(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
A01H 1/02 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
A01H1/02 A
A01H1/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505360
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2020122125
(87)【国際公開番号】W WO2021169330
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】202010121685.0
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】王 永▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】姚 福▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】王 俊
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ ▲真▼博
(72)【発明者】
【氏名】程 ▲紹▼明
【テーマコード(参考)】
2B030
【Fターム(参考)】
2B030AA02
2B030AB03
2B030CA01
2B030CB02
2B030HA07
(57)【要約】
【課題】本発明は、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置及びその方法を開示している。
【解決手段】当該装置は、空気圧式受粉部材、コントローラ、昇降調整部材、四輪動力シャーシを含み、空気圧式受粉部材が昇降調整部材により四輪動力シャーシ1の前部に取り付けられ、コントローラが四輪動力シャーシの上部に取り付けられる。本発明は、各受粉管の気流を交雑水稲の雄親本行に対応する穗部にそれぞれ作用することで、雄親本花粉を花芯から離脱させて雌親本の圃場にドリフトさせ、各雄親本行の受粉管の気流速度を異ならせることで花粉を主な雌親本作用領域に輸送させることを確保し、花粉の指向性ドリフト、均一な受粉を実現し、交雑水稲製種の機械化、効率的な受粉に動作装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置であって、空気圧式受粉部材、コントローラ(17)、昇降調整部材、四輪動力シャーシ(1)を含み、
空気圧式受粉部材は、昇降調整部材により四輪動力シャーシ(1)の前部に取り付けられ、昇降調整部材により上下昇降が制御され、コントローラ(17)は四輪動力シャーシ(1)の上部に取り付けられ、
前記空気圧式受粉部材は、昇降フレーム(5)、気流速度センサ(6)、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)、送風機(14)、支持板(15)、モータドライバ(16)、及び蓄電池(18)を含み、
前記左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)はいずれもL字状であり、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)の水平セグメントの前部の、中央受粉管(9)から離れた一側には、いずれもエアブロー口(21)が開設され、エアブロー口(21)の下方には導流板(22)が水平に固定され、左側辺一方向受粉管(7)と左中間一方向受粉管(8)の垂直セグメントの中下部の同一高さにはいずれも、気流速度センサ(6)を取り付けるベース(23)が設けられ、右側辺一方向受粉管(10)、右中間一方向受粉管(11)は、それぞれ、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)と鏡面対称構造であり、
前記中央受粉管(9)もL字状であり、中央受粉管(9)の水平セグメントの前部には、両側に向かっていずれもエアブロー口(21)が開設され、エアブロー口(21)の下方には導流板(22)が水平に固定され、中央受粉管(9)の垂直セグメントの中下部には、気流速度センサ(6)を取り付けるベース(23)が設けられ、ベース(23)の取り付け高さが他の受粉管上のベース(23)の高さと一致し、
各受粉管の垂直部分の後部にはいずれも2つの対向するL字状のスライドブッシュ(20)が設けられ、2つのL字状のスライドブッシュ(20)の間隔が昇降フレーム(5)の高さと一致し、スライドブッシュ(20)の外側にはロックボルトが設けられ、各受粉管はいずれも2つのL字状のスライドブッシュ(20)により昇降フレーム(5)の前部に係合して取り付けられかつロックボルトでロック固定され、各受粉管の水平セグメントの下部は同一水平面にあり、
5つの支持板(15)がフレーム(2)の後上部に分散固定され、5つの送風機(14)がそれぞれ支持板(15)の側面に固定され、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)の吸気口がホースを介してそれぞれ1つの送風機(14)に接続され、
5つの気流速度センサ(6)はそれぞれ左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)の垂直管のベース(23)に固定され、気流速度センサ(6)の測定点はいずれも所在の受粉管の中心に伸び、
蓄電池(18)が四輪動力シャーシ(1)に固定され、気流制御のための5つのモータドライバ(16)がそれぞれ5つの支持板(15)の側面に固定され、各モータドライバ(16)の電源入力端がケーブルを介して蓄電池(18)に接続され、5つのモータドライバ(16)の出力端がケーブルを介してそれぞれ5つの送風機(14)に接続され、5つのモータドライバ(16)の制御端が制御ケーブルを介してコントローラ(17)に接続される
ことを特徴とする大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置。
【請求項2】
前記昇降調整部材は、フレーム(2)、昇降レール(3)、スライダー(4)、リードスクリュー(12)、ステッピングモータ(13)を含み、フレーム(2)の後端が四輪動力シャーシ(1)の前部に固定され、2本の昇降レール(3)がそれぞれ垂直方向に沿ってフレーム(2)の先端の両辺に固定され、昇降レール(3)にはスライダー(4)が設けられ、スライダー(4)と昇降レール(3)とが移動対偶を構成し、昇降フレーム(5)の後部がスライダー(4)により昇降レール(3)に取り付けられ、リードスクリュー(12)の中下部がボールナット(19)により昇降フレーム(5)の中部に取り付けられ、リードスクリュー(12)の上部がベアリングによりフレーム(2)の前上中部に取り付け、ステッピングモータ(13)がフレーム(2)の前上中部に固定され、リードスクリュー(12)の上端がステッピングモータ(13)に固定されて接続され、かつリードスクリュー(12)の中心軸線とステッピングモータ(13)の出力軸の軸線とは、同一直線にあり、ステッピングモータ(13)により、リードスクリュー(12)を駆動して回転させ、かつ昇降フレーム(5)を上下移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置。
【請求項3】
前記左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)の垂直セグメントの長さは、同じであり、5本の受粉管の水平セグメントが同一平面にあり、5本の受粉管の水平セグメントの先端の中心の接続線が、四輪動力シャーシ(1)の内に向かって凹んでいるV字状を呈する
ことを特徴とする請求項1に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置。
【請求項4】
5本の受粉管のうち、隣接する2本の受粉管の水平セグメントの長さ差は、エアブロー口(21)の長さの1~1.5倍である
ことを特徴とする請求項3に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置。
【請求項5】
前記導流板(22)は三角形であり、かつ先端が大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の進行方向に向いている
ことを特徴とする請求項1に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置。
【請求項6】
5本の受粉管のうち、エアブロー口(21)はいずれもそれらの水平セグメントの水平中心面に開設される
ことを特徴とする請求項1に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置。
【請求項7】
大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の受粉方法であって、当該受粉方法は、請求項1~6のいずれか一項に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を利用し、以下のステップ1~6を含み、
受粉管の分布を調整するステップ1には、中央受粉管(9)の縦方向中心と大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の縦方向中心が同一垂直平面にあるように、中央受粉管(9)の昇降フレーム(5)の横方向における水平位置を調整し、スライドブッシュ(20)上のロックボルトにより昇降フレーム(5)との固定を行い、
左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)の水平セグメントの中心線が順に隣接する間隔を製種畑の6行の交雑水稲の雄親本に対応する5つの行間隔と一致させるように、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)を雄親本の栽培の行距離に応じて横方向に水平に調整し、スライドブッシュ(20)上のロックボルトを利用して各受粉管を昇降フレーム(5)に固定させ、
装置を交雑水稲の製種畑に移動するステップ2には、交雑水稲の雄親本が盛花期の10:00にある前に、4つの走行駆動輪が6行の雄親本にまたがり、走行駆動輪が交雑水稲の雄親本と雌親本との隣接する畝の間に位置し、中央受粉管(9)の水平セグメントが6行の雄親本の最中心の2行の雄親本の畝間に位置するように、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を製種畑に走行させ、
空気圧式受粉部材の高さを調整するステップ3には、コントローラ(17)によりステッピングモータ(13)を制御して動作させ、ステッピングモータ(13)がリードスクリュー(12)を駆動して回転させ、リードスクリュー(12)が昇降フレーム(5)を上下移動させて、5本の受粉管を同期に上下移動させ、5本の受粉管のエアブロー口(21)が雄親本の穗領域の中下部に到達すると、移動を停止し、
受粉管の気流パラメータを調整するステップ4には、現在の品種の交雑水稲の雄親本行に必要な受粉気流速度要求に応じて、コントローラ(17)により左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)のそれぞれのエアブロー口(21)における気流速度を設定し、コントローラ(17)によりモータドライバ(16)を制御して5つの送風機(14)を動作させ、各受粉管のエアブロー口(21)において設定風速で気流を出力し、
畑で受粉するステップ5には、交雑水稲の雄親本が盛花期の10:30~14:30の区間にあり、上記受粉管の気流パラメータ調整が完了した後に、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置が6行の交雑水稲の雄親本にまたがって、その中心に沿って前に向かって所定の速度で進行し、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)、中央受粉管(9)、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)がそれぞれ6行の交雑水稲の雄親本の行間に位置し、左側辺一方向受粉管(7)、左中間一方向受粉管(8)のエアブロー口(21)の気流が左に向かって左辺の2行の雄親本の穗部に吹き、右中間一方向受粉管(10)、右側辺一方向受粉管(11)のエアブロー口(21)の気流が右に向かって右辺の2行の雄親本の穗部に吹き、中央受粉管(9)の両側のエアブロー口(21)の気流がそれぞれ左右両辺に向かって中間の2行の雄親本の穗部に吹き、雄親本の花粉が気流及び穗部揺動の作用下で花芯から離脱して気流に伴ってドリフトし、左側の3行の雄親本の花粉が左方向気流の作用下で左側の隣接する雌親本行に向かって飛散し、右側の3行の雄親本の花粉が右方向気流の作用下で右側の隣接する雌親本行に向かって飛散し、雌親本の圃場の上方の気流速度に伴って徐々に下降し、花粉が重力の作用下で下向きに沈降し、一部の花粉が雌親本の穗部に沈んで、受粉を実現し、
大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置がこの圃場の6行の雄親本の終点まで走行する際に、畑でUターンして隣接する別の圃場の6行の雄親本まで走行し、受粉作業を再度に行い、順に各雄親本の圃場に走行して受粉を行い、盛花期の10:30~14:30に毎日2~3回の受粉作業を行い、
停止及び保守のステップ6には、毎日受粉が終了した後、先にコントローラ(17)によりモータドライバ(16)を制御して5つの送風機(14)を停止させ、その後、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を農業機械ライブラリに走行させて要求に応じて保守を行い、翌日の受粉に用意する
ことを特徴とする受粉方法。
【請求項8】
各受粉管の気流速度が異なり、各受粉管のエアブロー口(21)における気流速度は気流速度センサ(6)により管内流速が測定され、コントローラ(17)によりモータドライバ(16)で送風機(14)を制御して調整される
ことを特徴とする請求項7に記載の受粉方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交雑水稲製種の畑間機械化の受粉装置に関し、具体的には規模化製種の親本の大行比栽培に適した空気圧式受粉装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交雑水稲の種子は、交雑水稲生産の物質基礎であるが、水稻は自殖性植物に属し、自然環境下で自然交雑率は一般的に0.2%~0.3%だけであり、種子には、その交雑優位性を保持させるために、現在、「人工作業」受粉により十分で、均一な受粉を確保し、異種交雑シード設定率を増加させ、製種生産量と品質を向上させることしかできない。水稻花粉の開花期は7~10日だけであり、一日に約2~4時間のみの開花時間があり、限られた時間内に受粉作業を完了する必要がある。
【0003】
現在、国内では適切な受粉機械と装備がない。受粉リンクは依然として従来のシングルロングロッドによる花粉叩き、ダブルショートロッドによる花粉押し、ロープによる花粉引きなどの「人力式」受粉を採用して完了する。シングルロングロッドによる花粉叩き、ダブルショートロッドによる花粉押しは、親本栽培行比が1:3、1:4、2:6、2:8の家族での小規模な製種にのみ適し、生産率が極めて低く、一時間あたり0.2~0.3ヘクタールのみを受粉することしかできず、受粉作業期間が短く、大量の労働力を必要としてこそ完了することができ、現代の種子産業の規模化生産の要求を完全に満たすことはできない。ロープによる花粉引きは生産率がやや高いが、作業負荷が高く、花粉利用率が低く、植物の損傷が深刻で、生産量の損失が大きいなどの課題が存在する。近年、国内外はマイクロ無人航空機を利用して受粉作業に用いることを試みたが、ヘリコプターの回転翼の下方の気流の方向本体は「垂直」であるので、花粉の雌親本への拡散に不利であり、受粉シード設定率は製種の受粉要求に達しない。また、現在、交雑水稲製種の親本の栽培行比が1:3、1:4、2:6、2:8などの小行比で製種し、受粉などの複数のリンク機械化作業に不利であり、機械化生産を実現するために大行比が例えば6:20、6:24、8:32などの製種農業プロセスを採用して製種を行う場合、花粉の指向性及び均一な受粉を実現できる技術と装備もない。したがって、現在、交雑水稲製種業は機械化、知能化作業の大行比交雑水稲製種の受粉機器を必要し、受粉作業の生産率を大幅に向上し、交雑水稲製種の機械化レベル、製種品質及び生産量を向上し、機械の人変更及び労働力が非常に不足するという課題を効果的に解決し、種子産業の持続、健康発展を促進する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現在の交雑水稲製種の機械化受粉設備の欠如の課題を解決し、規模化の大行製種ニーズに応じて、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を提供し、各受粉装置により異なる雌親本領域に作用することで、指向性、均一で、効率的な受粉を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明がその技術課題を解決するために採用する技術手段は、下記の通りである。
大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置であって、空気圧式受粉部材、コントローラ、昇降調整部材、四輪動力シャーシを含み、空気圧式受粉部材が昇降調整部材により四輪動力シャーシの前部に取り付けられ、昇降調整部材により上下昇降が制御され、コントローラが四輪動力シャーシの上部に取り付けられ、
前記空気圧式受粉部材は、昇降フレーム、気流速度センサ、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管、送風機、支持板、モータドライバ、蓄電池を含み、
前記左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管はいずれもL字状であり、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管の水平セグメントの前部の、中央受粉管から離れた一側にはいずれもエアブロー口が開設され、エアブロー口の下方には導流板が水平に固定され、左側辺一方向受粉管と左中間一方向受粉管の垂直セグメントの中下部の同一高さにはいずれも、気流速度センサを取り付けるベースが設けられ、右側辺一方向受粉管、右中間一方向受粉管はそれぞれ左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管と鏡面対称構造であり、
前記中央受粉管もL字状であり、中央受粉管の水平セグメントの前部には両側に向かっていずれもエアブロー口が開設され、エアブロー口の下方には導流板が水平に固定され、中央の受粉管垂直セグメントの中下部には、気流速度センサを取り付けるベースが設けられ、ベースの取り付け高さが他の受粉管上のベースの高さと一致し、
各受粉管の垂直部分の後部にはいずれも2つの対向するL字状のスライドブッシュが設けられ、2つのL字状のスライドブッシュの間隔が昇降フレームの高さと一致し、スライドブッシュの外側にはロックボルトが設けられ、各受粉管はいずれも2つのL字状のスライドブッシュにより昇降フレームの前部に係合して取り付けられかつロックボルトでロック固定され、各受粉管の水平セグメントの下部は同一水平面にあり、
5つの支持板がフレームの後上部に分散固定され、5つの送風機がそれぞれ支持板の側面に固定され、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管の吸気口がホースを介してそれぞれ1つの送風機に接続され、
5つの気流速度センサがそれぞれ左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管の垂直管のベースに固定され、気流速度センサの測定点がいずれも所在の受粉管の中心に伸び、
蓄電池が四輪動力シャーシに固定され、気流制御のための5つのモータドライバがそれぞれ5つの支持板の側面に固定され、各モータドライバの電源入力端がケーブルを介して蓄電池に接続され、5つのモータドライバの出力端がケーブルを介してそれぞれ5つの送風機に接続され、5つのモータドライバの制御端が制御ケーブルを介してコントローラに接続される。
【0006】
好ましくは、前記昇降調整部材は、フレーム、昇降レール、スライダー、リードスクリュー、ステッピングモータを含み、フレームの後端が四輪動力シャーシの前部に固定され、2本の昇降レールがそれぞれ垂直方向に沿ってフレームの先端の両辺に固定され、昇降レールにはスライダーが設けられ、スライダーと昇降レールとが移動対偶を構成し、昇降フレームの後部がスライダーにより昇降レールに取り付けられ、リードスクリューの中下部がボールナットにより昇降フレームの中部に取り付けられ、リードスクリューの上部がベアリングによりフレームの前上中部に取り付けられ、ステッピングモータがフレームの前上中部に固定され、リードスクリューの上端がステッピングモータに固定されて接続され、かつリードスクリューの中心軸線とステッピングモータの出力軸の軸線とは、同一直線にあり、ステッピングモータは、リードスクリューを駆動して回転させ、かつ昇降フレームを上下移動させる。
【0007】
好ましくは、前記左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管の垂直セグメントの長さは、同じであり、5本の受粉管の水平セグメントが同一平面にあり、5本の受粉管の水平セグメントの先端の中心の接続線が、四輪動力シャーシの内に向かって凹んでいるV字状を呈する。
【0008】
さらに、5本の受粉管のうち、隣接する2本の受粉管の水平セグメントの長さ差は、エアブロー口の長さの1~1.5倍である。
【0009】
好ましくは、前記導流板は三角形であり、かつ先端が大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の進行方向に向いている。
【0010】
好ましくは、5本の受粉管のうち、エアブロー口はいずれもその水平セグメントの水平中心面に開設される。
【0011】
本発明の他の目的は、前記のいずれか一項の技術方案に記載の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を用いた受粉方法を提供することにあり、以下のステップ1~6を含む。
受粉管の分布を調整するステップ1には、中央受粉管の縦方向中心と大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の縦方向中心が同一垂直平面にあるように、中央受粉管の昇降フレームの横方向における水平位置を調整し、次いで、スライドブッシュ上のロックボルトにより昇降フレームとの固定を行い、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管の水平セグメントの中心線が順に隣接する間隔を製種畑の6行の交雑水稲の雄親本に対応する5つの行間隔と一致させるように、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管を雄親本栽培行距離に応じて横方向に水平に調整し、そして、スライドブッシュ上のロックボルトを利用して各受粉管を昇降フレームに固定させ、
装置を交雑水稲の製種畑に移動するステップ2には、交雑水稲の雄親本が盛花期の10:00にある前に、4つの走行駆動輪が6行の雄親本にまたがり、走行駆動輪が交雑水稲の雄親本と雌親本との隣接する畝の間に位置し、中央受粉管の水平セグメントが6行の雄親本の最中心の2行の雄親本の畝間に位置するように、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を製種畑に走行させ、
空気圧式受粉部材の高さを調整するステップ3には、コントローラによりステッピングモータを制御して動作させ、ステッピングモータがリードスクリューを駆動して回転させ、リードスクリューが昇降フレームを上下移動させて、5本の受粉管を同期に上下移動させ、5本の受粉管のエアブロー口が雄親本の穗領域の中下部に到達すると、移動を停止し、
受粉管の気流パラメータを調整するステップ4には、現在の品種の交雑水稲の雄親本行に必要な受粉気流速度要求に応じて、コントローラにより左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管のそれぞれのエアブロー口における気流速度を設定し、次いで、コントローラによりモータドライバを制御して5つの送風機を動作させ、各受粉管のエアブロー口において設定風速で気流を出力し、
畑で受粉するステップ5には、交雑水稲の雄親本が盛花期の10:30~14:30の区間にあり、上記受粉管の気流パラメータ調整が完了した後に、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置が6行の交雑水稲の雄親本にまたがって、その中心に沿って前に向かって所定の速度で進行し、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管、中央受粉管、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管がそれぞれ6行の交雑水稲の雄親本の行間に位置し、左側辺一方向受粉管、左中間一方向受粉管のエアブロー口の気流が左に向かって左辺の2行の雄親本の穗部に吹き、右中間一方向受粉管、右側辺一方向受粉管のエアブロー口の気流が右に向かって右辺の2行の雄親本の穗部に吹き、中央受粉管の両側のエアブロー口の気流がそれぞれ左右両辺に向かって中間の2行の雄親本の穗部に吹き、雄親本の花粉が気流及び穗部揺動の作用下で花芯から離脱して気流に伴ってドリフトし、左側の3行の雄親本の花粉が左方向気流の作用下で左側の隣接する雌親本行に向かって飛散し、右側の3行の雄親本の花粉が右方向気流の作用下で右側の隣接する雌親本行に向かって飛散し、雌親本の圃場の上方の気流速度に伴って徐々に下降し、花粉が重力の作用下で下向きに沈降し、一部の花粉が雌親本の穗部に沈んで、受粉を実現し、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置がこの圃場の6行の雄親本の終点まで走行する際に、畑でUターンして隣接する別の圃場の6行の雄親本まで走行し、受粉作業を再度に行い、順に各雄親本の圃場に走行して受粉を行い、盛花期の10:30~14:30に毎日2~3回の受粉作業を行い、
停止及び保守のステップ6には、毎日受粉が終了した後、まずコントローラによりモータドライバを制御して5つの送風機を停止させ、次いで、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を農業機械ライブラリに走行させて要求に応じて保守を行い、翌日の受粉に用意する。
【0012】
好ましくは、各受粉管の気流速度が異なり、各受粉管のエアブロー口における気流速度は気流速度センサにより管内流速が測定され、コントローラによりモータドライバで送風機を制御して調整される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、交雑水稲の雄親本花粉を指向性で一定の気流により花芯から離脱させて雌親本の圃場にドリフトすることで、各雄親本行の受粉管に作用する気流速度を異ならせることで、花粉を主な作用の雌親本領域に輸送することができ、これにより、規模化大行比製種花粉の指向性ドリフト、均一な受粉を実現することができ、交雑水稲製種の機械化の効率的な受粉に動作装置を提供するという有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の3次元構造図である。
【
図2】ボールナット、スライドブッシュ、リードスクリュー及びフレームの組立構造概略図である。
【
図4】コントローラの構成原理ブロック図である。 図には、四輪動力シャーシ1、フレーム2、昇降レール3、スライダー4、昇降フレーム5、気流速度センサ6、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11、リードスクリュー12、ステッピングモータ13、送風機14、支持板15、モータドライバ16、コントローラ17、蓄電池18、ボールナット19、スライドブッシュ20、エアブロー口21、導流板22、ベース23。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面及び実施例を参照して本発明をさらに説明する。
【0016】
図1~4に示すように、本発明の大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置であり、その主な部材は、空気圧式受粉部材、コントローラ17、昇降調整部材及び四輪動力シャーシ1を含む。そのうち、空気圧式受粉部材は、受粉気流を形成することに用いられ、それは、昇降調整部材により四輪動力シャーシ1の前部に取り付けられ、昇降調整部材により上下昇降が制御され、コントローラ17は、四輪動力シャーシ1の上部に取り付けられ、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置における各部材の作業を制御することに用いられる。
【0017】
図1に示すように、空気圧式受粉部材は、昇降フレーム5、気流速度センサ6、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11、送風機14、支持板15、モータドライバ16、蓄電池18を含む。
【0018】
左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8はいずれもL字状であり、両者の基本機構はほぼ同じであり、垂直セグメントと水平セグメントとが接続されてなる。
図3は、左中間一方向受粉管8の構造を示している。左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8の水平セグメントの前部の、中央受粉管9から離れた一側には、いずれもエアブロー口21が開設され、エアブロー口21の下方には導流板22が水平に固定され、これにより、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8には、左側に向かって吹く気流を形成することができ、気流の方向は導流板22の角度により調整可能である。左側辺一方向受粉管7と左中間一方向受粉管8の垂直セグメントの中下部の同一高さにはいずれも、気流速度センサ6を取り付けるベース23が設けられる。右側辺一方向受粉管10、右中間一方向受粉管11はそれぞれ左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8と鏡面対称構造であり、その鏡面対称面は中央受粉管9の中心垂面である。右側辺一方向受粉管10、右中間一方向受粉管11に開設されたエアブロー口21も中央受粉管9から離れた一側に位置するため、それには、右側に向かって吹く気流を形成することができる。また、
図2に示すように、中央受粉管9もL字状であり、中央受粉管9の水平セグメントの前部には両側に向かっていずれもエアブロー口21が開設され、エアブロー口21の下方には導流板22が水平に固定され、両側にはいずれもエアブロー口21が開設されるため、それには、左右両側に向かって吹く2つの気流を形成することができる。中央受粉管9の垂直セグメントの中下部にも気流速度センサ6を取り付けるベース23が設けられ、ベース23の取り付け高さが他の受粉管上のベース23の高さと一致する。本実施例では、5本の受粉管のうち、エアブロー口21はスリットであり、管内の気流が吹き出されるものである。エアブロー口21がいずれも所在の受粉管の水平セグメントの水平中心面に開設され、いわゆる水平中心面は、受粉管の横断面を通る水平径の水平面である。
【0019】
各受粉管の垂直部分の後部にはいずれも2つの対向するL字状のスライドブッシュ20が設けられ、昇降フレーム5に係合できるように2つのL字状のスライドブッシュ20の間隔が昇降フレーム5の高さと一致する。スライドブッシュ20の外側にはロックボルトが設けられ、各受粉管がいずれも2つのL字状のスライドブッシュ20により係合を行って昇降フレーム5の前部に取り付けられ、各受粉管の水平セグメントの下部は同一水平面にある。受粉管の昇降フレーム5での相対位置は横方向に調整可能であり、受粉管が昇降フレーム5で目標位置まで移動した後に、ロックボルトを締め付けることで固定を実現することができる。
【0020】
5つの支持板15が均一にフレーム2の後上部に分散固定され、5つの送風機14がそれぞれ支持板15の側面に一対一に対応して固定され、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11の吸気口がホースを介してそれぞれ1つの送風機14に接続され、その接続も一対一に対応し、ホースは受粉管が一定の横方向移動空間を有することを確保することができる。各受粉管はいずれも送風機14により、そのエアブロー口21における気流の大きさを制御することができる。
【0021】
5つの気流速度センサ6はそれぞれ左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11の垂直管のベース23に固定され、気流速度センサ6の測定点はいずれも所在の受粉管の中心に伸びて、受粉管の内部の気流の大きさをリアルタイムに検出する。
【0022】
蓄電池18が四輪動力シャーシ1に固定され、気流制御のための5つのモータドライバ16がそれぞれ5つの支持板15の側面に一対一に対応して固定され、各モータドライバ16の電源入力端がケーブルを介して蓄電池18に接続され、蓄電池18がモータドライバ16に供電する。5つのモータドライバ16の出力端がケーブルを介してそれぞれ5つの送風機14に接続され、5つのモータドライバ16の制御端が制御ケーブルを介してコントローラ17に接続される。同時に、5つの気流速度センサ6もコントローラ17に接続され、受粉管内の気流データをコントローラ17に送信して、気流の大きさのリアルタイムな制御を実現することもできる。
【0023】
本実施例では、コントローラ17はPLC制御モジュールを用いて実現され、その構成原理ブロックは、
図4に示す通りである。各受粉管における気流速度センサ6が485回転TTLモジュールを介してPLC制御モジュールに接続され、ブルートゥースモジュール、タッチパネルがPLC制御モジュールに接続され、蓄電池18が電圧安定化モジュールを介してPLC制御モジュール、タッチパネルに供電し、5つのモータドライバ16とPLC制御モジュールが制御線を介して接続され、蓄電池がケーブルを介して5つのモータドライバ16に接続され、同時に、5つのモータドライバ16がそれぞれ5つの送風機14に接続され、ブルートゥースモジュールは外部と信号伝送を行うことに用いられる。操作を容易にするために、具体的なパラメータ設定は、タッチパネルにより行うことができる。
【0024】
本発明における昇降調整部材は、空気圧式受粉部材の上下の高さの調整を実現できる任意の機器であってもよい。本実施例では、昇降調整部材は、リードスクリューナット伝達装置により実現されてもよい。
図1を参照すると、当該昇降調整部材は、フレーム2、昇降レール3、スライダー4、リードスクリュー12及びステッピングモータ13を含み、フレーム2は、空気圧式受粉部材の取り付けフレームであり、その後端が四輪動力シャーシ1の前部に固定され、2本の昇降レール3がそれぞれ垂直方向に沿ってフレーム2の先端の両辺に平行に固定される。各昇降レール3にはいずれも1つのスライダー4が設けられ、スライダー4と昇降レール3とが移動対偶を構成し、昇降フレーム5の後部がスライダー4により昇降レール3に取り付けられ、スライダー4とともに上下移動可能である。昇降フレーム5にはボールナット19が固定され、リードスクリュー12の中下部がボールナット19により昇降フレーム5の中部に取り付けられ、リードスクリュー12とボールナット19とはネジ対を構成している。リードスクリュー12の上部がベアリングによりフレーム2の前上中部に取り付けられ、ステッピングモータ13がフレーム2の前上中部に固定され、リードスクリュー12の上端がステッピングモータ13に固定されて接続され、リードスクリュー12の中心軸線とステッピングモータ13の出力軸の軸線とは同一直線にある。これにより、ステッピングモータ13によりリードスクリュー12を駆動して回転させて、昇降フレーム5を上下移動させ、さらに昇降フレーム5に固定された空気圧式受粉部材の高さを調整して、吹き出された気流を、異なる高さの雄親本の穗部に向かって吹く出させることができる。
【0025】
本実施例では、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11の垂直セグメントの長さは、同じであるが、5本の受粉管の水平セグメントは同一平面にあるが、それらの長さが異なる。空気圧受粉効果を向上するために、5本の受粉管の水平セグメントの先端の中心の接続線が、四輪動力シャーシ1の内に向かって凹んでいるV字状を呈し、両側の受粉管が長く、中心の受粉管が最も短い。5本の受粉管のうち、隣接する2本の受粉管の水平セグメントの長さ差は、エアブロー口21の長さの1~1.5倍である。
【0026】
本実施例では、導流板22は三角形であり、かつ先端が大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の進行方向に向け、走行過程における水稻の穗部への損傷を減少させる。
【0027】
上記大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置に基づく受粉方法のステップは、以下の通りである。
中央受粉管9の縦方向中心と大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置の縦方向中心が同一垂直平面にあるように、中央受粉管9の昇降フレーム5の横方向における水平位置を調整し、続いて、スライドブッシュ20上のロックボルトにより昇降フレーム5との固定を行い、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11の水平セグメントの中心線が順に隣接する間隔を製種畑の6行の交雑水稲の雄親本に対応する5つの行間隔と一致させるように、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11を雄親本栽培行距離に応じて横方向に水平に調整し、そして、スライドブッシュ20上のロックボルトを利用して各受粉管を昇降フレーム5に固定させる、受粉管の分布を調整する第1のステップと、
交雑水稲の雄親本が盛花期の10:00にある前に、4つの走行駆動輪が6行の雄親本にまたがり、走行駆動輪が交雑水稲の雄親本と雌親本との隣接する畝の間に位置し、中央受粉管9の水平セグメントが6行の雄親本の最中心の2行の雄親本の畝間に位置するように、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を製種畑に走行させる、装置を交雑水稲の製種畑に移動する第2のステップと、
コントローラ17によりステッピングモータ13を制御して動作させ、ステッピングモータ13がリードスクリュー12を駆動して回転させ、リードスクリュー12が昇降フレーム5を上下移動させて、5本の受粉管を同期に上下移動させ、5本の受粉管のエアブロー口21が雄親本の穗領域の中下部に到達すると、移動を停止する、空気圧式受粉部材の高さを調整する第3のステップと、
現在の品種の交雑水稲の雄親本行に必要な受粉気流速度要求に応じて、コントローラ17により左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11のそれぞれのエアブロー口21における気流速度を設定し、次いで、コントローラ17によりモータドライバ16を制御して5つの送風機14を動作させ、各受粉管のエアブロー口21において設定風速で気流を出力する、受粉管の気流パラメータを調整する第4のステップと、
交雑水稲の雄親本が盛花期の10:30~14:30の区間にある場合に、上記受粉管の気流パラメータ調整の完成後で、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置が6行の交雑水稲の雄親本にまたがって、その中心に沿って前に向かって所定の速度で進行し、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8、中央受粉管9、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11がそれぞれ6行の交雑水稲の雄親本の行間に位置し、左側辺一方向受粉管7、左中間一方向受粉管8のエアブロー口21の気流が左に向かって左辺の2行の雄親本の穗部に吹き、右中間一方向受粉管10、右側辺一方向受粉管11のエアブロー口21の気流が右に向かって右辺の2行の雄親本の穗部に吹き、中央受粉管9の両側のエアブロー口21の気流がそれぞれ左右両辺に向かって中間の2行の雄親本の穗部に吹き、雄親本の花粉が気流及び穗部揺動の作用下で花芯から離脱して気流に伴ってドリフトし、左側の3行の雄親本の花粉が左方向気流の作用下で左側の隣接する雌親本行に向かって飛散し、右側の3行の雄親本の花粉が右方向気流の作用下で右側の隣接する雌親本行に向かって飛散し、雌親本の圃場の上方の気流速度に伴って徐々に下降し、花粉が重力の作用下で下向きに沈降し、一部の花粉が雌親本の穗部に沈んで、受粉を実現し、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置がこの圃場の6行の雄親本の終点まで走行する時、畑でUターンして隣接する別の圃場の6行の雄親本まで走行し、さらに受粉作業を行い、順に各雄親本の圃場に走行して受粉を行い、盛花期の10:30~14:30に毎日2~3回の受粉作業を行う、畑で受粉する第5のステップと、
毎日受粉が終了した後、まずコントローラ17によりモータドライバ16を制御して5つの送風機14を停止させ、次いで、大行比交雑水稲製種の空気圧式受粉装置を農業機械ライブラリに走行させて要求に応じて保守を行い、翌日の受粉に用意する、停止及び保守の第6のステップ。
【0028】
各受粉管の気流速度が異なってもよいので、各受粉管のエアブロー口21における気流速度は気流速度センサ6により管内流速が測定され、コントローラ17によりモータドライバ16で送風機14を制御して調整される。
【0029】
また、本発明では、5本の受粉管を用いて6行の雄親本に対して花粉を吹き飛ばして輸送するが、3本の受粉管が4行の雄親本に対応し、及び7本の受粉管が8行の雌親本に対応するなどの形態であってもよい。
【0030】
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の技術的本質に基づいて上記実施例に対して行われた軽微な修正、同等の置換及び改善は、いずれも本発明の技術手段の保護範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】