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特表2022-544125レーザインターロック付き内視鏡レーザシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】レーザインターロック付き内視鏡レーザシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/22 20060101AFI20221007BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20221007BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20221007BHJP
   G01J 3/44 20060101ALI20221007BHJP
   G01J 3/45 20060101ALI20221007BHJP
   G01J 3/42 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
A61B18/22
A61B1/00 621
A61B1/018 515
G01J3/44
G01J3/45
G01J3/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507459
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 US2020044891
(87)【国際公開番号】W WO2021026157
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/882,837
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/893,913
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/027,079
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タルボット ブライアン エム
(72)【発明者】
【氏名】ブケソヴ セルゲー エイ
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン クルト ジー
(72)【発明者】
【氏名】シュナッケンベルグ レイチェル ディ
(72)【発明者】
【氏名】ラオ マリア
【テーマコード(参考)】
2G020
4C026
4C161
【Fターム(参考)】
2G020AA03
2G020AA04
2G020AA05
2G020CA04
2G020CA12
2G020CD03
2G020CD14
2G020CD16
4C026BB08
4C026FF17
4C026GG06
4C026HH02
4C026HH24
4C026HH30
4C161CC06
4C161FF43
4C161FF46
4C161HH56
4C161JJ11
4C161LL02
(57)【要約】
内視鏡内の外科用レーザファイバの前進を決定して、連動フィードバックを外科用レーザに提供するシステム、デバイス、及び方法が開示される。例示の方法は、内視鏡の遠位端部からターゲットに光を向け、ターゲットから反射された光の量を光学的に検出し、光学的に検出された光の量を内視鏡の作業チャネルを通過するレーザファイバを介して透過させ、光学的に検出された光の量に基づき、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定し、外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、レーザファイバを介したレーザ照射を調整することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用レーザシステムのフィードバック制御の方法であって、
内視鏡の遠位端部からターゲットに光を向けること、
前記ターゲットから反射された光の量を光学的に検出すること、
前記光学的に検出された光の量を前記内視鏡の作業チャネルを通過するレーザファイバを介して透過させること、
前記光学的に検出された光の量に基づき、前記内視鏡の前記遠位端部に対する前記レーザファイバの遠位端部の位置を決定すること、及び、
前記外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、前記レーザファイバを介したレーザ照射を調整すること、を含む、
方法。
【請求項2】
前記内視鏡の前記遠位端部に対する前記レーザファイバの前記遠位端部の前記位置を決定することは、
前記光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、前記レーザファイバの前記遠位端部が前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在すると判断し、また、
前記光学的に検出された光の量が所定の値未満である場合、前記レーザファイバの前記遠位端部が前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在しないと判断し、制御信号を生成して、前記レーザが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防止すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザに、前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延びる前記レーザファイバの前記遠位端部の第1のインジケータ、及び前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在していない前記レーザファイバの前記遠位端部の第2のインジケータを提供することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記内視鏡の前記遠位端部に対する前記レーザファイバの前記遠位端部の前記位置を決定することは、経時的に検出された光の量の増加又は増加率に基づく、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記外科用レーザシステムへの前記制御信号を生成することは、
前記光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出できるように制御信号を生成すること、また、
前記光学的に検出された光の量が所定の値より少ない場合、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐように制御信号を生成することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
光検出器を使用して、指向性光の波長を検出することを更に含み、ここでレーザエネルギーを放出するために前記外科用レーザシステムへの前記制御信号を生成することは、更に前記指向性光の前記検出された波長に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲットを複数のターゲットの種類の1つとして、前記ターゲットから反射された前記光に基づきフィードバックアナライザを使用して識別することを更に含み、ここで前記外科用レーザシステムへの前記制御信号を生成してレーザ照射を調整することは、更に、前記ターゲットの前記識別に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットから反射された前記光の1つ以上の分光特性を、分光システムを使用して決定すること、及び前記ターゲットを前記1つ以上の分光特性に基づき識別することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の分光特性を決定することが、
UV-VIS反射分光法、
蛍光分光法、
フーリエ変換赤外分光法、又は、
ラマン分光法、
の少なくとも1つを使用することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
レーザフィードバック制御システムであって、
内視鏡であって、ターゲットから、前記内視鏡の遠位端部からの前記ターゲットの照明に応答して反射される光の量を検出するように構成された光検出器を含む内視鏡と、
前記内視鏡の作業チャネルを通って延びるレーザファイバであって、前記ターゲットから反射された前記検出された光の量を透過するように構成されたレーザファイバと、
コントローラであって、
前記光学的に検出された光の量に基づき、前記内視鏡の遠位端部に対する前記レーザファイバの遠位端部の位置を決定し、かつ、
外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、前記レーザファイバを介したレーザ照射を調整するように構成された、コントローラと、を備える、
レーザフィードバック制御システム。
【請求項11】
前記コントローラが前記レーザファイバの前記遠位端部の前記位置を決定するように構成されることは、
前記光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合は、前記レーザファイバの前記遠位端部が前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在すると判断し、また、
前記光学的に検出された光の量が所定の値未満の場合は、前記レーザファイバの前記遠位端部が前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在しないと判断する、
ことを含む、請求項10に記載のレーザフィードバック制御システム。
【請求項12】
前記外科用レーザシステムに結合されたレーザインターロックであって、前記制御信号に従って、
前記光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出可能にし、また、
前記光学的に検出された光の量が所定の値未満の場合、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐ、
ように構成される、レーザインターロックを備える、請求項10又は11に記載のレーザフィードバック制御システム。
【請求項13】
1つ以上の分光特性を前記ターゲットから反射された前記光から決定するように構成された分光システムと、
前記ターゲットを複数のターゲット種類の1つとして、前記1つ以上の分光特性に基づき識別するように構成されたフィードバックアナライザと、を更に備え、
ここで前記コントローラは、前記外科用レーザシステムへの前記制御信号を生成して、前記ターゲットの前記識別に更に基づいてレーザ照射を調整するように構成される、
請求項10~12のいずれか一項に記載のレーザフィードバック制御システム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記内視鏡の前記遠位端部に対する前記レーザファイバの遠位端部の位置を、経時的に検出された光の量の増加又は増加率に基づいて決定するように構成される、請求項13に記載のレーザフィードバック制御システム。
【請求項15】
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの非一時的メモリであって、前記少なくとも1つの非一時的メモリ及び前記コンピュータプログラムコードが前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも、
内視鏡の遠位端部からターゲットに光を向けさせ、
前記ターゲットから反射された指向性光の量を光学的に検出させ、
前記光学的に検出された光の量を、前記内視鏡の作業チャネルを通って延びるレーザファイバを介して透過させ、
前記光学的に検出された光の量に基づいて、前記内視鏡の前記遠位端部に対する前記レーザファイバの遠位端部の位置を決定させ、
外科用レーザシステムへの制御信号を生成させて、前記レーザファイバを介したレーザ照射を調整させるように構成される、少なくとも1つの非一時的メモリと、
を備える、装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの非一時的メモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも、
前記光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、前記レーザファイバの前記遠位端部が前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在すると判断させ、また、
前記光学的に検出された光の量が所定の値未満である場合、前記レーザファイバの前記遠位端部が前記内視鏡の前記遠位端部を越えて延在していないと判断させて、制御信号を生成させ、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐ、ように構成される、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの非一時的メモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、前記内視鏡の前記遠位端部に対する前記レーザファイバの前記遠位端部の前記位置を、経時的に検出された光の量の増加又は増加率に基づき決定させるように構成される、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの非一時的メモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも、
前記光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出できるように制御信号を生成させ、また、
前記光学的に検出された光の量が所定の値より少ない場合、前記外科用レーザシステムが前記レーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐように制御信号を生成させる、
ように構成される、請求項15~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの非一時的メモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも、
前記ターゲットを複数のターゲット種類の1つとして、前記ターゲットから反射された前記光に基づき識別させ、
前記外科用レーザシステムへの制御信号を生成させて、前記ターゲットの前記識別に基づいてレーザ照射を調整させる、
ように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの非一時的メモリ及び前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に少なくとも、
前記ターゲットから反射された前記光の1つ以上の分光特性を決定させ、
前記ターゲットを前記複数のターゲット種類の1つとして、前記1つ以上の分光特性に基づいて識別させる、
ように構成される、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/882,837号、2019年8月30日に出願された米国仮特許出願第62/893,913号、及び2020年5月19日に出願された米国仮特許出願第63/027,079号の米国特許法第119(e)条の下での優先権の利益を主張するものであり、それらはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
この文献は、一般に外科用レーザに関連し、特に、内視鏡内の外科用レーザファイバの前進を決定して、連動フィードバックを外科用レーザに提供するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザ又はプラズマシステムは、外科用レーザエネルギーを、軟組織又は硬組織などの様々なターゲット治療領域に送達するために使用されてきた。レーザ治療の例には、アブレーション、凝固、気化、断片化などが含まれる。砕石術の用途では、レーザを使用して、腎臓、胆嚢、尿管、他の結石形成領域の結石構造を破壊し、又は大きな結石を小さな断片にアブレートしている。
【0004】
内視鏡は、通常、被検者の内部位置へのアクセスを提供するのに使用され、医師に視覚的アクセスを提供する。内視鏡は通常、患者の体内に挿入され、検査されるターゲット(例えば、ターゲット解剖学的構造又は物体)に光を送達し、物体から反射された光を集める。反射光は、検査される物体に関する情報を備え、物体の画像を作成するために使用され得る。一部の内視鏡は、作業チャネルを含み、そこを通してオペレータは、吸引を実行し、器具、例えばブラシ、生検針、若しくは鉗子を通過させ、又は、最小侵襲性外科術を実行して患者の身体から不要な組織若しくは異物を除去し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、外科用レーザシステムのフィードバック制御の方法は、内視鏡の遠位端部からターゲットに光を向け、ターゲットから反射された光の量を光学的に検出し、光学的に検出された光の量を内視鏡の作業チャネルを通過するレーザファイバを介して透過させ、光学的に検出された光の量に基づき、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定し、外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、レーザファイバを介したレーザ照射を調整することを含む。
【0006】
本発明の別の態様によると、レーザフィードバック制御システムは、内視鏡の遠位端部からのターゲットの照明に応答してターゲットから反射される光の量を検出するように構成された光検出器を含む内視鏡と、内視鏡の作業チャネルを通って延びて、ターゲットから反射された検出された光の量を透過するように構成されたレーザファイバと、光学的に検出された光の量に基づいて、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定し、かつ外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、レーザファイバを介したレーザ照射を調整するように構成されたコントローラと、を含む。
【0007】
本発明の別の態様によると、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの非一時的メモリと、を含み、少なくとも1つの非一時的メモリ、及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に少なくとも、内視鏡の遠位端部からターゲットに光を向けさせ、ターゲットから反射された指向性光の量を光学的に検出させ、光学的に検出された光の量を、内視鏡の作業チャネルを通って延びるレーザファイバを介して透過させ、光学的に検出された光の量に基づいて、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定させ、外科用レーザシステムへの制御信号を生成させて、レーザファイバを介したレーザ照射を調整させるように構成される。
【0008】
本要旨は、本出願の一部の開示の概要であり、本主題の排他的又は網羅的な処理を意図するものではない。本主題に関する更なる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に記載される。本開示の別の態様は、以下の詳細な説明を読解し、その一部を形成する図面を見ることで、当業者には明らかであり、これらのそれぞれは、限定的な意味で解釈されるべきではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的同等物によって定義される。
【0009】
様々な実施形態は、例として添付の図面の図に示される。そのような実施形態は例示的であり、本主題の網羅的又は排他的な実施形態であることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】内視鏡及び外科用レーザを使用するシステムの概略側面図である。
図2図1のシステムの概略端部図である。
図3】様々な内視鏡で使用される光源のスペクトルのグラフ表示である。
図4】水、ヘモグロビン、オキシヘモグロビン、及びメラニンの光吸収スペクトルのグラフ表示である。
図5】内視鏡の先端から異なる距離で外科用レーザファイバを通して検出された光源スペクトルのグラフ表示である。
図6図1のシステムの内視鏡の一部分の概略側面図であり、内視鏡の先端からの外科用レーザファイバの距離を示す。
図7図1のシステムの外科用レーザファイバの検出された反射率を示すデータのグラフ表示である。
図8A】光が様々な溶液に偏向されることを示す試験セットアップである。
図8B】光が様々な溶液に偏向されることを示す試験セットアップである。
図9】想定される臨床環境のシミュレーションにおける反射率を示すデータのグラフ表示である。
図10】内視鏡の作業チャネルの管腔上の透明ライナを示す図である。
図11】内視鏡の作業チャネルの透明ライナ上に反射性コーティングを含む内視鏡の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
外科的処置中の内視鏡への損傷は、内視鏡の高価な修理、外科的処置の遅延、及び/又は他の機器への損傷をもたらす可能性がある。現在、レーザ内視鏡検査において、内視鏡の内側構造(inside workings)を、レーザファイバがスコープの作業チャネルの内側にある間の偶発的なレーザ照射から保護する方法がない。偶発的なレーザ照射は、レーザシステムを損傷する可能性がある後方反射、又は内視鏡への物理的損傷を引き起し、それによってユーザがナビゲートできる機器の性能が妨害され、又は患者のターゲット領域の視覚化に干渉する場合がある。
【0012】
レーザファイバが内視鏡の外側に進んだときを検出する性能は、機器の損傷及び患者の外科的遅延を防ぐのに役立ち得る。この検出は、本明細書に記載されるように構成された内視鏡検査を実行するために使用される機器を用いて達成され得る。
【0013】
本明細書に記載の実施形態は、内視鏡の内側の外科用レーザシステムの偶発的な発射の問題に対処し、その方法を使用して、外科用レーザファイバが内視鏡の作業チャネルの内側から内視鏡の外側に移行するときを識別する。この方法では、内視鏡器具に関連付けられた光源(複数可)と、患者の治療に使用される外科用レーザファイバを使用する。光フィードバックシステムは、外科用レーザシステムに組み込まれ、レーザファイバを介したレーザ照射を、レーザファイバが依然として内視鏡の内側にある間、制限する。システムのこの連動機能は、幅広い内視鏡とレーザファイバサイズで機能し得る。
【0014】
本明細書に記載の実施形態はまた、内視鏡内で破損するファイバから保護する。外科用レーザファイバは、内視鏡から出ているが、ファイバが内視鏡内で破損した場合でさえ、システムは、破損を外科用レーザファイバの新しい「先端」として検出し、新しい先端(現在は端部)が依然として内視鏡の内側にあることを認識して、内視鏡の内側での更なるレーザ照射を防止する。
【0015】
方法は、外科用レーザファイバを通して戻る光学的に検出された反射率を測定することによって実行され得る。反射光は、内視鏡検査で使用される光源から発生する。光源は、多種多様な光源から選択され得る。外科用レーザファイバを介して戻る反射信号の光検出の欠如(又は所定の値未満の光検出)は、外科用レーザファイバが内視鏡の作業チャネル内にあるという判断を生じる。外科用レーザファイバを介して戻る所定の値を超える反射信号の光検出は、外科用レーザファイバが作業チャネルを通って十分に前進し、内視鏡を出たという判断を生じる。このようにして、外科用レーザファイバの遠位端部の位置は、レーザエネルギーを放出する前に確認され得る。
【0016】
図1を参照すると、外科的内視鏡検査で用いるために内視鏡と外科用レーザを使用するシステムは、一般に10で示され、以後では「システム10」とされる。システム10は、レーザ40及びフィードバックアナライザ50に動作可能に結合された内視鏡20を含む。内視鏡20は、外科用レーザファイバ22、少なくとも1つの光源24、及び光検出器30(カメラを含み得る)を含む。外科用レーザファイバ22、光源24、及び光検出器30は、シース34(図2に示される)内に配置される。レーザ40は、外科用レーザファイバ22及びフィードバックアナライザ50に動作可能に結合され、これらは両方とも内視鏡20から離れていてもよい。レーザ40は、レーザインターロック42を含み得る。フィードバックアナライザ50は、レーザインターロック42に動作可能に結合され、プロセッサ54と、それに関連付けられたプログラムコードを有するメモリ56を含み得る。いくつかの実施形態では、システム10は、入力データを別のシステム、例えば画像プロセッサ44に提供することができ、それにより、モニタ又は別の種類のディスプレイは、情報をユーザに表示し、表示された情報は、レーザ40の照射能力に関連する。
【0017】
図2を参照すると、シース34は管状であり、作業チャネル36を画定する略円形断面を有する。外科用レーザファイバ22、光源24(2つ示される)、及び光検出器30は、作業チャネル36内に適切に配置される。これらの構成要素は互いに離隔して示されるが、そのような構成要素は、作業チャネル36内に、互いに接触して、又はそれらの間に最小限のスペースを有して、適切に密に詰められ得ることが理解されるべきである。
【0018】
レーザ40に関して、そのようなファイバ統合レーザシステムは、その性能のために内視鏡検査に使用され得て、レーザエネルギーを可撓性内視鏡に通し、硬組織及び軟組織を効果的に治療する。これらのレーザシステムは、紫外線(UV)から赤外線(IR)までの幅広い波長範囲(200ナノメートル(nm)から10000nm)のレーザ出力ビームを生成する。一部のファイバ統合レーザは、軟組織又は硬組織によって高度に吸収される波長範囲で出力を生成し、例えば、吸水では1900nm~3000nm、オキシヘモグロビン及び/又はデオキシヘモグロビン吸収では400nm~520nmである。以下の表1は、高吸水率範囲(1900nm~3000nm)で発光するIRレーザのリストの要約である。
【表1】
【0019】
一部のファイバ統合レーザシステムは、レーザ光出力を、ターゲットの軟組織又は硬組織によって最小限に吸収される波長範囲で生成する。この種類のレーザは、細管の直径に類似した侵入深さ、例えば約5マイクロメートル(μm)~約10μmのため、効果的な組織凝固を提供する。この実施形態に適用可能なレーザ用の例示的なレーザ源は、限定するものではないが、a)UV-VIS発光InXGa1-XN半導体レーザ(例えば、発光が515nm~520nmであるGaN、及び発光が370nm~493nmであるInXGa1-XN)、b)発光が750nm~850nmであるGaXAl1-XAs、及びc)発光が904nm~1065nmであるInXGa1-XAを含む。
【0020】
内視鏡検査に使用されるような内視鏡光源(光源24など)は、外科用レーザシステム(レーザ40など)及びファイバ(外科用レーザファイバ22など)と併せて使用されて、レーザインターロック42をシステム10に提供し得る。内視鏡光源は、適切な照明を提供し、かつ適切な内視鏡と互換性を有することができる、任意の光源であり得る。図3は、300で、3つの異なる光源、つまりUV-VIS光源310、内視鏡光源320、及びVIS光源330のスペクトルを示し、これらのいずれも、光源24として使用され得て、様々な内視鏡で予備データを収集するために使用され得る。このような光源24は、通常、処置用の白色光として示され、UV及びIRスペクトルにも及び得る。光源24のこの拡張された波長範囲は、システム10のフィードバックアナライザ50にとって特に有用であり得る。
【0021】
表2に示される光源は、最適範囲で正確な反射率を促進するために内視鏡光源で使用され得る追加の光源及び波長である。
【表2】
【0022】
図1及び図2に戻って参照すると、システム10の1つの例示的な実施形態では、光源24からの光は、内視鏡20(又は任意の適用可能な内視鏡)から伝達され得て、内視鏡20は、光源24からの光をターゲット領域に向ける性能がある限り、患者を治療するために使用され得る。内視鏡20は、剛性、半剛性、又は可撓性であり得る。レーザ外科的処置で使用され得る内視鏡20は、尿管鏡、膀胱鏡、腎鏡、及び切除鏡を含む。本明細書に記載のシステム10は、内視鏡の種類及び可撓性の任意の組み合わせ、ならびに、言及されていないが、患者ケア用の外科用レーザファイバを受け入れるように設計された他の任意の内視鏡とともに用いられることが意図される。
【0023】
システム10で実行される外科的処置は、外科用レーザファイバ22を介して実施される。外科用レーザファイバ22は、約50μm~約1000μmの範囲のコア直径を有し得る。外科用レーザファイバ22が構築される材料は、レーザエネルギーを伝達するために使用される波長と互換性があるが、光源24から入射し、ターゲット領域から反射される対象の波長の透過も考慮に入れるべきである。
【0024】
光検出器30は、外科用レーザファイバ22を通ってターゲット領域に移動する反射光を読み取る。光源24からの、及びターゲット領域から光検出器30に反射された光源信号もまた集められ、外科用レーザファイバ22からの反射光とともにフィードバックアナライザ50に伝送される。
【0025】
光検出器30は、システム10の対象となる波長に調整された専用の光検出器であり得て、又はシステム10に組み込まれた分光システムであり得る。分光法/分光測定技術は物理学及び化学において、様々な材料を、そのような材料によって反射、透過、発光、又は吸収されたスペクトルを通して識別するのに用いられ、システム10で使用されてもよい。光分光法は、有機及び無機材料の簡潔で迅速な分析に使用される強力な方法であり、次の利点、a)ファイバレーザ送達システムとの容易な統合、b)材料の化学組成分析の非破壊的な方法、c)材料組成をリアルタイムで検出可能にすること、及び、d)様々な種類の材料(例えば、硬組織と軟組織、石など)の分析への適用性を備えている。他の利点もあり得る。
【0026】
以下の分光法技術は、単独で又は組み合わせて使用されて、組織の化学組成を分析し、分光法フィードバックを作成し得る。
【0027】
UV-VIS反射分光法。この方法は、物体で反射された光からの情報を集め、それは目、又は高解像度カメラで作成されたカラー画像から得られる情報と同様であるが、より定量的かつ客観的である。反射分光法は、材料に関する情報を提供し、これは光の反射と吸収がその化学組成と表面特性に依存するためである。この技術を使用して、サンプルの表面特性と容量特性の両方に関する固有の情報を取得することも可能である。反射分光法は、硬組織又は軟組織の組成を認識するための価値のある技術である。
【0028】
蛍光分光法。これは、サンプルからの蛍光を分析する電磁分光法の種類である。これは、光線、通常はUVを使用して、材料化合物を励起し、光を通常は可視領域又はIR領域で放出させることを含む。この方法は、一部の有機成分、例えば硬組織と軟組織の分析に適用できる。
【0029】
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)。これは、容易かつ迅速な材料分析のために使用される方法である。この技術は比較的優れた空間分解能を有し、材料の化学組成に関する情報を提供する。
【0030】
ラマン分光法。ラマン化学分析は、硬組織及び軟組織成分を識別する際に良好な精度を示す。高空間分解能技術として、ターゲット内の成分の分布を決定するのにも有用である。
【0031】
いくつかの実施形態では、1つ以上の種類の分光法を内視鏡20内で使用して、反射光の存在を識別し得る。ターゲットから反射された内視鏡光源信号は、外科用レーザファイバを介して迅速に検出され、分光計に伝送される。代替的に、検出器は、対象の内視鏡波長の検出専用の簡単な光モジュールであり得る。
【0032】
依然として図1及び図2を参照すると、フィードバックアナライザ50は、外科用レーザファイバ22を介して戻された光をフィードバックとして使用して、外科用レーザファイバ22の遠位端部が内視鏡20の作業チャネル36の遠位端部を越えて進んだかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、フィードバックアナライザ50は、外科用レーザファイバ22が作業チャネル36内に完全に配置されていると判断し得て、例えば、それをユーザに、赤色光(又は同様の信号)を介して表示してもよい。フィードバックに基づいて、フィードバックアナライザ50は、レーザインターロック42とインターフェースすることで、照射モードにあり、かつユーザが意図的にレーザを発射しようとする場合であっても、レーザ40が発射されるのを防止し得る。レーザインターロック42はまた、レーザ40の意図しない発射を防止し得る。外科用レーザファイバ22がシース34から突出して内視鏡20を離れるまで、外科用レーザファイバ22を通して戻された光源24の反射率に基づいて、レーザ40は発射を制限されたままとなる。
【0033】
レーザ照射は、軟組織又は硬組織、石などによって高度に吸収され得る。ここで図4を参照すると、波長範囲にわたって異なる媒体で測定された光吸収スペクトルは、一般に400で示される。そこに例示されているのは、水410A~410Cのスペクトル(それぞれ75%、100%、及び4%の濃度)、ヘモグロビン(Hb)420のスペクトル、オキシヘモグロビン(HbO)430のスペクトル、及びメラニン440A~440Dのスペクトル(メラノソームの体積分率は、それぞれ2%、13%、30%、及び100%)を含む。吸水波長は1900nm~3000nmの範囲である。オキシヘモグロビン及び/又はオキシヘモグロビンの波長は、400nm~520nmの範囲である。
【0034】
図1図4図5、及び図6は、内視鏡20をシステム10とともに使用する方法を示す。図4は、異なる媒体におけるレーザ技術の吸収を示す。多くの外科用レーザは水又はヘモグロビンに高度に吸収されるが、スコープの内側では水を吸収する媒体が限られ、それは内視鏡の内側がレーザエネルギーによって損傷される原因となる場合がある。図1は、システム10の基本的なセットアップを示し、光源24からの反射率を検出する。図5は、500で、光源24からの反射光の分光出力510を示し、それは外科用レーザファイバ22が内視鏡20の作業チャネル36を通って進む(前進又は後退する)ときに、外科用レーザファイバ22を通して検出される。図6は、外科用レーザファイバ22が作業チャネル36を通過して内視鏡20の遠位端部を離れる際の基本的なセットアップを示す。
【0035】
ここで図7を参照すると、外科用レーザファイバ22が作業チャネル36を出るときを識別するための実現可能性データは、一般に700で示される。データは、200μmのコアを有する外科用レーザファイバ22を、光信号源として機能する互換性のある光源24を備えた可撓性尿管鏡に前進させることによって収集された。この実現可能性データ700は、外科用レーザファイバ22が作業チャネル36の端部に移動するとき、検出された信号720に有意な増加710を示し、外科用レーザファイバ22が作業チャネル36の中に後退されることと、作業チャネル36を越えて前進することを区別することが可能である。この検出技術を使用して、光検出器30からのデータは、フィードバックアナライザ50で処理され、偶発的なレーザ照射を防ぎ得る。
【0036】
図8A及び図8Bは、外科用レーザファイバ22からの光が、リン酸緩衝生理食塩水とシュウ酸カルシウム水和物粉末を含む容器に偏向されることを示すシミュレーションセットアップ800を示し、臨床手順中に経験され得る組成物をシミュレートする。図8Aは、光がリン酸緩衝溶液810(PBS810)に偏向される試験セットアップを示し、図8Bは、光がシュウ酸カルシウム水和物820を含むPBSに偏向される試験セットアップを示す。図8Bのセットアップは、澄んで透明なリン酸緩衝溶液810とは対照的に、曇った白色のシュウ酸カルシウム水和物溶液820(陰影で示されている)を備える。シュウ酸カルシウム水和物溶液820は、追加の反射及び光散乱を促進し得る。
【0037】
図9を参照すると、900において、示されるデータポイントは、内視鏡20からの光がPBS(白丸)及びPBSシュウ酸カルシウム溶液(COMを含むPBS、黒丸)に偏向されるときの反射率を示す。910で、このデータが光源光信号のより高い検出を示す間、外科用レーザファイバ22は内視鏡20の作業チャネル36内にあり、データ傾向は、空気中で試験されたときと同じである。フィードバックアナライザ50に実装されたアルゴリズムは、データの傾向を説明し、外科用レーザファイバ22が内視鏡20の遠位端部から突出するときを判断し得る。
【0038】
作業チャネル36内からの偶発的なレーザ発射に関連付けられる内視鏡への損傷は、内視鏡20の透明な作業チャネルライナに起因し得る。図10は、作業チャネル36の管腔上の透明なライナ1010を示す図表1000である。外科的処置中に、レーザファイバ22が作業チャネル36の内側にあるときの偶発的なレーザ照射は、レーザエネルギー1001が透明ライナ1010の側面から分散することを生じる場合があり、これは、内視鏡20の内部構成要素、例えば、透明ライナ1010に隣接するもの、及び内視鏡20の遠位端部に隣接するものに損傷を与える可能性がある。
【0039】
本文献は、様々な例に従って、作業チャネル36内からの偶発的なレーザ発射による損傷を防止又は低減するための解決策について論じる。図11は、反射性コーティング1020を作業チャネル36の透明ライナ1010の上に含む内視鏡1100の一例を示す。反射性コーティング1020は、レーザ照射の波長範囲において、反射性材料、例えばアルミニウム、銀、金、又は銅を含み得る。いくつかの例では、反射面は、反射性コーティングを含み得て、反射性コーティングは、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、誘電体高反射(HR)コーティング、ダイクロイックミラー、又は反射性フォトニック構造のうちの1つ以上からなる。反射性コーティング1002は、別の技術の中でもとりわけ、真空メタライゼーション/堆積、噴霧塗布、蒸着、導電性塗装又は火炎噴霧を用いて塗布され得る。
【0040】
図11に示されるように、レーザファイバ22から放出されるレーザエネルギー1002は、レーザファイバ22が作業チャネル36の内側にあるとき、反射性コーティング1020によって実質的に反射され得る。レーザエネルギー1002は、ライナ1010の壁に沿って跳ね返り、作業チャネル36の遠位端部へ、そして遠位端部から外に進む。このように、レーザ分散によって引き起こされる内視鏡の様々な構成要素への損傷の量は実質的に低減され得る。本明細書に記載の作業チャネルライナ上に反射性コーティングを備えた内視鏡は、処置中のスコープへの偶発的な損傷を有利に最小限にし、再利用可能なスコープの処置と修理費用を削減し、再利用可能なスコープが使用外となる時間を減らし得る。いくつかの例では、反射性コーティングが使い捨てスコープのライナに塗布され、それにより、1つの処置で複数のスコープに生じる可能性のある偶発的な損傷を最小限に抑えることができる。
【0041】
以下に、様々な非限定的な例示的な実施形態の更なる説明が提供される。以下に説明する例示的な実施形態は、1つ以上の別の態様又は例示的な実施形態と併せて実施され得る。すなわち、本発明の例示的な実施形態、例えば以下に記載されるものは、任意の組み合わせ(例えば、適切、実施可能、及び/又は実行可能である任意の組み合わせ)において実装、実施、又は利用され得て、本明細書に記載される、及び/又は添付の特許請求の範囲に含まれる組み合わせのみに限定されない。
【0042】
実施例1は、外科用レーザシステムのフィードバック制御の方法であり、方法は、光を内視鏡の遠位端部からターゲットに向けること、ターゲットから反射された光の量を光学的に検出すること、光学的に検出された光の量を内視鏡の作業チャネルを通って延びるレーザファイバを介して透過させること、光学的に検出された光の量に基づいて、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定すること、外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、レーザファイバを介したレーザ照射を調整すること、を含む。
【0043】
実施例2において、実施例1の主題は、任意選択で、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定することが、光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、レーザファイバの遠位端部が内視鏡の遠位端部を越えて延在すると判断し、また、光学的に検出された光の量が所定の値未満である場合、レーザファイバの遠位端部が内視鏡の遠位端部を越えて延在しないと判断し、かつ制御信号を生成して、レーザがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防止することを含む、ことを含む。
【0044】
実施例3において、実施例2の主題は、任意選択で、ユーザに、内視鏡の遠位端部を越えて延びるレーザファイバの遠位端部の第1のインジケータ、及び内視鏡の遠位端部を越えて延在していないレーザファイバの遠位端部の第2のインジケータを提供する、ことを含む。
【0045】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定することが、経時的に検出された光の量の増加又は増加率に基づく、ことを含む。
【0046】
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、外科用レーザシステムへの制御信号を生成することが、光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出できるように制御信号を生成することと、光学的に検出された光の量が所定の値未満の場合、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐように制御信号を生成することを含む、ことを含む。
【0047】
実施例6において、実施例5の主題は、任意選択で、光検出器を使用して、指向性光の波長を検出し、ここで外科用レーザシステムへの制御信号を生成してレーザエネルギーを放出することは、更に指向性光の検出された波長に基づく、ことを含む。
【0048】
実施例7では、実施例6の主題は、任意選択で、ターゲットを複数のターゲットの種類の1つとして、ターゲットから反射された光に基づきフィードバックアナライザを使用して識別し、ここで外科用レーザシステムへの制御信号を生成してレーザ照射を調整することは、更に、ターゲットの識別に基づく、ことを含む。
【0049】
実施例8では、実施例7の主題は、任意選択で、ターゲットから反射された光の1つ以上の分光特性を、分光システムを使用して決定することと、ターゲットを1つ以上の分光特性に基づき識別すること、を含む。
【0050】
実施例9において、実施例8の主題は、任意選択で、1つ以上の分光特性を決定することが、UV-VIS反射分光法、蛍光分光法、フーリエ変換赤外分光法、又はラマン分光法のうちの少なくとも1つを使用することを含む、ことを含む。
【0051】
実施例10は、レーザフィードバック制御システムであり、それは内視鏡であって、内視鏡の遠位端部からのターゲットの照明に応答してターゲットから反射される光の量を検出するように構成された光検出器を含む内視鏡と、内視鏡の作業チャネルを通って延びるレーザファイバであって、ターゲットから反射された検出された光の量を透過するように構成されたレーザファイバと、光学的に検出された光の量に基づき、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定し、かつ外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、レーザファイバを介したレーザ照射を調整するように構成されたコントローラと、を含む。
【0052】
実施例11において、実施例10の主題は、任意選択で、コントローラがレーザファイバの遠位端部の位置を決定するように構成されることは、光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合は、レーザファイバの遠位端部が内視鏡の遠位端部を越えて延在すると判断し、光学的に検出された光の量が所定の値未満の場合は、レーザファイバの遠位端部が内視鏡の遠位端部を越えて延在しないと判断することを含む、ことを含む。
【0053】
実施例12では、実施例10~11のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、外科用レーザシステムに結合されたレーザインターロックであって、制御信号に従って、光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出できるようにし、光学的に検出された光の量が所定の値未満の場合、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐように構成されるレーザインターロック、を含む。
【0054】
実施例13において、実施例10~12のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、1つ以上の分光特性をターゲットから反射された光から決定するように構成された分光システムと、ターゲットを複数のターゲット種類の1つとして、1つ以上の分光特性に基づき識別するように構成されたフィードバックアナライザとを含み、ここでコントローラは、外科用レーザシステムへの制御信号を生成して、ターゲットの識別に更に基づいてレーザ照射を調整する。
【0055】
実施例14において、実施例13の主題は、任意選択で、コントローラが、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を、経時的に検出された光の量の増加又は増加率に基づいて決定するように構成される、ことを含む。
【0056】
実施例15は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの非一時的メモリとを含む装置であり、少なくとも1つの非一時的メモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に少なくとも、内視鏡の遠位端部からターゲットに光を向けさせ、ターゲットから反射された指向性光の量を光学的に検出させ、光学的に検出された光の量を、内視鏡の作業チャネルを通って延びるレーザファイバを介して透過させ、光学的に検出された光の量に基づいて、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を決定させ、外科用レーザシステムへの制御信号を生成させて、レーザファイバを介したレーザ照射を調整させるように構成される。
【0057】
実施例16において、実施例15の主題は、任意選択で、少なくとも1つの非一時的メモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に少なくとも、光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、レーザファイバの遠位端部が内視鏡の遠位端部を越えて延在すると判断させ、また、光学的に検出された光の量が所定の値未満である場合、レーザファイバの遠位端部が内視鏡の遠位端部を越えて延在しないと判断させ、かつ制御信号を生成させて、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防止させるように構成される、ことを含む。
【0058】
実施例17において、実施例15~16のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、少なくとも1つの非一時的メモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、内視鏡の遠位端部に対するレーザファイバの遠位端部の位置を、経時的に検出された光の量の増加又は増加率に基づき決定させるように構成される、ことを含む。
【0059】
実施例18において、実施例15~17のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、少なくとも1つの非一時的メモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に少なくとも、光学的に検出された光の量が所定の値よりも大きい場合、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出できるように制御信号を生成させ、また、光学的に検出された光の量が所定の値より少ない場合、外科用レーザシステムがレーザファイバを介してレーザエネルギーを放出するのを防ぐように制御信号を生成させるように構成される、ことを含む。
【0060】
実施例19において、実施例18の主題は、任意選択で、少なくとも1つの非一時的メモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に少なくとも、ターゲットを複数のターゲット種類の1つとして、ターゲットから反射された光に基づき識別させ、外科用レーザシステムへの制御信号を生成させて、ターゲットの識別に基づいてレーザ照射を調整させるように構成される、ことを含む。
【0061】
実施例20において、実施例19の主題は、任意選択で、少なくとも1つの非一時的メモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に少なくとも、ターゲットから反射された光の1つ以上の分光特性を決定させ、ターゲットを複数のターゲット種類の1つとして、1つ以上の分光特性に基づいて識別させるように構成される、ことを含む。
【0062】
付記
上記の詳細な説明は、添付の図面への参照を含み、添付の図面は詳細な説明の一部を成す。図面は、例示として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態もまた、本明細書において「実施例」として参照される。そのような例は、示されているか又は記載されているものに加えて、要素を含み得る。しかし、また、本発明者は、示されているか又は記載されているそれらの要素のみが提供される例を検討する。更に、また、本発明者は、示されているか又は記載されているそれらの要素(又はそれらの1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は置換を、特定の例(又はそれらの1つ以上の態様)か、あるいは本明細書に示されているか又は記載されている別の例(又はそれらの1つ以上の態様)のどちらか一方に関して使用する例を検討する。
【0063】
本文献では、「a」又は「an」という用語は、任意の他の例、又は「少なくとも1つ」若しくは「1つ以上」の使用と無関係に、特許文献において一般的であるように、1つ又は2つ以上を含むように用いられる。本文献では、用語「又は(or)」は、包括的なものを指すように、又は別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBでない」、「BであるがAでない」、及び「A及びB」を含むように、用いられる。本文献では、「含んでいる(including)」及び「in which」という用語は、「含んでいる(comprising)」及び「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語の同意義のものとして用いられる。また、下記の特許請求の範囲では、「含んでいる(including)」及び「含んでいる(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち請求項の範囲内でそのような用語の後に列挙されているものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又は工程が、依然として請求項の範囲内に入ると見なされる。更に、下記の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などという用語は単にラベルとして用いられており、それらの対象物に数的な要件を課することは意図されていない。
【0064】
上記説明は例示的であることが意図され、制限的であることは意図されていない。例えば、前述の例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記説明を検討する際に当業者によるなど、他の実施形態が使用され得る。要約は37C.F.R 1.72(b)に従うように提供され、読者が技術的開示の本質を迅速に確認することを可能にする。要約は、それが特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈するか又は制限するのに使用されないという理解の下に提示される。また、上記の発明を実施するための形態では、様々な特徴がグループ化されて、本開示を効率化し得る。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項に不可欠であるよう意図していると見なされるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示される実施形態の全特徴より少ない特徴にある場合がある。したがって、下記の特許請求の範囲は、本明細書によって、発明を実施するための形態に、例又は実施形態として組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として自立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせ及び交換において互いに組み合わせられ得ると考えられる。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられている同等物の完全な範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
【国際調査報告】