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特表2022-544259ユーザ装置及びスケジューリングノード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ユーザ装置及びスケジューリングノード
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20221007BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221007BHJP
【FI】
H04W72/12 130
H04W72/04 136
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508594
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2020072454
(87)【国際公開番号】W WO2021028414
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】19191801.0
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バムリ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD36
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、ユーザ装置(UE)及びスケジューリングノードと共に、対応する方法に関する。特に、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングは、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び2つ以上のTCI状態と時間領域リソースとの関連付けを示す指示とを搬送し、各時間領域リソースは、2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされ、送受信機は、動作中に2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)であって、
動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信する送受信機と、
動作中に前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けを示す指示とを取得し、前記時間領域リソースのそれぞれは前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、プロセッサと、
を有し、
前記送受信機は、動作中に前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する前記時間領域リソース上でデータを受信又は送信する、ユーザ装置。
【請求項2】
前記指示は、TDRA(Time Domain Resource Assignment)テーブルのエントリを示すインデックスである、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記TDRAテーブルのエントリは、SLIV(Start and Length Indicator Value)の2つ以上のセットを含み、
各セットは、それぞれのTCI状態に対応し、
各SLIVは、それぞれの送信に対応し、
前記それぞれの送信のための時間領域リソースのスタート位置であって、前記それぞれの送信のための時間領域リソースは、前記それぞれのSLIVのセットに対応する前記TCI状態に関連付けされる、スタート位置と、
前記それぞれの送信のための時間領域リソースの長さと、
を指示する、請求項2に記載のユーザ装置。
【請求項4】
各セットは、1つ以下のSLIVを含み、
前記TDRAテーブルのエントリは、前記送信の総数の指示を含む、請求項3に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、動作中に、
1つのSLIVを含む各セットに対して、前記セットに含まれるSLIVに従ってそれぞれの第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び長さを決定し、及び/又は、
前記第1の送信の1つでない各送信に対して、TCI状態の系列を示し、前記第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置に対応するパターンに従って前記2つ以上のTCI状態の1つと前記送信のための時間領域リソースとの関連付け、それぞれの第1の送信のための時間領域リソースの長さによる前記送信のための時間領域リソースの長さであって、前記それぞれの第1の送信のための時間領域リソースと前記送信のための時間領域リソースとは、同一のTCI状態に関連付けされる、時間領域リソースの長さ、及び/又は、前記送信に先行する前記送信の1つのための時間領域リソースのオフセット、スタート位置及び長さによる前記送信のための時間領域リソースのスタート位置であって、前記オフセットは少なくとも2つの第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び/又は長さに対応する、スタート位置を決定する、請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記TDRAテーブルのエントリは、
前記送信の総数の指示と、
前記送信の間のオフセットの指示と、
第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置と、前記第1の送信のための時間領域リソースの長さとを示す単一のSLIVと、
を含む、請求項2に記載のユーザ装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、動作中に、
前記第1の送信のための前記単一のSLIVによって示されるスタート位置による前記第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置、
前記第1の送信のための前記単一のSLIVによって示される長さによる前記第1の送信のための時間領域リソースの長さ、及び/又は、
前記第1の送信でない各送信に対して、前記第1の送信のための時間領域リソースの長さによる前記送信のための時間領域リソースの長さ、前記第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び長さと前記オフセットとの指示による前記送信のための時間領域リソースのスタート位置、及び/又は、所定のパターンによる前記2つ以上のTCI状態と前記送信のための時間領域リソースとの関連付け、
を決定する、請求項6に記載のユーザ装置。
【請求項8】
前記TDRAテーブルのエントリは、
前記送信の総数の指示と、
第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置と、前記第1の送信のための時間領域リソースの長さとを示す第1のSLIVと、
前記送信に利用可能でない時間領域リソースのスタート位置と、前記送信に利用可能でない時間領域リソースの長さとを示す第2のSLIVと、
を含む、請求項2に記載のユーザ装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、動作中に前記時間領域リソースへの前記送信のマッピングを決定し、
各送信の時間領域リソースの長さは、前記第1の送信に対する第1のSLIVによって示される長さと同じであり、
前記送信は、前記第1のSLIVによって示される第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置から始まる所定のオフセットに従って、前記2つ以上のTCI状態の利用可能な時間領域リソースにマッピングされ、前記所定のオフセットは、連続する送信の時間領域リソースの間の離間を示し、
前記時間領域リソースのそれぞれは、所定のパターンに従って前記2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる、請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、動作中に前記時間領域リソースへの前記送信のマッピングを決定し、
前記送信は、前記第1のSLIVによって示される第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置から始まる所定のオフセットに従って、前記2つ以上のTCI状態の時間領域リソースにマッピングされ、
前記所定のオフセットは、連続する送信の時間領域リソースの間の離間を示し、
前記送信がマッピングされる時間領域リソースは、利用可能及び利用不可な時間領域リソースを含み、
何れかの送信が、利用不可な時間領域リソースを計数し、前記第1の送信に対して前記第1のSLIVによって示される長さを有する時間領域リソースにマッピングされ、
利用不可な時間領域リソースを含む時間領域リソースにマッピングされる何れかの送信がパンクチャされ、
前記時間領域リソースのそれぞれは、所定のパターンに従って前記2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる、請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、動作中に前記TCIインジケータに従って少なくとも2つの所定のTDRAテーブルから前記TDRAテーブルを決定する、請求項1から10の何れか一項に記載のユーザ装置。
【請求項12】
前記送信は、同一のデータ部分の繰り返しである、請求項1から11の何れか一項に記載のユーザ装置。
【請求項13】
動作中に2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けとを示すダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを生成し、前記時間領域リソースのそれぞれは、前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、プロセッサと、動作中に前記DCIシグナリングを送信し、前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信する送受信機と、
を有する基地局。
【請求項14】
ユーザ装置(UE)のための方法であって、
ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信するステップと、
前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けとを示す指示とを取得するステップであって、前記時間領域リソースのそれぞれは、前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、取得するステップと、
前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
基地局のための方法であって、
2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けとを示すダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを生成するステップであって、前記時間領域リソースのそれぞれは、前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、生成するステップと、
前記DCIシグナリングを送信するステップと、
前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムにおける信号の送受信に関する。特に、本開示は、そのような送受信のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、100GHzまでの周波数範囲において動作するNR(New Radio)無線アクセス技術(RAT)を含む第5世代とも呼ばれる次世代セルラ技術のための技術仕様に取り組んでいる。NRは、LTE(Long Term Evolution)及びLTE-A(LTE-Advanced)によって表される技術の後継である。
【0003】
LTE,LTE-A及びNRなどのシステムについて、更なる改良及び選択肢は、システムに関する特定のデバイスだけでなく通信システムの効率的な動作を容易にするものであってもよい。
【発明の概要】
【0004】
1つの非限定的及び例示的な実施例は、複数の送信/受信ポイント(TRP)、すなわち、複数のTCI(Transmission Configuration Indication)状態に対する時間領域リソースの効率的なシグナリングを含むリソースを効率的に利用することを容易にする。
【0005】
実施例では、ここに開示される技術は、ユーザ装置(UE)であって、動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信する送受信機と、動作中に前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けを示す指示とを取得し、前記時間領域リソースのそれぞれは前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、プロセッサと、を有し、前記送受信機は、動作中に前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する前記時間領域リソース上でデータを受信又は送信する、ユーザ装置を特徴とする。
【0006】
全体的又は特定の実施例は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体又はそれらの何れか選択的な組み合わせとして実現されてもよいことが留意されるべきである。
【0007】
開示された実施例の更なる利益及び利点は、明細書及び図面から明らかになるであろう。利益及び/又は利点は、明細書及び図面の様々な実施例及び特徴によって個別に取得されてもよく、これらは、そのような利益及び/又は利点の1つ以上を得るために全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下において、例示的な実施例は添付した図面を参照してより詳細に説明される。
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャを示す概略図である。
図2】LTE eNB,gNB及びUEのための例示的なユーザ及び制御プレーンアーキテクチャを示すブロック図である。
図3】NG-RANと5GCとの間の機能分割を示す概略図である。
図4】RRC接続設定/再設定手順のためのシーケンス図である。
図5】eMBB(enhanced Mobile Broadband)、mMTC(massive Machine Type Communications)及びURLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)の利用シナリオを示す概略図である。
図6】例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
図7】チャネル上で通信するユーザ装置(UE)及びスケジューリングノード(基地局)を示すブロック図である。
図8】ユーザ装置(UE)の処理回路部分を示すブロック図である。
図9】基地局の処理回路部分を示すブロック図である。
図10】UEにおいて実行される方法を示すブロック図である。
図11】複数のTRPの時間領域リソースの第1の具体例を示す概略図である。
図12】複数のTRPの時間領域リソースの第2の具体例を示す概略図である。
図13】複数のTRPの時間領域リソースの第3の具体例を示す概略図である。
図14】複数のTRPの時間領域リソースの第4の具体例を示す概略図である。
図15】複数のTRPの時間領域リソースの第5の具体例を示す概略図である。
図16】複数のTRPの時間領域リソースの第6の具体例を示す概略図である。
図17】複数のTRPの時間領域リソースの第7の具体例を示す概略図である。
図18】UE及び基地局において実行される方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
5G NRシステムアーキテクチャ及びプロトコルスタック
3GPPは、100GHzまで範囲の周波数で動作するNR(New Radio Access Technology)の開発を含む、単に5Gと呼ばれる第5世代セルラ技術の次のリリースに取り組んできた。2017年末に第1版の5G規格が完成し、5G NR規格に準拠したスマートフォンの試行及び実用化の進展が可能になる。
【0010】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを含むNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定し、UEに対するNG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコルターミネーションを提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続される。gNBはまた、NG(Next Generation)インタフェースによってNGC(Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(User Plane Function)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、図1に示される(例えば、3GPP TS 38.300 v15.6.0,section 4を参照されたい)。
【0011】
様々な異なる配備シナリオがサポート可能である(例えば、3GPP TR 38.801 v14.0.0などを参照されたい)。例えば、非集中配備シナリオ(例えば、TR 38.801のsection 5.2を参照されたい。集中配備はsection 5.4に示される)がそこに提示され、5G NRをサポートする基地局が配備可能である。図2は、例示的な非集中配備シナリオ(例えば、TR 38.801のFigure 5.2-1を参照されたい)を示す一方、LTE eNB及びgNBとLTE eNBとの双方に接続されるユーザ装置(UE)とが更に示される。NR 5Gのための新しいeNBは、例示的に、gNBと呼ばれうる。eLTE eNBは、EPC(Evolved Packet Core)及びNGC(Next Generation Core)との接続性をサポートするeNBの進化型である。
【0012】
NRのためのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、3GPP TS 38.300,section 4.4.1を参照されたい)は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol,TS 38.300のsection 6.4を参照されたい)、RLC(Radio Link Control,TS 38.300のsection 6.3を参照されたい)、及びMAC(Medium Access Control,TS 38.300のsection 6.2を参照されたい)サブレイヤを含み、これらはネットワーク側のgNBにおいて終端される。さらに、新しいAS(Access Stratum)サブレイヤ(SDAP,Service Data Adaptation Protocol)が、PDCPの上位に導入される(例えば、3GPP TS 38.300のsub-clause 6.5を参照されたい)。制御プレーンプロトコルスタックがまた、NRについて定義される(例えば、TS 38.300,section 4.4.2を参照されたい)。レイヤ2機能の概略は、TS 38.300のsub-clause 6に与えられる。PDCP、RLC及びMACサブレイヤの機能は、TS 38.300のsection 6.4、6.3及び6.2においてそれぞれリストされている。RRCレイヤの機能は、TS 38.300のsub-clause 7にリストされている。
【0013】
例えば、MACレイヤは、論理チャネル多重化と、異なるニューメロロジのハンドリングを含むスケジューリング及びスケジューリング関連機能とを処理する。
【0014】
物理レイヤ(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び信号の適切な物理時間周波数リソースへのマッピングを担当する。また、それは、トランスポートチャネルの物理チャネルへのマッピングを処理する。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形式でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。例えば、1つの物理チャネルは、ランダムアクセスに用いられるPRACH(Physical Random Access Channel)である。
【0015】
NRのためのユースケース/展開シナリオは、データレート、遅延及びカバレッジに関して多様な要求を有するeMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)を含みうる。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供されるものの3倍のオーダのピークデータレート(ダウンリンクでは20Gbps、アップリンクでは10Gbps)及びユーザ経験データレートをサポートすることが期待される。他方、URLLCの場合では、よりタイトな要求が、超低遅延(ユーザプレーン遅延に対してそれぞれUL及びDLに対して0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1~10-5)とに対して課される。最後に、mMTCは、好ましくは、高接続密度(都市環境では、1,000,000デバイス/km)、厳しい環境での大きなカバレッジ、及び低コストデバイスのための極めて長寿命のバッテリ(15年間)を必要としてもよい。
【0016】
従って、1つのユースケースに適したOFDMニューメロロジ(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル持続時間、サイクリックプリフィックス(CP)持続時間、スケジューリングインターバルあたりのシンボル数など)は、別のユースケースでは良好には機能しない場合がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル持続時間(及びより大きなサブキャリア間隔)及び/又はより少数のスケジューリングインターバル(別名、TTI)当たりのシンボルを必要としうる。さらに、大きなチャネル遅延スプレッドを有する展開シナリオは、好ましくは、短い遅延スプレッドを有するシナリオよりも長いCP持続時間を必要としうる。サブキャリア間隔は、同様のCPオーバヘッドを維持するように、それに応じて最適化されるべきである。NRは、サブキャリア間隔の複数の値をサポートしてもよい。これに対応して、現在、15kHz,30kHz,60kHz・・・のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル持続時間Tuとサブキャリア間隔Δfとは、Δf=1/Tuの式を通して直接的に関連している。LTEシステムと同様に、“リソースエレメント”という用語は、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対して1つのサブキャリアで構成される最小のリソース単位を示すのに利用可能である。
【0017】
各ニューメロロジ及びキャリアの新たな無線システム5G-NRにおいて、サブキャリアとOFDMシンボルとのリソースグリッドが、アップリンクとダウンリンクとのそれぞれに対して規定される。リソースグリッドにおける各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと時間領域におけるシンボル位置とに基づいて特定される(3GPP TS 38.211 v15.6.0を参照されたい)。
【0018】
NG-RANと5GCとの間の5G NR機能分割
【0019】
図3は、NG-RANと5GCとの間の機能分割を示す。NG-RAN論理ノードは、gNB又はng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF,UPF及びSMFを有する。
【0020】
特に、gNB及びng-eNBは、以下の主要な機能を提供する。
-無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、アップリンク及びダウンリンク双方におけるUEへの動的なリソース割当て(スケジューリング)など、無線リソース管理の機能
-データのIPヘッダ圧縮、暗号化及び整合性プロテクション
-UEによって提供される情報からAMFへのルーティングが決定できないときのUEアタッチメントでのAMFの選択
-UPFへのユーザプレーンデータのルーティング
-AMFへの制御プレーン情報のルーティング
-接続セットアップ及びリリース
-ページングメッセージのスケジューリング及び送信
-(AMF又はOAMから発信される)システムブロードキャスト情報のスケジューリング及び送信
-モビリティ及びスケジューリングのためのメジャメント及びメジャメントレポート設定
-アップリンクにおけるトランスポートレベルパケットマーキング
-セッション管理
-ネットワークスライシングのサポート
-QoSフロー管理及びデータ無線ベアラへのマッピング
-RRC_INACTIVE状態のUEのサポート
-NASメッセージの配信機能
-無線アクセスネットワークシェアリング
-デュアルコネクティビティ
-NRとE-UTRAとの間の緊密な連携
【0021】
AMF(Access and Mobility Management Function)は、以下の主要な機能を提供する。
-NAS(Non-Access Stratum)シグナリングの終端
-NASシグナリングのセキュリティ
-AS(Access Stratum)セキュリティ制御
-3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング
-アイドルモードUEの到達可能性(ページング再送の制御及び実行を含む)
-レジストレーションエリア管理
-システム内モビリティ及びシステム間モビリティのサポート
-アクセス認証
-ローミング権のチェックを含むアクセス認証
-モビリティ管理制御(サブスクリプション及びポリシー)
-ネットワークスライシングのサポート
-SMF(Session Management Function)選択
さらに、UPF(User Plane Function)は、以下の主要な機能を提供する。
-RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイント(適用可能時)
-データネットワークとの相互接続の外部PDUセッションポイント
-パケットルーティング及び転送
-パケット検査及びポリシールール施行のユーザプレーン部分
-トラフィック使用報告
-データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートするためのアップリンク分類器
-マルチホームPDUセッションをサポートするためのブランチングポイント
-パケットフィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強制などのユーザプレーンのQoSハンドリング
-アップリンクトラフィック検証(SDFからQoSフローへのマッピング)
-ダウンリンクパケットバッファリング及びダウンリンクデータ通知トリガリング
最後に、SMF(Session Management Function)は、以下の主要な機能を提供する。
-セッション管理
-UE IPアドレス割当て及び管理
-UP機能の選択及び制御
-トラフィックを正しい宛先にルーティングするためのUPF(User Plane Function)におけるトラフィックステアリングの設定
-ポリシー施行及びQoSの制御部分
-ダウンリンクデータ通知
【0022】
RRC接続設定及び再設定手順
【0023】
図4は、NASパートのためのRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDへのUEの遷移のコンテクストにおけるUE、gNB及びAMF(5GCエンティティ)の間のいくつかの相互作用を示す(TS 38.300 v15.6.0を参照されたい)。
【0024】
RRCは、UE及びgNBの設定に使用される上位レイヤシグナリング(プロトコル)である。特に、当該遷移は、AMFがUEコンテクストデータ(例えば、PDUセッションコンテクスト、セキュリティキー、UE無線能力、UEセキュリティ能力などを含む)を準備し、それをINITIAL CONTEXT SETUP REQUESTによってgNBに送信することに関する。次に、gNBは、UEとのASセキュリティをアクティブ化し、これは、gNBがSecurityModeCommandメッセージをUEに送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって実行される。その後、gNBは、RRCReconfigurationメッセージをUEに送信し、これに応答してUEからRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)及びデータ無線ベアラ(DRB)を設定するために再設定を実行する。シグナリングのみの接続について、SRB2及びDRBが設定されていないため、RRCReconfigurationに関連するステップは、省略される。最後に、gNBは、設定手順が完了したことをINITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEによってAMFに通知する。
【0025】
従って、本開示では、第5世代コア(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMFなど)が提供され、このエンティティは、動作中にgNodeB(又はgNB)とのNG(Next Generation)接続を確立する制御回路と、動作中にgNodeBとユーザ装置(UE)との間のシグナリング無線ベアラ設定を生じさせるイニシャルコンテクストセットアップメッセージをNG接続を介しgNodeBに送信する送信機とを有する。特に、gNodeBは、シグナリング無線ベアラを介しUEにリソース割当設定情報要素を含むRRC(Radio Resource Control)シグナリングを送信する。その後、UEは、リソース割当設定に基づいてアップリンク送信又はダウンリンク受信を実行する。
【0026】
2020年以降のIMTの利用シナリオ
【0027】
図5は、5G NRのユースケースのいくつかを示す。3GPP NR(3rd Generation Partnership Project New Radio)では、IMT-2020によって広範なサービス及びアプリケーションをサポートすることが想定される3つのユースケースが検討されている。eMBBのフェーズ1の仕様が確定された。eMBBのサポートをさらに拡張することに加えて、現在及び将来の作業は、URLLC及びmMTCの標準化を伴う。図5は、2020年以降のIMTの想定される理想シナリオのいくつかの具体例を示す。
【0028】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、可用性などの能力に対する厳しい要求を有し、産業製造や生産プロセスの無線制御、リモート医療手術、スマートグリッドにおける配電自動化、輸送の安全性など、将来の垂直的なアプリケーションを実現する手段の1つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913によって設定される要求を満たすための技術を特定することによってサポートされる。Release 15におけるNR URLLCについて、キーとなる要求は、UL(アップリンク)について0.5msとDL(ダウンリンク)について0.5msとのターゲットのユーザプレーンの遅延を含む。パケットの1回の送信に対する全体的なURLLC要求は、1msのユーザプレーンの遅延による32バイトのパケットサイズの1E-5のBLER(Block Error Rate)である。
【0029】
RAN1の観点から、信頼性がいくつかの可能な方法において改善可能である。信頼性を向上させる現在の範囲は、URLLCのための別々のCQIテーブル、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返しなどを規定することに関する。しかしながら、当該範囲は、NRがより安定的になり、また開発されると共に(NR URLLCのキーとなる要求に対して)、超信頼性を実現するため拡がりうる。Rel.15におけるNR URLLCの特定のユースケースは、AR/VR(Augmented Reality/Virtual Reality)、e-health、e-safety及びミッションクリティカルなアプリケーションを含む。
【0030】
さらに、NR URLLCによって対象とされる技術エンハンスメントは、遅延の改善及び信頼性の向上を目標としている。遅延の改善のための技術エンハンスメントは、設定可能なニューメロロジ、フレキシブルマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリー(設定されたグラント)のアップリンク、データチャネルのスロットレベルの繰り返し、及びダウンリンクプリエンプションを含む。プリエンプションとは、リソースがすでに割り当てられている送信が中止され、すでに割り当てられているリソースが、以降に要求されたが、より低い遅延/より高い優先度要求を有する別の送信に使用されることを意味する。従って、すでに許可された送信が、以降の送信によってプリエンプトされる。プリエンプションは、特定のサービスタイプに関係なく適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBBなど)の送信によってプリエンプトされてもよい。信頼性向上に関する技術エンハンスメントは、1E-5のターゲットBLERのための専用のCQI/MCSテーブルを含む。
【0031】
mMTCのユースケースは、非常に多数の接続されたデバイスが、典型的には遅延の影響が小さい比較的少量のデータを送信することによって特徴付けされる。デバイスは、低コストであり、かつ、極めて長いバッテリ寿命を有することが必要とされる。NRの観点から、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEの観点からの省電力を有し、長いバッテリ寿命を可能にするための1つの可能な解決策である。
【0032】
上述したように、NRにおける信頼性の範囲がより広くなることが期待される。全てのケース、特にURLLC及びmMTCに必要な1つのキーとなる要求は、高信頼性又は超高信頼性である。無線の観点及びネットワークの観点から信頼性を向上させるためのいくつかの機構が検討可能である。一般には、信頼性の向上に役立つ可能性のあるいくつかのキーとなるエリアが存在する。これらのエリアのうち、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し、周波数、時間及び/又は空間領域に関するダイバーシチが挙げられる。これらのエリアは、特定の通信シナリオには関係なく、一般的に信頼性に適用可能である。
【0033】
NR URLLCについては、ファクトリオートメーション、輸送産業、及びファクトリオートメーション、輸送産業、電力配電を含む電力配電など、より厳しい要求を有するさらなるユースケースが特定されている。より厳しい要求は、より高い信頼性(10-6レベルまで)、より高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μsのオーダまでの時間同期であり、その値は、特にユースケースに応じて0.5msのターゲットユーザプレーン遅延において、0.5~1msのオーダで周波数レンジと短い遅延に依存して1又は数μsのオーダとなりうる。
【0034】
さらに、NR URLLCについて、RAN1の観点からのいくつかの技術エンハンスメントが特定されている。これらのうち、コンパクトDCIに関連するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)エンハンスメント、PDCCH繰り返し、増加したPDCCHモニタリングがある。また、UCI(Uplink Control Information)エンハンスメントは、エンハンストHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)及びCSIフィードバックエンハンスメントに関連している。また、ミニスロットレベルホッピング及び再送/繰り返しエンハンスメントに関連するPUSCHエンハンスメントが特定される。“ミニスロット”という用語は、スロット(14又は12シンボルからなるスロット)よりも少ないシンボルを含む送信時間間隔(TTI)を指す。
【0035】
スロットベースのスケジューリング又は割当てでは、スロットは、スケジューリング割当てのためのタイミング粒度(TTI:送信時間間隔)に対応する。一般に、TTIは、スケジューリング割当てのためのタイミング粒度を決定する。1つのTTIは、所与の信号が物理レイヤにマッピングされる時間間隔である。例えば、従来、TTI長は、14シンボル(スロットベーススケジューリング)から2シンボル(非スロットベースのスケジューリング)まで可変的である。ダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)送信は、10サブフレーム(1ms持続時間)からなるフレーム(10ms持続時間)に編成されるよう指定される。スロットベース送信では、サブフレームはさらにスロットに分割され、スロット数はニューメロロジ/サブキャリア間隔によって規定される。指定された値の範囲は、15kHzのサブキャリア間隔に対してフレーム毎に10スロット(サブフレーム毎に1スロット)と、120kHzのサブキャリア間隔に対してフレーム毎に80スロット(サブフレーム毎に8スロット)との間の範囲である。スロット毎のOFDMシンボルの数は、通常のサイクリックプリフィックスについては14であり、拡張サイクリックプリフィックスについては12である(3GPP TS 38.211 V15.3.0,Physical channels and modulation,2018-09のsection 4.1(general frame structure)、4.2(Numerologies)、4.3.1(frames and subframes)及び4.3.2(slots)を参照されたい)。しかしながら、送信のための時間リソースの割当てはまた、非スロットベースであってもよい。特に、非スロットベース割当てにおけるTTIは、スロットではなくミニスロットに対応するものであってもよい。すなわち、1つ以上のミニスロットが、データ/制御シグナリングの要求された送信に割り当てられてもよい。非スロットベース割当てでは、TTIの最短長は、例えば、1又は2OFDMシンボルであってもよい。
【0036】
[QoSの制御]
5G QoS(Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づき、保証されるフロービットレートを必要とするQoSフロー(GBR QoSフロー)と、保証されるフロービットレートを必要としないQoSフロー(非GBR QoSフロー)との双方をサポートする。従って、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおけるQoS差別化の最も細かい粒度である。QoSフローは、PDUセッション内において、NG-Uインタフェースを通じてカプセル化ヘッダ内で搬送されるQoSフローID(QFI)によって識別される。
【0037】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、NG-RANは、PDUセッションと一緒に少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立し、当該PDUセッションのQoSフローのための追加的なDRBが、例えば、図4を参照して上述されるように、以降に設定することができる(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、異なるPDUセッションに属するパケットを異なるDRBにマッピングする。UE及び5GCにおけるNASレベルのパケットフィルタが、UL及びDLパケットをQoSフローに関連付け、UE及びNG-RANにおけるASレベルマッピングルールが、UL及びDLのQoSフローをDRBに関連付ける。
【0038】
図6は、5G NRの非ローミング基準アーキテクチャ(TS 23.501 v16.1.1,section 4.23を参照されたい)を示す。例えば、図5に例示的に記載される5Gサービスを提供する外部アプリケーションサーバなど、アプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するため、例えば、トラフィックのルーティング、NEF(Network Exposure Function)へのアクセス、又はQoS制御などのポリシー制御(PCF(Policy Control Function)を参照されたい)との相互作用に対するアプリケーションの影響をサポートするため、3GPPコアネットワークと相互作用する。事業者の配備に基づいて、事業者によって信頼されるものとみなされるアプリケーション機能が、関連するネットワーク機能と直接相互作用することが可能とすることができる。ネットワーク機能に直接アクセスすることが事業者によって許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部のエクスポージャフレームワークを利用して、関連するネットワーク機能と相互作用する。
【0039】
図6はさらに、5Gアーキテクチャの機能ユニット、すなわち、NSSF(Network Slice Selection Function)、NRF(Network Repository Function)、UDM(Unified Data Management)、AUSF(Authentication Sever Function)、AMF(Access and Mobility Management Function)、SMF(Session Management Function)及び事業者サービス、インターネットアクセス又はサードパーティサービスなどのDN(Data Network)を示す。
【0040】
端末、ユーザ端末又はユーザデバイスは、LTE及びNRにおいてユーザ装置(UE)として参照される。これは、無線電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はユーザ装置の機能を備えたUSB(Universal Serial Bus)スティックなどの移動デバイス又は通信装置であってもよい。しかしながら、移動デバイスという用語は、これに限定されず、一般に、中継はまたそのような移動デバイスの機能性を有してもよく、移動デバイスは中継として機能してもよい。
【0041】
基地局は、例えば、端末にサービスを提供するためのネットワークの一部を形成するネットワークノードである。基地局は、端末への無線接続を提供するネットワークノード又はスケジューリングノードである。端末と基地局との間の通信は、典型的には標準化されている。LTE及びNRでは、無線インタフェースプロトコルスタックは、物理レイヤ、MAC(Medium Access Control)レイヤ及び上位レイヤを含む。制御プレーンでは、上位レイヤプロトコルRRC(Radio Resource Control)プロトコルが提供される。RRCを介して、基地局は、端末の設定を制御することができ、端末は、接続及びベアラ確立、修正などの制御タスク、測定及び他の機能を実行するため基地局と通信してもよい。LTEで使用される用語は、eNB(又はeNodeB)である一方、5G NRのために現在使用される用語は、gNBである。
【0042】
あるレイヤによって上位レイヤに提供されるデータの転送のためのサービスは、通常はチャネルと呼ばれる。例えば、LTE及びNRは、MACレイヤによって上位レイヤのために提供される論理チャネル、物理レイヤによってMACレイヤに提供されるトランスポートチャネル及び物理リソース上のマッピングを規定する物理チャネルを区別する。
【0043】
論理チャネルは、MACによって提供される各種データ転送サービスである。各論理チャネルタイプは、何れのタイプのデータが転送されるかによって規定される。論理チャネルは、制御チャネルとトラフィックチャネルの2つのグループに分類される。制御チャネルは、制御プレーン情報のみの転送に使用される。トラフィックチャネルは、ユーザプレーン情報のみの転送に使用される。
【0044】
論理チャネルは、MACレイヤによってトランスポートチャネルにマッピングされる。例えば、論理トラフィックチャネル及びいくつかの論理制御チャネルは、ダウンリンクにおいてダウンリンク共有チャネルDL-SCHとして参照されるトランスポートチャネルにマッピングされ、アップリンクにおいてアップリンク共有チャネルUL-SCHとして参照されるトランスポートチャネルにマッピングされてもよい。
【0045】
ダウンリンク制御チャネルモニタリング、PDCCH、DCI
UEによって動作される機能の多くは、例えば、UE宛ての特定の制御情報又はデータなどを受信するためダウンリンク制御チャネル(例えば、PDCCH、3GPP TS 38.300 v15.6.0,section 5.2.3を参照されたい)のモニタリングを含む。
【0046】
上述したように、PDCCHモニタリングは、制御情報と共にユーザトラフィック(例えば、PDCCH上のDCI及びPDCCHによって通知されるPDSCH上のユーザデータ)など、UE宛ての情報を識別及び受信するためUEによって実行される。
【0047】
ダウンリンクにおける制御情報(ダウンリンク制御情報DCIと呼ぶことができる)は、5G NRにおいてLTEにおけるDCIと同じ目的を有し、すなわち、例えば、ダウンリンクデータチャネル(例えば、PDSCH)又はアップリンクデータチャネル(例えば、PUSCH)をスケジュールする制御情報の特別なセットである。5G NRでは、すでに規定されるいくつかの異なるDCIフォーマットがある(TS 38.212 v15.6.0 section 7.3.1を参照されたい)。
【0048】
これらの機能の各々のPDCCHモニタリングは、特定の目的を果たし、従って、終わりまで開始される。PDCCHモニタリングは、典型的には、UEによって動作されるタイマに少なくとも基づいて制御される。タイマは、例えば、UEがPDCCHをモニタリングする最大時間を制限するなど、PDCCHモニタリングを制御する目的を有する。例えば、UEは、PDCCHを無期限にモニタリングする必要はなく、電力を節約することができるように、ある時間の後にはモニタリングを停止してもよい。
【0049】
上述されるように、PDCCH上のDCIの目的の1つは、ダウンリンク、アップリンク又はサイドリンクにおけるリソースの動的スケジューリングである。特に、DCIのいくつかのフォーマットは、特定のユーザに対するデータチャネルに割当てられるリソース(リソース割当RA)の通知を搬送するため提供される。リソース割当ては、周波数領域及び/又は時間領域におけるリソースの指定を含んでもよい。
【0050】
リソース割当て
時間領域では、例えば、Release 15(NR)において指定されるように、スケジューリングタイミング(例えば、上述されたリソースのスケジューリングのため)は、時間領域リソース割当(TDRA)テーブルを使用することによってDCI内で通知されてもよい。特に、UEは、例えば、エントリ(行)インデックスを通知することによって、DCIにおいてTDRAテーブルの1つのエントリ(行)を通知することによって、時間領域において割り当てられたリソースが通知されてもよい。TDRAエントリは、NRについて標準仕様におけるテーブルとして要約されるため、テーブルという用語は、ここでは論理的な用語として使用される。
【0051】
PDSCH及びPUSCH上の繰り返し
NRにおける送信は、データの自発的繰り返しを含んでもよい(すなわち、(H)ARQによってトリガされることなく)。このような場合、同じデータ(例えば、トランスポートブロック)はN回送信され、Nは1より大きい整数である。繰り返し数は、設定可能であってもよい。
【0052】
複数の送信/受信ポイントTRP
NRにおける物理レイヤは、例えば、複数の送受信ポイント(マルチTRP)の使用を含んでもよいMIMO(Multiple Input Multiple Output)などのマルチアンテナ動作を提供してもよい。例えば、ユーザ装置は、複数のTRP(送受信ポイント)からデータを受信してもよく、複数のTRPは、同一又は異なるネットワークノードによって制御されてもよい。マルチポイント送信又は協調マルチポイント送信(CoMP)という用語はまた、マルチTRP通信又は送信に使用されてもよい。
【0053】
本開示に記載される技術は、TRPの特定の配置又はTRPとgNBとの間の特定の関係に限定されない。従って、例えば、マルチTRP動作は、TRPに対応する異なるアンテナパネル又は無線ヘッドと、それぞれのアンテナで動作する異なる無線周波数ユニットとを有するgNBによって実行されてもよい。
【0054】
さらに、マルチTRPでは、TRP間の位置関係に関していくつかの選択肢が考えられ、2つのTRP間の距離は変化しうる。例えば、TRPは、UEが同様の角度からこれらのTRPからの信号を受信するように、接近していてもよい。しかしながら、TRPはまた、互いにかなり遠い距離に、例えば、ネットワークセルの遠隔位置に配置されてもよい。2つのTRPによってサービス提供されているUEは、無相関チャネル上でそれぞれのTRPとの間でシグナリングを送受信してもよい。従って、チャネルダイバーシチの利得が最適に利用されうる。
【0055】
例えば、マルチTRPは、2つの高いレベルのカテゴリに分類されてもよい。すなわち、カテゴリ間の区別は、2つの与えられたTRP間のバックホールリンクのバックホールタイプに関して行われてもよい。
【0056】
他方、理想的なバックホールは、例えば、光ファイバを利用した専用のポイントツーポイント接続などの非常に高いスループットと非常に低い遅延バックホールとである。理想的なバックホールは、およそ又はほぼ0ミリ秒の遅延でTRP間の通信を可能にするよう仮定される(例えば、LTE-Aについて、テクニカルレポート3GPP TR 36.932 V15.0.0(2018-06)は、section 6.1.3において2.5μs未満の一方向遅延に言及しているが、ファイバ/ケーブルにおける伝搬遅延は含まれない)。
【0057】
他方、非理想的なバックホールは、DSL、マイクロ波、中継などの他のバックホールなどのバックホールであり、例えば、2つの与えられたTRP間の通信に対して2ms又は5msの範囲の有限(一方向)遅延を含んでもよい。
【0058】
理想的バックホールと非理想的バックホールへの分類とは別に、マルチTRP MIMO技術における更なる分類は、(中央)ベースバンドユニットがTRP間でどのように共有されるかに関して行われてもよい。
【0059】
例えば、与えられた2つのTRPのそれぞれに対して異なるRF(Radio Frequency)ユニットがある一方、TRPは、同じベースバンドユニットを共有してもよい。この場合、RFユニットとベースバンドユニットとの間のリンクは、理想的又は非理想的であってもよい。あるいは、各TRPに対して異なる(中央)ベースバンドユニットと異なるRFユニットの両方が存在してもよい。この場合、ベースバンドユニットとRFユニットとの間のそれぞれのリンクだけでなく、異なるベースバンドユニットの間のリンクも理想的又は非理想的であってもよい。
【0060】
本発明は、複数のTRPからの送信(特に、PDSCH繰り返し)のための時間領域リソース割当てに関する。一般に、TRPの1つからの単一DCIベースのスケジューリングを利用して、複数のTRPからのPDSCHの繰り返しがスケジューリングされてもよい。
【0061】
このようなPDSCH繰り返しの一例が、図11に示される。図から分かるように、TRP1からの単一のDCI(PDCCH)は、5つのPDSCHの繰り返しをスケジューリングする。より具体的には、3つのPDSCH繰り返しがTRP1(すなわち、第1、第2及び第4の繰り返し)からスケジューリングされ、2つがTRP2(すなわち、第3及び第5の繰り返し)からスケジューリングされる。スロット間繰り返しとスロット内繰り返しとの双方がサポートされ、複数のTRPの間の理想的バックホールが検討される。
【0062】
各TRPは別々のTCI状態に関連付けることができ、TCI状態及びTRPは互換的に利用可能であることに留意されたい。特に、以下では、TCI状態1はTRP1として参照され、TCI状態2はTRP2として参照されてもよく、以下同様である。
【0063】
しかしながら、複数のTRPがスケジューリングされるとき、繰り返しをスケジューリング及び関連付けするにはいくつかの問題がある。より具体的には、TRPの1つからの単一のDCIによる多数のTRPからのPDSCHの繰り返しをスケジューリングするため、以下は時間領域リソース割当てのための未解決な問題である。
【0064】
第1に、何れの繰り返しが何れのTRPに関連付けされているかが、UEに通知される必要がある。例えば、図12のUEは、TRP1が第1、第2及び第4の繰り返しを送信する一方、TRP2が第3及び第5の繰り返しを送信することを知っている必要がある。
【0065】
第2に、各繰り返しに対する時間領域リソースが、UEに通知される必要がある。例えば、図12のUEは、5つの繰り返しの各繰り返しのスタートシンボル、スロット及び長さを知っている必要がある。
【0066】
第3に、各TRPからスケジューリングされるべき送信数と、全てのTRPからの送信の結合された総数とが、UEに通知される必要がある。例えば、図12のUEは、スケジューリングされる送信の総数が5であることを知っている必要があり、ここで、3つはTRP1からのものであり、2つはTRP2からのものである。
【0067】
一般に、TRPの1つへの繰り返しの関連付けに関して、UEへの半静的又は動的な通知が可能である。半静的な関連付けについて、何れの繰り返しが何れのTRPとの関連付けであるかに関するパターンは、固定されてもよい。しかしながら、そのようなアプローチは、TRP及び/又は対応する時間領域リソースの利用可能性に応じて関連付けを適用するための十分なフレキシビリティを提供しない。
【0068】
動的な関連付けは、DCIによって通知されてもよい。しかしながら、ビットマップの形式での明示的な指示が利用される場合、ビットマップのサイズは、繰り返し及び/又はTRPの数の増加に比例して増加しうる。
【0069】
一実施例による例示的なUEが、図7に示される。本実施例によると、送受信機770を備えるユーザ装置(UE)760が提供される。送受信機770は、動作中にダウンリンク制御信号(DCI)シグナリングを受信する。UEは更に、動作中にDCIシグナリングから2つ以上のTCI状態が設定されることを指定するTCI(Transmission Configuration Indication)インジケータを取得するプロセッサ(又は処理回路)780を備えてもよい。さらに、プロセッサ780は、動作中に2つ以上のTCI状態を備える時間領域リソースの送信及び関連付けのための時間領域リソースを示す通知を取得してもよい。効果的には、時間領域リソースの各々は、2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる。送受信機は更に、動作中に2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、各TCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信してもよい。
【0070】
回路780は、複数のTRPを利用する送信/受信について、上述した時間領域リソースの決定より多くの機能を実現してもよい。従って、回路780は、時間領域リソースの決定を実行するよう構成された時間領域リソース決定回路785を含むと考えられる。当該設定は、ハードウェア適応化及び/又はソフトウェアによって提供されてもよい。
【0071】
図8は、時間領域リソース決定回路785の機能構成を示す。特に、時間領域リソース決定回路785は、DCIからTCIインジケータと、送信用の時間領域リソースを示す通知と共に各TCI状態と時間領域リソースとの関連付けとを取得するPDCCH処理回路870を含む。時間領域リソース決定回路785は更に、時間領域リソース通知に基づいて、TCIインジケータが2つ以上のTCI状態を示すとき、各TCI状態に対する時間領域リソースの割当てを決定するリソース決定回路880を備える。そして、処理回路780は、決定されたリソース上でデータを受信又は送信するよう送受信機770を制御してもよい。
【0072】
他の実施例によると、プロセッサ730を備える基地局710(スケジューリングノード)が提供される。プロセッサ730は、動作中に2つ以上のTCI状態が設定されることを指定するTCI(Transmission Configuration Indication)インジケータを通知するダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを生成する。TCIシグナリングは更に、2つ以上のTCI状態と時間領域リソースとの関連付け及び送信のための時間領域リソースを通知し、各時間領域リソースは、2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる。基地局は更に、動作中にDCIシグナリングを送信する送受信機720を備える。送受信機は、動作中に2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、各TCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信する(例えば、UE760に)。UEのプロセッサ780と同様に、プロセッサ730はまた、様々な異なるタスクを実行してもよい。ここで、時間領域リソース割当回路735は、プロセッサ730の機能部分を示し、これは、リソースを決定し、対応するシグナリングをUE760に提供することを含む、上述した時間領域割当タスクを実行する。
【0073】
スケジューリングデバイスは更に、回路730の一部として、1つ以上のUEのスケジューリングを実行する割当回路を含んでもよい。スケジューリングの結果として、時間領域リソース割当てが生成され、TCIインジケータ及びリソース割当てと共に、TCI状態とリソースとの関連付けを示す対応するDCIシグナリングが生成される。そして、回路は、送受信機720を制御して、1つ以上のUEに対してスケジューリングされたリソースにおいてデータを送信又は受信する。
【0074】
時間領域リソース割当回路735の例示的な機能構成が、図9に示される。特に、時間領域リソース割当回路735は、スケジューリング回路936及びPDCCH生成回路937を含んでもよい。スケジューリング回路920は、スケジューリングを実行し、例えば、UEの1つ以上からの測定結果を収集し、それに基づいて、UEからの要求に基づいて及び/又はそれのリソースの利用可能性に基づいて、時間領域(及びおそらく周波数領域及びTRP)においてリソースを各UEに割り当てる。そして、PDCCH生成回路930は、1つ以上の各UEのスケジューリング結果に従って、TCIインジケータ及びリソース割当てと共に、TCI状態と時間領域リソースとの関連付けを含むDCIを生成する。
【0075】
図7から理解できるように、UE760及びスケジューリングノード710は、通信システムを形成可能であり、すなわち、チャネル750を介し通信可能である。
【0076】
一般に、DCIシグナリングは、単一のDCIの1ビットフィールド(例えば、時間領域リソース割当(TDRA)フィールド)であってもよい。DCIシグナリングは、第1のデータ送信の時間領域リソース(例えば、前記DCIシグナリングによって示される第1の送信)と共に、2つ以上のTCI状態の1つに対する第1のデータ送信の時間領域リソースの関連付けを通知するよう設定されてもよい。DCIシグナリングは更に、更なるデータ送信(例えば、第1のデータ送信の繰り返し)の時間領域リソースと、2つ以上のTCI状態の1つに対するそれらの各関連付けとを示してもよい。言い換えれば、DCIシグナリングのビットフィールドは、複数(例えば、2つ以上)の送信の時間領域リソースと、2つ以上のTCI状態と時間領域リソースとの関連付けとを一緒に通知してもよい。
【0077】
更なるデータ送信が第1のデータ送信に関連付けされたTCI状態と同一又は異なるTCI状態に関連付けされてもよいことに留意されたい。言い換えれば、2つ以上の送信は、2つ以上のTCI状態の同一又は異なるTCI状態に関連付けされてもよい。
【0078】
さらに、一般には、(DCIシグナリングによって示される時間領域リソースの)何れの時間領域リソースも関連付けされていないTCI状態が設定されてもよい。しかしながら、効果的には、時間領域リソースが関連付けされる2つ以上のTCI状態が設定されてもよい。言い換えれば、効果的には、2つ以上の時間領域リソースが(相互に)異なるTCI状態に関連付けられる。
【0079】
さらに、効果的には、各時間領域リソースは、2つ以上のTCI状態の単一のTCI状態に関連付けされてもよい。言い換えれば、通知/DCIシグナリングは、各時間領域リソースに対して時間領域リソースを2つ以上のTCI状態の単一のTCI状態に関連付ける単一の関連付けのみを示してもよい。
【0080】
また、一般に、更なる送信は繰り返しであってもよく、すなわち、第1の送信によって送信されたものと同じトランスポートブロック(TB)の送信を意味してもよいことにも留意されたい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、更なる送信は第1の送信のTBと異なるTBの送信であってもよい。言い換えれば、本発明は、異なるTBの送信だけでなく、その繰り返しにも直接的に(同じように)適用することができる。従って、一般に、全ての送信のTBは相互に異なってもよく、いくつかの送信のTBは相互に異なる一方、他の送信のTBは同じであるか、又は全ての(第1及び更なる)送信のTBは同じであってもよい。従って、一般に、“送信”及び“繰り返し”という用語は、互換的に使用される。
【0081】
さらに、本発明は、何れかの数のTRP(Transmission Reception Point)に適用可能であり、及び/又は何れかの数のTCI状態に適用可能であることに留意されたい。言い換えれば、以下に明示的に説明される具体例は、単純化のため2つのTRP/TCI状態のみのシンプルなケースを参照する。また、各TRPは各TCI状態に関連付けされるか、又は対応してもよく、またその逆も可能であり、その結果、“TRP”及び“TCI状態”という用語は、本開示において互換的に使用されることに留意されたい。
【0082】
一般に、プロセッサは、例えば、規格によって規定され、及び/又はおそらく少なくとも部分的にはネットワークによって設定可能なシンタックス及びセマンティックに基づいて、DCIシグナリングを構文解析することによってTCIインジケータ及び通知を取得してもよい。
【0083】
特に、単一のDCIの1つのビットフィールドを使用して、各送信に対する時間領域リソース、通知されたTCI状態の1つに対する各送信の関連付け、通知された各TCI状態に関連する送信総数、送信のために実際に使用されるTCI状態(TRP)の数、及び/又は全てのTRPにわたる繰り返しの総数は、明示的に通知されるか、あるいは、暗黙的な指示に基づいて決定されてもよい。
【0084】
いくつかの実施例では、UEがDCIシグナリングから取得する指示は、TDRA(Time-Domain Resource Assignment)テーブルのエントリを示すインデックスである。
【0085】
一般に、TDRAテーブルのエントリは、典型的には、TDRAテーブルの行に対応する。しかしながら、例えば、列におけるエントリによるTDRAテーブルの何れか他の規定もまた可能である。DCIシグナリングは、DCIインデックス(以下では、DCIインデックスとも呼ばれる)の指示を含んでもよい。言い換えれば、一般に、DCIシグナリングは、各行/列のインデックスを示すことによって、TDRAテーブルのエントリを指示してもよい。このDCIインデックスは、一般に、コードポイントによってDCIシグナリングにおいて指示/通知されてもよい。以下において、TDRAの“行”及び“エントリ”という用語は、互換的に使用されることに留意されたい。
【0086】
さらに、一般に、UEは、2つ以上のTDRAテーブルによって設定されてもよい。TDRAテーブルの使用は、基地局と同期されるべきである。例えば、基地局は、何れのTDRAテーブルが適用されるべきかをUEに通知する。あるいは、いくつかのシナリオでは、UE及び基地局は、暗黙的に同じ方法で、双方に知られている他のパラメータに基づいて何れのTDRAテーブルが使用されるべきかを導出してもよい。
【0087】
一般に、情報がより明示的かつより大きくなるほど、リソース割当て及び関連付けに対するフレキシビリティが増大しはより高くなるが、おそらくシグナリングオーバヘッドもまたより大きくなりうる。
【0088】
いくつかの実施例では、TDRAテーブルのエントリは、SLIV(Start and Length Indicator Value)の2つ以上のセット(又はグループ)を含む。効果的には、各セットは各TCI状態に対応し、各SLIVは各送信に対応し、各送信に対する時間領域リソースのスタート位置及び長さを示す。各送信のための時間領域リソースは、各SLIVのセット(例えば、それの時間領域リソースを示すSLIV)に対応するTCI状態に関連付けされてもよい。
【0089】
一般に、TDRAテーブルのエントリは、1つ以上のSLIV値を含むか、あるいは、示してもよい。SLIVは、例えば、時間領域リソースのスタート位置及び長さを指示/指定することによって、時間領域リソースを指示又は指定する。特に、SLIVは、2つの数(特に、整数)の順序付されたペアに対応してもよく、その一方は時間領域リソースのスタート位置を示し、他方は時間領域リソースの長さを示す。一般に、SLIVは、単一の送信/繰り返しのための時間領域リソースを示してもよく、送信/繰り返しのための各時間領域リソースは、単一のSLIVによって示されてもよい。
【0090】
一般に、TDRAテーブルにおける各SLIVは、各TCI状態に関連付けされるか、あるいは、対応してもよい。特に、各SLIVは、単一のTCI状態のみに対応してもよい。他方、エントリは、1つのTCI状態に対して0以上のSLIVを示してもよい。言い換えると、エントリは、2つ以上のTCI状態(例えば、設定されたTCI状態)の各TCI状態について、SLIVのセットを含むか、あるいは、示してもよい。しかしながら、各SLIVは、ここではSLIVの“グループ”とも呼ばれる単一のSLIVグループのみにあってもよい。これらのセットは、エンプティであってもよく、1つ以上のSLIVを含んでもよい。そして、SLIVによって示される時間領域リソースは、各SLIV(すなわち、時間領域リソースを示すSLIV)と同じTCI状態に関連付けされる。
【0091】
これに関して、SLIVの“グループ”、“セット”及び“グルーピング”という用語は、互換的に使用されることにまた留意されたい。
【0092】
一般に、TDRAのエントリは更に、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)マップタイプと、例えば、K値とを含むか、あるいは、示してもよいことに留意されたい。K値は、同一のTDRAエントリのSLIVによって示されるスタート位置のスロットオフセットを示す。PDSCHマッピングタイプの指示とスロットオフセットKのシグナリングの通知とは、本発明については必要でないことが留意される。スロットオフセットは、TDRAテーブルのエントリを示したDCIシグナリングのスロットに関するものであってもよい。さらに、スロット間の繰り返しについて、TDRAテーブルの1つ以上がKの複数の値を含んでもよい。
【0093】
本実施例によるTDRAテーブルの具体例が、以下のTDRA Table 1に示される。
【表1】
理解できるように、TDRA Table 1は、DCIインデックスの各値に対して、2つのグループの時間領域リソース(SLIV)を示し、より具体的には、第4の列はSLIVグループ1を示し、第5の列はSLIVグループ2を示す。しかしながら、一般に、TDRAテーブルは、DCIインデックスの各値に対して、2つより多くのSLIVのグループを示してもよい。
【0094】
理解できるように、TDRA Table 1では、各グループはTCI状態の1つに関連付けされる。より具体的には、本例では、SLIVグループ1がTCI状態1に対応し、SLIVグループ2がTCI状態2に対応する。一般に、TDRAテーブルは、各グループがTCI状態に関連するより多くのグループを示してもよい。一般に、グループは、互いに異なるTCI状態に対応してもよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、グループのいくつかは同じTCI状態に関連付けされてもよい。
【0095】
一般に、各グループは、各TCI状態に関連する全ての繰り返しに対応する複数の時間領域リソース(SLIV)を有してもよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、グループのいくつかは、ゼロ又は1つSLIVのみを含んでもよい。
【0096】
TDRA Table 1に示される具体例では、0のDCIインデックス値は、SLIVグループ1に対して2つのSLIV、すなわち、SLIV1-0-1及びSLIV1-0-2を示し、SLIVグループ2に対して2つのSLIV、すなわち。SLIV2-0-1及びSLIV2-0-2を示す。一方、1のDCIインデックス値は、SLIVグループ1に対して2つのSLIV、すなわち、SLIV1-1-1及びSLIV1-1-2を示すが、SLIVグループ2に対しては1つのSLIVのみ、すなわち、SLIV2-1-2を示す。従って、一般に、各SLIVグループにおいて、他のSLIVグループにおけるSLIVの数及び/又は他のDCIインデックスのSLIVグループにおける他のものにおけるSLIVの数とは独立して、何れかの数のSLIVが存在しうる。特に、SLIVグループにおけるSLIVの数はゼロであってもよい。
【0097】
一般に、TDRA Table 1の一般的な形式を有するTDRAテーブルとDCIにおいて示される通知されたインデックスとに基づいて(又は、換言すると、TDRA Table 1に示されるようなエントリに基づいて)、各繰り返しの時間領域リソースが以下のように決定されてもよい。各SLIVは、スケジューリングPDCCHからのオフセットKによるスロット内のスタートシンボル及び長さを決定するため、各繰り返しに一対一にマッピングされる(例えば、オフセットKによるエントリを示すDCIシグナリングのスロットから)。全てのグループからのSLIVのシーケンスは、それらのスタートシンボル値の増加順によって決定される。
【0098】
さらに、TDRA Table 1に基づいて(特に、DCIシグナリングにおいて示されるDCIインデックスによって示されるTDRAテーブルのエントリに基づいて)、通知/設定されたTCI状態の1つとの各繰り返しの関連付けが、グループに基づいて決定される。より具体的には、SLIVグループに基づいて、各繰り返し(又は各時間領域リソース)は、通知されたTRP/TCI状態の1つに関連付けされる。
【0099】
グループは存在するが、当該グループ内にSLIVが示されていない場合、TRPからの送信が当該グループに関連付けされていないことを意味する。例えば、TDRA Table 1において、SLIVグループ2及びDCIインデックス=15である場合、SLIVは通知されていない。
【0100】
さらに、TDRA Table 1に基づいて、設定された各TCI状態に関連付けされる繰り返しの総数は、所与のグループ内のSLIVの数によって決定されてもよい。言い換えれば、各エントリに対して、TCI状態に関連付けされる繰り返しの総数は、当該エントリの当該TCIグループにおけるSLIVを計数することによって決定されてもよい。例えば、TDRA Table 1では、SLIVグループ2に対して、繰り返しの総数は、DCIインデックス0、1、2及び15に対して、それぞれ2、1、2及び0である。さらに、TDRAテーブルに基づいて、送信のために実際に使用されるTCI状態(又はTRP)の数は、少なくとも1つの通知されたSLIVを有するDCIインデックスによって示されるエントリ内のグループの数によって決定されてもよい。言い換えれば、所与のエントリについて、実際に使用されるTCI状態の数は、少なくとも1つの通知されたSLIVを有する当該エントリのTCIグループを計数することによって決定されてもよい。
【0101】
さらに、TDRA Table 1に基づいて、全てのTRPにわたる繰り返しの総数は、全てのグループにわたるSLIVの総数によって決定されてもよい。例えば、TDRA Table 1では、繰り返しの総数は、DCIインデックス0、1、2及び15に対してそれぞれ4、3、3及び2である。
【0102】
本実施例によるTDRA Table 1のより明示的な具体例が、以下のTDRA Table 2に示される。
【表2】
TDRA Table 2のDCIインデックス0がUEに通知される場合、TRPに対する時間領域リソースの割当て及び関連付けは、図12に示されるようになる。
【0103】
特に、送信を開始するためのスロットオフセットは、DCIシグナリング(スケジューリングPDCCH)の後の“1”スロットである。より具体的には、“1”のスロットオフセットは、SLIVによって示される時間領域リソースのスタート位置が、DCIシグナリング後の最初のスロットに関して指定されることを意味する。ここで、一般に、“当該”DCIシグナリングは、当該スロットオフセットによってエントリを示したDCIシグナリングである。
【0104】
理解できるように、SLIVグループ1には3つのSLIV、すなわち、“{0,3}”、“{4,2}”、“{12,2}”があり、SLIVグループ2には1つのSLIV、すなわち、“{8,4}”があり、各SLIVは一般的な形式“{時間領域リソースのスタート位置,時間領域リソースの長さ}”で表される。従って、TDRA Table 2の最初のエントリにおけるSLIVのスタートシンボルインデックス(採用される以降の慣例であるDCIインデックス0によるTDRA Table 2における第2行に対応する)に基づいて、繰り返しのシーケンスは、“{0,3}”、“{4,2}”、“{8,4}”、“{12,2}”になる。従って、全体として、TRP 1(TCI状態1)とTRP 2(TCI状態2)にわたって4つの繰り返しがある。
【0105】
さらに、テーブルの最初のエントリに示されるグループ化に基づいて、第1、第2及び第4の繰り返しは、TCI状態1に関連付けされ、従って、TRP 1からのものであり、第3の繰り返しは、TCI状態2に関連付けされ、従って、TRP 2からのものである。従って、TRP 1から3つの繰り返しがあり、TRP 2から1つの繰り返しがある。
【0106】
この全ては、図12にまた示される。明示的には、最初の送信/繰り返しの時間領域リソースは、DCIシグナリング後の第1のスロットにおけるTRP 1の最初の3シンボル(例えば、インデックス0、1及び2による)である。第2の繰り返しの時間領域リソースは、DCIシグナリング後の第1のスロットにおけるTRP 1のインデックス4及び5によるシンボルである。第3の繰り返しの時間領域リソースは、DCIシグナリング後の第1のスロットにおけるTRP 2のインデックス8、9、10及び11によるシンボルであり、第4の繰り返しの時間領域リソースは、DCIシグナリング後の第1のスロットにおけるTRP 1のインデックス12及び13によるシンボルである。
【0107】
本実施例(例えば、TDRA Table 2の形式のTDRAテーブル)は、各送信に対して何れか固有のSLIV値、何れかの順序のTCI状態の関連付け、及び異なるTCI状態に対して均等でない数の繰り返しを割り当てることを有する完全なフレキシビリティを提供する。
【0108】
例示的な実現形態では、各セットは1つ以下のSLIVを含み、TDRAテーブルのエントリは、送信総数(例えば、このエントリによって明示的又は暗黙的にスケジューリング/指示される送信総数)の指示を含む。
【0109】
これらの実施例では、各グループは、各TCI状態に関連する第1の送信に対応する1つまでの時間領域リソース(SLIV)のみを有することができる。さらに、TDRAテーブルの各エントリは、繰り返し総数を示してもよい。ここで、送信総数とは、TDRAテーブルの当該エントリ(当該総数もまた示すエントリ)によってスケジューリングされる送信総数を示す。
【0110】
エントリによって(例えば、TDRA Table 2のエントリによって)示されるSLIVの総数は、送信総数をすでに暗黙的に示すことに留意されたい。この暗黙的な数は、明示的に示されたSLIVを単に計数することによって取得されてもよい。しかしながら、エントリは、SLIVの数によって上述した暗黙的な指示から明示的及び/又は別々に送信総数を示してもよい。従って、一般に、エントリによって示される送信総数は、当該エントリによって明示的に示されるSLIVの総数とは異なってもよい(例えば、より多くてもよい)。従って、このようなエントリは、当該エントリのSLIVによって明示的に示される送信以外の送信の存在を暗黙的に示す。
【0111】
いくつかの実施例において、UEのプロセッサは、動作中に1つのSLIVを含む各セットに対して、当該セットに含まれる当該SLIV(すなわち、当該1つのSLIV)に従って、セットのそれぞれの第1の送信(例えば、セットに対応するTCI状態による第1の送信)のための時間領域リソースのスタート位置及び長さを決定する。代わりに又は更に、プロセッサは、動作中に第1の送信の1つでない各送信に対して、i)パターンによる2つ以上のTCI状態の1つと送信のための時間領域リソースとの関連付けと、当該パターンは、TCI状態のシーケンスを示し、第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置に対応し、ii)それぞれの第1の送信のための時間領域リソースの長さに従って、送信のための時間領域リソースの長さ(それぞれの送信と同じTCI状態を有する通知された送信の第1の送信)であって、それぞれの第1の送信のための時間領域リソース及び送信のための時間領域リソースは、同じTCI状態に関連付けされ、及び/又は、iii)送信に先行する送信の1つのための時間領域リソースのオフセット、スタート位置及び長さに従って、送信のための時間領域リソースのスタート位置である、を決定してもよい。ここで、オフセットは、少なくとも2つの第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び/又は長さに対応してもよい(又は、から/基づいて決定されてもよい)。
【0112】
上記の判定処理が、TDRA Table 3を参照して説明される。
【表3】
【0113】
理解できるように、TDRA Table 3の第6列は、繰り返しの総数を(明示的に)示す。一般に、TDRAは、繰り返しの総数を(明示的に)示す別々の列(必ずしも第6列である必要はない)を含んでもよい。このようなテーブルに基づいて、全てのTRP/TCI状態にわたる繰り返しの総数は、従って、別々の列における明示的な指示から決定されてもよい。より一般に、TDRAテーブルのエントリは、全てのTRP/TCI状態にわたる繰り返しの総数を示す/含んでもよく、従って、当該総数は明示的な指示から決定される。
【0114】
一般に、TDRA Table 3の一般的な形式を有するTDRAテーブルと、通知されたDCIインデックスとに基づいて(又は、すなわち、TDRA Table 3に示されるようなエントリに基づいて)、送信のために実際に使用されるTRP/TCI状態の数は、当該グループについて指示された少なくとも1つのSLIVを有するエントリ(例えば、DCIによって示されるエントリ)内のSLIVグループの数によって決定されてもよい。言い換えれば、所与のエントリについて、実際に使用されるTCI状態の数は、指定された少なくとも1つのSLIVを有する当該エントリのTCIグループを計数することによって決定されてもよい。
【0115】
時間領域リソースに関する限り、各TCIグループについて、関連するTRPからの第1の繰り返しのスタートシンボル及び長さに対応する1つまでのSLIVが、指示可能である。第1の繰り返しに関して、時間領域リソースは、当該時間領域リソースを明示的に指定するSLIVのTCIグループのTCI状態に関連付けされる。
【0116】
さらに、TCI状態の数よりも多い送信総数が実際に使用される場合、TDRAのエントリにおけるSLIVによって明示的に指定されていない更なる/後続の繰り返しがある。ここで、これら更なる/後続の送信数は、“送信総数”から“実際に使用されるTCI状態の数”を差し引いたものに対応してもよい。
【0117】
これら更なる繰り返しの関連付けは、実際に使用されるTCI状態(例えば、第1の繰り返しがそれぞれのTDRAエントリにおいて指定されるTCI状態)にわたるパターンに従ってそれらを(例えば、均等に)分配することによって決定されてもよい。パターンは、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。例えば、全ての交互の繰り返しが、交互のTCI状態に関連付けされてもよい。代わりに又はさらに、後続の繰り返しは、ラウンドロビン方式で、例えば、第1の繰り返しのTCI状態の順序に基づいて、実際に使用されるTCI状態に関連付けされてもよい。例えば、第1の繰り返しの順序は、周期的に繰り返されてもよい。一般に、パターンは、所定のものであってもよいし、あるいは、第1の繰り返しのSLIVから、特に、第1の繰り返しのTCI状態の順序から導出されてもよい。一般に、そのようなパターンは、設定されたTCI状態のシーケンスを示す。
【0118】
後続の繰り返しのための時間領域リソース(SLIV)のスタート位置(スタートシンボルとも呼ばれる)は、以下のように決定される。各繰り返しのスタートシンボルは、例えば、異なるSLIVグループからのSLIVのスタート及び/又はエンドシンボルの間のシンボルオフセットによって決定されてもよい。あるいは、オフセットの値は、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。例えば、オフセットは、1に設定されてもよく、これは、リソースの連続的な割り当てに対応する。
【0119】
シンボルオフセットは、特に、2つの(異なる)SLIVによって明示的に示される時間領域リソースのスタート/エンド位置(エンド位置は、スタート位置に長さを加えたものであってもよい)を減算することによって、通知されたSLIVから計算されてもよい。
【0120】
そして、シンボルオフセットは、後続の(例えば、連続した)繰り返しの時間領域リソースのスタート/エンド位置を取得するため、1つの繰り返しの時間領域リソースのスタート/エンド位置に追加されてもよい。また、一般に、全ての後続の送信の時間領域リソースは同じシンボルオフセットに基づいて決定されてもよいことにも留意されたい。あるいは、後続の各繰り返しに対して、異なるシンボルオフセットが利用されてもよい。
【0121】
後続/更なる繰り返しの時間領域リソースの長さ(例えば、最初の繰り返しではない繰り返し)は、最初の繰り返しの時間領域リソースの長さに基づくものであってもよい。特に、後続の送信の長さは、この後続の送信と同じグループ内にある最初の送信の長さに基づきうる。例えば、後続の繰り返しの長さは、対応するグループのそれぞれの最初の繰り返しの長さと同じであってもよい。
【0122】
さらに、設定されたTCI状態のそれぞれに関連する繰り返しの総数は、送信に実際に使用されるTCI状態の数によって明示的に指定される繰り返しの総数を割ることによって決定されてもよい。あるいは、各エントリに対して、TCI状態に関連する繰り返しの総数は、当該エントリのTCIグループ内のSLIVを計数することによって決定されてもよい。
【0123】
この設計オプションはあまりフレキシブルでないが、テーブルの行を示すためより小さいサイズのテーブル及びより低いDCIオーバヘッドしか必要としない。
【0124】
本実施例によるTDRA Table 3のより明示的な具体例が、TDRA Table 4に示される。
【表4】
【0125】
TDRA Table 4のDCIインデックス0がUEに通知される場合、TRPに対する時間領域リソースの割当て及び関連付けは、スロット内スケジューリングに対応する図13に示されるようなものになる。
【0126】
特に、最初のエントリにおけるK2は“1”であると示され、従って、送信を開始するためのスロットオフセットは、スケジューリングPDCCHの後の“1”スロットである。SLIV 1の“{0,3}”に基づいて、最初の繰り返しはTRP 1からであり、シンボル#0で始まり、3シンボルにわたる。つまり、最初の繰り返しの時間領域リソースは、インデックス#0、#1及び#2によるシンボルである。さらに、SLIV 2の“{5,3}”に基づいて、最初の繰り返しは、TRP 2(第2の繰り返しの全体)からであり、シンボル#5で始まり、3シンボル(すなわち、シンボル#5、#6及び#7)にわたる。繰り返しの間のシンボルオフセットは、3(SLIV 2の#5の最初のシンボルインデックスとSLIV 1の#3の最後のシンボルインデックスとの差分)として計算される。
【0127】
繰り返しの総数が“3”として示されているため、1つの後続の繰り返し(第3の繰り返し全体)が存在する。本例では、繰り返しの関連付けは交互のパターンに従っており、第2の繰り返しはTRP 2からのものであるため、第3の繰り返しは、TRP 1からのものになる。さらに、シンボルオフセット“3”と第2の繰り返しの最後のシンボルのインデックス“7”とに基づいて、第3の繰り返しのスタートシンボルのインデックスは#10となる。第3の繰り返しの長さは、第1の繰り返しの長さと同じであり、第1の繰り返しは、第3の繰り返しと同じTRPを使用する。その結果、第3の繰り返しは、3シンボル(すなわち、シンボル#10、#11及び#12)にわたることになる。
【0128】
本実施例によるTDRA Table 3の他の明示的な例が、TDRA Table 5に示される。
【表5】
【0129】
TDRA Table 5のDCIインデックス0がUEに通知される場合、TRPに対する時間領域リソースの割当て及び関連付けは、スロット間及びスロット内スケジューリングに対応する図14に示すようになる。
【0130】
理解できるように、TDRA Table 5のDCIインデックス0のエントリは、繰り返しの総数が(TDRA Table 4によって示される“3”の代わりに)“4”であると示される点でのみ、TDRA Table 4のDCIインデックス0のエントリと異なっている。従って、第1、第2及び第3の繰り返しの時間領域リソースは、TDRA Table 4のケースと同一であり、簡略化のため、対応する説明は繰り返さない。
【0131】
しかしながら、TDRA Table 5のケースでは、追加的な後続の繰り返し(第4の繰り返し全体)がある。本例では、繰り返しの関連付けは交互のパターンに従っており、第3の繰り返しはTRP 1からのものであるため、当該第4の繰り返しはTRP 2からのものになる。さらに、シンボルオフセット“3”及び第3の繰り返しの最後のシンボルのインデックス“12”に基づいて、第3の繰り返しのスタートシンボルのインデックスは#15となる。しかしながら、本例では、各スロット内のシンボルの総数は14(すなわち、スロット#0~#13)にすぎない。従って、第3の繰り返しは、15から14を引くことによって計算されるシンボル位置#1におけるスケジューリングPDCCHの後の第2のスロットから開始される。
【0132】
第4の繰り返しの長さは、第2の繰り返しの長さと同じであり、第2の繰り返しは、第4の繰り返しと同じTRPを使用する。その結果、第4の繰り返しは、3シンボル(すなわち、シンボル#15、#16及び#17)にわたることになる。
【0133】
本実施例(例えば、TDRA Table 3、4又は5の形式のTDRAテーブル)は、TDRAテーブルの行/エントリを示すためのより小さなサイズのテーブル及びより低いDCIオーバヘッドという効果を提供する。
【0134】
いくつかの実施例では、TDRAテーブルのエントリは、送信総数の指示、送信間のオフセットの指示及び単一のSLIVを含む。単一のSLIVは、第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び第1の送信のための時間領域リソースの長さ(例えば、エントリによって明示的又は暗黙的に示される第1の送信のための)を示す。
【0135】
TDRA Table 6に示されるように、いくつかの実施例では、TDRAテーブルの各エントリは、単一のSLIV、シンボルオフセット及び繰り返し総数のみを明示的に示す。具体的には、TDRA Table 6に示される例では、第4、第5及び第6列は、それぞれ単一のSLIV、シンボルオフセット及び繰り返し総数を示している。
【0136】
単一のSLIVによって示される時間領域リソースは、第1のTCI状態からの最初の送信に対応してもよい。言い換えれば、エントリによって示される単一のSLIVは、第1のTCI状態からの最初の繰り返しに対する時間領域リソースのスタートシンボル及び長さを計算するのに使用されてもよい。この第1のTCI状態は、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。
【0137】
後続の繰り返しのための時間領域リソース(SLIV)は、暗黙的に通知/決定され、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されたパターンを使用して設定されたTCI状態に関連付けされてもよい。例えば、後続の繰り返しは、ラウンドロビン方式で設定されたTCI状態に関連付けされてもよい。
【表6】
【0138】
例示的な実現形態では、UEのプロセッサは、動作中に最初の送信に対して単一のSLIVによって示されるスタート位置に従って、第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置を決定する。代わりに又はさらに、プロセッサは、第1の送信に対して単一のSLIVによって示される長さに従って、第1の送信のための時間領域リソースの長さを決定してもよい。代わりに又はさらに、プロセッサは、第1の送信ではない各送信に対して、i)第1の送信のための時間領域リソースの長さに従って送信のための時間領域リソースの長さ、ii)オフセットの指示と、第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び長さとに従って送信のための時間領域リソースのスタート位置、及び/又は、iii)所定のパターンに従って2つ以上のTCI状態と送信のための時間領域リソースとの関連付けを決定してもよい。
【0139】
一般に、TDRA Table 6の一般的な形式を有するTDRAテーブルと通知されたDCIインデックスとに基づいて(すなわち、言い換えれば、TDRA Table 6に示されるようなエントリに基づいて)、送信のために実際に使用されるTRP/TCI状態の数は、TCIコードポイント(すなわち、いくつかの更なるパラメータと一緒に、TCIインジケータを結合的に符号化してもよいビットフィールドのコードポイント)によって示される全てのTCI状態を計数することによって決定されてもよい。さらに、全てのTRP/TCI状態にわたる繰り返しの総数は、別々の列における明示的な指示によって通知示され、従って、この明示的な指示から決定されてもよい。
【0140】
第1の繰り返しのための時間領域リソースは、単一のSLIVによって通知され、従って、単一のSLIVから決定されてもよい。言い換えれば、エントリによって示される単一のSLIVは、第1のTCI状態からの第1の繰り返しのための時間領域リソースのスタートシンボル及び長さを計算するのに使用されてもよい。この第1のTCI状態は、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。
【0141】
さらに、送信総数が1よりも大きい場合、TDRAのエントリにおいてSLIVによって明示的には指定されない更なる/後続の繰り返しがある。ここで、これら更なる後続の送信の数は、“送信総数”から“1”を引いたものに対応してもよい。
【0142】
これら更なる繰り返しの関連付けは、実際に使用されるTCI状態(例えば、コードポイントによって示されるTCI状態)にわたって(例えば、ラウンドロビン方式で)パターンに従ってそれらを(例えば、均等に)分散することによって決定されてもよい。パターンは、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。例えば、全ての交互の繰り返しは、交互のTCI状態に関連付けられてもよいし、及び/又は、パターンは、周期的に繰り返される一連のTCI状態を示してもよい。一般に、このような所定のパターンは、設定されたTCI状態のシーケンスを示す。
【0143】
例えば、第1の繰り返し以外の繰り返しなどの後続の繰り返しの時間領域リソースの長さは、第1の繰り返しの長さに基づいて決定されてもよい。例えば、後続の繰り返しの長さは、第1の繰り返しの長さと同じであってもよい。
【0144】
後続の繰り返しのための時間領域リソース(SLIV)のスタート位置(ここでは、スタートシンボルとも呼ばれる)は、通知されたオフセットを使用して暗黙的に決定/通知されてもよい。より具体的には、シンボルオフセットは、1つの繰り返しの時間領域リソースのスタート/エンド位置に加えられ、後続の(例えば、連続する)繰り返しの時間領域リソースのスタート/エンド位置を取得してもよい。また、一般に、全ての後続の送信の時間領域リソースは、同じシンボルオフセットに基づいて決定されてもよいことにも留意されたい。あるいは、後続の各繰り返しに対して、異なるシンボルオフセットが使用されてもよい。
【0145】
さらに、設定された各TCI状態に関連する繰り返しの総数は、明示的に指定される繰り返しの総数を、送信に実際に使用されるTCI状態の数によって割ることによって決定されてもよい。あるいは、各エントリに対して、TCI状態に関連する繰り返しの総数は、当該エントリの当該TCIグループにおけるSLIVを計数することによって決定されてもよい。
【0146】
本実施例によるTDRAテーブルのより明示的な例が、TDRA Table 7に示される。
【表7】
【0147】
上記のTDRA Table 7のDCIインデックス0がUEに通知される場合、TRPに対する時間領域リソースの割当て及び関連付けは、図15に示すようになる。
【0148】
特に、第1のエントリのK2は“1”であることが示され、従って、送信を開始するためのスロットオフセットは、スケジューリングPDCCHの後の“1”スロットである。
【0149】
単一のSLIV“{0,3}”に基づいて、最初の繰り返しはTRP 1からであり、シンボル#0で始まり、3シンボルにわたる。つまり、最初の繰り返しの時間領域リソースは、インデックス#0、#1及び#2によるシンボルである。
【0150】
繰り返しの総数は“3”であることが示され、従って、2つの繰り返しの関連付けと時間領域リソースとが暗黙的に通知される。
【0151】
本例では、関連付け/グループ化は、交互のパターンに基づいており、2つのTCI状態が設定される。その結果、第1及び第3の繰り返しはTRP 1からのものであり、第2の繰り返しはTRP 2からのものである。従って、TRP 1に関連する繰り返しの総数は2であり、TRP 2に関連する繰り返しの総数は1である。
【0152】
さらに、最初の繰り返しの通知されたオフセット“3”及び最後のシンボルのインデックス“2”(一般に、ある/以前の繰り返しの最後のシンボルがオフセットのリファレンスとして使用されてもよい)に基づいて、第2の繰り返しは、シンボル#5から始まる。第1の繰り返しの長さに応じて、第2の繰り返しの長さは3シンボルである。従って、まとめると、第2の繰り返しは、TRP 2からのものであり、シンボル#5から始まり、3つのシンボル(すなわち、シンボル#5、#6及び#7)にわたる。
【0153】
さらに、第2の繰り返しの通知されたオフセット“3”及び最後のシンボルのインデックス“7”に基づいて、第3の繰り返しは、シンボル#10から始まる。第1の繰り返しの長さに応じて、第2の繰り返しの長さは3シンボルである。従って、まとめると、第2の繰り返しは、TRP 1からのものであり、シンボル#10から始まり、3つのシンボル(すなわち、シンボル#10、#11及び#12)にわたる。
【0154】
本実施例(例えば、TDRA Table 6又は7の形式のTDRAテーブル)は、他のテーブルと比較して、TDRAテーブルの行/エントリを示すための小さなTDRAテーブルサイズ及び小さなDCIオーバヘッドという効果を提供する。さらに、繰り返し間のシンボルオフセットは、UEが1つのTRPから他のTRPへ受信するためのビームスイッチング遅延を許容することを可能にする。異なるTCI状態を有する送信が連続する場合、UEは、異なるTRPからの送信を受信するためのビームスイッチングのための十分な時間を有さないかもしれない。
【0155】
他の例示的な実現形態では、TDRAテーブルのエントリは、第1のSLIV、第2のSLIV及び送信総数(例えば、エントリによって明示的又は暗黙的に示される送信総数)を示す指示を含む。ここで、第1のSLIVは、第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置と、第1の送信のための時間領域リソースの長さとを示してもよく、第2のSLIVは、送信のために利用可能でない時間領域リソースのスタート位置と、送信のために利用可能でない時間領域リソースの長さとを示してもよい。
【0156】
TDRA Table 8に示されるように、いくつかの実施例では、TDRAテーブルの各エントリは、第1の時間領域リソース、第2の時間領域リソース(例えば、それぞれのSLIVによって)及び繰り返し総数を明示的に示す。TDRAテーブルは更に、DCIインデックスの各値に対するシンボルオフセット及びPDSCHマッピングタイプを示してもよい。特に、例示的なTDRA Table 8では、“SLIV 1”及び“SLIV 2”とラベル付けされた列は、それぞれ第1及び第2の時間領域リソースを示す。
【0157】
一般に、2つのSLIVの1つのSLIVのみが、例えば、各エントリによって示される送信の第1の送信のため、送信のための時間領域リソースを示してもよい。言い換えると、第1の時間領域リソース(SLIV)は、第1のTCI状態からの第1の送信に対応してもよい。この第1のTCI状態は、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。
【0158】
その後、後続の繰り返し(又は、一般に第1のSLIVによって明示的に示される繰り返し以外の他の繰り返し)のための時間領域リソース(SLIV)が、暗黙的に決定され、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されたパターンを利用して設定されたTCI状態に関連付けされてもよい。例えば、後続の繰り返しは、ラウンドロビン方式で設定されたTCI状態に関連付けされてもよい。
【0159】
2つのSLIVの他方のSLIVは、繰り返しに利用可能でない時間領域リソースを示してもよい。言い換えると、第2の時間領域リソース(SLIV)は、データ送信に利用可能でないシンボル及び/又は時間領域リソースに対応する。繰り返しのための時間領域リソース、特に、後続の繰り返しのための時間領域リソースは、第2のSLIVによって示される時間領域リソースが繰り返しのために利用可能でないことを考慮することによって決定されてもよい。
【表8】
【0160】
一般に、TDRA Table 6の一般的な形式を有するTDRAテーブルと、通知されたDCIインデックスとに基づいて(すなわち、言い換えれば、TDRA Table 6に示されるようなエントリに基づいて)、送信のために実際に使用されるTRP/TCI状態の数は、TCIコードポイント(すなわち、いくつかの更なるパラメータと一緒にTCIインジケータを結合的に符号化しうるビットフィールドのコードポイント)によって示される全てのTCI状態を計数することによって決定されてもよい。さらに、全てのTRP/TCI状態にわたる繰り返しの総数は、別々の列における明示的な指示によって示され、従って、この明示的な指示から決定されてもよい。
【0161】
第1の繰り返しのための時間領域リソースは、2つのSLIVの一方、例えば、第1のSLIVによって示され、従って、第1のSLIVから決定されてもよい。言い換えれば、エントリによって示される第1のSLIVは、第1のTCI状態からの第1の繰り返しのための時間領域リソースのスタートシンボル及び長さを計算するのに使用されてもよい。
【0162】
さらに、送信総数が1よりも大きい場合、TDRAのエントリにおけるSLIVによって明示的に指定されない更なる/後続の繰り返しがある。ここで、これら更なる後続の送信の数は、“送信総数”から“1”を引いたものに対応してもよい。
【0163】
これら更なる繰り返しの関連付けは、実際に使用されるTCI状態(例えば、コードポイントによって示されるTCI状態)にわたって(例えば、ラウンドロビン方式で)パターンに従ってそれらを(例えば、均等に)分散することによって決定されてもよい。パターンは、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。例えば、全ての交互の繰り返しは、交互のTCI状態に関連付けされてもよい。一般に、このような所定のパターンは、設定されたTCI状態のシーケンスを示す。
【0164】
例えば、第1の繰り返し以外の繰り返しなどの後続の繰り返しの時間領域リソースの長さは、第1の繰り返しの長さに基づいて決定されてもよい。例えば、後続の繰り返しの長さは、第1の繰り返しの長さと同じであってもよい。
【0165】
後続の繰り返しのための時間領域リソース(SLIV)のスタート位置は、オフセットを使用して決定されてもよい。オフセットの値は、所定、セミスタティック及び/又はRRC設定されてもよい。例えば、オフセットは、リソースの連続的な割り当てに対応する1に設定されてもよい。例えば、第2のSLIVによって指示/決定された時間リソースとの衝突がない場合、後続の繰り返しは、(1に設定されたオフセットに対応して)連続的に割り当てられてもよい。しかしながら、第2のSLIVによって決定された時間リソースと何れかの繰り返しの時間シンボルの何れかとの間に衝突が存在する場合、これらの特定のシンボルは、当該送信には使用されなくてもよい。また、一般に、全ての後続の送信の時間領域リソースは、同じシンボルオフセットに基づいて決定されてもよいことに留意されたい。あるいは、後続の各繰り返しに対して、異なるシンボルオフセットが使用されてもよい。
【0166】
さらに、設定された各TCI状態に関連する繰り返し総数は、明示的に指定される繰り返し総数を送信に実際に使用されるTCI状態の数によって割ることによって決定されてもよい。あるいは、各エントリに対して、TCI状態に関連する繰り返し総数は、当該エントリの当該TCIグループにおけるSLIVを計数することによって決定されてもよい。
【0167】
TDRAテーブルのエントリが送信に利用可能でない時間領域リソースを示すいくつかの実施例では、プロセッサは、動作中に時間領域リソースへの送信のマッピングを決定する。当該マッピングにおいて、各送信の時間領域リソースの長さは、第1の送信のための第1のSLIVによって示される長さと同じである。当該マッピングにおいて、送信は、第1のSLIVによって示される第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置から始まって、所定のオフセットに従って2つ以上のTCI状態の利用可能な時間領域リソースにマッピングされる。ここで、所定のオフセットは、連続する送信の時間領域リソースの間の分離を示すものであってもよい。各時間領域リソースは、所定のパターンに従って2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされてもよい(言い換えれば、プロセッサは、動作中に所定のパターンに従って2つ以上のTCI状態と時間領域リソースとの関連付けを決定する)。
【0168】
ここで、“マッピング”という用語は、送信に対する時間領域リソースの割当てを意味し、割り当てられた各時間領域リソースは、(設定された)TRP/TCI状態の1つに関連付けされる。つまり、マッピングは、送信に対して設定されたTCI状態のリソースを割当てる。
【0169】
本実施例によるTDRA Table 8のより明示的な具体例が、TDRA Table 9に示される。
【表9】
【0170】
TDRA Table 9のDCIインデックス0がUEに通知される(そして、本実施例によるマッピングが使用される)場合、TRPに対する時間領域リソース割当て及び関連付け、又は、すなわち、マッピングは、図16に示されるようになる。
【0171】
具体的には、以前の例のように、送信を開始するためのスロットオフセットは“1”であると示され、従って、第1の繰り返しは、DCIシグナリング(スケジューリングPDCCH)の後のスロットで始まる。
【0172】
本例では、UEは、繰り返し、2つのTCI状態、TCI状態1とTCI状態2との間の1のシンボルオフセットにより設定され、TCI状態1は、第1の繰り返しのTCI状態と、(交互に)全ての繰り返しによりTCI状態を変えるパターンとして指定されることが更に仮定される。
【0173】
繰り返し総数が“3”として示されているため、2つの後続の繰り返し、すなわち、第2の繰り返し及び第3の繰り返しがある。
【0174】
設定されたパターンと第1のTCI状態とに基づいて、TRP 1からの2つの繰り返し、すなわち、第1及び第3の繰り返しがあることがすでに決定可能である。同様に、TRP 2からの1つの繰り返し、すなわち、第2の繰り返しがあることが決定可能である。
【0175】
シンボルオフセット“1”と、第1の繰り返しの最後のシンボルのインデックス“#2”とに基づいて、第2の繰り返しがシンボル#3から始まると判断することができる。
【0176】
第1のエントリのSLIV 1“{0,3}”に基づいて、第1の繰り返しは、3つのシンボルにわたり、すなわち、第1の繰り返しの時間領域リソースは、3(シンボル)になる。さらに、以降の繰り返しに対して、第1の繰り返しと同じ長さが使用されるため、第2の繰り返し及び第3の繰り返しの時間領域リソースもまた、3(シンボル)の長さを有する。
【0177】
本実施例によると、繰り返しは、第1のSLIVによって示されるスタート位置からスタートして、設定されたTCI状態の利用可能な時間領域リソース(のみ)にマッピングされる。詳細は以下である。
【0178】
第1のエントリのSLIV 1“{0,3}”に基づいて、第1の繰り返しのスタート位置は、シンボル#0であり、従って、マッピングはシンボル#0からスタートする。最初の繰り返しに対して、利用可能でないリソースとの衝突はないため、最初の繰り返しはシンボル#0、#1及び#2にマッピングされる。
【0179】
より具体的には、第2のSLIV“{5,1}”は、シンボル#5が送信に利用可能でないことを示す。従って、当該マッピングでは、TRP 1のシンボル#5とTRP 2のシンボル#5を除くTRP 1とTRP 2の全てのシンボルが利用可能であることが仮定されてもよい。
【0180】
シンボルオフセットは“1”であるため、マッピングは、利用可能であるシンボル#3に続く。本発明によると、シンボルオフセットは、第1の繰り返しの最後のシンボルのインデックスと第2の繰り返しの最初のシンボルのインデックスとの間の差分に対応することに留意されたい。従って、“1”のシンボルオフセットは、2つの連続する送信の間にシンボルがないことを意味する。
【0181】
その結果、第2の繰り返しはシンボル#3から始まる。シンボル#4もまた利用可能であり、従って、シンボル#4は第2の繰り返しにも割り当てられる。しかしながら、シンボル#5は利用可能でないため、第2の繰り返しのリソースへのマッピングは、利用可能なシンボル#6で続けられる。従って、要約すると、第2の繰り返しは、シンボル#3、#4及び#6にマッピングされる。言い換えると、第2の繰り返しは、シンボル#5によって分離される第1の部分(シンボル#3及びシンボル#4)と第2の部分(シンボル#6)とを含む。
【0182】
マッピングは、第3の繰り返しがマッピングされる利用可能なシンボル#7、#8及び#9に続く。なお、衝突後(シンボル#5における)の送信全体は、シフト(本例では、1シンボルだけシフト)される。
【0183】
TDRAテーブルのエントリが送信のために利用可能でない時間領域リソースを示すいくつかの実施例において、プロセッサは、動作中に第1のSLIVによって示される第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置からスタートし、所定のオフセットに従って2つ以上のTCI状態の時間領域リソース上に送信がマッピングされる、時間領域リソースへの送信のマッピングを決定する。当該マッピングにおいて、i)所定のオフセットは、連続する送信の時間領域リソースの間の分離を示し、ii)送信がマッピングされる時間領域リソースは、利用可能及び利用不可な時間領域リソースを含み、iii)何れかの送信が、第1の送信に対して第1のSLIVによって示される長さを有する時間領域リソースにマッピングされ、(所与の送信がマッピングされる時間領域リソースの)利用不可な時間領域リソース(利用可能な時間領域リソースと共に)を計数し、iv)利用不可な時間領域リソースを含む時間領域リソースにマッピングされる何れかの送信がパンクチャされ、及び/又は、v)時間領域リソースのそれぞれは、所定のパターンに従って2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる(言い換えれば、プロセッサは、動作中に所定のパターンに従って2つ以上のTCI状態と時間領域リソースとの関連付けを決定する)。
【0184】
上述したように、“マッピング”という用語は、送信に対する時間領域リソースの割当てを意味し、割り当てられた時間領域リソースのそれぞれは、(設定された)TRP/TCI状態の1つに関連付けされる。つまり、マッピングは、送信に対する設定されたTCI状態のリソースを割り当てる。
【0185】
本実施例によるTDRA Table 8の他の明示的な例が、TDRA Table 10に示される。TDRA Table 10はTDRA Table 9に対応することに留意されたい。
【表10】
【0186】
TDRA Table 10のDCIインデックス0がUEに指示される(また、本実施例によるマッピングが使用される)場合、TRPに対する時間領域リソース割当て及び関連付け、又は、要するにマッピングは、図16に示されるようになる。
【0187】
本実施例は、送信の衝突シンボルがパンクチャされる(シフトされない)点で、前の実施例と異なることに留意されたい。従って、相違点は、主にシンボル#5における第2の繰り返しの衝突から始まるマッピングに関する。以下において、前の実施例に対するマッピングに対する相違点が主として強調される。
【0188】
本実施例によると、繰り返しは、第1のSLIVによって示されるスタート位置から始まって、設定されたTCI状態の利用可能な及び利用不可な時間領域リソースにマッピングされる。特に、各送信は、同じ長さ、例えば、第1のSLIVによって明示的に示される長さの時間領域リソースにマッピングされる。ここで、与えられた送信がマッピングされる時間領域リソースの長さは、“与えられた送信がマッピングされる利用可能な時間領域リソースの長さ”に“与えられた送信がマッピングされる利用不可な時間領域リソースの長さ”を加えたものである。言い換えれば、送信がマッピングされる利用不可なリソースは、送信がマッピングされる時間領域リソースの長さに向かって計数/寄与する。詳細は以下である。
【0189】
第1のエントリのSLIV 1“{0,3}”に基づいて、第1の繰り返しのスタート位置はシンボル#0であり、従って、マッピングはシンボル#0からスタートする。さらに、各繰り返しは、同じ長さ“3”を有する。本実施例では、繰り返しは、繰り返しの長さに対して計数される利用不可な時間領域リソースにまたマッピングされることに留意されたい。言い換えれば、所与の繰り返しがマッピングされるシンボルの総数(すなわち、利用可能及び利用不可な時間領域リソース)は、本実施例では、繰り返しの長さとみなされる。
【0190】
従って、再び1のオフセットを想定すると、第1の繰り返しはシンボル#0、#1及び#2にマッピングされ、第2の繰り返しはシンボル#3、#4及び#5にマッピングされ、第3の繰り返しはシンボル#6、#7及び#8にマッピングされる。
【0191】
しかしながら、上記の実施例と同様に、第2の繰り返しがマッピングされるシンボル#5は利用可能でない。
【0192】
従って、本実施例によると、TDRA Table 10の第1のエントリは、第2の繰り返しに対してシンボル#3及び#4のみを(暗黙的に)示す。言い換えれば、第2の繰り返しは、第2の繰り返しがマッピングされる利用可能なリソースの長さに一致するようパンクチャされる。
【0193】
本実施例(例えば、TDRA Table 8、9又は10の形式のTDRAテーブル)は、送信に利用不可な時間領域リソースを示すことを可能にする。これは、繰り返しと利用不可なリソースとの衝突を引き起こすことなく、利用可能な時間領域リソースのスケジューリングを容易にしうる。
【0194】
一般に、プロセッサは、動作中にTCIインジケータに従って少なくとも2つの所定のTDRAテーブルからTDRAテーブルを決定してもよい(1020)。
【0195】
いくつかの実施例では、UEは、複数のTDRAテーブルによって設定される。図10に示されるように、UEは、古いTDRAテーブル及び新しいTDRAテーブルによりRRCによって設定されてもよい(1000)。例えば、古いTDRAテーブルは、1つのTCI状態の時間領域リソースのみを指示し、新しいTDRAテーブルは、2つ以上のTCI状態の時間領域リソースを指示してもよい。一般に、UEは、複数TCI状態がDCIシグナリングにおいて指示/設定されないことをTCIインジケータが示すとき、古いTDRAテーブルを使用するように設定されてもよい。しかしながら、対応するDCIシグナリングにおいて複数のTCI状態が指示/設定されていることをTCIインジケータが示すとき、UEは、新しいTDRAテーブルを使用するよう(すなわち、古いTDRAテーブルの代わりに新しいTDRAテーブルからエントリを取得するよう)設定されてもよい。一般に、TCIインジケータは、別々のビットフィールドとして指示される必要はない。それは、他のパラメータと一緒に通知されてもよい。言い換えれば、そのような結合的なビットフィールドのコードポイントの1つ以上は、1つのTRPが使用されていることを示す一方、1つ以上の他のコードポイントは、2つのTRPが使用されていることを示してもよい。同様に、何れかの数のTRPが、そのようなTCIインジケータを搬送する結合的なビットフィールドの1つ以上のコードポイントによって通知されてもよい。
【0196】
図10は、UEのための例示的な方法である。ステップ1000において、UEは、old_TDRA_table及びnew_TDRA_tableによりRRCシグナリングを介し再設定される。old_TDRA_tableは、1つのみのTRPがアクティブである場合のテーブルである。new_TDRA_tableは、2つ以上のTRPがUEによるデータの送受信のためにアクティブである場合のテーブルである。ステップ1010において、UEは、(例えば、UEがモニタリングするPDCCH上で)スケジューリングDCIを受信し、TCI指示に対してコードポイントを確認する。ステップ1020において、UEは、TCI指示が複数のTCI状態を示すかを評価(評価/判定)する。複数のTCI状態が示される場合(ステップ1020でYes)、UEは、ステップ1030においてnew_TDRA_tableを使用する。言い換えれば、UEは、リソース割当ての決定のために新しいテーブルを採用する。そして、ステップ1040において、UEは、各送信(例えば、各繰り返し)の時間領域リソース及び繰り返し総数を決定する。なお、本発明は、繰り返しに限定されるものではなく、送信はまた異なるトランスポートブロックの送信であってもよいことに留意されたい。ステップ1030及び1040の順序は逆にすることができる。ステップ1050において、UEは、各繰り返し(又は一般に送信)を指示されたTCI状態の1つに関連付ける。繰り返し(送信)は、同一又は異なるTCI状態に関連付けされてもよい。最後に、ステップ1060において、UEは、割当て及び関連するリソース上で複数のTRP(TCI状態)からダウンリンクでデータを受信する(又はアップリンクでデータを送信する)。
【0197】
ステップ1020において、1つのTCI状態のみが示される場合(ステップ1020においてNo)、UEは、ステップ1035においてold_TDRA_tableを使用(適用)する。ステップ1045において、UEは、対応する送信のため時間領域リソースを決定する。ステップ1055において、UEは、送信と指示された唯一のTCI状態とを関連付ける。最後に、ステップ1065において、UEは、割り当てられたリソース上で1つのTRPからのデータ送信を受信する。
【0198】
例えば、NR Rel.16において、TCIビットフィールドのコードポイントを利用して2つのTCI状態(Rel.15における1つのTCI状態の代わりに)を通知することが合意され、それは、2つのTRP送信が可能であることを基本的に意味する。
【0199】
TCIインジケータによる使用適用されるTDRAテーブルの切替は、TDRAテーブルを変更するフレキシビリティを提供する。
【0200】
一般に、送信は同一のデータ部分の繰り返しであってもよい。
【0201】
図18は、互いに通信するUEと基地局との双方において実行される方法を示す。
【0202】
他の実施例によると、ユーザ装置UEのための方法が提供される。当該方法は、PDCCH内でダウンリンク制御情報DCIを受信するステップS1840を含む。さらに、当該方法は、2つ以上のTCI状態が設定されることを指定するTCI(Transmission Configuration Indication)インジケータと、送信のための時間領域リソース及び当該時間領域リソースと2つ以上のTCI状態との関連付けとを示す通知とをDCIシグナリングから取得するステップS1850を含む、各時間領域リソースは2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる。当該方法は更に、2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、各TCI状態に関連する時間領域リソースに関するデータ(及びDCIシグナリングに示されるような)を受信又は送信するステップS1880を含む。
【0203】
他の実施例によると、基地局において実行される方法が提供される。当該方法は、送信のためUEに通知される複数のTRPの時間領域リソースの割当てを実行するステップS1810を含んでもよい。当該割当てによると、ステップS1820において、基地局は、2つ以上のTCI状態が設定されることを指定するTCI(Transmission Configuration Indication)インジケータをDCIシグナリング内において提供するため、ある方式においてPDCCH上で搬送されるダウンリンク制御情報DCIシグナリングを生成し、各時間領域リソースは、2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる。当該方法は更に、DCIシグナリングを送信するステップS1830と、2つ以上のTCI状態のそれぞれに対して、各TCI状態に関連する時間領域リソース上でデータ(DCIシグナリングにおいて示されるような)を受信又は送信するステップS1870とを含む。
【0204】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSI(Large Scale Integration)によって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0205】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0206】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0207】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0208】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0209】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0210】
通信装置はまた、基地局、アクセスポイントなどのインフラストラクチャファシリティと、上記の非限定的な例におけるものなどの装置と通信又は制御する他の何れかの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0211】
第1の実施例によると、ユーザ装置(UE)が提供される。UEは、動作中にダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信する送受信機と、動作中に前記DCIシグナリングから、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けを示す指示とを取得し、前記時間領域リソースのそれぞれは前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、プロセッサと、を有し、前記送受信機は、動作中に前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する前記時間領域リソース上でデータを受信又は送信する。
【0212】
第1の実施例に加えて、第2の実施例によると、前記指示は、TDRA(Time Domain Resource Assignment)テーブルのエントリを示すインデックスである。
【0213】
第2の実施例に加えて、第3の実施例によると、前記TDRAテーブルのエントリは、SLIV(Start and Length Indicator Value)の2つ以上のセットを含み、各セットは、それぞれのTCI状態に対応し、各SLIVは、それぞれの送信に対応し、前記それぞれの送信のための時間領域リソースのスタート位置であって、前記それぞれの送信のための時間領域リソースは、前記それぞれのSLIVのセットに対応する前記TCI状態に関連付けされる、スタート位置と、前記それぞれの送信のための時間領域リソースの長さと、を指示する。
【0214】
第3の実施例に加えて、第4の実施例によると、各セットは、1つ以下のSLIVを含み、前記TDRAテーブルのエントリは、前記送信の総数の指示を含む。
【0215】
第4の実施例に加えて、第5の実施例によると、前記プロセッサは、動作中に、1つのSLIVを含む各セットに対して、前記セットに含まれるSLIVに従ってそれぞれの第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び長さを決定し、及び/又は、前記第1の送信の1つでない各送信に対して、TCI状態の系列を示し、前記第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置に対応するパターンに従って前記2つ以上のTCI状態の1つと前記送信のための時間領域リソースとの関連付け、それぞれの第1の送信のための時間領域リソースの長さによる前記送信のための時間領域リソースの長さであって、前記それぞれの第1の送信のための時間領域リソースと前記送信のための時間領域リソースとは、同一のTCI状態に関連付けされる、時間領域リソースの長さ、及び/又は、前記送信に先行する前記送信の1つのための時間領域リソースのオフセット、スタート位置及び長さによる前記送信のための時間領域リソースのスタート位置であって、前記オフセットは少なくとも2つの第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び/又は長さに対応する、スタート位置を決定する。
【0216】
第2の実施例に加えて、第6の実施例によると、前記TDRAテーブルのエントリは、前記送信の総数の指示と、前記送信の間のオフセットの指示と、第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置と、前記第1の送信のための時間領域リソースの長さとを示す単一のSLIVと、を含む。
【0217】
第6の実施例に加えて、第7の実施例によると、前記プロセッサは、動作中に、前記第1の送信のための前記単一のSLIVによって示されるスタート位置による前記第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置、前記第1の送信のための前記単一のSLIVによって示される長さによる前記第1の送信のための時間領域リソースの長さ、及び/又は、前記第1の送信でない各送信に対して、(i)前記第1の送信のための時間領域リソースの長さによる前記送信のための時間領域リソースの長さ、(ii)前記第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置及び長さと前記オフセットとの指示による前記送信のための時間領域リソースのスタート位置、及び/又は、(iii)所定のパターンによる前記2つ以上のTCI状態と前記送信のための時間領域リソースとの関連付け、を決定する。
【0218】
第2の実施例に加えて、第8の実施例によると、前記TDRAテーブルのエントリは、前記送信の総数の指示と、(i)第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置と、(ii)前記第1の送信のための時間領域リソースの長さとを示す第1のSLIVと、(i)前記送信に利用可能でない時間領域リソースのスタート位置と、(ii)前記送信に利用可能でない時間領域リソースの長さとを示す第2のSLIVと、を含む。
【0219】
第8の実施例に加えて、第9の実施例によると、前記プロセッサは、動作中に前記時間領域リソースへの前記送信のマッピングを決定し、各送信の時間領域リソースの長さは、前記第1の送信に対する第1のSLIVによって示される長さと同じであり、前記送信は、前記第1のSLIVによって示される第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置から始まる所定のオフセットに従って、前記2つ以上のTCI状態の利用可能な時間領域リソースにマッピングされ、前記所定のオフセットは、連続する送信の時間領域リソースの間の離間を示し、前記時間領域リソースのそれぞれは、所定のパターンに従って前記2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる。
【0220】
第8の実施例に加えて、第10の実施例によると、前記プロセッサは、動作中に前記時間領域リソースへの前記送信のマッピングを決定し、前記送信は、前記第1のSLIVによって示される第1の送信のための時間領域リソースのスタート位置から始まる所定のオフセットに従って、前記2つ以上のTCI状態の時間領域リソースにマッピングされ、前記所定のオフセットは、連続する送信の時間領域リソースの間の離間を示し、前記送信がマッピングされる時間領域リソースは、利用可能及び利用不可な時間領域リソースを含み、何れかの送信が、利用不可な時間領域リソースを計数し、前記第1の送信に対して前記第1のSLIVによって示される長さを有する時間領域リソースにマッピングされ、利用不可な時間領域リソースを含む時間領域リソースにマッピングされる何れかの送信がパンクチャされ、前記時間領域リソースのそれぞれは、所定のパターンに従って前記2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされる。
【0221】
第1から10の実施例の何れかに加えて、第11の実施例によると、前記プロセッサは、動作中に前記TCIインジケータに従って少なくとも2つの所定のTDRAテーブルから前記TDRAテーブルを決定する。
【0222】
第1から11の実施例の何れかに加えて、第12の実施例によると、前記送信は、同一のデータ部分の繰り返しである。
【0223】
第13の実施例によると、動作中に2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けとを示すダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを生成し、前記時間領域リソースのそれぞれは、前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、プロセッサと、動作中に前記DCIシグナリングを送信し、前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信する送受信機と、を有する基地局が提供される。
【0224】
第14の実施例によると、ユーザ装置(UE)のための方法であって、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを受信するステップと、前記DCIシグナリングから、(i)2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、(ii)送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けを示す指示とを取得するステップであって、前記時間領域リソースのそれぞれは、前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、取得するステップと、前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信するステップと、を有する方法が提供される。
【0225】
第15の実施例によると、基地局のための方法であって、(i)2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、(ii)送信のための時間領域リソース及び前記2つ以上のTCI状態と前記時間領域リソースとの関連付けとを示すダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを生成するステップであって、前記時間領域リソースのそれぞれは、前記2つ以上のTCI状態の1つと関連付けされる、生成するステップと、前記DCIシグナリングを送信するステップと、前記2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、前記それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信するステップと、を有する方法が提供される。
【0226】
第2から12までの実施例は第13の実施例のスケジューリングデバイスに対応して適用可能であることが留意される。さらに、動作中に回路によって実行されるステップは、上記のUE及び基地局の実施例において参照される送受信機のステップと共に各自の方法に対応する。
【0227】
さらに、汎用プロセッサなどの処理回路上で実行されると、上述した方法の実施例の何れかの全てのステップを実行するプログラム命令を記憶する非一時的な媒体が提供される。
【0228】
要約すると、本開示は、ユーザ装置(UE)及びスケジューリングノードと共に、対応する方法に関する。特に、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングは、2つ以上のTCI(Transmission Configuration Indication)状態が設定されることを指定するTCIインジケータと、送信のための時間領域リソース及び2つ以上のTCI状態と時間領域リソースとの関連付けを示す指示とを搬送し、各時間領域リソースは、2つ以上のTCI状態の1つに関連付けされ、送受信機は、動作中に2つ以上のTCI状態のそれぞれについて、それぞれのTCI状態に関連する時間領域リソース上でデータを受信又は送信する。
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【国際調査報告】