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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】JAK阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20221007BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20221007BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221007BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P25/00
A61P17/06
A61P17/02
A61P1/04
A61P17/00
A61P37/08
A61P43/00 111
A61K31/519
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507741
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 US2020045431
(87)【国際公開番号】W WO2021026465
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/884,593
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521486620
【氏名又は名称】ビマラン バイオサイエンシーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】モハン,ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ナス,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,シェンドン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF01
4C050GG04
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA68
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZC20
(57)【要約】
【解決手段】ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤、および、疾患、障害、または疾病の処置でJAK阻害剤を利用する方法が本明細書に記載されている。本明細書には、そのような化合物を含む医薬組成物も記載されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物であって、
【化1】
式中、
【化2】
は、フェニルまたはC-Cヘテロアリール環であり、
【化3】
は、C-Cヘテロシクロアルキル環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13は水素およびC-Cアルキルから選択され、
14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、およびオキソから選択され、
nは0、1、2、または3であり、ならびに、
pは0、1、2、または3である、
化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項2】
【化4】
は、C-Cヘテロアリール環である、請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項3】
【化5】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルから選択される、請求項1または2に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項4】
【化6】
は、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルから選択される、請求項1-3のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項5】
式(Ia’)の構造を有する、請求項1-4のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【化7】
【請求項6】
【化8】
は、ピロリジン環である、請求項1-5のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項7】
14は独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、およびオキソから選択される、請求項1-6のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項8】
14はそれぞれ独立して、C-Cアルキルから選択される、請求項1-7のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項9】
pは1である、請求項1-8のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項10】
pは0である、請求項1-6のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項11】
式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物であって、
【化9】
式中、
【化10】
は、フェニルまたはC-Cヘテロアリール環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は-C(=O)ORであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択され、ならびに、
nは0、1、2、または3である、
化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項12】
【化11】
は、フェニルである、請求項11に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項13】
【化12】
は、C-Cヘテロアリール環である、請求項11に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項14】
【化13】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルから選択される、請求項13に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項15】
【化14】
は、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルから選択される、請求項14に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項16】
【化15】
は、
【化16】
から選択される、請求項15に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項17】
【化17】
は、
【化18】
である、請求項16に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または薬学的に許容可能な溶媒和物。
【請求項18】
はC-Cアルキルである、請求項1-17のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項19】
は結合である、請求項1-17のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項20】
はC-Cアルキルである、請求項1-19のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項21】
はC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される、請求項1-20のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項22】
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される、請求項1-21のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項23】
は非置換のC-Cアルキルである、請求項1-21のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項24】
は非置換のC-Cシクロアルキルである、請求項1-21のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項25】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される非置換のC-Cヘテロアリールである、請求項1-21のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項26】
は水素である、請求項1-25のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項27】
はC-Cアルキルである、請求項1-25のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項28】
12は水素である、請求項1-27のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項29】
12はハロゲンである、請求項1-27のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項30】
12はC-Cアルキルである、請求項1-27のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項31】
nは0である、請求項1-30のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項32】
nは1である、請求項1-30のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項33】
はハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される、請求項32に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項34】
はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択される、請求項1-33のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項35】
はC-Cアルキルである、請求項34に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または薬学的に許容可能な溶媒和物。
【請求項36】
XはC(R11)である、請求項1-35のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項37】
XはC(H)である、請求項1-36のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項38】
XはNである、請求項1-35のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項39】
式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物であって、
【化19】
式中、
は結合またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は-C(=O)ORであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、ならびに、
13はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択される、
化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項40】
はC-Cアルキルである、請求項39に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項41】
はC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される、請求項39または40に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項42】
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される、請求項39-41のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項43】
は非置換のC-Cアルキルである、請求項39-42のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項44】
は非置換のC-Cシクロアルキルである、請求項39-42のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項45】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される非置換のC-Cヘテロアリールである、請求項39-42のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項46】
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるC-Cヘテロシクロアルキルであり、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である、請求項11-45のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項47】
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピロリジニルであり、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である、請求項11-46のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項48】
13はC-Cアルキルである、請求項1-47のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項49】
13は水素である、請求項1-47のいずれか1つに記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項50】
【化20】
から選択される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項51】
【化21】
から選択される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項52】
請求項1-51のいずれか1つの化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物、および、薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項53】
患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法であって、治療上有効な量の請求項1-51のいずれか1つの化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を患者に投与する工程を含む、方法。
【請求項54】
前記疾患は、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、狼瘡、腸管腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、白斑、およびアトピー性皮膚炎から選択される、請求項53に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/884,593号の利益を主張するものであり、これはその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、JAK-STAT経路を介してサイトカイン媒介性のシグナルを形質導入する、細胞内の非受容体チロシンキナーゼのファミリーである。4つのJAKファミリーメンバーは、ヤヌスキナーゼ1(JAK1)、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、およびチロシンキナーゼ2(TYK2)であり、サイトカイン媒介性の効果の重要な構成要素であることが示されている。サイトカインシグナル伝達におけるJAKの重要な機能は、自己免疫疾患と炎症性疾患を含む様々な疾患の潜在的な治療としてJAK阻害剤を意味づけてきた。
【発明の概要】
【0003】
1つの態様では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、
【0004】
【化1】
式中、
【0005】
【化2】
は、フェニルまたはC-Cヘテロアリール環であり、
【0006】
【化3】
は、C-Cヘテロシクロアルキル環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13は水素およびC-Cアルキルから選択され、
14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、およびオキソから選択され、
nは0、1、2、または3であり、ならびに、
pは0、1、2、または3である。
【0007】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0008】
【化4】
は、C-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0009】
【化5】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0010】
【化6】
は、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルから選択される。
【0011】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の構造を有する式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物がある。
【0012】
【化7】
【0013】
いくつかの実施形態では、式(I’)または(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0014】
【化8】
は、ピロリジン環である。いくつかの実施形態では、式(I’)または(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、およびオキソから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)または(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R14はそれぞれ独立して、C-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)または(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは1である。いくつかの実施形態では、式(I’)または(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは0である。
【0015】
別の態様では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、
【0016】
【化9】
式中、
【0017】
【化10】
は、フェニルまたはC-Cヘテロアリール環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は-C(=O)ORであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択され、ならびに、
nは0、1、2、または3である。
【0018】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0019】
【化11】
は、フェニルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0020】
【化12】
は、C-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0021】
【化13】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0022】
【化14】
は、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0023】
【化15】
は、
【0024】
【化16】
から選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0025】
【化17】
は、
【0026】
【化18】
である。
【0027】
いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Lは結合である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは非置換のC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される非置換のC-Cヘテロアリールである。
【0028】
いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは水素である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12は水素である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、nは0である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、nは1である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rはハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rはそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはC(R11)である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはC(H)である。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、または(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはNである。
【0029】
別の態様では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、
【0030】
【化19】
式中、
は結合またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は-C(=O)ORであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、ならびに、
13はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択される。
【0031】
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、RはC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは非置換のC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される非置換のC-Cヘテロアリールである。
【0032】
いくつかの実施形態では、式(I)または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるC-Cヘテロシクロアルキルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピロリジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。
【0033】
いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R13はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R13は水素である。
【0034】
別の態様では、式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が本明細書に記載される。
【0035】
別の態様では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法であって、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含む方法が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法であって、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む方法があり、上記疾患は、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、狼瘡、腸管腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、白斑、およびアトピー性皮膚炎から選択される。
【0036】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公報、特許、および特許出願は、個々の公報、特許、または特許出願が引用によって組み込まれるように具体的且つ個別に示されるのと同じ程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
本開示の文脈において、多くの用語が利用されるものとする。
【0038】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、請求される主題が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の用語に複数の定義がある場合、この章の定義が優先される。本明細書で引用される特許、特許出願、公報、および公開されたヌクレオチド配列とアミノ酸配列(例えば、GenBankなどのデータベースで入手可能な配列)はすべて、参照により引用される。URLまたは他のそのような識別子またはアドレスについて言及される場合、こうした識別子を変更することができ、インターネット上の特定の情報は現れたり消えたりする場合があるが、同等な情報をインターネット検索により発見できることを理解されたい。これらに対する言及は、そのような情報の利用可能性と公共上の広まりを裏付けるものである。
【0039】
前述の一般的な記載と以下の詳細な説明は、単に典型的かつ例示的なものであり、請求される主題を限定するものではないことが理解される。本出願では、単数形の使用は、特に明記されない限り、複数形を含む。本明細書と添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、および「the」は、他にその内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むということに留意されたい。本出願では、「または」の使用は、特に明記されない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含むこと(including)」という用語の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含まれる(included)」などの他の形態と同様、限定的なものではない。
【0040】
本明細書で使用される章の見出しは、構成上の目的のためにすぎず、記載される主題を限定するものと解釈されるものではない。
【0041】
標準的な化学用語の定義は、限定されないが、Carey and Sundberg “Advanced Organic Chemistry 4th Ed.” Vols.A(2000)and B(2001), Plenum PreS, New Yorkを含む参考文献で見つけることができる。特に明記されない限り、従来の方法は、質量分光法、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組み換えDNA技術、および薬理学である。
【0042】
特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載される分析化学、有機合成化学、および医薬ならびに薬化学に関連して利用される専門語、およびそれらの検査法および技術は、当該技術分野で認識されているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、薬剤の調製、製剤化、および、送達、ならびに、患者の処置に用いられ得る。標準的な技術は、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、および、組織の培養と形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)に使用され得る。反応および精製の技術は、例えば、メーカーの仕様書のキットを用いて、または、当該技術で一般に遂行されるように、または、本明細書に記載されるように、行うことができる。前述の技術と手順は、一般に従来の方法で、および、本明細書全体にわたって引用・議論される様々な一般的な文献と具体的な文献に記載されるように、行うことができる。
【0043】
本明細書に記載される方法および組成物は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、細胞株、構築物、および試薬に限定されず、そのようなものは変更され得ることを理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを記載することを目的としており、本明細書に記載される方法、化合物、組成物の範囲を制限することを意図していない。
【0044】
本明細書で用いられているように、C-Cは、C-C、C-C...C-Cを含んでいる。C-Cは、それが指定する(任意の置換基以外)部分を構成する炭素原子数を指す。
【0045】
「アルキル」基とは、不飽和を含まない、炭素原子および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、「アルキル」基は1~6個の炭素原子を有し得る(本明細書でアルキルが現われる場合は常に、「1~6」などの数の範囲は所定の範囲中の各整数を指す。例えば、「1~6個の炭素原子」とは、アルキル基が1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子など、最大で6つの炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、いかなる数の範囲も指定されていない「アルキル」という用語の出現も包含する)。本明細書に記載される化合物のアルキル基は、「C-Cアルキル」または同様の命名として指定されてもよい。ほんの一例として、「C-Cアルキル」は、アルキル鎖に1~6個の炭素原子があることを示し、すなわち、アルキル鎖は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、およびヘキシルからなる群から選択される。アルキル基は置換型または非置換型であり得る。アルキル基は、構造によって、モノラジカルまたはジラジカル(つまり、アルキレン基)であり得る。
【0046】
「アルコキシ」は「-O-」アルキル」基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。
【0047】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含む、炭素原子と水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。アルケニル基の非限定的な例は、-CH=CH、-C(CH)=CH、-CH=CHCH、-CH=C(CH、および-C(CH)=CHCHを含む。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~6個の炭素を有し得る。アルケニル基は置換型または非置換型であり得る。アルケニル基は、構造によっては、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルケニレン基)であり得る。
【0048】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含む、炭素原子および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。アルキニル基の非限定的な例は、-C≡CH、-C≡CCH、-C≡CCHCH、および-C≡CCHCHCHを含んでいる。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~6個の炭素を有することができる。アルキニル基は置換型または非置換型であり得る。アルキニル基は、構造によっては、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルキニレン基)であり得る。
【0049】
「アミノ」は-NH基を指す。
【0050】
「アルキルアミン」または「アルキルアミノ」という用語は、-N(アルキル)基を指し、アルキルは本明細書に定義される通りであり、xとyは、群x=1、y=1、およびx=2、y=0から選択される。x=2の場合、アルキル基は、それらが結合する窒素と一体となって、任意選択で環状の環系を形成することができる。「ジアルキルアミノ」は、-N(アルキル)基を指し、ここで、アルキルは本明細書に定義される通りである。
【0051】
「芳香族」という用語は、4n+2π電子(nは整数である)を含む、非局在化されたπ-電子系を有する平面環を指す。芳香族環は5、6、7、8、9、または9を超える原子から形成可能である。芳香族は任意選択で置換することができる。「芳香族」という用語は、アリール基(例えば、フェニル、ナフタレニル)とヘテロアリール基(例えば、ピリジニル、キノリニル)の両方を含んでいる。
【0052】
本明細書で使用されるように、「アリール」という用語は、環を形成する原子の各々が炭素原子である、芳香族環を指す。アリール環は5、6、7、8、9、または9を超える炭素原子によって形成可能である。アリール基は任意選択で置換可能である。アリール基の例としては、限定されないが、フェニルおよびナフタレニルが挙げられる。構造によっては、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(つまり、アリーレン基)であり得る。
【0053】
「カルボキシ」は-COHを指す。いくつかの実施形態では、カルボキシ部分は、「カルボン酸バイオイソスター(bioisostere)」と取り替えられることもあり、これは、カルボン酸部分として類似した物理的および/または化学的な性質を示す官能基または部分を指す。カルボン酸バイオイソスターはカルボン酸基と同様の生物学的特性を有している。カルボン酸部分を含む化合物は、カルボン酸部分をカルボン酸バイオイソスターと交換することができ、カルボン酸を含む化合物と比較して、同様の物理的および/または生物学的特性を有し得る。例えば、一実施形態では、カルボン酸バイオイソスターは、カルボン酸基とほぼ同じ程度まで生理的なpHでイオン化することになる。カルボン酸バイオイソスターの例としては、限定されないが、以下を含む。
【0054】
【化20】
【0055】
「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式の非芳香族ラジカルを指し、ここで、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)の各々は炭素原子である。シクロアルキルは飽和されるか、または部分的に不飽和であり得る。シクロアルキルは芳香族環で縮合され得る(その場合、シクロアルキルは非芳香族環炭素原子を介して結合する)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~10個の環状原子を有する基を含む。
【0056】
「ヘテロアリール」または代替的に「ヘテロ芳香族」という用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択された1つ以上の環ヘテロ原子を含むアリール基を指す。N含有「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である芳香族基を指す。
【0057】
「ヘテロシクロアルキル」基または「ヘテロ脂環式」基とは、少なくとも1つの骨格環原子が窒素、酸素、および硫黄から選択されたヘテロ原子である、シクロアルキル基を指す。ラジカルはアリールまたはヘテロアリールで縮合され得る。ヘテロ脂環式という用語は、限定されないが、単糖類、二糖類、および少糖類を含む、炭水化物の環状形態もすべて含んでいる。別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルは環に2~10個の炭素を有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数を参照する際、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキル(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)を構成する原子(ヘテロ原子を含む)の総数と同じではないことに留意する。
【0058】
「ハロ」または代替的に「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
【0059】
「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲンで置換されるアルキル基を指す。ハロゲンは同じこともあれば異なることもある。ハロアルキルの非限定的な例としては、-CHCl、-CF、-CHF、-CHCF、-CFCFなどが挙げられる。
【0060】
「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」という用語は、1つ以上のフッ素原子で置換される、アルキル基とアルコキシ基をそれぞれ含む。フルオロアルキルの非限定的な例としては、-CF、-CHF、-CHF、-CHCF、-CFCF、-CFCFCF、-CF(CHなどが挙げられる。フルオロアルコキシ基の非限定的な例としては、-OCF、-OCHF、-OCHF、-OCHCF、-OCFCF、-OCFCFCF、-OCF(CHなどが挙げられる。
【0061】
「ヘテロアルキル」という用語は、1つ以上の骨格鎖原子が、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、またはこれらの組み合わせから選択される、アルキルラジカルを指す。ヘテロ原子はヘテロアルキル基の任意の内部位置に置かれることもある。例としては、限定されないが、-CH-O-CH、-CH-CH-O-CH、-CH-NH-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-N(CH)-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH-NH-OCH、-CHO-Si(CH、-CH-CH=N-OCH、および-CH=CH-N(CH)-CHが挙げられる。加えて、最大で2つのヘテロ原子は、一例として、-CH-NH-OCHおよび-CHO-Si(CHなど、連続的であってもよい。ヘテロ原子の数以外に、「ヘテロアルキル」は1~6個の炭素原子を有することがある。
【0062】
「オキソ」は=Oラジカルを指す。
【0063】
「結合」または「単結合」という用語は、結合によって連結された原子がより大きな下部構造の一部であると考えられるときの2つの原子間または2つの部分間の化学結合を指す。
【0064】
「部分」という用語は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学部分は、分子に埋め込まれた、または分子に付加された化学物質と認識されることが多い。
【0065】
本明細書で使用されるように、単独で現れ、数の指定のない置換基「R」は、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合された)、およびヘテロシクロアルキルの中から選択される置換基を指す。
【0066】
「随意の」または「任意選択で」とは、後に記載される事象または状況が生じることもあれば生じないこともあること、および、本記載がその事象または状況が生じた際の例と生じない際の例を含むことを意味する。
【0067】
「任意選択で置換される」または「置換される」という用語は、参照された基が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C-Cアルキルアルキン、ハロ、アシル、アシルオキシ、-COH、-CO-アルキル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、および、一置換と二置換のアミノ基(例えば、-NH、-NHR、-N(R))を含むアミノ、ならびにそれらの保護された誘導体から個々に独立して選択された1つ以上の追加の基で置換されてもよいことを意味する。一例として、随意の置換基はLであってもよく、ここで、Lはそれぞれ独立して、結合、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、-NH-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、S(=O)NH-、-NHS(=O)、-OC(O)NH-、-NHC(O)O-、-(C-Cアルキル)-、または-(C-Cアルケニル)-から選択され、および、Rはそれぞれ独立して、H、(C-Cアルキル)、(C-Cシクロアルキル)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択される。上記の置換基の保護誘導体を形成することがある保護基は、上のGreene and Wutsなどのソースで見られる。
【0068】
本明細書で使用されるように、「約」または「およそ」という用語は、与えられた値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、およびより好ましくは5%以内を意味する。
【0069】
「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用されるように、必要としている哺乳動物に投与されたときに、皮膚の老化に関連付けられる疾病を少なくとも部分的に改善するか、または少なくとも部分的に予防するのに有効である、JAK阻害剤の量を指す。
【0070】
本明細書で使用されるように、「発現」という用語は、ポリヌクレオチドがmRNAへ転写され、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質に翻訳されるプロセスを含む。
【0071】
「調節する」という用語は、標的分子に依存して、活性または発現の減少または増加のいずれかを包含する。
【0072】
「活性化因子」という用語は、本明細書において、分子種が局所的に投与される際に、分子種自体が受容体に結合するかどうか、または分子種の代謝産物が受容体に結合するかどうかに関わらず、示された受容体の活性化を結果としてもたらす任意の分子種を示すために使用される。したがって、活性化因子は、受容体のリガンドであり得るか、あるいは受容体のリガンドに代謝される活性化因子、すなわち、組織中で形成され、かつ実際のリガンドである代謝産物であり得る。
【0073】
「患者」または「哺乳動物」という用語は、ヒト、ヒトではない霊長類、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネズミ、または他の獣医学用あるいは実験用の哺乳動物を指す。当業者は、哺乳動物の一種における病状の重症度を低下させる治療が、哺乳動物の別の種に対する治療の効果を予測するものであることを認識している。
【0074】
「ソフトドラッグ(soft-drug)」は、本明細書で使用されるように、所望の標的組織において生物学的に活性であり、かつ、標的組織にその効果を及ぼした後に、生物学的標的に対して不活性な化合物へと代謝される、薬物および/または化学化合物を指す。いくつかの実施形態では、ソフトドラッグは体循環においていかなる標的生物学的活性も持たない。
【0075】
「薬学的に許容可能な塩」は酸付加塩と塩基付加塩の両方を含んでいる。本明細書に記載される化合物のうちのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩は、すべての薬学的に適切な塩形態を包含することを意図している。本明細書に記載される化合物の好ましい薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩および薬学的に許容可能な塩基付加塩である。
【0076】
「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的効果と特性を保持する塩を指し、これは生物学的にまたはそれ以外の点でも好ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸により形成される。同様に、脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換のアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸(alkanedioic acids)、芳香族酸、脂肪族酸、および芳香族スルホン酸などの有機酸により形成される塩も含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。したがって、典型的な塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩(monohydrogenphosphates)、二水素リン酸塩(dihydrogenphosphates)、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩(dinitrobenzoates)、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。同様に、アルギン酸塩、グルコン酸塩、およびガラクツロン酸塩などのアミノ酸の塩も企図されている(例えば、Berge S.M.et al.,“Pharmaceutical Salts,” Journal of Pharmaceutical Science,66:1-19(1997)を参照)。塩基性化合物の酸付加塩は、塩を生成するために十分な量の所望の酸に遊離塩基を接触させることにより調製される。
【0077】
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、生物学的またはそれ以外の点でも好ましくないものではない遊離酸の生物学的効果と特性を保持する塩を指す。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることによって調製される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンで形成される。無機塩基に由来する塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などを含む。有機塩基に由来する塩としては、限定されないが、1級アミン、2級アミン、3級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および、塩基イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン(ethylenedianiline)、N-メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。上述のBerge et al.を参照。
【0078】
本明細書で使用されるように、「処置」または「処置する」または「緩和する」または「改善する」は、本明細書では交換可能に使用される。こうした用語は、限定されないが、治療上の利点および/または予防上の利点を含む、有益な結果または望ましい結果を得るための手法を指す。「治療上の利点」は、処置されている基礎疾患の根絶または寛解を意味する。同様に、治療上の利点は、患者がまだ基礎疾患に罹っているにもかかわらず、改善が患者で観察されるように、基礎疾患に関連する生理的な症状の1つ以上の根絶または寛解により達成される。予防上の利点について、組成物は、特定の疾患を発症させるリスクのある患者、または、たとえある疾患の診断がなされていなくても、その疾患の生理的な症状の1つ以上を報告している患者に投与される。
【0079】
JAK阻害剤
サイトカインは、宿主防御や免疫調節に重要な役割を果たすとともに、自己免疫疾患の免疫病態の主要な担い手でもある。サイトカインのいくつかの主要なファミリーは、その構造に基づいて識別可能である。2つの主要なクラスは、いわゆるI型およびII型のサイトカイン受容体である。I型受容体は、いくつかのインターロイキン(IL)、コロニー刺激因子、およびホルモン、例えば、エリスロポエチン、プロラクチン、ならびに成長ホルモンに結合する。II型受容体は、インターフェロンやIL-10関連サイトカインに結合する。細胞内ドメインがキナーゼまたは他の酵素活性ドメインをコードする他の受容体とは対照的に、これらの受容体はそのような要素が欠けている。その代わりに、I型およびII型のサイトカイン受容体の細胞質ドメインは、JAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2を含むヤヌスキナーゼ(JAKs)として知られている、特定のキナーゼファミリーのメンバーに結合する。サイトカイン受容体は、異なるJAKと対になっており、サイトカイン結合時に活性化される。JAKはホスホトランスフェラーゼであるため、ATPからサイトカイン受容体などの様々な基質へのリン酸の転移を触媒する。この修飾により、DNA結合タンパク質のシグナル伝達兼転写活性化因子(signal transducer and activator of transcription)(STAT)ファミリーのメンバーを含む様々なシグナル伝達分子が動員される。STATは別の重要なJAK基質である。STATのリン酸化は、STATの核内蓄積と遺伝子発現の制御を促進する。加えて、ノックアウトマウスを用いた研究は、他の経路ではなく、I型/II型サイトカインによるJAKシグナル伝達の重要かつ特異的な役割を裏付けている。サイトカインシグナル伝達におけるJAKの重要な機能は、JAK阻害剤の治療可能性を示唆するものである。
【0080】
本明細書に記載される式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物は、JAK阻害剤である。本明細書に記載される式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、および、これらの化合物を含む組成物は、炎症性疾患または自己免疫疾患の処置に役立つ。
【0081】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され:
【0082】
【化21】
式中、
【0083】
【化22】
は、フェニルまたはC-Cヘテロアリール環であり、
【0084】
【化23】
は、C-Cヘテロシクロアルキル環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13は水素およびC-Cアルキルから選択され、
14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、およびオキソから選択され、
nは0、1、2、または3であり、ならびに、
pは0、1、2、または3である、
化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【0085】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはC(R11)である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Xは-C(H)である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはNである。
【0086】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0087】
【化24】
は、フェニルである。
【0088】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0089】
【化25】
は、C-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0090】
【化26】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルから選択されるC-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0091】
【化27】
は、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルから選択されるC-Cヘテロアリール環である。
【0092】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0093】
【化28】
は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、オキセタニル、アゼチジニル、およびアジリジニルから選択された選択されたC-Cヘテロシクロアルキル環である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0094】
【化29】
は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、およびピロリジニルから選択されたC-Cヘテロシクロアルキル環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0095】
【化30】
は、ピロリジニル環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0096】
【化31】
は、ピペリジニル環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0097】
【化32】
は、ピペラジニル環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0098】
【化33】
は、モルホリニル環である。
【0099】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、およびオキソから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R14はそれぞれ独立して、C-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは1である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは2である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは0である。
【0100】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cヘテロアルキルである。
【0101】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される。
【0102】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは結合である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCHCH-である。
【0103】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHCHである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-C(H)(CHである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は水素である。
【0104】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは0である。
【0105】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは2である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは3である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、Rはハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、RはハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、Rはハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、RはC-Cアルキルである。
【0106】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは水素である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、RはC-Cヘテロアルキルである。
【0107】
いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12は水素である。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R12は-CHである。
【0108】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の構造を有する、式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、
【0109】
【化34】
式中、
【0110】
【化35】
は、C-Cヘテロシクロアルキル環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13は水素およびC-Cアルキルから選択され、
14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、およびオキソから選択され、ならびに、
pは0、1、2、または3である、
化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【0111】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはC(R11)である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Xは-C(H)である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはNである。
【0112】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0113】
【化36】
は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、オキセタニル、アゼチジニル、およびアジリジニルから選択されたC-Cヘテロシクロアルキル環である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0114】
【化37】
は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、およびピロリジニルから選択されたC-Cヘテロシクロアルキル環である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0115】
【化38】
は、ピロリジニル環である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0116】
【化39】
は、ピペリジニル環である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0117】
【化40】
は、ピペラジニル環である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0118】
【化41】
は、モルホリニル環である。
【0119】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R14はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、およびオキソから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R14はそれぞれ独立して、C-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは1である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは2である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、pは0である。
【0120】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cヘテロアルキルである。
【0121】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される。
【0122】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは結合である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCHCH-である。
【0123】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHCHである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-C(H)(CHである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は水素である。
【0124】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは水素である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、RはC-Cヘテロアルキルである。
【0125】
いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12は水素である。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R12は-CHである。
【0126】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され:
【0127】
【化42】
式中、
【0128】
【化43】
は、フェニルまたはC-Cヘテロアリール環であり、
XはC(R11)またはNであり、
はC-CアルキルまたはC-Cヘテロアルキルであり、
は結合またはC-Cアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は-C(=O)ORであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は水素、C-Cアルキル、またはC-Cヘテロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、
11は水素であるか、あるいは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
12は水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
13はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択され、および、
nは0、1、2、または3である。
【0129】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはC(R11)である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはC(H)である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、XはNである。
【0130】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0131】
【化44】
は、フェニルである。
【0132】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0133】
【化45】
は、C-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0134】
【化46】
は、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルから選択されるC-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0135】
【化47】
は、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルから選択されるC-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0136】
【化48】
は、
【0137】
【化49】
から選択されるC-Cヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0138】
【化50】
は、
【0139】
【化51】
である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0140】
【化52】
は、
【0141】
【化53】
である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、
【0142】
【化54】
は、
【0143】
【化55】
である。
【0144】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cヘテロアルキルである。
【0145】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される。
【0146】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは結合である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCHCH-である。
【0147】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され:ここで、Rは-C(=O)ORであり、ならびに、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rはピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、およびピロリジニルから選択され、ここで、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、およびピロリジニルは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換され、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピロリジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピペリジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるモルホリニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピペラジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるテトラヒドロフラニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。
【0148】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHCHである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-C(H)(CHである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は水素である。
【0149】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは0である。
【0150】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは2である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは3である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1または2であり、および、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、Rはハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、RはハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、Rはハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、nは1であり、および、RはC-Cアルキルである。
【0151】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは水素である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、RはC-Cヘテロアルキルである。
【0152】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12は水素である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、R12はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R12は-CHである。
【0153】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、
【0154】
【化56】
式中、
は結合またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールであり、ここで、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cヘテロアリールは、1個、2個、または3個のRで任意選択で置換され、
は-C(=O)ORであり、
はそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、-OR、-N(R、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-NRC(=O)R、-NRS(=O)、-S(=O)、および-S(=O)N(Rから選択され、
は、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cハロアルキル、およびC-Cヘテロアルキルから選択され、
はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cヘテロシクロアルキルから選択され、ならびに、
13はそれぞれ独立して、水素およびC-Cアルキルから選択される。
【0155】
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは結合である。
【0156】
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-OR、および-N(Rから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは1個、2個、または3個のRで任意選択で置換されたC-Cヘテロアリールであり、ここで、Rはそれぞれ独立して、ハロゲンおよびC-Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは非置換のC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、C-Cヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される。
【0157】
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCH-である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Lは-CHCHCH-である。
【0158】
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、Rは-C(=O)ORであり、ならびに、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されたC-Cヘテロシクロアルキルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rはピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、およびピロリジニルから選択され、ここで、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、およびピロリジニルは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換され、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピロリジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピペリジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるモルホリニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるピペラジニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物があり、ここで、Rは、C-Cアルキルおよび-C(=O)OR13から選択された2個の基で置換されるテトラヒドロフラニルであり、ここで、1個の基はC-Cアルキルであり、1個の基は-C(=O)OR13である。
【0159】
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13はC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-CHCHである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は-C(H)(CHである。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、ここで、R13は水素である。
【0160】
いくつかの実施形態において、以下から選択される化合物、
【0161】
【化57】
あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が提供される。
【0162】
いくつかの実施形態において、以下から選択される化合物、
【0163】
【化58】
あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が提供される。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK/TYK2アッセイにおいて約50nM以下のIC50を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK/TYK2アッセイにおいて約100nM以下のIC50を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK/TYK2アッセイにおいて、約10nM以下、約20nM以下、約25nM以下、約50nM以下、約100nM以下、約250nM以下、または約500nM以下のIC50を有する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK2、JAK3、およびTYK2よりもJAK1を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1、JAK3、およびTYK2よりもJAK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1、JAK2、およびTYK2よりもJAK3を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1、JAK2、およびJAK3よりもTYK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK3とTYK2よりもJAK1とJAK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK2とTYK2よりもJAK1とJAK3を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK2とJAK3よりもJAK1とTYK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1とTYK2よりもJAK2とJAK3を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1とJAK3よりもJAK2とTYK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1とJAK2よりもJAK3とTYK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、TYK2よりもJAK1、JAK2、およびJAK3を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK3よりもJAK1、JAK2、およびTYK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK2よりもJAK1、JAK3、およびTYK2を選択的に阻害する。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、JAK1よりもJAK2、JAK3、およびTYK2を選択的に阻害する。
【0165】
様々な変数について上に記載された基の任意の組み合わせが本明細書で企図される。本明細書にわたって、基とその置換基は、安定した部分と化合物を提供するために当業者によって選択可能である。
【0166】
いくつかの実施形態では、治療剤(例えば、式(I)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物)は、薬学的に許容可能な塩として医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、上述の化合物は、本明細書に記載される任意の方法または組成物に適している。本明細書に開示される化合物のさらなる形態異性体
【0167】
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載された化合物は、幾何異性体として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は1つ以上の二重結合を有する。本発明で提示される化合物は、すべてのシス(cis)、トランス(trans)、シン(syn)、アンチ(anti)、エントゲーゲン(entgegen)(E)、および、ツザーメン(zusammen)(Z)の異性体と、それらの対応する混合物を含む。状況によっては、化合物は互変異性体として存在する。本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載される式中で可能なあらゆる互変異性体を含んでいる。状況によっては、本明細書に記載された化合物は1つ以上のキラル中心を有し、それぞれの中心はR配置またはS配置で存在する。本明細書に記載される化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマーの形態、同様にそれらの対応する混合物すべてを含む。本明細書で提供される化合物および方法のさらなる実施形態において、単一の調製用の工程、組み合わせ、または、相互変換に由来するエナンチオマーおよび/またはジアステレオイソマーの混合物は、本明細書に記載される用途に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、ラセミ混合物のキラルクロマトグラフィー分離により光学的に純粋なエナンチオマーとして調製される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、一対のジアステレオイソマー化合物を形成するために化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて、ジアステレオマーを分離して、および、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによって、個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、解離可能な複合体(disociable complexes)が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、明白な物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を備えており、これらの相違点を利用することにより分離される。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィー、または好ましくは、溶解度の相違に基づく分離/分解技術によって分離される。いくつかの実施形態では、光学的に純粋なエナンチオマーは、ラセミ化をもたらさない任意の実用的な手段によって、分割剤とともに回収される。
【0168】
標識化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、その同位体標識された形態で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そうした同位体標識された化合物を投与することによって疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そうした同位体標識された化合物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は同位体標識された化合物を含み、これらは本明細書で列挙される化合物と同一であるが、1つ以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子に取り替えられるという事実がある。本明細書に記載される化合物に組み込まれる同位体の例はそれぞれ、H、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、および塩化物の同位体を含む。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有している、本明細書に記載される化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、エステル、溶媒和物、水和物、または誘導体は、本発明の範囲内にある。特定の同位体標識された化合物、例えば、Hと14Cなどの放射性同位体が組み込まれる化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイに役立つ。トリチウム標識した(すなわち、H)と炭素-14(すなわち、14C)の同位体は、調製と検出が容易であるため、特に好ましい。さらに、重水素(つまり、H)などの重同位体による置換によって、代謝の安定性の向上に起因する特定の治療上の利点、例えば、インビボの半減期の増加または必要用量の減少がもたらされる。いくつかの実施形態では、同位体標識された化合物、その薬学的に許容可能な塩、エステル、溶媒和物、水和物、または誘導体は、任意の適切な方法によって調製される。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、発色団または蛍光部分、生物発光標識、あるいは化学発光標識を含む他の手段によって標識化される。
【0170】
薬学的に許容可能な塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物はその薬学的に許容可能な塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を投与することによって疾患を処置する方法を含んでいる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含んでいる。
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、酸性基または塩基性基を有し、ゆえに、多くの無機塩基または有機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応することで、薬学的に許容可能な塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に開示される化合物の最終的な単離と精製中に、あるいは、遊離形態の精製された化合物を適切な酸または塩基で別々に反応させて、こうして形成された塩を単離させることによって、インサイツで調製される。
【0172】
溶媒和物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は溶媒和物として存在する。いくつかの実施形態では、そのような溶媒和物を投与することによって疾患を処置する方法がある。本明細書にはさらに、そのような溶媒和物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法が記載される。
【0173】
溶媒和物は化学量論的または非化学量論的な量の溶媒を含み、いくつかの実施形態では、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化のプロセスの間に形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成され、アルコラートは溶媒がアルコールである場合に形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセスの間に、好適に調製または形成される。ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の水和物は、限定されないが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、またはMeOHを含む有機溶媒を使用して、水性/有機の溶媒混合物からの再結晶によって好適に調製される。さらに、本明細書に提供される化合物は、溶媒和形態の他に、非溶媒和形態でも存在する。一般的に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法の目的のため、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0174】
化合物の合成
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の合成は、化学の文献に記載される手段を用いて、本明細書に記載される方法を用いて、あるいはこれらの組み合わせによって達成される。加えて、本明細書に示される溶媒、温度、および他の反応条件は変わることもある。
【0175】
他の実施形態では、本明細書に記載される化合物の合成に使用される出発物質および試薬は合成されるか、または、限定されないが、Sigma-Aldrich、FischerScientific(Fischer Chemicals)、およびAcrosOrganicsなどの民間のソースから得られる。
【0176】
さらなる実施形態では、本明細書に記載される化合物、および様々な置換基を有する他の関連する化合物は、本明細書に記載される技術や材料、および、例えば、以下の文献に記載されるような当技術分野で認識されている技術や材料を用いて合成される(Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989);Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991), Larock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc.,1989), March, Advanced Organic Chemistry 4th Ed.,(Wiley 1992);Carey and Sundberg, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4th Ed., Vols.A and B (Plenum 2000,2001),およびGreen and Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 3rd Ed.,(Wiley 1999))(これらの文献はすべて、本開示のための引用によって組み込まれる)。本明細書で開示されるような化合物の調製のための一般的な方法は反応に由来することもあり、反応は、本明細書で提供されるような式で見られる様々な部分を導入するために、適切な試薬と条件を用いて修飾され得る。案内役として以下の合成方法が利用されてもよい。
【0177】
保護基の使用
記載された反応では、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、チオ基、またはカルボキシ基)が反応中において望ましくない形で関与することを回避するために、これらが最終生成物中で望まれる場合には、これらを保護することが必要なこともある。保護基は、反応部分の一部またはすべてを遮断するために、および、保護基が除去されるまでこのような基が化学反応に関与するのを防ぐために、使用される。各保護基が異なる手段によって除去可能であることが好ましい。まったく異なる反応条件下で切断される保護基は、差次的な除去の要件を満たす。
【0178】
保護基は酸、塩基、還元条件(例えば、水素化分解など)、および/または酸化条件によって除去することができる。トリチル、ジメトキシトリチル、アセタール、およびt-ブチルジメチルシリルなどの基は、酸に不安定であり、Cbz基(水素化分解によって除去可能)とFmoc基(塩基に不安定)で保護されたアミノ基の存在下でカルボキシとヒドロキシの反応的な部分を保護するために使用されてもよい。カルボン酸とヒドロキシの反応部分は、t-ブチルカルバメートなどの酸に不安定な基で、または酸と塩基の両方で安定しているが加水分解では除去可能なカルバメートでブロックされたアミンの存在下において、限定されないが、メチル、エチル、およびアセチルなどの塩基に不安定な基でブロックされ得る。
【0179】
カルボン酸とヒドロキシの反応部分もベンジル基などの加水分解で除去可能な保護基でブロックされることもあるが、酸との水素結合が可能なアミン基はFmocなどの塩基に不安定な基でブロックされ得る。カルボン酸の反応部分は、アルキルエステルへの転換を含む、本明細書で例証されるような単純エステル化合物への転換によって保護され得るか、あるいは、2,4-ジメトキシベンジルなどの酸化的に除去可能な保護基でブロックされ得るが、共存しているアミノ基はフッ化物に不安定なシリルカルバメートでブロックされ得る。
【0180】
アリルブロッキング基は、酸保護基および塩基保護基の存在下で有用である。なぜなら、前者は安定しており、後に金属またはπ-酸触媒によって除去され得るからである。例えば、アリルでブロックされたカルボン酸は、酸に不安定なt-ブチルカルバメートまたは塩基に不安定な酢酸塩アミン保護基の存在下で、Pd-触媒反応で脱保護可能である。しかし、保護基の別の形態は化合物または中間物が結合し得る樹脂である。残留物が樹脂に結合している限り、その官能基はブロックされるため、反応することができない。いったん樹脂から解放されると、官能基は反応に利用可能である。
【0181】
典型的に、ブロッキング基/保護基は以下から選択され得る:
【0182】
【化59】
【0183】
他の保護基、および、保護基の生成とその除去に適用可能な技術の詳細な記載は、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed.,John Wiley & Sons,New York,NY,1999、および、Kocienski,Protective Groups,Thieme Verlag, New York,NY,1994に記載されており、当該文献は開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0184】
治療方法と予防方法
いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、患者の自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、狼瘡、腸管腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、白斑、およびアトピー性皮膚炎から選択される。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、関節リウマチである。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、多発性硬化症である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、乾癬である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、狼瘡である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、腸管腸疾患である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、クローン病である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、潰瘍性大腸炎である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、強直性脊椎炎である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、白斑である。いくつかの実施形態では、患者の炎症性疾患または自己免疫疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量の式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、患者に投与する工程を含み、ここで、疾患、障害、または疾病は、アトピー性皮膚炎である。
【0185】
医薬組成物と投与方法
本明細書に記載されるJAK阻害剤は、疾患、障害、または疾病を処置または予防するために、投与に適切な生物学的に適合した形態で対象に投与される。本明細書に記載されるようなJAK阻害剤の投与は、治療上有効な量のJAK阻害剤を単独で含むか、または薬学的に許容可能な担体と組み合わせた、任意の薬理学的形態であり得る。
【0186】
特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は純粋な化学薬品として投与される。他の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))に記載されるような選択された投与経路および標準の薬務に基づいて選択される、薬学的に適切なまたは許容可能な担体(本明細書では、薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、あるいは生理学的に適切な(または許容可能な)担体とも呼ばれる)と組み合わされる。
【0187】
したがって、本明細書では、1つ以上の薬学的に許容可能な担体とともに、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物が提供される。担体(または賦形剤)は、組成物の他の成分と適合性があり、かつ、組成物のレシピエント(すなわち、対象)に有害ではない場合に、許容可能であるか、または適切である。
【0188】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、医薬組成物が提供される。
【0189】
別の実施形態は、薬学的に許容可能な担体、および式(I’)、(Ia’)、(I)、または(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物から実質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物から実質的になる医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(Ia)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物から実質的になる医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(I’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物から実質的になる医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な担体、および式(Ia’)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和物から実質的になる医薬組成物が提供される。
【0190】
特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、例えば、合成方法の工程の1つ以上で作られる汚染中間物または副産物などの他の有機的な小分子を約5%未満または約1%未満または約0.1%未満含んでいるという点で、実質的に純粋である。
【0191】
これらの製剤は、経口、局所、頬側、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、または静脈内)、またはエアロゾルの投与に適した製剤を含む。
【0192】
典型的な医薬組成物は、医薬品製剤の形態、例えば、固体、半固体、または液体の形態で使用され、これは、外部、腸内、または非経口の用途に適した有機または無機の担体または賦形剤との混合物における、活性な成分として開示された化合物の1つ以上を含んでいる。いくつかの実施形態では、有効成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、溶液、エマルジョン、懸濁液、および使用に適した他の形態として、通常は無毒で薬学的に許容可能な担体と共に合成される。活性な対象化合物は、疾患のプロセスまたは状態に対して所望の効果を発揮するのに十分な量の医薬組成物に含まれている。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるJAK阻害剤は、皮膚の疾患、障害、または疾病を処置または予防するために、局所投与に適切な生物学的に適合した形態で対象に投与される。「局所投与に適切な生物学的に適合した形態」とは、あらゆる毒性作用が阻害剤の治療効果に勝るような、投与されるJAK阻害剤の形態を意味する。本明細書に記載されるようなJAK阻害剤の投与は、治療上有効な量のJAK阻害剤を単独で含むか、または薬学的に許容可能な担体と組み合わせた、任意の薬理学的形態であり得る。
【0194】
JAK阻害剤の局所投与は、エアロゾル、半固体医薬組成物、粉末、または溶液の形態で提示され得る。「半固体組成物」という用語は、軟膏、クリーム、軟膏剤、ゼリー、または皮膚への適用に適した実質的に同様の一貫性を有する他の医薬組成物を意味する。半固体組成物の例は、Chapter 17 of The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, Lachman, Lieberman and Kanig, published by Lea and Febiger (1970) and in Chapter 67 of Remington’s Pharmaceutical Sciences, 15th Edition (1975) published by Mack Publishing Companyで示されている。
【0195】
皮膚または皮膚パッチは、本明細書に記載される治療用組成物または医薬組成物を経皮的に送達するための別の方法である。パッチは、化合物の吸収を増加させるために、DMSOなどの吸収促進剤を提供することができる。パッチは、皮膚への薬物送達の速度を制御するものを含むことができる。パッチは、リザーバーシステムまたはモノリシックシステムをそれぞれ含む様々な投与システムを提供することができる。リザーバー設計は、例えば、4つの層:皮膚に直接接触する粘着層、薬物分子の拡散を制御する制御膜、薬物分子のリザーバー、および耐水性バッキングを有していてもよい。このような設計は、指定された時間にわたって均一な量の薬物を送達するため、送達速度は異なるタイプの皮膚の飽和限界よりも小さくなければならない。例えば、モノリシック設計は通常、3層のみ、つまり、粘着層、化合物を含むポリマーマトリックス、および耐水性バッキングである。この設計は、飽和量の薬物を皮膚にもたらす。この設計により、送達は皮膚によって制御される。パッチ内の薬物量が飽和レベル以下まで減少すると、送達速度は低下する。
【0196】
1つの実施形態では、局所用組成物は、例えば、ポリアクリル酸またはポリアクリルアミドに基づくヒドロゲルの形態をとってもよく、軟膏として、例えば、標準軟膏DAB8(50%PEG 300、50%PEG 1500)のように担体としてポリエチレングリコール(PEG)を有するものであってもよく、あるいは、エマルジョンとして、特に油中水型または水中油型に基づくマイクロエマルジョンとして、任意選択でリポソームを添加したものであってもよい。適切な浸透促進剤(添加剤(entraining agents))としては、スルホキシド誘導体、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはデシルメチルスルホキシド(デシル-MSO)、および、トランスクトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)またはシクロデキストリン;ならびに、ピロリドン、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン-5-カルボン酸、または生分解性のN-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドン、およびその脂肪酸エステル;尿素誘導体、例えば、ドデシルウレア、1,3-ジドデシルウレア、および1,3-ジフェニルウレア;ならびに、テルペン、例えば、D-リモネン、メントン、a-テルピノール、カルボル、リモネンオキシド、または1,8-シネオールが挙げられる。
【0197】
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、賦形剤、例えば、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸およびタルク、またはそれらの混合を含有することができる。粉末および噴霧剤は、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。ナノ結晶抗菌金属の溶液は、エアロゾル医薬品の製造に日常的に使用される既知の手段のいずれかによって、エアロゾルまたは噴霧剤に変換することができる。一般に、このような方法は、溶液の容器を、通常は不活性キャリアガスで加圧するか、または加圧するための手段を提供することと、加圧ガスを小さなオリフィスに通過させることを含む。噴霧剤はさらに、クロロフルオロ炭化水素(chlorofluorohydrocarbons)と、ブタンおよびプロパンなどの揮発性の非置換の炭化水素といった従来の噴射剤を含むことができる。
【0198】
担体は、製剤のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、無菌性、安定性、溶解速度、または臭気を変更または維持するための他の薬学的に許容可能な賦形剤も含有することができる。抗皮膚老化組成物も、抗酸化剤、サンスクリーン、天然レチノイド(例えば、レチノール)、および皮膚治療用組成物に一般的に見られる他の添加剤をさらに含むことができる。
【0199】
錠剤などの固形組成物を調製するためのいくつかの実施形態では、開示された化合物またはその無毒の薬学的に許容可能な塩の均質な混合物を含む固形の予備製剤組成物を形成するために、主要な活性成分を、医薬担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、またはゴムなどの従来の錠剤化成分、および他の医薬希釈剤、例えば、水と混合させる。こうした予備製剤組成物を均質と呼ぶときには、組成物が錠剤、丸剤、およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分されるように、活性成分が組成物全体に等しく分散していることを意味する。
【0200】
経口投与のための固形剤形(カプセル、錠剤、丸剤、ドラジェ、粉末、顆粒剤など)では、対象組成物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの1つ以上の薬学的に許容可能な担体、および/または、以下のいずれかと混ぜられる:(1)デンプン、セルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの、充填剤または増量剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤、(3)グリセリンなどの保水剤、(4)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンなどの溶液緩染剤、(6)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)例えば、ドキュセートナトリウム、セチルアルコール、およびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、(8)カオリンおよびベントナイト粘土(bentonite clay)などの吸収性物質、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物などの滑沢剤、ならびに、(10)着色料。カプセル、錠剤、および丸剤の場合には、実施形態によっては、組成物は緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、同様のタイプの固形組成物は、高分子量ポリエチレングリコールなどと同様に、ラクトースまたは乳糖としてこうした賦形剤を使用する、柔らかくまたは固く充填されたゼラチンカプセル剤中の充填剤としても使用される。
【0201】
いくつかの実施形態では、錠剤は、圧縮または成形によって、任意選択で1つ以上の副成分を含んで作られる。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性な希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコラートまたは架橋したカルボキシルメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤、あるいは分散剤を使用して調製される。いくつかの実施形態では、成型された錠剤は、適切な機械において、不活性な液体希釈剤で湿らせた対象組成物の混合物を成型することによって作られる。いくつかの実施形態では、錠剤、および、他の固形剤形、例えば、ドラジェ、カプセル、丸剤、ならびに顆粒は、腸溶コーティングや他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いてスコア化または調製される。
【0202】
吸入または吹送のための組成物は、薬学的に許容可能な水性溶媒または有機溶媒中の溶液および懸濁液、またはその混合物、および、粉末を含んでいる。経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤を含んでいる。対象組成物に加えて、実施形態によっては、液体の剤形は、不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚、オリーブ、カスター、および胡麻の油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、シクロデキストリン、ならびにこれらの混合物を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、懸濁液は、対象組成物に加えて、例えば、エトキシレート化(ethoxylated)イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、およびトラガント、ならびにこれらの混合物としての懸濁化剤を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、粉末および噴霧剤は、対象組成物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこうした物質の混合物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧剤はさらにクロロフルオロ炭化水素(chlorofluorohydrocarbons)と、ブタンやプロパンなどの揮発性の非置換の炭化水素といった従来の噴射剤を含む。
【0205】
本明細書に開示される組成物と化合物は、エアロゾルによって選択的に投与される。これは、化合物を含む水性のエアロゾル、リポソーム調製物、または固形粒子を調製することにより達成される。いくつかの実施形態では、非水性の(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液が使用される。いくつかの実施形態では、音波噴霧器が使用される。なぜなら、音波噴霧器は、対象組成物に含まれる化合物の分解をもたらす剪断(shear)への薬剤の曝露を最小限に抑えるからである。通常、水性のエアロゾルは、従来の薬学的に許容可能な担体と安定化剤と一緒に対象組成物の水溶液または懸濁液を製剤化することによって作られる。担体と安定化剤は特定の対象組成物の必要条件に応じて変わるが、典型的には非イオン性の界面活性剤(ツイーン、プルロニック(登録商標)、またはポリエチレングリコール)、無害のタンパク質、例えば、血清アルブミン、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、アミノ酸、例えば、グリシン、緩衝液、塩、糖、または糖アルコールを含んでいる。エアロゾルは一般に等張液から調製される。
【0206】
非経口投与に適した医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な無菌の等張の水溶性または非水溶性の溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、あるいは使用直前に無菌の注入可能な溶液または分散液に再構成される無菌の粉末と組み合わせた対象組成物を含み、実施形態によっては、これらは抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、製剤を対象となるレシピエントの血液と等張にする溶質、あるいは懸濁化剤または増粘剤を含む。
【0207】
医薬組成物中で使用される適切な水溶性および非水溶性の担体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびその適切な混合物、オリーブオイルなどの植物油、およびオレイン酸エチルやシクロデキストリンなどの注入可能な有機酸エステルを含む。適切な流動度は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散の場合には必要となる粒度の維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持される。
【0208】
本明細書に記載される少なくとも1つの化合物を含む組成物の用量は、患者の(例えば、ヒトの)状態、すなわち、疾患のステージ、一般的な健康状態、年齢、および他の因子に依存して異なる。
【0209】
医薬組成物は、処置される(または予防される)疾患に対して適切なやり方で投与される。適切な用量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、有効成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般的に、適切な用量および処置レジメンは、治療的および/または予防的な利益(例えば、向上した臨床結果、例えば、頻繁な完全寛解または部分的な寛解、あるいは長い疾患のない期間および/または全生存期間、あるいは症状の重症度の緩和など)を提供するのに十分な量で、組成物を提供する。最適な用量は一般に実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。いくつかの実施形態では、最適な用量は患者の体型、体重、または血液量に依存する。
【0210】
経口用量は典型的には1日当たり1~4回またはそれ以上、約1.0mg~約1000mgまでの範囲である。
【0211】
用量の投与は、投与製剤の薬物動態学的パラメーターおよび使用される投与経路に依存して繰り返され得る。
【0212】
投与を容易にするために、および、用量を均一にするために、投与単位剤形で組成物を製剤化することは特に利点がある。本明細書で使用されるような投与単位剤形は、処置される哺乳動物対象用の単位投与量(unitary dosages)として適した物理的に個別の単位を指し、単位はそれぞれ、必要とされる医薬担体に関連する望ましい治療効果をもたらすように計算された、あらかじめ決められた量の活性化合物を含有している。投与単位剤形に関する仕様は、(a)JAK阻害剤の固有の特性および達成される特定の治療効果、ならびに、(b)個体の感受性の処置のためにそのような活性化合物を配合する技術における固有の制限によって決定され、それらに直接依存する。具体的な用量は、例えば、患者のおおよその体重または体表面積、または占められる身体空間の体積に従って、当業者によって容易に計算され得る。用量はさらに、選択される特定の投与経路に依存して計算される。処置のための適切な用量を判定するのに必要とされる計算のさらなる改善が、当業者によって慣例的に行われる。そのような計算は、標的細胞のアッセイ調製において本明細書に開示されたJAK阻害剤の活性を考慮して当業者によって不要な実験を行うことなく行なわれ得る。正確な用量は、標準的な用量反応試験とともに判定される。実際に投与される組成物の量が、処置される疾病、投与される組成物の選択、個々の患者の年齢、体重、および反応、患者の症状の重症度、ならびに選択された投与経路を含む、関連する環境を考慮して、実務者によって判定されることが理解されよう。
【0213】
そのようなJAK阻害剤の毒性および治療効率は、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%で治療上有効な用量)の判定のために、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的処置によって判定され得る。毒性と治療効果との間の用量比は治療指数であり、これはLD50/ED50の比率として表され得る。高い治療指数を示すJAK阻害剤が好ましい。毒性の副作用を示すJAK阻害剤を使用してもよいが、非感染細胞に対する損傷の可能性を最小限にし、それによって、副作用を低減するために、上記の阻害剤を罹患組織の部位に対して標的とする送達システムを設計することに注意が払われなければならない。
【0214】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおいて使用される用量範囲での製剤化に使用され得る。そのようなJAK阻害剤の用量は、毒性がほとんどないかまたはまったくないED50を含む血中濃度の範囲内にあるのが好ましい。用量は、使用された剤形と利用された投与経路に依存してこの範囲内で変動することがある。本明細書に記載される方法に使用されるJAK阻害剤に関して、治療上有効な用量は、最初に細胞培養アッセイから予測され得る。細胞培養において判定されたIC50(すなわち、症状の最大半量の阻害を達成するJAK阻害剤の濃度)を含む血中血漿濃度の範囲を達成するための用量が、動物モデルにおいて製剤化され得る。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に判定するために使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
【実施例
【0215】
以下の実施例は、例示目的のために提供され、本明細書に提供される請求項の範囲を限定するようには意図されていない。これらの実施例におけるおよび本明細書の全体にわたる引用文献はすべて、それによって提供されるすべての法的目的のための引用によって本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される化合物の合成に使用される出発物質および試薬は、合成されてもよく、または、限定されないが、Sigma-Aldrich, Acros Organics、Fluka、およびFischer Scientificなどの商用源から得られ得る。
【0216】
J.Org.Chem.2007 72(1):23A-24Aに定義されるような標準的な略語と頭字語が本明細書で使用される。本明細書で使用される他の略語と頭字語は以下の通りである:
【0217】
【表1】
【0218】
一般的な合成スキーム:
【0219】
【化60】
【0220】
基本手順
DMF中の2(1.0当量)の溶液に、CsCO(2.5当量)を添加した。混合物をN下で5分間、室温にて撹拌した。その後、1(1.5当量)を反応混合物に添加した。生じた混合物を50℃~90℃で加熱することで、3を得た。
【0221】
3(1.0当量)と4(HCl塩、1.4当量)を、乾燥したEtOH中で組み合わせた。混合物を20時間~48時間、封管にて120℃で加熱することで、5を得た。
【0222】
実施例A:中間体1の合成
【0223】
【化61】
【0224】
アルコールをDCMとピリジン(5当量)に溶かした。その溶液に、MsCl(1.5当量)またはTsCl(1.5当量)を0℃で添加した。反応混合物を2時間、室温で撹拌することで、1を得た。
【0225】
実施例B:中間体4-a、4-b、4-c、4-d、4-eの合成
【0226】
【化62】
【0227】
4-aの合成
乾燥したDMF(15mL)中の4-ニトロピラゾール(1.13g、1.0当量)の溶液に、CsCO(8.13g、2.5当量)を添加した。混合物をN下で30分間、室温で撹拌し、その後、ブロモ酢酸(2g、1.2当量)を反応に添加した。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を50mLの酢酸エチルと10mLのヘキサンで希釈した。無機物を濾過によって除去した。濾液を3×30mLの水とブラインで洗浄した。粗製物をISCOシリカゲル上で精製することで、白色固形物として6(1.65g、収率83%)を得た。
【0228】
酢酸エチル(40mL)中の中間体6(1.65g)の溶液に、Pd/C(10%パラジウム炭素、165mg)を添加した。混合物を2時間、30psiで水素化した。触媒を濾過によって除去した。酢酸エチル溶液に、エーテル(10mL)中の2N HClを添加し、5分間室温で撹拌した。真空内で溶媒を除去することで、HCl塩(1.5g)として4-aを得た。
【0229】
4-c、4-d、および4-eを、4-aについて記載されたのと同様の手法で調製した。
【0230】
中間体4-bの合成
NaH(鉱油中60%、0.48g、1.0当量)を、N下にて0℃の乾燥したTHF(15mL)に懸濁した。乾燥したTHF(5mL)中の3-アミノピラゾール(1.0g、1.0当量)の溶液を、0℃で滴下した。混合物を30分間0℃で撹拌した。ブロモ酢酸(2.0g、1.0当量)を滴下した。生じた混合物を1時間0℃で撹拌し、その後、室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾過によって除去し、濾液を真空内で濃縮することで油を得て、これをISCOシリカゲルカラム上で直接精製することで、7(0.28g)を得た。7をエーテル中の2N HClで処理することで、HCl塩として4-bを得た。
【0231】
実施例1:エチル(2S,4R)-4-(2-(4-((7-((S)-2-エチル-3-メチルブチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトキシ)-1-メチルピロリジン-2-カルボキシレート(133)の合成
【0232】
【化63】
【0233】
ジクロロメタン(20mL)中の4,4-ジメチルアミノピリジン(0.5g)とトリエチルアミン(8.8mL)を、ジクロロメタン(100mL)中の(S)-(-)-4-ベンジル-2-オキサゾリジノン(9)(7g、40mmol)の溶液に添加した。ジクロロメタン(15mL)中のイソバレロイルクロリド(Isovaleroyl chloride)(5g、41.4mmol)をあらかじめ調製した混合物に添加し、0℃に冷却して、内部温度を10℃未満で維持した。反応混合物を10℃で30分間撹拌した。水(100mL)を添加して、相を分離させた。有機相を飽和したNaHCO水溶液(50mL)、水(50mL)、HCl(2N、30mL)、水(50mL)、およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発乾固することで、黄色油として化合物10(9.5g)を得た。
【0234】
無水THF(20mL)中のNaHMDS(6mL、6mmol;THF中の1M)の溶液に、無水THF(10mL)中の化合物10(1.3g、5mmol)の溶液をN下にて-78℃で添加した。混合物を-78℃で1.5時間で撹拌し、その後、ヨードエタン(3.12g、20mmol)を滴下した。生じた混合物を2時間-78℃で撹拌し、その後、-5℃に到達させて、4時間撹拌した。混合物を一晩室温に暖めた。反応を、飽和したNHCl水溶液(30mL)の添加によってクエンチし、生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を氷のように冷たいHCl(1M、20mL)、飽和したNaHCO水溶液(2×30mL)、およびブラインで連続的に洗浄し、その後、無水NaSOで乾燥させた。粗製混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、黄色油として化合物11(0.75g)を得た。
【0235】
0℃のTHF(15mL)およびHO(5mL)中の化合物11(0.87g,3mmol)の溶液を、~30%のH水溶液(2mL)で処理し、その後、HO(3mL)中のLiOH(0.24g,6mmol)で処理した。生じた混合物を室温に温め、5時間攪拌した。混合物を0℃に冷却し、2M NaSO水溶液(5mL)を添加した。THFを減圧下で除去した。水性残渣を2M NaOH水溶液でpH12~13に塩基化し、CHCl(5×20mL)で抽出した。水層を0℃に冷却し、10%HCl水溶液でpH-1に酸性化した。生成物を酢酸エチル(5×20mL)で抽出し、組み合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、無色油として化合物12(0.27g)を得た。
【0236】
化合物12(265mg,1.0当量)を乾燥したTHF(8mL)に溶かし、N下にて氷水浴で冷却した。その溶液にTHF中のLAH 1M(6.1mL,3.0mL)を5分かけて滴下した。生じた混合物を室温で一晩撹拌した。反応を0℃で2N HClでクエンチし(pH~1)、その後、DCMで抽出した(3×20mL)。組み合わせたDCM層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させることで、化合物13(232mg、収率98%)を得て、これをそれ以上精製することなく使用した。
【0237】
0℃のDCM(15mL)中の化合物13(230mg,1.0当量)およびDIEA(770mg,3.0当量)の溶液に、MsCl(1.5当量)を添加した。生じた混合物を2時間、室温で撹拌した。反応液をDCM(30mL)で希釈し、1N HCl(2×30mL)、水、および飽和したNaHCOで洗浄した。粗製混合物をISCOシリカゲルカラムで精製することで、透明な油として化合物14(276mg、収率72%)を得た。
【0238】
化合物14(276mg,1.0当量)、2-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(218mg,1.0当量)、およびCsCO(1156mg,2.5当量)を、乾燥したDMF(10mL)中で組み合わせた。混合物を15時間、N下にて50℃で加熱した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)およびヘキサン(30mL)で希釈し、水(3×30mL)およびブラインで洗浄した。粗製混合物をシリカゲルカラムで精製し、透明な油として化合物15(280mg、収率78%)を得た。
【0239】
化合物15(500mgs,1.0当量)およびエチル2-(4-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセテート塩酸塩(4-a)(650mg,1.5当量)をiPrOH(40mL)中で組み合わせた。生じた混合物を20時間、密封管中で125℃で加熱した。溶媒を真空内で除去した。残渣を酢酸エチル(300mL)に溶かし、飽和したNaHCO水溶液で洗浄した。粗製混合物をISCOシリカゲルカラムで精製することで、化合物16(480mg,収率61%)を得た。
【0240】
THF(30mL)中の化合物16(400mg,1.0当量)の溶液に、2N NaOH(5mL)を添加した。生じた混合物を2時間50℃で加熱した。溶媒を真空内で除去し、残渣を水(10mL)で希釈し、2N HClを添加することによってpHを~5に調整した。沈殿した固形物を濾過により集め、DI水(2×5mL)で洗浄した。固形物を高真空で乾燥させることで、化合物17(288mg、収率80%)を得た。
【0241】
化合物18(5g)を絶対EtOH(120mL)に溶かした。この溶液に、0℃で5分間、HClガスをバブリングした。生じた混合物を18時間、65℃にて密閉圧力ボトル中で加熱した。溶媒を真空内で除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)と氷水(20mL)に懸濁させた。混合物を0℃で攪拌し、飽和したNaHCO水溶液を添加することで、pHを8まで調整した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。組み合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、真空内で濃縮することで、19(3.0g)を得て、これをそれ以上精製することなく使用した。
【0242】
DMF(25mL)中の化合物17(2.0g,1.0当量)の懸濁溶液に、DIEA(2.2g,3.0当量)を添加した。混合物を5分間、室温で撹拌することで、透明な溶液を形成し、その後、氷水浴で冷却した。EDCI(1.94g,1.8当量)、HOBT(1.36g,1.8当量)、および化合物19(1.75g,1.8当量)をN下にて反応混合物に添加した。生じた混合物を15時間、室温で攪拌した。反応物を酢酸エチル(80mL)およびヘキサン(20mL)で希釈し、水(3×50mL)およびブラインで洗浄した。粗製混合物をISCO(40gのカラム)上で精製することで、エチル(2S,4R)-4-(2-(4-((7-((S)-2-エチル-3-メチルブチル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトキシ)-1-メチルピロリジン-2-カルボキシレート(133)(2.25g、収率78%)を得た。MS: 512.4 [M+H]
【0243】
化合物129-132、134、および135を、前述の実施例に記載されるような同様の手順によって調製した。
【0244】
【表2】
【0245】
実施例2:JAK/TYK2アッセイ
【0246】
DMSO中の10mMの試験化合物ストックまたは1mMの対照化合物ストック(トホシチニブ、ルキソリチニブ、またはスタウロスポリン)をDMSO中で0.4mMに希釈した。その後、DMSOで3倍系列希釈を行い、10種類の化合物濃度を生成した。アッセイは、384ウェル白色プレートで行った。0.5uLの異なる濃度の40×化合物DMSO溶液を、反応バッファー(20mMHEPES、10mMのMgCl、0.01%Tween、1mMDTT、pH7.5)中で調製した10uLの2×酵素と混合した。その後、反応バッファーで調製した10uLの2×基質混合物を添加して、反応を開始させた。ショートスピンを行って、すべての溶液をプレートの底に沈殿させた。反応混合物中の試験化合物の最終濃度は、10000nM、3333nM、1111nM、370nM、123nM、41.2nM、13.7nM、4.57nM、1.52nM、および0.51nMであった。対照化合物の濃度は10倍以下であった。酵素反応を1~2時間、25℃で行った。10uLのKinase Glo Reagentsを加えて反応を停止させ、発光シグナルを発生させ、Envisionを用いてこれを測定した。発光シグナルはキナーゼ活性と反比例した。酵素を含まない反応混合物を陰性対照とした。いかなる化合物も含まない混合物を陽性対照とした。酵素と基質との間の最終濃度およびインキュベーション時間を以下の表に示す。
【0247】
【表3】
【0248】
IC50値を以下の表に示す。
【0249】
【表4】
【0250】
実施例3:JAK1/JAK3:PBMCアッセイにおけるIL-2刺激STAT5リン酸化
【0251】
ヒトPBMC:(Precision Biomedicine)
説明書通りに解凍する。凍結したPBMCを37℃の水浴で解凍する。細胞懸濁液をあらかじめ温めておいた9mLの完全培地(RPMI+10%FBS+L-Glu+Pen/Strep)に移す。400×gで5分間、遠心分離して、10mLの完全培地で細胞を洗浄する。ペレットを再懸濁して、3×10細胞/mLの細胞数にする。
【0252】
化合物とサイトカインの処理
実験プレートのレイアウトに基づき、80uL/ウェルの96-ディープウェルに細胞を播種する。対照(未刺激)を除くすべてのウェルに、異なる濃度の化合物(10倍濃度)を10μL添加し、200uLのマルチチャンネルピペットで混合する。対照中の同じ%DMSOを含む完全なRPMI培地を10uL添加する。化合物の希釈と希釈範囲については、添付物を参照してください。5%COインキュベーターで37℃、1時間インキュベートする。未刺激および未染色の対照を除く各ウェルに、(10倍濃度の)IL-2(最終濃度50ng/mL)10μLを添加し、37℃の水浴で20分間さらにインキュベートする。
【0253】
固定
あらかじめ温めておいた1×Fix/Lyse溶液(添付物)900μLを添加し、1000μLのマルチチャンネルピペットを用いてそれを適切に混合する。さらに、37℃の水浴で10分間インキュベートする。800×gで5分間遠心分離し、900μLの上清を除去し、1000μLの新しく調製した洗浄バッファーまたは1×PBSを添加する。800×gで5分間遠心分離し、900μLの上清を除去し、残りのバッファーにペレットを再懸濁させる。
【0254】
透過処理
ペレットを軽く叩いて崩し、1000μLの氷のように冷たいBD Phosflow Perm Buffer IIIを加え、さらに氷上で30分間インキュベートする。800×gで5分間遠心分離する。1000μLのBD Stainバッファーでさらに2回洗浄し、最後の洗浄後に100uLのバッファーを除いて上清を除去する。
【0255】
抗体処理
ペレットを軽く叩いて崩し、100uLの染色バッファーと5μLのpSTAT5_Alex488(pY701)をすべての適切なウェルに添加し、200μLのマルチチャンネルピペットを用いて適切に混合する。プレートを40℃で一晩インキュベートする。900μLのBD染色バッファーを添加し、800×gで5分間遠心分離する。1000μLのバッファーでさらに1回洗浄する。最後にペレットを300μLのBD染色バッファーに再懸濁する。96ウェルV底プレートに細胞を移し、Beckman Coulter Cytoflexで細胞を取得する。フローサイトメーターで細胞を取得する。閾値を250に設定する。少なくとも8,000~10,000個の細胞を取得する。
【0256】
添付物:
試薬の調製
RPMI1640完全培地:RPMI 1640培地+10%FBS。
【0257】
サイトカイン希釈:1)100ug/mLでのIL-2ストック。5uLのストックを995uLのcRPMIに添加することによって、0.5ug/mLの希釈液を調製する。使用するまでそれを氷上で保存する。
【0258】
Lyse/Fixバッファー調製:5×Lyse/Fixバッファーを、MQ水を使用して1×に希釈し、使用するまで37℃に保存する。
【0259】
BD Phosflow perm buffer III:氷上/冷蔵庫で保管する。
【0260】
化合物の希釈
【0261】
【表5】
【0262】
実施例4:溶解全血における共刺激アッセイ;JAK2:GM-CSF刺激によるSTAT5リン酸化、およびJAK1/TYK2刺激によるSTAT1リン酸化のアッセイ
【0263】
abcamのRBC溶解バッファーを用いたヒト血液の溶解
RBC溶解バッファーを蒸留水中で1×に希釈する。2mLの血液を38mLの1×RBC-溶解バッファーに添加する。暗所で室温にて15分間インキュベートする。5分間、300gでスピンさせて、ペレットを回収する。必要に応じて再溶解する。ペレットを5mLのcRPMIに再懸濁する。
【0264】
化合物とサイトカインの処理
溶解したヒト血液80μLを96ディープウェルプレートのプレートにアリコートする。対照(未染色および未刺激)を除くすべてのウェルに、異なる濃度の化合物(10倍濃度)10μLを添加し、100uLのマルチチャンネルの助けを借りて混合する。対照にRPMI培地10uLを添加する。化合物の希釈と希釈範囲については、添付物を参照してください。水浴バスまたはCOインキュベーターで1時間、37℃でインキュベートする。未刺激および未染色の対照を除く各ウェルに(10×濃度の)サイトカインミックス(GM-CSFおよびIFNa)(最終濃度:10ng/mLのGM-CSFおよび100ng/mLのIFNa)10μlを添加し、さらに37℃の水浴で20分間インキュベートする。
【0265】
RBCの溶解および固定
あらかじめ温めておいた1×Fix/Lyse溶液(添付物)900μLを添加し、1000μLマルチチャンネルを使用して適切に混合し、さらに37℃の水浴で10分間インキュベートする(添加時間も含む)。40℃にて5分間、800×gで遠心分離する。上清900uLを除去し、900μLの1×PBSを添加する。40℃にて5分間、800×gで遠心分離し、900μLの上清を除去する。900μLのPBSでさらに1回洗浄し(任意選択で)、ペレットを100uLのPBSに再懸濁する。
【0266】
透過処理
ペレットを軽く叩いて崩し、1000μLのBD Phosflow Perm Buffer IIIに再懸濁し、氷上で30分間プレートをインキュベートする。40℃にて5分間、800×gでプレートを遠心分離する。BD Pharmingen Stain Buffer1000μLでさらに2回洗浄する。
【0267】
抗体処理
ペレットを軽く叩いて崩す。ペレットを100uLのStain Bufferに再懸濁し、未染色の対照を除くすべてのウェルに、5μLのpSTAT5_AF488 Abと5uLのpSTAT1_PEを添加し、200μlマルチチャンネルを使用して適切に混合し、40℃で一晩インキュベートする。900μLの洗浄バッファーを加え、40℃にて3分間、1800rpmで遠心分離する。BD Pharmingen Stain Buffer1000μLでさらに1回洗浄する。最後にペレットを300μLのBD Pharmingen Stain Bufferに再懸濁する。96ウェルV底プレートに細胞を移し、Beckman Coulter CytExpertで細胞を取得する。フローサイトメーターで細胞を取得する:閾値を250にして、細胞濃度は100~500細胞/μLを超えてはならない。少なくとも5,000~10,000個の細胞を取得する。
【0268】
添付物
試薬の調製
RPMI1640完全培地:RPMI1640培地+10%FBS。
【0269】
サイトカイン希釈:1)100ug/mLでのGM-CSFストック。2uLのストックを198uLのcRPMIに添加することによって、1ug/mLの中間希釈液を調製する。さらに、cRPMI900uLに中間ストック100uLを添加することによって、100ng/mLに希釈する。2)200ug/mLのIFNaストック。5μLのストックを上記のように100ng/mLのGM-CSFワーキングストック1000μLに添加することによって、IFNaストックを1:200に希釈して、1000ng/mLのIFNaと100ng/mLのGM-CSF(10×)の組み合わせたワーキングストックを得る。使用するまでそれを氷上で保存する。
【0270】
Lyse/Fixバッファー調製:5×Lyse/Fixバッファーを、MQ水を使用して1×に希釈し、使用するまで37℃に保存する。
【0271】
BD Phosflow perm buffer III:氷上/冷蔵庫で保管する。
【0272】
化合物の希釈
【0273】
【表6】
【0274】
本明細書に記載される実施例と実施形態は、例証目的のためのものに過ぎず、実施形態によっては、様々な修飾または変更は本開示と添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】