(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ポリウレタンゲル
(51)【国際特許分類】
C08G 18/72 20060101AFI20221007BHJP
A61K 8/87 20060101ALI20221007BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221007BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20221007BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20221007BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20221007BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20221007BHJP
A43B 13/04 20060101ALI20221007BHJP
A43B 17/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
C08G18/72
A61K8/87
A61Q19/00
A61K47/34
A61K9/06
A61Q17/04
C08G18/32
A43B13/04 A
A43B17/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501144
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 US2020041540
(87)【国際公開番号】W WO2021007489
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010093
【氏名又は名称】ナノメティクス エルエルシー (ディー.ビー.エー. ピーエイチディー バイオサイエンシーズ)
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イサークマン,マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】イサークマン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マホン,アンドリュー ビー.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4F050
4J034
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076BB31
4C076CC18
4C076EE22
4C083AB212
4C083AB242
4C083AB332
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC352
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC472
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC542
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083CC03
4C083CC19
4C083DD32
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE17
4C083FF01
4F050BA43
4F050EA01
4F050HA56
4J034BA08
4J034CA04
4J034DA01
4J034DA03
4J034DA05
4J034DA07
4J034DF01
4J034EA11
4J034EA12
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC35
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA02
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC23
4J034KD02
4J034QC06
4J034QD03
4J034RA02
4J034RA03
(57)【要約】
本発明は、ポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物に関する。ポリウレタンエラストマーは、ポリオール、ポリイソシアネート、及び任意選択でポリウレタン反応触媒の、任意選択で局所的に許容されるキャリア流体の存在下での反応から形成される。いくつかの実施形態において、ゲル組成物は、パーソナル活性成分又はヘルスケア活性成分を含み、これらは前投入法又は後投入法によってゲル組成物に組み込まれてもよい。また、ポリウレタンエラストマーを含むゲルペースト及び局所製剤、並びにそれらを製造する方法が本明細書に提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)2つ以上のイソシアネート官能基を含むポリイソシアネート又はポリイソシアネートの混合物、
(B)2つ以上のヒドロキシル、アミン、チオール、又はカルボン酸官能基を含むポリオール又はポリオールの混合物、
(C)任意選択で、ポリウレタン反応触媒、及び
(D)任意選択で、局所的に許容されるキャリア流体
の反応から調製されるポリウレタンエラストマーゲルを含むゲル組成物。
【請求項2】
局所的に許容されるキャリア流体が、エステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーン流体、油、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のゲル組成物。
【請求項3】
局所的に許容されるキャリア流体が、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリヘプタノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ドデカン、トリデカン、C13~15アルカン、スクワレン、スクワレン、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸イソペンチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバエステル、トリカプリリン、及びパーム油からなる群から選択される、請求項1に記載のゲル組成物。
【請求項4】
局所的に許容されるキャリア流体に溶解した薬学的活性成分をさらに含む、請求項1に記載のゲル組成物。
【請求項5】
ポリイソシアネート又はポリイソシアネートの混合物が、低分子量ポリイソシアネート又はポリイソシアネートの混合物であり、ポリオール又はポリオールの混合物が、2つ以上のヒドロキシル、アミン、チオール、又はカルボン酸基を含有する、請求項1に記載のゲル組成物。
【請求項6】
(A)ヒマシ油、
(B)イソシアネート基とヒドロキシル基とのモル比が1:1~1:2の間であるイソホロンジイソシアネート、
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒、及び
(D)任意選択でゲル組成物の60%(w/w)~99.9%(w/w)の濃度の局所的に許容されるキャリア流体
の反応からのポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物であって、
ポリウレタンエラストマーゲルの形成中にパーソナルケア若しくはヘルスケア活性成分を局所的に許容される溶媒に溶解することにより、又はパーソナルケア若しくはヘルスケア活性成分を形成されたポリウレタンエラストマーゲルと混合することにより、パーソナルケア又はヘルスケア活性成分が任意選択でポリウレタンエラストマーゲルに組み込まれる、ゲル組成物。
【請求項7】
局所的に許容されるキャリア流体が、エステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーン流体、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項6に記載のゲル組成物。
【請求項8】
局所的に許容されるキャリア流体が、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルからなる群から選択される、請求項6に記載のゲル組成物。
【請求項9】
局所的に許容されるキャリア流体中に溶解した薬学的活性成分をさらに含む、請求項6に記載のゲル組成物。
【請求項10】
ポリウレタン触媒が、ビスマス基含有触媒である、請求項1に記載のゲル組成物。
【請求項11】
ポリウレタン触媒が、ビスマス基含有触媒である、請求項6に記載のゲル組成物。
【請求項12】
局所的に許容される溶媒の炭素含量の50%超が、植物源から得られる、請求項1に記載のゲル組成物。
【請求項13】
局所的に許容される溶媒の炭素含量の50%超が、植物源から得られる、請求項6に記載のゲル組成物。
【請求項14】
請求項1に記載のゲル組成物を調製するための方法であって、
(A)ポリオール、
(B)イソホロンジイソシアネート、及び
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒
を、任意選択で
(D)局所的に許容されるキャリア流体の存在下で反応させるステップを含む方法。
【請求項15】
請求項6に記載のゲル組成物を調製するための方法であって、
(A)ヒマシ油、
(B)イソホロンジイソシアネート、及び
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒
を、任意選択で
(D)局所的に許容されるキャリア流体
の存在下で、反応させるステップを含む方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法に従って調製されるゲル組成物。
【請求項17】
請求項15に記載の方法に従って調製されるゲル組成物。
【請求項18】
ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
I)請求項1に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを追加量のキャリア流体と混合して、ゲルペースト組成物を形成するステップ
を含む方法。
【請求項19】
ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
I)請求項1に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを活性成分と混合するステップ
を含む方法。
【請求項20】
ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
I)請求項6に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを追加量のキャリア流体と混合して、ゲルペースト組成物を形成するステップ
を含む方法。
【請求項21】
ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
I)請求項6に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを活性成分と混合するステップ
を含む方法。
【請求項22】
ポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、
I)ポリイソシアネート反応物質及びポリオール反応物質を、任意選択で局所的に許容されるキャリア流体中で混合して、約80%(w/w)の反応物質濃度を有する反応混合物を形成するステップであって、ポリイソシアネート反応物質は2つ以上のイソシアネート官能基を含み、ポリオール反応物質は2つ以上のヒドロキシル基を含むステップ、
II)任意選択でポリウレタン反応触媒を添加するステップ、並びに
III)任意選択で反応混合物を約80℃に加熱して、ポリウレタンエラストマーを形成するステップを含む方法。
【請求項23】
局所的に許容されるキャリア流体が、エステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーン流体、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
局所的に許容されるキャリア流体が、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
薬学的活性成分を局所的に許容されるキャリア流体に溶解するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
ポリイソシアネート反応物質が、別のポリイソシアネートの重合から得られる、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
ヘキサメチレンジイソシアネートからポリイソシアネート反応物質を調製するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
ペンタメチレンジイソシアネートからポリイソシアネート反応物質を調製するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
請求項18に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【請求項30】
請求項19に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【請求項31】
請求項20に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【請求項32】
請求項21に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【請求項33】
請求項1又は請求項6に記載のゲル組成物、及び薬学的活性成分を含む局所製剤であって、薬学的活性成分がパーソナルケア活性成分又はヘルスケア活性成分である局所製剤。
【請求項34】
請求項29から32のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマーゲルペースト、及び薬学的活性成分を含む局所製剤であって、薬学的活性成分がパーソナルケア活性成分又はヘルスケア活性成分である局所製剤。
【請求項35】
請求項1又は請求項6に記載のゲル組成物を含む、足に適合する中敷き又は靴底。
【請求項36】
請求項1又は請求項6に記載のゲル組成物を含む、医学的に許容される医学ゲル。
【請求項37】
請求項1又は請求項6に記載のゲル組成物を含む局所製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エラストマーゲルは、エモリエント中に懸濁した架橋三次元ポリマーネットワークからなる。エラストマーゲルは、エモリエント中で膨潤することができ、化粧品製剤における油相増稠剤として有用である。これらのエラストマーゲルは、皮膚上で玉軸受のような感触を有し、美的外観及び感触の向上を提供する。これらの望ましい属性は、従来の油ゲル又は直鎖ポリマーでは達成できないものであり、これによってエラストマーゲルは独特の化粧品塗布用ビヒクルとなる。
【0003】
シリコーンエラストマーゲルは、その増稠及びゲル化効率、並びに独特の絹のような粉末様の感覚プロファイルのために、パーソナルケア製品において広く利用されている成分である。製剤に組み込まれると、それらは滑らかで乾燥した油っぽくない感触を提供する。シリコーンエラストマーは、シリコーンベース流体と相溶性である。最近では、パーソナルケア製品中のシリコーンベース成分の環境への悪影響に関する懸念が提起されている。シリコーンは、酸化的及び化学的な攻撃に対して耐性であり、したがって生分解性ではない。さらに、シリコーンは、化石燃料を原料としており、再生可能な資源とはみなされない。化粧品の環境に対する影響について消費者が知識を得るに従い、シリコーン不含である生分解性の再生可能資源からの成分に対する需要が急速に増加している。
【0004】
これらの需要を満たすために、バイオマスから得られるシリコーン代替物がパーソナルケア市場に参入し始めている。しかしながら、これらの直鎖ポリマー及びエモリエントは、エラストマーゲルが提供する独特の美的外観を提供しない。したがって、有利な環境プロファイルを有するシリコーン不含エラストマーゲルが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、シリコーン不含であり、99%超のバイオベース材料を含むポリウレタンエラストマーゲルからなる。ポリウレタンエラストマーゲルは、シリコーン不含である再生可能資源からの材料に対する市場の需要を満たしながら、シリコーンベースエラストマーの美的外観上の利点を提供する。
【0006】
本発明はさらに、ポリウレタンエラストマーゲルを調製するための方法に関する。バイオベースエモリエント又はバイオベースエモリエントの混合物の反応媒体中、高温でポリウレタン触媒を使用してバイオベースポリオールをバイオベースポリイソシアネートと反応させ、ポリウレタンエラストマーゴムを得る。次いで、バイオベースエモリエントをゴムに添加し、混合物をポリウレタンエラストマーゲルに加工する。
【0007】
いくつかの実施形態において、本発明は、精製を必要とせず、A)ポリオール、B)ポリイソシアネート、C)任意選択でポリウレタン反応触媒、及びD)局所的に許容されるキャリア流体の反応からの局所的に許容される溶媒中で形成されるポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物を提供する。
【0008】
実施形態において、ポリウレタンエラストマーゲルの形成中、パーソナルケア又はヘルスケア活性成分(E)を局所的に許容されるキャリア流体に溶解することにより(前投入法(pre-load method))、又はパーソナルケア又はヘルスケア活性成分(E)を形成されたポリウレタンエラストマーゲルと混合することにより(後投入法(post-load method))、パーソナルケア又はヘルスケア活性成分(E)が、ポリウレタンエラストマーゲルに組み込まれる。
【0009】
さらなる実施形態において、本発明はさらに、以下の一般的構造:
【0010】
【化1】
(式中、nは2~10000000であり、Aは、水素、イソシアネート及びヒドロキシルから選択される末端基であり、R
1は、場合によりヘテロ原子を含むC1~C60置換又は非置換直鎖又は分岐状脂肪族基、脂環式基、アリール基、複素環式脂肪族基、又はヘテロアリール基であり、R
2は、場合によりヘテロ原子を含むC1~C60置換又は非置換直鎖又は分岐状脂肪族基、脂環式基、アリール基、複素環式脂肪族基、又はヘテロアリール基であり、Bは、イソシアネート及びヒドロキシルから選択される末端基である)を有する架橋ポリウレタンエラストマーネットワークを提供する。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明は、以下の一般的反応スキーム:
【0012】
【化2】
(式中、Rは、2つ以上の官能基を有するポリオールであり、R
1は、3つ以上の官能基を有するイソシアネートであり、エモリエントは局所的に許容される)による架橋ポリウレタンエラストマーネットワークを提供する。
【0013】
さらなる実施形態において、本発明は、以下の一般的反応スキーム:
【0014】
【化3】
(式中、Rは、3つ以上の官能基を有するポリオールであり、R
1は、2つ以上の官能基を有するイソシアネートであり、エモリエントは局所的に許容される)による架橋ポリウレタンエラストマーネットワークを提供する。
【0015】
さらなる実施形態において、本発明は、以下の一般的反応スキーム:
【0016】
【化4】
(式中、エモリエントは局所的に許容される)による架橋ポリウレタンエラストマーネットワークを提供する。
【0017】
なおさらなる実施形態において、本発明は、ポリウレタンエラストマーゲルを製造するための方法であって、化粧品として許容されるエモリエント、ポリオール及びポリイソシアネートを容器に加えるステップ、清澄な均質溶液が得られるまで混合物を室温で撹拌するステップ、撹拌しながらポリウレタン触媒を添加し、反応物を約23時間約60℃に加熱するステップであって、この時点で軟質ゴムが形成されるステップ、ゴムを室温に冷却し、化粧品として許容されるエモリエントを添加し、混合物を滑らかなゲルに加工するステップを含む方法を提供する。
【0018】
実施形態において、ゴムは室温で形成される。実施形態において、ポリオール、ポリイソシアネート及びエモリエントはバイオベースである。実施形態において、ポリオール、ポリイソシアネート及びエモリエントはバイオベースではない。実施形態において、ビスマス、スズ、亜鉛、又はアミンイソシアネート触媒が使用される。実施形態において、バイオベースエモリエントの濃度は、バイオベースポリオール、バイオベースイソシアネート、ビスマス触媒、及びバイオベースエモリエント又はバイオベースエモリエントの混合物の総合計重量を基準として70~85重量%の間である。実施形態において、前記ポリオールは、約500~10,000の範囲の分子量を有する。実施形態において、ポリオール当たりのOH単位の数は、約2~20である。実施形態において、ポリオール当たりのNCO単位の数は、約2~6である。実施形態において、前記バイオベースエモリエントは、エステル、炭化水素、カーボネート、植物油、又は改質植物油の群から選択される。実施形態において、前記バイオベースエモリエントは、500~2500の間の展延値(spreading value)(mm2/10分)を有する。実施形態において、前記バイオベースエモリエントは、240~1200の平均分子量を有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明は、ポリウレタンエラストマーゲルを製造するための方法であって、トリヘプタノイン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー、及び1,5-ペンタメチレンジイソシアネートベースポリイソシアネートを反応ケトルに加えるステップ、清澄な均質溶液が得られるまで混合物を室温で撹拌するステップ、撹拌しながらネオデカン酸ビスマスを添加し、反応物を60℃に加熱するステップであって、この時点で無色のゴムが形成されるステップを含む方法を提供する。
【0020】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリウレタンエラストマーゲルを製造するための方法であって、ポリウレタンエラストマーゴムをドラム内に入れ、トリヘプタノインを添加し、Cowlesミキサーで混合物をミリングするステップ、得られた懸濁液を分散機に通して、得られたゲルを室温に冷却するステップ、並びに所望の粘度に達するまでウンデカン及び/又はトリデカンを混合しながら添加するステップを含む方法を提供する。
【0021】
実施形態において、ゴムは室温で24時間にわたり撹拌なしで形成される。実施形態において、未反応イソシアネート基をクエンチするために、アルコール又はアミンを含有する仕上剤が添加されてもよい。実施形態において、前記ポリウレタンエラストマーゴムは、本明細書に記載のような硬度を有する。実施形態において、前記ポリウレタンエラストマーゲルは、本明細書に記載のような粘度を有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明は、A)ヒマシ油、B)イソシアネート基とヒドロキシル基とのモル比が1:1~1:2の間であるイソホロンジイソシアネート、C)任意選択でポリウレタン反応触媒、及びD)化粧品として許容されるキャリア流体(そのようなキャリア流体の例は、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリヘプタノイン、C13~15アルカン、スクワレン、ウンデカン、トリデカンを含む)の反応からのポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物であって、溶媒濃度は60%(w/w)~99.9%(w/w)の間であり、ポリウレタンエラストマーゲルの形成中にパーソナルケア又はヘルスケア活性成分を局所的に許容される溶媒に溶解することにより(前投入法)、又は形成されたポリウレタンエラストマーゲルとパーソナルケア又はヘルスケア活性成分を混合することにより(後投入法)、パーソナルケア又はヘルスケア活性成分がポリウレタンエラストマーゲルに組み込まれてもよい、ゲル組成物を提供する。
【0023】
実施形態において、ポリウレタン触媒は、ビスマス基含有触媒である。実施形態において、局所的に許容される溶媒の炭素含量は、50%超が植物源から得られる。
【0024】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリウレタンエラストマーゲルを調製するための方法であって、I)A)ヒマシ油、B)イソホロンジイソシアネート、及び(C)任意選択でポリウレタン反応触媒を、D)局所的に許容されるキャリア流体の存在下で反応させるステップを含む方法を提供する。なおさらなる実施形態において、本発明は、本明細書の方法に従って調製されるゲル組成物を提供する。
【0025】
なおさらなる実施形態において、本発明は、ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、I)本明細書のポリウレタンエラストマーゲルを剪断するステップ、及びII)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを追加量のキャリア流体と混合して、ゲルペースト組成物を形成するステップを含む方法を提供する。
【0026】
なおさらなる実施形態において、本発明は、ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、I)本明細書のポリウレタンエラストマーゲルを剪断するステップ、及びII)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを活性成分と混合するステップを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本明細書の実施形態に記載の一般的なキャリア流体と相溶性のバイオラストマー(biolastomer)を記載した表である。
【
図2】本明細書の実施形態に記載の(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【
図3】本明細書の実施形態に記載の(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【
図4】本明細書の実施形態に記載のヒマシ油ベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【
図5】本明細書の実施形態に記載のヒマシ油ベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【
図6】本明細書の実施形態に記載の(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマー(dilinoleic acid/dilinoleic diol copolymer)ベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【
図7】本明細書の実施形態に記載の(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマーベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【
図8】本明細書の実施形態に記載のヒマシ油ベースイソホロンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
定義
本明細書において使用される「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ以上を意味し得る。本明細書において使用される「1つの(a)」又は「1つの(an)」という単語は、「含む(comprising)」という単語と併せて使用される場合、1つ又は2つ以上を意味し得る。本明細書において使用される「別の」又は「さらなる」は、少なくとも第2、又は第3以降を意味し得る。
【0029】
本明細書において使用される「約」という用語は、およそ±10%を意味する。数値又は範囲と併せて「約」という用語が使用される場合、これは記載される数値より上又は下に境界を拡張することによりその数値又は範囲を修正する。一般に、「約」という用語は、本明細書において、異なる分散が示されない限り(例えば、±30%、±20%、±5%、±1%等)、10パーセント上方又は下方(高い又は低い)、すなわち±10%の分散だけ記載された値より上又は下に数値を修正するように使用される。
【0030】
特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、代替のみを指すこと、又は代替が互いに排他的であることが明示的に示されない限り、「及び/又は」を意味するように使用されるが、本開示は、代替のみ、及び「及び/又は」を指す定義にも対応する。
【0031】
本明細書において使用される「含む(comprising)」(及び含む(comprising)の任意の変化形若しくは形態、例えば「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」)、「有する(having)」(及び有する(having)の任意の変化形若しくは形態、例えば「有する(have)」及び「有する(has)」)、「含む(including)」(及び含む(including)の任意の変化形若しくは形態、例えば「含む(includes)」及び「含む(include)」)、又は「含有する(containing)」(及び含有する(containing)の任意の変化形若しくは形態、例えば「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」)という用語は、包含的又は非制限的であり、追加の列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書において議論されるいかなる実施形態も、本開示の任意の方法及び/又は組成物に関して実践され得ることが企図される。
【0032】
「例えば」という用語、及びその対応する略語「e.g.」(イタリック体であるか否かを問わず)の使用は、列挙された特定の用語が、別段に明示的に指定されない限り、参照又は引用された特定の例に限定されることを意図しない本開示の代表的な例及び実施形態であることを意味する。
【0033】
本明細書において使用される「~の間」は、範囲の端点を含む範囲である。例えば、x~yの間の数は、x及びyという数、並びにx及びyの中に含まれる任意の数を明示的に含む。
【0034】
本明細書において使用される「ポリウレタン」という用語は、適切な触媒の存在下でポリオールをイソシアネートと反応させることにより形成される材料を示す。
【0035】
「ポリオール」という用語は、イソシアネートとの反応を生じ得る活性水素原子を含有する官能基を有する材料を指す。好ましくは、ポリオールは、1分子当たり少なくとも2つのヒドロキシル、アミン、カルボン酸及び/又はチオール基を含有する。
【0036】
「ポリイソシアネート」という用語は、2つ以上のイソシアネート官能基を含有する物質を指す。
【0037】
「バイオベース」という用語は、バイオマスとして知られる生物から得られる物質から主になる材料を指す。
【0038】
「ポリウレタンエラストマーゴム」という用語は、エモリエント媒体中でのポリオール、イソシアネート、及びポリウレタン触媒の反応生成物を指す。
【0039】
「ポリウレタンエラストマーゲル」という用語は、加工されたポリウレタンエラストマーゴムの生成物を指す。
【0040】
本発明はさらに、バイオベースの局所的に許容されるキャリア流体又はバイオベースの局所的に許容されるキャリア流体の混合物中でバイオベースポリイソシアネートと架橋したバイオベースポリオールを含むポリウレタンエラストマーゲルに関する。いくつかの実施形態において、反応は、局所的に許容されるビスマスポリウレタン触媒により触媒される。本明細書に記載のポリウレタンエラストマーゲルは、化粧用油及び天然油との良好な相溶性を有し、これらの油の増稠剤として使用され得る。ポリウレタンエラストマーゲルはさらに、滑らかでべたつかず油っぽくない保湿性の皮膚感触を作用時間の向上とともに(with enhanced playtime)化粧品製剤に提供する。ポリウレタンエラストマーゲルの極性によって、極性の化粧品製剤媒体へのその組込みが可能となる。多くの製剤において典型的に使用されるシリコーンエラストマーゲルは非極性であり、一般に極性製剤媒体と相溶性ではなく、したがってポリウレタンエラストマーゲルはパーソナルケア業界における極めて重要な要件を満たす。
【0041】
バイオベースポリオール、バイオベースポリイソシアネート、及びバイオベースキャリア流体を使用することにより、99%超のバイオベース材料を含むポリウレタンエラストマーゲルが生成される。シリコーンエラストマーゲルは、再生可能資源ではない化石燃料から得られる。バイオマスから得られる化粧品成分は「天然」であるとみなされ、天然化粧品に対する市場の需要が、業界におけるシリコーン不含のバイオベースエラストマーの必要性に拍車をかけていることが一般に認識されている。
【0042】
本発明は、精製を必要とせず、任意選択で成分(D)局所的に許容されるキャリア流体中での成分(A)ポリイソシアネート、成分(B)ポリオール、任意選択で成分(C)ポリウレタン反応触媒の反応からの局所的に許容される溶媒中で形成されるポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物に関する。
【0043】
成分(A) - ポリイソシアネート
いくつかの実施形態において、成分(A)は、2つ以上のイソシアネートを含有する分子構造を有し、ポリアミンからの多くの方法によって、又はポリイソシアネートの重合によって生成することができ、またその分子構造内に2つ以上の反応性イソシアネート官能基を有するべきである。いくつかの実施形態において、ポリイソシアネートは、3つのイソシアネート官能基を含む。ポリイソシアネートは反応において架橋剤として働き、それにより二官能性ポリオールコポリマーを使用して三次元ポリマーネットワークを作出することができる。
【0044】
ポリイソシアネートの1つの好ましい例はヘキサメチレンジイソシアネート三量体であり、以下の構造を有する。
【0045】
【0046】
ポリイソシアネートの別の好ましい例はペンタメチレンジイソシアネート三量体であり、以下の構造を有する。
【0047】
【0048】
ポリイソシアネートの別の好ましい例はヘキサメチレンジイソシアネートであり、以下の構造を有する。
【0049】
【0050】
ポリイソシアネートの別の好ましい例はペンタメチレンジイソシアネートであり、以下の構造を有する。
【0051】
【0052】
ポリイソシアネートの別の好ましい例はイソホロンジイソシアネートであり、以下の構造を有する。
【0053】
【0054】
ポリイソシアネートの別の好ましい例は4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)であり、以下の構造を有する。
【0055】
【0056】
ポリイソシアネートの別の好ましい例はトルエンジイソシアネートであり、以下の構造を有する。
【0057】
【0058】
ポリイソシアネートの別の好ましい例はヘキサメチレンジイソシアネートビウレットである。
【0059】
2つのイソシアネート基を含有するポリイソシアネートのさらなる限定されない例は、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートベースポリイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、イソシアナトメチルエチルベンゼン、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス-(4-シクロヘキシルイソシアネート)、M-テトラメチレンジイソシアネート、メタ-テトラメチレンキシレンジイソシアネート、飽和メチレンジフェニルジイソシアネート、及びトルエンジイソシアネートを含む。
【0060】
成分(B) - ポリオール
いくつかの実施形態において、成分(B)は、イソシアネートとの反応を生じ得る2つ以上のヒドロキシル基を含有する分子構造を有する。ある特定の実施形態において、成分(B)は、ヒドロキシル以外の求核基を含有し、「ポリオール」という用語は、イソシアネートと反応し得る反応性水素を有する材料を指す。好ましくは、ポリオールは、1分子当たり少なくとも2つのヒドロキシル、アミン、カルボン酸及び/又はチオール基を含有する。
【0061】
3つ以上の官能基を含有するポリオールが使用される場合、二官能性イソシアネート(例えば2つのイソシアネート官能基を含有する)が、ポリウレタンエラストマーゲルの合成に使用され得る。例示的な二官能性イソシアネートが本明細書において提供され、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートベースポリイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、イソシアナトメチルエチルベンゼン、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス-(4-シクロヘキシルイソシアネート)、M-テトラメチレンジイソシアネート、メタ-テトラメチレンキシレンジイソシアネート、飽和メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネートを含む。
【0062】
ポリオールの1つの好ましい例はヒマシ油であり、これは天然では複数のヒドロキシル基を含有し、バイオベースである。天然ヒマシ油の分子構造は、3つのペンダント炭素鎖を有するトリグリセリドである。一般に、各炭素は9,10位に二重結合を有し、12番目の炭素にヒドロキシル基を有する。天然のヒマシ油はおよそ160~165のヒドロキシル価を有し、およそ89%のC18OH及び9%のC18の脂肪酸分布を有する。したがって、天然又は未処理ヒマシ油における炭素鎖長の全てがOH基を含有するわけではなく、前記鎖の平均して約90%のみがOH基を含有する。ヒマシ油の主成分はリシノレインであり、以下の構造を有する。
【0063】
【0064】
ポリオールの別の好ましい例は(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマーであり、以下の構造を有することが報告されている。
【0065】
【0066】
ポリオールの別の好ましい例は、(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー(「(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー」とも呼ばれる)であり、以下の構造を有することが報告されている。
【0067】
【0068】
(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーは、100%バイオベースであり、膜形成特性を有し、べたつかず、化粧用油及び天然油との良好な相溶性を有する。好ましくは、(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーは、ヒドロキシ基で終端され、低い酸価を有するべきであるが、これはヒドロキシル基がカルボン酸よりも容易にイソシアネートと反応するためである。(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーの分子量は、500~10000g/molの間、好ましくは1000~3000g/molの間であってもよい。ヒマシ油ポリウレタンエラストマーゲル及びジリノール酸/プロパンジオールポリウレタンエラストマーゲルは、同様の特性を示す。
【0069】
ポリオールの別の好ましい例はジリノールジオール(dilinoleic diol)であり、以下の構造を有することが報告されている。
【0070】
【0071】
ポリオールの別の好ましい例はジリノールジアミン(dilinoleic diamine)であり、以下の構造を有することが報告されている。
【0072】
【0073】
ポリオールの別の好ましい例はヘキサメチレンジアミンであり、以下の構造を有する。
【0074】
【0075】
他の適切なポリオールは、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン、メルカプタン化大豆油、グリセロールプロポキシレート、グリセリルポリ(オキシプロピレン)トリアミン、及びメラミンを含む。
【0076】
さらなる例示的ポリオールは、これらに限定されないが、(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー、(プロピレングリコール/アゼライン酸)コポリマー、アゼレートポリオール、(プロピレングリコール/セバシン酸)コポリマー、(1,3-プロパンジオール/アゼライン酸)コポリマー、(1,3-プロパンジオール/セバシン酸)コポリマー、(1,3-ブタンジオール/アゼライン酸)コポリマー、(1,3-ブタンジオール/セバシン酸)コポリマー、(1,4-ブタンジオール/アゼライン酸)コポリマー、(1,4-ブタンジオール/セバシン酸コポリマー)、(プロピレングリコール/アジピン酸)コポリマー、(1,3-プロパンジオール/アジピン酸)コポリマー、(1,3-ブタンジオール/アジピン酸)コポリマー、(1,4-ブタンジオール/アジピン酸)コポリマー、(カプリロイルグリセリン/セバシン酸)コポリマー、(トリメチルペンタンジオール/アジピン酸)コポリマー、(カプリロイルグリセリン/セバシン酸)コポリマー、コハク酸ジヘプチル(及び)(カプリロイルグリセリン/セバシン酸)コポリマー、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリエーテル、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ヒドロキシ終端ポリジメチルシロキサン、ポリエチレングリコール、ポリオキサゾリン、ポリグリセロール、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリサッカリド、ポリラクチド、ポリエチレン、デンプン、セルロース、キチン、キトサン、プルラン、コラーゲン、ゼラチン、リグニン、ポリサッカリド、アルギネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)、ポリアミド、ポリテルペン、ポリエチレン2,5-フランジカルボキシレート、ポリカプロラクトン、ポリテトラヒドロフラン、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリホスホエステル、グリセロール、ヒマシ油、ジャトロファ油、多ヒドロキシ大豆油、パーム油、水添ヒマシ油、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、エチルヘキシルグリセリン、1,2-ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ウンデシレン酸グリセリル、メチルプロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、イソソルバイド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、クエン酸、乳酸、ポリ乳酸、ジリノール酸、トリリノール酸、アゼライン酸、及びセバシン酸を含む。
【0077】
成分(C) - ポリウレタン反応触媒
いくつかの実施形態において、成分(C)ポリウレタン反応触媒は、ポリウレタンエラストマー形成の速度を増加させるために任意選択で使用される。カルボン酸ビスマスは、その有利な毒性プロファイルにより、及び局所用製品における使用が許容されることにより、ポリウレタンエラストマーゲルの合成に好ましい触媒である。
【0078】
好ましくは、ネオデカン酸ビスマスがポリウレタン触媒として使用される。亜鉛、スズ、及びアミンベースポリウレタン触媒もまた使用され得る。適切なポリウレタン触媒は、これらに限定されないが、トリエチレンジアミン、N,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、N,N,N',N'-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、N,N',N'-トリメチルアミノエチルピペラジン、1,1'-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル]イミノ]ビスプロパン-2-オール、N,N,N'-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N',N"-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)-ヘキサヒドロ-s-トリアジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、オクタン酸第一スズ、シュウ酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズ、ジオクチルスズジ(2-ヘキシルヘキサノエート)-溶液、ジオクチルスズジチオグリコレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズオキシドブレンド、ジブチルスズジラウレート、モノブチルスズトリス-(2-エチルヘキサノエート)、ジオクチルスズジケトネート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、改質ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズオキシド、モノブチルスズジヒドロキシクロリド、有機スズオキシド、モノブチルスズオキシド、ジオクチルスズジカルボキシレート、ジオクチルスズカルボキシレート、ジオクチルスズスタノキサン、ネオデカン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトネート、シュウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、カルボン酸ビスマス、及びネオデカン酸亜鉛を含む。
【0079】
成分(D) - キャリア流体
【0080】
いくつかの実施形態において、ポリウレタンエラストマーは、局所的に許容されるキャリア流体(D)に任意選択で含有される。例示的実施形態において、キャリア流体は、皮膚表面、すなわち皮膚、唇、粘膜等への局所的使用のための溶媒である「局所的に許容されるキャリア流体」である。「局所的に許容される」及び「化粧品として許容される」という用語は、本明細書において同義的に使用され得、局所的に許容されるキャリア流体はまた、本明細書において「エモリエント」とも呼ばれ得る。必須ではないが、典型的には、キャリア流体は、上述のようなポリウレタンエラストマー反応を実行するために使用される溶媒と同じであり得る。ポリウレタンエラストマーゴム及びゲルの合成に使用される局所的に許容されるキャリア流体は、完全にバイオベースであってもよく、部分的にバイオベースであってもよく、又はバイオベースでなくてもよい。本明細書に記載の「バイオベース」は、バイオマスとして知られる生物から得られる物質から主になる材料を指す。
【0081】
局所的に許容されるキャリア流体は、ゴムがゲルに加工するのに硬すぎない、及び/又は脆すぎないように、反応に適合して本明細書に記載のポリウレタンエラストマーゴムを形成すべきである。ポリウレタンエラストマーゴムをゲルに加工する場合、ミリング中にエラストマー粒を膨潤させるために、適切な極性を有するキャリア流体が使用されるべきである。エモリエントが粒を膨潤させることができない場合、ポリウレタンエラストマーゴムを滑らかなゲルに加工することができない。適切な極性を有するトリグリセリド、エステル、及びエーテルを使用して、ミリングプロセス中にエラストマー粒を膨潤させることができる。いくつかの実施形態において、局所的に許容されるキャリア流体は、トリグリセリド、エステル、アルカン、エーテル、又はそれらの混合物を含む。好ましくは、局所的に許容されるキャリア流体は、トリヘプタノイン又はトリヘプタノイン及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの混合物である。本明細書に記載のようにエラストマー粒を膨潤させるためには、トリヘプタノインが好ましいキャリア流体である。トリヘプタノインは、比較的高い極性を有し、100%バイオベースであり、低い粘度及び軽く油っぽくない皮膚感触を有する。
【0082】
ポリウレタンエラストマーゴムが滑らかなゲルに加工されたら、所望の粘度に達するまで乾燥した皮膚感触を有する揮発性キャリア流体を高剪断混合しながらゲルに添加することができる。揮発性キャリア流体は、皮膚上でのポリウレタンエラストマーゲルの乾燥した感触を向上させるように働く。トリグリセリド、エステル、エーテル及びアルカンが、このプロセス中に使用され得る。好ましくは、ウンデカン及び/又はトリデカン及び/又はヤシアルカンが使用される。
【0083】
ポリウレタンエラストマーゲルの安定性は、部分的には、ポリウレタンエラストマーゴム及びゲルの合成に使用されるキャリア流体又はキャリア流体の混合物に依存する。キャリア流体の極性が低すぎる場合、ゲルは初めに形成し得るが、経時的に分離する。一般に、トリグリセリド、エステル、エーテル及びアルカンが、様々な組合せで使用され得る。好ましくは、トリヘプタノイン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、並びにウンデカン及び/又はトリデカンの約1/1/0.5の比での混合物が使用される。分離が生じる場合には、ゲル安定性を維持するために界面活性剤が使用されてもよい。
【0084】
局所的に許容されるキャリア流体は、好ましくは20℃で1~65mPasの間の粘度を有する。局所的に許容されるキャリア流体の展延値は、好ましくは500~2500mm2/10分の間である。ポリウレタンエラストマーゴムの合成及びポリウレタンエラストマーゲルの加工に適切な局所的に許容されるキャリア流体は、これらに限定されないが、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-1、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-1、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、ジ(カプリル/カプリン酸)BG、シア脂、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル、カプリリルメチコン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、デカメチルシクロペンタシロキサン、オレイン酸デシル、ジメチコノール、ジフェニルシランジオール、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、エチルトリシロキサン、カプリル酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、クエン酸/乳酸/リノール酸/オレイン酸グリセリル、クエン酸/乳酸/リノール酸/オレイン酸グリセリル、グリセリルココエート、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、トコフェロール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、水添ココグリセリル、水添パーム油、ヒドロキシトリメチルシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、イソステアリン酸メチルヘプチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、エルカ酸オレイル、オルス油(Olus Oil)、有機改質シロキサン、有機シリコーン流体、PCAオレイン酸グリセリル、(カプリル酸/カプリン酸)PEG-6グリセリズ、フェニルトリクロロシラン、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(エチレングリコール)含有シロキサン、ポリジメチルシロキサン、カプリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸ポリグリセリル-3、カプリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ポリリシノール酸ポリグリセリル-3、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-4、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-4、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジ(カプリル/カプリン酸)PG、ジ(カプリル/カプリン酸)PG、ジ(カプリル/カプリン酸)PG、シリコーン油、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、トリヘプタノイン、トリメチル(ブロモジフルオロメチル)シラン、トリミリスチン、及びトリステアリンを含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、局所的に許容されるキャリア流体は、ゲル組成物の約0%~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約1%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約10%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約20%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約30%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約40%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約50%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約60%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約70%(w/w)~約99.9%(w/w)、ゲル組成物の約80%(w/w)~約99.9%(w/w)、又はゲル組成物の約90%(w/w)~約99.9%(w/w)の濃度である。ある特定の実施形態において、ゲル組成物は、局所的に許容されるキャリア流体を含まない。いくつかの実施形態において、本明細書におけるゲル組成物を調製するための方法は、局所的に許容されるキャリア流体の存在下で実行される。さらなる実施形態において、本明細書におけるゲル組成物を調製するための方法は、局所的に許容されるキャリア流体の存在下で実行されない。
【0086】
成分(E) - 活性成分
いくつかの実施形態において、本明細書におけるゲル組成物は、成分(E)活性成分をさらに含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、成分(E)は、任意のパーソナル又はヘルスケア活性成分から選択される「薬学的活性成分」である。本明細書において使用される「薬学的活性成分」は、典型的には皮膚、唇の処置を目的として、又は化粧品としての、及び/若しくは美的外観上の利益を提供するために添加されるパーソナルケア製剤中の添加剤として当技術分野で知られている任意の化合物又は化合物の混合物を意味する。「ヘルスケア活性成分」は、薬学的又は医学的利益を提供することが当技術分野で知られている任意の化合物又は化合物の混合物を意味する。したがって、「ヘルスケア活性成分」は、一般的に使用され、アメリカ合衆国保健福祉省食品医薬品局、連邦規則集のタイトル21、第I章、第200~299部及び第300~499部により定義される、活性成分又は活性薬物成分とみなされる材料を含む。したがって、活性成分は、疾患の診断、治癒、軽減、処置若しくは予防において薬理活性若しくは他の直接的効果を付与する、又は人間若しくは他の動物の体の構造若しくは任意の機能に影響することが意図される任意の成分を含み得る。この語句は、薬物製品の製造において化学変化を生じ得る、及び指定された活性又は効果を付与することが意図される改質された形態で薬物製品中に存在し得る成分を含み得る。
【0088】
活性成分のいくつかの代表的な例は、薬物、ビタミン、ミネラル、ホルモン、局所抗菌剤、例えば抗生剤活性成分、運動選手の足、いんきんたむし又は白癬の処置のための抗真菌活性成分、ニキビ用活性成分、収斂剤活性成分、消臭剤活性成分、いぼ除去剤活性成分、うおのめ及びたこ除去剤の活性成分、頭部、陰部(ケジラミ)及びヒトジラミの処置のためのシラミ駆除剤活性成分、ふけ、脂漏性皮膚炎又は乾癬の抑制のための活性成分、並びに日焼け予防及び処置剤を含む。
【0089】
本発明による方法における使用に有用な活性成分は、ビタミン及び「プロビタミン」を含むその誘導体を含む。本明細書において有用なビタミンは、これらに限定されないが、ビタミンA、レチノール、レチノールのC-Cエステル、ビタミンE、トコフェロール、ビタミンEのエステル、及びそれらの混合物を含む。レチノールは、trans-レチノール、1.3-cis-レチノール、11-cis-レチノール、9-cis-レチノール、及び3,4-ジデヒドロ-レチノール、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB、ビタミンB.プロビタミンB5、パンテノール、ビタミンB、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸、ビオチン、及びパントテン酸を含む。本明細書に含まれるとみなされる他の好適なビタミン及びビタミンのINCI名は、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチン、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸Na、アスコルビン酸Na、アスコルビン酸硫酸2Na、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kである。
【0090】
レチノールは、ビタミンAの米国化粧品工業会(CTFA)、ワシントンD.C.により指定される化粧品原料国際命名法(INCI)であることに留意されたい。本明細書に含まれるとみなされる他の好適なビタミン及びビタミンのINCI名は、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、o-トコフェロール、トコフェルソラン、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、及びコハク酸トコフェロールである。
【0091】
本発明による方法において使用される薬学的活性成分は、活性薬物成分であってもよい。使用され得るいくつかの好適な活性薬物成分の代表的な例は、ヒドロコルチゾン、ケトプロフェン、チモロール、ピロカルピン、アドリアマイシン、マイトマイシンC、モルフィン、ヒドロモルフォン、ジルチアゼム、テオフィリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ヘパリン、ペニシリンG、カルベニシリン、セファロチン、セフォキシチン、セフォタキシム、5-フルオロウラシル、シタラビン、6-アザウリジン、6-チオグアニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ブレオマイシン、アウロチオグルコース、スラミン、メベンダゾール、クロニジン、スコポラミン、プロプラノロール、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、ウアバイン、アトロピン、ハロペリドール、イソソルビド、ニトログリセリン、イブプロフェン、ユビキノン、インドメタシン、プロスタグランジン、ナプロキセン、サルブタモール、グアナベンズ(guanaben Z)、ラベタロール、フェニラミン、メトリホネート、及びステロイドである。
【0092】
本明細書において本発明の目的のための活性薬物成分として含まれるとみなされるのは、抗ニキビ剤、例えば過酸化ベンゾイル及びトレチノイン、抗菌剤、例えばグルコン酸クロロヘキサジエン、抗真菌剤、例えば硝酸ミコナゾール、抗炎症剤、コルチコステロイド薬、非ステロイド抗炎症剤、例えばジクロフェナク、抗乾癬剤、例えばプロピオン酸クロベタゾール、麻酔剤、例えばリドカイン、かゆみ止め剤、抗皮膚炎剤、並びに一般にバリア膜とみなされる薬剤である。
【0093】
本発明の薬学的活性成分E)は、タンパク質、例えば酵素であってもよい。ポリウレタンエラストマーゲルへの酵素の内包は、酵素が不活性化するのを防止し、より長期間酵素の生物活性効果を維持する利点を有する。酵素は、これらに限定されないが、市販型、改善型、組換え型、野生型、天然では見られない変異体、及びそれらの混合物を含む。例えば、好適な酵素は、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、レダクターゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼ、及びそれらの混合物を含む。ヒドロラーゼは、これらに限定されないが、プロテアーゼ(細菌性、真菌性、酸性、中性又はアルカリ性)、アミラーゼ(アルファ又はベータ)、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、コラゲナーゼ、リゾチーム、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、及びそれらの混合物を含む。前記プロテアーゼは、これらに限定されないが、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パンクレアチン及び他の哺乳動物酵素、パパイン、ブロメライン及び他の植物酵素、サブチリシン、エピデルミン、ナイシン、ナリンギナーゼ(L-ラムノシダーゼ)ウロキナーゼ及び他の細菌酵素を含む。前記リパーゼは、これらに限定されないが、トリアシルグリセロールリパーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、リポタンパク質リパーゼ、例えばステアプシン、エレプシン、ペプシン、他の哺乳動物、植物、細菌リパーゼ、及び精製されたものを含む。天然パパインが前記酵素として好ましい。さらに、刺激ホルモン、例えばインスリンをこれらの酵素とともに使用して、それらの有効性を増強することができる。
【0094】
薬学的活性成分はまた、日焼け防止剤であってもよい。日焼け防止剤は、日光への曝露の有害作用から皮膚を保護する当技術分野で知られている任意の日焼け防止剤から選択され得る。日焼け防止化合物は、典型的には、紫外(UV)線を吸収する有機化合物、無機化合物、又はそれらの混合物から選ばれる。したがって、日焼け防止剤として使用され得る代表的な限定されない例は、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイヒ酸ジエタノールアミン、ジガロイルトリオレエート、ジオキシベンゾン、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、グリセリルアミノベンゾエート、ホモサレート、ジヒドロキシアセトンを含むローソン、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシケイヒ酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パディメートO、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、赤色ワセリン、スルイソベンゾン、二酸化チタン、サリチル酸トロラミン、アセトアミノサロール(cetarninosalol)、アラトイン、PABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1-12、3-ベンジリデンカンファ、ベンジリデンカンファ加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファスルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボメロン(bomelone)、ブメトリゾール(bumetriozole)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、シノキサート、メトキシケイヒ酸DEA、ジベンゾオキサゾールナフタレン、ジ-t-ブチルヒドロキシベンジリデンカンファ、ジガロイルトリオレエート、メチルケイヒ酸ジイソプロピル、ジメチルPABAエチルセテアリールジモニウムトシル酸、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ジナトリウムビスエチルフェニルチアミノトリアジンスチルベンジスルホネート、ジナトリウムジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホネート、ジスチリルビフェニルジスルホン酸2Na、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピルケイヒ酸エチル、メトキシケイヒ酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、ジメトキシケイヒ酸オクタン酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサレート、p-メトキシケイヒ酸イソアミル、イソプロピルベンジルサリチレート、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシケイヒ酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4-メチルベンジリデン、カンフル、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシケイヒ酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG-25 PABA、ペンチルジメチル、PABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファ、メトキシケイヒ酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸K、赤色ワセリン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸Na、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸TEA、サリチル酸TEA、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、二酸化チタン、二酸化亜鉛、二酸化セリウム(serium dioxide)、TriPABAパンテノール、ウロカニン酸、及びVA/クロトネート/メタクリルオキシベンゾフェノン-1コポリマーを含む。
【0095】
日焼け防止剤は、単一又は2つ以上の組合せであってもよい。代替的に、日焼け防止剤はシンナメートベース有機化合物であり、又は代替として、日焼け防止剤はメトキシケイヒ酸オクチル、例えばUvinul(登録商標)MC80(パラ-メトキシケイヒ酸及び2-エチルヘキサノールのエステル)である。
【0096】
成分(E)はまた、フレグランス又は香料であってもよい。香料は、香料業界において一般的に使用される任意の香料又はフレグランス活性成分であってもよい。これらの組成物は、典型的には、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトライト、テルペン系炭化水素、複素環式窒素又は硫黄含有化合物、及び天然又は合成起源の精油といった様々な化学クラスに属する。これらの香料成分の多くは、標準的な教科書文献、例えばPerfume and Flavour Chemicals、1969、S. Arctander、Montclair、N.Jに詳細に記載されている。
【0097】
フレグランスは、これらに限定されないが、香料ケトン及び香料アルデヒドによって例示され得る。香料ケトンの例は、ブッコキシム、イソジャスモン、メチルベータナフチルケトン、ムスクインダノン、トナリド/ムスクプラス、アルファダマスコン、ベータ-ダマスコン、デルタ-ダマスコン、イソダマスコン、ダマセノン、ダマロース、メチルジヒドロジャスモネート、メントン、カルボン、カンフル、フェンコン、アルファ-ロノン、ベータ-ロノン、ガンマ-メチル、いわゆるロノン、フルーラモン(Fleuramone)、ジヒドロジャスモン、シス-ジャスモン、イソ-E-スーパー、メチル-セドレニル-ケトン又はメチル-セドリロン(Cedrylone)、アセトフェノン、メチル-アセトフェノン、パラ-メトキシ-アセトフェノン、メチル-ベータ-ナフチル-ケトン、ベンジル-アセトン、ベンゾフェノン、パラ-ヒドロキシ-フェニル-ブタノン、セロリーケトン(Celery ketone)又はライブスコーン(LiveScone)、6-イソプロピルデカヒドロ-2-ナフトン、ジメチル-オクテノン、フレスコメンテ(Freskomenthe)、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5,-テトラメチル-シクロヘキサノン、メチル-ヘプテノン、2-(2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)プロピル)-シクロペンタノン、1-(p-メンテン-6(2)-イル)-1-プロパノン、4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-ブタノン、2-アセチル-3,3-ジメチルノルボルナン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、4-ダマスコール、ドルシニル(Dulcinyl)又はカッシオン(Cassione)、ゲルソン(Gelsone)、ヘキシロン、イソシクレモンE.メチルシクロシトロン、メチルラベンダー-ケトン、オリボン(Orivon)、パラ-tert-ブチル-シクロヘキサノン、ベルドン(Verdone)、デルフォン(Delphone)、ムスコン、ネオブテノン、プリカトン(Plica tone)、ベロウトン(Veloutone)、2,4,4,7-テトラメチル-オクタ-6-エン-3-オン、及びテトラメラン(Tetrameran)である。
【0098】
より好ましくは、香料ケトンは、その臭気特性のため、アルファダマスコン、デルタダマスコン、イソダマスコン、カルボン、ガンマ-メチル-ロノン、イソ-E-スーパー、2.4.4.7-テトラメチル-オクタ-6-エン-3-オン、ベンジルアセトン、ベータダマスコン、ダマセノン、メチルジヒドロジャスモネート、メチルセドリロン、及びそれらの混合物から選択される。
【0099】
好ましくは、香料アルデヒドは、その臭気特性のため、アドキサル、アニスアルデヒド、サイマール、エチルバニリン、フロルヒドラール(florhydral)、ヘリオナール、ヘリオトロピン、ヒドロキシシトロネラール、コアボン(koavone)、ラウリン酸アルデヒド、リラール(lyral)、メチルノニルアセトアルデヒド、P.T.ブシナール(bucinal)、フェニルアセトアルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、バニリン、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、3-ドデセン-1-アール、α-n-アミルシンナムアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、2-メチル-3-(パラ-メトキシフェニルプロパナール、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2(1)-シクロヘキセン-1-イル)ブタナール、3-フェニル-2-プロぺナール、cis-/trans-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-アール、(3,7-ジメチル-6-オクテニル)オキシアセトアルデヒド、4-イソプロピルベンジルアルデヒド(isopropylbenzyaldehyde)、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-8.8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、2-メチル-3-(イソプロピルフェニル)プロパナール、1-デカナール、デシルアルデヒド、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、4-(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)-デシリデン-8)-ブタナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンカルボキサルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、パラ-エチル-α,α-ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、α-メチル-3,4-(メチレンジオキシ)-ヒドロシンナムアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、α-nヘキシルシンナムアルデヒド、m-シメン-7-カルボキサルデヒド、α-メチルフェニルアセトアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、4-(3)(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-カルボキサルデヒド、1-ドデカナール、2,4-ジメチルシクロヘキセン-3-カルボキサルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン1-カルボキサルデヒド、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタン-1-アール、2-メチルウンデカナール、2-メチルデカナール、1-ノナナール、1-オクタナール、2,6,10-トリメチル-5.9-ウンデカジエナール、2-メチル-3-(4-tertブチル)プロパナール、ジヒドロシンナムアルデヒド、1-メチル-4-(4-メチル3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、5(又は6)-メトキシヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1(又は2)-カルボキサルデヒド、3,7-ジメチルオクタン-1-アール、1-ウンデカナール、10-ウンデセン-1-アール、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、1-メチル-3-(4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(cyclhexenecarboxaldehyde)、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、trans-4-デセナール、2,6-ノナジエナール、パラトリルアセトアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、オルト-メトキシシンナムアルデヒド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、3,7-ジメチル-2-メチレン-6-オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド、5,9-ジメチル-4,8-デカジエナール、ピオニーアルデヒド(peony aldehyde)(6,10-ジメチル-3-オキサ-5.9-ウンデカジエン-1-アール)、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1-カルボキサルデヒド、2-メチルオクタナール、α-メチル-4-(1-メチルエチル)ベンゼンアセトアルデヒド、6,6-ジメチル-2-ノルピネン-2-プロピオンアルデヒド、パラメチルフェノキシアセトアルデヒド、2-メチル-3-フェニル-2-プロペン-1-アール、3.5.5-トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド、3-プロピル-ビシクロ[2.2.1-ヘプタ-5-エン-2-カルバルデヒド、9-デセナール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタナール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ヘキセナール、1-p-メンテン-q-カルボキサルデヒド及びそれらの混合物から選択される。より好ましいアルデヒドは、その臭気特性のため、1-デカナール、ベンズアルデヒド、フロルヒドラール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、cis/trans-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール、ヘリオトロピン、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド、2,6-ノナジエナール、α-アミル-シンナムアルデヒド、α-n-ヘキシル-シンナムアルデヒド、P.T.ブシナール、リラール、サイマール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、trans-2-ヘキセナール及びそれらの混合物から選択される。香料成分の上記リストのうち、いくつかは当業者に従来知られている商品名であり、また異性体も含む。そのような異性体もまた、本発明における使用に好適である。
【0100】
成分(E)はまた、1つ以上の植物抽出物であってもよい。これらの成分の例は、以下の通りである。アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アジサイ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、アンズ抽出物、杏仁抽出物、イチョウ(Ginkgo Biloba)抽出物、ウイキョウ抽出物、ターメリッククルクマ抽出物、ウーロン茶抽出物、エイジツ抽出物、エキナセア抽出物、オウゴン抽出物、オウバク抽出物、オウレン抽出物、オオムギ抽出物、オトギリソウ(Hyperium)抽出物、オドリコソウ抽出物、クレソン抽出物、オレンジ抽出物、乾燥海水、海藻抽出物、加水分解エラスチン、加水分解小麦粉、加水分解シルク、カモミール抽出物、ニンジン抽出物、ヨモギ抽出物、カンゾウ抽出物、ハイビスカスティー抽出物、ピラカンサ・フォルツネアナ(Pyracantha Fortuneana)果実抽出物、キウイ抽出物、キナノキ抽出物、キュウリ抽出物、グアノシン(guanocine)、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、クジン抽出物、クルミ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレマチス抽出物、クロレラ抽出物、クワ抽出物、リンドウ抽出物、紅茶抽出物、酵母抽出物、ゴボウ抽出物、米糠発酵抽出物、米胚芽油、ヒレハリソウ抽出物、コラーゲン、コケモモ抽出物、クチナシ抽出物、サイシン抽出物、ミシマサイコ属のファミリーの抽出物、臍帯抽出物、サルビア抽出物、サポナリア抽出物、タケ抽出物、サンザシ抽出物、サンショウ抽出物、シイタケ抽出物、ジオウ抽出物、ムラサキ抽出物、シソ抽出物、リンデン抽出物、シモツケソウ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウブ根抽出物、シラカバ抽出物、トクサ抽出物、セイヨウキヅタ(ツタ)抽出物、セイヨウサンザシ抽出物、セイヨウニワトコ(Sambucus migra)抽出物、セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)抽出物、セイヨウハッカ(Mentha piperita)抽出物、セージ抽出物、ゼニアオイ抽出物、センキュウ(Cnidium officinale)根抽出物、日本のミドリセンブリ抽出物、大豆抽出物、ナツメ抽出物、タイム抽出物、茶抽出物、チョウジ抽出物、イネ科チガヤ(Gramineae imperata cyrillo)抽出物、ウンシュウミカン果皮抽出物、トウキ抽出物、キンセイカ抽出物、トウニン抽出物、トウヒ抽出物、ドクダミ(Houttuyna cordata)抽出物、トマト抽出物、納豆抽出物、チョウセンニンジン抽出物、緑茶抽出物(チャノキ(camelliea sine sis))、ニンニク抽出物、ノバラ抽出物、ハイビスカス抽出物、バクモンドウ抽出物、ハス(Nelumbo nucifera)抽出物、パセリ抽出物、ハチミツ、ハマメリス抽出物、ヒカゲミズ抽出物、エンメイソウ抽出物、ビサボロール抽出物、ビワ抽出物、フキタンポポ抽出物、セイヨウフキ抽出物、マツホド抽出物、ナギイカダの抽出物、ブドウ抽出物、プロポリス抽出物、ヘチマ(lufa)抽出物、ベニバナ抽出物、ペパーミント抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、セイヨウトチノキ抽出物、ミズバショウ(Lysichiton camtschatcese)抽出物、ムクロジ果皮抽出物、セイヨウヤマハッカ抽出物、モモ抽出物、ヤグルマギク抽出物、ユーカリ抽出物、ユキノシタ抽出物、シトロン抽出物、ジュズダマ抽出物、オオヨモギ抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、レンゲ抽出物、バラ抽出物、ローズマリー抽出物、ローマカミツレ抽出物、及びローヤルゼリー抽出物。
【0101】
ポリウレタンゲル組成物中に存在する成分(E)の量は変動し得るが、典型的には以下の範囲である。組成物中に存在するポリウレタンエラストマーの重量、すなわちゲル組成物中の成分(A)、(B)、(C)及び(D)の総重量を基準として0.05~50重量%、代替的には1~25重量%、又は代替的には1~10重量%。
【0102】
成分(E)は、ポリウレタンエラストマーの製造中にポリウレタンゲル組成物に添加されてもよく(前投入法)、又はポリウレタンエラストマーゲルの形成後に添加されてもよい(後投入法)。
【0103】
前投入法は、(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、及び(C)任意選択でポリウレタン反応触媒を、任意選択で(D)キャリア流体中で反応させるステップ、並びに(E)パーソナルケア又はヘルスケア活性物質をポリウレタンエラストマーゲルと混合して、活性物質を含有するポリウレタンエラストマーゲルを形成するステップを含む。
【0104】
後投入法は、(I)(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、(C)任意選択でポリウレタン反応触媒を、任意選択で(D)キャリア流体中で反応させ、ポリウレタンエラストマーゲルを形成するステップ、(II)ポリウレタンエラストマーゲルを滑らかなペーストに剪断するステップ、及び(III)(E)パーソナルケア又はヘルスケア活性成分をポリウレタンエラストマーゲルと混合して、活性物質を含有するポリウレタンエラストマーゲルを形成するステップを含む。パーソナルケア活性物質はまた、1つ以上の賦形剤との別の混合物の成分として混合されてもよい。
【0105】
ポリウレタンエラストマー
本発明のポリウレタンエラストマーは、成分(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、及び(C)任意選択でポリウレタン反応触媒の、任意選択で(D)キャリア流体中でのポリウレタン反応生成物として得ることができる。「ポリウレタン反応」という用語は、ヒドロキシル基を含有する化合物(例えば成分(A))の、イソシアネート基を含有する化合物(例えば成分(B))への触媒(例えば成分(C))の存在下での付加を意味し、ヒドロキシル基とイソシアネート基とのモル比は1:1である。代替的に、この比は8:1~0.9:1の範囲であってもよい。ポリウレタン反応は溶媒の存在下で実行され、溶媒は、成分(D)として説明されるキャリア流体と同じであり、さらに精製することなく使用される。
【0106】
特定の実施形態において、本発明は、以下の一般的構造に従い、以下の一般的スキームに従って調製される、ヒマシ油とイソホロンジイソシアネートとの反応から形成される架橋ポリウレタンエラストマーネットワークを提供する(示される構造は、ヒマシ油の主要トリグリセリド成分であるリシノレインに基づいている):
【0107】
【0108】
さらなる実施形態において、ポリウレタンエラストマーの構造は、反復単位(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー、アルキルカルバメート、及びトリアジントリオンの架橋ポリマーネットワークである。ポリウレタンポリマーネットワークの典型的な化学構造は以下に表され、以下の反応スキームに従って形成される。
【0109】
【0110】
ある特定の実施形態において、上述のポリウレタンエラストマーゲルは、3ステッププロセスで調製される。第一に、トリヘプタノイン及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの反応媒体中、ネオデカン酸ビスマスの存在下で高温で混合しながら(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーを1,5-ペンタメチレンジイソシアネート三量体と反応させる。(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーの分子量範囲は、約1000~3000である。ポリイソシアネートのNCOとコポリマーのOHとのモル比は、2:1~1:2の間であってもよい。反応混合物中のネオデカン酸ビスマスの量は、およそ0.05~2.25重量%の間であってもよい。反応は、触媒の存在下でコポリマーのヒドロキシル基とポリイソシアネートのイソシアネート基との間で生じ、ウレタン連結-RNHCOOR'-を作出する。生成物は、エラストマーマトリックス中に捕捉された局所的に許容されるキャリア流体トリヘプタノイン及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含む架橋ポリウレタンエラストマーゴムである。得られるオフホワイトのゴムは軟質であり、脆くはなく、触れると若干粘着性である。第2のステップでは、ゴムをキャリア流体、例えばトリヘプタノインで希釈し、高剪断混合物(high sheer mixture)、分散機又はホモジナイザーを使用してゲルにミリングする。得られるゲル濃縮物は濃厚で滑らかであり、顆粒状の粒子を含まない。皮膚に塗布されると、ゲルは容易に吸収され、毛羽立つことなく均一に広がる。第3のステップでは、所望の粘度に達するまで、キャリア流体、例えばウンデカン及び/若しくはトリデカン、又はヤシアルカンを高剪断ミキサーでゲル濃縮物に添加することができる。
【0111】
ポリウレタンエラストマーゴムの硬度は、それが容易にゲルに加工され得るかどうかを決定する重要な因子である。ポリウレタンエラストマーゴムが硬すぎる場合、ゴム粒は加工時に適切に膨潤しない、又は滑らかなゲルに粉砕されない。ポリウレタンエラストマーゴムが軟らかすぎる場合、粘着性により、及び膨潤性粒子の欠落によりゲルに容易に加工されない。5つの因子が、主にポリウレタンエラストマーゴムの硬度を決定する。
【0112】
第一に、ポリウレタンエラストマーゴムの合成における反応物質の重量パーセントにより決定される固体含量は、ポリウレタンエラストマーゴム硬度及びゲル化能を決定する極めて重要な因子である。固体含量が高すぎる(to high)場合、ゴムは硬質及び脆性となる。固体含量が低すぎる場合、ゴムは粘着性及び軟質となる。実際には、ゴム形成における反応物質の総重量パーセントは、70~95%の間となり得る。
【0113】
第二に、局所的に許容されるキャリア流体が何であるかが、ポリウレタンの硬度及び加工に影響する。(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルが唯一のキャリア流体として使用される場合、ポリウレタンエラストマーゴムは過度に硬質及び脆性となり得、したがって滑らかなゲルに加工されない。トリヘプタノイン、又はトリヘプタノイン及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの4:1~1:1の比での混合物を使用すると、適切な硬度を有するポリウレタンエラストマーゴムを生成することができる。好ましくは3:1の比が使用される。
【0114】
第三に、ポリオールとポリイソシアネートベースポリイソシアネートとの比は、ポリウレタンエラストマーゴムの硬度に影響する。ヒドロキシル基とイソシアネートとのモル比が大きすぎる、又は小さすぎる場合、十分な架橋が生じず、軟質及び粘着性の生成物が形成され、これはゲルに加工することができない。前記イソシアネートのNCOと前記ポリオールのOHとのモル比は、2:1~1:2の間となり得る。
【0115】
第四に、ポリウレタンエラストマーゴムの合成において使用されるビスマス触媒の量は、ゲルに加工されるその能力を決定する別の因子である。使用される触媒が多すぎる場合、ゴムは加熱中に過度に硬化し、硬すぎてゲルに加工することができなくなる。使用される触媒が少なすぎる場合、ゴムは形成しない。実際には、ビスマス触媒の量は、約0.05~2.25重量%となり得る。
【0116】
第五に、反応温度は80℃を超えるべきではなく、さもなくばエラストマーゴムは過度に硬化して、硬すぎるゴムをもたらし得る。さらに、80℃超の温度では溶媒の滲出が生じ得る。ゴム形成のための反応温度は、約40~80℃であるべきである。
【0117】
ポリウレタンエラストマーゲルペーストの粘度を測定するための方法
特殊Tバー型スピンドルを備えた好適なBrookfield粘度計とともに使用した場合、Brookfield HELIPATH(商標)スタンドによって、ペースト、パテ、クリーム、ゼラチン又はワックスに類似した特性を有する材料に対するセンチポアズ値での粘度/稠度測定が可能となる。HELIPATH(商標)スタンド(Brookfield Model D)及びTバースピンドル(Brookfield HELIPATH(商標)スピンドルセット)を備えたBrookfield Model DV-II+Pro粘度計を使用して、ポリウレタンエラストマーブレンドの粘度を決定した。全て、Brookfield Engineering Laboratories, Inc.(11 Commerce Boulevard Middleboro、Mass.、USA)から購入した。4オンス丸底瓶内の50gの試料サイズが必要であった。測定前に、以下の調製手順を使用した:まず、遠心分離により、次いで真空下で2時間、試料から気泡を除去した。脱気後、試料を最低4時間、25℃でコンディショニングした。HELIPATH(商標)スピンドルの典型的な手順に従って測定を行った。一般にスピンドル93(TバースピンドルE)が使用され、rpmの標準的設定は6.5であった。スピンドル速度は6.5rpmで一定に維持される。
【0118】
局所製剤
ゲル組成物又はゲルペーストを含む局所製剤もまた本明細書において提供される。そのような製剤中、ゲル組成物又はゲルペーストは、局所製剤用の増稠剤又は安定剤として好適に使用される。局所製剤の他の成分は当技術分野で知られており、例えば様々な成分、例えばエマルジョン安定剤、乳化剤皮膚コンディショナー、懸濁剤等を含み得る。これらの追加の成分の量は、約0.01重量%~約50重量%のオーダーであってもよい。
【0119】
本明細書において使用される「エマルジョン安定剤」は、エマルジョンがその油性成分及び水性成分に分離するのを防ぐのに役立つ組成物を指す。実施形態において、本明細書に記載の製剤中に利用されるエマルジョン安定剤は、天然由来のガム若しくは改質ガム又は天然ミネラルである。例示的なエマルジョン安定剤は、これらに限定されないが、アカシア、セルロース、結晶性セルロース、ジェラン、グアー、ローカストビーン(イナゴマメ)、キサンタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト又はヘクトライト粘土等を含み、それらの組合せも含む。
【0120】
本明細書において使用される「皮膚コンディショナー」は、皮膚の表面上の潤滑剤として働く組成物、又は皮膚の表面の含水量を増加させる組成物を指す。製剤中での使用のための例示的な皮膚コンディショナーは、これらに限定されないが、アジピン酸エステル、アルキルベンゾエート、C8以上の脂肪酸エステル、エステル化エルケート、ラウレート、ネオペンタノエート、サリチレート、ステアレート、トリグリセリド、カーボネート、グリコール、グリセリン、鉱油等を含み、それらの組合せも含む。
【0121】
本明細書において使用される「乳化剤」は、水中油型又は油中水型エマルジョンの形成に役立つ組成物を指す。製剤中での使用のための例示的な乳化剤は、これらに限定されないが、ポリソルベート、エトキシ化脂肪酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はアミンで中和された脂肪酸、置換グルコシド、ラウリル及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム、エトキシ化エステル、レシチン及びレシチン誘導体等を含み、それらの組合せも含む。
【0122】
本明細書において使用される「懸濁剤」は、集合(coming together)及び溶液からの沈降(falling out of solution)に対する粒子の抵抗を改善するように固体粒子と液体媒体との間の界面を改質する組成物を指す。製剤中での使用のための例示的な懸濁剤は、これらに限定されないが、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリアクリル酸ナトリウムポリマー、メチルメタクリレートクロスポリマー等を含み、それらの組合せも含む。
【0123】
追加的な実施形態において、ポリウレタンエラストマーは、固体ベースの形式で、例えば足に適合する中敷き又は靴底等として利用され得る。
【0124】
例示的実施形態
実施形態1:
(A)2つ以上のイソシアネート官能基を含むポリイソシアネート又はポリイソシアネートの混合物、
(B)2つ以上のヒドロキシル、アミン、チオール、又はカルボン酸官能基を含むポリオール又はポリオールの混合物、
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒、及び
(D)任意選択で局所的に許容されるキャリア流体
の反応から調製されるポリウレタンエラストマーゲルを含むゲル組成物。
【0125】
実施形態2:局所的に許容されるキャリア流体が、エステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーン流体、油、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1に記載のゲル組成物。
【0126】
実施形態3:局所的に許容されるキャリア流体が、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリヘプタノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ドデカン、トリデカン、C13~15アルカン、スクワレン、スクワレン、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸イソペンチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバエステル、トリカプリリン、及びパーム油からなる群から選択される、実施形態1に記載のゲル組成物。
【0127】
実施形態4:局所的に許容されるキャリア流体に溶解した薬学的活性成分をさらに含む、実施形態1に記載のゲル組成物。
【0128】
実施形態5:ポリイソシアネート又はポリイソシアネートの混合物が、低分子量ポリイソシアネート又はポリイソシアネートの混合物であり、ポリオール又はポリオールの混合物が、2つ以上のヒドロキシル、アミン、チオール、又はカルボン酸基を含有する、実施形態1に記載のゲル組成物。
【0129】
実施形態6:
(A)ヒマシ油、
(B)イソシアネート基とヒドロキシル基とのモル比が1:1~1:2の間であるイソホロンジイソシアネート、
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒、及び
(D)ゲル組成物の60%(w/w)~99.9%(w/w)の濃度の局所的に許容されるキャリア流体
の反応からのポリウレタンエラストマーを含むゲル組成物であって、
ポリウレタンエラストマーゲルの形成中にパーソナルケア若しくはヘルスケア活性成分を局所的に許容される溶媒に溶解することにより、又はパーソナルケア若しくはヘルスケア活性成分を形成されたポリウレタンエラストマーゲルと混合することにより、パーソナルケア又はヘルスケア活性成分が任意選択でポリウレタンエラストマーゲルに組み込まれる、ゲル組成物。
【0130】
実施形態7:局所的に許容されるキャリア流体が、エステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーン流体、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態6に記載のゲル組成物。
【0131】
実施形態8:局所的に許容されるキャリア流体が、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルからなる群から選択される、実施形態6に記載のゲル組成物。
【0132】
実施形態9:局所的に許容されるキャリア流体に溶解した薬学的活性成分をさらに含む、実施形態6に記載のゲル組成物。
【0133】
実施形態10:ポリウレタン触媒が、ビスマス基含有触媒である、実施形態1に記載のゲル組成物。
【0134】
実施形態11:ポリウレタン触媒が、ビスマス基含有触媒である、実施形態6に記載のゲル組成物。
【0135】
実施形態12:局所的に許容される溶媒の炭素含量の50%超が、植物源から得られる、実施形態1に記載のゲル組成物。
【0136】
実施形態13:局所的に許容される溶媒の炭素含量の50%超が、植物源から得られる、実施形態6に記載のゲル組成物。
【0137】
実施形態14:実施形態1に記載のゲル組成物を調製するための方法であって、
(A)ポリオール、
(B)イソホロンジイソシアネート、及び
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒を、
任意選択で
(D)局所的に許容されるキャリア流体
の存在下で反応させるステップを含む方法。
【0138】
実施形態15:実施形態6に記載のゲル組成物を調製するための方法であって、
(A)ヒマシ油、
(B)イソホロンジイソシアネート、及び
(C)任意選択でポリウレタン反応触媒を、
任意選択で
(D)局所的に許容されるキャリア流体
の存在下で反応させるステップを含む方法。
【0139】
実施形態16:実施形態14に記載の方法に従って調製されるゲル組成物。
【0140】
実施形態17:実施形態15に記載の方法に従って調製されるゲル組成物。
【0141】
実施形態18:ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
(I)実施形態1に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
(II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを追加量のキャリア流体と混合して、ゲルペースト組成物を形成するステップ
を含む方法。
【0142】
実施形態19:ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
(I)実施形態1に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
(II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを活性成分と混合するステップ
を含む方法。
【0143】
実施形態20:ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
(I)実施形態6に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
(II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを追加量のキャリア流体と混合して、ゲルペースト組成物を形成するステップ
を含む方法。
【0144】
実施形態21:ゲルペースト組成物を調製するための方法であって、
(I)実施形態6に記載のゲル組成物を剪断するステップ、及び
(II)剪断されたポリウレタンエラストマーゲルを活性成分と混合するステップ
を含む方法。
【0145】
実施形態22:ポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、
I)ポリイソシアネート反応物質及びポリオール反応物質を、任意選択で局所的に許容されるキャリア流体中で混合して、約80%(w/w)の反応物質濃度を有する反応混合物を形成するステップであって、ポリイソシアネート反応物質は2つ以上のイソシアネート官能基を含み、ポリオール反応物質は2つ以上のヒドロキシル基を含むステップ、
II)任意選択でポリウレタン反応触媒を添加するステップ、並びに
III)任意選択で反応混合物を約80℃に加熱して、ポリウレタンエラストマーを形成するステップ
を含む方法。
【0146】
実施形態23:局所的に許容されるキャリア流体が、エステル、トリグリセリド、炭化水素、シリコーン流体、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態22に記載の方法。
【0147】
実施形態24:局所的に許容されるキャリア流体が、コハク酸ジイソオクチル、ウンデシレン酸ヘプチル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態22に記載の方法。
【0148】
実施形態25:薬学的活性成分を局所的に許容されるキャリア流体に溶解するステップをさらに含む、実施形態22に記載の方法。
【0149】
実施形態26:ポリイソシアネート反応物質が、別のポリイソシアネートの重合から得られる、実施形態22に記載の方法。
【0150】
実施形態27:ヘキサメチレンジイソシアネートからポリイソシアネート反応物質を調製するステップをさらに含む、実施形態22に記載の方法。
【0151】
実施形態28:ペンタメチレンジイソシアネートからポリイソシアネート反応物質を調製するステップをさらに含む、実施形態22に記載の方法。
【0152】
実施形態29:実施形態18に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【0153】
実施形態30:実施形態19に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【0154】
実施形態31:実施形態20に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【0155】
実施形態32:実施形態21に記載の方法により調製されるポリウレタンエラストマーゲルペースト。
【0156】
実施形態33:実施形態1又は実施形態6に記載のゲル組成物、及び薬学的活性成分を含む局所製剤であって、薬学的活性成分がパーソナルケア活性成分又はヘルスケア活性成分である局所製剤。
【0157】
実施形態34:実施形態29から32のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマーゲルペースト、及び薬学的活性成分を含む局所製剤であって、薬学的活性成分がパーソナルケア活性成分又はヘルスケア活性成分である局所製剤。
【0158】
実施形態35:実施形態1又は実施形態6に記載のゲル組成物を含む、足に適合する中敷き又は靴底。
【0159】
実施形態36:実施形態1又は実施形態6に記載のゲル組成物を含む、医学的に許容される医学ゲル。
【0160】
実施形態37:実施形態1又は実施形態6に記載のゲル組成物を含む局所製剤。
【0161】
単に例示として提供され、本発明の範囲を限定しない以下の実施例により、本開示をさらに説明する。ある特定の修正及び均等物が当業者に明らかとなり、本開示の範囲に含まれることが意図される。本開示は以下の製剤化の例を提供するが、それらに限定されない。
【実施例】
【0162】
[実施例1]
トリヘプタノイン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル及びウンデカン(及び)トリデカンを用いた(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースポリウレタンエラストマーゲルの調製
トリヘプタノイン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー、及びペンタメチレンジイソシアネート三量体を反応ケトルに加えた。清澄な(clear)均質溶液が得られるまで、この混合物を室温で撹拌した。ネオデカン酸ビスマスを撹拌しながら添加し、反応物を約1時間60℃に加熱したが、この時点でオフホワイトの軟質ゴムが形成される。ゴムの形成後、ゴムを室温に冷却する。
【0163】
次いでポリウレタンエラストマーゴムをドラム内に入れ、トリヘプタノインを高剪断混合しながら添加した。得られた懸濁液を次いで分散機に通し、得られたゲルを室温に冷却した。次いで、所望の粘度に達するまでウンデカン及び/又はトリデカンを混合しながら添加した。
【0164】
[実施例2]
トリヘプタノイン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル及びヤシアルカンを用いた(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースポリウレタンエラストマーゲルの調製
実施例1に従ってポリウレタンエラストマーゴムを調製する。ポリウレタンエラストマーゴムをドラム内に入れることでポリウレタンエラストマーゲルを調製し、次いでトリヘプタノインを高剪断混合しながら添加した。得られた懸濁液を次いで分散機に通し、得られたゲルを室温に冷却した。次いで、所望の粘度に達するまでヤシアルカンを混合しながら添加した。
【0165】
[実施例3]
トリヘプタノイン及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを用いた(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースポリウレタンエラストマーゲルの調製
実施例1に従ってポリウレタンエラストマーゴムを調製する。ポリウレタンエラストマーゴムをドラム内に入れることでポリウレタンエラストマーゲルを調製し、次いでトリヘプタノインを高剪断混合しながら添加した。得られた懸濁液を次いで分散機に通し、得られたゲルを室温に冷却した。次いで、所望の粘度に達するまで(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを混合しながら添加した。
【0166】
[実施例4]
トリヘプタノインを用いた(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースポリウレタンエラストマーゲルの調製
実施例1に従ってポリウレタンエラストマーゴムを調製する。ポリウレタンエラストマーゴムをドラム内に入れることでポリウレタンエラストマーゲルを調製し、次いでトリヘプタノインを高剪断混合しながら添加した。得られた懸濁液を次いで分散機に通し、得られたゲルを室温に冷却した。次いで、所望の粘度に達するまでトリヘプタノインを混合しながら添加した。
【0167】
[実施例5]
ヒマシ油ベースペンタメチレンジイソシアネート三量体ポリウレタンエラストマーの調製
トリヘプタノイン、ヒマシ油、及びペンタメチレンジイソシアネート三量体を瓶に加えた。清澄な均質溶液が得られるまで、この混合物を室温で撹拌した。ネオデカン酸ビスマスを撹拌しながら添加し、反応物を約1時間60℃に加熱したが、この時点でオフホワイトの軟質ゴムが形成される。ゴムの形成後、ゴムを室温に冷却した。
【0168】
次いでポリウレタンエラストマーゴムをスチール容器内に入れ、所望の粘度に達するまでトリヘプタノインを高剪断混合しながら添加した。
【0169】
ある特定の例では、トリヘプタノイン(202.0グラム)、ヒマシ油(32.0グラム)、ペンタメチレンジイソシアネート三量体(15.9グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(2.5グラム)をステンレススチール反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌した。反応混合物をアルミニウム容器内に入れ、1時間80℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。
【0170】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、トリヘプタノインを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0171】
別の例では、トリヘプタノイン(41.1グラム)、ヒマシ油(6.7グラム)、ペンタメチレンジイソシアネート三量体(3.31グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(0.5グラム)を4オンスガラス瓶に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約10分間激しく撹拌した。反応混合物を覆い、19.5時間80℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は1.72Nであった。
【0172】
[実施例6]
ヒマシ油/イソホロンジイソシアネートポリウレタンエラストマーの調製
コハク酸ジイソオクチル(440グラム)、166.87mg/gのヒドロキシル価を有するヒマシ油(71.1グラム)、37.80%のイソシアネート含量を有するイソホロンジイソシアネート(23.5グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(5.33グラム)を、ステンレススチール反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌し、50グラムの混合物を4オンスガラス瓶に注ぎ込んだ。反応混合物の残り及び50グラムの試料を18時間75℃に加熱したが、この時点で半透明のゲルが形成した。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は2.85Nであった。
【0173】
次いで、ポリウレタンエラストマーゲルを小片に砕き、金属容器内に入れ、ウンデシレン酸ヘプチルを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0174】
ある特定の例では、トリヘプタノイン(293.5グラム)、166.87mg/gのヒドロキシル価を有するヒマシ油(87.9グラム)、37.80%のイソシアネート含量を有するイソホロンジイソシアネート(29.0グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(8.9グラム)を、ガラス反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌し、50グラムの混合物を4オンスガラス瓶に注ぎ込んだ。反応混合物の残り及び50グラムの試料を覆い、19.5時間75℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は3.69Nであった。
【0175】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、トリヘプタノインを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0176】
[実施例7]
(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーの調製
ウンデシレン酸ヘプチル(1959.2gグラム)、56mg/gのヒドロキシル価を有する(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー(410.0グラム)、22.77%のイソシアネート含量を有するヘキサメチレンジイソシアネート三量体(70.0グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(10.0グラム)を、プラスチック反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌し、50グラムの混合物を4オンスガラス瓶に注ぎ込んだ。反応混合物の残り及び50グラムの試料を覆い、25時間25℃で静置したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は3.14Nであった。
【0177】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、ウンデシレン酸ヘプチルを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0178】
[実施例8]
(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーの調製
(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(445.0グラム)、(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー(87.5グラム)、ペンタメチレンジイソシアネート三量体(20.6グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(3.2グラム)を、ステンレススチール反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約10分間激しく撹拌した。反応混合物を1時間80℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。
【0179】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0180】
ある特定の例では、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(39.5グラム)、56mg/gのヒドロキシル価を有する(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマー(7.8グラム)、23.5%のイソシアネート含量を有するペンタメチレンジイソシアネート三量体(1.8グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(0.3グラム)を、4オンスガラス瓶に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約10分間激しく撹拌した。反応混合物を覆い、19.5時間80℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は7.12Nであった。
【0181】
[実施例9]
ヒマシ油ベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーの調製
トリヘプタノイン(2354.7グラム)、ヒマシ油(373.0グラム)、22.77%のイソシアネート含量を有するヘキサメチレンジイソシアネート三量体(188.6グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(27.0グラム)を、プラスチック反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌し、50グラムの混合物を4オンスガラス瓶に注ぎ込んだ。反応混合物の残り及び50グラムの試料を覆い、20時間室温で静置したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は2.72Nであった。
【0182】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、トリヘプタノインを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0183】
[実施例10]
(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマーベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーの調製
(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(826.3gグラム)、56mg/gのヒドロキシル価を有する(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマー(172.8グラム)、22.77%のイソシアネート含量を有するヘキサメチレンジイソシアネート三量体(29.5グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(4.23グラム)を、ガラス反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌し、50グラムの混合物を4オンスガラス瓶に注ぎ込んだ。反応混合物の残り及び50グラムの試料を覆い、17時間75℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は4.51Nであった。
【0184】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0185】
[実施例11]
(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマーベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーの調製
(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(231.6gグラム)、56mg/gのヒドロキシル価を有する(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマー(49.0グラム)、23.5%のイソシアネート含量を有するペンタメチレンジイソシアネート三量体(7.7グラム)、及びネオデカン酸ビスマス(1.2グラム)を、ガラス反応容器に加えた。清澄な均質混合物が得られるまで、この混合物を室温で約20分間激しく撹拌し、50グラムの混合物を4オンスガラス瓶に注ぎ込んだ。反応混合物の残り及び50グラムの試料を覆い、19.5時間80℃に加熱したが、この時点で半透明のゴムが形成された。TA-18B Stable Micro Systemsプローブを備え、ゲル表面に5mm挿入した、5キログラムのロードセルを有するStable Micro Systems Texture Analyzerを使用して決定すると、ゲルの50グラム試料の硬度は0.49Nであった。
【0186】
次いで、ポリウレタンエラストマーゴムを小片に砕き、金属容器内に入れ、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを添加してから、直径30mmのローター、Square Hole High Shear Screenを有し、毎分4500~8000回転で動作するSilverson L5M-Aホモジナイザーを使用して、所望の粘度を有する滑らかなゲルペーストに均質化した。
【0187】
[実施例12]
ポリウレタンエラストマーの製剤化
局所製剤として本明細書に記載のポリウレタンエラストマーを製剤化する能力を探求するために、以下の実験を実施した。
【0188】
以下の表1は、比較エラストマーとともに本明細書の例示的ポリウレタンエラストマー(「バイオラストマー」("biolastomer"))を示している。表1中の組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体である、バイオラストマーA及びCのイソシアネート架橋剤を省略している。バイオラストマーDにおいて、IPDIはイソホロンジイソシアネートである。
【0189】
【0190】
上述のバイオラストマーを以下の一般的な局所キャリアに添加して、局所製剤として製剤化されるその能力を決定した。
【0191】
図1において5~1のスコア化システムを利用したが、「5」のスコアは硬質ゲルを示し、「1」のスコアは流動性ゲルを示す。試験した量では、本明細書に記載のバイオラストマーは、脂肪アルコール>トリグリセリド>エステルとの良好な相溶性を示し、炭化水素に対してはより低い相溶性を示し、シリコーンに対しては相溶性を示さなかった。
【0192】
次いで3つのバイオラストマーを異なる日焼け防止剤と混合して、その活性薬剤との相溶性、及び製剤物質として使用するための能力について検査した。表2~4は、上述の3つのバイオラストマーに対する結果を記載している。
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
これらの実験の結果は、本明細書に記載のバイオラストマーが、有機及び物理的日焼け防止剤と極めて相溶性であり、最終製剤の清澄度に悪影響を及ぼさないことを示している。
【0197】
次いで、水中油型エマルジョン及び油中水型エマルジョンの両方において、バイオラストマーの加工性を以下のように評価した。
【0198】
【0199】
以下のエラストマーゲル*のそれぞれを調査した:バイオラストマーA、バイオラストマーC、バイオラストマーD、Velvesil DMゲル、及びDowsil 9040。エラストマーゲルは全て、カプリリルメチコンとのプレミックスとして製剤の油相(B)に添加した。プレミックスは添加前に均質化した。エラストマーの微小粒子がプレミックス中に視認されたが、生成物では視認されなかった。高速混合で相Aを非常にゆっくりと相Bに添加した(冷間プロセス、標準w/Siエマルジョン調製)。w/oエマルジョンにおけるエラストマーゲルのいずれの加工性にも大きな差は観察されなかったが、これは本明細書に記載のバイオラストマーが油中水型エマルジョンにおいて容易に加工され得ることを裏付けている。
【0200】
水中油型エマルジョンにおけるエラストマーゲルの加工性を、以下のように調査した。
【0201】
【0202】
以下のエラストマーゲル*のそれぞれを調査した:対照 - エラストマーなし、バイオラストマーC、バイオラストマーD、バイオラストマーA、Velvesil DM6、及びDM9040。水(A)及び油(B)相を別個に70℃まで加熱し、次いで混合及び均質化した。50℃でカルボマーのプレミックスを添加し、混合及び中和した。プレミックスはバイオラストマーC及びDには必要であったが、バイオラストマー、Velvesil DM6及びDM9040にはプレミックスは必要なかった。実験の結果は、加工性の容易さが、高いものから低いものの順でVelvesil DM>DC9040>バイオラストマーA>バイオラストマーC≒バイオラストマーDであることを示していた。
【0203】
エラストマーの感覚(皮膚感触)特性もまた評価した。結果は以下を示した:対照 - 「フラット」な感覚、クッション性なし。バイオラストマーC - 滑らかなクッション感覚を提供、保湿性、乾燥感なし。皮膚は柔軟。バイオラストマーD - 若干光沢があり潤滑性、使用後の感触は滑らかで弾力及びクッション性がある。バイオラストマーA - CとDとの間。Velvesil DM - 粉末様で乾燥したクッション感覚、艶消しの利点。Dowsil9040 - 粉末様であるが弾力のあるクッション性、Velvesil DMより乾燥感は低い、艶消しの利点を提供。
【0204】
エラストマー製剤に対して以下もまた評価した。レオロジー:バイオラストマーのずり流動化挙動。生成の容易さ:Rossミキサー及びインラインホモジナイザーを使用してエモリエント中のバイオラストマー1キログラムを調製し、剪断感受性を評価する。
【0205】
[実施例13]
ポリウレタンエラストマーのフーリエ変換赤外分光法
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を実施して、ポリウレタンエラストマーの分子構造を分析した。
【0206】
(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図1に示す。
【0207】
(ジリノール酸/プロパンジオール)コポリマーベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図2に示す。
【0208】
ヒマシ油ベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図3に示す。
【0209】
ヒマシ油ベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図4に示す。
【0210】
(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマーベースペンタメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図5に示す。
【0211】
(ジリノール酸/ジリノールジオール)コポリマーベースヘキサメチレンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図6に示す。
【0212】
ヒマシ油ベースイソホロンジイソシアネート三量体エラストマーのFTIRスペクトログラフを、
図7に示す。
【国際調査報告】