(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ロープクレーンのためのロープドラム設備
(51)【国際特許分類】
B66D 1/26 20060101AFI20221007BHJP
B66D 1/60 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
B66D1/26 C
B66D1/60 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504590
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2019070122
(87)【国際公開番号】W WO2021013362
(87)【国際公開日】2021-01-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520500440
【氏名又は名称】エムエム フォルストテヒニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】フェアヴァンガー,ペーター
(57)【要約】
本発明は、マウント(2)、引張ケーブルドラム(3)および補助ケーブルドラム(4)を備える、ケーブルクレーンのためのケーブルドラム設備(1)であって、引張ケーブルドラム(3)が、マウント(2)へ接続される引張ケーブルモータ(6)を備え、補助ケーブルドラム(4)が、引張ケーブルドラム(3)に搭載される補助ケーブルモータ(9)を備え、前記補助ケーブルモータ(9)が、引張ケーブルドラム(3)と補助ケーブルドラム(4)との間でトルクを伝達するように構成され、補助ケーブルドラム(4)が、第1の動作状態においてマウント(2)に対して回転可能であるように搭載され、第2の動作状態において引張ケーブルドラム(3)が補助ケーブルモータ(9)によって駆動可能であるように、第2の動作状態において連帯して回転するためにマウント(2)へ接続される、ケーブルドラム設備(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリング(2)、牽引ロープドラム(3)および補助ロープドラム(4)を備える、ロープクレーンのためのロープドラム設備(1)において、
前記牽引ロープドラム(3)が、ベアリング(2)へ接続される牽引ロープモータ(6)を備え、前記補助ロープドラム(4)が、前記牽引ロープドラム(3)に搭載され、前記牽引ロープドラム(3)と前記補助ロープドラム(4)との間でトルクを伝達するように構成される補助ロープモータ(9)を備え、
前記補助ロープドラム(4)が、第1の動作状態において前記ベアリング(2)に対して回転可能に搭載され、前記牽引ロープドラム(3)が第2の動作状態において前記補助ロープモータ(9)によって駆動され得るように、前記第2の動作状態において前記ベアリング(2)へ回転不能に接続されることを特徴とする、ロープドラム設備(1)。
【請求項2】
前記第2の動作状態において前記ベアリング(2)に対して前記補助ロープドラム(4)を係止させる、またはブレーキを掛けるように構成されるブレーキ(10)を備える、請求項1に記載のロープドラム設備(1)。
【請求項3】
前記ブレーキ(10)が、ブレーキキャリパ(11)およびブレーキキャリパサポート(12)を備えるディスクブレーキとして構成され、前記ブレーキキャリパ(11)が、前記補助ロープドラム(4)を係止させるように構成され、前記ブレーキキャリパサポート(12)が、前記ベアリング(2)に対して前記ブレーキキャリパ(11)を支持する、請求項2に記載のロープドラム設備(1)。
【請求項4】
前記ブレーキ(10)が、前記補助ロープドラム(4)の前記牽引ロープドラム(3)と面するフランジ(W)と係合する、請求項2または3に記載のロープドラム設備(1)。
【請求項5】
前記ブレーキ(10)が、液圧、空気圧または電動ブレーキである、請求項2から4のいずれかに記載のロープドラム設備(1)。
【請求項6】
前記補助ロープドラム(4)に取付け可能な支持構造を備え、前記支持構造によって前記補助ロープドラム(4)が前記ベアリング(2)に対して回転不能に接続され得る、請求項1から5のいずれかに記載のロープドラム設備(1)。
【請求項7】
前記支持構造が、1つまたは複数のロープ、チェーンおよび/またはロッドを備える、請求項6に記載のロープドラム設備(1)。
【請求項8】
前記牽引ロープモータ(6)および前記補助ロープモータ(9)へ接続される制御ユニットを備え、前記制御ユニットが、前記2つのモータ(6、9)が前記牽引ロープドラム(3)に所定のトルクを伝達するためにその最大出力に対して等しい出力を加えるように、前記牽引ロープモータ(6)および前記補助ロープモータ(9)を制御するように構成される、請求項1から7のいずれかに記載のロープドラム設備(1)。
【請求項9】
前記牽引ロープドラム(3)および前記補助ロープ(ドラム)が同軸に配設される、請求項1から8のいずれかに記載のロープドラム設備(1)。
【請求項10】
前記ベアリング(2)が搭載されるポール(M)を備える、請求項1から9のいずれかに記載のロープドラム設備(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベアリング、牽引ロープドラムおよび補助ロープドラムを備える、ロープクレーンのためのロープドラム設備であって、牽引ロープドラムが、ベアリングへ接続される牽引ロープモータを備え、補助ロープドラムが、牽引ロープドラムに搭載され、牽引ロープドラムと補助ロープドラムとの間でトルクを伝達するように構成される補助ロープモータを備える、ロープドラム設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ロープクレーンは、通行が困難な地域から伐採木、木の部分または他の積み荷を輸送するために、林業において使用され、異なる動作モードで操作される。最も簡素な形態では、ロープクレーンは、2本のロープのみを使用する2ロープ動作において操作される。吊りロープが張られ、それにローラを有するトロリが摺動可能に搭載され、トロリは重力により下降し、その後、例えば伐採木などの積み荷を含んで、牽引ロープを使用して再び引き上げられる。引上げ動作において、その後、積み荷は吊りロープのより高い位置にある端部へ運ばれ、下降動作において、それは吊りロープのより低い位置にある端部へ運ばれる。3ロープ動作において、第3のロープとして、吊りロープのより低い位置にある端部へ向かってトロリを引く補助ロープが使用される。補助ロープは、通常は吊りロープのより低い位置にある端部へ向かってトロリによって誘導され、引上げ中にそこからローラを介して吊りロープのより高い位置の端部へ、そこに配設されたロープ装置へ誘導される。
【0003】
3ロープ動作における牽引ロープおよび補助ロープのための駆動機構として、例えばAT403038Bに記載されるように、牽引ロープドラムおよび戻しロープドラム、すなわち補助ロープドラムを有するロープドラム設備を設けることが公知である。このロープドラム設備と共に、牽引ロープドドラムは、ポールに取り付けられ、牽引ロープモータによって回転させられる。補助ロープドラムは、さらに、さらなるモータが3ロープ動作における牽引ロープドラムおよび補助ロープドラムの相互の捻回を可能にするように、さらなるモータによって牽引ロープドラムに取り付けられる。
【0004】
従来技術による前述のロープドラム設備はまた、2ロープ動作においても使用され得る。しかしながら、補助ロープは、ここでは使用されず、補助ロープドラムに巻き上げられ固定されたままである。補助ロープドラムは、牽引ロープドラムと共に回転する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、ロープドラム設備の駆動力および牽引力を増大させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、ベアリング、牽引ロープドラムおよび補助ロープドラムを備える、ロープクレーンのためのロープドラム設備であって、牽引ロープドラムが、ベアリングへ接続される牽引ロープモータを備え、補助ロープドラムが、牽引ロープドラムに搭載され、牽引ロープドラムと補助ロープドラムとの間でトルクを伝達するように構成される補助ロープモータを備え、補助ロープドラムが、第1の動作状態においてベアリングに対して回転可能に搭載され、牽引ロープドラムが第2の動作状態において補助ロープモータによって駆動され得るように、第2の動作状態においてベアリングへ回転不能に接続される、ロープドラム設備による本発明により解決される。
【0007】
本発明の解決手段により、ロープドラム設備の牽引力および出力が、実質的な追加費用が掛からず、最小限の構造的変更のみで、2ロープ動作において増大され得る。3ロープ動作においてさえも、牽引ロープドラムの牽引力は、積み荷の弛みを引っ張るため短期的に増大し得る。さらに、本発明は、またこれらのロープドラム設備のための本発明の利点を得るために、既存の従来技術のロープドラムシステムを改造する機会を提供する。
【0008】
より高い牽引力および出力の要件は、従来的により強力なモータまたはより小さいロープドラム径を通して解決されてきた。牽引ロープドラムの駆動力を増大させるためのより強力なモータの使用と比較して、本発明による解決手段は、費用および重量が減少され得るという利点を有する。より小さいロープドラム径の使用と比較して、本発明による解決手段は、より高いロープ速度に達することが可能であり、ロープに加えられる負荷がより小さくなり得るという利点を有する。
【0009】
ベアリングに対して補助ロープドラムを回転不能に係止させることは、2つの実施形態を通して本発明により成され得る。一方では、例えば、ロープドラム設備の常設の構成要素であり、補助ロープドラムを選択的に係止させ、その後、解除することができるブレーキが使用され得る。他方では、補助ロープドラムを手動で係止させるための支持構造が使用され得る。
【0010】
冒頭で述べられた好ましい実施形態によると、この点に関して、ロープドラム設備は、第2の動作状態においてベアリングに対して補助ロープドラムを係止させるように構成されるブレーキを備える。第1の動作状態において、ブレーキが解除され、第2の動作状態において、ブレーキが掛けられる。したがって、ブレーキは、牽引ロープドラムの牽引力を増大させるために、2ロープ動作において補助ロープドラムを係止させるために使用され得る。
【0011】
しかしながら、補助ロープドラムでのブレーキはまた、牽引ロープドラムの牽引力の短期的向上のために3ロープ動作において使用され得る。3ロープ動作において、補助ロープはトロリにて牽引ロープを引く。したがって、牽引ロープにおける力と補助ロープにおける力との差は、ロープクレーン設備に向かってトロリを引くように作用する。牽引ロープドラムの牽引力が増大させられる場合に、補助ロープは、同時に牽引ロープを巻き上げずに、弛められる。このように、牽引および補助ロープドラム間のプリテンションは低減される。ブレーキを使用して補助ロープドラムを固定することにより、牽引ロープモータに加えて、補助ロープモータが牽引ロープドラムを駆動することができ、それにより牽引ロープにおいてより高いロープの力をもたらす。このように、補助ロープもまた連続的に張られる。補助ロープが再び張られると、その直後に、ブレーキは補助ロープがさらに弛められ得るように解除される。このため、引くための牽引ロープの巻上げにおける著しく高い力が、3ロープ動作においてもわずか数メートルの短い距離に利用可能であり、それにより特に積み荷の弛みの引張りを促す。必要であれば、この工程は、より長い距離のために牽引力の増大が要求される場合に、数回繰り返され得る。
【0012】
牽引力を増大させるために、3ロープ動作において、ブレーキはまた、予め補助ロープを弛めて補助ロープにおける張力を解放せずに、引きモードにおいて使用され得る。このように、補助ロープにおけるロープの張力は、ブレーキの作用によって低減される。ブレーキはまた、引きモードのために構成される。
【0013】
ブレーキは、さらに好ましくは、ブレーキキャリパおよびブレーキキャリパサポートを備えるディスクブレーキとして構成され、ブレーキキャリパは、補助ロープドラムを係止させるように構成され、ブレーキキャリパサポートは、ベアリングに対してブレーキキャリパを支持する。ディスクブレーキは、それが補助ロープドラムのフランジすなわちディスクと簡素に係合することができるという利点を有する。基本的に、ディスクブレーキはまた、補助ドラムの他の部分と係合することができるか、または他の種類のブレーキが使用され得る。
【0014】
特にブレーキがディスクブレーキとして構成される場合に、ブレーキが、補助ロープドラムのベアリングと面するフランジと係合することが好ましい。これは、ブレーキが、補助ロープドラムのベアリングと反対側に面するフランジと係合する解決手段を用いる場合より、低い運動量がブレーキキャリパサポートに加えられるという利点を有する。
【0015】
ブレーキが液圧、空気圧または電動ブレーキである場合に有利である。そのようなブレーキは、短い応答時間を有し、本発明による解決手段のために要求される制動力を提供することができる。
【0016】
第2の実施形態によると、ロープドラム設備は、補助ロープドラムに取り付けられ得る支持構造を備え、支持構造によって補助ロープドラムがベアリングに対して回転不能に接続され得る。支持構造は、例えば、3ロープ動作から2ロープ動作への移行がある場合に、補助ロープドラムに手動で取り付けられ得る。この実施形態の変形では、しかしながら、この使用目的のための支持構造の取付けは、通常は非常に長時間を要するので、3ロープ動作において補助ロープドラムを短期的に係止させることは、通常は可能ではない。
【0017】
この実施形態の記載において、支持構造が、1つまたは複数のロープ、チェーンおよび/またはロッドを備えることが好ましい。例えば、ロープドラム設備は、ポールでそのベアリングを搭載される。この場合に、チェーンは補助ロープドラムに取り付けられ得、ポールに対して、したがって、ベアリングに対しても補助ロープドラムを回転不能に係止させるために、ポールに取り付けられる。同様のことが、ロープまたはロッドを使用して達成され得る。
【0018】
ロープドラム設備はさらに、好ましくは牽引ロープモータおよび補助ロープモータへ接続される制御ユニットを備え、制御ユニットは、2つのモータが牽引ロープドラムに所定のトルクを伝達するために要求される出力量を等しく加えるように、牽引ロープモータおよび補助ロープモータを制御するように構成される。したがって、制御ユニットは、補助ロープモータが牽引ロープモータをそれぞれ支持または解放するために選択的に制御されることを可能にする。制御ユニットはまた、行われる選択により、他の動作モードを有し得る。例えば、補助ロープモータは、牽引ロープモータが最大出力に達した後にのみ、追加され得る。
【0019】
前述の全て実施形態において、このように技術的に最も実行可能な建設的解決手段が成され得るので、牽引ロープドラムおよび補助ロープドラムが同軸に配設されることが好ましい。
【0020】
ロープドラム設備がまた、ベアリングが搭載されるポールを備える場合に、さらに有利である。代替的に、ベアリングはまた、本発明の利点を得るために壁または任意の他の局所システムに搭載され得る。
【0021】
本発明の有利なおよび非限定的な実施形態が、ここで図面を通して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるロープドラム設備を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、ロープクレーンのためのロープルドラム設備1を示す。ロープドラム設備1は、通常はロープクレーンのポールMの下側部分に搭載される。ロープクレーンおよび関連するロープドラム設備1は、通常は林業において使用されるが、それらはまた、しかしながら、他の使用分野においても適用され得る。
【0024】
図示されたロープドラム設備1は、ベアリング2、牽引ロープドラム3および補助ロープドラム4を備える。ベアリング2は、通常は、例えば、ロープクレーン設備の前述の下側ポール部分Mに、または任意の他の構造に固定して搭載される。したがって、ベアリング2は、以下で説明される限定事項を有する、牽引ロープドラム3および補助ロープドラム4がベアリング2に対して捻回され得るように、ロープドラム設備1と固定された搭載位置との関連をもたらす。補助ロープドラム4は、次に、より詳細に以下で説明されるように、牽引ロープドラム3に対して捻回可能に配設され得る。
【0025】
牽引ロープドラム3は、ベアリング2へ回転可能に接続され、作動室5においてさらには図示されない牽引ロープを巻き上げる、および弛める機能を果たす。ベアリング2に対して牽引ロープドラム3を駆動するために、牽引ロープドラム3は牽引ロープモータ6を備える。牽引ロープモータ6は、例えば、油圧モータまたは電動モータであり得る。牽引ロープドラム3は、さらに、作動室5に隣接する牽引ロープドラム3に配置される、収容室5’を有し得る。
【0026】
牽引ロープドラム3へのトルクの伝達を可能にするために、牽引ロープモータ6は一端でポールMへ固定不能に接続される。
図1に示された例におけるように、例えば、ベアリング2として支持プレートが設けられ得、支持プレートは、牽引ロープモータ6およびポールMへ、例えば、それへねじ止めされて、強固に接続される。
【0027】
補助ロープドラム4は、吊りロープドラム3へ同軸に配設され、それに対して回転可能に搭載される。補助ロープドラム4は、作動室7においてさらには図示されない補助ロープを巻き上げる、および弛める機能を果たす。補助ロープドラム4は、さらに、作動室7に隣接する補助ロープドラム4に配置される、収容室7’を有し得る。
【0028】
牽引ロープドラム3に対して補助ロープドラム4を捻回させるために、補助ロープドラム4は、牽引ロープドラム3へ搭載される、補助ロープモータ9を備える。したがって、補助ロープモータ9は、牽引ロープドラム3と補助ロープドラム4との間のトルクの伝達を可能にする。さらに、補助ロープモータ9は、例えば、油圧モータまた電動モータであり得る。
【0029】
ロープドラム設備1は、それゆえに、牽引ロープドラム3がベアリング2によって片側で、および補助ロープドラム4によってその反対側で制限されるように、設定される。一般的にベアリング2のみが回転不能に搭載されるように、牽引ロープドラム3のみが牽引ロープモータ5の駆動力によって駆動されるだけでなく、補助ロープモータ9が停止している場合に、補助ロープドラム4もまた駆動される。これは、ロープドラム設備1がいわゆる2ロープ動作(ロープドラム設備1と独立する牽引ロープおよび吊りロープ)において操作される場合にのみ起こる。
【0030】
他の場合において、牽引ロープドラム3に搭載される牽引ロープおよび補助ロープドラム4に搭載される補助ロープは、異なる速度で引かれなければならない。この目的のために、牽引ロープモータ6ならびに補助ロープモータ9が駆動される。これは、いわゆる3ロープ動作と称される(ロープドラム設備1と独立する牽引ロープ、補助ロープおよび吊りロープ)。牽引ロープおよび補助ロープは、それによって反対向きに巻き上げられる。
【0031】
本発明によると、示されるロープドラム設備1は、2つの動作状態において操作され得る。第1の動作状態において、補助ロープドラム4は、ベアリング2に対して回転可能に搭載され、それによって、それぞれ2ロープ動作または3ロープ動作が実質的に達成される。しかしながら、第2の動作状態において、補助ロープドラム4は、第2の動作状態において牽引ロープドラム3が補助ロープモータ9によって駆動され得るように、ベアリング2へ回転不能に接続される。
【0032】
したがって、第2の動作状態は、牽引ロープモータ6によってならびに補助ロープモータ9によって駆動される牽引ロープドラム3によって強化された、2ロープ動作を提供する。これは、固定して搭載されるベアリング2だけでなく、補助ロープドラム4によっても可能になる。さらに、以下でより詳細に説明されるように、強化された3ロープ動作が短期的に可能になる。
【0033】
ベアリング2に対して回転不能に補助ロープドラム4を係止させるために、図示された例においてディスクブレーキとして構成されるブレーキ10が、
図1に従って使用される。ここで、ブレーキ10は、ブレーキキャリパ11およびブレーキキャリパサポート12を備える。ブレーキキャリパ11は、例えば、自動車工学の分野のブレーキキャリパのように、従来技術における他の分野から公知なように構成され得る。
【0034】
ブレーキキャリパ11は、補助ロープドラム4を係止させるように構成され、それは、例えば、
図1に描写されるように、補助ロープドラム4の牽引ロープドラム3と面するフランジWと係合し得る。代替的に、ブレーキキャリパ11はまた、例えば、補助ロープドラム4の牽引ロープドラム3と反対側に面するフランジ、または作動室7を収納室7’から分離するフランジなどの、補助ロープドラム4の任意の他の部分と係合し得る。
【0035】
ブレーキキャリパサポート12は、ブレーキキャリパ11をベアリング2へ強固に接続するが、それに直接搭載される必要はない。例えば、片側でベアリング2がポールMに強固に直接搭載され、その反対側でブレーキキャリパサポート12もまた、ベアリング2とは異なる部分でポールMに強固に搭載されることも可能である。ベアリング2がロープドラム設備1の筐体の部分として構成される場合に、例えば、ブレーキキャリパサポート12がまた、筐体に、および、したがってベアリング2に搭載されることは有利である。
【0036】
ブレーキ10は、例えば、スイッチまたは手動で作動されるバルブを通してなど、ロープドラム設備1で直接作動され得る。代替的にまたは付加的に、ブレーキ10がロープクレーン設備の制御において統合されることも行われ得る。
【0037】
ブレーキ10の簡素な操作性により、補助ロープドラム4が、強化された2ロープ動作を可能にするために、長期間ベアリング2に対して係止させられることだけでなく、3ロープ動作の短期的支持が達成されていることももたらされ得る。追加の要件が人によって認められる場合に、3ロープ動作の短期的支持が、片側でブレーキを作動させることによって手動で追加され得る。しかしながら、負荷ピークが、例えば牽引ロープモータ6で連結する反力によって、牽引ロープで検出されている場合に、その反対側で、ブレーキ10を例えば自動的に作動させる制御ユニットが、以下で記載されるように使用され得る。
【0038】
ディスクブレーキの代わりに、ベアリング2に対して補助ロープドラム4を係止させることができる、他の種類のブレーキもまた使用され得る。2つ以上のブレーキ10もまた使用され得る。ブレーキ10がディスクブレーキとしてまたは任意の他のブレーキとしてのいずれの場合で使用されるかにかかわらず、ブレーキ10は液圧、空気圧または電動ブレーキであり得る。
【0039】
ブレーキ10を有する実施形態に対して代替的にまたは付加的に、ベアリング2で補助ロープドラム4を係止させるために、さらには図示されない支持装置もまた設けられ得る。例として、補助ロープドラム4は、補助ロープドラム4がそれぞれポールMに対して、または結果的にベアリング2に対してそれ以上捻回され得ないように、チェーンを使用してポールMに固定され得る。補助ロープモータ9を作動させることによって、次に、牽引ロープモータ6の牽引力または出力がそれぞれ増大され得る。チェーンの代わりに、またはそれに加えて、補助ロープドラム4を係止させるために、ロッドまたはロープもまた使用され得る。
【0040】
すでに上記で述べられたように、ロープドラム設備1はまた、牽引ロープモータ6および補助ロープモータ9を制御する、制御ユニットを備え得る。それによって、強化された2ロープ動作または短期的に強化された3ロープ動作が、それぞれ補助ロープドラム4が係止させられた状態で使用される場合に、制御装置は、それに応じて補助ロープモータ9を制御する機能を果たし得る。
【0041】
制御ユニットを通して補助ロープモータ9を制御することは、様々な方法で実行され得る。例えば、補助ロープモータ9は、牽引ロープモータ6がその最大出力に達した後にのみ、追加され得る。代替的に、牽引ロープモータ6および補助ロープモータ9は、2つのモータ6、9が牽引ロープドラム3に所定のトルクを伝達するためにその最大出力に関して等しい出力を加えるように、牽引ロープモータ6および補助ロープモータ9が制御されることによって、等しく制御され得る。
【0042】
すでに述べられたように、ブレーキ10はまた制御ユニットによって操作、すなわち解除され、掛けられ得る。このように、ロープドラム設備1は、ブレーキ10をそれぞれ掛ける、または解放する制御ユニットによって、ならびに牽引ロープドラム3で所望の出力の関数として、牽引ロープモータ6および補助ロープモータ9も制御することによって、強化された2ロープ動作または短期的に強化された3ロープ動作に完全に自動的に切り替わることができる。
【国際調査報告】