(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】手持ち式電動ツールにおけるツール検出
(51)【国際特許分類】
A01D 34/00 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
A01D34/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507537
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 EP2020069103
(87)【国際公開番号】W WO2021023453
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ラルセン
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA01
2B083BA02
2B083CA01
2B083CA07
2B083CA12
2B083CA14
2B083JA01
(57)【要約】
駆動ユニット(105)を有し、駆動ユニット(105)によって駆動される複数の交換可能なツールヘッド(150)の1つを担持するように構成された、手持ち式マルチツールデバイス(100)であって、手持ち式マルチツールデバイス(100)は、駆動ユニットによって現在駆動されているツールヘッドのベースライン慣性特性を決定し、ツールヘッドのアクティブ慣性特性を決定し、アクティブ慣性特性及びベースライン慣性特性に基づいてツールヘッド(150)のツールタイプを決定する、ように構成されたコントローラ(101)をさらに有する、手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニット(105)を有し、前記駆動ユニット(105)によって駆動される複数の交換可能なツールヘッド(150)の1つを担持するように構成された手持ち式マルチツールデバイス(100)であって、
ベースライン慣性特性を決定し、
アクティブ慣性特性を決定し、
前記アクティブ慣性特性及び前記ベースライン慣性特性に基づいて前記ツールヘッド(150)のツールタイプを決定する、
ように構成されたコントローラ(101)をさらに有する、
手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項2】
前記コントローラ(101)は、決定された前記ツールタイプに基づいて前記ツールヘッド(150)用の設定を実装するようにさらに構成されている、請求項1に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項3】
前記設定は、速度、方向、及び/または加速度を含むが、これらには限定されないグループから取得された1つまたは複数に関係付けられている、請求項2に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項4】
前記コントローラ(101)は、
前記駆動ユニット(105)を介して第1エネルギーレベルを提供することにより、前記ベースライン慣性特性を決定し、
前記駆動ユニット(105)を介して第2エネルギーレベルを提供することにより、前記アクティブ慣性特性を決定する、
ようにさらに構成されており、
前記第2エネルギーレベルは、前記ツールヘッド(15)を加速させるために、前記第1エネルギーレベルより高い、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項5】
前記コントローラ(101)は、前記第2エネルギーレベルを提供する前に、前記駆動ユニット(105)を介して前記第1エネルギーレベルを提供することにより、前記ベースライン慣性特性を決定するようにさらに構成されている、請求項4に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項6】
前記コントローラ(101)は、前記第2エネルギーレベルを提供した後に、前記駆動ユニット(105)を介して前記第1エネルギーレベルを提供することにより、前記ベースライン慣性特性を決定するようにさらに構成されている、請求項4または5に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項7】
前記第2エネルギーレベルは、前記駆動ユニットの最大トルクの50~70%に対応している、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項8】
前記コントローラ(101)は、公称速度の5~25%の範囲で前記ツールヘッド(150)を加速させることにより、前記アクティブ慣性特性を決定するようにさらに構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項9】
前記コントローラ(101)は、フリーラン状態において前記ツールヘッド(150)を稼働させることにより、前記ベースライン慣性特性を決定するようにさらに構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項10】
検知デバイス(160)をさらに有し、前記コントローラ(101)は、
前記検知デバイスからセンサデータを受け取り、
前記ベースライン慣性特性を決定し、且つ/または、
受け取った前記センサデータに基づいて、前記アクティブ慣性特性を決定する、
ようにさらに構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項11】
前記コントローラ(101)は、
決定された前記ツールタイプの特性を保存し、
第2ベースライン慣性特性を決定し、
第2アクティブ慣性特性を決定するように、
第2の決定を実行し、
慣性特性の変化が存在するか否かを決定し、
存在する場合には通知を発行する、
ようにさらに構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項12】
前記手持ち式マルチツールデバイス(100)は、園芸用または林業用のツールである、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項13】
前記デバイスは、ストリングトリマ、刈払機、またはクリアリングソーである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項14】
前記デバイスは、組合せ型トリマツールである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の手持ち式マルチツールデバイス(100)。
【請求項15】
手持ち式マルチツールデバイス(100)におけるツールヘッド(150)のタイプを決定する方法であって、前記手持ち式マルチツールデバイス(100)は、駆動ユニット(105)を有し、前記駆動ユニット(105)によって駆動される複数の交換可能なツールヘッド(150)の1つを担持するように構成され、前記方法は、
ベースライン慣性特性を決定し(310)、
アクティブ慣性特性を決定し(320)、
前記アクティブ慣性特性及び前記ベースライン慣性特性に基づいて、前記ツールヘッド(150)のツールタイプを決定する(340)、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツール検出デバイス及びツール検出方法に関し、さらに詳しくは、手持ち式マルチツールデバイスを検出する電動ツール、並びに、園芸及び/または林業機器などの手持ち式マルチ電動ツールと共に使用されるツール検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、園芸及び/または林業に使用される手持ち式電動ツールは、益々適合性及び柔軟性が増している。マルチツールの1つの一般的な例は、草刈機と刈払機とを組合せたものであり、この場合には、草刈機として動作するためのラインホルダ及び刈払機として動作するためのカッティングブレードであるツールのツールヘッドを単に交換することにより、単一ツールを両方の目的のために使用することができる。
【0003】
同時に、電動ツールは、益々進歩しており、回転方向の反転や加速度または回転速度の調整などのツール固有の機能を提供している。但し、全てのツールが全ての機能を用いて使用できるわけではない。回転方向の反転は、カッティングラインの供給及び切断された草の排出方向の変更の両方を可能とすることにより、草刈機の場合には、有用となり得るが、刃が損傷したり、緩んだりすることから、カッティングブレードは、一般に、回転の変更について適合していない。
【0004】
米国特許第10,206,329B2号として公開されている米国特許は、手持ち式電動ツールの動作を制御する方法を開示しており、これは、選択された回転方向における作業アセンブリの動作に基づいて手持ち式電動ツールに装着された切断デバイスのタイプを示す情報を受け取ることができる。作業アセンブリは、手持ち式電動ツールに装着可能な切断デバイスを使用して切断機能を実行するべく双方向において回転可能となるように構成することができる。この方法は、受信した情報に基づいて、装着された切断デバイスのタイプを決定し、切断デバイスのタイプ及び作業アセンブリの選択された回転方向に基づいて、作業アセンブリに動作制約を選択的に挿入することをさらに含み得る。具体的には、単に切断デバイスを加速し、そのために駆動モータまたは駆動シャフトにかかる負荷を計測することによって決定される切断デバイスのタイプの慣性を決定することにより、情報が提供される。
【0005】
しかしながら、本発明の発明者らは、従来技術によって教示されている方式は、カッティングツールを区別するのに十分ではない場合があることをさらに理解した。
【0006】
従って、同様の重量の物体を区別することができるツールのタイプを決定するための改善された方法を提供するためのデバイス及び方法に対するニーズが存在している。
【0007】
また、本出願において、「林業」という用語は、伐採などの活動を含む、森林の実際の維持を含むものと解釈されたい。
【発明の概要】
【0008】
本開示の目的は、背景の章において論じられた問題を克服するか、少なくとも低減または軽減することにある。
【0009】
一態様によれば、手持ち式マルチツールデバイスが提供され、手持ち式マルチツールデバイスは、駆動ユニットを有し、且つ、駆動ユニットによって駆動される複数の交換可能なツールヘッドの1つを担持するように構成されており、手持ち式マルチツールデバイスは、ベースライン慣性特性を決定し、アクティブ慣性特性を決定し、アクティブ慣性特性及びベースライン慣性特性に基づいてツールヘッド用のツールタイプを決定するように構成されたコントローラをさらに有する。
【0010】
これには、状況が変化した場合や、2つのツールヘッドが類似の慣性特性を有している場合でも、マルチツールがツールヘッドを区別することができるという利点がある。
【0011】
一実施形態において、コントローラは、決定されたツールタイプに基づいてツールヘッド用の設定を実装するようにさらに構成されている。例えば、速度及び加速度などのツールヘッド固有の設定により、正常な圧力レベル、エネルギー消費、及び性能をそれぞれの異なるツールヘッドごとに最適化することができる。別の利点は、ツールヘッドによって生成される、または、これに対する損傷、あるいは、少なくともそのリスクが低減され得るというものである。
【0012】
一実施形態において、コントローラは、駆動ユニットを介して第1エネルギーレベルを提供することにより、ベースライン慣性特性を決定し、駆動ユニットを介して第2エネルギーレベルを提供することにより、アクティブ慣性特性を決定するように、さらに構成されており、ツールヘッドを加速させるために、第2エネルギーレベルは、第1エネルギーレベルより高い。
【0013】
一実施形態において、コントローラは、第2エネルギーレベルを提供する前に駆動ユニットを介して第1エネルギーレベルを提供することにより、ベースライン慣性特性を決定するようにさらに構成されている。
【0014】
一実施形態において、コントローラは、第2エネルギーレベルを提供した後に駆動ユニットを介して第1エネルギーレベルを提供することにより、ベースライン慣性特性を決定するようにさらに構成されている。
【0015】
一実施形態において、第2エネルギーレベルは、駆動ユニットの最大トルクの50~70%に対応している。
【0016】
一実施形態において、コントローラは、公称速度の5~25%の範囲内においてツールヘッドを加速させることにより、アクティブ慣性特性を決定するようにさらに構成されている。
【0017】
一実施形態において、コントローラは、フリーラン状態でツールヘッドを稼働させることにより、ベースライン慣性特性を決定するようにさらに構成されている。
【0018】
一実施形態において、手持ち式マルチツールデバイスは、検知デバイスをさらに有しており、コントローラは、検知デバイスからセンサデータを受け取り、受け取ったたセンサデータに基づいて、ベースライン慣性特性を決定し、且つ/または、アクティブ慣性特性を決定するように、さらに構成されている。
【0019】
一実施形態において、コントローラは、決定したツールタイプの特性を保存し、第2ベースライン慣性特性を決定するため、及び第2アクティブ慣性特性を決定するために第2の決定を実行し、慣性特性における変化が存在しているか否かを判定し、存在する場合には通知を発出するように、さらに構成されている。
【0020】
一実施形態において、手持ち式マルチツールデバイスは、ストリングトリマ、刈払機、クリアリングソー、または組合せ型トリマツールなどの園芸用または林業用のツールである。一実施形態において、ツールヘッドは、刈払機ブレード、草刈機ラインドラム、チェーンソー、及びヘッジカッタを含むが、これらには限定されない一般的タイプのグループから取得された任意のものである。
【0021】
一実施形態において、ツールヘッドは、第1形状の刈払機ブレード、第2形状の刈払機ブレード、第1タイプのライン用の草刈機ラインドラム、第2タイプのライン用の草刈機ラインドラムを含むが、これらには限定されない特定タイプのグループから取得された任意のものである。
【0022】
一実施形態において、ツールヘッドは、第1形状の刈払機ブレード、第2形状の刈払機ブレード、第1タイプのチェーンソー、第2タイプのチェーンソー、第1タイプのライン用の草刈機ラインドラム、第2タイプのライン用の草刈機ラインドラム、第1の歯の組を有するヘッジカッタ、及び第2の歯の組を含むが、これらには限定されないヘッジカッタを有する特定タイプのグループから取得された任意のものである。
【0023】
一実施形態において、設定は、速度、方向、及び/または加速度を含むが、これらには限定されないグループから取得された1つまたは複数に関係付けられている。
【0024】
一態様によれば、駆動ユニットを有し、駆動ユニットによって駆動される複数の交換可能なツールヘッドの1つを担持するように配置された、手持ち式マルチツールデバイスにおけるツールヘッドのタイプを決定する方法が提供され、この方法は、ベースライン慣性特性を決定し、アクティブ慣性特性を決定し、アクティブ慣性特性及びベースライン慣性特性に基づいてツールヘッドのツールタイプを決定する。
【0025】
一態様によれば、駆動ユニットを有し、駆動ユニットによって駆動されるように複数の交換可能なツールヘッドの1つを担持するように配置された、手持ち式マルチツールデバイスにおけるツールヘッドのタイプを決定する回路構成が提供され、この回路構成は、ベースライン慣性特性を決定するように構成された回路と、アクティブ慣性特性を決定するように構成された回路と、アクティブ慣性特性及びベースライン慣性特性に基づいてツールヘッドのツールタイプを決定するように構成された回路と、を有する。
【0026】
一態様によれば、手持ち式マルチツールデバイスのコントローラに読み込まれ、実行されると、視覚デバイスが本明細書に従って方法を実装することを可能するコンピュータ命令を担持したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0027】
本発明の更なる実施形態及び利点については、詳細な説明において付与する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下、本発明の概念を実施し得る方式の非限定的な例を示す添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【
図1】本発明の一実施形態による手持ち式マルチツールデバイスの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、異なるツールを担持する組合せ型トリマツールの形態における手持ち式マルチツールデバイスの一部分の概略図である。
【
図3】本明細書における教示の一実施形態による手持ち式マルチツールデバイスの構成要素の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による一般的な方法のフローチャートである。
【
図5】低慣性手持ち式マルチツールデバイス及び高慣性手持ち式マルチツールデバイスの時間グラフである。
【
図6】本明細書の教示の一実施形態による回路構成の構成要素の図である。
【
図7】手持ち式マルチツールデバイスのコントローラ内に読み込まれ、実行されると視覚デバイスが本発明の一実施形態を実装することを可能にするコンピュータ命令を担持したコンピュータ可読媒体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1Aは、手持ち式トリマの形態の手持ち式マルチツールデバイスの概略図を示している。マルチツールデバイス100は、駆動ユニットを収容するように構成されたハウジング110(
図1には示されてないが、
図2において105という参照符号が付与されている)と、ポールなどの細長部材115と、ツールアセンブリ130と、ユーザ制御デバイス125と、を有する。細長部材115は、1つまたは複数のハンドル120及びユーザ制御デバイス125を有するように構成することができる。ユーザ制御デバイス125は、好ましくは、容易にアクセスできるように、ハンドル120に隣接して、または、その一部として構成されている。
【0030】
ツールアセンブリ130は、
図1Aにおいてトリマヘッドで示されている交換可能なツールヘッド150、及びノーズギアヘッド135を有する。ツールヘッドは、マルチツールデバイス100に着脱自在に装着可能であることにより、交換可能である。ノーズギアヘッド135は、ツールヘッド150をマルチツールデバイス100に接続するように構成されており、駆動力をツールヘッド150に伝達するためのギアアセンブリを有する。ツールヘッド150をマルチツールデバイス100に着脱自在に装着し、駆動力をツールヘッド150に伝達するための多くの既知の変形及び代替案が存在していることから、本明細書は、このような変形及び代替案には焦点を合わせない。
【0031】
図1Bは、組合せ型トリマツールの形態の手持ち式マルチ電動ツール100の一部の概略図であり、ツールアセンブリ130は、第1の例では草刈機ツールヘッド150-1、第2の例では刈払機カッティングブレード150-2、及び第3の例ではヘッジカッタ150-3アセンブリを有することにより、3つの異なる方式で適合されている。ツールヘッドのその他の例は、(ポール)チェーンソー、耕作機、耕耘機、またはカッタであるが、これらには限定されない。組合せ型トリマツールの場合、例えば、刈払機は勿論、ツールヘッドは、様々な一般的なタイプのものであってよい。
【0032】
また、本明細書における教示は、例えば、刈払機ブレードの異なる形状(アームの数、曲がり、など)等の同一のタイプのツールヘッド150の異なるタイプを区別するためにも使用され得ることに留意されたい。このような実施形態において、ツールヘッドは、同じ一般的なタイプであるが、異なる特定タイプであり、特定のタイプは、一般的なタイプ内のタイプである。特定のタイプの例は、第1の形状(円形)の刈払機ブレード、または、第2の形状(異なる数のカッティングアーム)の刈払機ブレード、第1のタイプのチェーンソー、または、第2のタイプのチェーンソー(長さ及び/またはチェーンが異なる場合がある)、第1のタイプのライン用の草刈機ラインドラム(例えば、プラスチック)、または、第2のタイプのライン用の草刈機ラインドラム(例えば、金属)、第1の歯の組を有するヘッジカッタ、及び、第2の歯の組を有するヘッジカッタ(間隔、数、及びサイズが異る場合がある)である。
【0033】
理解されるように、ノーズギアヘッド130は、異なるツールヘッド150を使用する際(第1及び第2インスタンス)に同一であってもよく、あるいは、これは、補強されたノーズギアヘッド130-3を示す第3インスタンスにおいて観察されるように補強または適合することもできる。
【0034】
図2は、本明細書における教示によるマルチツールデバイス100の概略構成要素図を示している。
図1Aに関連して論じられているように、マルチツールデバイス100は、ツールアセンブリ130、さらに詳しくは、ノーズギアヘッド135を介して、ツールアセンブリのツールヘッド150を駆動するように構成された駆動ユニット105を有する。駆動ユニット105は、電池を有する電気的なものであってもよく、あるいは、電池または電源ソケットに接続されてもよく、あるいは、その他の電源であってもよい。あるいは、この代わりに、駆動ユニットは、内燃機関及び燃料タンクを有する燃焼タイプ、あるいは燃料タンク、または燃料のその他のソースに接続されてもよい。
【0035】
マルチツールデバイス100は、コントローラをさらに有する(
図1には示されていないが、
図2において101という参照符号が付与されている)。コントローラは、ハウジング110内において収容することができる。あるいは、この代わりに、または、これに加えて、コントローラ101は、ユーザ制御デバイス125内において収容することもできる。ユーザ制御デバイス125を介して、ユーザは、ユーザ制御デバイスが制御データをコントローラ101に提供することにより、マルチツールデバイスを制御することができる。
【0036】
コントローラ101は、マルチツールデバイス100の全体的な動作を制御するように構成され、さらに詳しくは、ツールヘッド150の回転速度及び/または回転方向を制御する等、駆動ユニット及び/またはツールアセンブリ130を制御するように構成されている。
【0037】
一実施形態において、コントローラ101は、汎用コントローラである。一実施形態において、コントローラ101は、特定コントローラ及び汎用コントローラの組合せである。当業者には理解されるように、コントローラを実装するための方式には、これらに加えて、または、その代わりに、フィールドプログラマブルゲートアレイ回路、ASIC、CPU、などを使用するなどの多くの代替肢が存在している。本出願を目的として、すべてのこのような可能性及び代替肢は、単にコントローラ101と称する。
【0038】
また、マルチツールデバイス100は、メモリ102を有する。メモリ102は、設定、データ、及びコントローラ101に読み込まれたときにマルチツールデバイス100がどのように制御されるかを示すコンピュータ可読命令を保存するように構成されている。メモリ102は、いくつかのメモリユニット、または、デバイスを有することができるが、これらは、同一の全体的なメモリ102の一部であると認識される。(特に、電気的駆動ユニット105の場合)駆動ユニット用の1つのメモリユニット及びツールアセンブリ130用の1つのメモリユニットが存在し得る。当業者には理解されるように、データを保存する場所を選択する方法には多くの可能性が存在しており、従って、マルチツールデバイス100用の一般的なメモリ102は、本出願を目的として、任意の全てのこのようなメモリユニットを含むことがわかる。当業者には理解されるように、例えば、EEPROMメモリ回路などの不揮発性メモリ回路を使用するか、あるいはRAMメモリ回路などの揮発性メモリ回路を使用するなど、メモリを実装するための方法には多くの代替肢がある。本出願を目的として、全てのこのような代替肢は、単にメモリ102と称する。
【0039】
マルチツールデバイス100は、ツールヘッド150の慣性を示す特性を検知するように構成された検知デバイス160をさらに有する。このような一実施形態において、特性は、ツールヘッド150の慣性、または、ツールヘッド150の慣性示す慣性特性を導出するように使用することができる。検知デバイス160は、コントローラ101によって受け取られるように、かつ、検知された特性を示す、または特性を決定するように使用され得るデータを示すセンサデータを送信するように構成される。
【0040】
一実施形態において、検知デバイスは、ツールヘッド150によって印加される負荷、即ち、ツールヘッド150の慣性、を検知するように構成されている。
【0041】
一実施形態において、検知デバイス160は、駆動ユニット105の駆動シャフト上において印加されるトルクを検知するように構成されている。
【0042】
代替の、または、更なる一実施形態において、検知デバイス160は、駆動ユニット105によって供給される電力を検知するように構成されている。
【0043】
代替の、または、更なる一実施形態において、検知デバイス160は、ツールアセンブリ130内の検知デバイス160を表すボックスの破線によって示されているように、ツールアセンブリ130のノーズギアヘッド135上において印加されるトルクを検知するように構成されている。
【0044】
代替の、または、さらなる一実施形態において、検知デバイス160は、特定の(回転)速度に到達する時間を検知するように構成され、これは、予想される加速度と比較される加速度を示し、これにより、ツールヘッド150の慣性を示す。
【0045】
代替の、または、さらなる一実施形態において、検知デバイス160は、特定の時間後に速度を検知するように構成されており、これは、予想される加速度と比較される加速度を示し、これにによってツールヘッド150の慣性を示す。
【0046】
当業者には明らかなように、ツールヘッド150の慣性を決定する多くの異なる方式がある。また、当業者には理解されるように、ツールヘッド150の実際の慣性を実際に決定することが必須ではないかもしれないが、ツールヘッド150の慣性を示す特性を決定または検知することで十分である場合がある。このような特性は、上記に例示されているように、トルク、供給される電力、印加される負荷、時間、速度、などであってよい。
【0047】
本発明者らは、ラインドラム及び刈払機のみ以外の他のツールを使用する場合には、慣性にとって主に重要であるのは、重量のみではなく、従って、単に慣性に基づいて2つのツールヘッドを区別することは難しい場合があることに気が付いた。例えば、ラインドラムと刈払機ブレードとの間の慣性の差は大きいが、ポールチェーンソーとヘッジカッタとの間の差については同じことは当てはまらない可能性がある。また、サイズが異なる刈払機ブレードの場合などのように、同じ一般的なタイプではあるが、異なる特定のタイプのツールヘッドには当てはまらない可能性がある。
【0048】
また、本発明者らは、全てのツールについて、慣性にとって主に重要であるのは、重量だけではなく、ツールヘッド(並びに、一般にマルチツールデバイス100)の一般的な状態及び環境も重要であることに気づいた。例えば、
図1Bに関連して述べたように、異なるツールは、検知される全体的な慣性に影響を及ぼす異なるノーズギアヘッド135を必要とする場合がある。さらに、現在の潤滑状態、ツールの汚れ具合、ツールの一般的な状態、ツールヘッドまたはマルチツールデバイスの摩滅と同様に、温度は、ツールヘッド150を駆動するための摩擦に影響を及ぼし得る。
【0049】
これらのすべての要因が、検知され、あるいは、導出される慣性に影響を及ぼす可能性があるため、従来技術の方式は、本発明者らが実現したように、マルチツールデバイスに利用可能な全ての様々なツールヘッドを区別するのには十分に正確ではない可能性がある。
【0050】
従って、本発明者らは、ベースライン慣性特性を確立し、且つ、加速中のツールのアクティブ慣性特性、または、アクティブ慣性特性をベースライン慣性特性と比較することにより、2つのツール(または、ツールヘッド150)を区別する方法を考案した。以下においては、慣性特性は、ツールヘッドの慣性を導出するために、あるいは、慣性に依存するか、または、慣性によって影響を受ける他の特性を導出するために、使用され得る慣性または特性として理解されたい。
【0051】
図3は、本明細書における教示による一般的な方法のフローチャートの概略図を示している。マルチツールデバイス100に現在装着されているツールヘッド150のタイプを決定するために、コントローラ101は、ベースライン慣性特性を決定310するように、構成されている。ベースライン慣性特性は、ツールアセンブリ130のフリーラン中の特性を決定することにより、決定される。フリーラン特性は、ツールヘッド150を加速させずに動作させることにより決定することができる。例えば、(負荷をかけずに)ツールを動作させ続けるために必要なトルクの量は、マルチツールデバイス100の現在の状態を示し、ベースラインとして使用することができる。代替的または追加的に、ベースライン慣性特性は、ツールヘッド150が加速後に定常状態となることを可能とすることによって、即ち、加速された後にどのレベルでツールヘッド150が定常状態となるかを検知することにより、決定してもよい。定常状態の速度及びこの速度を維持するために必要な電力は、いずれも、単独で、または、一緒に、ツールヘッドの慣性を示す。また、これは、マルチツール100の現在の状態を示し、従って、ベースラインとして使用、あるいは、ベースラインを補完することができる。従って、ベースライン慣性特性は、一般的に、第1エネルギーレベルを駆動ユニット105からツールヘッド150の駆動に提供311すること、及び、例えば、トルクなどのツールアセンブリ130の第1特性を検知する312ことにより、決定することができる。
【0052】
また、コントローラ101は、アクティブな、または、加速された慣性特性を決定するように320、構成される。ツールヘッド150を加速させ、例えば、慣性特性を決定するために使用される、ツールヘッドを加速させるために必要なエネルギー、または、電力などの加速を示す特性を検知することにより、アクティブ慣性特性が決定される。従って、アクティブ慣性特性は、一般的に、第2エネルギーレベルを駆動ユニット105からツールヘッド150の駆動に提供することによってツールヘッド150を加速させ321、例えば、速度などのツールアセンブリ130の特性を検知すること322により、決定することができる。第2エネルギーレベルは、加速を提供するために、第1エネルギーレベルより高いことに留意されたい。
【0053】
ベースライン慣性特性及びアクティブ慣性特性が決定されるのに伴って、コントローラ101は、ツールの慣性特性を決定するように330、構成される。ツールの慣性特性は、一実施形態においては、単にアクティブ慣性特性からベースライン慣性特性を減算することにより、決定される。ツールの慣性特性を決定する方法は、実際に使用される特性に依存しており、そのために多くのバリエーションが存在している。ツールの慣性特性を決定するための破線ボックス330によって示されているように、これは、省略でき、ベースライン及びアクティブ慣性特性に基づいてツールタイプを単に決定することもできる。但し、ツールの慣性特性の決定は、ベースライン及びアクティブ慣性特性に基づいたツールタイプのこのような直接的な決定においては、黙示的なものと見なすことができる。
【0054】
ツールの慣性特性が決定されるのに伴って、コントローラ101は、ツールの慣性特性に基づいてツールヘッドのタイプを決定340するように、構成される。一実施形態において、ツールのタイプは、例えば、メモリに記憶されたテーブル内のテーブルルックアップによって、ツールの慣性特性をツールのタイプにマッチングさせることにより、決定される。
【0055】
図4は、2つのツールヘッドの動作の比較を示し、1つは慣性が高く、もう1つは慣性が低い。左側には、低慣性ツールヘッド(LIT)の動作を表す2つのグラフがあり、右側には、高慣性ツールヘッド(HIT)の動作を表す2つのグラフがある。両方のツールヘッドにおいて、上部のグラフは、時間(t)の関数として速度(rpm)を表し、下部のグラフは、時間(t)の関数として駆動ユニットのトルク(Nm)を表す。
【0056】
破線の垂直方向ラインは、ツールヘッドの決定の様々なフェーズの分離を示す。左端の領域、即ち、第1領域は、開始領域(IR)である。ここでは、フリーラントルク(FT)及び初期速度(IS)が破線水平方向ラインによって示されている。初期速度は、例えば、最大(あるいは、公称)速度の6%であってよい。フリーラントルク(FT)及び初期速度(IS)のいずれか、または、両方は、インジケータとして使用されてもよく、従って、ベースライン慣性特性の例である。次の領域、または中間の領域は、ツールヘッドが加速される加速領域(AR)である。
図4の例では、ツールヘッド150は、例えば、最大(あるいは、公称)速度の23%などの特定の速度(SS)に到達するまで加速される。加速領域においては、例えば、最大トルクの65%などの加速トルク(AT)が印加されている。観察され得るように、同一の加速トルク(AT)が印加された場合に、低慣性ツールは、時間T1の後に特定の速度に到達しており、高慣性ツールは、時間T2の後に同一の特定の速度に到達する。左上のグラフと右上のグラフを比較するとわかるように、低慣性ツール用の時間T1は、高慣性ツール用の時間T2よりも格段に短い。従って、特定の速度に到達するための時間を使用して、ツールヘッドを識別することができる。
【0057】
本明細書における教示の一部を参照した後に当業者には理解され、本発明者自身が理解したように、慣性を決定する方法には多くのバリエーションがある。例えば、特定の時間(T=T1=T2)にわたって加速トルクを印加し、次いで、結果的に得られる速度(RS)を検知することが挙げられる。結果的に得られる速度と初期速度との差は、加速の結果であり、従って、ツールヘッドの慣性を示している。
【0058】
また、最後の領域、または、第3領域である定常状態領域(SR)が示されており、ツールヘッドは、結果的に得られる速度において定常状態となることが許容される。この速度を維持するために必要なトルク(定常状態トルクST)は、例えば、ツール駆動トレーン内の摩擦、または、ツール上の任意の外部負荷を示しており、ベースライン慣性特性として使用すること、または、これを補完するために使用することができる。
【0059】
代替のまたは補完的な一実施形態においては、べースライン慣性特性は、ツールが惰力で動作することを許容して決定される。
【0060】
代替のまたは補完的な一実施形態において、加速慣性特性は、ツールが減速することを許容して決定される。
【0061】
代替のまたは補完的な一実施形態において、ベースライン慣性特性及び/または加速慣性特性は、正弦波、鋸歯、または矩形波などの反復された方式でツールの速度を変化させながら決定される。
【0062】
決定されたツールタイプに基づいて、様々なツール設定をコントローラ101によって実装350することができる。このようなツール設定の一例は、ツール用の制限を適用または強制するというものである。制限は、回転方向、回転速度、加速(負の加速である減速)レベル、ある方向における回転速度、及び/または、ある方向における加速レベル、トリガ応答(応答時間)、最大電力、最大トルク、開始動作、方向及び/またはラインフィードの変更などの起動機能に対して適用することができる。
【0063】
回転方向に関連する制限は、ツールヘッド150、または、その一部が緩んだ状態になるリスクを低減するために、所与の回転方向における最大速度及び/または最大加速度(例えば、所与の方向におけるなんらの回転をも許容しないもの)を示すことができる。また、方向を繰り返し変更することは、ツールヘッドまたはその一部を緩めるように作用するため、このような制限は、方向が変更され得る回数にも関係し得る。
【0064】
回転速度に関連する制限は、ツールヘッド150、または、その一部が緩んだり、損傷したりするリスクを低減するために、最大速度及び/または最大加速度を示し得る。
【0065】
従って、ツールヘッド150の決定は、決定されたツールヘッド150に基づいて適用される制限がある場合は、その決定350によって終了する。
【0066】
制限はツールヘッド150に関連付けられるだけでなく、好適な、または推奨された速度がツールヘッドに関連付けられ得る。従って、制限が適用されるだけでなく、一般的な設定が適用されてもよい。設定は、メモリ102に記憶されてよい。設定は、それに応じて駆動ユニット105を制御するコントローラ101によって実装される。
【0067】
一実施形態において、第1エネルギーレベルは、駆動ユニット105によって供給可能な最大エネルギーの約1~5%、または、ツールヘッド150のフリーランを示す最大トルクの1~5%に対応するエネルギーレベルである。従って、このような一実施形態においては、マルチツールデバイス100は、コントローラ101がツールのフリーランにおけるベースライン慣性特性を決定することにより、ベースライン慣性特性を決定するように構成されており、これは、加速の前または後(あるいは、両方)において実行することができる。
【0068】
一実施形態において、第1エネルギーレベルは、実質的にゼロであり、これは、加速の直後など、ツールヘッドが定常状態となることが許容されていることを示している。
【0069】
一実施形態において、第2エネルギーレベルは、最大トルクの約50~70%、または65%に対応する。
【0070】
一実施形態において、トルクヘッド150は、公称速度(トリマの場合には、7500rpmである)の5~25%の範囲で加速される。一実施形態において、ツールヘッド150は、公称速度の5%から25%に加速される。
【0071】
本発明者らは、ツールヘッドタイプの決定においては、どのタイプのツールヘッドが使用されるかが未知であることから、ツールが、ツールに課された制限を超える可能性があるため、決定において使用される速度は、最大速度未満に維持しなければならないことに気づいた。
【0072】
上記の実施形態、及び本明細書においては、例えば、最大トルクの70%未満において留めることにより、及び/または、最大速度の25%未満に留めることにより、ツールが、有害となり得る方法で制限を超えるリスクを低減している。また、ツールをその最大限まで回転させないことにより、決定はユーザを害することはない。
【0073】
また、損傷のリスクを低減し、ユーザを害しないように、決定は、時間的に短くする必要がある。これは、最大(公称)速度の25%未満の速度で停止するようにしながら、最大トルクの50~65%のトルクを印加することによって実現される。
【0074】
ツールアセンブリのトルクなどの慣性特性は、
図1Bに関連して説明したように、検知デバイス160により、ツールヘッド150及び/またはノーズギアヘッド135において直接的に検知することができる。これに加えて、または、この代わりに、ツールアセンブリのトルクなどの慣性特性は、
図1Bに関連して説明したように、検知デバイス160により、駆動ユニット105において検知することもできる。また、慣性特性は、コントローラ及び検知デバイスの組合せによって検知されてもよく、コントローラ101は、ツールヘッド150が特定の速度を推定するために必要とされる時間を決定する場合などのように、検知デバイス160から受け取った入力に基づいて特性を決定し、速度は検知デバイス160によって検知され、時間はコントローラ101によって検知される。
【0075】
本明細書における方法は、または、この代わりに、最大フリーラントルクまたは慣性特性を決定するために使用可能であり、これを高い外部負荷で起こりうるエラーから保護するためにツールアセンブリ130の有効性チェックとして使用することもできる。これは、ツールの堅牢性の向上のチェックを可能にし、これを提供することができる。
【0076】
決定は、例えば、製品が起動した後にユーザがトリガを押した最初の段階のように、ツールの起動時、または、作動時において実行することができる。このように作動時において決定を実行することは、ツールが、製品の起動後にユーザがトリガを最初に押したときに決定に影響を及ぼす如何なる負荷にも晒されない可能性が高いという点において有益である。また、ユーザは、まだ操作を開始していない可能性が高いため、ユーザの切断動作は、決定によって影響を受けない。決定は、代替的または付加的に、ユーザが開始する際に実行することもできる。
【0077】
また、ツールヘッドの損傷(または摩耗)を示す通知し得る慣性の変化を知らせるために、動作の際に、同一のツールヘッドについて決定を実行することもできる。決定されたツールヘッド150に固有の閾値レベルを超えるような変化が検出された場合は、ツールヘッド150を変更するか、少なくともこれを見るように、ユーザに通知を与えることができる。従って、コントローラ101は、決定されたツールヘッド150の決定された慣性特性(及び/またはその他の特性)を保存351し、第2決定を実行360し、第2慣性特性を保存されている特性と比較361し、これらが(閾値を超過する変化のように大きく)変化したか否かを決定362ぢ、変化している場合に、恐らくはユーザに対して通知を発行363する、ように構成される。
【0078】
図2に戻って、本明細書に開示された一実施形態によるマルチツールデバイス100で使用される回路構成500の構成要素図を示す。また、
図5は、本明細書に開示されたマルチツールデバイス100で使用される回路構成の概略図を示し、
図2の説明と同時に説明する。回路構成500は、ベースライン特性を決定するために構成された回路510と、アクティブ慣性特性を決定するために構成された回路520と、を有する。回路構成500は、ツール慣性特性を決定するために構成された回路530と、決定されたツール慣性特性に基づいてツールのタイプを決定するために構成された回路540と、ツール設定を実装するために構成された回路550と、をさらに有する。回路構成500は、一実施形態において、特性に(実質的な)変化が発生したか否かを決定し、発生した場合は通知を発行するように構成された回路560をさらに有する。
【0079】
また、
図5は、本明細書に開示された一実施形態によるマルチツールデバイス100で使用される回路構成500の構成要素図をさらに詳細に示す。回路構成500は、本明細書において教示されるように、マルチツールデバイス100で使用されるように適合されている。
【0080】
一実施形態において、回路構成500は、ベースライン慣性特性を決定するために回路510を有する。回路構成500は、アクティブ慣性特性を決定するために構成された回路520と、アクティブ慣性特性及びベースライン慣性特性に基づいてツールヘッド150のツールタイプを決定するために構成された回路540と、をさらに有する。
【0081】
図6は、マルチツールデバイス100のコントローラに読み込まれて実行されると、マルチツールデバイス100が本発明を実施することを可能にするコンピュータ命令121を担持したコンピュータ可読媒体120の概略図を示している。
【0082】
コンピュータ可読媒体120は、ハードドライブ、または、例えば、USBメモリなどのフラッシュメモリ、あるいは、クラウドサーバなどの有形のもの(または、非一時的)であってよい。あるいは、この代わりに、コンピュータ可読媒体120は、コンピュータ命令がインターネット接続などのネットワーク接続を介してダウンロードされることを可能にするコンピュータ命令を運ぶ信号などの無形のもの(または、一時的)であってもよい。
【0083】
図6の例において、コンピュータ可読媒体120は、コンピュータディスク読取装置122に挿入されるコンピュータ可読コンピュータ命令121を担持したコンピュータディスク120であるものとして示される。コンピュータディスク読取装置122は、クラウドサーバ123、あるいは、その他のサーバの一部であってもよく、あるいは、コンピュータディスク読取装置は、クラウドサーバ123あるいは、その他のサーバに接続することもできる。クラウドサーバ123は、インターネットの一部であってもよく、あるいは、少なくともこれに接続されていてもよい。あるいは、この代わりに、クラウドサーバ123は、専用接続または専用接続を介して接続されていてもよい。例示用の一実施形態において、コンピュータ命令は、リモートサーバ123において保存されており、コントローラ101によって実行されるようにマルチツールデバイス100のメモリ102にダウンロードすることができる。
【0084】
コンピュータディスク読取装置122は、この代わりに、コンピュータ可読コンピュータ命令121を(恐らくは、物体検出マルチツールデバイス100のメモリを介して)手持ち式マルチツールデバイスのコントローラに転送するためにマルチツールデバイス100に接続されていてもよい(あるいは、恐らくは、その内部に挿入されていてもよい)。
【0085】
図6は、マルチツールデバイス100がサーバ接続を介してコンピュータ可読コンピュータ命令121を受信する状況と、別の物体検出マルチツールデバイス100が有線インターフェイスを介してコンピュータ可読コンピュータ命令121を受信する状況の両方を示している。これは、コンピュータ可読コンピュータ命令121がマルチツールデバイス100にダウンロードされ、これにより、マルチツールデバイス100が本明細書において開示されているように本発明に従って動作し、本発明を実施することを可能にしている。
【国際調査報告】