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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】空気取り入れ用の吸着デバイス
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/024 20060101AFI20221007BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20221007BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20221007BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20221007BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
F02M35/024 511F
B01J20/20 E
B01J20/28 Z
B01J20/30
F02M35/024 511C
F02M35/16 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507559
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-19
(86)【国際出願番号】 US2020045642
(87)【国際公開番号】W WO2021026535
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/884,458
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
2.ジップロック
(71)【出願人】
【識別番号】594193793
【氏名又は名称】カルゴン カーボン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】グリーンバンク、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アドマイティス、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マチュラー、スコット
【テーマコード(参考)】
4G066
【Fターム(参考)】
4G066AA04B
4G066AA05B
4G066AA20B
4G066AA22B
4G066AA23B
4G066AA61B
4G066AC10D
4G066AC13D
4G066AC15D
4G066AC17D
4G066AC21D
4G066AC22D
4G066AC23D
4G066AC26D
4G066AC27D
4G066BA03
4G066BA36
4G066BA38
4G066CA51
4G066DA04
4G066FA28
4G066GA06
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 吸着材料シートおよび少なくとも1つの多孔質カバー層を含む吸着材料シート製品は、空気取り入れ部によって画定された内部壁表面に取り付けられる。吸着材料シートは、燃焼チャンバ、注入器、キャブレター、燃料ポート、クランク室、またはその他のエンジン構成要素などのエンジン構成要素から炭化水素蒸気などの蒸気を収集し、それによって、蒸発排出を低減する。特定の構成では、吸着材料シート製品は、製造プロセス中の吸着材料シートの取り扱いを改善するエッジシールを含む。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気吸着空気取り入れ部であって、
内部壁表面を画定する空気取り入れ部と、
吸着材料シートおよび少なくとも1つの多孔質カバー層を含む、吸着材料シート製品と、を含み、
前記吸着材料シート製品が、蒸気との相互作用のために、前記内部壁表面に沿って、その近傍に位置し、および位置付けられている、蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項2】
前記吸着材料が、炭素性材料を含む、請求項1に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項3】
前記炭素性材料が、活性化炭素、再活性化炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項4】
前記炭素性材料が、活性化炭素または再活性化炭素である、請求項3に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項5】
吸着材料シートが、吸着材料および結合剤を含み、前記結合剤が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVFまたはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールもしくはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/もしくはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、またはそれらのコポリマーもしくは組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項6】
前記少なくとも1つの多孔質カバー層の各々が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVFまたはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールもしくはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/もしくはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、またはそれらのコポリマーもしくは組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項7】
前記多孔質カバー層が、不織布繊維の形態である、請求項5に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項8】
前記蒸気吸着空気取り入れ部が、エアフィルターボックスもしくはエアフィルターハウジング、空気取り入れ管、マス空気流センサ、スロットル本体、空気取り入れマニホールド、個々のシリンダもしくは燃焼チャンバに接続された空気取り入れランナー、または複数のシリンダもしくは燃焼チャンバに接続された空気取り入れランナーのうちの少なくとも1つである、請求項1~7のいずれか一項に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項9】
前記吸着材料シートが、前記吸着材料シートの外周のうちの1つ以上に配置されるか、または前記空気取り入れ部の前記内部壁表面に対する前記吸着材料シートの取り付け部の近位にある、エッジシールを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項10】
前記エッジシールが、約1mm~約10mmのエッジシール幅を有する、請求項9に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項11】
前記エッジシールが、約2.5mm~約5mmのエッジシール幅を有する、請求項10に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項12】
前記エッジシールが、前記1つ以上の多孔質カバー層の1つ以上の部分上に、赤外線放射、超音波振動、もしくは加熱されたツールとの接触による局所的加熱、紫外線放射もしくは酸化もしくはフリーラジカル化合物による局所的硬化もしくは局所的架橋、接着剤もしくは結合剤の局所的適用、またはステッチ、折り目、ステープル、もしくはクランプのうちの少なくとも1つによる機械的締結のうちの少なくとも1つによって形成される、請求項9に記載の蒸気吸着空気取り入れ部。
【請求項13】
吸着材料シート製品であって、
少なくとも1つの吸着材料シート、および前記少なくとも1つの吸着材料シート上に配置された少なくとも1つの多孔質カバー層を含み、前記吸着材料シート製品が、前記吸着材料シートの外周のうちの1つ以上に配置されるか、または蒸気吸着空気取り入れ部の内部壁表面への前記吸着材料シートの取り付けのための取り付け部の近位にある、エッジシールを有する、吸着材料シート製品。
【請求項14】
前記エッジシールが、約1mm~約10mmのエッジシール幅を有する、請求項13に記載の吸着材料シート製品。
【請求項15】
前記エッジシールが、約2.5mm~約5mmのエッジシール幅を有する、請求項13に記載の吸着材料シート製品。
【請求項16】
吸着材料シート製品を作製する方法であって、前記方法が、
結合剤および吸着材料を混合することと、
前記結合剤と前記吸着材料の混合物から少なくとも1つの吸着材料シートを形成することと、
蒸気吸着空気取り入れ部の内部壁表面に前記吸着材料シートを取り付けるための取り付け部を、前記吸着材料シート上に提供することと、
前記少なくとも1つの吸着材料シート上に多孔質カバー層を提供することと、
前記吸着材料シート製品の外周のうちの1つ以上に配置されるか、または蒸気吸着空気取り入れ部の前記内部壁表面への前記吸着材料シートの取り付けのための取り付け部の近位にある、エッジシールを形成することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記エッジシールが、赤外線放射、超音波振動、または加熱されたツールとの接触による局所的加熱、紫外線放射または酸化もしくはフリーラジカル化合物による局所的硬化または局所的架橋、接着剤、結合剤、粘着剤、またはプライマーの局所的適用、ステッチ、折り目、ステープル、またはクランプのうちの少なくとも1つによる機械的締結、および前述の工程のうちの2つ以上の組み合わせによって形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
蒸気吸着空気取り入れ部内の蒸気を捕捉する方法であって、前記方法が、
内部壁表面に沿って位置し、および位置付けられる、吸着材料シートおよび少なくとも1つの多孔質カバー層を含む、内部壁表面および吸着材料シート製品を画定する、空気取り入れ部を提供することと、
前記吸着材料シート製品と接触し、それによって、前記吸着材料シート製品によって吸着される蒸気を許容することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記吸着材料シート製品をパージガスと接触させることによって、前記吸着材料シート製品によって以前に吸着された前記蒸気を脱着させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
蒸気吸着空気取り入れ部であって、
内部壁表面を画定する空気取り入れ部と、
吸着材料および結合剤を含む、吸着材料シートであって、前記結合剤が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVFまたはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールもしくはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/もしくはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、またはそれらのコポリマーもしくは組み合わせである、吸着材料シートと、を含み、
前記吸着材料シートが、蒸気との相互作用のために、前記内部壁表面に沿って、その近傍に位置し、および位置付けられている、蒸気吸着空気取り入れ部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2019年8月8日に出願された、米国仮特許出願第62/884,458号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ガソリンおよびその他の炭化水素燃料からの蒸発排出は、燃料に含まれる様々な炭化水素が太陽光への曝露時に光化学スモッグを形成する可能性があるため、大気汚染の重要な原因である。このスモッグの化合物および炭化水素自体は、ヒトと動物の健康への影響を悪化させるだけでなく、環境的損傷を引き起こす。従来、これらの排出は通常、車両、トラック、および他の車両の燃料タンクに吸着キャニスタを取り付けることによって制御される。エンジンが稼働していない間、吸着キャニスタは燃料タンクからの過剰な炭化水素排出を吸収し、逆に、エンジンが動作する間、キャニスタは新鮮な空気でパージされ、その後、パージされた燃料蒸気が、エンジンによって燃焼され得るように、エンジンの空気取り入れ部に方向付けられる。
【0003】
しかしながら、車両燃料システムには、炭化水素蒸気が脱出し、蒸発排出に寄与し得る無数の場所が含まれる。さらに、炭化水素の排出制限を厳しくすることは、環境保護庁(EPA)などの多くの機関によって適用されている。これらの現実は、炭化水素蒸気の排出を捕捉する新しい方法を開発しなければならないことを意味する。現在の取り組みは、エンジンの空気取り入れ部に吸着性材料を含めることに焦点を当てており、その他の点で、燃焼チャンバおよび燃料注入器に近接しているため、空気取り入れマニホールドから発せられる炭化水素排出をさらに低減する。これまでに、これらは、顆粒状活性化炭素の小さなパウチ、または粉末化活性化炭素を添加した紙片の形態を取ってきた。前者は、ダスト発生、圧力降下の増加、およびパウチ内部の活性化炭素の不十分な利用に関する懸念に悩まされている。後者は、製紙プロセスに由来する活性化炭素の汚損に苦しみ、それによって能力および動態が損なわれ、また高いコストが発生する。車両空気取り入れ部から炭化水素蒸気を吸着および/または吸収するための改善された吸着デバイスに対するニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態では、内部壁表面を画定する空気取り入れ部と、蒸気との相互作用のために、内部壁表面に沿って、その近傍に位置し、および位置付けられている、吸着材料シート製品と、を含む、蒸気吸着空気取り入れ部がある。こうした配設は、「フローオーバー」タイプのデバイスである。
【0005】
一部の実施形態では、内部チャンバを画定する空気取り入れ部と、内部チャンバ内に位置し、および位置付けられて、蒸気が吸着材料シート製品を通って流れる際に蒸気との相互作用を可能にする、吸着材料シート製品と、を含む、蒸気吸着空気取り入れ部がある。こうした配設は、「フロースルー」タイプのデバイスである。これらの吸着材料シート製品は、圧延された吸着材料シートまたは積層された吸着材料シートの形態であってもよい。
【0006】
1つの実施形態では、内部壁表面を画定する空気取り入れ部と、吸着材料シートおよび少なくとも1つの多孔質カバー層を含む、吸着材料シート製品であって、吸着材料シート製品が、蒸気との相互作用のために、内部壁表面に沿って、その近傍に位置し、および位置付けられている、吸着材料シート製品と、を含む、蒸気吸着空気取り入れ部がある。
【0007】
別の実施形態では、吸着材料は、炭素性材料を含む。
【0008】
別の実施形態では、炭素性材料は、活性化炭素、再活性化炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0009】
別の実施形態では、炭素性材料は、活性化炭素または再活性化炭素である。
【0010】
別の実施形態では、吸着材料シートは、吸着材料および結合剤を含み、結合剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVF2またはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールもしくはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/もしくはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、またはそれらのコポリマーもしくは組み合わせを含む。
【0011】
別の実施形態では、少なくとも1つの多孔質カバー層の各々は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVF2またはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールもしくはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/もしくはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、またはそれらのコポリマーもしくは組み合わせを含む。
【0012】
別の実施形態では、多孔質カバー層は、不織布繊維の形態である。
【0013】
別の実施形態では、蒸気吸着空気取り入れ部は、エアフィルターボックスもしくはエアフィルターハウジング、空気取り入れ管、マス空気流センサ、スロットル本体、空気取り入れマニホールド、個々のシリンダもしくは燃焼チャンバに接続された空気取り入れランナー、または複数のシリンダもしくは燃焼チャンバに接続された空気取り入れランナーのうちの少なくとも1つである。
【0014】
別の実施形態では、吸着材料シートは、吸着材料シートの外周のうちの1つ以上に配置されるか、または空気取り入れ部の内部壁表面に対する吸着材料シートの取り付け部の近位にある、エッジシールを有する。
【0015】
別の実施形態では、エッジシールは、約1mm~約10mmのエッジシール幅を有する。
【0016】
別の実施形態では、エッジシールは、約2.5mm~約5mmのエッジシール幅を有する。
【0017】
別の実施形態では、エッジシールは、1つ以上の多孔質カバー層の1つ以上の部分上に、赤外線放射、超音波振動、もしくは加熱されたツールとの接触による局所的加熱、紫外線放射もしくは酸化もしくはフリーラジカル化合物による局所的硬化もしくは局所的架橋、接着剤もしくは結合剤の局所的適用、またはステッチ、折り目、ステープル、もしくはクランプのうちの少なくとも1つによる機械的締結のうちの少なくとも1つによって形成される。
【0018】
1つの実施形態では、少なくとも1つの吸着材料シート、および少なくとも1つの吸着材料シート上に配置された少なくとも1つの多孔質カバー層を含み、吸着材料シート製品が、吸着材料シートの外周のうちの1つ以上に配置されるか、または蒸気吸着空気取り入れ部の内部壁表面への吸着材料シートの取り付けのための取り付け部の近位にある、エッジシールを有する、吸着材料シート製品がある。
【0019】
別の実施形態では、エッジシールは、約1mm~約10mmのエッジシール幅を有する。
【0020】
別の実施形態では、ここにおいて、エッジシールは、約2.5mm~約5mmのエッジシール幅を有する。
【0021】
1つの実施形態では、吸着材料シート製品を作製する方法であって、方法が、結合剤および吸着材料を混合することと、結合剤と吸着材料の混合物から少なくとも1つの吸着材料シートを形成することと、蒸気吸着空気取り入れ部の内部壁表面に吸着材料シートを取り付けるための取り付け部を、吸着材料シート上に提供することと、少なくとも1つの吸着材料シート上に多孔質カバー層を提供することと、吸着材料シート製品の外周のうちの1つ以上に配置されるか、または蒸気吸着空気取り入れ部の内部壁表面への吸着材料シートの取り付けのための取り付け部の近位にある、エッジシールを形成することと、を含む、方法がある。
【0022】
別の実施形態では、エッジシールは、赤外線放射、超音波振動、または加熱されたツールとの接触による局所的加熱、紫外線放射または酸化もしくはフリーラジカル化合物による局所的硬化または局所的架橋、接着剤、結合剤、粘着剤、またはプライマーの局所的適用、ステッチ、折り目、ステープル、またはクランプのうちの少なくとも1つによる機械的締結、および前述の工程のうちの2つ以上の組み合わせによって形成される。
【0023】
1つの実施形態では、蒸気吸着空気取り入れ部内の蒸気を捕捉する方法であって、方法が、内部壁表面に沿って位置し、および位置付けられる、吸着材料シートおよび少なくとも1つの多孔質カバー層を含む、内部壁表面および吸着材料シート製品を画定する、空気取り入れ部を提供することと、吸着材料シート製品と接触し、それによって、吸着材料シート製品によって吸着される蒸気を許容することと、を含む、方法がある。
【0024】
別の実施形態では、方法は、吸着材料シート製品をパージガスと接触させることによって、吸着材料シート製品によって以前に吸着された蒸気を脱着させることをさらに含む。
【0025】
1つの実施形態では、内部壁表面を画定する空気取り入れ部と、吸着材料および結合剤を含む、吸着材料シートであって、結合剤が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVF2またはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールもしくはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/もしくはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、またはそれらのコポリマーもしくは組み合わせである、吸着材料シートと、を含み、吸着材料シートが、蒸気との相互作用のために、内部壁表面に沿って、その近傍に位置し、および位置付けられている、蒸気吸着空気取り入れ部がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】吸着コアを利用する本発明の1つの実施形態を示す。
図2】吸着コアを利用する本発明のさらなる実施形態を示す。
図3】スペーサーを利用する本発明のさらなる実施形態を示す。
図4】スペーサーを利用する本発明のさらなる実施形態を示す。
図5】本開示の実施形態の試験セットアップを示す。
図6】本開示の実施形態の試験結果を示す。
図7】1つの実施形態による、例示的なエッジシールされた吸着材料シート製品を示す。
図8】1つの実施形態による、別の例示的なエッジシールされた吸着材料シート製品を示す。
図9】本開示の実施形態の試験結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の組成物および方法を説明する前に、本発明は、記載されている特定のプロセス、組成物、または方法論に、これらは変化する可能性があるので限定されないことを理解されたい。また、説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験に使用することができるが、ここで好ましい方法、装置、および材料を説明する。本明細書に言及されるすべての刊行物は、参照することによりそのすべてが組み込まれる。本明細書のいかなるものも、本発明が先行発明によるこのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
【0028】
また、本明細書中および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数形を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「燃焼チャンバ」への言及は、「1つ以上の燃焼チャンバ」および当業者に公知のその等価物等への言及である。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、使用される数値のプラスまたはマイナス10%の数値を意味する。したがって、約50%は、45%~55%の範囲であることを意味する。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「吸着材料」は、液体および/もしくはガスを吸収または吸着することができる任意のソースからのすべての既知の材料を包含することを意味する。例えば、吸着材料には、限定されるものではないが、活性化炭素、再活性化炭素、カーボンナノチューブ、またはグラフェンなどの炭素系材料が含まれる。炭素性材料ではない他の吸着材料としては、天然および合成ゼオライト、シリカ、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、および珪藻土が含まれる。特定の実施形態では、吸着材料は、活性化炭素である。
【0031】
本明細書で使用される場合、複数の吸着材料シートの説明および主張は、側面および/または表面が互いに近接している、複数の分離されたシートがあることを意味する。あるいは、複数の吸着材料シートの説明および主張は、単一のシートのみが存在するが、それ自体が巻かれてまたは折り畳まれて、互いに近接する側面および/または表面を有する積層された、巻かれた、またはそうでなければ構築されたシートの質量をもたらすことを意味する。この用語はまた、複数のシートが一緒に積み重ねられ、その後、巻かれて、またはその他の方法で折り畳まれて、単一の質量で交互の層を形成することを想定する。
【0032】
吸着剤または吸着材料または吸着材料シートの文脈で使用される場合、表面という用語は、その個々の構成要素の外界を意味する。さらにより具体的には、吸着材料シートの文脈において、表面という用語は、シートの最大の平面の面を意味し、圧延または積層されたときに、互いにまたはそれ自体に面する。シートでは、表面は、シートの厚さよりも著しく大きい部分である。
【0033】
本発明の実施形態は、1つ以上の吸着材料のシート、吸着材料シートを含有するデバイス、ならびに吸着材料シートおよびこれらのシートを含有するデバイスを作製するための方法を対象とする。様々な実施形態において、吸着材料シートは、吸着材料および結合剤から構成されてもよく、約2mm未満、または約1mm未満の厚さを有してもよい。様々な実施形態のデバイスは、ハウジングおよび1つ以上の吸着材料シートを含み得る。一部の実施形態では、デバイスは、ハウジングの合計体積の約10%以上の空隙率を有してもよい。
【0034】
活性化炭素のシート形態は、特定の繊維形成結合剤の使用によって、約80重量%~約90重量%以上の活性化炭素含有量で生成され得る。さらに、活性化炭素は、該結合剤によって汚染されず(すなわち、その細孔は遮断されず、その容量は減少されない)、それによって、従来の製紙技術の使用と比較して、はるかに高い容量およびより速い速度をもたらす。シートの柔軟性により、非常に幅広い設計の柔軟性が可能になり、フロースルーだけでなく、必要に応じて変動する圧力降下および容量のフローバイ設計も可能になる。例示的なシートを以下に記載する。該シートは、シートを結合しない、マニホールド内のシートの取り付けを容易にする(例えば、音波溶接または熱カシメにより)、および飛散性ダストに関するすべての懸念を排除する、様々な他の材料で積層されることに適している。
【0035】
吸着材料シート
本発明の吸着材料シートは、限定されるものではないが、活性化炭素、カーボンナノチューブ、またはグラフェンなどの炭素系材料を含む、上述の吸着材料のうちのいくつかを含み得る。炭素性材料ではない他の吸着材料としては、天然および合成ゼオライト、シリカ、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、および珪藻土が含まれる。特定の実施形態では、吸着材料シートは、活性化炭素を含む。吸着剤は、単独でまたは組み合わせて使用されてもよい。
【0036】
活性化炭素は、性能要件、コスト、およびその他の考慮事項に基づいて選択される様々なグレードおよびタイプであってもよい。活性化炭素は、粉末の再凝集からの顆粒状であってもよく、粉砕もしくはサイズ調整からの顆粒状でもよく、押出成形によって生成される木材、石炭もしくはペレット、または粉末形態の活性化炭素であってもよい。活性化炭素は、炭化のプロセスによって形成され、活性化され得る。木材、ナッツシェル、石炭、ピッチ、ココナッツなどの原材料は、酸化され、脱塩され、および/または二酸化炭素が蒸気でガス化され、活性化されて、吸着に有用な活性化炭素中に細孔構造を形成する。初期酸化および脱塩プロセスには、リン酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの組み合わせなどの脱水化学物質を用いた化学処理が含まれ得る。
【0037】
様々な活性化プロセスが、当該技術分野で公知である。主張される発明の吸着材料シートに活性化炭素を提供するための最も有用なプロセスは、木材および/または木材副製品を提供する工程、リン酸への曝露による木材および/または木材副製品の酸処理工程、ならびに蒸気および/または二酸化炭素ガス化を使用して、木材および/または木材副製品を炭化する工程を含む。このプロセスは、活性化炭素性能の尺度である、最も高いブタン作業能力(BWC)を有する活性化炭素粒子をもたらす。
【0038】
活性化炭素は、バガス、竹、ココナッツハスク、泥炭、おがくずおよびスクラップの形態の硬材および軟材源などの木材、褐炭、合成ポリマー、石炭および石炭タール、石油ピッチ、アスファルトおよびビチューメン、トウモロコシ葉およびハスク、小麦わら、使用穀物、米殻およびハスク、ナッツシェル、ならびにそれらの組み合わせを含む、材料から形成され得る。
【0039】
吸着材料シートは、1つ以上の結合剤をさらに含み得る。実施形態は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVFまたはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールまたはポリオキシメチレン樹脂、パーフルオロエラストマー(FFKM)などのフルオロエラストマーおよび/またはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、パラアラミドなどのアラミドポリマーおよびメタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、ならびにそれらのコポリマーおよび組み合わせを含み得る、特定の結合剤に限定されない。結合剤は、条件に応じて熱可塑性または熱硬化性であってもよく、熱可塑性および熱硬化性化合物の混合物を含み得る。
【0040】
1つ以上の結合剤の形態は、いくつかの関連する粘度またはレオロジー特性、織物もしくは不織布である細長い繊維、または粒子を有する液体結合剤のうちの1つ以上を含む。一部の実施形態では、結合剤は、得られた混合物が実質的に均質であるように一緒に混合される、複数の上記物理的形態を含む。
【0041】
結合剤の量は、総組成物の約1重量%~約40重量%であってもよく、特定の実施形態では、結合剤の量は、総組成物の約1重量%~約20重量%もしくは約2重量%~約10重量%であってもよく、またはこれらの例示的な量を含む任意の個々の量もしくは範囲であってもよい。結合剤は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%の量、または上記量のうちの任意の2つ以上の量から作製された任意の範囲で存在してもよく、それらすべてが総組成物の重量によって測定される。一部の実施形態では、吸着材料シートは、溶媒を含んでもよく、溶媒は、例えば、10%未満、5%未満、または2%未満、および約0.1重量%または0.2重量%超の小さな残留量で一般的に存在し得る。特に、一部の実施形態では、吸着材料シートは、溶媒を有しない(0%)場合がある。
【0042】
一部の実施形態では、吸着材料シートの厚さは、約3mm未満、約2.8mm未満、約2.6mm未満、約2.4mm未満、約2.2mm未満、約2.0mm未満、約1.8mm未満、約1.6mm未満、約1.4mm未満、約1.2mm未満、約1.0mm未満、約0.01mm~約2mm、約0.01mm~約1.8mm、約0.1mm~約1.6mm、約0.01mm~約1.4mm、約0.01mm~約1.2mm、約0.01mm~約1.0mm、約0.02mm~約0.90mm、約0.05~約0.95mm、約0.05~約0.90mm、またはこれらの例示的な範囲によって包含される任意の個々の厚さもしくは範囲である。様々な実施形態の吸着材料シートは、約0.05g/cm~約2.0g/cmの密度を有してもよく、他の実施形態では、吸着材料シートは、0.08g/cm~約1.5g/cmの密度、約0.1g/cm~約1.3g/cmの密度、またはこれらの例示的な範囲によって包含される任意の密度もしくは範囲を有してもよい。密度は、最初に、所与の正方形または円形のシートの片の厚さをマイクロメータで測定し、表面積を乗じて体積を得て、その片を計量して密度(重量/体積)を得ることによって計算される。
【0043】
各吸着材料シートのBWCは、約7g/100cmよりも大きくてもよく、一部の実施形態では、BWCは、約7.0g/100cm~約30g/100cm、約8.0g/100cm~約25g/100cm、約10g/100cm~約20g/100cm、約10g/100cm~約15g/100cm、約11g/100cm~約15g/100cm、約12g/100cm~約15g/100cm、またはこれらの例示的な範囲によって包含される任意の個々のBWCもしくは範囲であってもよい。他の実施例では、BWCは、約9g/100cm~約15g/100cm、約12g/100cm~約20g/100cm、約13g/100cm~約20g/100cm、約14g/100cm~約20g/100cm、または約15g/100cm~約20g/100cmであってもよい。また、上記の範囲のエンドポイントのうちのいずれかを組み合わせて、新しい別個の範囲を形成してもよいことが企図される。
【0044】
上述したように、ブタン作業能力(BWC)は、活性化炭素の性能の尺度である。BWCは、特定の条件下で、乾燥空気からブタンを吸着および脱着する活性化炭素の能力を測定することによって試料について決定され、飽和で吸着されたブタンと、指定されたパージ後の炭素の単位体積当たりに保持されるブタンとの間の差を測定する。BWCは、ASTM Internationalにより指定され、当業者に公知である手順を含む、いくつかの方法で試験され得る。具体的には、試験は、改訂D5228-16、D5228-92(2015)、D5228-92(2005)、およびD5228-92(2000)を含む、ASTM D5228に従うことができる。
【0045】
上述のBWCの試験方法に加えて、様々な構成に対応する追加の試験を実施することができることに留意されたい。例えば、車両燃料システム内に取り付けられた吸着剤または吸着材料の全体的性能は、米国環境保護庁(EPA)などの政府機関による様々な試験の対象となる。そのような試験は、限定されるものではなく、SHED試験チャンバで実施されて、静止損失、走行損失、およびホットソークのうちの1つ以上を決定する試験を含む。こうした試験は、例えば、静止損失を決定するための構成において日周性であってもよい。
【0046】
実施形態の吸着材料シートは、任意の適切なプロセスによって作製され得る。一部の実施形態では、吸着材料シートは、顆粒またはペレット化吸着材料を粉末に粉砕し、粉末を結合剤と混合して、混合物を形成し、混合物を混合し、任意に加熱し、混合物を圧延して、吸着材料シートを形成することによって作製され得る。粉砕する工程は、約0.001mm~約0.2mm、約0.005mm~約0.1mm、約0.01mm~約0.075mmの平均粒子直径、またはこれらの例示的な範囲によって包含される任意の個々の粒子直径もしくは範囲を有する吸着剤粒子を生成し得、特定の実施形態では、粉砕された吸着剤粒子は、約0.001mm~約0.01mmの平均粒子直径を有し得る。粉末を結合剤と混合する工程は、吸着剤粒子粉末を、全組成物の約2重量%~約20重量%もしくは約2重量%~約10重量%、またはこれらの例示的な範囲によって包含される任意の個々の量もしくは範囲で混合することを含み得る。加熱は、例えば、約50℃~約200℃などの残留溶媒を除去するために十分な任意の温度で実施され得る。
【0047】
本発明の吸着材料シートは、異なるサイズの粒子の様々な分布を含んでもよく、吸着材料シート内の粉末の充填効率を増加させる。異なるサイズの粒子の選択はまた、粉末および周囲の結合剤のレオロジー特性を改善し得、これにより、吸着材料シートの形成前に、改善された混合および均一な粒子分布を可能にする。一部の実施形態では、吸着材料シートの粒子は、単一の粒子サイズ分布を有してもよく、他の実施形態では、粒子は、2つの異なる粒子サイズ分布を有してもよい。さらなる実施形態において、粒子は、少なくとも3つの異なる粒子サイズ分布を有してもよい。
【0048】
各々が特定のサイズ分布を有する少なくとも2つの異なる粒子集団の平均粒子サイズは、それらが約1:1~約1:15の比率を有するように選択されてもよい。他の実施形態では、2つの異なる粒子集団の平均粒子サイズは、約1:2~約1:10の比率を有してもよい。平均粒子サイズはまた、約1:2~約1:5の比率、または上記で列挙した比のいずれかの組み合わせを有してもよい。
【0049】
吸着材料シートは、それらが適合しなければならない物理的空間、必要なデバイス性能、およびシートに近接して含まれる特徴に応じて、様々な方法で一緒に構成され得る。一部の実施形態では、シートは、波型形状であってもよく、折り目を含んでもよく、および/または通過流体に曝露される吸着材料シートの表面積を増加させるための穴または開口を含んでもよく、したがって、所与の総シート表面積に対する性能を増加させる。流体チャネル、チューブ、センサ、および弁などの内部および外部の特徴のために、様々な波型形状、折り目、穴、および開口がまた、サイズ決定され、配置され得る。吸着材料シートの折り目は、円筒形または楕円形のいずれかでらせん状に包まれた構成など、様々な形態を取り得る。折り目はまた、必要なデバイス寸法および/またはいくつかのその他の必要な内部もしくは外部の特徴に応じて、「S」形状または凸状もしくは凹状の「C」形状の形態であってもよい。吸着材料シートはまた、平面または湾曲した構成で積み重ねられてもよく、積層されたシートは、意図された空間に適合するために必要な正方形、長方形、円形、楕円形、またはその他の不規則な形状であってもよい。これは、テクスチャリングとともに、以下に論じるハウジング特徴と組み合わせて、吸着材料シートから形成されるデバイスが、車両の空気取り入れ部、エアフィルター、エアフィルターボックス、マニホールド、吸気ランナー、および車両の空気取り入れシステムのその他の部分の境界内に適合することを可能にする。
【0050】
上述の構成に加えて、吸着材料シートはまた、表面特徴を有してもよい。一部の実施形態では、吸着材料シートは、隆起部分を含んでもよく、他の実施形態では、吸着材料シートは、押し下げられた部分を含んでもよい。これらの表面特徴は、同じシート内で組み合わせられてもよい。シート内の隆起および/または陥没した部分の包含を利用して、シートが積み重ねられ、包装されるなど、シート間に様々な構成を形成してもよい。例えば、シートは、隆起および/または陥没した部分が互いに入れ子になるように整列され、それによって、隣接するシートが互いにより近くに来るようにすることができる。シートはまた、隆起および/または陥没した部分が互いに入れ子にならないように整列され、それによって、隣接するシートの間にギャップを形成することができる。整列を使用して、シート間の蒸気吸着のための様々な開放チャネルおよび閉鎖チャネルを形成することができる。
【0051】
炭素シートの性能は、シート処理の前またはその処理中に材料を追加することによって改善され得る。これらの材料は、HSまたは他の揮発性ガスなどの無機蒸気の多孔性または吸着の強化などの有益な特性を提供する。あるいは、異なる吸着材料を、シートの一方の側面から他方へと別個のセクションまたは性能勾配を有する単一のシートに同時に処理することができる。
【0052】
多孔性を提供する添加剤の例としては、限定されるものではないが、発泡様ポリマー添加剤、すすいで細孔を残すことができる、水溶性ポリマー、意図されるシートの厚さよりも粒子サイズが大きい粒子サイズを有する、砕けやすい材料であって、剥離し、細孔を残す、砕けやすい材料、シートを加熱して、追加された材料を蒸発させ、シートに細孔を生成できるように熱に不安定な材料、および吸着剤シート内に制御された多孔性を付与し得る他の類似のプロセスが含まれる。これらのいずれも、単独でまたは組み合わせて使用され得る。
【0053】
吸着剤シート生成の代替的な強化は、異なる特性を有する2つ以上の吸着剤が単一のシートに含まれるが、シートの幅に沿って分離されるように、吸着剤シートを処理することである。例えば、燃料タンク排出からの蒸気が単一のチャンバ内で低BWC吸着剤の前方で高BWC吸着剤と接触するように、低BWC吸着剤を有する同じシートに高BWC吸着剤を使用することができる。すなわち、一部の実施形態では、低および高BWC吸着剤は均質に混合されてもよく、または一部の実施形態では、所望の場合、低または高BWC吸着剤の別個のセクションが存在してもよい。
【0054】
別の例は、例えば、HS、または通常は高BWC活性化炭素によってよく除去されない他の望ましくない蒸気を除去する、吸着剤に含有される、ブタンの吸着のための高BWC吸着剤である。
【0055】
吸着材料シート製品
特定の実施形態では、吸着材料シート(カルゴンカーボンのCALFLEXなど)は、上述のように生成され、吸着材料シート製品を形成するために、積層されるか、またはそうでなければ裏打ちシートに付着される。裏打ちシートは、限定されず、車両の空気取り入れシステムの様々な構成要素に固定される吸着材料シート製品全体を可能にする一方で、吸着材料シートを支持することができる任意のポリマー材料であり得る。
【0056】
上述の吸着材料シートは、吸着材料シート製品に組み込まれる。吸着材料シートの組み合わせは、増加した表面積/体積比、減少した空隙空間、改善された吸着剤性能など、上述の特徴のうちの1つ以上を利用する。一般に、個々の吸着材料シートは、吸着材料シートの表面が互いに近接しているか、または隣接しているように、積み重ねられ、圧延され、巻かれ、折り畳まれ、および/または積層されたシートを含む、吸着材料シート製品を形成するように、互いに隣に配設される。配設にかかわらず、目的は、蒸気、流体、および/またはガス流に曝露されたシートの表面積を最大化し、したがって、吸着材料シートの性能を最大化することである。
【0057】
一部の実施形態では、裏打ちシートは、ポリエステル、ポリエチレン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVF2またはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールまたはポリオキシメチレン樹脂、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー(FFKM)および/またはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、アラミドポリマー、パラアラミドポリマー、メタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、任意の炭化水素透過性膜、ならびにそれらのコポリマーおよび組み合わせから形成される。織布または不織布繊維であり得る、任意の上記の材料。
【0058】
裏打ちシートは、押出成形シート、不織布シート、織布シート、キャストシート、射出成形シート、およびそれらの組み合わせを含む、任意の構造を有してもよい。
【0059】
一部の実施形態では、裏打ちシートは、吸着材料シートの結合剤と同じ材料で形成される。他の実施形態では、裏打ち材料は、吸着材料シートの結合剤とは異なる材料から形成される。
【0060】
吸着材料シート製品を形成するために、吸着材料シートを裏打ちシートに取り付ける構造および方法は、特に限定されない。一部の実施形態では、吸着材料シートは、吸着材料シートおよび裏打ちシートをロールミルに通すことによって積層される。他の実施形態では、吸着材料シートおよび裏打ちシートは、単一の押出成形ダイから共押出される。他の実施形態では、吸着材料シートおよび裏打ちシートは、接着剤の少なくとも1つの層によって、または吸着材料シートもしくは裏打ちシートのうちの少なくとも1つの表面エネルギーによって接合される。一部の実施形態では、吸着材料シートおよび裏打ちシートは、両面接着基材を吸着材料シートと裏打ちシートとの間に位置付けることによって、一緒に接合される。一部の実施形態では、吸着材料シートは、裏打ちシートにエッジシールされてもよく、またはシート間に封入されてもよく、一部の例では、膜は、カーボンを通り過ぎてシールされ、つまり、カーボンは、裏打ち材料によって形成されるポケット内にある。一部の実施形態では、炭素シートは、完全に、部分的に、または積層の境界内に積層されてもよい。すなわち、デバイスの端部に延在しない場合、なおもさらなる実施形態では、吸着材料シートおよび裏打ちシートは、ステープル、ねじ、爪、クランプ、タブ、またはポストを含む音波溶接または機械的締め具によって取り付けられる。一部の実施形態では、裏打ちシートは、吸着材料シートのいずれかの側上に提供されてもよい。同様に、一部の実施形態では、別個の吸着材料シートは、裏打ちシートの両側に配置されてもよい。さらに他の実施形態では、吸着材料シートおよび裏打ちシートの複数の交互の層が使用されてもよい。
【0061】
一部の実施形態では、裏打ちシートは、完全に省略され、吸着材料シート製品自体は、単独で、または締め具もしくは接着剤裏打ちとともに、直接的に使用され得る。1つの実施形態では、吸着材料シート製品は、空気取り入れ部に直接的に固定するための接着剤を片側に有する吸着材料シートを含む。こうした実施形態では、吸着材料シート製品は、空気取り入れ部への適用前に接着剤を保護するために剥離ライナーが提供されてもよい。
【0062】
本開示のいくつかの有利な実施形態では、吸着材料シート、裏打ちシート、またはその両方のうちの1つ以上は、吸着材料シートまたは吸着材料シートのうちの1つ以上から形成される吸着材料シート製品の製造、取り扱い、および設置を支援する「エッジシール」を含み得る、多孔質カバー層を含む。従来的な吸着剤シートの製造、取り扱い、および設置の間、吸着材料の粒子は、吸着材料シートからしばしば除去される。これらの粒子が除去されると、装置を損傷し、クリーニングの必要性が高まり、呼吸障害となる可能性があるため、望ましくないダストが発生する。多孔質カバー層、および任意で関連するエッジシールは、吸着材料シートまたは吸着材料シート製品の領域を提供することによってこれを回避し、ここで、周辺部に沿ったシートのエッジが形成され、吸着材料が剥がれることができないようにする。一部の実施形態では、外周部に沿った1つ以上のエッジは、結合剤中に吸着材料が含有されないように形成され、それによって、材料が除去されないことを確実にする。これらの領域から吸着材料を排除することにより、吸着材料シートまたは吸着材料シート製品の取り扱いおよび製造中、最も頻繁に取り扱われる領域がいかなるダストも生成しないことを確実にする。吸着材料シート製品のエッジ領域が、吸着材料を有しない場合、これは、吸着材料シートを多孔質カバー層で包囲し、次いで、パウチのように、吸着材料のエッジを越えて延在する多孔質カバー層を一緒に接合することによって形成される。
【0063】
多孔質カバー層の形状は、吸着材料シート製品が遭遇することが予期される蒸気(炭化水素蒸気など)によって損傷されない限り、およびそれらの蒸気が吸着材料シート内の吸着材料と接触することを可能にするのに十分な多孔性である限り、限定されない。多孔質カバー層は、不織布層、織布層、糸の層、または先行する実施形態のうちの1つ以上の組み合わせとすることができる。不織布層として、本開示は、溶融吹き付け、スパン接合、フラッシュスピニング、空気敷設、バッティング、または既存のシートの繊維化によって作製されるものを想定するが、これらは特に限定されない。
【0064】
あるいは、周辺部に沿った1つ以上のエッジは、依然として吸着材料を含むが、1つ以上の多孔質カバー層は、一緒に結合されて、吸着材料が剥がされることを防止する。さらにさらなる実施形態において、1つ以上の追加のエッジシール結合剤が、吸着材料が剥がされないことを確実にするために、エッジシールに追加される。多孔質カバー層または追加のエッジシール結合剤の組成は、限定されず、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTEFLON)、ポリフッ化ビニリデン(PVFまたはPVDF)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)ゴム、ポリエチレン酸化物(PEO)、UV硬化性アクリレート、UV硬化性メタクリレート、熱硬化性ジビニルエーテル、ポリブチレンテレフタレート、アセタールまたはポリオキシメチレン樹脂、パーフルオロエラストマー(FFKM)などのフルオロエラストマーおよび/またはテトラフルオロエチレン/プロピレンゴム(FEPM)、パラアラミドなどのアラミドポリマーおよびメタアラミドポリマー、ポリトリメチレンテレフタレート、エチレンアクリルエラストマー、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリウレタン、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン(BoPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)、ポリクロロプレン、ならびにそれらのコポリマーおよび組み合わせのうちの1つ以上を含む。一部の実施形態では、エッジシール結合剤は、吸着材料シート製品の残りの部分に存在する結合剤とは異なる。一部の実施形態では、エッジシール結合剤は、吸着材料シート製品の残りの部分に存在する結合剤と同じである。さらに他の実施形態では、エッジシール結合剤は、多孔質カバー層と同じである。
【0065】
さらに他の実施形態では、エッジシールは、エッジシール処理と呼ばれる、吸着材料シートまたは裏打ちシートの1つ以上のエッジのさらなる処理によって形成される。エッジシール処理は、限定されず、赤外線放射、超音波振動、または加熱されたツールとの接触による局所的加熱、紫外線放射または酸化もしくはフリーラジカル化合物による局所的硬化または局所的架橋、接着剤、結合剤、粘着剤、またはプライマーの局所的適用、ステッチ、折り目、ステープル、またはクランプのうちの少なくとも1つによる機械的締結、および先行する技術の組み合わせのうちの1つ以上を含む。しかしながら、特定の実施形態では、エッジシール処理は行われず、エッジシールのエリアから吸着材料粒子を省略することによってエッジシールが形成されることがまた理解され得る。
【0066】
エッジシールの構成は限定されない。一部の実施形態では、エッジシールは、遮断することなく、吸着材料の周囲全体の周りに延在している。他の実施形態では、エッジシールは、周囲全体の周りに延在しているが、別の接着剤層、両面接着テープもしくは基材、熱カシメ、音波溶接、または他の吸着材料シートもしくは別の基材に吸着材料シートを取り付けるために使用されるステープル、ねじ、爪、クランプ、タブ、ポスト、もしくは穴のうちの1つ以上によって穿孔される。なおもさらなる実施形態では、エッジシールは、外周全体の周りには延在せず、取り扱いが発生すると予測される領域にのみ存在する。さらなる実施形態では、エッジシールは、吸着材料シートを他の吸着材料シートまたは他の基材に付着させるために使用される、吸着材料シートの内部の領域の周りに存在する。
【0067】
エッジシールのサイズは限定されず、エッジシールが、吸着材料シートのエッジから、吸着材料シートのバルクの中へ、または別の吸着材料シートもしくは外部基材に吸着材料シートを取り付けるデバイスもしくは取り付け具(例えば、穴)のエッジから外側に、内向きにどの程度延在しているかによって測定される。このサイズは、本明細書では「エッジシール幅」と呼ばれる。エッジシール幅は、約1mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、もしくは約30mm、または上記の値のうちの1つ以上によって形成される任意の範囲とすることができる。特定の実施形態では、エッジシール幅は、約1mm~約10mm、もしくは1mm~約7mm、もしくは約1mm~約5mm、約2.5mm~約5mm、または前述範囲のうちの1つ以上のうちの任意の組み合わせである。エッジシールおよびエッジシール幅の一例が図6および図7に示されており、局所的加熱によって形成されたエッジシールは、吸着材料シートの全外周の周りに、および吸着材料シートを、空気取り入れボックスの表面である外部基材に装着するために使用される穴の周りに存在する。
【0068】
一部の実施形態では、吸着剤シート製品は、圧延される。圧延された吸着剤シート製品は、約7g/100cmよりも大きいBWCを有する。圧延された吸着剤シート製品は、約7.0g/100cm~約30g/100cm、または約12g/100cm超、または約13g/100cm超、または約14g/100cm超、または約15g/100cm超、または20g/100cm超のBWCを有する。約10~20g/cm、約10~12g/cm、約10~14g/cm、約12~14g/cm、約12~15g/cm、および約15~20g/cmなどの範囲がまた、企図される。
【0069】
本明細書に記載されるような圧延された吸着剤シート製品は、その直径よりも実質的に大きな長さを有する略円筒形形状を有するが、円錐形、または円錐形、ならびに楕円体、または他の形状を含む任意の寸法を採用することができる。
【0070】
圧延された吸着剤シート製品の密度は、以下の式に基づいて計算され得る。
【表1】
【0071】
圧延された吸着剤シート製品は、約80~1500kg/m、約500~2000kg/m、約750~1500kg/m、約900~1200kg/m、約900~1050kg/m、約400~500kg/m、約500~600kg/m、約500~550kg/m、約600~650kg/m、約650~700kg/m、および約700~750kg/mの平均圧延密度に巻かれ得る。
【0072】
圧延された吸着剤シート製品は、約7g/100cmよりも大きいBWCを有する。一部の実施形態では、圧延された吸着剤シート製品は、約7.0g/100cm~約30g/100cmのBWCを有する。圧延された吸着剤シート製品はまた、圧延されていない上述の吸着剤シート製品と同じBWCを有してもよい。
【0073】
積層された吸着材料シートに関する上記の考察と同様に、巻かれたまたは圧延された吸着材料シートは、複数の粒子サイズの分布、または吸着剤ペレット化もしくは粉末化活性化炭素の集団を含み得る。上述のように、同じ比が企図される。上記の考察と同様に、これは、圧延された吸着剤シート製品に形成されるシートにより多くの量の活性化炭素を組み込むことを可能にするため、より高い性能をもたらす。
【0074】
本明細書で使用される場合、巻かれたまたは圧延された吸着剤シート製品は、(例えば、円形、楕円、正方形、三角形、長方形などの任意の断面形状の)管状物の巻上げ、らせん状巻上げ、同心層化、またはそれらの組み合わせによる、1つ以上の吸着材料シートの任意の形態の層化を指す。例えば、単一の吸着材料シートは、その長さに沿ってらせん状に巻かれて、円筒形状の圧延された吸着材料シート製品を形成してもよい。別の実施例として、複数の吸着材料シートを積み重ねて、次いで一緒に巻いて、類似の円筒形状を形成することができる。別の代替として、各々が次のものとわずかに異なる直径を有する円筒内に形成されるいくつかのシートは、それらが同様の大きさの円筒の断面で同心円を形成するように配設され得る。これらおよび他の配設の様々な組み合わせを使用して、本明細書の別の箇所に記載されるように、任意の形状のハウジングまたはキャニスタまたは空気取り入れ部内の空間を埋めてもよい。
【0075】
巻かれたまたは圧延された吸着材料シート(複数可)の文脈において使用される場合、実質的に平行という用語は、微小な無限に小さな寸法で、同じシートの2つのシートまたは部分が、すべての方向で互いに同じ距離であることを意味するために使用される。しかしながら、巻かれたまたは圧延された吸着材料シートの文脈において、特に中心またはコアの周りのらせん状に巻かれた単一のシートであるシートでは、これは、シートが互いに面するエリア全体にわたって互いに正確に同じ距離だけ離れていないことを意味することも理解される。さらに、この文脈では、スペーサー、センサ、開口、管、ポート、弁、チャネル、波型形状、プリーツ、折り目、製造または作業中に生じる変形、外部ハウジングまたは空気取り入れ部によってまたはそれを通じて印加される形状または圧力による変形、シートの外周をシールするなどの異なる包装技術等などの構成要素による、シート間の距離の類似の変形が企図されていることが理解される。
【0076】
積層されたシート配設と同様に、圧延された吸着剤シート製品は、ペレット化または粉末形態で提供される同等の量の活性炭素よりも性能が向上している。
【0077】
本発明の圧延された吸着材料シート製品の性能改善は、ペレット化または粉末形態でキャニスタ内に提供される場合、同じ量およびグレードの活性炭素の性能に対する、所与の量の活性炭素を有する製品の性能として測定され得る。一部の実施形態では、圧延された吸着剤シート製品は、ペレット化または粉末形態のキャニスタ内の同じ量およびグレードの活性炭素よりも、約3%高い、約5%高い、約7%高い、約9%高い、約10%高い、約12%高い、約14%高い、および約16%高いBWCを有する。例えば、約5~16%高い性能、約5~14%高い性能、約10~14%高い性能などのこれらの量に基づく範囲がまた企図される。
【0078】
吸着材料シート製品中の吸着材料シートは、平坦なもの、らせん状の円筒状に巻かれたもの、楕円形の形態で巻かれたもの、細長い長方形の棒状に巻かれたもの、折り畳まれたもの、「S」字状に積層されたもの、同心円筒として形成されたもの、同心楕円として形成されたもの、同心長方形バーとして形成されたもの、またはこれらの形式の組み合わせとして構成されてもよい。
【0079】
一部の実施形態では、吸着材料シート製品は、限定されるものではないが、密度、空隙、圧力降下、能力などを含む所望の特性を達成するために巻かれるまたは圧延される、単一の吸着材料シートを含むであろう。
【0080】
積層された吸着材料シート製品:本発明の積層された吸着材料シート製品は、各々上面および下面を画定し、既知の組み合わされた総表面積を有する、2つ以上の吸着剤シートを含み、各吸着剤シートは、吸着材料および結合剤を含み、ここで、隣接する上面と下面が実質的に互いに合致し、かつ少なくとも隣接する上面と下面との間で流体流が可能となるように整列されるように、隣接する吸着剤シートが積み重ねられ、配設されている。
【0081】
本発明の積層された吸着材料シート製品の性能改善は、ペレット化または粉末形態でキャニスタ内に提供される場合、同じ量およびグレードの活性炭素の性能に対する、所与の量の活性炭素を有する製品の性能として測定され得る。一部の実施形態では、積層された吸着剤シート製品は、ペレット化または粉末形態のキャニスタ内の同じ体積およびグレードの活性炭素よりも、約3%高い、約5%高い、約7%高い、約9%高い、約10%高い、約12%高い、約14%高い、および約16%高いBWCを有する。例えば、約5~16%高い性能、約5~14%高い性能、約10~14%高い性能などのこれらの量に基づく範囲がまた企図される。
【0082】
空気取り入れ部
様々な実施形態で上述したような吸着材料シート製品は、一部の実施形態では、空気取り入れ部の一部である。本明細書で使用される場合、用語「空気取り入れ部」は、それを通して空気または他の酸化剤がエンジンの燃焼チャンバに入る前に通過するすべての構造を意味する。エンジンの選択は、特に限定されず、任意の既知の液体燃料を使用して動作する内燃機関、または任意の既知の液体燃料を使用して動作する外部燃焼エンジンを含む。一部の実施形態では、エンジンは、自動車、トラック、オートバイ、ボート、船、ヘリコプター、航空機、芝生、小型変位デバイス、ATV、スノーモービル、スノーブロア、その他の芝生装置、および他の小型モータデバイス内にある、ガソリンエンジンである。他の実施形態では、エンジンは、車両、トラック、オートバイ、ボート、船、ヘリコプター、または航空機内にあるディーゼルエンジンである。さらに他の実施形態では、エンジンは、車両、トラック、オートバイ、ボート、船、ヘリコプター、または航空機内にあるガスタービンエンジンである。エンジンは、ガソリン、ディーゼル、エタノール、ケロシン、天然ガス(メタン)、プロパン、ブタン、ジェット燃料、ジェットA、ジェットA-1、メタノール、植物油、バイオ燃料、バイオディーゼル、バイオガス、ブタノール、およびそれらの組み合わせを含む、任意の燃料または燃料の組み合わせで動作してもよい。
【0083】
空気取り入れ部で使用するとき、吸着材料シート製品は、吸着材料シート製品を燃料蒸気と接触させ、それによって、吸着材料シート製品に燃料蒸気を吸着させることによって、燃料蒸気を捕捉する。燃料蒸気が吸着された後、燃料蒸気は、吸着材料シート製品をパージガスと接触させることによって脱着され得る。パージガスは、特に限定されるものではなく、空気、窒素、酸素、酸化剤(例えば、亜酸化窒素)、水蒸気、または吸着材料シート製品を通過し、かつ追加の燃料蒸気を含むことができる任意の他のガスを含み得る。
【0084】
吸着材料シート製品は、任意のデバイスによって、空気取り入れ部の内部または外部に付着または接着され得る。空気取り入れ部への取り付けは、限定されるものではなく、接着剤層、両面接着テープもしくは基材、熱カシメ、音波溶接、またはステープル、ねじ、爪、クランプ、タブ、穴、もしくはポストを含む機械的締め具を含む。
【0085】
吸着材料シート製品は、別途燃焼チャンバ、注入器、キャブレター、燃料ポート、クランクケース、または他のエンジン構成要素から逃れるであろう炭化水素蒸気を吸収または吸着できるように、空気取り入れ部内の任意の場所に配置され得る。一部の実施例において、吸着材料シート製品は、エアフィルターボックスもしくはエアフィルターハウジング内、エアフィルター上もしくは内、空気取り入れ管内、マス空気流センサ内、スロットル本体内、空気取り入れマニホールド内、個々のシリンダもしくは燃焼チャンバに接続された空気取り入れランナー内、または複数のシリンダもしくは燃焼チャンバに接続された空気取り入れランナー内に配置される。一部の実施形態では、単一の吸着材料シート製品は、上述の場所のうちの1つ内に位置付けられる。他の実施形態では、複数の吸着材料シート製品は、上述の場所のうちの1つ以上に位置付けられる。
【0086】
積層された吸着剤シート製品は、吸着剤シート中の吸着材料の体積で同じ量のペレット化/粉末形態のBWCよりも少なくとも10%高いBWCを有する。積層された吸着剤シート製品は、約7g/100cmよりも大きいBWCを有する。積層された吸着剤シート製品は、約7.0g/100cm~約30g/100cm、または約12g/100cm超、または約13g/100cm超、または約14g/100cm超、または約15g/100cm超、または20g/100cm超のBWCを有する。約10~20g/cm、約10~12g/cm、約10~14g/cm、約12~14g/cm、約12~15g/cm、および約15~20g/cmなどの範囲がまた、企図される。
【0087】
一部の実施形態では、積層されたシートは、空隙体積、流量、圧力降下、および他の特性のうちの1つ以上を制御する離間した関係に保持される。こうした間隔は、2つ以上の吸着材料シートのうちの少なくとも1つが波形化されている一部の実施形態において達成される。間隔はまた、シート内の様々な折り目で達成され得、シート間のギャップを形成するように整列されるシートの対応する隆起部分および/または陥没部分によっても達成され得る。シートの隆起および/または陥没部分がシートの間で入れ子にならないようにシートが意図的に配設される場合、これは、シート間に追加の間隔をもたらし、それらの部分における流体流を可能にする。シートが、少なくともいくつかの隆起および/または陥没部分がシートの間で入れ子になるように意図的に配設されている場合、これは、シートのより緊密な嵌合スタックをもたらし、シート間の間隔を減少させ、対応する流体流の減少または停止さえももたらす。これらの特徴の組み合わせを使用して、流体流およびバリアまたはエッジシールのための方向付けされた領域またはチャネルを有する積層された吸着剤シート製品を形成して、流体の漏れを防止することができる。流体流に対するこれらの特徴はまた、積層された吸着剤シート製品中のシートのうちの1つ以上を通る穴、切断、または開口を含み得る。
【0088】
各吸着剤シートは、流体流と実質的に平行な対向する横方向エッジを画定する。隣接する吸着剤シートの一致する横方向エッジは、互いに分離されてもよく、一緒に結合されてもよく、またはそれらのいくつかの組み合わせであってもよい。このように、積層された吸着材料シート製品のエッジは、シール、部分的にシール、またはシール解除されてもよい。シールまたはシール解除の性質は、流体流量および/もしくはパターンまたは他の特性を修飾するなど、所望の結果を達成するために選択され得る。
【0089】
一部の実施形態では、積層された吸着材料製品は、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約15%以上、約16%以上、約17%以上、約18%以上、約19%以上、約20%以上、約21%以上、約22%以上、約23%以上、約24%以上、約25%以上、約26%以上、約27%以上、約28%以上、約29%以上、約30%以上、または上記の範囲を組み合わせて形成される任意の範囲の空隙体積をもたらす。一部の実施形態では、積層された吸着材料製品は、約10%、約12%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、または上記の範囲を組み合わせて形成される任意の範囲の空隙体積をもたらす。一部の実施形態では、積層された吸着材料製品は、約10~15%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、または約30~35%の空隙体積をもたらす。
【0090】
一部の実施形態では、各吸着剤シートは、約0.08g/cm~約1.5g/cmの密度を有する。
【0091】
一部の実例では、吸着材料シート製品は、少なくとも2つの吸着材料粒子の集団を含み、ここで、少なくとも2つの集団の各々は、異なる平均粒子直径を有する。個々の吸着材料シートに関して考察した、二モード粒子サイズ分布の上記説明を参照。複数の吸着材料シートから形成される製品に関して、吸着剤粒子の集団間の同じ分布比が企図される。一部の実例では、少なくとも2つの集団によって達成される吸着材料粒子の密度は、いずれかの集団のみによって達成される密度よりも大きい。二モード粒子サイズ分布の含有はまた、ポリマーシートをせん断力に対してはるかに耐性にするため、吸着材料シート製品の機械的特性を改善するために使用され得る。
【0092】
一部の実例では、吸着材料シート製品が、少なくとも2つの吸着材料シートを含み、その各々が、総表面積を組み合わせた、画定された上面および下面を有し、ここで、各吸着材料シートは、吸着材料および結合剤を含み、ここで、各吸着材料シートは、別個のシートの隣接する上面および下面が実質的に平行であり、かつ少なくとも隣接する上面と下面との間で流体流を可能にするように整列されるように積層され、および配設される。
【0093】
積層された吸着材料シート製品の文脈で使用されるような実質的に平行であるという用語は、シートが、そのエリア全体にわたって同じ距離を離れて維持することを意味するが、様々な物理的特性および特徴については例外的になされる。実質的に平行の範囲内にあるこれらの例外には、限定されるものではないが、スペーサー、センサ、開口、管、ポート、弁、チャネル、波型形状、プリーツ、折り目、製造または作業中に生じる変形、外部ハウジングまたは空気取り入れ部によってまたはそれを通じて印加される形状または圧力による変形、シートの外周をシールするなどの異なる包装技術等などの構成要素における変形による違いが含まれる。
【0094】
一部の実施形態では、吸着材料シート製品は、ペレット化形態または粉末形態における同じ体積の吸着材料のBWCよりも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、および約50%高いBWC値を有する。これらはまた、例えば、約5~25%高い範囲を形成するように組み合わされ得る。本発明はまた、これらの量は、少なくとも約40%高いなど、範囲上のエンドポイントであると企図している。
【0095】
巻かれた/圧延された吸着材料シート製品:吸着材料シート製品はまた、代替として、または積層された実施形態と組み合わせて、巻かれてもよく、または圧延されてもよい。巻かれたまたは圧延された吸着材料シート製品は、上面および下面を画定する吸着剤シートを含み、結合されて既知の全表面積を有し、ここで、吸着剤シートは、吸着材料および結合剤を含み、ここで、吸着剤シートは、らせん状に巻かれて、隣接するシート層の周りに、および隣接するシート層間の流体流を可能にする、隣接するシート層を生成する。
【0096】
追加の実施形態
追加の実施形態がまた企図される。1つの実施形態では、吸着材料シート製品の形態は、吸着材料シートを含む圧延されたシートである。別の実施形態では、吸着材料シート製品の形態は、吸着材料シートの細断ストリップを含む細断シートである。別の実施形態では、吸着材料シート製品の形態は、様々な形状の吸着材料シートの切断シートである。シートが細断または切断される場合、シートのxおよびy寸法は、シートの厚さよりも大きい。
【0097】
さらに他の実施形態では、吸着剤の形態は、シート製品としてではなく、代わりに結合剤および吸着剤のストランドである。ストランドは、個別に、織布、不織布であってもよく、またはロープもしくは糸を含む他の形態であってもよい。これらの形態は、結合剤を吸着剤で繊維化し、その後他の形態に組み合わせられる薄いストランドを形成することによって達成され得る。
【0098】
圧延されたシートは、典型的には、固体の中央の円筒形スピンドルの周りにシートを巻くことによって作製される。これは、いくつかの固体ポリマーまたは他の材料である。スピンドルは、固体であり、体積を占有する。他の実例では、シートは、硬質または半硬質の管などの、開放された中心コアの周りに巻かれる。いずれの場合においても、中心は、吸着デバイスの性能に寄与しない。この用途は、その中心コアを良好に使用することに向けられる。活性化炭素シートは、追加の吸着能力を有するらせん状に巻かれたデバイスを生成する吸着コア材料の周りに巻かれる。
【0099】
中心コアは、吸着材料から作製されるか、または内部体積が吸着材料で充填されたコアとして機能する構造として作製される。これの利点は、デバイス内の吸着剤の量を増加させ、それによって、性能を増加させることである。中央コアは、開放空間、中空管、穿孔中空管、または追加の吸着材料を保持する空間を画定するために使用される他の構造の形態を取ることができる。吸着材料の増加は、性能をさらに向上させるはずである。
【0100】
中心コアは、上述のシートだけでなく、切断または細断されたシート、ロープ、糸およびこれに類するものなどの吸着材料の他の形態も含み得る。
【0101】
別の改善は、らせん状に巻かれたシートまたはシート(複数可)間の流れの改善に関する。炭素シートをらせん状に巻いて、吸着器を形成することは、巻上げプロセスの張力を制御することによって達成された。シートは可撓性であり、かつ低張力強度であるため、これは、巻かれたシート間の間隔に一貫性がなく、制御が困難であるか、または存在しない吸着器につながる場合がある。スペーサーの使用は、例えば、織布もしくは不織布、ネッティング、もしくはその他の布地の形態で、またはシートの厚さよりも直径が大きなシートに粒子を組み込むことにより、巻かれた層間に予め画定された間隔を有する、より高い張力強度材料をもたらす。シートはまた、巻かれた層間の経路を提供することによって、カーボンの遮蔽およびバイパスを防止することによって、一貫性のない巻上げ間隔の問題を克服するために穿孔され得る。
【0102】
二面スペーサーは、巻上げプロセス中にらせん状に巻かれた吸着器に組み込まれ得る。ポリマー、布地、金属、炭素繊維、もしくは活性化炭素繊維、またはそれらの組み合わせのいずれかから作製された別個の二面スペーサーは、炭素シートで巻かれて、最終アセンブリを形成することになる。スペーサーは、吸着器を横切るサイズおよび圧力降下を制御するために異なる厚さであり得る。スペーサーの配向は、必ずしも流体炭素接触時間を増加させる最短距離ではない経路における流体の流れを制御するために使用され得る。これはまた、ユニットの張力強度を増加させることになる。
【0103】
一部の実施形態では、スペーサーは、不織布多孔質材料とすることができる。不織布多孔質材料は、制御された圧力降下を有する均一な間隔を可能にする巻かれた構造に組み込まれ得る。張力強度がまた、改善されるであろう。
【0104】
炭素シートの張力強度を高めるために、ロールミリングプロセス中にポリマーまたは繊維性ネッティングを炭素シートに組み込むことができる。ネッティングは、最終シートの所望の特性に応じて、様々な構成および厚さであり得る。目的は、分離、および製造の容易さを維持するために、材料の引張強度を高め、より信頼性の高い巻上げを可能にすることである。
【0105】
一部の実施形態は、穿孔シートを組み込むことによって、類似の結果を達成する。巻かれた吸着剤シートは、巻上げプロセスにおける不完全性を軽減し、吸着器を通る流体流の代替的な経路を提供するように、巻上げ前に穿孔され得る。
【0106】
織布または不織布材料ではなく、顆粒状またはペレット状の活性化炭素をスペーサーとして使用することができる。活性炭素、または好ましくは吸着材料であるいくつかの他の硬質の顆粒材料を、ミリングの前または後のいずれかに炭素シートに加えて、スペーサーとして機能させ、吸着能力を追加することができる。
【0107】
これらのスペーサーのいずれも、同じ利点を有する積層されたシートならびに巻かれたシートとともに使用することができる。いずれの構造においても、スペーサーは、均一な間隔を作り出す。所望の特徴および流れを達成するために、波型形状または他の表面特徴などのテクスチャがまた採用され得る。
【0108】
一部の実施形態では、吸着材料シート、スペーサー、織布材料および/または非織布材料、穿孔または非穿孔シート、追加の吸着材料、ならびにその他の構成要素などの様々な構成要素は、交互の様式で圧延されてもよく、これは、交互の構成要素が互いに平行であり、かつ繰り返しバンドのコアの周りでらせん状であるときに「ジェリーロール」構造と呼んでもよい。この実施形態は、スペーサーまたはその他のプリーツ、テクスチャあり、または波型形状の構成要素を吸着剤シートの間に埋め込むために最も有用であり、シート間の間隔を正確に制御し、それゆえに圧力降下および性能を制御する。なおもさらなる実施形態では、構成要素は、管として互いに共結合されてもよく、らせん状に巻き付けられない。さらなる実施形態において、構成要素は、平坦なシートまたは非円筒形状として層状にすることができる。
【0109】
様々な実施形態を図に示す。図1は、巻かれた吸着材料シートの中心コア内に吸着剤を含むことの改善を示す。図1では、巻かれた吸着材料シート1は、吸着剤3の中心コアの周りに巻かれる吸着材料シート2を含むものとして示されている。別の実施形態では、図2は、この場合もやはり、吸着剤3の中心コアの周りに巻かれた吸着材料シート2を含む、巻かれた吸着材料シート1を示す。しかしながら、図2の実施形態は、吸着剤3を囲む管4または他の類似の構造体をさらに含む。管4は、穿孔、裂傷、開口、またはその他の類似の特徴(図示せず)を含んでもよく、これにより、少なくとも一部のガスまたは蒸気が、中心コアに含有される吸着剤と、外側部分内の吸着剤シート材料との間を通過することが可能になる。
【0110】
なおもさらなる実施形態では、図3は、吸着材料シート2を含む巻かれた吸着材料シート1を示しており、間隔、したがって圧力降下および巻かれたシートの他の性能特性を正確に制御するために含まれるスペーサー5をさらに含む。図4は、積層された吸着材料シート6がいくつかの積層された吸着材料シート2を含む、追加的な実施形態を示す。吸着材料シート2の各対の間には、間隔、したがって、圧力降下および積層されたシートの他の性能特性を正確に制御するために使用されるスペーサー5がある。
【0111】
一部の実例では、吸着材料シート製品は、空気取り入れマニホールドなどの表面に直接的に適用されてもよく、または圧延されたもしくは折り畳まれた吸着剤シートの支持体として作用する耐久性のある硬化されたシェルが形成されるように外側シートで選択的に硬化されてもよい。このような選択的硬化は、熱的にまたは薬液槽を用いて、または化学線、例えば紫外線によってまたは電子ビーム硬化によって達成されることができる。
【0112】
吸着材料シートがハウジングを省略する実施形態では、空気取り入れマニホールドまたは関連するパイプ作業などの捕捉が必要とされる空間内に収容され得る場合、吸着材料シートは、様々な方法でこれらの部分に取り付けられてもよい。一部の実施形態では、シートは、所望の位置および場所に熱カシメされる。一部の実施形態では、吸着材料シートは、ねじ、リベット、もしくはクランプなどの機械的締め具を使用して締めることができるか、または吸着材料シートは、接着剤裏打ちを使用して締めることができる。接着剤バッキングは、単層の接着または両面接着テープもしくはシートであってもよい。接着剤バッキングに使用される接着剤には、感圧接着剤、UV硬化性接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト接着剤、および反応性マルチパート接着剤が含まれることができる。接着剤組成物には、アクリルおよび(メタ)アクリル、アクリレートおよび(メタ)アクリレート、1液型および2液型配合物のエポキシ、およびウレタンが含まれる。
【0113】
様々な実施形態のデバイスは、上記のハウジングおよび吸着材料シートを含むことができる。ハウジングは、任意の形状であってもよく、ガスを精製するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ハウジングは、任意の形状、例えば、立方体状、立方体、または円筒形であってもよい。吸着材料シートは、ハウジング内に収まり、ガスまたは液体が通過するハウジング内の空間を実質的に充填するようにサイズ設定されてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の吸着材料シートを積層してハウジングを実質的に満たすことができ、別の実施形態では、吸着材料シートを圧延して、らせん状に巻かれたシートを形成するか、またはプレスして積層されたシートを形成することができる。いくつかの実施形態では、積層されたまたはプレスされたシートは、隣接するシートの側面が実質的に隣接するようなものであることができる。別の実施形態では、積層されたシートまたはプレスされたシートは、隣接するシートが離間するように配置されてもよい。例えば、特定の実施形態では、シートは、一連のまたは平行な隆起および溝を形成する吸着材料シートを有する波型形状であってもよく、一部の実施形態では、波型形状の吸着材料シートは、平坦なまたはテクスチャ付き吸着材料シートによって分離されてもよい。波型形状の吸着材料シートは、積層されたまたは圧延された/らせん状に巻かれた形態でハウジング内に配置されてもよい。図7および図8は、空気取り入れボックス内に貼り付けることができる2つの例示的な吸着剤製品を示す。
【0114】
図7を参照すると、一実施形態による、平行グラム形状の吸着材料シート製品70が示されている。吸着材料シート製品70は、ポリプロピレン不織布繊維およびPTFE結合剤を含む、吸着材料シート製品71と、シート製品70を空気取り入れボックス(図示せず)に装着する際に使用するための穴72と、を含む。エッジシール73は、シート製品70の外周に沿って存在し、シート製品70の外側エッジから内側に延在している。別に、各穴72の外側エッジから外側に延在しているエッジシール74がまた存在している。
【0115】
図8を参照すると、一実施形態による、台形形状の吸着材料シート製品80が示されている。吸着材料シート製品80は、ポリプロピレン不織布繊維およびPTFE結合剤を含む、吸着材料シート製品81と、シート製品80を空気取り入れボックス(図示せず)に装着する際に使用するための穴82と、を含む。エッジシール83は、シート製品80の外周に沿って存在し、シート製品80の外側エッジから内側に延在している。別に、各穴82の外側エッジから外側に延在しているエッジシール84がまた存在している。
【0116】
様々な実施形態では、空隙率は、現在のデバイスの空隙体積よりも約30%~約32%少なくてもよく、一部の実施形態では、空隙率は、約10%まで低くてもよい。例えば、デバイスは、約45%~約10%、約35%~約10%、約25%~約10%の空隙率、またはこれらの例示的な範囲によって包含される任意の個々の空隙率もしくは範囲を有してもよい。様々な実施形態のデバイスは、粒状またはペレット状のテクスチャ付き吸着材料を使用するデバイスよりも、より少ない流れ制限、例えば、圧力損失を示すことができる。したがって、より多くの吸着性材料を、デバイスの流量を低減することなく、こうしたデバイスに組み込むことができる。
【0117】
このような実施形態のデバイスは、約4.0g/100cmを超えるBWCを有することができ、一部の実施形態では、デバイスは、約4.0g/100cm~約20g/100cm、5.0g/100cm~約18g/100cm、約7.0g/100cm~約16g/100cm、もしくは約8.0g/100cm~約15g/100cm、またはこれらの例示の範囲に含まれる任意の個々のBWCまたは範囲を有することができる。デバイスは、活性炭または他の活性化合物の粉末、ペレット、または顆粒の従来の高密度充填された床に最大で等しい圧力降下を示す場合がある。この機能は、積層されているか、圧延されているか、巻かれているか、または他の方法で構成されているかにかかわらず、本発明の吸着材料シート製品は吸着剤の性能が向上しているにもかかわらず、従来のデバイスと同様に蒸気およびガスを処理および搬送する能力をさらに確実に有するため、有利である。
【0118】
一部の実施形態では、吸気マニホールドは、一体型の蒸気吸着を備えていてもよい。こうしたマニホールドは、マニホールド構造と、空気取り入れマニホールドの内部壁に貼り付けられた少なくとも1つの吸着剤シート材料製品と、を含む。
【0119】
追加の構成要素
本発明は、センサ、例えば、燃料組成センサを含んでもよい。燃料組成センサを用いて、ハウジングまたは空気取り入れ部および吸着材料内に含まれるガソリンおよびエタノールまたは他の燃料の混合物を検出することができ、この情報は、ECUに伝達され、後でエンジンに放出される蒸気はエンジンの燃焼中により正確に使用され得る。他のセンサには、温度センサ、蒸気圧センサ、酸素センサ等が含まれる。センサは、ECUに必要な情報の種類に応じて、電気化学的相互作用、熱電対のような電子的、電気機械的、屈折率、赤外線分光法などの原理に基づいて動作することができる。センサを、単独で、もしくは組み合わせてハウジングまたは空気取り入れ部内に含めることができ、またはハウジングが指定されていない場合は、吸着材料シートを含むエリア内に含めることができる。センサを、シートから切り取られた穴もしくは切り欠きに、またはセンサの周りにシートがラップされるもしくは折り畳まれて、シート間のスペースに、含めることができる。
【0120】
実施例1:空気取り入れ試験
先行技術製品試験に対する炭化水素吸着の利点を実証するために、ブタンを用いて以下のように実施した。
試験セットアップ:
●気密ボックスには、注入ポート、およびブタン検出センサ用のポートが入っている
●試験中、センサはボックスの中に残り、試験開始前にゼロ化される
●1.25mlのブタンを、シリンジを使用してボックスに注入する
●1000ppmレベルが検出されたら、試料をボックスに入れる
●試験試料がボックスに入ったら、タイマーが起動する
●測定は、最初の30分間は5分間隔で、その後は試験終了まで(120分、またはブタンの0PPmが読み取られるまで)10分ごとに行われる。
試験セットアップを図5に示す。
【0121】
図5によると、試験装置50が示されている。試験装置50は、透明なアクリルボックス51を含み、その1つの壁は、センサアーム52が適切なシールおよび梱包材料で挿入される穴を有し、透明なアクリルボックス51からガスが漏れ出ないことを確実にする。透明なアクリルボックス51の内部で、センサアームは、透明なアクリルボックス51内に含まれるブタンのレベルを検出するブタンセンサ53を懸架する。ブタンまたは他のガスを追加することができるように、注入ポート56がまた存在している。試料(図示せず)は、ハンドル55によってドア54を開くことによって装置50内に配置される。
【0122】
吸着材料シートは、粉末状に活性化された炭素およびPTFE結合剤を混合することによって形成された。結合剤を、約11重量%の量で混合した。粉末化活性化炭素は、製品名「RB」によってカルゴンカーボン社から入手可能であり、重量ヨウ素数が少なくとも1070mg/gの石炭ベースの活性化炭素である。このような吸着材料シートは、下のグラフに示すように、試験された他のどの製品よりも早く、検出不可能なレベルのブタンに到達することを示した。結果を図6に詳述する。
【0123】
実施例2:炭化水素吸着器(HCA)からの活性化炭素シートのブタン活性の決定
ブタン活性(BA)は、試験方法の条件下で、炭素がブタンで飽和されたときに、活性化炭素試料によって吸収されたブタンの質量の比率(%)として定義される。BA試験は、CCI番号試験の代わりに、非オゾン枯渇性の代用として使用され得る。BAをCCI番号に変換する必要がある場合には、2つの試験を相関する要素が提供される。 ブタン作業能力(BWC)は、飽和で吸着されたブタンと、指定されたパージ後の単位体積当たりの炭素に保持されたブタンとの間の差として定義される。この方法は、ASTM D5742およびASTM D5228に従ってモデル化される。
【0124】
既知の体積および質量の活性化炭素床は、ブタン蒸気で飽和される。飽和で吸着された質量は、測定され、炭素の単位質量当たりのブタンの質量としてパーセントベースで報告される。次いで、炭素床を、乾燥炭化水素を含まない空気を用いて所定の条件下でパージする。質量の喪失は、BWCであり、炭素の単位エリア当たりのブタンの質量として表される。試験の条件は、活性化炭素上のブタンの吸着を支配する。方法からの逸脱は、様々なブタン値をもたらし得る。
試験セットアップ:
●3.5インチ×2.5インチのダイカッティングツールを使用して、HCAから試料をカットする必要がある。部品から切断された材料のストリップは、オーブン対応トレイに配置される。次いで、105℃で一晩オーブン乾燥した。
●空の乾燥試料管を0.01グラム単位で量り、風袋重量を記録する
●切断されたカーボンストリップ試料でカラムを充填する
●充填された試料管を0.01グラム単位で再計量する、炭素および試料管の重量を記録する
●ブタン吸着装置を較正する。水浴を、25±0.2℃の温度を維持するようにセットする。250±5mL/分で炭素床を通過するようにブタンの流れを調節する。試料が測定されているときに定期的にフローを確認する
●充填された試料管を定温浴に入れ、ブタン送達ラインを管に接続し、ブタンダウンフローをカーボン床に少なくとも20分間、または飽和が達成されるまで通過させる
・床を破損させることなく、試料管を慎重に装置から取り出し、拭いて乾かし、0.01グラム単位で計量する
●管の計量後、試料の入った管を定温水浴に戻して、空気送達ラインを管に接続する。炭素床を通る空気のダウンフローを提供するように装置を設定する
●回転計は、300±5mL/分の速度で40分間±20秒間、乾燥空気で試料をパージするように調整される。パージサイクル中、重量をチェックし、10分ごとに0.01g単位で記録する。
●.パージ時間後、空気を抜き、管を外し、ストッパーを取り付け、試料管を水浴から取り出し、乾燥させる
●管を0.01g単位で計量して、質量を記録する
【0125】
実施例3:ABC HCA空気取り入れボックスブタン/パージ試験
この試験では
ブタン吸着サイクルの試験セットアップ:
●分析バランスを使用して試料の予オーブン乾燥質量を記録し、105℃で少なくとも3時間または一晩オーブン乾燥する
●試験用の空気取り入れボックスを選択し、試験ステーションでセットアップする
●ブタンをオンにし、流量計を使用して、流量を毎分0.442リットル(L/分)に設定する
●流量が設定されたら、ブタンホースラインをボックスに取り付ける
●ボックスの中にポケットバランスを入れ、ボックスの中にスタンドオフを置き、ボックスへのドアを開けたままにする
●オーブンから試料を取り出し、分析バランスを使用して質量を記録する
●ボックスの中にあるスタンドオフの上のボックス内部に試料を入れる
●ドアを閉め、しっかり閉じ込める
●90分間試験を実施する
●試験終了時、ボックスから試料を取り出す前に、その質量が記録されているジップロックポリ袋が準備されていることを確認する
●90分経過したら、ボックスから試料を取り出し、すぐに袋詰めする
●バッグ内部の試料の質量を記録する。バッグ質量を総質量から減算して、試験後の最終質量を記録する

空気パージサイクルの試験セットアップ:
●ブタンラインをボックスから前のブタン吸着サイクルから切り離す
●エアバルブの電源を入れる
●空気流量を23.70L/分に設定する
●空気ラインをボックスに接続し、別の空気ラインを使用して、任意の残留ブタンのボックスから流出させる
●ブタン検出センサを使用して、追加の空気ラインを取り外す前に、ブタンが残留していないかどうかを決定する
●流量を設定し、ブタンを装填した試料をポリ袋から取り出し、ボックスのスタンドオフの上に置く
●ボックスのドアを閉め、しっかり閉じる。
●最初の30分間は、ボックスから試料を取り出し、5分ごとに分析バランスに置く。最初の30分後、合計120分の試験時間が達成されるまで10分ごとに質量記録を繰り返す
●最後の質量の記録は、試験後の最終的な質量としての役目を果たすことになる
●試験完了時に、追加の試験を準備していない場合、バランスをオフにし、ガス流(ブタンおよび空気)を遮断する
【0126】
実施例4
3つの実験例群をブタン蒸気で飽和させ、次いでパージして、吸着材料シートの全体的なブタン作業能力、異なるサイズのエッジシールが吸着剤の全体的なブタン作業能力に与える影響、および従来から使用されている先行技術の炭素紙シートと比較における、吸着材料シートの相対的性能を決定した。試験は、上記の実施例3に従って実施された。試験の結果を以下の表1および図9に示し、表1では、各行に「試料」とラベルが付けられているのは、実際に複数の試験実行の平均値であり、各個々の試料の実際の曲線を図9に示す。試験の各々において、全体的な吸着材料シート製品は、同じサイズであったが、エッジシールの深さは変化した。エッジシールは、吸着材料シート製品の全外周にあった。試料CCC_RD_0070は、より大きな全体シートサイズを有し、したがって、CCC_RD_0068およびCCC_RD_0069よりも高い平均ブタン吸着結果を有する。試料CCC_RD_0068およびCCC_RD_0069を、空気取り入れ蒸発吸着用途で一般的に使用されるのと同じサイズの市販の炭素紙と比較した。3つの本発明の試料の吸着材料シート製品は、89重量%の量のRB粉末状活性化炭素と、不織布ポリプロピレン繊維を有するPTFE結合剤の11重量%の総量との混合物から形成された。
【表2】
【0127】
上記の詳細な説明では、添付図面を参照し、本明細書の一部を形成する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的には類似の構成要素を識別する。発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲に記載される例示の実施形態は、限定することを意図するものではない。本明細書に提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用してもよく、他の変更を行ってもよい。概して本明細書に記載され、かつ図に示されるような本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計され得、それらすべてが本明細書に明示的に意図されていることが容易に理解されよう。
【0128】
本開示は、様々な態様の図解として意図されている、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されない。当業者に明らかであろうように、その趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、本明細書に列挙したものに加えて、前述の記載から当業者には明らかであろう。かかる修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるものであり、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を伴う。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物学的システムに限定されず、それらは変化する場合があることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記述するためのものであり、限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
【0129】
本明細書における実質的に任意の複数および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切な場合、複数から単数形および/または単数形から複数形に翻訳することができる。様々な単数形/複数形の配列は、明確にするために本明細書に明示的に記載され得る。
【0130】
本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、概して、一般論として「オープンな」用語として意図されていること(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきである等)は、当業者であれば理解されるであろう。様々な組成物、方法、およびデバイスは、様々な構成要素または工程(「限定されないが、それらを含む」という意味として解釈される)を「含む」という点で記述されているが、組成物、方法、およびデバイスはまた、様々な構成要素および工程から「本質的になる」、または「なる」ことができ、またこうした専門用語は、本質的に閉鎖的なメンバーグループを定義するものとして解釈されるべきである。導入される請求項の列挙の特定の数が意図される場合、そのような意図は、請求項に明示的に列挙され、そのような列挙がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。
【0131】
例えば、理解への補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を導入するための、導入語句の「少なくとも1つ」および「1つ以上」の使用を含み得る。しかしながら、こうした語句の使用は、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」による請求項の列挙の導入が、同じ請求項が導入語句の「1つ以上」または「少なくとも1つ」、および「1つの(a)」または「1つの(an)」などの不定冠詞(例えば、「1つの(a)」および/または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でさえも、そのような導入された請求項の列挙を含む特定の請求項を、そのような列挙を1つだけ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではない。請求項の列挙を導入するために使用される特定の物品の使用についても同様である。
【0132】
さらに、導入される請求項の列挙の特定の数が明示的に列挙されているとしても、当業者は、そのような列挙が少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾子なしで、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する、例えば、ありのままの列挙であり「2つの列挙」)を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似している慣例が使用されるこれらの実例では、一般に、こうした構造は、当業者が慣例を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒になどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。さらに、「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似している慣例が使用されるこれらの実例では、一般に、こうした構造は、当業者が慣例を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒になどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の別個の語および/または語句は、当該語、当該語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するために理解されるべきであることが、当技術分野の者によってさらに理解されるであろう。例えば、語句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されるであろう。
【0133】
さらに、本開示の特徴または態様が、マーカッシュ群に関して記述される場合、当業者は、本開示がまた、それによって、マーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関して記述されることを認識するであろう。
【0134】
当業者によって理解されるように、書面による記述を提供するなどの任意の目的およびすべての目的に対し、本明細書に開示されるすべての範囲はまた、その任意のおよびすべての可能な部分範囲ならびにその部分範囲の組み合わせを包含する。列挙された範囲は、少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割される同じ範囲を十分に説明し、可能にするものとして容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で論じる各範囲は、ローワーサード、ミドルサード、およびアッパーサードなどに容易に分割され得る。また、当業者によって理解されるように、「まで(up to)」、「少なくとも」などのすべての言語は、列挙された数を含み、その後、上で論じたように部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の材料を有する群は、1個、2個、または3個の材料を有する群を指す。同様に、1~5個の材料を有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個等の材料を有する群を指す。
【0135】
上述の様々な他の特徴および機能、またはその代替案は、他の多くの異なるシステムまたは用途に組み合わせられてもよい。様々な現在予測されない、または予期されない代替、修正、変形、または改善は、その後、当業者によって行われてもよく、その各々はまた、本開示の実施形態によって包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】