(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】圧力波眼科治療のためのシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
A61F9/007
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508462
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 US2020045662
(87)【国際公開番号】W WO2021026538
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522052163
【氏名又は名称】シノジェン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ラジーヴ ヘレカー
(72)【発明者】
【氏名】アンジャリ ヘレカー
(72)【発明者】
【氏名】サティシュ ヘレカー
(57)【要約】
本発明は、外圧波の発生を利用して眼を治療するための装置、システム、および方法である。衝撃波発生装置は、流体充填チャンバと、眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面またはチャンバとを含むハウジングを備える。ハウジング内に配置され同軸に整列した第1および第2電極は、通電されると電極先端間のギャップを横切って電気アークを生成し、その結果、流体充填チャンバの流体に衝撃波を発生するように構成される。衝撃波発生装置は、衝撃波を眼球の表面上または表面下の所定の位置に集束させる前に、眼球の表面に結合させる。複数の衝撃波発生装置は、バルーンを含み得るコンタクトレンズの流体充填チャンバ内に配置されてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体充填チャンバと眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面とを備えるハウジングと、
該ハウジング内に配置された第1電極と、
前記ハウジング内に配置され、前記第1電極と同軸に配置された第2電極であって、前記第1電極の遠位端と前記第2電極の遠位端とが、ギャップによって分離されている第2電極とを備え、
前記第1電極および前記第2電極が、通電されるときに前記ギャップを横切って電気アークを発生させ、前記流体充填チャンバの流体中に衝撃波を生成するように構成されている、眼球を治療するための装置。
【請求項2】
前記ハウジングの内面が、前記衝撃波を前記眼球の前記表面上または前記表面下の所定の位置に集束させるように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジング内に配置され、前記衝撃波を前記眼球の前記表面上または前記表面下の所定の位置に集束するように構成された反射器をさらに備える請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体充填チャンバと流体連通している流体入口と流体出口とをさらに備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記第1電極または前記第2電極に結合され、エネルギを供給するように構成された1本以上のワイヤをさらに備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第1電極および前記第2電極が、第1ワイヤの第1先端と第2ワイヤの第2先端とを備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記流体が、生理食塩水または水からなる請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第1電極および前記第2電極が、使用中における衝撃波生成による侵食を低減するためにグラフェンによりコーティングされている請求項1から請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングが楕円体である請求項1から請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記流体充填チャンバと前記眼球接触面との間に配置され、前記流体充填チャンバと前記眼球接触面とを流体的に結合するように構成された、流体充填導波器をさらに備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジング内に配置され、前記眼球の前記表面上または前記表面下の1つ以上の所定の位置に前記衝撃波を集束させるように構成された音響レンズをさらに備える請求項1から請求項10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記流体充填チャンバ内に少なくとも部分的に配置され、前記流体充填チャンバ内の前記流体の導電率を測定するように構成された導電率センサをさらに備える請求項1から請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記導電率センサが、一対の白金電極を備える請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも部分的に、前記流体充填チャンバ内に配置され、前記眼球の前記表面に向かって光を放射するように構成された光源をさらに備える請求項1から請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれかに記載の装置と、
前記第1電極および前記第2電極に、1本以上のワイヤによって動作可能に結合されたエネルギ源とを備える眼球を治療するためのシステム。
【請求項16】
前記第1電極が、前記エネルギ源の正端子に結合され、前記第2電極が、前記エネルギ源の負端子に結合されている請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記エネルギ源が高電圧パルス発生器からなる請求項15または請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1電極または前記第2電極に結合され、前記第1電極または前記第2電極に流れる電流レベルを決定するように構成された電流センサをさらに備える請求項15から請求項17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
流体出口に流体的に結合され、前記流体出口から流出するときに前記流体の導電率を測定するように構成された導電率センサをさらに備える請求項15から請求項18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
流体出口および流体入口に流体的に結合され、前記流体充填チャンバから流体を再循環させ、前記流体からキャビテーション気泡を除去するように構成された流体再循環システムをさらに備える請求項15から請求項19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
前記眼球接触面上または前記眼球接触面下に配置されたリザーバをさらに備える請求項15から請求項20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
前記リザーバが、酸素を含む請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記リザーバが、リボフラビンを含む請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記リザーバが、治療薬を含む請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
流体充填チャンバと眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面とを備えるハウジングと、
該ハウジング内に配置された光ファイバとを備え、
該光ファイバは、光エネルギがそこから放射されたときに、前記流体充填チャンバの流体内に衝撃波を発生するように構成されている眼球を治療するための装置。
【請求項26】
前記ハウジングの内面が、前記衝撃波を前記眼球の前記表面上または前記表面下の所定の位置に集束させるように構成されている請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記ハウジング内に配置され、前記衝撃波を前記眼球の前記表面上または前記表面下の所定の位置に集束させるように構成された反射器をさらに備える請求項25または請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記流体充填チャンバと流体連通する流体入口および流体出口をさらに備える請求項25から請求項27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記流体が生理食塩水または水からなる請求項25から請求項28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記衝撃波が生成されたときに、前記ハウジングからの発光を低減するために、前記流体がグラフェンを含む請求項25から請求項29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
前記ハウジングが楕円体である請求項25から請求項30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記流体充填チャンバと前記眼球接触面との間に配置され、前記流体充填チャンバと前記眼球接触面とを流体的に結合するように構成された流体充填導波器をさらに備える請求項25から請求項31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
前記ハウジング内に配置され、前記衝撃波を前記眼球の前記表面上または前記表面下の1つ以上の所定の位置に集束させるように構成された音響レンズをさらに備える請求項25から請求項32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
複数の衝撃波発生装置と、
該複数の衝撃波発生装置の周囲に配置されたコンタクトレンズとを備え、
該コンタクトレンズが、流体充填チャンバと眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面とを備える眼球を治療するためのシステム。
【請求項35】
前記コンタクトレンズが、前記眼球の前記表面に接触し、前記眼球の前記表面と前記眼球接触面との間の接触を維持するように構成された吸引機構をさらに備える請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
各前記複数の衝撃波発生装置が、光ファイバを備える請求項34または請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
各前記複数の衝撃波発生装置が、同軸に配置された一対の電極と反射器とを備える請求項34または請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記コンタクトレンズが、前記眼球接触面を構成する膨張可能な外側ハウジングを備える請求項34から請求項37のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
前記コンタクトレンズが、撮像装置を受け入れるように構成された撮像ポートを備える請求項34から請求項38のいずれかに記載のシステム。
【請求項40】
前記複数の衝撃波発生装置が、複数の電気油圧式、圧電式、レーザ式、または磁気電気式の衝撃波発生装置を備える請求項34から請求項39のいずれかに記載のシステム。
【請求項41】
衝撃波発生装置の眼球接触面を眼球の表面に結合することと、
前記衝撃波発生装置を用いて衝撃波を発生させることと、
前記眼球の前記表面上または前記表面下の所定の位置に前記衝撃波を集束させることとを含む眼球を治療するための方法。
【請求項42】
集束された前記衝撃波を用いて、前記所定の位置において、マイクロポレーション、キャビテーション、血管拡張、新生血管形成、解離、およびアップレギュレートされた成長因子産生を誘発することをさらに含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記所定の位置が、繊維柱帯、シュレム管、辺縁、眼瞼、マイボーム腺、網膜および眼窩周囲のうちの1つ以上を含む請求項41または請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記衝撃波を発生させる前に、前記所定の位置にマイクロバブルを播種することをさらに含む請求項41から請求項43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記衝撃波発生装置が光ファイバを含み、前記衝撃波を発生させることが、前記光ファイバから該光ファイバを取り囲む流体に光エネルギを放出することを含む請求項41から請求項44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記衝撃波発生装置が第1電極および第2電極を備え、前記衝撃波を発生させることが、前記第1電極および前記第2電極に通電してその先端間のギャップを横切って電気アークを形成することを含む請求項41から請求項44のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
第2の衝撃波発生装置の眼球接触面を前記眼球の前記表面に結合することと、前記第2の衝撃波発生装置によって第2の衝撃波を発生することと、前記第2の衝撃波を前記眼球の前記表面上または前記表面下の第2の所定の位置に集束することとをさらに含む請求項41から請求項46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記衝撃波発生装置が、コンタクトレンズの流体充填チャンバ内に配置される請求項41から請求項47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記衝撃波発生装置が、トライアルフレームに結合されている請求項41から請求項48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
衝撃波を生成するように構成された衝撃波発生装置と、
該衝撃波発生装置に流体的に結合され、眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面に前記衝撃波を向けるように構成された流体充填導波器とを備える眼球を治療するためのシステム。
【請求項51】
前記導波器が、ステンレス鋼製のチューブからなる請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記導波器が、12mm以上の長さを有する請求項50または請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記導波器が、約1mmから約8mmの範囲内の直径を有する請求項50から請求項52のいずれかに記載のシステム。
【請求項54】
前記導波器の遠位端に結合されたコンタクトレンズをさらに備え、
該コンタクトレンズが、流体充填チャンバおよび前記眼球接触面を備える請求項50から請求項53のいずれかに記載のシステム。
【請求項55】
前記衝撃波発生装置および前記導波器の少なくとも一部が、トライアルフレームに結合されている請求項50から請求項54のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の主題は、2019年8月8日に出願された「Systems, Methods, and Apparatus for Pressure-Wave Ocular Therapy」と題された米国仮特許出願第62/884333(代理人整理番号56574-703.101)、2020年2月20日に出願された「Systems, Methods, and Apparatus for Pressure-Wave Ocular Therapy」と題された米国仮特許出願第62/979097(代理人整理番号56574-703.102)および、2020年6月25日に出願された「Systems, Methods, and Apparatus for Pressure-Wave Ocular Therapy」と題された米国仮特許出願番号63/043988(代理人整理番号56574-703.103)に関連しており、これらの内容全体は参照により本願に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
緑内障、老眼、加齢黄斑変性(AMD)、ドライアイ疾患、および他の眼科疾患を治療するための既存の方法および装置は、理想的とは言えない結果をもたらす可能性がある。
【0003】
例えば、緑内障を治療するための多くの従来の方法は、眼の眼圧(IOP)を下げることに焦点を当て、理想的であろうものよりも複雑および/または侵襲的である可能性がある。現在の緑内障介入には、例えば、薬物(プロスタグランジンなど)の傍系送達、ステント(低侵襲緑内障手術(MIGS)または管形成術など)、レーザ型治療(選択的レーザ線維柱帯形成術(SLT)またはマイクロパルスレーザ線維柱帯形成術(MLT)など)、経強膜光凝固(TS-CPC)、超音波CPC、繊維柱帯形成術または繊維柱帯切除術が含まれる。このような治療による合併症には、低血圧、前房出血、出血、高いIOPスパイク率、視力低下、および白内障形成が含まれ得る。例えば、繊維柱帯切除の手術または緑内障ドレナージデバイスの移植などの治療法は、侵襲的な外科手術を必要とし、場合によっては有害な安全性リスクを持つ可能性がある。また、他の非浸透型治療法は、時間の経過とともに効果が薄れていくことが多い。薬用点眼薬による眼圧を下げる治療は、患者のコンプライアンスの欠如、場合によっては副作用、およびそのような薬物の投与量および生物学的利用能のばらつきにつながり得る患者間のばらつきのために、理想的とは言えない場合がある。上記に照らして、緑内障を治療する改良された方法および装置が必要とされている。理想的には、そのような方法および装置は、いくつかの従来の治療よりも侵襲性が低く、IOPの減少を成功裏に提供するであろう。
【0004】
老眼を治療するための従来の方法は、遠近調節幅の改善および/または患者の近視機能の置換もしくは修復に焦点を当てており、理想的であるものよりも複雑および/または侵襲的である可能性がある。現在の老眼介入には、近視ウェアラブル(眼鏡またはコンタクトレンズ等)、レンズまたはストラット移植、瞳孔収縮およびレンズ解離のための薬剤、および切開法が含まれる。このような治療による合併症は、場合によっては、侵襲性、薬物副作用などの合併症を含み得る。さらに、そのような療法は、多くの遠近調節力低下の可能性のある原因のうち1つだけを対象とすることが多く、これは、特異な治療様式としてのそのような療法の全体的な有効性を制限する可能性がある。上記に鑑みて、老眼を治療するための改良された方法および装置が必要とされている。理想的には、そのような方法および装置は、先行する治療のいくつかよりも侵襲性が低く、遠近調節幅をうまく増大することができる。
【0005】
AMDを治療するための従来の方法は、ドライAMDの発症を遅らせること、および/またはウェットAMDにおける変性を制限するために漏出血管を封鎖することに焦点を当てているが、所望の効果よりも低い可能性があり、および/または既に生じた変性を回復することができない可能性がある。現在の介入策には、ドライAMDに対する高抗酸化食などの栄養介入、ウェットAMDに対するレーザ光凝固、およびウェットAMDに対する眼内抗血管内皮増殖因子(VEGF)治療が含まれる。このような治療による合併症には、視力の継続的な低下、ウェットAMD症例における漏出の高い再発率、黄斑部の瘢痕化、眼感染症、眼圧上昇、網膜剥離、場合によっては全身血管作用(出血、脳卒中など)などが含まれることがある。さらに、このような治療法は、一度失われた視力を回復させることができることはほとんどない。上記に鑑みて、AMDを治療する改良された方法および装置が必要とされている。理想的には、そのような方法および装置は、いくつかの従来の治療よりもリスクが低く、変性の遅延および/または以前に変性した組織の回復を成功裏に提供するであろう。
【0006】
ドライアイ疾患を治療するための従来の方法は、自然の涙の形成を改善、補足、および/または置換することに焦点を当て、理想とする効果よりも効果が低い場合がある。現在の介入には、市販の点眼薬(人工涙)、抗生物質、免疫抑制点眼薬、コルチコステロイド点眼薬、眼への挿入薬、強膜レンズ、光療法および眼瞼マッサージ、涙刺激点眼薬、涙道プラグ、および涙道熱焼灼術が含まれる。このような治療による合併症には、乾燥の継続、刺激の増加、発汗、角膜剥離、その他の薬物の副作用が含まれる。さらに、そのような療法は、しばしば、患者のコンプライアンスの欠如、いくつかの例における副作用、および点眼された薬剤の投与量および生物学的利用能の変動をもたらす患者間のばらつきのために理想的とは言えない長期の使用を必要とする。上記に照らして、ドライアイ疾患を治療する改良された方法および装置が必要である。理想的には、このような方法および装置は、より効果的であり、患者の眼潤滑性においてより長期的な改善を提供するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、緑内障、老眼、加齢黄斑変性、ドライアイ疾患、および他の眼科疾患を治療するための改良された方法および装置を提供することが望ましいであろう。必ずしも全てのそのような局面または利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるとは限らない。したがって、様々な実施形態は、本明細書において教示または示唆され得る他の側面または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示される1つの利点または利点群を達成または最適化する方法により実施され得る。
【発明を解決するための手段】
【0008】
本開示は、一般に、医療装置、および方法に関し、より詳細には、眼を治療するための方法および装置に関する。
【0009】
第1の態様においては、眼を治療するための装置が提供される。この装置は、流体充填チャンバと、眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面とを備えるハウジングと、ハウジング内に配置された第1電極と、ハウジング内に配置され、第1電極と同軸に整列した第2電極とを備え、第1電極の遠位先端と第2電極の遠位先端とはギャップにより分離されている。第1電極および第2電極は、通電されるとギャップを横切って電気アークを発生させ、流体充填チャンバの流体中に衝撃波を生成するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態においては、ハウジングの内面は、衝撃波を眼球の表面上または表面下の所定の場所に集束させるように構成されていてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態においては、装置は、ハウジング内に配置され、衝撃波を眼球の表面上または表面下の所定の位置に集束させるように構成された反射器をさらに備えていてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態においては、装置は、流体充填チャンバと流体連通する流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態においては、装置は、第1電極または第2電極に結合され、それにエネルギを供給するように構成された1つ以上のワイヤをさらに備えていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態においては、第1電極および第2電極は、第1のワイヤの第1の先端部および第2のワイヤの第2の先端部を備えていてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態においては、流体は、生理食塩水または水から構成されていてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態においては、第1および第2電極は、使用中における衝撃波生成による侵食を低減するためにグラフェンによりコーティングされていてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態においては、ハウジングは、楕円体であってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態においては、ハウジングは、流体充填チャンバと眼球接触面との間に配置された流体充填導波器をさらに備えていてもよい。流体充填導波器は、流体充填チャンバと眼球接触面とを流体的に結合するように構成されていてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態においては、装置は、ハウジング内に配置された音響レンズをさらに備えていてもよい。音響レンズは、眼球の表面上または表面下の1つ以上の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態においては、装置は、流体充填チャンバ内に少なくとも部分的に配置された導電率センサをさらに備えていてもよい。導電率センサは、流体充填チャンバ内の流体の導電率を測定するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、導電率センサは、一対の白金電極を備えていてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態においては、装置は、流体充填チャンバ内に少なくとも部分的に配置され、眼球の表面に向かって光を放射するように構成された光源をさらに備えていてもよい。光源は、組織を架橋するのに十分な波長を有する光を放射するように構成されていてもよい。
【0022】
別の態様においては、眼を治療するためのシステムが提供される。このシステムは、本明細書に記載された衝撃波発生装置のいずれかと、エネルギ源とを備える。エネルギ源は、1つ以上のワイヤによって、電極式の装置の第1電極および第2電極に動作可能に結合されてもよい。エネルギ源は、光ファイバ式の装置のためのレーザを備えていてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態においては、第1電極は、エネルギ源の正端子に結合されてもよく、第2電極は、エネルギ源の負端子に結合されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態においては、エネルギ源は、高電圧パルス発生器を備えていてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、システムは、第1電極または第2電極に結合され、第1電極または第2電極に流れる電流レベルを決定するように構成された電流センサをさらに備えていてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、システムは、流体出口に流体的に結合され、流体出口から流出する流体の導電率を測定するように構成された導電率センサをさらに備えていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、システムは、流体出口および流体入口に流体的に結合され、流体充填チャンバから流体を再循環させ、流体からキャビテーション気泡を除去するように構成された流体再循環システムをさらに備えていてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態においては、システムは、眼球接触面上またはその下に配置されたリザーバをさらに備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、リザーバは、酸素を含んでいてもよい。代替的に、または組み合わせて、リザーバは、リボフラビンを含んでいてもよい。代替的に、または組み合わせて、リザーバは、治療薬または薬剤を含んでもよい。
【0029】
別の態様においては、眼を治療するための装置が提供される。この装置は、流体充填チャンバと、眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面とを備えるハウジングと、ハウジング内に配置された光ファイバとを備えている。光ファイバは、光エネルギがそこから放射されると、流体充填チャンバの流体中に衝撃波を発生するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態においては、ハウジングの内面は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態においては、装置は、ハウジング内に配置され、衝撃波を眼球の表面上または表面下の所定の位置に集束させるように構成された反射器をさらに備えていてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、装置は、流体充填チャンバと流体連通する流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態においては、流体は、生理食塩水または水から構成されていてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態においては、衝撃波が発生したときにハウジングからの発光を低減するために、流体はグラフェンを含んでいてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態においては、ハウジングは、楕円体であってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態においては、ハウジングは、流体充填チャンバと眼球接触面との間に配置された流体充填導波器をさらに備えていてもよい。流体充填導波器は、流体充填チャンバと眼球接触面とを流体的に結合するように構成されていてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態においては、装置は、ハウジング内に配置された音響レンズをさらに備えていてもよい。音響レンズは、眼球の表面上または表面下の1つ以上の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。
【0038】
別の態様においては、眼を治療するためのシステムが提供される。このシステムは、複数の衝撃波発生装置と、複数の衝撃波発生装置の周囲に配置されたコンタクトレンズとを備え、コンタクトレンズは、流体充填チャンバと、眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面とを備える。
【0039】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズは、眼球の表面に接触し、眼球の表面と眼球接触面との間の接触を維持するように構成された吸引機構をさらに備えていてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、複数の衝撃波発生装置の各々は、光ファイバを備えていてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、複数の衝撃波発生装置の各々は、同軸に配置された一対の電極と反射器とを備えていてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、コンタクトレンズは、眼球接触面を構成する膨張可能な外側ハウジングを備えていてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズは、撮像装置を受け入れるように構成された撮像ポートを備えていてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、複数の衝撃波発生装置は、複数の電気油圧式、圧電式、レーザ式、または磁気電気式の衝撃波発生装置から構成されていてもよい。
【0045】
別の態様においては、眼を治療するための方法が提供される。この方法は、衝撃波発生装置の眼球接触面を眼球の表面に結合することと、衝撃波発生装置により衝撃波を発生させることと、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させることを含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、本方法は、集束された衝撃波により、所定の位置において、微細穿孔、キャビテーション、血管拡張、新生血管形成、解離、およびアップレギュレートされた成長因子産生を誘発することをさらに含んでいてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態においては、予め決定された場所は、線維柱帯、シュレム管、辺縁、眼瞼、マイボーム腺、網膜、および眼窩周囲の1つ以上を含んでいてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、本方法は、衝撃波を発生させる前に、所定の位置にマイクロバブルを播種することをさらに含んでいてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置は、光ファイバを備えていてもよい。衝撃波を発生させることは、光ファイバから光ファイバを取り囲む流体に光エネルギを放出することを含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置は、第1電極および第2電極を備えていてもよい。衝撃波を発生させることは、第1および第2電極に通電して、それらの先端間のギャップを横切って電気アークを形成することを含んでいてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態においては、方法は、第2の衝撃波発生装置の眼球接触面を眼球の表面に結合することと、第2の衝撃波発生装置により第2の衝撃波を発生することと、第2の衝撃波を眼球の表面上または表面下の第2の所定の位置に焦点を合わせることとをさらに含んでいてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置は、コンタクトレンズの流体充填チャンバ内に配置されていてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置は、トライアルフレームに結合されていてもよい。
【0054】
別の態様においては、眼を治療するためのシステムが提供される。このシステムは、衝撃波を発生するように構成された衝撃波発生装置と、衝撃波発生装置に流体的に結合され、眼球の表面に接触するように構成された眼球接触面に衝撃波を向けるように構成された流体充填導波器とを備えている。
【0055】
いくつかの実施形態においては、導波器は、ステンレス鋼管から構成されていてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態においては、導波器は、約12mm以上の長さを有していてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態においては、導波器は、約1mmから約8mmの範囲内の直径を有していてもよい。例えば、導波器は、約3mmまたは約8mmの直径を有していてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態においては、システムは、導波器の遠位端に結合されたコンタクトレンズをさらに備えていてもよく、コンタクトレンズは、流体充填チャンバおよび眼球接触面を備えている。
【0059】
いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置および導波器の少なくとも一部は、トライアルフレームに結合されていてもよい。
【0060】
これらおよび他の実施形態は、添付の図面に関連する以下の説明により、さらに詳細に説明される。
【参照による援用】
【0061】
本明細書に記載されたすべての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本開示の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明、およびその添付図面を参照することによって得られるであろう。
【
図1】実施形態における衝撃波発生装置の透視図である。
【
図2】実施形態において、眼球に隣接する例示的な衝撃波発生装置の側面図である。
【
図3】実施形態において、衝撃波発生装置のアレイの上面図である。
【
図4】実施形態において、複数の列に配置された衝撃波発生装置のアレイの上面図である。
【
図5】実施形態において、
図4のアレイの側面図である。
【
図6】実施形態において、眼球に結合された錐体を備えた例示的な衝撃波発生装置のアレイシステムの側断面図である。
【
図7】実施形態において、眼球に結合されたコンタクトレンズを備えた例示的な衝撃波発生装置のアレイシステムの側断面図である。
【
図8】実施形態において、衝撃波発生装置の透視図である。
【
図9】実施形態において、眼球に結合された複数の衝撃波発生装置の側面図である。
【
図10】実施形態において、コンタクトレンズを備えた眼球に結合された複数の衝撃波発生装置の側面図である。
【
図11】実施形態において、コンタクトバルーンを備えた眼球に結合された複数の衝撃波発生装置の側断面図である。
【
図12】実施形態において、コンタクトバルーンを備えた眼球に結合された複数の衝撃波発生装置の側断面図である。
【
図13】実施形態において、眼球に隣接する例示的な衝撃波発生装置の分解側面図である。
【
図14】実施形態において、眼球に隣接する別の例示的な衝撃波発生装置の分解側面図である。
【
図15】実施形態において、コンタクトバルーンを用いて眼球に結合された複数の衝撃波発生装置の側断面図である。
【
図16】実施形態において、眼球に結合された
図15のシステムの斜視図である。
【
図17】実施形態において、追加のチューブおよび/またはワイヤに結合された
図15のシステムの斜視図である。
【
図18】実施形態において、電源に結合されたチューブおよび/またはワイヤを備える
図17のシステムの側面図である。
【
図19】実施形態において、内部に埋め込まれた複数の衝撃波発生装置を備えるコンタクトバルーンの斜視図である。
【
図20】実施形態において、複数の積層型リング導体衝撃波発生装置の部分斜視図である。
【
図22】実施形態において、緑内障のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図23】実施形態において、老眼のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図24】実施形態において、AMDのための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図25】実施形態において、AMDのための例示的な治療システムの上面図である。
【
図26】実施形態において、
図25のシステムの側断面図である。
【
図27】実施形態において、AMDのための別の例示的な治療システムを示す図である。
【
図28】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図29】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムを示す図である。
【
図30】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムを示す図である。
【
図31】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムを示す図である。
【
図32】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムを示す図である。
【
図33】実施形態において、レンズ軟化症のための例示的な治療システムの上面図である。
【
図34】実施形態において、眼球上に配置された
図33のシステムの側断面図である。
【
図35】実施形態において、老眼のための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図36】実施形態において、緑内障のための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図37】実施形態において、
図36のシステムの上面図である。
【
図38】実施形態において、衝撃波発生装置の例示的なアレイの側断面図である。
【
図40】実施形態において、AMDのための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図41】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図42】実施形態において、例示的なレーザ式の衝撃波発生装置の断面図である。
【
図43】実施形態において、流体充填コンタクトレンズバルーン内のレーザ式の衝撃波発生装置のアレイの側断面図である。
【
図44】実施形態において、環状流体充填コンタクトレンズ内のレーザ式の衝撃波発生装置のアレイの斜視図である。
【
図45】実施形態において、
図44のシステムの側断面図である。
【
図46】実施形態において、
図44のシステムの上面図である。
【
図47】実施形態において、環状流体充填コンタクトレンズ内のレーザ式の衝撃波発生装置のアレイの上面図である。
【
図48】実施形態において、
図47のシステムの側断面図である。
【
図49】実施形態において、複数のアレイに配置され、眼球上に配置された衝撃波発生装置のアレイの側断面図である。
【
図50】実施形態において、内部に複数の開口部を有する絶縁シース内に配置された導電性ワイヤを備える衝撃波発生装置の例示的なアレイを示す図である。
【
図51】実施形態において、内部に複数の開口部を有するクラッド内に配置された光ファイバを備える衝撃波発生装置の例示的なアレイを示す図である。
【
図52】実施形態において、内部に複数の開口部を有する絶縁シース内に配置された導電性ワイヤを備える電極式の衝撃波発生装置のアレイの分解図である。
【
図53】実施形態において、内部に複数の開口部を有するクラッド内に配置された光ファイバを含むレーザ式の衝撃波発生装置のアレイの分解図である。
【
図54】実施形態において、眼球を治療するための方法を示す図である。
【
図55】実施形態において、眼球に結合されたコンタクトレンズを備える例示的なレーザ走査式衝撃波発生装置システムの側断面図である。
【
図56】実施形態において、コンタクトレンズを備える例示的なマルチファイバレーザ式の衝撃波発生装置のアレイシステムの側断面図である。
【
図57】実施形態において、例示的な衝撃波導波器の側断面図である。
【
図58】実施形態において、例示的な衝撃波導波器の側断面図である。
【
図59】実施形態において、衝撃波導波器のワイヤフレームチューブの概略図である。
【
図60】実施形態において、例示的な衝撃波導波器の側断面図である。
【
図61】実施形態において、例示的な衝撃波導波器の側断面図である。
【
図62】実施形態において、例示的なパラボラ衝撃波導波器の側断面図である。
【
図63】実施形態において、衝撃波導波器のアレイを備える例示的なコンタクトレンズの上面図である。
【
図64】実施形態において、マイボーム腺治療のための衝撃波発生装置用アレイを備える例示的なコンタクトレンズの上面図である。
【
図65】実施形態において、ドライアイ疾患治療のための例示的なコンタクトレンズの上面図である。
【
図66】実施形態において、統合撮像システムを備える例示的な治療システムの側面図である。
【
図67】実施形態において、統合撮像システムを備える例示的な治療システムの側面図である。
【
図68】実施形態において、統合撮像システムを備える例示的な治療システムの側面図である。
【
図69】実施形態において、気泡抽出のための例示的なシステムの概略図である。
【
図70】実施形態において、気泡抽出のための例示的なシステムの概略図である。
【
図71】実施形態において、気泡抽出のための例示的なシステムの概略図である。
【
図72】実施形態において、例示的な治療システムの電気的概略図である。
【
図73】実施形態において、例示的な可変焦点治療システムの側断面図である。
【
図74】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図75】実施形態において、経皮的治療のための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図76】実施形態において、ドライアイ疾患のための例示的な治療システムの側断面図である。
【
図77】実施形態において、導電率測定のための例示的なシステムの概略図である。
【
図78】実施形態において、埋め込まれた導電率センサを備える例示的な衝撃波導波器の側面図である。
【
図79】実施形態において、例示的な音響架橋衝撃波導波器の側面図である。
【
図80】実施形態において、例示的な音響架橋衝撃波導波器の側面図である。
【
図81】実施形態において、受動的キャビテーション検出のための例示的なシステムの概略図である。
【
図82】実施形態において、受動的キャビテーション検出を備える例示的な治療システムを示す図である。
【
図83】実施形態において、導電率センサ、音響架橋、および/または受動的キャビテーション検出を備える例示的な治療システムの側面図である。
【
図84】実施形態において、音響架橋または受動的キャビテーション検出を備える例示的な治療システムの概略図である。
【
図85A】実施形態において、様々な適応症のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図85B】実施形態において、様々な適応症のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図85C】実施形態において、様々な適応症のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図85D】実施形態において、様々な適応症のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図85E】実施形態において、様々な適応症のための例示的な治療パターンを示す図である。
【
図85F】実施形態において、様々な適応症のための例示的な治療パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下の詳細な説明において、本書の一部を構成する添付の図を参照する。図において、同様の記号は、文脈上、別段の指示がない限り、同様の構成要素を示す。詳細な説明、図、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に提示された主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され、他の変更がなされ得る。本明細書において一般的に説明され、図に示されるような本開示の態様は、多種多様な異なる構成において配置、置換、組み合わせ、分離、および設計され得ることが容易に理解され、その全てが本明細書に明示的に企図される。当業者であれば、図中の図示は必ずしも縮尺通りではなく、多くの要素は、明確にするため、および記載された実施形態の理解を容易にするために拡大または誇張されてもよいことが理解されよう。
【0064】
以下に特定の実施形態および例を開示するが、本発明の主題は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替実施形態および/または使用、ならびにそれらの変更および等価物に及ぶ。したがって、本明細書に添付された請求項の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれかによって限定されるものではない。例えば、本明細書に開示される任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの行為または操作は、任意の適切な順序により実行されてもよく、必ずしも特定の開示された順序に限定されるものではない。特定の実施形態の理解に役立ち得る方法として、様々な操作が複数の離散的な操作として順番に記述されてもよいが、記述の順序は、これらの操作が順序依存であることを意味するように解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載される構造、システム、および/またはデバイスは、統合された構成要素として具現化されてもよいし、別個の構成要素として具現化されてもよい。
【0065】
様々な実施形態を比較する目的において、これらの実施形態の特定の態様および利点が説明される。必ずしも全てのそのような態様または利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書により教示または示唆され得る他の態様または利点を必ずしも達成することなく、本明細書により教示される1つの利点または利点の群を達成または最適化する方法により実施されてもよい。
【0066】
本開示は、患者の眼の治療のためのシステム、装置、または方法の展開に関連して説明する。しかし、当業者であれば、これは限定することを意図したものではなく、本明細書に開示される装置および方法は、他の解剖学的領域および他の外科的治療において使用され得ることを理解するであろう。
【0067】
本明細書に開示される実施形態は、眼を治療するための改善された方法および装置を提供するために、多くの方法のうちの1つ以上と組み合わせることができる。治療される眼組織、膜、またはその病的変形は、線維柱帯、強膜、硝子体、網膜、マイボーム腺管、小帯(例えば、後部硝子体小帯(PVZ)等)、毛様体、レンズ、およびそれらの疾患領域の1つ以上を含んでいてもよい。
【0068】
本明細書に開示される実施形態は、老眼、緑内障、AMD、ドライアイ疾患、他の眼科疾患、またはそれらの組み合わせの1つ以上の治療のための改善された方法および装置を提供する。例えば、本明細書に開示される老眼治療は、患者の眼圧(以下、「IOP」)に対して有益な効果を有することができる。代替的に、または組み合わせて、この治療は、例えば、緑内障の治療を対象にすることができる。本明細書に開示された治療法および装置は、多くの既知の治療方法および装置と組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載される遠近調節力の回復は、例えば、多くの既知の遠近調節眼内レンズ(IOL)のうちの1つ以上と組み合わせることができる。代替的に、または組み合わせて、本明細書に開示されるような方法および装置は、1つ以上の既知の緑内障治療法と組み合わせることができる。多くの実施形態は、眼の天然水晶体を参照して説明されているが、本明細書に開示される実施形態は、眼内レンズを用いて視力を改善するために使用することができる。
【0069】
本明細書で使用する「衝撃波」という用語は、高エネルギピーク、圧力のジャンプ/ステップ変化、速い立ち上がり時間(例えば、10ナノ秒オーダー)、高振幅、および非周期性/短い持続時間(例えば、約10マイクロ秒)を有する音響波であることを示す。衝撃波は、圧力波とも呼ばれることがある。衝撃波は、超音波や高密度集束超音波とは異なり、通常、かなり速い速度であり、はるかに高い強度であって、超音波の周期性を持たずに伝播するものである。衝撃波は、本明細書の記述に基づいて当業者によって理解されるように、電気油圧、圧電、レーザ、または磁気電気手段によって発生させることができる。
【0070】
体外衝撃波療法(ESWT)は、筋骨格系障害の治療のための非侵襲的方法であり、主にスポーツ関連における腱の使い過ぎの治療に使用される。また、ESWTは、長管骨骨折の非結合、大腿骨頭の血管壊死、慢性糖尿病および非糖尿病性潰瘍、虚血性心疾患の治療にも使用されている。ESWTにおいて使用される衝撃波は、治療される組織に対して機械的および細胞的な効果をもたらすことが示されている。例えば、衝撃波治療は、治療される組織に対して鎮痛効果をもたらすことができる。また、衝撃波治療は、新生血管形成と細胞再生を促進する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)、神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)、血管内皮成長因子(VEGF)などの成長因子の産生を刺激することが示されている。衝撃波は、遊離基(フリーラジカル)を発生させ、細胞破壊を促進させることもできる。
【0071】
図1は、衝撃波発生装置100の透視図である。衝撃波発生装置100は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されてもよい。
【0072】
衝撃波発生装置100は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されてもよい。衝撃波発生装置100は、それが発生する衝撃波により眼球の表面上または表面下の1つ以上の組織または構造を治療するように構成されていてもよい。治療は、非熱的であってもよい。衝撃波は、本明細書に記載されるように、予め決められた位置に集束されてもよいし、非集束であってもよい。衝撃波は、所望の眼球組織を局所的に分画、微細穿孔(マイクロポーリング)、拡張、および/または感覚分解(センソリーゼ)するために使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波は、本明細書に記載されるような生体力学的効果(血管拡張、微細穿孔、軟化など)および/または生化学的効果(新生血管形成など)をもたらすために使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波は、眼球組織への薬物送達のために使用することができる。
【0073】
例えば、眼球への衝撃波の適用は、(i)VEGFおよびターボ緑色蛍光タンパク質2(TGFP2)のアップレギュレーション(例えば、新生血管形成)および/またはeNOSおよびnNOS(例えば、血管拡張)を介して虚血肢周囲強膜およびマイボーム腺管の流体流出を増強する、(ii)幹細胞の分化誘導(例えば、Ca2+のアップレギュレーション)、(iii)毛様体扁平部近位部の硝子体裂孔を分画することによる視力および遠近調節幅の改善、(iv)解離による水晶体コンプライアンスの改善、および/または(v)薬物(例えば、超音波照射(ソノポレーション)および/またはソノフォレーシスを介した緑内障、抗VEGF、ステロイド薬など)の送達、が挙げられる。いくつかの実施形態においては、衝撃波療法は、他の治療方法およびシステムの結果においてあり得る熱的組織凝固、穿孔、水晶体または角膜転位、白内障誘発、および/または他の望ましくない収差を低減し得る。
【0074】
眼球接触面104(本明細書においては組織インターフェースとも呼ばれる)は、眼球上に配置されたときにシールを作成するために、眼球の表面に対応する形状であってもよい。眼球接触面104は、眼球上に配置されたときに眼球の表面にその形状を適合させるように構成された可撓性材料から構成されていてもよい。眼球接触面104は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)等から構成されていてもよい。
【0075】
眼球接触面104は、約12μmから約100μmの範囲内の厚さを有していてもよい。
【0076】
眼球接触面104は、約1mmから約8mmの範囲内、例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、約7mm、または約8mmの直径を有していてもよい。
【0077】
眼球接触面104は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン社から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plastics社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステルベースの共重合体(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/またはデュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)などのポリエステルエラストマ)、ポリアミド(例えば、Bayer社から入手可能なDURETHAN(登録商標)またはElf Atochem社から入手可能なCRISTA D(登録商標)、エラストマポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で販売)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、マーレックス高密度ポリエチレン、マーレックス低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標)),ポリスルホン、ナイロン、ナイロン2(EMS American Grilon社から入手可能なGRK.AMID(登録商標))、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレンAイソブチレンAスチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS50A)、ポリカーボネート、アイオノマ、生体適合ポリマ、他の適切な材料またはそれらの混合物、組み合わせ、共重合体、ポリマ/金属複合材料等が挙げられる。いくつかの実施形態においては、眼球接触面104は、液晶ポリマ(LCP)とブレンドされた混合物(例えば、約6%までのLCP)から構成されていてもよい。
【0078】
流体充填チャンバ106は、内部に配置された流体を備えていてもよい。流体は、導電性(例えば、約0.6mSの導電率)の生体適合性液体を含んでいてもよい。流体は、水または生理食塩水から構成されていてもよい。流体は、生理食塩水中のグラフェンの懸濁液から構成されていてもよい。流体は、冷却されていてもよい(例えば、約10℃)。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、ギャップ114において発生した衝撃波を眼球の表面に結合させるために使用されてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ106内を循環してもよい。流体の循環は、衝撃波のパルス送達が継続しているときに、電極110,112から流出した金属イオンおよび衝撃波形成中に発生したキャビテーション気泡を連続的に抽出することを可能にしてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態においては、電極の侵食の程度を決定するために、流体出口109を経由して流体充填チャンバ106から流出する流体を、定期的または連続的にサンプリングしてもよい。例えば、生理食塩水の導電率がサンプリングされてもよく(例えば、電極が浸食され、金属イオンが生理食塩水中に放出されることにより、電極110,112間のギャップ114の距離を測定するための代わりとして)、電極110,112に送られる電圧は、感知された導電率の変化を考慮して調節することができる。
【0080】
流体充填チャンバ106は、衝撃波を所望の所定の位置に向けて集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ106の内面に結合してもよい。流体充填チャンバ106の内壁または流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。他の例示的な形状が、球形と楕円体の間の融合することができ、オフセットされたスタンドオフを有する楕円体であってもよく、反射器を含まない放射状波伝送用の電極を備えてもよく、2つの絶縁露出電極を有する同軸ワイヤを備えてもよく、非対称形状の平端反射器を有する楕円体、楕円体-トロイド、円錐形、S字型であってもよく、複数の反射器および電極を有するコンタクトレンズ、マイボーム腺結合形状、圧力波発生装置に結合された薬物デポ/リザーバ、安定した術中送達のための吸引リング機能を有するものなどであることは、本明細書の開示に基づいて当業者によって理解されるであろう。
【0081】
反射器は、サファイア、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、グラフェン被覆ポリマ、衝撃波反射ポリマ、ステンレス鋼、アルミニウム、または同様のものから構成されてもよい。適した金属および金属合金のいくつかの例には、304V、304L、および316LVステンレス鋼などのステンレス鋼、軟鋼、線形弾性および/または超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金、ニッケル-クロムモリブデン合金などの他のニッケル合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、その他のHASTELLOY(登録商標)の合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R30035など)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標) ALLOY B2(登録商標)などのUNS:N10665)、その他のニッケル-クロム合金、その他のニッケル-モリブデン合金、その他のニッケル-コバルト合金、その他のニッケル-鉄合金、その他のニッケル-銅合金、その他のニッケル-タングステンまたはタングステン合金等、コバルト-クロム合金、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003)、白金強化ステンレス鋼、チタン、これらの組み合わせなど、または他の任意の適切な材料が挙げられる。
【0082】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置の近くに配置されたアルミニウムドーム構造は、楕円体ドームを用いて衝撃波エネルギを第2の焦点に向けるため、または平行ドームを用いて平行方向に組織内に向けるために使用されてもよい。ドーム構造の焦点深度は、第1の焦点の衝撃波発生装置を過ぎて約3mmから約3cmの範囲内であってよい。
【0083】
反射器(例えば、流体充填チャンバ106および/またはそれに結合された他の反射器の形状)は、所望の焦点位置、衝撃波パターンの形状等を提供するように形成されてもよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0084】
第1および第2電極110,112は、電力源に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、第1および第2電極110,112は、1つ以上のワイヤ116によって電源に結合されていてもよい。1つ以上のワイヤ116は、絶縁されていてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2電極110,112は、1つ以上のワイヤ116の遠位端を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、第1および第2電極110,112は、ワイヤ116に結合されたピンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2電極110,112は、白金、タングステンチタン、アルミニウム、チタン合金(Ti-3A1)、ステンレス鋼、銀、金、銅、ニッケル-クロム合金、鉄、真鍮、銅-白金、銅、またはそれらの組み合わせ等から構成されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態においては、使用中の電極110,112の侵食を低減するために、第1および/または第2電極110,112は、グラフェン、金、または他の材料によって被覆されていてもよい。
【0086】
第1および第2電極110,112は、約0.5mmの外径を有していてもよい。第1および第2電極110,112は、約0.00785mmから約0.8118mmの範囲内の外径を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、第1および第2電極110,112は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内の外径を有していてもよい:約0.005mm、約0.01mm、約0.015mm、約0.02mm、約0.025mm、約0.03mm、約0.035mm、約0.04mm、約0.045mm、約0.05mm、約0.055mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.1mm、約0.15mm、約0.2mm、約0.25mm、約0.3mm、約0.35mm、約0.4mm、約0.45mm、約0.5mm、約0.55mm、約0.6mm、約0.65mm、約0.7mm、約0.75mm、約0.8mm、約0.85mmおよび約0.9mm。
【0087】
第1および第2電極110,112は、約20アメリカンワイヤゲージ(AWG)から約60AWGの範囲内の外径を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、第1および第2電極110,112は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内の外径を有してもよい:約20AWG、約25AWG、約30AWG、約35AWG、約40AWG、約45AWG、約50AWG、約55AWG、および約60AWG。
【0088】
いくつかの実施形態においては、第1電極110は、高電圧パルス発生器の正端子に(例えば、ワイヤ116を経由して)接続されてもよく、第2電極112は、高電圧パルス発生器の負端子に接続されて、2つの電極間のギャップ114内に衝撃波を発生させてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、第1および第2電極110,112の極性は、反転可能であってもよい。治療中の極性反転は、第1および第2電極110,112の寿命を延ばすのに役立ち、その結果、患者および装置にわたる治療の再現性が向上する可能性がある。
【0090】
第1および第2電極110,112の間のギャップ114は、第1および第2電極110,112の先端間の距離によって定義されてもよい。いくつかの実施形態においては、電極の先端間の距離は、約0.05mmから約0.5mmの範囲内、例えば、約0.1mmから約0.15mmの範囲内であってよい。例えば、その距離は、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.1mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、または、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.2mm、約0.25mm、約0.3mm、約0.35mm、約0.4mm、約0.45mm、または約0.5mmであってもよい。
【0091】
第1および第2電極110,112間のギャップ114は、約3キロボルト(kV)から約4kVの範囲内の電圧パルスを使用して衝撃波を発生させるのに十分であってもよい。これらの電圧は、段階的/複合的および/またはプレパルス化されてもよく、約0-500V、0-1000V、0-1500V、0-2000V、0-2500V、0-3000V、0-3500V、または0-4000Vの範囲内であってもよい。電極の寿命を延ばすために、電圧の極性を交互に変えるようにシステムを構成してもよい。
【0092】
第1および第2電極110,112間のギャップ114は、約50アンペアの電流を使用して衝撃波を発生させるのに十分であってもよい。
【0093】
本システムは、1つ以上のセンサを備えていてもよい。例えば、電極(複数可)に流れる電流を決定するために、センサは1つ以上の電極に結合されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、本明細書に記載されるように、流体出口から流出する生理食塩水の導電率を測定するためのセンサを設けてもよい。温度、音波キャビテーション(すなわち、気泡形成)効率、および/または流体圧力センサが、衝撃波発生用フローチャンバ(本明細書においては、流体充填チャンバとも呼ばれる)内に配置されてもよく、術中衝撃波振幅および焦点調節に使用されてもよい。1つ以上のセンサは、治療中に衝撃波の均一で安定した送達を提供するために使用されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のセンサは、衝撃波発生装置(複数可)100によって発生した圧力波に基づいて様々な眼球組織(例えば、角膜、水晶体、および/または網膜)のエラストグラフィ測定を行うように構成されていてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態においては、システムは、衝撃波発生装置(複数可)100に圧力フィードバックを提供するように構成された1つ以上の圧力センサを備えていてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、ハウジング102は、成形または3D印刷などによって形成されてもよい。
【0097】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、手持ち式プローブの遠位端に配置されてもよい。
【0098】
図2は、眼球200に隣接する例示的な衝撃波発生装置100の側面図である。衝撃波発生装置100は、
図1に示される衝撃波発生装置100と実質的に類似していてもよい。衝撃波発生装置100は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。電極110,112は、例えば、本明細書に記載されるように、1つ以上の絶縁ワイヤ116に結合された金被覆ピンによって構成されていてもよい。ハウジング102は、例えば、衝撃波204の所望の方向への集束および眼球の表面上または表面下の所望の位置への集束を容易にするために、楕円体であってもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104(本明細書においては組織インターフェースとも呼ばれる)とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、例えば、生理食塩水206のような流体によって充填されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されていてもよい。第1および第2電極110,112は、本明細書に記載されるように、その間にギャップを設けて互いに同軸に整列されていてもよい。
【0099】
衝撃波発生装置100は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されてもよい。衝撃波発生装置100は、衝撃波を、経強膜、経角膜縁、経角膜の方法により、眼球組織200内の所定の位置に集束させるように構成されていてもよい。所定の位置は、例えば、周方向(すなわち、360°)の線維柱帯、シュレム管、毛様体(例えば、毛様体突起、筋肉、毛様体の前部/後部/中等部などの選択された部分)、毛様体扁平部、毛様体ひだ部、角膜、強膜、水晶体、網膜、眼窩、眼窩周囲、中間硝子体小帯(IVZ)、後部硝子体小帯(PVZ)、硝子体、眼瞼、および/またはマイボーム腺の1つ以上である。
【0100】
いくつかの実施形態においては、所定の位置は、眼球の表面上であってもよい。いくつかの実施形態においては、所定の位置は、眼球の表面下約30mmまでの範囲内(例えば、表面下約0.1mm)の組織深度であってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態においては、衝撃波は、約100MPaまで、例えば、約0.1MPaから約100MPaの範囲内の強さにおいて、所定の位置にて眼球内に圧力を発生させてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波は、約0.05MPaから約5MPaの範囲内の強さにおいて、所定の位置にて眼球内に圧力を発生させてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態においては、眼球接触面104と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル202が眼球接触面104上に配置されていてもよい。結合用流体またはゲル202は、衝撃波発生装置100と眼球の表面との間のエアギャップによって引き起こされる不要な反射によるエネルギの誤配向を防止するのに役立つ場合がある。いくつかの実施形態においては、結合用流体またはゲル202は、1つ以上の治療用物質を含んでいてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、約0.1mJ/mm2から約10mJ/mm2の範囲内の大きさのエネルギを眼球に送達するように構成されていてもよい。例えば、衝撃波発生装置100は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内の大きさのエネルギを眼球に送達するように構成されてもよい:0.1mJ/mm2、0.2mJ/mm2、0.3mJ/mm2、0.4mJ/mm2、0.5mJ/mm2、0.6mJ/mm2、0.7mJ/mm2、0.8mJ/mm2、0.9mJ/mm2、1mJ/mm2、1.5mJ/mm2、2mJ/mm2、2.5mJ/mm2、3mJ/mm2,3.5mJ/mm2、4mJ/mm2、4.5mJ/mm2、5mJ/mm2、5.5mJ/mm2、6mJ/mm2、6.5mJ/mm2、7mJ/mm2、7.5mJ/mm2、8mJ/mm2、8.5mJ/mm2、9mJ/mm2、9.5mJ/mm2または10mJ/mm2。
【0104】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、約10ナノ秒から約100マイクロ秒の範囲内のエネルギ上昇時間を有する衝撃波を送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内のエネルギ上昇時間を有する衝撃波を送達するように構成されてもよい:10ナノ秒、50ナノ秒、100ナノ秒、200ナノ秒、300ナノ秒、400ナノ秒、500ナノ秒、600ナノ秒、700ナノ秒、800ナノ秒、900ナノ秒、1マイクロ秒、10マイクロ秒、20マイクロ秒、30マイクロ秒、40マイクロ秒、50マイクロ秒、60マイクロ秒、70マイクロ秒、80マイクロ秒、90マイクロ秒または100マイクロ秒。
【0105】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、約10ナノ秒から約10マイクロ秒の範囲内のパルス持続時間を有してもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内のパルス持続時間を有してもよい:10ナノ秒、50ナノ秒、100ナノ秒、200ナノ秒、300ナノ秒、400ナノ秒、500ナノ秒、600ナノ秒、700ナノ秒、800ナノ秒、900ナノ秒、1マイクロ秒、10マイクロ秒、20マイクロ秒、30マイクロ秒、40マイクロ秒、50マイクロ秒、60マイクロ秒、70マイクロ秒、80マイクロ秒、90マイクロ秒、または100マイクロ秒。
【0106】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、約1Hzから約50kHzの範囲内、例えば約1Hzから約1kHzの範囲内、例えば約1Hzから約5Hzの範囲内の反復率で衝撃波を送達してもよい。衝撃波は、約10kHzの周波数で発生させてもよい。いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置100は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内の反復率において衝撃波を送達してもよい:1Hz、5Hz、10Hz、50Hz、100Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、1kHz、10kHz、20kHz、30kHz、40kHz、または50kHz。
【0107】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100によって送達される衝撃波の数は、約1から約10000の範囲内であってもよい。送達される衝撃波の数は、治療の所望の組織変換の結果に依存し得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【0108】
いくつかの実施形態においては、所定の位置における標的組織の治療のための合計時間は、約30秒から約30分の範囲内、例えば、約2分から約5分の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態においては、所定の位置における標的組織の治療のための合計時間は、以下の値のうちの任意の2つの値によって限定される範囲内であってもよい:30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分または30分。
【0109】
いくつかの実施形態においては、電極110,112のRF周波数は、約3Hzから30Hzの範囲内、および300GHzから3THzの範囲内であってもよい。組織播種のために、より低い電力のプレパルスが組み込まれてもよい。
【0110】
衝撃波は、集束されていてもよいし、非集束であってもよい。いくつかの実施態様において、集束された衝撃波は、組織において生体力学的効果をもたらすために、標的組織へのより大きな量のエネルギの送達のために好ましい。いくつかの実施態様においては、非集束衝撃波は、組織の穏やかな生化学的刺激を提供するために、標的組織へのより低いレベルのエネルギの送達に好まれる場合がある。
【0111】
いくつかの実施形態においては、衝撃波は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に集束されてもよい。集束された波の伝搬は、非線形であってもよく、急峻化が生じてもよい。衝撃波は、約0.01マイクロ秒の立ち上がり時間、約0.3マイクロ秒の圧縮、約0から約100MPaの範囲内の正のピーク圧力、および約0から約3mJ/mm2の所定の位置におけるエネルギ束密度を有していてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態においては、衝撃波は、集束することなく、眼球の表面上または表面下の所定の位置に送達されてもよい。非集束波は、発散波、収束波、または平面波であってもよい。非集束波の伝搬は、直線的であってもよく、急峻化が生じなくてもよい。衝撃波は、約50ナノ秒の立ち上がり時間、約200ナノ秒から約10マイクロ秒の圧縮、約0から約10MPaの範囲内の正のピーク圧力、および約0から約0.3mJ/mm2の所定の位置におけるエネルギ束密度を有していてもよい。
【0113】
図3は、衝撃波発生装置100のアレイ300の上面図である。いくつかの実施形態においては、アレイ300は、辺縁誘導型緑内障治療のために辺縁302の周りの約10mmから約15mmの直径の環状に等間隔に配置された8つの衝撃波発生装置100から構成されていてもよい。辺縁誘導型緑内障治療は、本明細書に記載されるように、繊維柱帯および/またはシュレム管に向かって集束させることができる。繊維柱帯および/またはシュレム管に沿った複数の場所に衝撃波を集束させると、治療された組織の拡張および流体流出が改善され、緑内障の目の眼圧を低下させることができる。
【0114】
衝撃波発生装置のアレイは、2つ以上の衝撃波発生装置100から構成されていてもよい。例えば、アレイは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはそれ以上の衝撃波発生装置から構成されてもよい。衝撃波発生装置のアレイは、所望の数の衝撃波発生装置から構成されてもよい。
【0115】
衝撃波発生装置100は、並列または直列に接続されていてもよい。
【0116】
衝撃波発生装置100は、互いに独立して、または同時に通電されるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100の全てが同時に起動されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置のいずれかは、同時に起動されなくてもよい。いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの衝撃波発生装置100が同時に起動されてもよい。いくつかの実施形態においては、各衝撃波発生装置は、独立して制御されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態においては、各衝撃波発生装置100は、周方向に順次通電されるように構成されていてもよい。少なくともいくつかの実施態様においては、所定の標的位置またはその外側において望ましくない組織効果がもたらされる可能性がある眼球内における予期せぬ構成的な衝撃波の形成を回避するために、衝撃波を一度に1つずつ発射することが好ましい場合がある。
【0118】
図4は、複数の列に配置された衝撃波発生装置100のアレイ400の上面図である。
図5は、眼球200の表面500上に配置されたアレイ400の側面図である。アレイ400は、衝撃波発生装置100の少なくとも2つの列から構成されていてもよい。例えば、アレイ400は、第1の列402、第2の列404、および第3の列406から構成されていてもよい。各列は、それぞれ発生する衝撃波が眼球の表面上または表面下の異なる場所を標的にするように配置されていてもよい。
【0119】
例えば、第1の列402は、
図3に示すように、線維柱帯および/またはシュレム管を治療し拡張するように、辺縁の周りに配置されてもよく、第2の列404は、強膜組織および/またはその下の毛様体を治療するように、第1の列402から半径方向外側に配置され、毛様体ひだ部の上に配置してもよく、第3の列406は、例えば、多孔性を増加させるために第2の列404から半径方向外側、その下の強膜組織および/または毛様体を治療するように毛様体扁平部の上に配置されてもよい。毛様体扁平部および/または毛様体ひだ部上の近くの中間間質における多孔性の増加は、例えば、眼の脈絡膜上、毛様体、および/またはリンパ液流出経路の流体伝導率/輸送性を向上させ、緑内障治療のためにIOPを低下させることができる。
【0120】
列の数、衝撃波発生装置間の間隔、および列の位置は、所望の1つ以上の適応症を治療するように構成され得ることは、本明細書の教示に基づき当業者によって理解されるであろう。いくつかの実施形態においては、列は、互いに等間隔に離れていてもよい。いくつかの実施形態においては、列は、互いに異なる距離の間隔をあけて配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、列内の各衝撃波発生装置は、互いに同じ距離(すなわち、等距離)に間隔を空けて配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、1つ以上の衝撃波発生装置は、他の1つ以上の衝撃波発生装置から不等間隔に配置されていてもよい。いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置のアレイは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の列を必要に応じて備えてもよい。列の数は、眼球内の治療されるべき眼科疾患の数に対応していてもよいし、対応していなくてもよい。
【0121】
図6は、眼球に結合された錐体を備えた例示的な衝撃波発生装置のアレイシステム600の側断面図である。システム600は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のアレイのいずれかと実質的に類似し得る衝撃波発生装置のアレイを含んでいてもよい。例えば、システム600は、
図4および
図5に記載されているように間隔をあけて配置された3列の環状に配置された衝撃波発生装置100のアレイを含んでいてもよい。衝撃波発生装置100は、眼球200の表面500、例えば、眼球の強膜または辺縁に結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、
図1に示されるように、流体充填チャンバを画定する個々のハウジングを備えていてもよい。あるいは、1つ以上の衝撃波発生装置100が、流体充填チャンバまたはハウジングを共有してもよい。例えば、衝撃波発生装置100は、個々のハウジングの代わりに、衝撃波発生装置100に流体に浸すための水路602を形成するように構成されたハウジング内に配置されてもよい。水路602の壁は、PETから構成されてもよい。システム600は、水路602の壁の周りに配置された錐体604をさらに含んでもよく、鏡体および吸引リングを備えていてもよい。
【0122】
図7は、眼球200の表面500に結合されたコンタクトレンズ702を備える例示的な衝撃波発生装置のアレイシステム700の側断面図である。システムは、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似し得る1つ以上の衝撃波発生装置100を含んでいてもよい。例えば、衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるような一対の電極110,112を備えていてもよい。衝撃波発生装置100は、コンタクトレンズ702の下に配置されてもよい。衝撃波発生装置100の周囲に流体充填チャンバ106を形成するために、コンタクトレンズ702の底部を横切ってフィルム704が配置されていてもよい。フィルム704は、眼球の表面に結合されるように構成された眼球接触面を備えていてもよく、この眼球接触面は、本明細書に記載される眼球接触面のいずれかと実質的に同様であってよい。流体充填チャンバ106には、本明細書に記載されるように生理食塩水206が充填されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。
【0123】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ702は、衝撃波を所望の所定位置に向けて集束させるために反射器として機能するように構成されてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器が流体充填チャンバ106の内面に結合されていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁または流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。
【0124】
いくつかの実施形態においては、システム700は、衝撃波発生装置100のアレイを備えていてもよい。例えば、システム700は、眼球の表面上の環状パターンに沿って45°間隔に配置された8つの衝撃波発生装置100を含んでいてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態においては、システム700は、環状コンタクトレンズ702の内縁および外縁の吸引部(例えば、吸引リングによる)を用いて眼球に確実に結合されていてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態において、フィルムは、PETから構成されていてもよい。
【0127】
フィルムは、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BoPET)等から構成されてもよい。フィルムは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン社から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plastics社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステルベースのコポリマ(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/またはデュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)などのポリエステルエラストマ)、ポリアミド(例えば、Bayer社から入手可能なDURETHAN(登録商標)またはElf Atochem社から入手可能なCRISTA D(登録商標))、エラストマポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で販売)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、マーレックス高密度ポリエチレン、マーレックス低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン,ナイロン、ナイロン2(例えば、EMS American Grilon社から入手可能なGRK.AMID(登録商標))、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレンAイソブチレンAスチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS50A)、ポリカーボネート、アイオノマ、生体適合性ポリマ、他の適切な材料またはそれらの混合物、組み合わせ、共重合体、ポリマ/金属複合材料等が挙げられる。いくつかの実施形態においては、フィルムは、液晶ポリマ(LCP)とブレンドされた混合物(例えば、約6%までのLCP)から構成されていてもよい。
【0128】
図8は、衝撃波発生装置800の透視図である。衝撃波発生装置800は、ハウジング102が、反射器として作用するハウジング102の内壁を有する代わりに、内部に配置された反射器802を備えることができることを除いて、本明細書に記載された衝撃波発生装置100と実質的に類似していてもよい。衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、ハウジング102内に配置された一対の電極110,112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填されたチャンバ106と、眼球接触面104とを含んでいてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されてもよい。流体充填チャンバ106には、本明細書に記載されるように生理食塩水206が充填されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。反射器802は、本明細書に記載されるように、眼球200の表面500上またはその下の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるのを助けるように構成されていてもよい。
【0129】
図9は、眼球200の表面500に結合された複数の衝撃波発生装置800の側面図である。いくつかの実施形態においては、複数の衝撃波発生装置800は、同時に眼球の表面500上に配置されてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置800は、複数の個別の衝撃波発生装置または衝撃波発生装置のアレイから構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、複数の衝撃波発生装置800は、手持ちプローブの遠位端に配置された複数の衝撃波発生装置を備えていてもよい。
【0130】
図10は、コンタクトレンズ702を有する眼球の表面500に結合された複数の衝撃波発生装置800の側面図である。衝撃波発生装置800は、コンタクトレンズ702の下に配置されていてもよい。衝撃波発生装置800の周りに流体充填チャンバ106を形成するために、フィルム704がコンタクトレンズ702の底面を横切って配置されていてもよい。フィルム704は、眼球の表面に結合されるように構成された眼球接触面を含んでいてもよく、これは、本明細書に記載される眼球接触面のいずれかと実質的に同様であってもよい。流体充填チャンバ106には、本明細書に記載されるように生理食塩水206が充填されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置800は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通している流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。代替的に、または組み合わせて、複数の衝撃波発生装置800のうちの1つ以上が、他の衝撃波発生装置800のうちの1つ以上から独立して、それ自身の流体充填チャンバを構成してもよい。フィルム704は、衝撃波発生装置800の個々の流体充填チャンバ106を形成するためにコンタクトレンズ702の底部を横切って配置されてもよく、各衝撃波発生装置800は、専用の流体入口および流体出口を有していてもよい。
【0131】
図11は、コンタクトバルーン(本明細書においては流体クッションとも呼ばれる)1100を用いて眼球200の表面500に結合された複数の衝撃波発生装置100の側断面図である。コンタクトバルーン1100は、複数の衝撃波発生装置100がその内部に埋め込まれた膨張可能な外側ハウジング1102を備えていてもよい。外側ハウジング1102は、眼球200の表面500(例えば、本明細書で説明するように辺縁、強膜、眼瞼などに隣接する位置)へのコンタクトバルーン1100の配置前、配置中、または配置後に外側ハウジング1102を膨らませるために生理食塩水206などの液体によって満たされ得る内側チャンバ1106を画定してもよい。各衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、一対の同軸に整列した電極110,112および反射器802を備えていてもよい。電極110,112は、本明細書に記載されるように電圧パルス発生器に結合されていてもよい。反射器802は、本明細書に記載されるように、眼球200の表面500上または表面下の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるのを助けるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、眼球の複数の場所を標的とするために、本明細書に記載されるように、複数の環状の列に配置されていてもよい。例えば、衝撃波発生装置の第1の列は、辺縁に隣接して配置され、衝撃波を線維柱帯およびシュレム管に集束させるように構成されてもよい。衝撃波発生装置の第2の列は、毛様体ひだ部に隣接してそこから半径方向外側に配置されてもよく、衝撃波発生装置の第3の列は、毛様体扁平部に隣接して第2の列から半径方向外側に配置されていてもよい。衝撃波発生装置の第2および/または第3の列は、例えば、強膜、毛様体ひだ部、毛様体扁平部、毛様体、IVZ、および/またはPVZに衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態においては、コンタクトバルーン1100の内側チャンバ1106を満たす流体は、冷却または温度制御された液体であってもよい。
【0133】
外側ハウジング1102は、適合材料から構成されてもよい。代替的に、または組み合わせて、外側ハウジング1102の少なくとも一部は、非適合な材料から構成されてもよい。
【0134】
外側ハウジング1102は、当業者に知られている任意の生体適合性プラスチックから構成されてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態においては、眼球接触面と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するため、結合用流体またはゲルが外側ハウジングの眼球接触面上にあってもよい。
【0136】
いくつかの実施形態においては、治療用物質が、眼球接触面と眼球の表面との間に配置されていてもよい。治療用物質は、例えば、眼球接触面に結合された層に提供されてもよい。いくつかの実施形態においては、治療用物質は、ポリマ、デンプン、および/またはグルコースによって形成されたマイクロカプセルを含んでいてもよい。ハウジング内の衝撃波発生装置から眼球の所定の位置への衝撃波の送達は、眼球への治療用物質の送達を促進することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかは、メチレンブルー、リボフラビン、または治療用小分子などの低分子量分子の輸送を促進するように構成されていてもよい。
【0138】
図12は、コンタクトバルーン1200によって眼球に結合された複数の衝撃波発生装置の側断面図である。コンタクトバルーン1200は、複数の非相同衝撃波発生装置100から構成されてもよいことを除いて、コンタクトバルーン1100と実質的に同様であってもよい。例えば、コンタクトバルーン1200は、集束衝撃波を発生するように構成された1つ以上の衝撃波発生装置100aと、非集束衝撃波を発生するように構成された1つ以上の衝撃波発生装置100bとを備えていてもよい。焦点の異なる複数の衝撃波発生装置100を設けることにより、衝撃波発生装置の単一のアレイを用いて、複数の所定の位置を治療し、および/または同じ所定の位置内に複数の生体効果を誘発することが可能となり得る。コンタクトバルーン1200は、環状のコンタクトバルーン1200の内縁および外縁に吸引リング1202を備えて眼球に結合されていてもよい。
【0139】
図13は、眼球に隣接する例示的な衝撃波発生装置100の分解側面図である。衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、流体充填コンタクトバルーン1300内に埋め込まれていてもよい。衝撃波発生装置100は、その間に電気アークを発生させるように構成されたその先端間にギャップ114を有する一対の電極110,112を備えていてもよい。コンタクトバルーン1300は、生理食塩水206などの流体によって満たされていてもよく、結果として生じる衝撃波は、本明細書に記載されるように流体206(これは音響窓として機能してもよい)を通過して伝播してもよい。音響反射器または音響レンズ1302は、本明細書に記載されるように、眼球200の表面500上または表面下の所定の位置に向けて衝撃波を集束させるために、電極110,112の上方に配置されていてもよい。反射器1302は、例えば、凸状の形状を有していてもよい。コンタクトバルーン1300の眼球接触面1304は、眼球200の表面500に直接的または間接的に(例えば、その間のゲルまたは生理食塩水インターフェース202を介在させて)結合されてもよい。眼球の表面500は、例えば、眼球200の結膜または角膜から構成されてもよい。
【0140】
図14は、眼球200に隣接する別の例示的な衝撃波発生装置100の分解側面図である。衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、コンタクトバルーン1400内に埋め込まれていてもよい。衝撃波発生装置100は、反射器1402が凹形状を有していてもよいことを除いて、
図13に示される衝撃波発生装置と実質的に類似していてもよい。コンタクトバルーン1400の眼球接触面1404は、眼球200の表面500に直接的または間接的に(例えば、その間のゲルまたは生理食塩水インターフェース202を介在させて)結合されてもよい。
【0141】
図15は、コンタクトバルーン1500によって眼球200に結合された複数の衝撃波発生装置100の側断面図であり、
図16は、眼球200に結合された
図15のシステムの斜視図である。コンタクトバルーン1500は、複数の衝撃波発生装置100がその内部に埋め込まれた膨張可能な外側ハウジング1502を備えていてもよい。外側ハウジング1502は、眼球200の表面500(例えば、本明細書に記載されるように辺縁、強膜、眼瞼などに隣接する位置)へのコンタクトバルーン1500の配置前、配置中、または配置後に外側ハウジング1502を膨らませるために、生理食塩水などの流体206によって満たされ得る内側チャンバ1506を画定してもよい。各衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、一対の同軸に整列した電極と反射器とを備えていてもよい。反射器は、本明細書に記載されるように、眼球の表面上または表面下の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるのを助けるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置100は、眼球の複数の場所を標的とするために、ワイヤによって結合された複数列の環状に配置されていてもよい。例えば、衝撃波発生装置の第1の列は、辺縁に隣接して配置され、衝撃波を繊維柱帯およびシュレム管に集束させるように構成されていてもよい。衝撃波発生装置の第2の列は、毛様体ひだ部に隣接してそこから半径方向外側に配置されてもよく、衝撃波発生装置の第3の列は、毛様体扁平部に隣接して第2の列から半径方向外側に配置されていてもよい。衝撃波発生装置の第2および/または第3の列は、例えば、強膜、毛様体ひだ部、毛様体扁平部、毛様体、IVZ、および/またはPVZに衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態においては、コンタクトバルーン1500の内側チャンバを満たす流体206は、冷却されたまたは温度制御された液体であってもよい。
【0143】
外側ハウジング1502は、適合材料によって構成されてもよい。代替的に、または組み合わせて、外側ハウジングの少なくとも一部は、非適合材料によって構成されていてもよい。
【0144】
外側ハウジング1502は、当業者に知られるような生体適合性プラスチックから構成されていてもよい。例えば、外側ハウジングは、PMMAまたは他の形状形成の生体適合性材料によって構成されてもよい。
【0145】
いくつかの実施形態においては、外側ハウジングの眼球接触面1504は、従来のソフトコンタクトレンズと同様の方法により眼球の表面に適合するように構成されてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態においては、眼球接触面と眼球の表面との間の接触を容易にするために、および/または衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲルが外側ハウジングの眼球接触面上にあってもよい。
【0147】
図17は、追加のチューブおよび/またはワイヤ1700に結合された
図15のシステム1500の斜視図である。いくつかの実施形態においては、追加のチューブおよび/またはワイヤ1700は、内部導体と、内部導体から絶縁された外部導電性シールドとを含むケーブルにより構成されてもよい。同軸に配置された電極の第1の部分は、ケーブルの中心導体によって少なくとも一部が形成されてもよく、同軸に配置された電極の第2の部分は、ケーブルの外側導電性シールドによって少なくとも一部が形成されていてもよい。
【0148】
図18は、チューブおよび/またはワイヤ1700が電源1802に結合された
図17のシステム1500を備えるシステム1800の側面図である。チューブおよび/またはワイヤ1700は、本明細書に記載されるように、コンタクトバルーンの膨張および/または導電率サンプリングのための流体循環のための流体源に結合されてもよい。
【0149】
電源1802は、高電圧パルス発生器を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、電源1802は、高電圧コンデンサ充電電源を備えていてもよい。ゲート付き高電圧電子ドライバは、衝撃波発生装置(単数または複数)100に結合されてもよく、最大電流(例えば、本明細書に記載の電流センサにより感知される)、電流開始までの滞留時間、温度上昇(例えば、電極、流体、または眼球の表面)、ピーク圧力、および/または弾性変化などの安全フィードバック機構に応答して電極の駆動電圧を制御できるようになっていてもよい。
【0150】
電源1802は、約1kVから約10kVオーダーであってもよい。
【0151】
本明細書に記載されるシステムのいずれかは、有形媒体(例えば、RAM)を有するプロセッサ(例えば、
図70に示すプロセッサ7002)を含んでいてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の方法および/または治療のステップおよびサブステップのいずれか1つを実行するための1つ以上の命令を含むように構成されていてもよい。プロセッサは、方法を実行するための命令を有するメモリを含んでいてもよく、プロセッサは、例えば、方法を実行するように構成されたプロセッサシステムを含んでいてもよい。多くの実施形態においては、プロセッサは、例えば、本明細書に記載される方法または治療のいずれかの1つ以上のステップを実行するように構成されたプログラマブルアレイロジック(PAL)などのアレイロジックから構成されている。
【0152】
プロセッサは、本明細書によって開示される治療方法の1つ以上のステップを実行するために、コンピュータメモリまたはゲートアレイなどの有形の媒体に具現化された治療プログラムの1つ以上の命令から構成されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載される実施形態に従って患者を治療するための命令を含んでいてもよい。
【0153】
プロセッサは、エネルギ源に動作可能に結合され、本明細書に記載される治療パラメータで衝撃波発生装置(複数可)にエネルギを供給する命令を含んで構成されてもよい。例えば、プロセッサは、所望の治療パターンおよびパラメータによる眼球の表面上または表面下の所定の位置に複数の衝撃波を提供するための命令を有するように構成されてもよい。1つ以上の衝撃波発生装置が一度に眼球に結合される実施形態においては、プロセッサは、ユーザによって入力される、またはユーザ入力(例えば、画像または所望の治療効果)に基づいてプロセッサによって生成される所定の治療パターンに基づいて、複数の衝撃波発生装置にエネルギを順次または同時に供給する命令を有するように構成されてもよい。
【0154】
本明細書に記載のシステムのいずれかは、例えば、超音波生体顕微鏡(UBM)、超音波(US)撮像、および/または光干渉断層撮影(OCT)の装置またはシステムなどの撮像システムを含んでいてもよい。撮像システムは、本明細書に記載されるような治療前、治療中、または治療後の眼球の1つ以上の画像を捕捉するために使用されてもよい。プロセッサまたはコントローラは、エネルギ源および撮像システムに結合され、衝撃波発生装置にエネルギを供給し、治療中に組織を撮像するための命令を備えて構成されてもよい。システムはまた、プロセッサに結合され、ユーザが治療前、治療前または治療後に組織を視覚化することを可能にするディスプレイを含んでいてもよい。ディスプレイは、ユーザが治療される組織を見ることができ、治療を計画することができる画像を表示してもよい。ディスプレイに示される画像は、リアルタイムで提供されてもよく、ユーザが組織を整列させるために、および/または治療の意図しない効果(が発生していないことを確認するために治療の組織効果(例えば、キャビテーション)を監視することを可能にするために、治療前に使用(例えば、眼球の構造が、望まれない場合に、相互の位置を変えるなど)することができる。
【0155】
例えば、1つ以上の衝撃波発生装置は、OCTまたは波面撮像システムまたはセンサをそこに組み込むことができるように構成された中央開口部を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、複数の衝撃波発生装置は、受動的なキャビテーション監視を可能にするために、中央撮像システムの周りの環状リングに配置されてもよい。当業者であれば、本明細書の記述に基づいて、衝撃波発生装置および撮像装置の多くの構成が生成できることが理解されよう。
【0156】
図19は、その内部に埋め込まれた複数の衝撃波発生装置100を含むコンタクトバルーン1900の斜視図である。コンタクトバルーン1900は、本明細書に記載されるコンタクトバルーンのいずれかと実質的に同様であってもよい。複数の衝撃波発生装置100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよい。衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるような衝撃波発生装置のアレイを構成してもよい。例えば、衝撃波発生装置のアレイは、本明細書に記載されるように、直列または並列にワイヤ116を介在させて電源に結合されていてもよい。衝撃波発生装置のアレイは、本明細書に記載されるように、コンタクトバルーン1900の流体充填チャンバ1906内に配置されていてもよい。流体充填チャンバ1906は、本明細書に記載されるように、生理食塩水などの流体を備えていてもよい。コンタクトバルーン1900は、本明細書に記載されるように、流体がその内部に導入されると膨張するように構成された膨張可能な流体充填チャンバ1906を備えていてもよい。コンタクトバルーン1900は、本明細書に記載されるように、流体入口108および流体出口109を備えていてもよい。コンタクトバルーン1900は、本明細書に記載されるように、吸引部1202(例えば、1つ以上の吸引リングを有する)を用いて眼球に固定されてもよい。
【0157】
図20は、複数の積層型リング導体衝撃波発生装置2000を示す部分斜視図である。
図21は、
図20のリング導体衝撃波発生装置2000の分解図である。積層型リング導体衝撃波発生装置2000は、隣接するリングが互いに所定の距離内に位置するように、互いに周りに「積層された」複数のリング導体から構成されていてもよい。リング導体は、絶縁された構造リング2102の周りに巻かれた絶縁された導体2100を備えていてもよい。絶縁されたリング導体2102は、同心電極の実施形態に関して本明細書内にて説明したものと実質的に同様の方法によって衝撃波が形成できるギャップを形成するために、同じまたは隣接するリング導体の絶縁体内の別の開口部から所定の距離の間隔をあけて置かれた1以上の開口部2104を備えていてもよい。露出した導体開口部2104は、本明細書に記載されるように衝撃波を発生させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、絶縁された導体2100および露出したまたは絶縁されていない導体2106は、絶縁された構造リング2102の周りに、各ループが露出した状態から絶縁状態に戻り、また露出した状態に戻るように、絶縁された構造リング2102の周りに巻かれていてもよい。絶縁された導体2100の開口部2104は、本明細書において説明するように衝撃波を発生させることができるギャップを形成するために、同じまたは隣接するリング導体の露出導体2106から所定の距離の間隔をあけて配置されてもよい。積層型リング導体衝撃波発生装置2000は、本明細書に記載されるように、コンタクトレンズまたはバルーンコンタクトレンズのような流体(例えば、生理食塩水)環境内に配置されてもよい。
【0158】
図22は、緑内障の例示的な治療パターンを示している。1つ以上の衝撃波発生装置、例えば、衝撃波発生装置100のアレイ2200は、本明細書に記載されるように眼球200の表面500上に配置されてもよい。衝撃波発生装置(複数可)100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置は、眼圧を下げるために眼球200の1つ以上の組織位置を標的にするように構成されていてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように眼球の辺縁302の上に配置されてもよく、衝撃波は、その拡張を引き起こし、眼球からの流体流出を改善するために、繊維柱帯および/またはシュレム管2202に向かって集束されてもよい。代替的に、または組み合わせて、複数の衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように、毛様体扁平部の上方に配置されてもよく、衝撃波は、そこに微細穿孔を発生させてブドウ膜流出路を促進するために、強膜2204および/または毛様体2210に集束されてもよい。代替的に、または組み合わせて、1つ以上の衝撃波発生装置が角膜2206上に配置されてもよく、血管拡張および新生血管形成のためにそこに低エネルギ音響刺激を提供し、網膜神経節細胞(RGC)および/または網膜色素上皮(RPE)細胞変性における神経栄養遅延を強化できるように、衝撃波は網膜2208に焦点を合わせてもよい。網膜ターゲティングはまた、RPE細胞を刺激して、房水の生成を抑制するように、ホメオスタシス眼圧設定点をリセットする(そして、その後、眼圧を下げる)こともできる。
【0159】
図23は、老眼のための例示的な治療パターンを示している。1つ以上の衝撃波発生装置、例えば、衝撃波発生装置100のアレイ2300は、本明細書に記載されるように眼球200の表面500上に配置されていてもよい。衝撃波発生装置(複数可)100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置は、眼球の遠近調節幅を改善するために、眼球200の1つ以上の組織位置を標的とするように構成されていてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置は、眼球の強膜2204の上に配置されてもよく、衝撃波は、その解離を引き起こし、その動きを改善するために、IVZ2304および/またはPVZ2306に向かって集束されてもよい。代替的に、または組み合わせて、複数の衝撃波発生装置は、毛様体扁平部の上方に配置されてもよく、衝撃波は、そこに微細穿孔を発生させ、その毛様体尖端のコンプライアンスおよび前方および向心運動を改善するために、強膜2204に集束されてもよい。代替的に、または組み合わせて、1つ以上の衝撃波発生装置が角膜2206上に配置されてもよく、衝撃波は、水晶体2302(天然または眼内レンズ(IOL))に対して、水晶体の凝集解除および軟化を引き起こし、水晶体上皮細胞(LEC)アポトーシスを開始させるために集束されてもよい。焦点深度の変更(例えば、反射要素の楕円体によって)、衝撃波ごとに送達されるエネルギ量の調整(例えば、電極に送達される電圧またはレーザのパワーの調整によって)、治療の反復率の調整等によって、異なる効果および治療位置を目標にすることができる。
【0160】
図24は、AMDのための例示的な治療パターンを示している。本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよく、衝撃波発生装置2400は、眼球の表面上に配置されていてもよい。衝撃波発生装置2400は、網膜2208に衝撃波を集束させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、複数の衝撃波発生装置2400は、眼球200の表面500に配置され、網膜上の複数の場所に衝撃波を向けるように構成されていてもよい。例えば、衝撃波は、汎黄斑に、窩周辺に、および/または網膜中心部に向けられることがある(例えば、衝撃波は網膜の中心直径6mmの部分に向けられることがある)。衝撃波は、その間の任意の組織を加熱または損傷することなく、網膜2208に向かって経角膜的に向けることができる。網膜中央部の衝撃波治療は、AMDの進行を低減または逆転させるために、神経および/または内皮保護のために網膜神経節細胞(RGC)および/または網膜血管叢を治療しながら、血管形成および血管拡張を刺激することができる。
【0161】
図25は、AMDのための例示的な治療システム2600の上面図である。
図26は、
図25のシステム2600の側断面図である。大きな(例えば、外径5mm)衝撃波発生装置2500のアレイは、眼球200の辺縁302(例えば、直径約11mmの環状)に隣接して環状パターンで配置されてもよい。大きな衝撃波発生装置2500を使用することによって、システム2600は、より小さな衝撃波発生装置で可能であるよりも、生物学的に関連する衝撃波エネルギを眼球内のより大きな焦点深度に送達させることができる。アレイは、例えば、4つの衝撃波発生装置2500を備えていてもよい。衝撃波発生装置2500は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってよい。衝撃波発生装置2500のアレイは、眼球200の表面500、例えば、強膜2204に配置されていてもよい。場合によっては、角膜2206を通さずに衝撃波を経強膜的に向けることが有益であることがある。衝撃波発生装置2500のアレイは、AMDの進行を低減または逆転させるために網膜内の血管形成および血管拡張を刺激するために、網膜2208、例えば、眼窩周囲(例えば、直径約6mmおよび眼球内の深さ約23mmの環状治療パターン)上の1つ以上の所定の位置を治療するように構成されてもよい。血管効果は、例えば、汎黄斑照射のために、網膜の中心上の直径5.5mmの環状領域内の眼窩に低エネルギ広帯域衝撃波を向けることによって刺激することができる。眼窩周囲を治療することは、眼窩の治療と比較して、RPE細胞のより大きな動員と、血管拡張および脈絡膜新生血管を生成するその刺激とをもたらす可能性がある。衝撃波は、視神経を傷つけることなく網膜に照射することができる。
【0162】
アレイ2600は、本明細書に記載されるように、コンタクトレンズ2602内に配置されてもよい。いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ2602は、撮像装置、例えば、OCTトランスデューサを内部に受け入れるように構成された撮像ポート2604を含んでいてもよい。治療は、本明細書に記載されるように、撮像装置によって監視されてもよい。
【0163】
図27は、AMDのための別の例示的な治療システム2700を示している。システム2700は、網膜2208上に衝撃波を送達するように構成された大口径の衝撃波発生装置2500を備えていてもよい。衝撃波発生装置2500は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってよい。例えば、衝撃波発生装置2500は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と眼球接触面104とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、衝撃波を所望の所定位置に向けて集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ106の内面に結合してもよい。流体充填チャンバ106の内壁または流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。楕円2702の共役点は、衝撃波が眼球の水晶体2302を通過して集束され、その後、眼球の網膜2208上で衝撃波を屈折させるように構成されてもよい。衝撃波発生装置2500は、12mm程度の開口の強膜2204上の楕円体のフットプリントを備えていてもよい。衝撃波発生装置2500のサイズが大きいため、網膜2208上の所定の位置は、網膜2208の迅速な治療を容易にすることができるより小さい衝撃波発生装置と比較して、比較的大きい(例えば、直径6mm)可能性がある。眼球接触面104は、患者の眼球200の表面500に結合されるように構成されていてもよい。眼球接触面104と眼球の表面500との間の接触を容易にするため、および/または衝撃波発生装置2500から眼球200への衝撃波の伝達を促進するために、例えば、水柱2704などの結合用流体またはゲルが眼球接触面104上または接触面下に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置2500は、1つ以上の衝撃波を発生するように構成されていてもよい。
【0164】
図28は、ドライアイ疾患に対する例示的な治療パターンを示している。一部の患者においては、ドライアイ疾患は、マイボーム腺機能不全(MGD)によって引き起こされる、または悪化する可能性がある。マイバムと呼ばれる目の涙液層の蒸発を防止する油性物質を生成するマイボーム腺2800の閉塞は、涙液の蒸発およびドライアイにつながる可能性がある。本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似する1つ以上の衝撃波発生装置は、マイボーム腺に隣接する瞼2802に結合されてもよく、その拡張を引き起こし、そこからマイバムの分泌を促進するために、低エネルギ衝撃波がマイボーム腺2800に向けられてもよい。
代替的に、または組み合わせて、閉塞物を分解または破壊するために、1つ以上の高エネルギ衝撃波をマイボーム腺内の閉塞物に向けてもよい。少なくともいくつかの例において、衝撃波療法は、マイボーム腺の閉塞を解除するための現在の治療法(これには、サーモパルス、涙点プラグ、および薬物療法が含まれる)よりも快適および/またはより効果的である可能性がある。
【0165】
図29から
図32は、ドライアイ疾患に対する例示的な治療システム2900を示している。
図29は、複数のマイボーム腺2800を横切って瞼2802の内面に配置(すなわち、眼瞼配置)された衝撃波発生装置100のアレイ2900を示している。
図30は、マイボーム腺2800を治療するために使用することができる衝撃波発生装置のアレイ2900の拡大図である。衝撃波発生装置100のアレイ2900は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置100のアレイ2900は、患者の快適さおよび使いやすさのために薄い外形を維持するために、本明細書に記載のように流体中に露出した同軸導体110,112から構成されていてもよい。
図31は、マイボーム腺2800を治療するために衝撃波発生装置アレイ2900によって生成され得る複数の放射状非集束衝撃波204を示している。
図32は、本明細書に記載されるように、眼球100のマイボーム腺2800を治療するために、衝撃波発生装置100のアレイ2900が、辺縁302の周りにリング状に配置された眼球200の断面図である。衝撃波発生装置100のアレイ2900は、本明細書に記載されるように、流体入口108および流体出口109を有するハウジング102の流体充填チャンバ106内に配置されていてもよい。
【0166】
図33は、レンズ軟化症のための例示的な処理システム3300の平坦化された上面図である。
図34は、眼球上に配置された
図33のシステム3300の側断面図である。1つ以上の衝撃波発生装置、例えば、衝撃波発生装置100の環状アレイは、本明細書に記載されるように眼球200の表面500上に配置されていてもよい。衝撃波発生装置(複数可)100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置100は、水晶体2302を軟化させるために(例えば、眼の遠近調節幅を改善するために)、眼球200の水晶体2302(天然またはIOL)を標的とするように構成されていてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置100は、眼球の強膜2204の上に配置されてもよく、衝撃波は、水晶体2302に向かって、水晶体の非凝集および軟化を引き起こし、LECアポトーシスを開始するために集束されてもよい。
【0167】
図35は、老眼のための例示的な治療システム3500の側断面図である。1つ以上の衝撃波発生装置、例えば、衝撃波発生装置100のアレイは、本明細書に記載されるように眼球200の表面500上に配置されていてもよい。衝撃波発生装置(複数可)100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置100は、眼球の遠近調節幅を改善するために、眼球200の1つ以上の組織位置を標的とするように構成されていてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置100は、眼球の強膜2204の上に配置されてもよく、衝撃波は、その解離を引き起こし、その動きを改善するために、IVZ2304および/またはPVZ2306に向かって集束されてもよい。例えば、衝撃波発生装置の第1の環状の列は、IVZ2304に向けて衝撃波を集束させるように構成されていてもよく、第1の環状の列から半径方向外側に配置された衝撃波発生装置の第2の環状の列は、PVZ2306に向けて衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、複数の衝撃波発生装置3506は、毛様体扁平部の上方に配置されてもよく、衝撃波は、そこに微細穿孔を生成し、その毛様体尖端のコンプライアンスおよび前方および向心運動を強化するために強膜2204に集束されていてもよい。
【0168】
図36は、緑内障のための例示的な治療システム3600の側断面図である。
図37は、
図36のシステムの上面図である。1つ以上の衝撃波発生装置、例えば、衝撃波発生装置100のアレイは、本明細書に記載されるように眼球200の表面500上に配置されてもよい。衝撃波発生装置(複数可)100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置100は、眼圧を下げるために眼球200の1つ以上の組織位置を標的にするように構成されていてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように眼球200の辺縁302の上に配置されてもよく、衝撃波は、その拡張を引き起こし、眼球からの流体流出を改善するために繊維柱帯および/またはシュレム管2202に向かって集束されてもよい。辺縁302の上に配置された衝撃波発生装置は、衝撃波発生装置の第1の環状の列3602として構成されてもよい。代替的に、または組み合わせて、複数の衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるように、毛様体扁平部の上に配置されてもよく、衝撃波は、そこに微細穿孔を発生させてブドウ膜流出路を促進するために、強膜2204および/または毛様体2210に集束されてもよい。毛様体扁平部の上に配置された衝撃波発生装置100は、第1の環状の列から半径方向外側に配置された衝撃波発生装置の第2の環状の列3604として構成されてもよい。
【0169】
図38は、衝撃波発生装置100の例示的なアレイ3800の側断面図である。
図39は、
図38のアレイの上面図である。システム3800は、1つ以上の衝撃波発生装置100を含んでいてもよく、これらは、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置100は、本明細書に記載されるような一対の電極または光ファイバを備えていてもよい。衝撃波発生装置100は、コンタクトレンズ3802の下に配置されていてもよい。コンタクトレンズ3802は、本明細書に記載されるコンタクトレンズのいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置の周りに流体充填チャンバ3806を形成するために、フィルム3804がコンタクトレンズ3802の底面を横切って配置されていてもよい。フィルム3804は、眼球の表面に結合されるように構成された眼球接触面を含んでいてもよく、この眼球接触面は、本明細書に記載される眼球接触面のいずれかと実質的に類似していてもよい。流体充填チャンバ3806には、本明細書に記載されるように、生理食塩水および/またはグラフェンが充填されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置アレイ3800は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ3806と流体連通している流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。
【0170】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ3802は、衝撃波を所望の所定位置に向けて集束させるために反射器として機能するように構成されていてもよい。例えば、コンタクトレンズの内面は、その中に埋め込まれた1つ以上の楕円体の形状または構造を備えていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバの内面に結合させてもよい。流体充填チャンバ3806の内壁または流体充填チャンバ3806の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。
【0171】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ3802は、約2.0mm、約1.5mm、約1.0mm、または0.5mmの厚さに構成されていてもよい。
【0172】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ3802の外側ハウジングは、フィルムがその上に配置された場合に、眼球の表面から約1.5mm上方に位置していてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態においては、システム3800は、衝撃波発生装置100のアレイを備えていてもよい。例えば、システムは、
図39に示すように、眼球の表面上の環状パターンに沿って45°間隔に配置された8つの衝撃波発生装置を備えていてもよい。
例えば、11mmの直径を有する環状パターンは、各衝撃波発生装置が、その最も近くに隣接する衝撃波発生装置から4mmの間隔をあけて配置されていてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態においては、システム3800は、本明細書に記載されるような複数の衝撃波環状リングを備えるアレイを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、緑内障を治療する場合には、第1のリング3808は、コンタクトレンズがその上に配置されたときに眼球の辺縁の上に位置するように約11mmの直径を有していてもよく、第2のリング3810は約14mmの直径を有していてもよく、および第3のリング3812は約17mmの直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、老眼を治療する場合には、それに隣接する毛様体扁平部および構造は、約13mmの直径を有する第1のリング3808、約16mmの直径を有する第2のリング3810、および約19mmの直径を有する第3のリング3812により治療されてもよい。いくつかの実施形態においては、レンズは、約3mmの直径を有する第1のリング3808、約6mmの直径を有する第2のリング3810、および約9mmの直径を有する第3のリング3812により標的化されてもよい。
【0175】
いくつかの実施形態においては、システム3800は、環状コンタクトレンズ3802の内縁および外縁上の吸引部(例えば、吸引リング1202による)によって眼球に確実に結合されてもよい。
【0176】
図40は、AMDのための例示的な治療システムの側断面図である。このシステムは、網膜2208上に衝撃波を送達するように構成された大口径の衝撃波発生装置4000を備えていてもよい。衝撃波発生装置4000は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってよい。例えば、衝撃波発生装置4000は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填されたチャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、衝撃波を所望の所定位置に向けて集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器が流体充填チャンバ106の内面に結合されていてもよい。1つ以上の反射器は、例えば、電子的に可変の音響レンズ4002を含んでもよく、これは、網膜2208の黄斑に衝撃波を可変に集束することができる。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。楕円の共役点は、衝撃波が眼球の水晶体2302を通過して集束され、次いで眼球の網膜2208上に衝撃波を屈折させるように構成されてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面500に結合されるように構成されていてもよい。眼球接触面104と眼球の表面500との間の接触を容易にするため、および/または衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、例えば、水柱などの結合用流体またはゲルが眼球接触面上または眼球接触面下に配置されていてもよい。衝撃波発生装置4000を眼の角膜または強膜に結合するために、吸引リング1202が衝撃波発生装置4000の外縁に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されてもよい。衝撃波発生装置4000は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。
【0177】
図41は、ドライアイ疾患のための例示的な治療システム4100の側断面図である。システム4100は、眼球の角膜2206上に配置された熱拡散コンタクトレンズ4104上に衝撃波を送達するように構成された大径の衝撃波発生装置4102を備えていてもよい。衝撃波発生装置4102は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置4102は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、衝撃波を所望の所定位置に向けて集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ106の内面に結合していてもよい。流体充填チャンバ106の内壁または、流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。眼球接触面104は、(例えば、患者の眼が閉じられているときに)患者の瞼2802に結合されるように構成されていてもよい。衝撃波発生装置から眼球200への衝撃波の伝達を促進するために、熱拡散コンタクトレンズ4104が瞼2802の下の患者の角膜2206上に配置されていてもよい。熱拡散コンタクトレンズ4104は、本明細書に記載されるようにドライアイを治療するために、音響反射器として作用し、衝撃波を1つ以上のマイボーム腺に向かって向けるように構成されていてもよい。衝撃波発生装置4102を瞼2802に結合するために、吸引リング1202が衝撃波発生装置4102の外縁に配置されてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されてもよい。衝撃波発生装置4102は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されてもよい。
【0178】
図42は、例示的なレーザ式の衝撃波発生装置4200の断面図である。衝撃波発生装置4200は、ハウジング102内に配置された光ファイバケーブル4202を備えていてもよい。ハウジング102は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106および眼球接触面104を備えていてもよい。眼球接触面104は、本明細書に記載されているように、患者の眼球の表面500に結合されるように構成されていてもよい。光ファイバ4202は、光エネルギがそこから放射されると、流体充填チャンバ106の流体206内に1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。光エネルギをそこに供給するために、レーザ、例えばパルスレーザが、光ファイバ4202に結合されてもよい。衝撃波発生装置システムは、本明細書に記載されるように1つ以上のセンサを備えていてもよい。
【0179】
衝撃波発生装置4200は、光ファイバ4202により1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。衝撃波発生装置4200は、それが発生する衝撃波によって眼球の表面500上または表面下の1つ以上の組織または構造を治療するように構成されていてもよい。治療は、非熱的であってもよい。衝撃波は、本明細書に記載されるように、所定の位置に集束されてもよいし、集束されなくてもよい。衝撃波は、所望の眼球組織を局所的に分画、微細穿孔、拡張、および/または感覚分解(センソリーゼ)するために使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波は、本明細書に記載されるような生体力学的効果(血管拡張、微細穿孔、軟化など)および/または生化学的効果(新生血管形成など)をもたらすために使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波は、眼球組織への薬物送達のために使用されてもよい。
【0180】
流体充填チャンバ106は、内部に配置された流体206を備えていてもよい。流体は、導電性(例えば、約0.6mSの導電率)の生体適合性液体を備えていてもよい。流体は、水または生理食塩水であってもよい。流体は、生理食塩水中のグラフェンの懸濁液から構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、流体は、衝撃波発生装置4200によって放射される光を防止または低減するように、十分に光を吸収することができる生理食塩水中のグラフェンの懸濁液を含んでいてもよい。流体は、(例えば、約10℃に)冷却されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置4200は、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。流体206は、光ファイバ4202によって生成された衝撃波を眼球の表面500に結合させるために使用されてもよい。流体は、流体入口および流体出口を経由して流体充填チャンバ106内を循環してもよい。流体循環により、衝撃波のパルス照射を継続しながら、衝撃波形成時に発生する熱蓄積、キャビテーション気泡およびイオンを連続的に抽出することが可能であってもよい。いくつかの実施形態においては、流体出口を経由して流体充填チャンバ106から流出する流体206は、本明細書に記載されるように、定期的または連続的にサンプリングされてもよい。
【0181】
流体充填チャンバ106は、衝撃波を所望の所定の位置に向けて集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、本明細書に記載される反射器のいずれかと実質的に類似する1つ以上の反射器が、衝撃波を集束させるために流体充填チャンバの内面に結合されていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁または流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、本明細書に記載されるように楕円体であってもよい。
【0182】
いくつかの実施形態においては、光ファイバ4202は、光エネルギの平行ビームを流体充填チャンバ106の流体中に放射するように構成されていてもよい。
【0183】
光ファイバ4202は、光エネルギ源、例えば、レーザに結合されていてもよい。レーザは、パルスレーザであってもよい。レーザは、水の吸収率が高い波長の光を放射するように構成されてもよい。レーザは、例えば、1.44μm、1.475μm、1.55μm、1.948μm、または6μmの中赤外線範囲の波長の光を放射するように構成されていてもよい。レーザは、例えば、Nd:YagレーザまたはTh:Hoレーザ等から構成されてもよい。
【0184】
いくつかの実施形態においては、パルスレーザからの光エネルギパルスは、約1Hzから約25Hzであってもよい。
【0185】
いくつかの実施形態においては、パルスレーザからの光エネルギパルスは、長さがナノ秒からマイクロ秒オーダーであってもよい。
【0186】
いくつかの実施形態においては、レーザは、自由空間走査レーザであってもよく、または標的組織へのアクセスに応じてファイバ結合送達が利用されてもよい。例えば、走査型レーザは、眼球に錐体結合されてもよい。この円錐は、眼球の上の既知の作動距離に走査レーザを位置づけることができる。生理食塩水によって満たされたコンタクトレンズバルーンは、円錐内の眼球の上に配置されることがある。コンタクトレンズバルーンの外側ハウジングは、レーザ光に対して透明であってもよい(例えば、赤外線レーザを使用する場合は、赤外線透過性であってもよい)。レーザは、コンタクトレンズバルーン上で走査されてもよく、レーザ光がコンタクトレンズバルーンの流体に到達すると、本明細書に記載されるのと実質的に同様の方法により衝撃波が生成されてもよい。
【0187】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置は、手持ち式プローブの遠位端に配置されてもよい。
【0188】
いくつかの実施形態においては、レーザ式衝撃波発生装置4200は、辺縁302に隣接して配置され、緑内障の治療のために、繊維柱帯4206およびシュレム管2202に衝撃波を集束させ、および/または虹彩角膜4204を開放するように構成されてもよい。
【0189】
図43は、流体充填コンタクトレンズ4302内のレーザ式の衝撃波発生装置4200のアレイ4300の側断面図である。流体充填コンタクトレンズバルーン4302は、本明細書に記載されるコンタクトレンズのいずれかと実質的に同様であってよい。例えば、コンタクトバルーン4302は、内部に埋め込まれた複数の楕円体の反射器4306を有する膨張可能な外側ハウジング4304から構成されてもよい。外側ハウジング4304は、眼球の表面(例えば、本明細書に記載の辺縁、強膜、眼瞼などに隣接する)へのコンタクトバルーン4302の配置前、配置中、または配置後に外側ハウジング4304を膨らませるために、生理食塩水またはグラフェン入り生理食塩水などの液体により満たすことができる内側チャンバ4308を画定していてもよい。1つ以上の光ファイバ4202は、流体充填チャンバ4308内に配置され、本明細書に記載されるようにそこから衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。流体充填チャンバ4308の内面に沿って埋め込まれた楕円体の反射器4306は、本明細書に記載されるように、眼球の表面上または表面下の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるのを助けるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、反射器4306は、眼球の複数の場所を標的とするために、本明細書に記載されるように、複数列の環状に配置されていてもよい。例えば、反射器の第1の列は、辺縁に隣接して配置され、衝撃波を繊維柱帯およびシュレム管に集束させるように構成されていてもよい。反射器の第2の列は、そこから半径方向外側に毛様体ひだ部に隣接して配置されてもよく、衝撃波発生装置の第3の列は、第2の列から半径方向外側に毛様体扁平部に隣接して配置されてもよい。第2および/または第3の列の反射器は、例えば、強膜、毛様体ひだ部、毛様体扁平部、毛様体、IVZ、および/またはPVZに衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。本明細書に記載されるように、コンタクトレンズバルーンを眼球の表面に固定するために、1つ以上の吸引リングが、コンタクトレンズバルーン4302の1つ以上の縁部に沿って配置されてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態においては、コンタクトバルーン4302の内側チャンバ4308を満たす流体は、冷却されたまたは温度制御された液体であってもよい。
【0191】
外側ハウジング4304は、適合材料によって構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、外側ハウジング4304の少なくとも一部は、非適合材料から構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、外側ハウジングは、ポリメタクリ酸メチル(PMMA)から構成されていてもよい。
【0192】
いくつかの実施形態においては、眼球接触面4310と眼球の表面との接触を容易にするため、および/または、衝撃波発生装置/反射器から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、外側ハウジング4304の眼球接触面4310上に結合用流体またはゲル202が配置されてもよい。
【0193】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載されるような圧力波送達の手術中の精度を高めるために、例えば、カメラ、OCT、または波面装置などの撮像装置がコンタクトレンズ内(例えば、角膜中心の位置)に配置されていてもよい。
【0194】
図44は、環状流体充填コンタクトレンズ4402内のレーザ式の衝撃波発生装置4200のアレイ4400の斜視図である。
図45は、
図44のシステム4400の側断面図である。
図46は、
図44のシステム4400の上面図である。システム4400は、1つ以上の衝撃波発生装置4200を備えていてもよく、これは、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置4200は、本明細書に記載されるような1つ以上の光ファイバ4202を備えていてもよい。衝撃波発生装置4200は、本明細書に記載されるように、コンタクトレンズの下に、またはコンタクトレンズバルーン4402内に配置されていてもよい。衝撃波発生装置4200の周囲に流体充填チャンバ4406を形成するために、フィルム4404がコンタクトレンズ4402の底面を横切って配置されてもよい。フィルム4404は、眼球の表面500に結合されるように構成された眼球接触面を備えていてもよく、これは、本明細書に記載される眼球接触面のいずれかと実質的に同様であってよい。流体充填チャンバ4406には、本明細書に記載されるように、生理食塩水およびグラフェンが充填されていてもよい。いくつかの実施形態においては、システム4400は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ4406と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。
【0195】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ4402は、衝撃波を所望の所定の位置に向けて集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。例えば、コンタクトレンズの内面は、そこに埋め込まれた1つ以上の楕円体の形状または構造から構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバの内面に結合させてもよい。流体充填チャンバの内壁または流体充填チャンバの内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。
【0196】
いくつかの実施形態においては、光ファイバ4202の遠位端は、フィルム4404がその上に配置されたときに眼球の表面から約1.5mmだけ上に位置していていてもよい。
【0197】
いくつかの実施形態においては、システム4400は、衝撃波発生装置4200のアレイを備えていてもよい。例えば、システム4400は、環状パターンに配置された複数の衝撃波発生装置4200を備えていてもよい。本明細書に記載されるように、複数の衝撃波を発生させるために、複数の光ファイバ4202が、コンタクトレンズ4402に結合され、流体充填チャンバ4406内に配置されていてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態においては、システム4400は、環状コンタクトレンズ4402の内縁および外縁上の吸引部(例えば、吸引リング1202)を用いて眼球に確実に結合されてもよい。
【0199】
図47は、環状コンタクトレンズ4702内のレーザ式の衝撃波発生装置4200のアレイ4700の上面図である。
図48は、
図47のシステム4700の側断面図である。本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似する複数の衝撃波発生装置4200は、コンタクトレンズ4702内に配置されていてもよい。例えば、複数の衝撃波発生装置4200は、ハウジング102と、内部に流体充填チャンバ106を画定する眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、環状コンタクトレンズ4702内に配置された構造体に結合されていてもよいし、構造体を構成していてもよい。例えば、ハウジング102は、3Dプリント材料から構成されてもよく、衝撃波発生装置4200を囲む環状コンタクトレンズ構造4702を形成するために、PMMAなどのコンタクトレンズ材料によって囲まれていてもよい。環状コンタクトレンズ4702は、その内縁および外縁上の吸引部(例えば、吸引リング1202)を用いて眼球に確実に結合されていてもよい。複数の衝撃波発生装置4200は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ内に衝撃波(複数可)を発生するように構成された一対の電極または光ファイバを備えていてもよい。衝撃波は、本明細書に記載されるように、眼球の表面上または表面下の1つ以上の位置に集束されてもよい。
【0200】
いくつかの実施形態において、環状コンタクトレンズ4702は、約11mmの辺縁直径に配置された複数の衝撃波発生装置、例えば、8個または16個の衝撃波発生装置を備えていてもよい。
【0201】
いくつかの実施形態においては、各衝撃波発生装置4200の直径は、約3mmであってもよい。
【0202】
いくつかの実施形態においては、環状コンタクトレンズ4702の外径は、約19mmであってもよい。
【0203】
図49は、複数のアレイに配置され、眼球上に配置された衝撃波発生装置のアレイ4900の側断面図である。衝撃波発生装置のアレイは、内部に複数の開口部を有する(例えば、
図50および
図52に示すような)絶縁シース内に配置された導電性ワイヤまたは、内部に複数の開口部を有するクラッド内に配置された(例えば、
図51および
図53に示すような)光ファイバを備えていてもよい。1つ以上の衝撃波発生用ワイヤまたはファイバは、本明細書に記載されるように、流体充填コンタクトレンズ内に配置されていてもよい。眼球に隣接して配置された1つ以上の衝撃波発生用ワイヤまたはファイバの一部分は、本明細書に記載されるように環状に形成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、流体充填コンタクトレンズは、その流体充填チャンバ内に配置された3つの環状衝撃波発生用ワイヤまたはファイバを備えていてもよい。例えば、第1のワイヤまたはファイバ4902は、本明細書に記載されるように、辺縁の上のコンタクトレンズ内に配置されてもよく、第2のワイヤまたはファイバ4904は、毛様体ひだ部の上のコンタクトレンズ内に配置されてもよく、第3のワイヤまたはファイバ4906は、毛様体扁平部の上のコンタクトレンズ内に配置されてもよい。
【0204】
衝撃波発生用ワイヤまたはファイバの開口部は、本明細書に記載するように、眼球の表面上または表面下の1つ以上の位置に衝撃波を向けるように構成されていてもよい。
【0205】
コンタクトレンズは、衝撃波の集束を容易にするために、本明細書に記載のように、1つ以上の反射面(例えば、流体充填チャンバの内側楕円体壁および/または反射器)を備えていてもよい。
【0206】
いくつかの実施形態においては、開口部は、コンタクトレンズ内の眼球の表面から約1mmだけ上に配置されていてもよい。
【0207】
コンタクトレンズを眼球上に固定するために、吸引を使用してもよい。例えば、第1の吸引リングを環状コンタクトレンズの内縁(例えば、約9mm)に配置し、第2の吸引リングを外縁(例えば、約19mm)に配置することができる。
【0208】
流体は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ内を循環させられてもよい。
【0209】
図50は、内部に複数の開口部5004を有する絶縁シース内に配置された導電性ワイヤ5002を含む衝撃波発生装置の例示的なアレイ5000を示している。導電性ワイヤは、それを通しての電気エネルギ放出を防止するように構成された絶縁シースまたはコーティング内に配置されていてもよい。導電性ワイヤは、例えば、本明細書に記載されるように眼球の表面に結合された薄型の流体充填コンタクトレンズ内など、眼球に隣接して配置されてもよい。流体充填コンタクトレンズは、導電性ワイヤによって生成された衝撃波を、眼球の表面上または表面下の1つ以上の所定の位置に集束させるように構成されていてもよい。導電性ワイヤは、流体充填コンタクトレンズ内の環状リングに配置されてもよい。いくつかの実施形態においては、流体充填コンタクトレンズは、本明細書に記載されるように、内部に配置された複数の径方向直径の複数の環状ワイヤを備えていてもよい。本明細書に記載されるように、通電されたときに導電性ワイヤが電極として機能し、衝撃波を発生することを可能にするために、所定の位置において絶縁体内に1つ以上の孔または開口が設けられていてもよい。例えば、ワイヤの長さ方向に沿って8つの衝撃波発生装置を形成するために、8つの側面発射開口部をクラッド内に配置してもよい。単一のワイヤを使用し、開口部に露出した電極の電気アークから周囲の流体にエネルギを伝達してもよく、これにより、本明細書に記載されるように衝撃波を発生させることができる。
【0210】
絶縁体内に配置される側面発射開口部の数は、対象となる治療位置(複数可)およびパターン(複数可)に基づいて所望の任意の数であってよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0211】
いくつかの実施形態においては、導電性ワイヤまたはケーブルは、約100μmの外径を有していてもよい。
【0212】
図51は、内部に複数の開口部5104を有するクラッド内に配置された光ファイバ5102を備える衝撃波発生装置の例示的なアレイ5100を示している。光ファイバは、それを通過して光が放射されることを防止するように構成されたクラッド内に配置されていてもよい。光ファイバは、眼球に隣接して配置されてもよく、例えば、本明細書に記載されるように、眼球の表面に結合された流体充填環状(例えば、強膜)コンタクトレンズ内に埋め込まれていてもよい。流体充填コンタクトレンズは、光ファイバによって生成された衝撃波を、眼球の表面上または表面下の1つ以上の所定の位置に集束させるように構成されていてもよい。光ファイバは、流体充填コンタクトレンズ内の環状リングに配置されていてもよい。光ファイバがそこを通過して光を放射できるようにするために、所定の位置においてクラッド内に1つ以上の孔または開口(すなわち、選択的な非クラッド)が設けられていてもよい。例えば、ファイバの長さ方向に沿って9つの衝撃波発生装置を形成するために、9つの側面発射開口部をクラッド内に配置してもよい。単一の光ファイバが、開口部を通過して周囲の流体に光エネルギを送達するために使用され、これにより、本明細書に記載されるように衝撃波を生成することができるので、各開口部において生成される衝撃波の出力は、同じであってもよい。衝撃波は、開口部のそれぞれにおいて同時に生成されてもよい。光ファイバの遠位端にミラーが配置されてもよい。
【0213】
クラッド内に配置される側方発射開口の数は、対象となる治療位置(複数可)およびパターン(複数可)に基づいて所望の任意の数であってもよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0214】
いくつかの実施形態においては、光ファイバは、その周囲に30μmのクラッドを有するポリマイクロ(商標登録)50μmのコアを備えていてもよい(80μmの外径の場合)。
【0215】
いくつかの実施形態においては、光ファイバは、約100μmの外径から構成されていてもよい。
【0216】
図52は、内部に複数の開口5204を有する絶縁シース5202内に配置された導電性ワイヤ5206を備える衝撃波発生装置のアレイ5200の分解図である。導電性ワイヤ5206は、それを通過して電気エネルギが放出されることを防止するように構成された絶縁シースまたはコーティング5202内に配置されていてもよい。導電性ワイヤ5206は、眼球に隣接して、例えば、本明細書に記載されるように眼球の表面に結合された流体充填コンタクトレンズ内に配置されていてもよい。流体充填コンタクトレンズは、導電性ワイヤによって生成された衝撃波を、眼球の表面上または表面下の1つ以上の所定の位置に集束させるように構成されていてもよい。導電性ワイヤ5206は、流体充填コンタクトレンズ内の環状リングに配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、流体充填コンタクトレンズは、本明細書に記載されるように、複数の径方向直径において内部に配置された複数の環状ワイヤを備えていてもよい。導電性ワイヤ5206が本明細書に記載されるように通電された場合に電極として機能し、衝撃波を発生することを可能にするために、1つ以上の孔または開口5204が所定の位置において絶縁体5202内に設けられてもよい。例えば、ワイヤの長さ方向に沿って9つの衝撃波発生装置を形成するために、9つの側面発射開口部5204がクラッド5202内に配置されていてもよい。単一のワイヤ5206は、開口部に露出した電極の電気アークから周囲の流体へエネルギを伝達するために使用されてもよく、これにより、本明細書に記載されるように衝撃波を発生することができる。衝撃波は、開口部5204の各々において同時に生成されてもよい。
【0217】
いくつかの実施形態においては、開口部5204は、眼球に隣接する導電性ワイヤ5206の長さ方向に沿って等間隔に配置されていてもよい。例えば、9つの開口部5204の各々は、それらのすぐ隣の開口部から4mmの間隔をあけて配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、開口部5204は、眼球に隣接するワイヤ5206の長さ方向に沿って等間隔に配置されていなくてもよい。
【0218】
絶縁体5202内に配置される側方発射開口5204の数は、対象となる治療位置(複数可)およびパターン(複数可)に基づいて所望の任意の数であってもよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0219】
いくつかの実施形態においては、絶縁体5202は、ポリアミド絶縁体から構成されていてもよい。
【0220】
いくつかの実施形態において、開口部5204は、直径が約0.5mmであってもよい。
【0221】
図53は、内部に複数の開口部5306を有するクラッド5304内に配置された光ファイバ5302を備える衝撃波発生装置のアレイ5300の分解図である。光ファイバ5302は、そこを通過しての光が放射することを防止するように構成されたクラッド5304内に配置されていてもよい。光ファイバ5302は、眼球に隣接して、例えば、本明細書に記載されるように眼球の表面に結合された流体充填コンタクトレンズ内に配置されてもよい。流体充填コンタクトレンズは、光ファイバによって生成された衝撃波を、眼球の表面上または表面下の1つ以上の所定の位置に集束させるように構成されていてもよい。光ファイバ5302は、流体充填コンタクトレンズ内の環状リングに配置されていてもよい。光ファイバ5302がそこを通過して光を放射することを可能にするために、1つ以上の孔または開口部5306(すなわち、選択的な非クラッド)が、所定の位置においてクラッド5304内に設けられていてもよい。例えば、ファイバ5302の長さ方向に沿って9つの衝撃波発生装置を形成するために、9つの側面発射開口部5306がクラッド5304内に配置されていてもよい。単一の光ファイバ5302が、開口部5306を通過して周囲の流体に光エネルギを送達するために使用され、これにより、本明細書に記載されるように衝撃波を生成することができるので、各開口部5306において生成される衝撃波の出力は同じであってもよい。光ファイバ5302の遠位端には、ミラー5308が配置されていてもよい。
【0222】
いくつかの実施形態においては、開口部5306は、眼球に隣接する光ファイバ5302の長さ方向に沿って等間隔に配置されていてもよい。例えば、9つの開口部5306の各々は、それらのすぐ隣の開口部から4mmの間隔をあけて配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、開口部5306は、眼球に隣接する光ファイバの長さ方向に沿って等間隔に配置されていなくてもよい。
【0223】
クラッド内に配置される側面発射開口部5306の数は、対象となる治療位置(複数可)およびパターン(複数可)に基づいて所望の任意の数であってもよいことは、当業者であれば理解されるであろう。
【0224】
いくつかの実施形態においては、光ファイバ5302は、その周囲に30μmのクラッドを有するポリマイクロ(商標登録)50μmのコアを備えていてもよい(80μmの外径の場合)。
【0225】
図54は、眼球を治療するための方法5400を示している。
【0226】
ステップ5401においては、1つ以上の衝撃波発生装置は、眼球の表面に結合されてもよい。衝撃波発生装置(複数可)は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかを備えていてもよい。例えば、単一の衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように眼球に結合されていてもよい。あるいは、衝撃波発生装置のアレイが、コンタクトレンズまたはコンタクトバルーンなどを用いて、本明細書に記載されるように眼球に結合されてもよい。
【0227】
ステップ5402においては、衝撃波発生装置の1つ以上は、本明細書に記載されるように、1つ以上の衝撃波を発生させるように通電されてもよい。1つ以上の衝撃波発生装置が使用される場合において、衝撃波発生装置は、互いに独立して(例えば、順番に)、または1つ以上の他の衝撃波発生装置と協働して(例えば、少なくとも2つの同時発射発生装置に)通電されてもよい。衝撃波発生装置の任意の組み合わせが、一括に、または互いに独立して通電されてもよいことは、当業者には理解されるであろう。
【0228】
ステップ5403においては、衝撃波(複数可)は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に集束されてもよい。当業者であれば、所定の位置は、治療されるべき眼の状態または条件に基づいて選択され得ることが理解されるであろう。例えば、緑内障眼を治療する場合には、所定の位置は、繊維柱帯、シュレム管、強膜、および/または網膜を含んでいてもよい。老眼の場合には、所定の位置は、強膜、IVZ、PVZ、および/または水晶体を含んでいてもよい。AMDの眼球の場合には、所定の位置は、汎黄斑網膜、例えば、網膜の窩または窩周辺を含んでいてもよい。ドライアイ疾患を有する眼球の場合には、所定の位置は、マイボーム腺を含んでいてもよい。複数の状態が同じ眼球において治療されてもよく、眼球における治療される所定の位置は、治療される状態に対応してもよいことは、当業者には理解されるであろう。例えば、緑内障と老眼の両方の治療を受けている眼球は、強膜に微細穿孔を発生させるために衝撃波を強膜に集束させ、流体の流出(その後、緑内障治療のためにIOPを低減)および強膜コンプライアンスを改善し得る(これは、遠近調節中に、その可動域を改善し得る)。
【0229】
ステップ5404においては、対象の状態の眼球を治療するために、必要に応じて、ステップ5401からステップ5403が繰り返されてもよい。
【0230】
本明細書に記載される衝撃波発生装置は、一般に電気油圧式衝撃波発生に準ずるが、本明細書に記載されるような圧電、レーザ、磁気電気衝撃波発生装置(複数可)を含む他の衝撃波発生方法が利用され得ることは、本明細書の教示に基づいて当業者には理解されるであろう。例えば、眼球に結合された可動コイルまたは永久磁石も、衝撃波発生装置として機能することができる。
【0231】
本明細書に記載される衝撃波治療法は、ナノ粒子への適用により強化される可能性がある。ナノ粒子は、ナノ粒子なしの場合よりも低いキャビテーション閾値において衝撃波の開始を媒介することができる。キャビテーション気泡および衝撃波形成の閾値を下げるために、本明細書に記載の衝撃波発生装置のいずれかの流体充填チャンバの流体に音響感受性ナノ粒子を添加してもよい。いくつかの実施形態においては、ナノ粒子の血管外漏出および/または浸透を強化するために、治療の対象となる組織に(例えば、術前に)ナノ粒子を注入することができる。代替的に、または組み合わせて、組織へのナノ粒子の事前注入は、慣性キャビテーションを加速および/または延長させ、および/または関連する副作用を低減させることができる。
【0232】
特定の理論に限定されることなく、ナノ粒子が媒介する音響キャビテーションは、当技術分野において仮定された2つの主要な経路のうちの1つまたは両方を介して細胞毒性効果をもたらすことができる。
1.気泡の崩壊が、衝撃波、せん断応力、および活性酸素種の形成を通じて細胞に直接損傷を与え、かつ/または、
2.キャビテーションによるナノ粒子の活性化(ナノ粒子の処方および所望の効果に依存する)は、化学的細胞毒性につながる可能性がある。
【0233】
いくつかの実施形態においては、ナノ粒子は、ナノドロップレット、ナノコーン、ポリマカップなどを含んでいてもてもよい。例えば、ナノ粒子は、パーフルオロヘキサンナノコーン、メソ多孔質シリカナノ粒子、固体ガス捕捉ナノ粒子、マイクロバブル、音響的に気化可能な液滴、ポリマカップなどから構成されてもよい。
【0234】
本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、ハウジングおよび/またはハウジングの内面に結合された1つ以上の反射器は、プラスチックまたは金属から構成されてもよい。少なくともいくつかの例においては、金属製ハウジングまたは金属製反射器は、プラスチックと比較して金属の音響インピーダンスが低いため、プラスチック製ハウジングまたはプラスチック製反射器よりも効率的に衝撃波を反射することができる。これにより、衝撃波を発生させるために必要な入力電力を低減させることができる。
【0235】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置のアレイは、各電極が他のすべての電極に電気的に結合され、同じ電力源によって駆動されて同時に発射できるように、車輪およびスポークのような形状の複数の電極から構成されてもよい。複数の電極は、金属箔(例えば、真鍮、ステンレス鋼など)によって形成されていてもよい。
【0236】
図55は、眼球200の表面500に結合されたコンタクトレンズ5502を備える例示的なレーザ走査式衝撃波発生装置システム5500の側断面図である。コンタクトレンズ5502は、本明細書に記載される流体充填コンタクトレンズのいずれかと実質的に同様であってもよい。コンタクトレンズは、眼球との間に流体充填チャンバ5506を形成するために、コンタクトレンズ5502の底部を横切って配置されたフィルムまたは膜5504を備えていてもよい。膜5504は、眼球の表面に結合されるように構成された眼球接触面を備えていてもよく、これは、本明細書に記載される眼球接触面のいずれかと実質的に同様であってもよい。流体充填チャンバ5506は、本明細書に記載されるような生理食塩水などの流体によって充填されていてもよい。流体206は、生理食塩水中のグラフェンの懸濁液から構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、流体206は、走査レーザ5508によって放射される光を防止または低減するように十分に光を吸収することができる生理食塩水中のグラフェンの懸濁液を含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ5502は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通している流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体206は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ5506内において循環されてもよい。コンタクトレンズの前面5510は、光学エネルギが通過することができる透明メニスカス窓を構成していてもよい。例えば、透明メニスカス窓5510は、レーザ光に対して透明であってもよい(例えば、赤外線レーザを使用する場合には、赤外線透過性であってもよい)。システム5500は、自由空間走査レーザ5508をさらに含んでいてもよい。走査レーザ5508は、パルスレーザであってもよい。いくつかの実施形態においては、走査レーザ5508は、眼球に錐体結合されてもよい。円錐は、走査レーザ5508を眼球の上の既知の作動距離に位置付けてもよい。コンタクトレンズ5502は、錐体内の眼球の上に配置されてもよい。レーザ5508は、コンタクトレンズバルーン5502上において走査されてもよく、レーザ光がコンタクトレンズの流体に到達すると、本明細書に記載されるのと実質的に同様の方法によって衝撃波が生成されてもよい。走査レーザ5508の使用は、固定された衝撃波発生装置と比較して、治療位置の時間と空間における柔軟性の向上を提供することができる。
【0237】
いくつかの実施形態においては、システム5500は、コンタクトレンズの外縁の吸引(例えば、吸引リング1202による)を用いて眼球に確実に結合することができる。
【0238】
いくつかの実施形態においては、フィルム5504は、本明細書に記載されているように、PETおよび/またはPTFE膜によって構成されていてもよい。フィルム5504は、本明細書に記載される材料のいずれかによって構成されていてもよい。
【0239】
レーザ5508は、水の吸収率が高い波長の光を放射するように構成されていてもよい。レーザは、例えば、1.44μm、1.475μm、1.55μm、1.948μm、3μm、または6μmの中赤外線範囲の波長の光を放射するように構成されてもよい。レーザは、例えば、Nd:Yagレーザまたは、Th:Hoレーザ等から構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、レーザは、近赤外線範囲の波長の光を放射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、レーザは、例えば、10μmのような長波長赤外線範囲の光を放射するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、レーザは、遠赤外線範囲の波長、例えば、数テラヘルツ(THz)の周波数の光を放射するように構成されてもよい。
【0240】
いくつかの実施形態においては、パルスレーザからの光エネルギパルスは、約1Hzから約25Hzであってもよい。
【0241】
いくつかの実施形態においては、パルスレーザからの光エネルギパルスは、長さがナノ秒からマイクロ秒オーダーであってもよい。
【0242】
図56は、コンタクトレンズ5602を備える例示的なマルチファイバレーザ式の衝撃波発生装置アレイシステム5600の側断面図である。コンタクトレンズ5602は、本明細書に記載される流体充填コンタクトレンズのいずれかと実質的に同様であってもよい。コンタクトレンズ5602は、眼球との間に流体充填チャンバ5606を形成するためにコンタクトレンズ5602の底部を横切って配置されたフィルムまたは膜5604を備えていてもよい。フィルム5604は、眼球の表面に結合されるように構成された眼球接触面を備えていてもよく、この眼球接触面は、本明細書に記載される眼球接触面のいずれかと実質的に同様であってもよい。流体充填チャンバ5606は、本明細書に記載されるように、生理食塩水などの流体によって充填されていてもよい。流体は、生理食塩水中のグラフェンの懸濁液から構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、流体は、走査型レーザによって放射される光を防止または低減するように十分に光を吸収することができる生理食塩水中のグラフェンの懸濁液を含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ5602は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ5606と流体連通する流体入口および流体出口をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口および流体出口を経由して流体充填チャンバ5606内において循環されてもよい。システム5600は、コンタクトレンズに結合された1つ以上の光ファイバケーブル4202をさらに備えていてもよい。1つ以上の光ファイバ4202は、光エネルギがそこから放出されると、流体充填チャンバ5606の流体内に1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。衝撃波は、レーザ光がコンタクトレンズバルーン5602の流体に到達したときに、本明細書に記載されるのと実質的に同様の方法によって生成されてもよい。
【0243】
レーザ、例えば、パルスレーザは、そこに光エネルギを提供するために、光ファイバ4202に結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、1本以上の光ファイバ4202は、ファイバ束またはマルチファイバアレイ5608を備えていてもよい。2本以上の光ファイバ4202は、ファイバ束5608に束ねられてもよく、このファイバ束5608は、コンタクトレンズ5602に隣接するファイバ4202のアレイに分割されてもよく、これにより、本明細書に記載するように所定の位置においてコンタクトレンズ5602に個別に結合することができる。
【0244】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ5602の前面5608は、本明細書に記載されたように光エネルギが通過できる透明メニスカス窓を構成していてもよい。光ファイバ4202は、光エネルギが光ファイバ4202から、コンタクトレンズ5602の前面5608を通って、コンタクトレンズの流体を通過するように、コンタクトレンズ5602の前面5608に結合されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、光ファイバ4202は、光エネルギが光ファイバ4202からコンタクトレンズの流体中に直接通過するように、コンタクトレンズ5602の前面5608を通過してもよい。
【0245】
いくつかの実施形態においては、コンタクトレンズ5602は、所望の所定の位置(複数可)に向かって衝撃波を集束させるために、反射器(または反射器アレイ)として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ5606の内面に結合してもよい。
【0246】
いくつかの実施形態においては、光ファイバ4202は、流体充填チャンバの流体中に光エネルギの平行ビームを放射するように構成されていてもよい。
【0247】
図57は、導波器5702を備える例示的な衝撃波発生装置5700の側断面図である。衝撃波発生装置5700は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置5700は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジングは、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置5700は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ106内において循環されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生要素(例えば、電極、レーザファイバなど)および流体充填チャンバ106は、導波器5702によって眼球接触面104から離間されていてもよい。導波器5702は、流体充填チャンバ106と眼球接触面104との間に配置されていてもよい。流体充填チャンバ106は、導波器5702を経由して所望の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器が流体充填チャンバ106の内面に結合されていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。代替的に、または組み合わせて、眼球接触面104を構成する導波器5702の端部は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束するように構成されてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されてもよい。眼球接触面と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載されるように衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル、例えば、水柱が眼球接触面上または表面下に存在してもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端部の間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置5700は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。導波器5702は、衝撃波発生装置の流体充填チャンバ106から眼球接触面104に衝撃波を伝達するように構成されてもよい。
【0248】
いくつかの実施形態においては、導波器5702は、衝撃波発生装置5700の流体内の電極と眼球接触面104の平面との間の間隔を広げることによって、衝撃波システムの安全性を向上させることができる。また、導波器5702は、流体循環および気泡除去のための流体量および長さを増加することができる。いくつかの実施形態においては、導波器5702は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器5702は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器5702は、約12mmから約80mmの範囲内の長さを有していてもよい。
【0249】
いくつかの実施形態においては、導波器は、システムの構成要素を眼球に直接隣接する空間(コンタクトレンズバルーン内など)にコンパクトに収容するために、システムの構成要素を最小化する必要性を低減することができる。
【0250】
いくつかの実施形態においては、導波器5702を備える衝撃波発生装置5700は、衝撃波送達付属品にストレスなくパッケージングするために、調節可能なゴーグルなどのトライアルフレームに取り付けられてもよい。トライアルフレームゴーグルは、流体、電子、および/または衝撃波導波器を安定させ、眼球または瞼に穏やかな接触を加えるように構成されていてもよい。トライアルフレームは、フレームと角膜との間に調節可能な頂点距離を有するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、頂点距離は、衝撃波発生装置を眼球の約12mm以上だけ上に配置するように調整されてもよい。1つ以上の衝撃波の導波器は、トライアルフレームから眼球の表面まで延びていてもよい。
【0251】
いくつかの実施形態においては、衝撃波導波器5702は、管状導波器から構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波導波器5702は、中実棒から構成されていてもよい。当業者であれば、衝撃波発生装置によって発生した衝撃波を眼球に伝達するように、導波器5702が所望の任意の形状から構成されてもよいことは理解されるであろう。
【0252】
いくつかの実施形態においては、衝撃波導波器5702は、約40%以上の反射率を有する材料から構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、衝撃波導波器5702は、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、グラフェンポリマ、金属化セラミックス等、またはそれらの任意の組み合わせから構成されてもよい。
【0253】
衝撃波導波器5702は、約1mmから約8mmの範囲内の外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。
【0254】
図58は、導波器5802を備える例示的な衝撃波発生装置5800の側断面図である。衝撃波発生装置5800は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよい。例えば、衝撃波発生装置5800は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってもよく、電極110,112は、流体充填チャンバ106の近位端の近くに配置され、眼球接触面104は、眼球との間に導波器5802を提供する細長い中央部分を有する流体充填チャンバ106の遠位端に配置されている。流体充填チャンバ106の近位端は、導波器を経由して所望の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器が流体充填チャンバ106の内面に結合されてもよい。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。代替的に、または組み合わせて、導波器5802の遠位部分は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されてもよい。眼球接触面104と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載されるように衝撃波発生装置5800から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、例えば、水柱などの結合用流体またはゲルが眼球接触面104上または接触面下に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置5800は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。導波器5802は、電極から眼球接触面104に衝撃波を伝達するように構成されていてもよい。
【0255】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置5800は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口および流体出口を経由して流体充填チャンバ内において循環されてもよい。流体入口は、衝撃波発生装置の遠位部分(例えば、導波器の遠位部分)に流体を供給するように構成されてもよく、流体出口は、衝撃波の進行方向と反対の方向にハウジング内を流体が流れるように衝撃波発生装置の近位部分(例えば、電極の近く)から流体を除去するように構成されていてもよい。
【0256】
衝撃波導波器は、約1mmから約8mmの範囲内の外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。
【0257】
いくつかの実施形態においては、導波器は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器は、約12mmから約80mmの範囲内の長さを有していてもよい。
【0258】
いくつかの実施形態においては、導波器を備える1つ以上の衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように、流体充填コンタクトレンズに結合されてもよい。
【0259】
いくつかの実施形態においては、導波器を備えた1つ以上の衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように、調整可能なゴーグルなどのトライアルフレームに取り付けられていてもよい。
【0260】
図59は、衝撃波波導波器5800のワイヤフレームチューブ形状の概略図である。
【0261】
図60は、導波器6002を備える例示的な衝撃波発生装置6000の側断面図である。衝撃波発生装置6000は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよい。例えば、衝撃波発生装置6000は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってよく、電極110,112は、流体充填チャンバ106の近位端の近くに配置され、眼球接触面104は、眼球との間に導波器6002を提供する細長い中央部分を有する流体充填チャンバ106の遠位端に配置されている。眼球接触面104は、例えば、本明細書に記載されるようなPET膜によって構成されていてもよい。流体充填チャンバ106の近位端は、導波器を経由して所望の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器が流体充填チャンバ106の内面に結合されていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。代替的に、または組み合わせて、導波器6002の遠位部分は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されていてもよい。眼球接触面104と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載されるように衝撃波発生装置6000から眼球への衝撃波の伝達を促進するため、例えば、水柱などの結合用流体またはゲルが眼球接触面上または接触面下に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端部の間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置6000は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。導波器6002は、衝撃波を電極から眼球接触面に伝達するように構成されていてもよい。
【0262】
いくつかの実施形態においては、ロッドストップ6004が、ハウジング102の近位端に配置されてもよい。ロッドストップ6004は、ハウジング102の近位端から音響エネルギを組織内に反射することができる。
【0263】
いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置6000は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ106内において循環されてもよい。流体入口108は、衝撃波発生装置6000の遠位部分(例えば、導波器6002の遠位部分)に流体を供給するように構成されてもよく、流体出口109は、衝撃波の進行方向と反対の方向にハウジング102を通って流体が流れるように衝撃波発生装置6000の近位部分(例えば、電極110,112の近く)から流体を除去するように構成されていてもよい。
【0264】
衝撃波導波器6002は、約1mmから約8mmの範囲内の外径、例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、または約8mmを有するステンレス鋼管から構成されてもよい。導波器は、約0.5mmの壁厚を有していてもよい。
【0265】
いくつかの実施形態においては、導波器6002は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器6002は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器6002は、約12mmから約80mmの範囲内、例えば、約20mmの長さを有していてもよい。
【0266】
いくつかの実施形態においては、導波器6002を備える1つ以上の衝撃波発生装置6000は、本明細書に記載するように、流体充填コンタクトレンズに結合されていてもよい。
【0267】
いくつかの実施形態においては、導波器6002を備える1つ以上の衝撃波発生装置6000は、本明細書に記載するように、調整可能なゴーグルなどのトライアルフレームに取り付けられていてもよい。
【0268】
図61は、導波器6102を備える例示的な衝撃波発生装置6100の側断面図である。衝撃波発生装置6100は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置6100は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填されたチャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってよく、電極110,112は、流体充填チャンバ106の近位端の近くに配置され、眼球接触面104は、眼球との間に導波器を提供する細長い中央部分6102を有する流体充填チャンバ106の遠位端に配置される。眼球接触面104は、例えば、本明細書に記載されるようなPET膜によって構成されていてもよい。流体充填チャンバ106の近位端は、導波器6102を経由して所望の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるために、反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器が流体充填チャンバ106の内面に結合されていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。代替的に、または組み合わせて、導波器6102の遠位部分は、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されてもよい。眼球接触面104と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載されるように衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、例えば、水柱などの結合用流体またはゲルが眼球接触面上または眼球接触面下に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端部の間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置6100は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。導波器6102は、電極から眼球接触面104に衝撃波を伝達するように構成されていてもよい。
【0269】
いくつかの実施形態においては、導波器6102の遠位端は、1つ以上の反射器6106を備えていてもよい。1つ以上の反射器6106は、本明細書に記載されるように、眼球の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を集束させるように構成されていてもよい。
【0270】
いくつかの実施形態においては、ロッドストップ6104が、ハウジング102の近位端に配置されていてもよい。ロッドストップ6104は、ハウジング102の近位端から音響エネルギを組織内に反射することができる。
【0271】
いくつかの実施形態において、第1および第2電極110,112は、熱収縮されてもよい。熱収縮は、誤った高電圧放電につながる可能性のある不要な水分接触から電極を保護することができる。
【0272】
いくつかの実施形態において、衝撃波発生装置6100は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ106内において循環されてもよい。流体入口108は、衝撃波発生装置6100の遠位部分(例えば、導波器の遠位部分)に流体を供給するように構成されてもよく、流体出口109は、衝撃波の進行方向と反対の方向にハウジング102を通って流体が流れるように衝撃波発生装置6100の近位部分(例えば、電極近傍)から流体を除去するように構成されてもよい。
【0273】
衝撃波導波器6102は、約1mmから約8mm、例えば、約2mmの範囲内の外径を有するステンレス鋼管から構成されてもよい。導波器6102は、約0.5 mmの壁厚を有していてもよい。
【0274】
いくつかの実施形態においては、導波器6102は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器6102は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器6102は、約12mmから約80mmの範囲内の長さを有していてもよい。
【0275】
いくつかの実施形態においては、導波器6102を備える1つ以上の衝撃波発生装置6100は、本明細書に記載するように、流体充填コンタクトレンズに結合されてもよい。
【0276】
いくつかの実施形態においては、導波器6102を備える1つ以上の衝撃波発生装置6100は、本明細書に記載するように、調節可能なゴーグルなどのトライアルフレームに取り付けられていてもよい。
【0277】
いくつかの実施形態においては、導波器6102を備える衝撃波発生装置6100のアレイは、本明細書に記載するように、1つ以上の治療場所を標的にするために眼球に隣接して(例えば、流体充填コンタクトレンズに結合されて)配置されてもよい。例えば、
図63のアレイと同様に、8つの導波器を眼球の中心から12mmの位置の第1の列に配置し、10個の導波器を眼球の中心から16mmの位置の第2の列に配置し、単一の大きな導波器を眼球の中心(0mmの位置)に配置してもよい。当業者であれば、、対象となる標的組織を治療するために、任意の数の導波器を所望の任意のパターンによって眼球に隣接して配置してもよいことは理解されるであろう。
【0278】
図62は、例示的なパラボラ衝撃波導波器6202の側断面図である。衝撃波発生装置6200および導波器6202は、導波器6202の遠位端6204が湾曲していてもよいことを除いては、
図60および
図61に示される衝撃波導波器に実質的に類似していてもよい。パラボラ衝撃波導波器6202は、眼球への周辺アクセスを可能にするように構成されたパラボラ反射器6206を備えていてもよい。
【0279】
図63は、衝撃波導波器6302のアレイを備える例示的なコンタクトレンズ6300の上面図である。本明細書に記載される衝撃波導波器のいずれかが、本明細書に記載される他のアレイと同様に、衝撃波発生装置6302のアレイとしてコンタクトレンズ6304に結合されていてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器6302を備える衝撃波発生装置のアレイは、本明細書に記載されるような1つ以上の治療位置を標的とするために、眼球に隣接して配置されてもよい。例えば、中央の大きな(外径8cm)導波器6302aは、本明細書に記載されるように水晶体および/または網膜を治療するように、コンタクトレンズの中心に結合されてもよい。衝撃波導波器6302bの第1の列は、本明細書に記載されるように、繊維柱帯および/またはシュレム管を治療するために、中心から半径方向外側に約12mmの位置に配置されてもよい。衝撃波導波器の第2の列6302cは、本明細書に記載されるように、毛様体扁平部およびPVZを治療するために、中心から約16mmの位置に配置されてもよい。コンタクトレンズの外縁に配置された吸引リング(直径約19mm)は、本明細書に記載されるように、コンタクトレンズ6304を眼球または瞼の表面に結合させることができる。
【0280】
図64は、マイボーム腺治療のための衝撃波発生装置6402のアレイを備える例示的なコンタクトレンズ6400の上面図である。コンタクトレンズ6400は、約7.8mmおよび約12mmの曲率半径を有していてもよい。
【0281】
図65は、ドライアイ疾患治療のための例示的なコンタクトレンズ6500の上面図である。コンタクトレンズ6500は、本明細書に記載されるように効率的な音響反射器として作用するように構成されていてもよい(例えば、形状、適切な材料から構成されるなど)角膜コンタクトレンズによって構成されていてもよい。
【0282】
図66は、統合撮像システム6602を備える例示的な治療システム6600の側面図である。システム6600は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかを備えていてもよい。例えば、システム6600は、ドッキングコンタクトレンズ6606に結合された導波器6604を備える衝撃波発生装置を備えていてもよい。衝撃波発生装置は、撮像システム6602がそこに統合されることを可能にするように構成された中央開口部6608を備えていてもよい。撮像システム6602は、中央開口部6608が表示域を提供するスリットラップ構成を有していてもよい。表示域は、本明細書に記載されるように、治療前、治療中、または治療後に、医師が眼球を見ることを可能にすることができる。表示域は参照されてもよい。いくつかの実施形態においては、撮像システム6602は、OCT撮像システムを構成してもよい。OCT撮像システムの近赤外線(NIR)(例えば、1064nm)波長レーザは、本明細書に記載されるような術中撮像フィードバックを提供するために、水を透過して組織内に侵入するように構成されてもいてよい。いくつかの実施形態においては、複数の衝撃波発生装置は、表示域の周りの1つ以上の環状リングに配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、生理食塩水ポンプ、脱気、および真空を含む衝撃波発生装置の電子機器および流体機器は、細隙灯アセンブリに収容されてもよい。細隙灯アセンブリの構成は、患者が座位の状態において使用されるように構成されてもよい。
【0283】
図67は、統合撮像システム6706を備える例示的な治療システムの側面図である。システム6700は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかを含んでいてもよい。例えば、システム6700は、トライアルフレーム6704およびドッキングコンタクトレンズに結合された導波器6702を備える衝撃波発生装置から構成されていてもよい。衝撃波発生装置は、撮像システム6706がそこに統合されることを可能にするように構成された中央開口部6708を備えていてもよい。撮像システム6706は、超音波生体顕微鏡(UBM)、超音波(US)撮像、および/または光干渉断層撮影(OCT)装置またはシステムを備えていてもよい。撮像システム6706は、本明細書に記載されるような治療前、治療中、または治療後の眼球の1つ以上の画像を捕捉するために使用されてもよい。プロセッサまたはコントローラは、エネルギ源および撮像システムに接続され、衝撃波発生装置にエネルギを供給し、治療中に組織を撮像するための命令を備えて構成されてもよい。システム6700は、ユーザが治療前、治療前または治療後に組織を視覚化することを可能にするプロセッサに接続されたディスプレイを備えていてもよい。ディスプレイは、ユーザが治療される組織を確認し、治療を計画することを可能にする画像を表示することができる。ディスプレイに表示される画像は、リアルタイムで提供することができ、ユーザが組織を整列させるために、および/または治療の意図しない効果が発生していないことを確認するために治療の組織効果(例えば、キャビテーション)を監視することを可能にするために、治療前に使用(例えば、眼球の構造が望まれない場合に、相互の位置を変えるなど)することができる。
【0284】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置の電子機器、導波器(複数可)、および流体インターフェースは、本明細書に記載されるように、トライアルフレーム6704に取り付けられてもよい。生理食塩水ポンプ、脱気装置、および真空装置を含む流体エンクロージャは、本明細書に記載されるように点滴スタンド(IVポール)上に収容されてもよい。トライアルフレーム構成は、患者が仰臥位/立位の状態において使用されるように構成されていてもよい。
【0285】
図68は、統合撮像システム6802を備える例示的な治療システム6800の側面図である。システム6800は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかを備えていてもよい。例えば、システム6800は、手術用顕微鏡6802に結合された導波器6804を有する衝撃波発生装置を備えていてもよい。衝撃波発生装置は、撮像システムがそこに統合されることを可能にするように構成された中央開口部を備えていてもよい。撮像システム6802は、超音波生体顕微鏡(UBM)、超音波(US)撮像、および/または光干渉断層撮影(OCT)装置またはシステムを備えていてもよい。撮像システム6802は、本明細書に記載されるような治療前、治療中、または治療後の眼球の1つ以上の画像を撮像するために使用されてもよい。プロセッサまたはコントローラは、エネルギ源および撮像システム6802に接続され、衝撃波発生装置にエネルギを供給し、治療中に組織を撮像するための命令を備えて構成されていてもよい。システム6800はまた、ユーザが治療前、治療前または治療後に組織を視覚化することを可能にするプロセッサに接続されたディスプレイを備えていてもよい。ディスプレイは、ユーザが治療される組織を確認し、治療を計画することを可能にする画像を表示することができる。ディスプレイに表示される画像は、リアルタイムで提供することができ、ユーザが組織を整列させるために、および/または治療の意図しない効果が発生していないことを確認するために治療の組織効果(例えば、キャビテーション)を監視することを可能にするために、治療前に使用(例えば、眼球の構造が望まれない場合に、相互の位置を変えるなど)することができる。
【0286】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置の電子機器および流体機器は、本明細書に記載されるように、手術顕微鏡6802のアームまたはIVポールに取り付けられてもよい。手術用顕微鏡の構成は、患者が仰臥位/立位の状態において使用されるように構成されていてもよい。
【0287】
図69は、気泡抽出のための例示的なシステム6900の概略図である。本明細書に記載される衝撃波発生システムのいずれかは、リアルタイムの術中気泡抽出のために構成されていてもよい。システム6900は、1つ以上の衝撃波発生装置6902を含んでいてもよく、これは、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置(複数可)6902は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されてもよい。1つ以上の衝撃波発生装置6902は、内部に配置された生理食塩水などの流体を備える流体充填チャンバを備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置6902は、流体充填チャンバと流体連通している流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、ファイバによって生成された衝撃波を眼球の表面に結合させるために使用することができる。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ内において循環してもよい。流体の循環は、衝撃波のパルスの送達が継続しているときに、衝撃波形成中に発生した熱蓄積、キャビテーション気泡、およびイオンの連続的な抽出を可能にすることができる。衝撃波の生成中に形成された気泡の効率的な除去は、追加の衝撃波の形成および/または方向に対する流体内の残留気泡の干渉および関連する予期せぬ影響を防ぐために望ましい場合がある。気泡の除去はまた、音響エネルギ送達を改善し得る。いくつかの実施形態においては、流体充填チャンバを通して流体を脱気および再循環させることが望ましい場合がある。再循環システムは、衝撃波発生装置(複数可)6902の流体構成要素から気泡抽出装置6906(例えば、MedArray社によるPermaSelect 2500)に流体を移動させる第1ポンプ6904を備えていてもよい。流体は、真空チャンバ6908に結合された真空ポンプ6910によって、気泡抽出デバイス6906を経由して真空チャンバ6908(例えば、SCHOTT社の空気密封されたデュラン(商標登録)ガラス容器)に引き込まれてもよい。生理食塩水用リザーババッグ6912は、流体交換および均衡のために真空チャンバ6908と流体連通していてもよい。脱気された流体は、再循環システム6900を完結させるために、第1のポンプ6904によって真空チャンバ6908から衝撃波発生装置(複数可)6902の中に引き込まれてもよい。再循環システム6900は、一般的なペリスタポンプの流量および真空ポンプの範囲において動作してもよい。いくつかの実施形態においては、流体出口109を経由して流体充填チャンバから流出する流体は、本明細書に記載されるように、定期的または連続的にサンプリングされてもよい。
【0288】
いくつかの実施形態においては、流体再循環システム6900は、約0.5L/分から約1L/分の範囲内の速度において流体充填チャンバから流体を除去するように構成されていてもよい。例えば、流体は、約750ml/分から約1000ml/分の範囲内の速度において再循環されていてもよい。いくつかの実施形態においては、流体充填チャンバ(または流体充填コンタクトレンズ/バルーン)の全容積は、衝撃波の発生毎に流体再循環システム5900によって新しい脱気流体と交換されてもよい。
【0289】
いくつかの実施形態においては、再循環速度は、約100mL/分であってもよい。
【0290】
いくつかの実施形態においては、ポンプの1つ以上が、ペリスタポンプであってもよい。
【0291】
いくつかの実施形態においては、流体再循環チューブ6914は、中空チューブから構成されてもいてよい。いくつかの実施形態においては、流体再循環チューブ6914は、シリコーンチューブまたはスリーブから構成されていてもよい。
【0292】
いくつかの実施形態においては、流体再循環チューブ6914は、チューブ6914内の内面はキャビテーション気泡の閉じ込めを低減または防止する化学物質により構成されていてもよい。例えば、チューブ6914は、界面活性剤によりコーティングされていてもよい。
【0293】
いくつかの実施形態においては、IVポールは、生理食塩水用リザーババッグ6912、プログラム可能なパルス発生装置(2kV/10kHz)、気泡抽出装置用の真空ポンプ6910、コンタクトレンズから生理食塩水を抽出して気泡抽出装置に注入するためのポンプ6904、眼球吸引器、液体交換および平衡用のリザーバボトル、および/または制御用の弁を有するチューブ6914の1つ以上を収容するために、眼球に近接して配置されていてもよい。
【0294】
図70は、気泡抽出のための例示的なシステム7000の概略図である。気泡抽出システム7000は、トライアルフレームゴーグル6704への統合を伴ってもよく、
図69のシステムと実質的に同様であってもよい。トライアルフレームゴーグル6704は、本明細書に記載される衝撃波発生装置の電子機器、オプションの導波器(複数可)および、流体インターフェースを支持するように構成されていてもよく、本明細書に記載されるいずれかのゴーグルと実質的に類似していてもよい。
【0295】
図71は、患者の眼球200上に配置されたコンタクトレンズバルーン7102に結合された気泡抽出のための例示的なシステム7100の概略図である。気泡抽出システム7100は、
図70のシステムと実質的に同様であってもよく、IVポール上に取り付けられた大きな真空タンクを有する。コンタクトレンズバルーン7102は、本明細書に記載されるコンタクトレンズまたはバルーンのいずれかと実質的に類似していていてもよい。真空タンクは、例えば、500ミリリットルのようなより小さい体積を保持するように構成された
図70のシステムと比較して、例えば、7リットルのような大きな体積の生理食塩水を保持してもよい。
【0296】
図72は、例示的な治療システム7200の構成の電気的な概略図である。低電圧電源モジュール(LVPS)は、例えば、+5V、+24V、および+12Vなどの1つ以上の電圧を生成するように構成されていてもよい。プログラム可能な0kVから2kVの高電圧電源モジュール(HVPS)は、電力をコンデンサに供給するように構成されていてもよい。HVPSユニットは、例えば、コンデンサに約125ワットを供給するように構成されていてもよい。コンデンサは、高電圧スイッチ(HVSW)によって生理食塩水容器に急速(約1マイクロ秒)放電されてもよい。生理食塩水容器は、圧力波を組織に(例えば、音響的に透明な流体密膜を通して)導くことができる。マイクロコントローラ(例えば、アルドゥイーノのクラス)は、タイミングおよびPCTインターフェースの制御、ならびに安全インターロックの監視を行うように構成されてもよい。
【0297】
図73は、例示的な可変焦点治療システム7300の側断面図である。システム7300は、
図40に示されるシステムと実質的に類似していてもよく、水晶体2302(またはIOL)、網膜2208、および/または眼内の他の標的位置の治療に使用されてもよい。システム7300は、水晶体および/または網膜に衝撃波を送達するように構成された大口径の衝撃波発生装置7302を備えていてもよい。衝撃波発生装置7302は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってもよい。例えば、衝撃波発生装置7302は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、平面衝撃波を所望の所定の位置に向けて集束させるために、パラボラ反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ106の内面に結合してもよい。1つ以上の反射器は、水晶体2302(またはIOL)および/または網膜2208の黄斑部にz面に沿って衝撃波を可変または調節可能に集束させることを可能にできる、例えば、電子的に可変の音響レンズ7304を備えていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されていてもよい。眼球接触面104と眼球の表面500との間の接触を容易にするため、および/または衝撃波発生装置7302から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル、例えば、水柱が眼球接触面104上または眼球接触面下に配置されていてもよい。衝撃波発生装置を眼球の角膜または強膜に結合するために、吸引リングが衝撃波発生装置の外縁に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置7302は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成することができる。電子的に可変な音響レンズ7304は、衝撃波を第1の場所(例えば、軟化される水晶体2302)に集束させるように構成された第1の形状7304aと、衝撃波を第2の場所(例えば、音波刺激(ソノスティミュレーション)される網膜2208)に集束させるように構成された第2の形状7304bとを備えていてもよい。電子的に可変な音響レンズ7304は、所望の任意の治療位置または治療位置の組合せに衝撃波を電子的に操縦するように構成されていてもよい。
【0298】
図74は、ドライアイ疾患のための例示的な治療システム7400の側断面図である。システム7400は、
図41に示されるシステムと実質的に類似していてもよく、衝撃波から角膜2206を保護しながら瞼2802に衝撃波療法を提供するために使用することができる。システム7400は、眼球200の瞼2802に衝撃波を送達するように構成された大口径の衝撃波発生装置7402を備えていてもよい。衝撃波発生装置7402は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に同様であってよい。例えば、衝撃波発生装置7402は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、平面衝撃波を所望の所定の位置に向けて集束させるために、パラボラ反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ106の内面に結合していてもよい。流体充填チャンバ106の内壁または流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。眼球接触面104は、患者の瞼2802に結合されるように構成されていてもよい(例えば、患者の眼球が閉じられているとき)。眼球接触面104は、瞼2802への結合を容易にするために、高適合性膜材料により構成されていてもよい。角膜温存コンタクトレンズ4104は、瞼2802の下の患者の角膜2206上に配置されてもよく、瞼2802を通過する衝撃波を角膜2206から遠ざけるために音響反射器として機能してもよい。熱拡散コンタクトレンズ4104は、本明細書に記載されるようにドライアイを治療するために、音響反射器として機能し、1つ以上のマイボーム腺2800に向かって衝撃波を向けるように構成されていてもよい。衝撃波発生装置を瞼に結合させるために、吸引リングが衝撃波発生装置の外縁に配置されていてもよい。第1および第2電極110,112は、電極110,112の遠位先端間にギャップ114が形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置7402は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成されていてもよい。
【0299】
図75は、経皮的治療のための例示的な治療システム7500の側断面図である。システム7500は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかを備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置の眼球接触面は、患者の眼が閉じられているときに患者の瞼2802に結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、システム7500は、患者の瞼2802に結合されるように構成された眼瞼用コンタクトレンズ7502を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置の眼球接触面は、眼瞼用コンタクトレンズ7502を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置の眼球接触面は、眼瞼用コンタクトレンズ7502に接触するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置は、眼瞼用コンタクトレンズ7502を通して、眼球(または瞼)の表面上または表面下の所定の位置に衝撃波を送達するように構成されてもよい。衝撃波は、瞼2802を通って所定の治療場所に到達してもよい。
【0300】
図76は、ドライアイ疾患のための例示的な治療システム7600の側断面図である。システム7600は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかを備えていてもよい。例えば、システムは、トライアルフレームおよびドッキングコンタクトレンズ7604に結合された導波器7602を有する衝撃波発生装置を備えていてもよい。システム7600は、衝撃波から角膜2206を保護しながら、瞼2802に衝撃波療法を提供するために使用することができる。衝撃波発生装置は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよい。例えば、衝撃波発生装置は、ハウジング内に配置された第1電極および第2電極を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。流体充填チャンバ106は、平面衝撃波を所望の所定の位置に向けて集束させるために、パラボラ反射器として機能するように構成されていてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波を集束させるために、1つ以上の反射器を流体充填チャンバ106の内面に結合してもよい。流体充填チャンバ106の内壁または流体充填チャンバ106の内面に結合された反射器は、楕円体であってもよい。眼球接触面104は、患者の瞼2802に結合されるように構成されていてもよい(例えば、患者の眼球が閉じられているとき)。眼球接触面104は、瞼2802への結合を容易にするために、高適合性膜材料により構成されていてもよい。角膜温存コンタクトレンズ7606は、瞼2802の下の患者の角膜2206上に配置されてもよく、瞼2802を通過する衝撃波を角膜から遠ざけるために音響反射器として機能してもよい。音響反射レンズ7606は、本明細書に記載されるようにドライアイを治療するために、1つ以上のマイボーム腺2800に向かって衝撃波を向けてもよい。音響反射レンズ7606は、充填された空気7608を備えたPETおよび/またはPMMAから構成された強膜コンタクトレンズであってもよい。レンズの角膜接触面7610はPMMAから構成されてもよく、レンズの眼瞼接触面7612はPETから構成されてもよい。あるいは、レンズの角膜接触面7610がPETから構成され、レンズの眼瞼接触面7612がPMMAから構成されてもよい。流体充填チャンバ106と空気充填反射レンズ7606との間のインピーダンスの不一致は、角膜2206に向けられたエネルギを瞼2802に反射させるのに十分な大きさ(例えば、約3500倍)であればよい。衝撃波発生装置を瞼2802に結合するために、吸引リングが衝撃波発生装置の外縁に配置されていてもよい。第1および第2電極は、電極の遠位先端部の間にギャップが形成されるように、互いに同軸に整列されていてもよい。衝撃波発生装置は、1つ以上の衝撃波を発生させるように構成することができる。
【0301】
いくつかの実施形態においては、空気充填強膜コンタクトレンズ7606は、滅菌可能および/または使い捨てであってもよい。
【0302】
いくつかの実施形態においては、空気充填強膜コンタクトレンズ7606は、約300μmの総厚を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、レンズのPET面は、約12μmの厚さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、レンズのPMMA面は、約200μmの厚さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、空気室7608は、約100μmの厚さを有していてもよい。
【0303】
いくつかの実施形態においては、空気充填強膜コンタクトレンズ7606は、約19mmの直径を有していてもよい。
【0304】
いくつかの実施形態においては、空気充填強膜コンタクトレンズ7606は、アーチ形状を有する双対曲線を有していてもよい。
【0305】
図77は、導電率測定のための例示的なシステム7700の概略図である。本明細書に記載されるシステムのいずれかは、流体充填チャンバ106内または流体充填チャンバ106から流出する流体の導電率を測定するように構成された導電率センサ7702を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、導電率センサ7702は、流体出口109に流体的に結合されてもよいが、流体充填チャンバ106内に配置されていてはならない。いくつかの実施形態においては、導電率センサ7702は、流体充填チャンバ106内に埋め込まれてもよい。導電率センサ7702は、電極侵食の程度を判断するために、流体充填チャンバ106内の流体の導電率を定期的または連続的にサンプリングしてもよい。例えば、生理食塩水の導電率がサンプリングされてもよく(例えば、電極が浸食され、金属イオンが生理食塩水中に放出されるときの、衝撃波電極間のギャップ距離を測定するための代わりとして)、衝撃波電極110,112に送られる電圧を、感知された導電率の変化を考慮して調節することができる。いくつかの実施形態においては、導電率センサ7702は、一定距離(例えば、2cm)離れて配置された一対の白金電極7704,7706から構成されていてもよい。2つの定電流源7708,7710(例えば、1mA)は、接地電極(例えば、いくつかの実施形態における電極112)から既知の距離(例えば、1cm)において既知の電流を注入してもよい。セル定数は、一定濃度のリン酸緩衝生理食塩水、塩化カリウム、生理食塩水等の既知の導電率の循環溶液を用いて較正することができる。例えば、0.9%塩化ナトリウムは、約16mS/cmの導電率を有し(K=1セル較正)、導電率センサ7702の較正に使用することができる。セル定数は、導電率センサに固有の乗算定数である。測定された電流にセル定数を乗じることで、溶液の電気伝導率が決定される。Kとして知られるセル定数は、1cm四方の2枚の板を1cm離して構成される理論上の電極を指す。導電率の増加は、流体充填チャンバ106の流体への金属溶出を示している可能性がある。導電率の低下は、流体充填チャンバ106内の気泡の形成および保持を示している可能性がある。導電率が許容可能な閾値を越えて変化した場合には、治療を停止することができ、システム7700は、金属/気泡を除去するために新鮮な流体で洗浄することができ、および/または衝撃波発生電極110,112を評価することができる。
【0306】
いくつかの実施形態においては、2つの電流源7708,7710は、同期して(しかし、位相は180°ずれて)約10kHzにパルス化されていてもよい。パルス化は、約20%のデューティサイクルを有していてもよい。例えば、電流源は、10kHzで約20マイクロ秒間「オン」、約80マイクロ秒間「オフ」パルスすることができる。80マイクロ秒は、導電性電極における直流電圧の検出および/または比較に十分な時間を提供することができる。
【0307】
いくつかの実施形態において、白金導電性電極7704,7706は、約6mmの直径および約2mmの幅を有していてもよい。白金導電性電極7704,7706は、約0.1mm厚のステンレス鋼により絶縁されていてもよい。
【0308】
いくつかの実施形態においては、白金導電性電極7704,7706は、約0.5mmの直径を有していてもよい。白金導電性電極7704,7706は、パリレンにより絶縁されていてもよい。いくつかの実施形態においては、白金導電性電極7704,7706は、衝撃波発生電極110,112の高電圧パルスに同期した(位相のずれた)露出した先端を有していてもよい。
【0309】
いくつかの実施形態においては、導電性セルは、本明細書に記載されるように(例えば、
図84から
図85のように)、受動的キャビテーション検出器または紫外線放射源をさらに備えていてもよい。
【0310】
図78は、導波器7802および埋め込まれた導電率センサ7702を備える例示的な衝撃波発生装置7800の側面図である。衝撃波導波器7802は、本明細書に記載される衝撃波導波器のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置7800は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよい。例えば、衝撃波発生装置7802は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってよく、電極は流体充填チャンバ106の近位端の近くに配置され、眼球接触面104は、細長い中央部分7802が眼球との間に導波器を提供しながら流体充填チャンバ106の遠位端に配置されている。眼球接触面104は、例えば、本明細書に記載されるようなPET膜により構成されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されていてもよい。本明細書に記載されるように、眼球接触面と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル、例えば、水柱が眼球接触面上または眼球接触面下に配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、流体充填チャンバ106の遠位端は、音響波エミッタと呼ぶことができる。流体充填チャンバ106の近位端は、導電率センサ7702を備える導電率セル7804を備えていてもよい。導電率センサ7702は、一定の距離を隔てて配置された一対の白金電極7704,7706を備えていてもよい。一対の白金電極7704,7706は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106内の流体の導電率を定期的または連続的にサンプリングするように構成されていてもよい。
【0311】
図79は、衝撃波導波器7902を備える例示的な音響架橋衝撃波発生装置7900の側面図である。音響架橋は、円錐角膜または角膜拡張症を治療するために使用されてもよい。衝撃波導波器7902は、本明細書に記載される衝撃波導波器のいずれかと実質的に同様であってもよい。衝撃波発生装置7900は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似していてもよい。例えば、衝撃波発生装置7900は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってもよく、電極110,112は、流体充填チャンバ106の近位端の近くに配置され、眼球接触面104は、眼球との間に導波器を提供する細長い中央部分7902を備える流体充填チャンバ106の遠位端に配置されている。眼球接触面104は、例えば、本明細書に記載されるようなPET膜により構成されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球200の表面500に結合されるように構成されていてもよい。眼球接触面104と眼球の表面500との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載されるように衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル、例えば、水柱が眼球接触面104上または眼球接触面下に配置されていてもよい。いくつかの実施形態においては、角膜2206への薬物送達のために、酸素および/または1つ以上の治療物質のリザーバ7904が眼球接触面104上または眼球接触面下に配置されていてもよい。リザーバ7904は、真空封止された固定リング1202により眼球200に結合されていてもよい。衝撃波発生装置によって発生する衝撃波は、薬物透過性を改善するために、対象の角膜組織の表面断片化および/または微細穿孔を引き起こすことによって、角膜2206への(例えば、上皮への)薬物送達を強化してもよい。
【0312】
PET膜104は、眼球および薬物/酸素リザーバ7904から高電圧流体機器を分離することができる。PET膜104は、音響的に透明であってもよい。PET膜104は、約2.5マイクロメートルから約12.5マイクロメートルの範囲内の厚さを有していてもよい。PET膜104は、流体充填チャンバ106内の少なくとも約100PSIの生理食塩水圧に耐えるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、PET膜104は、集束/非集束音響レンズおよび/または平面波メニスカスレンズによって置き換えられてもよい。
【0313】
いくつかの実施形態においては、治療物質は、リボフラビン、リボフラビンナノ粒子、またはローズベンガルなどの光増感剤を含んでいてもよい。
【0314】
音響放射力(すなわち、衝撃波からの力)は、治療物質(複数可)を組織内へ送り込むことができる。代替的に、または組み合わせて、テイラーコーンの形成およびクーロン核分裂を介したエレクトロスプレー法が、治療物質(複数可)を組織表面上に分散させるために使用されてもよい。
【0315】
いくつかの実施形態においては、リザーバ7904は、外部ソース/リザーバ(複数可)から眼球接触面104下の角膜2206に酸素および/または治療物質を循環させるための流体入口7908および流体出口7910を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、同じ流体入口7908および流体出口7910が、各物質に対して使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、各物質は、専用の流体入口および流体出口を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、酸素は、電気分解および眼球への送達のために電気化学セルを使用して生成されてもよい(例えば、15ml/分で95%の酸素)。
【0316】
流体充填チャンバ106の近位端は、光源7906を備えるか、またはこれに結合されていてもよい。例えば、光源7906は、紫外線発光ダイオード(LED)(例えば、365nmの波長)または外部の紫外線LEDもしくはレーザ等に結合された光ファイバであってもよい。いくつかの実施形態においては、光源7906は、緑色LED(例えば、波長525nm)、または外部の緑色LEDもしくはレーザ等に結合された光ファイバであってもよい。酸素および/またはリボフラビン(または他の紫外線感受性または光増感治療物質)の送達中またはそれに続いて、紫外線光源7906は、(例えば、円錐角膜の治療のために)角膜2206を架橋するために使用されてもよい。酸素供給および/または光増感により、架橋が促進することができる。
【0317】
いくつかの実施形態においては、光源7906は、約20mW/cm2の強度を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、光源7906は、約3mW/cm2の強度を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、光源7906は、約9mW/cm2の強度を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、光源7906は、約10mW/cm2の強度を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、光源7906は、約15mW/cm2の強度を有していてもよい。
【0318】
いくつかの実施形態においては、酸素および/または他の治療物質は、同時またはその後の架橋なしに、衝撃波発生装置7900を使用して眼球200に送達されてもよい。
【0319】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置7900は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ106内において循環されてもよい。流体入口108は、衝撃波発生装置7900の遠位部分(例えば、導波器7902の遠位部分)に流体を供給するように構成されてもよく、流体出口109は、衝撃波の進行方向と反対の方向にハウジング102を通って流体が流れるように衝撃波発生装置7900の近位部分(例えば、電極110,112の近く)から流体を除去するように構成されていてもよい。
【0320】
衝撃波導波器7902は、約1mmから約8mmの範囲内の外径、例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、または約8mmの外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。衝撃波導波器7902は、約7mmの外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。導波器7902は、約0.5mmの壁厚を有していてもよい。
【0321】
いくつかの実施形態においては、導波器7902は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器7902は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器は、約12mmから約80mmの範囲内の長さ、例えば、約20mmの長さを有していてもよい。衝撃波導波器7902は、約40mmの長さを有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。
【0322】
いくつかの実施形態においては、1つ以上の音響架橋衝撃波発生装置7900は、本明細書に記載するように、流体充填コンタクトレンズに結合されていてもよい。
【0323】
いくつかの実施形態においては、導波器7902を備える1つ以上の音響架橋衝撃波発生装置7900は、本明細書に記載のように、調節可能なゴーグルなどのトライアルフレームに取り付けられていてもよい。
【0324】
図80は、衝撃波導波器7902を備える例示的な音響架橋衝撃波発生装置8000の側面図である。音響架橋衝撃波発生装置8000は、
図79に示される衝撃波発生装置と実質的に類似していてもよい。音響架橋衝撃波発生装置8000は、本明細書に記載される光源7906(例えば、緑色または紫外線LED)を備えていてもよい。光源7906は、周期的にオン/オフさせてもよい。いくつかの実施形態においては、光源オフサイクルは、同時衝撃波媒介薬物(例えば、酸素およびリボフラビン)送達のための流体充填チャンバ106内の高電圧電極110,112のオンサイクルに対応してもよい。光源7906(および任意に衝撃波発生電極110,112)のオン/オフサイクルは、約5秒毎であってもよい。酸素は、大気中から低電力電流源(例えば、単三電池)によって駆動される電解槽セルによって生成されてもよく、患者インターフェースの吸引リング1202の流体入口8002に送達される。リボフラビンは、本明細書に記載されるように、同じ流体入口8002または異なる流体入口8004に送達されてもよい。酸素(およびリボフラビン等)は、本明細書に記載されるように、衝撃波と共に角膜2206に押し込まれてもよい。オン/オフ光サイクルは、角膜の架橋の所望のレベルを達成するために必要に応じて繰り返されてもよい。
【0325】
例えば、組織を0.1%のリボフラビンに30分間浸し、その後、少なくとも約3mW/cm2の紫外線照射を片眼につき30分間行ってもよい。いくつかの実施形態においては、リボフラビン送達は、音響放射力衝撃波療法によって強化することができる。音響放射力(すなわち、衝撃波からの力)は、治療物質(複数可)を組織内に送り込むことができる。その後、9mW/cm2の強度の10分間の紫外線照射を、同時酸素浸漬(例えば、約16ml/分の電気化学セル流速)により適用してもよい。衝撃波療法は、一対のトライアルフレームゴーグルに装着されたシステムにより提供されてもよい。
【0326】
いくつかの例においては、リボフラビン送達は、上皮を温存する5分サイクルにおいて角膜を標的とした音波を使用し、その後、細胞生成(-90%純粋)酸素および約10mW/cm2の強度において紫外線照射を約10分間行うことにより、強化することができる。総治療時間は、片眼につき約15分である。
【0327】
図81は、受動的キャビテーション検出のための例示的なシステム8100の概略図である。本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかが、受動的キャビテーション検出器8104を備えていてもよい。パルシング中、受動キャビテーション検出器8104は、衝撃波発生装置8102による衝撃波発生(例えば、「メインバンディレイ」8108)、および組織200内のキャビテーションの形成および消滅8110を検出するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、受動的キャビテーション検出器8104は、ハイドロフォンなどの圧電検出器から構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、受動的キャビテーション検出器8104は、組織200内のキャビテーション気泡の形成および消滅8110を示す信号8106を検出することができる。信号8106は、術中に抽出され得る気泡に関するタイミングおよびスペクトル情報(例えば、リバウンドラグ、強度など)を含んでいてもよい。気泡の崩壊の速度は、眼圧(IOP)に関連し得るので、受動的キャビテーション検出は、侵襲性なしに術中に間接的にIOPを測定するために利用することができる。眼圧測定は、緑内障治療中および/または、選択的衝撃波治療の安全性および効率性の向上に特に有効であると考えられる。
【0328】
治療される眼球の前房水中における定常状態のキャビテーション気泡溶解時間は、眼圧に反比例する場合がある。受動的キャビテーション検出器8104は、前房からの組織気泡の信号(例えば、反射振幅および消失までの時間)を記録するために使用されてもよい。流体充填衝撃チャンバ106内のスパークギャップ114によって組織内に誘導される気泡のサイズは、(例えば、パルス周波数および電圧調整によって)2つの選択された平均気泡雲サイズに設定することができ、組織定常バブル溶解速度は、受動的キャビテーション検出器の信号8106の平均化およびフィルタリングに続いて抽出されてもよい。このプロセスは、完全に非侵襲的であり、術中にリアルタイムで行われてもよい。
【0329】
眼球200(すなわち、圧力容器)は、固有流体圧力(「IOP」)に起因して振動するキャビテーション気泡のサイズに力を与える。受動的キャビテーション検出器8104および高周波衝撃波発生装置8102は、「刺激のない」気泡雲サイズ最大値を抽出するために相互作用してもよい。次に、第2の既知の刺激(例えば、一次高周波共振の11分の1)が、小型超音波発生装置(例えば、28kHz)により適用されてもよく、気泡雲サイズの最大値がPCD/PCソフトウェアにより抽出されてもよい。このシーケンスは、眼圧抽出の精度を向上させるために、数百サイクル(例えば、0.1秒から1秒)にわたって繰り返されてもよい。
【0330】
いくつかの実施形態においては、IOPは、受動キャビテーション検出器8104の代わりに、または、それに加えて、エアパフ眼圧計などの他の非接触方法を用いて測定されてもよい。
【0331】
いくつかの実施形態において、受動キャビテーション検出器8104は、約10MHzの周波数で動作し、高い音響インピーダンスを有していてもよい。
【0332】
いくつかの実施形態においては、繰り返しの治療のために均一な音響エネルギ信号(平均、標準偏差)が放射されることを確実にするために、使用前に衝撃波生成および再現性を特徴付けることが有益である場合がある。本明細書に記載されるシステムのいずれかは、眼球内使用の前に、その音響放射フットプリントを迅速にチェックすることができる。例えば、音響圧力カラーマップは、衝撃波の照射によって富士フイルム社のプレスケール上に取り込まれてもよい。音響圧力カラーマップは、生理食塩水中において短時間(例えば、10ミリ秒から1秒)だけ典型的な治療設定(例えば、電圧、周波数など)を利用して、基準画像と比較するために画像処理および分析されてもよい。プレカットされた富士フイルム社のプレスケール(耐水性プラスチック製スリーブポケットに封入された精度が高い感圧範囲)は、使い捨てであってもよい。カラーカメラと白色光照明により、フィルム上に最も高い音圧をフィルムに写し取ることができる。ボアスコープのような光ファイバを使用して、カメラとフィルムとの間において、均一な照明とカラーマップを送受信することができる。治療の開始時に±15%の精度を目標にすることができる。
【0333】
図82は、受動キャビテーション検出を備える例示的な治療システム8200を示している。システム8200は、本明細書に記載されるシステムのいずれかと実質的に類似していてもよい。システム8200は、本明細書に記載されるように、老眼、緑内障、ドライアイ疾患、AMD、円錐角膜などの治療のために構成されていてもよい。システム8200は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似する衝撃波発生装置8202を備えていてもよい。例えば、衝撃波発生装置8202は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってよく、電極110,112は、流体充填チャンバ106の近位端付近に配置され、眼球接触面104は、細長い中央部分8202が眼球との間に導波器を提供しながら流体充填チャンバ106の遠位端に配置されている。眼球接触面104は、例えば、本明細書に記載されるようなPET膜により構成されていてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球200の表面500に結合されるように構成されていてもよい。眼球接触面104と眼球の表面200との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載のように衝撃波発生装置8200から眼球200への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル、例えば、水柱が眼球接触面上または眼球接触面下に配置されていてもよい。
【0334】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置8200は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を経由して流体充填チャンバ106内において循環されてもよい。流体は、衝撃波発生中に形成された気泡および/または熱を除去するために十分な速度(例えば、約100ml/分)で循環させてもよい。流体入口108は、衝撃波発生装置8200の遠位部分(例えば、導波器8202の遠位部分)に流体を供給するように構成されてもよく、流体出口109は、衝撃波の進行方向と反対の方向にハウジング102を通って流体が流れるように衝撃波発生装置8200の近位部分(例えば、電極110,112の近く)から流体を除去するように構成されていてもよい。
【0335】
流体充填チャンバ106は、導電率センサ7702を備えていてもよい。導電率センサ7702は、一定の距離を隔てて(例えば、高電圧衝撃波発生電極110,112を両端にして)配置された一対の低電圧白金電極7704,7706を備えていてもよい。一対の白金電極7704,7706は、本明細書に記載されるように、流体充填チャンバ106内の流体の導電率を定期的または連続的にサンプリングするように構成されていてもよい。
【0336】
いくつかの実施形態においては、酸素および/または1つ以上の治療物質のリザーバ7904は、角膜2206への薬物送達のために、眼球接触面104上または眼球接触面下に配置されていてもよい。リザーバ7904は、真空封止された固定リング1202により眼球に結合されていてもよい。衝撃波発生装置によって発生する衝撃波は、薬物透過性を改善するために、対象の角膜組織の表面断片化および/または微細穿孔を引き起こすことによって、角膜2206への(例えば、上皮への)薬物送達を強化することができる。いくつかの実施形態においては、治療物質は、リボフラビン、リボフラビンナノ粒子、またはローズベンガルなどの光増感剤を含んでいてもよい。
【0337】
いくつかの実施形態においては、リザーバ7904は、外部ソース/リザーバ(複数可)から眼球接触面の下の角膜に酸素および/または治療物質を循環させるための流体入口および任意に流体出口を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、同じ流体入口および流体出口が、各物質に対して使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、各物質は、専用の流体入口および流体出口を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、酸素は、電気分解および眼球への送達(例えば、15ml/分で90%超の酸素)のために電気化学セル(複数可)8206を使用して生成されてもよい。例えば、酸素は、大気から低電力電流源(例えば、単三電池)によって駆動される電解槽セルによって生成されてもよく、患者インターフェースにおいて吸引リング1202の流体入口8002に送達されてもよい。リボフラビンは、本明細書に記載されるように、リザーバ8204から同じ流体入口8002または異なる流体入口8004に送達されてもよい。いくつかの実施形態においては、リザーバ8204は、滅菌IVバッグまたは注射器等であってもよい。
【0338】
いくつかの実施形態においては、酸素および/または他の治療物質は、同時またはその後の架橋なしに衝撃波発生装置8200を使用して眼球に送達されてもよい。
【0339】
いくつかの実施形態においては、流体充填チャンバ106の近位端は、受動的キャビテーション検出器8104を備えていてもよい。受動的キャビテーション検出器は、本明細書に記載されるように、術中にキャビテーションおよび/またはIOPを監視するように構成することができる。受動的キャビテーション検出器は、キャビテーションの強度および発生が範囲内であることを確認し、気泡の存在および抽出を確実にするために使用されてもよい。また、受動的キャビテーション検出器は、眼圧を推定するために、組織のキャビテーションの持続時間および強度を検出するために使用されてもよい。
【0340】
いくつかの実施形態においては、流体充填チャンバ106の近位端は、光源7906を構成するか、または光源7906に結合されていてもよい。例えば、光源は、紫外線発光ダイオード(LED)(例えば、365nmの波長)または外部の紫外線LEDもしくはレーザ等に結合された光ファイバであってもよい。いくつかの実施形態においては、光源は、緑色LED(例えば、波長525nm)、または外部の緑色LEDもしくはレーザ等に結合された光ファイバであってもよい。酸素および/またはリボフラビン(または他の紫外線感受性または光増感治療物質)の送達中またはそれに続いて、紫外線光源は、(例えば、円錐角膜の治療のために)角膜を架橋するために使用されてもよい。
【0341】
衝撃波導波器8202は、約1mmから約8mmの範囲内の外径、例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、または約8mmの外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。衝撃波導波器は、約7mmの外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。導波器は、約0.5mmの壁厚を有していてもよい。
【0342】
いくつかの実施形態においては、導波器は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器は、約12mmから約80mm、例えば、約20mmの範囲内の長さを有していてもよい。衝撃波導波器は、約40mmの長さを有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。
【0343】
いくつかの実施形態において、1つ以上の音響架橋衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように、流体充填コンタクトレンズに結合されてもよい。
【0344】
いくつかの実施形態においては、導波器を備える1つ以上の音響架橋衝撃波発生装置は、本明細書に記載されるように、調整可能なゴーグルなどのトライアルフレームに取り付けられていてもよい。
【0345】
図83は、導電率センサ、音響架橋、および/または受動的キャビテーション検出を備える例示的な治療システム8300の側面図である。システム8300は、
図82に示されるシステムと実質的に類似していてもよい。システム8300は、本明細書に記載されるように、1つ以上の状態を治療し、および/または眼球の表面上または表面下の1つ以上の位置を標的にするように構成されていてもよい。
【0346】
いくつかの実施形態においては、眼球接触面(例えば、PETフィルム)104は、衝撃波流体充填チャンバ106を酸素/リボフラビンリザーバ7904から流体的に分離するためにリザーバ7904に強固に密封されていてもよい。
【0347】
いくつかの実施形態においては、システム8300、または本明細書に記載のシステムのいずれかを使用して、本明細書に記載されるように、PVZを分画することができる。例えば、焦点距離が3mmの衝撃波発生装置の透明な開口部は、フレーム制御を用いてPVZの上の眼球200の表面上に配置されてもよい。生理食塩水は、流体充填チャンバ106内において循環することができ、導電率の測定および受動的キャビテーションの検出は、治療中に利用することができる。治療は、眼球の4つの象限のそれぞれにおいて、眼球の経線に沿った約4つの位置まで環状にパターン化(例えば、
図85Bに示されるように)されてもよい。システム8300は、第1の象限に対応する第1の位置に配置されてもよく、約2kVの電圧および約3kHzの周波数で発生する衝撃波によりPVZを約1分間治療してもよい。その後、システム8300は、治療のために第2の象限に対応する第2の位置に再位置決めされてもよく、以下同様とすることができる。いくつかの実施形態においては、8箇所以上が、本明細書に記載されるように、環状に沿って治療されてもよい。
【0348】
いくつかの実施形態においては、システム8300、または本明細書に記載のシステムのいずれかを使用して、本明細書に記載のように水晶体を分解することができる。例えば、8mm角の衝撃波発生装置の透明な開口部は、眼球200の角膜の上に配置されてもよい。生理食塩水は、流体充填チャンバ106内において循環されてもよく、導電率の測定および受動的キャビテーションの検出は、治療中に利用されてもよい。水晶体は、約0.5kVの電圧および約4kHzの周波数で発生する衝撃波により約1分間治療されてもよい。
【0349】
いくつかの実施形態においては、システム8300、または本明細書に記載のシステムのいずれかを使用して、本明細書に記載のように、繊維柱帯および/またはシュレム管を拡張および/または除去することができる。例えば、3mm角の衝撃波発生装置の透明な開口部は、フレーム制御を用いて辺縁の上の眼球200の表面上に配置されてもよい。生理食塩水は、流体充填チャンバ106内において循環されてもよく、導電率の測定および受動的キャビテーションの検出は、治療中に利用されてもよい。治療は、眼球の4つの象限のそれぞれにおいて、眼球の経線に沿った4つの位置まで環状にパターン化(例えば、
図85Aに示すように)されてもよい。システム8300は、第1の象限に対応する第1の場所に配置されてもよく、約1kVの電圧および約4kHzの周波数で発生する衝撃波により、繊維柱帯および/またはシュレム管を約30秒間治療してもよい。その後、システム8300は、治療のために第2の象限に対応する第2の位置に再位置決めされてもよく、以下同様とすることができる。受動キャビテーション検出器8104を使用して十分なキャビテーションおよび/または十分な眼圧変化が検出されない場合には、治療が繰り返されてもよい。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載されるように、8箇所以上が、環状に沿って治療されてもよい。
【0350】
いくつかの実施形態においては、システム8300、または本明細書に記載のシステムのいずれかを使用して、本明細書に記載のように、マイボーム腺を拡張および/または除去することができる。例えば、空気充填強膜コンタクトレンズ7606が眼球200上に配置されてもよく、瞼が閉じられていてもよい。上部および下部衝撃波発生装置は、マイボーム腺上の瞼に配置されてもよい。生理食塩水は、流体充填チャンバ106内において循環されてもよく、導電率の測定および受動的キャビテーションの検出は、治療中に利用されてもよい。約2kVの電圧および約4kHzの周波数で発生する衝撃波により、約1分間マイボーム腺を治療してもよい。
【0351】
いくつかの実施形態においては、システム8300、または本明細書に記載のシステムのいずれかを使用して、本明細書に記載のように角膜を架橋することができる。例えば、十分なリボフラビンが角膜に浸透するまで、約2kVの電圧および約4kHzの周波数で生成された衝撃波を30秒間隔で供給して、リボフラビンを角膜に浸透させてもよい。その後、紫外線レーザ7906(例えば、約10mW/cm2の強度であり、波長が365nmのレーザ)を作動させる前に、酸素を30秒間注入してもよい。酸素の供給とレーザの架橋を同時に行うことは、約10分間行われてもよい。生理食塩水は、流体充填チャンバ106内において循環されてもよく、導電率の測定および受動的キャビテーションの検出は、治療中に利用されてもよい。
【0352】
図84は、音響架橋または受動キャビテーション検出を含む例示的な治療システム8400の概略図である。システム8400は、本明細書に記載されるシステムのいずれかと実質的に類似していてもよい。システム8400は、本明細書に記載される衝撃波発生装置のいずれかと実質的に類似する衝撃波発生装置を備えていてもよい。例えば、衝撃波発生装置は、ハウジング102内に配置された第1電極110および第2電極112を備えていてもよい。ハウジング102は、流体充填チャンバ106と、眼球接触面104とを備えていてもよい。ハウジング102は、実質的に管状であってもよく、電極110,112は、流体充填チャンバ106の近位端の近くに配置され、眼球接触面104は、眼球との間に導波菅を提供する細長い中央部分8402を備える流体充填チャンバ106の遠位端に配置されている。眼球接触面104は、例えば、本明細書に記載されるようなPET膜により構成されてもよい。眼球接触面104は、患者の眼球の表面に結合されるように構成されてもよい。眼球接触面と眼球の表面との間の接触を容易にするため、および/または本明細書に記載されるように衝撃波発生装置から眼球への衝撃波の伝達を促進するために、結合用流体またはゲル、例えば、水柱が眼球接触面104上または眼球接触面下に配置されていてもよい。
【0353】
いくつかの実施形態においては、衝撃波発生装置は、本明細書に記載するように、流体充填チャンバ106と流体連通する流体入口108および流体出口109をさらに備えていてもよい。流体は、流体入口108および流体出口109を介して流体充填チャンバ106内で循環されてもよい。流体は、衝撃波発生中に形成された気泡および/または熱を除去するのに十分な速度(例えば、約100ml/分)により循環させてもよい。流体入口108は、流体を衝撃波発生装置の遠位部分(例えば、導波器8402の遠位部分)に送達するように構成されてもよく、流体出口109は、流体がハウジング102を通って衝撃波の進行方向と反対の方向に流れるように、衝撃波発生装置の近位部分(例えば、電極110,112の近く)から流体を除去するように構成されていてもよい。
【0354】
いくつかの実施形態においては、流体充填チャンバ106の近位端は、導波器を経由して所望の所定の位置に向かって衝撃波を集束させるために、反射器として機能するように構成されてもよい。代替的に、または組み合わせて、1つ以上の反射器802が、衝撃波を集束させるために流体充填チャンバ106の内面に結合されていてもよい。流体充填チャンバ106の内壁は、楕円体であってもよい。代替的に、または組み合わせて、導波器8402の遠位部分は、眼球の表面上または表面下の所定位置に衝撃波を集束するように構成されていてもよい。
【0355】
代替的に、または組み合わせて、流体充填チャンバ106の近位端は、本明細書に記載のように、流体充填チャンバ内の流体の導電率を定期的または連続的にサンプリングするように構成された導電率センサを備える導電率セル7702を備えていてもよい。
【0356】
代替的に、または組み合わせて、流体充填チャンバ106の近位端は、本明細書に記載されるように、受動キャビテーション検出器8104を備えていてもよい。
【0357】
代替的に、または組み合わせて、流体充填チャンバ106の近位端は、本明細書に記載されるように、音響架橋用光源7906を備えていてもよい。
【0358】
いくつかの実施形態においては、酸素および/または1つ以上の治療物質のリザーバ7904は、本明細書に記載されるように角膜への薬物送達のために眼球接触面104上または眼球接触面下に配置されていてもよい。リザーバ7904は、真空封止された固定リング1202により眼球に結合されてもよい。衝撃波発生装置によって発生する衝撃波は、本明細書に記載されるように薬物透過性を改善するために、対象の角膜組織の表面断片化および/または微細穿孔を引き起こすことによって、角膜への(例えば、上皮への)薬物送達を強化してもよい。いくつかの実施形態においては、治療物質は、リボフラビン、リボフラビンナノ粒子、またはローズベンガルなどの光増感剤を含んでいてもよい。
【0359】
いくつかの実施形態においては、リザーバ7904は、外部ソース/リザーバ(複数可)8404から眼球接触面の下の角膜に酸素および/または治療物質を循環させるための流体入口8406および任意に流体出口8408を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、同じ流体入口8406および流体出口8408が、各物質に対して使用されてもよい。いくつかの実施形態においては、各物質は、専用の流体入口および流体出口を有してもよい。いくつかの実施形態においては、酸素は、電気分解および眼球への送達(例えば、15ml/分で90%超の酸素)のために電気化学セル(複数可)8206を使用して生成されてもよい。例えば、酸素は、大気から低電力電流源(例えば、単三電池)によって駆動される電解槽セルによって生成されてもよく、患者インターフェースにおいて吸引リング1202の流体入口8002に送達されてもよい。リボフラビンは、本明細書に記載されるように、リザーバ8204から同じ流体入口8002または異なる流体入口8004に送り出されてもよい。
【0360】
いくつかの実施形態においては、酸素および/または他の治療物質は、同時またはその後の架橋なしに衝撃波発生装置を用いて眼球に送達されてもよい。
【0361】
衝撃波導波器8402は、約1mmから約8mmの範囲内、例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約5mm、または約8mmの外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。衝撃波導波器は、約3mmまたは約7mmの外径を有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。導波器は、約0.5 mmの壁厚を有していてもよい。
【0362】
いくつかの実施形態においては、導波器8402は、約1cmから約2cmの範囲内の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、導波器は、約12mm以上の長さを有していてもよい。例えば、導波器は、約12mmから約80mm、例えば、約20mmの範囲内の長さを有していてもよい。衝撃波導波器は、約15mmまたは約30mmの長さを有するステンレス鋼管から構成されていてもよい。
【0363】
図85Aから
図85Fは、様々な標的とする適応症のための例示的な治療パターンを示している。本明細書に記載される衝撃波発生装置またはシステムのいずれかは、
図85Aから
図85Fに示されるような適応症を治療するために使用することができる。例えば、導波器を構成する1つ以上の衝撃波発生装置は、標的とされた適応症に対応するパターンによって、本明細書に記載されるように一対のトライアルフレームゴーグルに取り付けられてもよい。
【0364】
図85Aは、緑内障の治療パターン8501を示す図である。平面波は、マイクロソノポレーションのために、辺縁および/または強膜に向かって向けられてもよい。代替的に、または組み合わせて、衝撃波は、緑内障治療のために水分の生成を減少させるために、非熱的毛様体プロセスの分画のために使用することができる。いくつかの実施形態においては、マイクロポレーショントラックは、血液、酸素、栄養、および/またはリンパの流れを増強するため、および/または組織内の流体の伝導速度を増加させるために生成することができる。
【0365】
図85Bは、老眼のための治療パターン8502を示している。平面波および/または集束波は、マイクロソノポレーションおよび/または断片化のために、傍縁強膜および/または後部硝子体小帯に向かって向けることができる。
【0366】
図85Cは、角膜薬剤(例えば、リボフラビン)送達のための(落射蛍光性架橋なし)治療パターン8503を示している。低出力平面波を角膜(例えば、上皮)に向けて、その表面断片化およびマイクロポレーションを行い、そこへの薬物送達を強化することができる。
【0367】
図85Dは、音響架橋/加速架橋のための治療パターン8504を示している。平面波は、本明細書に記載されるように、リボフラビンおよび/または酸素の送達を強化するために角膜に向けることができる。その場合においては、本明細書に記載されるように、角膜を照射し架橋するために紫外線が使用されてもよい。
【0368】
図85Eは、ドライアイ疾患に対する治療パターン8505を示している。平面波は、その血管拡張および/または剥離のために、任意に角膜保護のためのコンタクトレンズの助けを借りて、瞼のマイボーム管/腺に向かって向けられてもよい。
【0369】
図85Fは、AMDのための治療パターン8506を示している。平面波は、網膜/リンパ叢の拡張および/または音波刺激のために、網膜に向かってに向けられてもよい。
【0370】
ドライAMDの場合には、非選択的低出力治療は、血管拡張および/または網膜の老化細胞の刺激に十分な網膜の音波刺激を誘発することができる。新生血管形成を示すウェットAMDの場合には、網膜の新生血管形成部位において衝撃波治療を優先的に強化し、周辺組織を温存しながら新生血管の漏出を減少または排除(例えば、断片化)することが有益である場合がある。少なくともいくつかの実施例においては、衝撃波療法は、組織へのナノ粒子および/またはマイクロバブルの選択的播種によって局所的に強化される可能性がある。本明細書に記載されるように、播種されていない組織に限定的な影響を及ぼし得る低線量衝撃波エネルギは、マイクロバブル播種組織を選択的に断片化する可能性がある(例えば、崩壊するマイクロバブルは、本明細書に記載されるように細胞に直接損傷を与える可能性がある)。いくつかの実施形態においては、マイクロバブルまたはマイクロバブル形成増大粒子は、血流に注入され、網膜新生血管の漏れやすい性質のために、新生血管に隣接する網膜組織内に蓄積される可能性がある。あるいは、レーザエネルギを網膜の所望の治療部位に集束し、その部位にマイクロバブル形成を誘導することも可能である。複数の範囲の波長、すなわち、532nm、590nm、フェムトレーザ、近赤外線、中赤外線、または6μmから10μmの範囲の波長は、組織におけるマイクロバブル形成を誘導するために使用することができる。レーザは、パルス状のピコ秒、ナノ秒、またはマイクロ秒のレーザであってもよい。マイクロバブルが播種されると、本明細書に記載されるように、低エネルギ衝撃波療法が網膜に向けられ、マイクロバブルを介在させて播種された組織において治療は選択的に強化されてもよい。
【0371】
本明細書に記載されたシステムのいずれかを使用して、眼球の水晶体嚢に対して嚢切除術または嚢切開術を実施することができる。例えば、水晶体超音波乳化吸引術(PHACO)/白内障治療中に挿入された眼内レンズ上に配置されたソフトコンタクトレンズから噴出するマイクロバブルは、超音波照射された5.5mmの中心水晶体を乳化させ、白内障レンズを軟化させることができる。この治療においては、露出および循環するマイクロバブルの相互作用/パターニングに応じて、嚢切除術または嚢切開術を行うことができる。マイクロバブルおよび/または微粒子は、音響シールドまたはキャビテーション播種粒子として選択的に機能することができる。白内障手術中における衝撃波照射による表面の切開中において、挿入された薄いカプセル型IOLを通してこれらをチャネリングすると、チャネルの空間パターンおよびその中のいずれかの(微粒子またはマイクロバブル)の時限的流れに従って、カプセルおよび/または水晶体にエネルギを入れることができる。
【0372】
当業者には理解されるように、本明細書に記載された衝撃波発生装置およびシステムのいずれかは、互いに組み合わせられてもよいし、別のものに置き換えられてもよく、したがって、任意の数の組み合わせが使用されてもよい。例えば、衝撃波発生のための一対の電極を備える、本明細書に記載された装置およびシステムのいずれかが、代わりに、本明細書に記載されるような圧電、レーザ、または磁気電気衝撃波発生機構を利用してもよい。さらに、角膜温存コンタクトレンズ、コンタクトレンズバルーン、衝撃波導波器、集束衝撃波発生装置、反射器、可変焦点レンズ、非集束衝撃波発生装置、導電率センサ、電流センサ、圧力センサ、受動的キャビテーション検出器、撮像システム、薬剤送達リザーバ、架橋型レーザエネルギ源、気泡除去用流体再循環システムなどの衝撃波発生装置およびシステムの様々な特徴が、ここに記載されている。当業者であれば、これらの特徴を互いに組み合わせてもよいし、互いに置き換えてもよく、したがって、任意の数の組み合わせを使用することができることを理解するであろう。
【0373】
本明細書においては、a)老眼、緑内障、ドライアイ疾患、ドライAMD、ウェットAMD、円錐角膜、角膜拡張症などの治療方法およびパターン、並びに、b)繊維柱帯、シュレム管、毛様体(例えば、毛様体突起、筋肉、毛様体の前部/後部/中等部などの選択された部分)、毛様体扁平部、毛様体ひだ部、角膜、強膜、水晶体、網膜、眼窩、眼窩周囲、中間硝子体小帯(IVZ)、後部硝子体小帯(PVZ)、硝子体、眼瞼、および/またはマイボーム腺の1以上を含む眼球上または眼球内の標的位置について説明をしてきた。当業者であれば、これらの治療方法、パターン、および標的位置は、治療される適応症、または適応症の組み合わせに基づいて選択され得ることを理解するであろう。装置およびシステムは、1つ以上の適応症について1つ以上の標的位置を所望に応じて同時または順次に治療するように構成することができる。いくつかの実施形態においては、システムは、患者の眼球からシステムを離すことなく複数の適応症を治療するために、眼球の表面に隣接する異なる位置に配置し、眼球上のまたは下の異なる標的位置に焦点を合わせた(または焦点を合わせない)複数の衝撃波発生装置を備えていてもよい。当業者であれば、これらの治療位置、方法、パターンを互いに組み合わせてもよいし、互いに置き換えてもよく、したがって、任意の数の組み合わせを使用することができることを理解するであろう。
【0374】
本明細書においては、本発明の好ましい実施形態を示し、説明したが、このような実施形態が単なる例として提供されることは、当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換は、当業者であれば行うことができるであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に採用され得ることが理解されるべきである。以下の請求項が本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。
【国際調査報告】