸7に装着される。第1軸固定歯車フレーム6は、第1軸固定歯車フレーム本体及び第1軸固定歯車フレームカバー10を含む。
【0092】
好ましくは、前記二次軸固定歯車の数は一次軸固定歯車の数と同じであり、一対一で対応している。こうすることで、第1軸固定歯車列全体の回動及び伝動がいっそう安定的となる。
【0093】
更に、前記第1軸固定歯車列は入力軸歯車36を含む。入力軸歯車36は、入力軸1に固定的に配設されて第1軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行う。具体的に、前記入力軸歯車は一次軸固定歯車群と外噛み合い伝動を行う。
【0094】
好ましくは、前記入力軸歯車36は入力軸1と一体的に設置される。
【0095】
第1リングギヤ9と出力軸22との接続を実現するために、本実施例で記載する第1軸固定歯車列は、第1リングギヤ9に固定的に装着される第1トルク伝達プレート11を含み、前記出力軸22と第1トルク伝達プレート11が固定的に接続される。
【0096】
本実施例の一実施形態として、前記第2軸固定歯車列は、第2リングギヤ13、固設される第2軸固定歯車フレーム12、及び回動可能に第2軸固定歯車フレーム12に装着される第2軸固定歯車群23を含む。前記出力軸22は第2軸固定歯車群23に伝動可能に組み合わされ、第1軸固定歯車列の出力を第2軸固定歯車列にも同時に伝達する。第2軸固定歯車群23は、第2リングギヤ13と内噛み合い伝動を行って、第2リングギヤ13を回動させる。第2リングギヤ13は、前記出力ブッシュ21に固定的に接続されており、当該出力ブッシュ21を回動させる。
【0097】
本実施例では、洗濯機のパルセータの動力出力となるだけでなく、第2軸固定歯車列の動力入力にもなる出力軸22を創造的に採用する。また、第2リングギヤ13を取り入れて、動力伝達の方向転換を実現することで、出力ブッシュ21と出力軸22に反対の回動方向を持たせる。即ち、出力ブッシュ21に接続される洗濯機の洗浄槽と、出力軸22に接続される洗濯機のパルセータは反対の回動方向を有する。これにより、洗濯機の洗浄/すすぎ過程における2方向の水流が実現されて、洗浄効果が向上する。
【0098】
第2軸固定歯車群と出力軸22との伝動を実現するために、前記第2軸固定歯車列は、出力軸21に固定的に装着される中央歯車14を含む。また、前記第2軸固定歯車フレーム12は複数の第2歯車軸31を含み、第2軸固定歯車群は、それぞれ回動可能に各第2歯車軸31に装着される第2軸固定歯車を含む。前記中央歯車14は、全ての第2軸固定歯車と外噛み合い伝動を行い、全ての前記第2軸固定歯車は第2リングギヤ13と内噛み合い伝動を行う。
【0099】
更に好ましくは、前記第2歯車軸31を4つ含み、各第2歯車軸にそれぞれ第2軸固定歯車が設置される。これにより、出力軸22と第2軸固定歯車の伝動の安定性を保証するとともに、減速クラッチ装置の全体体積を保証する。
【0100】
第2軸固定歯車フレーム12は、第2軸固定歯車フレーム本体及び第2軸固定歯車フレームカバー15を含む。
【0101】
出力軸22に対する中央歯車14の固定的な装着を実現するために、本実施例では、前記出力軸22の一端に挿入歯が設けられており、前記中央歯車14の内部に中央歯車歯溝が設けられている。前記出力軸22の挿入歯が中央歯車歯溝に挿入されることで、出力軸21と中央歯車14との固定的な装着が実現される。
【0102】
更に、本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は、制動輪17及び制動輪軸2を含む。制動輪17は、開放された内部空間を内部に有している。前記制動輪軸2は、入力軸1の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪17の開口端に固定される。前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列は制動輪17の内部空間内にそれぞれ設置され、前記第1軸固定歯車列の第1軸固定歯車フレーム6が制動輪軸2又は制動輪17に固定される。
【0103】
好ましくは、前記第2軸固定歯車列の第2軸固定歯車フレーム12は、第1軸固定歯車フレーム6又は制動輪軸2又は制動輪17に固定される。
【0104】
本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は、更に、入力軸の単独回動と、入力軸及び制動輪軸の同期回動とを切り替えるよう制御するためのクラッチ機構を含む。クラッチ機構によって、出力軸と出力ブッシュの相対的な逆回動を実現することで、デュアルパワー洗浄動作を実施可能となる。また、同一速度、同一方向、低速回動によってソフト洗浄動作が実施され、同一速度、同一方向、高速回動によって脱水動作が実施される。
【0105】
クラッチ機構が入力軸1を単独回動させるよう制御した場合、入力軸1は動力を第1軸固定歯車列に伝達する。第1軸固定歯車列は動力を出力軸22に出力し、出力軸22は、動力を第2軸固定歯車列にも同時に伝達する。そして、第2軸固定歯車列が動力を出力ブッシュ21に出力することで、出力軸22と出力ブッシュ21が反対方向に回動する。
【0106】
クラッチ機構が、入力軸1と制動輪軸2を同期回動させるよう制御した場合には、入力軸1と制動輪軸2が、制動輪17と、内部の第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列を同期して回動させる。これにより、出力軸22と出力ブッシュ21は同一速度で同一方向に回動する。
【0107】
本実施例で記載する減速装置は、第1軸固定歯車列I及び第2軸固定歯車列IIという2つの軸固定歯車列を接続して構成される。入力軸から回転速度が入力されると、回転速度は、第1軸固定歯車列Iで減速されたあと、出力軸から出力されて、洗濯機のパルセータを動作させる。また、これと同時に、出力軸は動力を第2軸固定歯車列IIにも伝達する。回転速度は、第2軸固定歯車列IIで減速されたあと、出力ブッシュから出力されて、洗濯機の内槽を動作させる。これにより、1つの動力入力について、減速後に、出力軸及び出力ブッシュからの2方向、且つ伝達比が一定の2つの動力出力を実現することで、洗濯機のダブル駆動機能を実現する。
【0108】
本発明の洗濯機用減速クラッチ装置は、構造配置が合理的である。前記減速器は2つの軸固定歯車列で構成される。2つの軸固定歯車列はそれぞれ動力を減速して伝達し、出力軸及び出力ブッシュから2つの動力を出力する。これにより、減速比や、出力軸及び出力ブッシュの相対的に反対方向の一定伝達比による回動、及び負荷容量が満たされるため、従来のデュアルパワークラッチ減速装置における負荷容量に劣り、ノイズが大きい等の欠点が解消される。
【0109】
本実施例は、更に、洗浄槽、パルセータ及び減速クラッチ装置を含む洗濯機を提供する。減速クラッチ装置は、入力軸と、第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸と、出力軸に配設されて第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ、を含む。
【0110】
本実施例の洗濯機は、洗浄時に、回転モータが減速クラッチ装置を介して出力軸及び出力ブッシュを動作可能とし、デュアルパワー駆動を実現することで、洗浄効果を向上させる。また、脱水時には、回転モータが減速クラッチ装置を介して出力軸及び出力ブッシュを同一速度で同一方向に動作させることで、ソフト洗浄動作又は脱水動作を実施する。
【実施例2】
【0111】
図1図7を参照して、本実施例は、洗濯機用減速クラッチ装置を開示する。当該減速クラッチ装置は、入力軸1と、開口した内部空間を内部に有する制動輪と、入力軸1の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪の開口端に固定される制動輪軸2と、制動輪の内部空間内に設置される歯車列と、制動輪軸2のみをロックして入力軸1を単独回動させるか、前記制動輪軸2を解放し、制動輪軸2と入力軸1を接続して、入力軸1と制動輪17を同期回動させるクラッチ機構、を含む。
【0112】
本実施例では、クラッチ機構が制動輪軸2をロックすることで、制動輪17は入力軸1とともに回動することがなくなる。このとき、洗濯機は通常の洗浄過程を実行する。一方、脱水が必要な場合には、クラッチ機構が前記制動輪軸2を解放し、制動輪軸2と入力軸1を接続することで、入力軸1の回動に伴って制動輪軸2と制動輪を一体的に回動させる。
【0113】
前記クラッチ機構は、トルク伝達ブッシュ33、接続プレート3及び位置決めプレート4を含む。前記トルク伝達ブッシュ33は、入力軸1に配設されて入力軸1と一体的に回動する。前記位置決めプレート4は、前記制動輪軸2の外部に配設されて位置が固定されている。前記接続プレート3は、制動輪軸2に配設されて、前記トルク伝達ブッシュ33と位置決めプレート4の間に位置するとともに、軸方向にのみ摺動可能である。前記接続プレート3が位置決めプレート4に向かって摺動し、位置決めプレート4に接続されると、位置決めプレート4が接続プレート3を介して制動輪軸2をロックすることで、入力軸1が単独で回動する。また、接続プレート3がトルク伝達ブッシュ33に向かって摺動し、トルク伝達ブッシュ33に接続されると、トルク伝達ブッシュ33が接続プレート3を介して制動輪軸2と連動することで、入力軸1と制動輪軸2が同期して回動する。前記接続プレート3は接続孔を含んでおり、前記接続孔の内壁にインナースプラインが設けられている。また、前記制動輪軸2にはアウタースプラインが設けられており、前記接続プレート3と前記制動輪軸2がスプライン接続される。前記接続プレート3が位置決めプレート4に向かって摺動し、位置決めプレート4に接続されると、位置決めプレート4は、周方向において接続プレート3の回動を規制することで、前記制動輪軸2をロックする。また、位置決めプレート4がトルク伝達ブッシュ33に向かって摺動し、トルク伝達ブッシュ33に接続されると、トルク伝達ブッシュ33が接続プレート3と周方向において連動する。これにより、トルク伝達ブッシュ33は、接続プレート3を介して制動輪軸2を回動させる。
【0114】
制動輪軸2と接続プレート3はスプラインにより接続されるため、制動輪と接続プレートは周方向において一体的に回動する。また、接続プレート3は、制動輪軸2の軸方向に沿って摺動可能である。接続プレート3が一方の側に摺動して位置決めプレート4に接続されると、位置決めプレート4と接続プレート3は周方向において一体となる。位置決めプレート4の位置は固定されているため、接続プレート3は周方向において位置がロックされ、これにより、制動輪軸2も同様にロックされて回動不可能となる。このとき、入力軸1が回動しても、制動輪軸2及び制動輪が一緒に回動することはなく、位置の固定が維持される。また、接続プレート3が他方の側に摺動してトルク伝達ブッシュ33に接続されると、トルク伝達ブッシュ33と接続プレート3は周方向において連動する。そのため、入力軸1が回動すると、トルク伝達ブッシュ33が一体的に回動して、接続プレート3、制動輪軸2、制動輪も一体的に回動する。
【0115】
前記接続プレート3の両端には、トルク伝達ブッシュ33及び位置決めプレート4と噛合する噛合歯がそれぞれ備わっている。接続プレート3が位置決めプレート4に向かって摺動すると、接続プレート3と位置決めプレート4が噛合し、位置決めプレート4が周方向において接続プレート3の回動を規制する。また、接続プレート3がトルク伝達ブッシュ33に向かって摺動し、トルク伝達ブッシュ33と噛合すると、トルク伝達ブッシュ33、接続プレート3及び制動輪軸2が回動方向において連動する。当該方案では、噛合歯によって状態の切替を実現するため、切替過程が迅速であり、安定性も高い。
【0116】
前記接続プレート3は、上部環状体と、上部環状体の底部に接続されて同軸に設置される下部環状体を含む。上部環状体の直径は下部環状体の直径よりも大きい。また、上部環状体における下部環状体から離間する一端には、前記位置決めプレート4と噛合する噛合歯が周設されている。また、前記下部環状体における上部環状体から離間する一端には、トルク伝達ブッシュ33の噛合歯と噛合する噛合歯が周設されている。接続プレート3は制動輪軸2の外部に配設され、トルク伝達ブッシュ33は入力軸1上に配設される。そのため、接続プレート3のサイズはトルク伝達ブッシュ33よりも大きい。一方で、接続プレート3の両端の噛合歯は、噛合を要する部材に応じてそれぞれ設置する必要がある。よって、本発明では、接続プレート3を上部環状体と下部環状体として設置している。このうち、上部環状体の直径は大きいため、位置決めプレート4に組み合わされる噛合歯を設置し、下部環状体の直径は小さいため、トルク伝達ブッシュ33と噛合する噛合歯を設置する。当該構造設計によって、クラッチ機構の状態切替過程はいっそう安定的となる。
【0117】
好ましくは、減速クラッチ装置は、洗濯機の洗浄槽に固設される外部ケーシングを含む。前記制動輪は前記外部ケーシング内に装着され、前記位置決めプレート4は前記外部ケーシング上に固定的に装着される。外部ケーシングは洗濯機の洗浄槽の外槽に直接固定されるため、外部ケーシングと洗濯機の外槽は一体的に固定される。また、位置決めプレート4は当該外部ケーシング上に装着されるため、位置が固定されている。
【0118】
前記外部ケーシングは、上端ケース20及び下端ケース26を含む。前記上端ケースは前記洗浄槽に固定される。前記上端ケース20の軸受ハウジング内には第3転がり軸受19が装着されている。前記下端ケースは、前記上端ケースに装着されて、上端ケースとの間に制動輪を収容する空間を形成する。前記下端ケースの底部には取付孔が開設されている。前記位置決めプレート4は円形の貫通溝を含む。前記位置決めプレート4は、前記下端ケースの底部を覆うように装着されるとともに、円形の貫通溝が前記取付孔と同軸となる。前記制動輪軸2は、前記空間の内部から外部に向かって、前記取付孔及び円形の貫通溝を順に貫通する。位置決めプレート4は下端ケースの底部を覆うように装着されているため、接続プレート3と係合して前記接続プレート3をロックするのに都合がよい。
【0119】
前記下端ケース26の底部には軸受ハウジング262が突設されている。下端ケース26の軸受ハウジング262内には第1転がり軸受5が装着されている。前記制動輪は、前記軸受ハウジング262を貫通するよう設置される。前記位置決めプレート4は前記軸受ハウジングの外部に配設される。且つ、位置決めプレート4の円形の貫通溝は前記軸受ハウジングと同軸である。前記円形の貫通溝には、噛合歯が周設されている。前記接続プレート3が前記軸受ハウジングの方向に摺動すると、接続プレート3の上部の噛合歯が、前記円形の貫通溝に周設される噛合歯と噛合する。
【0120】
前記下端ケース26は、円筒状の側周壁261を含む。側周壁の一端は開口端となっており、他端は中心に向かって収斂することで環状の底壁を形成している。前記軸受ハウジング261は、前記環状の底壁の内縁から外側へ突設されるブッシュ部を含む。ブッシュ部の外縁には中心に向かって屈曲する屈曲辺が設けられている。当該屈曲辺は軸受の装着位置を規制するために用いられる。前記位置決めプレート4は環状体を含み、環状体の内縁が一方の側に突出してスリーブ部を形成している。また、スリーブ部の終端が中心に向かって屈曲して円環辺を形成しており、前記円環辺に歯車が周設されている。前記環状体は前記環状の底壁に密着するよう接続される。前記スリーブ部は前記ブッシュ部に配設され、前記円環辺が前記屈曲辺を覆う。
【0121】
上記の方案では、位置決めプレート4の環状体の全周を緊締部材によって下端ケース26の環状の底壁に固定することで、位置決めプレート4と下端ケースの構造を一体とする。
【実施例3】
【0122】
図1図7を参照して、実施例2をベースに、本実施例は更に洗濯機用減速クラッチ装置を提供する。本実施例2では、クラッチ機構について更に詳細に説明する。
【0123】
具体的に、クラッチ機構は接続プレート3及び駆動部材を含む。接続プレート3は、制動輪軸2をロックして入力軸1を単独で回動可能とする第1の位置と、制動輪を解放して制動輪と入力軸1を接続し、これらを連動させる第2の位置を有する。前記駆動部材は、前記接続プレート3を前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0124】
上記の方案において、クラッチ機構の駆動部材は、前記接続プレート3を運動させることで、入力軸1の単独回動と、入力軸1及び制動輪の同期回動との切替を実現可能である。本実施形態は、構造がシンプルで設計が合理的であり、機械性能が安定している。
【0125】
前記クラッチ機構はシフトフォーク28を含む。シフトフォーク28は、一端が前記駆動部材まで延伸し、他端が前記接続プレート3まで延伸している。前記駆動部材は前記シフトフォーク28の一端を上下動させ、シフトフォーク28の他端は、前記接続プレート3を前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0126】
好ましくは、前記シフトフォーク28の中央部は、回動可能にシフトフォークホルダ41に装着される。また、前記駆動部材は回転モータ24を含む。回転モータ24の出力軸には回転押動部材25が接続されている。前記回転押動部材25には押動部が設けられており、シフトフォーク28の一端が前記押動部に当接する。前記回転モータ24が回転押動部材を回動させると、回転押動部材の押動部が自転して、前記シフトフォーク28の対応する一端を上下動させるよう押動する。これにより、シフトフォーク28の他端が、前記接続プレート3を前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。本方案では、回転押動部材に押動部を設け、回転押動部材を回動させて押動部を自転させることで、接続プレート3の運動を実現可能としている。本駆動方案の構造はシンプル且つ精巧であり、エネルギー消費も小さい。
【0127】
更に、シフトフォーク28の一端は、押動部と当接状態を維持する。実現の原理としては、シフトフォーク28を戻しバネに接続することで実現してもよいし、その他の構造で実現してもよい。具体的には、以下で詳細に説明する。
【0128】
前記回転押動部材は円柱体251を含む。円柱体251の一端は回転モータ24の駆動軸に接続され、円柱体の他端には前記押動部が設けられている。押動部は、円柱体の周方向に延伸する螺旋面2521を有する。前記円柱体が回動すると、前記螺旋面2521が自転して、シフトフォーク28の対応する端部を上下動させるよう押動する。これにより、シフトフォーク28の他端が、前記接続プレート3を前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0129】
具体的に、前記押動部は、前記円柱体の一端における円形面の辺縁から周方向に延設される突条252を含む。突条252の先頭と末尾は隙間を有している。前記突条の一端から他端に向かう延伸方向において、突条の上面は、前記円形面から徐々に上昇し、最も高い位置に到達したあと、前記円形面まで徐々に下降する螺旋面2521をなすよう成型されている。前記シフトフォーク28の対応する端部には球状ボス282が設けられており、前記球状ボス282が前記螺旋面と接触及び連携する。更に、突条は対称構造をなすよう設計されている。これにより、回転モータ24が円柱体を180°回動させるたびに洗濯機の状態切替が1回行われる。例えば、突条の先頭と末尾の隙間を初期位置とし、回転モータ24が円柱体を180°回動させると、突条がシフトフォーク28の一端を下方へ回動させるよう押動し、シフトフォーク28の他端が接続プレート3を上方へ動作させることで、接続プレート3が位置決めプレート4と噛合する。このとき、洗濯機は洗浄過程を実行可能である。一方、脱水過程/ソフト洗浄を実行したい場合には、回転モータ24が円柱体を引き続き180°回動させる。すると、押上部と連携するシフトフォーク28の一端が上方へ戻ることで、シフトフォーク28の他端は、接続プレート3を下方に運動させてトルク伝達ブッシュ33と噛合させる。このとき、入力軸1は、制動輪を一体的に回動させて脱水又はソフト洗浄を行う。説明すべき点として、洗濯機は駆動モータ32を含み、駆動モータ32の出力端が前記入力軸1に接続される。洗濯機は、駆動モータ32の回動を制御することで、前記脱水過程又はソフト洗浄を実行するが、これらの違いは、主として回転速度と回動方向の違いである。
【0130】
前記回転モータ24と回転押動部材は上から下に順に設置される。回転押動部材の上部は回転モータ24に駆動可能に接続され、回転押動部材の底部には前記押動部が設けられている。前記シフトフォーク28における前記押動部に対応する一端は上方に屈曲して延伸しており、且つ、端部の球状ボスが前記押動部の螺旋面と接触する。
【0131】
洗濯機用減速クラッチ装置は、洗濯機の洗浄槽に装着される減速器大パネル(実施例1の上端カバー20を参照)を含む。前記減速器大パネルは、隣接して設置される第1装着部及び第2装着部を含む。前記制動輪は前記第1装着部に装着され、前記駆動部材は前記第2装着部に装着される。前記シフトフォーク28の一端は、前記第2装着部まで延伸して前記駆動部材の駆動端と接触する。
【0132】
他の並列的な実施形態において、前記シフトフォーク28の中央部は、回動可能にシフトフォークホルダ41に装着される。前記駆動部材はトラクションモータを含む。トラクションモータは、牽引索を介して前記シフトフォーク28の一端に接続される。トラクションモータが前記牽引索を回収/放出することで、前記シフトフォーク28は回動する。そして、これにより、シフトフォーク28の他端は、前記接続プレート3を前記第1の位置と第2の位置の間で運動させる。
【0133】
前記クラッチ機構は、トルク伝達ブッシュ33及び位置決めプレート4を含む。前記トルク伝達ブッシュ33は、入力軸1に配設されて入力軸1と一体的に回動する。前記位置決めプレート4は、前記制動輪軸2の外部に配設されて位置が固定されている。前記接続プレート3は、制動輪軸2に配設されて、前記トルク伝達ブッシュ33と位置決めプレート4の間に位置するとともに、軸方向にのみ摺動可能である。前記位置決めプレート4にはシフトフォークホルダ41が突設されており、シフトフォーク28の中央部が回動可能に当該シフトフォークホルダ41に装着される。シフトフォーク28は、一端が前記駆動部材まで延伸し、他端が前記接続プレート3まで延伸している。
【0134】
好ましくは、前記接続プレート3には環状ボスが設けられており、前記シフトフォーク28における前記接続プレート3まで延伸する一端には半環状挟持部が設けられている。シフトフォーク28は、前記半環状挟持部281によって前記環状ボスを挟持する。
【0135】
上記の方案では、シフトフォーク28の挟持部281が前記接続プレート3の環状ボスを挟持するため、前記接続プレート3を上下動させやすい。
【0136】
加えて、本実施例において、シフトフォーク28の一端は、押動部と当接状態を維持する必要がある。実現の原理としては、シフトフォーク28を戻しバネに接続することで実現してもよいし、接続プレート3による押動で実現してもよい。具体的に、前記接続プレート3と位置決めプレート4/下端ケースの間にはバネ30が圧縮して配置されている。或いは、位置決めプレート又は下端ケースにバネキャップ29が装着されており、バネ30の上端が前記バネキャップに当接する。また、バネの底端が前記接続プレートに接触して、接続プレートを下方へ押動する。接続プレート3は、バネ30の作用によって、下方に運動する付勢力を有する。一方で、シフトフォーク28の一端は押動部に当接し、他端は当該接続プレート3に作用する。通常状態において、シフトフォーク28における接続プレートと連携する一端は、バネ30の作用により下方へ運動してトルク伝達ブッシュ33と噛合する。一方、シフトフォークの他端は、上方へ運動して押動部の突条の最も底端に当接する。このとき、洗濯機の入力軸1は単独回動のみが可能であり、洗濯機は洗浄過程を実行する。
【0137】
回転モータ24が円柱体を180°回動させると、シフトフォーク28の端部は突条252により押動されて下方へ運動する。すると、シフトフォーク28の他端が接続プレート3を上方へ運動させるよう押動し、接続プレート3が、押動部の作用により圧縮バネ30を上方へ運動させて位置決めプレート4と噛合する。このとき、入力軸1と制動輪17が連動して、洗濯機は脱水又はソフト洗浄過程を実行可能となる。
【実施例4】
【0138】
図1図3図8図10を組み合わせて、本実施例では、主に、上記実施例1~実施例3の出力ブッシュと制動輪の具体的連携方式について詳述する。
【0139】
本実施例は、減速機構を含む洗濯機用減速クラッチ装置を提供する。前記減速機構は、入力軸1と、第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸22と、出力軸22に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ21と、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪17、を含む。前記制動輪17と出力ブッシュ22の間には第2転がり軸受18が装着されている。
【0140】
本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は、第1軸固定歯車列、第2軸固定歯車列という2つの軸固定歯車列により、入力軸1から入力された動力を減速して出力軸22及び出力ブッシュ21に割り当てる。シンプル且つ安定的な軸固定歯車列によって、1つの動力入力に対し、2つの動力出力という効果を実現可能である。
【0141】
これにより、本実施例の洗濯機用減速クラッチ装置は、洗濯機に応用された場合に、洗濯機の洗浄/すすぎ過程において出力軸22及び出力ブッシュ21からの2つの動力出力を実現可能である。出力軸22及び出力ブッシュ21の2つの回転方向が相対的に反対の場合には、内槽とパルセータがそれぞれ相対的に反対方向に運動することで、デュアルパワー洗浄効果が実現される。これにより、洗浄水流の多様性が増して、洗浄効果が向上する。また、出力軸22と出力ブッシュ21が同一速度で同一方向に回動する場合には、内槽とパルセータがそれぞれ同一速度で同一方向に回動することで、衣類に対する摩擦の小さいソフト洗浄効果が実現される。
【0142】
揉みによる損傷が生じやすい衣類の場合には、ソフト洗浄プログラムを行う必要がある。本実施例では、出力ブッシュ21と制動輪17の間に設置される回転槽軸受100を従来の一方向軸受の代わりに用いることで、内槽とパルセータについて、同一方向の時計回りの回転、又は、同一方向の反時計回りの回転を実現可能とする。また、内槽とパルセータが、同一速度で同一方向の時計回りの回転と反時計回りの回転を交互に行うよう制御することも可能である。これにより、衣類の摩擦が低減するだけでなく、一段と多様化された水流を形成することも可能なため、衣類の清浄化率が向上して、衣類の洗浄効果が保証される。
【0143】
具体的に、前記制動輪17は開口した内部空間を有している。また、前記制動輪17は、内部が中空の柱状構造をなしている。柱状の制動輪17は一端が開口しており、他端が閉塞されている。第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列は制動輪17の空間内に位置している。前記開口端は、入力軸1の外部に配設される制動輪軸2に固定接続される。また、前記制動輪17における出力軸22寄りの閉塞端には開口171が備わっている。前記出力軸22及び出力ブッシュ21は、制動輪17の開口171を通じて洗濯機のパルセータ及び内槽にそれぞれ接続される。前記開口171は円形状をなしており、外側に向かって延伸することで、第2転がり軸受18を装着するための中空筒状の軸受ハウジング172を形成している。前記軸受ハウジング172内には前記第2転がり軸受18が装着されている。出力ブッシュ21は、前記第2転がり軸受18との連携によって、前記制動輪17に動作可能に接続される。前記軸受ハウジング172は、制動輪17に独立して設置される構造としてもよいが、前記軸受ハウジング172と制動輪17を一体型の構造とすることで、生産加工が容易となり、装着ステップが簡略化される。また、これらの間の安定性も強化され、長期間使用しても緩み等の現象が生じにくくなる。
【0144】
更に、前記第2転がり軸受18は、内輪及び外輪と、内輪と外輪の間に設置される転動体を含む。前記内輪は前記出力ブッシュ21に接続されるとともに、出力ブッシュ21に付随して回動する。前記第2転がり軸受18の外輪は前記軸受ハウジング172に連携及び固定接続されて、支持作用を奏する。使用する第2転がり軸受18は、内槽とパルセータの同一速度で同一方向の時計回りの回動を実現可能なだけでなく、同一速度で同一方向の反時計回りの回動も実現可能である。また、制動輪17と出力ブッシュ21の間の滑り摩擦が転がり摩擦に変更されるため、摩擦損失が減少し、減速クラッチ装置及び洗濯機の寿命が延びる。
【0145】
更に、前記出力ブッシュ21には軸受装着部211が設置されており、前記軸受装着部211と前記第2転がり軸受18が連携するよう装着される。好ましくは、前記軸受装着部211は、出力ブッシュ21における制動輪17寄りの端部を外側に延伸させて形成される。前記軸受装着部211と出力ブッシュ21は一体的に設置された構造をなす。これにより、構造がシンプルとなり、装着ステップが簡略化されるため、生産及び取付の効率が向上する。また、機械構造の性能が安定する。
【0146】
上記の方案において、前記軸受装着部211の外径は前記第2転がり軸受18の内輪の内径よりも大きく、前記出力ブッシュ21と第2転がり軸受18は締り嵌めとされる。装着時には、焼き嵌めとしてもよいし、圧入としてもよく、第2転がり軸受18の表面を基準とする。よって、内輪と軸受装着部211の間はホールベースの締り嵌めとなる。ただし、軸受を取り外しやすいよう、嵌め合い公差は大きすぎてはならず、例えばH7/k6とする。同様に、前記第2転がり軸受18と前記軸受ハウジング172の間も締り嵌めにより連携させる。前記軸受ハウジング172の内径は前記第2転がり軸受18の外径よりも小さく、装着時には、焼き嵌めとしてもよいし、圧入としてもよい。これにより、転がり軸受100と軸受ハウジング172の緊密な連携を保証可能となる。このようにしなければ、震動中に、軸受と軸受ハウジング172に衝撃が加わり、軸受ハウジング172が脈動繰り返し変動応力を受けることで、軸受と軸受ハウジング172の損傷が大変大きくなる。また、仮に隙間嵌めとした場合には、軸にも振動が発生し、軸が対称繰り返し変動応力を受けるとともに、衝撃も加わる。これにより、軸及び軸上の部品の損傷が一段と大きくなる。
【0147】
好ましくは、前記軸受ハウジング172の外縁には、中心に向かって屈曲する屈曲辺が設けられている。当該屈曲辺は、第2転がり軸受18の装着位置を規制することで、洗濯機の震動過程における軸受の跳動等を防止するために用いられる。
【0148】
更に、前記出力ブッシュ21の直径と軸受装着部211の直径は異なっている。前記出力ブッシュ21の外径は前記軸受装着部211の外径よりも大きい。これにより、使用過程で外力の作用を受けて、第2転がり軸受18と出力ブッシュ21の間に変位が生じ、洗濯機の正常な使用に影響を及ぼすとの事態が防止される。
【0149】
具体的に、前記出力ブッシュ21と軸受装着部211は、移行傾斜部213を介して移行し、接続されている。前記出力ブッシュ21の端部が内側に傾斜して延伸したあと、外側に向かって水平に延伸することで、前記軸受装着部211が形成される。
【0150】
好ましくは、前記移行傾斜部213の外周壁には、いくつかのネジ山が周方向に設置されている。これにより、使用過程で外力の作用を受けて、第2転がり軸受18と軸受装着部211の間に変位や跳動が生じ、正常な使用に影響を及ぼすとの事態が防止される。
【0151】
本実施例において、前記第2軸固定歯車列は、固設される第2軸固定歯車フレーム12と、回動可能に第2軸固定歯車フレーム12に装着される第2軸固定歯車群23を含む。また、前記軸受装着部211の長さは前記第2転がり軸受18の厚さよりも大きい。軸受装着部211における第2転がり軸受18から突出する端部の外壁には、前記第2軸固定歯車群23に連携するよう接続される挿入歯溝212が設けられている。また、前記出力ブッシュ21における制動輪17から離間する端部には、円盤状の接続フランジ214が設けられている。前記接続フランジ214にはいくつかの接続孔が設けられており、前記接続フランジ214の接続孔を利用して内槽と接続することで、内槽の回動を実現する。
【0152】
本実施例は、更に、上記の減速クラッチ装置を利用する洗濯機を提供する。当該洗濯機は、内槽、パルセータ及び減速クラッチ装置を含む。減速クラッチ装置は、入力軸1と、第1リングギヤを含む第1軸固定歯車列と、第2軸固定歯車列と、前記第1リングギヤに接続されるとともに、第2軸固定歯車列に伝動可能に接続される出力軸22と、出力軸22に配設されて内槽を動作させるとともに、第2軸固定歯車列に接続される出力ブッシュ21と、前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列が内部に位置する制動輪17、を含む。前記制動輪17と出力ブッシュ22の間には第2転がり軸受18が装着されている。
【実施例5】
【0153】
本実施例では、実施例1における第1軸固定歯車フレーム6と第2軸固定歯車フレーム12との接続方式について説明する。
【0154】
図1図3図11図14に示すように、ここで提供する減速クラッチ装置は制動輪17及び制動輪軸2を含む。制動輪17は、開放された内部空間を内部に有している。前記制動輪軸2は、入力軸1の外部に配設されるとともに、一端が閉塞するよう制動輪17の開口端に固定される。前記第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列は、制動輪17の内部空間内にそれぞれ設置される。前記第1軸固定歯車フレーム6は制動輪軸2又は制動輪17に固定され、前記第2軸固定歯車フレーム12は第1軸固定歯車フレーム6に固定される。
【0155】
好ましくは、図13に示すように、前記制動輪軸2は、入力軸の外部に配設されるブッシュ部と、制動輪の開口端を閉塞するエンドカバー部を含む。第1軸固定歯車フレーム6は制動輪軸2のエンドカバーに固定され、前記第2軸固定歯車フレーム12は第1軸固定歯車フレーム6に固定的に接続される。
【0156】
前記第1軸固定歯車フレーム6は、第1軸固定歯車フレーム本体、第1軸固定歯車フレームカバー10、複数の接続固定ロッド62及び複数の第1歯車軸7を含む。
【0157】
図12及び図14の組み合わせに示されるように、前記接続固定ロッド62は、一端が第1軸固定歯車フレーム本体に固定され、他端が制動輪軸のエンドカバー部に固定される。前記第1歯車軸7の両端は、それぞれ、第1軸固定歯車フレーム本体と第1軸固定歯車フレームカバー10に固定される。前記第2軸固定歯車フレーム12は、第2軸固定歯車フレーム本体、第2軸固定歯車フレームカバー15、及び、第2軸固定歯車フレーム本体と第2軸固定歯車フレームカバー15に固定的に接続される第2歯車軸31を含む。前記第2軸固定歯車フレーム本体は第1軸固定歯車フレーム本体に固設される。
【0158】
図11との組み合わせに示されるように、第1軸固定歯車フレーム本体には挿入歯溝61が設けられており、前記第2軸固定歯車フレーム本体には挿入歯が設けられている。前記第2軸固定歯車フレーム本体の挿入歯を前記第1軸固定歯車フレーム本体の挿入歯溝61に挿入することで、相対的な固定接続が実現される。
【0159】
前記第1軸固定歯車フレーム本体の挿入歯溝61の下部には歯受位置規制部が備わっており、前記第2軸固定歯車フレーム本体の挿入歯の端面が前記歯受位置規制部に当接する。歯受位置規制部は、第1軸固定歯車フレーム本体の壁面と挿入歯溝61の間に形成される段差面である。これにより、挿入歯溝61の貫通を妨げて、第1軸固定歯車フレーム本体に対する第2軸固定歯車フレーム本体の挿入深さを規定している。
【実施例6】
【0160】
本実施例は、洗濯機の制御方法を提供する。具体的には、洗濯機の洗浄過程において、内槽とパルセータが回転時に相対的に静止する状態を含む。
【0161】
本実施例の洗濯機はパルセータを備える洗濯機であり、内槽が洗浄槽となる。内槽は、孔あり内槽であってもよいし、孔無し内槽であってもよい。パルセータは内槽の底部に設置される。一般的な洗濯機は、洗浄過程において、パルセータの回転により水流を動かして、衣類を押し流すことで洗浄する。デュアルパワー洗濯機の場合には、洗浄過程で内槽とパルセータが同時に回転可能なため、パルセータのみが回転する場合よりも発生する水流が強力となる。しかし、やや単一的な洗浄水流しか含まれないため、洗浄効果に限界があり、洗浄効果の向上が顕著でない。
【0162】
本実施例では、洗浄過程において、内槽とパルセータが回転時に相対的に静止する状態を実現可能である。これにより、内槽とパルセータが同一方向、同一速度で回動する場合の水流形式が加わるため、洗浄水流の多様性が増し、ソフト洗浄が実現される。よって、衣類に対する洗濯ケア効果が向上する。
【0163】
具体的に、洗濯機の洗浄過程には、第1運転状態及び/又は第2運転状態が含まれる。第1運転状態では、内槽とパルセータが回転時に相対的な運動状態となり、第2運転状態では、内槽とパルセータが回転時に相対的な静止状態となる。
【0164】
第1運転状態において、内槽とパルセータが相対的な運動状態になるとは、内槽とパルセータが反対方向に回転し、且つ、回転速度が同一又は異なることを含む。また、第2運転状態において、内槽とパルセータが相対的な静止状態になるとは、内槽とパルセータが同一方向且つ同一速度で回動することを含む。具体的に、内槽とパルセータは、同一の回転速度で同時に時計回り又は反時計回りに回転する。
【0165】
同一の洗浄過程において、洗濯機は、内槽とパルセータにつき回転時の相対的な静止状態を終始維持してもよいし、相対的な運動状態を終始維持してもよい。また、一部の時間のみ相対的な静止状態を実行し、一部の時間を相対的な運動としてもよい。異なる状態間で切替を実施可能とし、複数種類の水流を実現することで、洗浄効果が一段と高まる。
【0166】
本実施例の一実施形態として、本実施例は、洗濯機の制御方法を提供する。具体的には、以下を含む。
【0167】
同一の洗浄過程において、洗濯機は、第1運転状態のみを実行するか、第2運転状態のみを実行する。
【0168】
本実施例では、同一の洗浄過程において、内槽とパルセータが第1運転状態のみを実行可能である。この場合、内槽とパルセータは相対的に運動し、同一方向で異なる速度か、反対方向の回転運動を行う。これにより、比較的力強い水流を形成可能なため、洗浄効果を向上させるのに都合がよい。
【0169】
また、同一の洗浄過程において、内槽とパルセータは第2運転状態のみを実行してもよい。この場合、内槽とパルセータは相対的な静止状態を終始維持する。つまり、内槽とパルセータは、洗浄過程において同一速度、同一方向で回転して、新たな形式の水流を形成する。このことは、軽くて柔らかい素材の衣類についてソフト洗浄を行うのに都合がよい。
【0170】
洗浄過程において、内槽とパルセータが同一速度で同一方向に回転する場合には、以下の状況が含まれる。
【0171】
状況1:洗浄過程において、内槽とパルセータが一貫して時計回りに同一方向、同一速度で回転する。
【0172】
状況2:洗浄過程において、内槽とパルセータが一貫して反時計回りに同一方向、同一速度で回転する。
【0173】
状況3:洗浄過程において、内槽とパルセータが、同一速度で同一方向の時計回りと、同一速度で同一方向の反時計回りの間で切り替わる。
【0174】
いずれの状況であっても、同一の洗浄過程において、内槽とパルセータは相対的な静止状態を終始維持するため、内槽とパルセータが同一方向、同一速度で回動する場合の水流形式が実現される。これにより、一段とソフトな洗浄が可能となり、軽くて柔らかい素材の衣類に対する洗濯ケア効果が向上する。
【0175】
本実施例の一実施形態として、本実施例は、洗濯機の制御方法を提供する。具体的には、以下を含む。
【0176】
洗濯機の洗浄過程には第1運転状態と第2運転状態が含まれ、且つ、第1運転状態と第2運転状態の間で切替を実施可能である。
【0177】
第1運転状態では、内槽とパルセータが回転時に相対的な運動状態となり、第2運転状態では、内槽とパルセータが回転時に相対的な静止状態となる。
【0178】
本方案では、洗浄過程において、2種類の運転状態の間で切替を実施可能であり、2種類の運転状態において異なる洗浄水流を発生させられる。これにより、洗浄水流の多様性が増すため、衣類の洗浄効率及び洗浄比を向上させられる。
【0179】
具体的に、洗浄過程における2種類の運転状態には、内槽とパルセータが相対的に静止する状態と、内槽とパルセータが相対的に運動する状態が含まれる。内槽とパルセータが回転過程において相対的な静止状態にある場合、形成される水流の方向は一致し、流速が安定する。この場合には、衣類が受ける引張力又は引き伸ばし力が小さくなるため、衣類に対する摩耗を低下させることができ、ソフト洗浄が実現される。一方、内槽とパルセータが相対的に運動する状態の場合には、形成される水流強度が大きくなる。このように、上記2種類の状態を切り替えて洗浄し、互いに組み合わせれば、洗浄効果を向上させられるだけでなく、衣類を保護して衣類の摩耗や変形を低下させるとの作用も奏し得るため、ユーザのニーズを満足させられる。
【0180】
洗浄過程において、第2運転状態で内槽とパルセータが相対的な静止状態になるとは、内槽とパルセータが同一方向且つ同一速度で回動することを含む。内槽とパルセータは、同時に同一の回転速度で時計回りに回転してもよいし、反時計回りに回転してもよい。この場合には、内槽及びパルセータの双方が回転するが、これらの運動は完全に同期するため、両者が相対的に静止する。このとき、内槽内に形成される水流は、同様の安定した速度で同一方向に流動するため、内槽内の衣類がこのような水流の運動に伴って受ける引張力は最小となる。この種のソフト洗浄は、シルクや毛素材等の変形しやすい衣類に一段と適している。
【0181】
一方、第1運転状態において、内槽とパルセータが相対的な運動状態となる方式には複数の種類が存在し、方式の違いによってやや異なる強度の水流を形成可能である。本実施例では、第1運転状態と第2運転状態で形成される水流を互いに組み合わせて洗浄を行う。第1運転状態における内槽とパルセータの運動方式には、以下の数種類の方案が含まれ得る。
【0182】
方案1:内槽とパルセータが反対方向に回転し、且つ、内槽とパルセータの回転速度が同じである。
【0183】
内槽とパルセータが反対方向に回転し、且つ、内槽とパルセータの回転速度が同じである場合には、反対方向に回転する2つの水流が形成される。2つの水流がぶつかる箇所には強力な旋回水流が形成されて、衣類に対する大きな洗い流し力が生じるため、洗浄効果と清浄化率が保証される。
【0184】
方案2:内槽とパルセータが反対方向に回転し、且つ、内槽とパルセータの回転速度が異なっている。方案1の効果と同様に、内槽とパルセータの回転により強力な旋回水流を形成可能であり、衣類に対する大きな洗い流し力及び引張力が生じるため、洗浄効果と清浄化率が保証される。
【0185】
好ましい方案として、前記内槽とパルセータが反対方向に回転する際に、回転速度を異ならせ、且つ回転速度の差分値を一定値又は変動値とする。これにより、一定強度の水流を予め設定可能となる。当該水流の強度は大多数の衣類に適しており、高い洗浄効率の達成を保証可能であるとともに、衣類の損傷も回避可能である。
【0186】
方案3:第1運転状態において、内槽とパルセータは同一方向に回転するが、内槽とパルセータの回転速度は異なっている。内槽とパルセータが同一方向ではあるが異なる速度で回転する場合にも、強度の大きな旋回水流を形成可能であり、洗浄効率が保障される。
【0187】
更に、内槽とパルセータは同一方向に異なる速度で回転し、且つ、内槽とパルセータの回転速度の差分値は一定値又は変動値である。こうすることで、一定強度の水流を予め設定可能になるとともに、安定した洗浄プログラムの形成にも都合がよい。
【0188】
第1運転状態において、内槽とパルセータが反対方向に回転する際の回転速度の差分値は、内槽とパルセータが同一方向に異なる速度で回転する際の回転速度の差分値以下である。こうすることで、強度が比較的適切であり、且つ比較的安定した水流を形成可能となり、洗浄効果と清浄化率が向上する。
【0189】
このほか、本実施例において、同一の洗浄過程で第1運転状態と第2運転状態の実行を切り替える際には、具体的な方法として、以下のいくつかの具体的方案を含み得る(ただし、これらに限らない)。
【0190】
方案1:同一の洗浄過程において、洗濯機は、第1運転状態/第2運転状態と、第2運転状態/第1運転状態を順に実行する。
【0191】
本方案において、洗濯機は、第1運転状態を1回実行し、第2運転状態を1回実行する。この場合、第1運転状態を先に実行してから第2運転状態を実行してもよいし、第2運転状態を先に実行してから第1運転状態を実行してもよい。第1運転状態及び第2運転状態の運転時間は、必要に応じて予め設定可能である。例えば、ユーザが洗浄プログラムの運転を選択したあと、洗濯機は、まず、時間T1に達するまで第1運転状態を実行してから、時間T2に達するまで第2運転状態を実行するよう制御する。時間T1及び時間T2は、同じであっても異なっていてもよく、具体的には、必要に応じて予め設定してもよいし、ユーザ自身で設定してもよい。
【0192】
方案2:洗濯機は、第1運転状態と第2運転状態の間で複数回の切替を行うよう制御して、第1運転状態と第2運転状態を交互に実行する。
【0193】
本方案において、洗濯機は、第1運転状態と第2運転状態をn回実行する。第1運転状態と第2運転状態は交互に実行される。洗濯機は、定期的又は不定期にこれらの切替を行う。こうすることで、洗浄過程で形成される水流が一段と多様化する。2種類の運転状態を互いに組み合わせることで、衣類に対する高い洗浄効率と高い清浄化率との目的が達成されるとともに、衣類に対する摩耗も大幅に低下させられる。
【0194】
更なる方案として、同一の洗浄過程において、第1運転状態と第2運転状態を交互に実行する。第1運転状態となるたびに、パルセータと内槽は反対方向に回転するか、パルセータと内槽は同一方向に異なる速度で回転する。また、第2運転状態において、内槽とパルセータは、同一方向、同一速度で時計回り又は反時計回りに回転する。
【0195】
洗濯機が、複数回の第1運転状態と第2運転状態を交互に実行する場合、第1運転状態において、内槽とパルセータの運転状態は毎回同じであってもよいし、同じなくてもよい。例えば、内槽とパルセータは毎回反対方向に回転してもよいし、毎回同一方向に異なる速度で運動してもよい。このような運転は比較的規則性があり、衣類の回転方向も比較的規則性を有するため、衣類の絡まりを減少させられる。或いは、先に、内槽とパルセータが反対方向に回転し、次に、内槽とパルセータが同一方向に異なる速度で回転する。この場合には、一段と多様化した水流を形成可能となり、衣類の清浄化率が向上する。一方、第2運転状態において、内槽とパルセータは同一方向に同一回転速度で回転する。第2運転状態の実行に切り替えるたびに、内槽とパルセータは前回と同じ又は異なる回転速度で回転してもよいし、時計回りに回転してもよいし、反時計回りに回転してもよい。
【0196】
更なる方案として、同一の洗浄過程において、洗濯機は、第1運転状態と第2運転状態を交互に実行する。第1運転状態となるたびに、パルセータと内槽は毎回反対方向に回転する。且つ、パルセータと内槽の回転速度の差分値は一定値である。また、第2運転状態となるたびに、パルセータと内槽は毎回同一方向に同一速度で時計回りに回転する。この場合、内槽とパルセータの運転は比較的規則性を有し、衣類の回転方向も比較的規則性を有するため、衣類の絡まりを減少させられる。
【0197】
更なる方案として、第2運転状態において、パルセータと内槽は同一方向に回転し、且つ、回転速度はいずれもV1である。前記V1は、第1運転状態における内槽及びパルセータの回転時の回転速度のうち小さい方の値以上とする。こうすることで、衣類の洗浄効率及び洗浄比を向上させられるとともに、衣類の摩耗も低減させることができ、ソフト洗浄が実現される。よって、ユーザのニーズを満足させられる。
【0198】
本実施例の一実施形態として、本実施例は、洗濯機の制御方法を提供する。本実施例における洗浄過程では、第1状態を実行するか、第2運転状態を実行するか、第1運転状態と第2運転状態を実行する。第1運転状態では、内槽とパルセータが回転時に相対的な運動状態となり、第2運転状態では、内槽とパルセータが回転時に相対的な静止状態となる。
【0199】
本実施例では、従来の洗濯機における通常洗浄プログラムの洗浄過程に第2運転状態を追加可能であるとともに、従来の洗濯機にソフト洗浄モードを単独で設定可能である。これにより、ソフト洗浄モードが追加され、ソフト洗浄過程を単独で実行可能となる。ユーザが洗浄過程を切り替え可能な通常洗浄プログラム又はソフト洗浄モードを選択すると、洗濯機は、洗浄過程で第1運転状態と第2運転状態の実行を切り替えるか、第2運転状態を単独で実行する。
【0200】
具体的に、本実施例では、従来の洗濯機のプログラムをベースとして、ソフト洗浄プログラムを単独で設定可能である。これにより、ユーザが選択可能な洗浄プログラムが増加し、洗濯機のプログラムが充実するため、ユーザエクスペリエンスが向上する。具体的には、以下を含む。
【0201】
ユーザが選択しやすいように、従来の洗濯機には、通常洗浄プログラム、高速洗浄プログラム等が含まれている。また、洗濯機は、ソフト洗浄プログラム及び強力洗浄プログラムを更に含む。ソフト洗浄プログラムの洗浄過程において、洗濯機は、第2運転状態のみを実行してもよいし、第1運転状態と第2運転状態の実行を切り替えてもよい。また、強力洗浄プログラムの洗浄過程において、洗濯機は第1運転状態を実行する。この場合、運転過程において、内槽とパルセータは反対方向に回転し、比較的強力な水流を形成するため、洗濯効果が向上する。
【0202】
当該ソフト洗浄プログラムは、従来の洗濯機をベースに別途追加されたプログラムであり、柔らかい素材の衣類を対象とする。ユーザがソフト洗浄プログラムを選択して運転した場合、洗濯機は第2運転状態のみを単独で実行可能である。この場合、内槽とパルセータは、同一速度、同一方向で時計回り及び/又は反時計回りに回転可能となる。そして、次に、ユーザが強力洗浄プログラムを選択した場合には、第1運転状態に切り替えて洗浄過程を実行する。また、ソフト洗浄プログラムでは、第1運転状態と第2運転状態を切り替えて、強い水流と弱い水流を切り替えながら運転してもよい。これにより、洗浄水流の充実、洗浄効果の向上及び衣類の変形回避との目的が達成される。
【0203】
このように、洗濯機のプログラムには、通常洗浄プログラムだけでなく、強力洗浄プログラム及びソフト洗浄プログラムも含まれる。ユーザは、衣類の材質及び汚れの度合等に応じて適切な洗浄プログラムを主体的に選択可能であり、異なる洗浄プログラム/運転状態の間で切替を実施可能である。これにより、洗濯機の洗浄プログラムが充実し、洗浄水流が豊富となってユーザエクスペリエンスが向上するだけでなく、洗濯及び衣類ケア効果を向上させるとの目的も達成可能である。
【実施例7】
【0204】
図1図14を参照して、本実施例は、上記実施例1~実施例5で記載した減速クラッチ装置を有する洗濯機を提供する。当該洗濯機は、実施例6の第1運転状態及び第2運転状態という2種類の洗浄状態を有する。且つ、当該洗濯機は脱水状態も有する。
【0205】
当該洗濯機は駆動モータ32を含む。駆動モータ32は前記入力軸1に接続される。洗浄過程において、第1運転状態に進みたい場合、洗濯機は、駆動部材が接続プレートを上方に運動させて、位置決めプレートと噛合させるよう制御する。これにより、位置決めプレートは接続プレートを介して制動輪軸をロックする。この場合、駆動モータが入力軸を回動させると、入力軸1は動力を第1軸固定歯車列に伝達する。第1軸固定歯車列は動力を出力軸22に出力し、出力軸22は、動力を第2軸固定歯車列にも同時に伝達する。そして、第2軸固定歯車列が動力を出力ブッシュ21に出力することで、出力軸と出力ブッシュ21が反対方向に回動する。一方、脱水段階に進みたい場合、或いは、第2運転状態に進みたい場合、洗濯機は、駆動部材が接続プレートを下方に運動させて、入力軸のトルク伝達ブッシュ33と噛合させるよう制御する。この場合、モータが入力軸1を回動させると、入力軸1と制動輪軸2が同期して回動する。そして、入力軸1と制動輪軸2が、制動輪17と、内部の第1軸固定歯車列及び第2軸固定歯車列を同期して回動させることで、出力軸21と出力ブッシュ21が同一速度で同一方向に回動する。
【0206】
説明すべき点として、脱水状態と前記第2運転状態との違いは、主に回転速度の違いである。脱水状態に進みたい場合、洗濯機はモータを高速回転させるよう制御するが、第2運転状態に進みたい場合、洗濯機はモータを低速回転させるよう制御する。加えて、もう1つの違いとして、脱水状態では、洗濯機がモータを一方向に回転させるよう制御して脱水を実現する。一方、第2運転状態の場合、洗濯機は、モータが間隔を置いて繰り返し正逆回転過程を実行するよう制御することで、衣類に対するソフト洗浄を実現する。これにより、良好な洗浄効果が達成される。
【実施例8】
【0207】
本実施例では、実施例1における第2軸固定歯車列の第2リングギヤ13と出力ブッシュ21との伝動関係について説明する。
【0208】
図1図20に示すように、前記入力軸1は動力を第1軸固定歯車列に伝達し、前記第1軸固定歯車列は動力を前記出力軸22に出力する。前記出力軸22は、動力を前記第2軸固定歯車群にも同時に伝達する。前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤ16に動力を伝達して出力ブッシュ21を回動させる。
【0209】
図15図19に示すように、前記第2軸固定歯車列は第2トルク伝達プレート16を含む。前記出力ブッシュ21、第2リングギヤ13は、前記第2トルク伝達プレート16にそれぞれ固定的に接続される。前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤ13に伝動可能に接続される。前記第2軸固定歯車群は前記第2リングギヤ13に動力を伝達して、前記第2トルク伝達プレート16及び前記出力ブッシュ21を同期して回動させる。
【0210】
前記第2トルク伝達プレート16の外周には、第2トルク伝達プレート挿接歯(図18参照)が設けられている。また、前記第2リングギヤ13には、第2トルク伝達プレート挿接歯と一致する第2リングギヤ歯受溝が設けられている(図16参照)。第2トルク伝達プレート挿接歯を第2リングギヤ歯受溝内に挿接することで、第2トルク伝達プレート16と第2リングギヤ13を一体的に接続する。
【0211】
前記第2トルク伝達プレート16の中央部には第2トルク伝達プレート挿入歯溝が設けられており、前記出力ブッシュ21の一端には出力ブッシュ挿入歯が設けられている(図17参照)。出力ブッシュ挿入歯を第2トルク伝達プレート挿入歯溝内に挿接することで、出力ブッシュと第2トルク伝達プレートを一体的に接続する。
【0212】
前記第2リングギヤ歯受溝の歯形は前記第2軸固定歯車群の歯形と同一である。且つ、前記第2リングギヤ歯受溝の歯は前記第2軸固定歯車群の歯に接続される。
【0213】
前記第2トルク伝達プレート16における第2トルク伝達プレート挿接歯に位置する一端には、歯受位置規制部が設けられている。前記歯受位置規制部は第2リングギヤの端面に当接する。
【0214】
前記歯受位置規制部は、第2トルク伝達プレート挿接歯の端部に設けられる位置規制エンドカバーである。前記位置規制エンドカバーは、第2トルク伝達プレート挿接歯の歯溝の軸方向における貫通を閉塞する。
【0215】
前記第2リングギヤ歯受溝と前記第2軸固定歯車群の間には、前記第2リングギヤ歯受溝に対する前記第2トルク伝達プレート挿接歯の挿入深さを規定するための位置規制段差が備わっている。
【0216】
前記第2リングギヤ13はプラスチック製の第2リングギヤであり、前記第2トルク伝達プレート16は金属製のプレート状構造をなしている。前記第2トルク伝達プレート16は、前記出力ブッシュ21、前記第2リングギヤ13にそれぞれ固定接続されて一体をなす。
【0217】
前記第2軸固定歯車列は、前記出力軸22に固定的に装着される中央歯車14を含む。また、前記第2軸固定歯車フレームは複数の第2歯車軸31を含む。前記第2軸固定歯車群は、それぞれ回動可能に各第2歯車軸31に装着される第2軸固定歯車23を含む。前記中央歯車14は、全ての第2軸固定歯車23と外噛み合い伝動を行い、全ての前記第2軸固定歯車23は前記第2リングギヤ13と内噛み合い伝動を行う。
【0218】
好ましくは、前記第2歯車軸31を4つ含み、各第2歯車軸31にそれぞれ第2軸固定歯車23が設置される。
【0219】
図20に示すように、前記第1軸固定歯車列は、第1軸固定歯車群及び第1トルク伝達プレート11を含む。前記第1リングギヤ9は、前記第1軸固定歯車群と内噛み合い伝動を行う。前記第1トルク伝達プレート11は、それぞれ、前記第1リングギヤ9及び前記出力軸22に固定的に接続される。
【0220】
第2トルク伝達プレート16の構造と同様に、前記第1トルク伝達プレート11の外周には第1トルク伝達プレート挿接歯が設けられており、前記第1リングギヤ9には、第1トルク伝達プレート挿接歯と一致する第1リングギヤ歯受溝が設けられている。第1トルク伝達プレート挿接歯を第1リングギヤ歯受溝内に挿接することで、第1トルク伝達プレートと第1リングギヤを一体的に接続する。前記第1トルク伝達プレートの中央部には第1トルク伝達プレート挿入歯溝が設けられており、前記出力軸の一端には出力軸挿入歯が設けられている。出力軸挿入歯を第1トルク伝達プレート挿入歯溝内に挿接することで、出力ブッシュと第1トルク伝達プレートを一体的に接続する。これにより、入力軸1から出力軸22への動力の伝達が実現される。
【0221】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0222】
1 入力軸
2 制動輪軸
3 接続プレート
4 位置決めプレート
41 シフトフォークホルダ
5 第1転がり軸受
6 第1軸固定歯車フレーム
61 挿入歯溝
62 接続固定ロッド
7 第1歯車軸
8 第1軸固定歯車群
9 第1リングギヤ
10 第1軸固定歯車フレームカバー
11 第1トルク伝達プレート
12 第2軸固定歯車フレーム
13 第2リングギヤ
14 中央歯車
15 第2軸固定歯車フレームカバー
16 第2トルク伝達プレート
17 制動輪
171 開口
172 軸受ハウジング
18 第2転がり軸受
19 第3転がり軸受
20 上端ケース
21 出力ブッシュ
211 軸受装着部
212 挿入歯溝
213 移行接続部
214 接続フランジ
22 出力軸
23 第2軸固定歯車群
24 回転モータ
25 回転押動部材
251 円柱体
252 突条
2521 螺旋面
26 下端ケース
261 側周壁
262 軸受ハウジング
27 シフトフォークのバネ
28 シフトフォーク
281 挟持部
282 球状ボス
29 バネキャップ
30 接続プレートのバネ
31 第2歯車軸
32 駆動モータ
33 トルク伝達ブッシュ
331 上部環状体
332 下部環状体
34 シフトフォーク接続ピン
36 入力軸歯車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】