IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2022-544029バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置
<>
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図1
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図2
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図3
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図4
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図5
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図6
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図7
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図8
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図9
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図10
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図11
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図12
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図13
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図14
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図15
  • 特表-バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20221007BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20221007BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20221007BHJP
   H01L 35/32 20060101ALI20221007BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221007BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/211
H01M50/284
H01L35/32 Z
H02J7/00 S
H01M10/44 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505304
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 KR2020009217
(87)【国際公開番号】W WO2021045376
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0109047
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジ-ソン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ダル-モ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ドン・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン-フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン-キ・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ソク・チェ
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503FA03
5G503FA06
5G503FA18
5H030AA06
5H030AS01
5H030BB21
5H030FF24
5H040AA37
5H040AS01
5H040AT04
5H040AT06
(57)【要約】
本発明は、バッテリーモジュールの熱暴走に対する安全性を高めたバッテリーパックを開示する。このような目的を達成するための本発明によるバッテリーパックは、複数個のバッテリーセル、及び複数個のバッテリーセルを収容するためのモジュールハウジングを備えた少なくとも一つのバッテリーモジュールと、バッテリーモジュールのモジュールハウジングの外側または内側に位置するように構成され、バッテリーモジュールが所定の温度以上に上昇するときに電圧を発生させる少なくとも一つの熱電モジュールと、熱電モジュールから所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュールを放電させるように構成されたエネルギー消耗ユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のバッテリーセルと、前記複数個のバッテリーセルを収容するためのモジュールハウジングと、を備えた少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールのモジュールハウジングの外側または内側に位置するように構成され、前記バッテリーモジュールが所定の温度以上に上昇するときに電圧を発生させる少なくとも一つの熱電モジュールと、
前記熱電モジュールから所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、前記バッテリーモジュールを放電させるように構成されたエネルギー消耗ユニットと、を含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記モジュールハウジングには、内部と外部とが連通するように穿孔された少なくとも一つの露出口が備えられ、
前記熱電モジュールは、前記露出口と対面するように位置することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記熱電モジュールは、
p型レッグ及びn型レッグから構成された熱電レッグと、
前記p型レッグと前記n型レッグとを接続する電極と、
板状からなり、下部と上部に配置されて前記電極を外部と電気的に絶縁させる高温側基板及び低温側基板と、を備えることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記熱電モジュールは、前記モジュールハウジングの外側に位置し、
前記高温側基板は、少なくとも一部が前記露出口に挿入されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記モジュールハウジングには、前記熱電モジュールを収納するように内側方向へ凹んだ収納溝が備えられ、
前記収納溝に搭載された熱電モジュールは、前記低温側基板が収納溝の上部に位置することを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記エネルギー消耗ユニットは、
前記熱電モジュールから所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、前記バッテリーモジュールの外部電力端子と電気的に接続して前記バッテリーモジュールの電力を消尽させるように構成された外部短絡回路を備えることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記外部短絡回路は、
前記バッテリーモジュールから供給された電力を消尽するように構成されたドレイン部と、
所定の電圧以上の電圧が供給される場合、前記バッテリーモジュールと抵抗体とを電気的に接続するように構成された少なくとも一つの作動スイッチと、を備えることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記外部短絡回路は、
前記熱電モジュールから所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされ、前記作動スイッチに前記バッテリーモジュールの電源が供給されるようにすることで前記作動スイッチをターンオンさせる切換スイッチをさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記作動スイッチは、
前記バッテリーモジュールの正極端子と電気的に接続した正極接続部と、
前記バッテリーモジュールの負極端子と電気的に接続した負極接続部と、
前記正極接続部と前記負極接続部とを電気的に接続可能になるように構成された接続バーと、
前記切換スイッチに所定の電圧以上の電源が供給される場合、前記接続バーが前記正極接続部と前記負極接続部との間に接触するように前記接続バーを移動させるように構成された移動部材と、を備えることを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記移動部材は、
前記作動スイッチに供給される電源によって所定の温度以上に温度が上昇する発熱体と、
一端が前記発熱体と接続し、他端が前記接続バーと接続して、前記所定の温度以上で個体状態から液体状態へ相変化する相変化部材と、
一端が前記接続バーと接続し、他端が前記発熱体と接続して、前記相変化部材が液体状態へ相変化すると、前記接続バーを加圧移動させるように構成された加圧スプリングと、を備えることを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記移動部材は、
前記作動スイッチに供給される電源によって所定の温度以上に温度が上昇する発熱体と、
一端が前記発熱体と接続し、他端が前記接続バーと接続して、所定の温度以上で体積膨張して前記接続バーを移動させるように構成された膨張部と、を備えることを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記外部短絡回路は、
所定の電圧以上の電圧を供給する補助バッテリーと、
前記熱電モジュールから所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされ、前記作動スイッチに前記補助バッテリーの所定の電圧以上の電圧が供給されるようにすることで前記作動スイッチをターンオンさせる切換スイッチと、をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記作動スイッチは、前記熱電モジュールから所定の電圧以上の電力が供給される場合、前記バッテリーモジュールと抵抗体とを電気的に接続するように構成されたトランジスタースイッチであることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーパックと、前記バッテリーパックを収容するラックケースと、を含むことを特徴とする、バッテリーラック。
【請求項15】
請求項14に記載の少なくとも一つのバッテリーラックを含むことを特徴とする、電力貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、それを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置に関し、より詳しくは、バッテリーモジュールの熱暴走に対する安全性を高めたバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2019年09月03日出願の韓国特許出願第10-2019-0109047号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず充放電が自由で、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材を各々正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板が、セパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、例えば、電池パウチ外装材を備える。
【0005】
最近は、携帯型電子機器のような小型装置のみならず、自動車や電力貯蔵装置のような中・大型装置にも二次電池が広く用いられている。このような中・大型装置に用いられる場合、容量及び出力を高めるために複数の二次電池が電気的に接続される。特に、このような中・大型装置には、積層が容易であり、重量が軽いなどの長所から、パウチ型二次電池がよく用いられる。
【0006】
一方、最近、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造に対する必要性が高くなるにつれ、電気的に直列及び/または並列接続した複数の二次電池、このような二次電池を内部に収容したバッテリーモジュール及びバッテリー管理システム(BMS)を備えたバッテリーパックに対する需要が増加しつつある。
【0007】
なお、このようなバッテリーパックは、複数の二次電池を外部から保護するか、または収納保管するために、金属材質の外部ハウジングを備えることが通常であった。一方、最近、高容量のバッテリーパックの需要が高まりつつある。
【0008】
しかし、従来技術のバッテリーパックまたはバッテリーラックは、複数のバッテリーモジュールを備え、各々のバッテリーモジュールの複数の二次電池の一部に熱暴走が発生して発火又は爆発する場合、隣接する二次電池へ熱または火炎が伝播されて二次爆発などが起こる場合があり、二次発火または爆発を防止するための努力が加重している。
【0009】
これによって、バッテリーパックまたはバッテリーラックにおいて、一部の二次電池に熱暴走が発生する場合、即刻の措置が取れるように迅速かつ完全な消火技術が必要である。これについて、従来技術では、バッテリーモジュールの熱暴走に対する対策としてバッテリー管理システム(BMS)の制御によってバッテリーモジュールを冷却または消火する方式を使用していた。
【0010】
しかし、このようなBMSの制御による冷却または消火方式は、BMSに外部電源が供給されないか、またはBMS不良や誤作動によって熱暴走が発生したバッテリーモジュールの冷却または消火が作動しないことがある。したがって、BMS作動不能状態である場合における火事に対する対策が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーモジュールの熱暴走に対する安全性を高めたバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーパックは、
複数個のバッテリーセルと、複数個のバッテリーセルを収容するためのモジュールハウジングと、を備えた少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
バッテリーモジュールのモジュールハウジングの外側または内側に位置するように構成され、バッテリーモジュールが所定の温度以上に上昇するときに電圧を発生させる少なくとも一つの熱電モジュールと、
熱電モジュールから所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュールを放電させるように構成されたエネルギー消耗ユニットと、を含む。
【0014】
また、モジュールハウジングには、内部と外部が連通するように穿孔された少なくとも一つの露出口が備えられ、熱電モジュールは、露出口と対面するように位置し得る。
【0015】
さらに、熱電モジュールは、
p型レッグ及びn型レッグから構成された熱電レッグと、
p型レッグとn型レッグとを接続する電極と、
板状からなり、下部と上部に配置されて電極を外部と電気的に絶縁させる高温側基板及び低温側基板と、を備え得る。
【0016】
そして、熱電モジュールは、モジュールハウジングの外側に位置し、
高温側基板は、少なくとも一部が露出口に挿入され得る。
【0017】
さらに、モジュールハウジングには、熱電モジュールを収納するように内側方向へ凹んだ収納溝が備えられ、
収納溝に搭載された熱電モジュールは、低温側基板が収納溝の上部に位置し得る。
【0018】
また、エネルギー消耗ユニットは、
熱電モジュールから所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュールの外部電力端子と電気的に接続してバッテリーモジュールの電力を消尽させるように構成された外部短絡回路を備え得る。
【0019】
さらに、外部短絡回路は、
バッテリーモジュールから供給された電力を消尽するように構成されたドレイン部と、
所定の電圧以上の電圧が供給される場合、バッテリーモジュールと抵抗体とを電気的に接続するように構成された少なくとも一つの作動スイッチと、を備え得る。
【0020】
そして、外部短絡回路は、
熱電モジュールから所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされ、作動スイッチにバッテリーモジュールの電源が供給されるようにすることで作動スイッチをターンオンさせる切換スイッチをさらに備え得る。
【0021】
さらに、作動スイッチは、
バッテリーモジュールの正極端子と電気的に接続した正極接続部と、
バッテリーモジュールの負極端子と電気的に接続した負極接続部と、
正極接続部と負極接続部とを電気的に接続可能になるように構成された接続バーと、
切換スイッチに所定の電圧以上の電源が供給される場合、接続バーが正極接続部と負極接続部との間に接触するように接続バーを移動させるように構成された移動部材と、を備え得る。
【0022】
また、移動部材は、
作動スイッチに供給される電源によって所定の温度以上に温度が上昇する発熱体と、
一端が発熱体と接続し、他端が接続バーと接続して、所定の温度以上で個体状態から液体状態へ相変化する相変化部材と、
一端が接続バーと接続し、他端が発熱体と接続して、相変化部材が液体状態へ相変化すると、接続バーを加圧移動させるように構成された加圧スプリングと、を備え得る。
【0023】
さらに、移動部材は、
作動スイッチに供給される電源によって所定の温度以上に温度が上昇する発熱体と、
一端が発熱体と接続し、他端が接続バーと接続して、所定の温度以上で体積膨張して接続バーを移動させるように構成された膨張部と、を備え得る。
【0024】
そして、外部短絡回路は、
所定の電圧以上の電圧を供給する補助バッテリーと、
熱電モジュールから所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされ、作動スイッチに補助バッテリーの所定の電圧以上の電圧が供給されるようにすることで作動スイッチをターンオンさせる切換スイッチと、をさらに備え得る。
【0025】
また、作動スイッチは、熱電モジュールから所定の電圧以上の電力が供給される場合、バッテリーモジュールと抵抗体とを電気的に接続するように構成されたトランジスタースイッチであり得る。
【0026】
なお、上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーラックは、バッテリーパックと、バッテリーパックを収容するラックケースと、を含む。
【0027】
そして、上記の課題を達成するための本発明による電力貯蔵装置は、少なくとも一つのバッテリーラックを含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一面によると、本発明のバッテリーパックは、バッテリーモジュールが所定の温度以上に上昇して熱電モジュールから所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュールを放電させるように構成されたエネルギー消耗ユニットを備えることで、温度センサーまたは煙センサーなどを用いてバッテリーモジュールのエネルギーを消耗させる能動的な方式とは異なり、バッテリーモジュールの温度変化による熱電モジュールの電圧上昇によってバッテリーモジュールのエネルギーを消耗させる受動的な方式を用いることができる。これによって、本発明は、能動的方式と受動的方式を共に使用することができるため、バッテリーモジュールの熱暴走や爆発などが発生する場合、高い信頼度で対処が可能である。
【0029】
また、本発明の一実施例の一面によると、本発明のバッテリーパックは、バッテリーモジュールの内部と外部が連通するように露出口が備えられることで、熱電モジュールがバッテリーモジュール内部の熱を効果的に受けることができるため、エネルギー消耗ユニットはバッテリーモジュールの温度変化に迅速な反応性でバッテリーモジュールを放電させることができる。これによって、バッテリーパックの安全性を効果的に向上させることができる。
【0030】
さらに、本発明の他面によると、本発明のバッテリーモジュールは、モジュールハウジングに熱電モジュールを収納するように内側方向に凹んだ収納溝を備えることで、バッテリーモジュールの外部へ熱電モジュールが突出しなくなり、熱電モジュールが外部物体と干渉または衝突することを避けることができる。これによって、熱電モジュールの損傷を防止することができ、バッテリーパックの耐久性を高めることができる。
【0031】
そして、本発明の他面によると、本発明のエネルギー消耗ユニットは、バッテリーモジュールの電力を消耗させるドレイン部と、少なくとも一つの作動スイッチを備える外部短絡回路と、を含むことで、熱電モジュールが伝達する所定の電圧以上の電圧によって作動スイッチがバッテリーモジュールとドレイン部とを電気的に接続することで、バッテリーモジュールの電力を効果的に消尽させることができる。これによって、バッテリーパックにおけるバッテリーモジュールの火事の伝播または拡散を防止することができる。
【0032】
さらに、本発明の他面によると、本発明のエネルギー消耗ユニットは、熱電モジュールから所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされ、作動スイッチにバッテリーモジュールの電源が供給されることによって作動スイッチをターンオンさせる切換スイッチをさらに備えることで、バッテリーモジュールが伝達する所定の電圧以上の電圧によって作動スイッチがバッテリーモジュールと抵抗体とを電気的に接続することで、高い信頼性で外部短絡を誘導することができる。これによって、バッテリーモジュールの電力を効果的に消尽させることができる。
【0033】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーパックの内部構成を概略的に示した斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成である熱電モジュールを概略的に示した斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成である熱電モジュールを概略的に示した垂直断面図である。
図5】本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
図6】本発明の他の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。
図7図6のバッテリーパックをC-C’線に沿って切断して概略的に示した部分断面図である。
図8】本発明の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示した概略図である。
図9】本発明の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示した概略図である。
図10】本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示した概略図である。
図11】本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示した概略図である。
図12】本発明の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチの内部構成の作動を概略的に示した図である。
図13】本発明の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチの内部構成の作動を概略的に示した図である。
図14】本発明の他の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチの内部構成の作動を概略的に示した図である。
図15】本発明の他の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチの内部構成の作動を概略的に示した図である。
図16】本発明の一実施例による電力貯蔵装置を概略的に示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0036】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0037】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。そして、図2は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの内部構成を概略的に示した斜視図である。
【0038】
本発明によるバッテリーパック200は、複数個のバッテリーセル110aを備えた少なくとも一つのバッテリーモジュール100と、少なくとも一つの熱電モジュール210と、エネルギー消耗ユニット220と、を含む。
【0039】
ここで、バッテリーセル110aは、パウチ型二次電池であり得る。例えば、図2に示したように、二つのセルアセンブリー110の各々は、21個のパウチ型バッテリーセル110aが前後方向(y方向)へ並んで相互に積層されるように構成され得る。
【0040】
特に、このようなパウチ型バッテリーセル110aは、電極組立体(図示せず)、電解液(図示せず)及びパウチを備え得る。
【0041】
各々のバッテリーセル110aは、F方向(図1参照)から見たとき、二つの広い面が前後方向に各々位置し、上、下、左、右の方向にはシーリング部が位置するように地面にほぼ垂直に(Z方向)立てられるように配置され得る。言い換えれば、各バッテリーセル110aは、上下方向へ立てられた形態で構成され得る。一方、本明細書では、特に説明しない限り、上、下、前、後、左、右の方向は、F方向から見た場合を基準にする。
【0042】
ここで、パウチは、凹んだ形態の収容部が形成されているパウチから構成され得る。また、収容部には、電極組立体及び電解液が収納され得る。そして、各々のパウチは、外部絶縁層、金属層及び内部接着層を備え、パウチの周縁部には内部接着層が相互に溶着することでシーリング部が形成され得る。さらに、バッテリーセル110aの正極リード111及び負極リード(図示せず)が形成された左右方向(X方向)の端部には各々テラス部が形成され得る。
【0043】
そして、電極組立体は、電極活物質が塗布された電極板と分離膜との組立体であって、一枚以上の正極板及び一枚以上の負極板が分離膜を挟んで配置された形態で構成され得る。また、電極組立体の正極板には正極タブが備えられ、一つ以上の正極タブが正極リード111と接続し得る。
【0044】
ここで、正極リード111は、一端が正極タブに接続し、他端がパウチの外部に露出し、このように露出した部分がバッテリーセル110aの電極端子、例えば、バッテリーセル110aの正極端子として機能し得る。
【0045】
また、電極組立体の負極板には、負極タブが備えられ、一つ以上の負極タブが負極リード(図示せず)と接続し得る。そして、負極リードは、一端が負極タブに接続し、他端がパウチの外部に露出し、このように露出した部分がバッテリーセル110aの電極端子、例えば、バッテリーセル110aの負極端子として機能し得る。
【0046】
さらに、図2のように、図1のF方向から見たとき、正極リード111及び負極リードは、バッテリーセル110aの中心を基準にして相互に反対方向(X方向)の左右方向の端部に形成され得る。即ち、正極リード111は、バッテリーセル110aの中心を基準にして一端部(右端部)に備えられ得る。また、負極リードは、バッテリーセル110aの中心を基準にして他端部(左端部)に備えられ得る。例えば、図2に示したように、セルアセンブリー110の各々のバッテリーセル110aは、正極リード111及び負極リードが左右方向へ突出するように構成され得る。
【0047】
ここで、前、後、左、右、上、下のように方向を示す用語は、観測者の位置や対象の置かれた形態によって変わり得る。但し、本明細書においては、説明の便宜のために、図1のF方向から見ることを基準にして、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示す。
【0048】
したがって、本発明のこのような構成によると、一つのバッテリーセル110aにおいて、正極リード111と負極リードとの干渉がなくなり、電極リードの面積を広げることができる。
【0049】
また、正極リード111及び負極リードは、プレート形態で構成され得る。特に、正極リード111及び負極リードは、広い面が前後方向に向かうように立てられた状態で水平方向(X方向)へ突出し得る。
【0050】
ここで、水平方向とは、バッテリーモジュール100を地面に平行する方向を意味し、上下方向(Z方向)に垂直する平面上の少なくとも一方向ともいえる。
【0051】
しかし、本発明によるバッテリーモジュール100には、前述したパウチ型バッテリーセル110aのみに限定されず、本願発明の出願時点における公知の多様なバッテリーセルが採用され得る。
【0052】
また、少なくとも二つのセルアセンブリー110は、前後方向に配列され得る。例えば、図2に示したように、二つのセルアセンブリー110は、前後方向へ配列されており、二つのセルアセンブリー110同士は、所定の距離で離隔し得る。
【0053】
バッテリーモジュール100は、バスバーアセンブリー280をさらに含み得る。具体的には、バスバーアセンブリー280は、複数のバッテリーセル110aを電気的に相互に接続するように構成された少なくとも一つのバスバー282と、少なくとも一つのバスバー282を外側に搭載するように構成された少なくとも二つのバスバーフレーム286と、を備え得る。少なくとも二つのバスバーフレーム286は、セルアセンブリー110の左右方向の両側に各々備えられ得る。
【0054】
具体的には、バスバー282は、伝導性金属を含み得、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルなどを含み得る。
【0055】
また、バスバーフレーム286は、電気絶縁性材料を含み得る。例えば、バスバーフレーム286は、プラスチック材料を含み得る。より詳しくは、プラスチック材料は、ポリ塩化ビニルであり得る。
【0056】
一方、モジュールハウジング120には、セルアセンブリー110を内部に収納するように内部空間が形成され得る。具体的には、モジュールハウジング120は、上部カバー122、ベースプレート124、前方カバー125及び後方カバー126を含み得る。上部カバー122、ベースプレート124、前方カバー125及び後方カバー126は各々互いにボルト結合し得る。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によると、モジュールハウジング120は、複数のバッテリーセル110aを外部の衝撃から保護できる構造を有するため、バッテリーモジュール100の外部衝撃に対して安全性を高めることができる。
【0058】
図3は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成である熱電モジュールを概略的に示した斜視図である。そして、図4は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成である熱電モジュールの概略的な垂直断面図である。
【0059】
図1と共に図3及び図4を参照すると、熱電モジュール210は、バッテリーモジュール100のモジュールハウジング120の外側または内側に位置するように構成され得る。即ち、熱電モジュール210は、バッテリーモジュール100の内側温度または外側温度の変化に応じて、所定の電圧を発生させるように構成され得る。例えば、バッテリーモジュール100が所定の温度以上に上昇すると、上昇した熱が熱電モジュール210に伝達され、所定の電圧以上の電圧を発生させ得る。例えば、所定の温度は、100℃以上または200℃以上であり得る。
【0060】
ここで、熱電モジュール210は、熱電レッグ211と、下部電極213と、上部電極213と、高温側基板として下部基板215と、低温側基板として上部基板216と、を含む。
【0061】
熱電レッグ211は、熱電材料、即ち、熱電半導体から構成され得る。熱電半導体には、カルコゲニド(chalcogenide)系、スクッテルダイト(skutterudite)系、シリサイド(silicide)系、クラスレート(clathrate)系、ハーフホイスラー(Half heusler)系などの多様な種類の熱電材料が含まれ得る。本発明による熱電モジュール210の場合、本願発明の出願時点における公知の多様な種類の熱電半導体が熱電レッグ211の材料として用いられ得る。
【0062】
このような熱電レッグ211は、n型レッグ211nとp型レッグ211pを備え得る。n型レッグ211nは、電子が移動して熱エネルギーを移動させ、p型レッグ211pは、ホールが移動して熱エネルギーを移動させ得る。
【0063】
ここで、n型レッグ211nは、n型熱電材料を含む形態で構成され、p型レッグ211pは、p型熱電材料を含む形態で構成され得る。即ち、n型レッグ211nは、上記のような熱電材料にn型ドーパントを使用して構成され得る。また、p型レッグ211pは、上記のような熱電材料にp型ドーパントを使用して構成され得る。
【0064】
例えば、熱電レッグ211は、CoSbを基本構成にするスクッテルダイト系熱電材料を使用し得る。n型ドーパントとしては、Ni、Pd、Pt、Te、Seなどが使用され得る。また、p型ドーパントは、Fe、Mn、Cr、Snなどが使用され得る。ここで、n型ドーパントは、CoSbのSb位に置き換えられて過剰電子を作り、p型ドーパントはCoSbのSb位に置き換えられてホールを作り得る。
【0065】
本発明による熱電レッグ211は、p型レッグ211pとn型レッグ211nの一対が基本単位になり得る。
【0066】
熱電レッグ211は、熱電材料がバルク形態で焼結された形態で構成され得る。例えば、熱電レッグ211は、図3に示したように、棒状、例えば、直方体の形態で構成され得る。但し、本発明がこのような熱電レッグ211の特定の形態に限定されることではない。
【0067】
また、p型レッグ211p及びn型レッグ211nは、各原料の混合段階、熱処理による合成段階及び焼結段階を経て製造され得る。但し、本発明が必ずしもこのような熱電レッグ211の特定の製造方式によって限定されることではない。
【0068】
本発明による熱電モジュール210には、図3に示したように、複数の熱電レッグ211、即ち、複数のp型レッグ211p及び複数のn型レッグ211nが含まれ得る。そして、このような複数のp型レッグ211p及び複数のn型レッグ211nは、相異なる種類の熱電素子が交互に配置されて接続するように構成され得る。特に、このようなp型レッグ211pとn型レッグ211nは、一つの平面(図面のX-Y平面)上において水平方向へ所定の距離で離隔するように配置され得る。
【0069】
そして、このようなp型レッグ211p及びn型レッグ211nは、電極213によって相互に接続し得る。即ち、各熱電レッグ211の上端には、上部電極213が接合され、各熱電レッグ211の下端には、下部電極213が接合され得る。そして、複数の熱電レッグ211は、隣接する他の種類の熱電レッグ211とこのような上部電極213及び下部電極213によって上端及び下端が相互に接続し得る。
【0070】
上部電極213及び下部電極213は、電気伝導性材質、特に、金属材質から構成され得る。例えば、上部電極213及び下部電極213は、Cu、Al、Ni、Au、Tiなど、またはこれらの合金を含み得る。そして、上部電極213及び下部電極213は、板状で構成され得る。例えば、上部電極213及び下部電極213はいずれも、銅板の形態で構成され得る。
【0071】
上部電極213及び下部電極213は、p型レッグ211pとn型レッグ211nとの間に備えられ、これらを相互に接続させることができる。即ち、下部電極213は、一端がn型レッグ211nの下端に接合して連結され、他端がp型レッグ211pの下端に接合して連結され得る。そして、上部電極213は、一端がn型レッグ211nの上端に接合して連結され、他端がp型レッグ211pの上端に接合して連結され得る。即ち、上部電極213及び下部電極213には各々、両端に相異なる種類の熱電レッグ211が接合され得る。このように、上部電極213及び下部電極213の両端には、熱電レッグ211が接合されることから、上部電極213及び下部電極213は、両端に熱電レッグ211が容易に接合されるように、一方向が相対的に長い長方形のプレート形態で構成され得る。
【0072】
本発明による熱電モジュール210において、上部電極213及び下部電極213は各々複数で含まれ得る。例えば、熱電モジュール210には、複数の熱電レッグ211が含まれ得、この場合、各熱電レッグ211の上端と下端には各々相異なる上部電極213と下部電極213が備えられ得る。そのため、一つの熱電モジュール210には、多数の上部電極213及び下部電極213が各々含まれ得る。これによって、この場合、熱電モジュール210には電極アレイが含まれているといえる。
【0073】
本発明による熱電モジュール210には、本発明の出願時点における公知の多様な熱電レッグ211及び/または電極213が採用され得る。
【0074】
下部基板215は、電気絶縁性材質を含み得る。したがって、下部基板215は、熱電モジュール210の下部外側と下部電極213とを電気的に絶縁させることができる。特に、下部基板215は、熱伝導性の高いセラミック材質から構成され得る。例えば、下部基板215は、アルミナ(Al)材質を一部含むか、または全体的にアルミナ材質からなり得る。さらに、下部基板215は、20℃で熱伝導度が10W/mK以上であるセラミック材質から構成され得る。その他、下部基板215は、基材層が電気伝導性材質、例えば、金属材質からなり、その表面に電気絶縁物質がコーティングされた形態で構成され得る。本発明は、このような下部基板215の特定材質によって限定されず、本願の出願時点における公知の多様な基板材質が採用され得る。
【0075】
また、下部基板215は、プレート形態で構成され得る。即ち、下部基板215は、二つの広い表面を有する形態で構成され得る。例えば、下部基板215は、アルミナプレートから構成され得る。
【0076】
下部基板215は、下部電極213の下部に位置し、下部電極213の下面に付着され得る。即ち、下部基板215は、二つの広い表面が上部と下部に位置するように横たえられた形態で、上面が下部電極213の下面に付着された形態で構成され得る。
【0077】
ここで、下部基板215は、一つの熱電モジュール210に含まれた複数の下部電極213の少なくとも一つの下部電極213の下面に付着され得る。例えば、図3に示したように、下部基板215は、熱電モジュール210に一つが備えられ、上面に全ての下部電極213の下面が接合されるように構成され得る。または、下部基板215は、熱電モジュール210に複数で備えられ、上面に一部の下部電極213の下面が接合されるように構成され得る。
【0078】
上部基板216は、下部基板215と同様に、電気絶縁性材質を含み得る。したがって、上部基板216は、熱電モジュール210の上部外側と上部電極213とを電気的に絶縁させ得る。また、上部基板216は、熱伝導性の高いセラミック材質、例えば、アルミナ(Al)材質から構成されるか、または基材層が電気伝導性材質からなるが、その表面に電気絶縁物質がコーティングされた形態で構成され得る。本発明は、このような上部基板216の特定材質によって限定されず、本願発明の出願時点における公知の多様な基板材質が採用され得る。
【0079】
また、上部基板216は、下部基板215と同様にプレート形態で構成され得る。即ち、上部基板216は、二つの広い表面を有する形態で構成され得る。例えば、上部基板216は、アルミナプレートから構成され得る。
【0080】
上部基板216は、上部電極213の上部に位置し、上部電極213の上面に付着され得る。即ち、上部基板216は、二つの広い表面が上部と下部に位置するように横たえられた形態で、下面が上部電極213の上面に付着された形態で構成され得る。
【0081】
ここで、上部基板216は、一つの熱電モジュール210に含まれた複数の上部電極213の少なくとも二つの上部電極213の上面に付着され得る。例えば、図3に示したように、上部基板216は、熱電モジュール210に一つが備えられ、下面に全ての上部電極213の上面が接合されるように構成され得る。または、上部基板216は、熱電モジュール210に二つ以上が備えられ、下面に全体の上部電極213のうち一部として二つ以上の上部電極213の上面が接合されるように構成され得る。
【0082】
熱電モジュール210は、高温側と低温側との間に配置されることが通常である。したがって、上部基板216及び下部基板215のいずれか一つは高温側に配置され、他の一つは低温側に配置されるように構成され得る。「上部」と「下部」という用語は、熱電モジュール210の配置位置や観測者の位置によって変わり得るが、本明細書では説明の便宜のために上部基板216が低温側に位置し、下部基板215が高温側に位置することにして説明する。即ち、本明細書では、上部基板216が低温側基板であり、下部基板215が高温側基板であり得る。
【0083】
そして、エネルギー消耗ユニット220は、バッテリーモジュール100が所定の温度以上に上昇して熱電モジュール210から所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュール100を放電させるように構成され得る。所定の大きさ以上の電圧は1.2V以上であり得る。例えば、エネルギー消耗ユニット220は、バッテリーモジュール100の電力を消耗するために、抵抗体225a、パワー抵抗器または電気モーターなどに電源を印加するように構成され得る。
【0084】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明のバッテリーパック200は、バッテリーモジュール100が所定の温度以上に上昇して熱電モジュール210から所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュール100を放電させるように構成されたエネルギー消耗ユニット220を備えることで、温度センサーまたは煙センサーなどを用いてバッテリーモジュール100のエネルギーを消耗させる能動的な方式とは異なり、バッテリーモジュール100の温度変化による熱電モジュール210の電圧上昇によってバッテリーモジュール100のエネルギーの消耗を作動させる受動的な方式を用い得る。
【0085】
即ち、従来技術のバッテリーパック200は、BMS(バッテリー管理システム)を用いてバッテリーモジュール100の異常状態を感知した後、バッテリーモジュール100のエネルギーを消耗させる能動的な方式を使用したが、BMSに外部電源が供給されないか、またはBMSの故障で作動不能状態にある場合、バッテリーモジュール100の火事や爆発などに対する対処が自動に行われにくかった。
【0086】
したがって、本発明は、BMSのような能動的方式ではなく、バッテリーモジュール100の温度変化に反応する熱電モジュール210の構成を用いて受動的な方式でバッテリーモジュール100の火事や爆発などに対処するように構成されることで、BMS不能に対して対処することができる。これによって、バッテリーパック200の安全性を大幅向上させることができる。
【0087】
図5は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0088】
図5を参照すると、モジュールハウジング120には、内部と外部が連通するように穿孔された少なくとも一つの露出口125hが備えられ得る。例えば、図5に示したように、バッテリーモジュール100のモジュールハウジング120には、4個の露出口125hが備えられ得る。図5に示したように、熱電モジュール210は、露出口125hと対面するように位置し得る。露出口125hの大きさは、熱電モジュール210の下部基板215より小さくてもよい。
【0089】
また、熱電モジュール210は、モジュールハウジング120の外側に位置し、高温側基板215(下部基板)は、少なくとも一部分が露出口125hに挿入され得る。この際、露出口125hの大きさは、熱電モジュール210の下部基板215が挿入されるように下部基板215と同一または類似の平面サイズを有し得る。
【0090】
したがって、本発明のこのような構成によると、本発明のバッテリーパック200は、バッテリーモジュール100の内部と外部が連通するように露出口125hを備えることで、熱電モジュール210がバッテリーモジュール100の内部の熱を効果的に受けることができるため、エネルギー消耗ユニット220がバッテリーモジュール100の温度変化に迅速な反応性で作動してバッテリーモジュール100を放電させることができる。これによって、バッテリーパック200の安全性を効果的に高めることができる。
【0091】
図6は、本発明の他の一実施例によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。そして、図7は、図6のバッテリーパックをC-C’線に沿って切断して概略的に示した部分断面図である。
【0092】
図6及び図7を参照すると、本発明の他の一実施例によるバッテリーパック200Aのモジュールハウジング120Aは、図1のバッテリーパック200と比較する場合、熱電モジュール210を収納するように内側方向(バッテリーモジュールの内部)へ凹んだ収納溝218hをさらに備え得る。その外の構成は同一であり得る。
【0093】
例えば、図6に示したように、モジュールハウジング120Aには4個の収納溝218hが備えられ得る。4個の収納溝218hには各々熱電モジュール210が収納され得る。ここで、収納溝218hに搭載された熱電モジュール210は、低温側基板216(上部基板)が収納溝218hの上部に位置し得る。
【0094】
したがって、本発明のこのような構成によると、モジュールハウジング120Aに熱電モジュール210を収納するように内側方向へ凹んだ収納溝218hが備えられることで、バッテリーモジュール100の外部へ熱電モジュール210が突出せず、外部物体との干渉を避けることができる。これによって、熱電モジュール210の損傷を防止することができる。
【0095】
さらに、熱電モジュール210をバッテリーモジュール100の内部により近く配置し、収納溝218hの内壁によって熱電モジュール210を囲むことで、バッテリーモジュール100の内部の熱が熱電モジュール210へより効果的に伝達される効果を奏する。これによって、バッテリーモジュール100が所定の温度以上に上昇する場合、エネルギー消耗ユニット220が速やかにバッテリーモジュール100の電力を消尽させることができる。
【0096】
図8は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示す概略図である。
【0097】
図1と共に図8を参照すると、エネルギー消耗ユニット220は、外部短絡回路221を備え得る。外部短絡回路221は、熱電モジュール210から所定の大きさ以上の電圧が印加される場合、バッテリーモジュール100の外部電力端子と電気的に接続してバッテリーモジュール100の電力を消尽するように構成され得る。
【0098】
具体的には、外部短絡回路221は、バッテリーモジュール100の正極端子と負極端子とを電気的に接続する短絡経路A1と、熱電モジュールの電流が作動スイッチへ流れるように構成された作動経路A2と、が備えられ得る。短絡経路A1には、ドレイン部225及び少なくとも一つの作動スイッチ223が備えられ得る。ドレイン部225は、バッテリーモジュール100から供給された電力を消尽するように構成された素子、例えば、電源抵抗器、抵抗素子またはシャント抵抗器を備え得る。
【0099】
作動スイッチ223は、作動経路A2に沿って所定の電圧以上の電圧が供給される場合、バッテリーモジュール100とドレイン部225とを電気的に接続するように構成され得る。作動スイッチ223は、可逆的または不可逆的にターンオンされ得る。
【0100】
したがって、本発明のこのような構成によると、エネルギー消耗ユニット220は、ドレイン部225と、少なくとも一つの作動スイッチ223とを備えた外部短絡回路221を含むことで、熱電モジュール210が伝達する所定の電圧以上の電圧によって作動スイッチ223がバッテリーモジュール100とドレイン部225とを電気的に接続することで、バッテリーモジュール100の電力を効果的に消尽させることができる。
【0101】
図9は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示す概略図である。
【0102】
図9を参照すると、本発明の外部短絡回路221Aは、作動スイッチ223としてトランジスタースイッチ223aを備え得る。
【0103】
トランジスタースイッチ223aは、熱電モジュール210から所定の電圧以上の電力が供給される場合、バッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続するように構成され得る。ここで、トランジスタースイッチ223aは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)であり得る。
【0104】
例えば、図9に示したように、図9の作動スイッチ223は、トランジスタースイッチとして備えられ得る。この際、熱電モジュール210の正極端子及び負極端子は各々、トランジスタースイッチ223aのベースB及びエミッタEに各々接続し得る。バッテリーモジュール100の正極端子及び負極端子は各々、トランジスタースイッチ223aのコレクターC及びエミッタEに各々接続し得る。
【0105】
この場合、トランジスタースイッチ223aは、ベースB端子に所定の電圧以下の電圧が印加される場合、遮断されて(遮断モード)コレクター(C) 端子からエミッタEへ電流が流れないようにスイッチがターンオフされた状態に維持され得る。
【0106】
ところが、トランジスタースイッチ223aは、ベースBに所定の電圧以上の電圧が印加されると、コレクターCからエミッタEへ電流が流れるようにスイッチがターンオン状態に切り換えられる。この際、バッテリーモジュール100の電源が短絡経路A1に位置した抵抗体225aと電気的に接続できる。これによって、バッテリーモジュール100の電力がドレイン部225の抵抗体225aによって速やかに消耗できる。
【0107】
したがって、熱電モジュール210は、バッテリーモジュール100が所定の温度以上に上昇する場合、所定の電圧以上の電圧が発生され、熱電モジュール210に発生した所定の電圧以上の電圧は、トランジスタースイッチ223aのベースに印加されて飽和状態に到達し、コレクターCからエミッタEへ電流が流れるようにスイッチがターンオンされ得る。これによって、短絡経路A1に電流が流れるようになり、バッテリーモジュール100の電力が抵抗体225aによって速やかに消耗可能になる。
【0108】
トランジスタースイッチ223aは、バッテリーモジュール100の電源の電流大きさによって複数個が備えられ得る。例えば、外部短絡回路221Aは、バッテリーモジュール100の電源の電流が400Aである場合、使用電流が200Aであるトランジスタースイッチを二つ備え得る。
【0109】
したがって、本発明のこのような構成によると、作動スイッチ223を、熱電モジュール210から所定の電圧以上の電力が供給されると、バッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続するように構成されたトランジスタースイッチとして構成する場合、スイッチ動作が速やかであるため、バッテリーモジュール100の電力をより迅速に消耗させることができる。また、トランジスタースイッチは、スイッチの摩耗がないので、スイッチ不能を防止することができる。
【0110】
一方、図9の実施例では、トランジスタースイッチをBJTで説明したが、必ずしもその構成に限定されることではなく、トランジスタースイッチは、電界効果トランジスター(FETs)などの他のスイッチ素子も使用可能である。
【0111】
図10は、本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示す概略図である。
【0112】
図10を参照すると、他の一実施例による外部短絡回路221Bは、図9の外部短絡回路221Aとは異なり、作動スイッチ223にバッテリーモジュール100の正極端子及び負極端子を接続する切換経路A3をさらに備え得る。
【0113】
また、図10の外部短絡回路は、切換経路A3に位置した切換スイッチ227をさらに備え得る。切換スイッチ227は、熱電モジュール210から所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされるように構成され得る。例えば、切換スイッチ227は、所定の電圧以上の電圧が印加される場合にスイッチがターンオンされるトランジスタースイッチであり得る。
【0114】
例えば、図10に示したように、切換スイッチ227は、トランジスタースイッチとして備えられ得る。この際、熱電モジュール210の正極端子及び負極端子は各々、トランジスタースイッチ227aのベースB及びエミッタEに各々接続し得る。バッテリーモジュール100の正極端子及び負極端子は各々、トランジスタースイッチ227aのコレクターC及びエミッタEに各々接続し得る。
【0115】
これによって、切換スイッチ227は、ターンオンされる場合、作動スイッチ223にバッテリーモジュール100の電源が供給されるように構成され得る。この際、作動スイッチ223は、切換経路A3及び短絡経路A1に各々位置する駆動部223a及び開閉部223bを備え得る。即ち、駆動部223aは、開閉部223bの開閉を駆動するように構成され得る。駆動部223aは、バッテリーモジュール100から所定の電圧以上の電圧を受けるように切換経路A3に位置し得る。そして、作動スイッチ223の開閉部223bは、定常状態では開状態に維持されることで、作動スイッチ223が、短絡経路A1に電流が流れないようにするターンオフ状態を維持できる。しかし、開閉部223bは、所定の電圧以上の電圧が駆動部223aに印加される場合、ターンオンされ得る。これによって、短絡経路A1に電流が流れるように構成できる。
【0116】
この際、作動スイッチ223に印加されたバッテリーモジュール100の電源が所定の電圧以上である場合、作動スイッチ223をターンオンし得る。作動スイッチ223がターンオンされる場合、バッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続し得る。これによって、バッテリーモジュール100の電力は、抵抗体225aによって迅速に消耗可能になる。
【0117】
例えば、作動スイッチ223は、所定の電圧以上の電圧が1回のみ印加されてもターンオンされ、このようにターンオンされた状態を持続的に維持し得る。即ち、作動スイッチ223は、不可逆的に作動する安全スイッチであり得る。例えば、作動スイッチ223は、パイロヒューズ(pyro fuse,autoliv社)であり得る。
【0118】
したがって、本発明のこのような構成によると、外部短絡回路221Bは、熱電モジュール210から所定の電圧以上の電圧が供給される場合にターンオンされ、作動スイッチ223にバッテリーモジュール100の電源を供給することで作動スイッチ223をターンオンする切換スイッチ227をさらに備えるため、バッテリーモジュール100が伝達する所定の電圧以上の電圧によって作動スイッチ223がバッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続することで、高い信頼性で外部短絡を誘導できる。これによって、バッテリーモジュール100の電力を効果的に消尽させることができる。
【0119】
さらに、本発明の図10の外部短絡回路221Bは、図9の外部短絡回路221Aとは異なり、作動スイッチ223及び切換スイッチ227を、他の種類の二つのスイッチで構成することができることから、スイッチをターンオンできる作動電圧の範囲を異にすることができる。即ち、熱電モジュール210と電気的に接続する切換スイッチ227のスイッチがターンオンされる電圧の範囲を低く設定し得る。逆に、作動スイッチ223は、高い使用電圧または電流範囲を有するように構成することで、バッテリーモジュール100の高い電圧または電流が流れる場合にも作動スイッチ223の個数を少なく備えることができる利点がある。
【0120】
言い換えれば、熱電モジュール210の電圧によってターンオン可能なスイッチと、バッテリーモジュール100の電源によってターンオン可能なスイッチとを区分することで、より効率的な設計が可能になり、製造コストを節減してスイッチの作動信頼性を高めることができる。
【0121】
図11は、本発明の他の一実施例によるバッテリーパックの外部短絡回路を示す概略図である。
【0122】
図11を参照すると、さらに他の実施例による外部短絡回路221Cは、図10の外部短絡回路221Bと比較する場合、作動スイッチ223に所定の電圧以上の電圧を供給するように構成された切換経路A3に位置した補助バッテリー228をさらに備え得る。
【0123】
補助バッテリー228は、所定の電圧以上の電圧を作動スイッチ223に供給するように構成され得る。この際、所定の電圧以上の電圧は、作動スイッチ223がターンオンされる大きさであり得る。そして、外部短絡回路221Cは、バッテリーモジュール100の温度が所定の温度以上に上昇する場合、熱電モジュール210から所定の電圧以上の電圧を受けてターンオンされるように構成された切換スイッチ227を備え得る。
【0124】
即ち、切換スイッチ227は、ターンオンされる場合、作動スイッチ223に補助バッテリー228の電源が供給されるように構成され得る。この際、作動スイッチ223は、切換経路A3及び短絡経路A1に各々位置する駆動部223a及び開閉部223bを備え得る。駆動部223aは、開閉部223bの開閉を駆動するように構成され得る。駆動部223aは、補助バッテリー228から所定の電圧以上の電圧を受けるように切換経路A3に位置し得る。そして、作動スイッチ223の開閉部223bは、正常状態であるとき、短絡経路A1に電流が流れないように作動スイッチ223がターンオフ状態を維持し得る。さらに、開閉部223bは、補助バッテリー228から所定の電圧以上の電圧が駆動部223aに印加される場合、開閉部223bのスイッチがターンオンされ、これによって短絡経路A1に沿って電流が流れるように構成され得る。これによって、バッテリーモジュール100の電力が抵抗体225aによって迅速に消耗可能になる。
【0125】
ここで、切換スイッチ227としては、トランジスタースイッチ227aが適用され得る。また、トランジスタースイッチ227aは、所定の電圧以下の電圧が印加される場合、遮断されて(遮断モード)ベースBからエミッタEへ電流が流れるようにスイッチがターンオフされる。
【0126】
トランジスタースイッチ227aは、ベースBに所定の電圧以上の電圧が印加されると、コレクターCからエミッタEへ電流が流れるようにスイッチがターンオンされる。この際、補助バッテリー228の電源が切換経路A3に位置した作動スイッチ223の駆動部223aに供給され得る。
【0127】
例えば、図11に示したように、熱電モジュール210の正極端子及び負極端子は各々、トランジスタースイッチ227aのベースB及びエミッタEに各々接続し得る。補助バッテリー228の正極端子及び負極端子は各々、トランジスタースイッチ227aのコレクターC及びエミッタEに各々接続し得る。
【0128】
さらに、作動スイッチ223は、補助バッテリー228から所定の電圧以上の電圧が印加される場合、ターンオンされ得る。作動スイッチ223がターンオンされる場合、バッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続し得る。これによって、バッテリーモジュール100の電力は、抵抗体225aによって迅速に消耗される。
【0129】
図12及び図13は、本発明の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチの内部構成の作動様子を概略的に示した図である。
【0130】
図8と共に図12及び図13を参照すると、本発明の一実施例による作動スイッチ223は、正極接続部223a1、負極接続部223a2、接続バー223c及び移動部材223dを含み得る。
【0131】
具体的には、正極接続部223a1は、バッテリーモジュール100または補助バッテリー228の正極端子と電気的に接続し得る。また、負極接続部223a2は、バッテリーモジュール100または補助バッテリー228の負極端子と電気的に接続し得る。接続バー223cは、正極接続部223a1と負極接続部223a2とを電気的に接続可能に構成され得る。例えば、接続バー223cの一端部は、正極接続部223a1と接触可能に構成され、他端部は、負極接続部223a2と接触可能になる構成され得る。
【0132】
また、正極接続部223a1、負極接続部223a2及び接続バー223cは、電気伝導性の金属を含み得る。例えば、金属は、アルミニウム、ニッケルまたは銅などを含む合金であり得る。
【0133】
さらに、移動部材223dは、接続バー223cを移動させるように構成され得る。移動部材223dは、切換スイッチ227に所定の電圧以上の電源が供給される場合、接続バー223cが正極接続部223a1と負極接続部223a2との間に接触するように構成され得る。移動部材223dについては、以下でより具体的に後述する。
【0134】
したがって、本発明このような構成によると、作動スイッチ223が正極接続部223a1、負極接続部223a2、接続バー223c及び移動部材223dを備えることで、受動的な方式でバッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続し得る。これによって、別のBMSの制御なく作動スイッチ223に所定の電圧以上の電圧を印加するだけでターンオンされ、バッテリーモジュール100の電力を迅速に消尽させることができる。
【0135】
また、図12及び図13を参照すると、移動部材223dは、発熱体223d1、相変化部材223d2及び加圧スプリング223d3を備え得る。
【0136】
発熱体223d1は、作動スイッチ223に供給される電源によって所定の温度以上に温度が上昇するように構成され得る。例えば、発熱体223d1は、電気を熱に転換する抵抗コイルを備えるヒーターであり得る。
【0137】
相変化部材223d2は、所定の温度以上で固体状態から液体状態へ相変化し得る。相変化部材223d2は、一端が発熱体223d1と接続し、他端が接続バー223cと接続し得る。例えば、図12に示したように、相変化部材223d2の上端は、発熱体223d1の下面と接続し、相変化部材223d2の下端は、接続バー223cの上面と接続し得る。このために、相変化部材223d2は、所定の温度、例えば、100℃以上で固体状態から液体状態へ相変化する相変化物質として設けられ得る。
【0138】
相変化物質の代表的な例には、パラフィン、ポリエチレングリコール、無機水和物(例えば、NaHPO・12HO、NaSO・10HO、Zn(NO・6HOなど)などが挙げられるが、これらに限定されることではない。そのうち、値段が安くて分子量による相変化温度の調節が容易なパラフィンが特に望ましい。
【0139】
そして、加圧スプリング223d3は、一端が接続バー223cと接続し、他端が発熱体223d1と接続し得る。加圧スプリング223d3は、発熱体223d1及び接続バー223cと接続した相変化部材223d2によって圧縮された状態で維持され得る。加圧スプリング223d3は、相変化部材223d2が液体状態に相変化すると、接続バー223cを加圧して移動させ得る。
【0140】
即ち、相変化部材223d2が液体状態に相変化すると、接続バー223cと分離可能になることから、相変化部材223d2によって拘束された接続バー223cが放されながら加圧スプリング223d3の弾性力によって接続バー223cが移動できる。接続バー223cは、正極接続部223a1及び負極接続部223a2に各々接触するように位置移動され得る。
【0141】
したがって、本発明のこのような構成によると、移動部材223dは、発熱体223d1、相変化部材223d2及び加圧スプリング223d3を備えることで、バッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続できる。これによって、別のBMSの制御なく作動スイッチ223に所定の電圧以上の電圧を印加するだけでターンオンされ、バッテリーモジュール100の電力を迅速に消尽させることができる。
【0142】
図14及び図15は、本発明の他の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチの内部構成の作動を概略的に示した図である。
【0143】
図14及び図15を参照すると、本発明の他の一実施例による外部短絡回路の作動スイッチ223Aは、発熱体223d1及び膨張部223d4を備える移動部材223dを含み得る。発熱体223d1は、作動スイッチ223に供給される電源によって所定の温度以上に温度が上昇するように構成され得る。例えば、発熱体223d1は、電気を熱に転換する抵抗コイルを備えたヒーターであり得る。
【0144】
また、膨張部223d4は、一端が発熱体223d1と接続し、他端が接続バー223cと接続するように構成され得る。例えば、図14に示したように、膨張部223d4は、上端が発熱体223d1の下面と接続し、下端が接続バー223cの上面と接続するように構成され得る。
【0145】
さらに、膨張部223d4は、所定の温度以上で体積膨張するように構成され得る。例えば、膨張部223d4は、所定の温度以上で体積膨張する膨張物質を含み得る。所定の温度は、例えば、100℃以上の温度であり得る。例えば、膨張物質は、高分子材料または金属であり得る。望ましくは、膨張物質は、ポリエチレン、ナイロンまたはアルミニウム合金であり得る。
【0146】
そして、膨張部223d4は、発熱体223d1から熱が伝導されて所定の温度以上に上昇する場合、体積膨張されて接続バー223cを移動させるように構成され得る。例えば、膨張部223d4は、接続バー223cが正極接続部223a1及び負極接続部223a2に各々接触するように位置移動させ得る。
【0147】
したがって、本発明のこのような構成によると、移動部材223dは、発熱体223d1及び膨張部223d4を備えることで、印加電力によって発熱体223d1が発熱する場合、発熱体223d1と接続した膨張部223d4の体積が膨脹して接続バー223cを移動させるようになるので、移動した接続バー223cは、バッテリーモジュール100と抵抗体225aとを電気的に接続させることができる。これによって、別のBMSの制御なく、作動スイッチ223に所定の電圧以上の電圧を印加するだけでターンオンされ、バッテリーモジュール100の電力を迅速に消尽させることができる。
【0148】
図16は、本発明の一実施例による電力貯蔵装置を概略的に示した正面図である。
【0149】
図16を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーラック500は、複数のバッテリーパック200を収容するラックケース510を含み得る。ラックケース510は、複数のバッテリーパック200を上下方向へ積層した形態で収容するように構成され得る。ラックケース510の内部では、バッテリーパック200の下面が水平面に平行する形態で搭載され得る。
【0150】
ここで、水平方向とは、バッテリーパック200を地面に置いたとき、地面に平行する方向を意味し、上下方向に垂直する平面上の少なくとも一方向であるといえる。
【0151】
さらに、ラックケース510は、少なくとも一側が開放可能な形態で構成され、開放された側面からバッテリーパック200が内部空間に入れられ得る。但し、ラックケース510は、このように開放された側面が閉鎖可能に構成されることも可能である。
【0152】
また、バッテリーラック500は、複数のバッテリーパック200の充放電を制御するように構成された中央バッテリー管理装置300などの他の構成要素をさらに含み得る。バッテリー管理装置は、ラックケース510の内部または外部に配置され得る。
【0153】
一方、本発明の一実施例による電力貯蔵装置600は、バッテリーラック500を少なくとも二つ含み得る。二つ以上のバッテリーラック500は、一方向へ配列されるように配置され得る。例えば、図16に示したように、電力貯蔵装置600は、三つのバッテリーラック500が一方向へ配列されるように構成され得る。また、電力貯蔵装置600は、三つのバッテリーラック500の充放電が制御可能な中央制御部(図示せず)を備え得る。
【0154】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0155】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、バッテリーパックに関する。また、本発明は、バッテリーパックを含むバッテリーラック及び電力貯蔵装置関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0157】
100 バッテリーモジュール
110 セルアセンブリー
110a バッテリーセル
120 モジュールハウジング
125h 露出口
200 バッテリーパック
210 熱電モジュール
211、211p、211n 熱電レッグ
213 電極
215 高温側基板(下部基板)
216 低温側基板(上部基板)
218h 収納溝
220 エネルギー消耗ユニット
221 外部短絡回路
223 作動スイッチ
223a1 正極接続部
223a2 負極接続部
223c 接続バー
223d 移動部材
223d1 発熱体
223d2 相変化部材
223d3 加圧スプリング
223d4 膨張部
225 ドレイン部
227 切換スイッチ
228 補助バッテリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】