IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山▲東▼鼎盛精工股▲フン▼有限公司の特許一覧

特表2022-544223単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム
<>
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図1
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図2
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図3
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図4
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図5
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図6
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図7
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図8
  • 特表-単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/44 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
B63B35/44 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508469
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2020107082
(87)【国際公開番号】W WO2021036722
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】201910786553.7
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910786544.8
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910785784.6
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522052299
【氏名又は名称】山▲東▼鼎盛精工股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG DINGSHENG ELECTROMECHANICAL EQUIPMENT INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 欣水
(72)【発明者】
【氏名】岳 涌
(72)【発明者】
【氏名】盖 乃▲勝▼
(57)【要約】
本発明は単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームを開示し、中空構造である直立柱本体と、前記直立柱本体の底部に設置される位置決め取り付けアセンブリと、前記直立柱本体の外部に設置され、前記直立柱本体の軸線の回りに回転可能であり、且つ係留接続装置を備える回転台と、前記直立柱本体の頂部に設置され、前記回転台の上方に位置し、且つ採油作業アセンブリが設置される採油作業プラットフォームと、前記直立柱本体の内部に設置され、且つ前記採油作業プラットフォームに接続可能である少なくとも1つの筒内坑溝と、を備える。限界油田採掘の経済性指標に適応可能である。それと同時に、単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム及び石油生産作業のための回転係留輸送システムを開示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームであって、
中空構造である直立柱本体と、
前記直立柱本体の底部に設置される位置決め取り付けアセンブリと、
前記直立柱本体の外部に設置され、前記直立柱本体の軸線の回りに回転可能であり、且つ係留接続装置を備える回転台と、
前記直立柱本体の頂部に設置され、前記回転台の上方に位置し、且つ採油作業アセンブリが設置される採油作業プラットフォームと、
前記直立柱本体の内部に設置され、且つ前記採油作業プラットフォームに接続可能である少なくとも1つの筒内坑溝と、を備えることを特徴とする単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項2】
前記位置決め取り付けアセンブリは若干の杭基礎と、前記杭基礎と直立柱本体とを接続する配管と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項3】
前記位置決め取り付けアセンブリは直立柱本体の底部に沿って下向きに延在する杭基礎本体を備えることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項4】
前記回転台は回転台本体及び回転台ベアリングを備え、前記回転台ベアリングの内輪は前記直立柱本体に固定して接続されることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項5】
前記回転台に接続される回転輸送アセンブリを更に備え、前記回転輸送アセンブリは若干の回転輸送ジョイント、内部輸送ユニット及び外部輸送ユニットを備え、
前記回転輸送ジョイントは、
前記直立柱本体に固定して接続される内部輸送輪と、
前記回転台に従って前記内部輸送輪に対して回動する外部輸送輪と、を備え、
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間には回動過程において輸送を維持できる輸送構造を有し、
前記内部輸送ユニットは前記輸送構造及び前記採油作業アセンブリに接続され、
前記外部輸送ユニットは前記輸送構造に接続されることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項6】
前記採油作業プラットフォームは坑口デッキを備え、前記採油作業アセンブリは採油ツリー、マニホールド端末及び生産支援システムのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項7】
前記採油作業プラットフォームは、前記坑口デッキの上方に設置され、改修設備を支えることに用いられる改修デッキを更に備えることを特徴とする請求項6に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項8】
前記筒内坑溝は前記採油作業プラットフォーム又は採油作業アセンブリに接続される遮水管を備え、
前記直立柱本体の内部には前記遮水管を支持する位置決め分離構造が設置されることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項9】
前記係留接続装置は回動関節と、前記回動関節に設置される解除装置とを備え、前記解除装置は前記回動関節と前記回転台との接続を取り除くことに用いられ、又は前記解除装置は前記解除装置と前記回動関節との接続を取り除くことに用いられることを特徴とする請求項1に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項10】
油田生産作業システムであって、
請求項1~9のいずれか1項に記載の単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームと、
浮体式生産貯蔵積出設備と、
前記浮体式生産貯蔵積出設備及び前記係留接続装置に接続される係留装置と、を備えることを特徴とする油田生産作業システム。
【請求項11】
単一直立柱型坑口生産作業プラットフォームであって、
中空構造である直立柱本体と、
前記直立柱本体の底部に設置される位置決め取り付けアセンブリと、
前記直立柱本体の頂部に設置され、且つ採油作業アセンブリが設置される採油作業プラットフォームと、
前記直立柱本体の内部に設置され、且つ前記採油作業プラットフォームに接続可能である少なくとも1つの筒内坑溝と、を備えることを特徴とする単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項12】
前記位置決め取り付けアセンブリは若干の杭基礎と、前記杭基礎と直立柱本体とを接続する配管と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項13】
前記位置決め取り付けアセンブリは直立柱本体の底部に沿って下向きに延在する杭基礎本体を備えることを特徴とする請求項11に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項14】
前記直立柱本体の中空部分の径方向寸法は2メートル~6メートルであることを特徴とする請求項11に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項15】
前記筒内坑溝は前記採油作業プラットフォーム又は採油作業アセンブリに接続される遮水管を備え、
前記直立柱本体の内部には前記遮水管を支持する位置決め分離構造が設置されることを特徴とする請求項11に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項16】
前記遮水管の数は複数であり、
前記位置決め分離構造は、
前記遮水管の外部に套設され、且つそれぞれが順に接続リブにより接続される複数の位置決め輪と、
前記位置決め輪及び/又は接続リブに接続され、且つ前記直立柱本体の中空部分の内壁に当接又は接続される径方向支持材と、を備えることを特徴とする請求項15に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項17】
前記遮水管は前記直立柱本体の軸線の回りに円周方向に均一に配置されることを特徴とする請求項16に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項18】
前記採油作業プラットフォームは坑口デッキを備え、前記採油作業アセンブリは採油ツリー、マニホールド端末及び生産支援システムのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項11に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項19】
前記採油作業プラットフォームは、前記坑口デッキの上方に設置され、改修設備を支えることに用いられる改修デッキを更に備えることを特徴とする請求項18に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項20】
前記採油作業プラットフォームは更にマニホールドデッキ及び/又は注水デッキ及び/又は乗船デッキを備えることを特徴とする請求項18又は19に記載の単一直立柱型坑口生産作業プラットフォーム。
【請求項21】
回転係留輸送システムであって、
若干の回転輸送ジョイント、内部輸送ユニット及び外部輸送ユニットを備え、
各前記回転輸送ジョイントは、
内部輸送輪と、
前記内部輸送輪に対して回動可能である外部輸送輪と、を備え、
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間には回動過程において輸送を維持できる輸送構造を有し、
前記内部輸送ユニットは前記内部輸送輪に接続され、
前記外部輸送ユニットは前記外部輸送輪に接続され、
各前記回転輸送ジョイントの内部輸送輪が固定して接続されることを特徴とする回転係留輸送システム。
【請求項22】
若干の前記回転輸送ジョイントは上から下まで順に配置され、下方に位置する回転輸送ジョイントの内部輸送輪に接続される内部輸送ユニットは上方に位置する回転輸送ジョイントの内部輸送輪に開設される内部通路を通ることを特徴とする請求項21に記載の回転係留輸送システム。
【請求項23】
少なくとも1つの前記回転輸送ジョイントは流体輸送ジョイントであることを特徴とする請求項21又は22に記載の回転係留輸送システム。
【請求項24】
前記輸送構造は前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に形成される環状流体溝であり、前記内部輸送ユニットは流体管路を備え、前記流体管路が前記環状流体溝と連通することを特徴とする請求項23に記載の回転係留輸送システム。
【請求項25】
前記流体輸送ジョイントが輸送する流体は水、石油、ガスから選ばれた1つ又は複数のものであることを特徴とする請求項23に記載の回転係留輸送システム。
【請求項26】
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に動的シールリングが設置され、前記環状流体溝と外部とを隔絶するシール構造が形成されることを特徴とする請求項24又は25に記載の回転係留輸送システム。
【請求項27】
少なくとも1つの前記回転輸送ジョイントはエネルギー輸送ジョイントであり、前記輸送構造は前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に設置されるブラシであり、前記内部輸送ユニットは前記ブラシに電気的に接続される電源コードを備え、又は、
少なくとも1つの前記回転輸送ジョイントはデータ輸送ジョイントであり、前記輸送構造は前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に設置されるブラシであり、前記内部輸送ユニットは前記ブラシに電気的に接続されるデータ線を備えることを特徴とする請求項21に記載の回転係留輸送システム。
【請求項28】
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に動的シールリングが設置され、前記環状流体溝と外部とを隔絶するシール構造が形成されることを特徴とする請求項26に記載の回転係留輸送システム。
【請求項29】
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間にベアリングが設置されることを特徴とする請求項21に記載の回転係留輸送システム。
【請求項30】
更に回転台を備え、前記回転台が各外部輸送輪に接続されることを特徴とする請求項21に記載の回転係留輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海洋油ガス開発の分野に関し、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
我が中国の浅水海域では、多くの限界油田が既に探知されている。いわゆる限界油田とは、確認埋蔵量が比較的少なく(単一油田の可採貯蔵量が約10万トン~200万トンの間である)、地理位置が分散し且つ他の大きな油田との距離が比較的遠く、従来の開発モードを用いて開発して経済効果が比較的低い油田を指す。
【0003】
1つの完全な油田開発は掘削(建造)-採油-貯蔵-輸送の4つの過程を有する必要がある。我が中国の従来の伝統的な浅水油田の開発モードは主に、(1)単一又は複数の坑口プラットフォームと、(2)浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)と、(3)FPSOを係留するジャケット及び一点システムと、(4)坑口プラットフォームとFPSOとを接続する海底パイプラインと、を含む。
【0004】
ここで、坑口プラットフォームは一般的にジャケット形式のプラットフォームであり、坑口プラットフォームに採油ツリーが搭載され、FPSOは1つの一点係留システムにより1つのジャケットに係留され、坑口プラットフォームは原油混合物を海底パイプラインによりFPSOに輸送して生産を行って貯蔵するとともに、FPSOはケーブルにより坑口プラットフォームに電力及び生活、作業に必要な液体を供給し、シャトルタンカーは定期的にFPSOに到着して原油を陸上に輸送する。
【0005】
今までよく使用されているFPSOを係留するための係留プラットフォームと、坑口プラットフォームとは形式が完全に異なる2種類のジャケットであり、通用できず、FPSOは係留プラットフォームに係留され、次に海底パイプラインにより坑口プラットフォームに接続され、安全距離を予め残すために、建設費用の高い海底パイプラインを埋設する必要がある。生産量が高く且つ数が密集する油田の場合には、係留プラットフォーム、坑口プラットフォーム及び対応して設置される海底パイプラインの建設費用は複数の油田により均等に負担されることができ、且つ高い安定性を有し、理想的な経済効果を得ることができるが、限界油田の場合には、明らかに適切ではなく、その理由は、限界油田の単位生産量が密集した高生産量油田よりも低いためであり、単一の限界油田の場合には、設備の投資が得られた収益よりも高い可能性があり、又は低い収益しか得ることができず、これに制限されて、現在ではいくつかの限界油田の開発はいずれも一時的に放置されている。
【0006】
経済的要件の考慮に基づき、2つの操作モードを用いて限界油田の開発を行うことが考えられている。
【0007】
(1)「三一」開発モード
開発済み油田から20km以内の限界油ガス田に対して、1台の坑口プラットフォーム、1本の海底パイプライン、1本の海底ケーブルを利用してその生産した油とガスを該開発済み油田に送る。
【0008】
(2)「ミツバチ型」開発モード
開発済み油田から20km以外の、開発済み油田に依存できない比較的小さくて孤立した小型限界油ガス田に対して、掘削(建造)、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活を一体にする移動可能な小型生産装置を用いて開発を行うモードである。
【0009】
現在、ほとんどの限界油田と開発済み油田との距離が20kmを超え、且つ、長さが20km内にある海底パイプラインでも、依然として高い建設費用を必要とする。従って、「ミツバチ型」開発モードは多くの限界油田を解決する主なスキームである。
【0010】
該開発モードは主に移動可能なプラットフォーム構造を提供し、これにより、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活等の作業機能を1つの小型生産装置に統合することができ、該プラットフォーム構造はミツバチのように一方の小さな油田の採油を完了した後、他方の小さな油田に移動して採油することができる。「ミツバチ型」開発モードは、限界油田に一定の経済効果を有させることができるが、プラットフォームの移動可能性を実現するために、プラットフォームの形状は一定の制限を受けて石油貯蔵を行うための十分な空間を設定しにくく、一般的に満載貯蔵量が2000トンを超えてはならず、そうすると、シャトルタンカーが油を取る回数は頻繁になりすぎて、油田全体の開発の経済性が低下してしまう。
【0011】
他の構想は、貯蔵輸送船とジャケットとを通常の生産状態において一体に接続することが考えられることであり、ジャケットが生産に用いられ、貯蔵輸送船が原油を貯蔵することに用いられ、即ち、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活機能を有するが、該方法は、生産状態にある際に貯蔵輸送船の受けた荷重が元のプラットフォームに配置される石油貯蔵装置よりも遥かに大きく、このため、システム全体の抗風波能力が比較的悪く、特に貯蔵輸送船が横波状態にあるとき、横荷重が極めて大きく、激しいパン運動に起因してジャケット又は関連設備、線路が破壊されて事故になりやすい。
【0012】
そのため、従来の坑口プラットフォーム構造を変化させることにより限界油田開発の経済的要件に適応するニーズがある。
【0013】
なお、上記内容は発明者の技術認知範囲に属し、必ずしも従来技術を構成するわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は背景技術の欠陥に対して、限界油田開発の経済性指標を改善することができる生産作業プラットフォームを提供するように意図している。採油作業装置の配置のコンパクト性を向上させ、施設の数を減少させ、投入コストを低減することができ、且つ優れた安全性及び安定性を有するとともに、1つのプラットフォームに改修、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活等の機能を統合することをサポートし、十分に大きな石油貯蔵空間に広げることをサポートする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明が用いる技術案は以下のとおりである。
【0016】
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームであって、
中空構造である直立柱本体と、
前記直立柱本体の底部に設置される位置決め取り付けアセンブリと、
前記直立柱本体の外部に設置され、前記直立柱本体の軸線の回りに回転可能であり、且つ係留接続装置を備える回転台と、
前記直立柱本体の頂部に設置され、前記回転台の上方に位置し、且つ採油作業アセンブリが設置される採油作業プラットフォームと、
前記直立柱本体の内部に設置され、且つ前記採油作業プラットフォームに接続可能である少なくとも1つの筒内坑溝と、を備える。
【0017】
上記技術案によれば、中空の直立柱本体の回りの設置、即ち直立柱本体の底部の位置決め取り付けアセンブリにより直立柱本体を油田の海域内に安定して置く。直立柱本体の外部の回転台はプラットフォームを支持して係留機能を実現し、例えば浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)を係留し、浮体式生産貯蔵積出設備は回転台に係留された後、風波に遭うとき、回転台とともに直立柱本体の回りに回動することができる。直立柱本体の内部に筒内坑溝を設置し、複数例えば3つ~6つ設置してもよく、採油作業を行うことがサポートされることができ、ここで、採油作業アセンブリは回転台の頂部の採油作業プラットフォームに設置され、直立柱本体構造を合理的に設置し、係留と採油作業とが互いに影響せずに同時に行われることができる。係留、採油作業を同一直立柱本体に基づく生産作業プラットフォームに統合することが実現され、即ち、従来の浅水油田開発モードにおける坑口プラットフォーム及び一点係留ジャケットを一体に統合し、係留プラットフォームと坑口プラットフォームとの間に設置される海底パイプラインを省略し、プラットフォームジャケットの設置数も減少させる。限界油田の開発コストを大幅に削減することができ、非常に高い普及価値を有する。
【0018】
好適な実現方式では、前記位置決め取り付けアセンブリは若干の杭基礎と、前記杭基礎と直立柱本体とを接続する配管と、を備える。
【0019】
好適な実現方式では、前記位置決め取り付けアセンブリは直立柱本体の底部に沿って下向きに延在する杭基礎本体を備える。
【0020】
選択肢として、前記直立柱本体と前記杭基礎本体とを一体に成形し、即ち直立柱本体の底部の一端を単杭の杭基礎として海底に突き立てて固定する。位置決め取り付けアセンブリの形式は異なる海況に応じて選択されてもよく、複数の位置決め方式と同時に組み合わせられてもよい。
【0021】
好適な実現方式では、前記回転台は回転台本体及び回転台ベアリングを備え、前記回転台ベアリングの内輪は前記直立柱本体に固定して接続される。
【0022】
選択した回転台のベアリングはローラベアリングであることが好ましく、このとき、前記回転台ベアリングの外輪が前記回転台本体に固定して接続される。いくつかの場合、スライドベアリングを選択してもよく、このとき、ベアリング潤滑層がベアリングの外表面と前記回転台本体により形成されたベアリング位置の内表面との間に位置し、ベアリングの内表面と直立柱本体とが仮締め方式で固定される。
【0023】
好適な実現方式では、前記回転台に接続される回転輸送アセンブリを更に備え、前記回転輸送アセンブリは若干の回転輸送ジョイント、内部輸送ユニット及び外部輸送ユニットを備え、
前記回転輸送ジョイントは、
前記直立柱本体に固定して接続される内部輸送輪と、
前記回転台に従って前記内部輸送輪に対して回動する外部輸送輪と、を備え、
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間には回動過程において輸送を維持できる輸送構造を有し、
前記内部輸送ユニットは前記輸送構造及び前記採油作業アセンブリに接続され、
前記外部輸送ユニットは前記輸送構造に接続される。
【0024】
より好適な方式は係留装置により輸送ユニットを固定することである。
【0025】
回転輸送ジョイントを設置することにより、生産作業プラットフォームにおける採油作業と係留との衝突を好適に解消する解決手段を提供し、回転台に係留される浮体式生産貯蔵積出設備は風波により駆動されて回転台が回転するように動かし、このとき、外部輸送ユニット例えば送水パイプ、送油パイプ、電源コード等を浮体式生産貯蔵積出設備に接続する際に巻回及び引張を回避するために、回転台の回転過程において回転輸送ジョイントにより外部及び内部の輸送状態の安定化を維持する必要がある。
【0026】
好適な実現方式では、前記輸送構造は流体又は電気エネルギーを輸送することに用いられる。
【0027】
好適な実現方式では、前記採油作業プラットフォームは坑口デッキを備え、前記採油作業アセンブリは採油ツリー、マニホールド端末及び生産支援システムのうちの少なくとも1つを備える。
【0028】
生産支援システムは従来の油田開発作業設備であり、電力供給施設、制御計器施設、吊り上げ施設、消火施設、安全施設、監視測定施設を含むが、それらに限らない。
【0029】
好適な実現方式では、前記採油作業プラットフォームは、前記坑口デッキの上方に設置され、改修設備を支えることに用いられる改修デッキを更に備える。
【0030】
改修設備は油圧改修のものであることが好ましく、関連する改修施設を支え、主に掘削(改修)ライザーを筒内坑溝に掘り下げる機能を提供する従来の改修リグと協働してもよい。
【0031】
好適な実現方式では、前記筒内坑溝は前記採油作業プラットフォーム又は採油作業アセンブリに接続される遮水管を備え、
前記直立柱本体の内部には前記遮水管を支持する位置決め分離構造が設置される。
【0032】
好適な実現方式では、前記係留接続装置は回動関節と、前記回動関節に設置される解除装置とを備え、前記解除装置は前記回動関節と前記回転台との接続を取り除くことに用いられ、又は前記解除装置は前記解除装置と前記回動関節との接続を取り除くことに用いられる。
【0033】
油田生産作業システムであって、
上記単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームと、
浮体式生産貯蔵積出設備と、
前記浮体式生産貯蔵積出設備及び前記係留接続装置に接続される係留装置と、を備えることを特徴とする。
【0034】
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームの応用として、浮体式生産石油貯蔵装置と協働して石油生産、石油貯蔵作業をともに実現する。該システムは石油貯蔵能力が高く、抗風波能力が強いなどの利点を有し、且つ全体施設を大幅に削減し、投入コストを大幅に削減する上で、機能が減少されず、依然として改修、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活のすべての機能を同時に有し、多くの孤立した限界油田の開発に経済効果を有させる。
【0035】
単一直立柱型坑口生産作業プラットフォームであって、
中空構造である直立柱本体と、
前記直立柱本体の底部に設置される位置決め取り付けアセンブリと、
前記直立柱本体の頂部に設置され、且つ採油作業アセンブリが設置される採油作業プラットフォームと、
前記直立柱本体の内部に設置され、且つ前記採油作業プラットフォームに接続可能である少なくとも1つの筒内坑溝と、を備える。
【0036】
上記技術案によれば、中空の直立柱本体の回りの設置、即ち直立柱本体の底部の位置決め取り付けアセンブリにより直立柱本体を油田の海域内に安定して置く。直立柱本体の内部に筒内坑溝を設置し、複数例えば3つ~6つ設置してもよく、採油作業を行うことがサポートされることができ、ここで、採油作業アセンブリは回転台の頂部の採油作業プラットフォームに設置され、直立柱本体構造を合理的に設置し、採油作業に必要な各機能をいずれも同一直立柱本体に基づく生産作業プラットフォームに統合することが実現され、即ち、海底輸送モードの場合には、FPSOを配置する必要がなく、一点係留ジャケット及びジャケットと坑口プラットフォームとの間に設置される海底パイプラインを省略し、限界油田の開発コストを大幅に削減することができ、非常に高い普及価値を有する。
【0037】
好適な実現方式として、前記位置決め取り付けアセンブリは若干の杭基礎と、前記杭基礎と直立柱本体とを接続する配管と、を備える。
【0038】
好適な実現方式として、前記位置決め取り付けアセンブリは直立柱本体の底部に沿って下向きに延在する杭基礎本体を備える。
【0039】
選択肢として、前記直立柱本体と前記杭基礎本体とを一体に成形し、即ち直立柱本体の底部の一端を単杭の杭基礎として海底に突き立てて固定する。位置決め取り付けアセンブリの形式は異なる海況に応じて選択されてもよく、複数の位置決め方式と同時に組み合わせられてもよい。
【0040】
好適な実現方式として、前記直立柱本体の中空部分の径方向寸法は2メートル~6メートルである。
【0041】
好適な実現方式として、前記筒内坑溝は前記採油作業プラットフォーム又は採油作業アセンブリに接続される遮水管を備え、
前記直立柱本体の内部には前記遮水管を支持する位置決め分離構造が設置される。
【0042】
好適な実現方式として、前記遮水管の数は複数であり、
前記位置決め分離構造は、
前記遮水管の外部に套設(外嵌)され、且つそれぞれが順に接続リブにより接続される複数の位置決め輪と、
前記位置決め輪及び/又は接続リブに接続され、且つ前記直立柱本体の中空部分の内壁に当接又は接続される径方向支持材と、を備える。
【0043】
位置決め分離により複数の筒内坑溝を直立柱本体の内部に配置することがサポートされ、且つ位置決め分離構造により複数掘削の安定生産がサポートされることができる。
【0044】
好適な実現方式として、前記遮水管は前記直立柱本体の軸線の回りに円周方向に均一に配置される。
【0045】
好適な実現方式として、前記採油作業プラットフォームは坑口デッキを備え、前記採油作業アセンブリは採油ツリー、マニホールド端末及び生産支援システムのうちの少なくとも1つを備える。
【0046】
生産支援システムは従来の油田開発作業設備であり、電力供給施設、制御計器施設、吊り上げ施設、消火施設、安全施設、監視測定施設を含むが、それらに限らない。
【0047】
好適な実現方式として、前記採油作業プラットフォームは、前記坑口デッキの上方に設置され、改修設備を支えることに用いられる改修デッキを更に備える。
【0048】
改修設備は油圧改修のものであることが好ましく、関連する改修施設を支え、主に掘削(改修)ライザーを筒内坑溝に掘り下げる機能を提供する従来の改修リグと協働してもよい。
【0049】
好適な実現方式として、前記採油作業プラットフォームは更にマニホールドデッキ及び/又は注水デッキ及び/又は乗船デッキを備える。
【0050】
単一直立柱型坑口生産作業プラットフォームの応用として、開発済み油田に近い共有部分のエネルギー施設と協働して石油生産、石油貯蔵作業をともに実現し、油田ネットワークを形成する。該システムはFPSOを係留する必要がないため、抗風波能力が強く、且つ全体施設が大幅に削減され、投入コストが大幅に削減されるが、開発済み油田に依存して改修、生産、動力、外部輸送、生活のすべての機能を同時に有することができ、開発済み油田に近い多くの限界油田の開発に経済効果を有させる。
【0051】
また、生産作業プラットフォームの構造を改良するように意図されており、限界油田開発の経済性指標を改善することができ、採油作業装置の配置のコンパクト性を向上させ、施設数を減少させ、投入コストを削減することができ、且つ優れた安全性及び安定性を有するとともに、1つのプラットフォームに改修、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活等の機能を統合することがサポートされ、十分に大きな石油貯蔵空間に広げることがサポートされるように期待されている。重要なことは坑口プラットフォームに応用される回転係留輸送システムを提供することにあり、坑口プラットフォームに係留されるFPSOと採油作業装置との間に流体及びエネルギーの輸送を行うことができる。
【0052】
本発明は更に回転係留輸送システムを提供し、若干の回転輸送ジョイント、内部輸送ユニット及び外部輸送ユニットを備え、
各前記回転輸送ジョイントは、
内部輸送輪と、
前記内部輸送輪に対して回動可能である外部輸送輪と、を備え、
前記内部輸送輪と外部輸送輪との間には回動過程において輸送を維持できる輸送構造を有し、
前記内部輸送ユニットは前記内部輸送輪に接続され、
前記外部輸送ユニットは前記外部輸送輪に接続され、
各前記回転輸送ジョイントの内部輸送輪が固定して接続される。
【0053】
限界油田の開発採油作業において、1つの構想は坑口プラットフォームと一点で係留するジャケットとを一体に統合することであり、ここで解決する必要がある問題は、坑口プラットフォームに設置される回転台に係留されるFPSOが風波に従って揺動及び回転するため、係留過程において坑口プラットフォームに設置される採油作業装置とFPSOとの輸送が中断されず、影響もされず、且つ採油作業プラットフォームの正常稼動にも干渉しないように維持する必要があることである。
【0054】
回転輸送ジョイントを設置することにより、生産作業プラットフォームにおける採油作業と係留との衝突を解消する解決手段を提供し、回転台に係留される浮体式生産貯蔵積出設備は風波により駆動されて回転台が回転するように動かし、このとき、外部輸送ユニット例えば送水パイプ、送油パイプ、電源コード等を浮体式生産貯蔵積出設備に接続する際に巻回及び引張を回避するために、回転台の回転過程において回転輸送ジョイントにより外部及び内部の輸送状態の安定化を維持する必要がある。
【0055】
好適な実現方式として、若干の前記回転輸送ジョイントは上から下まで順に配置され、下方に位置する回転輸送ジョイントの内部輸送輪に接続される内部輸送ユニットは上方に位置する回転輸送ジョイントの内部輸送輪に開設される内部通路を通る。
【0056】
好適な実現方式として、少なくとも1つの前記回転輸送ジョイントは流体輸送ジョイントである。
【0057】
好適な実現方式として、前記輸送構造は前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に形成される環状流体溝であり、前記内部輸送ユニットは流体管路を備え、前記流体管路が前記環状流体溝と連通する。
【0058】
好適な実現方式として、前記流体輸送ジョイントが輸送する流体は水、石油、ガスから選ばれた1つ又は複数のものである。
【0059】
好適な実現方式として、前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に動的シールリングが設置され、前記環状流体溝と外部とを隔絶するシール構造が形成される。
【0060】
好適な実現方式として、少なくとも1つの前記回転輸送ジョイントはエネルギー輸送ジョイントであり、前記輸送構造は前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に設置されるブラシであり、前記内部輸送ユニットは前記ブラシに電気的に接続される電源コードを備える。又は、データを輸送することに用いられ、データ線を輸送ユニットとして用いることもできる。
【0061】
好適な実現方式として、前記内部輸送輪と外部輸送輪との間に動的シールリングが設置され、前記環状流体溝と外部とを隔絶するシール構造が形成される。
【0062】
好適な実現方式として、前記内部輸送輪と外部輸送輪との間にベアリングが設置される。
【0063】
好適な実現方式として、更に回転台を備え、前記回転台が各外部輸送輪に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
ここで説明される図面は本発明の更なる理解を提供するためのものであり、本発明の一部となり、本発明の模式的な実施例及びその説明は本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に制限するものではない。
図1図1は本発明の一実施例に係る油田生産作業システムを示す全体構造模式図である。
図2図2は本発明の一実施例に係る油田生産作業システムを示す全体構造模式図であり、且つ各部分を記す。
図3図3は本発明の一実施例に係る油田生産作業システムを示す部分構造模式図である。
図4図4は本発明の一実施例に係る単一直立柱係留型坑口プラットフォームの上半部を示す部分構造模式図であり、図中に回転台が省略されている。
図5図5は本発明の一実施例に係る単一直立柱係留型坑口プラットフォームにおける直立柱本体を示す水平断面模式図である。
図6図6は本発明の一実施例に係る単一直立柱係留型坑口プラットフォームの上半部を示す部分構造模式図であり、図中に直立柱本体の一部が省略されている。
図7図7は本発明の一実施例に係る単一直立柱係留型坑口プラットフォームにおける回転輸送ジョイントが取り付けられる部分を示す部分断面構造模式図である。
図8図8は本発明の一実施例に係る単一直立柱係留型坑口プラットフォームにおける回転台及び関連構造を示す模式図である。
図9図9は本発明の一実施例に係る単一直立柱型坑口プラットフォームを示す全体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明の全体構想をより明確に説明するために、以下に明細書の図面を参照しながら例を挙げて詳しく説明する。
【0066】
なお、本発明を十分に理解するために、以下の説明において多くの具体的な細部を説明するが、本発明は更にここで説明されるものと異なる他の方式を用いて実施されてもよく、従って、本発明の保護範囲は以下に開示される具体的な実施例により制限されるものではない。
【0067】
図面を参照しながら本発明に係る選択可能な実現方式を説明する前に、まず本発明の技術的構想を説明する。
【0068】
採油作業を実施するための従来の坑口プラットフォームは構造により制限されて一点係留システムのベアリングを取り付けることが不可能であり、坑口プラットフォームの構造を改良する必要があり、同様に、従来の係留ジャケットは採油ツリーを配置できないため、坑口とされることも不可能である。しかし、採油作業を完了するために、係留及び坑口作業はいずれも不可欠なことであり、生産量が高く且つ数が密集する油田の場合には、坑口プラットフォーム及び一点係留ジャケットを同時に配置することが実現可能であり、システム全体の使用年数が長く且つコストが複数の油田により均等に負担されることができ、単位生産量の開発コストを非常に低くすることができ、高い経済効果を有するが、限界油田の場合には、該開発モードの単位生産量のコストが比較的高く、経済的要件を満足することができない。
【0069】
そのため、本発明が実現しようとする技術的目標は以下のとおりである。単一の孤立した浅水限界油田の場合には、1セットのシステムを用いて改修、生産、動力、石油貯蔵、外部輸送、生活のすべての機能を同時に有するとともに、施設数をできる限り減少させ、投入コストをできる限り削減し、且つ正常動作状態において改修を同時に行うことができ、生産を停止する必要がなく、更に十分に大きな石油貯蔵空間をサポートすることができ、更に悪い海洋環境に抵抗する能力が強いことが必要であり、50年に一度の海況に抵抗することができ、且つ1年に一度の海況において生産を停止せず、100年に一度の極めて悪い海況において迅速に解除することができる。
【0070】
そして、上記技術的目標を実現する中核は、中空の直立柱型プラットフォーム構造を用い、直立柱本体の外部には直立柱の頂部及び内部で行われる採油作業と衝突することがない係留用回転台を設置することにある。
【0071】
図1及び図2には単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームに基づく油田生産作業システムを示す。該システムは主に浮体式生産貯蔵積出設備1、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム及び水上ソフトヨーク一点係留システムを備える。ここで、浮体式生産貯蔵積出設備の実現方式は生産貯蔵タンカーであってもよく、古いタンカーを改造してなるものであってもよく、油田の実際ニーズに応じて大きさが適切なタンカーを選択し、必要な生産施設、発電ユニット、係留支持枠、外部輸送モジュールを追加することによればよい。
【0072】
図3に示すように、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームは主に直立柱2、位置決め取り付けアセンブリ3、回転台4、坑口デッキ5、採油ツリー6、マニホールド端末7、改修デッキ8、油圧改修リグ9、回転輸送アセンブリ10及び回転台ベアリング11を備える。
【0073】
ここで、直立柱本体の直径は約2メートル~6メートルであり、杭打ちハンマーで海底に打ち込むことができ、且つ一定の深さを有し、内部が中空で筒内坑溝をアレイ状に設置して掘削ライザー又は生産ライザーを配置することができる。直立柱の底部には120度で分布する3つの配管を有し、各配管の外端は杭基礎を杭打ちすることにより海底に固定される。
【0074】
坑口デッキは直立柱本体の頂部に設置され、各本のライザーの頂部は坑口デッキに採油ツリーが設けられ、各採油ツリーが坑口デッキ上のマニホールド端末に集まる。坑口デッキの上方には改修デッキが設けられ、且つ油圧改修リグが配置される。坑口デッキの下方に回転台が設けられ、該回転台は回転台ベアリングにより直立柱本体に接続され、直立柱本体の回りに水平面内で回転することができ、回転台の上方に回転輸送アセンブリジョイントが設置され、例えばそれぞれ石油、電力、水を輸送する回転輸送ジョイントを含む。送油管、送水管及びケーブルによりマニホールドと回転ジョイントの静止部分とを接続する。
【0075】
ソフトヨーク係留システムは係留支持枠12、水平カウンターウェイトヨーク13、カウンターウェイトキャビン14、ブーム15、剛性輸送管路16、可撓性架橋管路17(流体及びエネルギーを輸送するのに使用できる)、チルトベアリング18、パンベアリング19及びカルダンジョイント20を備える。
【0076】
具体的には、ソフトヨーク一点係留システムは船上支持枠、2本のブーム及び1つの水平カウンターウェイトヨークにより構成され、カウンターウェイトヨークの一端は単一直立柱プラットフォームの回転台に接続され、その間に解除可能なカルダンジョイントが設けられ、カウンターウェイトヨークが回転台に対して任意に回転でき(即ち、水平軸、鉛直軸及び中心軸の回りに回動する)、且つ迅速に解除及びタイバックできるようにし、カウンターウェイトヨークの他端に2つのカウンターウェイトキャビンが設けられ、内部にカウンターウェイトを追加することができ、カウンターウェイトキャビンの上方はカルダンジョイントによりブームに接続され、ブームの上方はカルダンジョイントにより船上支持枠に接続される。
【0077】
図4に示すように、直立柱本体2の中空構造内に位置するのは遮水管21であり、筒内坑溝を構成する。遮水管21の数及び配列は内径及び油田ニーズによって決定されてもよく、遮水管内はライザーを伸び込むことに供することができ、ライザーは生産ライザー及び注水ライザーを含み、生産ライザーは海底の原油混合物を海底から坑口デッキ5上の採油ツリー6まで抽出し、注水ライザーは上方採油ツリー6から水を海底油井に打ち込む。坑口デッキ5上のマニホールド端末7はすべての採油ツリー6の線路を束ねることに用いられ、採油ツリー6に通じる石油、水パイプラインのほか、更にケーブルもあるが、これらの石油、水、電力は最終的にFPSOに接続される必要がある。
【0078】
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームとFPSOとの間の相互作用は2つの部分に分けられる。
【0079】
一方の部分としては、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームはFPSOに係留位置決めを提供し、FPSOの係留アンカーとして、ソフトヨークにより係留されて係留力を伝達し、且つFPSOが風波流の作用により直立柱本体の回りに回動できるようにする。図8に示すように、回転台ベアリング内輪49は直立柱本体2に固定され、回転台ベアリング外輪50は回転台4に固定されるが、回転台4はソフトヨークの水平カウンターウェイトヨーク13に接続され、従って、FPSO及びソフトヨークは回転台4が直立柱2の回りに回転するように動かすことができる。また、チルトベアリング18及びパンベアリング19は水平カウンターウェイトヨーク13のチルト及びパン回動を解除することができ、従って、水平カウンターウェイトヨーク13はFPSOの駆動により自在にパン及びチルトすることができ、且つFPSOを制約することがなく、これにより、比較的大きな荷重を受けることがサポートされ、それにより大トン数の貯蔵を提供することが許容される。一方、係留支持枠はFPSOに剛性固定され、ブーム15は係留支持枠12に懸架され、下ろされたカウンターウェイトキャビン14に接続され、FPSOがサージ運動をするとき、ブーム15は傾斜してカウンターウェイトキャビン14を持ち上げて仕事することとなるが、カウンターウェイトキャビン14のブーム15に対する牽引力は1つの水平成分を生成することとなり、この力の成分は船体の運動方向と相反して復元力とされてFPSOを平衡位置に引き戻す。また、カルダンジョイント20に迅速解除装置が設けられてもよく、設計を超える極めて悪い天気(例えば、百年に一度の海況)になると、迅速に解除することができる。迅速解除装置は分野内でよく取られる安全措置であり、荷重変化により解除を自動的に実現することができる。代替実現方式として、迅速解除装置は係留接続箇所に設置されてもよい。
【0080】
他方の部分としては、FPSOが直立柱本体に対して回転する際に石油、水、電力の輸送を維持する。この部分は主に回転輸送アセンブリ10により完了する。具体的な構造は以下のとおりである。
【0081】
また、水、石油等の流体を輸送する内輪と外輪との接触面内に環状の空きキャビティを有し、空きキャビティは2つの輪の接続面に動的シールリングが設けられ、回転時に空きキャビティ内の流体が漏れないように確保することができ、空きキャビティは内輪側と外輪側にそれぞれ1つの通路出口があり、内輪と直立柱本体との接触面に更に1つの凹溝があり、1つの下から上への通路が形成され、該通路は該回転ジョイントの下方の液体又は電力回転ジョイントの静止部分の出口の管路又はケーブルを通すものであり、坑口デッキ上のマニホールドに通じる。
【0082】
油田が正常に動作するとき、FPSOはソフトヨークの一点位置決めにより、プラットフォームの回りの回転及び限られたサージ、チルト、パン運動を行うしかできない。FPSOにおいて動力及び人的生活が提供され、電力と水が回転ジョイントを通ってプラットフォームマニホールドに到達してから採油ツリー及びライザーを通って油井に入るとともに、採集された原油混合物は採油ツリー及びライザーを通ってプラットフォームマニホールドに入ってから回転ジョイントを通ってFPSOに到達して生産を行い、且つ生産された原油をFPSOに貯蔵し、シャトルタンカーが定期的に油を取ることを待つ。改修する必要がある場合、生産を停止する必要がなく、改修する必要がある採油ツリーを一時停止し、生産又は注水ライザーを取り出して掘削ライザーに取り替え、改修リグ9により改修し、改修を完了した後、生産ライザーに取り替えて生産を行うことだけが必要となる。
【0083】
また、上記スキームに基づいて実施できる実現方式としては、
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームの上方のデッキ数は坑口デッキ及び改修デッキに限らず、更に他の生産作業に必要なデッキ、例えばマニホールドデッキ、注水デッキ、乗船デッキ等を追加してもよい。
【0084】
直立柱本体の底部の位置決め取り付けアセンブリの構造は3つの筋かいが120度の角をなす形式に限らず、海底の実際状況及び構造設計に応じて他の形式、例えばフレーム支持、片側筋かい、斜張ロープ固定等を選択してもよい。支持脚を海底に固定することは杭打ち接続に限らず、吸引アンカーを使用してもよい。更に直接に直立柱本体を単杭の杭基礎として海床に突き立ててもよい。
【0085】
回転輸送ジョイントの数は3つに限らず、油田の実際ニーズに応じて通路を追加してもよく、その種類は石油、水、電力回転ジョイントに限らず、更にガス回転ジョイント、多機能補助回転ジョイント等を追加してもよい。
【0086】
改修方式は油圧改修リグに限らず、改修デッキの上方にデリックを取り付け、従来の改修リグを用いてもよい。
【0087】
ソフトヨークシステムの迅速解除装置は水平カウンターウェイトヨークと回転台との間に設置される接続箇所に限らず、ブームとカウンターウェイトヨークとの間の接続箇所に設置されてもよい。
【0088】
そのため、本発明が実現しようとする技術的目標は、中空の直立柱型プラットフォーム構造を用い、直立柱本体の外部には直立柱の頂部及び内部で行われる採油作業と衝突することがない係留用回転台を設置することを更に含む。
【0089】
図1及び図2には単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームに基づく油田生産作業システムを示す。該システムは主に浮体式生産貯蔵積出設備1、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォーム及び水上ソフトヨーク一点係留システムを備える。ここで、浮体式生産貯蔵積出設備の実現方式は生産貯蔵タンカーであってもよく、古いタンカーを改造してなるものであってもよく、油田の実際ニーズに応じて大きさが適切なタンカーを選択し、必要な生産施設、発電ユニット、係留支持枠、外部輸送モジュールを追加することによればよい。
【0090】
図3に示すように、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームは主に直立柱2、位置決め取り付けアセンブリ3、回転台4、坑口デッキ5、採油ツリー6、マニホールド端末7、改修デッキ8、油圧改修リグ9、回転輸送アセンブリ10及び回転台ベアリング11を備える。
【0091】
ここで、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームとFPSOとの間の相互作用は2つの部分に分けられる。
【0092】
一方の部分としては、単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームはFPSOに係留位置決めを提供し、FPSOの係留アンカーとして、ソフトヨークにより係留されて係留力を伝達し、且つFPSOが風波流の作用により直立柱本体の回りに回動できるようにする。図8に示すように、回転台ベアリング内輪49は直立柱本体2に固定され、回転台ベアリング外輪50は回転台4に固定されるが、回転台4はソフトヨークの水平カウンターウェイトヨーク13に接続され、従って、FPSO及びソフトヨークは回転台4が直立柱2の回りに回転するように動かすことができる。また、チルトベアリング18及びパンベアリング19は水平カウンターウェイトヨーク13のチルト及びパン回動を解除することができ、従って、水平カウンターウェイトヨーク13はFPSOの駆動により自在にパン及びチルトすることができ、且つFPSOを制約することがなく、これにより、比較的大きな荷重を受けることがサポートされ、それにより大トン数の貯蔵を提供することが許容される。一方、係留支持枠はFPSOに剛性固定され、ブーム15は係留支持枠12に懸架され、下ろされたカウンターウェイトキャビン14に接続され、FPSOがサージ運動をするとき、ブーム15は傾斜してカウンターウェイトキャビン14を持ち上げて仕事することとなるが、カウンターウェイトキャビン14のブーム15に対する牽引力は1つの水平成分を生成することとなり、この力の成分は船体の運動方向と相反して復元力とされてFPSOを平衡位置に引き戻す。また、カルダンジョイント20に迅速解除装置が設けられてもよく、設計を超える極めて悪い天気(例えば、百年に一度の海況)になると、迅速に解除することができる。迅速解除装置は分野内でよく取られる安全措置であり、荷重変化により解除を自動的に実現することができる。代替実現方式として、迅速解除装置は係留接続箇所に設置されてもよい。
【0093】
他方の部分としては、FPSOが直立柱本体に対して回転する際に石油、水、電力の輸送を維持する。この部分は主に回転輸送アセンブリ10により完了する。回転輸送と採油作業とを互いに干渉させないために、回転係留輸送システムにおける各回転輸送ジョイントを中空形式に設置し、且つ回転係留輸送システムの位置を坑口デッキの下方に設置する。図6及び図7に示される実現方式では、回転係留輸送システムは上から下まで順に送水ジョイントS1、送油ジョイントS2及び送電ジョイントS3である。回転ジョイント内外輪(23、24、31、32、39、40)はそれぞれベアリング内外輪(27、28、35、36、43、44)に接続される。回転台4が回動するとき、ベアリング(27、28、35、36、43、44)の助力により、回転台に接続される駆動アームブラケット48及び駆動アーム47は回転ジョイント外輪24(水)、32(石油)、40(電力)がともに回転するように動かすが、回転ジョイント内輪23(水)、31(石油)、39(電力)は直立柱本体に剛性接続され、静止を維持する。回転ジョイント外輪24(水)、32(石油)と回転ジョイント内輪23(水)、31(石油)との間にそれぞれ1つの環状の空きキャビティ26、34が形成され、空きキャビティ26、34は一端がFPSOに通じるパイプ29、37に接続され、他端がプラットフォームマニホールドに通じるパイプ30、38に接続される。空きキャビティ26、34の縁部は内輪と外輪との接触面にそれぞれ動的シールリング25、33が設けられ、該シールリングは耐腐食、耐高温、耐摩耗、高弾性等の特性を有するゴム材料、例えばシリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリレートゴムにより製造されてなり、キャビティ内26、34の圧力が比較的大きい場合に回転ジョイントの内輪と外輪との接触面の回転摩擦を確保できるが、シールを確保できる。送電回転ジョイント内輪39及び外輪40にそれぞれブラシ42が接続され、ブラシは一回りの環状であり、回転ジョイントが回動するとき、ブラシの両端が常に接触し、回路が連通するように確保する。送電回転ジョイント内輪39と外輪40との接触面に同様にシールリング41がある。
【0094】
拡張された選択可能な実現方式として、送電ジョイントと類似の構造の信号輸送ジョイントを用いてもよく、線路及びブラシは電気信号を伝達することに用いられる。
【0095】
また、水、石油等の流体を輸送する内輪と外輪との接触面内には環状の空きキャビティがあり、空きキャビティは2つの輪の接続面に動的シールリングが設けられ、回転時に空きキャビティ内の流体が漏れないように確保することができ、空きキャビティは内輪側及び外輪側にそれぞれ1つの通路出口があり、内輪と直立柱本体との接触面に更に1つの凹溝があり、1つの下から上への通路が形成され、該通路は該回転ジョイントの下方の液体又は電力回転ジョイントの静止部分の出口の管路又はケーブルを通すものであり、坑口デッキ上のマニホールドに通じる。
【0096】
油田が正常に動作するとき、FPSOはソフトヨークの一点位置決めにより、プラットフォームの回りの回転及び限られたサージ、チルト、パン運動しか行うことができない。FPSOにおいて動力及び人的生活が提供され、電力と水が回転ジョイントを通ってプラットフォームマニホールドに到達してから採油ツリー及びライザーを通って油井に入るとともに、採集された原油混合物は採油ツリー及びライザーを通ってプラットフォームマニホールドに入ってから回転ジョイントを通ってFPSOに到達して生産を行い、且つ生産された原油をFPSOに貯蔵し、シャトルタンカーが定期的に油を取ることを待つ。改修する必要がある場合、生産を停止する必要がなく、改修する必要がある採油ツリーを一時停止し、生産又は注水ライザーを取り出して掘削ライザーに取り替え、改修リグ9により改修し、改修が完了した後、生産ライザーに取り替えて生産を行うことだけが必要となる。
【0097】
また、係合する設置として、直立柱本体の直径は約2メートル~6メートルであり、杭打ちハンマーで海底に打ち込むことができ、且つ一定の深さを有し、内部が中空で筒内坑溝をアレイ状に設置して掘削ライザー又は生産ライザーを配置することができる。直立柱の底部には120度で分布する3つの配管を有し、各配管の外端は杭基礎を杭打ちすることにより海底に固定される。
【0098】
坑口デッキは直立柱本体の頂部に設置され、各本のライザーの頂部は坑口デッキに採油ツリーが設けられ、各採油ツリーは坑口デッキ上のマニホールド端末に集まる。坑口デッキの上方には改修デッキが設けられ、且つ油圧改修リグが配置される。坑口デッキの下方に回転台が設けられ、該回転台は回転台ベアリングにより直立柱本体に接続され、直立柱本体の回りに水平面内で回転することができ、回転台の上方に回転係留輸送システムジョイントが設置され、例えばそれぞれ石油、電力、水を輸送する回転輸送ジョイントを含む。送油管、送水管及びケーブルによりマニホールドと回転ジョイントの静止部分とを接続する。
【0099】
ソフトヨーク係留システムは係留支持枠12、水平カウンターウェイトヨーク13、カウンターウェイトキャビン14、ブーム15、剛性輸送管路16、可撓性架橋管路17(流体及びエネルギーを輸送するのに使用できる)、チルトベアリング18、パンベアリング19及びカルダンジョイント20を備える。
【0100】
具体的には、ソフトヨーク一点係留システムは船上支持枠、2本のブーム及び1つの水平カウンターウェイトヨークにより構成され、カウンターウェイトヨークの一端は単一直立柱プラットフォームの回転台に接続され、その間に解除可能なカルダンジョイントが設けられ、カウンターウェイトヨークが回転台に対して任意に回転でき(即ち、水平軸、鉛直軸及び中心軸の回りに回動する)、且つ迅速に解除及びタイバックできるようにし、カウンターウェイトヨークの他端に2つのカウンターウェイトキャビンが設けられ、内部にカウンターウェイトを追加することができ、カウンターウェイトキャビンの上方はカルダンジョイントによりブームに接続され、ブームの上方はカルダンジョイントにより船上支持枠に接続される。
【0101】
図4に示すように、直立柱本体2の中空構造内に位置するのは遮水管21であり、筒内坑溝を構成する。遮水管21の数及び配列は内径及び油田ニーズによって決定されてもよく、遮水管内はライザーを伸び込むことに供することができ、ライザーは生産ライザー及び注水ライザーを備え、生産ライザーは海底の原油混合物を海底から坑口デッキ5上の採油ツリー6まで抽出し、注水ライザーは上方採油ツリー6から水を海底油井に打ち込む。坑口デッキ5上のマニホールド端末7はすべての採油ツリー6の線路を束ねることに用いられ、採油ツリー6に通じる石油、水パイプラインのほか、更にケーブルもあるが、これらの石油、水、電力は最終的にいずれもFPSOに接続される必要がある。
【0102】
また、上記スキームに基づいて実施できる実現方式としては、
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームの上方のデッキ数は坑口デッキ及び改修デッキに限らず、更に他の生産作業に必要なデッキ、例えばマニホールドデッキ、注水デッキ、乗船デッキ等を追加してもよい。
【0103】
直立柱本体底部の位置決め取り付けアセンブリの構造は3つの筋かいが120度の角をなす形式に限らず、海底の実際状況及び構造設計に応じて他の形式、例えばフレーム支持、片側筋かい、斜張ロープ固定等を選択してもよい。支持脚を海底に固定することは杭打ち接続に限らず、吸引アンカーを使用してもよい。更に直接に直立柱本体を単杭の杭基礎として海床に突き立ててもよい。
【0104】
回転輸送ジョイントの数は3つに限らず、油田の実際ニーズに応じて通路を追加してもよく、その種類は石油、水、電力回転ジョイントに限らず、更にガス回転ジョイント、多機能補助回転ジョイント等を追加してもよい。
【0105】
改修方式は油圧改修リグに限らず、改修デッキの上方にデリックを取り付け、従来の改修リグを用いてもよい。
【0106】
ソフトヨークシステムの迅速解除装置は水平カウンターウェイトヨークと回転台との間の接続箇所に設置されることに限らず、ブームとカウンターウェイトヨークとの間の接続箇所に設置されてもよい。
【0107】
本発明が実現しようとする技術的目標は、単一の孤立した浅水限界油田の場合には、1セットのシステムを用いて改修、生産、動力、外部輸送、生活のすべての機能を同時に有するとともに、施設数をできる限り減少させ、投入コストをできる限り削減し、且つ正常動作状態において改修を同時に行うことができ、生産を停止する必要がなく、更に悪い海洋環境の影響を懸念する必要もないことを更に含む。
【0108】
そして、上記技術的目標を実現する中核は、中空の直立柱型プラットフォーム構造を用い、直立柱本体の中空の内部に少なくとも1つ、好適には複数の筒内坑溝を配置し、且つ位置決め分離措置により複数の掘削を互いに干渉せずにいずれも独立して動作させることにある。且つ、輸送パイプは海底パイプライン及び海底ケーブルにより開発済み油田に近いところに接続され、FPSOの係留を行うことが不要であってもよく、それによりFPSOが海波・海風の衝撃荷重を受けることを回避し、そのため、極めて悪い海況に対抗することができる。
【0109】
図9及び図2図3には単一直立柱型坑口生産作業プラットフォームの構造構成を示す。
【0110】
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームは主に直立柱2、位置決め取り付けアセンブリ3、坑口デッキ5、採油ツリー6、マニホールド端末7、改修デッキ8及び油圧改修リグ9を備える。
【0111】
ここで、直立柱本体の直径は約2メートル~6メートルであり、杭打ちハンマーで海床に打ち込むことができ、且つ一定の深さを有し、内部が中空で筒内坑溝をアレイ状に設置して掘削ライザー又は生産ライザーを配置することができる。直立柱の底部には120度で分布する3つの配管を有し、各配管の外端は杭基礎を杭打ちすることにより海底に固定される。
【0112】
坑口デッキは直立柱本体の頂部に設置され、各本のライザーの頂部は坑口デッキに採油ツリーが設けられ、各採油ツリーは坑口デッキ上のマニホールド端末に集まる。坑口デッキの上方には改修デッキが設けられ、且つ油圧改修リグが配置される。マニホールド端末は海底パイプラインとケーブルとを接続し、プラットフォームと隣接する開発済み油田との間にエネルギー及び採掘された原油を輸送することに用いられる。
【0113】
図3に示すように、直立柱本体2の中空構造内に位置するのは遮水管21であり、筒内坑溝を構成する。遮水管21の数及び配列は内径及び油田ニーズによって決定されてもよく、遮水管内はライザーを伸び込むことに供することができ、ライザーは生産ライザー及び注水ライザーを備え、生産ライザーは海底の原油混合物を海底から坑口デッキ5上の採油ツリー6まで抽出し、注水ライザーは上方採油ツリー6から水を海底油井に打ち込む。坑口デッキ5上のマニホールド端末7はすべての採油ツリー6の線路を束ねることに用いられ、採油ツリー6に通じる石油、水パイプラインのほか、更にケーブルもあるが、これらの石油、水、電力は最終的にいずれも隣接する開発済み油田に接続される必要がある。
【0114】
改修する必要があるとき、生産を停止する必要がなく、改修する必要がある採油ツリーを一時停止し、生産又は注水ライザーを取り出して掘削ライザーに取り替え、改修リグ9により改修し、改修が完了した後、生産ライザーに取り替えて生産を行うことだけが必要となる。
【0115】
また、上記スキームに基づいて実施できる実現方式としては、
単一直立柱係留型坑口生産作業プラットフォームの上方のデッキ数は坑口デッキ及び改修デッキに限らず、更に他の生産作業に必要なデッキ、例えばマニホールドデッキ、注水デッキ、乗船デッキ等を追加してもよい。
【0116】
直立柱本体底部の位置決め取り付けアセンブリの構造は3つの筋かいが120度の角をなす形式に限らず、海底の実際状況及び構造設計に応じて他の形式、例えばフレーム支持、片側筋かい、斜張ロープ固定等を選択してもよい。支持脚を海底に固定することは杭打ち接続に限らず、吸引アンカーを使用してもよい。更に直接に直立柱本体を単杭の杭基礎として海床に突き立ててもよい。
【0117】
改修方式は油圧改修リグに限らず、改修デッキの上方にデリックを取り付け、従来の改修リグを用いてもよい。
【0118】
また、本発明のスキームは限界油田の開発に対して提供されたものであるが、本発明はスキームの応用環境を制限せず、経済性を満足し及び設備が安全で安定化する条件下で、本発明のスキームは限界油田以外の油田において実施されてもよく、マルチプラットフォーム方式で「プラットフォームネットワーク」を構成する。
【符号の説明】
【0119】
1 浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)
2 直立柱本体
3 位置決め取り付けアセンブリ
4 回転台
5 坑口デッキ
6 採油ツリー
7 マニホールド端末
8 改修デッキ
9 油圧改修リグ
10 回転輸送アセンブリ
11 回転台ベアリング
12 係留支持枠
13 水平カウンターウェイトヨーク
14 カウンターウェイトキャビン
15 係留ブーム
16 剛性輸送管路
17 可撓性架橋管路
18 チルトベアリング
19 パンベアリング
20 カルダンジョイント(各ブームの両端にいずれも1つのカルダンジョイントが設置される)
21 遮水管
22 位置決め分離構造
23 送水回転ジョイント内輪(静止輪)
24 送水回転ジョイント外輪(回転輪)
25 送水回転ジョイントシールリング
26 水室
27 送水ベアリング外輪(回転ジョイントの外輪に接続される)
28 送水ベアリング内輪(回転ジョイントの内輪に接続される)
29 外部送水パイプライン(FPSOに通じる)
30 内部送水パイプライン(マニホールド端末に通じる)
31 送油回転ジョイント内輪(静止輪)
32 送油回転ジョイント外輪(回転輪)
33 送油回転ジョイントシールリング
34 油室
35 送油ベアリング外輪(回転ジョイントの外輪に接続される)
36 送油ベアリング内輪(回転ジョイントの内輪に接続される)
37 外部送油パイプライン(FPSOに通じる)
38 内部送油パイプライン(マニホールド端末に通じる)
39 送電回転ジョイント内輪(静止輪)
40 送電回転ジョイント外輪(回転輪)
41 送電回転ジョイントシールリング
42 ブラシ
43 送電ベアリング外輪(回転ジョイントの外輪に接続される)
44 送電ベアリング内輪(回転ジョイントの内輪に接続される)
45 外部送電線路(FPSOに通じる)
46 内部送電線路(マニホールド端末に通じる)
47 回転ジョイント駆動アーム
48 駆動アーム支持枠
49 回転台ベアリング内輪(静止輪であり、直立柱に剛性固定される)
50 回転台ベアリング外輪(回転輪であり、回転台に剛性固定される)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】