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特表2022-544057ニテニン類似体化合物ならびに慢性および急性疼痛の治療におけるそれらの使用
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  • 特表-ニテニン類似体化合物ならびに慢性および急性疼痛の治療におけるそれらの使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ニテニン類似体化合物ならびに慢性および急性疼痛の治療におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 407/14 20060101AFI20221007BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
C07D407/14 CSP
A61K31/341
A61P29/00
A61P25/04
A61P25/06
A61P25/02 101
A61P3/10
A61P25/08
A61P37/06
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506029
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 IB2020056915
(87)【国際公開番号】W WO2021019373
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】115685
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522037322
【氏名又は名称】シー4アス-ビオテクノロジア エ レクルソス マリーニョス,エリデーアー.
【氏名又は名称原語表記】SEA4US-BIOTECHNOLOGIA E RECURSOS MARINHOS,LDA.
【住所又は居所原語表記】Rua Do Poente,8650-378 Sagres(PT)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドス サントス バルタザール デ リマ,ペドロ アフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ ドス サントス,ベアトリス
(72)【発明者】
【氏名】マソ アブレウ,アナ ロサ
(72)【発明者】
【氏名】ピニェイロ バストス,アンドレ エマヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス デ ソウザ,マリサ イサベル
(72)【発明者】
【氏名】モンテイロ セラーン,ジョアナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ペナ リノ,シルヴィア パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴェイラ マキシモ,パトリシア イサベル
(72)【発明者】
【氏名】ピント フェレイラ,ルイーザ マリア
(72)【発明者】
【氏名】デ セリオ ブランコ,パウラ クリスチナ
(72)【発明者】
【氏名】ソヴェラ モウラン,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】ロサド サビノ,ヴァネッサ アレキサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ヒム トン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】クロード-トレンブル,ローラン アラン
(72)【発明者】
【氏名】フェレイラ ダ コスタ ロレンソ,アナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】セガオ モンドラガオ,ミゲル アンジェロ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB03
4C063CC75
4C063DD75
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA03
4C086GA02
4C086GA16
4C086GA17
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA21
4C086ZB08
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、(式I、II、IIIおよびIVの)ニテニン類似体化合物、ならびに急性および慢性疼痛の両方の治療、防止、または低減における医薬品としてのそれらの使用に関する。本明細書に開示される作用機序は、ニテニンおよびニテニン類似体化合物が、K電流の強化ではなく、それらの低減を通じて鎮痛剤として作用することを可能にする。疼痛の治療におけるそれらの高い効能に関連して、これらの化合物は、小径後根ニューロン(sDRGn)に現れる緩徐電圧活性化カリウム(K)電流に対して高度に選択的であり、主に電圧依存性カリウムチャネル(K)であるK1.3によって媒介されるものに基づく。かかる結果はまた、ニテニンおよびニテニン類似体化合物が、活性依存性遮断剤として作用することを示す結果とあわせて、非常に低減した副作用をもたらす。本明細書に開示される結果は、本明細書に記載されるニテニンおよびニテニン類似体化合物が、疼痛の治療に使用される既存の医薬化合物の実現可能な代替物であることを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグであって、
【化1】


式中、
【化2】


は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、
Xは、O、S、NH、CHから選択され、
Yは、CH、CHから選択され、
Zは、C、Nから選択され、
Gは、O、Sから選択され、
Tは、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、または-CH-Rから選択され、Rが、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、-R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Qは、C、CHから選択され、
Dは、C、CH、CHから選択され、
AおよびEのうちの一方は、Hであり、他方は、H、OH、SH、アリール、アルキル、アルケニル、R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アルキル、アルケニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Jは、H、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
前記化合物は、ニテニンでも、ジヒドロニテニンでも、それらのそれぞれの異性体、鏡像異性体、および立体異性体でもない、式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
Jが、OHである、請求項1に記載の式IVの化合物。
【請求項3】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、Jが、OHである、請求項1に記載の式IVの化合物。
【請求項4】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、Hであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールである、請求項1に記載の式IIの化合物。
【請求項5】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Aが、Hである、請求項1に記載の式IIの化合物。
【請求項6】
が、フラン-3-イルではない、請求項1に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項7】
医薬成分としての使用のための式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグであって、
【化3】


式中、
【化4】


は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、
Xは、O、S、NH、CHから選択され、
Yは、CH、CHから選択され、
Zは、C、Nから選択され、
Gは、O、Sから選択され、
Tは、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、または-CH-Rから選択され、Rが、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、-R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Qは、C、CHから選択され、
Dは、C、CH、CHから選択され、
AおよびEのうちの一方は、Hであり、他方は、H、OH、SH、アリール、アルキル、アルケニル、R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アルキル、アルケニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Jは、H、OH、SH、NH、ハロゲンから選択される、
式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項8】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
R1が、アルキルであり、
R2が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、R5は、ヘテロアリールであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Eが、Hであり、
Jが、Hである、請求項7に記載の医薬成分としての使用のための式Iの化合物。
【請求項9】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
Jが、OHである、請求項7に記載の医薬成分としての使用のための式IVの化合物。
【請求項10】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH2-R3であり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、Jが、OHである、
請求項7に記載の医薬成分としての使用のための式IVの化合物。
【請求項11】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、Hであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールである、
請求項7に記載の医薬成分としての使用のための式IIの化合物。
【請求項12】
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Aが、Hである、
請求項7に記載の医薬成分としての使用のための式IIの化合物。
【請求項13】
疼痛の治療、防止、または低減を必要とする個体において、疼痛の治療、防止、または低減に使用するための、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項14】
神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性または体因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ヘルペス後疼痛、低背部疼痛、神経根疼痛、筋骨格疼痛、術後および外傷後疼痛、幻肢痛、外科的疼痛、創傷関連疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛、短期/急性または長期/慢性炎症性疼痛、リウマチ性疼痛、関節痛、骨関節炎関連疼痛、筋膜性疼痛、片頭痛、口腔顔面慢性疼痛、三叉神経痛、がん関連疼痛、線維筋痛関連疼痛、過敏症候群、感染症関連疼痛、HIV関連疼痛、捻挫および挫傷、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、物理的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管痛、片頭痛創傷、創傷関連疼痛、関節痛、体性内臓痛、幻肢痛、神経根疼痛、腰痛、内臓痛、腸痛、ならびに骨関節炎関連疼痛である、急性および慢性疼痛タイプのうちの少なくとも1つの治療に使用するための、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項15】
Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防に使用するための、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項16】
自己免疫障害の治療に使用するための、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項17】
糖尿病およびインスリン抵抗性症候群の治療に使用するための、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項18】
式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的塩またはプロドラッグは、抗てんかん剤および抗発作剤として使用される。
【請求項19】
前記化合物が、0.0018~1.8mg/kgの治療有効用量で投与される、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物。
【請求項20】
薬理学的に許容される希釈剤または担体と、活性成分の組み合わせとを含む医薬組成物であって、前記活性成分が、請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVで記載される少なくとも1つの化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む、医薬組成物。
【請求項21】
疼痛の治療を必要とする対象において疼痛を治療する方法であって、前記疼痛を有する対象に、治療有効量の請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【請求項22】
前記疼痛が、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性または体因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ヘルペス後疼痛、低背部疼痛、神経根疼痛、筋骨格疼痛、術後および外傷後疼痛、幻肢痛、外科的疼痛、創傷関連疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛、短期/急性または長期/慢性炎症性疼痛、リウマチ性疼痛、関節痛、骨関節炎関連疼痛、筋膜性疼痛、片頭痛、口腔顔面慢性疼痛、三叉神経痛、がん関連疼痛、線維筋痛関連疼痛、過敏症候群、感染症関連疼痛、HIV関連疼痛、捻挫および挫傷、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、物理的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管痛、片頭痛創傷、創傷関連疼痛、関節痛、体性内臓痛、幻肢痛、神経根疼痛、腰痛、内臓痛、腸痛、ならびに骨関節炎関連疼痛から選択される急性および慢性疼痛のものである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防を必要とする対象における、Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防の方法であって、Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防を必要とする対象に、治療有効量の請求項7~12のいずれか一項に記載の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【請求項24】
自己免疫疾患の治療を必要とする対象における自己免疫疾患の治療の方法であって、自己免疫疾患を有する対象に、治療有効量の請求項7~12のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項25】
糖尿病またはインスリン抵抗性症候群の治療を必要とする対象における糖尿病またはインスリン抵抗性症候群の治療の方法であって、糖尿病またはインスリン抵抗性症候群を有する対象に、治療有効量の請求項7~12のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項26】
てんかんまたは発作の治療を必要とする対象におけるてんかんまたは発作の治療の方法であって、てんかんまたは発作を有する対象に、治療有効量の請求項7~12のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項27】
前記化合物が、0.018~1.8mg/kgの治療有効量で投与される、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物が、式Iの化合物であり、式中、
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Eが、Hであり、
Jが、Hである、
請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、組成物、使用、または方法。
【請求項29】
前記化合物が、単離されるか、または合成的に生成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が、ニテニンまたはジヒドロニテニンである、請求項7~28のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニテニン類似体化合物、ならびに慢性疼痛および急性疼痛の治療、防止、または低減のための鎮痛剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
急性疼痛は通常、突然に生じ、原因は特定的である。それは質的に鋭い。急性疼痛は、通常、3~6ヶ月を超えて持続しない。それは痛みの根底にある原因がもはやなくなったときに消失する。その後、人はいつものように生活を続けることができる。急性疼痛の例示的な原因には、手術、骨折、歯科作業、火傷および切断、分娩および出産が含まれる。
【0003】
慢性疼痛は、3ヶ月を超えて、または自然回復期間を超えて持続する疼痛として定義される。疼痛シグナルは、生理的な刺激がなくても、数週間、数ヶ月、または数年間、神経系で発火し続ける。例えば、糖尿病、関節炎、片頭痛、線維筋痛、がん、背痛、帯状疱疹、坐骨神経痛、三叉神経痛、および過去の外傷または傷害を含む多くの医学的状態で生じる。慢性疼痛は、人の生活の質を著しく妨げ、社会に大きな悪影響を及ぼす、無力を引き起こし得る。それは世界人口の21%(15億人)に影響を与え、関連する莫大な経済的コストを有する。アメリカ合衆国(米国)だけで、2010年には、給与の損失および低い生産性、ならびに医療費に5600~6350億ドルが費やされたと見積もられた。高齢者人口の増加に伴い、適切で優れた疼痛管理療法に対する要求が高まっている。
【0004】
軽度の疼痛に対して有効で安全な鎮痛剤はあるが、中度および重度の慢性疼痛に対する治療は、ほとんどの場合、効果がなく、制限的および有害な副作用を引き起こす。したがって、ほとんどのタイプの慢性疼痛の患者にとっての主要な問題は、少なくとも重要な制限的な副作用を伴わずに、本当に適切な薬学的治療が現存することである。例えば、中度から重度の疼痛レベルの状況に対して、オピオイド誘導体は疼痛を緩和するが、習慣化、常用、および精力またはやる気の喪失などの重要な有害な影響を併発する。オピオイドの使用は、いくつかの国で流行が問題となり、常用状況および社会における重い負担の増加を伴った。例えば、米国では、オピオイド使用に関連する死亡数は、違法薬物による死亡数よりもはるかに多い。抗うつ薬、抗てんかん薬、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む他の種類の薬物が、治療に使用されるが、これらは効率的でないか、または関連する副作用を引き起こす。
【0005】
中度から重度の疼痛に対するより最近の治療などの他のものは、本発明の薬理学的文脈により近く、イオンチャネル調節剤が含まれる。イオンチャネルは、電気シグナル伝達、したがって、神経における疼痛シグナルを形作る神経細胞膜に存在する主要なタンパク質である。末梢神経系に位置する疼痛感知(侵害受容)に関与するニューロンには、脊髄の外側(または頭部における三叉神経節-TG)の神経節(後根神経節-DRG)に位置するそれらの細胞体を有するものが含まれる。かかる侵害受容性線維は、脳の痛みの認識につながる生理学的経路に関与する第1の末梢神経センサーである。
【0006】
疼痛の治療のためにイオンチャネル調節を含む現在利用可能な治療法に関して、すでに市場にあるのは2例のみである。
【0007】
それにもかかわらず、それらは、調節されるイオンチャネルのタイプによって、部分的にのみ有効であるか、または依然として関連する副作用を引き起こす。かかる医薬品は、
-トピックカプサイシン、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1(TRPV1)チャネルアゴニスト、
-ジコノチド(Prialt(登録商標))の髄腔内注入、海洋イモガイから得られるN型電圧依存性カルシウムチャネル遮断薬であり、この場合、末梢ではなく、中枢で作用する。
【0008】
現在臨床開発中の新規製品(いくつかのバイオテクノロジー会社および製薬会社で進行中であるが、商業化が承認されていない)には、特定の変更を有する新規オピオイド(常用性を低くする)と、痛みに関与することが知られているイオンチャネルを捉えるが、TRPV1およびN型電圧依存性カルシウムチャネルよりも適切である他のイオンチャネル調節剤(例えば、他のTRP、電圧依存性ナトリウムチャネルNa1.7およびNa1.8などのイオンチャネル)と、が含まれる。
【0009】
従来技術から現在知られている限り、2つの薬剤のみがKチャネルに作用し、現在、疼痛治療のための非臨床または臨床試験中である。
a)抗けいれん剤レチガビン(第II相)は、持続性および神経障害性疼痛のラットモデルにおける侵害受容性行動を減弱させる。レチガビンは、主にKチャネルオープナーとして働き、つまり、脳内の特定の電圧依存性カリウム(Kv7/M)チャネルファミリーを活性化することによって働く。
b)他のチャネル調節剤BL-7050(前臨床段階)は、ジクロフェナク(NSAID)の分子構造に基づいており、体のカリウムチャネルに結合して安定化し、それらの過興奮性を制御し(それを開いたままにすることによって)、Kの流出のためにチャネルを開いたままにすることによって痛みの発生を防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、かなりの医薬研究にもかかわらず、かかるイオンチャネルは、依然として臨床的に承認された、より優れた特異的な遮断薬/増強剤が求められており、患者は重い副作用を有する医薬品の他に代替品がないままにされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様において、本開示は、ニテニン類似体化合物、ならびに慢性疼痛および急性疼痛の治療、防止、または低減のための鎮痛剤としてのそれらの使用に関する。
【0012】
理論に拘束されることを望まないが、いくつかの態様において、本発明は、その化学的性質だけでなく、その作用機序によって、現在の既存の解決と異なる。「スイッチをオフにする」ことによって、または生体活性分子を用いて侵害受容性線維の活性を低下させることによって、脳の痛みの認識は、脳機能に影響を与え得ない方式で、遮断または減弱されることが予測され、それはこれらの分子が中枢神経系の前に、「疼痛シグナル伝達経路の末梢部分」で作用し得るためである。
【0013】
本明細書に記載される任意の態様または実施形態は、本明細書に開示される任意の他の態様または実施形態と組み合わせられ得る。本発明は、その詳細な説明とあわせて説明されているが、前述の説明は、本発明の範囲を例示することを意図しており、限定するものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。他の態様、利点、および修正は、以下の実施形態/特許請求の範囲内である。
【0014】
実施形態1.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグであって、
【化1】


式中、
【化2】


は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、
Xは、O、S、NH、CHから選択され、
Yは、CH、CHから選択され、
Zは、C、Nから選択され、
Gは、O、Sから選択され、
Tは、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、または-CH-Rから選択され、Rが、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、-R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Qは、C、CHから選択され、
Dは、C、CH、CHから選択され、
AおよびEのうちの一方は、Hであり、他方は、H、OH、SH、アリール、アルキル、アルケニル、R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アルキル、アルケニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Jは、H、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
化合物は、ニテニンでも、ジヒドロニテニンでも、それらのそれぞれの異性体、鏡像異性体、および立体異性体でもない、式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【0015】
実施形態2.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
Jが、OHである、実施形態1による式IVの化合物。
【0016】
実施形態3.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、Jが、OHである、実施形態1による式IVの化合物。
【0017】
実施形態4.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、Hであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールである、実施形態1による式IIの化合物。
【0018】
実施形態5.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Aが、Hである、実施形態1による式IIの化合物。
【0019】
実施形態6.Rが、フラン-3-イルではない、実施形態1による式I、II、III、およびIVの化合物。
【0020】
実施形態7.医薬成分としての使用のための式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグであって、
【化3】


式中、
【化4】


は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、
Xは、O、S、NH、CHから選択され、
Yは、CH、CHから選択され、
Zは、C、Nから選択され、
Gは、O、Sから選択され、
Tは、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、または-CH-Rから選択され、Rが、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、-R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Qは、C、CHから選択され、
Dは、C、CH、CHから選択され、
AおよびEのうちの一方は、Hであり、他方は、H、OH、SH、アリール、アルキル、アルケニル、R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アルキル、アルケニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Jは、H、OH、SH、NH、ハロゲンから選択される、
式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【0021】
実施形態8.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、R5は、ヘテロアリールであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Eが、Hであり、
Jが、Hである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式Iの化合物。
【0022】
実施形態9.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
Jが、OHである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式IVの化合物。
【0023】
実施形態10.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH2-R3であり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、Jが、OHである、医薬成分としての使用のための式IVの化合物。
【0024】
実施形態11.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、Hであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式IIの化合物。
【0025】
実施形態12.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Aが、Hである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式IIの化合物。
【0026】
実施形態13.医薬使用のために、本特許出願の式I、II、III、およびIVの化合物は、0.1μg/ml血液(6μg/Kg体重)~30μg/ml血液(1.8mg/Kg体重)の範囲の用量で、温血脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて使用される。上記有効用量範囲は、静脈内投与のためのものであり、それは他の投与経路で異なり得る。
【0027】
実施形態14.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、疼痛の治療、防止、または低減を必要とする、より具体的には急性もしくは慢性疼痛を有する個体において、疼痛の治療、防止、または低減に使用される。急性および慢性疼痛は、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性または体因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ヘルペス後疼痛、低背部疼痛、神経根疼痛、筋骨格疼痛、術後および外傷後疼痛、幻肢痛、外科的疼痛、創傷関連疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛、短期/急性または長期/慢性炎症性疼痛、リウマチ性疼痛、関節痛、骨関節炎関連疼痛、筋膜性疼痛、片頭痛、口腔顔面慢性疼痛、三叉神経痛、がん関連疼痛、線維筋痛関連疼痛、過敏症候群、感染症関連疼痛、HIV関連疼痛、捻挫および挫傷、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、物理的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管痛、片頭痛創傷、創傷関連疼痛、関節痛、体性内臓痛、幻肢痛、神経根疼痛、腰痛、内臓痛、腸痛、ならびに骨関節炎関連疼痛のうちの少なくとも1つを含むことが意図されるが、これらに限定されない。
【0028】
実施形態15.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、自己免疫障害の治療において、かかる疾患の標的であるKv1.3について記載される効果に起因して、使用される。
【0029】
実施形態16.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、インスリン感受性、インスリン抵抗性関連症候群および肥満症に関連すると考えられるKv1.3チャネルにおけるそれらの効果を考慮して、糖尿病の治療において使用される。
【0030】
実施形態17.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、抗てんかん剤および抗発作剤として使用される。
【0031】
実施形態18.Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防に使用するための式I、II、III、およびIVの化合物。
【0032】
実施形態19.薬理学的に許容される希釈剤または担体と、活性成分の組み合わせとを含む医薬組成物であって、当該活性成分が、式I、II、III、およびIVによる少なくとも1つの化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む、医薬組成物。
【0033】
実施形態20.疼痛の治療を必要とする対象において疼痛を治療する方法であって、治療有効量の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【0034】
実施形態21.疼痛が、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性または体因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ヘルペス後疼痛、低背部疼痛、神経根疼痛、筋骨格疼痛、術後および外傷後疼痛、幻肢痛、外科的疼痛、創傷関連疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛、短期/急性または長期/慢性炎症性疼痛、リウマチ性疼痛、関節痛、骨関節炎関連疼痛、筋膜性疼痛、片頭痛、口腔顔面慢性疼痛、三叉神経痛、がん関連疼痛、線維筋痛関連疼痛、過敏症候群、感染症関連疼痛、HIV関連疼痛、捻挫および挫傷、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、物理的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管痛、片頭痛創傷、創傷関連疼痛、関節痛、体性内臓痛、幻肢痛、神経根疼痛、腰痛、内臓痛、腸痛、ならびに骨関節炎関連疼痛から選択される急性および慢性疼痛タイプのものである、実施形態19による方法。
【0035】
実施形態22.Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防を必要とする対象における、Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防の方法であって、Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防を必要とする対象に、治療有効量の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【0036】
実施形態23.自己免疫疾患の治療を必要とする対象における自己免疫疾患の治療の方法であって、自己免疫疾患を有する対象に、治療有効量の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【0037】
実施形態24.糖尿病またはインスリン抵抗性症候群の治療を必要とする対象における糖尿病またはインスリン抵抗性症候群の治療の方法であって、糖尿病またはインスリン抵抗性症候群を有する対象に、治療有効量の化合物を投与することを含む、方法。
【0038】
実施形態25.てんかんまたは発作の治療を必要とする対象におけるてんかんまたは発作の治療の方法であって、てんかんまたは発作を有する対象に、治療有効量の化合物を投与することを含む、方法。
【0039】
実施形態26.化合物が、0.018~1.8mg/kgの治療有効量で投与される、実施形態20~23による方法。
【0040】
実施形態27.本明細書に開示される化合物、組成物、使用、または方法であって、化合物は、式Iの化合物であり、式中、
Xは、Oであり、
Yは、CHであり、
Zは、Cであり、
は、アルキルであり、
は、-CH-Rであり、Rが、-R-Rであり、Rが、アルキルであり、Rが、ヘテロアリールであり、
Qは、Cであり、
Dは、Cであり、
Aは、-R-Rであり、Rが、アルキルであり、Rが、ヘテロアリールであり、
Eは、Hであり、
Jは、Hである、化合物、組成物、使用、または方法。
【0041】
実施形態28.化合物が、単離されるか、または合成的に生成される、実施形態1~6による化合物。
【0042】
実施形態29.化合物が、ニテニンまたはジヒドロニテニンである、実施形態7~28による化合物。
【0043】
本出願のより容易な理解のために、図が実施の例示的な形態を表す付属書に添付されるが、それらは本明細書に開示される技術を限定することは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】小径後根神経節ニューロン(sdDRGn)から記録された電圧活性化電流におけるニテニン(0.1μg/ml)の効果を示す。 a)sdDRGnにおいて、電圧活性化外向きカリウム(K)電流は、-120mVまでの過分極化プレパルスによって先導された+20mV(保持電位-70mV)までの脱分極化ステップによって誘発された。電流は、2つの指数関数の合計によってより良くフィッティングし、そのため2つの成分(ここではIslowおよびIfastと呼ぶ)を明らかにし、それらの時間定数はτfast約75msおよびτslow約495msだった。 b)i.ニテニン(0.1μg/ml)の存在前および存在下で記録された典型的な電圧活性化K電流トレース:電流減算に対応する下図のトレースは、単一指数関数(時間定数τ約150ms)とフィッティングする。ii.ニテニン(0.1μg/ml、0.29μM)の存在前(黒色線)および存在下(灰色線)で記録された典型的な電圧活性化Na電流は、効果がないことを示す。
図2】(a)小径後根神経節ニューロン(sdDRGn)および(b)ヒトKv1.1、Kv1.2、Kv1.3、Kv1.4、またはKv1.6 cDNAを発現するCHO-K1細胞から記録された電圧活性化K電流におけるニテニンの用量依存的応答を示す。 a)ニテニンの効果を、sdDRGnから記録された急速(Ifast、白色逆三角形)および緩徐(Islow、黒色三角形)電流成分に対する用量反応関係として、電流遮断のパーセンテージで記録した。Ifastの尺度として、ピーク電流を使用し、一方、Islowの尺度として、電流値をコマンドパルス終了時に得た(図1参照)。値は平均±S.E.M.として表される。Islowでは、二重位相の関係を観察することができる。したがって、より低い濃度値(最大1μM)では、関係がヒル関数にフィッティングし、120nMのIC50を示し、1μMより高い濃度では、用量依存性が、Ifastの用量依存性(約6μMのIC50)と一致して現れる。 b)安定的にトランスフェクトされて、hKv1.1、hKv1.2、hKv1.3、hKv1.4、またはhKv1.6を発現するCHO-K1細胞から記録されたK電流におけるニテニンの効果。濃度-%遮断値はヒル関数にフィッティングし、IC50値(nM)が図に示される。Kv1.3チャネルは、最も感受性の高いチャネルであり(「次の最も感受性の高いチャネル」であるKv1.2と比較して約6倍高い感受性)、Kv1.2、Kv1.1およびKv1.6は、ニテニンに対して同じような中間の感受性を示す。反対に、Kv1.4は感受性が低い(約31倍低い感受性)。
図3】術後28日のCCIラットモデルの損傷側の単離された後根神経節から単離された小径ニューロンから記録されたK電流の不活性化の定常状態の電圧依存性におけるニテニンの典型的な効果を示し、a)電流トレースは、11040秒の連続したプレパルスの持続時間によって先導されたコマンドパルスの間に+10mV(600ms)まで誘発され、10mvの段階的な刻みで、-140~+10mVの範囲であり、左(黒色)のトレースは、ニテニン(0.1μg/ml、0.29μM)の適用前に得られ、右(灰色)のトレースは、ニテニンの適用中に得られた。b)電流ピーク振幅(「a」で得られた)が、「a」における電圧プロトコルで使用されたプレパルスの電位に対してプロットされる電流/電圧関係(黒色印はコントロール-CCIに関するものであり、灰色印はニテニン処置中である)。ニテニン処置中に過分極値へのシフトを観察することができる。これらの関係は、2つのボルツマン関数の合計によって良くフィッティングし、両方の条件に2つの成分があることを示し、一方は、より過分極化された成分(成分1)であり、他方は、より脱分極化された成分(成分2)である。実際、ボルツマン方程式のVhパラメータ(最大電流の半分の電圧)は、ニテニン処置中に、より過分極化した値を示した(コントロール:Vh1=-73.3mV Vh2=-26.3mV、ニテニン:Vh1=-95.3mV Vh2=-47.0mV)。
図4】神経障害性疼痛ラットモデルCCI(慢性狭窄損傷)におけるニテニンによる処置中の疼痛の尺度として行動読み出しを示す。4つの片側坐骨神経狭窄に供されたウィスターラット群を使用した典型的な実験。値は、較正されたフォンフレイフィラメントを使用した刺激に対する機械的感受性を指し、結果として、過感受性時の痛覚過敏を反映する(黒色マーカー-同側、手術された足、白色マーカー-対側、損傷していない足)。点線は手術前の同側足の平均値を指す。a)モデルの誘発は、術後3日で同側足の機械的感受性が顕著に増加することを示し、一方、対側足に関連するものは無変化のままであり、ベースライン値と同様だった。この傾向は、術後26日間にわたって維持され、26日目にニテニンによる処置が行われた(点線による円)。b)同側足の機械的感受性におけるニテニンの静脈内注射(推定血漿濃度1μg/ml)の効果。明確にするために、対側足のデータは示されていないが、変化しないままである。効果は、注射後約1時間で最大であり、手術前に、ベースライン中に得られた値(点線での値)と差がない値に達する。
図5】口腔顔面疼痛ラットモデルにおけるニテニンによる処置中の疼痛の尺度として行動読み出しを示し、CFAの注射に供されたウィスターラット群を使用した典型的な実験(CFAは、洞毛の第2の列の直ぐ後ろに注射された)。値は、較正されたフォンフレイフィラメントを使用した顔面刺激(洞毛領域)に対する機械的感受性を指し、結果として、過感受性時の痛覚過敏を反映する(黒色マーカー-同側、損傷した顔面側、白色マーカー-対側、非損傷顔面側)。点線はCFA注射前の同側顔面の平均値を指す。a)モデルの誘発は、術後3日後に同側顔面の機械的感受性が顕著に増加することを示し、一方、対側足に関連するものは比較的無変化を維持し、ベースライン値と同様だった。この傾向は、誘発後26日間にわたって維持され、26日目にニテニンによる処置が行われた(点線による円)。b)同側顔面の機械的感受性におけるニテニンの静脈内注射(推定血漿濃度1μg/ml)の効果。明確にするために、対側顔面のデータは示されていないが、比較的変化しないままである。効果は、ニテニン注射後約1~2時間で最大であり、誘発前に、ベースライン中に得られた値(点線での値)と差がない値に達したが、場合によってそれより高かった。
図6】試験した化合物のうちの4つの式を示し、式Vの化合物はニテニン(イオン電流における結果が図1、2、および3に示され、インビボ効能が図4および5に示される)を指す。式は、式VIIIの化合物のシス異性体およびトランス異性体をそれぞれ表す、式VIII.AおよびVIII.Bである。
図7】記録されたsdDRGnの電圧活性化電流における式VIの化合物(10μg/ml、77.9μM)の効果を示す。式VIの化合物(10μg/ml、77.9μM)の存在前および存在下で記録された典型的な電圧活性化K電流トレース:電流減算に対応する下図のトレースは、単一指数関数(時間定数τ約795ms)にフィッティングする。
図8】記録されたsdDRGnの電圧活性化電流における式VIIの化合物(0.1μg/mL、399nM)の効果を示す。式VIIの化合物(0.1μg/ml、399nM)の存在前および存在下で記録された典型的な電圧活性化K電流トレース:下図のトレースは、電流減算に対応する。
図9】記録されたsdDRGnの電圧活性化電流における式VIII-Aの化合物(6.5μg/mL、29.4μM)効果を示す。式VIII-Aの化合物(6.5μg/ml、29.4μM)の存在前および存在下で記録された典型的な電圧活性化K電流トレース:電流減算に対応する下図のトレースは、単一指数関数(時間定数τ約450ms)にフィッティングする。
図10】sdDRGnから記録されたK電流の不活性化の定常状態の電圧依存性における式VIの化合物の典型的な効果を示す。a)電流トレースは、11040秒の連続したプレパルスの持続時間に先導されたコマンドパルスの間に+10mV(600ms)まで誘発され、10mvの段階的な刻みで、-140~+10mVの範囲であり、左(黒色)のトレースは、式VIの化合物(10μg/ml、77.9μM)の適用前に得られ、右(灰色)のトレースは、ニテニンの適用中に得られた。b)電流ピーク振幅(「a」で得られた)が、「a」における電圧プロトコルで使用されたプレパルスの電位に対してプロットされる電流/電圧関係(黒色印はコントロール-CCIに関するものであり、灰色印は式VIの化合物による処置中である)。式VIの化合物による処置中に、過分極化された値へのシフトを観察することができる。これらの関係は、2つのボルツマン関数の合計に良くフィッティングし、両方の条件に2つの成分があることを示し、一方は、より過分極化された成分(成分1)であり、他方は、より脱分極化された成分(成分2)である。実際、ボルツマン方程式のVhパラメータ(最大電流の半分の電圧)は、F2処置中に、より過分極化された値を示した(コントロール:Vh1=-91.0mV Vh2=-23.9mV、F2:Vh1=-102.9mV Vh2=-40.5mV)。
図11】sdDRGnから記録されたK電流の不活性化の定常状態の電圧依存性における式VIIの化合物の典型的な効果を示す。a)電流トレースは、11040秒の連続したプレパルスの持続時間に先導されたコマンドパルスの間に+10mV(600ms)まで誘発され、10mvの段階的な刻みで、-140~+10mVの範囲であり、左(黒色)のトレースは、F3(0.1μg/ml、399nM)の適用前に得られ、右(灰色)のトレースは、ニテニンの適用中に得られた。b)電流ピーク振幅(「a」で得られた)が、「a」における電圧プロトコルで使用されたプレパルスの電位に対してプロットされる電流/電圧関係(黒色印はコントロール-CCIに関するものであり、灰色印は式VIIの化合物による処置中である)。式VIIの化合物による処置中に、過分極化された値へのシフトを観察することができる。これらの関係は、2つのボルツマン関数の合計に良くフィッティングし、両方の条件に2つの成分があることを示し、一方は、より過分極化された成分(成分1)であり、他方は、より脱分極化された成分(成分2)である。実際、ボルツマン方程式のVhパラメータ(最大電流の半分の電圧)は式VIIの化合物による処置中に、より過分極化された値を示した(コントロール:Vh1=-64.1mV Vh2=-13.7mV、F2:Vh1=-92.6mV Vh2=-32.4mV)。
図12】sdDRGnから記録されたK電流の不活性化の定常状態の電圧依存性における式VIII-Aの化合物の典型的な効果を示す。a)電流トレースは、11040秒の連続したプレパルスの持続時間に先導されたコマンドパルスの間に+10mV(600ms)まで誘発され、10mvの段階的な刻みで、-140~+10mVの範囲であり、左(黒色)のトレースは、式VIIIの化合物(6.5μg/ml、29.4μM)の適用前に得られ、右(灰色)のトレースは、ニテニンの適用中に得られた。b)電流ピーク振幅(「a」で得られた)が、「a」における電圧プロトコルで使用されたプレパルスの電位に対してプロットされる電流/電圧関係(黒色印はコントロール-CCIに関するものであり、灰色印は式VIIIの化合物による処置中である)。式VIIIの化合物による処置中に、過分極化された値へのシフトを観察することができる。これらの関係は、2つのボルツマン関数の合計に良くフィッティングし、両方の条件に2つの成分があることを示し、一方は、より過分極化された成分(成分1)であり、他方は、より脱分極化された成分(成分2)である。実際、ボルツマン方程式のVhパラメータ(最大電流の半分の電圧)は式VIIIの化合物による処置中に、より過分極化された値を示した(コントロール:Vh1=-53.6mV Vh2=-18.1mV、F2:Vh1=-88.9mV Vh2=-35.5mV)。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本出願で使用される場合、本明細書で明示的に提供される場合を除き、以下の用語の各々は、以下に示される意味を有するものとする。追加の定義は、本出願全体を通して示される。
【0046】
本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ、ニネチン、ならびにニネチン類似体への言及は、本明細書において互換的に使用される。本用語には、これらの化合物のすべての立体異性体が含まれる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、他の特性または構成要素の有無にかかわらず、2つの特定の特性または構成要素の各々の具体的な開示として理解されるべきである。したがって、本明細書における「Aおよび/またはB」などの語句で使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」と、「AまたはB」と、「A」(単独)と、「B」(単独)と、を含むことが意図される。同様に、「A、B、および/またはC」などの語句で使用される「および/または」という用語は、A、B、およびCと、A、B、またはCと、AまたはCと、AまたはBと、BまたはCと、AおよびCと、AおよびBと、BおよびCと、A(単独)と、B(単独)と、C(単独)と、の態様の各々を包含することが意図される。態様が「含む」という言語で本明細書に記載される場合はいつでも、「からなる」および/または「から本質的になる」の用語で記載される別の類似の態様も提供されることを理解されたい。
【0048】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、この開示が関連する技術分野の当業者に一般に理解される同じ意味を有する。
【0049】
単位、接頭辞、および記号は、国際単位系(SI)で承認された形式で示される。数値範囲は、範囲を定義する数値を含む。本明細書に提供される見出しは、本開示の様々な態様の制限ではなく、全体として本明細書を言及することによって有され得る。したがって、直ぐ後に定義される用語は、その全体で本明細書を言及することによって、より完全に定義される。
【0050】
「投与すること」は、当業者に既知の様々な方法および送達系のいずれかを使用して、対象に薬剤を物理的に導入することを指す。本明細書に開示される化合物における例示的な投与経路には、例えば、注射または注入による静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄、もしくは他の非経口経路が含まれる。本明細書で使用される「非経口投与」という語句は、通常、注射による経腸および局所投与以外の投与方式を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、および胸骨内の注射および注入、ならびにインビボ電気穿孔が含まれる。いくつかの実施形態において、化合物は、非経口経路以外、例えば、経口的に投与される。他の非経口以外の経路には、投与の局所、表皮、または粘膜経路、例えば、鼻腔内、膣内、直腸、舌下、もしくは局所が含まれる。投与はまた、例えば、1回、複数回、および/または1つ以上の延長期間にわたって実施することができる。
【0051】
「単離された」という用語は、自然から精製され、したがって、その自然環境においてニテニンとともに存在する自然化合物を含まず、それが自然状態に関連付けられることを意味する。単離された自然界の生成物は、自然界に存在する同じ生成物とは異なる化学的、生化学的、および/または物理的特性を有し得る。自然界の生成物の合成バージョンは、自然界から単離された、または自然界に存在する同じ生成物とは異なる化学的、生化学的、および/もしくは物理的特性を有し得る。
【0052】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしでヒトおよび動物の組織に接触して使用するのに好適であるこれらの化合物、材料、組成物、および/または投薬形態を指すために使用される。薬物承認機関(例えば、EMA、US-FDA)は、ガイダンスを提供し、薬学的に許容される化合物、材料、組成物、および/または投薬形態を承認する。例は、例えば、薬局方に列挙されている。
【0053】
「薬学的に許容される賦形剤」および「薬学的に許容される担体」という語句は、本明細書において、溶媒、分散媒、希釈剤、分散剤、懸濁補助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、ポリマー、ペプチド、タンパク質、細胞、ヒアルロニダーゼ、およびそれらの混合物から選択される薬学的に許容される材料を指すために使用される。いくつかの実施形態において、溶媒は、水性溶媒である。
【0054】
薬物または治療剤の「治療有効量」、「有効用量」、または「有効量」は、単独でまたは別の治療剤と組み合わせて使用される場合、疾患の発症から対象を保護するか、あるいは疾患症状の重症度の低下、疾患の無症状期間の頻度および持続時間の増加、または疾患の罹患に起因する機能障害もしくは身体障害の防止によって証明される疾患の退縮を促進する、薬物の任意の量である。疾患退縮を促進する治療剤の能力は、臨床試験中のヒト対象において、ヒトにおける有効性を予測する動物モデル系において、またはインビトロアッセイにおいて薬剤の活性をアッセイすることによってなど、当業者に既知の様々な方法を使用して評価することができる。
【0055】
一実施形態において、「治療有効投与量」は、投与が、単回用量または複数回用量スケジュールのいずれかで、疼痛の治療、防止、および/または低減に有効である投与量である。この投与量は、治療される個体の健康および身体状態、年齢、所望の鎮痛の程度、および他の関連因子に応じて変動する。量は、定型的な試験を通じて決定できる比較的広い範囲に収まることが予想される。本明細書における「防止すること」または「防止」は、疼痛の絶対的な防止の意味での絶対的な成功を必要としないが、疼痛状態を発症するか、もしくは重症度が低下した疼痛を発症するリスクの低減を示す。同様に、「治療」は、絶対的な治癒として解釈されるべきではなく、疼痛または疼痛関連状態の緩和もしくは抑制にも関連し得る。
【0056】
本明細書で互換的に使用される「アルキル」、「アルキル単位」、および「アルキル基」という用語は、1~12個の炭素原子(C1~C12)を含む飽和一価炭化水素ラジカルを指す。アルキル基は、直鎖状、分岐状、または環状であり得る。アルキル基は、非置換であり得、または本明細書の他の場所に記載されるように置換され得る。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~8個の炭素原子(C1~C8)を含む。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~6個の炭素原子(C1~C6)を含む。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子(C1~C4)を含む。いくつかの実施形態において、環状アルキル基は、3~6個の炭素原子(C3~C6)を含む。
【0057】
本明細書で互換的に使用される「アルケニル」、「アルケニル単位」、および「アルケニル基」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、sp2炭素-炭素二重結合)を有する2~8個の炭素原子(C2~C8)を含む一価炭化水素ラジカルを指す。アルケニル基は、直鎖状、分岐状、または環状であり得る。アルケニル基は、非置換であり得、または本明細書の他の場所に記載されるように置換され得る。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~6個の炭素原子(C2~C6)を含む。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~4個の炭素原子(C2~C4)を含む。アルケニル基は、EまたはZ配向を有し得る。アルケニル基の非限定的な例には、エテニル(ビニルとも呼ばれる)、1-プロペニル、イソ-プロペニル、および2-クロロエテニルが含まれる。
【0058】
本明細書で互換的に使用される「アリール」、「アリール単位」、および「アリール基」という用語は、芳香族環から水素原子を除去することによって誘導される、6~20個の炭素原子(C6~C20)を含む一価芳香族炭化水素ラジカルを指す。アリール基は、非置換であり得るか、または本明細書の他の場所に記載されるように、1つ以上の置換基で置換され得る。
【0059】
本明細書で互換的に使用される「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環単位」、および「複素環基」という用語は、3~20個の原子を含む飽和または部分的に不飽和の環系を指し、環原子のうちの少なくとも1つは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択されるヘテロ原子である。複素環基は、非置換であり得、または本明細書の他の場所に記載されるように、1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態において、複素環基は、3~10個の原子を含む。いくつかの実施形態において、複素環基は、3~7個の原子を含む。いくつかの実施形態において、複素環基は、単環式である。いくつかの実施形態において、複素環基は、二環式である。いくつかの実施形態において、複素環基は、縮合環を含む。
【0060】
本明細書で互換的に使用される「ヘテロアリール」、「ヘテロアリール単位」、および「ヘテロアリール基」という用語は、1つ以上の5員、6員、または7員環を含み、独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、一価芳香族ラジカルを指す。ヘテロアリール基は、非置換であり得、または本明細書の他の場所に記載されるように、1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~20個の原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~9個の原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5個の原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、6個の原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、7個の原子を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、単環式である。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、二環式である。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、縮合環を含む。
【0061】
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、1つ以上の水素原子、または炭化水素ラジカル、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基、アリール基、複素環基、もしくはヘテロアリール基のうちの1つ以上を、1つ以上の置換基で置き換えることを指す。置換された炭化水素ラジカル、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基、アリール基、複素環基、またはヘテロアリール基では、水素原子のうちの任意の数が置換基によって置き換えられ得る。
【0062】
本開示の化合物は、1つ以上のキラル中心を含み得る。したがって、本開示の化合物は、異なる立体異性体形態で存在し得る。本明細書に記載される化合物のすべての立体異性体形態は、非限定的な例として、ジアステレオマー、鏡像異性体、およびそれらの混合物(非限定的な例として、ラセミ混合物を含む)を含み、本開示の一部を形成することが意図される。
【0063】
略称:
Ca2+:カルシウム
Ca:電圧依存性カルシウムチャネル
CCI:慢性圧搾損傷
CFA:完全フロイントアジュバント
CHO:チャイニーズハムスター卵巣
CIPN:化学療法誘発性末梢性神経障害
CNS:中枢神経系
COP:慢性口腔顔面疼痛
DRG:後根神経節
ECG:心電図
HEK:ヒト胚性腎臓
hERG:ヒトEther-a-go-go関連遺伝子-Kv11.1
HFF2:ヒト包皮線維芽細胞2
I:電流
fast:急速電流成分
slow:緩徐電流成分
IV:静脈内
:カリウム
:電圧依存性カリウムチャネル
1.x:電圧依存性カリウムチャネルサブユニット、xで与えられる
L:腰椎
Na+:ナトリウム
Na:電圧依存性ナトリウムチャネル
Na1.x:電圧依存性ナトリウムチャネルサブユニット、xによって与えられる
NSAID:非ステロイド性抗炎症薬
MTS:(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)
sdDRGN:小径後根ニューロン
sdTGN:小径三叉神経節ニューロン
STZ:ストレプトゾトシン
TG:三叉神経節
TRP:一過性受容体電位カチオンチャネル
TRPV1:一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリー
USA:アメリカ合衆国
Vメンバー1
V:電圧
Vh:最大電流半分の電圧
【0064】
本開示の化合物、当該化合物の薬学的に許容される塩、ならびに/または当該化合物および/もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、治療的治療として投与することができる。当該化合物、薬学的に許容される塩、および/または医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物対象への投与の単位形態で投与することができる。好適な投与の単位形態には、非限定的な例として、経口投与される形態および非経口経路を介して投与される形態が含まれ、これらの非限定的な例には、吸入、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与、および硝子体内投与が含まれる。
【0065】
いくつかの実施形態において、経口投与のための医薬組成物は、錠剤、ピル、粉末、硬質ゼラチンカプセル、軟質ゼラチンカプセル、および/または顆粒の形態であることができる。かかる医薬組成物のいくつかの実施形態において、本開示の化合物および/または本開示の化合物の薬学的に許容される塩は、1つ以上の不活性希釈剤と混合され、その非限定的な例には、デンプン、セルロース、スクロース、ラクトース、およびシリカが含まれる。いくつかの実施形態において、かかる医薬組成物は、希釈剤以外の1つ以上の物質、例えば(非限定的な例として)、滑剤、着色剤、コーティング剤、またはニスをさらに含み得る。
【0066】
本開示の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、ビヒクル、および希釈剤を含み得る。これらの多くは、当業者に周知であり、非限定的な例として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,Pa.(2013)および任意の他の版に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
一態様において、本開示は、ニテニン類似体化合物、ならびに慢性および急性疼痛の治療、防止、または低減のための鎮痛剤としてのそれらの使用に関する。イオン電流/チャネルの生理学および薬理学を使用するアプローチを通して、いくつかのタイプの疼痛における鎮痛効果に関する新規医薬適用が本明細書に開示される。
【0068】
既存の治療剤とは極めて対照的に、本明細書に開示される鎮痛剤化合物は、その新規作用機序、ならびにヒトにおいて予測される有効性、標的特異性、および低減された副作用によって、疼痛管理における画期的なものとして位置付けられるであろう。ニテニンおよびジヒドロニテニン化合物(本明細書に開示される化合物のうちの2つ)は、海洋性海綿動物にその起源を有するが、本開示では合成的に調製されており、そして合成的に調製することができ、本開示は、これらの化合物が、後根神経節および三叉神経節の疼痛感知c線維に発現される特定のKチャネルK1.xに特異的に作用することを提供する。理論に拘束されることなく、作用機序は(レチガビンのような強化ではなく)特定のチャネル阻害を伴い、(a)それは「オープンチャネル遮断薬」、したがって、活性依存性遮断であり、(b)チャネルの不活性化の電圧依存性変化を含み、(c)特に一連のKチャネル、主にKv1.3で特異的に作用する、などの有利な特性を有する。この特異的かつ新規作用機序は、なぜ、そしていかにニテニンおよびニテニン類似体化合物が、傷害/影響を受けた神経を有する四肢/身体部分にのみ有効であるかを説明する。さらに、それは、影響を受けていない体の四肢/身体部分における侵害受容性および知覚的スコアを変化させない。
【0069】
一実施形態において、本開示は、慢性および急性疼痛の治療、防止、または低減のための鎮痛剤としてのニテニン類似体化合物の使用に関する。したがって、本開示のいくつかの態様において、「ニテニン類似体化合物」として言及される化合物は、以下の実施形態に記載される式I、II、III、およびIVの化合物によって示される。
【0070】
実施形態1.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグであって、
【化5】


式中、
【化6】


は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、
Xは、O、S、NH、CHから選択され、
Yは、CH、CHから選択され、
Zは、C、Nから選択され、
Gは、O、Sから選択され、
Tは、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、または-CH-Rから選択され、Rが、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、-R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Qは、C、CHから選択され、
Dは、C、CH、CHから選択され、
AおよびEの一方は、Hであり、他方は、H、OH、SH、アリール、アルキル、アルケニル、R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アルキル、アルケニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、任意選択的に、化合物はニテニンでも、ジヒドロニテニンでも、それらのそれぞれの異性体、鏡像異性体、および立体異性体でもなく、かつ/または任意選択的に、R7が、フラン-3-イルではなく、
Jは、H、OH、SH、NH、ハロゲンから選択される、式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【0071】
実施形態2.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
Jが、OHである、実施形態1による式IVの化合物。
【0072】
実施形態3.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、Jが、OHである、実施形態1による式IVの化合物。
【0073】
実施形態4.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、Hであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールである、実施形態1による式IIの化合物。
【0074】
実施形態5.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Aが、Hである、実施形態1による式IIの化合物。
【0075】
実施形態6.Rが、フラン-3-イルではない、実施形態1による式I、II、III、およびIVの化合物。
【0076】
実施形態7.医薬成分としての使用のための式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグであって、
【化7】


式中、
【化8】


は、炭素-炭素単結合または炭素-炭素二重結合を表し、
Xは、O、S、NH、CHから選択され、
Yは、CH、CHから選択され、
Zは、C、Nから選択され、
Gは、O、Sから選択され、
Tは、OH、SH、NH、ハロゲンから選択され、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、または-CH-Rから選択され、Rが、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、-R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Qは、C、CHから選択され、
Dは、C、CH、CHから選択され、
AおよびEのうちの一方は、Hであり、他方は、H、OH、SH、アリール、アルキル、アルケニル、R-Rから選択され、Rが、アルキル、アルケニルから選択され、Rが、アルキル、アルケニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ガマ-ラクトンから選択され、
Jは、H、OH、SH、NH、ハロゲンから選択される、
式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【0077】
実施形態8.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、アルキルであり、
が、-CH-Rであり、Rは、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、R5は、ヘテロアリールであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Eが、Hであり、
Jが、Hである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式Iの化合物。
【0078】
実施形態9.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Zが、Cであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
Jが、OHである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式IVの化合物。
【0079】
実施形態10.医薬成分としての使用のための式IVの化合物であって、式中
Xは、Oであり、
Yは、CHであり、
Zは、Cであり、
は、アルキルであり、
は、-CH2-R3であり、Rが、-R-Rであり、Rが、アルキルであり、Rが、ヘテロアリールであり、Jは、OHである、式IVの化合物。
【0080】
実施形態11.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、Hであり、
Aが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式IIの化合物。
【0081】
実施形態12.
Xが、Oであり、
Yが、CHであり、
Gが、Oであり、
が、Hであり、
Jが、Hであり、
Qが、Cであり、
Dが、Cであり、
Eが、-R-Rであり、Rは、アルキルであり、Rは、ヘテロアリールであり、
Aが、Hである、実施形態7による医薬成分としての使用のための式IIの化合物。
【0082】
実施形態13.医薬使用のために、本特許出願の式I、II、III、およびIVの化合物は、0.1μg/ml血液(6μg/Kg体重)~30μg/ml血液(1.8mg/Kg体重)の範囲の用量で、温血脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて使用される。上記有効用量範囲は、静脈内投与のためのものであり、それは他の投与経路では異なり得る。
【0083】
実施形態14.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、疼痛の治療、防止、または低減を必要とする、より具体的には急性もしくは慢性疼痛を有する個体において、疼痛の治療、防止、または低減に使用される。急性および慢性疼痛は、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性または体因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ヘルペス後疼痛、低背部疼痛、神経根疼痛、筋骨格疼痛、術後および外傷後疼痛、幻肢痛、外科的疼痛、創傷関連疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛、短期/急性または長期/慢性炎症性疼痛、リウマチ性疼痛、関節痛、骨関節炎関連疼痛、筋膜性疼痛、片頭痛、口腔顔面慢性疼痛、三叉神経痛、がん関連疼痛、線維筋痛関連疼痛、過敏症候群、感染症関連疼痛、HIV関連疼痛、捻挫および挫傷、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、物理的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管痛、片頭痛創傷、創傷関連疼痛、関節痛、体性内臓痛、幻肢痛、神経根疼痛、腰痛、内臓痛、腸痛、ならびに骨関節炎関連疼痛のうちの少なくとも1つを含むことが意図されるが、これらに限定されない。
【0084】
実施形態15.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、自己免疫障害の治療において、かかる疾患の標的であるKv1.3に記載されている効果に起因して、使用される。
【0085】
実施形態16.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、インスリン感受性、インスリン抵抗性関連症候群および肥満症に関連すると考えられるKv1.3チャネルに対するそれらの効果を考慮して、糖尿病の治療において使用される。
【0086】
実施形態17.式I、II、III、およびIVの化合物、その薬学的な塩またはプロドラッグは、抗てんかん剤および抗発作剤として使用される。
【0087】
実施形態18.Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防に使用するための、式I、II、III、およびIVの化合物。
【0088】
実施形態19.薬理学的に許容される希釈剤または担体と、活性成分の組み合わせとを含む医薬組成物であって、当該活性成分が、式I、II、III、およびIVによる少なくとも1つの化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む、医薬組成物。
【0089】
実施形態20.疼痛の治療を必要とする対象において疼痛を治療する方法であって、疼痛を有する対象に、治療有効量の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【0090】
実施形態21.疼痛が、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性または体因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ヘルペス後疼痛、低背部疼痛、神経根疼痛、筋骨格疼痛、術後および外傷後疼痛、幻肢痛、外科的疼痛、創傷関連疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛、短期/急性または長期/慢性炎症性疼痛、リウマチ性疼痛、関節痛、骨関節炎関連疼痛、筋膜性疼痛、片頭痛、口腔顔面慢性疼痛、三叉神経痛、がん関連疼痛、線維筋痛関連疼痛、過敏症候群、感染症関連疼痛、HIV関連疼痛、捻挫および挫傷、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、物理的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管痛、片頭痛創傷、創傷関連疼痛、関節痛、体性内臓痛、幻肢痛、神経根疼痛、腰痛、内臓痛、腸痛、ならびに骨関節炎関連疼痛から選択される急性および慢性疼痛のものである、実施形態19による方法。
【0091】
実施形態22.Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防を必要とする対象における、Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防の方法であって、Kv1.3チャネルが関与する疾患の治療または予防を必要とする対象に、治療有効量の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【0092】
実施形態23.自己免疫疾患の治療を必要とする対象における自己免疫疾患の治療の方法であって、自己免疫疾患を有する対象に、治療有効量の式I、II、III、およびIVの化合物を投与することを含む、方法。
【0093】
実施形態24.糖尿病またはインスリン抵抗性症候群の治療を必要とする対象における糖尿病またはインスリン抵抗性症候群の治療の方法であって、糖尿病またはインスリン抵抗性症候群を有する対象に、治療有効量の化合物を投与することを含む、方法。
【0094】
実施形態25.てんかんまたは発作の治療を必要とする対象におけるてんかんまたは発作の治療の方法であって、てんかんまたは発作を有する対象に、治療有効量の化合物を投与することを含む、方法。
【0095】
実施形態26.化合物が、0.018~1.8mg/kgの治療有効量で投与される、実施形態20~23による方法。
【0096】
実施形態27.本明細書に開示される化合物、組成物、使用、または方法であって、化合物は、式Iの化合物であり、式中、
Xは、Oであり、
Yは、CHであり、
Zは、Cであり、
は、アルキルであり、
は、-CH-Rであり、Rが、-R-Rであり、Rが、アルキルであり、Rが、ヘテロアリールであり、
Qは、Cであり、
Dは、Cであり、
Aは、-R-Rであり、Rが、アルキルであり、Rが、ヘテロアリールであり、
Eは、Hであり、
Jは、Hである、化合物、組成物、使用、または方法。
【0097】
実施形態28.化合物が、単離されるか、または合成的に生成される、実施形態1~6による化合物。
【0098】
実施形態29.化合物が、ニテニンまたはジヒドロニテニンである、実施形態7~28による化合物。
【0099】
本開示は、ニテニンおよびニテニン類似体化合物が、慢性および急性疼痛の治療、防止、または低減のための鎮痛剤として使用され得るという強固な証拠を開示する。この証拠は、エクスビボでのニューロン調製、疼痛の動物モデル、疼痛の行動読み出し、コンピュータアプローチ、インビトロでの毒性試験、および全細胞電圧クランプ記録を含むいくつかの技術的アプローチから得られた。
【0100】
本出願のニテニン類似体化合物は、ポルトガルのサグレスで捕獲された海洋性海綿動物であるSpongia agaracinaから最初に得られたが、化学的にも合成されている。実施例に示されるように、ニテニン含有抽出物は、ラットsdDRGN(疼痛感知ニューロン)から記録されたカリウム電流における調節効果を示し、これは生体誘導画分化プロセスの基礎である生物活性だった。得られた一連の画分は、K電流を調節する能力を維持するだけでなく、高いレベルの効能を示す化合物の同定を可能にした。結果はまた、非常に類似したK電流プロファイルにおいて同一の薬理学的効果を示した小径三叉神経節ニューロン(sdTGN)においても確認された。
【0101】
同定された化合物の影響を受け、全細胞電圧クランプ技術によってsdDRGN(およびsdTGN)から記録されるK電流が、疼痛神経生理学の分野における本出願人による集中的な研究の目的だった。ラット疼痛モデルの使用は、以前の標的検証を実施するため、すなわち、疼痛状態で差異的に発現されるK電流成分を決定するために重要だった。本開示の一態様において、疼痛状態に影響を受けるK電流成分は、関心対象の化合物によって主に調節される(減少される)ものであることが示唆される。電流に対する記録された調節効果の性質は、活性化および不活性化の電圧依存性ならびに動態などのいくつかの生物物理学的パラメータを監視することによって試験した。生物活性の特異性は、sdDRGNから記録された電流に対する薬理的効果を、他のタイプの後根神経節(中径DGRおよび大径DGR)におけるものと比較することによって実行した。
【0102】
さらに、異なる電圧活性化チャネルに対する薬物感受性を、異なるヒトKVチャネルサブユニット(Kv1.1、Kv1.2、Kv1.3、Kv1.4、およびKv1.6)で安定的にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から記録された電流に対する薬物効果を試験することによって評価した。化合物は、ほとんどがhKv1.3(IC50約190nM)で活性であり、これは、試験した他のKv1.xよりも6~30倍高い感受性である。
【0103】
疼痛療法に使用されるニテニンおよびニテニン類似体化合物が、他の化合物(イオンチャネルに作用するものを含む)を超える競争的利点のうちの1つは、部分的に、その特性のうちの少なくとも8つにあり、相互に関連しているが、以下のように説明することができる。
1-ニテニンおよびニテニン類似体化合物は、化学合成アプローチを使用して合成可能である低分子である。
2-それらの新規作用機序ならびにそれらの細胞内標的の位置および性質であり、ニテニンは、snDRG(Kv1.3に高い親和性を有するKv1.xのサブセット)で発現されるKチャネルの活性を低下させ、緩徐遅延整流化電流に関与し、脳への疼痛シグナル伝達および伝播を調節する。ニテニンおよびニテニン類似体のこの末梢効果とともに、補完的な中枢効果が排除されるものではない。現在、臨床的可能性を有するかかるKv1.xチャネルのいくつか(例えば、Kv1.3およびKv1.6)の特異的遮断剤について、重要な要求が満たされていない。
3-ニテニンまたはニテニン類似体化合物を投与することは、感覚および侵害受容能力ならびに非損傷の四肢/身体部位の侵害受容のいかなる損失も生じず、その作用機序が、例えば、それがオープンチャネル依存性効果であるという事実に関連する特性である。
4-本開示のニテニンおよびニテニン類似体化合物は、容易に投与される。ニテニン類似体化合物を試験するために使用される動物モデルでは、静脈内(IV)および腹腔内注射が、その鎮痛効果に関して成功裏に使用された。重要なことに、ニテニン類似体化合物は経口投与することができ、そのため好ましい実施形態において、胃内投与も動物モデルにおいて同様の鎮痛効果を伴って実施されるという事実が得られる。
5-実施された毒性学的実験に基づき、以下に試験および説明されるシステムにおいていかなる毒性または副作用の兆候もない。ニテニンは、主に末梢神経系に作用する(ただし、排他的ではない)ことが得られ、脳由来の毒性/副作用が生じることは示されていない。
6-ニテニンおよびその類似体は、多くの疼痛モデルにおいて疼痛を軽減するのに有効であり、急性および神経障害性慢性疼痛、化学療法誘発性末梢神経障害、急性および長期または慢性炎症性疼痛(侵害受容性疼痛)、口腔顔面慢性疼痛、ならびに糖尿病性神経障害性慢性疼痛が含まれる。かかる結果によって、幅広い臨床応用の可能性が予測される。
7-急性/短期の疼痛にも有効であるが、ニテニンは長期/慢性の疼痛に特に有効である。
8-カリウムチャネルのサブセット(Kv1.x)に特異的に作用し、ナトリウム電流/チャネル(Na)に何ら影響を及ぼさないことによって、ニテニン類似体化合物は、Na調節剤と競合せず、むしろ、それらと組み合わせて適用され得、想定される鎮痛効果を最大化するか、または相乗的に作用し得る。
【0104】
一実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグは、急性疼痛を治療するために使用され得る。典型的には3ヶ月~6ヶ月未満続くタイプの疼痛である、急性疼痛の状態の例には、手術、骨折、歯科治療、火傷および切傷、足首の捻挫などの軟組織損傷に直接関係する疼痛、分娩、および出産が含まれる。
【0105】
一実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを使用して、慢性疼痛を治療し得る。慢性疼痛に関連する疾患または障害の例としては、末梢神経障害慢性疼痛関節炎、特に骨関節炎、がん、HIV、糖尿病、線維筋痛症、帯状疱疹、ヘルペス、頭痛、片頭痛、多発性硬化症、神経損傷(神経障害)、腰痛、外傷および他の損傷(例えば、ヘルニア性椎間板、断裂した靭帯)、坐骨神経痛、糖尿病性神経障害、手根管症候群、三叉神経痛、手術後、慢性疲労症候群(または筋痛性脳脊髄炎)、子宮内膜症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性膀胱炎、側頭下顎関節機能障害(TMJ)、外陰部痛、滑液包炎、セリアック病、狼瘡、関節リウマチ、複合性局所疼痛症候群、筋膜性疼痛症候群、髄膜炎、ライム病および他のダニ媒介疾患、筋挫傷、ならびに捻挫が挙げられる。
【0106】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグは、痛覚過敏、体因性疼痛、心因性疼痛、熱誘発性疼痛、身体的疼痛、侵害受容性疼痛、リウマチ性疼痛、頭痛、骨盤痛、膀胱痛、筋膜性疼痛、血管性疼痛、片頭痛創傷、関節炎関連創傷、体性内臓痛、幻疼痛、根治性疼痛、腰痛、または骨関節炎関連疼痛を治療するために使用され得る。
【0107】
急性および慢性疼痛の両方には、末梢神経から中枢神経系(CNS)への電気信号の処理および伝導の複雑な変化が含まれる。正常な状態の電気的興奮性および活性レベル、または慢性疼痛に関連するそれらは、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、またはカルシウム(Ca2+)などの荷電金属イオンの、膜イオンチャネル(それぞれ、Nav、Kv、またはCav)を通る流入または流出の結果であり、細胞全体を通した、細胞から細胞への電気信号の生成、伝播、および伝達を引き起こす。慢性疼痛では、疼痛シグナル伝達の基礎となるニューロンネットワークが変化し、基礎となるチャネルの変化した発現および生物物理学によってもたらされる異常なイオン電流を伴い、過剰かつ持続的なニューロン興奮性および活性がもたらされる。したがって、効果的な鎮痛剤は、疼痛シグナル伝達ネットワークの過剰興奮性を抑制し、機能的チャネルの生理学的発現および/または生物物理学的プロファイルを復元し、次いで、ネットワーク活性を休止レベルに復元することができることを必要とする。
【0108】
疼痛感知ニューロンとも呼ばれる小径DRGニューロン(c線維)は、CNSへの侵害受容性入力(すなわち、「疼痛」につながる)を有する脊髄の外側に位置する。通常、正常な状態では、これらのニューロンは、自発的な発火活性を有さず-それらは沈黙しており(例えば、Lyら、2018)、疼痛エピソード中に変化する状況であり、実際には慢性疼痛を伴う。本発明の基礎となる治療戦略は、DRGニューロンにおけるかかるニューロンおよび三叉神経節(TG)におけるそれらに位置する主要なイオンチャネルを標的にし、かかる「疼痛誘発性」過興奮性を「スイッチオフ」にする。結果として、CNSへの「疼痛シグナル」の伝達が、中断または減少され、これによって、脳の疼痛の認識を防止する。しかしながら、補完的に、中枢ニューロンにおいて効果があり、鎮痛効果に協力する可能性がある。
【0109】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを使用して、疼痛誘発性過興奮性を停止させ得る。いくつかの実施形態において、それらを使用して、脳の疼痛の認識を調節することができる。
【0110】
いくつかのイオンチャネルは、疼痛伝播における主要なエフェクターとして特定されている。いくつかは、これらの疼痛感知ニューロンに特に存在する。したがって、それらの活動を特異的に調節することは、他の身体機能に影響を与えることなく痛みを遮断するであろう。ニテニン類似体が、小径(c線維に対応すると考えられるsdDRGN、さらにsdTGN)から記録される緩徐電圧活性化K電流の特異的調節物質であることが本明細書に開示される。かかる緩徐電流のもとにあるのは、特定のKv1.xチャネルである。この効果は、大径ニューロンにおいてマイクロモル濃度以下の範囲、すなわち、1マイクロモル未満の濃度ではより低く、ニテニンの調節効果は、sdDRGNおよびsdTGNについて排他的である。
【0111】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを使用して、緩徐電圧活性化K電流を調節し得る。いくつかの実施形態において、電流は、小径(sdDRGN、さらにsdTGN)ニューロンに由来する。
【0112】
Kv1.xは、緩徐電圧活性化電流を媒介するものを含め、主に疼痛感知ニューロンに存在するものとして、疼痛シグナル伝播に含まれるイオンチャネルである。ニテニン類似体化合物は、緩徐K電流成分に特に有効であり、ニテニン感受性電流の動態および電圧依存性を考慮すると、サブ電流成分は、Kv1.xチャネルのサブセットの関与を強く示唆する。実際、安定的にトランスフェクトされて、hKv1.1、hKv1.2、hKv1.3、hKv1.4、またはhKv1.6を発現するCHO細胞から記録された電流における電圧クランプ試験は、ニテニン類似体化合物がKv1.3チャネルにおいてはるかに有効であることを示した(第2の最も感受性が高いチャネル(Kv1.2)と比較した場合、ニテニンに対して約6倍、最も感受性の低いものと比較した場合、約30倍の感受性)(Kv1.4)(図2を参照されたい)。
【0113】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグを使用して、中枢ニューロン、すなわち、発作のエピソード下のニューロンにおける過興奮性を停止し得る。反復性神経発火の消失をもたらすKv1.xチャネルに対する上記効果は、抗てんかん効果における基礎である。したがって、ニテニンおよびニテニン類似体は、抗てんかん剤および抗発作剤として使用され得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグは、Kv1.3の遮断剤として使用され得る。Kv1.3は、免疫学的関連病態の治療のための標的、ならびに糖尿病および他の代謝障害の治療のための標的として報告されている。本開示の化合物は、糖尿病および他の代謝障害の治療に使用され得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびプロドラッグは、自己免疫疾患を治療するために使用され得る。他の実施形態において、それらを使用して、インスリン感受性を増加させ得る。
【0116】
これらの治療的治療に関して、投与方式(または複数の投与方式可)、投与量(または複数の投与量)、および最適化された薬学的形態(または複数の形態)は、患者の治療の確立の際に一般的に考慮される基準に従って決定することができ、非限定的な例として、化合物および/または化合物の薬学的に許容される塩の効力、患者の年齢、患者の体重、患者の状態の重症度、患者の治療に対する耐容性、ならびに治療において観察される二次的効果などが挙げられる。投与の特定の方式および頻度において治療的利益を提供する有効な投与量の決定は、当業者の能力の範囲内である。
【実施例
【0117】
インビボおよびエクスビボ疼痛モデル
インビボでの挙動研究および電気生理学的なエクスビボでの試験の両方に使用したラット疼痛モデルは、
●ナイーブウィスター:コントロールラット。後根神経節(DRG)、腰椎4、5、および6(L4、L5、およびL6)からのニューロン。
●急性および慢性神経障害性疼痛ラットモデル:CCIラット(ウィスターラットの坐骨神経の長期狭窄)術後3日(急性の場合)および23~29日(慢性の場合)。DRGからのニューロン(L4、L5、およびL6)。
●急性および長期持続性または慢性炎症性疼痛ラットモデル:CFAラット(ウィスターラットにおける完全フロイントアジュバント(CFA)の膝投与)注射後3日(急性)、18日(亜慢性)、および23日(慢性)。DRG(L3、L4 e L5)からのニューロン。
●慢性口腔顔面疼痛(COP)ラットモデル:ウィスターラットの洞毛パッドにCFAを注射し、注射後28~30日に分析したCOPラット。三叉神経節からのニューロン。
●糖尿病性神経障害性疼痛ラットモデル:STZラット、ウィスターラットにSTZ(ストレプトゾトシン)の腹腔内注射を加え、30日後に疼痛の兆候を発症させ、さらに30日の終わりに、ニテニン(IV)(合計60日)によって試験した。DRGからのニューロン(L4、L5 e L6)。
●化学療法誘発性末梢神経障害慢性疼痛ラットモデル:CIPNラット、パクリタキセルを3回(腹腔内注射)加え(2日ごと)、誘導の42日後に試験したウィスターラット。DRGからのニューロン(L4、L5 e L6)。
【0118】
エクスビボ材料の電気生理学的記録について、電圧クランプ記録を、ラットDRG(およびTG)から単離されたニューロンで行った。記録は、細胞単離プロセス(酵素的および機械的処理を含む)の終了の1時間後に、軸索の近位画分を含むことが多い神経細胞体から実施した。
【0119】
作用機序
ニテニン(本明細書において、式Vの化合物として表される)およびニテニン類似体化合物(本明細書において、式I~IVおよびVI~VIIIの化合物として例示される)の鎮痛剤としての作用機序は、本明細書において初めて開示される。それは、K電流の強化ではなく、それらの減少を伴う。かかる理由のため、sdDRGNおよびsdTGNに存在するカリウム電流を最初に特徴付けることが重要である。
【0120】
脱分極化ステップ時にsdDRGNから記録された電圧活性化された全細胞K電流(例えば、図1のように1秒間継続する+40mVまで)は、急速な活性化、続いて2つの不活性化フェーズを示した。したがって、脱分極化した電位における電流減衰は、2つの指数関数の合計に、よりフィッティングし、すなわち、数十ミリ秒の時間経過(τfast)を示す比較的急速な成分(ここではIfastと呼ばれる-A電流として知られるものと関連する)、続いて、数百ミリ秒の時間経過(τslow)を示すはるかに緩徐不活性化電流(ここではIslowと呼ばれる)である(図1を参照)。IfastおよびIslowの異なる比率が細胞間で認められ、さらにいくつかの細胞は、1つの成分Islowのみを示す。SdDRGnに認められる電流は、sdTGnについて報告されている電流と非常に類似している。
【0121】
ニテニンは、sdDRGNおよびsdTGNからのK電流を用量依存的に阻害した。最大1μM(約0.3μg/ml)の濃度では、それはIslowを特異的に減少させ(図1.bを参照)、その電流成分は、慢性疼痛ラットモデル(CCI、CFA、および口腔顔面)からの「損傷した神経」から得られたsdDRGnニューロン(およびsdTGn)において、過剰に発現される(Islowとの関係で)。図1.bに示される典型的な例では、ピーク電流はニテニン処理によってほとんど変化しないが、より緩徐成分は確かに減少されることに気づくことができる。ニテニン感受性電流成分(下図のトレース減算)は、約150msの単一指数によってよりフィッティングする電流減衰を示し、中度の濃度では、ニテニン効果がIslowに特異的であることをさらに示唆する。対照的に、Ifastは、ニテニンによる影響を最大1μg/mlの濃度でほとんど受けず、3μM/mlを超える濃度がIfastを減少させるために必要だった。重要なことに、Islowのニテニン減少は、「コントロール」動物から得られたニューロンにおいていくつかの濃度のニテニンによって誘発された減少と比較して、慢性疼痛動物から得られたニューロンで大きかった。
【0122】
ニテニン効果はK電流に特異的であり、電圧活性化Na電流に関連する変化を誘発することはできない(図1.b)
【0123】
slowおよびIfastにおける差次的用量反応は、図2.aに示される用量反応曲線で、よりよく識別される。Islowにおける濃度/遮断関係は、二重相を示す。最初から1μM(約0.3μg/ml)まで、関係は、約0.12μMのIC50を有する単一のヒル関数にフィッティングさせることができる。より高い濃度では、Islowとの関係は、Islowに対する効果がIfastに対する効果に加えられる第2のフェーズに従う。実際に、この第2のフェーズは、Ifastにおける濃度/遮断関係と一致し、同様に、単一のヒル関数に良くフィッティングする。その約6μMのIC50によって、ニテニンに対してかなり低い感受性が確証される。
【0124】
ニテニンの(Ifastよりもむしろ)Islowに対する高い感受性およびニテニン感受性電流の性質(図1.bのニテニン感受性電流を参照)によって、どのKチャネルがIslowを強調するか理解することが促された。どのKvチャネルサブユニットがDRGで発現されるか、そしてニテニン感受性電流の生物物理学的性質を考慮することによって、ニテニンを、hKv1.1、hKv1.2、hKv1.3、hKv1.4、およびhKv1.6を発現するCHO細胞から記録された全細胞電流について試験した。かかるリストから、Kv1.4のみが「A型」Ifastの根底をなし、残りはIslowに関係し得た。結果を、ニテニンに対する相対的感受性によって用量反応を示す図2.Bに要約する。電流阻害は、1000msパルスの最後に測定した。Kv1.3は、190nMのIC50でより高い感受性を示し、実際の値をsdDRGNからのIslowにおける用量反応(IC50 Islow約120nM)と同じ範囲で示した。これに反し、hKv1.1、hKv1.2、およびhKv1.6は、約6倍低い(またはそれ以下)感受性を示し、hKv1.4は約30倍低い感受性であり、明らかに最低の感受性だった。
【0125】
緩徐K電流のニテニン阻害は、「オープンチャネル遮断」の薬理学的プロセスを伴う。また、不活性化の定常状態の電圧依存性における変化(および活性化の電圧依存性に変化はほとんど、またはまったくない)を伴う。実際、ニテニンは、不活性化の電圧依存性に関連するI-V曲線を、より過分極化された電位に移行させる(図3を参照)。
【0126】
化合物は、Kチャネル不活性化を促進することによってsdDRGNから記録された緩徐電圧活性化電流を阻害し、その不活性化は慢性疼痛状態で多少損なわれる。より正確には、化合物は、定常状態不活性化の電圧感受性をより低い脱分極化値(またはより高い過分極性)にシフトさせて、不活性化を促進する。かかる不活性化における化合物誘発性シフトは、電圧曲線プロファイルが*最初の位置にある*(ニテニンまたはニテニン類似体による処理前)より大きく脱分極化されると、より大きくなる。脱分極された不活性化曲線は、慢性疼痛状態から得られたsdDRGNで典型的である。言い換えると、損傷した神経(慢性)から得られたニューロンでは、ニテニンは不活性化の電圧依存性プロファイルを「コントロール」パターンに戻す。したがって、不活性化の電圧感受性における化合物誘発性シフトは、損傷した神経由来のニューロン(異常に脱分極したプロファイルを示す)でより高く、過分極した電圧プロファイルを示す影響を受けていないニューロンでより低い。チャネル依存性におけるこの興味深い効果は、影響を受けたニューロンにおいて、すなわち、疼痛中に、特異的/より顕著であるニューロン興奮性の化合物誘発された低下を部分的に説明する。
【0127】
C線維は通常、沈黙しており、自発的な発火活性はほとんど、またはまったくなく、すなわち、コントロール条件において基礎活性はほとんど、またはまったくない。損傷していない沈黙しているニューロンにおけるニテニンの効果を分析することから開始する。ニテニンの作用機序の性質を考えると、かかる「沈黙しているニューロン」におけるK電流に対するニテニンの効果は、ほとんど、またはまったく期待されず、なぜなら、オープンチャネル遮断薬であるため、その効果は活性依存的であるためである(また、不活性化曲線におけるニテニンシフトは最小限であるだろう)。それにもかかわらず、影響を受けていないニューロンのこの例では、K電流の中度の減少があるが、かかる効果は、反復性発火を誘発する閾値電位には達しないであろう(不十分な誘発された脱分極のため)。これは、ニテニンが影響を受けていない体領域において「痛覚」を変化させない理由を部分的に説明する。他方、慢性疼痛の発生では、損傷したニューロンにおける過興奮状態があり、反復的かつ持続的な発火を伴う。この過興奮性ニューロンでは、ニテニン効果は最大である(上記の説明のように)。静止電位(K電流のニテニン誘発性減少によって誘発される)のさらなる増加は、ナトリウムチャネルの不活性化の間接的な促進によってもたらされる発火障害を必要とする。したがって、信号は中断されるが、「損傷した」線維でのみである。
【0128】
最後に、特異性に関して、大径DRGニューロンから得られる緩徐電流は、ニテニンに対する感受性が約10倍低いことに留意することが重要である。
【0129】
Kv電流におけるニテニン効果がどのように鎮痛効果をもたらすかは、新規作用機序で構成され、それはこの問題に対処する従来の方法では、阻害ではなくK電流の増加が過興奮性C線維の神経興奮性を、落ち着かせることを期待するためである。本例では、慢性疼痛状態(CCI、CFA、およびSTZから得られたsdDRGn、ならびにCOPラットモデルから得られたsdTGn)において、緩徐に不活性化するカリウム電流(Islow)が、速く不活性化する電流(Ifast)と比較して、より機能的に発現されることを強調しなければならない。また、かかる条件では、Islowは異常な脱分極化した不活性化プロファイル、すなわち、不活性化の少ないチャネルを示すことに注意することが重要である。反復性発火を長期間維持するために、Na電流の同感性の増加によってもたらされる「興奮力」の増加である、慢性疼痛下の典型的な状況は、反復性長期発火パターンに対応するK電流における相殺の増加によって維持されなければならない。本明細書に開示される化合物の効果は、それがかかるパターンをコントロールプロファイルに戻し、緩徐に不活性化するKv媒介電流を減少させるものである。緩徐K電流のこのニテニン誘発性効果は、疼痛状況で典型的なナトリウムコンダクタンス(Nav)の増加に必要となる調整はできないであろう。結果として、激化したナトリウム電流は、ニテニンの存在下で(Kv電流の減少によって誘発される脱分極にも起因する)不活性化し、影響を受けた神経におけるスパイク発火をオフにするが、正常な、損傷していないニューロンではオフにしない。これは、疼痛の間、すなわち慢性疼痛で、Kv増強剤または開口剤のみではなく、Kv遮断薬が、潜在的な鎮痛剤として考慮されるべきであることを意味する。
【0130】
電流の減少がニューロン興奮性の顕著な減少をいかにしてもたらすかは、異なる方法で、または最も高い可能性があるものとして、現象の組み合わせによって説明することができる。
【0131】
第一に、上記のように、K電流の薬剤誘発性減少は、膜電位が脱分極レベルに維持される方法で、影響を受けたニューロンの緩徐脱分極化をもたらし得、そのため、通常の閾値電位は、活動電位が発火していなくても通過し得る。したがって、脱分極は、Naチャネルの不活性化ゲートを閉じ、閉じたままであり、活動電位の上昇化が生じるのを防ぐ(Naチャネルが十分に「活性化可能」ではない)ように、収容のようなプロセスをもたらすであろう。
【0132】
第二に、(1)ニテニンが、Kv1.3で特に効果的であり(図2.bを参照)、(2)Kv1.3がDRGで発現されて(Yangら、2004)、慢性疼痛を有するDRGニューロンにおける発現レベルを増加させる(未発表のデータ)ので、Kv1.3における特異的遮断のより直接的な役割が考慮され得る。Kv1.3媒介性電流の生物物理学的性質および動態は、「慢性的な疼痛状況」におけるニューロンに対応する状態である、安定化した持続性発火を維持すると考えられる(Kupperら、2002)。かかるKv1.3媒介性電流を減少させることは、ラット海馬ニューロンに認められるように、活動電位振幅の低下、および発火を伴わない静止脱分極化状態につながるであろう(Kupperら、2002)。
【0133】
効能結果:
効能試験のために、侵害受容を、すべての疼痛モデルからのすべての動物において、定期的に行動をモニタリングすることによって、フォンフレイフィラメントを用いた機械的刺激に対する感受性を定量化することによって、その結果として、過感受性のときの痛覚過敏を反映することによって、評価した。神経障害性疼痛モデルCCIでは、アセトンによる冷感異痛試験も使用し、フォンフレイフィラメントと非常に類似した応答を示した。
【0134】
静脈内投与後の効能。以下の結果は、精製されたニテニン(>98%-式Vの化合物)(血液の1μg/mL、約0.06mg/Kg)の静脈内(IV)注射に関する。
●ナイーブウィスターコントロール:ニテニンをI.V.注射した後、両足に感受性スコアのいかなる変化もまったくなかった。
●CCIラットでは、I.V.投与後、急性(モデル誘導の3日後)および慢性(22日または31日後)の両方の状況で、機械的刺激に対する感受性が顕著に減少した。典型的な実験を図4に示す。過感受性のニテニン誘発された減少は、両例(急性および慢性)で頑強だったが、慢性疼痛の例で明らかに高く、いくつかの個体では、ニテニンはスコアをコントロール値に戻した。疼痛軽減期間は、2~4時間持続した。重要なことに、試験したすべての動物の対側(非損傷)の足の行動スコアに変化はなかった。
●CFAラットでは、3日(急性)、18日(亜慢性、静脈内)、および23日(慢性)のすべての状況において、ニテニンI.V.注射後に、機械的刺激に対する感受性の顕著な低下があった。繰り返しになるが、ニテニン効果は、23日間ですでにスコアの一部回復があったとしても、慢性化の状況でより高かった。疼痛緩和の持続時間が、CCIラットのように2.5~4.5時間続き、損傷した足に限定された。
●COPラットでは、ニテニンI.V.投与は、一貫して、CFAの注射の23日後(慢性)に洞毛パッド領域で評価された機械的感受性の顕著な低下をもたらした。典型的な実験を図5に示す。疼痛緩和の持続時間が、3~4時間続き、損傷した洞毛パッド(損傷した表面のみ)に限定された。
●STZラットについて、動物は、STZ注射の1週間以内に糖尿病性グルコース血中レベルに達し、30日の最後に機械的刺激に対する過感受性を有する。したがって、ニテニンは、慢性糖尿病性神経障害の確立のための期間を可能にするSTZによる処置後60日にI.V.でのみ投与された。ニテニン投与後、過感受性の足における機械的感受性の低下が観察された。ニテニン誘発性疼痛緩和の持続時間は2~3時間続いた。
●CIPNラットでは、ニテニンはI.V.投与された。パクリタキセルによる処置の42日後、両足における機械的刺激に対する感受性の極端な低下を一貫してもたらした。それにもかかわらず、この例では、疼痛の緩和は、おそらくモデルの重症度に起因して、他の疼痛モデルと比較して強くなく、長続きしなかった(<2時間)。
【0135】
-腹腔内投与後の効能。腹腔内投与を、CFAラット(CFA注射後23日)において、I.V.注射によって投与されるニテニン量の10倍で試験した。この例では、コントロールレベルに達するスコア値によって疼痛の明確な緩和効果があり、効果は約4時間持続した。
【0136】
-経口投与後の効能。胃管(胃内)を通したニテニンの経口投与を、I.V.注射によって投与される量の100倍で、CCIラット(術後31日)において試験した。試験したすべての動物において、同様の痛みの緩和、すなわち感受性値の低下があった。かかる効果は約2時間持続した。
【0137】
ニテニンを用いて実施した試験に加えて、式I、II、III、およびIVのコア構造を中心に設計した3つの類似体(式VI、VII、およびVIIIの化合物)も試験して活性を実証した。
【0138】
要約すると、ニテニン化合物は、短期/急性および長期/慢性神経障害性疼痛、短期/急性および長期/慢性炎症性疼痛、慢性口腔顔面疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、ならびに化学療法誘発性末梢神経障害に有効であることが示している。効能は、静脈内、腹腔内、および重要なことに、経口投与を介したいくつかの投与経路について実証されている。
【0139】
3つのニテニン類似体の効果は、影響を受けたK電流成分が関係するもので類似した。しかしながら、Islow図7~9)、および定常状態不活性化の電圧依存性(図10~12)における典型的な効果は、異なる濃度で得られた。これは、ニテニン類似体化合物が、Islowに明確な効果を有するが、異なる親和性を有することを強く示す。最も強い効果は、式Vの化合物で観察され、次に、式VII、VIIIa、VIIIb、およびVIの化合物がそれぞれ続いた。
【0140】
用量依存曲線に基づいて、I.V.適用したいくつかの濃度および効能レベルがその結果として定量化され、ニテニン類似体は、0.1μg/ml血液(6μg/Kg体重)~30μg/ml血液(1.8mg/Kg体重)の範囲の用量で、温血脊椎動物、特にヒトにおける薬理学的使用に使用される。
【0141】
毒性結果:
ニテニン化合物の毒性を、異なる技術によって評価した。毒性の兆候は検出されなかった。
【0142】
1.コンピュータによる毒性のアッセイ
VEGA(登録商標)ソフトウェアを用いたアッセイによって、変異原性、発がん性、発達毒性、肝毒性、皮膚感作性、エストロゲン受容体に対する親和性、およびいくつかの環境パラメータ(例えば、水生毒性、ミツバチ、生物蓄積)を試験することが可能だった。様々なレベルの信頼性で、すべての試験が陰性だった。
【0143】
2.インビトロおよびエクスビボ毒性
●細胞株HFF2を使用した細胞生存率試験(MTS)は、最大200μMの濃度について細胞生存率のいかなる低下も示さなかった。
●心臓毒性:
a)マウス心筋細胞初代培養物を使用した細胞生存率試験(MTS)は、最大20μMの濃度について細胞生存率の低下を示さなかった。
b)hERGにおける全細胞電圧クランプ:HEK(ヒト胚性腎臓)細胞で発現されたhERGによって媒介される外向き電流に影響はない。
c)エクスビボラット調製物は、ニテニン(最大10μM)が、洞性心拍数、房室異方性(単離されたラット心房)、および右心室(RV)異方性(単離されたラット心室)を変化させないことを明らかにした。
d)麻酔したウィスターラットのインビボ心電図(ECG)記録は、ニテニン静脈内注射(60μg/Kg)が、洞調律および心拍数を変化させず、不整脈またはいかなる催不整脈性現象も誘発しなかったことを示した。
【0144】
3.インビボ毒性
すべてのインビボ投与について、動物の行動をさらに1週間追跡し、その後、死後剖検を行った。一組の個体を、1日当たり2回のI.V.投与(1回は午前中、もう1回は午後の終わり)にまる1週間供した。任意の臓器または内部構造のいかなる外観の変化も検出されなかった。
【0145】
いくつかの特徴が以下に記載され、それは各々を互いに独立して、または他の特徴の任意の組み合わせで使用することができる。しかしながら、任意の個々の特徴は、上で考察された問題のいずれにも対処しない場合もあれば、上で考察された問題の1つにのみ対処する場合もある。上で考察された問題のうちのいくつかは、本明細書に記載される特徴のいずれによっても完全には対処されない場合がある。見出しが提供されるが、特定の見出しに関する情報は、その見出しを有するセクションにはないが、本明細書の他の箇所にも見出され得る。
【0146】
前述の明細書において、本発明の実施形態は、実行間で変化し得る多数の具体的な詳細に言及して説明されてきた。したがって、本発明が何であるか、および本出願人によって本発明で意図される唯一かつ排他的な指標は、本出願から発行される特許請求の範囲のセットであり、かかる特許請求の範囲が発行される特定の形態において、任意のその後の修正を含む。かかる特許請求の範囲に含まれる用語のために本明細書に明示的に示される任意の定義は、特許請求の範囲で使用されるかかる用語の意味を支配するものとする。したがって、特許請求の範囲に明示的に列挙されない限定、要素、特性、特徴、利点、または属性は、かかる特許請求の範囲をいかなる方法でも制限しない。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えられるべきである。
【0147】
様々な刊行物、物品、および特許が、背景および本明細書を通して引用または記載され、これらの参照文献の各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、行為、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明の文脈を提供する目的のためのものである。かかる考察は、開示または特許請求される任意の発明に関して、これらの事項のうちのいずれかまたはすべてが先行技術の一部を形成することを認めるものではない。
【0148】
参考文献:
Li Y,North RY,Rhines LD,Tatsui CE,Rao G,Edwards DD,Cassidy RM,Harrison DS,Johansson CA,Zhang H,Dougherty PM.(2018).DRG Voltage-Gated Sodium Channel 1.7 Is Upregulated in Paclitaxel-Induced Neuropathy in Rats and in Humans with Neuropathic Pain.J Neurosci.2018 Jan 31;38(5):1124-1136.
Kupper J,Prinz AA,Fromherz P(2002).Recombinant Kv1.3 potassium channels stabilize tonic firing of cultured rat hippocampal neurons.Pflugers Arch.Feb;443(4):541-7.
Yang EK,Takimoto K,Hayashi Y,de Groat WC,Yoshimura N.(2004).Altered expression of potassium channel subunit mRNA and alpha-dendrotoxin sensitivity of potassium currents in rat dorsal root ganglion neurons after axotomy.Neuroscience;123(4):867-74.
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【国際調査報告】