(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】SCellビーム障害回復の完了
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20221007BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20221007BHJP
H04W 72/14 20090101ALI20221007BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221007BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20221007BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221007BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W28/04 110
H04W72/14
H04W16/28
H04W72/12 150
H04W72/04 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507768
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 SE2020050773
(87)【国際公開番号】W WO2021029815
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ティデスタフ, クラース
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF18
5K067HH28
5K067KK02
(57)【要約】
ビーム障害回復のためのシステムおよび方法が開示される。特に、ビーム障害回復のための無線デバイスによって実施される方法の実施形態、および無線デバイスの対応する実施形態が開示される。一実施形態では、ビーム障害回復のための無線デバイスによって実施される方法が、基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を送信することであって、アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を送信することを含む。本方法は、基地局から、特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを受信することであって、アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを受信することをさらに含む。本方法は、アップリンクグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定することをさらに含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム障害回復のための無線デバイス(112;700)によって実施される方法であって、
- 基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、
- 前記基地局から、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを受信すること(210、318)と、
- 前記アップリンクグラント中に含まれる前記新データインジケータに基づいて、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すること(212、320)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、
- 前記ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施すること(216、324)
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アップリンクグラント中に含まれる前記新データインジケータに基づいて、前記ビーム障害回復情報が前記基地局によって正常に受信されたと決定すること(212、320)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記新データインジケータは、前記アップリンクグラントが、新データをスケジュールし、再送信されるデータをスケジュールしないことを指示する前記アップリンクグラント中のビットである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記新データインジケータは、前記ビットの値がトグルされたとき、前記アップリンクグラントが新データをスケジュールすることを指示する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ビーム障害回復情報が、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ビーム障害回復情報を含む前記アップリンク送信が、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記アップリンクグラントが、0ビットよりも大きいあらかじめ規定された最小サイズのアップリンクグラントである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記アップリンクグラントが、サイズ0ビットのアップリンクグラントである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ビーム障害回復のための無線デバイス(112;700)であって、前記無線デバイス(112;700)は、
- 基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、
- 前記基地局から、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを受信すること(210、318)と、
- 前記アップリンクグラント中に含まれる前記新データインジケータに基づいて、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すること(212、320)と
を行うように適応された、無線デバイス(112;700)。
【請求項12】
前記無線デバイス(112;700)が、請求項2から10のいずれか一項に記載の方法を実施するようにさらに適応された、請求項11に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項13】
ビーム障害回復のための無線デバイス(112;700)であって、前記無線デバイス(112;700)が、
- 1つまたは複数の送信機(708)と、
- 1つまたは複数の受信機(710)と、
- 前記1つまたは複数の送信機(708)と前記1つまたは複数の受信機(710)とに関連する処理回路(702)と
を備え、前記処理回路(702)は、前記無線デバイス(112;700)に、
・ 基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、
・ 前記基地局から、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを受信すること(210、318)と、
・ 前記アップリンクグラント中に含まれる前記新データインジケータに基づいて、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すること(212、320)と
を行わせるように設定された、無線デバイス(112;700)。
【請求項14】
前記処理回路(702)は、前記無線デバイス(112;700)に、前記ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、
- 前記ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施すること(216、324)
を行わせるようにさらに設定された、請求項13に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項15】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項13に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項16】
前記処理回路(702)は、前記無線デバイス(112;700)に、前記アップリンクグラント中に含まれる前記新データインジケータに基づいて、前記ビーム障害回復情報が前記基地局によって正常に受信されたと決定すること(212、320)を行わせるようにさらに設定された、請求項13に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項17】
前記新データインジケータは、前記アップリンクグラントが、新データをスケジュールし、再送信されるデータをスケジュールしないことを指示する前記アップリンクグラント中のビットである、請求項13に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項18】
前記新データインジケータは、前記ビットの値がトグルされたとき、前記アップリンクグラントが新データをスケジュールすることを指示する、請求項17に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項19】
前記ビーム障害回復情報が、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む、請求項13に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項20】
前記ビーム障害回復情報を含む前記アップリンク送信が、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージである、請求項13に記載の無線デバイス(112;700)。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラムを含んでいるキャリアであって、前記キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、キャリア。
【請求項23】
無線デバイス(112;700)の処理回路(702)によって実行可能な命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、それにより、前記無線デバイス(112;700)に、
- 基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、
- 前記基地局から、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを受信すること(210、318)と、
- 前記アップリンクグラント中に含まれる前記新データインジケータに基づいて、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すること(212、320)と
を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
ビーム障害回復のための基地局(102;400)によって実施される方法であって、前記方法は、
- 無線デバイス(112;700)から、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を受信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を受信すること(208、316)と、
- 前記無線デバイス(112;700)に、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを送信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを送信すること(210、318)と
を含み、
- 前記新データインジケータを含む前記特定のHARQプロセスのための前記アップリンクグラントが、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である、方法。
【請求項25】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記新データインジケータは、前記アップリンクグラントが、新データをスケジュールし、再送信されるデータをスケジュールしないことを指示する前記アップリンクグラント中のビットである、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記新データインジケータは、前記ビットの値がトグルされたとき、前記アップリンクグラントが新データをスケジュールすることを指示する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ビーム障害回復情報が、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む、請求項24から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ビーム障害回復情報を含む前記アップリンク送信が、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージである、請求項24から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
ビーム障害回復のための基地局(102;400)であって、前記基地局(102;400)は、
- 無線デバイス(112;700)から、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を受信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を受信すること(208、316)と、
- 前記無線デバイス(112;700)に、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを送信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを送信すること(210、318)と
を行うように適応され、
- 前記新データインジケータを含む前記特定のHARQプロセスのための前記アップリンクグラントが、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である、基地局(102;400)。
【請求項31】
前記基地局(102;400)が、請求項25から29のいずれか一項に記載の方法を実施するようにさらに適応された、請求項30に記載の基地局(102;400)。
【請求項32】
ビーム障害回復のための基地局(102;400)であって、前記基地局(102;400)が処理回路(404;504)を備え、前記処理回路(404;504)は、前記基地局(102;400)に、
- 無線デバイス(112;700)から、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を受信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を受信すること(208、316)と、
- 前記無線デバイス(112;700)に、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを送信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを送信すること(210、318)と
を行わせるように設定され、
- 前記新データインジケータを含む前記特定のHARQプロセスのための前記アップリンクグラントが、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である、基地局(102;400)。
【請求項33】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項24から29のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項34】
請求項33に記載のコンピュータプログラムを含んでいるキャリアであって、前記キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、キャリア。
【請求項35】
基地局(102;400)の処理回路(404;504)によって実行可能な命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、それにより、前記基地局(102;400)に、
- 無線デバイス(112;700)から、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を受信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク送信を受信すること(208、316)と、
- 前記無線デバイス(112;700)に、前記特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを送信すること(210、318)であって、前記アップリンクグラントが新データインジケータを含む、アップリンクグラントを送信すること(210、318)と
を行わせ、
- 前記新データインジケータを含む前記特定のHARQプロセスのための前記アップリンクグラントが、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年8月13日に出願された仮特許出願第62/885,850号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、セルラ通信システムにおけるビーム障害回復に関する。
【背景技術】
【0003】
キャリアアグリゲーション
キャリアアグリゲーションは、ユーザ機器(UE)が2つ以上のキャリアを割り振られることと、データ通信が2つ以上のキャリア上で実施され得ることとを暗示する。キャリアは、少なくともある程度まで独立して動作される。さらに、キャリアのリンク品質が、多くの場合独立している。異なるキャリアは、コンポーネントキャリア(CC)と呼ばれることがある。
【0004】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)仕様では、異なるCCは、異なるサービングセルとして知られている。キャリアアグリゲーションのために設定されたUEが、1つの1次セル(PCell)と、1つまたは複数の2次セル(SCell)とを有する。データがすべてのサービングセル上で送信されるが、多くのプロシージャがPCellのみに依拠する。
【0005】
ビーム回復
3GPP新無線(New Radio:NR)リリース15では、ビーム回復と呼ばれるプロシージャが、PCellについて規定されている。ビーム回復では、RRC_CONNECTED UEが、サービングリンクの品質に関連する測定を実施し、その品質が所与のしきい値を下回る場合、UEはビーム回復を実施する。プロシージャは、(gノードBまたはgNBと呼ばれる)NR基地局およびUEの送信(TX)ビームおよび受信(RX)ビームが不整合になったが、gNBとUEとの間の接続を維持するために使用され得る追加のビームがある、状況を解決することを目的とする。
【0006】
ビーム障害回復プロシージャは、以下の態様を含む。
1. ビーム障害検出:ここで、UEは、サービングリンクの品質を推定するために、ある周期的参照信号(RS)を監視する。そのリンクの品質があるしきい値を下回ると、UEはビーム回復を始動する。
2. 新しい候補ビーム識別:ビーム障害が検出されると、UEは、十分な品質を提供することになる新しいビームを識別することを試みる。UEは、次いで、同じノードから、ただし異なる候補ビームにおいて送信される、特定のRSを検索する。この検索プロシージャ中に、UEはまた、そのRXビームを変更し得る。
3. ビーム障害回復要求送信:UEは、アップリンク(UL)において、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルを送信する。gNBは、これらのULリソース中のUL信号を受信するために準備され、受信されたUL信号に基づいて、UEがどの候補ビームを選択したかを決定することができる。
4. gNBがビーム障害回復要求を受信したとき、gNBは、新しいビームの知識を使用して、gNBが要求を受信したことをUEに指示するために、ダウンリンク(DL)応答を送る。
5. UEは、ビーム障害回復要求についてのgNB応答を監視する。UEが応答を正常に受信すると、ビーム回復は完了する。この時間的ポイントにおいて、UEは、UEが物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)監視を実施するやり方を変更する。
【0007】
ステップ1においてビーム障害を宣言した後に、UEは、ネットワークとの接続が失われたと見なし、リンクを復元するように働くことに留意されたい。
【0008】
3GPPにおけるすべての説明中に、「ビーム回復」という用語が使用されるが、仕様(3GPP技術仕様(TS)38.213)では、「リンク回復」という用語が使用されることに留意されたい。したがって、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される(すなわち、本明細書では同じ意味を有する)。
【0009】
SCellのためのビーム回復
リリース16では、SCellのためのビーム回復が規定されている。ここで、上記のビーム回復セクションにおいて説明された最初の2つのステップが、再使用される。特に、設定された場合、UEは、依然として、周期的参照信号を監視することによってビーム障害検出を実施し、新しいビームを検索する。しかしながら、SCellビーム回復プロシージャの残りは、PCellビーム回復と比較して異なる。PCellは、依然として動作可能であり、UEは、PCell上で通信することができると仮定される。
【0010】
SCellビーム回復について、ビーム障害検出の後に、UEが、SCellのうちの少なくとも1つが失敗したことをネットワークに通知するために、スケジューリング要求を送ることが同意された。UEがULデータを送信するためのグラントをすでに有する場合、このステップは不要であり得る。このスケジューリング要求を受信したとき、ネットワークは、UEに、どのSCellが失敗したかに関する情報と、通信が再確立され得る新しい好適なビームに関する情報とを含んでいる媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージを送信するためのULリソースを許可する。将来の参照のために、このメッセージは、ビーム障害回復情報メッセージまたはBFRIメッセージと示されることになる。
【0011】
MAC CE
NRにおいてネットワークとUEとの間で制御情報を伝達するための1つのやり方は、MAC CEを使用することである。この特殊なMAC構造は、MACヘッダの論理チャネル識別子(ID)(LCID)フィールドにおいて、特殊なビット列として実装される。MAC CEは、ダウンリンク共有チャネルまたはアップリンク共有チャネル(UL-SCHまたはDL-SCH)上で送信され、したがって、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)によって保護される。
【0012】
NRにおける物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のためのHARQ再送信
NRは、物理チャネルの性能を改善するためにHARQに依拠する。HARQでは、受信機が、正しくパケットを復号することができない場合、受信機は、パケットの再送信を要求する。各送信は、そのような誤り検出を容易にするために、巡回冗長検査(CRC)に関連する。たいていの場合、受信機は、送信機に送信のステータスについて通知するために、送信機に確認応答(ACK)または否定ACK(NACK)を送る。
【0013】
NRにおけるPUSCHの場合、受信機(すなわち、基地局)は、そのようなCRCを使用して誤り検出を実施する。しかしながら、Long Term Evolution(LTE)とは異なり、送信される明示的ACK/NACKがない。代わりに、基地局は、各再送信を明示的にスケジュールする。各ULグラントは、どのHARQプロセスが対応する送信のために使用されるべきであるか、およびその送信が前の送信の再送信を含むべきであるかどうか、またはその送信が「新データ」を含むべきであるかどうか、すなわち、スケジューリングダウンリンク制御情報(DCI)中に「新データ」と呼ばれる特定のビットがあるかどうかに関する情報を含む。そのビットが「新データ」を指示する場合、UEは新データを送信し、他の場合、UEは前のパケットを再送信する。
【0014】
既存のソリューションに関する問題
現在、(1つまたは複数の)ある課題が存在する。特に、NRにおけるSCellのためのビーム障害回復は新しく、対処される必要がある新しい問題点を生じる。
【発明の概要】
【0015】
ビーム障害回復のためのシステムおよび方法が開示される。特に、ビーム障害回復のための無線デバイスによって実施される方法の実施形態、および無線デバイスの対応する実施形態が開示される。一実施形態では、ビーム障害回復のための無線デバイスによって実施される方法が、基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク(UL)送信を送信することであって、UL送信が、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスに関連する、アップリンク(UL)送信を送信することを含む。本方法は、基地局から、特定のHARQプロセスのためのULグラントを受信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを受信することをさらに含む。本方法は、ULグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定することをさらに含む。このようにして、無線デバイスは、HARQ確認応答が送られないときでも、ビーム障害回復プロシージャがいつ完了したかを決定することを可能にされる。
【0016】
一実施形態では、本方法は、ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施することをさらに含む。
【0017】
一実施形態では、ビーム障害回復プロシージャは、2次セル(SCell)ビーム障害回復プロシージャである。
【0018】
一実施形態では、本方法は、ULグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報が基地局によって正常に受信されたと決定することをさらに含む。
【0019】
一実施形態では、新データインジケータは、ULグラントが、新データをスケジュールし、再送信されるデータをスケジュールしないことを指示するULグラント中のビットである。一実施形態では、新データインジケータは、ビットの値がトグルされたとき、ULグラントが新データをスケジュールすることを指示する。
【0020】
一実施形態では、ビーム障害回復情報は、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む。
【0021】
一実施形態では、ビーム障害回復情報を含むUL送信は、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージである。
【0022】
一実施形態では、ULグラントは、0ビットよりも大きいあらかじめ規定された最小サイズのULグラントである。別の実施形態では、ULグラントは、サイズ0ビットのULグラントである。
【0023】
無線デバイスの対応する実施形態も開示される。一実施形態では、ビーム障害回復のための無線デバイスが、基地局に、ビーム障害回復情報を含むUL送信を送信することであって、UL送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を送信することを行うように適応される。無線デバイスは、基地局から、特定のHARQプロセスのためのULグラントを受信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを受信することを行うようにさらに適応される。無線デバイスは、ULグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定するようにさらに適応される。
【0024】
別の実施形態では、ビーム障害回復のための無線デバイスが、1つまたは複数の送信機と、1つまたは複数の受信機と、1つまたは複数の送信機と1つまたは複数の受信機とに関連する処理回路とを備える。処理回路は、無線デバイスに、基地局に、ビーム障害回復情報を含むUL送信を送信することであって、UL送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を送信することを行わせるように設定される。処理回路は、無線デバイスに、基地局から、特定のHARQプロセスのためのULグラントを受信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを受信することを行わせるようにさらに設定される。処理回路は、無線デバイスに、ULグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定することを行わせるようにさらに設定される。
【0025】
一実施形態では、処理回路は、無線デバイスに、ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施することを行わせるようにさらに設定される。
【0026】
一実施形態では、ビーム障害回復プロシージャは、SCellビーム障害回復プロシージャである。
【0027】
一実施形態では、処理回路は、無線デバイスに、ULグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報が基地局によって正常に受信されたと決定することを行わせるようにさらに設定される。
【0028】
一実施形態では、新データインジケータは、ULグラントが、新データをスケジュールし、再送信されるデータをスケジュールしないことを指示するULグラント中のビットである。一実施形態では、新データインジケータは、ビットの値がトグルされたとき、ULグラントが新データをスケジュールすることを指示する。
【0029】
一実施形態では、ビーム障害回復情報は、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む。
【0030】
一実施形態では、ビーム障害回復情報を含むUL送信は、MAC CEメッセージである。
【0031】
一実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書で開示される実施形態のいずれかに記載の無線デバイスによって実施される方法を行わせる命令を備える、コンピュータプログラム。一実施形態では、コンピュータプログラムを含んでいるキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、キャリアが提供される。
【0032】
一実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体であって、非一時的コンピュータ可読媒体が、無線デバイスの処理回路によって実行可能な命令を備え、それにより、無線デバイスに、基地局に、ビーム障害回復情報を含むUL送信を送信することであって、UL送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を送信することと、基地局から、特定のHARQプロセスのためのULグラントを受信することであって、アップリンクグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを受信することと、ULグラント中に含まれる新データインジケータに基づいて、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定することとを行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0033】
ビーム障害回復のための基地局によって実施される方法の実施形態、および基地局の対応する実施形態も開示される。一実施形態では、ビーム障害回復のための基地局によって実施される方法が、無線デバイスから、ビーム障害回復情報を含むUL送信を受信することであって、UL送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を受信することを含む。本方法は、無線デバイスに、特定のHARQプロセスのためのULグラントを送信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを送信することをさらに含む。新データインジケータを含む特定のHARQプロセスのためのULグラントは、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である。
【0034】
一実施形態では、ビーム障害回復プロシージャは、SCellビーム障害回復プロシージャである。
【0035】
一実施形態では、新データインジケータは、ULグラントが、新データをスケジュールし、再送信されるデータをスケジュールしないことを指示するULグラント中のビットである。一実施形態では、新データインジケータは、ビットの値がトグルされたとき、ULグラントが新データをスケジュールすることを指示する。
【0036】
一実施形態では、ビーム障害回復情報は、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む。
【0037】
一実施形態では、ビーム障害回復情報を含むUL送信は、MAC CEメッセージである。
【0038】
基地局の対応する実施形態も開示される。一実施形態では、ビーム障害回復のための基地局が、無線デバイスから、ビーム障害回復情報を含むUL送信を受信することであって、アップリンク送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を受信することを行うように適応される。基地局は、無線デバイスに、特定のHARQプロセスのためのULグラントを送信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを送信することを行うようにさらに適応される。特定のHARQプロセスのためのULグラントは、新データインジケータを含み、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である。
【0039】
別の実施形態では、ビーム障害回復のための基地局が、処理回路を備え、処理回路は、基地局に、無線デバイスから、ビーム障害回復情報を含むUL送信を受信することであって、UL送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を受信することを行わせるように設定される。処理回路は、基地局に、無線デバイスに、特定のHARQプロセスのためのULグラントを送信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを送信することを行わせるようにさらに設定される。特定のHARQプロセスのためのULグラントは、新データインジケータを含み、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である。
【0040】
一実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書で開示される実施形態のいずれかに記載の基地局によって実施される方法を行わせる命令を備える、コンピュータプログラム。一実施形態では、コンピュータプログラムを含んでいるキャリアであって、キャリアが、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、キャリアが提供される。
【0041】
一実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が、基地局の処理回路によって実行可能な命令を備え、それにより、基地局に、無線デバイスから、ビーム障害回復情報を含むUL送信を受信することであって、UL送信が、特定のHARQプロセスに関連する、UL送信を受信することと、無線デバイスに、特定のHARQプロセスのためのULグラントを送信することであって、ULグラントが新データインジケータを含む、ULグラントを送信することとを行わせ、新データインジケータを含む特定のHARQプロセスのためのULグラントは、ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である。
【0042】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明とともに本開示の原理について解説するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本開示の実施形態が実装され得るセルラ通信システムの一例を示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、2次セル(SCell)ビーム障害回復プロシージャを実施するための、ユーザ機器(UE)およびネットワークノード(たとえば、基地局)の動作の第1の例を示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、SCellビーム障害回復プロシージャを実施するための、UEおよびネットワークノード(たとえば、基地局)の動作の第2の例を示す図である。
【
図4】基地局の例示的な実施形態の概略ブロック図である。
【
図5】基地局の例示的な実施形態の概略ブロック図である。
【
図6】基地局の例示的な実施形態の概略ブロック図である。
【
図7】無線デバイス(たとえば、UE)の例示的な実施形態の概略ブロック図である。
【
図8】無線デバイス(たとえば、UE)の例示的な実施形態の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に記載される実施形態は、当業者が本実施形態を実践することができるようにするための情報を表し、本実施形態を実践する最良の形態を示す。添付の図面に照らして以下の説明を読むと、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書では特に扱われないこれらの概念の適用例を認識されよう。これらの概念および適用例は、本開示の範囲内に入ることを理解されたい。
【0045】
無線ノード:本明細書で使用される「無線ノード」は、無線アクセスノードまたは無線デバイスのいずれかである。
【0046】
無線アクセスノード:本明細書で使用される「無線アクセスノード」または「無線ネットワークノード」は、信号を無線で送信および/または受信するように動作する、セルラ通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)における任意のノードである。無線アクセスノードのいくつかの例は、限定はしないが、基地局(たとえば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)第5世代(5G)NRネットワークにおける新無線(NR)基地局(gNB)、あるいは3GPP Long Term Evolution(LTE)ネットワークにおける拡張またはエボルブドノードB(eNB))と、高電力またはマクロ基地局と、低電力基地局(たとえば、マイクロ基地局、ピコ基地局、ホームeNBなど)と、リレーノードとを含む。
【0047】
コアネットワークノード:本明細書で使用される「コアネットワークノード」は、コアネットワークにおける任意のタイプのノード、またはコアネットワーク機能を実装する任意のノードである。コアネットワークノードのいくつかの例は、たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、サービス能力公開機能(SCEF)、ホーム加入者サーバ(HSS)などを含む。コアネットワークノードのいくつかの他の例は、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、ユーザプレーン機能(UPF)、セッション管理機能(SMF)、認証サーバ機能(AUSF)、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワーク公開機能(NEF)、ネットワーク機能(NF)リポジトリ機能(NRF)、ポリシ制御機能(PCF)、統合データ管理(UDM)などを実装するノードを含む。
【0048】
無線デバイス:本明細書で使用される「無線デバイス」は、(1つまたは複数の)無線アクセスノードに対して信号を無線で送信および/または受信することによって、セルラ通信ネットワークへのアクセスを有する(すなわち、セルラ通信ネットワークによってサーブされる)任意のタイプのデバイスである。無線デバイスのいくつかの例は、限定はしないが、3GPPネットワークにおけるユーザ機器デバイス(UE)と、マシン型通信(MTC)デバイスとを含む。
【0049】
ネットワークノード:本明細書で使用される「ネットワークノード」は、セルラ通信ネットワーク/システムのRANまたはコアネットワークのいずれかの一部である任意のノードである。
【0050】
本明細書で与えられる説明は3GPPセルラ通信システムに焦点を当て、したがって、3GPP専門用語または3GPP専門用語に類似した専門用語がしばしば使用されることに留意されたい。しかしながら、本明細書で開示される概念は、3GPPシステムに限定されない。
【0051】
本明細書の説明では、「セル」という用語に対して、参照が行われ得ることに留意されたい。しかしながら、特に5G NR概念に関して、ビームがセルの代わりに使用されることがあり、したがって、本明細書で説明される概念は、セルとビームの両方に等しく適用可能であることに留意することが重要である。
【0052】
現在、ビーム障害回復に関して、(1つまたは複数の)ある課題が存在する。特に、ネットワークがビーム障害回復情報メッセージの第1の送信を受信しない場合、ネットワークは、ある時間的ポイントにおいて、メッセージの再送信をスケジュールすることになる。しかしながら、アップリンク(UL)ハイブリッド自動再送要求(HARQ)送信は明示的に確認応答されないので、UEが、ビーム障害回復メッセージがネットワークによって受信されたことを知るためのやり方がない。したがって、UEは、ビーム障害回復プロシージャが正常に完了されたことに気づいておらず、したがって、正しいプロシージャを適用することができない。
【0053】
本開示のいくつかの態様およびそれらの実施形態は、上述のまたは他の課題のソリューションを提供し得る。ビーム障害回復のためのシステムおよび方法が本明細書で説明される。これらのシステムおよび方法は、3GPP NRにおけるビーム障害回復のために特に有益であるが、これらのシステムおよび方法は、それに限定されない(たとえば、これらのシステムおよび方法は、ビーム障害回復を実施する他のタイプの無線ネットワークまたはセルラ通信ネットワークにおいて使用され得る)。以下で説明されるように、本開示の実施形態では、ビーム障害回復プロシージャは、UEが、ビーム障害回復情報メッセージを送信するために使用されたHARQプロセスのためのULグラントを受信したときに完了され、ここで、ULグラントは「新データ」を指示する。言い換えれば、ビーム障害回復中に、UEは、特定のHARQプロセスを使用して、ビーム障害回復情報メッセージを送信する。ビーム障害回復情報メッセージを正常に受信すると、基地局(たとえば、gNB)は、「新データ」インジケータを含むULグラントで応答する。UEにおいて、UEは、ULグラントを受信し、「新データ」インジケータをビーム障害回復情報メッセージのための確認応答(ACK)と解釈する。このACKに基づいて、UEは、ビーム障害回復の正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施する(たとえば、UEは、ビーム障害回復のために使用された測定値を廃棄する)。
【0054】
いくつかの実施形態は、(1つまたは複数の)以下の技術的利点のうちの1つまたは複数を提供し得る。本明細書で説明されるソリューションの実施形態を使用することによって、UEは、ビーム障害回復プロシージャがいつ完了されたかを知る。
【0055】
図1は、本開示の実施形態が実装され得るセルラ通信システム100の一例を示す。本明細書で説明される実施形態では、セルラ通信システム100は、好ましくは、NR RANを含む5Gシステム(5GS)であるが、それに限定されない。この例では、RANは、5G NRにおいてgNBと呼ばれる、基地局102-1および102-2を含み、対応する(マクロ)セル104-1および104-2を制御する。基地局102-1および102-2は、概して、本明細書では、まとめて基地局102と呼ばれ、個別に基地局102と呼ばれる。同様に、(マクロ)セル104-1および104-2は、概して、本明細書では、まとめて(マクロ)セル104と呼ばれ、個別に(マクロ)セル104と呼ばれる。RANは、対応するスモールセル108-1~108-4を制御する、いくつかの低電力ノード106-1~106-4をも含み得る。低電力ノード106-1~106-4は、(ピコ基地局またはフェムト基地局などの)小さい基地局、またはリモート無線ヘッド(RRH)などであり得る。特に、示されていないが、スモールセル108-1~108-4のうちの1つまたは複数は、基地局102によって代替的に提供され得る。低電力ノード106-1~106-4は、概して、本明細書では、まとめて低電力ノード106と呼ばれ、個別に低電力ノード106と呼ばれる。同様に、スモールセル108-1~108-4は、概して、本明細書では、まとめてスモールセル108と呼ばれ、個別にスモールセル108と呼ばれる。セルラ通信システム100は、5GSにおいて5Gコア(5GC)と呼ばれる、コアネットワーク110をも含む。基地局102(および、随意に低電力ノード106)は、コアネットワーク110に接続される。
【0056】
基地局102および低電力ノード106は、対応するセル104および108中の無線デバイス112-1~112-5にサービスを提供する。無線デバイス112-1~112-5は、概して、本明細書では、まとめて無線デバイス112と呼ばれ、個別に無線デバイス112と呼ばれる。無線デバイス112は、本明細書では、UEと呼ばれることもある。
【0057】
次に、本開示のいくつかの例示的な実施形態の説明が提供される。一実施形態では、UE(たとえば、UE112)は、ビーム障害回復プロシージャを実施し、UEは、UEがビーム障害回復情報メッセージの送信のために使用されたHARQプロセスのための新しいULグラントを受信したとき、ビーム障害回復プロシージャが完了したと見なし、そのULグラントは「新データ」を指示する。いくつかの実施形態では、「新データ」を指示する新しいULグラントは、0ビットよりも大きい最小サイズのULグラントを含んでいる。また別の実施形態では、「新データ」を指示する新しいULグラントは、サイズ0ビットのULグラントを含んでいる。
【0058】
言い換えれば、一実施形態では、UE(たとえば、UE112)は、ビーム障害回復プロシージャを実施し、UEは、UEがビーム障害回復情報メッセージの送信のために使用されたHARQプロセスのための新しいULグラントを受信したとき、ビーム障害回復プロシージャが完了したと見なし、そのULグラントは、ビーム障害回復情報メッセージが、基地局(たとえば、たとえばgNBなどの基地局102)によって正常に受信されたことを暗黙的に指示する情報を含む。いくつかの好ましい実施形態では、ビーム障害回復情報メッセージが、基地局によって正常に受信されたことを指示するULグラント中に含まれる情報は、「新データ」インジケータ(たとえば、ULグラントが、HARQプロセスのための再送信についてではなく、HARQプロセスのための送信されるべき新データについてのものであることを明示的に指示する1つまたは複数のビット)である。いくつかの実施形態では、ULグラントは、追加または代替として、ULグラントが、0ビットよりも大きい最小サイズのものであることを指示する情報を含む。いくつかの他の実施形態では、ULグラントは、追加または代替として、ULグラントが、サイズ0ビットのULグラントであることを指示する情報を含む。
【0059】
この点について、
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、2次セル(SCell)ビーム障害回復プロシージャを実施するための、UE(たとえば、UE112)およびネットワークノード(たとえば、たとえばgNBなどの基地局112)の動作を示す。この例では、UEはULグラントを有せず、したがって、UEは、UL送信リソースを得るために、ネットワークノードにスケジューリング要求(SR)を送信することによってビーム障害回復プロシージャを開始する(ステップ200)。応答して、ネットワークノードは、特定のHARQプロセスのためのULグラントを送信し、UEは、そのULグラントを受信する(ステップ202)。この例では、HARQプロセスは、HARQ識別子(ID)=4を有するHARQプロセスである。また、ULグラント中の新データインジケータ(NDI)は、新データが送信され得ることを指示する。これは、NDIを真にセットすること、またはNDIの値がトグルされる、すなわち、NDIの値が、それが前に受信されたときと比較して異なることによって達成され得る。図示の例では、NDIは、新データが送信され得ることを指示するために真にセットされ、再送信が必要とされることを指示するために偽にセットされる。しかしながら、上述のように、NDIは、代替的に、その前の値と比較して、NDIの値をトグルすることによって、新データが送信され得ることを指示するために使用され得る。ULグラントを使用して、UEは、ネットワークノードに、ビーム障害回復情報(BFRI)メッセージを送信する(ステップ204)。上記で説明されたように、BFRIメッセージは、どのSCellが失敗したかに関する情報と、通信が再確立され得る新しい好適なビームに関する情報(たとえば、ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報)とを含んでいるMAC CEメッセージであり得る。しかしながら、BFRIメッセージのこの最初の送信は失敗し、したがって、ネットワークノードは、BFRIメッセージの再送信をスケジュールする(ステップ206)。ネットワークノードは、この例では、NDIを偽にセットすることによって行われる、新データが送信されるべきでないことを指示するNDIをもつ同じHARQプロセスのためのULグラントを送ることによって、BFRIメッセージの再送信をスケジュールする。
【0060】
ステップ206のULグラントに応答して、UEは、BFRIメッセージの再送信を送信する(ステップ208)。この例では、BFRIメッセージの再送信はネットワークノードに正常に到達し、したがって、ネットワークノードは、対応するHARQプロセスのための新データを要求することによって受信に確認応答する。言い換えれば、ネットワークノードは、この例では、NDIを真にセットすることによって行われる、新データが送信され得ることを指示するNDIをもつ同じHARQプロセスのためのULグラントをUEに送ることによって、BFRIメッセージの再送信の受信に確認応答する(ステップ210)。UEにおいて、UEは、ステップ210のULグラントを受信し、ULグラントをBFRIメッセージの再送信のためのACKと解釈する(ステップ212)。UEは、したがって、ULグラント中のNDIに基づいて、BFRIに関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定する。随意に、UEは、ステップ210のULグラントに応答して、ネットワークノードに(たとえば、「ダミー」)データを送信する(ステップ214)。さらに、UEは、ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施する(ステップ216)。たとえば、UEは、ビーム障害回復プロシージャに関連する測定値を削除し得る。
【0061】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、SCellビーム障害回復プロシージャを実施するための、UE(たとえば、UE112)およびネットワークノード(たとえば、たとえばgNBなどの基地局112)の動作を示す。図示の例では、NDIは、新データが送信され得ることを指示するために真にセットされ、再送信が必要とされることを指示するために偽にセットされる。しかしながら、上述のように、NDIは、代替的に、その前の値と比較して、NDIの値をトグルすることによって、新データが送信され得ることを指示するために使用され得る。この例では、UEは進行中のデータ送信、したがってULグラントを有し、したがって、UEは、BFRIメッセージ(たとえば、BFRIを含んでいる媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE))を直接送る(ステップ300)。UEは、BFRIを、その進行中のデータ送信からの他のデータと多重化する。この例では、BFRIメッセージの最初の送信は、HARQ ID=4を有するHARQプロセスについての進行中のデータ送信と多重化される。BFRIメッセージの最初の送信は失敗し、したがって、ネットワークノードは、メッセージの再送信をスケジュールする(ステップ314)。ネットワークノードは、この例では、NDIを偽にセットすることによって行われる、新データが送信されるべきでないことを指示するNDIをもつ同じHARQプロセス(この例では、HARQ ID=4をもつHARQプロセス)のためのULグラントを送ることによって、BFRIメッセージの再送信をスケジュールする。
【0062】
ステップ314のULグラントに応答して、UEは、データおよびBFRIメッセージの再送信を送信する(ステップ316)。この例では、再送信はネットワークノードに正常に到達し、したがって、ネットワークノードは、対応するHARQプロセスのための新データを要求することによって受信に確認応答する。言い換えれば、ネットワークノードは、この例では、NDIを真にセットすることによって行われる、新データが送信されるべきであることを指示するNDIをもつ同じHARQプロセス(HARQ ID=4)のためのULグラントをUEに送ることによって、BFRIメッセージの再送信の受信に確認応答する(ステップ318)。UEにおいて、UEは、ステップ318のULグラントを受信し、ULグラントをBFRIメッセージの再送信のためのACKと解釈する(ステップ320)。UEは、ステップ318のULグラントに応答して、ネットワークノードにデータを送信する(ステップ322)。随意に、UEは、ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施する(ステップ324)。たとえば、UEは、ビーム障害回復プロシージャに関連する測定値を削除し得る。
【0063】
図3の例では、ステップ300におけるUEによるBFRIおよびデータの最初の送信と、ステップ314におけるBFRIおよびデータの再送信のためのULグラントの送信との間で、ネットワークが他のHARQプロセス(たとえば、この例では、HARQ ID=5およびHARQ ID=6)に関連するULグラントを送り、UEが適切な送信/再送信で応答することに留意されたい(ステップ302~312)。ステップ302から312は随意であることに留意されたい。
【0064】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、基地局400の概略ブロック図である。基地局400は、たとえば、基地局102または106であり得る。示されているように、基地局400は、1つまたは複数のプロセッサ404(たとえば、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)と、メモリ406と、ネットワークインターフェース408とを含む制御システム402を含む。1つまたは複数のプロセッサ404は、本明細書では処理回路とも呼ばれる。さらに、基地局400は、各々が、1つまたは複数のアンテナ416に結合された1つまたは複数の送信機412と1つまたは複数の受信機414とを含む、1つまたは複数の無線ユニット410を含む。無線ユニット410は、無線インターフェース回路と呼ばれるか、または無線インターフェース回路の一部であり得る。いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)無線ユニット410は、制御システム402の外部にあり、たとえば、有線接続(たとえば、光ケーブル)を介して制御システム402に接続される。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、(1つまたは複数の)無線ユニット410および潜在的に(1つまたは複数の)アンテナ416は、制御システム402とともに一体化される。1つまたは複数のプロセッサ404は、本明細書で説明される基地局400の1つまたは複数の機能(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明された基地局/gNB/ネットワークノードの1つまたは複数の機能)を提供するように動作する。いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)機能は、たとえば、メモリ406に記憶され、1つまたは複数のプロセッサ404によって実行される、ソフトウェアで実装される。
【0065】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、基地局400の仮想化された実施形態を示す概略ブロック図である。この説明は、他のタイプのネットワークノードに等しく適用可能である。さらに、他のタイプのネットワークノードは、同様の仮想化されたアーキテクチャを有し得る。
【0066】
本明細書で使用される「仮想化された」基地局は、基地局400の機能の少なくとも一部分が、(たとえば、(1つまたは複数の)ネットワークにおける(1つまたは複数の)物理処理ノード上で実行する(1つまたは複数の)仮想マシンを介して)(1つまたは複数の)仮想構成要素として実装される基地局400の一実装形態である。示されているように、この例では、基地局400は、上記で説明されたように、1つまたは複数のプロセッサ404(たとえば、CPU、ASIC、FPGAなど)と、メモリ406と、ネットワークインターフェース408とを含む制御システム402と、各々が、1つまたは複数のアンテナ416に結合された1つまたは複数の送信機412および1つまたは複数の受信機414を含む、1つまたは複数の無線ユニット410とを含む。制御システム402は、たとえば、光ケーブルなどを介して(1つまたは複数の)無線ユニット410に接続される。制御システム402は、ネットワークインターフェース408を介して、(1つまたは複数の)ネットワーク502に結合されるかまたは(1つまたは複数の)ネットワーク502の一部として含まれる、1つまたは複数の処理ノード500に接続される。各処理ノード500は、1つまたは複数のプロセッサ504(たとえば、CPU、ASIC、FPGAなど)と、メモリ506と、ネットワークインターフェース508とを含む。
【0067】
この例では、本明細書で説明される基地局400の機能510(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明された基地局/gNB/ネットワークノードの1つまたは複数の機能)は、1つまたは複数の処理ノード500において実装されるか、または制御システム402および1つまたは複数の処理ノード500にわたって任意の所望の様式で分散される。いくつかの特定の実施形態では、本明細書で説明される基地局400の機能510の一部または全部は、(1つまたは複数の)処理ノード500によってホストされる(1つまたは複数の)仮想環境において実装される1つまたは複数の仮想マシンによって実行される仮想構成要素として実装される。当業者によって諒解されるように、(1つまたは複数の)処理ノード500と制御システム402との間の追加のシグナリングまたは通信が、所望の機能510のうちの少なくともいくつかを行うために使用される。特に、いくつかの実施形態では、制御システム402が含まれないことがあり、その場合、(1つまたは複数の)無線ユニット410は、(1つまたは複数の)適切なネットワークインターフェースを介して(1つまたは複数の)処理ノード500と直接通信する。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、本明細書で説明される実施形態のうちのいずれかに従って、少なくとも1つのプロセッサに、仮想環境において、基地局400の機能510のうちの1つまたは複数を実装する基地局400の機能(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明された基地局/gNB/ネットワークノードの1つまたは複数の機能)またはノード(たとえば、処理ノード500)の機能を行わせる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。いくつかの実施形態では、上述のコンピュータプログラム製品を備えるキャリアが提供される。キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体(たとえば、メモリなど、非一時的コンピュータ可読媒体)のうちの1つである。
【0069】
図6は、本開示のいくつかの他の実施形態による、基地局400の概略ブロック図である。基地局400は、1つまたは複数のモジュール600を含み、その各々はソフトウェアで実装される。(1つまたは複数の)モジュール600は、本明細書で説明される基地局400の機能(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明された基地局/gNB/ネットワークノードの1つまたは複数の機能)を提供する。この説明は、モジュール600が、処理ノード500のうちの1つにおいて実装されるか、または複数の処理ノード500にわたって分散され、ならびに/あるいは(1つまたは複数の)処理ノード500および制御システム402にわたって分散され得る、
図5の処理ノード500に等しく適用可能である。
【0070】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、UE700の概略ブロック図である。示されているように、UE700は、1つまたは複数のプロセッサ702(たとえば、CPU、ASIC、FPGAなど)と、メモリ704と、各々が、1つまたは複数のアンテナ712に結合された1つまたは複数の送信機708および1つまたは複数の受信機710を含む、1つまたは複数のトランシーバ706とを含む。(1つまたは複数の)トランシーバ706は、当業者によって諒解されるように、(1つまたは複数の)アンテナ712と(1つまたは複数の)プロセッサ702との間で通信される信号を調整するように設定された、(1つまたは複数の)アンテナ712に接続された無線フロントエンド回路を含む。プロセッサ702は、本明細書では処理回路とも呼ばれる。トランシーバ706は、本明細書では無線回路とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、上記で説明されたUE700の機能(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明されたUEの1つまたは複数の機能)は、たとえば、メモリ704に記憶され、(1つまたは複数の)プロセッサ702によって実行される、ソフトウェアで完全にまたは部分的に実装され得る。UE700は、たとえば、1つまたは複数のユーザインターフェース構成要素(たとえば、ディスプレイ、ボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン、(1つまたは複数の)スピーカーなどを含む入出力インターフェース、ならびに/あるいは、UE700への情報の入力を可能にする、および/またはUE700からの情報の出力を可能にするための任意の他の構成要素)、電力供給源(たとえば、バッテリーおよび関連する電力回路)など、
図7に示されていない追加の構成要素を含み得ることに留意されたい。
【0071】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、本明細書で説明される実施形態のうちのいずれかに従って、少なくとも1つのプロセッサにUE700の機能(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明されたUEの1つまたは複数の機能)を行わせる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。いくつかの実施形態では、上述のコンピュータプログラム製品を備えるキャリアが提供される。キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体(たとえば、メモリなど、非一時的コンピュータ可読媒体)のうちの1つである。
【0072】
図8は、本開示のいくつかの他の実施形態による、UE700の概略ブロック図である。UE700は、1つまたは複数のモジュール800を含み、その各々はソフトウェアで実装される。(1つまたは複数の)モジュール800は、本明細書で説明されるUE700の機能(たとえば、たとえば、
図2および
図3に関して上記で説明されたUEの1つまたは複数の機能)を提供する。
【0073】
本明細書で開示される任意の適切なステップ、方法、特徴、機能、または利益は、1つまたは複数の仮想装置の1つまたは複数の機能ユニットまたはモジュールを通して実施され得る。各仮想装置は、いくつかのこれらの機能ユニットを備え得る。これらの機能ユニットは、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含み得る、処理回路、ならびに、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理などを含み得る、他のデジタルハードウェアを介して実装され得る。処理回路は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光記憶デバイスなど、1つまたはいくつかのタイプのメモリを含み得る、メモリに記憶されたプログラムコードを実行するように設定され得る。メモリに記憶されたプログラムコードは、1つまたは複数の通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに本明細書で説明される技法のうちの1つまたは複数を行うための命令を含む。いくつかの実装形態では、処理回路は、それぞれの機能ユニットに、本開示の1つまたは複数の実施形態による、対応する機能を実施させるために使用され得る。
【0074】
図におけるプロセスが本開示のいくつかの実施形態によって実施される動作の特定の順序を示し得るが、そのような順序は例示的である(たとえば、代替実施形態が、異なる順序で動作を実施する、いくつかの動作を組み合わせる、いくつかの動作を重ね合わせる、などを行い得る)ことを理解されたい。
【0075】
本開示のいくつかの例示的な実施形態は以下の通りである。
【0076】
グループAの実施形態
実施形態1:ビーム障害回復のための無線デバイスによって実施される方法であって、方法は、基地局に、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、アップリンク送信が、特定のHARQプロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、基地局から、特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、アップリンクグラントは、ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信が、基地局によって正常に受信されたことを(たとえば、暗黙的に)指示する情報を含む、アップリンクグラントを受信すること(210、318)と、特定のHARQプロセスのためのアップリンクグラント中に含まれる情報に基づいて、ビーム障害回復情報が基地局によって正常に受信されたことと、それぞれのビーム障害回復プロシージャが完了したこととを決定すること(212、320)とを含む、方法。
実施形態2:ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信が基地局によって正常に受信されたことを指示する情報は、アップリンクグラント中に含まれる新データインジケータを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信が基地局によって正常に受信されたことを指示する情報は、アップリンクグラントのサイズが最小サイズであることを指示する情報を含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態4:ビーム障害回復情報を含むアップリンク送信が基地局によって正常に受信されたことを指示する情報は、アップリンクグラントのサイズが0ビットであることを指示する情報を含む、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態5:ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に適した1つまたは複数のアクションを実施すること(216、324)をさらに含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6:ビーム障害回復プロシージャは、2次セルビーム障害回復プロシージャである、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
グループBの実施形態
実施形態7:ビーム障害回復のための無線デバイスであって、無線デバイスは、グループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのうちのいずれかを実施するように設定された処理回路と、無線デバイスに電力を供給するように設定された電力供給回路とを備える、無線デバイス。
実施形態8:ビーム障害回復のためのユーザ機器(UE)であって、UEは、無線信号を送り、受信するように設定されたアンテナと、アンテナおよび処理回路に接続され、アンテナと処理回路との間で通信される信号を調節するように設定された、無線フロントエンド回路であって、処理回路が、グループAの実施形態のいずれか1つに記載のステップのいずれかを実施するように設定された、無線フロントエンド回路と、処理回路に接続され、UEへの情報の入力が処理回路によって処理されることを可能にするように設定された、入力インターフェースと、処理回路に接続され、処理回路によって処理されたUEからの情報を出力するように設定された、出力インターフェースと、処理回路に接続され、UEに電力を供給するように設定された、バッテリーとを備える、ユーザ機器(UE)。
【0078】
以下の略語のうちの少なくともいくつかが本開示で使用され得る。略語間の不整合がある場合、その略語が上記でどのように使用されるかが選好されるべきである。以下で複数回リストされる場合、最初のリスティングが(1つまたは複数の)後続のリスティングよりも選好されるべきである。
・ 3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
・ 5G 第5世代
・ 5GC 第5世代コア
・ 5GS 第5世代システム
・ ACK 確認応答
・ AMF アクセスおよびモビリティ管理機能
・ ASIC 特定用途向け集積回路
・ AUSF 認証サーバ機能
・ BFRI ビーム障害回復情報
・ CC コンポーネントキャリア
・ CE 制御エレメント
・ CPU 中央処理ユニット
・ CRC 巡回冗長検査
・ DCI ダウンリンク制御情報
・ DL ダウンリンク
・ DL-SCH ダウンリンク共有チャネル
・ DSP デジタル信号プロセッサ
・ eNB 拡張またはエボルブドノードB
・ FPGA フィールドプログラマブルゲートアレイ
・ gNB 新無線基地局
・ HARQ ハイブリッド自動再送要求
・ HSS ホーム加入者サーバ
・ ID 識別子
・ LCID 論理チャネル識別子
・ LTE Long Term Evolution
・ MAC 媒体アクセス制御
・ MME モビリティ管理エンティティ
・ MTC マシン型通信
・ NACK 否定応答
・ NDI 新データインジケータ
・ NEF ネットワーク公開機能
・ NF ネットワーク機能
・ NR 新無線
・ NRF ネットワーク機能リポジトリ機能
・ NSSF ネットワークスライス選択機能
・ PCell 1次セル
・ PCF ポリシ制御機能
・ PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル
・ P-GW パケットデータネットワークゲートウェイ
・ PRACH 物理ランダムアクセスチャネル
・ PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
・ RAM ランダムアクセスメモリ
・ RAN 無線アクセスネットワーク
・ ROM 読取り専用メモリ
・ RRH リモート無線ヘッド
・ RS 参照信号
・ RX 受信
・ SCEF サービス能力公開機能
・ SCell 2次セル
・ SMF セッション管理機能
・ SR スケジューリング要求
・ TS 技術仕様
・ TX 送信
・ UDM 統合データ管理
・ UE ユーザ機器
・ UL アップリンク
・ UL-SCH アップリンク共有チャネル
・ UPF ユーザプレーン機能
【0079】
当業者は、本開示の実施形態に対する改善および修正を認識されよう。すべてのそのような改善および修正は、本明細書で開示される概念の範囲内で考慮される。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム障害回復のための無線デバイス(112;700)によって実施される方法であって、
- ビーム障害を検出した後に、基地局(102;400)に、スケジューリング要求を送信すること(200)と、
- 前記基地局から、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスのための第1のアップリンクグラントを受信すること(202)と、
-
前記第1のアップリンクグラントを使用して、前記基地局
にアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、
ビーム障害回復情報を含み、前記アップリンク送信が、前記特定
のHAR
Qプロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、
- 前記基地局から、前記特定のHARQプロセスのため
の第2のアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、前記
第2のアップリンクグラントが
、新データが送信され得ることを指示する新データインジケータ
(NDI)を含む、
第2のアップリンクグラントを受信すること(210、318)と、
- 前記
第2のアップリンクグラント中に含まれる前記
NDIに基づいて、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すること(212、320)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、
- 前記ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施すること(216、324)
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記
第2のアップリンクグラント中に含まれる前記
NDIに基づいて、前記ビーム障害回復情報が前記基地局によって正常に受信されたと決定すること(212、320)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記
NDIが、前記
第2のアップリンクグラント中のビットであ
り、前記ビットの値がトグルされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ビーム障害回復情報が、前記ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ビーム障害回復情報を含む前記アップリンク送信が、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージである、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ビーム障害回復のための無線デバイス(112;700)であって、前記無線デバイ
スは、
- ビーム障害を検出した後に、基地局(102;400)に、スケジューリング要求を送信すること(200)と、
- 前記基地局から、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスのための第1のアップリンクグラントを受信すること(202)と、
-
前記第1のアップリンクグラントを使用して、前記基地局
にアップリンク送信を送信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、
ビーム障害回復情報を含み、前記アップリンク送信が、前記特定
のHAR
Qプロセスに関連する、アップリンク送信を送信すること(208、316)と、
- 前記基地局から、前記特定のHARQプロセスのため
の第2のアップリンクグラントを受信すること(210、318)であって、前記
第2のアップリンクグラントが
、新データが送信され得ることを指示する新データインジケータ
(NDI)を含む、
第2のアップリンクグラントを受信すること(210、318)と、
- 前記アップリンクグラント中に含まれる前記
NDIに基づいて、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すること(212、320)と
を行うように適応された、無線デバイス(112;700)。
【請求項9】
前記ビーム障害回復プロシージャが完了したと決定すると、
- 前記ビーム障害回復プロシージャの正常な完了に関連する1つまたは複数のアクションを実施すること(216、324)
を行うようにさらに適応された、請求項8に記載の無線デバイス。
【請求項10】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項8または9に記載の無線デバイス。
【請求項11】
前記第2のアップリンクグラント中に含まれる前記NDIに基づいて、前記ビーム障害回復情報が前記基地局によって正常に受信されたと決定すること(212、320)を行うようにさらに適応された、請求項8から10のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項12】
前記NDIが、前記第2のアップリンクグラント中のビットであり、前記ビットの値がトグルされる、請求項8から11のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項13】
前記ビーム障害回復情報が、前記ビーム障害のセルと、通信を再確立するのに好適な新しいビームとを指示する情報を含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項14】
前記ビーム障害回復情報を含む前記アップリンク送信が、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)メッセージである、請求項8から13のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項15】
ビーム障害回復のための基地局(102;400)によって実施される方法であって、前記方法は、
- 無線デバイス(112;700)から、スケジューリング要求を受信すること(200)と、
- 前記無線デバイスに、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスのための第1のアップリンクグラントを送信すること(202)と、
-
前記第1のアップリンクグラントに従って、前記無線デバイ
スから
、アップリンク送信を受信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、
ビーム障害回復情報を含み、前記アップリンク送信が、前記特定
のHAR
Qプロセスに関連する、アップリンク送信を受信すること(208、316)と、
- 前記無線デバイ
スに、前記特定のHARQプロセスのため
の第2のアップリンクグラントを送信すること(210、318)であって、前記
第2のアップリンクグラントが
、新データが送信され得ることを指示する新データインジケータ
(NDI)を含む、
第2のアップリンクグラントを送信すること(210、318)と
を含み、
- 前記
NDIを含む前記特定のHARQプロセスのための前記
第2のアップリンクグラントが、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である、方法。
【請求項16】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記
NDIが、前記第
2のアップリンクグラント中のビットであ
り、前記ビットの値がトグルされる、請求項
15または16に記載の方法。
【請求項18】
ビーム障害回復のための基地局(102;400)であって、前記基地
局は、
- 無線デバイス(112;700)から、スケジューリング要求を受信すること(200)と、
- 前記無線デバイスに、特定のハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスのための第1のアップリンクグラントを送信すること(202)と、
-
前記第1のアップリンクグラントに従って、前記無線デバイ
スから
、アップリンク送信を受信すること(208、316)であって、前記アップリンク送信が、
ビーム障害回復情報を含み、前記アップリンク送信が、前記特定
のHAR
Qプロセスに関連する、アップリンク送信を受信すること(208、316)と、
- 前記無線デバイ
スに、前記特定のHARQプロセスのため
の第2のアップリンクグラントを送信すること(210、318)であって、前記
第2のアップリンクグラントが
、新データが送信され得ることを指示する新データインジケータ
(NDI)を含む、
第2のアップリンクグラントを送信すること(210、318)と
を行うように適応され、
- 前記
NDIを含む前記特定のHARQプロセスのための前記
第2のアップリンクグラントが、前記ビーム障害回復情報に関するビーム障害回復プロシージャが完了したという指示である、基地局(102;400)。
【請求項19】
前記ビーム障害回復プロシージャが、2次セルビーム障害回復プロシージャである、請求項18に記載の基地局。
【請求項20】
前記NDIが、前記第2のアップリンクグラント中のビットであり、前記ビットの値がトグルされる、請求項18または19に記載の基地局。
【国際調査報告】