(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】インプラント、送達装置、およびインプラントの送達方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20221007BHJP
A61F 2/966 20130101ALI20221007BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/966
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500664
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2020069560
(87)【国際公開番号】W WO2021005211
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522006199
【氏名又は名称】ピープラスエフ カルディオバスキュラー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アインヘリッヒ ジークフリート
(72)【発明者】
【氏名】アグレリ ギリェルミ
(72)【発明者】
【氏名】キス カタリーナ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD01
4C097DD09
4C097DD10
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4C097MM09
4C097SB03
4C097SB09
4C267AA05
4C267AA50
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB26
4C267BB52
4C267CC19
4C267GG02
4C267GG23
4C267GG24
(57)【要約】
本発明は、心臓の血管内への配置のためのインプラントであって、非展開状態から、インプラントが保管状態よりも大きい外径を有する拡張状態へと、拡張可能であり、第1および第2の端部と、第1および第2の端部の間に配置された中央部分とを有する本体を有しており、インプラントの中央部分が、インプラントが拡張状態にあるとき、インプラントの第1および第2の端部よりも大きい外径を有するインプラントに関する。さらに、本発明は、インプラントのための送達装置およびインプラントの送達方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の血管に配置されるインプラント(10)であって、
非展開状態から、前記インプラント(10)が保管状態よりも大きい外径を有する拡張状態へと、拡張可能であり、
第1および第2の端部(14、16)と、前記第1および第2の端部(14、16)の間に配置された中央部分(18)とを有する本体(12)を有しており、
前記インプラント(10)の前記中央部分(18)は、前記インプラント(10)が前記拡張状態にあるとき、前記インプラント(10)の前記第1および第2の端部(14、16)よりも大きい外径を有し、
前記インプラント(10)は、
前記インプラント(10)の前記第1の端部(14)に配置された大動脈弁への配置のための置換弁(20)と、
前記インプラント(10)の前記第2の端部(16)に配置された上行大動脈への配置のための自己拡張型大動脈ステントフレーム(22)と、
さらなる血管への接続のための2つ以上の内部ブランチ(24)と
をさらに備え、
前記内部ブランチ(24)は、前記本体(12)から延びている、インプラント(10)。
【請求項2】
前記本体(12)は、材料(26)で完全に覆われている、請求項1に記載のインプラント(10)。
【請求項3】
前記内部ブランチ(24)、特には前記インプラント(10)の全体が、材料(26)で覆われている、請求項2に記載のインプラント(10)。
【請求項4】
前記内部ブランチ(24)のそれぞれの第1の出口(36)が、前記インプラント(10)の前記中央部分(18)へと開口する開口部(36’)を有し、前記内部ブランチ(24)のそれぞれの第2の出口(38)が、前記インプラント(10)の周囲の領域へと開口する開口部(38’)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項5】
前記弁(20)は、乾燥組織弁である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項6】
それぞれの漏れ防止スカート(46、48)が、前記第1および第2の端部(14、16)を囲んでいる、請求項1~5のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項7】
前記置換弁(20)は、2つ~5つの弁尖を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項8】
前記第1の端部(14)は、前記拡張状態において、前記第2の端部(16)の外径よりも小さい外径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項9】
前記インプラント(10)の直径は、前記拡張状態において、前記第1の端部(14)と前記中央部分(18)との間および前記第2の端部(16)と前記中央部分(18)との間で減少する、請求項1~8のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項10】
前記本体(12)の外径は、前記第1の端部(14)から第1の移行点(42)までの間でサイズが減少し、次いで前記中央部分(18)の最大の外径を有する前記部分(18’)に向かってサイズが増加し、前記本体(12)の外径は、前記中央部分(18)の前記最大の外径を有する部分から第2の移行点(44)までサイズが減少し、前記本体(12)の外径は、前記第2の移行点(44)と前記第2の端部(16)との間でサイズが増加する、請求項1~9のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項11】
前記本体(12)は、2つのステントフレーム(22、28)を備え、第1のステントフレーム(28)は、前記置換弁(20)が内部に取り付けられ、第2のステントフレーム(22)は、前記自己拡張型大動脈ステントフレームを備え、前記第1のステントフレーム(28)は、前記第1の端部(14)から前記中央部分(18)の前記最大の外径を有する部分(18’)を越えて延びている、請求項1~10のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項12】
前記第1のステントフレーム(28)は、前記第1の端部(14)から、前記インプラント(10)の前記第1の端部(14)における開口部(14’)と前記インプラント(10)の前記第2の端部(16)における開口部(16’)との間の前記インプラント(10)の長さの55%~75%、特には60%~70%、とりわけ62%~68%に対応する前記インプラント(10)の高さまで延びている、請求項11に記載のインプラント(10)。
【請求項13】
前記第2のステントフレーム(22)は、前記第2の端部(16)における開口部(16’)から前記第2の移行部(44)まで延びている、請求項11または12に記載のインプラント(10)。
【請求項14】
前記第2のステントフレーム(22)の長さは、前記第2の端部(16)における前記開口部(16’)と前記第1の端部(14)における前記開口部(14’)との間の前記インプラント(10)の長さの15~35%、特には20~30%、とりわけ22~28%の長さに対応する、請求項11~13のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項15】
前記第1のステントフレーム(28)と前記第2のステントフレーム(22)との間に存在するギャップ(40)が、前記第2の端部(16)における前記開口部(16’)と前記第1の端部(14)における前記開口部(14’)との間の前記インプラント(10)の長さの2~30%、特には5~20%、とりわけ6~15%に対応する幅を有する、請求項11~14のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項16】
前記第1および第2のステントフレーム(28、22)の間の前記ギャップ(40)は、材料(26)で橋渡しされている、請求項15に記載のインプラント(10)。
【請求項17】
前記内部ブランチ(24)のそれぞれの第1の出口(36)が、前記インプラント(10)の前記中央部分(18)へと開口する開口部(36’)を有し、前記内部ブランチ(24)のそれぞれの第2の出口(38)が、前記インプラント(10)の周囲の領域へと開口する開口部(38’)を有し、前記内部ブランチ(24)からの前記第1の出口は、前記第1の移行点と前記中央部分(18)の前記最大の外径を有する前記部分との間で、前記インプラント(10)の前記中央部分(18)へと開口している、請求項11~16のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項18】
前記内部ブランチ(24)の前記第1の出口の開口部は、前記中央部分(18)の前記最大の外径を有する前記部分(18’)と前記第1の移行点(42)との間の前記インプラント(10)の長さの30%~70%に対応する直径を有する、請求項17に記載のインプラント(10)。
【請求項19】
前記内部ブランチ(24)からの前記第1の出口(36)の開口部(36’)は、前記中央部分(18)の前記最大の外径を有する前記部分(18’)と前記第1の移行点との間の前記インプラント(10)の長さの20%~80%の間に配置される、請求項17または18に記載のインプラント(10)。
【請求項20】
前記第1の端部(14)は、前記インプラント(10)の開口部(14’)と、前記本体(12)のうちの前記第1の端部(14)と前記第1の移行点(42)との間のサイズが減少している前記部分との間で、少なくとも実質的に円筒形の外形を有する、請求項10~19のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項21】
前記第1の端部(14)は、前記置換弁(20)の開口部において少なくとも実質的に円筒形の外形を有し、特に、前記置換弁(20)は、前記少なくとも実質的に円筒形の外形の内側に配置される、請求項20に記載のインプラント(10)。
【請求項22】
前記2つ以上の内部ブランチ(24)は、前記中央部分(8)と前記インプラント(10)の前記第1の端部(14)に配置された前記置換弁(20)との間で前記本体(12)に配置される、請求項1~21のいずれか一項に記載のインプラント(10)。
【請求項23】
前記2つ以上の内部ブランチ(24)は、前記第1の移行点(42)と前記中央部分(18)の前記最大の外径を有する前記部分(18’)との間で前記本体(12)に配置される、請求項22および請求項10に記載のインプラント(10)。
【請求項24】
インプラント(10)、特には請求項1~23の少なくとも一項に記載のインプラント(10)のための送達装置(60)であって、
前記インプラント(10)は、非展開状態から、前記インプラント(10)が保管状態よりも大きい外径を有する拡張状態へと、拡張可能であり、前記インプラント(10)は、第1および第2の端部(14、16)と、前記第1および第2の端部(14、16)の間に配置された中央部分(18)とを有する本体(12)を有し、前記インプラント(10)の前記中央部分(18)は、前記インプラント(10)が前記拡張状態にあるとき、前記インプラント(10)の前記第1および第2の端部(14、16)よりも大きい外径を有し、
前記インプラント(10)は、
前記インプラント(10)の前記第1の端部(14)に配置された大動脈弁への配置のための置換弁(20)と、
前記インプラント(10)の前記第2の端部(16)に配置された上行大動脈への配置のための自己拡張型大動脈ステントフレーム(22)と、
さらなる血管への接続のための2つ以上の内部ブランチ(24)と
をさらに備え、
前記内部ブランチ(24)は、前記本体(12)から延びており、
前記送達装置(60)は、
洗浄ポート(62)と、
前記インプラント(10)を保持し、膨張させ、さらには/あるいは解放するための本体(64)部分と、
前記インプラント(10)の1つ以上の内部ブランチ(24)を保持し、膨張させ、さらには/あるいは解放するための1つ以上のガイドワイヤ(66)と、
前記インプラント(10)を送達部位まで移動させるための作動機構(68)と
を備える、送達装置(60)。
【請求項25】
前記1つ以上のガイドワイヤ(66)を、前記送達部位に前記内部ブランチ(24)を事前にカテーテルで送達した後に前記本体(64)から引き出すことができる、請求項24に記載の送達装置。
【請求項26】
前記作動機構(68)は、トルク制御部を有し、前記インプラント(10)を前記本体(12)の軸を中心にして回転させることができ、かつ/または前記作動機構(68)は、前記作動機構(68)の回転軸(B)を中心にして回転させることができるノブ(76)を備える、請求項24または25に記載の送達装置。
【請求項27】
前記1つ以上のガイドワイヤ(66)を、前記送達装置(60)に組み込まれた2つの弁付きイントロデューサ(65)を介して前記本体(64)から引き出すことができる、請求項25または26に記載の送達装置。
【請求項28】
前記弁付きイントロデューサ(65)は、前記作動機構(68)に接続される、請求項27に記載の送達装置。
【請求項29】
前記洗浄ポートは、前記弁付きイントロデューサ(65)と前記作動機構(68)の前記ノブ(68)との間に配置される、請求項27または28に記載の送達装置。
【請求項30】
請求項1~23のいずれか一項に記載のインプラント(10)を、請求項24~29のいずれか一項に記載の送達装置(60)を使用して送達する方法であって、
前記インプラント(10)を前記送達装置(60)によって送達部位へと移動させるステップと、
前記インプラント(10)の前記内部ブランチ(24)を前記送達部位に事前にカテーテルで送達するステップと、
前記インプラント(10)の前記本体(12)を前記送達部位に位置決めするステップと、
前記インプラント(10)を前記送達部位において展開するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ大動脈基部の再建および大動脈弁の置換のためのインプラントなど、心臓の血管内に配置されるインプラントであって、非展開状態から、インプラントが保管状態よりも大きい外径を有する拡張状態へと、拡張可能であり、第1および第2の端部と、第1および第2の端部の間に配置された中央部分とを有する本体を有しており、インプラントの中央部分が、インプラントが拡張状態にあるとき、インプラントの第1および第2の端部よりも大きい外径を有するインプラントに関する。さらに、本発明は、インプラントのための送達装置およびインプラントの送達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
急性A型解離、上行大動脈瘤、または上行大動脈の置換などの緊急の介入を必要とする他の状態を抱える患者について、多くの場合に、患者がバイパス状態に置かれている間に上行大動脈の一部、大動脈弁、および大動脈基部を除去するいわゆるBentall-de Bono手術が行われる。
【0003】
この後に、置換弁が取り付けられ、グラフトが置換弁と共に大動脈弁の所定の位置に縫い付けられる。その後に、上行大動脈の一部がグラフトに取り付けられ、冠動脈が同様にグラフトに縫い付けられる。
【0004】
このような外科的処置は、一般に、実施に数時間を要し、冠動脈の再移植が合併症を引き起こしがちである。さらに、処置までの時間が、急性大動脈症候群の死亡率を低下させる重要な因子であり、すなわち処置までの時間を短縮すれば、死亡率を下げることが可能になる。さらに、大動脈基部の置換は、さらなる合併症につながる可能性があるため、可能な限り回避すべきであることも明らかになっている。
【発明の概要】
【0005】
この理由で、本発明の目的は、侵襲的なBentall-de Bono手術の最中に生じ得る合併症を最小限に抑えることができるBentall-de Bono手術の血管内/経皮/低侵襲の代案として、大動脈弁の置換を伴う上行大動脈の再建における装置を利用可能にすることである。本発明のさらなる目的は、急性大動脈症候群の処置までの時間を短縮することである。
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するインプラントによって満たされる。
【0007】
心臓の血管に配置されるそのようなインプラントは、非展開状態から、インプラントが保管状態よりも大きい外径を有する拡張状態へと、拡張可能であり、第1および第2の端部と、第1および第2の端部の間に配置された中央部分とを有する本体を有しており、インプラントの中央部分は、インプラントが拡張状態にあるとき、インプラントの第1および第2の端部よりも大きい外径を有し、インプラントは、
・インプラントの第1の端部に配置された大動脈弁への配置のための置換弁と、
・インプラントの第2の端部に配置された上行大動脈への配置のための自己拡張型大動脈ステントフレームと、
・さらなる血管への接続のための2つ以上の内部ブランチと
をさらに備え、内部ブランチはインプラントから延びている。
【0008】
したがって、インプラントは、経カテーテル大動脈弁、上行大動脈ステントグラフト、およびカバーされた冠動脈ステントに接続されるように構成されたブランチの組み合わせである。これにより、Bentall-de Bono手術の実施時にステントグラフトへと冠動脈および大動脈基部を取り付ける際に生じ得る合併症の数を減らすことができる。
【0009】
さらに、処置の際に患者をバイパス状態に置く必要がなく、したがって出血、不整脈、胸部創傷の感染、記憶喪失、腎臓の問題、卒中、または心臓発作の可能性さえもさらに少なくなる。
【0010】
インプラントは、最小限の侵襲で実施することができる動脈大腿アクセスを使用して埋め込まれるように設計されている。このようにして、患者の回復時間を大幅に短縮し、入院のコストを削減することができる。
【0011】
インプラントを、急性A型解離、上行大動脈瘤、または緊急の介入を必要とする他の状態を抱える患者の治療に頼もしく使用することができる。
【0012】
このような装置により、患者が医療施設の近くにいる限り、治療までの時間を大幅に短縮して、急性大動脈症候群の死亡率を低下させることができる。これは、インプラントの形態の弁置換装置が、動脈大腿アクセスを介して心臓へと運ばれるときに、治療までの時間を節約することができるからである。これは、弁が送達装置に予め装てんされ、機器を棚からすぐに使用することができる場合に特に当てはまる。
【0013】
インプラントの本体を、ポリマー材料または生物的材料で完全に覆うことができ、任意により、内部ブランチ、特にはインプラント全体が、材料で覆われる。このようにして、インプラントが配置される組織の損傷を回避することができ、そのような材料の層がない場合に存在し得る合併症の数を減らすことができる。
【0014】
内部ブランチのそれぞれの第1の出口は、インプラントの中央部分へと開口できる開口部を有することができ、内部ブランチのそれぞれの第2の出口は、インプラントの周囲の領域へと開口できる開口部を有することができる。このようにして、冠動脈に由来する血流を、急性A型解離、上行大動脈瘤、または緊急の介入を必要とする他の状態の治療時に、大動脈基部からの動脈を切断する必要なくインプラントへと導入することができる。
【0015】
弁は、生物学的乾燥組織弁であってよい。そのような弁は、送達システム内へのインプラントの事前の装てんを可能にする。このような手順は、埋め込み時に時間を節約し、安全性を高め、送達システムにインプラントを装てんする際のミスまたは不具合の誘発を回避する。
【0016】
置換弁は、2つ~5つの弁尖を備えることができる。そのような弁は、大動脈弁に配置される場合に有益であることが明らかになっている。
【0017】
それぞれの漏れ防止スカートが、第1および第2の端部を囲むことができる。そのような漏れ防止スカートは、一方では、インプラントのそれぞれの部分の機能を促進し、インプラントが取り付けられるように意図されたそれぞれの血管におけるインプラントの取り付けの改善も可能にする。
【0018】
第1の端部は、拡張状態において第2の端部の外径よりも小さい外径を有することができる。このような直径は、大動脈弁および大動脈基部における正確な配置に必要であることが明らかになっている。
【0019】
拡張状態において、インプラントの直径は、第1の端部と中央部分との間で減少してもよく、インプラントの直径は、第2の端部と中央部分との間で減少してもよい。このようにインプラントを形成することにより、大動脈基部におけるインプラントの取り付けを改善することができる。
【0020】
本体の外径は、第1の端部から第1の移行点までの間でサイズが減少してよく、次いで中央部分の最大の外径を有する部分に向かってサイズが増加し、本体の外径は、中央部分の最大の外径を有する部分から第2の移行点までサイズが減少し、本体の外径は、第2の移行点と第2の端部との間でサイズが増加する。このような形状は、急性A型解離、上行大動脈瘤、または緊急の介入を必要とする他の状態の最小限の侵襲での処置に特に適していると考えられる。
【0021】
本体は、2つのステントフレームを備えることができ、第1のステントフレームは、置換弁が内部に取り付けられ、第2のステントフレームは、自己拡張型大動脈ステントフレームを備え、第1のステントフレームは、第1の端部から中央部分の最大の外径を有する部分を越えて延びる。
【0022】
インプラントの拡張を、使用されるそれぞれの第1および第2のステントフレームによって可能にすることができる。それぞれの第1および第2のステントフレームは、複数のアームをそれぞれ含むことができ、複数のアームは、インプラントの拡張状態への拡張後にインプラントの位置の解剖学的必要性に適合するようなやり方で相互接続されている。このようにして、このようなステントフレームの設計は、解剖学的必要性および埋め込み位置に適応するように構成される。
【0023】
第1および第2のステントフレームは、例えば、バルーンまたは自己拡張型ステントフレームを備えることができる。さらに、それぞれのステントフレームを形成するために、6~50本のアームを設けることができる。
【0024】
同様に、内部ブランチは、大動脈弁に隣接する冠動脈に展開することができるさらなるステントフレームを備えることができる。内部ブランチのステントフレームも、同様に、複数のアームで、第1および第2のステントフレームと同一または同様の材料から形成されてよい。
【0025】
これに関連して、第1および第2のステントフレームの各々が、折り畳み可能な可撓性の金属から設計されてよいことに留意されたい。この点において、材料は、超弾性、形状記憶合金、自己拡張型(例えば、Nitinol)、バルーン拡張型(例えば、コバルトクロム、ステンレス鋼、など)、あるいはポリマーまたは人工であってよい。第1および第2のステントフレームを製造するために、これらを管片からレーザ切断することができ、第1および第2のステントフレームを編組することもできる。
【0026】
これに加え、あるいはこれに代えて、第1および第2のステントフレームの異なる部分が、異なる材料または連続的な材料で製作されてよく、その場合、異なる材料は所望の目的に応じて選択される。例えば、上行大動脈への配置のための第1のステントフレームは、大動脈弁に置換弁を保持および支持するように設計される第2のステントフレームよりも、より可撓性であるように設計されてよい。
【0027】
動脈へのインプラントのさらなる固定を、それぞれの第1および第2のステントフレームにさらに設けられてよい縫合糸、棘、またはフックによって達成することができる。さらに、第1および第2のステントフレームの各部分に存在する半径方向の力を、それぞれのステントフレームの各部分について選択される材料によって調整することができ、それぞれのステントフレームの各部分について選択される特定の(外側)寸法または特定の部分の加工は、大動脈弁および上行大動脈の位置への配置に合わせた寸法とされてよい。
【0028】
第1のステントフレームは、第2のステントフレームと同様に、ステントフレームを上行大動脈および大動脈弁にそれぞれ固定するための1つ以上のアイレットを備えてもよい。
【0029】
第1のステントフレームは、第1の端部から、インプラントの第1の端部における開口部とインプラントの第2の端部における開口部との間のインプラントの長さの55%~75%、特には60%~70%、とりわけ62%~68%に対応するインプラントの高さまで延びてよい。
【0030】
第2のステントフレームは、第2の端部における開口部から第2の移行部まで延びてよい。第2のステントフレームの長さは、第2の端部における開口部と第1の端部における開口部との間のインプラントの長さの15~35%、特には20~30%、とりわけ22~28%の長さに対応してよい。
【0031】
第1のステントフレームと第2のステントフレームとの間に存在するギャップが、第2の端部における開口部と第1の端部における開口部との間のインプラントの長さの2~30%、特には5~20%、とりわけ6~15%に対応する幅を有することができる。
【0032】
それぞれの部分のこのような長さ、サイズ、および寸法は、急性A型解離、上行大動脈瘤、または緊急の介入を必要とする他の状態の最小限の侵襲での処置に特に適していると考えられる。
【0033】
内部ブランチからの第1の出口は、第1の移行点と中央部分の最大の外径を有する部分との間で、インプラントの中央部分へと開口してよく、特には
内部ブランチの第1の出口の開口部は、中央部分の最大の外径を有する部分と第1の移行点との間のインプラントの長さの30%~70%に対応する直径を有してよく、さらには/あるいは
内部ブランチからの第1の出口の開口部は、中央部分の最大の外径を有する部分と第1の移行点との間のインプラントの長さの20%~80%の間に配置されてよい。
【0034】
内部ブランチからの出口をこのように配置することは、このインプラントについて想定される最小限の侵襲の手術を実施する上で有益であると考えられる。
【0035】
第1の端部は、インプラントの開口部と、本体のうちの第1の端部と第1の移行点との間のサイズが減少している部分との間で、少なくとも実質的に円筒形の外形を有してよく、任意で、第1の端部は、置換弁の開口部において少なくとも実質的に円筒形の外形を有してよく、特に、置換弁は、少なくとも実質的に円筒形の外形の内側に配置されてよい。このような形状は、大動脈弁の置換に使用される弁の形状として有益であることが知られている。
【0036】
2つ以上の内部ブランチは、中央部分とインプラントの第1の端部に配置された置換弁との間で本体に配置されてよい。このようにして、冠動脈に設置された被覆冠動脈ステントへのブランチの取り付けを単純化および容易化することができる。
【0037】
2つ以上の内部ブランチは、第1の移行点と中央部分の最大の外径を有する部分との間で本体に配置されてよい。これにより、冠動脈に設置された被覆冠動脈ステントへの内部ブランチの取り付けがさらに容易になる。
【0038】
さらなる態様によれば、上述の目的は、インプラント用の送達装置であって、
洗浄ポートと、
インプラントを保持し、膨張させ、さらには/あるいは解放するための本体部分と、
インプラントの1つ以上の内部ブランチを保持し、膨張させ、さらには/あるいは解放するための1つ以上のガイドワイヤと、
インプラントを送達部位まで移動させるための作動機構と
を備える送達装置によっても満たされる。
【0039】
送達装置は、冠動脈をインプラントに接続するために使用される内部ブランチを事前にカテーテルで送達するための装置を有することができる。このような装置は、処置において時間を節約し、埋め込まれたインプラント内のガイドワイヤおよびカテーテルの操作を回避する。
【0040】
急性大動脈症候群の処置時間を大幅に短縮して、急性大動脈症候群の死亡率を低下させるために、医療施設の棚にすぐに使用できる状態で保管できるように、送達装置にインプラントを予め装てんしておくことができる。
【0041】
インプラントおよび/または送達装置は、X線下の視認性を高め、展開時の正確性および精度を高めるために、1つ以上の放射線不透過性マーキングを有することができる。
【0042】
1つ以上のガイドワイヤを、送達部位に内部ブランチを事前にカテーテルで送達した後に、本体から引き出すことができる。
【0043】
作動機構は、トルク制御部を有することができ、インプラントを本体の軸を中心にして回転させることが可能であってよい。このようにして、インプラントを、所望の送達部位に弁およびステントを展開するために、大動脈弁において可能な限り良好なやり方で四肢に対して位置決めすることができる。
【0044】
送達装置は、展開時の正確性および精度を高めるために、操縦可能な制御によって改善され得る。
【0045】
送達装置は、作動機構にノブなどを有することができ、ノブは、特には、作動機構の回転軸を中心にして回転可能である。ノブを回転させることにより、管腔を偏向させることができ、送達装置の先端部および本体のより良好な位置決め、ならびに展開時のシステムへの応力の低減が可能になる。これは、送達装置、したがって送達装置を使用して送達部位へと送達されるインプラントの展開の精度の向上につながる。
【0046】
1つ以上のガイドワイヤを、送達装置に設置された2つの弁付きイントロデューサを介して本体から後退させることができる。インプラントをインプラントの目標部位に可能な限り正確に配置することができるように、1つ以上の診断カテーテルを弁付きイントロデューサを介して交換することができる。
【0047】
弁付きイントロデューサは、作動機構に接続され、好ましくは管腔を通って先端部まで案内される。これにより、診断カテーテルおよびガイドワイヤの両方の良好な接続および案内が保証される。
【0048】
洗浄ポートが、弁付きイントロデューサと作動機構のノブとの間に配置される。これにより、使用において可能な限り簡単な送達装置の設計が保証される。
【0049】
さらなる態様によれば、上述の目的は、インプラントを送達装置を使用して送達する方法であって、
インプラントを送達装置によって送達部位へと移動させるステップと、
インプラントの内部ブランチを送達部位に事前にカテーテルで送達するステップと、
インプラントの本体を送達部位に位置決めするステップと、
インプラントを送達部位において展開するステップと
を含む方法によっても満たされる。
【0050】
このような最小限の侵襲の処置は、Bentall-de Bono手術から知られている合併症を有意に減少させると考えられる。
【0051】
本発明を、実施形態によって、図面を参照して詳しく説明する。これらは、好ましい展開位置および実施形態を示す。記載される特徴を、本明細書に包含されるさまざまな組み合わせに構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図2】インプラントが配置された状態の送達装置の斜視図を示している。
【
図3】
図2の送達装置のさらなる斜視図を示しており、送達装置の作動機構を作動させたときに送達装置の先端部が占めることができる位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下では、同じ機能または同等の機能を有する部分について、同じ参照番号が使用される。構成要素の方向に関して行われる説明は、図面に示された位置に対して行われ、当然ながら、実際の適用位置において変化し得る。
【0054】
図1が、心臓の血管内への配置のためのインプラント10を示しており、インプラント10は、非展開状態から、インプラント10が保管状態よりも大きい外径を有する拡張状態へと、拡張可能である。インプラント10は、第1の端部14および第2の端部16を有する本体12を有する。中央部分18が、第1の端部14と第2の端部16との間に配置される。インプラント10の中央部分18は、インプラント10が拡張状態にあるとき、インプラント10の第1の端部14および第2の端部16のそれぞれよりも大きい外径を有する。
【0055】
インプラント10は、インプラント10の第1の端部14内に配置された大動脈弁への配置のための置換弁20をさらに備える。通路18’’が、第1の端部14から第2の端部16まで延びており、置換弁20は通路18’’内に配置されている。
【0056】
上行大動脈への配置のための自己拡張型大動脈ステントフレーム22が、インプラント10の第2の端部16内に配置される。さらに、本体12から2つの内部ブランチ24が延びている。内部ブランチ24は、冠動脈、あるいはステントが設けられる場合には冠動脈内に配置されたそれぞれのステントのいずれかに取り付けられるように構成される(どちらも図示せず)。
【0057】
インプラントは、材料26で完全に覆われている。材料26は、2つのステントフレーム22、28を覆い、第1のステントフレーム28の内部には置換弁20が取り付けられており、第2のステントフレーム22は自己拡張型大動脈ステントフレームを備えている。
【0058】
第1のステントフレーム28は、第1の端部14の開口部14’から、中央部分18の最大の外径を有している部分18’を越えて延びている。ギャップ40が、第1のステントフレーム28と第2のステントフレーム22との間に存在し、材料26が、第1のステントフレーム28と第2のステントフレーム22との間のギャップ40を橋渡ししている。
【0059】
第1および第2のステントフレーム22、28の各々は、
図1に網掛けの様相で示されている複数のそれぞれのアーム30、32を備える。アームは、それぞれの拡張可能なステントフレーム22、28を形成するように相互接続されている。第2のステントフレーム22は、第2の端部16における開口部16’から第2の移行部44まで延びている。
【0060】
アイレット34を、第2の端部において見て取ることができる。アイレット34は、大動脈基部へのインプラント10の取り付けを容易にするために、第2のステントフレーム22に設けられている。
【0061】
弁20は、乾燥組織弁であってよく、例えば、2つ~5つの弁尖を備えることができる。弁20と弁20が配置された大動脈の一部分との間に漏れが生じることがないように、インプラント10は、第1の端部14のうちの弁20が配置されている部分を覆うように配置された漏れ防止スカート46を備える。
【0062】
同様に、第2の端部16のうちの大動脈基部に接触するように構成された部分を取り囲むように、漏れ防止スカート48を配置することができる。
【0063】
漏れ防止スカート48を、漏れ防止スカート46と同様に、1つの同じ材料26から形成することができ、その場合、材料26は、それぞれの第1および第2のステントフレーム28、22の外面において、第1の端部14と第2の端部16との間に広がることができる。
【0064】
さらに、材料26は、インプラント10の全体が、好ましくは孔または漏れなどを含まないワンピースの材料26で覆われるように、内部ブランチ24も覆うことができる。
【0065】
第1の端部14は、拡張状態において第2の端部16の外径よりも小さい外径を有し、本体12の外径は、第1の端部14から第1の移行点42までの間でサイズが減少し、次いで最大の外径を有する中央部分18の一部分18’に向かってサイズが増加し、本体12の外径は、最大の外径を有する中央部分18の一部分18’から第2の移行点44までサイズが減少する。次いで、本体12の外径は、第2の移行点44と第2の端部16との間でサイズが増加する。
【0066】
インプラント10の第1の端部14を、インプラントのうちの開口部14’と第1の移行点42との間に延在する部分と定義することができる。
【0067】
インプラント10の中央部分を、インプラント10のうちの第1の移行点42と第2の移行点44との間に延在する部分と定義することができる。
【0068】
インプラント10の第2の端部16を、インプラント10のうちの第2の移行点44と開口部14’との間に延在する部分と定義することができる。
【0069】
内部ブランチ24の各々は、開口部36’を有する第1の出口36と、開口部38’を有する第2の出口38とを有する。開口部36’は、各々がインプラント10の中央部分18に開口している。第2の出口38に存在する開口部38’は、各々がインプラント10の周囲の領域に開口している。
【0070】
内部ブランチ24からの第1の出口は、第1の移行点42と中央部分18の最大の外径を有する部分との間で、インプラント10の中央部分18に開口している。
【0071】
第1の端部14は、インプラント10の開口部14’と、本体12のうちの第1の端部14と第1の移行点42との間のサイズが減少している部分との間において、少なくとも実質的に円筒形の外形を有する。
【0072】
図2が、3軸カテーテルとしても知られるインプラント10用の送達装置60を示している。送達装置60は、送達装置の内部空洞(図示せず)を洗浄するための洗浄ポート62と、インプラント10を保持し、膨張させ、さらには/あるいは解放するための本体64と、インプラント10のブランチ24へのアクセスを可能にするための2つの弁付きイントロデューサ65とを備える。最初に、インプラント10を目標送達部位、すなわち患者の心臓へと送達するために、2つの診断カテーテル(図示せず)が、予め装てんされたインプラント10と共に、2つの弁付きイントロデューサ65を介して導入される。
【0073】
ひとたび診断カテーテルワイヤが使用されると、各々の診断カテーテルワイヤは、2つの弁付きイントロデューサ65のそれぞれを介して除去され、インプラント10の1つ以上の内部ブランチ24を保持し、膨張させ、さらには/あるいは解放するためのガイドワイヤ66、ならびにインプラント10を送達部位へと移動させるための作動機構68に置き換えられる。
【0074】
本体64は、作動機構68と3軸カテーテル60の先端部70との間に延在する管腔72の端部の内側シャフト74に配置される。インプラント10が送達部位に送達されるとき、内部ブランチは、例えばバルーンカテーテルを使用して事前にカテーテルで送達され、したがって冠動脈および/または冠動脈に存在するステントフレームに接続される。内部ブランチ24を冠動脈に取り付けた後で、ガイドワイヤ66を本体64から引き出すことができる。
【0075】
インプラント10を、トルク制御部を有し、本体12の軸Aを中心にしてインプラント10を回転させることができる作動機構68によって、送達部位へと案内することができる。軸Aは、インプラント10の本体12の開口部14’と開口部16’との間に延在する。
【0076】
図3が、
図2の送達装置60の斜視図を示している。作動機構68は、作動機構68の遠位端78にノブ76を備える。ノブ68を、作動機構68の遠位端78と近位端80との間に延在する作動機構68の軸Bを中心にして回転させると、管腔72を偏向させることができる。これにより、管腔72の先端部70はさまざまな位置を占めることができ、そのうちの2つが
図3に示されている。管腔72のこのような偏向は、システム内の全体的な応力を低減することで、送達部位におけるインプラント10のより良好な位置決め、および送達装置60、したがって送達装置60を使用して送達部位へと送達されるインプラント10の展開の全体的な精度の向上をもたらす。
【0077】
インプラント10を送達装置60によって送達部位、すなわち心臓へと送達する際に、好ましくは動脈大腿アクセスが使用される。その場合、管腔72は、動脈を通って心臓へと移動する。
【0078】
インプラント10、診断カテーテル、および/または送達装置60の位置を、例えばX線を使用して、インプラント10および/または送達装置60に存在する放射線不透過性マーキングを監視して、追跡することができる。これにより、心臓内へのインプラント10の展開時の正確性および精度をさらに高めることができ、したがって置換弁20を大動脈弁に正確に位置決めすることができる。インプラント10が正しく配置されると、診断カテーテルは、それぞれがそれぞれの弁付きイントロデューサ65を介して取り除かれ、後に冠動脈のカテーテル処置および冠動脈ステントの設置に使用されるガイドワイヤ66と交換される。
【符号の説明】
【0079】
10 インプラント
12 本体
14、14’ 第1の端部、14における開口部
16、16’ 第2の端部、16における開口部
18、18’、18’’ 中央部分、18のうちの10の外径が最大である部分、通路
20 弁
22 第2のステントフレーム
24 ブランチ
26 材料
28 第1のステントフレーム
30 アーム
32 アーム
34 アイレット
36、36’ 第1の出口、36の開口部
38、38’ 第2の出口、38の開口部
40 ギャップ
42 第1の移行点
44 第2の移行点
46 漏れ防止スカート
48 漏れ防止スカート
60 送達装置
62 洗浄ポート
64 60の本体部分
66 ガイドワイヤ
68 作動機構
70 先端部
72 管腔
74 内側シャフト
76 ノブ
78 遠位端
A 10の軸
B 68の軸
【国際調査報告】