(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ユーザ装置及びスケジューリングデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20221007BHJP
【FI】
H04W72/04 132
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508593
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2020072464
(87)【国際公開番号】W WO2021028420
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バムリ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】トラン ズワーン タオング
(72)【発明者】
【氏名】小川 佳彦
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、ユーザ装置(UE)及びスケジューリングノードと共に、対応する方法に関する。特に、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングは、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを搬送する。2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域が決定され、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、当該整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない。データは、各TCI状態に対して、決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上で受信又は送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)であって、
動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信する送受信機と、
動作中に前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを取得し、前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定するプロセッサであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、プロセッサと、
を有し、
前記送受信機は、動作中に各TCI状態について、前記決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信又は送信する、ユーザ装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、動作中にDCIにおける1つのTCIによって示される可能な限りセミスタティックに設定されるTCI状態の最大数に従って領域の数を決定する、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、動作中に前記TCIインジケータによって示されるTCI状態の最大数に従って領域の数を決定する、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、動作中にDCIに基づいて動的なリソース割当てを考慮することなく、セミスタティックな方法でPRGの各整数倍に前記領域を割り当てる、請求項1又は2に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、動作中に前記周波数領域リソース割当てに従ってPRGの各整数倍に前記領域を割り当てる、請求項1又は3に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、動作中に事前設定されたパターンに従って前記2つ以上のTCI状態に前記領域を割り当てる、請求項1から5の何れか一項に記載のユーザ装置。
【請求項7】
前記事前設定されるパターンは、領域を表すビットマップの各ビットによるビットマップとしてセミスタティック又は動的なシグナリング内で受信され、ビットの第1の値は第1のTCI状態を示し、前記ビットの第2の値は第2のTCI状態を示す、請求項6に記載のユーザ装置。
【請求項8】
前記事前設定されるパターンは、連続する領域の各整数個Mの後にTCI状態を交代することによってラウンドロビンに対応し、Mは1より小さくない、請求項6に記載のユーザ装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、動作中に前記ラウンドロビンに従って前記2つ以上のTCI状態に前記連続する領域の第1の部分と、前記TCI状態の1つに前記連続する領域の第2の部分とを関連付ける、請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、動作中に前記2つ以上のTCI状態のそれぞれに連続する領域を順次関連付ける、請求項1から6の何れか一項に記載のユーザ装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、動作中に、全てのTCI状態の全ての領域に共通する固定サイズとして、又は、前記送受信機によって受信され、全てのTCI状態の全ての領域に共通するサイズ、若しくは、各TCI状態について前記TCI状態の全ての領域に共通のサイズを指定するセミスタティックシグナリングに従って、各領域のサイズを設定する、請求項1から9の何れか一項に記載のユーザ装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、動作中に、
前記PRGの倍数に関する絶対的なサイズを前記DCIから取得すること、
異なるTCI状態に属する領域のサイズの間のレシオを前記DCIから取得すること、
異なるTCI状態に属する各領域のトランスポートブロックサイズを前記DCIから取得し、前記トランスポートブロックサイズに基づいて前記領域のサイズを決定すること、
前記領域の数によって前記リソース割当てによるPRGの総数を割ること、
の1つ以上によって前記DCIから各領域のサイズを決定する、請求項1から9の何れか一項に記載のユーザ装置。
【請求項13】
動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを送信する送受信機と、
動作中に前記DCIシグナリング内において、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを
指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを指示する周波数領域リソース割当てとを提供し、
前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定し、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、プロセッサと、
を有し、
前記送受信機は、動作中に各TCI状態に対して、前記決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信又は受信する、スケジューリングノード。
【請求項14】
ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信するステップと、
前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを取得するステップと、
前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態に対して、周波数領域における1つ以上の領域を決定するステップであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、決定するステップと、
各TCI状態に対して、前記決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信又は送信するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを送信するステップと、
前記DCIシグナリング内において、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを提供するステップと、
前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態に対して、周波数領域における1つ以上の領域を決定するステップであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、決定するステップと、
各TCI状態に対して、前記決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信又は受信するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムにおける信号の送受信に関する。特に、本開示は、そのような送受信のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、100GHzまでの周波数範囲において動作するNR(New Radio)無線アクセス技術(RAT)を含む第5世代とも呼ばれる次世代セルラ技術のための技術仕様に取り組んでいる。NRは、LTE(Long Term Evolution)及びLTE-A(LTE-Advanced)によって表される技術の後継である。
【0003】
LTE,LTE-A及びNRなどのシステムについて、更なる改良及び選択肢は、システムに関する特定のデバイスだけでなく通信システムの効率的な動作を容易にするものであってもよい。
【発明の概要】
【0004】
1つの非限定的及び例示的な実施例は、複数の送信/受信ポイント(TRP)、すなわち、複数のTCI(Transmission Configuration Indication)状態に対する周波数領域リソースの効率的なシグナリングを含むリソースを効率的に利用することを容易にする。
【0005】
実施例では、ここに開示される技術は、ユーザ装置(UE)であって、動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信する送受信機と、動作中に前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを取得し、前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定するプロセッサであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、プロセッサと、を有し、前記送受信機は、動作中に各TCI状態について、前記決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信又は送信する、ユーザ装置を特徴とする。
【0006】
全体的又は特定の実施例は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体又はそれらの何れか選択的な組み合わせとして実現されてもよいことが留意されるべきである。
【0007】
開示された実施例の更なる利益及び利点は、明細書及び図面から明らかになるであろう。利益及び/又は利点は、明細書及び図面の様々な実施例及び特徴によって個別に取得されてもよく、これらは、そのような利益及び/又は利点の1つ以上を得るために全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下において、例示的な実施例は添付した図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャを示す概略図である。
【
図2】LTE eNB,gNB及びUEのための例示的なユーザ及び制御プレーンアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図3】NG-RANと5GCとの間の機能分割を示す概略図である。
【
図4】RRC接続設定/再設定手順のためのシーケンス図である。
【
図5】eMBB(enhanced Mobile Broadband)、mMTC(massive Machine Type Communications)及びURLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)の利用シナリオを示す概略図である。
【
図6】例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図7】無線チャネル上で通信するユーザ装置(UE)及びスケジューリングデバイス(基地局)を示すブロック図である。
【
図8】ユーザ装置(UE)の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】ネットワークノードの機能構成を示すブロック図である。
【
図10】UEにおいて実行される例示的な方法を示すフロー図である。
【
図11】UE側及びネットワーク側において実行される通信のための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図12】プリコーディングリソースグループへの領域の第1の例示的なマッピングを示す概略図である。
【
図13】プリコーディングリソースグループへの領域の第2の例示的なマッピングを示す概略図である。
【
図14】プリコーディングリソースグループへの領域の第3の例示的なマッピングを示す概略図である。
【
図15】プリコーディングリソースグループへの領域の第4の例示的なマッピングを示す概略図である。
【
図16】プリコーディングリソースグループへの領域の第5の例示的なマッピングを示す概略図である。
【
図17】プリコーディングリソースグループへの領域の第6の例示的なマッピングを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
5G NRシステムアーキテクチャ及びプロトコルスタック
3GPPは、100GHzまで範囲の周波数で動作するNR(New Radio Access Technology)の開発を含む、単に5Gと呼ばれる第5世代セルラ技術の次のリリースに取り組んできた。2017年末に第1版の5G規格が完成し、5G NR規格に準拠したスマートフォンの試行及び実用化の進展が可能になる。
【0010】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを含むNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定し、UEに対するNG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(Radio Resource Control,RRC)プロトコルターミネーションを提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続される。gNBはまた、NG(Next Generation)インタフェースによってNGC(Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(User Plane Function)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、
図1に示される(例えば、3GPP TS 38.300 v15.6.0,section 4を参照されたい)。
【0011】
様々な異なる配備シナリオがサポート可能である(例えば、3GPP TR 38.801 v14.0.0などを参照されたい)。例えば、非集中配備シナリオ(例えば、TR 38.801のsection 5.2を参照されたい。集中配備はsection 5.4に示される)がそこに提示され、5G NRをサポートする基地局が配備可能である。
図2は、例示的な非集中配備シナリオ(例えば、TR 38.801のFigure 5.2-1を参照されたい)を示す一方、LTE eNB及びgNBとLTE eNBとの双方に接続されるユーザ装置(UE)とが更に示される。NR 5Gのための新しいeNBは、例示的に、gNBと呼ばれうる。eLTE eNBは、EPC(Evolved Packet Core)及びNGC(Next Generation Core)との接続性をサポートするeNBの進化型である。
【0012】
NRのためのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、3GPP TS 38.300,section 4.4.1を参照されたい)は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol,TS 38.300のsection 6.4を参照されたい)、RLC(Radio Link Control,TS 38.300のsection 6.3を参照されたい)、及びMAC(Medium Access Control,TS 38.300のsection 6.2を参照されたい)サブレイヤを含み、これらはネットワーク側のgNBにおいて終端される。さらに、新しいAS(Access Stratum)サブレイヤ(SDAP,Service Data Adaptation Protocol)が、PDCPの上位に導入される(例えば、3GPP TS 38.300のsub-clause 6.5を参照されたい)。制御プレーンプロトコルスタックがまた、NRについて定義される(例えば、TS 38.300,section 4.4.2を参照されたい)。レイヤ2機能の概略は、TS 38.300のsub-clause 6に与えられる。PDCP、RLC及びMACサブレイヤの機能は、TS 38.300のsection 6.4、6.3及び6.2においてそれぞれリストされている。RRCレイヤの機能は、TS 38.300のsub-clause 7にリストされている。
【0013】
例えば、MACレイヤは、論理チャネル多重化と、異なるニューメロロジのハンドリングを含むスケジューリング及びスケジューリング関連機能とを処理する。
【0014】
物理レイヤ(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び信号の適切な物理時間周波数リソースへのマッピングを担当する。また、それは、トランスポートチャネルの物理チャネルへのマッピングを処理する。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形式でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。例えば、1つの物理チャネルは、ランダムアクセスに用いられるPRACH(Physical Random Access Channel)である。
【0015】
NRのためのユースケース/展開シナリオは、データレート、遅延及びカバレッジに関して多様な要求を有するeMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)を含みうる。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供されるものの3倍のオーダのピークデータレート(ダウンリンクでは20Gbps、アップリンクでは10Gbps)及びユーザ経験データレートをサポートすることが期待される。他方、URLLCの場合では、よりタイトな要求が、超低遅延(ユーザプレーン遅延に対してそれぞれUL及びDLに対して0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1~10-5)とに対して課される。最後に、mMTCは、好ましくは、高接続密度(都市環境では、1,000,000デバイス/km2)、厳しい環境での大きなカバレッジ、及び低コストデバイスのための極めて長寿命のバッテリ(15年間)を必要としてもよい。
【0016】
従って、1つのユースケースに適したOFDMニューメロロジ(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル持続時間、サイクリックプリフィックス(CP)持続時間、スケジューリングインターバルあたりのシンボル数など)は、別のユースケースでは良好には機能しない場合がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル持続時間(及びより大きなサブキャリア間隔)及び/又はより少数のスケジューリングインターバル(別名、TTI)当たりのシンボルを必要としうる。さらに、大きなチャネル遅延スプレッドを有する展開シナリオは、好ましくは、短い遅延スプレッドを有するシナリオよりも長いCP持続時間を必要としうる。サブキャリア間隔は、同様のCPオーバヘッドを維持するように、それに応じて最適化されるべきである。NRは、サブキャリア間隔の複数の値をサポートしてもよい。これに対応して、現在、15kHz,30kHz,60kHz・・・のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル持続時間Tuとサブキャリア間隔Δfとは、Δf=1/Tuの式を通して直接的に関連している。LTEシステムと同様に、“リソースエレメント”という用語は、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対して1つのサブキャリアで構成される最小のリソース単位を示すのに利用可能である。
【0017】
各ニューメロロジ及びキャリアの新たな無線システム5G-NRにおいて、サブキャリアとOFDMシンボルとのリソースグリッドが、アップリンクとダウンリンクとのそれぞれに対して規定される。リソースグリッドにおける各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと時間領域におけるシンボル位置とに基づいて特定される(3GPP TS 38.211 v15.6.0を参照されたい)。
【0018】
NG-RANと5GCとの間の5G NR機能分割
【0019】
図3は、NG-RANと5GCとの間の機能分割を示す。NG-RAN論理ノードは、gNB又はng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF,UPF及びSMFを有する。
【0020】
特に、gNB及びng-eNBは、以下の主要な機能を提供する。
-無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、アップリンク及びダウンリンク双方におけるUEへの動的なリソース割当て(スケジューリング)など、無線リソース管理の機能
-データのIPヘッダ圧縮、暗号化及び整合性プロテクション
-UEによって提供される情報からAMFへのルーティングが決定できないときのUEアタッチメントでのAMFの選択
-UPFへのユーザプレーンデータのルーティング
-AMFへの制御プレーン情報のルーティング
-接続セットアップ及びリリース
-ページングメッセージのスケジューリング及び送信
-(AMF又はOAMから発信される)システムブロードキャスト情報のスケジューリング及び送信
-モビリティ及びスケジューリングのためのメジャメント及びメジャメントレポート設定
-アップリンクにおけるトランスポートレベルパケットマーキング
-セッション管理
-ネットワークスライシングのサポート
-QoSフロー管理及びデータ無線ベアラへのマッピング
-RRC_INACTIVE状態のUEのサポート
-NASメッセージの配信機能
-無線アクセスネットワークシェアリング
-デュアルコネクティビティ
-NRとE-UTRAとの間の緊密な連携
【0021】
AMF(Access and Mobility Management Function)は、以下の主要な機能を提供する。
-NAS(Non-Access Stratum)シグナリングの終端
-NASシグナリングのセキュリティ
-AS(Access Stratum)セキュリティ制御
-3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング
-アイドルモードUEの到達可能性(ページング再送の制御及び実行を含む)
-レジストレーションエリア管理
-システム内モビリティ及びシステム間モビリティのサポート
-アクセス認証
-ローミング権のチェックを含むアクセス認証
-モビリティ管理制御(サブスクリプション及びポリシー)
-ネットワークスライシングのサポート
-SMF(Session Management Function)選択
さらに、UPF(User Plane Function)は、以下の主要な機能を提供する。
-RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイント(適用可能時)
-データネットワークとの相互接続の外部PDUセッションポイント
-パケットルーティング及び転送
-パケット検査及びポリシールール施行のユーザプレーン部分
-トラフィック使用報告
-データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートするためのアップリンク分類器
-マルチホームPDUセッションをサポートするためのブランチングポイント
-パケットフィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強制などのユーザプレーンのQoSハンドリング
-アップリンクトラフィック検証(SDFからQoSフローへのマッピング)
-ダウンリンクパケットバッファリング及びダウンリンクデータ通知トリガリング
最後に、SMF(Session Management Function)は、以下の主要な機能を提供する。
-セッション管理
-UE IPアドレス割当て及び管理
-UP機能の選択及び制御
-トラフィックを正しい宛先にルーティングするためのUPF(User Plane Function)におけるトラフィックステアリングの設定
-ポリシー施行及びQoSの制御部分
-ダウンリンクデータ通知
【0022】
RRC接続設定及び再設定手順
【0023】
図4は、NASパートのためのRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDへのUEの遷移のコンテクストにおけるUE、gNB及びAMF(5GCエンティティ)の間のいくつかの相互作用を示す(TS 38.300 v15.6.0を参照されたい)。
【0024】
RRCは、UE及びgNBの設定に使用される上位レイヤシグナリング(プロトコル)である。特に、当該遷移は、AMFがUEコンテクストデータ(例えば、PDUセッションコンテクスト、セキュリティキー、UE無線能力、UEセキュリティ能力などを含む)を準備し、それをINITIAL CONTEXT SETUP REQUESTによってgNBに送信することに関する。次に、gNBは、UEとのASセキュリティをアクティブ化し、これは、gNBがSecurityModeCommandメッセージをUEに送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって実行される。その後、gNBは、RRCReconfigurationメッセージをUEに送信し、これに応答してUEからRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)及びデータ無線ベアラ(DRB)を設定するために再設定を実行する。シグナリングのみの接続について、SRB2及びDRBが設定されていないため、RRCReconfigurationに関連するステップは、省略される。最後に、gNBは、設定手順が完了したことをINITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEによってAMFに通知する。
【0025】
従って、本開示では、第5世代コア(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMFなど)が提供され、このエンティティは、動作中にgNodeB(又はgNB)とのNG(Next Generation)接続を確立する制御回路と、動作中にgNodeBとユーザ装置(UE)との間のシグナリング無線ベアラ設定を生じさせるイニシャルコンテクストセットアップメッセージをNG接続を介しgNodeBに送信する送信機とを有する。特に、gNodeBは、シグナリング無線ベアラを介しUEにリソース割当設定情報要素を含むRRC(Radio Resource Control)シグナリングを送信する。その後、UEは、リソース割当設定に基づいてアップリンク送信又はダウンリンク受信を実行する。
【0026】
2020年以降のIMTの利用シナリオ
【0027】
図5は、5G NRのユースケースのいくつかを示す。3GPP NR(3rd Generation Partnership Project New Radio)では、IMT-2020によって広範なサービス及びアプリケーションをサポートすることが想定される3つのユースケースが検討されている。eMBBのフェーズ1の仕様が確定された。eMBBのサポートをさらに拡張することに加えて、現在及び将来の作業は、URLLC及びmMTCの標準化を伴う。
図5は、2020年以降のIMTの想定される理想シナリオのいくつかの具体例を示す。
【0028】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、可用性などの能力に対する厳しい要求を有し、産業製造や生産プロセスの無線制御、リモート医療手術、スマートグリッドにおける配電自動化、輸送の安全性など、将来の垂直的なアプリケーションを実現する手段の1つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913によって設定される要求を満たすための技術を特定することによってサポートされる。Release 15におけるNR URLLCについて、キーとなる要求は、UL(アップリンク)について0.5msとDL(ダウンリンク)について0.5msとのターゲットのユーザプレーンの遅延を含む。パケットの1回の送信に対する全体的なURLLC要求は、1msのユーザプレーンの遅延による32バイトのパケットサイズの1E-5のBLER(Block Error Rate)である。
【0029】
RAN1の観点から、信頼性がいくつかの可能な方法において改善可能である。信頼性を向上させる現在の範囲は、URLLCのための別々のCQIテーブル、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返しなどを規定することに関する。しかしながら、当該範囲は、NRがより安定的になり、また開発されると共に(NR URLLCのキーとなる要求に対して)、超信頼性を実現するため拡がりうる。Rel.15におけるNR URLLCの特定のユースケースは、AR/VR(Augmented Reality/Virtual Reality)、e-health、e-safety及びミッションクリティカルなアプリケーションを含む。
【0030】
さらに、NR URLLCによって対象とされる技術エンハンスメントは、遅延の改善及び信頼性の向上を目標としている。遅延の改善のための技術エンハンスメントは、設定可能なニューメロロジ、フレキシブルマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリー(設定されたグラント)のアップリンク、データチャネルのスロットレベルの繰り返し、及びダウンリンクプリエンプションを含む。プリエンプションとは、リソースがすでに割り当てられている送信が中止され、すでに割り当てられているリソースが、以降に要求されたが、より低い遅延/より高い優先度要求を有する別の送信に使用されることを意味する。従って、すでに許可された送信が、以降の送信によってプリエンプトされる。プリエンプションは、特定のサービスタイプに関係なく適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBBなど)の送信によってプリエンプトされてもよい。信頼性向上に関する技術エンハンスメントは、1E-5のターゲットBLERのための専用のCQI/MCS(Channel Quality Information/Modulation and Coding Scheme)テーブルを含む。
【0031】
mMTCのユースケースは、非常に多数の接続されたデバイスが、典型的には遅延の影響が小さい比較的少量のデータを送信することによって特徴付けされる。デバイスは、低コストであり、かつ、極めて長いバッテリ寿命を有することが必要とされる。NRの観点から、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEの観点からの省電力を有し、長いバッテリ寿命を可能にするための1つの可能な解決策である。
【0032】
上述したように、NRにおける信頼性の範囲がより広くなることが期待される。全てのケース、特にURLLC及びmMTCに必要な1つのキーとなる要求は、高信頼性又は超高信頼性である。無線の観点及びネットワークの観点から信頼性を向上させるためのいくつかの機構が検討可能である。一般には、信頼性の向上に役立つ可能性のあるいくつかのキーとなるエリアが存在する。これらのエリアのうち、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し、周波数、時間及び/又は空間領域に関するダイバーシチが挙げられる。これらのエリアは、特定の通信シナリオには関係なく、一般的に信頼性に適用可能である。
【0033】
NR URLLCについては、ファクトリオートメーション、輸送産業、及びファクトリオートメーション、輸送産業、電力配電を含む電力配電など、より厳しい要求を有するさらなるユースケースが特定されている。より厳しい要求は、より高い信頼性(10-6レベルまで)、より高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μsのオーダまでの時間同期であり、その値は、特にユースケースに応じて0.5msのターゲットユーザプレーン遅延において、0.5~1msのオーダで周波数レンジと短い遅延に依存して1又は数μsのオーダとなりうる。
【0034】
さらに、NR URLLCについて、RAN1の観点からのいくつかの技術エンハンスメントが特定されている。これらのうち、コンパクトDCIに関連するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)エンハンスメント、PDCCH繰り返し、増加したPDCCHモニタリングがある。また、UCI(Uplink Control Information)エンハンスメントは、エンハンストHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)及びCSIフィードバックエンハンスメントに関連している。また、ミニスロットレベルホッピング及び再送/繰り返しエンハンスメントに関連するPUSCHエンハンスメントが特定される。“ミニスロット”という用語は、スロット(14又は12シンボルからなるスロット)よりも少ないシンボルを含む送信時間間隔(TTI)を指す。
【0035】
スロットベースのスケジューリング又は割当てでは、スロットは、スケジューリング割当てのためのタイミング粒度(TTI:送信時間間隔)に対応する。一般に、TTIは、スケジューリング割当てのためのタイミング粒度を決定する。1つのTTIは、所与の信号が物理レイヤにマッピングされる時間間隔である。例えば、従来、TTI長は、14シンボル(スロットベーススケジューリング)から2シンボル(非スロットベースのスケジューリング)まで可変的である。ダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)送信は、10サブフレーム(1ms持続時間)からなるフレーム(10ms持続時間)に編成されるよう指定される。スロットベース送信では、サブフレームはさらにスロットに分割され、スロット数はニューメロロジ/サブキャリア間隔によって規定される。指定された値の範囲は、15kHzのサブキャリア間隔に対してフレーム毎に10スロット(サブフレーム毎に1スロット)と、120kHzのサブキャリア間隔に対してフレーム毎に80スロット(サブフレーム毎に8スロット)との間の範囲である。スロット毎のOFDMシンボルの数は、通常のサイクリックプリフィックスについては14であり、拡張サイクリックプリフィックスについては12である(3GPP TS 38.211 V15.3.0,Physical channels and modulation,2018-09のsection 4.1(general frame structure)、4.2(Numerologies)、4.3.1(frames and subframes)及び4.3.2(slots)を参照されたい)。しかしながら、送信のための時間リソースの割当てはまた、非スロットベースであってもよい。特に、非スロットベース割当てにおけるTTIは、スロットではなくミニスロットに対応するものであってもよい。すなわち、1つ以上のミニスロットが、データ/制御シグナリングの要求された送信に割り当てられてもよい。非スロットベース割当てでは、TTIの最短長は、例えば、1又は2OFDMシンボルであってもよい。
【0036】
[QoSの制御]
5G QoS(Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づき、保証されるフロービットレートを必要とするQoSフロー(GBR QoSフロー)と、保証されるフロービットレートを必要としないQoSフロー(非GBR QoSフロー)との双方をサポートする。従って、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおけるQoS差別化の最も細かい粒度である。QoSフローは、PDUセッション内において、NG-Uインタフェースを通じてカプセル化ヘッダ内で搬送されるQoSフローID(QFI)によって識別される。
【0037】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、NG-RANは、PDUセッションと一緒に少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立し、当該PDUセッションのQoSフローのための追加的なDRBが、例えば、
図4を参照して上述されるように、以降に設定することができる(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、異なるPDUセッションに属するパケットを異なるDRBにマッピングする。UE及び5GCにおけるNASレベルのパケットフィルタが、UL及びDLパケットをQoSフローに関連付け、UE及びNG-RANにおけるASレベルマッピングルールが、UL及びDLのQoSフローをDRBに関連付ける。
【0038】
図6は、5G NRの非ローミング基準アーキテクチャ(TS 23.501 v16.1.1,section 4.23を参照されたい)を示す。例えば、
図5に例示的に記載される5Gサービスを提供する外部アプリケーションサーバなど、アプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するため、例えば、トラフィックのルーティング、NEF(Network Exposure Function)へのアクセス、又はQoS制御などのポリシー制御(PCF(Policy Control Function)を参照されたい)との相互作用に対するアプリケーションの影響をサポートするため、3GPPコアネットワークと相互作用する。事業者の配備に基づいて、事業者によって信頼されるものとみなされるアプリケーション機能が、関連するネットワーク機能と直接相互作用することが可能とすることができる。ネットワーク機能に直接アクセスすることが事業者によって許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部のエクスポージャフレームワークを利用して、関連するネットワーク機能と相互作用する。
【0039】
図6はさらに、5Gアーキテクチャの機能ユニット、すなわち、NSSF(Network Slice Selection Function)、NRF(Network Repository Function)、UDM(Unified Data Management)、AUSF(Authentication Sever Function)、AMF(Access and Mobility Management Function)、SMF(Session Management Function)及び事業者サービス、インターネットアクセス又はサードパーティサービスなどのDN(Data Network)を示す。
【0040】
端末、ユーザ端末又はユーザデバイスは、LTE及びNRにおいてユーザ装置(UE)として参照される。これは、無線電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はユーザ装置の機能を備えたUSB(Universal Serial Bus)スティックなどの移動デバイス又は通信装置であってもよい。しかしながら、移動デバイスという用語は、これに限定されず、一般に、中継はまたそのような移動デバイスの機能性を有してもよく、移動デバイスは中継として機能してもよい。
【0041】
基地局は、例えば、端末にサービスを提供するためのネットワークの一部を形成するネットワークノードである。基地局は、端末への無線接続を提供するネットワークノード又はスケジューリングデバイスである。端末と基地局との間の通信は、典型的には標準化されている。LTE及びNRでは、無線インタフェースプロトコルスタックは、物理レイヤ、MAC(Medium Access Control)レイヤ及び上位レイヤを含む。制御プレーンでは、上位レイヤプロトコルRRC(Radio Resource Control)プロトコルが提供される。RRCを介して、基地局は、端末の設定を制御することができ、端末は、接続及びベアラ確立、修正などの制御タスク、測定及び他の機能を実行するため基地局と通信してもよい。LTEで使用される用語は、eNB(又はeNodeB)である一方、5G NRのために現在使用される用語は、gNBである。
【0042】
あるレイヤによって上位レイヤに提供されるデータの転送のためのサービスは、通常はチャネルと呼ばれる。例えば、LTE及びNRは、MACレイヤによって上位レイヤのために提供される論理チャネル、物理レイヤによってMACレイヤに提供されるトランスポートチャネル及び物理リソース上のマッピングを規定する物理チャネルを区別する。
【0043】
論理チャネルは、MACによって提供される各種データ転送サービスである。各論理チャネルタイプは、何れのタイプのデータが転送されるかによって規定される。論理チャネルは、制御チャネルとトラフィックチャネルの2つのグループに分類される。制御チャネルは、制御プレーン情報のみの転送に使用される。トラフィックチャネルは、ユーザプレーン情報のみの転送に使用される。
【0044】
論理チャネルは、MACレイヤによってトランスポートチャネルにマッピングされる。例えば、論理トラフィックチャネル及びいくつかの論理制御チャネルは、ダウンリンクにおいてダウンリンク共有チャネルDL-SCHとして参照されるトランスポートチャネルにマッピングされ、アップリンクにおいてアップリンク共有チャネルUL-SCHとして参照されるトランスポートチャネルにマッピングされてもよい。
【0045】
ダウンリンク制御チャネルモニタリング、PDCCH、DCI
UEによって動作される機能の多くは、例えば、UE宛ての特定の制御情報又はデータなどを受信するためダウンリンク制御チャネル(例えば、PDCCH、3GPP TS 38.300 v15.6.0,section 5.2.3を参照されたい)のモニタリングを含む。
【0046】
上述したように、PDCCHモニタリングは、制御情報と共にユーザトラフィック(例えば、PDCCH上のDCI及びPDCCHによって通知されるPDSCH上のユーザデータ)など、UE宛ての情報を識別及び受信するためUEによって実行される。
【0047】
ダウンリンクにおける制御情報(ダウンリンク制御情報DCIと呼ぶことができる)は、5G NRにおいてLTEにおけるDCIと同じ目的を有し、すなわち、例えば、ダウンリンクデータチャネル(例えば、PDSCH)又はアップリンクデータチャネル(例えば、PUSCH)をスケジュールする制御情報の特別なセットである。5G NRでは、すでに規定されるいくつかの異なるDCIフォーマットがある(TS 38.212 v15.6.0 section 7.3.1を参照されたい)。
【0048】
これらの機能の各々のPDCCHモニタリングは、特定の目的を果たし、従って、終わりまで開始される。PDCCHモニタリングは、典型的には、UEによって動作されるタイマに少なくとも基づいて制御される。タイマは、例えば、UEがPDCCHをモニタリングする最大時間を制限するなど、PDCCHモニタリングを制御する目的を有する。例えば、UEは、PDCCHを無期限にモニタリングする必要はなく、電力を節約することができるように、ある時間の後にはモニタリングを停止してもよい。
【0049】
上述されるように、PDCCHのDCIの目的の1つは、ダウンリンク、アップリンク又はサイドリンクにおけるリソースの動的スケジューリングである。特に、DCIのいくつかのフォーマットは、特定のユーザに対するデータチャネルに割当てられるリソース(リソース割当RA)の通知を搬送するため提供される。リソース割当ては、周波数領域及び/又は時間領域におけるリソースの指定を含んでもよい。
【0050】
リソース割当て
NRのRelease 15では、2つのタイプの周波数領域リソース割当てスキームのタイプ0及びタイプ1が利用され、双方はアクティブな帯域幅部分(BWP)にわたる割当てを通知する。
【0051】
タイプ0は、ビットマップベース割当てスキームである。割り当てられたリソースブロックのセットを示す最もフレキシブルな方法は、BWPにおけるリソースブロックの数に等しいサイズによるビットマップを含むことである。リソースブロックは、データの送信のための最小の割当て単位に対応し、周波数におけるサブキャリアの数によって規定される。(NR物理リソースブロックは、周波数領域のみに及ぶ1次元の指標であり、LTEは、周波数における12のサブキャリアと時間における1つのスロットとの2次元のリソースブロックを利用する。)これは、送信のためにスケジューリングされるリソースブロックの任意の組み合わせを可能にするが、残念なことに、より大きな帯域幅に対して非常に大きなビットマップを生じさせる。従って、タイプ0のリソース割当てスキームにおけるビットマップは、個々のリソースブロックでなく、RBGと呼ばれる連続的なリソースブロックのグループを指すのに利用される。RBGのサイズは、アクティブなBWPのサイズに依存する。例えば、2つの異なるコンフィグレーションが、3GPP TS 38.214 V15.4.0によって規定され、Table 1において要約されるBWPの各サイズに対して可能である。
【表1】
【0052】
Table 1から理解できるように、例えば、1から36までのRBの数に対応するBWPの帯域幅サイズによってタイプ0に従って割り当てられるRBGは、設定1を適用する際に2つのRBを含む。従って、例えば、73~144のRBの数に対応するBWPサイズによるタイプ0に従って割り当てられるRBGは、設定2を適用する際に16個のRBを含む。すなわち、RBG内のRBの数は、アクティブなBWPの帯域幅に依存する。
【0053】
タイプ1のリソース割当てスキームは、ビットマップに依拠しない。代わりに、それは、リソースブロックの数に関して割当てのスタート位置及び長さとしてリソース割当てを符号化するリソース指示値(RIV)を利用する。従って、それは、リソースブロックの任意の割当てだけでなく、周波数連続割当てをサポートし、これにより、リソースブロック割当てを通知するのに必要とされるビット数を減少させる。
【0054】
双方のリソース割当てタイプは、仮想的リソースブロック(VRB)を参照する。タイプ0について、仮想的リソースブロックが対応する物理リソースブロックに直接マッピングされることを意味する、仮想的リソースブロックから物理リソースブロックへのインタリーブされたマッピングが利用される。他方、タイプ1リソース割当てスキームについて、ULに対する非インターリーブマッピングがサポートされる。DLについては、インタリーブ及び非インタリーブの双方のマッピングが、タイプ1リソース割当てスキームに対してサポートされ、インタリーブサイズはアクティブBWPの帯域幅である。
【0055】
時間領域では、例えば、Release 15(NR)において指定されるように、スケジューリングタイミング(例えば、上述されたリソースのスケジューリングのため)は、時間領域リソース割当(TDRA)テーブルを使用することによってDCI内で通知されてもよい。特に、UEは、例えば、エントリ(行)インデックスを通知することによって、DCIにおいてTDRAテーブルの1つのエントリ(行)を通知することによって、時間領域において割り当てられたリソースが通知されてもよい。TDRAエントリは、NRについて標準仕様におけるテーブルとして要約されるため、テーブルという用語は、ここでは論理的な用語として使用される。
【0056】
PDSCH及びPUSCH上の繰り返し
NRにおける送信は、データの自発的繰り返しを含んでもよい(すなわち、(H)ARQによってトリガされることなく)。このような場合、同じデータ(例えば、トランスポートブロック)はN回送信され、Nは1より大きい整数である。繰り返し数は、設定可能であってもよい。
【0057】
複数の送信/受信ポイントTRP
NRにおける物理レイヤは、例えば、複数の送受信ポイント(マルチTRP)の使用を含んでもよいMIMO(Multiple Input Multiple Output)などのマルチアンテナ動作を提供してもよい。例えば、ユーザ装置は、複数のTRP(送受信ポイント)からデータを受信してもよく、複数のTRPは、同一又は異なるネットワークノードによって制御されてもよい。マルチポイント送信又は協調マルチポイント送信(CoMP)という用語はまた、マルチTRP通信又は送信に使用されてもよい。
【0058】
本開示に記載される技術は、TRPの特定の配置又はTRPとgNBとの間の特定の関係に限定されない。従って、例えば、マルチTRP動作は、TRPに対応する異なるアンテナパネル又は無線ヘッドと、それぞれのアンテナで動作する異なる無線周波数ユニットとを有するgNBによって実行されてもよい。
【0059】
さらに、マルチTRPでは、TRP間の位置関係に関していくつかの選択肢が考えられ、2つのTRP間の距離は変化しうる。例えば、TRPは、UEが同様の角度からこれらのTRPからの信号を受信するように、接近していてもよい。しかしながら、TRPはまた、互いにかなり遠い距離に、例えば、ネットワークセルの遠隔位置に配置されてもよい。2つのTRPによってサービス提供されているUEは、無相関チャネル上でそれぞれのTRPとの間でシグナリングを送受信してもよい。従って、チャネルダイバーシチの利得が最適に利用されうる。
【0060】
例えば、マルチTRPは、2つの高いレベルのカテゴリに分類されてもよい。すなわち、カテゴリ間の区別は、2つの与えられたTRP間のバックホールリンクのバックホールタイプに関して行われてもよい。
【0061】
他方、理想的なバックホールは、例えば、光ファイバを利用した専用のポイントツーポイント接続などの非常に高いスループットと非常に低い遅延バックホールとである。理想的なバックホールは、およそ又はほぼ0ミリ秒の遅延でTRP間の通信を可能にするよう仮定される(例えば、LTE-Aについて、テクニカルレポート3GPP TR 36.932 V15.0.0(2018-06)は、section 6.1.3において2.5μs未満の一方向遅延に言及しているが、ファイバ/ケーブルにおける伝搬遅延は含まれない)。
【0062】
他方、非理想的なバックホールは、DSL、マイクロ波、中継などの他のバックホールなどのバックホールであり、例えば、2つの与えられたTRP間の通信に対して2ms又は5msの範囲の有限(一方向)遅延を含んでもよい。
【0063】
理想的バックホールと非理想的バックホールへの分類とは別に、マルチTRP MIMO技術における更なる分類は、(中央)ベースバンドユニットがTRP間でどのように共有されるかに関して行われてもよい。
【0064】
例えば、与えられた2つのTRPのそれぞれに対して異なるRF(Radio Frequency)ユニットがある一方、TRPは、同じベースバンドユニットを共有してもよい。この場合、RFユニットとベースバンドユニットとの間のリンクは、理想的又は非理想的であってもよい。あるいは、各TRPに対して異なる(中央)ベースバンドユニットと異なるRFユニットの両方が存在してもよい。この場合、ベースバンドユニットとRFユニットとの間のそれぞれのリンクだけでなく、異なるベースバンドユニットの間のリンクも理想的又は非理想的であってもよい。
【0065】
本開示は、マルチTRP動作を容易にするものであってもよく、マルチTRP動作のための周波数領域リソースのスケジューリングを特に容易にしうるアプローチを提供する。開示される技術は、例えば、URLLCユースケースを容易にするものであってもよいが、更に又は代わりに、eMBB及びmMTCユースケースもまた容易にしてもよい。本開示は、理想的なバックホール及び非理想的なバックホールの一方又は双方を含むシナリオに適用可能である。
【0066】
上述されるように、複数の遠く離れたTRPは、空間ダイバーシチ利得を提供することを可能にしうる。これらの空間ダイバーシチ利得の利用は、特に、TRPとUEとの間のリンク又は無線通信チャネルの何れかに対する遮断が特に可能である高周波数の範囲における送信及び受信を容易にするものであってもよい。
【0067】
近年、2つのTRPの1つからの単一DCIベーススケジューリングを利用して、2つのTRPからの同じトランスポートブロック(TB)をそれぞれの重複しない周波数領域上及び同じ時間シンボル上でスケジューリングすることが議論されている。トランスポートブロックは、送信のため物理レイヤに渡されるデータユニットを示す。
【0068】
対応する重複しない周波数領域上の各TRP送信(すなわち、1つのTRPからの送信)は別々のTCI状態に関連付け可能であることを理解されたい。特に、各TRPは、別々のTCI状態に関連付けることができる。従って、“TCI状態”及び“TRP”という用語は、交換可能に使用することができ、例えば、TCI状態1はTRP 1を指し、TCI状態2はTRP 2を指し、以下同様である。
【0069】
各TRPからUEへのそれぞれのチャネル状態に依存することが可能な異なるTRPからの同じTBの送信のための異なるMCSをサポートすることが考慮されている。異なるMCSが使用される場合、2つのTRPからの周波数領域の異なるサイズが効果的でありうる。理想的なバックホールが、複数のTRP間で考慮されてもよい。しかしながら、これらは、単に、いくつかの任意選択的な展開シナリオであり、本開示は、それらに限定されない。
【0070】
例えば、PDSCHの同じTBをスケジューリングし、TRPの1つからの単一のDCIによって複数の異なるTRPに属する2つの重複しない周波数領域にそれらを多重化するため、以下の問題が発明者によって認識され、本開示によって対処される。第1の問題は、単一DCIベーススケジューリングを利用して複数の重複しない周波数領域をどのように分散及び指示するかということである。第2の問題は、分散された重複しない周波数領域を指示されたTCI状態にどのように関連付けるかということである。さらに、リソースシグナリングの効率及び/又はスケーラビリティを向上させるため、いくつかの他の最適化及び改良が提供されてもよい。
【0071】
上述した問題のいくつかに対処するため、実施例によると、周波数領域における物理リソースブロックが領域に割り当てられる。各領域は、複数のプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)として定義される。各領域は、別々の特定のTCI状態に対応する送信に関連付けされる。
【0072】
ここで、各TCI状態(TRP)は、1つ以上の領域に関連付けされる。各領域は、1つのTCI状態のみに関連付けされ、これらの領域は重複しない。プリコーディングリソースブロックグループは、同じプリコーディングを共有する(物理)リソースブロックのグループである。例えば、プリコーディングリソースブロックグループは、同一のプリコーディング行列を適用する。
【0073】
複数のPRGにおいて領域を規定し、それらを異なるTRPに割り当てることの利点の1つは、各TRP送信に対して別々のプリコーディングを可能にすることである。このようなアプローチは、これらそれぞれのスキームに影響を与えることなく、リソース割当てタイプ0及びタイプ1の双方に適用可能である。
【0074】
この例では、同じTBが複数のTRP(複数のTCI状態を有する)を介し送信されることが言及された。しかしながら、本開示はこれに限定されず、一般に、この解決策は、異なるそれぞれのTCI状態を介した異なるTBの送信に適用可能である。さらに、以下において、簡単のため、TRPが2つある例が示される。しかしながら、ここで検討される解決策は、3つ以上のTRPに適用可能である。
【0075】
本開示は、デバイス及び方法を含む例示的な実施例を提供する。例えば、
図7は、動作中にチャネル750(破線によって示される)を介しダウンリンク制御情報(DCI)を受信する送受信機770を有する例示的なユーザ装置(UE)760を示す。UE(端末又は一般に被スケジューリングデバイスに対応する)760はまた、回路780を含む。当該回路は、処理回路(プロセッサ)であり、1つ以上のチップ上と更なる電子素子上に実現されてもよい。“プロセッサ”という用語は、機能的に理解されるべきであり、1つ以上の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、プログラマブルハードウェア及び/又は専用ハードウェアを含んでもよい。回路(プロセッサ)780は、動作中にDCIシグナリングから、2つ以上のTCI状態が設定されることを指定するTCI(Transmission Configuration Indication)と、2つ以上のTCI状態に割り当てられた周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを取得する。
【0076】
例えば、送受信機770は、UE760宛てのDCIが存在するか否かを特定するため、PDCCHをブラインド復号化する。UEのためのDCIがある場合、プロセッサ780は、DCIを生成したスケジューリングデバイス710においてと共に、UEにおいて知られているDCIのシンタックス及びセマンティックに従ってDCIから様々なシグナリングパラメータを解析(抽出)する。シンタックス及びセマンティックは、NR又は他の規格などの規格によって規定されてもよい。また、DCIのシンタックス及びセマンティックは、完全又は部分的に上位レイヤシグナリングによって設定可能であってもよい。一般に、DCIは1つ以上のビットフィールドを含み、各ビットフィールドは1つ以上のビットを含んでもよい。典型的には、フィールド毎のビット数は、スタティック(規格によって又はネットワークオペレータによって)又はセミスタティック(RRCなどの上位レイヤシグナリングによって)に設定される。1ビットフィールドは、1つの送信パラメータ又は結合的に符号化されるいくつかの送信パラメータを指示してもよい。
【0077】
例えば、上述したTCIインジケータは、1つ又は2つのTCI状態が適用されるべきか否か、言い換えれば、1つ又は2つのTRPがスケジューリングされた送信(アップリンク)又は受信(ダウンリンク)のために使用されるべきか否かを示す1つの別々のビット(1ビットの長さを有する1ビットフィールド)であってもよい。しかしながら、この例示的な実現形態は、高々2つのTRPが同時に使用される場合にのみ適している。本開示は、そのような実現形態に限定されない。他の例示的な実現形態では、TCIインジケータは、2つ以上のビットを有するTCIインジケータに専用の別のDCIフィールドによって搬送されてもよい。特に、そのようなTCIインジケータは、スケジューリングされた送信又は受信のために何個のTCI状態(TRP)がアクティブであるべきかを通知してもよい。
【0078】
ここでは、ネットワークが1つ以上のTRPを提供し、従って、TCIインジケータが、UE760による送信又は受信のために何個のTRPがアクティブであるべきかを指定すると仮定される。異なるTRPは、同一又は異なる基地局に配置されてもよい。特に、ネットワーク側が1つ以上の基地局又はネットワークノードである場合など、典型的にはそれの配置においてより多くの電力を有するネットワーク側におけるより多くのTRPを実装することがより容易であったとしても、いくつかのシナリオでは、端末(UE)はまた、2つ以上のTRPを使用することから利益を得てもよい。そのようなケースでは、ここに示される実施例及び具体例がまた適用可能である。例えば、DCIは、スケジューリングデバイス710によって何個のTRPが使用されるべきかを通知することに加えて又は代わりに、UE760によって使用されるTRPの数を通知してもよい。本開示における“スケジューリングデバイス”という用語は、基地局という用語と互換的に使用され、ネットワークに対するアクセスポイントとしてUEにサービス提供するスケジューリング機能を備えたネットワークノードを指す。基地局などの1つのスケジューリングデバイスは、TRPが実際にスケジューリングデバイスに配置/終端されているか否かにかかわらず、複数のアクティブなTRPをスケジューリングすることに留意されたい。
【0079】
一般に、TCIインジケータは、別々のビットフィールドとして示される必要はない。それは、他の1つ以上のパラメータと一緒に通知されてもよい。言い換えれば、そのような結合的なビットフィールドのコードポイントの1つ以上は、1つのTRPが使用されていることを示してもよく、一方、1つ以上の他のコードポイントは、2つのTRPが使用されていることを示してもよい。同様に、何れかの数のTRPがそのようなTCIインジケータを搬送する結合的なビットフィールドの1つ以上のコードポイントによって通知されてもよい。
【0080】
上述されるように、本開示は、TCIインジケータが2つ以上のTCI状態が設定されることを指定しているケースに対して、特有の周波数領域リソースの割当て及び通知を提供する。DCIは更に、2つ以上のTCI状態に割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てを搬送する。周波数領域リソース割当ては、別の(専用の)DCIビットフィールドにおいて提供されてもよいし、あるいは、TCIインジケータ及び/又は他の1つ以上の他の送信パラメータと一緒に符号化されてもよい。
【0081】
一般に、ジョイント符号化は、DCIにおいて利用可能なビットの利用において、より高い効率を提供しうる。高速なスケジューリングを提供するため、パラメータの数及びDCIの長さは、可能な限り低く維持されてもよい。他方、別々のフィールドにおける符号化は、いくつかのケースでは後方互換性を提供しうる。ジョイント符号化は、例えば、結合的なビットフィールドにおいて、各インデックスに対して、テーブルの列に対応するパラメータ値の特定の組み合わせを含むテーブルに対するインデックスを通知することによって実現されてもよい。このようなテーブルの具体例は、例えば、上述したTDRAテーブル又はMCSテーブルなどである。
【0082】
回路780は更に、2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定する。各領域は、プリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有する。当該整数は1以上である。言い換えれば、各領域は、1つ以上のPRGから構成されてもよい。当該決定は、通知された周波数領域リソース割当てに従って実行されてもよく、例えば、2つ以上のTCI状態の領域は、周波数領域リソース割当てによって指定された周波数領域リソース内に位置する。
【0083】
上述されるように、異なるTCI状態の領域は重複しない。言い換えれば、領域は周波数分割多重(FDM)される。いくつかの実施例では、何れの領域も重複しない(互いに異なるTCI状態に属さない)。
【0084】
回路780は、複数のTRPを採用する送信/受信のための周波数領域リソースの上述した決定より多くの機能を実装してもよい。従って、回路780は、周波数領域リソースの決定を実行するよう構成された周波数リソース決定回路785を含むと考えられる。当該構成は、ハードウェア構成及び/又はソフトウェアによって提供されてもよい。
【0085】
図8は、周波数リソース決定回路785の機能構成を示す。特に、周波数リソース決定回路785は、DCIからTCIインジケータ及び周波数領域割当てを抽出するPDCCH処理回路870を含む。周波数リソース決定回路785は更に、周波数リソース制御回路880を含み、それは、TCIインジケータが2つ以上のTCI状態を示すとき、割り当てに基づいて領域を決定し、領域に基づいてそれぞれのTCI状態に割り当てられた周波数リソースの割当てを決定する。その後、処理回路は、決定されたリソース上でデータを受信又は送信するよう送受信機770を制御してもよい。
【0086】
領域の決定に続いて、送受信機770は、動作中に各TCI状態について、決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信する。これは、UEがデータを受信するためにDCIがダウンリンクリソースをスケジューリングしたダウンリンクケースに適用される。アップリンクのケースでは、送受信機770は、動作中に各TCI状態について、決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信する。単一のUEは、受信機及び送信機であって、受信されたDCIがダウンリンクスケジューリングDCI又はアップリンクスケジューリングDCIであるか否かに応じて、複数のTRPとの間でデータを送受信する送受信機を有することができる。
【0087】
UE760に対応して、
図7は、スケジューリングノード710を示す。スケジューリングデバイスは、5G-NRの場合、基地局又はgNBなどの何れかのネットワークアクセスノードであってもよい。実施例によると、スケジューリングデバイス710は、動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを送信する送受信機720を有する。送受信機720は、1つ以上のTRPを提供するため、2つ以上のアンテナ(例えば、アンテナパネル)を有してもよい。しかしながら、TRPはまた、複数の異なるネットワークノードによって提供されてもよい。上述したように、UE760はまた、複数のTRPを提供してもよく、UE760の送受信機770はまた、複数のアンテナ(アンテナパネル)を含んでもよい。DCIは、スケジューリングデバイス710とUE760との間の通信を可能にするため、上述したDCIにシンタックス及びセマンティックにおいて対応してもよい。
【0088】
スケジューリングデバイス710は更に、動作中に2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、2つ以上のTCI状態に割り当てられた周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを含むDCIシグナリングを提供するプロセッサ730を有する。TCIインジケータと周波数領域リソース割当てとの双方について上述したシグナリングの可能性が適用される。プロセッサ730は更に、2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定し、各領域は、プリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、当該整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない。従って、送受信機720は、動作中に各TCI状態について、決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信(ダウンリンクの場合)又は受信(アップリンクの場合)する。UEにおけるプロセッサ780と同様に、プロセッサ730はまた、様々な異なるタスクを実行してもよい。ここで、周波数リソース割当回路735は、リソースを決定し、対応するシグナリングをUE760に提供することを含む、上述した周波数領域割当てタスクを実行するプロセッサ730の機能部分を示す。
【0089】
スケジューリングデバイスは更に、回路730の一部として、1つ以上のUEのスケジューリングを実行する割当回路を更に含んでもよい。スケジューリングの結果として、周波数領域リソースの割当てが生成され、TCIインジケータ及び当該割当てを示す対応するDCIシグナリングが生成される。そして、当該回路は、1つ以上のUEのためのスケジューリングされたリソースにおいてデータを送信又は受信するよう送受信機720を制御する。
【0090】
周波数リソース割当回路735の例示的な機能構成が、
図9に示される。特に、周波数リソース割当回路735は、スケジューリング回路920及びPDCCH生成回路930を含んでもよい。スケジューリング回路920は、例えば、UEの1つ以上から測定結果を収集し、それに基づいて、UEからの要求に基づいて及び/又はそれのリソースの利用可能性に基づいて、周波数領域における(及びおそらく時間領域と共にTRPにおいて)リソースを各UEに割り当てるなど、スケジューリングを実行する。そして、PDCCH生成回路930は、1つ以上の各UEのスケジューリング結果に従って、TCIインジケータ及びリソース割当てを含むDCIを生成する。
【0091】
図7から理解できるように、UE760及びスケジューリングノード710は、通信システムを形成可能であり、すなわち、チャネル750を介し通信することができる。
【0092】
以下において、領域に関する各種実施例が説明される。特に、以下の設定の1つ以上が、領域を規定するため検討されてもよい。
a)領域の数:割り当てられた周波数リソース内の領域の数
b)領域の割当て:例えば、プリコーディングリソースブロックグループ上などの物理レイヤリソース(グリッド)に対する領域の割当て
c)領域のサイズ:複数のPRGに関する領域のサイズ、及び
d)領域の関連付け:1つのTRP(TCI状態)に対する各領域の割当て
【0093】
上記の4つの設定a)~d)が、異なる方法により設定及び/又は通知可能である。
【0094】
領域は、2つ以上のTCI状態がTCI指示のためのビットフィールドのコードポイントによって示されるときに限って、設定及び利用されてもよいことに留意されたい。しかしながら、本開示はこれに限定されるものでなく、単一のTRPケースに対してもリソース割当ての考え方が採用されてもよい。
【0095】
NR Rel.16では、TCIビットフィールドのコードポイントを使用して2つのTCI状態(Rel.15の1つのTCI状態の代わりに)を示すことが合意されており、これは基本的に2つのTRP送信が可能であることを意味する。
【0096】
A.領域の数の決定
第1の例によると、プロセッサ770(及び対応するプロセッサ730もまた)は、動作中にDCIにおける1つのTCIによって指示されるように可能な限りセミスタティックに設定されるTCI状態の最大数に従って領域の数(量)を決定する。
【0097】
言い換えれば、UEは、TCIシグナリングの1つのインデックスによって指示されるようセミスタティックに設定されるTCI状態の最大数に基づいてセミスタティックに領域の数を決定する。
【0098】
特に、基地局710は、UE760にRRCメッセージを送信することによって、DCIによって動的に設定可能なTCI状態の数を示すRRCメッセージをセミスタティックに設定してもよい。例えば、RRCメッセージは、TCI状態の最大数が1であることを通知してもよい。このようなケースでは、DCIは、単一のTCI状態(単一のTRP)のみのための周波数リソースを含む。例えば、RRCメッセージは、TCI状態の最大数が2であることを通知してもよい。そのような場合、TCIインジケータは、同じDCIにおいてスケジューリングされたデータの送信/受信のために適用される1又は2つのTCI状態の何れか一方を通知してもよい。例えば、RRCメッセージは、TCI状態の最大数が3以上であることを通知してもよい。そのような場合、DCIは、RRC設定されるTCI状態の最大数までの何れかの数1,2,3,・・・を動的に通知してもよい。
【0099】
その後、DCIにおいて搬送されるリソース割当ては、TCIインジケータに従って、指示された数のTCI状態に対して周波数リソースをカバーするとして解釈される。例えば、TCI状態の最大数が1である場合、周波数リソース割当てによって示される割り当てられるリソース全体は、1つのTCI状態を用いた送信/受信に属する。TCI状態の最大数が2である場合、少なくとも2つの異なる領域が存在する。一般に、それぞれの2つのTCI状態に対して2つのスーパー領域が存在する。各スーパー領域は、複数の領域を含んでもよく、後述されるように、周波数領域において連続又は不連続であってもよい。
【0100】
セミスタティックに領域の数を決定することは、動的に決定される必要がないため、より小さい複雑さを実現しうる。
【0101】
しかしながら、第2の例によると、プロセッサ770は、動作中に当該TCIインジケータによって示されるTCI状態の最大数に従って領域の数を決定する。これに対応して、基地局のプロセッサ730は、当該TCIインデックスによって示されるTCI状態の最大数に従って領域の数を決定する。領域、それらの数、サイズ、物理リソースに関する位置及び各TCI状態へのそれらの割当ての決定は、チャネル750の品質/特性、UE能力、基地局710によって処理されるセルにおける利用可能なリソースなどに基づいて、スケジューリング回路920によって決定されてもよい。
【0102】
言い換えると、UEは、DCIにおけるTCIコードポイントによって動的に示されるTCI状態の最大数に基づいて動的に領域の数を決定する。この例では、スーパー領域の数の決定は動的に実行される。従って、リソースはより効率的に利用されうる。例えば、RRCによって示されるTRPの最大数が2であるが、現在のDCIが、TCIインジケータによって単一のTCI状態のみが同じDCIによってスケジューリングされるデータの送信/受信に使用されるべきであることを示すとき、領域の数は1に等しいTCIの数について決定される。実際には、この場合、領域は決定される必要はない。
【0103】
例えば、RRCによって示されるTRPの最大数が3であるが、現在のDCIが、TCIインジケータによって2つのTCI状態のみが同じDCIによってスケジューリングされたデータの送信/受信に使用されるべきであることを示すとき、領域の数は2に等しいTCIの数について決定される。
【0104】
TCIの最大数は、この例に対して通知/評価される必要はないことに留意されたい。特に、本例では、領域の数は、動的スケジューリングに基づいて決定される。
【0105】
B.PRG上への領域マッピング
例えば、プロセッサは、動作中に当該DCIに基づいて動的リソース割当てを考慮することなく、セミスタティックにPRGの各整数倍に領域を割り当てる。例えば、当該割当ては、DCIにおいて周波数領域割当てによって示される周波数リソースの始めからスタートし、各PRGを所定のパターンに従って特定の1つのTCI状態に関連付けることによって実行されてもよい。より詳細に後述されるように、異なるパターンがあってもよい。例えば、PRGが複数のTCI状態に交互に割り当てられる交互パターンであってもよい。
【0106】
言い換えれば、UEは、リソース割当ての実行前にセミスタティックに複数のPRGにおいて共通の物理リソースブロック(PRB)上の領域を割り当てる。従って、動的割当ては、動的にスケジューリングされたTCI状態に属する(セミスタティックな割当てに従って)領域のみを参照してもよい。
【0107】
上述した領域の数のセミスタティックな決定と本実施例との組み合わせは、UEのシンプルで効率的な実現形態を提供してもよい。
【0108】
他の例では、プロセッサは、動作中に周波数領域リソース割当てに従ってPRGの各整数倍に領域を割り当てる。この場合、当該割当ては、これらの領域のみが現在実際にスケジューリングされているリソースにマッピングされているため、より効率的なリソース利用を容易にしうる。本実施例と上述した領域の数の動的な決定との組合せは、効率的なリソース利用を提供しうる。
【0109】
言い換えれば、本例において、UEは、リソース割当ての実行後に動的に複数のプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)における割り当てられた物理リソースブロック(PRB)上の領域を割り当てる。
【0110】
C.領域関連付けパターン
第1の例では、プロセッサは、動作中に事前設定されるパターンに従って領域を2つ以上のTCI状態に関連付ける。事前設定されるパターンは、スタティック(規格においてオペレータ等によって設定される)、セミスタティック(例えば、RRCシグナリングによって)又はDCIにおけるビットフィールドのコードポイントによって動的に事前設定されてもよい。
【0111】
事前設定されるパターンは、連続する領域の各整数Mの後にTCI状態を交互にすることによるラウンドロビンに対応するものであってもよく、ここで、Mは1以上である。ラウンドロビンは、所定の順序のTCI状態がPRGに周期的にマッピングされるアプローチを指す。マッピングのシンプルであるが効率的な方法は、M=1であってもよい。しかしながら、本開示はこれに限定されず、Mは1より大きくてもよい。実際、2つのTCI状態のそれぞれに対してM1及びM2が規定されてもよく、ここで、M1はM2と異なる。x個のTCI状態の各々に対して領域の数Mxが規定されてもよい。
【0112】
言い換えると、この例では、UEは、例えば、非連続的に周波数領域全体にわたるラウンドロビンによって、設定可能なパターン(スタティック、セミスタティック又は動的)で指示されたTCI状態に決定された各領域を関連付ける。
【0113】
基地局側では、プロセッサ730は、データを送信又は受信する際にデータを正しい方法でリソースにマッピングするため、同じ方法でリソースに領域をマッピングする必要がある。
【0114】
第2の例によると、プロセッサ780(プロセッサ730と共に)は、動作中に2つ以上のTCI状態の各々に連続する領域を順次関連付ける。言い換えると、UE(及び 基地局)はまず、指示されたTCI状態に決定された各領域を連続的に関連付け、その後、次の残りの領域に続く。これは、DCIにおいて受信された周波数領域割当てにより割り当てられた周波数リソース上に連続的にマッピングされるスーパー領域全体(1つのTCI状態に関係する全ての領域を含むスーパー領域)を設定される各TCI状態と関連付けることとしてみなすことができる。このアプローチの利点の1つは、多重化の複雑さが減少することであろう。
【0115】
第3の例によると、プロセッサ770(及び対応してプロセッサ730)は、動作中に(第1の例のように)ラウンドロビンに従って連続領域の第1の部分を2つ以上のTCI状態に関連付け、連続領域の第2の部分をTCI状態の1つに関連付ける。言い換えると、UE760(及び対応して基地局710)は、1つのステップが非連続であるラウンドロビン方式での関連付けを含み、他のステップが1つのスーパー領域(1つのTCT状態の残りの領域)と残りのPRGとの関連付けを含む2つのステップにおいて、決定された各領域を指示されたTCI状態に関連付ける。このアプローチは、特に、異なるMCS及び/又は異なるTBが異なる各TCI状態にマッピングされるケースに対して有利でありうる。
【0116】
第4の例によると、事前設定されるパターンは、セミスタティック又は動的なシグナリング内において、ビットマップの各ビットが領域を表すビットマップとして受信され、ビットの第1の値が第1のTCI状態を示し、ビットの第2の値が第2のTCI状態を示す。言い換えると、UEは、各領域に対するビットマップの指示に基づいて、指示されたTCI状態と決定された各領域とを動的に関連付け、ここで、“0”は関連付けられていないことを意味し、“1”は関連付けされていることを意味する。このパターンシグナリングは、単に例示的なものであることに留意されたい。ビットマップには、PRGを表す各ビット(領域サイズが1PRGであるケースに対応する)が提供されてもよい。一般に、この第4の例は、一方において最も高いフレキシビリティを提供するが、ビットマップをシグナリングするためのいくつかの追加的なリソースを必要とする。
【0117】
フレキシビリティとシグナリング努力との間のトレードオフを提供するため、混合された解決策があってもよい。例えば、ビットマップは、スティックに規定され、基地局からUEにセミスタティックに通知されるインデックスにそれぞれ関連付けされる。異なる方式のこのようなインデックス付けは、ビットマップ表現に限定されないことに留意されたい。例えば、ラウンドロビンパターン(上記の第1の例を参照)及び連続パターン(上記の第2の例を参照)などの2つのパターンは、双方とも設定可能としてスタティックに規定され(規格又はオペレータによって)、各インデックスと関連付けされてもよい(例えば、0及び1)。そして、基地局は、領域を設定し、RRCメッセージ内などにおいてそれのインデックスを通知することによって、設定された方式を指示する。さらにフレキシビリティを高めるため、いくつかの実施例では、インデックスはDCIにおいて通知されてもよい。
【0118】
あるいは、例えば、ビットマップの形式又は異なるパターンの所定のインデックス付け(例えば、規格における)を参照することによって、複数のパターンが通知(事前設定)されてもよい。このような事前設定されるパターンの間の動的な切り替えは、例えば、事前設定されるパターンのそれぞれに対するインデックスとして、DCIにより可能であってもよい。このようなインデックスは、例えば、フィールド又は他の1つ以上のパラメータとジョイント符号化されるコードポイントとして、DCIにおいて動的に通知される。
【0119】
D.領域サイズ
第1の例によると、プロセッサ(770及び/又は730)は、動作中に全てのTCI状態の全ての領域に共通する固定サイズとして各領域のサイズを設定する。言い換えると、UEは、各領域に対して共通の固定値によりスタティックに設定される。例えば、各領域は、1つのPRGのサイズを有してもよい。しかしながら、領域サイズはまた、2つ以上のPRGに固定的に設定されてもよい。スタティックな設定とは、規格が領域の長さ(PRGの数に関して)を規定するか、あるいは、ネットワークオペレータがそれを規定することを意味する。一般に、スタティックな設定とは、確立されたデータベアラに対して再設定が可能でないことを意味する。
【0120】
第2の例によると、プロセッサ(770及び/又は730)は、動作中に送受信機によって受信され、全てのTCI状態の全ての領域に共通するサイズを指定するか、又は、各TCI状態について当該TCI状態の全ての領域に共通するサイズを指定するセミスタティックなシグナリングに従って各領域のサイズを設定する。
【0121】
言い換えると、UEは、RRCシグナリングを介し各領域に対して共通の固定値によって(基地局によって)セミスタティックに設定される。全てのTCI状態の全ての領域に対して1つの共通のサイズを有する第1の可能性は、シグナリングリソースを節約する。異なる各TCI状態に対して異なる領域サイズを設定する第2の可能性は、更なるフレキシビリティを提供し、異なるTCI状態が異なるMCSにより設定されるケースに特に適している。
【0122】
第3の例によると、プロセッサは、動作中に、
・DCIから複数のPRGに関する絶対的なサイズを取得すること、
・DCIから異なるTCI状態に属する領域のサイズの間のレシオを取得すること、
・DCIから異なるTCI状態に属する各領域のトランスポートブロックサイズを取得し、トランスポートブロックサイズに基づいて領域のサイズを決定すること、
・リソース割当てに従ってPRGの総数を領域の数により割ること、
の1つ以上によってDCIから各領域のサイズを決定する。
【0123】
例えば、UEは、DCIを介した動的な指示に基づいて各領域のサイズを動的に決定する。そのような指示は、サイズ(絶対的なサイズ)を直接含んでもよいし、あるいは、当該サイズに関連付けされたインデックスによってサイズを指示してもよい。例えば、領域サイズは、パターン、領域数などを更に含む領域設定の一部であってもよい。そのような設定は、テーブルにリストされ、DCIにおいて示されうる各自のインデックスに関連付けされてもよい。DCI内のサイズの他の何れかのシグナリングが可能である。
【0124】
UEは、セミスタティックなシグナリングを参照して上述されたように、PRGの倍数に関する絶対的なサイズによって、または、全てのTCI状態に別々に又は共通して各TCI状態のサイズの他の何れかの指示によって通知されてもよい。
【0125】
例えば、UEには、DCIシグナリングを介し各領域についてサイズ間のレシオが示されてもよい。領域の1つが絶対的なサイズによって通知され、残りがレシオ又は差分として通知されてもよい。当業者には明らかなように、さらなる可能性があり、従って、本開示はこれらの例の何れかによって限定されない。
【0126】
他の例示的な実現形態では、UEは、各TCI状態に対する別々のMCS指示に基づいて計算可能である各領域に関連付けされたTBサイズに基づいて、各領域のサイズを決定する。TBサイズは、MCSから取得されてもよく、変調もまた決定のために考慮されてもよい。MCSは、典型的には、変調(次数)とトランスポートブロックサイズ(符号化率に対応する)との組み合わせを含むMCSテーブルへのMCSインデックスによって示される。
【0127】
他の例示的な実現形態によると、UE(及び対応して基地局)は、PRGの総数を領域の総数で単に割ることによって、各領域のサイズを決定する。この例では、領域サイズは、全てのTCI状態について同じであると仮定される。しかしながら、この決定はまた、サイズを取得ため異なるTCI状態に関係する領域のサイズ間のレシオを通知することと組み合わされてもよく、あるいは、当該レシオは、MCSに依存して規定/導出されてもよい。
【0128】
上記の領域の決定及びマッピングは、異なるステップA~Dであったが、これは単に例示的なものであり、実際には、TCI状態のマッピングはPRG上に直接記述/規定されてもよいことに留意されたい。例えば、Mなどの領域のサイズが分かると、TCI状態には、M個のPRGに対する各TCI状態が循環的に割り当てられる。従って、本開示は、結果が達成される限り、異なるTRPに関連する送信のPRGへのマッピングが実行される何れか特定の方法に限定されない(例えば、
図13~17のマッピングなどを参照されたい)。
【0129】
図10は、実施例による方法を示す。この方法は、UEにおいて実行されるべきであり、ステップ1010において、RRCシグナリングの受信から開始され、データのマルチTRP受信及び/又は送信のためのFDM機構によってUEを設定する。RRCシグナリングは、ネットワークから受信され、領域を設定するための何れかのパラメータ、例えば、それらのサイズ、位置、数、PRG及びTCI状態への割り当てなどを含みうる。例えば、基地局は、RRCを介しそれのセルにおけるUEを設定してもよい。ステップ1020において、UEは、スケジューリングDCIを受信し、TCIインジケータについて、DCIにおける該当するビットフィールドのコードポイントを確認する。特に、DCIを受信するため、UEは、事前設定されたCORESET(制御リソース)をモニタリングし、UEにアドレス指定されたDCIが存在するか否かを判定するためブラインド復号化を実行してもよい。そのようなDCIが検出されると、UEは、DCIにおいて通知されたパラメータを解析する。本開示によると、パラメータは、1つ以上のTCI状態が設定されているか否かを少なくとも示すTCIインジケータを含む。いくつかの実施例では、TCIインジケータはまた、設定されたTCI状態の数を示してもよい。DCIからTCIインジケータを抽出した後、ステップ1030において、2つ以上のTCI状態が設定されているか否かが評価(判定)される(TCIインジケータによって示される)。
【0130】
ステップ1030において示される2つ以上のTCI状態がある場合、ステップ1040~1060が実行される。特に、ステップ1040において、UEは。データを受信するための周波数リソースを決定する。これは、DCIから周波数領域割当てを抽出することによって実行されてもよい。しかしながら、本開示はこれに限定されず、リソースは、以前に受信されたDCIによって半永久的及び/又は少なくとも部分的にセミスタティックに規定されてもよい。そして、ステップ1050において、UEは、決定された周波数リソースとPRGの倍数の粒度による複数のTRPとを関連付ける。ここで、当該倍数は、PRGの1倍以上(整数倍)であってもよい。最後に、ステップ1060において、UEは、割当て及び関連するリソース上で複数のTRPからデータ送信を受信する。本例では、スケジューリングDCIは、ダウンリンクにおけるDCIスケジューリング送信であったと仮定される。しかしながら、上述されるように、本開示は、ダウンリンクに加えて又は代わりに、アップリンクに適用可能である。本開示はサイドリンクにも適用可能であってもよいことに留意されたい。
【0131】
ステップ1030において示されるTCI状態が1つ以下である場合、ステップ1070~1090が実行される。ステップ1070において、UEは、1つのTRPからデータを受信するための周波数リソースを決定する。ステップ1070に続いて、ステップ1080において、UEは、指示された単一のTCI状態と送信とを関連付ける。最後に、ステップ1090において、UEは、割り当てられたリソース上の1つのTRPからデータ送信を受信する。
【0132】
図11は、互いに通信するUEと基地局との双方において実行される方法を示す。
【0133】
基地局において実行される方法は、基地局がスケジューリングを実行し、2つ以上のTCI状態(TRP)でUEにリソースを割り当てるステップS1110を含んでもよい。当該割当てに従って、ステップS1120において、基地局は、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、2つ以上のTCI状態に割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとをDCIシグナリング内において提供するため、PDCCH上で搬送されるDCIを生成する。リソース上へのデータの送信を適切にマッピングするため、基地局は、2つ以上のTCI状態の各TCI状態に対して、周波数領域における1つ以上の領域を決定し、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、当該整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない。ステップS1130において、基地局は、生成されたDCIを含むPDCCHを送信する。最後に、基地局は、ステップS1170において、各TCI状態に対して、決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信する。
【0134】
対応して、UEにおいて実行される方法は、PDCCHによってダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信するステップS1140を含む。ステップS1150において、UEは、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、2つ以上のTCI状態に割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとをDCIシグナリングから取得する。ステップS1160において、UEは、2つ以上のTCI状態の各TCI状態に対して、周波数領域における1つ以上の領域を決定し、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、当該整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない。従って、ステップS1180において、UEは、各TCI状態に対して、決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信する。
【0135】
周波数領域リソースを参照する際、本開示では、1つ以上のシンボルの周波数領域リソース(物理レイヤ技術のアップリンク/ダウンリンクに応じてOFDM又はDFT-S-OFDMなど)が意図される。典型的には、DCIは、DCIにおいて搬送されるスケジューリングが適用される特定の時間領域リソースを搬送(又はそれのタイミングを示唆)する。
【0136】
以下において、上述した領域決定部分A~Dの組み合わせのいくつかを示すため、いくつか特定の実施例が例示のため提供される。これらの実施例は本発明を限定しないことに留意されたい。
【0137】
実施例1
UE(及び基地局)は、周波数領域におけるPRBを等しいサイズの複数の領域に分割し、ここで、各領域のサイズは1PRGに等しくなるようスタティックに設定される。スーパー領域の数は、設定されたTCI状態の数に等しい。領域とTCI状態との間のセミスタティックな関連付けはラウンドロビン方式で実行され、その結果、同じインデックス番号を有する(すなわち、同じTCI状態に割り当てられる)領域は、DCIによって搬送される周波数領域リソース割当てによって割り当てられるリソース上で周波数領域において非連続的に割り当てられる。
【0138】
実施例1の効果の1つは、何れの追加的なシグナリングを必要とせず、UEに設定されて、2つ以上のTCI状態がTCIインジケータによって示されるときに適用される当該新たな手順にのみ依拠することである。非連続的な割当てによって、実施例1は、UEに最も大きな周波数ダイバーシチを提供することができる。
【0139】
他方、当該実施例はまたいくつかの制限を提供する。本実施例の主なユースケースは、同一のMCSが異なるTRPからの送信に使用され、2又は4の何れかのPRGサイズがDCIによって指示されるときである。セミスタティックな関連付けは、利用不可な領域でさえTRPと関連付け可能であり、実際の送信は利用可能な領域上でのみ行われ、このため、TRPとの効果的な関連付け系列がラウンドロビンにならないかもしれないことを意味する。
【0140】
【0141】
2つの領域スーパー領域が規定され、スーパー領域1はTCI状態1に関連し、スーパー領域2はTCI状態2に関連する。各スーパー領域は、1つの連続したPRGを有し、各TCI状態にラウンドロビン方式で全体的に関連付けされる。従って、スーパー領域全体は不連続である。本例では、領域のPRG5は、おそらく、何らかの他のUEへの割当てのために利用不可である。
図12から理解できるように、領域とTCI状態との間の割り当ては、実際のリソース割当ての前に実行されるため、PRG5はスーパー領域1に属するが、TCI状態1に対して割当て/使用することはできない。PRG4及びPRG6は双方ともスーパー領域2に属し、従って、TCI状態2に属する。
【0142】
実施例2
本実施例は、
図13に示される。特に、UE(提供される設定に対応し、基地局に従う)は、周波数領域におけるPRGを等しいサイズの複数の領域に分割する。領域のサイズは、1PRGに等しく、全てのTCI状態の全ての領域に共通となるようスタティックに設定される。領域の数(量)は、指示されたTCI状態の数、すなわち、TCIインジケータ内のDCIによって示されるTCI状態(例えば、対応するビットフィールドのコードポイント内)の数に等しい。領域とTCI状態との間の動的な関連付けは、ラウンドロビン方式で実行される。従って、1つのTCI状態に属する領域は、周波数領域において非連続的に割り当てられる。
【0143】
ここで、関連付けは動的な方法で実行され、それは、利用可能なリソースのみが領域を作成し、TCI状態に関連付けするため考慮されることを意味する。これは、効率的なリソースの利用の効果を提供しうる。本実施例に適したユースケースの1つは、同じMCSが異なるTRPからの送信に使用され、例えば、2又は4のPRGサイズがDCIによって示されるときであろう。
【0144】
図13から理解できるように、2つのスーパー領域が規定され(
図13では、Region 1及びRegion 2として示される)、スーパー領域1として示されるPRGはTCI状態1に関連付けられ、スーパー領域2として示されるPRGはTCI状態2に関連付けられる。スーパー領域1及びスーパー領域2の各領域は、1つの連続したPRGを有する。領域は、各TCI状態にラウンドロビン方式で全体的に関連付けされ、従って、領域とTCI状態との関連付けは、全体的に不連続である。Region 1はPRG 1に対応し、Region 2はPRG 2に対応し、Region3はPRG 3に対応し、以下同様である。
【0145】
関連付けは、割り当てられたリソース、すなわち、DCIの周波数領域割当てにおいて指定されたリソースのみに対して動的に実行されるため、全ての関連付けされた領域がまた割り当てられる。
【0146】
実施例3
実施例3は、
図14に示される。従って、UE(基地局によって採用される設定に対応する)は、周波数領域におけるPRBを等しいサイズの複数の領域に分割する。領域のサイズは、RRCプロトコルによってセミスタティックに設定される。スーパー領域の数は、指示されたTCI状態の数に等しく、本例では2である。領域とTCI状態との間の動的な関連付けは、ラウンドロビン方式で実行され、スーパー領域が非連続に割り当てられる。領域のサイズの動的な指示は、新たなビットフィールドにより明示的に通知可能であるか、あるいは、名目的なRBGサイズの通知と共に暗黙的に通知することも可能である。
【0147】
これは、上述したTable 1の修正である以下のTable 2において示される。従って、括弧内の値は、RBGサイズに関連する例示的な領域サイズである。例えば、73と144との間の帯域幅部分のサイズについて、設定1では、RBGのサイズは8RBであり、領域のサイズは2PRGである。このテーブル表現は、規格によって規定されたRBGサイズ(又はセミスタティックなシグナリングによって設定可能でさえある)と領域サイズとの間に関係がありうることを示すための例示にすぎないことに留意されたい。このような関係は、このテーブルとは異なる方法で、それとは独立して指定することができる。そのような暗黙的な関係の効果は、領域サイズのシグナリングの目的のためのシグナリングオーバヘッドの低減である。
【表2】
【0148】
図14では、スーパー領域1がTCI状態1に関連し、スーパー領域2がTCI状態2に関連する2つのスーパー領域が規定される。各領域は、2つのPRGのサイズを示し、これらの領域は、ラウンドロビン方式で各TCI状態に関連付けされ、その結果、各TCI状態について不連続なリソース配分が生じる。
図14は、4つのRegion 1~4を示し、そのうち、Region1及び3がスーパー領域1を形成し、Region2及び4がスーパー領域2を形成する。スーパー領域1はTCI状態1に関連し、スーパー領域2はTCI状態2に関連する。
【0149】
本実施例は、領域のサイズが1PRGに固定されていないため、比較的フレキシブルである。この例では、領域のサイズは2PRGである。しかしながら、上述のように、サイズは、一般に、所望の周波数ダイバーシチに応じて指示されてもよい。当該指示は、全ての領域に対して提供されてもよい。本実施例が効果的な実現形態を提供しうるユースケースの1つは、同じMCSが異なるTRPからの送信に使用されるときであり、例えば、2又は4の何れかのPRGサイズがDCIによって指示されるときである。本実施例をまた異なるTCI状態に対して異なるMCSにも適するようにするため、領域サイズの指示は、TCI状態毎に提供されてもよい。
【0150】
実施例4
本実施例では、領域の数(このケースではスーパー領域の数と共に)は、指示されたTCI状態の数に等しい。従って、UEは、周波数領域におけるPRGを等しいサイズの複数の領域に分割する(又は、一般にはPRGの数がTCI状態の数で割り切れない場合には、実質的に等しいサイズ)。領域とTCI状態との間の動的な関連付けは、ラウンドロビン方式で行われる。本実施例では、各領域は連続的に割り当てられ、領域サイズは、合計のPRGを領域の数で割ることによって計算される。本実施例は、特に、プリコーディング粒度が広帯域であり、その結果、連続的な割り当てがより適しているときに有利でありうる。
【0151】
実施例4は、
図15に示される。理解できるように、Region 1がTCI状態1に関連し、Region 2がTCI状態2に関連する2つの領域が規定される。各領域は、利用可能なPRGの合計をこれら2つの部分に分割することによって規定され、各部分は別々のTCI状態に関連付けされる。各スーパー領域は、各領域に対応し、従って、PRGの連続的な割当てしか有さない。
【0152】
実施例5
実施例5によると、UEは、周波数領域におけるPRBを異なるサイズの複数の領域に分割する。領域のサイズは、絶対的な値又は領域サイズのレシオの何れかに関してUEに明示的に通知される。
【0153】
例えば、2及び4がTCI状態1及びTCI状態2の各領域について示される明示的(絶対的)なサイズである場合、TCI状態1に関連するRegion 1は、連続的な2つのPRGを有し、TCI状態2に関連するRegion 2は、連続的な4つのPRGを有する。(1:2)などのレシオが示される場合、TCI状態1に関連するRegion 1は、連続的な1つのPRGを有し、TCI状態2に関連するRegion 2は、連続的な2つのPRGを有する。本実施例では、スーパー領域の数は、設定されたTCI状態の数に等しい。領域とTCI状態との間の動的な関連付けはラウンドロビン方式で実行され、これにより、スーパー領域が非連続的に割り当てられる。本実施例は、異なるTBSが異なるTRPから送信されるとき、異なる領域間で等しくないサイズのケースでさえサポートするフレキシビリティを提供する。
【0154】
実施例6
本実施例では、UE(及び対応する基地局)は、周波数領域におけるPRB(特にPRG)を異なるサイズの複数の領域に分割する。特に、各領域のサイズは、異なるTRPに対する異なるMCSの指示に基づいて計算される。第1のTRPがMCS 1により設定され、第2のTRPがMCS 2により設定でされ、MCS 1とMCS 2とが互いに異なると仮定する。
【0155】
例えば、MCS 1及びMCS 2の値がある閾値内にある場合、領域サイズのレシオは(1:1)として計算される。当該閾値は、MCS 1とMCS 2との間の差分に対する閾値である。MCS 1>MCS 2(又はその逆)であって、それらの間の差分(MCS 1-MCS 2及び/又はMCS 2-MCS 1、例えば、絶対的な差分)が特定の閾値を超える場合、領域サイズのレシオは(1:2)として計算される。
【0156】
スーパー領域の数は、設定されるTCI状態の数に等しい。領域とTCI状態との間の関連付けは、ラウンドロビン方式で実行される。従って、スーパー領域は、非連続的に割り当てられる。
【0157】
本実施例は、異なるTRPに対する指定されたMCSに基づく異なる領域の間のサイズのレシオを計算し、従って、明示的なシグナリングは必要とされず、より効率的なリソース利用を生じさせる。
【0158】
図16は、本実施例による領域の具体例を示す。スーパー領域1がTCI状態1に関連付けされ、スーパー領域2がTCI状態2に関連付けされる2つのスーパー領域が規定される。Region 1とRegion 2との間のサイズのレシオは、Region 1(スーパー領域1に関する)が2つの連続的なPRGを有し、Region 2(スーパー領域2に関する)が1つの連続的なPRGを有することを意味する(2:1)として指示又は決定される。各TCI状態に関連するリソース全体は、本実施例では等しくない。
【0159】
実施例7
本実施例では、UE(基地局もまた)は、周波数領域におけるPRB(従って、PRGもまた)を等しいサイズの複数の領域に分割する。領域のサイズは、1PRGに等しくなるようスタティックに設定される。スーパー領域の数は、設定されるTCI状態の数に等しい。領域とTCI状態との間の動的な関連付けは、異なるTBサイズが異なるTRPから送信されると、2つのステップで実行される。TCI状態の1つに関連する最も小さなTBサイズがフルに割り当てられるまで、領域とTCI状態との間の関連付けがまずラウンドロビン方式で実行される。最も小さいTBサイズ(ここでは、1PRG)がフルに割り当てられた後、残りの領域は、最も大きなTBサイズによりTCI状態と連続的に関連付けされる。また、この場合、スーパー領域は非連続的に割り当てられる。本実施例は、異なる領域の間のサイズのレシオの計算に関する計算が必要とされるため、よりシンプルである。
【0160】
図17は、本実施例の具体例を示す。Region 1がTCI状態1に関連し、Region 2がTCI状態2に関連する2つの領域が規定される。Region 2に関連するより小さなTBSが割り当てられるまで、Region 1及びRegion 2がラウンドロビン方式(それぞれ1PRG)で規定され、その後、残りの全ての(割り当てられる)PRGが、より大きなTBSを有するため、Region 1に連続的に割り当てられる。各TCI状態に関連するリソース全体は、等しくない。
【0161】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSI(Large Scale Integration)によって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0162】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0163】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0164】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0165】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0166】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0167】
通信装置はまた、基地局、アクセスポイントなどのインフラストラクチャファシリティと、上記の非限定的な例におけるものなどの装置と通信又は制御する他の何れかの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0168】
要約すると、第1の実施例において、ユーザ装置(UE)であって、動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信する送受信機と、動作中に前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを取得し、前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定するプロセッサであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、プロセッサと、を有し、前記送受信機は、動作中に各TCI状態について、前記決定された周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信又は送信する、ユーザ装置が提供される。
【0169】
第1の実施例に加えて、第2の実施例では、前記プロセッサは、動作中にDCIにおける1つのTCIによって示される可能な限りセミスタティックに設定されるTCI状態の最大数に従って領域の数を決定する。
【0170】
第1の実施例に加えて、第3の実施例では、前記プロセッサは、動作中に前記TCIインジケータによって示されるTCI状態の最大数に従って領域の数を決定する。
【0171】
第1又は第2の実施例に加えて、第4の実施例では、前記プロセッサは、動作中にDCIに基づいて動的なリソース割当てを考慮することなく、セミスタティックな方法でPRGの各整数倍に前記領域を割り当てる。
【0172】
第1又は第3の実施例に加えて、第5の実施例では、前記プロセッサは、動作中に前記周波数領域リソース割当てに従ってPRGの各整数倍に前記領域を割り当てる。
【0173】
第1から第5の実施例の何れかに加えて、第6の実施例では、前記プロセッサは、動作中に事前設定されたパターンに従って前記2つ以上のTCI状態に前記領域を割り当てる。
【0174】
第6の実施例に加えて、第7の実施例では、前記事前設定されるパターンは、領域を表すビットマップの各ビットによるビットマップとしてセミスタティック又は動的なシグナリング内で受信され、ビットの第1の値は第1のTCI状態を示し、前記ビットの第2の値は第2のTCI状態を示す。
【0175】
第6の実施例に加えて、第8の実施例では、前記事前設定されるパターンは、連続する領域の各整数個Mの後にTCI状態を交代することによってラウンドロビンに対応し、Mは1より小さくない。
【0176】
第8の実施例に加えて、第9の実施例によると、前記プロセッサは、動作中に前記ラウンドロビンに従って前記2つ以上のTCI状態に前記連続する領域の第1の部分と、前記TCI状態の1つに前記連続する領域の第2の部分とを関連付ける。
【0177】
第1から第6の実施例の何れかに加えて、第10の実施例では、前記プロセッサは、動作中に前記2つ以上のTCI状態のそれぞれに連続する領域を順次関連付ける。
【0178】
第1から9の実施例の何れかに加えて、第11の実施例では、前記プロセッサは、動作中に、(i)全てのTCI状態の全ての領域に共通する固定サイズとして、又は、(ii)前記送受信機によって受信され、全てのTCI状態の全ての領域に共通するサイズ、若しくは、各TCI状態について前記TCI状態の全ての領域に共通のサイズを指定するセミスタティックシグナリングに従って、各領域のサイズを設定する。
【0179】
第1から第9の実施例の何れかに加えて、第12の実施例では、前記プロセッサは、動作中に、(i)前記PRGの倍数に関する絶対的なサイズを前記DCIから取得すること、(ii)異なるTCI状態に属する領域のサイズの間のレシオを前記DCIから取得すること、(iii)異なるTCI状態に属する各領域のトランスポートブロックサイズを前記DCIから取得し、前記トランスポートブロックサイズに基づいて前記領域のサイズを決定すること、(iv)前記領域の数によって前記リソース割当てによるPRGの総数を割ること、の1つ以上によって前記DCIから各領域のサイズを決定する。
【0180】
第13の実施例によると、動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを送信する送受信機と、動作中に前記DCIシグナリング内において、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを指示する周波数領域リソース割当てとを提供し、前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域を決定し、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、プロセッサと、を有し、前記送受信機は、動作中に各TCI状態に対して、前記決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信又は受信する、スケジューリングノードが提供される。
【0181】
第14の実施例によると、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信するステップと、前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを取得するステップと、前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態に対して、周波数領域における1つ以上の領域を決定するステップであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、決定するステップと、各TCI状態に対して、前記決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを受信又は送信するステップと、を有する方法が提供される。
【0182】
第15の実施例によると、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを送信するステップと、前記DCIシグナリング内において、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、前記2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを示す周波数領域リソース割当てとを提供するステップと、前記2つ以上のTCI状態の各TCI状態に対して、周波数領域における1つ以上の領域を決定するステップであって、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、前記整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない、決定するステップと、各TCI状態に対して、前記決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上でデータを送信又は受信するステップと、を有する方法が提供される。
【0183】
第2から12までの実施例は第13の実施例のスケジューリングデバイスに対応して適用可能であることが留意される。さらに、動作中に回路によって実行されるステップは、上記のUE及び基地局の実施例において参照される送受信機のステップと共に各自の方法に対応する。
【0184】
さらに、汎用プロセッサなどの処理回路上で実行されると、上述した方法の実施例の何れかの全てのステップを実行するプログラム命令を記憶する非一時的な媒体が提供される。
【0185】
要約すると、本開示は、ユーザ装置(UE)及びスケジューリングノードと共に、対応する方法に関する。特に、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングは、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、2つ以上のTCI状態に対して割り当てられる周波数領域リソースを指定する周波数領域リソース割当てとを搬送する。2つ以上のTCI状態の各TCI状態について、周波数領域における1つ以上の領域が決定され、各領域はプリコーディングリソースブロックグループ(PRG)の整数倍を有し、当該整数は1以上であり、異なるTCI状態の領域は重複しない。データは、各TCI状態について、決定される周波数領域の領域における周波数領域リソース上で受信又は送信される。
【国際調査報告】