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特表2022-544091冷凍及び/又は液化方法、装置、及びシステム
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  • 特表-冷凍及び/又は液化方法、装置、及びシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】冷凍及び/又は液化方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F25B 9/00 20060101AFI20221007BHJP
   F25B 9/06 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
F25B9/00 G
F25B9/06 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506881
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 EP2020067417
(87)【国際公開番号】W WO2021023428
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】1908945
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラン、ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ギエ、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、レミ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンドランド、セシル
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール、ジャン-マルク
(57)【要約】

低温冷凍装置(1)を含むシステムを使用する冷凍及び/又は液化方法が開示され、低温冷凍装置は、ループを形成し、作動流体を含む作動回路(10)を含み、作動回路(10)は、直列に接続された圧縮機構(2、3)、冷却機構(6)、膨張機構(7)、及び加熱機構(6、8)を含むサイクルを形成し、冷凍装置(1)は、作動回路(10)内を流れる作動流体との熱交換によって有益流体流から熱を抽出するための冷却熱交換器(8)をさらに含み、システムはパイプ(15)を含み、有益流体流は冷却熱交換器(8)の中でそれを通って流れ、方法は、冷凍装置(1)が、有益流体流が冷却熱交換器(8)内を流れている間に冷却熱交換器(8)を冷却するための第一の動作モードにある冷却ステップを含み、方法は、前記冷却ステップの後に、冷却熱交換器(8)内で固化された不純物をクリーニングするステップを含み、クリーニングステップ中、冷凍装置(1)は、作動ガスは作動回路(10)内を流れるが、冷却熱交換器(8)が第一の動作モードほど強力に冷却しない、第二の動作モードにあることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者向け流体、特に天然ガスの流れを冷凍及び/又は液化する方法であって、低温冷凍装置(1)、すなわち摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度の温度で冷凍するための冷凍装置を含む冷却及び/又は液化システムを使用し、前記冷凍装置(1)は、ループを形成し、作動流体を含む作動回路(10)を含み、前記作動回路(10)は、前記作動流体を圧縮するための機構(2、3)、前記作動流体を冷却するための機構(6)、前記作動流体を膨張させるための機構(7)、及び前記作動流体を加熱するための機構(6、8)を直列に含むサイクルを形成し、前記冷凍装置(1)は、前記作動回路(10)内を循環する前記作動流体との熱交換によって前記使用者向け流体の流れから熱を抽出するための冷却熱交換器(8)を含み、前記システムは、前記冷却熱交換器(8)内の前記使用者向け流体の流れの前記循環のためのダクト(15)を含み、前記冷凍装置(1)が前記冷却熱交換器(8)の第一の冷却動作モードにあり、その間、前記使用者向け流体の流れはこの冷却熱交換器(8)内で循環される冷却ステップを含み、この冷却ステップの後に、前記冷却熱交換器(8)内の固化された不純物をクリーニングするステップを含み、前記クリーニングステップ中、前記冷凍装置(1)は、前記作動ガスが前記作動回路(10)内を循環するが、前記冷却熱交換器(8)の前記冷却は前記第一の動作モードと比較して減少する第二の動作モードにあり、前記圧縮機構は、複数のロータリコンプレッサ(2、3)と、各々が回転駆動シャフトを含む少なくとも2つの駆動モータ(14、15)と、を含み、前記コンプレッサ(2、3)はそれぞれの前記回転シャフトによって回転駆動され、前記作動流体を膨張させるための前記機構は、少なくとも1つのコンプレッサ(2)の前記駆動モータ(14、15)のうちの1つのシャフトと連動して回転する少なくとも1つの回転タービン(7)を含むことと、前記冷凍装置(1)の前記第一の動作モードにおいて、前記駆動モータ(14、15)の前記回転シャフトはそれぞれの第一の回転方向に回転し、前記作動流体は前記作動回路(10)内で第一の循環方向に循環することと、前記冷凍装置(1)の前記第二の動作モードにおいて、少なくとも1つのモータ(15)、特にそのシャフトにタービン(7)が連結されているモータ(15)は反対方向に回転され、すなわち、その回転シャフトは前記第一の回転方向と反対の回転方向に回転することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記クリーニングステップ中、前記冷凍装置(1)は冷却を行わないか、又は前記冷却熱交換器(8)の加熱を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クリーニングステップ中、使用者向け流体の流れは前記冷却熱交換器(8)内で循環され、及び前記冷却熱交換器によって加熱されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮機構は1つ又は複数のコンプレッサ(2、3)と、前記コンプレッサ(2、3)を回転させるための少なくとも1つの駆動モータ(14、15)を含み、前記冷凍装置(1)の冷凍能力は可変であり、前記駆動モータ(14、15)の回転速度を調整することによって制御されることと、前記第二の動作モードにおいて、前記駆動モータ(14、15)のうちの少なくとも一方の前記回転速度は、前記モータ(14、15)の最大又は公称回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%であることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記冷凍装置(1)の前記第二の動作モードにおいて、そのシャフトと連動して回転するタービン(7)を含む少なくとも1つのモータ(15)が停止されることと、コンプレッサ(3)の少なくとも1つの他の駆動モータ(14)は、前記モータ(14)の最大又は公称速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの停止されたモータ(15)は制動され(20)、すなわち対応するシャフト及び/又はコンプレッサ(2)及び/又はタービン(7)の前記回転が制動されるか、阻止されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
そのシャフトと連動して回転するタービン(7)を含むモータ(15)によって駆動される前記少なくとも1つのコンプレッサ(2)は遠心型であることと、前記冷凍装置(1)の前記第二の動作モードにおいて、前記作動流体は前記作動回路(10)内で前記第一の循環方向に循環することを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記冷凍装置(1)の前記第二の動作モードにおいて、前記反対方向に回転されたモータ(2)とは別の少なくとも1つの駆動モータ(14)は停止されるか、又は前記モータ(14)の最大又は公称速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作することを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
使用者向け流体の流れは、使用者向け流体のタンク(16)から送出されることによって前記冷却熱交換器(8)内で循環されることと、前記冷却熱交換器(8)との熱交換を経た前記使用者向け流体は前記タンク(16)に戻されることを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
低温冷凍装置、すなわち摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度の温度で冷凍するための冷凍装置であって、ループを形成し、作動流体を含む作動回路(10)を含み、前記作動回路(10)は、前記作動流体を圧縮するための機構(2、3)、前記作動流体を冷却するための機構(6)、前記作動流体を膨張させるための機構(7)、及び前記作動流体を加熱するための機構(6)を直列に含むサイクルを形成し、前記作動回路(10)内を循環する前記作動流体との熱交換により少なくとも1つの部材(25)において熱を抽出するための冷却熱交換器(8)を含み、前記低温冷凍装置(1)は、前記冷凍装置(1)の冷凍能力を制御して、前記冷凍装置(1)を、前記冷却熱交換器(8)の、この冷却熱交換器(8)内で循環される使用者向け流体の流れを冷却するための第一の冷却動作モードと、前記冷却熱交換器(8)内の固化した不純物をクリーニングするためのクリーニングモードとに切り替えるように構成される電子コントローラ(12)を含み、前記クリーニングモードでは、前記電子コントローラ(12)は、前記第一の動作モードと比較して前記冷凍装置(1)の冷凍能力を低下させ、前記冷却熱交換器(8)の前記冷却を減少させるように構成され、前記圧縮機構は、複数のロータリコンプレッサ(2、3)と、各々が回転駆動シャフトを含む少なくとも2つの駆動モータ(14、15)と、を含み、前記コンプレッサ(2、3)はそれぞれの前記回転シャフトによって回転駆動され、前記作動流体を膨張させるための前記機構は、少なくとも1つのコンプレッサ(2)の前記駆動モータ(14、15)のうちの一方のシャフトと連動して回転する少なくとも1つの回転タービン(7)を含むことを特徴とし、及び前記第一の動作モードにおいて、前記駆動モータ(14、15)は、それらの回転シャフトをそれぞれの第一の回転方向に回転させるように構成され、そのシャフトと連動して回転するタービン(7)を含む少なくとも1つのモータ(15)は、可逆的な回転方向を有するタイプであることと、前記電子コントローラ(12)は、前記冷凍装置(1)の第二の動作モード中、前記モータ(15)を前記第一の回転方向と反対の回転方向に回転させるように構成されることを特徴とする冷凍装置。
【請求項11】
前記圧縮機構は、1つ又は複数のコンプレッサ(2、3)と、前記コンプレッサ(2、3)を回転させるための少なくとも1つの駆動モータ(14、15)を含み、前記冷凍装置(1)の冷凍能力は可変であり、前記駆動モータ(14、15)の回転速度を調整することによって制御されることと、前記電子コントローラ(12)は、前記第二の動作モードの前記駆動モータ(14、15)のうちの少なくとも一方の前記回転速度を前記モータ(14、15)の最大又は公称速度の2%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の値に設定するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項12】
前記第二の動作モードにおいて、前記電子コントローラ(12)は、そのシャフトと連動して回転するタービン(7)を含む少なくとも1つのモータ(15)を停止させ、コンプレッサ(3)の少なくとも1つの他の駆動モータ(14)を、前記モータ(14)の最大又は公称速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作させるように構成されることを特徴とする、請求項10及び11の何れかに記載の装置。
【請求項13】
前記停止されたモータを制動し、前記停止されたモータの前記シャフト及び/又はコンプレッサ(2)及び/又はタービン(7)の前記回転を制動及び/又は阻止するための機械的又は電気又は磁気システム(20)を有することを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記冷凍装置(1)の前記第二の動作モードにおいて、前記電子コントローラ(12)は、前記反対方向に回転されたモータ(2)とは別の少なくとも1つの駆動モータ(14)を停止させるか、又は前記反対方向に回転されているモータ(2)とは別の駆動モータの回転速度を、前記第一の動作モード中の前記モータ(2)の回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%に制限するように構成されることを特徴とする、請求項10~13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
使用者向け流体、特に天然ガスの流れを冷凍及び/又は液化するための、請求項10~14の何れか1項に記載の冷凍装置(1)を含むシステムであって、使用者向け流体の少なくとも1つのタンク(16)と、前記冷却熱交換器(8)内で前記使用者向け流体の流れを循環させるためのダクト(25)と、を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍及び/又は液化のため方法、装置、及びシステムに関する。
【0002】
本発明はより詳しくは、使用者向け流体、特に天然ガスの流れを冷凍及び/又は液化する方法に関し、この方法は、低温冷凍装置、すなわち摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度、特に摂氏マイナス100度~摂氏マイナス253度の温度で冷凍するための冷凍装置を含む冷却及び/又は液化システムを使用し、冷凍装置は、ループを形成し、作動流体を含む作動回路を含み、作動回路は、作動流体を圧縮するための機構、作動流体を冷却するための機構、作動流体を膨張させるための機構、及び作動流体を加熱するための機構を直列に含むサイクルを形成し、冷凍装置は、作動回路内を循環する作動流体との熱交換によって使用者向け流体の流れから熱を抽出するための冷却熱交換器を含み、システムは、冷却熱交換器内の前記使用者向け流体の流れの循環のためのダクトを含み、方法は、冷凍装置が冷却熱交換器の、その間に使用者向け流体の流れがこの冷却熱交換器内で循環される第一の冷却動作モードにある冷却ステップを含み、方法は、この冷却ステップの後に、冷却熱交換器内の固化された不純物をクリーニングするステップを含む。
【0003】
本発明は特に、例えば「ターボ・ブレイトン」サイクル又は「ターボ・ブレイトン・クーラ」型の極低温冷凍機又は液化機に関し、この場合、サイクルガス(ヘリウム、窒素、水素、若しくはその他の純ガス又は混合物)に対して熱力学サイクルが実行されて冷気が生成され、それを冷却しようとする部材又はガスに伝達できる。
【背景技術】
【0004】
これらの装置は、様々な用途において、そして特にタンク内(例えば、船舶内)の天然ガスを冷却するために使用される。液化天然ガスは例えば、その気化を回避するためにサブクールされるか、気体部分が冷却されて再液化される。
【0005】
例えば、天然ガスの流れは、冷凍機/液化機のサイクルガスによって冷却される熱交換器内で循環させることができる。
【0006】
この熱交換器内で冷却されたガスには、不純物(二酸化炭素等)が含まれているかもしれず、これらは熱交換器で実現される低温において固化しやすい。これは、熱交換器を詰まらせ、システムの効率を損なう可能性がある。
【0007】
1つの解決策は、電気ヒータにより熱交換器を能動的に加熱することであり得る。しかしながら、これはエネルギの点でコストが高く、爆発性雰囲気には適していないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述の先行技術の欠点の全部又は幾つかを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明による、それ以外は冒頭の序文に記したその一般的定義による方法は、基本的に、クリーニングステップ中は冷凍装置が、作動ガスが作動回路内で循環するが、冷却熱交換器の冷却が第一の動作モードと比較して低減する第二の動作モードにあることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る:
- クリーニングステップ中、冷凍装置は冷却を行わないか、又は冷却熱交換器の加熱を行い、
- クリーニングステップ中、使用者向け流体の流れは冷却熱交換器内で循環され、それによって加熱され、
- 圧縮機構は1つ又は複数のコンプレッサと、コンプレッサを回転させるための少なくとも1つの駆動モータと、を含み、冷凍装置の冷凍能力は可変であり、駆動モータの回転速度を調整することによって制御され、第二の動作モードにおいて、駆動モータのうちの少なくとも1つの回転速度は前記モータの最大又は公称回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%であり、
- 圧縮機構は複数のロータリコンプレッサと、各々が回転駆動シャフトを含む少なくとも2つの駆動モータと、を含み、コンプレッサはそれぞれの回転シャフトによって回転駆動され、作動流体を膨張させるための機構は、少なくとも1つのコンプレッサの駆動モータのうちの1つのシャフトと連動して回転する少なとも1つの回転タービンを含み、
- 冷凍装置の第二の動作モードにおいて、そのシャフトと連動して回転するタービンを含む少なくとも1つのモータが停止され、コンプレッサの少なくとも1つの他の駆動モータは前記モータの最大又は公称速度の1~60%、好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作し、
- 少なくとも1つの停止されたモータが制動され、すなわち、対応するシャフト及び/又はコンプレッサ及び/又はタービンの回転が制動又は阻止され、
- 冷凍装置の第一の動作モードにおいて、駆動モータの回転シャフトはそれぞれの第一の回転方向に回転し、作動流体は作動回路内で第一の循環方向に循環し、冷凍装置の第二の動作モードにおいて、少なくとも1つのモータ、特にそのシャフトにタービンが連結されているモータは反対方向に回転され、すなわち、その回転シャフトが第一の回転方向と反対の回転方向に回転し、
- そのシャフトと連動して回転するタービンを含むモータによって駆動される少なくとも1つのコンプレッサは遠心型であり、冷凍装置の第二の動作モードにおいて、作動流体は作動回路内で第一の循環方向に循環し、
- 冷凍装置の第二の動作モードにおいて、反対方向に回転されているモータとは別の少なくとも1つの駆動モータは停止されるか、前記モータの最大又は公称速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作し、
- 使用者向け流体の流れは、使用者向け流体のタンクから送出されることによって冷却熱交換器内で循環され、冷却熱交換器(8)と熱交換した使用者向け流体はタンクに戻され、
- 方法は、クリーニングステップと同時に、及び/又はその後、冷却熱交換器内に注入されるパージ流体の流れにより冷却熱交換器をパージして、クリーニングステップ中に脱落した不純物を冷却熱交換器から掃除し、排出するステップを含み、
- パージステップは、放出ゾーンへと排出された中性ガスで熱交換器を掃除することを含み、
- パージングステップは、使用者向け流体で熱交換器を掃除することを含む。
【0011】
本発明はまた、低温冷凍装置、すなわち摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度の温度で冷凍するための冷凍装置にも関し、これは、ループを形成し、作動流体を含む作動回路を含み、作動回路は、作動流体を圧縮するための機構、作動流体を冷却するための機構、作動流体を膨張させるための機構、及び作動流体を加熱するための機構を直列に含むサイクルを形成し、装置は、作動回路内を循環する作動流体との熱交換により少なくとも1つの部材において熱を抽出するための冷却熱交換器を含み、冷凍装置は、冷凍装置の冷凍能力を制御し、冷凍装置を、冷却熱交換器の、この冷却熱交換器内で循環されている使用者向け流体の流れを冷却するための第一の冷却動作モードと、冷却熱交換器内の固化した不純物をクリーニングするためのクリーニングモードに切り替えるように構成される電子コントローラを含み、クリーニングモードでは、電子コントローラは、第一の動作モードと比較して冷凍装置の冷凍能力を低下させ、冷却熱交換器の冷却を減少させるように構成される。
【0012】
他の考え得る具体的な特徴によれば:
- 圧縮機構は、1つ又は複数のコンプレッサと、コンプレッサを回転させるための少なくとも1つの駆動モータと、を含み、冷凍装置の冷凍能力は可変であり、駆動モータの回転速度を調整することによって制御され、電子コントローラは、第二の動作モードにおける駆動モータのうちの少なくとも1つの回転速度を前記モータの最大又は公称速度の2%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の値に設定するように構成され、
- 圧縮機構は、複数のロータリコンプレッサと、各々が回転駆動シャフトを含む少なくとも2つの駆動モータと、を含み、コンプレッサは、それぞれの回転シャフトによって回転駆動され、作動流体を膨張させるための機構は、少なくとも1つのコンプレッサの駆動モータのうちの1つのシャフトと連動して回転する少なくとも1つの回転タービンを含み、
- 第二の動作モードにおいて、電子コントローラは、そのシャフトと連動して回転するタービンを含む少なくとも1つのモータを停止させ、コンプレッサの少なくとも1つの他の駆動モータを、前記モータの最大又は公称速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作させるように構成され、
- 装置は、停止されたモータを制動し、停止されたモータのシャフト及び/又はコンプレッサ及び/又はタービンの回転を制動及び/又は阻止するための機械的又は電気又は磁気システムを有し、
- 第一の動作モードにおいて、駆動モータは、それらの回転シャフトをそれぞれの第一の回転方向に回転させるように構成され、そのシャフトと連動して回転するタービンを含む少なくとも1つのモータは、可逆的な回転方向を有するタイプのものであり、電子コントローラは、冷凍装置の第二の動作モード中、前記モータを第一の回転方向と反対の回転方向に回転させるように構成され、
- 冷凍装置の第二の動作モードにおいて、電子コントローラは、反対方向に回転されているモータとは別の少なくとも1つの駆動モータを停止させるか、又は反対方向に回転されているモータとは別のこの駆動モータの回転速度を、第一の動作モード中の前記モータの回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の値に制限するように構成される。
【0013】
本発明はまた、使用者向け流体、特に天然ガスの流れを冷凍及び/又は液化するためのシステムにも関し、これは、前述又は後述の特徴の何れか1つによる冷凍装置を含み、システムは、使用者向け流体の少なくとも1つのタンクと、前記使用者向け流体の流れを冷却熱交換器内で循環させるためのダクトと、を含む。
【0014】
本発明はまた、前述の、又は特許請求の範囲内で後述する特徴の何れの組合せを含む何れの代替的装置又は方法に関していてよい。
【0015】
別の具体的な特徴と利点は、下記のような図面に関して行われる以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を実施することのできる装置とシステムの例の構造と動作を図解する概略的部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1]における冷却及び/又は液化システムは、冷却熱交換器8において冷気(冷却能力)を供給する冷凍装置1を含む。システムは、この熱交換器8との熱交換を行うように設置された冷却対象の流体の流れを循環させるためのダクト25を含む。例えば、流体は液体の天然ガスであり、これはタンク16から(例えば、ポンプを介して)送出され、その後(好ましくはタンク16の外で)冷却され、その後タンク16に戻される(例えば、タンク16の気相内に流される)。このことによって、タンク16の内容物を冷却又はサブクールして、気化の発生を制限することが可能となる。例えば、タンク16からの液体は、その飽和温度より低い温度までサブクールされ(その温度を数度K、特に5~20K、及び特に14K下げる)、その後、タンク16に再注入される。変形型において、この冷凍はタンクからの気化ガスに適用されて、特にそれを再液化することができる。これは、冷凍装置1が冷却熱交換器8において冷却能力を生成することを意味する。
【0018】
冷凍装置1は、循環ループを形成する作動回路10(好ましくは閉回路)を含む。この作動回路10は、作動流体(ヘリウム、窒素、ネオン、水素、若しくはその他の適当なガス又は混合物、例えばヘリウムとアルゴン又はヘリウムと窒素又はヘリウムとネオン又はヘリウムと窒素とネオン)を含む。
【0019】
作動回路10は、作動流体を圧縮するための機構2、3、作動流体を冷却するための機構6、作動流体を膨張させるための機構7、及び作動流体を加熱するための機構6、8を直列に含むサイクルを形成する。
【0020】
装置1は、作動回路10内で循環する作動流体との熱交換によって、少なくとも1つの部材25において熱を抽出するための冷却熱交換器8を含む。
【0021】
作動流体を冷却及び加熱するための機構は従来、共通の熱交換器6を含み、作動流体はその中を、それが冷却されるか加熱されるかに応じて、作動回路10の2つの別々の通路部分を逆に流れる。
【0022】
冷却熱交換器8は、例えば膨張機構7と共通の熱交換器6との間に配置される。図のように、冷却熱交換器8は共通の熱交換器6とは別の熱交換器であってよい。しかしながら、変形型では、この冷却熱交換器8は共通の熱交換器6の一部で製作できる(これは、2つの熱交換器6、8を単体とすることができ、すなわち、1つの同じ交換構造を共有する別々の流体回路を有していてよいことを意味する)。
【0023】
このように、圧縮機構2、3から比較的熱い状態で出た作動流体は、共通の熱交換器6において冷却されてから膨張機構7に入る。膨張機構7及び冷却熱交換器8から比較的冷たい状態で出た作動流体は、今度は、共通の熱交換器6で加熱されてから、圧縮機構2、3に戻されて、新たなサイクルが始まる。
【0024】
従来、以下において「第一の動作モード」と呼ばれる通常の動作モードでは、作動ガスは圧縮、冷却、膨張、及び加熱のサイクルを経て、冷却熱交換器8において冷気を生成する。一般に、共通の熱交換器6の2つの通路部分では、等しい又は実質的に等しい質量流量が循環する。
【0025】
図のように、通常の動作モードでは、流体(例えば、液化天然ガス)の流れを冷却熱交換器8内で冷却できる。この流体が、その冷却時に固化しやすい不純物(二酸化炭素又はその他)を含んでいる場合、冷却熱交換器8に閉塞17又は障害が生じ得る。
【0026】
この閉塞は、前述のように作動ガスが依然として作動回路10内で循環しているが、冷却熱交換器8の冷却が第一の動作モードと比較して減少する第二の動作モードを適用することによって、冷凍装置1自体が実行するクリーニングステップにより排除され得る。
【0027】
例えば、冷凍装置1は周期的に冷却熱交換器8で冷却を行わないか、又は加熱を行う。
【0028】
このクリーニング中、使用者向け流体の流れを冷却熱交換器8内で循環させて、それによって加熱される不純物を運ばせることができる。使用者向け流体の流れは特に、この第二の動作モード中に加熱され得る。
【0029】
圧縮機構2、3は、1つ又は複数のコンプレッサと、コンプレッサ2、3を回転させるための少なくとも1つの駆動モータ14、15と、を含み得る。それに加えて、好ましくは、装置の冷凍能力は可変であり、駆動モータ14、15の回転速度(サイクル速度)を調整することによって制御できる。好ましくは、装置1により生成される冷却能力は、モータ14、15の回転速度をゼロ回転速度と最大又は公称速度との間で変化させることによって、公称又は最大能力の0~100%だけ利用できる。このような構成により、広い範囲にわたり高い性能レベル(例えば、公称冷気能力の50%で公称性能の97%)を保持することが可能となる。
【0030】
例えば、第二の動作モードでは、駆動モータ14、15のうちの少なくとも一方の回転速度は、第一の冷却動作モード中の前記モータ14、15の回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の値に下げられる。例えば、この低速化された回転速度は前記モータ14、15の公称又は最大回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%に対応する。
【0031】
この構成では、冷却熱交換器8において生成される冷凍能力は減少されるか排除される(すなわち、熱がそこで生成される)。このようにして、加熱熱交換器8は加熱し、それによって固化された不純物を溶かし、その後、気化させる。この加熱は、任意選択により冷却熱交換器8内の使用者向け流体の流れと併せて、これらの不純物を熱交換器8から、例えば使用者向け流体のタンク16に向かって運び出す。
【0032】
図の非限定的な例において、冷凍装置1は、それぞれ2つの別々のモータ14、15により駆動される直列の2つのコンプレッサ2、3と、モータの一方15の駆動シャフトに連結されたタービン7と、を含む。
【0033】
これは、一方のモータ14が1つのコンプレッサ3(モータ-コンプレッサ)のみを駆動し、他方のモータ15はコンプレッサ2を駆動し、タービン7に連結される(モータ-ターボコンプレッサ)ことを意味する。
【0034】
例えば、冷凍装置1の第二の動作モードにおいて、そこにタービンが連結された駆動シャフトを有するモータ15が停止され、コンプレッサ3のみを駆動する他方のモータ14は、そのモータの最大回転速度の、又は公称回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の回転速度で動作する。モータの公称回転速度又は最大回転速度とは、そのモータが最大冷凍能力の場合に生成できる最大速度を意味する。この最大又は公称回転速度は、冷凍装置1の動作に推奨される最大回転速度であり、必要に応じて、そのモータが本来実現できる最大回転速度より低くてもよい。
【0035】
この構成では、タービン7と停止されているモータ15の駆動シャフトに連結されるコンプレッサ2はフリーホイールとすることができる。
【0036】
前述のように、他方のモータ14が低速で動作することにより、作動流体は作動回路10内で低効率で循環される。フリーホイールのタービン7及びコンプレッサ2はまた、作動ガスの作動回路10内の圧力を下げる。これによって、熱交換器8における相対的加熱が増大して、すでに削減されている装置1の電力消費を高めることなく、不純物が排出される。
【0037】
この加熱を増大させ、不純物のクリーニングの急速さをさらに高めるために、この動作モードではさらに圧力を降下させることができる。例えば、停止されたモータ15が制動される。例えば、そのシャフトの、及び/又は対応するコンプレッサ2及び/又はタービン7の回転を制動し、又は阻止することができる。この制動20又は阻止は、移動式及び/又は電気及び/又は磁気停止手段による機械的なものとし得る。例えば、モータは特に同期型の電気モータである。モータの制動は、この動作モードのためのその制御回路内に制動抵抗器を提供することによって実行できる。同様に、このような電気モータは3相回路図を持ち得て、これはこの制動を確実にするために一時的に短絡させ得る。モータ15は特に可逆的とし得、制動は、トルクを生成するのではなく電流を生成し、駆動シャフトを制動する、逆発電機モードに切り替えることによって実現し得る。
【0038】
これらの制動モードは、このような電気モータの制御回路(可変装置)上で利用可能であり得る。それゆえ、モータの既存の構造を変更することなく、単純なソフトウェアによる制御によってこれらの制動モードをもたらすことが可能となる。
【0039】
また別の変形型の実施形態において、第二の動作モードでは、少なくとも1つのモータ15、例えばそのシャフトと連動して回転するタービン7を含むモータは、反対方向に回転される。
【0040】
このことは、冷凍装置1の第一の動作モードで、駆動モータ14、15の回転シャフトがそれぞれの第一の回転方向に回転し、作動流体が作動回路10の中で第一の循環方向に循環し、冷凍装置1の第二の動作モードで、好ましくはそのシャフトにタービン7が連結されている少なくとも1つのモータ15が、反対方向に回転され、すなわちその回転シャフトが第一の回転方向と反対の回転方向に回転することを意味する。
【0041】
作動流体は、作動回路10内で第一の循環方向に循環し続けるが、特にタービンの反対の回転(それは、この方向について最適化されていない)は、作動ガスからの機械的仕事(膨張)を抽出するのではなく、それに機械的仕事を供給し、したがってそれを加熱する。これは特に、求心型のタービンを用いたタービン技術を利用して動作する。同じく好ましくは、コンプレッサは遠心型である。
【0042】
このモータ15は反対方向に(逆に)回転されているが、他方のモータ14(又は、幾つかのモータがある場合は他の複数のモータ)は停止させ、特に惰性で回転させることができ、好ましくは他方のモータ14(又は他の複数のモータ)は、低下した回転速度で動作される。例えば、この他方のモータ14(又は他の複数のモータのうちの少なくとも1つ)は、前記モータ14の最大又は公称回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の速度で回転される。
【0043】
このようにモータの速度が低下することにより、加熱効率が向上し、第一の冷却動作モードでの冷凍装置のより素早い、より効率的な再始動が可能となる。
【0044】
好ましくは、反対方向に回転されているモータ14は、より低速で、例えば前記モータの最大又は公称回転速度の1%~60%、及び好ましくは10~50%、特に20~30%の速度で回転される。
【0045】
しかしながら、1つの考え得る変形型において、反対方向への回転速度はより速くすることができ、また、モータの公称又は最大速度に到達させることもできる。
【0046】
装置は、システムの部材(モータ、バルブ、ポンプ等)の全部又は一部に接続される少なくとも1つの電子コントローラ12を含み得る。電子コントローラ12は、マイクロプロセッサ又はコンピュータを含み得て、システムの部材の全部又は一部を、(自動的に、及び/又は特に使用者からの命令に応答して)ダイナミックに制御し、特に前述の動作モードをもたらすように構成され得る。
【0047】
例えば、冷凍装置1の第二の動作モードに切り替えて、冷却熱交換器8のクリーニングを実行することは、使用者によって命令され、及び/又は冷却熱交換器8内の不純物による閉塞が検出されたこと(回路内の圧力センサその他)に応答し得る。
【0048】
さらに、電子コントローラ12は、第二の動作モードにおいて冷却熱交換器8の加熱をダイナミックに制御するように構成(プログラム又は命令)され得る。例えば、この制御(第一の動作モードに関する相対的な加熱能力)は、あるプロファイルによる、及び/又は共通の熱交換器6の温度上昇速度をある閾値未満に保持するための、共通の熱交換器6の温度上昇速度に依存し得る。これによって、共通の熱交換器6及び/又は冷却熱交換器8の加熱が速すぎないようにすることが可能となり得、このことは例えばアルミニウム板を有する熱交換器の場合に有利である。
【0049】
図の例において、冷凍装置1は2つの圧縮ステージを形成する2つのコンプレッサ2、3と、膨張タービン7と、を含む。これは、圧縮機構が、好ましくは遠心型の2つのコンプレッサ2、3を直列に含み、膨張機構が1つのタービン7、好ましくは求心型タービンを含むことを意味する。勿論、他の何れの数及び配置のコンプレッサとタービンも想定され、例えば直列に3つのコンプレッサと1つのタービン、又は3つのコンプレッサと2つ若しくは3つのタービン、又は2つのコンプレッサと2つのタービン等である。
【0050】
図の例において、冷却熱交換器4、5は各コンプレッサ2、3の出口に提供される(例えば、室温の水又はその他の冷却剤若しくは流体との熱交換による冷却)。
【0051】
このことにより、等エントロピ又は等温若しくは実質的に等温の圧縮を実現することが可能となる。勿論、他の何れの配置も想定され得る(例えば、冷却熱交換器4、5の何れも1つ又は複数の圧縮ステージを持たない)。同様に、等エントロピ又は等温膨張を実現するために、加熱交換器を膨張タービン7の全部又は一部の出口に提供してもしなくてもよい。同じく好ましくは、作動流体の加熱及び冷却は好ましくは等圧であるが、これに限定されない。
【0052】
例えば、装置1は、それぞれ圧縮ステージ2、3を駆動するための2つの高速モータ14、15(例えば、毎分10,000回転又は毎分数万回転)を含む。タービン7は、圧縮ステージ2、3のうちの一方のモータ2に連結され得、すなわち装置は(特に第一の)圧縮ステージ2の駆動モータ2に連結された膨張機構を形成するタービン8を有し得る。
【0053】
それゆえ、有利な点として、タービン7のパワーを回収し、モータの消費を減らすために使用できる。それゆえ、モータの速度(及びそれゆえ作動ガスのサイクル内の流量)を増大させることにより、生成される冷凍能力及びそれゆえ、液化機の電力消費が増大する(及びその逆でもある)。コンプレッサ2、3及びタービン7は好ましくは、問題のモータの出力シャフトに直接連結される(歯車による運動伝達機構を用いない)。
【0054】
モータの出力シャフトは好ましくは、磁気型又は動圧気体型の軸受け上に取り付けられる。軸受けは、コンプレッサとタービンを支持するために使用される。
【0055】
さらに、装置の全部又は一部、特にその低温部材は、断熱密閉ケーシング(特に、共通の逆流熱交換器を収容する真空チャンバ)内に格納できる。
【0056】
プロセスの効率と急速さをさらに改善するために、クリーニングステップと同時に、及び/又はその後、クリーニングステップ中に脱落した不純物を冷却熱交換器8から掃除して排出するための、冷却熱交換器8に注入されるパージ流体の流れによる冷却熱交換器8のパージ18を提供できる。
【0057】
例えば、天然ガス又はその他(例えば、窒素)の回路18は、加熱された不純物をパージするために提供され得る。このパージは、必要であれば、加熱中に使用者向け流体を循環させることの代わりとし得る。得られた混合物は、排出ゾーンに(例えば、大気中に)排出できる。
【0058】
代替的に、このパージ18は、使用者向け流体の流れにより実現され得る。例えば、使用者向け流体の一部を循環ダクト12から(例えばバルブが設けられたバイパスを介して)取り出される。パージのための使用者向け流体は、冷却熱交換器8内で気化し、不純物に脱落することができる。得られた混合物は外部又は回収ゾーンに再び送ることができ、特に、使用者向け流体のタンク16の中に再注入できる。
【0059】
本発明は、他の液体又は混合物、特に水素の冷却及び/又は液化の方法にも応用され得る。
図1
【国際調査報告】