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特表2022-544078グループベースのセカンダリセルのビーム障害回復
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】グループベースのセカンダリセルのビーム障害回復
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20221007BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20221007BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221007BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W16/28
H04W72/04 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506638
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 SG2020050337
(87)【国際公開番号】W WO2021029824
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】10201907430S
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン スアン ツオン
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】コウ ティアン ミン ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】カン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】ブハンブリ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】小川 佳彦
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
(57)【要約】
通信装置は受信部と回路を備える。受信部は、ネットワーク内で動作する複数のセカンダリセル(SCell)のビーム障害回復(BFR)のための設定情報を受信する。回路は、前記設定情報に基づいて、ビーム障害検知(BFD)および報告を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時に、ネットワーク内で動作する複数のセカンダリセル(SCell)のビーム障害回復(BFR)のための設定情報を受信する受信部と、
動作時に、前記設定情報に基づいて、ビーム障害検知(BFD)および報告を行う回路と、を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記設定情報はコンポーネントキャリア(CC)のリストを含む、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記BFDは、
(1)グループ内で障害があると特定された前記複数のSCellの数(sbf)が閾値(nmin)以上(ただし、nminは前記グループ内で障害状態にある前記複数のSCellの最小数)または、
(2)グループ内のSCellのビーム障害インスタンス通知(BFII)の合計(M)が閾値(
【数1】
)以上(ただし、
【数2】
、Nはi番目のSCellの前記BFIIの値であり、nは前記グループ内の前記SCellの数であり、
【数3】
は前記グループ内の前記SCellのBFIIの最大数である)
のうち少なくとも一つに基づいて行われる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記閾値(nmin)は1の(事前)固定値であり、
前記通信装置は、前記グループ内の前記SCellごとの前記BFIIをカウントし、前記グループ内の前記SCellのいずれかに障害があると特定された場合、前記グループのビーム障害(BF)を宣言するようにさらに構成されている、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記閾値(nmin)は1より大きい(事前)固定値であり、
前記通信装置は、前記グループ内の前記SCellごとのビーム障害(BF)を検知するために前記BFIIをカウントし、sbf≧nminの場合、前記グループ内のSCellが障害状態にあると宣言するようにさらに構成されている、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記前記閾値(nmin)は、前記通信装置のケイパビリティに応じて、上位レイヤシグナリングまたは下りリンク制御通知を含む制御情報によってフレキシブルに通知される、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項7】
【数4】
は(事前)固定値である、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項8】
【数5】
は、前記通信装置のケイパビリティに応じて、上位レイヤシグナリングまたは下りリンク制御通知を含む制御情報によって通知されるフレキシブルな値である、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項9】
各グループのBFDを行うための、nminまたは
【数6】
に基づく方法が通知される、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項10】
前記設定情報は、グループID、通知されたコンポーネントキャリア(CC)インデックス、またはグループごとの設定インデックスの順序を備えるグループ識別子を含む、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記設定情報の通知は、(事前)設定されたルール、または、少なくともPDCCH DCI(Physical Downlink Control Channel)(Downlink Control Indicator)、MAC CE(Medium Access Control)(Control Element)、またはRRC(Radio Resource Control)メッセージを介した制御情報のうち少なくとも一つに基づいてシグナリングされる、
請求項1から3、または10のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記BFDの報告の内容には少なくとも、前記設定情報によって通知された各グループの前記グループ識別子が含まれる、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項13】
前記通信装置は、コンポーネントキャリア(CC)インデックス、空間Rxパラメータ、および到来角(AoA:angle of arrival)を含む新しいビーム情報を提供するようにさらに構成されている、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項14】
前記設定情報は少なくとも、個々のグループごとに前記BFDおよび報告を行う、通知されたSCellを含み、前記通知されたSCellのみが明示的または暗示的にBFD参照信号を設定されることができる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項15】
障害グループの数がそのときの有用なグループの数より多い場合、前記通信装置は前記有用なグループの前記識別子を報告し、そうでない場合、前記通信装置は前記障害グループを報告する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項16】
通信装置が、
ネットワーク内で動作する複数のSCellのビーム障害回復(BFR)のための設定情報を受信し、
前記設定情報に基づいて、ビーム障害検知(BFD)および報告を行う、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広く、通信装置、および、電子機器やシステムのための通信方法に関し、特に、ネットワーク上で動作する複数のセカンダリセル(SCell)のビーム障害回復に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波(mmWave)通信のような無線ネットワークは、より高い周波数帯で動作するため、通信装置は大きなアンテナアレイを備えている。これにより、非常に狭いビームを用いて多数のリンクで信号を送信できる。このようなネットワークには、非常に高いデータレートでの送信のように、従来のネットワークに比べ多くの利点がある反面、ネットワーク内でビーム障害が生じた場合のマルチビーム動作および回復プロトコルの管理に関する問題を含む。
【0003】
現在、プライマリセル(PCell)およびプライマリ・セカンダリセル(PsCell)のためのビーム障害回復手順のみが、5G規格のための3GPPリリース(Rel.)15に規定されており、グループベースのセカンダリセル(SCell)に関連したビーム障害回復のための通信装置および方法についてはほとんど議論されていない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の非限定的な実施例は、無線ネットワークにおけるマルチビーム動作の高度化を提供することに資する。一例として、本実施例は、ネットワークにおけるグループベースのSCellビーム障害回復を含み、ネットワーク内で動作するように構成された複数のSCellのビーム障害を同時に回復する効果的な解決策を提供する。
【0005】
本開示によれば、動作時に、ネットワーク内で動作する複数のSCellのビーム障害回復(BFR)のための設定情報を受信する受信部と、動作時に、前記設定情報に基づいて、ビーム障害検知(BFD)および報告を行う回路と、を備える通信装置が提供される。
【0006】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0007】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図では、同様の参照符号が各図全体に渡って同一または機能的に類似した要素を示している。添付の図は、以下の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれ、その一部を構成しており、本実施の形態に従って、様々な実施形態を図示し、様々な原理および利点を説明する役割を果たすものである。
図1】3GPP NR(New Radio)の構造例を示す図である。
図2】次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)と5Gコアネットワーク(5GC)間の機能分割を示す概略図である。
図3】無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続設定/再構成の手順を示すシーケンス図である。
図4】高速大容量(emBB:Enhanced mobile broadband)、多数同時接続(mMTC:Massive Machine Type Communications)、および超高信頼低遅延(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communications)の利用シナリオを示す概略図である。
図5】非ローミングシナリオのための5Gシステム構造の例を示すブロック図である。
図6A】MIMO(multiple-input multiple-output)無線ネットワークにおける、基地局(gNB)と端末(UE)との間の、上りリンクおよび下りリンクのMIMO通信の概略図である。
図6B】MIMO無線ネットワークにおける、gNBと複数のUEとの間の、下りリンクマルチユーザMIMO(MU-MIMO)通信の概略図である。
図6C】MIMO無線ネットワークにおける、gNBと複数のUEとの間の、上りリンクMU-MIMO通信の概略図である。
図7】様々な実施の形態に係るビーム障害回復手順を示す図である。
図8】様々な実施の形態に係る通信装置の概略例を示す図である。本通信機器は、本開示の様々な実施の形態に係る、gNBまたはUEとして実装されてもよく、ビーム障害検知および回復のために構成されてもよい。
図9】一実施例に係る、一つまたは複数のUEと、一つまたは複数のセルまたはgNBとの、メッセージシーケンスを送信する無線ネットワークを示す図である。
図10】一実施例に係る、グループベースのシナリオに基づく複数のSCellのビーム障害回復(BFR:beam failure recovery)のための設定情報を示す図である。
図11】一実施例に係る、グループベースのSCellのBFR設定情報の表を示す図である。
図12】一実施例に係る、電子機器を示す図である。
【0009】
当業者であれば、図中の要素が平易にかつ明瞭に示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、例示のみを目的として、図面を参照して説明される。図面に示す同様の参照番号および文字は、同様の要素または同等のものを指す。
【0011】
<5G NRシステム構造とプロトコルスタック>
3GPPは、100GHzまでの周波数帯で動作するNR(new radio)アクセス技術の開発を含む第5世代のセルラー技術(単純に5Gと呼ばれる)の次期リリースに取り組んでいる。5G規格の「Non-Stand-Alone(NSA)」NR仕様書は、最初、2017年後半に提供された。2018年には、NRシステムの「Stand-alone(SA)」5Gの実現のため、5G規格の初版である3GPP Release 15が完成した。これにより、5G NR規格に準拠したスマートフォンの試行及び商用展開を進めることができた。
【0012】
全体のシステム構造として、特に、NG-RAN(Next Generation - Radio Access Network)を想定しており、NG-RANは、UEに対してNG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)およびRRC(Radio Resource Control)プロトコルの終端を提供するgNBを備える。gNBは、Xnインタフェースによって相互に接続される。また、gNBは、次世代(NG:Next Generation)インタフェースによって次世代コア(NGC:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによってアクセス・モビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に接続され、NG-Uインタフェースによってユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RAN構造を図1に示す(例えば、3GPP TS 38.300 v15.6.0のセクション4参照)。
【0013】
NRのユーザプレーンのプロトコルスタック(例えば3GPP TS 38.300のセクション4.4.1参照)は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol、3GPP TS 38.300のセクション6.4参照)、RLC(Radio Link Control、3GPP TS 38.300のセクション6.3参照)、MAC(Medium Access Control、3GPP TS 38.300のセクション6.2参照)の各サブレイヤで構成され、これらはネットワーク側のgNBで終結する。さらに、PDCPの上位には、新しいアクセス層(AS:access stratum)サブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)が導入されている(例えば、3GPP TS 38.300のsub-clause 6.5参照)。また、NRでは制御プレーンプロトコルスタックも定義されている(例えば、3GPP TS 38.300のセクション4.4.2参照)。レイヤ2機能の概要は、3GPP TS 38.300のsub-clause 6に記載されている。PDCP、RLC、およびMACサブレイヤの機能は、それぞれ3GPP TS 38.300のセクション6.4、6.3、および6.2に記載されている。RRCレイヤの機能は、3GPP TS 38.300のsub-clause 7に記載されている。
【0014】
例えば、メディアアクセス制御レイヤでは、論理チャネルの多重化や、異なるヌメロロジーを含むスケジューリングやスケジューリング関連の機能を担う。
【0015】
物理レイヤ(PHY:physical layer)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、および信号の適切な物理時間-周波数リソースへの配置を担う。また、トランスポートチャネルの物理チャネルへの配置も行う。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースの組に対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルに配置される。例えば、物理チャネルは、上りリンクではPRACH(Physical Random Access Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、下りリンクではPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PBCH(Physical Broadcast Channel)となる。
【0016】
NRのユースケース/導入シナリオには、高速大容量(eMBB)、超高信頼低遅延(URLLC)、多数同時接続(mMTC)などがあり、これらはデータレート、遅延、カバレッジの点で多様な要件を持つ。例えば、eMBBでは、IMT-Advancedで提供されているものの三倍ほどのピークデータレート(下り20Gbps、上り10Gbps)とユーザの体感データレートに対応することが求められる。一方、URLLCでは、超低遅延(ユーザプレーンの遅延はUL、DLともに0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1-10-5)がより厳しく求められる。最後に、mMTCには、好ましくは、高い接続密度(都市環境では1平方キロメートルあたり100万台)、過酷な環境での広いカバレッジ、低コスト機器の超長寿命バッテリー(15年)が求められる。
【0017】
したがって、一つのユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル持続時間、巡回プレフィクス(CP)持続時間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、他のユースケースに対してうまく機能しない可能性がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル持続時間(したがって、より大きなサブキャリア間隔)および/またはスケジュール間隔(換言すると、TTI)当たりのより少ないシンボル数を必要とし得る。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい導入シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりも長いCP持続時間を必要とし得る。同様のCPオーバーヘッドを維持するためには、サブキャリア間隔は適宜最適化される必要がある。NRでは、複数の値のサブキャリア間隔をサポートしてもよい。これに対応して、現時点では15kHz、30kHz、60kHz、…、のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル持続時間Tuとサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tuによって直接関係づけられる。LTEシステムと同様、「リソースエレメント」という用語は、一つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対応する一つのサブキャリアで構成される最小リソース単位を示すことができる。
【0018】
5G NRシステムでは、ヌメロロジーとキャリアごとに、サブキャリアとOFDMシンボルのリソースグリッドを上りリンクと下りリンクそれぞれに定義する。リソースグリッド内の各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと、時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(3GPP TS 38.211 v15.6.0参照)。
【0019】
<NG-RANと5GC間の5G NR機能分割>
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分割を示す。NG-RAN論理ノードはgNBまたはng-eNBである。5GCには、AMF、UPF、およびSMFの論理ノードが含まれる。
【0020】
gNBとng-eNBは、具体的に、以下の主な機能を務める。
・無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、上りリンクおよび下りリンクの双方におけるUEへのリソースの動的割り当て(スケジューリング)等の、無線リソース管理機能
・IPヘッダの圧縮、データの暗号化および完全性保護
・UEから提供された情報からAMFへのルーティングが判断できない場合のUEアタッチ時のAMF選択
・UPFへのユーザプレーンデータのルーティング
・AMFへの制御プレーン情報のルーティング
・接続の設定と解除
・ページングメッセージのスケジューリングと送信
・システムブロードキャスト情報(AMFまたはOAMから発信される)のスケジューリングおよび送信
・モビリティとスケジューリングの測定および測定報告設定
・上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング
・セッション管理
・ネットワークスライシングのサポート
・QoSフロー管理とデータ無線ベアラへの配置
・RRC_INACTIVE状態のUEのサポート
・NASメッセージの配信機能
・無線接続ネットワークシェアリング
・デュアルコネクティビティ
・NRとE-UTRA間の緊密な連携
【0021】
アクセス・モビリティ管理機能(AMF)は、以下の主な機能を務める。
・非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングの終了
・NASシグナリングセキュリティ
・アクセス層(AS:Access Stratum)のセキュリティ制御
・3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのインターコアネットワーク(CN:Core Network)ノードシグナリング
・アイドルモードのUEへの到達性(ページング再送の制御および実行を含む)
・登録エリア管理
・システム内・システム間モビリティのサポート
・アクセス認証
・ローミング権のチェックを含むアクセス認可
・モビリティ管理制御(サブスクリプションおよびポリシー)
・ネットワークスライシングのサポート
・セッション管理機能(SMF:Session Management Function)選択
【0022】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function)は、以下の主な機能を務める。
・RAT内/RAT間モビリティのアンカーポイント(該当する場合)
・データネットワークへの相互接続の外部PDUセッションポイント
・パケットルーティングとフォワーディング
・パケット検査およびポリシールール施工のユーザプレーン部
・トラフィック使用報告
・データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンク分類子
・マルチホームPDUセッションをサポートする分岐点
・パケットフィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強化などのユーザプレーンのQoS処理
・上りリンクトラフィックの検証(SDFからQoSフローへの配置)
・ダウンリンクパケットバッファリングとダウンリンクデータ通知トリガ
【0023】
最後に、セッション管理機能(SMF:Session Management)は、以下の主な機能を務める。
・セッション管理
・UEのIPアドレスの割り当てと管理
・UP機能の選択と制御
・トラフィックを適切な宛先にルーティングするために、ユーザプレーン機能(UPF)でトラフィックステアリングを設定
・ポリシー施行およびQoSの制御部
・下りリンクデータの通知
【0024】
<RRC接続設定と再構成の手順>
図3は、UEがNAS部のRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際の、UE、gNB、AMF(5GCエンティティ)の間の処理の一部を示す(3GPP TS 38.300 v15.6.0を参照)。
【0025】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤシグナリング(プロトコル)である。この移行は、具体的には、AMFがUEコンテキストデータ(例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線ケイパビリティ、UEセキュリティケイパビリティ等を含む)を準備し、初期コンテキスト設定要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)と共にgNBに送信することを含む。そして、gNBはUEとのASセキュリティを稼働する。この動作は、UEに対してセキュリティモードコマンド(SecurityModeCommand)メッセージを送信するgNBと、セキュリティモード完了(SecurityModeComplete)メッセージでgNBに応答するUEによって行われる。その後、gNBは、RRC再構成(RRCReconfiguration)メッセージをUEに送信し、それに応じて、UEからRRC再構成完了(RRCReconfigurationComplete)メッセージをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2:Signaling Radio Bearer 2)およびデータ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer)を設定するための再構成を実行する。シグナリングのみの接続の場合、SRB2およびDRBは設定されないので、RRC再構成に関連するステップはスキップされる。最後に、gNBは、セットアップ手順が完了したことを、初期コンテキスト設定応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でAMFに通知する。
【0026】
そこで、本開示では、動作中に、gNodeBとの次世代(NG)接続を確立する制御回路と、動作中に、初期コンテキスト設定メッセージを、NG接続を介してgNodeBに送信して、gNodeBと端末(UE)との間のシグナリング無線ベアラを設定させる送信部とを備える、第5世代コア(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMF等)が提供される。具体的には、gNodeBは、シグナリング無線ベアラを介して、リソース割り当て設定情報エレメントを含む無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングをUEに送信する。そして、UEは、リソース割り当て設定に基づいて、上りリンク送信または下りリンク受信を行う。
【0027】
<2020年以降のIMTの利用シナリオ>
図4は、5G NRのユースケースの一部を示す。第3世代パートナーシッププロジェクトNR(3GPP NR)では、IMT-2020によって多種多様なサービスやアプリケーションに対応することが想定されている三つのユースケースが検討されている。高速大容量(eMBB)のフェーズ1の仕様はまとまった。eMBBの対応をさらに拡充することに加え、現在および将来的には、超高信頼低遅延(URLLC)および多数同時接続の標準化の研究も進められる。図4は、2020年以降のIMTで想定される利用シナリオの例を示す(例えば、ITU-R M.2083の図2を参照)。
【0028】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、アベイラビリティ等の、ケイパビリティに対する厳しい要件を有し、工業生産や製造プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドの配電自動化、交通安全等、将来の垂直アプリケーションを実現するものの一つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913によって設定された要件を満たす技術を特定することでサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、UL(上りリンク)0.5ms、DL(下りリンク)0.5msのユーザプレーン遅延を目標とすることが主要な要件である。パケットを一回送信する際の一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーン遅延が1msで、32バイトのパケットサイズに対してブロックエラーレート(BLER)が1E-5である。
【0029】
物理レイヤの観点から、信頼性を向上させるには様々な方法がある。現在、信頼性を向上させるためには、URLLC用の独立したCQIテーブルの定義、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返し等が考えられる。しかし、NRが(NR URLCの主要要件に対して)より安定し、発展するにつれて、超高信頼性を達成するために考えられる範囲が広がる可能性がある。リリース15におけるNR URLLC特有のユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セーフティ、およびミッションクリティカルアプリケーションが含まれる。
【0030】
また、NR URLLCが目標とする技術強化は、遅延の改善と信頼性の向上である。遅延改善のための技術強化には、設定可能なヌメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリー(configured grant)の上りリンク、データチャネルのスロットレベルの繰り返し、および下りリンクのプリエンプション(pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、すでにリソースが割り当てられている送信を停止し、すでに割り当てられているそのリソースを、後から要求された、より少ない遅延や高い優先度を必要とする別の送信に使用することを意味する。したがって、すでに許可された送信は、後の送信によってプリエンプトされる。プリエンプションは、特定のサービスタイプとは無関係に適用できる。例えば、サービスタイプA(URLC)の送信は、サービスタイプB(例えばeMBB)の送信によってプリエンプトされてよい。信頼性向上に関する技術強化には、目標BLER 1E-5のための専用CQI/MCSテーブルが含まれる。
【0031】
mMTC(多数同時接続)のユースケースは、通常、比較的少量の非遅延機密データを送信する、非常に多くのデバイスが接続されることを特徴とする。デバイスは低コストで、非常に長いバッテリー寿命を持つことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEにとっての省電力化と、バッテリーの長寿命化を可能にする一つの策である。
【0032】
上述のように、NRにおける信頼性の範囲はより広くなることが予想される。すべてのケースに共通する重要な要件の一つであり、特にURLLCとmMTCに必要な要件は、高信頼性または超高信頼性である。信頼性を向上させるには、無線の観点やネットワークの観点から、いくつかのメカニズムが考えられる。一般的に、信頼性の向上を助けるいくつかの重要な領域がある。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データ/制御チャネルの繰り返し、周波数、時間、空間領域におけるダイバーシティなどがある。これらの領域は、特定の通信シナリオに関わらず、一般的に、信頼性に適用される。
【0033】
NR URLLCについては、ファクトリーオートメーション、輸送産業、配電など、より厳しい要件を持つさらなるユースケースが特定されている。より厳しい要件とは、ユースケースに応じた、高い信頼性(最大10-6レベル)、高いアベイラビリティ、最大256バイトのパケットサイズ、数μsオーダー(周波数範囲に応じて1μsまたは数μsとなる)の時刻同期、0.5~1msオーダーの短い遅延(特に、目標ユーザプレーン遅延0.5ms)である。
【0034】
さらに、NR URLLCでは、物理レイヤの観点からいくつかの技術強化が確認されている。これらの中には、コンパクトなDCI、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)の繰り返し、PDCCHモニタリングの増加に関連するPDCCHの強化がある。また、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)の強化は、拡張HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)とCSIフィードバックの強化に関する。また、ミニスロットレベルのホッピングや再送/繰り返しの強化に関連するPUSCHの強化も確認されている。「ミニスロット」とは、スロット(14シンボルで構成されるスロット)よりも少ない数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)を表す。
【0035】
<QoS制御>
5GのQoS(Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートを必要とするQoSフロー(GBR QoSフロー)と、保証されたフロービットレートを必要としないQoSフロー(非GBR QoSフロー)の両方に対応している。そのため、NASレベルでは、QoSフローはPDUセッションにおけるQoS差別化の最も細かい粒度となる。QoSフローは、NG-Uインタフェース上のカプセル化ヘッダに含まれるQoSフローID(QFI)によってPDUセッション内で識別される。
【0036】
各UEに対して、5GCは、1つまたは複数のPDUセッションを確立する。各UEに対して、NG-RANは、PDUセッションとともに少なくとも一つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立し、そのPDUセッションのQoSフローのための追加のDRBは、例えば、図3を参照して上述したように、その後に設定することができる(いつそうするかはNG-RAN次第)。NG-RANは、異なるPDUセッションに属するパケットを異なるDRBに配置する。UEと5GCのNASレベルのパケットフィルタは、ULとDLのパケットをQoSフローに関連付け、一方、UEとNG-RANのASレベルのマッピングルールは、ULとDLのQoSフローをDRBに関連付ける。
【0037】
図5は、5G NRの非ローミング参照構造を示す(3GPP TS 23.501 v16.1.0、セクション4.23参照)。図5に示す、5Gサービスをホストする外部アプリケーションサーバなどのアプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するために、例えば、トラフィックルーティングに対するアプリケーションの影響をサポートしたり、ネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスしたり、QoS制御などのポリシー制御(ポリシー制御機能(PCF)参照)のためにポリシーフレームワークとやり取りするために、3GPPコアネットワークとやり取りする。オペレータの配置に基づき、オペレータから信頼されているとみなされるアプリケーション機能は、関連するネットワーク機能と直接やり取りすることができる。オペレータからネットワーク機能への直接のアクセスを許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部の接触フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能とやり取りする。
【0038】
図5は、5G構造のさらなる機能ユニット、すなわち、ネットワークスライス選択機能(NSSF:Network Slice Selection Function)、ネットワークリポジトリ機能(NRF:Network Repository Function)、統合データ管理(UDM:Unified Data Management)、認証サーバー機能(AUSF:Authentication Server Function)、アクセス・モビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびデータネットワーク(DN)(オペレータサービス、インターネットアクセス、サードパーティサービス等)を示している。すべてまたは一部のコアネットワーク機能およびアプリケーションサービスは、クラウドコンピューティング環境上に展開して実行されてもよい。
【0039】
したがって、本開示では、動作中に、URLLC、eMMB、およびmMTCサービスのうちの少なくとも一つに対するQoS要件を含む要求を、5GCの機能(例えば、NEF、AMF、SMF、PCF、UPF等)のうちの少なくとも一つに送信して、QoS要件に従ってgNodeBとUEとの間の無線ベアラを含むPDUセッションを確立する送信部と、動作中に、確立されたPDUセッションを使用してサービスを実行する制御回路と、を備えるアプリケーションサーバ(例えば、5G構造のAF)が提供される。
【0040】
以下の段落では、gNBおよびUEを参照して、特にMIMOワイヤレスネットワークにおけるビーム障害回復動作のためのいくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0041】
MIMO無線ネットワークにおいて、「複数(multiple)」とは、無線チャネル上で、送信のために同時に使用される複数のアンテナと、受信のために同時に使用される複数のアンテナを指す。この点において、「複数入力(multiple-input)」とは、無線信号をチャネルに入力する複数の送信アンテナを指し、「複数出力(multiple-output)」とは、チャネルからの無線信号を受信して受信部に取り込む複数の受信アンテナを指す。例えば、N×M MIMOネットワークシステムでは、Nは送信アンテナの数、Mは受信アンテナの数であり、NとMは等しくても等しくなくてもよい。簡略化のため、送信アンテナと受信アンテナのそれぞれの数については、本開示ではこれ以上説明しない。図6Aは、MIMO無線ネットワークにおける基地局(gNB)602と端末(UE)604との間の、シングルユーザ(SU)MIMO通信600の概略図を示す。図示されるように、MIMO無線ネットワークは、一つ以上のUE(例えば、UE604、UE606等)を含んでよい。SU-MIMO通信600において、gNB602は、一つの通信装置、すなわちUE604に向けられた全ての空間―時間ストリームと共に、複数の空間―時間ストリームを複数のアンテナ(例えば、図6Aに示されるような四つのアンテナ)を用いて送信する。簡略化のため、UE604に向けられた複数の空間―時間ストリームは、UE604に向けられた、グループ化されたデータ送信の矢印608として示されている。
【0042】
SU-MIMO通信600は双方向の送信が可能なように構成することができる。図6Aに示されるように、SU-MIMO通信600において、UE604は、gNB602に向けられた全ての空間―時間ストリームと共に、複数の空間―時間ストリームを複数のアンテナ(例えば、図6Aに示されるような二つのアンテナ)を用いて送信する。簡略化のため、gNB602に向けられた複数の空間―時間ストリームは、gNB602に向けられたグループ化されたデータ送信の矢印610として示されている。
【0043】
このように、図6に示されるSU-MIMO通信600は、MIMO無線ネットワークにおける上りリンク、下りリンク双方のSU送信を可能にする。
【0044】
図6Bは、MIMO無線ネットワークにおける、gNB614と複数のUE616、618、620との間の、下りリンクMU-MIMO通信612の概略図である。MIMO無線ネットワークは、一つ以上のUE(例えば、UE616、UE618、UE620等)を含んでよい。下りリンクMU-MIMO通信612において、gNB614は、空間マッピングまたはプリコーディング技術を通じて、複数のアンテナを使用して、ネットワーク内のUE616、618、620に複数のストリームを同時に送信する。例えば、二つの空間―時間ストリームをUE618に向けることができ、別の空間―時間ストリームをUE616に向けることができ、さらに別の空間―時間ストリームをUE620に向けることができる。簡略化のため、UE618に向けられた二つの空間―時間ストリームは、グループ化されたデータ送信の矢印624として示され、UE616に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印622として示され、UE620に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印626として示される。
【0045】
図6Cは、MIMO無線ネットワークにおける、gNB630と複数のUE632、634、636との間の、上りリンクMU-MIMO通信628の概略図である。MIMO無線ネットワークは、一つ以上のUE(例えば、UE632、UE634、UE636等)を含んでよい。上りリンクMU-MIMO通信628では、UE632、634、636は、空間マッピングまたはプリコーディング技術を通じて、それぞれのアンテナを使用して、ネットワーク内のgNB630にそれぞれのストリームを同時に送信する。例えば、二つの空間―時間ストリームは、UE634からgNB630に向けられてもよく、別の空間―時間ストリームは、UE632からgNB630に向けられてもよく、さらに別の空間―時間ストリームは、UE636からgNB630に向けられてもよい。簡潔化のため、UE634からgNB630に向けられた二つの空間―時間ストリームは、グループ化されたデータ送信の矢印640として示され、UE632からgNB630に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印638として示され、UE636からgNB630に向けられた空間―時間ストリームは、データ送信の矢印642として示される。
【0046】
ビームフォーミングとは、アンテナの配列によって無線ネットワークでの信号の送受信を電子機器に誘導し、基地局(gNB)からUEへの最も効率的なデータ輸送経路を特定する信号処理技術である。特定の角度の信号は強め合う干渉を受ける一方、他の角度の信号は弱め合う干渉を受ける。ビームフォーミングは、MIMOが、多数の自律的なUEに同時に送信するために一つ以上の電子機器(例えば、gNB)で大規模なアンテナアレイを使用する、大規模なMIMO(massive MIMO)の配列に役立つ。MIMOは、無線ネットワークが、多数のアンテナおよび/またはアンテナアレイを介して、同じ無線チャネル上で複数のデータ信号を同時に送受信することを可能にする。
【0047】
信号の送信に使用されるミリ波にともなう大きな伝搬損失のため、ビームフォーミングやマッシブMIMOの技術を使用するネットワークがある。ビームフォーミングを用いて送信するネットワークでは、送信側のビーム方向と受信側のビーム方向に十分な接続性を持つビームペアを確立して維持することに技術的な問題が生じる。さらに、この接続性が途切れたり、不十分になったりした場合にも問題が生じる。例えば、障害物によって送信機と受信機の間の直接経路が遮断されたり、環境の変化によってビームペアが分断されたりすることがある。例えば、ビーム障害は、ある事象によって、確立されたビームペアが遮断または妨げられた場合に発生する(例えば、UEが無線送信を遮断する場所に移動した場合や、現在のサービングセルのカバレッジ外の場所に移動した場合)。その後、ビームペアの接続を再確立するためにビーム回復が実行される。
【0048】
例示的な実施形態は、ビームフォーミングを実行するネットワークにおけるこれらの技術的問題および他の問題を解決する。これらの実施形態は、BFRを実行する装置および方法を含むが、それらに限定されない。これらの解決策の利点として、上りリンクの無線オーバーヘッドの低減、BFDの測定労力の低減、BFR手順実行の簡略化、及びネットワークにおけるビームペア接続性再確立の迅速化が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
例示的な実施形態は、PCell、SCell、および複数のセルのグループ(例えば、PCellとSCellのグループ、SCellのみのグループ、またはグループベースのSCell)に対するBFRを含む。PCellは、プライマリ周波数で動作するセルを表す。例えば、このセルには、UEが初期接続確立手順の実行か、接続再確立手順の開始のどちらかを行ったセル、またはハンドオーバー手順でプライマリセルとして通知されたセルが含まれる。SCellは、セカンダリ周波数で動作するセルを表す。例えば、このセルは、無線リソース制御(RRC)接続が確立されると設定され、追加の無線リソースを提供するために使用されてよい。様々な実施形態によれば、「セカンダリセル」(または「SCell」)は、「コンポーネントキャリア」(または「CC」)に置き換えて使用されてよい。
【0050】
例示的な実施形態は、ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)、ならびにDLおよびULのBFRをさらに含む。例えば、例示的な実施形態には、DLのみの場合と同様、DLとULの両方に対応するSCellに対するBFRが含まれる(例えば、PCellが周波数範囲1(FR1:Frequency Range 1)およびFR2で動作する場合)。一実施形態では、FR1はサブ6GHzの周波数帯を含み、FR2は約24GHz~52GHzの周波数帯を含む。
【0051】
図7は、様々な実施の形態に係るビーム障害回復(BFR)手順700を示す。手順700は、ビーム障害の検出と障害からの回復を示す高レベルの図である。この手順は、以下の、ビーム障害検出(BFD)、新しいビーム識別(NBI)、ビーム障害回復要求(BFRQ)、およびビーム障害回復応答(BFRR)のうちの一つまたは複数のステップを含む。
【0052】
ブロック702には、BFDの実行と記載されている。ビーム障害は、様々な理由で発生し得る。UEは、SCellのビーム障害を検出するために、周期的なチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:channel state information reference signal)の無線レベルのリンク品質を取得できる。ある時間インスタンスにおいて、対応するすべてのCSI-RSリソースのレベルリンク品質が閾値を超えた場合(この閾値は、下りリンクの無線リンクを確実に受信できないレベルと定義され、仮想下りリンク制御チャネル(PDCCH)送信のブロックエラーレートアウテージ(BLER_out)に相当する)、ビーム障害インスタンス(BFI)を特定することができる。物理レイヤ(PHY)は、メディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)レイヤにBFI通知を出す。MACにおけるBFD手順は、タイマと、BFI通知(BFII:BFI indication)数を計算するカウンタとによって定められる。BFI通知を受信するたびに、タイマが再起動され、タイマが切れるとカウンタがリセットされる。一方、BFIIを連続してNmax(beamFailureInstanceMaxCount)回検出すると、UEはビーム障害がSCellで発生したことを宣言できる。CSI-RSは、無線リソース制御プロトコルメッセージによってBFDを測定するように明示的に設定されることができ、またはPDCCH受信のための上位レイヤパラメータのTCI(transmission configuration indicator)状態によって暗示的に設定されることができる。チャネル状態情報(CSI)は、基地局のアンテナアレイの各アンテナとUEとの間の空間伝達関数の集合である。CSI情報は、例えばマトリクス状に格納され、アンテナアレイで送受信されるデータの符号化および復号化に使用される。
【0053】
ブロック704には、NBIの実行と記載されている。例示的な実施形態では、UEとセルとの間の接続性を再確立または回復するために、新しいビームまたは新しいビームペアが決定される。接続性を再確立するためのCSI-RSまたは同期信号(SS)ブロックの組またはシリーズを含む例示的な実施形態を検討する。これらの信号を下りリンクのビーム内で送信する例示的な実施形態を検討する。これらの信号は、候補ビームの組を表している。例えば、例示的な実施形態では、複数の候補ビームに対する参照信号のL1参照信号受信電力(L1-RSRP)を測定する。L1-RSRPの測定値が所定の値を超えると、参照信号が新しいビームに対応するため、接続性が回復する。
【0054】
ブロック706には、BFRQの実行と記載されている。BFRQは、ビーム障害がMAC層で宣言されるまで送信されない。従来の一つのSCellごとのBFRでは、Nmax×Tのタイマ持続時間内にPHYからNmaxが受信された後にMAC層のビーム障害が宣言される(NmaxとBFD RSの周期性T(beamFailureDetectionTimer)は別個に設定可能な値)。デバイスは、BFRQをネットワークまたはデバイス(例えば、セル)に送信し、ビーム障害が検出されたことをネットワークまたはデバイスに通知する。BFRQごとに提供される情報は、候補ビームに関する情報を含むことができる。
【0055】
ブロック708には、BFRRの実行と記載されている。BFRQの実行後、例示的な実施形態では、BFRQに対するネットワークまたはデバイスの応答について下りリンクを監視する。例えば、応答は、BFRQに含まれる候補ビームに関連するリソースセットを用いて、PDCCHの擬似コロケーション(QCL:quasi co-location)を送信する。二つのアンテナポートは、一方のアンテナポート上のシンボルが伝達されるチャネルの特性が、他方のアンテナポート上のシンボルが伝達されるチャネルから推測できる場合、準同位置(QCL:quasi co-located)であるとみなされる。BFRQが送信された後、所定の時間枠またはウィンドウ内に応答が受信されなかった場合、デバイスはBFRQを再送する。
【0056】
一般的に、SCellのBFDは周期的なCSI-RSに基づいている。UEは、BFIIをNmax回受信した後BFを宣言し、BFRQが送信される。BFRQの間、UEはBFイベントを伝え、障害のあるSCellのインデックス(換言すると、障害のあるCCのインデックス)と新しいビーム(存在する場合)を報告するが、UEはSCellごとに一つの新しいビーム情報のみを報告する。しかしながら、グループベースのSCellに関連して、ビーム障害回復のための通信装置および方法についてはほとんど議論されていない。
【0057】
SCellのグループは、統計的なチャネル/ビーム特性(大規模パラメータの統計的特性)など、同様のビーム障害条件を共有していてよいため、SCellのグループのBFDは、そのうちの一つのSCellの一つの障害に基づいて決定できる。これにより、複数のSCellが設定されている場合のBFDおよびBFRを簡略化することができる。また、BFR手順には、グループベースのSCellを用いてビームフォーミングを実行するネットワークにとって、さらなる技術的な課題や問題がある。一例として、UEがどのようにグループベースのSCellのBFRの実行を通知されるか、UEがどのように一つの識別子に基づいて複数のSCellのビーム障害を判断して報告するかという問題がある。例示的な実施形態は、これらの問題に対する技術的な解決策も提供する。
【0058】
一つの例示的な実施形態は、ネットワーク内で動作する複数のSCellのBFRのための設定情報を受信する受信部と、設定情報に基づいて、BFDおよび報告を行う回路と、を備える通信装置である。
【0059】
別の例示的な実施形態は、通信装置が、ネットワーク内で動作する複数のSCellのBFRのための設定情報を受信し、通信装置が、設定情報に基づいて、BFDおよび報告を行う方法である。
【0060】
図8は、様々な実施形態に係る通信装置800の概略部分断面図を示す。通信装置800は、様々な実施形態に係るgNBまたはUEとして実装されてもよく、ビーム障害回復のための機能を提供することができる。図8に示されるように、通信装置800は、少なくとも一つの受信信号処理部810、少なくとも一つの無線送信部802、少なくとも一つの無線受信部804、および少なくとも一つのアンテナ812を備える、回路814を含んでよい(簡略化のため、図8には一つのアンテナのみが説明を目的として図示されている)。少なくとも一つの無線受信部804は、ネットワーク内で動作する複数のSCellのBFDおよびBFRの設定情報を受信してもよく、この設定情報は、各グループのコンポーネントキャリアのリストを(明示的にまたは暗示的に)含むグループ情報と、BFD設定情報と、報告される各グループのグループ識別子を少なくとも含むビーム障害(BF)報告設定情報とを含んでよい。回路814は、さらに、少なくとも一つの送信信号処理部808を含んでよい。また、回路814は少なくとも一つの制御部(処理部)806を含んでよく、少なくとも一つの制御部806は、実行するように設計されているタスク(MIMO無線ネットワーク内の一つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む)をソフトウェアおよびハードウェアの支援下で実行するときに使用される。少なくとも一つの制御部806は、受信信号処理部810および送信信号処理部808を制御してもよい。少なくとも一つの制御部806は、受信信号処理部810を制御して、設定情報を受信してよい。回路814内の少なくとも一つの制御部806は、受信した設定情報に基づいて、ビーム障害検知および報告を実行してもよい。少なくとも一つの無線送信部802が、ビーム障害報告を送信してもよい。
【0061】
図9は、一実施例に係る、一つまたは複数のUE902と、一つまたは複数のセルまたは基地局(gNB)904との、メッセージシーケンス906を送信する無線ネットワーク900を示す。このシーケンスは、UEがgNBから設定情報を受信し、UEがBFDを実行し、UEがビーム障害の報告を生成し、gNBに送信することを含む。
【0062】
初期アクセス手順において、UEは、基地局(例えば、セル)を見つけ、システム情報を受信し、セルとの接続を要求する。一例として、この手順は、UEがネットワークおよび/またはセルを見つけ、識別し、同期することを可能にする、プライマリ同期信号(PSS:primary synchronization signal)およびセカンダリ同期信号(SSS:secondary synchronization signal)を含む。
【0063】
UEとセルの間の信号の送信は、複数のアンテナおよび/またはアンテナアレイを介して行われ、ビームフォーミングが実行される。ネットワーク内の多数のアンテナおよび/またはアンテナアレイを考慮すると、ビームは狭く、ビームトラッキングまたはビームペア接続が失敗する可能性がある。ビーム障害が発生すると、例示的な実施形態では、ビーム回復手順またはBFRとしてメッセージシーケンス906を実行して、接続性およびビームペアを再確立する。
【0064】
908に示すように、gNB904は、設定情報をUE902に送信する。設定情報を受信した後、UEは、910に示すように、gNBから受信した設定情報に基づいてBFDを実行する。912に示すように、UEは、受信した設定情報に基づいてBF報告を生成し、この報告を基地局に送信する。
【0065】
例示的な実施形態では、UEは、複数のSCellおよび/または複数のセルグループのような、複数の基地局またはセルのビーム障害回復の設定情報を受信する。UEは、これらの複数のセルに対してBFDを実行し、報告を生成し、一つ以上の基地局またはセル(例えば、設定情報を提供する基地局または他の基地局)に報告を送信する。
【0066】
複数のセルがSCellの複数のグループを含む例示的な実施形態を検討する。UEは、グループベースのシナリオ(例えば、SCellとPCellのグループまたはSCellのみのグループ)に基づいて、複数のSCellに対してBFRを実行するようにUEに通知する新しい通知をgNBから受信する。この新しい通知は、グループベースのSCellのBFR設定情報(UEごとに設定可能)を指す。
【0067】
設定情報には、グループ情報を含むコンポーネントキャリア(CC)の一つ以上のリストが含まれる。一例として、このグループ情報は、測定および/または報告するグループの数の通知、ならびに、どのグループを測定および/または報告するかの通知のうちの一つまたは複数を含む。
【0068】
設定情報はまた、グループのBFを決定するためのBFD設定情報を含んでよい。例えば、この情報は、グループ内で障害状態にあるSCellの最小数(nmin)や、グループごとのBFII閾値(
【数1】
)に基づいている。
【0069】
BFDは、(1)グループ内で障害があると認識されたSCellの数(sbf)≧第一の閾値(nmin)、または(2)グループ内のすべてのSCellのBFIIの合計(M)≧第二の閾値(
【数2】
)の少なくとも一つに基づいて実行される。ここで、nminはグループ内で障害状態にあるSCellの最小数であり、
【数3】
である(ただし、Nはi番目のSCellのBFIIの値、nはグループ内のSCellの数、
【数4】
はグループ内のすべてのSCellのBFIIの最大数である)。
【0070】
例示的な実施形態において、nminは1に等しい(事前)固定値を有し、(事前)固定値は、規格プロトコルに従って、またはgNBによって設定されてよい。ここで、UEは、グループ内の個々のSCellごとにBFを検出するためにBFIIをカウントする。例えば、UEは、SCellのBFIIを連続してNmax回受信した後、SCellのBFを決定する。グループ内のいずれかのSCellに障害があると特定された場合、グループのBFが宣言される。このグループでは、他のSCellのBFIIのカウントはこれ以上行われない。nminが1の(事前)固定値を有する場合、いくつかの利点が生じる。グループ内の異なるSCellのチャネル/ビーム特性がほぼ同じであれば、UEのBFD測定労力は低減される。また、nminの値を固定することで、BFDの演算時間と演算量(BFD TCC)のNmaxへの依存度を低減できるという利点もある。
【0071】
別の例示的な実施形態では、nminは1より大きい(事前)固定値を有し、(事前)固定値は、規格プロトコルに従って、またはgNBによって設定されてよい。ここで、UEは、グループ内の個々のSCellのBFを検出するために、BFIIとsbfとをカウントする。sbfがnmin以上の場合、UEは、グループ内のすべてのSCellが障害状態として処理されることを宣言する。このグループでは、BFIIのカウントはこれ以上行われない。nminが1より大きい(事前)固定値を有する場合、いくつかの利点が生じる。nminの設定値は、ネットワーク全体で一貫している。また、この実施形態では、グループ内の異なるSCellのチャネル/ビーム特性がほぼ同じでも依然として多少の差異がある場合に、UEのBFD測定労力を低減し、グループのBFを宣言する決定動作を促進する。さらに、別の利点として、BFD TCCがNmaxおよびnminに依存することの低減が挙げられる。
【0072】
別の例示的な実施形態では、nminはフレキシブルな値を有する。例えば、nminは上位レイヤシグナリングまたは下りリンク制御通知等の、UEのケイパビリティに依存する制御情報によってフレキシブルに通知される。例えば、nminの値は、UEケイパビリティの情報エレメント(IE:Information Element)によってフレキシブルに通知される。nminがフレキシブルな値を有する場合、いくつかの利点が生じる。nminの設定値はフレキシブルであり、一つまたは複数の要因、例えばUEケイパビリティに依存してもよい。この実施形態では、グループ内の異なるSCellのチャネル/ビーム特性がほぼ同じでも依然として多少の差異がある場合に、UEのBFD測定労力を低減し、グループのBFを宣言する決定動作を促進する。さらに、別の利点として、BFD TCCがNmaxおよびnminに依存することの低減が挙げられる。
【0073】
例示的な実施形態では、
【数5】
は(事前)固定値を有し、(事前)固定値は、規格プロトコルに従って、またはgNBによって設定されてよい。
【数6】
が固定値を有する場合、いくつかの利点が生じる。
【数7】
の設定値は、ネットワーク全体で一貫している。この実施形態では、グループ内の異なるSCellのチャネル/ビーム特性がほぼ同じである場合、UEのBFD測定労力は低減される。さらに、別の利点として、BFD TCCが
【数8】
に依存することの低減が挙げられる。
【0074】
例示的な実施形態では、
【数9】
はフレキシブルな値を有する。このフレキシブルな値は、制御情報によって通知され、一つまたは複数の要因、たとえば、上位レイヤシグナリングまたは下りリンク制御通知などのUEケイパビリティに依存してもよい。例えば、
【数10】
の値は、UEケイパビリティのIEによってフレキシブルに通知される。
【数11】
がフレキシブルな値を有する場合、いくつかの利点が生じる。
【数12】
の設定値はフレキシブルであり、一つまたは複数の要因、例えばUEケイパビリティに依存してもよい。この実施形態では、グループ内の異なるSCellのチャネル/ビーム特性がほぼ同じである場合、UEのBFD測定労力は低減される。さらに、別の利点として、BFD TCCが
【数13】
に依存することの低減が挙げられる。
【0075】
例示的な実施形態において、BFD動作は、他の方法または方法の組合せに基づくことができる。例えば、UEは、(例えば、nminまたは
【数14】
の組み合わせに基づいて)個々のグループごとにBFD動作を実行するための方法を使用するように指示される。
【0076】
各グループのBFD動作が、五つの動作オプション(1)1に等しい固定値nmin(2)1より大きい固定値nmin(3)フレキシブルな値nmin(4)固定値
【数15】
(5)フレキシブルな値
【数16】
のうちの一つまたは複数に基づく例を検討する。
【0077】
三つのグループがある例を検討する。ここでは、個々のグループごとにBFD動作を設定する複数の可能性またはオプションがある。例えば、これらのオプションとして、第1、第2、第3のグループにそれぞれ適用される、1に等しい固定値nmin、1より大きい固定値nmin、固定値
【数17】
がある。例えば、第2のオプション(すなわち、1より大きい固定値nmin)は、第1および第2のグループに適用され、第3のオプション(すなわち、フレキシブルな値nmin)は、第3のグループに適用される。続いて、UEは、受信したグループ毎の設定情報に従って、対応するBFD方法を用いてBFD動作を行い、特定のグループのビーム障害を判定する。この実施形態では、UEのBFD測定労力およびBFD TCCがNmax、nmin
【数18】
に依存することが低減される。
【0078】
例示的な実施形態では、設定情報は、UEによって生成されてセルに送信されるBFレポートの情報を含む。一例として、この情報には、個々のグループごとのグループ識別子(グループID、通知されたCCインデックス、または設定インデックスの順序等)が含まれる。BF報告設定情報は、PCell(またはPsCell)のULまたはSCellのUL(SCellがDLおよびULの両方に対応する場合)を介してBFイベントを報告する通知を含むことができる。また、この情報には、新しいビーム情報が存在する場合に、その情報を報告するための通知も含むことができる。さらに、この情報は、(1)報告される障害グループの測定情報(MI)の種類(例えば、RSRP、SINR(Signal to Interference Plus Noise Ratio))の通知、および(2)BFイベントの理由がわかっている場合は、その理由を報告する通知のうちの一つ以上を含むことができる。
【0079】
設定情報の通知は、UEに明示的および/または、暗示的にシグナリングされることができる。(事前に)設定されたルールを介して発生する暗示的なアプローチの例を検討する。例えば、同じバンドにおいて、CC1がCC3とCC5とのクロスキャリア・スケジューリングを設定する場合、CCのリストは、暗示的にCC1、CC3、およびCC5と定義され、また、CC1はグループ識別子としてみなされる。制御情報を介して発生する明示的なアプローチの例を検討する。例えば、このアプローチは少なくともPDCCH DCI(Physical Downlink Control Channel Downlink Control Information)、MAC CE(MAC Control Element)、またはRRCメッセージを介して発生する。
【0080】
BFレポートの内容は、様々な情報を含むことができる。例えば、UEは、設定情報によって通知される個々のグループごとに、少なくともグループ識別子を含むBF報告を生成し、送信する。障害グループの数がそのときの有用なグループの数よりも多い場合、UEは有用なグループ識別子を報告する。そうでない場合、UEは障害グループの識別子を報告する。この実施形態によると、上りリンクの無線オーバーヘッドが低減される。
【0081】
設定情報は、更新または変更することもできる。例えば、UEは、CCインデックス、空間Rxパラメータ、及び到来角(AoA:angle of arrival)を含む新しいビーム情報をgNBに提供する(存在する場合)。一例として、gNBは、自身の大規模なプロパティと、グループを代表する通知されたSCellのプロパティとを比較することにより、既存のグループまたは新しいグループに新しいビームを割り当てる。gNBはUEに設定情報を更新する。一実施形態では、グループベースのSCellのビーム障害回復設定情報は、定期的または非定期的に更新することができる。
【0082】
例示的な実施形態では、設定情報は、個々のグループの通知されたSCellのみが、明示的または暗示的にBFD参照信号(BFD RS)を設定されていることを示す(すなわち、グループ内のすべてのSCellではない)。ここで、UEは、グループベースのシナリオに基づいて、UEが複数のSCellに対してBFRを実行するように知らせる新しい通知をgNBから受信する。この新しい通知は、グループベースのSCellのBFR設定情報を指す。
【0083】
グループベースのSCellのBFR設定情報は、通知されたCC(SCell)が個々のグループごとにBFDを行い、報告するように設定されていることが含まれる。ここでは、この通知されたSCellのみに、個々のグループごとに明示的または暗示的にBFD参照信号(BFD RS)が設定される(すなわち、グループ内のすべてのSCellではない)。これにより、下りリンクのBFD RSを削減することができる。さらに、gNBは、CCグループ内の一つのCCにBFRリソースを配置するだけでよいので、他のBFRリソースも節約できる。この場合、CCのリストはUEに知られている必要はなく、グループ識別子は、通知されたCCインデックスまたは設定インデックスの順序とすることができる。同様に、gNBは、CCグループ内の複数のCCでSCellのBFD RSを設定することもでき、設定情報は、UEケイパビリティおよび/またはチャネル状態に基づいて、どのCCがBFDを実行し、報告するかを示すことができる。
【0084】
新しい指示によって示された、受信したグループベースのSCellのBFR設定情報に従って、UEは、個々のグループごとに、通知されたSCellのBFIIのみをカウントする。通知されたSCellに障害があると特定された場合、そのグループのBFが宣言される。グループ内のすべてのSCellは、障害状態として処理される。
【0085】
新しい指示によって示された、受信したグループベースのSCellのBFR設定情報に従って、障害グループの数がそのときの有用なグループの数よりも多い場合、UEは有用なグループ識別子を報告する。そうでない場合、UEは障害グループの識別子を報告する。この例示的な実施形態は、いくつかの利点を有する。例えば、本実施形態によると、下りリンクのBFD RSのオーバーヘッドおよび上りリンクの無線オーバーヘッドが減少する。また、本実施形態によると、UEのBFD測定労力が低減され、BFR手順が簡略化される。
【0086】
例示的な実施形態において、特定のケースでは個々のグループの通知されたSCellのみが明示的または暗示的にBFD RSを設定してもよく、異なるグループのすべてのSCellが、明示的または暗示的にそれぞれのBFD RSを設定してもよい。
【0087】
例示的な実施形態には、異なるグループベースのSCellのBFR設定情報が含まれる。図10は、例示的な実施形態に係る、グループベースのシナリオに基づく複数のSCellのBFRのための設定情報1000を示す。図11は、例示的な実施形態に係る、グループベースのSCellのBFR設定情報の表1100を示す。
【0088】
図10および図11に示すように、グループベースのSCellのBFR設定情報は、以下のSCellBFRConfigInfo IEおよびGroup-basedSCellBFRInfo-IEに明示的に示される。ここで、maxGroupNrはグループの最大数、maxNrofSCellはSCellの最大数、RSRP-RangeはRSRPの範囲を示す。結果を表1100に示す。
【0089】
当業者であれば、図10および図11のデータが例示的であることを理解するであろう。UEケイパビリティに応じて、表のサイズ、提示されるデータ等に関して、他にも様々な可能性があり得る。UEの観点から、グループベースのSCellのBFR動作のケイパビリティIEは一例として、ENUMERATED {SCell-basedBFRInfo, Group-basedSCellBFRInfo, both},のように示すことができる。ここで、「SCell-basedBFRInfo」は、UEが一つのSCellごとにBFRをサポートすることを示し、「Group-basedSCellBFRInfo」は、UEが、グループベースのSCellのBFRをサポートすることを示し、「both」は、UEが、SCellごとのBFRおよびグループベースのSCellのBFRの両方をサポートすることを示す。
【0090】
例示的な実施形態は、BFR参照信号がRRCによって明示的に設定される場合、またはTCI状態によって暗示的に設定される場合の様々なシナリオに適用することができる。例えば、RRCによる明示的な設定では、BFD RSは現在のSCellで送信される。例えば、TCI状態による暗示的な設定では、BFD RSは、現在のSCellまたは他のSCellのうちいずれかのアクティブな帯域幅部分(BWP:bandwidth part)で送信される。
【0091】
図12は、例示的な実施形態に係る電子機器1200の例を示す。
【0092】
電子機器1200は、電源1202、メモリ1204、中央処理装置(CPU:central processing unit)1206、ストレージ1208、無線送信部および/または受信部1210、アンテナ1212(例えば、ビームフォーミング実行のための一つ以上のアンテナアレイまたは複数のアンテナ)、およびBFR1214(例えば、図6から11に関連して説明された一つ以上の例示的な実施形態を実行するハードウェアおよび/またはソフトウェア)を備える。
【0093】
電子機器1200がUE、AP、STA、基地局、セル、または他の電子機器である例示的な実施形態を検討する。
【0094】
電子機器1200のBFR1214は、ネットワークで動作する複数のSCellのBFR設定情報を受信すること、設定情報に基づいてBFDを実行すること、設定情報に基づいてBF報告を生成すること、およびBF報告を他の電子機器に送信することのうち、一つ以上を実行するように動作するハードウェア(例えば、回路)および/またはソフトウェア(例えば、コード、指示、またはデータ)を含む。また、BFR1214は、BFD、NBI、BFRQ、およびBFRRのうち一つ以上を実行するように動作する。
【0095】
例示的な実施形態は、5G New Radio(NR)、モバイルネットワークなど、ビームフォーミングを実行する様々な種類の無線ネットワークで実施することができる。このようなネットワークは、ビームフォーミングのための複数の送信アンテナおよび/または受信アンテナを含む。チャネル状態情報は、下りリンクおよび上りリンクにおけるCSI参照信号に基づくCSIレポートの送信を通じて取得できる。
【0096】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIとは、シリコン半導体のマイクロチップやチップ上に多数のトランジスタを集積するプロセスであり、VLSI(超大規模集積回路)やULSI(極超大規模集積回路)などを含む。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0097】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。処理/制御回路は、専用回路、プロセッサ、およびファームウェアまたはプロセッサに備えられたメモリに格納されたインストラクションのいずれかとしての電力管理制御のためのインストラクションを含み得る電力管理回路を含んでもよい。
【0098】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0099】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0100】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0101】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0102】
前述の発明の詳細な説明において例示的な実施形態を示したが、多数の変形例が存在することを理解されたい。さらに、例示的な実施形態は一例にすぎず、本開示の範囲、適用性、動作、または構成をいかなるかたちでも限定することを意図していないことも理解されよう。むしろ、前述の詳細な説明は、例示的な実施形態を実施するために有用なロードマップを当業者に提供するものであり、添付の請求の範囲に記載された本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載されたネットワークおよび/またはUEトランシーバ装置の機能および配置に様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。
【0103】
その他の例示的な実施形態として以下の例が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
動作時に、ネットワーク内で動作する複数のSCellのBFRのための設定情報を受信する受信部と、動作時に、前記設定情報に基づいて、BFDおよび報告を行う回路と、を備える、通信装置。
【0105】
一実施例において、前記設定情報はCCのリストを含む。
【0106】
一実施例において、前記BFDは、(1)グループ内で障害があると特定された前記複数のSCellの数(sbf)が閾値(nmin)以上(ただし、nminは前記グループ内で障害状態にある前記複数のSCellの最小数)または、(2)グループ内のSCellのBFIIの合計(M)が閾値(
【数19】
)以上(ただし、
【数20】
、Nはi番目のSCellの前記BFIIの値であり、nは前記グループ内の前記SCellの数であり、
【数21】
は前記グループ内の前記SCellのBFIIの最大数である)のうち少なくとも一つに基づいて行われる。
【0107】
一実施例において、前記閾値(nmin)は1の(事前)固定値であり、前記通信装置は、前記グループ内の前記SCellごとの前記BFIIをカウントし、前記グループ内の前記SCellのいずれかに障害があると特定された場合、前記グループのビーム障害(BF)を宣言するようにさらに構成されている。
【0108】
一実施例において、前記閾値(nmin)は1より大きい(事前)固定値であり、前記通信装置は、前記グループ内の前記SCellごとのビーム障害(BF)を検知するために前記BFIIをカウントし、sbf≧nminの場合、前記グループ内のSCellが障害状態にあると宣言するようにさらに構成されている。
【0109】
一実施例において、前記前記閾値(nmin)は、前記通信装置のケイパビリティに応じて、上位レイヤシグナリングまたは下りリンク制御通知を含む制御情報によってフレキシブルに通知される。
【0110】
一実施例において、
【数22】
は(事前)固定値である。
【0111】
一実施例において、
【数23】
は、前記通信装置のケイパビリティに応じて、上位レイヤシグナリングまたは下りリンク制御通知を含む制御情報によって通知されるフレキシブルな値である。
【0112】
一実施例において、各グループのBFDを行うための、nminまたは
【数24】
に基づく方法が通知される。
【0113】
一実施例において、前記設定情報は、グループID、通知されたコンポーネントキャリア(CC)インデックス、またはグループごとの設定インデックスの順序を備えるグループ識別子を含む。
【0114】
一実施例において、前記設定情報の通知は、(事前)設定されたルール、または、少なくともPDCCH DCI、MAC CE、またはRRCメッセージを介した制御情報のうち少なくとも一つに基づいてシグナリングされる。
【0115】
一実施例において、前記BFの報告の内容には少なくとも、前記設定情報によって通知された各グループの前記グループ識別子が含まれる。
【0116】
一実施例において、前記通信装置は、CCインデックス、空間Rxパラメータ、およびAoAを含む新しいビーム情報を提供するようにさらに構成されている。
【0117】
一実施例において、前記設定情報は少なくとも、個々のグループごとに前記BFDおよび報告を行う、通知されたSCellを含み、前記通知されたSCellのみが明示的または暗示的にBFD参照信号を設定することができる。
【0118】
一実施例において、障害グループの数がそのときの有用なグループの数より多い場合、前記通信装置は前記有用なグループの前記識別子を報告し、そうでない場合、前記通信装置は前記障害グループを報告する。
【0119】
他の実施例としては、通信装置が、ネットワーク内で動作する複数のSCellのビーム障害回復(BFR)のための設定情報を受信し、前記設定情報に基づいて、ビーム障害検知(BFD)および報告を行う、通信方法である。
【0120】
前述の実施例の詳細な説明において例示的な実施形態を示したが、多数の変形例が存在することを理解されたい。さらに、例示的な実施形態は一例にすぎず、本開示の範囲、適用性、動作、または構成をいかなるかたちでも限定することを意図していないことも理解されよう。むしろ、前述の詳細な説明は、例示的な実施形態を実施するために有用なロードマップを当業者に提供するものであり、添付の請求の範囲に記載された本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載された機能、手順の配置、および動作方法に様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セカンダリセルのグループにおけるビーム障害回復に関する設定情報を受信する受信機と、
前記設定情報に基づいて報告情報を送信し、前記報告情報は前記セカンダリセルのグループにおけるビーム障害検知の結果および前記セカンダリセルのグループにおける新しいビーム情報の少なくとも1つを含む送信機と、を具備する、
通信装置。
【請求項2】
前記報告情報は、前記ビーム障害検知においてビーム障害ありと特定されたセカンダリセルの各々の番号を含む、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記報告情報は、前記ビーム障害検知においてビーム障害ありと特定されたセカンダリセルの各々のための新しいビーム情報を含む、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記セカンダリセルのグループのいずれかのセカンダリセルにおけるビーム障害インスタンスの数が基地局から指示された第1の閾値以上である場合、前記報告情報が送信される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記セカンダリセルのグループにおいて前記ビーム障害検知でビーム障害ありと特定されたセカンダリセルセカンダリセルの数が1以上である場合、前記報告情報が送信される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記セカンダリセルのグループにおいて前記ビーム障害検知でビーム障害ありと特定されたセカンダリセルセカンダリセルの数が基地局から指示された第2の閾値以上である場合、前記報告情報は送信される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記設定情報は前記ビーム障害検知の報告に関する設定を示す、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
セカンダリセルのグループにおけるビーム障害回復に関する設定情報を受信し、
前記設定情報に基づいて報告情報を送信し、前記報告情報は前記セカンダリセルのグループにおけるビーム障害検知の結果および前記セカンダリセルのグループにおける新しいビーム情報の少なくとも1つを含む、
通信方法。
【請求項9】
前記報告情報は、前記ビーム障害検知においてビーム障害ありと特定されたセカンダリセルの各々の番号を含む、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記報告情報は、前記ビーム障害検知においてビーム障害ありと特定されたセカンダリセルの各々のための新しいビーム情報を含む、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記セカンダリセルのグループのいずれかのセカンダリセルにおけるビーム障害インスタンスの数が基地局から指示された第1の閾値以上である場合、前記報告情報が送信される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項12】
前記セカンダリセルのグループにおいて前記ビーム障害検知でビーム障害ありと特定されたセカンダリセルセカンダリセルの数が1以上である場合、前記報告情報が送信される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項13】
前記セカンダリセルのグループにおいて前記ビーム障害検知でビーム障害ありと特定されたセカンダリセルセカンダリセルの数が基地局から指示された第2の閾値以上である場合、前記報告情報は送信される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項14】
前記設定情報は前記ビーム障害検知の報告に関する設定を示す、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項15】
セカンダリセルのグループにおけるビーム障害回復に関する設定情報を受信する処理と、
前記設定情報に基づいて報告情報を送信し、前記報告情報は前記セカンダリセルのグループにおけるビーム障害検知の結果および前記セカンダリセルのグループにおける新しいビーム情報の少なくとも1つを含む処理と、を制御する、
集積回路。
【国際調査報告】