(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ装置および光学ディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221007BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507328
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2020107058
(87)【国際公開番号】W WO2021023212
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513048335
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ セントラル フロリダ リサーチ ファウンデーション,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF CENTRAL FLORIDA RESEARCH FOUNDATION, INC.
(71)【出願人】
【識別番号】517399181
【氏名又は名称】ゴルテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, タオ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ, ジュンユ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, シン-トソン
(72)【発明者】
【氏名】リュー, シェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジリン
【テーマコード(参考)】
2H149
2H199
【Fターム(参考)】
2H149AA01
2H149AB23
2H149BA05
2H149DA02
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA32
2H199CA43
2H199CA58
2H199CA63
2H199CA65
2H199CA67
2H199CA75
2H199CA84
(57)【要約】
ヘッドマウントディスプレイ装置(40)と、光学ディスプレイシステムとが開示される。ヘッドマウントディスプレイ装置(40)は、画像の光を出力する表示組立体(110)と、前記表示組立体(110)の前方に配置され、前記画像を拡大して第1の方向の第1の収差を発生させるレンズ組立体(121)と、前記表示組立体(110)と前記レンズ組立体(121)との間に配置され、前記第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させる平面光学組立体(122)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の光を出力する表示組立体と、
前記表示組立体の前方に配置され、前記画像を拡大して第1の方向の第1の収差を発生させるレンズ組立体と、
前記表示組立体と前記レンズ組立体との間に配置され、前記第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させる平面光学組立体と、
を備える、ヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項2】
前記表示組立体が出力する光は、円偏光であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項3】
前記表示組立体は、表示部品と、前記表示組立体からの光を円偏光に変換する第1円偏光子と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項4】
前記光学組立体は、パンチャラトナム-ベリー位相によって機能する偏光依存平面光学部品を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項5】
前記光学組立体は、液晶回折膜を含む偏光依存平面光学部品を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項6】
前記偏光依存平面光学部品は、2枚の透明基板をさらに備え、前記液晶回折膜は、前記2枚の透明基板の間に挟持されていることを特徴とする請求項5に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項7】
前記光学組立体は、液晶ポリマーからなる偏光依存平面光学部品を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項8】
前記偏光依存平面光学部品は、右回りまたは左回りの円偏光を受け取り、右回りまたは左回りの円偏光の大部分を左回りまたは右回りの円偏光に変換し、残りをリークすることと、
ヘッドマウントディスプレイ装置は、リークされた右回りまたは左回りの円偏光を遮断する偏光ブロッカーをさらに備えることと
を特徴とする請求項3~7のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項9】
前記偏光ブロッカーは第2円偏光子であり、前記第2円偏光子は、元の利手性を有するリークされた円偏光を遮断し、反対の利手性を有する円偏光を透過させることを特徴とする請求項8に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項10】
表示組立体からの画像の光を円偏光に変換する第1円偏光子と、
平面光学組立体と、
前記画像を拡大して第1の方向の第1の収差を発生させるレンズ組立体と、
を備え、
前記平面光学組立体は、前記第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させること
を特徴とする光学ディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GoerTek Electronics. Incによって、プロジェクト6501-8684の資金提供によりなされた。GoerTek Electronics. Incは本発明ではある権利を持っている。
【0002】
本開示は、光学ディスプレイシステムに関し、特に、ヘッドマウントディスプレイ装置及び光学ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、一般撮影システム等の表示装置は、色収差に対応し、撮影品質を向上させる。コンパクトな色収差補正システムでは、このような表示装置に多くの利点がある。
【0004】
例えば、まともな仮想現実感(VR)ヘッドマウントは、ユーザに没入型体験を提供するために、大視野内で高い撮像品質を提供することができる高品質なHMD(Head Mounted Display)技術が必要となる。従来、HMDシステムでは、コンパクトなフォームファクタと軽量性が求められるため、ディスプレイパネルを拡大するために一重項レンズのみが使用されていた。しかしながら、従来のVR HMDは、一重項レンズの収差制御性が制限されているため、エッジフィールドで大きな収差が発生してしまう。従来のダブレットレンズを使用すると、重量が重くなり、システムが大きくなる可能性がある。したがって、計算によるデジタル色収差補正は、特に横色収差に対して実装される。計算によるデジタル色収差補正は、高解像度のグラフィックスを処理するときにかなりの計算能力とメモリを必要とする。そこで、HMDにおいては、光学的手法により光学的色収差を低減することができ、計算画像処理の負担を軽減しつつ、高品質なバーチャル図像を提供することが望まれている。
【0005】
HMDにおける従来の視光学系は、軽量かつ大量生産に便利なプラスチック製の一重項である。レンズの複雑な積層体を採用することにより、カメラシステムのように、色収差や単色収差を効果的に低減することができたが、ビューイングオプティクス組立体はヘッドマウントアプリケーションに適用するにはかさばりすぎたり重すぎたりする場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、新たな技術的課題を解決することを目的とする。
【0007】
本開示の第1の態様に係るヘッドマウントディスプレイ装置は、画像の光を出力する表示組立体と、前記表示組立体の前方に配置され、前記画像を拡大して第1の方向の第1の収差を発生させるレンズ組立体と、前記表示組立体と前記レンズ組立体との間に配置され、前記第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させる平面光学組立体と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の第2の態様に係る光学ディスプレイシステムは、表示組立体からの画像の光を円偏光に変換する第1円偏光子と、平面光学組立体と、前記画像を拡大して第1の方向の第1の収差を発生させるレンズ組立体と、を備え、前記平面光学組立体は、前記第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させることを特徴とする。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、光学ディスプレイシステムのためのコンパクトなフォームファクタを提供することができる。
【0010】
本開示のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、本開示による例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を示し、実施形態の説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る光学ディスプレイシステムの概略断面図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施形態に係る平面光学組立体の概略断面図である。
【
図3】
図3は本開示で開示される収差補正技術を利用するデバイスの予備実験結果である。
【
図4】
図4はレンズ組立体及び光学組立体の色収差を説明するための模式図である。
【
図5】
図5はヘッドマウントディスプレイ装置の概略図である。
【
図6】
図6はヘッドアップディスプレイを搭載した車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な例示的な実施形態を詳細に説明する。実施形態に記載されている構成要素およびステップの相対的な配置、数値表現および数値は、特に明記しない限り、本開示の範囲を限定しないことに留意されたい。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、本質的に単なる実例および例示に過ぎず、本開示およびその応用または使用を限定することを決して意図するものではない。
【0015】
当業者に知られている技術、方法、およびデバイスは詳細に議論されないかもしれないが、適切な場合には明細書の一部となることが意図される。
【0016】
本明細書で例示および説明されているすべての例において、特定の値は、例示のみであり、非限定的であると解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有する可能性がある。
【0017】
同様の参照番号と文字は、図面内の類似のアイテムを指しているため、アイテムが1つの図面で定義されると、以降の図面で説明する必要はないことに注意されたい。
【0018】
図5は、ヘッドマウントディスプレイ装置の概略図を示している。ヘッドマウント装置40は、表示組立体、レンズ組立体、および平面光学組立体を備える。表示組立体、レンズ組立体、および平面光学組立体は、ヘッドマウント装置40の部品41のうちに配置することができ、
図1に示すようなものでもよい。ヘッドマウントディスプレイ装置40は、そのうちに光学ディスプレイシステムを支持するための支持構造を備えており、そして視聴者によって着用可能である。
【0019】
図1に示されるように、表示組立体110は、画像の光を出力する。画像を拡大するために、レンズ組立体121が表示組立体の前方に配置されている。レンズ組立体112は、第1の方向の第1の収差を発生させる。平面光学組立体は、表示組立体110とレンズ組立体121との間に放置されている。平面光学組立体122は、前記第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させる。
【0020】
図4は、レンズ組立体121および光学組立体122によって実行される色収差補正を説明する概略図を示す。
図4では、赤色光線などの第1の周波数を有する第1の光線が破線rとして示され、青色光線などの第2の周波数を有する第2の光線が実線bとして示される。
【0021】
図4(A)は、レンズ組立体121を透過した光を概略的に示している。
図3では、第1の光線rの焦点距離は、第2の光線bの焦点距離よりも長い。
図4(A)では、第1の光線rは遠い位置に収束し、第2の光線bはより近い位置に収束する。
【0022】
図4(B)は、光学組立体122を透過した光を概略的に示している。
図4(B)において、第2の光線bの焦点距離は、第1の光線rの焦点距離よりも長い。
図4(A)において、第2の光線bは遠い位置に収束し、第1の光線rはより近い位置に収束する。
【0023】
図4(C)は、レンズ組立体121と光学組立体122との組み合わせを透過した光を概略的に示している。光学組立体122は、レンズ組立体の方向に反対の第2の方向に第2の色収差を発生させるので、第1の光線rおよび第2の光線bは同じ位置に収束し、色収差が補正される。
【0024】
ここで、光学組立体122は平面状であり、したがって、コンパクトなプロファイルを提供することができる。光学組立体122の平面形状は、ヘッドマウントディスプレイ装置への取り付けを便利にする。コンパクトな機能的な平面光学系は、コンパクトなフォームファクタを必要とするアプリケーションに特定の利点を提供する。
【0025】
図1では、レンズ組立体121および光学組立体122は、集合的に光学系ブロック120として示されている。それらは互いに対して取り付けられており、1つのユニットとして販売されることができる。
【0026】
表示組立体110からの光は、光学系ブロック120を通過し、次に、観察者の目130に入る。
【0027】
表示部品または表示組立体110は、従来のLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、ミニLEDバックライト付きLDC、LCoS(液晶オンシリコン)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、光ファイバー走査ディスプレイであり、或いは当技術分野で知られておりまたは将来登場するディスプレイ部品である。表示部品110は、偏光(バーチャル)像を出力するか、または出力することに適合されている。通常、LCDやLCoSディスプレイなどの表示部品は、偏光出力を発生させる。マイクロLEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、光ファイバー走査ディスプレイなどによって生成される光など、ディスプレイ出力が本質的に偏光されていない場合は、偏光子と波長板またはリターダーを表示部品の外側に配置して、出力光の所望の偏光状態を生成する。表示組立体110からの光は、光学系ブロック120を光線111として法線入射角で透過すること又は光線112として斜め入射角で透過することができる。
【0028】
レンズ組立体121は、平凸レンズ、両凸レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ、または上記のハイブリッド種であり得る。位置合わせおよび固定のために、平面光学組立体122に隣接するフレネルまたは平面を使用することが好ましい。レンズ組立体121は、位置合わせおよび固定の便利のために、光学組立体に向かって平面を有する。
【0029】
レンズ組立体121は、プラスチックレンズでもよい。例えば、レンズ組立体121は、1つのフレネル表面および1つの非球面を有し得、これらは両方とも、平面光学組立体122と一緒に設計される。あるいは、レンズ組立体はモノリシックレンズであり、2つの非球面を有することができ、両方の表面は、平面光学組立体122と一緒に設計される。あるいは、モノリシックレンズは2つのフレネル表面を有し得、それらは両方とも平面光学組立体122と一緒に設計されている。
【0030】
図2は、平面光学組立体122の詳細を示している。
図2は、表示組立体110からの光の偏光状態を円偏光に変換する円偏光子210を示している。表示組立体110からの光が直線偏光されている場合、円偏光子210は、同じ位置で4分の1波長板と交換することができる。表示組立体110が円偏光を生成する場合、円偏光子210を省略してもよい。あるいは、円偏光子210を平面光学組立体122から取り外し、円偏光子210は表示組立体110に組み込まれてもよい。例えば、表示組立体110は、表示部品と、第1の円偏光子とを備えてもよい。第1の円偏光子は円偏光子210に類似しており、表示部品からの光を円偏光に変換する。このような状況では、平面光学組立体122は円偏光を受け取る。円偏光は右回り円偏光または左回り円偏光である。
【0031】
平面光学部品230は、液晶回折フィルムでもよい、好ましくは液晶ポリマー回折フィルムである。平面光学組立体122に含まれる偏光依存平面光学部品は、さらに2枚の透明な基板220を含み、液晶回折フィルムは、2つの基板220の間に挟まれている。液晶ポリマー回折フィルムは、[Nelson V. Tabirian、David E. Roberts、Diane M. Steeves、およびBrian R. Kimball、「Diffractive Waveplate Lenses for Correcting Aberrations and Polarization-Independent Functionality」、米国特許2018/0039003A9、(これは参照により本明細書に組み込まれる)で開示されたレンズの特性と同様の特性を有してもよい。平面光学部品230によって完全に回折された光線111などの円偏光は、平面光学系によって反対の利手性に変換される。光線112などの一部の光線は、平面光学部品230によって部分的に回折され、回折部分は光線252として別の直交利手性に変換され、リークされた部分は光線251として元の利手性を保持する。
【0032】
第2の円偏光子240は、望ましくないゴースト画像を排除するために、光251などの平面光学部品からのゼロ次リーク光を遮断する。
【0033】
平面光学部品230は、単層または多層構造を有し得、構造は、空間的に変化する異方性を有する。平面光学部品230は、光学組立体122の色収差を補正するための位相プロファイルを有する。
【0034】
光学組立体122に含まれる平面光学部品230は、パンチャラトナム-ベリー位相によって機能する偏光依存平面光学部品を含む。回折パンチャラトナム-ベリー位相光学系は、低コストで高品質のブロードバンドを有する。拡散性パンチャラトナム-ベリー位相光学系は、液晶(LC)ポリマーでできていてもよく、これは、屈折レンズなどのレンズ組立体121の色収差とは反対の色収差を発生させる。したがって、
図4(a)に示されるように、平面光学組立体122は、フレネルレンズなどのレンズ組立体121に取り付けられ得る。ヘッドマウントディスプレイ装置の色収差を補正することができる。回折パンチャラトナム-ベリー位相光学系の製造は、従来の回折光学部品およびメタ表面よりも単純で費用効果が高い。回折パンチャラトナム-ベリー位相光学系には動的位相がある。
【0035】
さらに、回折パンチャラトナム-ベリー位相光学系は偏光に敏感である。したがって、回折リークからの迷光は、第2の偏光子240によって排除されることができる。具体的には、偏光依存平面光学部品220、230は、右円偏光または左円偏光を受け取り、右円偏光または左円偏光の大部分を左円偏光または右円偏光に変換し、残りの右円偏光または左円偏光をリークさせる。偏光ブロッカー240は、リークされた右回りまたは左回りの円偏光を遮断する。すなわち、偏光依存平面光学部品は、表示組立体によって出力された円偏光を受け取り、ほとんどの円偏光を反対の利手性を有する円偏光に変換し、残りの元の利手性を有する円偏光をリークさせる。偏光ブロッカーは、リークされた円偏光を遮断する。
【0036】
図2に示されるように、偏光ブロッカーは、第2の円偏光子240である。第2の円偏光子240は、元の利手性を有するリークされた円偏光を遮断し、反対の利手性を有する円偏光を透過させる。第2の円偏光子は、元の利手性を有するリークされた円偏光を遮断し、反対の利手性を有する円偏光を透過させる。
【0037】
さらに、回折型パンチャラトナム-ベリー位相光学系(またはパンチャラトナム-ベリー位相レンズ)は、通常、わずか数ミクロンの厚さのフラット物理形状を備えており、ヘッドマウントディスプレイの軽量化とコンパクト化のニーズに完全に適合している。
【0038】
図1に示されるように、光学ディスプレイシステム120は、別個に製造することができる。
図2に示されるように、光学ディスプレイシステム120は、表示部品の画像からの光を円偏光に変換する第1の円偏光子210と、平面光学組立体122と、画像を拡大して第1の方向の第1の収差を発生させるレンズ組立体と、を備える。前記平面光学組立体122は、第1の収差を補正するために前記第1の方向に逆の第2の方向の第2の収差を発生させる。
【0039】
光学ディスプレイシステム120は、ヘッドマウントディスプレイデバイスにおいて上で説明されており、ここでは繰り返さない。
【0040】
光学ディスプレイシステム120は、仮想現実VRヘッドマウントディスプレイデバイスまたは他の電子システムで使用することができる。平面光学系は、ビューイング光学系の多色および単色収差を低減するために使用できる。平面光学系は、広帯域の高効率で、可視スペクトルの視野全体にわたって偏光に依存する機能を発揮できる。
【0041】
光学ディスプレイシステムは、他の電子装置で使用できる。たとえば、車両のヘッドアップディスプレイシステムで使用できる。
図6は、そのようなヘッドアップディスプレイ51を備えた車両50を示している。光学ディスプレイシステムは、色収差を補正するためにヘッドアップディスプレイ51に組み込まれ得る。
【0042】
図3は、この特許に開示されている色収差補正技術を採用したデバイスの予備実験結果である。画像は、青、緑、赤のセグメントの垂直バーで電子ディスプレイに表示される。
図3(a)は、平面光学組立体を使用しない場合の知覚画像を示している。
図3(b)は、平面光学組立体を使用した場合の知覚画像を示している。
図3(b)では、色収差補正後の横方向の色収差はほとんど見えない。
【0043】
光学補正に加えて、デジタル補正も利用できる。例えば、通過する光に対する平面光学部品230の効果は、デジタル補正のためのルックアップテーブルとして記録される。電子ディスプレイデバイスの平面光学系によって引き起こされる追加の色収差、歪み、輝度の変化、および色の変化をデジタルで事前に補正する。
【0044】
本開示のいくつかの特定の実施形態が実施例により詳細に説明されたが、当業者は、上述の実施形態が単に例示であり、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解すべきである。
【国際調査報告】