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特表2022-544153コンプレッサ、回転子システム及びマイクロガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】コンプレッサ、回転子システム及びマイクロガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F04D 17/10 20060101AFI20221007BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20221007BHJP
   F02C 3/08 20060101ALI20221007BHJP
   F02C 7/06 20060101ALI20221007BHJP
   F01D 25/16 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
F04D17/10
F01D15/10 A
F02C3/08
F02C7/06 A
F01D25/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507656
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 CN2020135903
(87)【国際公開番号】W WO2021143417
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202010062945.1
(32)【優先日】2020-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522048867
【氏名又は名称】至▲ユエ▼▲騰▼▲風▼科技集▲団▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TECHNOLOGIES’ XANADU OF RESONATORY-SOLAR-SYSTEMED CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ジン▼ 普
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB27
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA33G
3H130BA66G
3H130BA97G
3H130CA01
3H130CB00
3H130DB04X
3H130DB05X
3H130DD01X
(57)【要約】
本発明は、コンプレッサ、回転子システム及びマイクロガスタービンを提供し、コンプレッサは、回転子、固定子、コイル、ハウジング、インペラ及び少なくとも1つのメインポートを含み、前記回転子に前記固定子及びコイルが外嵌され、前記固定子及びコイルの外に前記ハウジングがカバーされ、前記ハウジングは、コンプレッサの末端を囲んで高圧キャビティを形成し、前記インペラは、回転子の末端に外嵌され、吸気に向かって設けられ、前記少なくとも1つのメインポートは、前記固定子を囲んで設けられ、前記少なくとも1つのメインポートの末端の出口が前記インペラを介して高圧ガスキャビティに接続される。本発明は、従来のコンプレッサの構造が複雑で、体積が大きく、放熱が困難である技術課題を解決できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子、固定子、コイル、ハウジング、インペラ及び少なくとも1つのメインポートを含むコンプレッサであって、
前記回転子に前記固定子及びコイルが外嵌され、前記固定子及びコイルの外に前記ハウジングがカバーされ、前記ハウジングは、コンプレッサの末端を囲んで高圧キャビティを形成し、前記インペラは、回転子の末端に外嵌され、吸気に向かって設けられ、前記メインポートは、前記固定子を囲んで設けられ、前記メインポートの末端の出口は、前記インペラを介して高圧ガスキャビティに接続される、ことを特徴とするコンプレッサ。
【請求項2】
前記ハウジングは、第1ハウジング、第2ハウジング及び第3ハウジングを含み、前記メインポートは、第1ポート又は/及び第3ポートを含み、
前記固定子及びコイルの外に前記第1ハウジングがカバーされ、且つ固定子が第1ハウジングに固定され、前記第1ハウジングの前端と末端にそれぞれ第1前端キャップと第1後端キャップが設けられ、前記第2ハウジングが第1ハウジングを囲んで設けられ、第2ハウジングの末端に第2エンドキャップが設けられ、前記第3ハウジングがコンプレッサの末端に設けられ、第2エンドキャップと囲んで前記高圧キャビティをなし、
前記第1ハウジングと第2ハウジングとの間のキャビティ、及び第1後端キャップと第2エンドキャップとの間のキャビティが前記第1ポートを形成し、
前記第3ポートが軸方向に前記固定子を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
【請求項3】
前記コンプレッサは、第2ポートをさらに含み、
前記固定子及びコイルと回転子外壁との間の隙間、固定子及びコイルと第1前端キャップとの間の隙間、固定子及びコイルと第1後端キャップとの間の隙間が前記第2ポートを形成し、前記第2ポートの入口が第1ハウジングの前端に設けられるか、又は、第1前端キャップに設けられ、出口が第1後端キャップに設けられ、且つ第1ポート又は/及び第3ポートと連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
【請求項4】
前記回転子の両端には、前記固定子を支持するラジアル軸受が設けられ、
前記ラジアル軸受は、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
【請求項5】
前記ラジアル軸受の両端に環状ゴムシールダンパが外嵌される、請求項4に記載のコンプレッサ、ことを特徴とする。
【請求項6】
前記回転子の吸気端に第1スラストディスク及び第2スラストディスクが設けられ、2つのスラストディスクは、いずれも、ディスク部とスリーブ部を含み、2つのスラストディスクのスリーブ部が当接して回転子に固定され、2つのスラストディスクの内端面とスリーブ部の外部との間にはスラスト溝が形成され、前記スラスト溝内にスラスト軸受が設けられ、
前記スラスト軸受の最上部の、スラスト溝から突出した部分の両側は、それぞれ蓋とハウジングにより係止され、前記蓋がハウジングに固定して接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
【請求項7】
前記スラスト軸受は、動静圧ハイブリッドの空気軸受であり、
前記スラスト軸受は、対向して設けられる第1スラスト部と第2スラスト部を含み、第2スラスト部の内側端面には、外気と連通する環状ガスキャビティが開けられ、第1スラストディスクの内側端面と第1スラスト部の外側端面における第1隙間は、気孔を介して環状ガスキャビティと連通し、第2スラストディスクの内側端面と第2スラスト部の外側端面における第2隙間は、気孔を介して環状ガスキャビティと連通し、第2スラスト部の内輪側壁とスラスト溝の側壁との間の第3隙間は、気孔を介して環状ガスキャビティと連通し、前記ハウジングには、第2スラスト部における吸気ポートを介して環状ガスキャビティと連通する給気管が設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載のコンプレッサ。
【請求項8】
前記第1スラスト部の外端面と蓋との間、第2スラスト部の外端面とハウジングとの間には、いずれも、ばねダンパ又はゴムシールダンパが設けられ、
又は/及び、前記第1スラスト部の内端面と第2スラスト部の内端面との間にはばねダンパ又はゴムシールダンパが設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のコンプレッサ。
【請求項9】
前記第1スラスト部と第2スラスト部の外端面に空気槽が設けられ、又は/及び、2つのスラストディスクにおける、それぞれ第1スラスト部と第2スラスト部の外端面に対向する面に空気槽が設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のコンプレッサ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のコンプレッサを含む、ことを特徴とする回転子システム。
【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載のコンプレッサを含む、ことを特徴とするマイクロガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプレッサの技術分野に関し、特にコンプレッサ、回転子システム及びマイクロガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンプレッサは、高速で回転する羽根を使ってガス(多くは空気)に仕事を行わせ、ガスの圧力を高める部材である。従来のコンプレッサには以下の欠陥がある。コンプレッサは、モータで駆動され、モータ回転子が回転すると大量の熱が発生し、回転子の温度が永久磁気材料の使用温度を超えた後には減磁し、モータの効率が著しく低下し、モータの耐用年数が影響され、信頼性を効果的に確保できない。
【0003】
従来のコンプレッサの構造配置は不合理であり、冷却方式は回転子に冷却ファンを設置することが多く、部品の数とプロセスの難しさを増やし、体積が大きく、発熱が高く、放熱が困難である問題をもたらしてしまう。モータの温度は、モータの耐用年数に直接影響を与え、合理的な冷却方式と冷却構造は、モータの耐用年数を確保できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明は、従来のコンプレッサの構造が複雑で、体積が大きく、放熱が困難である技術課題を解決できるコンプレッサ、回転子システム及びマイクロガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は、以下のとおりである。
本発明の一側面によれば、回転子、固定子、コイル、ハウジング、インペラ及び少なくとも1つのメインポートを含むコンプレッサが提供され、
前記回転子に前記固定子及びコイルが外嵌され、前記固定子及びコイルの外に前記ハウジングがカバーされ、前記ハウジングは、コンプレッサの末端を囲んで高圧キャビティを形成し、前記インペラは、回転子の末端に外嵌され、吸気に向かって設けられ、前記メインポートは、前記固定子を囲んで設けられ、前記メインポートの末端の出口は、前記インペラを介して高圧ガスキャビティに接続される。
【0006】
さらに、前記ハウジングは、第1ハウジング、第2ハウジング及び第3ハウジングを含み、前記メインポートは、第1ポート又は/及び第3ポートを含み、
前記固定子及びコイルの外に前記第1ハウジングがカバーされ、且つ固定子が第1ハウジングに固定され、前記第1ハウジングの前端と末端にそれぞれ第1前端キャップと第1後端キャップが設けられ、前記第2ハウジングが第1ハウジングを囲んで設けられ、第2ハウジングの末端に第2エンドキャップが設けられ、前記第3ハウジングがコンプレッサの末端に設けられ、第2エンドキャップと囲んで前記高圧キャビティをなし、
前記第1ハウジングと第2ハウジングとの間のキャビティ、及び第1後端キャップと第2エンドキャップとの間のキャビティが前記第1ポートを形成し、
前記第3ポートが軸方向に前記固定子を貫通する。
【0007】
さらに、前記コンプレッサは、第2ポートをさらに含み、
前記固定子及びコイルと回転子外壁との間の隙間、固定子及びコイルと第1前端キャップとの間の隙間、固定子及びコイルと第1後端キャップとの間の隙間が前記第2ポートを形成し、前記第2ポートの入口が第1ハウジングの前端に設けられるか、又は、第1前端キャップに設けられ、出口が第1後端キャップに設けられ、且つ第1ポート又は/及び第3ポートと連通する。
【0008】
さらに、前記回転子の両端には、前記固定子を支持するラジアル軸受が設けられ、
前記ラジアル軸受は、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれかである。
【0009】
さらに、前記ラジアル軸受の両端に環状ゴムシールダンパが外嵌される。
【0010】
さらに、前記回転子の吸気端に第1スラストディスク及び第2スラストディスクが設けられ、2つのスラストディスクは、いずれも、ディスク部とスリーブ部を含み、2つのスラストディスクのスリーブ部が当接して回転子に固定され、2つのスラストディスクの内端面とスリーブ部の外部との間にはスラスト溝が形成され、前記スラスト溝内にスラスト軸受が設けられ、
前記スラスト軸受の最上部の、スラスト溝から突出した部分の両側は、それぞれ蓋とハウジングにより係止され、前記蓋がハウジングに固定して接続される。
【0011】
さらに、前記スラスト軸受は、動静圧ハイブリッドの空気軸受であり、
前記スラスト軸受は、対向して設けられる第1スラスト部と第2スラスト部を含み、第2スラスト部の内側端面には、外気と連通する環状ガスキャビティが開けられ、第1スラストディスクの内側端面と第1スラスト部の外側端面の第1隙間は、気孔を介して環状ガスキャビティと連通し、第2スラストディスクの内側端面と第2スラスト部の外側端面の第2隙間は、気孔を介して環状ガスキャビティと連通し、第2スラスト部の内輪側壁とスラスト溝の側壁との間の第3隙間は、気孔を介して環状ガスキャビティと連通し、前記ハウジングには、第2スラスト部における吸気ポートを介して環状ガスキャビティと連通する給気管が設けられる。
【0012】
さらに、前記第1スラスト部の外端面と蓋との間、第2スラスト部の外端面とハウジングとの間には、いずれも、ばねダンパ又はゴムシールダンパが設けられ、
又は/及び、前記第1スラスト部の内端面と第2スラスト部の内端面との間にはばねダンパ又はゴムシールダンパが設けられる。
【0013】
さらに、前記第1スラスト部と第2スラスト部の外端面に空気槽が設けられ、又は/及び、2つのスラストディスクにおける、それぞれ第1スラスト部と第2スラスト部の外端面に対向する面に空気槽が設けられる。
【0014】
本発明の一側面によれば、上記のコンプレッサを含む回転子システムが提供される。
【0015】
本発明の他の側面によれば、上記のコンプレッサを含むマイクロガスタービンが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来技術に比べて、以下の有益な効果を有する。
1、本発明は、コンプレッサのインペラ、モータ、冷却構造が同じ側に設けられ、構造がコンパクトである。本実施例のメインポートが固定子41を囲んで設けられ、さらに構造を最適化し、主給気管を単独に設ける必要がなく、該囲み配置により、装置全体の質量分布が均一になり、バランスと安定性を向上させる。
【0017】
2、本発明では、コンプレッサのメインポートは、空冷効果を果たすことでき、外部の空冷気源は、モータの温度低減のためにさらに放熱することができ、複数経路のガスは、いずれも、最後に合流してコンプレッサタービンの吸気になることができ、吸気使用量を節約し、軸に空冷ファンを増設する必要がなく、構造がよりシンプルであり、信頼性が高い。
【0018】
3、本発明のスラスト軸受とラジアル軸受は、いずれも、空気軸受を用いることにより、コンプレッサの高速かつ安定な運転を確保でき、空気槽を設けることにより、軸受内の空気の流れを速くすることができ、コンプレッサガスを輸送することができ、また、空気の詰まりや蓄積を防ぐことができ、気源の状況に応じて静圧または動圧モードを柔軟に選択し、柔軟に使用する。
【0019】
4、本発明のスラスト溝の両側のスラストディスクは、高さが低く、加工際の旋削量が小さく、消耗材が少なく、工程が簡単で、質量分布が均一で、回転軸が高い時の安定性がよりよい。
【0020】
5、本発明のコンプレッサは、高圧気体を提供するために、任意の回転子システム又はマイクロガスタービンに用いることができ、回転子システム又はマイクロガスタービンの構造が複雑で、体積が大きく、放熱が困難である技術課題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例のコンプレッサの構造模式図である。
図2】本発明の実施例の固定子とコイルの構造断面図である。
図3】本発明の実施例の固定子の構造模式図である。
図4】本発明の実施例のスラスト軸受の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下では具体的な実施形態、明細書の図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0023】
本発明の実施例は、コンプレッサを提供する。
【0024】
図1に示すように、コンプレッサは、回転子1、固定子41、コイル42、ハウジング、インペラ2及び少なくとも1つのメインポート(メインガス通路)を含む。前記回転子1に前記固定子41及びコイル42が外嵌され、前記固定子41及びコイル42の外に前記ハウジングがカバーされ、前記ハウジングは、コンプレッサの末端を囲んで高圧キャビティを形成し、前記インペラ2は、回転子1の末端に外嵌され、吸気に向かって設けられ、前記メインポートは、前記固定子41を囲んで設けられ、前記メインポート末端の出口は、前記インペラ2を介して高圧ガスキャビティに接続される。
【0025】
本実施例では、コンプレッサのインペラ2、モータ(固定子41、コイル42)、冷却構造(メインポート)が同じ側に設けられ、構造がコンパクトである。本実施例のメインポートが固定子41を囲んで設けられ、さらに構造を最適化し、主給気管を単独に設ける必要がなく、該囲み配置により、装置全体の質量分布が均一になり、バランスと安定性を向上させる。
【0026】
本発明の実施例に係るコンプレッサ具体的には構造では、メインポートは、第1ポート(第1ガス通路)P1と第2ポート(第2ガス通路)P2を含む。
【0027】
図1に示すように、コンプレッサは、回転子1、固定子41、コイル42、第1ハウジング31、第2ハウジング51、インペラ2、及び第3ハウジング6を含み、回転子1に固定子41及びコイル42が外嵌され、固定子41及びコイル42の外に第1ハウジング31がカバーされ、且つ固定子41が第1ハウジング31に固定され、第1ハウジング31の前端と末端にそれぞれ第1前端キャップ32と第1後端キャップ33が設けられ、第2ハウジング51が第1ハウジング31を囲んで設けられ、第2ハウジング51の末端に第2エンドキャップ52が設けられ、第3ハウジング6がコンプレッサの末端に設けられ、第2エンドキャップ52と囲んで高圧キャビティをなし、
第1ポートP1は、第1ハウジング31と第2ハウジング51との間のキャビティ、第1後端キャップ33と第2エンドキャップ52との間のキャビティを含み、第1ポートP1は、吸気メインポートであり、
第2ポートP2は、固定子41及びコイル42と回転子1外壁との隙間、固定子41及びコイル42と第1前端キャップ32の隙間、固定子41及びコイル42と第1後端キャップ33の隙間を含み、第2ポートP2は、空冷ポートである。第2ポートP2の入口が第1ハウジング31の前端に設けられ又は第1前端キャップ32に設けられ、出口が第1後端キャップ33に設けられ、冷風が第2ポートP2の出口を介して第1ポートP1に合流し、
インペラ2は、回転子1の末端に外嵌され、吸気に向かって設けられ、インペラ2の羽根と第2エンドキャップ52のテーパ筒との間にはスリットが残されることにより、ガスは、回転子1が回転するとともに、第1ポートP1の末端から羽根間の隙間を流れ、圧縮された後に前記高圧キャビティに入りやすくなる。
【0028】
本実施例では、コンプレッサのメインポートの気源は、空冷効果を果たすことでき、外部の空冷気源は、モータの温度低減のためにさらに放熱することができ、両方のガスは、最終的に、合流してコンプレッサタービンの吸気になることができ、吸気使用量を節約し、軸に空冷ファンを増設する必要がなく、構造がよりシンプルであり、信頼性が高い。
【0029】
好ましくは、本発明の実施例に係るコンプレッサの具体的な構造では、メインポートは、第3ポート(第3ガス通路)P3をさらに含み、第3ポートP3は、軸方向に沿って固定子41を貫通し、第1ポートP1に合流する。第3ポートP3は、吸気メインポートとしてもよく、吸気量を増加できる。第3ポートP3は、回転子1に近いため、優れた降温補助・放熱効果を有する。
【0030】
具体的には、図2、3に示すように、固定子41は、固定子コア411を含み、固定子コア411は、円柱体状であり、円柱体の中心位置には、回転子を取り付けるためのスルーホール4111が形成される。前記固定子コア411の外径側には、円柱体の軸方向と径方向の外側に沿って延伸しており、円柱体の円周方向に沿って均一に分布する複数の第1巻線仕切板4112が形成され、前記固定子コア411の内径側には、円柱体の軸方向と径方向の内側に沿って延伸しており、円柱体の円周方向に沿って均一に分布する複数の第2巻線仕切板4113が形成され、前記第2巻線仕切板4113の円柱体の円心に近い端に前記スルーホール4111が形成される。第1巻線仕切板4112と第2巻線仕切板4113は、円柱体の外径側と内径側に対向して設けられ、隣接する2つの第1巻線仕切板4112と円柱体の外周面には外巻線溝4114が形成され、隣接する第2巻線仕切板4113と円柱体の内周面には内巻線溝4115が形成され、コイル42は、円柱体の軸方向に沿って前記外巻線溝4114と内巻線溝4115内に巻き付けられ、コイル42及び隣接する2つの第2巻線仕切板4113は、第3ポートP3を構成する。任意選択的には、固定子コア411は、形状が完全に同一の複数のケイ素鋼板4116が円柱体の軸方向に沿って積層して型押して得られる。
【0031】
また、固定子41及び回転子1の放熱及び第3ポートP3の吸気を容易にするために、第1前端キャップと第1後端キャップに網状の気孔が設けられてもよい。
【0032】
本発明の実施例は、径方向支持構造をさらに提供し、すなわち、回転子1には、固定子41を支持するラジアル軸受7が設けられる。
【0033】
図1に示すように、具体的には、第1前端キャップ32と第1後端キャップ33の回転子1に近い箇所には、一体となる支持リング34が回転子1を囲んで設けられ、前記ラジアル軸受7が支持リング34と回転子1との間に設けられる。支持リング34と固定子41が固定されるため、ラジアル軸受7は、固定子41を支持する役割を果たす。
【0034】
さらに、ラジアル軸受7は、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれであってもよい。
【0035】
静圧ガス軸受として設けられる場合、ラジアル軸受7と回転子1とは、径方向に所定の径方向隙間を有し、ラジアル軸受7の外周と支持リング34との間には、環状ガスキャビティが設けられ、環状ガスキャビティの底部には、環状ガスキャビティと径方向隙間を貫通させるスルーホールが設けられ、また、支持リング34にも、環状ガスキャビティと外部の気源とを連通させる空気注入孔が設けられる。
【0036】
動圧ガス軸受として設けられる場合、ラジアル軸受7と回転子1とは、径方向に所定の径方向隙間を有し、ラジアル軸受7の内径面又は回転子1の、ラジアル軸受7が取り付ける箇所には、動圧発生槽が設けられる。
【0037】
動静圧ハイブリッドガス軸受として設けられる場合、静圧ガス軸受と動圧ガス軸受の特徴を同時に備える。
【0038】
さらに、ラジアル軸受7の両端に環状ゴムシールダンパ84が外嵌されることで、ラジアル軸受7の安定な支持を確保する。
【0039】
本発明の実施例は、軸方向支持構造をさらに提供し、すなわち、回転子1にスラスト軸受8が設けられる。
【0040】
図1、4に示すように、具体的には、回転子1の吸気端に2つのスラストディスクが設けられ、2つのスラストディスクは、それぞれ第1スラストディスク11と第2スラストディスク12であり、第1スラストディスク11と第2スラストディスク12は、いずれも、ディスク部とスリーブ部を含み、2つのスラストディスクのスリーブ部が当接して回転子1に固定され、2つのスラストディスクの内端面とスリーブ部の外部との間にはスラスト溝が形成され、前記スラスト溝内にスラスト軸受8が設けられ、スラスト軸受8の最上部のスラスト溝から突出した部分、両側は、それぞれ蓋9と第1前端キャップ32により係止され、蓋9が第1前端キャップ32に固定される。スラスト軸受8は、動静圧ハイブリッドの空気軸受である。
【0041】
本実施例のスラスト軸受8の構造は、図4に示すように、対向して設けられる第1スラスト部81と第2スラスト部82を含み、第2スラスト部82の内側端面には、外気と連通する環状ガスキャビティ83が開けられる。第1スラストディスク11の内側端面と第1スラスト部81の外側端面との隙間S1は、気孔を介して環状ガスキャビティ83と連通し、第2スラストディスク12端の内側端面と第2スラスト部の外側端面との隙間S2は、気孔を介して環状ガスキャビティ83と連通し、第2スラスト部82の内輪側壁とスラスト溝の側壁との間の隙間S3は、気孔を介して環状ガスキャビティ83と連通する。第1前端キャップ32には、第2スラスト部82における吸気ポート(吸気通路)を介して環状ガスキャビティと連通する給気管が設けられる。
【0042】
さらに、第1スラスト部81の外端面と蓋9との間、第2スラスト部82の外端面と第1前端キャップ32との間には、いずれも、ばねダンパ85又はゴムシールダンパ84が設けられ、振動エネルギーを吸収し、ダンパ作用を果たす。
【0043】
第1スラスト部81の内端面と第2スラスト部82内端面との間にはばねダンパ85又はゴムシールダンパ84が設けられ、振動やエネルギーを吸収し、ガスを密閉する作用を果たす。
【0044】
さらに、第1スラスト部81と第2スラスト部82の外端面に空気槽が設けられ、又は/及び、2つのスラストディスクにおける、それぞれ第1スラスト部81と第2スラスト部82の外端面に対向する面に、空気槽が設けられ。
【0045】
本実施例では、空気槽を設けることにより、軸受内の空気の流れを速くすることができ、コンプレッサガスを輸送することができ、また、空気の詰まりや蓄積を防ぐことができる。気源の状況に応じて静圧または動圧モードを柔軟に選択し、柔軟に使用し、スラスト溝の両側のスラストディスクは、高さが低く、加工際の旋削量が小さく、消耗材が少なく、工程が簡単で、質量分布が均一で、回転軸が高い時の安定性がよりよい。
【0046】
本発明の実施例は、上記構造のコンプレッサが用いられる回転子システムをさらに提供する。
【0047】
本発明の実施例は、マイクロガスタービンに高圧気体を供給するための上記構造のコンプレッサが用いられるマイクロガスタービンをさらに提供する。
【0048】
以上の説明は本発明の好ましい実施例及び適用される技術原理の説明に過ぎない。当業者であれば理解されるように、本発明に係る発明の範囲は、上記技術的特徴の特定の組み合わせの技術的解決手段に限定されるものではなく、また、前記発明の構想から逸脱することなく、上記技術的特徴又はその同等の特徴を任意に組み合わせて形成された他の技術的解決手段をカバーすべきである。例えば、上記の特徴は、本発明に開示されたものである(但し、これに限定されるものではない)。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】