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特表2022-544163冷熱電併給型マイクロガスタービン装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】冷熱電併給型マイクロガスタービン装置
(51)【国際特許分類】
   F02C 3/14 20060101AFI20221007BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20221007BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20221007BHJP
   F23R 3/04 20060101ALI20221007BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20221007BHJP
   F01D 25/16 20060101ALI20221007BHJP
   F04D 29/057 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
F02C3/14
F02C6/00 B
F02C6/18 Z
F23R3/04
F01D15/10 A
F01D25/16 C
F01D25/16 B
F04D29/057 Z
F04D29/057 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507681
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 CN2020135899
(87)【国際公開番号】W WO2021129431
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911371430.3
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522048845
【氏名又は名称】永旭▲騰▼▲風▼新能源▲動▼力科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TxEGT AUTOMOTIVE POWERTRAIN TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ジン▼ 普
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC17
3H130BA97E
3H130DB01Z
3H130DB04Z
3H130DB05Z
3H130DB06Z
3H130DD09Z
(57)【要約】
本発明は、マイクロガスタービンを含む冷熱電併給型マイクロガスタービン装置を提供し、前記マイクロガスタービンは、コンプレッサ、タービン及び燃焼室ユニットを含み、前記燃焼室ユニットは、燃焼室、吸気キャビティ、吸気通路及び排気通路を含み、前記吸気キャビティは、一体となる内部吸気キャビティと外部吸気キャビティを含み、前記外部吸気キャビティの排気端が内部吸気キャビティの吸気端と連通し、前記外部吸気キャビティの吸気端が吸気通路と連通し、前記吸気通路がコンプレッサと連通し、前記燃焼室が内部吸気キャビティと外部吸気キャビティとの間に設けられ、燃焼室の排気口が排気通路と連通し、前記コンプレッサのインペラが前記タービンと回転軸を介して同軸接続され、前記タービンの縁が前記排気通路内に入り込む。本発明は、体積が小さく、メンテナンスフリーで、熱交換効率が高いという利点を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷熱電併給型マイクロガスタービン装置であって、
マイクロガスタービンを含み、
前記マイクロガスタービンは、コンプレッサ、タービン及び燃焼室ユニットを含み、
前記燃焼室ユニットは、燃焼室、吸気キャビティ、吸気通路及び排気通路を含み、前記吸気キャビティは、一体となる内部吸気キャビティと外部吸気キャビティを含み、前記外部吸気キャビティの排気端が内部吸気キャビティの吸気端と連通し、前記外部吸気キャビティの吸気端が吸気通路と連通し、前記吸気通路がコンプレッサの排気端と連通し、前記燃焼室が内部吸気キャビティと外部吸気キャビティとの間に設けられ、燃焼室の排気口が排気通路と連通し、
前記コンプレッサのインペラが前記タービンと回転軸を介して同軸接続され、前記タービンの縁が前記排気通路内に入り込み、
前記回転軸が空気軸受内に回転可能に取り付けられる、ことを特徴とする冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項2】
マイクロガスタービン装置は、熱供給装置に接続されて熱供給し、前記熱供給装置は、前記燃焼室ユニットの排気通路の排気端と連通することを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項3】
マイクロガスタービン装置は、冷却装置に接続されて冷却し、前記冷却装置は、前記燃焼室ユニットの排気通路の排気端と連通することを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項4】
マイクロガスタービン装置は、発電装置に接続されて発電し、
前記発電装置は、発電インペラを含み、前記発電インペラは、排気通路内に入り込み、排気ガスにより押されて回転し、回転している前記発電インペラは、発電装置の回転子を回転させて発電させる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項5】
前記発電装置は、発電機であり、
前記発電機は、回転子、固定子、コイル、第1軸受、及び第2軸受を含み、前記回転子は、発電インペラ、第1軸受、固定子、コイル、及び第2軸受を順に貫通し、
前記第1軸受は、ラジアル・スラスト一体式空気軸受であり、回転子に嵌設された径方向部、及びスラストプレートにおけるスラスト部を含み、前記スラストプレートが回転子に固定され、
前記第2軸受は、ラジアル空気軸受である、ことを特徴とする請求項4に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項6】
前記内部吸気キャビティと外部吸気キャビティは、いずれも環状であり、前記外部吸気キャビティの末端の排気端は、周回して内部吸気キャビティの吸気端と連通して燃焼室を囲み、
前記燃焼室の径方向内壁と径方向外壁に気孔が配置され、前記径方向内壁と径方向外壁がそれぞれ燃焼室と、内部吸気キャビティ及び外部吸気キャビティとを仕切りし、
前記排気通路は、環状であり、且つ回転軸の軸線を囲んで設けられ、前記燃焼室の排気口は、排気通路の前部であって、タービンの前側に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項7】
前記タービンは、縁が排気通路に垂直な軸流タービンである、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項8】
前記吸気通路は、前記回転軸を囲んで設けられ、前記吸気キャビティ、燃焼室及び排気通路は、いずれも前記タービンを囲んで設けられ、
前記燃焼室は、燃焼室の排気口に近いほど、直径が小さくなる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項9】
前記コンプレッサは、一体となる吸気筒と後端カバーをさらに含み、前記インペラは、回転軸の前端に外嵌されて固定され、
前記回転軸におけるインペラに近い箇所には、前固定エンドカバーが嵌設され、前記前固定エンドカバーと後端カバーとの間の隙間がコンプレッサの排気通路を形成し、前記排気通路が吸気筒及び燃焼室ユニットの吸気通路と連通し、
前記燃焼室ユニットの吸気通路の内側壁の前端が前固定エンドカバーのエッジに固定され、外側壁が後端カバーのエッジに固定され、
前記回転軸におけるタービンに近い箇所には、後固定エンドカバーが嵌設され、前記燃焼室ユニットの前記後固定エンドカバーに近い接続アムーが後固定エンドカバーに固定して接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項10】
前記タービンの縁と排気通路との間、前記回転軸と前固定エンドカバーとの間、前記回転軸と後固定エンドカバーとの間、前記タービンと後固定エンドカバーとの間には、いずれも、シール部材が設けられて密封される、ことを特徴とする請求項9に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項11】
前記回転軸の中部にスラストプレートが設けられ、前記空気軸受は、前記スラストプレートに嵌設されるスラスト軸受、及び回転軸の両端に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、前記第1軸受本体及び第2軸受本体と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有し、前記第1軸受本体と第2軸受本体の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が各第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、第1軸受本体と第2軸受本体で囲まれて形成されるスラストプレート収容溝の側壁とスラストプレートの側壁との間に予め設けられた第4径方向隙間S4を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、前記空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項12】
前記スラスト軸受は、第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングをさらに含み、前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の外端に取り付けられる端部と、一方のラジアル軸受の外周に密封してカバーされる周方向部とを含み、
前記第2軸受ハウジングは、階段状に配置される円筒状の第1周方向部と第2周方向部を含み、第1周方向部が第1軸受本体と第2軸受本体の外周にカバーされ、第2周方向部が他方のラジアル軸受の外周に密封してカバーされ、
前記第2軸受ハウジングの第1周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジングの端部に固定して接続され、第1軸受ハウジング及び/又は第2軸受ハウジングは、静止部材である、ことを特徴とする請求項11に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項13】
前記回転軸のタービンに近い一方の端にスラストプレートが設けられ、前記空気軸受は、前記スラストプレートに嵌設されるスラスト軸受、及び回転軸のコンプレッサのインペラに近い他方の端に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、第1軸受本体及び第2軸受本体と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有し、第1軸受本体と第2軸受本体の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸24との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、第1軸受本体と第2軸受本体で囲まれて形成されるスラストプレート収容溝の側壁とスラストプレートの側壁との間に予め設けられた第4径方向隙間S4を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、前記空気槽の底部には、貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項14】
前記スラスト軸受は、第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングをさらに含み、前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の一端に取り付けられる端部と、ラジアル軸受の外周に密封してカバーされる周方向部とを含み、
前記第2軸受ハウジングは、第1軸受本体と第2軸受本体の外周にカバーされる周方向部と、第2軸受本体の外端に取り付けられる端部とを含み、
前記第2軸受ハウジング周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジングの端部に固定して接続され、前記第1軸受ハウジング及び/又は第2軸受ハウジングは、静止部材である、ことを特徴とする請求項13に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項15】
前記回転軸の、コンプレッサのインペラに近い一方の端にスラストプレートが設けられ、前記空気軸受は、前記スラストプレートに嵌設されるスラスト軸受、及び回転軸のタービンに近い他方の端に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、第1軸受本体及び第2軸受本体と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間を有し、第1軸受本体と第2軸受本体の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、第1軸受本体と第2軸受本体で囲まれて形成されるスラストプレート収容溝の側壁とスラストプレートの側壁との間に予め設けられた第4径方向隙間S4を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、前記空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項16】
前記スラスト軸受は、第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングをさらに含み、前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の一端に取り付けられる端部を含み、
前記第2軸受ハウジングは、第1軸受本体と第2軸受本体の外周にカバーされる周方向部と、第2軸受本体の外端に取り付けられる端部とを含み、
前記第2軸受ハウジング周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジングの端部に固定して接続され、
前記ラジアル軸受は、その外周に嵌設される、第2軸受ハウジング周方向部に固定して接続されるラジアル軸受ハウジングをさらに含み、
前記第1軸受ハウジング及び/又は第2軸受ハウジングは、静止部材である、ことを特徴とする請求項15に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項17】
前記空気軸受は、前記回転軸の両端に嵌設されるスラスト軸受及び前記回転軸の中部に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、前記第1軸受本体とインペラとの間、第2軸受本体とタービンとの間に、いずれも予め設けられた第1軸方向隙間S1を有し、第1軸受本体と第2軸受本体のラジアル軸受に近い端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間を有し、前記空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項18】
前記空気軸受の外部には、第1軸受ハウジング、第2軸受ハウジング及びラジアル軸受ハウジングを含む一体式の軸受ハウジングがさらに設けられ、
前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の一端に取り付けられる端部を含み、
前記第2軸受ハウジングは、第2軸受本体の一端に取り付けられる端部を含み、
前記ラジアル軸受ハウジングは、回転軸の中部に嵌設され、
前記軸受ハウジングは、静止部材である、ことを特徴とする請求項17に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項19】
前記熱供給装置は、ボイラを含み、
前記ボイラは、前記排気通路に接続され、排気通路から噴出された燃焼生成物により加熱される、ことを特徴とする請求項2に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【請求項20】
前記冷却装置は、臭化リチウム冷却ユニット、アルコール冷却装置又は蒸気冷却装置である、ことを特徴とする請求項3に記載の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン関連の技術分野、具体的には冷熱電併給型マイクロガスタービン装置である。
【背景技術】
【0002】
マイクロガスタービンは、最近発展した小型熱機関であり、シングルマシンの電力範囲が25~300kWであり、基本技術の特徴は、ラジアルインペラ機械及び再生サイクルを用いていることである。マイクロガスタービンは、主にコンプレッサ、燃焼室及びタービンの3つの部品を含む。空気は、コンプレッサに入ると高温高圧の空気に圧縮され、次に燃焼室に供給されて燃料と混合されて燃焼され、それが生じた高温高圧燃料ガスは、タービンにおいて膨張して仕事をする。従来技術のコンパクト燃料ガスタービン装置は、体積が大きく、構造設計がコンパクトではなく、高効率な熱交換効率及び高速下での安定運転を保証するのは難しい。
【0003】
マイクロガスタービンは、分散型発電に適用でき、中心発電所に比べて、発電所が使用者に近く、信頼性が高い。端末使用者にとっては、他の小型発電装置に比べて、より良好な環境保護型発電装置であり、将来の公共事業の基本構成の1つとなり、将来は中心発電所ととともに運転することができる。しかし、存在する問題は、従来の燃料ガス熱供給装置の体積が大きく、占有空間が大きいことである一方、従来の燃料ガス熱供給装置の動作では、ブロワーユニットを用いて吸気する必要があり、常にメンテナンスを行う必要があり、人的資源を浪費し、また、従来の燃料ガス熱供給装置の機能が単一であることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明は、体積が小さく、メンテナンスフリーで、熱交換効率が高く、高速下で円滑に運転できるという利点を有し、端末に応じて、熱供給又は給電又は熱電併給のモードを柔軟的に選択できる冷熱電併給型マイクロガスタービン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は、以下のとおりである。 冷熱電併給型マイクロガスタービン装置であって、マイクロガスタービンを含み、
前記マイクロガスタービンは、コンプレッサ、タービン及び燃焼室ユニットを含み、
前記燃焼室ユニットは、燃焼室、吸気キャビティ、吸気通路及び排気通路を含み、前記吸気キャビティは、一体となる内部吸気キャビティと外部吸気キャビティを含み、前記外部吸気キャビティの排気端が内部吸気キャビティの吸気端と連通し、前記外部吸気キャビティの吸気端が吸気通路と連通し、前記吸気通路がコンプレッサの排気端と連通し、前記燃焼室が内部吸気キャビティと外部吸気キャビティとの間に設けられ、燃焼室の排気口が排気通路と連通し、
前記コンプレッサのインペラが前記タービンと回転軸を介して同軸接続され、前記タービンの縁が前記排気通路内に入り込み、
前記回転軸が空気軸受内に回転可能に取り付けられる。
【0006】
さらに、マイクロガスタービン装置は、熱供給装置に接続されて熱供給し、前記熱供給装置は、前記燃焼室ユニットの排気通路の排気端と連通する。
【0007】
さらに、マイクロガスタービン装置は、冷却装置に接続されて冷却し、前記冷却装置は、前記燃焼室ユニットの排気通路の排気端と連通する。
【0008】
さらに、マイクロガスタービン装置は、発電装置に接続されて発電し、前記発電装置は、発電インペラを含み、前記発電インペラは、排気通路内に入り込み、排気ガスにより押されて回転し、回転している前記発電インペラは、発電装置の回転子を回転させて発電させる。
【0009】
さらに、前記発電装置は、発電機であり、前記発電機は、回転子、固定子、コイル、第1軸受、及び第2軸受を含み、前記回転子は、発電インペラ、第1軸受、固定子、コイル、及び第2軸受を順に貫通し、前記第1軸受は、ラジアル・スラスト一体式空気軸受であり、回転子に嵌設された径方向部、及びスラストプレートにおけるスラスト部を含み、前記スラストプレートが回転子に固定され、前記第2軸受は、ラジアル空気軸受である。
【0010】
さらに、前記内部吸気キャビティと外部吸気キャビティは、いずれも環状であり、前記外部吸気キャビティの末端の排気端は、周回して内部吸気キャビティの吸気端と連通して燃焼室を囲み、
前記燃焼室の径方向内壁と径方向外壁に気孔が配置され、前記径方向内壁と径方向外壁がそれぞれ燃焼室と、内部吸気キャビティ及び外部吸気キャビティとを仕切りし、
前記排気通路は、環状であり、且つ回転軸の軸線を囲んで設けられ、前記燃焼室の排気口は、排気通路の前部であって、タービンの前側に設けられる。
【0011】
さらに、前記タービンは、縁が排気通路に垂直な軸流タービンである。
【0012】
さらに、前記吸気通路は、前記回転軸を囲んで設けられ、前記吸気キャビティ、燃焼室及び排気通路は、いずれも前記タービンを囲んで設けられ、
前記燃焼室は、燃焼室の排気口に近いほど、直径が小さくなる。
【0013】
さらに、前記コンプレッサは、一体となる吸気筒と後端カバーをさらに含み、前記インペラは、回転軸の前端に外嵌されて固定され、前記回転軸におけるインペラに近い箇所には、前固定エンドカバーが嵌設され、前記前固定エンドカバーと後端カバーとの間の隙間がコンプレッサの排気通路を形成し、前記排気通路が吸気筒及び燃焼室ユニットの吸気通路と連通し、
前記燃焼室ユニットの吸気通路の内側壁の前端が前固定エンドカバーのエッジに固定され、外側壁が後端カバーのエッジに固定され、
前記回転軸における、タービンに近い箇所には、後固定エンドカバーが嵌設され、前記燃焼室ユニットの前記後固定エンドカバーに近い接続アムーが後固定エンドカバーに固定して接続される。
【0014】
さらに、前記タービンの縁と排気通路との間、前記回転軸と前固定エンドカバーとの間、前記回転軸と後固定エンドカバーとの間、前記タービンと後固定エンドカバーとの間には、いずれも、シール部材が設けられて密封される。
【0015】
さらに、前記回転軸の中部にスラストプレートが設けられ、前記空気軸受は、前記スラストプレートに嵌設されるスラスト軸受、及び回転軸の両端に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、前記第1軸受本体及び第2軸受本体と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有し、前記第1軸受本体と第2軸受本体の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が各第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、第1軸受本体と第2軸受本体で囲まれて形成されるスラストプレート収容溝の側壁とスラストプレートの側壁との間に予め設けられた第4径方向隙間S4を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、前記空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0016】
さらに、前記スラスト軸受は、第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングをさらに含み、前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の外端に取り付けられる端部と、一方のラジアル軸受の外周に密封してカバーされる周方向部とを含み、
前記第2軸受ハウジングは、階段状に配置される円筒状の第1周方向部と第2周方向部を含み、第1周方向部が第1軸受本体と第2軸受本体の外周にカバーされ、第2周方向部が他方のラジアル軸受の外周に密封してカバーされ、
前記第2軸受ハウジングの第1周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジングの端部に固定して接続され、第1軸受ハウジング及び/又は第2軸受ハウジングは、静止部材である。
【0017】
さらに、前記回転軸のタービンに近い一方の端にスラストプレートが設けられ、前記空気軸受は、前記スラストプレートに嵌設されるスラスト軸受、及び回転軸のコンプレッサのインペラに近い他方の端に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、第1軸受本体及び第2軸受本体と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有し、第1軸受本体と第2軸受本体の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸24との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、第1軸受本体と第2軸受本体で囲まれて形成されるスラストプレート収容溝の側壁とスラストプレートの側壁との間に予め設けられた第4径方向隙間S4を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、前記空気槽の底部には、貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0018】
さらに、前記スラスト軸受は、第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングをさらに含み、前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の一端に取り付けられる端部と、ラジアル軸受の外周に密封してカバーされる周方向部とを含み、
前記第2軸受ハウジングは、第1軸受本体と第2軸受本体の外周にカバーされる周方向部と、第2軸受本体の外端に取り付けられる端部とを含み、
前記第2軸受ハウジング周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジングの端部に固定して接続され、前記第1軸受ハウジング及び/又は第2軸受ハウジングは、静止部材である。
【0019】
さらに、前記回転軸の、コンプレッサのインペラに近い一方の端にスラストプレートが設けられ、前記空気軸受は、前記スラストプレートに嵌設されるスラスト軸受、及び回転軸のタービンに近い他方の端に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、第1軸受本体及び第2軸受本体と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間を有し、第1軸受本体と第2軸受本体の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、第1軸受本体と第2軸受本体で囲まれて形成されるスラストプレート収容溝の側壁とスラストプレートの側壁との間に予め設けられた第4径方向隙間S4を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、前記空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0020】
さらに、前記スラスト軸受は、第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングをさらに含み、前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の一端に取り付けられる端部を含み、
前記第2軸受ハウジングは、第1軸受本体と第2軸受本体の外周にカバーされる周方向部と、第2軸受本体の外端に取り付けられる端部とを含み、
前記第2軸受ハウジング周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジングの端部に固定して接続され、
前記ラジアル軸受は、その外周に嵌設される、第2軸受ハウジング周方向部に固定して接続されるラジアル軸受ハウジングをさらに含み、
前記第1軸受ハウジング及び/又は第2軸受ハウジングは、静止部材である。
【0021】
さらに、前記空気軸受は、前記回転軸の両端に嵌設されるスラスト軸受及び前記回転軸の中部に嵌設されるラジアル軸受を含み、
前記スラスト軸受は、第1軸受本体と第2軸受本体を含み、前記第1軸受本体とインペラとの間、第2軸受本体とタービンとの間に、いずれも予め設けられた第1軸方向隙間S1を有し、第1軸受本体と第2軸受本体のラジアル軸受に近い端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が第1空気槽及び第2空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体及び第2軸受本体の内輪と回転軸との間に予め設けられた第3径方向隙間S3を有し、
前記ラジアル軸受の外壁に空気槽が設けられ、前記ラジアル軸受の内壁と回転軸との間に予め設けられた第2径方向隙間を有し、前記空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0022】
さらに、前記空気軸受の外部には、第1軸受ハウジング、第2軸受ハウジング及びラジアル軸受ハウジングを含む一体式の軸受ハウジングがさらに設けられ、
前記第1軸受ハウジングは、第1軸受本体の一端に取り付けられる端部を含み、
前記第2軸受ハウジングは、第2軸受本体の一端に取り付けられる端部を含み、
前記ラジアル軸受ハウジングは、回転軸の中部に嵌設され、
前記軸受ハウジングは、静止部材である。
【0023】
さらに、前記熱供給装置は、ボイラを含み、
前記ボイラは、前記排気通路に接続され、排気通路から噴出された燃焼生成物により加熱される。
【0024】
さらに、前記冷却装置は、臭化リチウム冷却ユニット、アルコール冷却装置又は蒸気冷却装置である。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、従来技術に比べて、以下の有益な効果を有する。
1、本発明に係る熱供給装置は、小体積、メンテナンスフリーの利点を有し、熱供給端末に応じて、熱供給又は給電又は熱電併給のモードを柔軟的に選択でき、また、本発明は、構造がコンパクトであり、軸長が最小化され、燃焼室に供給された燃料ガスの圧力が回転子ユニットの回転速度と関係せずに、自動的に空気の圧力と一致するようになることを確保できる。
2、本発明の燃焼室の構造配置では、吸気キャビティは、燃焼室巻回する「C」字状を呈し、環状内部吸気キャビティと環状外部吸気キャビティとは、周回して接続され、吸気ルートが延長される。燃焼室内の高温のため、熱交換により吸気キャビティの各部分のガスを予め加熱でき、反応効率を向上させ、一方、燃焼室壁の各方向に吸気でき、燃焼反応がより十分になり、燃焼室の出口がタービンの前側に設けられ、回転軸の軸長が短く、回転子の回転がより円滑になり、且つ全体体積が小さい。
3、本発明のガスタービン回転子システムの構造設計により、ガスタービンが高速下での円滑運転を確保できる。
4、本発明で設計された熱供給装置は、100kWの熱供給実験条件において、安定運転を実現でき、ノイズ及び汚染物がいずれも排出要求を満たす。
5、本発明のマイクロガスタービンは、さらに、冷却に用いることができ、夏又は熱い地区で、温度低減に用いることができる。該冷却装置は、直接冷気を吹くことができるほか、媒体(例えば、床冷却、又は、従来の暖気パイプに注入される冷水)により周りの温度を低減させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例1の構造模式図である。
図2】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例2の構造模式図である。
図3】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例3の構造模式図である。
図4】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例4の構造模式図である。
図5】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例5の構造模式図である。
図6】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例6の構造模式図である。
図7】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例7の構造模式図である。
図8】本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の実施例8の構造模式図である。
図9】ボイラが熱供給する冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の構造模式図である。
図10】ヒーターが熱供給する冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の構造模式図である。
図11】ヒーター・ボイラの組み合わせにより熱供給する冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の構造模式図である。
図12】ヒーター又は熱電併給方式を用いて熱供給するときのモーター回転子の構造模式図1である。
図13】ヒーター又は熱電併給方式を用いて熱供給するときのモーター回転子の構造模式図2である。
図14】ヒーター又は熱電併給方式を用いて熱供給するときのモーター回転子の構造模式図3である。
図15】ヒーター又は熱電併給方式を用いて熱供給するときのモーター回転子の構造模式図4である。
図16】ヒーター又は熱電併給方式を用いて熱供給するときのモーター回転子の構造模式図5である。
図17】ヒーター又は熱電併給方式を用いて熱供給するときのモーター回転子の構造模式図6である。
図18】冷熱電併給装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下では具体的な実施形態、明細書の図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0028】
本発明に係る冷熱電併給型マイクロガスタービン装置は、主にマイクロガスタービン2及び熱供給装置を含む。
【0029】
図1~8に示すように、本発明の実施例に係る冷熱電併給型マイクロガスタービン装置構造である。主に、コンプレッサ20、タービン21、及び燃焼室ユニットを含む。そのワークフローは、以下のとおりである。先ずガスは、コンプレッサ20に入り、コンプレッサ20により増圧された後に燃焼室ユニットの燃焼室231内に入って燃焼され、熱い燃焼生成物すなわち高温ガスは、燃焼室231の出口から噴出され、熱供給装置に熱源を供給することができ、同時に、高温ガスは、タービン21を押して回転させ、タービン21に回転軸24を介して同軸接続されるコンプレッサ20を回転させ、このように設けることにより、コンプレッサ20の運転に、他の装置による駆動が不要となり、装置の運転コストを効果的に低減することができる。
【0030】
具体的には、燃焼室ユニットは、燃焼室231、吸気キャビティ232、吸気通路234、及び排気通路235を含み、
吸気キャビティ232は、燃焼室231を囲むように設けられており、吸気キャビティ232は、一体となる環状内部吸気キャビティ2321と環状外部吸気キャビティ2322を含み、外部吸気キャビティ2322の末端の排気端は、周回して内部吸気キャビティ2321の吸気端と連通し、燃焼室231を囲み、吸気キャビティ232の吸気端は、吸気通路234に接続され、吸気通路234は、コンプレッサ20からのガスを受け、
燃焼室231は環状であり、内部吸気キャビティ2321と外部吸気キャビティ2322との間に配置され、内部吸気キャビティ2321と外部吸気キャビティ2322は、それぞれ燃焼室231の径方向の内側と径方向の外側に配置される。燃焼室の排気口2311は、排気通路235の前部と連通し、排気通路235は、環状であり、ガスタービン2の径方向に沿って回転軸24の軸線を囲んで設けられ、燃焼室の排気口2311は、排気通路235の前部であって、タービン21の前側に設けられ、
燃焼室231の径方向内壁2312と径方向外壁2313には、外部吸気キャビティ2322と内部吸気キャビティ2321のガスが燃焼室231内に入るための気孔が配置され、径方向内壁2312と径方向外壁2313は、それぞれ燃焼室231と、内部吸気キャビティ2321及び外部吸気キャビティ2322とを仕切りする。
【0031】
好ましくは、燃焼室ユニットの全体強度を向上させるために、燃焼室231、吸気キャビティ232、排気通路235、吸気通路234の各壁の間に、支持リブ27を追加することができる。
【0032】
好ましくは、燃焼室231の各部分は、ステンレス鋼などの耐高温材料で製造される。
【0033】
本発明のコンプレッサ20のインペラ201とタービン21が同軸接続されて回転軸24に取り付けられ、タービン21の縁がその回転軸24を囲む排気通路235内に入り込む。このようにして、排気通路235から噴出された熱い燃焼生成物は、タービン21を押して高速に回転させることができ、さらにタービン21を介してコンプレッサを回転させる。
【0034】
好ましくは、タービン21の縁が排気通路235に垂直であり、該タービン21が軸流タービンである。
【0035】
好ましくは、燃焼室ユニットの吸気通路234は、回転軸24の外を囲んで設けられ、吸気通路234の末端の吸気キャビティ232、燃焼室231及び排気通路235は、いずれも、タービン21を囲んで設けられ、タービン21から延出する。タービン21の縁は、排気通路235内に入り込み、排気ガスに向かって設けられ、燃焼室231は、排気端に近いほど、直径が小さくなる。
【0036】
好ましくは、コンプレッサ20は、一体となる吸気筒202と後端カバー203をさらに含み、インペラ201は、回転軸24の前端に嵌設されて固定され、
回転軸24における、インペラ201に近い箇所には、前固定エンドカバー25が嵌設され、前固定エンドカバー25と後端カバー203との間の隙間がコンプレッサ排気通路204を形成する。燃焼室231の吸気通路234は、前端が前固定エンドカバー25のエッジに固定される内側壁と、コンプレッサ20の後端カバー203のエッジに固定される外側壁とを含み、
回転軸24における、タービン21に近い箇所には、後固定エンドカバー26が嵌設され、燃焼室ユニット23における後固定エンドカバー26に近い壁は、後固定エンドカバー26に固定される。該構造配置により、コンプレッサ20と燃焼室ユニットの構造がコンパクトになり、占有空間が小さくなる。
【0037】
好ましくは、タービン21の縁と排気通路235との間、回転軸24と前固定エンドカバー25との間、回転軸24と後固定エンドカバー26との間、タービン21と後固定エンドカバー26との間には、いずれも、シール部材が設けられて密封されることにより、密封性能が確保される。
【0038】
本発明の上記マイクロガスタービンは、構造がコンパクトであり、軸長が最小化され、燃焼室231に供給された燃料ガスの圧力が回転子ユニットの回転速度と関係せずに、自動的に空気の圧力と一致するようになることを確保できる。また、吸気キャビティ232は、燃焼室231を巻回する「C」字状を呈し、環状内部吸気キャビティ2321と環状外部吸気キャビティ2322とは、周回して接続され、吸気ルートが延長される。燃焼室231内の高温のため、熱交換により吸気キャビティ232の各部分のガスを予め加熱でき、反応効率を向上させ、一方、燃焼室231壁の各方向に吸気でき、燃焼反応がより十分になり、燃焼室の排気口2311がタービン21の前側に設けられ、回転軸24の軸長が短く、回転子の回転がより円滑になり、且つ全体体積が小さい。
【0039】
本発明の実施例は、マイクロガスタービン回転軸24用の複数種の支持構造をさらに提供する。その具体的な構造は、以下の実施例1~実施例8に記載される。
【0040】
(実施例1)
本実施例は、図1を参照し、マイクロガスタービン2の回転軸24の中部にスラストプレートが設けられ、スラストプレートにスラスト軸受241が嵌設され、前記回転軸24の両端にそれぞれラジアル軸受242が嵌設される。
【0041】
スラスト軸受241は、回転軸24に取り付けられ、対称的に設けられる第1軸受本体2411と第2軸受本体2412を含み、第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有する。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が各々の空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させ、第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412の内輪と、回転軸24との間に第3径方向隙間S3が予め設けられる。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412で囲まれたスラストプレート収容溝244の側壁とスラストプレートの側壁との間に第4径方向隙間S4が設けられる。
【0042】
ラジアル軸受242は、回転軸24に取り付けられ、外壁に空気槽が設けられ、ラジアル軸受242の内壁と回転軸24との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0043】
マイクロガスタービン2内に吸気管243が設けられ、それぞれ各空気槽に吸気し、空気注入孔に沿ってそれぞれ第1軸方向隙間S1、第2径方向隙間S2内に入ってガス膜を形成する。
【0044】
好ましくは、本実施例のスラスト軸受241は、第1軸受ハウジング281及び第2軸受ハウジング282をさらに含み、第1軸受ハウジング281は、第1軸受本体2411の外端に取り付けられる端部と、一方のラジアル軸受242の外周に密封してカバーされる周方向部とを含む。第2軸受ハウジング282は、階段状に配置される円筒状の第1周方向部と第2周方向部を含み、第1周方向部が第1軸受本体2411と第2軸受本体2412の外周にカバーされ、第2周方向部が他方のラジアル軸受242の外周に密封してカバーされる。第2軸受ハウジング282の第1周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジング281の端部に固定される。第1軸受ハウジング281及び/又は第2軸受ハウジング282は、静止部材である。
【0045】
第1軸受ハウジング281又は/及び第2軸受ハウジング282に減圧孔が開設される。
【0046】
具体的には、本実施例のスラスト軸受241とラジアル軸受242は、いずれも空気軸受であり、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれであってもよい。
【0047】
(実施例2)
本実施例は、図2を参照し、実施例1に基づいて、スラスト軸受241の軸表面に近い部分とラジアル軸受242のスラストプレート端面に近い部分とが一体に接続され、第3径方向隙間S3は、テーパ隙間であり、且つラジアル軸受242の方向に向かって縮小される。
【0048】
(実施例3)
本実施例は、図3を参照し、マイクロガスタービン2の回転軸24の、タービン21に近い一方の端にスラストプレートが設けられ、スラストプレートにスラスト軸受241が嵌設され、前記回転軸24の、コンプレッサ20のインペラ201に近い他方の端にラジアル軸受242が嵌設される。
【0049】
スラスト軸受241は、回転軸24に取り付けられ、第1軸受本体2411と第2軸受本体2412を含み、第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有する。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が各々の空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させる。第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412の内輪と、回転軸24との間に第3径方向隙間S3が予め設けられる。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412で囲まれたスラストプレート収容溝244の側壁とスラストプレートの側壁との間に第4径方向隙間S4が設けられる。
【0050】
ラジアル軸受242は、回転軸24に取り付けられ、外壁に空気槽が設けられ、ラジアル軸受242の内壁と回転軸24との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0051】
マイクロガスタービン2内に吸気管243が設けられ、それぞれ各空気槽に吸気し、空気注入孔に沿ってそれぞれ第1軸方向隙間S1、第2径方向隙間S2内に入ってガス膜を形成する。
【0052】
好ましくは、本実施例のスラスト軸受241は、第1軸受ハウジング281及び第2軸受ハウジング282をさらに含み、第1軸受ハウジング281は、第1軸受本体2411の一端に取り付けられる端部と、ラジアル軸受242の外周に密封してカバーされる周方向部を含み、第2軸受ハウジング282は、第1軸受本体2411と第2軸受本体2412の外周にカバーされる周方向部と、第2軸受本体2412の外端に取り付けられる端部とを含み、第2軸受ハウジング282の周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジング281の端部に固定される。第1軸受ハウジング281及び/又は第2軸受ハウジング282は、静止部材である。
【0053】
第1軸受ハウジング281又は/及び第2軸受ハウジング282に減圧孔が開設される。
【0054】
具体的には、本実施例のスラスト軸受241とラジアル軸受242は、いずれも空気軸受であり、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれであってもよい。
【0055】
(実施例4)
本実施例は、図4を参照し、実施例3に基づいて、スラスト軸受241の軸表面に近い部分とラジアル軸受242のスラストプレート端面に近い部分とが一体に接続され、第3径方向隙間S3は、テーパ隙間であり、且つラジアル軸受242の方向に向かって縮小される。
【0056】
(実施例5)
本実施例は、図5を参照し、マイクロガスタービン2の回転軸24の、コンプレッサ20のインペラ201に近い一方の端にスラストプレートが設けられ、スラストプレートにスラスト軸受241が嵌設され、前記回転軸24のタービン21に近い他方の端にラジアル軸受242が設けられる。
【0057】
スラスト軸受241は、回転軸24に取り付けられ、第1軸受本体2411と第2軸受本体2412を含み、第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412と、スラストプレートとは、軸方向に対称的に取り付けられ、且つ予め設けられた第1軸方向隙間S1を有する。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412の外端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が各々の空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させる。第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412の内輪と、回転軸24との間に第3径方向隙間S3が予め設けられる。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412で囲まれたスラストプレート収容溝244の側壁とスラストプレートの側壁との間に第4径方向隙間S4が設けられる。
【0058】
ラジアル軸受242は、回転軸24に取り付けられ、外壁に空気槽が設けられ、ラジアル軸受242の内壁と回転軸24との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0059】
マイクロガスタービン2内に吸気管243が設けられ、それぞれ各空気槽に吸気し、空気注入孔に沿ってそれぞれ第1軸方向隙間S1、第2径方向隙間S2内に入ってガス膜を形成する。
【0060】
好ましくは、本実施例のスラスト軸受241は、第1軸受ハウジング281及び第2軸受ハウジング282をさらに含み、第1軸受ハウジング281は、第1軸受本体2411の一端に取り付けられる端部を含み、第2軸受ハウジング282は、第1軸受本体2411と第2軸受本体2412の外周にカバーされる周方向部と、第2軸受本体2412の外端に取り付けられる端部とを含み、第2軸受ハウジング282の周方向部は、軸方向に第1軸受ハウジング281の端部に固定される。ラジアル軸受242は、その外周に嵌設される、第2軸受ハウジング282の周方向部に固定されるラジアル軸受ハウジングをさらに含み、第1軸受ハウジング281及び/又は第2軸受ハウジング282は、静止部材である。
【0061】
第1軸受ハウジング281又は/及び第2軸受ハウジング282に減圧孔が開設される。
【0062】
具体的には、本実施例のスラスト軸受241とラジアル軸受242は、いずれも空気軸受であり、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれであってもよい。
【0063】
(実施例6)
本実施例は、図6を参照し、実施例5に基づいて、スラスト軸受241の軸表面に近い部分とラジアル軸受242のスラストプレート端面に近い部分とが一体に接続され、第3径方向隙間S3は、テーパ隙間であり、且つラジアル軸受242の方向に向かって縮小される。
【0064】
(実施例7)
本実施例は、図7を参照し、回転軸24にスラストプレートが設けられず、回転軸24の両端にスラスト軸受241が嵌設され、中部にラジアル軸受242が嵌設される。
【0065】
スラスト軸受241は、第1軸受本体2411と第2軸受本体2412を含み、第1軸受本体2411とインペラ201との間、第2軸受本体2412とタービン21との間は、いずれも予め設けられた第1軸方向隙間S1を有する。第1軸受本体2411と第2軸受本体2412のラジアル軸受242に近い端壁にそれぞれ第1空気槽と第2空気槽が設けられ、第1空気槽及び第2空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が各々の空気槽と、対応する第1軸方向隙間S1とを連通させる。第1軸受本体2411及び第2軸受本体2412の内輪と回転軸24との間に第3径方向隙間S3が残される。
【0066】
ラジアル軸受242は、回転軸24に取り付けられ、外壁に空気槽が設けられ、ラジアル軸受242の内壁と回転軸24との間に予め設けられた第2径方向隙間S2を有し、空気槽の底部には貫通する気孔が設けられ、該気孔が空気槽と第2径方向隙間S2とを連通させる。
【0067】
マイクロガスタービン2内に吸気管243が設けられ、それぞれ各空気槽に吸気し、空気注入孔に沿ってそれぞれ第1軸方向隙間S1、第2径方向隙間S2内に入ってガス膜を形成する。
【0068】
好ましくは、本実施例の軸受の外部に軸受ハウジングがさらに設けられ、軸受ハウジングは、一体式であり、第1軸受ハウジング281、第2軸受ハウジング282、及びラジアル軸受ハウジングを含み、第1軸受ハウジング281は、第1軸受本体2411の一端に取り付けられる端部を含み、第2軸受ハウジング282は、第2軸受本体2412の一端に取り付けられる端部を含み、ラジアル軸受ハウジングは、回転軸24の中部に嵌設され、軸受ハウジングは、静止部材である。
【0069】
軸受ハウジングに減圧孔が開設される。
【0070】
具体的には、本実施例のスラスト軸受241とラジアル軸受242は、いずれも空気軸受であり、静圧ガス軸受、動圧ガス軸受又は動静圧ハイブリッドガス軸受のいずれであってもよい。
【0071】
(実施例8)
本実施例は、図8を参照し、実施例7に基づいて、スラスト軸受241の軸表面に近い部分とラジアル軸受242の端面部分とが一体に接続され、第3径方向隙間S3は、テーパ隙間であり、且つラジアル軸受242の方向に向かって縮小される。
【0072】
本発明の上記実施例構造では、スラスト軸受とラジアル軸受の合理的な配置により、マイクロガスタービン2の高速での安定した運転を保証することができる。
【0073】
本発明のマイクロガスタービン2は、熱供給装置に接続されて熱供給することができ、マイクロガスタービン2を介して熱供給装置に必要なエネルギーを供給し、熱供給装置は、ボイラ3又は/及びヒーター4である。
【0074】
本発明に係る一実施例では、熱供給装置は、ボイラ3である。図9のボイラが熱供給する冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の構造模式図を参照すると、先ずガスはコンプレッサ20に入り、コンプレッサ20により増圧された後に燃焼室ユニットの燃焼室231内に入って燃焼され、熱い燃焼生成物は燃焼室231の出口から噴出され、同時に、高温ガスはタービン21を押して回転させ、タービン21に回転軸24を介して同軸接続されるコンプレッサ20を回転させ、燃焼室231の出口から噴出された熱い燃焼生成物は、ボイラ3に熱源を供給し、ボイラ水を加熱することができ、それにより、熱供給の目的を実現する。
【0075】
本発明に係る他の実施例では、本発明のマイクロガスタービン2は、発電装置に接続されて発電し、ヒーター4を発電装置に接続して加熱熱供給を実現することができる。前記発電装置は、発電機22であり、前記発電機22は、回転子、固定子、コイル、第1軸受、及び第2軸受を含み、前記回転子は、順に発電インペラ、第1軸受、固定子、コイル、及び第2軸受を貫通し、前記第1軸受は、ラジアル・スラスト一体式空気軸受であり、回転子に嵌設された径方向部とスラストプレートにおけるスラスト部を含み、前記スラストプレートが回転子に固定され、前記第2軸受がラジアル空気軸受である。図10のヒーターが熱供給する冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の構造模式図を参照すると、先ずガスはコンプレッサ20に入り、コンプレッサ20により増圧された後に燃焼室ユニット23の燃焼室231内に入って燃焼され、熱い燃焼生成物は燃焼室231の出口から噴出される。排気通路235内であって、タービン21の後側には、発電機22の発電インペラがさらに設けられ、このとき、高温ガスは、タービン21を押して回転させ、タービン21に回転軸24を介して同軸接続されるコンプレッサ20を回転させることができるとともに、発電インペラを押して回転させることにより、発電インペラが仕事をして発電することができ、ヒーター4に電源を提供し、ヒーター4が発熱し、それにより、熱供給の目的を実現し、余分の高温ガスが排気通路235から排出される。
【0076】
さらに、図18を参照すると、余分の高温ガスは、排気通路235から排出され、さらに臭化リチウム冷却ユニット、アルコール冷却装置又は蒸気冷却装置などの冷却装置5に回収されて冷却することができる。冷却するとき、いずれも、冷媒が相変して吸熱して冷却し、臭化リチウム冷却ユニット、アルコール冷却装置又は蒸気冷却装置は、いずれも従来技術での冷却装置であるため、本発明では、それらの具体的な動作プロセスについては詳しく説明しない。
【0077】
本発明に係る他の実施例では、熱供給装置は、ボイラ3、発電機22、及びヒーター4である。図11のヒーター・ボイラの組み合わせにより熱供給する冷熱電併給型マイクロガスタービン装置の構造模式図を参照すると、先ずガスはコンプレッサ20に入り、コンプレッサ20により増圧された後に燃焼室ユニット23の燃焼室231内に入って燃焼され、熱い燃焼生成物は燃焼室231の出口から噴出される。排気通路235内であって、タービン21の後側には、発電機22の発電インペラがさらに設けられ、このとき、高温ガスは、タービン21を押して回転させ、タービン21に回転軸24を介して同軸接続されるコンプレッサ20を回転させることができるとともに、発電インペラを押して回転させることができ、それにより、仕事をして発電し、ヒーター4に電源を提供し、ヒーター4が発熱することにより、熱供給の目的を実現し、余分の高温ガスは、排気通路235からボイラに排出され、ボイラ3に熱源を提供し、ボイラ水を加熱し、それにより、熱供給の目的を実現し、ヒーター・ボイラ組み合わせにより熱供給する作用を果たす。
【0078】
本発明で設計される熱供給装置は、100kWの熱供給実験条件において、安定に運転することを実現できる。実測された実験室操作室のノイズが70dbであり、実測されたNOx排出が10ppmであり、発電所の排出基準の1/5であり、ボイラの排出基準の1/10であり、実測されたHC排出が0であり、燃焼効率が約99.8%である。同時に実験結果によれば、本発明の冷熱電併給型マイクロガスタービン装置は、燃焼効率が非常に高く、ノイズ排出が基準に達し、汚染物排出が基準に達し、業界内の他の熱供給システムの排出基準要求をはるかに上回っていることが示されている。
【0079】
本発明の実施例は、発電機回転子システムの関連構造をさらに提供する。
【0080】
本発明に係る一実施例では、
発電機22の回転子システムは、発電インペラ222を取り付けるためのタービンシャフト、及びモーター本体221を取り付けるためのモーター軸を含み、インペラ軸とモーター軸とが継手を介して接続され、発電インペラ222と継手との間に第1軸受223、第2軸受224が設けられ、モーター軸とモーター本体221とが第3軸受225、第4軸受226を介して回転接続される。
【0081】
発電インペラ222は、長い軸間隔を有し、且つ発電インペラ222とモーター軸とが継手を介して接続され、このようにすることにより、発電インペラ222端の熱量を遮断でき、発電インペラ222端における大きい軸方向推力を受けることができ、また、発電インペラ222端の煙道空間を設けやすい。軸構造は、1本の一体軸を介して発電インペラ222とモーター本体221とを接続することに比べて、より高い安定性を有し、また、該接続方式により、軸受部品の交換と修理が容易になる。
【0082】
本実施例の構造では、第1ケーシングと第2ケーシングが設けられてもよく、第1ケーシングと第2ケーシングとが継手を介して接続され、第1軸受223、第2軸受224、発電インペラ222が第1ケーシング内に設けられ、モーター本体221、第3軸受225及び第4軸受226が第2ケーシング内に設けられる。
【0083】
本実施例に係る具体的な構造では、図12に示すように、発電機22の回転子システムは、順に設けられるスラスト軸受、第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受及び第3ラジアル軸受を含み、スラスト軸受は、発電インペラ222と継手との間における、発電インペラ222に近い位置に設けられ、第1ラジアル軸受は、発電インペラ222と継手との間における、継手に近い位置に設けられ、第2ラジアル軸受は、モーター本体221の発電インペラ222に近い一側に設けられ、第3ラジアル軸受は、モーター本体221の発電インペラ222から離れる他側に設けられる。
【0084】
本実施例に係る他の具体的な構造では、図13に示すように、発電機22の回転子システムは、順に設けられる第1ラジアル軸受、スラスト軸受、第2ラジアル軸受及び第3ラジアル軸受を含み、第1ラジアル軸受は、発電インペラ222と継手との間における、発電インペラ222に近い位置に設けられ、スラスト軸受は、発電インペラ222と継手との間における、継手に近い位置に設けられ、第2ラジアル軸受は、モーター本体221の発電インペラ222に近い一側に設けられ、第3ラジアル軸受は、モーター本体221の発電インペラ222から離れる他側に設けられる。
【0085】
また、本実施例では、さらに、第3、第4軸受がスラスト軸受として設けられ、対応する軸受種類が設けられてもよく、ここで繰り返し説明しない。
【0086】
さらに、スラスト軸受は、ガス磁気ハイブリッドスラスト軸受又は空気スラスト軸受又は磁気軸受を用い、第1ラジアル軸受は、ガス動静圧ハイブリッドラジアル軸受又はガス磁気ハイブリッドラジアル軸受を用い、第2ラジアル軸受と第3ラジアル軸受は、いずれもガス動静圧ハイブリッドラジアル軸受又はガス磁気ハイブリッドラジアル軸受又はボール軸受を用いてもよい。
【0087】
発電インペラ222が排気通路235内に設けられるため、インペラ軸に非接触軸受を設ける必要があり、排気通路235内の熱量を効果的に遮断し、熱量がモーター軸に伝導されるためモーターが破損されることを防止し、ガスタービン発電システムの信頼性と安全性を向上させ、インペラ軸とモーター軸がそれぞれ動力を伝達し、継手を介して接続されることにより、発電機22の着脱とメンテナンスを容易にするとともに、各軸の負荷力を効果的に分解し、軸間隔が長すぎることに起因する回転軸変形を防止することができる。
【0088】
上記構造の好適なものとして、スラスト軸受と第1ラジアル軸受は、径方向の支持作用を有するとともに、軸方向の支持作用も有する一体式軸受として設けられてもよい。
【0089】
本実施例に係る他の具体的な構造では、図14に示すように、発電機22の回転子システムは、順に設けられる第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受、第3ラジアル軸受及び第4ラジアル軸受を含み、第1ラジアル軸受は、発電インペラ222と継手との間における、発電インペラ222に近い側に設けられ、第2ラジアル軸受は、発電インペラ222と継手との間における、継手に近い位置に設けられ、第3ラジアル軸受は、モーター本体221の発電インペラ222に近い一側に設けられ、第4ラジアル軸受は、モーター本体221の発電インペラ222から離れる他側に設けられる。
【0090】
さらに、第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受は、ボール軸受又は空気軸受を用い、第3ラジアル軸受と第4ラジアル軸受は、いずれもガス動静圧ハイブリッドラジアル軸受又はガス磁気ハイブリッドラジアル軸受又はボール軸受、第1ラジアル軸受を用い、第2ラジアル軸受は、ボール軸受を用いることにより、軸方向力を相殺できるとともに、ラジアル軸受とスラスト軸受の作用を果たすことができ、
また、本構造では、さらに第3、第4軸受がスラスト軸受として設けられ、対応する軸受種類が設けられてもよく、ここで繰り返し説明しない。
【0091】
本発明に係る他の実施例では、
発電機22の回転子システムは、モーター回転軸を含み、モーター回転軸は、一体式回転軸であり、モーター回転軸に発電インペラ222とモーター本体221が設けられ、発電インペラ222とモーター本体221との間に第1軸受223、第2軸受224が設けられ、モーター本体221の発電インペラ222から離れる側に第3軸受225が設けられる。
【0092】
本実施例に係る他の具体的な構造では、図15に示すように、発電機22の回転子システムは、順にモーター回転軸に設けられるスラスト軸受、第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受を含む。
【0093】
本実施例に係る他の具体的な構造では、図16を参照すると、回転子システムは、順にモーター回転軸に設けられる第1ラジアル軸受、スラスト軸受、第2ラジアル軸受を含む。
【0094】
好ましくは、スラスト軸受、第1ラジアル軸受は、非接触式軸受であり、第2ラジアル軸受は、非接触式軸受又は接触式軸受である。
【0095】
さらに、スラスト軸受は、ガス磁気ハイブリッドスラスト軸受又は空気スラスト軸受又は磁気軸受を用い、第1ラジアル軸受は、ガス動静圧ハイブリッドラジアル軸受又はガス磁気ハイブリッドラジアル軸受を用い、第2ラジアル軸受は、ガス動静圧ハイブリッドラジアル軸受又はガス磁気ハイブリッドラジアル軸受又はボール軸受を用いてもよい。
【0096】
本実施例に係る他の具体的な構造では、図17を参照すると、発電機22の回転子システムは、順にモーター回転軸に設けられる第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受、第3ラジアル軸受を含む。
【0097】
さらに、第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受は、ボール軸受又は空気軸受を用い、第3ラジアル軸受は、ガス動静圧ハイブリッドラジアル軸受又はガス磁気ハイブリッドラジアル軸受又はボール軸受を用い、第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受は、ボール軸受を用いることにより軸方向力を相殺できるとともに、ラジアル軸受とスラスト軸受の作用を果たすことができる。
【0098】
本実施例の回転子システムでは、発電インペラ222は、回転数が低く、回転軸の径方向負荷、軸方向推力が通常の一体式高速マイクロガスタービンに比べていずれも大幅に減少し、回転軸の強度要求も低減し、従って、一体式回転軸を用いて発電インペラ222とモーター本体221とを接続でき、部品の数を減少させ、設計信頼性を向上させる。
【0099】
以上の説明は本願の好ましい実施例及び適用される技術原理についての説明に過ぎない。当業者であれば理解されるように、本願に係る発明の範囲は、上記技術的特徴の特定の組み合わせにより形成される技術的解決手段に限定されるものではなく、また、前記発明の構想から逸脱することなく、上記技術的特徴又はその同等の特徴を任意に組み合わせて形成された他の技術的解決手段をカバーすべきである。例えば、上述した特徴は、本願において開示されているもの(但し、これに限定されるものではない)と同様な機能を有するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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【国際調査報告】