(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】発泡体押出用の予備乾燥ポリスチレン/アルミナ複合物
(51)【国際特許分類】
C08J 9/04 20060101AFI20221007BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20221007BHJP
C08L 25/04 20060101ALI20221007BHJP
C08K 5/101 20060101ALI20221007BHJP
C08L 9/00 20060101ALI20221007BHJP
C08L 91/08 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
C08J9/04 103
C08J9/04 CET
C08K3/22
C08L25/04
C08K5/101
C08L9/00
C08L91/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507817
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 US2020044906
(87)【国際公開番号】W WO2021026170
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391024559
【氏名又は名称】フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド
【氏名又は名称原語表記】FINA TECHNOLOGY, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ファンクイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジャイナ
(72)【発明者】
【氏名】ティペット,ジョン・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ブラックモン,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ノイッペル,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ガウスタッド,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス,ワイマン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イン
【テーマコード(参考)】
4F074
4J002
【Fターム(参考)】
4F074AA32
4F074AA33
4F074AA64
4F074AB05
4F074AC20
4F074AD01
4F074AD11
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4F074BA53
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4F074CC04X
4F074CC22X
4F074CC28X
4F074DA32
4J002AC032
4J002AC112
4J002AE042
4J002BC021
4J002BC031
4J002BC061
4J002BC071
4J002DE146
4J002GT00
(57)【要約】
押出発泡体を製造するためのポリスチレン(PS)組成物であって、PS組成物は、PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と;発泡剤とを含む、ポリスチレン(PS)組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出発泡体を製造するためのポリスチレン(PS)組成物であって:
PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と;
発泡剤と
を含む、ポリスチレン(PS)組成物。
【請求項2】
乾燥PS/アルミナ複合物が、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む、請求項1に記載のPS組成物。
【請求項3】
アルミナ添加剤がSasol CATAPAL(登録商標)C1を含む、請求項1に記載のPS組成物。
【請求項4】
PSが、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、PSコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のPS組成物。
【請求項5】
PSコポリマーが、金属モノマー、グリシジルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項4に記載のPS組成物。
【請求項6】
PSが、ASTM D-1238によって測定して、0.2~30グラム(g)/10分(分)の範囲のメルトフローレート(MFR)を有する、請求項1に記載のPS組成物。
【請求項7】
グリセロールモノステアレート(GMS)、グリセロールトリステアレート(GTS)、鉱油(MO)、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化ポリブタジエン、又はそれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含む、請求項1に記載のPS組成物。
【請求項8】
約0.01~10.0重量パーセント(重量%)の添加剤を含み、重量パーセントは、PS組成物中のポリスチレン及び添加剤の総量に基づく、請求項7に記載のPS組成物。
【請求項9】
PS組成物中の発泡剤の溶解度が約7重量パーセント以上である、請求項1に記載のPS組成物。
【請求項10】
請求項1に記載のPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものよりも高い発泡剤濃度を含む、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【請求項11】
発泡剤が、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、二酸化炭素(CO
2)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の低密度PS発泡体。
【請求項12】
低密度ポリスチレン(PS)発泡体の製造方法であって:
PS及びアルミナ添加剤を含むポリスチレン(PS)/アルミナ複合物を形成することと、
PS/アルミナ複合物から水分を除去して、乾燥PS/アルミナ複合物を形成することであって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05
重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、形成することと、
乾燥PS/アルミナ複合物、発泡剤、及び任意的に1つ以上の追加の添加剤をブレンドして、発泡性混合物を形成することと、
発泡性混合物をダイを通して減圧の領域に押し出すことによって発泡体を生成することと、
を含む、方法。
【請求項13】
乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物が、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
発泡性混合物中の発泡剤の溶解度が、乾燥PS/アルミナ複合物なしで製造された他の点では類似の発泡性混合物中の発泡剤の溶解度よりも少なくとも5、10、15、又は20%大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【請求項16】
低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、より高い発泡剤濃度を含み、及び/又は、少なくとも1つの優れた断熱若しくは機械的特性を示す、請求項15に記載の低密度PS発泡体。
【請求項17】
発泡剤が1つ以上のハイドロフルオロオレフィンを含み、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まず、ハイドロフルオロカーボン(HFC)からなる群から選択される1つ以上の発泡剤を含む発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同等の少なくとも1つの断熱特性を示す、請求項15に記載の低密度PS発泡体。
【請求項18】
発泡剤が1つ以上のハイドロフルオロカーボン(HFC)又は1つ以上のハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含み、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、より高い濃度の発泡剤を含む、請求項15に記載の低密度PS発泡体。
【請求項19】
炭化水素、CO
2、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される追加の発泡剤をさらに含む、請求項18に記載の低密度PS発泡体。
【請求項20】
押出発泡体を製造するための乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物は、PSとアルミナ添加剤との押出混合物を含み、乾燥PS/アルミナ複合物が、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有するように乾燥PS/アルミナ複合物を提供するために乾燥されており、乾燥PS/アルミナ複合物は、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む、乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物。
【請求項21】
PS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって:
PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と;
発泡剤と、を含み、PS組成物は、約7重量パーセント以上の発泡剤を含む、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2019年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/884,289号の利益を主張し、該特許出願は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府が後援する研究又は開発に関する声明
該当なし。
【0003】
マイクロフィッシュ付録に対する参照
該当なし。
【0004】
本開示は、ポリスチレン(PS)発泡体の製造に関する。より詳細には、本開示は、PS発泡体押出中の発泡剤の溶解度を増加させるためのPS組成物及び方法を提供する。さらにより詳細には、本開示は、望ましい断熱特性を有するPS発泡体を製造するためのPS組成物及び方法、並びにそれによって製造されるPS発泡体を提供する。
【背景技術】
【0005】
ポリスチレンを発泡させ、発泡ロッド、厚板、及びシート等の多様な物品に成形することができることは、当技術分野で周知である。HFC 134a等のハイドロフルオロカーボン(HFC)発泡剤を用いて形成されたポリスチレン(PS)発泡体は、断熱ボードの構築に使用することができる。高いHFC発泡剤濃度は、優れた断熱特性(例えば、R値によって測定される)のために発泡体ボードにおいて望ましい。一般的に使用される物理的発泡剤(例えば、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、又はそれらの組み合わせ)は、スモッグの形成をもたらし、高いオゾン層破壊係数若しくは地球温暖化係数(GWP)を有し、及び/又は有害な大気汚染物質であり得る。例えば、その高いGWP(地球温暖化係数)のため、HFC 134aを含む一部のHFCは、2021年までに禁止される。従って、HFC 134a等のHFCの代替物が必要である。ハイドロフルオロオレフィン(HFO)は、そのゼロGWPのために候補の1つと思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発泡体製造の進歩にもかかわらず、発泡体押出用のポリスチレン組成物中のHFC及びHFOの両方を含む、発泡剤溶解性の向上を達成するための、及び/又はポリスチレン発泡体中の発泡剤の保持を向上させるための、単純かつ経済的なアプローチが尚必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
押出発泡体を製造するためのポリスチレン(PS)組成物が本明細書に開示され、PS組成物は、PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と、発泡剤とを含む。また、PS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体が本明細書に開示され、低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものよりも高い発泡剤濃度を含む。さらに、PS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体が本明細書に開示され、低密度PS
発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体と比較して、少なくとも1つの優れた断熱特性を示す。また、PS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体が本明細書に開示され、低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同等の少なくとも1つの機械的特性を示す。さらに、PS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体が本明細書に開示され、ここで発泡剤は、1つ以上のハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含み、低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まず、ハイドロフルオロカーボン(HFC)からなる群から選択される1つ以上の発泡剤を含むPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同等の少なくとも1つの断熱特性を示す。
【0008】
また、低密度ポリスチレン(PS)発泡体を製造する方法が本明細書に開示され、該方法は、PS及びアルミナ添加剤を含むポリスチレン(PS)/アルミナ複合物を形成することと、PS/アルミナ複合物から水分を除去して乾燥PS/アルミナ複合物を形成することであって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、形成することと、乾燥PS/アルミナ複合物、発泡剤、及び任意的に1つ以上の追加の添加剤をブレンドして、発泡性混合物を形成することと、発泡性混合物をダイを通して減圧の領域に押し出すことによって発泡体を製造することと、を含む。この方法を介して製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体も提供される。態様において、低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、より高い発泡剤濃度を含み、及び/又は、少なくとも1つの優れた断熱若しくは機械的特性を示す。
【0009】
押出発泡体を製造するための乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物もまた本明細書に開示され、乾燥PS/アルミナ複合物は、PSとアルミナ添加剤との押出混合物を含み、押出混合物は、乾燥PS/アルミナ複合物がクーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有するように、乾燥PS/アルミナ複合物を提供するために乾燥されており、乾燥PS/アルミナ複合物は、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む。
【0010】
本開示及びその利点をより完全に理解するために、同様の参照番号が同様の部分を表す添付の図面及び詳細な説明に関連して、以下の簡単な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】7重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の第1の比較発泡体試料C1の画像を提供する;
【
図1B】8重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の第1の比較発泡体試料C1の画像を提供する;
【
図2A】6重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の第2の比較発泡体試料C2の画像を提供する;
【
図2B】7重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の第2の比較発泡体試料C2の画像を提供する;
【
図3A】6重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の本発明の発泡体試料I1の画像を提供する;
【
図3B】7重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の本発明の発泡体試料I1の画像を提供する;
【
図3C】8.5重量%の発泡剤HFC 134aを含む実施例1の本発明の発泡体試料I1の画像を提供する;
【
図4】7重量%及び7.5重量%のHFC 134aを含む実施例1の第2の比較発泡体試料C2と、9重量%のHFC 134aを含む実施例1の本発明の発泡体試料I1との並列比較を示す;
【
図5】実施例1の組成物についての発泡剤HFC 134aの濃度(重量%)の関数としての湿潤密度(g/cc)のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
最初に、1つ以上の態様の例示的な実施が以下に提供されるが、開示される組成物、方法、及び/又は製品は、現在知られているか、又は存在するかにかかわらず、いずれかの数の技術を用いて実施される場合があることを理解するべきである。本開示は、本明細書に示され、説明される例示的な設計及び実施を含む、以下に示される例示的な実施、図面、及び技術に決して限定されるべきではなく、それらの均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲内で修正される場合がある。本開示は、乾燥PS/アルミナ複合物及び発泡剤を含むポリスチレン(PS)組成物において使用するための乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物を記載する。乾燥PS/アルミナ複合物及びそれを含むPS組成物の使用は、PSが完成したPS発泡体中により高い濃度の発泡剤を保持することを可能にし、発泡体押出中のポリスチレン中のHFC(ハイドロフルオロカーボン)、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)、及び二酸化炭素(CO2)等であるがこれらに限定されない物理的発泡剤の溶解度を改善し、並びに/又は得られるPS発泡体中の発泡剤の保持を増加させることが予想外に発見された。具体的には、PS組成物は、PS(例えば、結晶ポリスチレン)及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、又は0重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と;発泡剤とを含む。
【0013】
態様において、本開示のPS組成物は、より高い発泡剤濃度及び/又はより広い範囲の温度での発泡性によって示されるように、より広い発泡押出加工窓を有する。態様において、本明細書に開示されるPS組成物の押出/発泡から得られるPS発泡体(例えば、低密度PS発泡体)は、より高い発泡剤(例えば、HFC又はHFO)濃度(例えば、発泡体押出中の所望の高い発泡剤溶解度のため)、得られるPS発泡体中の発泡剤保持の増加、及び/又は発泡体の向上した機械的特性(例えば、優れた断熱特性)を有する。本開示のPS組成物の潜在的な利点は、そのような組成物がポリスチレン断熱ボード製造業者が一般に使用されるHFC 134を、HFO等の低GWP(地球温暖化係数)発泡剤で置き換えることを可能にする場合があることである。
【0014】
態様において、本開示のPS組成物を形成するための乾燥PS/アルミナ複合物の使用は、発泡体押出中のPS組成物(ひいては、得られるPS発泡体)中の発泡剤溶解度を少なくとも10、20、又は30%増加させる。アルミナ添加剤は、態様において、乾燥PS/アルミナ複合物中に約0.01~約20.0重量%(重量%)の範囲で存在することができる。態様において、PS組成物中の発泡剤の溶解度は、約6.5、7、7.5、又は8重量パーセント以上である。
【0015】
発泡剤としてのHFOの使用には、2つの主要な課題が存在する。第1に、HFOは、非常に高価な冷媒/発泡剤であり、第2に、HFOは、HFC 134a等の従来の発泡剤と比較して、ポリスチレンへの溶解度が比較的低く、従って、得られる発泡体製品において所望の断熱特性を達成することが困難になる場合がある。さらに、ポリスチレンは、典型的には、二酸化炭素等の物理的発泡剤が使用される場合、好ましい発泡挙動を示さない。特に、伝統的なポリスチレン発泡プロセスにおいて物理的発泡剤として使用される場合、二酸化炭素は、ポリマー材料のこれといった特徴のない塊、又は崩壊する傾向がある
品質の悪い熱可塑性発泡体を生成する。理論によって限定されるものではないが、これは、ポリマー-気体適合性の欠如、及び溶融熱可塑性押出物中の二酸化炭素の限定された溶解度の結果である場合があり、これは、熱可塑性物質/発泡剤の組み合わせがダイを出るときに、発泡体構造中に制御不能に高いレベルの連続気泡の生成をもたらす。さらに、得られた発泡体が目に見える発泡体構造を有する場合であっても、発泡体は、空気に対する二酸化炭素の比較的高い透過性のために急速に崩壊する傾向があり(即ち、気泡は、気泡からの二酸化炭素の急速な漏出によって生じる部分真空のために崩壊する可能性がある)、製造されてから数時間以内にほとんどの実用的な用途には不適切になる。本開示を介して、HFO及びCO2等の非HFC発泡剤は、特定の低密度PS発泡体用途において発泡剤又は共発泡剤として使用される場合がある。態様において、本開示のPS組成物を含む乾燥PS/アルミナ複合物は、押出中の発泡剤溶解度の向上及び/又は製造された発泡体中の発泡剤の保持の向上を伴って、CO2等の非可燃性、安価、及び低GWP(地球温暖化係数)の発泡剤への移行を可能にする場合がある。
【0016】
本開示は、乾燥PS/アルミナ複合物及び発泡剤を含むポリスチレン(PS)組成物において使用するための乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物を記載する。乾燥PS/アルミナ複合物及びそれを含むPS組成物の使用は、PSが完成したPS発泡体中により高い濃度の発泡剤を保持することを可能にし、発泡体押出中のポリスチレン中のHFC(ハイドロフルオロカーボン)、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)、及び二酸化炭素(CO2)等であるがこれらに限定されない物理的発泡剤の溶解度を改善し、並びに/又は得られるPS発泡体中の発泡剤の保持を増加させることが予想外に発見された。具体的には、PS組成物は、PS(例えば、結晶ポリスチレン)及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と;発泡剤とを含む。
【0017】
態様において、本開示のPS組成物は、より高い発泡剤濃度及び/又はより広い範囲の温度での発泡性によって示されるように、より広い発泡押出加工窓を有する。態様において、本明細書に開示されるPS組成物の押出/発泡から得られるPS発泡体(例えば、低密度PS発泡体)は、より高い発泡剤(例えば、HFC又はHFO)濃度(例えば、発泡体押出中の所望の高い発泡剤溶解度のため)、得られるPS発泡体中の発泡剤保持の増加、及び/又は発泡体の向上した機械的特性(例えば、優れた断熱特性)を有する。本開示のPS組成物の潜在的な利点は、そのような組成物がポリスチレン断熱ボード製造業者が一般に使用されるHFC 134を、HFO等の低GWP(地球温暖化係数)発泡剤で置き換えることを可能にする場合があることである。
【0018】
態様において、本開示のPS組成物を形成するための乾燥PS/アルミナ複合物の使用は、発泡押出中のPS組成物(ひいては、得られるPS発泡体)中の発泡剤溶解度を少なくとも10、20、又は30%増加させる。アルミナ添加剤は、態様において、乾燥PS/アルミナ複合物中に約0.01~約20.0重量%(重量%)の範囲で存在することができる。
【0019】
発泡剤としてのHFOの使用には、2つの主要な課題が存在する。第1に、HFOは、非常に高価な冷媒/発泡剤であり、第2に、HFOは、HFC 134a等の従来の発泡剤と比較して、ポリスチレンへの溶解度が比較的低く、従って、得られる発泡体製品において所望の断熱特性を達成することが困難になる場合がある。さらに、ポリスチレンは、典型的には、二酸化炭素等の物理的発泡剤が使用される場合、好ましい発泡挙動を示さない。特に、伝統的なポリスチレン発泡プロセスにおいて物理的発泡剤として使用される場合、二酸化炭素は、ポリマー材料のこれといった特徴のない塊、又は崩壊する傾向がある品質の悪い熱可塑性発泡体を生成する。理論によって限定されるものではないが、これは
、ポリマー-気体適合性の欠如、及び溶融熱可塑性押出物中の二酸化炭素の限定された溶解度の結果である場合があり、これは、熱可塑性物質/発泡剤の組み合わせがダイを出るときに、発泡体構造中に制御不能に高いレベルの連続気泡の生成をもたらす。さらに、得られた発泡体が目に見える発泡体構造を有する場合であっても、発泡体は、空気に対する二酸化炭素の比較的高い透過性のために急速に崩壊する傾向があり(即ち、気泡は、気泡からの二酸化炭素の急速な漏出によって生じる部分真空のために崩壊する可能性がある)、製造されてから数時間以内にほとんどの実用的な用途には不適切になる。本開示を介して、HFO及びCO2等の非HFC発泡剤は、特定の低密度PS発泡体用途において発泡剤又は共発泡剤として使用される場合がある。態様において、本開示のPS組成物を含む乾燥PS/アルミナ複合物は、押出中の発泡剤溶解度の向上及び/又は製造された発泡体中の発泡剤の保持の向上を伴って、CO2等の非可燃性、安価、及び低GWP(地球温暖化係数)の発泡剤への移行を可能にする場合がある。
【0020】
以下の用語は、当業者によって十分に理解されると考えられるが、以下の定義は、本明細書で開示される主題の説明を容易にするために記載される。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本明細書で開示される主題が属する当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
ビニルベンゼンとしても知られるスチレンは、エチルベンゼンから工業量で製造される芳香族複合物である。スチレン製造の最も一般的な方法は、エチルベンゼンの脱水素を含み、これはスチレンモノマー及び未反応エチルベンゼン及び水素の粗生成物を生成する。ポリスチレンは、スチレンモノマーから製造される芳香族ポリマーである。ポリスチレンは、断熱材、包装材、及び使い捨て食卓用金物類、並びに発泡体カップを含む発泡製品に見られる広く使用されているポリマーである。
【0022】
異なるタイプのポリスチレン材料は、汎用ポリスチレン(GPPS)及び高衝撃ポリスチレン(HIPS)を含むことができる。加工時間、温度、圧力、モノマー供給原料の純度、及び添加剤又は他の複合物の存在を含む多くの条件が、得られる製品の特性に影響を及ぼす。これら及び他の加工条件は、ポリスチレン製品の物理的及び化学的特性を変化させ、所望の使用に対する適合性に影響を及ぼす。
【0023】
発泡ポリスチレンは、その密度のために、低コスト、軽量、及び高い構造強度という利点を提供する。また、典型的なポリスチレン発泡体は、比較的高い耐衝撃性を有し、優れた電気的及び熱的絶縁特性を有している。発泡ポリスチレンは、断熱材、包装材、冷却器、食品包装材、装飾品、及び輸送中に貨物を保護し固定するために使用される荷敷等の多様な用途に有用である。さらに、ポリスチレン発泡体は、一般に、3つの一般的なカテゴリー:低密度、中密度、及び高密度に分類される。低密度ポリスチレン発泡体は、通常、約1~約3lb/ft3の密度を有し、一方、中密度発泡体は、約4~約19lb/ft3の範囲の密度を有する場合があり、高密度発泡体は、しばしば、20~約30lb/ft3の範囲の密度を有する。
【0024】
2つの主なタイプのポリスチレン発泡体は、押出ポリスチレン(XPS)発泡体及び発泡ポリスチレン(EPS)発泡体である。押出ポリスチレン発泡体は、典型的には、ポリスチレンを添加剤及び発泡剤とともに、混合物を加熱する押出機内へと混合することによって形成される。次いで混合物を押し出し、所望の形状に発泡させ、冷却する。発泡ポリスチレン発泡体は、典型的には、ペンタン等の発泡剤を含む固体ポリスチレンビーズを水蒸気又は高温気体で発泡させることによって形成される。これらの予備発泡ビーズは、その後、所望の形状に成形され、水蒸気又は高温気体で再び発泡させてビーズを一緒に融合させる場合がある。
【0025】
用語「発泡剤」は、本明細書で使用される場合、単独で又は少なくとも1つの他の物質と組み合わせて、プラスチック塊中で気泡構造を生成することができる多種多様な物質のいずれかを指す。従って、この用語は、圧力が解放されると膨張する気体、浸出されると細孔を残す可溶性固体、気体に変化すると気泡を発生する液体、及び/又は熱の影響下で分解若しくは反応して気体を形成する化学剤を含むが、これらに限定されない。
【0026】
押出ポリスチレン発泡体の製造において、塩化メチル、塩化エチル、クロロカーボン、フルオロカーボン(HFCを含む)及びクロロフルオロカーボン(CFC)のような発泡剤を使用することが一般的である。しかしながら、このような発泡剤は、オゾン層破壊又は地球温暖化を含む潜在的な環境影響のために、厳しく規制されてきた。押出発泡プロセス開発における継続中の傾向は、発泡剤として環境に優しい化学物質を見出すことである。いくつかの発泡プロセスは、発泡剤又は共発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)又は二酸化炭素(CO2)を使用してきた。所望の断熱特性のために、HFOは、その低い熱伝導率及び最小の環境影響のために好ましい。しかしながら、ポリスチレン中のHFO溶解度は、構造用断熱発泡体ボードの厳しい規制要件を満たすために、本明細書で提供されるようなさらなる改善を必要とする。
【0027】
「熱可塑性発泡体」という用語は、多数の気泡(gas bubble)又は気泡(cell)が、繰り返し加熱、溶融、成形、及び冷却され得るポリマーマトリックス中に分布している気泡ポリマーを指す。その結果、熱可塑性発泡体は、容易に溶融し、リサイクルすることができる。本開示に従って製造されるポリスチレン発泡体は、熱可塑性発泡体である場合がある。
【0028】
上記の定義の大部分は、当業者によって実質的に理解されるとおりであるが、上記の定義の1つ以上は、本明細書で開示される主題の本明細書の特定の説明のために、当業者によって通常理解される意味とは異なるように上記に定義され得る。
【0029】
ポリスチレン発泡体を製造するためのポリスチレン(PS)組成物(本明細書では「PSブレンド」、「PS配合物」又は「発泡性混合物」とも呼ばれる)が本明細書に開示される。本明細書に開示されるPS組成物は、PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物を含む。乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する。乾燥PS/アルミナ複合物は、PS及びアルミナ添加剤を含むポリスチレン(PS)/アルミナ複合物を形成し、PS/アルミナ複合物から水分を除去して、乾燥PS/アルミナ複合物を形成することによって製造することができ、ここで、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって、約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する。あるいは、PSとアルミナ添加剤との組み合わせは乾燥PS/アルミナ複合物をもたらし、即ち、PSとアルミナ添加剤との組み合わせが(さらなる水分除去なしに)、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の、必要な水分含量を有するPS/アルミナ複合物をもたらすのに十分な乾燥度であり、従ってPS/アルミナ複合物は乾燥PS/アルミナ複合物とみなされる。以下に詳述するように、本開示のPS組成物は、発泡剤(例えば、1つの発泡剤、又は複数の発泡剤)をさらに含むことができる。本明細書に以下に記載される追加の添加剤は、PS組成物中に含まれる場合がある(例えば、乾燥PS/アルミナ複合物中に組み込まれるか、又はそれと組み合わされて、ポリスチレン組成物を形成する)。例えば、本明細書にて以下にさらに記載されるように、そのような追加の添加剤は、SRA、酸化防止剤、難燃剤、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0030】
本開示のPS組成物は、乾燥PS/アルミナ複合物を介してその中に組み込まれたポリスチレンを含む。様々なポリスチレンホモポリマー及びコポリマー、並びに重合又は照射
技術によって構築された高衝撃ポリスチレン(HIPS)を使用することができる。態様において、PSは、結晶ポリスチレン(汎用ポリスチレン(GPPS)とも呼ばれる)、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、PSコポリマー、又はそれらの組み合わせを含むことができる。態様において、ポリスチレンコポリマーは、金属モノマーを含む場合がある。例えば、態様において、金属モノマーは、亜鉛ジメチルアクリレート(ZDMA)を含む。適切なポリスチレンコポリマーは、グリシジルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル等であるがこれらに限定されない多種多様なポリマーを含むことができる。態様において、適切なポリスチレンは、石油系資源及び/又はバイオ系資源から誘導することができる。
【0031】
態様において、本明細書に開示される乾燥PS/アルミナ複合物及びPS組成物のポリスチレンは、D1238によって測定して0.2~30グラム(g)/10分(分)、1.0~20g/10分、又は1.0~10.0g/10分の範囲のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0032】
態様において、本開示の乾燥PS/アルミナ複合物及びPS組成物は、結晶ポリスチレンを含む。結晶PSは、ASTM D-1238に従って測定して、0.2g/10分~30g/10分、1.0g/10分~20g/10分、又は1.0g/10分~10.0g/10分のメルトフローレート;ASTM D-1238に従って測定して、6,000psi~8,000psi(41.4~55.2MPa)、6,500psi~8,000psi(44.8~55.2MPa)、又は7,000psi~8,000psi(48.3~55.2MPa)の引張強度;ASTM D-638に従って測定して、400,000psi~480,000psi(2.8~3.3GPa)、420,000psi~460,000psi(2.9~3.2GPa)、又は430,000psi~450,000psi(3.0~3.1GPa)の引張係数;ASTM D-790に従って測定して、400,000psi~480,000psi(2.8~3.3MPa)、420,000psi~460,000psi(2.9~3.2MPa)、又は430,000psi~450,000psi(3.0~3.1MPa)の曲げ弾性率;ASTM
D-790に従って測定して、10,000psi~15,000psi(68.9~103.4MPa)、12,000psi~14,000psi(82.7~96.5MPa)、又は13,000psi~14,000psi(89.6~96.5MPa)の曲げ強度;ASTM D-648に従って測定して、190°F~220°F(87.8℃~104.4℃)、200°F~220°F(93.3℃~104.4℃)、又は210°F~220°F(98・9℃~104.4℃)のアニール熱歪み;及び/又は、ASTM D-1525に従って測定して、200°F~230°F(93.3℃~110.0℃)、210°F~230°F(98.9℃~110.0℃)、又は215°F~225°F(101.7℃~107.2℃)のビカット軟化によって特徴付けられる場合がある。
【0033】
態様において、本開示の乾燥PS/アルミナ複合物及びPS組成物は、HIPSを含む。HIPSは、いずれかのエラストマー強化ビニル芳香族ポリマーを指す。ビニル芳香族モノマーは、スチレン、α-メチルスチレン及び環置換スチレンを含む場合があるが、これらに限定されない。HIPSは、メチルスチレン;ハロゲン化スチレン;アルキル化スチレン;アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸と1~8個の炭素を有するアルコールとのエステル;ビニル-カルバゾール、無水マレイン酸等のN-ビニル複合物;ジビニルベンゼン又はブタンジオールジアクリレート等の2つの重合可能な二重結合を含む複合物;又はそれらの組み合わせを含むコモノマーをさらに含む場合がある。コモノマーは、使用者が所望する1つ以上の特性をポリスチレン樹脂に付与するのに有効な量で存在する場合がある。このような有効量は、本開示の助けを借りて当業者によって決定される場合がある。例えば、コモノマーは、ポリスチレンが形成される反応混合物の総重量の1重量%~
99.9重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の量でスチレンポリマー組成物中に存在する場合がある。
【0034】
HIPS中では、エラストマー材料は、典型的には、ポリスチレンマトリックス中に埋め込まれる。エラストマー材料の例は、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない共役ジエンモノマーを含む。態様において、HIPSは、エラストマーとして脂肪族共役ジエンモノマーを含む。適切な脂肪族共役ジエンモノマーの例は、ブタジエンモノマー等のC4~C9ジエンを含むがこれに限定されない。ジエンモノマーのブレンド又はコポリマーも使用する場合がある。同様に、1つ以上のエラストマーの混合物又はブレンドを使用して、HIPSを製造する場合がある。態様において、エラストマーは、ジエンモノマーのホモポリマーを含み、態様において、エラストマーは、ポリブタジエンを含む。エラストマーは、使用者が所望する1つ以上の特性を生じるのに有効な量でHIPS中に存在する場合がある。このような有効量は、本開示の助けを借りて当業者によって決定される場合がある。例えば、エラストマーは、HIPSの総重量に基づいて、1重量%~20重量%、2重量%~15重量%、又は5重量%~11重量%の量でHIPS製品中に存在する場合がある。
【0035】
態様において、本開示の乾燥PS/アルミナ複合物又はPS組成物において使用されるHIPSは、ASTM D-1238に従って測定して、1g/10分~40g/10分、1.5g/10分~20g/10分、又は2g/10分~15g/10分のメルトフローレート;ASTM D-3029に従って測定して、5in-lb~200in-lb(0.6~22.6N-m)、50in-lb~180in-lb(5.6~20.3N-m)、又は100in-lb~150in-lb(11.3~16.9N-m)の落下ダート衝撃;ASTM D-256に従って測定して、0.4ft-lb/in~5ft-lb/in(0.4~267J/m)、1ft-lbs/in~4ft-lbs/in(53~213J/m)、又は2ft-lbs/in~3.5ft-lbs/in(107~187J/m)のアイゾッド衝撃;ASTM D-638に従って測定して、2,000psi~10,000psi(13.8~68.9MPa)、2,800psi~8,000psi(19.3~55.1MPa)、又は3,000psi~5,000psi(20.7~34.5MPa)の引張強度;ASTM D-638に従って測定して、100,000psi~400,000psi(0.7~2.7GPa)、200,000psi~400,000psi(1.4~2.7GPa)、又は250,000psi~380,000psi(1.7~2.6GPa)の引張弾性率;ASTM D-638に従って測定して、0.5%~90%、5%~70%、又は35%~60%の伸び;ASTM D-790に従って測定して、3,000psi~15,000psi(20.7~103.4MPa)、4,000psi~10,000psi(27.6~68.9MPa)、又は6,000psi~9,000psi(41.4~62.1MPa)の曲げ強度;ASTM D-790に従って測定して、200,000psi~450,000psi(1.4~3.1GPa)、230,000psi~400,000psi(1.6~2.8GPa)、又は250,000psi~350,000psi(1.7~2.4GPa)の曲げ弾性率;ASTM D-648に従って測定して、180°F~215°F(82℃~102℃)、185~210°F(85~99℃)、又は190°F~205°F(88~96℃)のアニール熱歪み;ASTM D-1525に従って測定して、195°F~225°F(91℃~107℃)、195°F~220°F(91℃~104℃)、又は200°F~215°F(93℃~102℃)のビカット軟化;及び/又は、ASTM D-523に従って測定して、30~100、40~98、又は50~95の光沢60°を有する。
【0036】
本開示の乾燥PS/アルミナ複合物及びPS組成物は、アルミナ添加剤を含む。当業者
に公知のいずれの適切なアルミナも、アルミナ添加剤として使用することができる。態様において、アルミナ添加剤は、約64~約80、約72~約76、約72~約74、又は約70、72、若しくは74重量%以上の酸化アルミニウム(Al2O3)を含む。態様において、アルミナ添加剤は、約0.002重量%以下の酸化ナトリウム(Na2O)を含む。態様において、アルミナ組成物の残り(即ち、酸化アルミニウム又は酸化ナトリウム以外の成分を含む残り)は、チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)及び酸化鉄(例えば、酸化鉄(III)、Fe2O)3)を含む。態様において、アルミナ添加剤は、約5~約60、約26~約60、約35~約60の範囲、又は約5、10、20、30、40、50、若しくは60μm以上の、それより下では試料の質量の50%が含まれる直径として定義されるd50粒径(又は質量平均直径)を有する。態様において、アルミナ添加剤は、Brunauer-Emmett-Teller(BET)法によって測定して、約80~約360m2/g、約35~約400m2/g、約150~約360m2/g、約200~約360m2/gの範囲、又は約35、80、100、150、若しくは230m2/g以上の表面積を有する。態様において、アルミナ添加剤は、約0.3~約1.5mL/g、約0.5~約1.3mL/g、又は約0.5~約1.0mL/gの範囲の細孔体積を有する。態様において、アルミナ添加剤は、(120)回折ピークでのx線回折によって測定して、約4~約50nm、約4.5~約20nm、又は約5.5~約10nmの範囲の120結晶子サイズを有する。態様において、アルミナ添加剤は、Sasolから入手可能なCATAPAL(登録商標)、Sasolから入手可能なPURAL(登録商標)、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、態様において、アルミナ添加剤は、CATAPAL(登録商標)A、CATAPAL(登録商標)B、CATAPAL(登録商標)C1、CATAPAL(登録商標)D、CATAPAL(登録商標)200、PURAL(登録商標)SB、PURAL(登録商標)SCF、PURAL(登録商標)200、PURAL(登録商標)BT、又はそれらの組みを含む。表1は、本開示のPS/アルミナ複合物(例えば、水分が除去されて乾燥PS/アルミナ複合物を形成するPS/アルミナ複合物)において使用することができる例示的なアルミナ添加剤を示す。この表は、網羅的なものではなく、本明細書に記載されるか、又は当業者に公知であるいずれの適切なアルミナ添加剤も、本開示の助けを借りて態様において使用することができる。理論によって限定されることを望むものではないが、アルミナ添加剤は、態様において、赤外線(IR)減衰剤として機能することができる。
【0037】
【0038】
態様において、乾燥PS/アルミナ複合物は、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)、約0.1~約10重量%、約0.2~約1重量%、約10、7、若しくは5重量%以下、又は約0.1、0.2、若しくは0.5重量%以上のアルミナ添加剤を含む。
【0039】
上記のように、本開示のPS組成物は、1つ以上の追加の添加剤をさらに含むことができる。態様において、PS組成物(例えば、水分が除去されて乾燥PS/アルミナ複合物を形成するPS/アルミナ複合物、PS組成物を形成するために使用される乾燥PS/アルミナ複合物、及び/又はPS組成物)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/014,883号に記載されるように、低いレベルの1つ以上の溶解性及び/又は保持添加剤、即ち「SRA」を含む。態様において、SRAは、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化ポリブタジエン、鉱油(MO)、グリセロールモノステアレート(GMS)、グリセロールトリステアレート(GTS)、IRGANOX 1
010(登録商標)(ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。理論に束縛されることを望むものではないが、SRAの存在は、発泡剤の溶解度をさらに増加させ、それによってPS(例えば、押出中等の溶融PS)中の混和性を改善する場合があり、またSRAの存在は、可塑化効果によるポリマー鎖の移動度の増加に起因して、気泡の核形成及び気泡成長のための活性化エネルギーを減少させる場合がある仮定される。これは、多数の気泡の生成をもたらし、それによって、態様において、より低い発泡体密度をもたらす場合がある。
【0040】
態様において、PS組成物は、約0.01~10.0重量パーセント(重量%)、約0.01~5.0重量%、約0.01~2.0重量%、約0.1~1.0重量%、又は約0.01~0.50重量%のSRAを含むことができ、重量パーセンテージは、PS組成物の総重量に基づく。態様において、乾燥PS/アルミナ組成物は、乾燥PS/アルミナ組成物の総重量に基づいて、約0.01、0.05、0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.25、3.5、3.75、4.0、4.25、4.5、4.75、又は5.0重量%のSRAを含む。
【0041】
態様において、本開示の乾燥PS/アルミナ複合物及び/又はPS組成物は、SRAとして低いレベルの鉱油(MO)及び/又はエポキシ化大豆油(ESO)を含む。理論によって限定されることを望むものではないが、MO及びESOは、PS溶融物をある程度可塑化することができ、ポリマー鎖セグメントの移動度を増加させることによって「自由体積」を効果的に改善すると推測される。ESOの極性種は、PS溶解全体にわたる極性発泡剤分子の拡散性を促進する場合がある。従って、本開示のPS組成物を製造するためのESOのPSへの添加は、態様において、PSが高い発泡剤濃度で比較的低い温度で発泡することを可能にする場合がある。MO及び/又はESOの存在は、ポリスチレンの溶融強度等の発泡体の機械的特性に有害な影響を及ぼす場合があり、これは、もし有意であれば、望ましくない潰れた気泡をもたらす可能性があるため、そのようなSRAを含むPS組成物を微調整して、発泡剤の溶解度の改善と溶融強度との最適なバランスを達成してもよい。例えば、態様において、高剛性ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、ポリアルファメチルスチレン、又は組み合わせ等であるがこれらに限定されない強化剤をPS組成物に添加して(例えば、PS/アルミナ複合物に組み込み、乾燥PS/アルミナ複合物に組み込み、及び/又は乾燥PS/アルミナ複合物と組み合わせてPS組成物を形成して)、所望の発泡体圧縮強度を達成してもよい。
【0042】
エポキシ化大豆油を参照して説明したが、態様において、本開示のSRAは、多種多様なエポキシ化脂肪酸及びエステルのいずれかを含む場合がある。例えば、態様において、エポキシ化脂肪酸は、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸(margaroleic acid)、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、エイコサジエン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸又はそれらの組み合わせを含むことができる。そのような脂肪酸は、亜麻仁油、桐油、ベニバナ油、大豆油、ヒマシ油、綿実油、ピーナッツ油、ナタネ油、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、トウモロコシ油、トウモロコシ胚芽油、ゴマ油、モモ種子油、ピーナッツ油、大豆レシチン、及び卵黄レシチンを含むがこれらに限定されない多様な植物油中に見出すことができる。従って、多様なエポキシ化脂肪酸を、本開示によるPS組成物において使用することができる。態様において、SRAは、例えば、その開示が本開示に反しない目的のために、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,648,122号に記載されるように、アクリル化エポキシ化脂肪酸を含む。
【0043】
態様において、SRAは、鉱油(MO)を含む。本明細書で使用されるように、MOは、鉱物源からのアルカンのいずれかの軽質混合物、例えば、石油の留出物であってもよく、異なる源又はプロセスからの鉱油の混合物を含む。MOは、例えば、原油の精製の液体副生成物であってもよい。
【0044】
態様において、SRAは、エポキシ化ポリブタジエンを含む。エポキシ化ポリブタジエンは、ポリマー骨格上にエポキシ基(又は「オキシラン酸素」基)を含む。態様において、エポキシ化ポリブタジエンは、約0.01%~約5.0%、約0.01%~約2.0%、又は約0.01%~約1.0%のオキシラン酸素を含むことができる。態様において、エポキシ化ポリブタジエンは、ASTM D1652によって測定して、約0.1~約5.0meq/g、約0.5~約3.0meq/g、又は約1.0~約2.0meq/gの範囲のエポキシ値を有することができる。態様において、エポキシ化ポリブタジエンの分子量は、800~10,000の範囲である。
【0045】
態様において、SRAは、グリセロールモノステアレート(GMS)を含む。態様において、本開示のPS組成物は、GMSよりも嵩張るグリセロールトリステアレート(GTS)を含み、態様において、PS発泡体に特に有益な特性を付与する場合がある。
【0046】
態様において、SRAは、発泡体押出のためのPS中の発泡剤の溶解度をさらに向上させる。態様において、SRAは、発泡性混合物中の発泡剤の溶解度を、添加剤を含まない発泡性混合物中の発泡剤の溶解度よりも少なくとも5、7、10、又は20%向上させる。
【0047】
理論によって限定されることを望むものではないが、SRAは、本開示の得られるポリスチレン発泡体中の透過バリアとして働き、従って、PS発泡体の気泡壁を通る発泡剤の透過率を低下させる場合がある。
【0048】
態様において、本開示のPS組成物のPSは、所望の物理的特性、例えば、増加した光沢又は色等を付与するために使用される1つ以上の追加の添加剤をさらに含む。そのような添加剤の例は、安定剤、タルク、酸化防止剤、UV安定剤、滑剤、可塑剤、紫外線遮断剤、酸化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、加工油、離型剤、着色剤、顔料/染料、充填剤等を含むがこれらに限定されない。前述の添加剤は、PS組成物のPS、PS/アルミナ複合物、及び/又は乾燥PS/アルミナ複合物を形成するために単独で又は組み合わせて使用されている場合があり、又はPS組成物のPS若しくは乾燥PS/アルミナ複合物とは別に本開示のPS組成物に添加される場合がある。例えば、安定剤又は安定化剤は、PSの形成中の過剰な温度及び/又は紫外線への曝露による分解からポリマー組成物を保護するのを助けるために使用されている場合がある。添加剤は、PSの回収後、例えばペレット化のような配合中に添加されている場合がある。これらの添加剤は、所望の特性を付与するのに有効な量で含まれる場合がある。本開示のPS組成物に使用するためのPSを製造するために、これらの添加剤をポリマー組成物に含めるための有効な添加剤の量及びプロセスは、当業者に公知である。例えば、添加剤は、それぞれPS組成物、又は本開示のPS組成物のPSが製造されるポリマー組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~5重量%、代替的に0.1重量%~2重量%、又は代替的に0.1重量%~1.0重量%の量で、PS又はPS組成物中に存在する場合がある。
【0049】
上記のように、様々な追加の添加剤をPS組成物内に含めることができる。態様において、本開示のPS組成物は、SRA及びPSに加えて(即ち、ポリスチレンの形成中に使用され、ポリスチレン及びSRAとは別に導入されるいずれかの添加剤に加えて)添加剤をさらに含む。態様において、例えば、発泡核形成剤(例えば、発泡核剤としての化学的発泡剤、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、シリカ、タルク等)及び/又はエージング改質剤
(例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ヒドロキシルアミド等)を含むことが望ましい可能性がある。使用することができる他の添加剤は、顔料、着色剤、充填剤、安定性制御剤、酸化防止剤、難燃剤、安定剤又は共安定剤(例えば、チオエーテル、亜リン酸塩、光安定剤及び他の機能安定剤)、芳香剤、臭気マスキング剤、帯電防止剤、滑剤、発泡助剤、着色剤、劣化防止剤等を含む。そのような添加剤は、当業者に周知である。態様において、本開示のPS組成物は、酸化防止剤、難燃剤、赤外線(IR)減衰剤発泡核剤(infrared (IR) attenuators foaming nucleators)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤(PS中のいずれかの添加剤及びいずれかのSRAに加えて)を含む。態様において、本発明のPS組成物は、酸化防止剤IRGANOX(登録商標)1010(ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート))を含む。上記のように、態様において、強化剤(例えば、PPO、ポリアルファメチルスチレン等)等であるがこれに限定されない1つ以上の追加の添加剤が、発泡体の機械的特性を改善するために使用される。添加剤はまた、態様において、マスターバッチの形態で使用され得る。本明細書で使用されるように、「マスターバッチ」は、添加剤の濃縮配合物である。
【0050】
本開示のPS組成物は、発泡剤をさらに含むことができる。態様において、いずれの化学的又は物理的発泡剤も使用することができる。化学的発泡剤は、典型的には、ポリマー溶融条件で分解する。例えば、重炭酸ナトリウムとクエン酸の混合物は、微細な気泡を核形成するために一般に使用される。化学的発泡剤は、典型的には、約100℃~約140℃の間で分解して、二酸化炭素等の少なくとも1つの気体、及び水を生じる。さらに、固体粒子は、潜在的に核形成部位として作用することができる。核形成された気泡が臨界サイズに達すると、気泡が安定して最終段階に達するまで、気泡内部の気体拡散により気泡が連続的に成長する。適切な化学的発泡剤は、当業者に公知である。態様において、発泡剤は、物理的発泡剤であり得る。物理的発泡剤は、気体及び揮発性液体を含む2つのカテゴリーにさらに分類することができる。気体の物理的発泡剤は、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、空気、ヘリウム(He)、水素(H2)、キセノン(Xe)、六フッ化硫黄(SF6)、亜酸化窒素(N2O)、アンモニア(NH3)、四フッ化ケイ素(SiF4)、四フッ化窒素(N2F4)、四フッ化ホウ素(BF4)、三塩化ホウ素(BCl3)、又はこれらの組み合わせを含み得るがこれらに限定されない。従って、態様において、発泡剤は、二酸化炭素(CO2)であってもよい。揮発性液体の物理的発泡剤は、水等の液体、及び脂肪族又は線状炭化水素を含み得るがこれらに限定されない。
【0051】
態様において、単一の発泡剤又はそのクラス(例えば、HFC、HFO、複数のHFC、複数のHFO)が使用される。態様において、複数の発泡剤が使用される(例えば、1つ以上のHFO及び/又は1つ以上のHFC、任意的に1つ以上の追加の発泡剤と組み合わせて)。態様において、発泡剤は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。態様において、発泡剤又は1つ以上の追加の発泡剤は、炭化水素、二酸化炭素、窒素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分をさらに含む。例として、態様において、発泡剤は、1つ以上のHFOを、任意的に炭化水素、二酸化炭素、窒素、HFC、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の追加の発泡剤と組み合わせて含む。代替例として、態様において、発泡剤は、1つ以上のHFCを、任意的に炭化水素、二酸化炭素、窒素、HFO、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の追加の発泡剤と組み合わせて含む。
【0052】
態様において、PS組成物における本開示の乾燥PS/アルミナ複合物の使用は、PS組成物又は発泡性混合物中の発泡剤の溶解度を、その中の溶解度が乾燥PS/アルミナ複
合物なしで生成された別の類似のPS組成物又は発泡性混合物(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナは存在しない)中の発泡剤の溶解度よりも少なくとも5、10、15、又は20%大きいように増加させる。
【0053】
開示されたPS組成物は、ASTM C578によって測定して、約0.09g/mL(5.6ポンド/立方フィート(「pcf」))以下の湿潤密度を有することができる。態様において、開示されたPS組成物は、約0.03~約0.09g/mL(約1.9~約5.6pcf)、約0.03~約0.085g/mL(約1.9~約5.5pcf)、約0.03~約0.08g/mL(約1.9~約5.0pcf)の範囲の湿潤密度を有することができる。
【0054】
本開示のPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体もまた、本明細書に開示される。態様において、本開示のPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない(例えば、それと共に製造されなかった)PS組成物(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナは存在しない)の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものよりも高い発泡剤濃度を含む。例えば、態様において、発泡体を製造するために使用されるPS組成物中の発泡剤溶解度、及び/又は本開示のPS組成物の押出によって製造された低密度PS発泡体中の発泡剤濃度は、約6.5、7、7.5又は8重量パーセント以上である。
【0055】
態様において、低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない(例えば、それと共に製造されなかった)PS組成物(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナは存在しない)の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、少なくとも1つの同等の又は少なくとも1つの優れた断熱特性を示す。少なくとも1つの優れた断熱特性は、ASTM C518によって決定されるR値を含むことができる。態様において、低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない(例えば、それと共に製造されなかった)PS組成物(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナは存在しない)の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同等の少なくとも1つの機械的特性を示す。態様において、この少なくとも1つの機械的特性は、(ASTM D3574-Cによって測定される)圧縮強度であり得る。態様において、1つ以上のハイドロフルオロオレフィンを含む発泡剤を含む本開示のPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まず(例えば、それと共に製造されなかった)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)からなる群から選択される1つ以上の発泡剤を含むPS組成物(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナは存在しない)の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同等の少なくとも1つの断熱特性を示す。
【0056】
態様において、本明細書に記載の乾燥PS/アルミナ複合物と、1つ以上のハイドロフルオロカーボン(HFC)又は1つ以上のハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含む発泡剤とを含むPS組成物から製造される低密度PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナは存在しない)の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、より高い発泡剤の濃度を含む。このような低密度PS発泡体は、追加の発泡剤をさらに含むPS組成物から製造することができる。例えば、追加の発泡剤は、炭化水素、CO2、N2、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0057】
理論によって限定されることを望むものではないが、PS/アルミナ複合物及び/又はいずれかのSRA添加剤は、本開示の得られるポリスチレン発泡体中の透過バリアを提供
し、従って、PS発泡体の気泡壁を通る発泡剤の透過率を低下させる場合がある。従って、本開示の(例えば、低密度)ポリスチレン発泡体は、発泡体の形成後、例えば、15、30、又は60日後に、発泡剤の増加した保持を示す場合がある。態様において、本開示の低密度ポリスチレン発泡体は、例えばGCヘッドスペース法によって決定して、PS/アルミナ複合物及び/又は任意的なSRA添加剤の非存在下で製造された他の点では類似のポリスチレン発泡体(即ち、PSはほぼ等量で存在するが、アルミナ及び/又は任意的なSRA添加剤が存在しない)のものよりも少なくとも0、5、10、15、又は20%大きい発泡剤保持を示す。
【0058】
開示された低密度ポリスチレン発泡体は、意図される用途に適合するためのいずれの所望の厚さも有することができる。例えば、態様において、開示されたポリスチレン発泡体は、約1/32インチ~約2.0インチの範囲の厚さを有するシート又は厚板の形態であり得る。しかしながら、より薄い又はより厚い発泡体もまた、本明細書に開示される主題の範囲内に含まれる。低密度ポリスチレン発泡体は、ASTM C578によって測定される約0.09g/mL(5.6ポンド/立方フィート(「pcf」))以下の湿潤密度等であるがこれに限定されない、いずれかの所望の密度を有することができる。態様において、低密度ポリスチレン発泡体は、約0.02~約0.09g/mL、約0.03~約0.08g/mL、約0.04~約0.08g/mL、又は約0.04~約0.06g/mLの範囲の湿潤密度を有することができる。
【0059】
態様において、開示されたポリスチレン発泡体は、少なくとも約50ミクロンの平均気泡サイズを有することができる。態様において、開示された発泡体は、最大約1000ミクロンの平均気泡サイズを有することができる。平均気泡サイズは、ASTM D3576-98(手順A)に従って測定することができる。
【0060】
開示されたポリスチレン発泡体は、シート、厚板、スラブ、ブロック、ボード、ロッド、ビーズ、及び成形形状等であるがこれらに限定されない多種多様な構成のいずれかをとることができる。
【0061】
本開示によるPS発泡体の製造方法は、乾燥PS/アルミナ複合物を形成することと、乾燥PS/アルミナ複合物、発泡剤、及び任意的に1つ以上の追加の添加剤をブレンドして発泡性混合物を形成することと、発泡性混合物をダイを通して減圧の領域に押し出すことによってPS発泡体を製造することを含む。本開示によれば、PS/アルミナ複合物は、押出発泡前に、乾燥PS/アルミナ複合物を形成するために、完全に乾燥されなければならない(即ち、クーロメーターで測定して、約0.05重量%以下の水分含量を有する)。この開示によれば、発泡体押出中の水分吸収は、最小限に抑えられる。乾燥PS/アルミナ複合物を形成することは、PSとアルミナ添加剤とを組み合わせてPS/アルミナ複合物を形成することと、必要に応じてPS/アルミナ複合物から水分を除去して乾燥PS/アルミナ複合物を形成することを含むことができ、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定して、約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する。態様において、PSとアルミナ添加剤との組み合わせは、乾燥PS/アルミナ複合物をもたらし、即ち、PS及びアルミナ添加剤は、それらの組み合わせが(さらなる水分除去なしで)、必要な水分含量(例えば、クーロメーターで測定して約0.05重量パーセント(重量%)以下)を有するPS/アルミナ複合物をもたらすように、組み合わせる前に十分乾燥しており、従ってPS/アルミナ複合物は乾燥PS/アルミナ複合物とみなされる。
【0062】
PS/アルミナ複合物を形成するために、PS及びアルミナ添加剤は、当業者に公知のいずれかの適切な方法で組み合わせることができる。例えば、態様において、PS及びアルミナ添加剤は、押出によって組み合わせられて、PS/アルミナ複合物を提供する。ア
ルミナ添加剤及び/又はPSは、任意的に、アルミナ添加剤をPSと組み合わせる前に乾燥させてもよい。例えば、態様において、アルミナ添加剤は、該アルミナ添加剤を高温(例えば、約120℃、200℃、又は250℃以上)に加熱することによって、及び/又は該アルミナ添加剤の水分含量を、例えば、クーロメーターで測定して約0.05、0.03、又は0重量パーセント(重量%)以下の水分含量まで低下させるのに十分な期間(例えば、約2、3、又は4時間以上の期間)高温に温度を維持することによって、乾燥させることができる。
【0063】
PS/アルミナ複合物から水分を除去して乾燥PS/アルミナ複合物を形成することは、当業者に公知のいずれかの手段によって、及び本発明の助けを借りて、クーロメーターで測定される約0.05質量%以下の水分含量を有する乾燥PS/アルミナ複合物を提供するためにPS/アルミナ複合物の水分含量を低下させるのに適しているように行うことができる。例えば、水分を除去することは、PS/アルミナ複合物を高温(例えば、約50、60、70、又は80℃以上)に加熱すること、及び/又は乾燥PS/アルミナ複合物を提供するのに十分な期間(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12時間以上の期間)高温に温度を維持することを含むことができる。
【0064】
開示されたポリスチレン発泡体は、当技術分野で公知のいずれかのプロセスを用いて、乾燥PS/アルミナ複合物から構築することができる。例えば、態様において、PS発泡体は、乾燥PS/アルミナ複合物、発泡剤、及び任意的に1つ以上の追加の添加剤(例えば、本明細書にて上記した発泡剤及び添加剤等)をブレンドして発泡性混合物を形成し、発泡性混合物をダイを通して減圧の領域に押し出すことによって発泡体を生成することによって製造される。
【0065】
態様において、上述のようないずれかの化学的又は物理的発泡剤を使用することができる。当業者には明らかなように、発泡剤は、熱可塑性樹脂を発泡させて、発泡体が作製される樹脂よりも実質的に低い密度を有する多孔質熱可塑性構造体を生成することによって作用する。気体の気泡が「核形成部位」の周りに形成され、加熱若しくは減圧によって、又は気体が発生する化学反応のプロセスによって膨張する。核形成部位は、樹脂中の気泡の形成を促進する小粒子又は小粒子の集塊である。態様において、1つ以上の添加剤を樹脂に組み込んで、特定の発泡剤の核形成を促進し、それによってより均一な細孔分布を提供することができる。態様において、アルミナは、本開示のPS組成物の発泡核剤として働き、本開示の低密度PS発泡体を形成するために追加の核剤は使用されない。
【0066】
開示されたPS発泡体構造を調製するために使用されるPS組成物中の発泡剤の総量は、発泡剤がポリマーに溶解される温度及び圧力、使用される発泡剤の化学的及び熱物理的特性、並びに得られる発泡物品の所望の密度及び関連する特性(断熱値、重量対強度比、圧縮強度等)等の条件に依存する。従って、態様において、発泡剤は、得られるPS発泡体において所望の膨張度を達成するのに適した量で、乾燥PS/アルミナ複合物と混合することができる。例えば、態様において、発泡剤は、PS組成物又は発泡性混合物の100重量部に基づいて、約0.5~約15重量部;態様において、約2~10重量部;及び態様において、約3~9重量部の範囲の量で、乾燥PS/アルミナ複合物に添加され得る。
【0067】
態様において、開示されるポリスチレン発泡体は、連続押出プロセスを使用して構築され得る。この方法では、乾燥PS/アルミナ複合物及びいずれかの追加の添加剤を一緒にブレンドし、押出機に添加する。態様において、1つ以上の追加の添加剤は、マスターバッチ形態で添加することができる。いずれかの従来型の押出機、例えば、単軸スクリュー、二軸スクリュー、及び/又はタンデム押出機を使用することができる。押出機では、乾燥PA/アルミナ複合物及びいずれかの追加の添加剤を溶融及び混合して、PS/アルミ
ナブレンドを提供する。発泡剤は、押出機の1つ以上の注入口を通して溶融PS/アルミナブレンドに添加される。使用されるべきいずれかの追加の添加剤は、押出機中の溶融PS/アルミナブレンドに添加することができ、並びに/又は本明細書において上記したように、PS樹脂ペレット及び/若しくは乾燥PS/アルミナ複合物と共に添加することができる。押出機は、溶融混合物(溶融PS/アルミナブレンド、発泡剤、及びいずれかの追加の添加剤)全体を、押出機の末端のダイを通して、押出機内の温度及び圧力に対して低下した温度及び圧力の領域に押し出す。ストランド、環状、平坦、共押出、及び微小層ダイ(microlayered die)を含むがこれらに限定されない、多種多様なダイのいずれかを使用することができる。態様において、温度及び圧力が低下した領域は、周囲大気圧であってもよい。気体で満たされたポリマーによるダイを出るときの突然の圧力降下は、熱力学的不安定性をもたらす。核形成剤(例えば、アルミナ)が多数の気泡を生成し、気化した気体が成長中の気泡に拡散することによって成長する。発泡体は、気泡が成長し安定化するまで膨張し続ける。発泡体表面は、温度の低下により、ポリマー塊の冷却時に固化し、それにより、発泡剤を気泡内に捕捉する。これにより、押出ポリスチレン発泡体が形成される。
【0068】
代替的に、態様において、開示されたポリスチレン発泡体は、バッチプロセスを使用して構築することができる。このような態様では、ポリスチレンブレンド(即ち、乾燥PS/アルミナ複合物及びいずれかの所望の追加の添加剤)を、圧力チャンバ等の容器に添加する。この容器を、ポリスチレン樹脂を可塑化するのに十分な特定の温度又は温度範囲に加熱する。次いで、発泡剤を特定の圧力又は圧力範囲まで容器に添加し、発泡剤がある期間にわたってポリスチレン樹脂に浸透することを可能にする。圧力を急速に解放し、それによって樹脂が膨張してPS発泡体になることを可能にする。
【0069】
本明細書に開示される主題はまた、固相発泡、一体型スキン発泡(integral skin foaming)、微小気泡発泡、オートクレーブ発泡、及び半連続発泡プロセスを含むがこれらに限定されない、追加の発泡方法を含む。このような方法は、発泡技術の当業者に周知である。態様において、任意的な追加の添加剤(例えば、SRA、難燃剤、IR減衰剤/抑制剤、酸化防止剤、及び/又はその他)は、マスターバッチとして、他の従来のポリスチレン製剤に添加される場合がある。
【0070】
本明細書に記載されるように、本明細書に開示される方法は、物理的発泡剤(例えば、1つ以上のHFO、1つ以上のHFC、二酸化炭素及び/又はその他)を使用してポリスチレン発泡体を構築するために使用され得る。使用される材料及びプロセスに応じて、得られる発泡体物品は、ビーズ、シート、ボード、厚板、ロッド、チューブ、輪郭部材等であり得る。開示されたポリスチレン発泡体は、そのまま使用され、他の形状に切断され、熱若しくは圧力の適用によってさらに成形若しくは熱成形され、又はさもなければ、包装技術の当業者に周知であるように、所望のサイズ及び形状に機械加工若しくは成形され得る。
【0071】
開示されたポリスチレン発泡体は、多種多様な目的のいずれにも使用することができる。例えば、態様において、開示されたポリスチレン発泡体は、断熱のために、様々な容器及び包装システムにおいて、並びに/又は保護若しくは可撓性包装として使用することができる。従って、態様において、開示されたポリスチレン発泡体は、トレイ、ボウル、及び/若しくはプレート等であるがこれらに限定されない容器に熱成形することができ、可撓性及び剛性包装で使用され、多様な保護包装用途で使用され、ルーズフィル包装で使用され、並びに/又は、可撓性、保護、剛性、及び/若しくは断熱用途のためのシート、厚板、ボード、若しくは輪郭物品として成形することができる。
【0072】
上記のように、本明細書に開示されるPS組成物及びそれからPS発泡体を製造する方
法は、押出中のPS中の発泡剤のより大きい溶解性及び/又は得られるPS発泡体中の発泡剤のより高い濃度を可能にする場合がある。得られるポリスチレン発泡体中により高い濃度の発泡剤を組み込むことは、その向上した断熱特性を提供する場合がある。
【0073】
さらに、本開示によるPS組成物を形成するために乾燥PS/アルミナ複合物が使用される場合、PS組成物は、二酸化炭素及び/又はHFO等の物理的発泡剤の存在下で発泡させることができることが見出された。態様において、発泡剤の不燃性及び/又は低GWPは、従来の可燃性又は高GWP炭化水素と比較して、改善された安全性及び/又は環境親和性を可能にする。物理的発泡剤の使用はまた、発泡体の硬化時間を短縮するのに役立つ場合があり、これは、時間、労力、及び費用を節約する場合がある。
【実施例】
【0074】
態様が一般的に記載されており、以下の実施例は、本開示の特定の態様として、並びにその実施及び利点を実証するために与えられる。実施例は、説明のために与えられ、明細書又は特許請求の範囲を如何様にも限定することを意図しないことが理解される。
【0075】
実施例1
この実施例では、標準ポリスチレンPS533を含み、アルミナ添加剤を含まないPS組成物を用いて製造された第1の比較発泡体C1、PS533及び1重量%のアルミナ添加剤及び水を含む湿潤PS/アルミナ複合物を含むPS組成物を用いて製造された第2の比較発泡体C2、並びにPS533及び1重量%のアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物を用いて製造され、例えば250oCで約2時間窒素パージオーブン中で乾燥させることによって実質的に水分を含まないように乾燥された本発明のPS発泡体I1を含む、3つのPS発泡体を製造及び研究した。この実施例で使用されたアルミナ添加剤は、Sasol CATAPAL(登録商標)C1であり、その関連する特性は、60ミクロンの粒径d50を含む上記の表1に提供される。
【0076】
具体的には、第1の比較発泡体C1は、発泡体押出用タルクマスターバッチ0.5%とドライブレンドされたポリスチレンPS533から製造された標準発泡体であった。PS533は、4.5g/10分のMFRを有し、Total Petrochemicals and Refining USA、Inc.から入手可能である。PS533及び1重量%の乾燥アルミナ添加剤を含む多くのPS/アルミナ複合物を、1.25”単軸押出機で製造した。PS/アルミナ複合物を乾燥させ、次いで2つに分割した。乾燥は、窒素パージオーブン中、250oCで約2時間乾燥することを含んだ。乾燥PS/アルミナ複合物の前半は、本発明の発泡体I1を形成するための発泡体押出のために直接使用された。0.75重量%の量の脱イオン水をPS/アルミナ複合物の他の半分に添加し、次いでこれを一晩放置して、発泡体押出前に十分な水分吸収を可能にして、第2の比較発泡体C2を形成した。
【0077】
発泡体押出物を、Applications Laboratory Davis Standard発泡体ラインで評価した。上述のように、比較発泡体C1は、発泡体押出のための核剤としての0.5%タルクマスターバッチとドライブレンドされたPS533から形成された。アルミナ添加剤は、第2の比較発泡体C2及び本発明の発泡体I1を形成するために使用されるPS/アルミナ複合物中の発泡核剤として作用し、従って、第2の比較発泡体C2及び本発明の発泡体I1を形成するために使用されるPS組成物に追加の核剤は添加されなかった。
【0078】
PS組成物は、発泡剤として様々な量のHFC 134a(R134aとも呼ばれる)を使用して、発泡押出について評価した。PS組成物を、0.75”一次押出機及び1.5”二次押出機を含むタンデム発泡体押出ラインで発泡させた。具体的には、試料を一次押出機のホッパーに入れた。発泡剤HFC 134aを、MaxPro液体ポンプを通して一次押出機に供給した。均質化された溶融物を、Nordson Xaloy溶融ポンプを通して二次押出機に供給した。二次押出機の温度を、異なるHFC 134a発泡剤レベルで一定のダイヘッド圧力1100~1200psiを維持するように調節した。溶融物がダイを出るにつれて、低密度発泡体が製造された。5mmロッドダイを、全ての試料の押出に使用した。ギアポンプを使用して、押出処理量を6.5~7lbs/hrに制御した。最大HFC 134a溶解度は、時期尚早な発泡が見えるようになった(例えば、発泡体密度が増加した)発泡剤レベルとして定義した。
【0079】
第1の比較例C1
標準PS533ポリスチレンを用いて製造されたPS発泡体C1は、7%未満の発泡剤HFC 134aで一貫した気泡構造を有する発泡体を製造した。しかしながら、より高いHFC 134a発泡剤レベルでは、時期尚早な発泡が顕著になり、ダイヘッド付近のブレーカープレートの前で非常に起こりやすくなり、一貫性のない発泡体気泡構造を有する発泡体欠陥をもたらした。小実験室ラインで確立された発泡条件下で、標準PS533を含み、アルミナ添加剤を含まないPS組成物についての最大HFC 134a発泡剤溶解度は、約7重量% HFC 134aであると決定された。
図1Aは、7重量%の発泡剤HFC 134aを含む本実施例の第1の比較発泡体試料C1の画像を提供し、
図1Bは、8重量%の発泡剤HFC 134aを含む本実施例の第1の比較発泡体試料C1の画像を提供する。
【0080】
第2の比較例
湿潤PS533/アルミナ複合物を、標準条件下での発泡押出について調べた。第1の比較発泡体C1について見られたものと同様に、HFC 134a発泡剤濃度が7重量%未満である場合に、一貫した気泡構造を有する第2の比較発泡体C2が製造された。豊富な水分の存在のために、二気泡発泡体(bi-cellular foams)が生成される可能性があった。しかしながら、7重量%以上のHFC 134a濃度では、時期尚早な発泡が得られる第2の比較C2発泡体の品質を有意に低下させた。従って、水分は、結晶PSの有効な可塑剤ではなく、アルミナを含まない第1の比較C1発泡体と比較して、高いHFC 134aレベルで利点を提供しなかった。全体として、第2の比較発泡体C2を製造するために使用された湿潤PS/アルミナ複合物中の最大HFC 134a溶解度は、第1の比較C1発泡体について見られたものと同様に、多くとも7%であった。
図2Aは、6重量%の発泡剤HFC 134aを含む本実施例の第2の比較発泡体試料C2の画像を提供し、
図2Bは、7重量%の発泡剤HFC 134aを含む本実施例の第2の比較発泡体試料C2の画像を提供する。
【0081】
発明例
乾燥PS533/アルミナ複合物を、本発明の発泡体I1を製造するための標準条件下での発泡体押出について調べた。第1の比較発泡体C1を製造するために使用された標準PS533及び第2の比較発泡体C2を製造するために使用された湿潤PS/アルミナ複合物と同様に、HFC 134a発泡剤濃度が7重量%未満であった場合、乾燥PS/アルミナ複合物を使用して、非常に良好な発泡体(例えば、一貫した気泡構造を有する発泡体)が製造された。成功したI1発泡体は、8.5重量%を超えるHFC 134aレベルでも製造された。
【0082】
図3Aは、6重量%の発泡剤HFC 134aを含む本実施例の本発明の発泡体試料I1の画像を提供し、
図3Bは、7重量%の発泡剤HFC 134aを含む本発明の発泡体試料I1の画像を提供し、
図3Cは、8.5重量%の発泡剤HFC 134aを含む本発明の発泡体試料I1の画像を提供する。
図3A~3Cに見られるように、一貫した気泡構造を有する膨張した発泡体が、9重量%の発泡剤HFC 134aでさえ、乾燥PS53
3/アルミナ複合物から得られ、7.5% 134aの湿潤PS533/アルミナ複合物を使用して得られた第2の比較発泡体C2を超える改善を示した。また、比較的低い発泡体密度(例えば、本発明のI1発泡体の)が、より高いHFC 134aレベルで乾燥PS533/アルミナ複合物から生成されたことにも留意するべきである。確立されたプロトコルに基づいて、乾燥PS533/アルミナ複合物中の最大HFC 134a溶解度は、約9重量%であると思われた。
図4は、7重量%及び7.5重量%のHFC 134a発泡剤における第2の比較発泡体試料C2と、9重量%のHFC 134a発泡剤における本発明の発泡体試料I1との並列比較を示す。
図5は、本実施例の第1の比較発泡体C1、第2の比較発泡体C2、及び本発明の発泡体I1についての、発泡剤HFC 134aの濃度(重量%)の関数としての湿潤密度(g/cc)のプロットである。湿潤密度は、ASTM C578によって測定した。全体として、PS組成物中の予備乾燥PS533/1重量%アルミナ複合物の使用は、HFC 134a発泡剤の溶解度を有意に改善した。乾燥アルミナ添加剤の多孔性は、PS複合物中のHFC 134a発泡剤の吸収の増加を促進すると予想された。この実施例では1%のみのアルミナが使用されたが、予備乾燥PS/アルミナ複合物は、9重量%を超える最大HFC 134a発泡剤濃度で加工することができることを見出したことは興味深かった。これは、第1の比較発泡体C1を製造するために使用される、PS 533を含み、アルミナ添加剤を含まないPS組成物と比較して、本発明の発泡体I1を製造するために使用される乾燥PS/アルミナ複合物を含むPS組成物における発泡剤溶解度の20%を超える増加と同等である。PS発泡体を製造するために使用されるPS組成物中のHFC 134a発泡剤の溶解度、ひいては得られるPS発泡体中の発泡剤濃度をさらに改善するために、追加のアルミナを使用することができる。
【0083】
様々な態様が示され、説明されたが、その修正は、本開示の趣旨及び教示から逸脱することなく、当業者によってなされ得る。本明細書に記載される態様は、例示的なものにすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に開示される主題の多くの変形及び修正が可能であり、それらは本開示の範囲内である。数値範囲又は制限が明示的に記載されている場合、そのような明示的範囲又は制限は、明示的に記載された範囲又は制限内にある同様の大きさの反復範囲又は制限を含むと理解されるべきである(例えば、約1~約10は、2、3、4等を含み、0.10超は、0.11、0.12、0.13等を含む)。例えば、下限、RL及び上限、RUを有する数値範囲が開示されるときはいつでも、その範囲内に入るいずれかの数が具体的に開示される。特に、以下の範囲内の数字が具体的に開示されている:R=RL+k*(RU-RL)、ここでkは、1パーセント増分の1パーセント~100パーセントの範囲の変数であり、即ちkは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、...50パーセント、51パーセント、52パーセント、...、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、又は100パーセントである。さらに、上記で定義された2つのR数字によって定義されるいずれかの数値範囲もまた、具体的に開示される。特許請求の範囲のいずれかの要素に関する用語「任意的に」の使用は、主題の要素が必要とされること、又は代替的に必要とされないことを意味することが意図される。両方の代替物は、特許請求の範囲内にあることが意図される。含む(comprise)、含む(include)、有する等のより広い用語の使用は、からなる、から本質的になる、から実質的になる等のより狭い用語に対するサポートを提供すると理解されるべきである。
【0084】
従って、保護の範囲は、上記の説明によって限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は特許請求の範囲の主題事項の全ての均等物を含む。各請求項は、本開示の態様として本明細書に組み込まれる。従って、特許請求の範囲は、さらなる説明であり、本開示の態様に対する追加である。参考文献の議論は、それが本開示の先行技術であること、特に、本出願の優先日の後に公開日を有する場合があるいずれかの参考文献であることを容認するものではない。本明細書に引用される全ての特許
、特許出願、及び刊行物の開示は、それらが本明細書に記載されるものを補足する例示的、手順的、又は他の詳細を提供する範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
追加の説明
本開示は、本明細書の教示の恩恵を受ける当業者には明らかな、異なるが同等の方法で修正及び実施される場合があるため、上記で開示された特定の態様は、例示的なものにすぎない。さらに、下記の特許請求の範囲に記載される以外、本明細書に示された構造又は設計の詳細に限定する意図はない。従って、上記で開示された特定の例示的な態様は、変更及び修正される場合があり、全てのそのような変形は、本開示の範囲及び趣旨内にあると見なされることが明らかである。態様の特徴を組み合わせ、統合し、及び/又は省略することから生じる代替的な態様もまた、本開示の範囲内である。組成物及び方法は、様々な構成要素又は工程を「有する」、「含む(comprising)」、「含む(containing)」、又は「含む(including)」というより広い用語で記載されているが、組成物及び方法はまた、様々な構成要素及び工程「から本質的になる」又は「からなる」ことができる。特許請求の範囲のいずれかの要素に関する「任意的に」という用語の使用は、要素が必要であり、又は代替的に、要素が必要ではないことを意味し、両方の代替物は、特許請求の範囲内である。
【0086】
上記に開示された数及び範囲は、ある量だけ変化する場合がある。下限及び上限を有する数値範囲が開示されている場合はいつでも、その範囲内に入るいずれかの数及びいずれかの含まれる範囲が具体的に開示されている。特に、本明細書に開示される(「約a~約b」、又は同等に「およそaからb」、又は同等に「およそa~b」の形態の)値の各範囲は、値のより広い範囲内に包含される各数及び範囲を示すものと理解されるべきである。また、特許請求の範囲の用語は、特許権者によって明示的かつ明確に定義されていない限り、その平易な通常の意味を有する。さらに、特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書では、それが導入する要素の1つ以上を意味するように定義される。本明細書及び1つ以上の特許又は他の文献において単語又は用語の使用にいずれかの矛盾がある場合、本明細書と矛盾しない定義を採用すべきである。
【0087】
本明細書に開示される態様は、以下を含む:
【0088】
態様A:押出発泡体を製造するためのポリスチレン(PS)組成物であって、PS組成物は:PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物が、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、ポリスチレン(PS)組成物と;発泡剤とを含む、ポリスチレン(PS)組成物。
【0089】
態様B:態様AのPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものよりも高い発泡剤濃度を含む、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【0090】
態様C:態様AのPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、少なくとも1つの優れた断熱特性を示す、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【0091】
態様D:態様AのPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まないPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同等の少
なくとも1つの機械的特性を示す、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【0092】
態様E:態様AのPS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって、発泡剤が1つ以上のハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含み、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まず、ハイドロフルオロカーボン(HFC)からなる群から選択される1つ以上の発泡剤を含むPS組成物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと少なくとも同様の少なくとも1つの断熱特性を示す、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【0093】
態様F:低密度ポリスチレン(PS)発泡体の製造方法であって:PS及びアルミナ添加剤を含むポリスチレン(PS)/アルミナ複合物を形成することと;PS/アルミナ複合物から水分を除去して、乾燥PS/アルミナ複合物を形成することであって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、形成することと;乾燥PS/アルミナ複合物、発泡剤、及び任意的に1つ以上の追加の添加剤をブレンドして、発泡性混合物を形成することと;発泡性混合物を、ダイを通して減圧の領域に押し出すことによって発泡体を製造することと、を含む、方法。
【0094】
態様G:態様Fの方法によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【0095】
態様H:低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、より高い発泡剤濃度を含み、及び/又は、少なくとも1つの優れた断熱性若しくは機械的特性を示す、態様Gの低密度PS発泡体。
【0096】
態様I:押出発泡体を製造するための乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物はPSとアルミナ添加剤との押出混合物を含み、押出混合物は、乾燥PS/アルミナ複合物がクーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有するように乾燥PS/アルミナ複合物を提供するために乾燥されており、乾燥PS/アルミナ複合物は、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む、乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物。
【0097】
J:PS組成物の押出によって製造された低密度ポリスチレン(PS)発泡体であって:PS及びアルミナ添加剤を含む乾燥PS/アルミナ複合物であって、乾燥PS/アルミナ複合物は、クーロメーターによって測定される約0.05重量パーセント(重量%)以下の水分含量を有する、乾燥PS/アルミナ複合物と;発泡剤とを含み、PS組成物は、約7重量パーセント以上の発泡剤を含む、低密度ポリスチレン(PS)発泡体。
【0098】
態様A、B、C、D、E、F、G、H、I、及びJの各々は、以下の追加の要素の1つ以上を有する場合がある:要素1:乾燥PS/アルミナ複合物が、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む。要素2:アルミナ添加剤が、Sasol CATAPAL(登録商標)C1を含む。要素3:PSが、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、PSコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。要素4:PSコポリマーが、金属モノマー、グリシジルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、又はそれらの組み合わせを含む。要素5:PSが、ASTM D-1238によって測定される0.2~30グラム(g)/10分(分)の範囲のメルトフローレート(MFR)を有する。要素6:グリセロールモノステアレート(GMS)、グリセロールトリステアレート(GTS)、鉱油(MO)、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化ポリブタジエン、又はそれらの組み合わせを含む添加剤を
さらに含む。要素7:約0.01~10.0重量パーセント(重量%)の添加剤を含み、重量パーセントは、PS組成物中のポリスチレン及び添加剤の総量に基づく。要素8:酸化防止剤、難燃剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む。要素9:PS組成物中の発泡剤の溶解度が約7重量パーセント以上である。要素10:発泡剤が、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、二酸化炭素(CO2)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。要素11:乾燥ポリスチレン(PS)/アルミナ複合物が、約0.01~約20.0重量パーセント(重量%)のアルミナ添加剤を含む。要素12:発泡性混合物中の発泡剤の溶解度が、乾燥PS/アルミナ複合物なしで生成された他の点では類似の発泡性混合物中の発泡剤の溶解度よりも少なくとも5、10、15、又は20%大きい。要素13:1つ以上の追加の添加剤が、グリセロールモノステアレート(GMS)、グリセロールトリステアレート(GTS)、鉱油(MO)、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化ポリブタジエン、難燃剤、酸化防止剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。要素14:発泡剤が1つ以上のハイドロフルオロオレフィンを含み、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まず、ハイドロフルオロカーボン(HFC)からなる群から選択される1つ以上の発泡剤を含む発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体と少なくとも同等の少なくとも1つの断熱特性を示す。要素15:発泡剤が1つ以上のハイドロフルオロカーボン(HFC)又は1つ以上のハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含み、低密度PS発泡体が、乾燥PS/アルミナ複合物を含まない発泡性混合物の押出によって製造された他の点では類似の低密度PS発泡体のものと比較して、より高い濃度の発泡剤を含む。要素16:炭化水素、CO2、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される追加の発泡剤をさらに含む。
【0099】
本発明の好ましい態様を示し、説明したが、本開示の教示から逸脱することなく、本発明の修正を当業者が行うことができる。本明細書に記載される態様は、例示的なものにすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に開示される本発明の多くの変形及び修正が可能であり、それらは本発明の範囲内である。
【0100】
上記の開示が完全に理解されると、当業者には多数の他の修正、均等物、及び代替物が明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、適用可能な場合、そのような全ての修正、均等物、及び代替物を包含すると解釈されることが意図される。従って、保護の範囲は、上記の説明によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の主題事項の全ての均等物を含む、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。各請求項は、本発明の態様として本明細書に組み込まれる。従って、特許請求の範囲は、さらなる説明であり、本発明の詳細な説明に対する追加である。本明細書に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】