(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ディスプレイの駆動制御方法、制御装置及びディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20221007BHJP
G09G 3/3208 20160101ALI20221007BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
G09G3/20 623E
G09G3/3208
G09G3/36
G09G3/20 631V
G09G3/20 612U
G09G3/20 623R
G09G3/20 641P
G09G3/20 611A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505524
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2020137170
(87)【国際公開番号】W WO2021129510
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911366418.3
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517095847
【氏名又は名称】▲蘇▼州椒▲圖▼▲電▼子有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU JIAOTU ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.78,Keling Road,Software Park Suzhou Science & Technology Town,Suzhou,Jiangsu,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 青青
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C006AF13
5C006AF43
5C006AF45
5C006AF82
5C006BC11
5C006BF14
5C006BF22
5C006BF25
5C006FA41
5C006FA47
5C080AA06
5C080AA07
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5C080BB05
5C080DD22
5C080DD26
5C080EE28
5C080FF11
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5C080JJ02
5C080JJ07
5C380AA01
5C380AA03
5C380BA01
5C380BA11
5C380BA46
5C380CA08
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5C380CF13
5C380CF27
5C380CF48
5C380CF56
5C380CF61
5C380DA05
5C380DA33
5C380DA47
5C380FA11
5C380FA12
5C380FA22
(57)【要約】
本発明は、現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップと、各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定するステップと、各列チャンネルを充電又は放電するように各列チャンネルの充放電回路中の充放電スイッチを制御し、所定のクロック周期に基づいて計数器を用いて各列チャンネルの充放電時間を計数し、計数器の計数値をそれぞれ各列チャンネルの対応する目標計数値と比較し、比較結果に基づいてそれぞれ各列チャンネルの充放電回路の充放電スイッチを制御して、計数器の計数値が各列チャンネルの充電又は放電の対応する目標計数値と一致するようになると、この列チャンネルの充放電を終了するステップとを含むディスプレイの駆動制御方法、制御装置及びディスプレイを提供する。本発明を実現する際に、構造が簡単であり、回路規模が小さいだけではなく、電力消費が低い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ画素アレイの列駆動制御過程において、少なくとも1つの充放電段階を含み、各充放電段階は、
ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップと、
各サブ画素の現在階調値と、段階目標階調値と、サブ画素の異なる初期階調値と特定の段階目標階調値になった時の充放電目標計数値とのマッピング関係を保存した、予め保存されたルックアップテーブルとに基づいて、現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定するステップと、
各列チャンネルを充電又は放電するように各列チャンネルの充放電回路中の充放電スイッチを制御し、所定のクロック周期に基づいて計数器を用いて各列チャンネルの充放電時間を計数し、計数器の計数値をそれぞれ各列チャンネルの対応する目標計数値と比較し、比較結果に基づいてそれぞれ各列チャンネルの充放電回路の充放電スイッチを制御して、計数器の計数値が各列チャンネルの充電又は放電の対応する目標計数値と一致するようになると、この列チャンネルの充放電を終了するステップと、を含むことを特徴とするディスプレイの駆動制御方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの充放電段階とは1つの充放電段階を指し、
ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する前記ステップは、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定する前記ステップは、同一の列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値がその前の走査行に対応する最初階調値以上であれば、現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定するステップを含み、
各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定する前記ステップは、
現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、それぞれ現在列チャンネルの現在走査行と前の走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、
現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、それぞれサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差及びサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの前の走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの充放電段階は、初期化充放電段階と正式充放電段階を含み、
前記初期化充放電段階では、ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する前記ステップは、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップを含み、
正式充放電段階では、ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する前記ステップは、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値がサブ画素最小階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを充電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値であると決定し、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値サブ画素が最大階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値であると決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定する前記ステップは、
現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値との和がサブ画素最大階調値とサブ画素最小階調値との和以上であれば、現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
初期化充放電段階と正式充放電段階では、
各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定する前記ステップは、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、
現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、サブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップとを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
計数器の計数値が充放電目標計数値中の最大目標計数値に到達すると、計数器を0にすることを特徴とする請求項1-6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
行駆動制御回路と列駆動制御回路を備え、前記列駆動制御回路は、
それぞれ充放電スイッチが接続された、ディスプレイ画素アレイ中の各列チャンネルを充放電するように構成される列チャンネル充放電回路と、
クロック周期に基づいて列チャンネル充放電回路全体の充放電時間を計数するように構成される計数器と、
それぞれ前記計数器の計数値を第1入力とし、各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を第2入力とし、入力された計数器の計数値と充放電目標計数値に基づいて列チャンネル充放電回路中の各列チャンネルに対応する充放電スイッチを制御し、その個数が前記列チャンネルの個数と同じである複数のコンパレータと、
現在走査行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定し、各サブ画素の現在階調値と、段階目標階調値と、サブ画素の異なる初期階調値と特定の段階目標階調値になった時の充放電目標計数値とのマッピング関係を保存した、予め保存されたルックアップテーブルとに基づいて、現在走査行中の各列チャンネルに対応する前記充放電目標計数値を決定し、前記充放電目標計数値を対応するコンパレータに送信し、列チャンネル充放電回路の充放電状態に応じて計数器の計数値を制御するように構成される制御素子と、を備えることを特徴とするディスプレイの駆動制御装置。
【請求項9】
前記制御素子は、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記制御素子は、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、それぞれ現在列チャンネルの現在走査行と前の走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とし、
前記制御素子は、現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、それぞれサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差及びサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの前の走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とすることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記列チャンネル充放電回路は2M個の充放電スイッチを備え、各列チャンネルにはそれぞれ列チャンネルの充電と放電とに用いられる2つの充放電スイッチが接続されており、Mが列チャンネルの数であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記制御素子の動作状態は、初期化充放電段階と正式充放電段階を含み、
前記初期化充放電段階では、前記制御素子は、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定し、
前記正式充放電段階では、前記制御素子は、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値がサブ画素最小階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを充電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値であると決定し、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値サブ画素が最大階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値であると決定することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記制御素子は、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とし、
前記制御素子は、現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、サブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とすることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記列チャンネル充放電回路は、各列チャンネルに共用される2つの充放電切り替えスイッチと、それぞれM個の列チャンネルに接続されたM個の充放電スイッチとを備え、前記充放電切り替えスイッチは制御素子によって制御され、前記M個の充放電スイッチは2つの充放電切り替えスイッチと提携してM個の列チャンネルの充電と放電を実現するように構成され、Mが列チャンネルの数であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記制御素子は、計数器の計数値が充放電目標計数値中の最大目標計数値に到達すると、計数器を0にすることを特徴とする請求項8-14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
請求項8-15のいずれか一項に記載のディスプレイの駆動制御装置を備えることを特徴とするディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの駆動表示技術に関し、特に、ディスプレイの駆動制御方法、制御装置及び前記制御方法及び/又は制御装置を用いたディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ及びマイクロ発光ダイオード(Micro-LED)ディスプレイは現在のディスプレイの主流となっている。LCD、OLED及びMicro-LED等の各種ディスプレイは、表示と発光原理が完全に同じではないが、それらの画素アレイ及び制御回路が基本的に同じであり、
図1にはN個の行チャンネルとM個の列チャンネルを含む、サブ画素解像度がM*Nのディスプレイの大体の回路モデルが示されており、図におけるRXが列チャンネルXの集中抵抗であり、C
net_Xが列チャンネルXの配線集中容量であり、C
s_Y.Xが列チャンネルXのY行目の画素回路の集中蓄積容量であり、C
net_XがC
s_Y.Xを遥かに上回っている。
【0003】
図1におけるディスプレイの画素アレイ及びその制御回路に示すように、その駆動制御は行駆動制御と列駆動制御を含み、その中で、行駆動制御は主に行走査を行い、ある行を走査した時に、行駆動制御回路はこの行の全ての画素回路を同時にオンし、列駆動制御は走査されたこの行の全ての画素回路を目標階調電圧まで充放電する。ある行を走査した時に、その中の1つの列チャンネルの充放電原理は更に
図2に示すようにモデル化可能であり、その充放電モデルは実は抵抗容量を直列接続した充放電回路である。
図2では、Rは1本の列チャンネルでの集中抵抗であり、Cは1本の列チャンネルでの集中容量であり、容量Cの両端の最終電圧はこのサブ画素の発光明るさを定める。
【0004】
従来の列駆動制御方法は、列チャンネル毎に単独した回路で充放電するようになっており、一連の階調電圧発生回路を必要とすることに加えて、各列チャンネル負荷を充放電するために、更に列チャンネル毎に単独したデジタル/アナログ変換器DACと単独した出力ゲイン増幅器を必要とし、その具体的な駆動回路模式図は
図3に示される。
【0005】
図1に示すディスプレイに対しては、同時に充放電を必要とする列チャンネルの数がMであり、画像階調値精度がPであると仮定すると、従来の駆動制御方法は少なくともM個のデジタル/アナログ変換器DAC、M個の出力ゲイン増幅器OP、一連の階調電圧発生回路D
m及びM*P個のレベルシフト回路(Level shifts)を必要とする。
図3から分かるように、従来の列駆動制御方法は回路規模が大きいだけではなく、コストが高く、電力消費も高い。
【0006】
回路規模が大きく、コストが高く、電力消費が高い等の従来の駆動制御方式の欠点をいかにして克服するかは、迫って解決しようとする問題となる。
【発明の概要】
【0007】
以上に鑑みて、従来技術に存在する1つ又はより多い欠点を解消又は改善するために、本発明の実施例はディスプレイの駆動制御方法、制御装置及びこの制御装置を備えたディスプレイを提供する。
本発明の一態様によれば、ディスプレイの駆動制御方法を提供しており、ディスプレイ画素アレイの列駆動制御過程において、当該方法は、少なくとも1つの充放電段階を含み、各充放電段階は、
ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップと、
各サブ画素の現在階調値と、段階目標階調値と、サブ画素の異なる初期階調値と特定の段階目標階調値になった時の充放電目標計数値とのマッピング関係を保存した、予め保存されたルックアップテーブルとに基づいて、現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定するステップと、
各列チャンネルを充電又は放電するように各列チャンネルの充放電回路中の充放電スイッチを制御し、所定のクロック周期に基づいて計数器を用いて各列チャンネルの充放電時間を計数し、計数器の計数値をそれぞれ各列チャンネルの対応する目標計数値と比較し、比較結果に基づいてそれぞれ各列チャンネルの充放電回路の充放電スイッチを制御して、計数器の計数値が各列チャンネルの充電又は放電の対応する目標計数値と一致するようになると、この列チャンネルの充放電を終了するステップと、を含む。
いくつかの実施例においては、前記少なくとも1つの充放電段階とは1つの充放電段階を指し、
ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する前記ステップは、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップを含む。
いくつかの実施例においては、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定する前記ステップは、同一の列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値がその前の走査行に対応する最初階調値以上であれば、現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定するステップを含み、
各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定する前記ステップは、
現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、それぞれ現在列チャンネルの現在走査行と前の走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、
現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、それぞれサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差及びサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの前の走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、を含む。
いくつかの実施例においては、前記少なくとも1つの充放電段階は、初期化充放電段階と正式充放電段階を含み、
前記初期化充放電段階では、ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する前記ステップは、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップを含み、
正式充放電段階では、ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する前記ステップは、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値がサブ画素最小階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを充電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値であると決定し、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値サブ画素が最大階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値であると決定するステップを含む。
いくつかの実施例においては、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定する前記ステップは、
現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値との和がサブ画素最大階調値とサブ画素最小階調値との和以上であれば、現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定するステップを含む。
いくつかの実施例においては、初期化充放電段階と正式充放電段階では、
各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定する前記ステップは、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、
現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、サブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップとを含む。
いくつかの実施例においては、計数器の計数値が充放電目標計数値中の最大目標計数値に到達すると、計数器を0にする。
本発明の一態様によれば、ディスプレイの駆動制御装置をさらに提供しており、この装置は、
行駆動制御回路と列駆動制御回路を備え、前記列駆動制御回路は、
それぞれ充放電スイッチが接続された、ディスプレイ画素アレイ中の各列チャンネルを充放電するように構成される列チャンネル充放電回路と、
クロック周期に基づいて列チャンネル充放電回路全体の充放電時間を計数するように構成される計数器と、
それぞれ前記計数器の計数値を第1入力とし、各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を第2入力とし、入力された計数器の計数値と充放電目標計数値に基づいて列チャンネル充放電回路中の各列チャンネルに対応する充放電スイッチを制御し、その個数が前記列チャンネルの個数と同じである複数のコンパレータと、
現在走査行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定し、各サブ画素の現在階調値と、段階目標階調値と、サブ画素の異なる初期階調値と特定の段階目標階調値になった時の充放電目標計数値とのマッピング関係を保存した、予め保存されたルックアップテーブルとに基づいて、現在走査行中の各列チャンネルに対応する前記充放電目標計数値を決定し、前記充放電目標計数値を対応するコンパレータに送信し、列チャンネル充放電回路の充放電状態に応じて計数器の計数値を制御するように構成される制御素子と、を備える。
いくつかの実施例においては、前記制御素子は、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する。
いくつかの実施例においては、前記制御素子は、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、それぞれ現在列チャンネルの現在走査行と前の走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とし、
前記制御素子は、現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、それぞれサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差及びサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの前の走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とする。
いくつかの実施例においては、前記列チャンネル充放電回路は2M個の充放電スイッチを備え、各列チャンネルにはそれぞれ列チャンネルの充電と放電とに用いられる2つの充放電スイッチが接続されており、Mが列チャンネルの数である。
いくつかの実施例においては、前記制御素子の動作状態は、初期化充放電段階と正式充放電段階を含み、
前記初期化充放電段階では、前記制御素子は、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定し、
前記正式充放電段階では、前記制御素子は、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値がサブ画素最小階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを充電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値であると決定し、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値サブ画素が最大階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値であると決定する
いくつかの実施例においては、前記制御素子は、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とし、
前記制御素子は、現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、サブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とする。
いくつかの実施例においては、
前記列チャンネル充放電回路は、各列チャンネルに共用される2つの充放電切り替えスイッチと、それぞれM個の列チャンネルに接続されたM個の充放電スイッチとを備え、前記充放電切り替えスイッチは制御素子によって制御され、前記M個の充放電スイッチは2つの充放電切り替えスイッチと提携してM個の列チャンネルの充電と放電を実現するように構成され、Mが列チャンネルの数である。
【0008】
いくつかの実施例においては、
前記制御素子は、計数器の計数値が充放電目標計数値中の最大目標計数値に到達すると、計数器を0にする。
【0009】
本発明の別の態様によれば、更に、上述したディスプレイの駆動制御装置を備えたディスプレイを提供する。
【0010】
本発明の上記ディスプレイの駆動制御方法、制御装置及びディスプレイは、1つの計数器、列チャンネルの数と同じ個数の数値コンパレータ及び複数の充放電スイッチ回路だけで、全ての列チャンネルをそれぞれの目標階調電圧まで充放電することができ、構造が簡単であるだけではなく、回路規模が小さく、コストが低く、電力消費も低い。
【0011】
本発明の付加メリット、目的及び特徴については、以下で部分的に説明し、当業者にとって、以下の内容を研究した後部分的に明らかになり、又は本発明の実践により知ることができる。本発明の目的と他のメリットは、書面説明、その特許請求の範囲及び図面に具体的に示されている構造によって実現して得ることができる。
【0012】
当業者であれば、本発明で実現可能な目的とメリットが以上で具体的に記述したものに限定されないことを理解可能であり、また、以下の詳細な説明により、本発明で実現可能な上記の目的と他の目的をより明瞭に理解可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ここで説明する図面は本発明を更に理解させ、本願の一部を構成するためのものであり、本発明を限定するものとならない。図面における部材は比例に従って描いたものではなく、本発明の原理を示すためのものに過ぎない。本発明のある部分を容易に示して説明するために、図面における対応部分を拡大することがあり、即ち、本発明により実際に製造した例示的装置中の他の部材より大きくなることがある。
【0014】
【
図1】従来のディスプレイの画素アレイ及びその制御回路の模式図である。
【
図2】画素アレイにおける列チャンネルの充放電原理のモデル化模式図である。
【
図3】従来の列チャンネル駆動回路の模式図である。
【
図4】本発明の一実施例におけるディスプレイの駆動制御回路の模式図である。
【
図5】本発明の別の実施例におけるディスプレイの駆動制御回路の模式図である。
【
図6】本発明の一実施例におけるディスプレイの駆動制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術手段及びメリットをより明らかにするために、以下、実施形態と図面を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。ここで、本発明の例示的な実施形態及びその説明は本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定する意図がない。
【0016】
ここで、不必要な細かい点によって本発明が曖昧になることを回避するために、本発明にかかる手段に緊密に関連する構造及び/又は処理ステップのみが図面に示され、本発明との関係が大きくない他の細かい点が省略されることを更に説明する必要がある。
【0017】
用語の「含む/含有する」は本明細書で使用する時に特徴、要素、ステップ又はコンポーネントの存在を意味するが、1つ又はより多い他の特徴、要素、ステップ又はコンポーネントの存在又は付加を排除するというわけではないことを強調すべきである。
【0018】
ここで、特に説明しない限り、用語の「接続」は本明細書で直接的接続を指してもよいし、中間物が介在する間接的接続を意味してもよいことを更に説明する必要がある。
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。図面において、同じ図面符号は同じ又は類似的な部材、或いは同じ又は類似的なステップを示す。
【0020】
図2のモデル化模式図の対応する回路充放電原理理論によれば、抵抗と容量を直列接続した回路中の容量両端電圧の時間に伴った変化U
C(t)の数式は式(1)と式(2)に示すとおりである。
ただし、式(1)は容量両端電圧Ucの0ボルトからU0までの充電過程における時間に伴った変化の関係を示し、式(2)は容量両端電圧UcのU
0から0ボルトまでの放電過程における時間に伴った変化の関係を示し、ただし、U
0は容量両端が到達する充電目標電圧又は放電時の初期電圧であり、eは自然対数であり、Rは抵抗の抵抗値であり、Cは容量の数値であり、tは時間である。RとCとの積を時定数τと定義し(即ち、τ=R*C)、一般的には、時間t=5*τの時、容量充放電が終了すると考えられる。実際にはディスプレイの各列チャンネルの充放電定数が大体同じであり、又は、わずかに異なり、各列チャンネルの充放電定数τが同じであると考えてもよく、τ
aと記する。
【0021】
本発明は上記の式(1)と(2)に基づいて設計されたものであり、具体的な原理は以下のとおりである。
【0022】
画素アレイ中のサブ画素最大階調値がD
maxであり(画像階調値精度がPであれば、D
maxが2のP乗である)、対応する階調電圧がV
maxであり(一般に電源電圧U0である)、サブ画素最小階調値がD
minであり(一般に0である)、対応する階調電圧がV
minであり(一般にグランド電圧0ボルトである)、また、(V
max+V
min)=U
0であると仮定する。V
minから△V充電するには時間t
1を必要とし、V
maxから△V放電するには時間t
2を必要とすると仮定すれば、式(1)と式(2)により解くと、t
1とt
2はそれぞれ下記のとおりである。
また、(V
max+V
min)=U
0であるため、t
1がt
2に等しく、即ち、同じ電圧量△VによるV
maxからの充電とV
minからの放電に必要な時間が同じである。
【0023】
ここで、各列チャンネルのVminからVmaxまでの充電又はVmaxからVminまでの放電に必要な時間がTAであると仮定し、本発明は、この充放電時間TAに対して、1つのクロックによって0からクロック周期(クロック周期がTC)毎に1増えるように計数し、計数する最大値をEmaxと記し(EmaxはTAをTCで割った商に対して切り捨てたものである)、ここで、クロック周期TCは好ましくはEmax値をDmaxより16倍大きくする値を選択する。
【0024】
各列チャンネルのVminからVmaxまでの充電、又はVmaxからVminまでの放電に必要な時間が同じなので、本発明の実施例では、1枚のルックアップテーブルによってサブ画素最初階調値G(GがDmin以上且つDmax以下)を計数器計数値0~Emaxのうちの値Yとしてマッピングする。ルックアップテーブルに保存されているのはサブ画素の異なる初期階調値と階調値が目標階調値(Dmax又はDmin)になった時の充放電目標計数値とのマッピング関係である。列チャンネルを充電する必要がある場合に、ルックアップテーブルの入力がGであり、列チャンネルを放電する必要がある場合に、ルックアップテーブルの入力が(Dmax-G)であり、ルックアップテーブルの出力がYであり、Yが充放電目標階調電圧に対応する目標計数値である。従って、本発明はディスプレイの駆動制御回路及び制御方法を提供することを旨とし、計数器を用いて列チャンネルの充放電過程を計数し、計数値が目標計数値に達すると、列チャンネルの充電を終了でき、それによって、デジタル/アナログ変換器DAC、ゲイン増幅器、階調電圧発生回路、レベルシフト回路等の複雑な回路構造が不要である。
【0025】
本発明のディスプレイの駆動制御回路は様々な形態で実現可能であり、以下、いくつかの例を挙げる。
【0026】
図4は本発明の一実施例におけるディスプレイの駆動制御回路の模式図を示す。
図4に示すように、この駆動制御回路はM個の列チャンネルに対して充電制御を行うように構成され、この駆動制御回路は、列チャンネル充放電回路10、計数器、M個のコンパレータCMP
m(m=1、2、…、M)及び制御素子(未図示)を備える。
【0027】
列チャンネル充放電回路10は、それぞれ充放電スイッチが接続された、ディスプレイ画素アレイ中の各列チャンネルを充放電するように構成される。
図4に示す例において、列チャンネル充放電回路は、充放電電源U、各列チャンネルに共用される2つの充放電切り替えスイッチS
max、S
min及びそれぞれM個の列チャンネルに接続されたM個の充放電スイッチSW
1、SW
2、…、SW
Mを備える。充放電切り替えスイッチS
max、S
minは制御素子によってオンオフを制御可能であり、M個の充放電スイッチはM個のコンパレータによってオンオフを制御可能であり、M個の充放電スイッチは2つの充放電切り替えスイッチと提携してM個の列チャンネルの充電と放電を実現するように構成される。本発明の実施例では、M個の充放電スイッチは、例えばトライオードスイッチであってもよいが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0028】
計数器は、クロック周期TCに基づいて列チャンネル充放電回路全体の充電時間を計数するように構成される。クロック周期TCは好ましくはEmax値をDmaxより16倍大きくする値を選択する。
【0029】
M個のコンパレータのうちの各コンパレータCMPmの第1入力が計数器の計数値であり、第2入力が各列チャンネルの対応する充放電目標計数値Ymであり、CMPmは入力された計数器の計数値と充放電目標計数値Ymに基づいて列チャンネル充放電回路における各列チャンネルに対応する充放電スイッチSWmを制御する。本発明の実施例では、各列チャンネルの対応する充放電目標計数値Ymは、制御素子がルックアップテーブルで調べることによって決定し且つコンパレータに提供するものである。本発明の実施例では、コンパレータの出力はバイアス電圧として充放電切り替えスイッチのベースに入力されて、充放電切り替えスイッチのオンオフを制御するようになってもよいが、本発明はそれに限定されるものではなく、更に他の制御方式を採用してもよい。
【0030】
制御素子は、計数器とコンパレータに接続されており、現在走査行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定し、各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定し、充放電目標計数値を対応するコンパレータに送信し、列チャンネル充放電回路の充放電状態に応じて計数器の計数値を制御するように構成される。本発明の実施例では、制御素子はワンチップマイコン、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等によって実現可能であるが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0031】
図4に対応する実施例では、制御素子はそれぞれの目標階調電圧までの全ての列チャンネルの充放電を2つの段階に分け、第1段階では、全ての列チャンネルに対して電圧を初期化し(又は初期化充放電段階と称し、初期化段階と略称してもよい)、第2段階では、全てのチャンネルをその目標階調電圧まで充放電する(正式充放電段階と称してもよい)。
【0032】
つまり、制御素子の動作状態は初期化充放電段階と正式充放電段階を含む。初期化充放電段階では、制御素子は、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する。
【0033】
図4に示すように、行毎に走査して全ての列チャンネルを充放電し始める前に、充放電のためのスイッチ(図におけるS
min、S
max、SW
1…SW
M)が全てオフ状態にあり、計数器の値CNTが0にされている。ディスプレイが走査している現在画像の現在行の全てのサブ画素階調平均値がD
aveであり、その前の行の全てのサブ画素階調平均値がD
ave-
preであると仮定すると、第1段階では、制御素子は、現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値が(D
max-D
ave-
pre+D
max-D
ave)>(D
ave-
pre-D
min+D
ave-D
min)、即ち(D
max+D
min)>(D
ave-
pre+D
ave)を満足するか否かを決定し、満足する場合に、列チャンネルを放電すべきであると決定する。それによって、全てのサブ画素の初期化充放電段階での各列チャンネルに対応する目標階調値がD
minであると決定できる。また、制御素子は、列チャンネルを放電すると決定した場合に、サブ画素最大階調値D
maxと現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値G
mとの差(即ち、D
max-G
m)をルックアップテーブルの入力として、ルックアップテーブルに基づいて取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値Y
m(即ち、Y
1、Y
2、…、Y
M)とする。充放電目標計数値Y
mを決定した後、制御素子はスイッチS
minをオンするように制御でき、それと同時に、計数器とY
mはコンパレータをトリガして、全ての列チャンネルの充放電スイッチSW
1、…、SW
Mをオンする。計数器は計数し始め、計数器の値CNTがE
maxになると、0にされ、それと同時にS
minをオフし、全ての列チャンネルをV
minまで放電する。制御素子は、列チャンネルを充電すると決定した場合に、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値(即ち、G
m)をルックアップテーブルの入力として、ルックアップテーブルに基づいて取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値Y
m(即ち、Y
1、Y
2、…、Y
M)とする。充放電目標計数値Y
mを決定した後、制御素子はスイッチS
maxをオンするように制御でき、それと同時に、計数器とY
mはコンパレータをトリガして、全ての列チャンネルの充放電スイッチSW
1、…、SW
Mをオンする。計数器は計数し始め、計数器の値CNTがE
maxになると、0にされ、それと同時にS
maxをオフし、全ての列チャンネルをV
maxまで放電する。
【0034】
そのようにして、第1段階(初期化充放電段階)は全ての列チャンネルを初期電圧(Vmin又はVmax)まで充放電する目的を実現した。
【0035】
第2段階(正式充放電段階)では、第1段階と反対であり、制御素子は、第1段階で現在行の全てのサブ画素の階調値をサブ画素最小階調値に初期化した(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vminに初期化した)ことを確定した時に、現在列チャンネルを充電すべきであると決定し、また、全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値である(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vmaxまで充電すべきである)と決定し、この時にスイッチSmaxをオンして全ての列チャンネルを充電し、それと同時に、計数器は0から計数し、計数器の値CNTが、1つ又は複数の列チャンネルに対応するサブ画素階調値をルックアップテーブルによってマッピングした後の値Ymに等しくなると、これらの列チャンネルの充放電スイッチをオフし、これらの列チャンネルの充電が完了し、続いて、計数器はEmaxまで計数し続け、全ての列チャンネルの充電が完了すると、これらの充放電スイッチを全てオフし、計数器の値を0にして計数を停止する。制御素子は、第1段階で現在行の全てのサブ画素の階調値をサブ画素最大階調値に初期化した(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vmaxに初期化した)ことを確定した時に、現在列チャンネルを放電すべきであると決定し、また、全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値である(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vminまで充電すべきである)と決定し、スイッチSminをオンして全ての列チャンネルを放電し、それと同時に、計数器は0から計数し、計数器の値CNTが、1つ又は複数の列チャンネルに対応するサブ画素階調値をルックアップテーブルによってマッピングした後の値Ymに等しくなると、これらの列チャンネルの充放電スイッチをオフし、これらの列チャンネルの放電が完了し、続いて、計数器はEmaxまで計数し続け、全ての列チャンネルの放電が完了すると、これらの充放電スイッチを全てオフし、計数器の値を0にして計数を停止する。
【0036】
ここまで2つの段階の充放電が終了し、本発明の解決手段1によるディスプレイ列チャンネルの駆動制御方法は全部完了する。
【0037】
上記実施例においては、初期化段階で、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値との和と最大階調値と最小階調値との和を比較することで、各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、且つ全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する。ただし、本発明はそれに限定されるものではなく、各列チャンネルを充電するか放電するかを他の方式によって判断してもよい。例えば、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値を比較することで、各列チャンネルを充電するか放電するかを決定してもよく、例えば、Dave≧Dave-preの場合に、初期化段階で列チャンネルを放電すべきであることを表し、逆には初期化段階で列チャンネルを充電すべきであることを表す。
【0038】
図4に示すように、本実施例では、自動的に1増える計数器1個、数値コンパレータM個及び充放電用スイッチM+2個だけで、全ての列チャンネルをそれぞれの目標階調電圧まで充放電することができる。回路構造と回路規模を簡素化した上で、コストと電力消費を低減した。
【0039】
図5は本発明の別の実施例におけるディスプレイの駆動制御回路の模式図を示す。
図5に示すように、この駆動制御回路はM個の列チャンネルに対して充電制御を行うように構成され、この駆動制御回路は、列チャンネル充放電回路10、計数器、M個のコンパレータCMP
m(m=1、2、…、M)及び制御素子(未図示)を備える。
【0040】
図5に示す例では、列チャンネル充放電回路10は、充放電電源U、それぞれM個の列チャンネルに接続された2M個の充放電スイッチ(M個の充電スイッチSC
1、SC
2、…、SC
M及びM個の放電スイッチSF
1、SF
2、…、SF
Mを含む)を備え、各列チャンネルに2つの充放電スイッチが接続されている。2M個の充放電スイッチはM個のコンパレータによってオンオフを制御可能であり、即ち、各コンパレータは、それぞれ列チャンネルの充電と放電に用いられる1つの充電スイッチと1つの放電スイッチを制御して、M個の列チャンネルの充電と放電を実現する。
【0041】
図5に示す列チャンネル制御回路の解決手段(解決手段2)は、全ての列チャンネルの電圧を初期化する段階を含まなく、1つの段階のみを含み、即ち、全ての列チャンネルを直接充放電することになり、ただし、全ての列チャンネルの充放電がその前の行の目標階調電圧から始まることを
図4に示す解決手段(解決手段1)との相違点とする。即ち、本実施例では、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する。
【0042】
より具体的には、例として、同一の列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値がその前の走査行に対応する最初階調値以上であれば、制御素子は現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定する。
図5に示すように、ある列チャンネルmの現在行の最初階調値がG
mであり、前の行の最初階調値がG
m_
preであると仮定する。G
m≧G
m_
preの場合に、走査現在行を充電する必要があることを表し、それと同時にG
mとG
m_
preに対してルックアップテーブルで調べてY
mとY
m_
preを得る。G
m<G
m_
preの場合に、走査現在行を放電する必要があることを表し、それと同時に(D
max-G
m)と(D
max-G
m_
pre)に対してルックアップテーブルで調べてY
mとY
m_
preを得、Y
mとY
m_
preとの差の絶対値を△Y
mと記し、即ち、△Y
m=|Y
m-Y
m_
pre|であり、△Y
mをこの列チャンネルの数値コンパレータの一方の入力とし、コンパレータの他方の入力が計数器CNTの値である。
【0043】
図5に示すように、現在行の全ての列チャンネルを充放電し始める前に、2M個の充放電スイッチ回路(
図5におけるSC
1、SC
2、…、SC
M及びSF
1、SF
2、…、SF
M)が全てオフ状態にあり、計数器の値CNTが0にされている。充放電を開始した後、ある列チャンネルの走査現在行を充電する必要がある場合に、その充電スイッチSC
mをオンし、放電する必要がある列チャンネルに対してはその放電スイッチSF
mをオンし、それと同時に、計数器は0から計数し、計数器の値CNTが、1つ又は複数の列チャンネルに対応するサブ画素階調値をルックアップテーブルによってマッピングした後の値△Y
mに等しくなると、これらの列チャンネルの充電スイッチ又は放電スイッチをオフし、これらの列チャンネルの充放電が完了し、続いて、計数器はE
maxまで計数し続け、全ての列チャンネルの充放電が完了すると、スイッチを全てオフし、それは全ての列チャンネルの充放電が完了したことを意味し、計数器は値を0にして計数を停止する。
【0044】
上記の充放電過程を経て、本発明の解決手段2によるディスプレイ列チャンネルの駆動制御方法は全部完了する。
【0045】
図5に示すように、本実施例では、自動的に1増える計数器1個、数値コンパレータM個及び充放電スイッチ2M個だけで、全ての列チャンネルをそれぞれの目標階調電圧まで充放電することができる。回路構造と回路規模を簡素化した上で、コストと電力消費を低減した。
【0046】
図4に示す解決手段1と
図5に示す解決手段2とを比較すれば、それぞれに長所と短所を有し、解決手段1は動的電力消費が相対的に大きいが、資源を節約し、解決手段2は動的電力消費が相対的に小さいが、回路資源が相対的に多い。
【0047】
本発明の別の実施例では、
図5に示す列チャンネルの駆動制御回路は2つの段階で列チャンネルに対して充放電制御を行ってもよい。この時に、
図4に示す回路の制御方式との相違点は、初期化段階を増加したことだけであり、初期化段階で、制御素子は、現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、現在行の全ての列チャンネルを充電する必要があると決定した時に、全ての列チャンネルの充電スイッチSC
mをオンし、現在行の全ての列チャンネルを放電する必要があると決定した時に、全ての列チャンネルの放電スイッチSF
mをオンする。具体的なプロセスについては詳細に説明しない。
【0048】
第2段階(正式充放電段階)では、第1段階と反対であり、制御素子は、第1段階で現在行の全てのサブ画素の階調値をサブ画素最小階調値に初期化した(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vminに初期化した)ことを確定した時に、現在列チャンネルを充電すべきであると決定し、また、全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値である(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vmaxまで充電すべきである)と決定し、この時に充電スイッチSC1、SC2、…、SCMを全てオンして全ての列チャンネルを充電し、それと同時に、計数器は0から計数する。制御素子は、第1段階で現在行の全てのサブ画素の階調値をサブ画素最大階調値に初期化した(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vmaxに初期化した)ことを確定した時に、現在列チャンネルを放電すべきであると決定し、また、全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値である(即ち、全ての列チャンネルを電圧Vminまで充電すべきである)と決定し、放電スイッチSF1、SF2、…、SFMを全てオンして全ての列チャンネルを充電し、それと同時に、計数器は0から計数する。
【0049】
実際の操作では、ディスプレイの各列チャンネルの充放電定数はわずかに相違することがあり、各列チャンネル充放電定数の対応する最大目標計数値Emaxの値は仮定と検出の方法で得られ、具体的なやり方としては、昇順に計数器の最後のEmaxがある値Zであると仮定し、続いて計数器が0から計数し、それと同時に、計数器の計数値がZになるまで全ての列チャンネルをVminから充電し、その後充電を停止し、全ての列チャンネルにおける電圧を検査し、電圧がVmaxに達した列チャンネルの充放電定数の対応するEmaxがこの時のZ値となり、その後Z値に1増え、全ての列チャンネルのEmax値を見出すまで、他の列チャンネルに対してその前のステップを繰り返すことである。各列チャンネルのEmax値間に大きい差が存在することを発見した場合に、無視してはならず、Emax値が最も大きい列チャンネルのこのEmax値を計数器の最後のEmax値としてもよく、Emax値が小さい他の列チャンネルに関しては、その対応するサブ画素階調値をルックアップテーブルでマッピングした後のY値により補償してから、この列チャンネルの数値コンパレータに出力すればよい。
【0050】
本発明の実施例におけるルックアップテーブルは、数値ガンマ補正テーブルと組み合わせて1枚のテーブルにしてもよい。
【0051】
上述した本発明のディスプレイ駆動制御は、単純な数値の方法を採用して全ての列チャンネルを統一的に充放電し、構造が簡単で、回路規模が小さく、コストが低く、電力消費が低い等の特徴を有する。
【0052】
対応的に、本発明は、更に、上記ディスプレイ駆動制御回路を備えるディスプレイを提供する。
【0053】
対応的に、本発明は、更に、ディスプレイ画素アレイの列駆動制御過程において、
図6に示すように、それぞれ下記ステップS110~S130を含む少なくとも1つの充放電段階を含むディスプレイ駆動制御方法を提供する。
【0054】
ステップS110で、ディスプレイ画素アレイの現在走査されている行における全てのサブ画素の段階目標階調値を決定する。
【0055】
上述したように、この方法には初期化段階を含まず、1つの充放電段階のみを含む場合に、このステップは、各列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値と前の走査行に対応する最初階調値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップを含んでもよい。例えば、同一の列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値がその前の走査行に対応する最初階調値以上であれば、現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって現在行の全てのサブ画素の段階目標階調値を決定できる。この方法には初期化充放電段階と正式充放電段階を含む場合に、初期化段階では、このステップは、走査されている現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値を決定し、現在行の階調平均値と前の行の階調平均値に基づいて各列チャンネルを充電するか放電するかを決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定するステップを含む。例えば、現在行の全てのサブ画素の階調平均値と前の行の全てのサブ画素の階調平均値との和がサブ画素最大階調値とサブ画素最小階調値との和以上であれば、現在列チャンネルを充電すると決定し、逆には現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値を決定できる。
【0056】
正式充放電段階では、このステップは、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値がサブ画素最小階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを充電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最大階調値であると決定し、初期化充放電段階の後に現在行の全てのサブ画素の階調値サブ画素が最大階調値であると決定した時に、現在列チャンネルを放電すると決定し、それによって全てのサブ画素の段階目標階調値がサブ画素最小階調値であると決定するステップを含む。
【0057】
ステップS120で、各サブ画素の現在階調値、段階目標階調値及び予め保存されたルックアップテーブルに基づいて現在走査行における各列チャンネルの対応する充放電目標計数値を決定する。
【0058】
初期化段階を含まない手段においては、このステップは、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、それぞれ現在列チャンネルの現在走査行と前の走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、それぞれサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差及びサブ画素最大階調値と現在列チャンネルの前の走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、それぞれ第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値を取得して、前記第1充放電目標計数値と第2充放電目標計数値との差の絶対値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップとを含んでもよい。
【0059】
初期化充放電段階と正式充放電段階を含む手段においては、このステップは、現在列チャンネルを充電すると決定した場合に、現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップと、現在列チャンネルを放電すると決定した場合に、サブ画素最大階調値と現在列チャンネルの現在走査行に対応する最初階調値との差をルックアップテーブルの入力として、取得した充放電目標計数値を現在列チャンネルの対応する充放電目標計数値とするステップとを含んでもよい。
【0060】
ステップS130で、各列チャンネルを充電又は放電するように各列チャンネルの充放電回路中の充放電スイッチを制御し、所定のクロック周期に基づいて計数器を用いて各列チャンネルの充放電時間を計数し、計数器の計数値をそれぞれ各列チャンネルの対応する目標計数値と比較し、比較結果に基づいてそれぞれ各列チャンネルの充放電回路の充放電スイッチを制御して、計数器の計数値が各列チャンネルの充電又は放電の対応する目標計数値と一致するようになると、この列チャンネルの充放電を終了する。
【0061】
本発明の列駆動制御方法は従来の技術に比べると、実現複雑度を大幅に低下させ、コストと電力消費を低減した。
【0062】
上記実施例では、例として若干の回路形態と具体的なステップを記載、表示した。しかしながら、本発明の方法のプロセスは、記載、表示した回路形態と具体的なステップに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を理解した後、種々の変更、修正及び増加を行うことができる。
【0063】
本明細書で開示された実施形態に基づいて記載した各例示的構成部分、システム及び方法が、ハードウェア、ソフトウェア又は二者の組合わせで実現可能であることは当業者に明らかであろう。具体的にハードウェア方式で実行するか、ソフトウェア方式で実行するかは、技術手段の特定の応用と設計制約条件によって定める。専門知識を持つ者が特定の応用毎に異なる方法で記載された機能を実現できるが、このような実現を本発明の範囲を超えたものと見なしてはならない。ハードウェア方式で実現する時に、例えば、電子回路、専用集積回路(ASIC)、適切なファームウエア、インサート、機能カード等であってもよい。ソフトウェア方式で実現する時に、本発明の要素は必要なタスクを実行するためのプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、機械可読媒体に保存してもよいし、搬送波に含まれるデータ信号によって伝送媒体又は通信リンクで伝送してもよい。「機械可読媒体」としては、情報を記憶又は伝送可能な任意の媒体を含んでもよい。機械可読媒体の例としては、電子回路、半導体記憶装置、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フレキシブルディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバーメディア、無線周波(RF)リンク等を含む。コードセグメントは、例えば、インターネット、イントラネット等のコンピュータネットワークを介してダウンロード可能である。
【0064】
本発明に記載の例示的実施例では、一連のステップ又は装置に基づいて方法又はシステムを説明したが、本発明が上記のステップの順序に限定されるものではなく、つまり、実施例に記載の順序でステップを実行してもよく、実施例と異なる順序にしてもよく、又は若干のステップを同時に実行してもよいことを更に説明する必要がある。
【0065】
本発明において、一実施形態について説明及び/又は例示した特徴は、1つ又はより多い他の実施形態で同じ方式又は類似的な方式で使用し、及び/又は、他の実施形態の特徴と組み合わせ、又は他の実施形態の特徴を代替することが可能である。
【0066】
上述したのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の実施例に様々な変更と変化を加えることができる。本発明の趣旨と原則を逸脱しない限り、行われた修正、同等な取り替え、改良等は全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】