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特表2022-544305電気自動車及びその統合コントローラ、統合制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電気自動車及びその統合コントローラ、統合制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/22 20190101AFI20221007BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20221007BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
B60L53/22
B60L9/18 J
H02M7/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509004
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2020107059
(87)【国際公開番号】W WO2021027648
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201910754912.0
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】郭彩芳
(72)【発明者】
【氏名】姚▲鵬▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼阿喜
【テーマコード(参考)】
5H006
5H125
【Fターム(参考)】
5H006BB02
5H006CA02
5H006CB01
5H006CC02
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125BC23
5H125BC24
5H125BC29
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE42
5H125EE44
5H125EE64
5H125FF16
(57)【要約】
電気自動車及びその統合コントローラ、制御システムは、車両の技術分野に関し、統合コントローラは、モータへの駆動を実現するように、電子制御モジュールを制御する第1コアと、車両コントローラとして用いられる第2コアとを含む第1制御チップと、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、車載充電モジュールを制御する第2制御チップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーバッテリ及び交流充放電ポートを含む電気自動車の統合コントローラであって、
モータへの駆動を実現するように、電子制御モジュールを制御する第1コアと、車両コントローラとして用いられる第2コアとを含む第1制御チップと、
外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、車載充電モジュールを制御する第2制御チップと、を含むことを特徴とする、電気自動車の統合コントローラ。
【請求項2】
前記電気自動車は、低電圧バッテリをさらに含み、
前記第2制御チップは、さらに、前記パワーバッテリが前記低電圧バッテリを充電することを実現するように、前記車載充電モジュールを制御することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項3】
前記第1制御チップに接続された第1駆動回路と、前記第2制御チップに接続された第2駆動回路と、をさらに含み、
前記第1制御チップ、前記第2制御チップ、前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路は、電源モジュールを共用し、前記第1駆動回路は、前記電子制御モジュールを駆動し、前記第2駆動回路は、前記車載充電モジュールを駆動することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項4】
前記電源モジュールは、電源、第1電圧変換ユニット、第2電圧変換ユニット、第1電源ユニット、第2電源ユニット、第1絶縁ユニット及び第2絶縁ユニットを含み、
前記電源は、それぞれ前記第1電圧変換ユニット、前記第2電圧変換ユニット、前記第1絶縁ユニット及び前記第2絶縁ユニットに接続され、前記第1電圧変換ユニットは、前記第1電源ユニット、前記第2電源ユニット、前記第1駆動回路に接続され、前記第1絶縁ユニットは、前記第1駆動回路に接続され、前記第2電圧変換ユニットは、前記第2駆動回路に接続され、前記第2絶縁ユニットは、前記第2駆動回路に接続され、前記第1電源ユニットは、前記第1制御チップに接続され、前記第2電源ユニットは、前記第2制御チップに接続されることを特徴とする、請求項3に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項5】
前記第1制御チップ及び前記第2制御チップの両方に接続されたアナログ信号収集インタフェースをさらに含み、
アナログ信号は、スロットル信号、ブレーキ信号、大気圧信号、真空圧信号、電流信号、電圧信号及び温度情報のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項6】
前記電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、
前記第1コアは、さらに、外部直流電源が前記パワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現するように、前記電子制御モジュールを制御することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項7】
前記電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、昇圧充電モジュールは、前記直流充放電ポートと前記パワーバッテリとの間に設置され、
前記第1コアは、さらに、前記昇圧充電モジュールを制御して、外部直流電源が前記パワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項8】
前記第1コアと前記第2制御チップは、同時に動作し、前記第1コアは、前記電子制御モジュールを制御し、かつ前記第2制御チップは、前記車載充電モジュールを制御することにより、前記外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項9】
前記第1制御チップに接続されたスイッチ信号収集インタフェース及びモータ情報収集インタフェースをさらに含み、
前記第1コア及び前記第2コアは、前記スイッチ信号収集インタフェースにより収集されたスイッチ信号と、前記モータ情報収集インタフェースにより収集されたモータの位置情報とを共用することを特徴とする、請求項1に記載の電気自動車の統合コントローラ。
【請求項10】
パワーバッテリ及び交流充放電ポートを含む電気自動車の統合制御システムであって、
請求項1~9のいずれか一項に記載の電気自動車の統合コントローラであって、第1コア及び第2コアを含む第1制御チップと、第2制御チップとを含む、電気自動車の統合コントローラと、
電子制御モジュール、モータ及び車載充電モジュールを含む駆動ユニットと、を含み、
前記第1コアは、前記モータへの駆動を実現するように、前記電子制御モジュールを制御し、前記第2コアは、車両コントローラとして用いられ、前記第2制御チップは、前記車載充電モジュールを制御することで、外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現することを特徴とする、電気自動車の統合制御システム。
【請求項11】
前記電気自動車は、低電圧バッテリをさらに含み、
前記第2制御チップは、さらに、前記車載充電モジュールを制御することによって、前記パワーバッテリが前記低電圧バッテリを充電することを実現することを特徴とする、請求項10に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項12】
前記車載充電モジュールは、交流端子が前記交流充放電ポートに接続され、第1直流端子が前記パワーバッテリに接続され、第2直流端子が前記低電圧バッテリに接続され、
前記第2制御チップは、前記車載充電モジュールを制御することによって、前記外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記低電圧バッテリを充電することを実現することを特徴とする、請求項11に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項13】
前記車載充電モジュールは、第1Hブリッジ、変圧器、第2Hブリッジ、第3Hブリッジ、第1インダクタ及び第1AC/DC変換回路を含み、
前記第1Hブリッジは、直流端子が前記パワーバッテリに接続され、交流端子が前記変圧器の第1二次コイルに接続され、前記第2Hブリッジは、交流端子が前記変圧器の一次コイルに接続され、直流端子が前記第3Hブリッジの直流端子に接続され、前記第3Hブリッジは、1つのブリッジアームの中間点が前記第1インダクタの一端に接続され、前記第1インダクタの他端は、前記交流充放電ポートの第1ポートに接続され、前記第3Hブリッジは、もう1つのブリッジアームの中間点が前記交流充放電ポートの第2ポートに接続され、前記第1AC/DC変換回路は、交流端子が前記変圧器の第2二次コイルに接続され、直流端子が前記低電圧バッテリに接続されることを特徴とする、請求項12に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項14】
前記電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、前記直流充放電ポートの第1ポートは、順に前記モータ及び前記電子制御モジュールを介して前記パワーバッテリの第1電極に接続され、前記直流充放電ポートの第2ポートは、前記パワーバッテリの第2電極に接続され、
前記第1コアは、前記電子制御モジュールを時分割で制御することによって、外部直流電源が前記パワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現するか、又は、前記モータへの駆動を実現することを特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項15】
前記電子制御モジュールは、並列接続されて第1バス端子及び第2バス端子を形成する第1相ブリッジアーム、第2相ブリッジアーム及び第3相ブリッジアームを含み、
前記第1バス端子は、前記パワーバッテリの第1電極に接続され、前記第2バス端子は、前記パワーバッテリの第2電極に接続され、
前記モータは、第1相コイル、第2相コイル及び第3相コイルを含み、
前記第1相コイル、第2相コイル及び第3相コイルの一端は、接続されてスター型接続点を形成し、前記第1相コイルの他端は、前記第1相ブリッジアームの中間点に接続され、前記第2相コイルの他端は、前記第2相ブリッジアームの中間点に接続され、前記第3相コイルの他端は、前記第3相ブリッジアームの中間点に接続され、前記スター型接続点は、前記直流充放電ポートの第1ポートに接続されることを特徴とする、請求項14に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項16】
前記電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、
前記駆動ユニットは、前記直流充放電ポートと前記パワーバッテリとの間に設置された昇圧充電モジュールをさらに含み、
前記第1コアは、さらに、前記昇圧充電モジュールを制御することによって、外部直流電源が前記パワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現することを特徴とする、請求項10に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項17】
前記昇圧充電モジュールは、
直列接続された2つのスイッチトランジスタで構成され、一端が前記パワーバッテリの第1電極に接続され、他端が前記パワーバッテリの第2電極に接続された第1変換ブリッジアームと、
一端が前記第1変換ブリッジアームの中間点に接続され、他端が前記直流充放電ポートの第1ポートに接続された第2インダクタと、を含み、
前記直流充放電ポートの第2ポートは、前記パワーバッテリの第2電極に接続されることを特徴とする、請求項16に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項18】
前記交流充放電ポートは、第1ポートが前記モータを介して前記電子制御モジュールに接続され、第2ポートが前記車載充電モジュールに接続され、前記電子制御モジュールは、前記車載充電モジュールに接続され、
前記第1コアと前記第2制御チップは、同時に動作し、前記第1コアは、前記電子制御モジュールを制御し、かつ前記第2制御チップは、前記車載充電モジュールを制御することにより、前記外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現することを特徴とする、請求項10に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項19】
前記車載充電モジュールは、第1Hブリッジ、変圧器、第2Hブリッジ、直列接続された2つのスイッチトランジスタで構成された第2変換ブリッジアーム、及び第2AC/DC変換回路を含み、
前記第1Hブリッジは、直流端子が前記パワーバッテリに接続され、交流端子が前記変圧器の第1二次コイルに接続され、前記第2Hブリッジは、交流端子が前記変圧器の一次コイルに接続され、直流端子の第1ポートが前記第2変換ブリッジアームの一端に接続され、直流端子の第2ポートが前記第2変換ブリッジアームの他端に接続され、前記第2変換ブリッジアームの中間点は、前記交流充放電ポートの第2ポートに接続され、前記第2AC/DC変換回路は、一端が前記変圧器の第2二次コイルに接続され、他端が低電圧バッテリに接続され、
前記電子制御モジュールは、並列接続されて第1バス端子及び第2バス端子を形成する第1相ブリッジアーム、第2相ブリッジアーム及び第3相ブリッジアームを含み、
前記第1バス端子は、それぞれ前記パワーバッテリの第1電極、前記第2変換ブリッジアームの一端に接続され、前記第2バス端子は、前記パワーバッテリの第2電極、及び前記第2変換ブリッジアームの他端に接続され、
前記モータは、第1相コイル、第2相コイル及び第3相コイルを含み、
前記第1相コイル、第2相コイル及び第3相コイルの一端は、接続されてスター型接続点を形成し、前記第1相コイルの一端は、前記第1相ブリッジアームの中間点に接続され、前記第2相コイルの一端は、前記第2相ブリッジアームの中間点に接続され、前記第3相コイルの一端は、前記第3相ブリッジアームの中間点に接続され、前記スター型接続点は、前記交流充放電ポートの第1ポートに接続されることを特徴とする、請求項18に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項20】
前記車載充電モジュールは、一端が前記スター型接続点に接続され、他端が前記交流充放電ポートの第1ポートに接続された第3インダクタをさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の電気自動車の統合制御システム。
【請求項21】
請求項10~20のいずれか一項に記載の電気自動車の統合制御システムを含むことを特徴とする、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2019年8月15日に提出された、名称「電気自動車及びその統合コントローラ、統合制御システム」、出願番号201910754912.0の中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に関し、特に電気自動車及びその統合コントローラ、統合制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電気自動車の部品は、ますます高度統合、低コスト及び小型化の方向に発展している。しかしながら、関連技術において、多くの場合に物理的統合方法が用いられ、すなわち異なる部品を直接的に一体に組み立てるため、コストと空間の節約の割合が限られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0005】
このために、本開示は、電気部品を共用するか又は再利用することにより、電気部品の使用を減少させ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させるために、電気自動車の統合コントローラを提供することを第1目的とする。
【0006】
本開示は、電気自動車の統合制御システムを提供することを第2目的とする。
【0007】
本開示は、電気自動車を提供することを第3目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様の実施例に係る、パワーバッテリ及び交流充放電ポートを含む電気自動車の統合コントローラは、モータへの駆動を実現するように、電子制御モジュールを制御する第1コアと、車両コントローラとして用いられる第2コアとを含む第1制御チップと、外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、車載充電モジュールを制御する第2制御チップと、を含む。
【0009】
本開示の実施例に係る電気自動車の統合コントローラは、制御チップを共用することにより、部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、体積を減少させ、アセンブリの重量を減少させることができる。
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の第2目的に係る、パワーバッテリ及び交流充放電ポートを含む電気自動車の統合制御システムは、第1コア及び第2コアを含む第1制御チップと、第2制御チップとを含む上記実施例に係る電気自動車の統合コントローラと、電子制御モジュール、モータ及び車載充電モジュールを含む駆動ユニットと、を含み、前記第1コアは、前記モータへの駆動を実現するように、前記電子制御モジュールを制御し、前記第2コアは、車両コントローラとして用いられ、前記第2制御チップは、外部交流電源が前記パワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、前記パワーバッテリが前記交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、前記車載充電モジュールを制御する。
【0011】
本開示の実施例に係る電気自動車の統合制御システムは、電気部品を共用するか又は再利用することにより、電気部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0012】
上記目的を達成するために、本開示の第3態様の実施例は、上記電気自動車の統合制御システムを含む電気自動車を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本開示の実施例に係る電気自動車は、上記実施例に係る電気自動車の統合制御システムを用いて、電気部品を共用するか又は再利用することにより、電気部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0014】
本開示の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明に示され、一部が以下の説明に明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、本開示の上記及び/又は付加的な様態及び利点は、図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、理解されやすくなる。
【0016】
図1】本開示の一実施例に係る電気自動車の統合コントローラの構成ブロック図である。
図2】本開示の具体例に係る電気自動車の統合コントローラの構成ブロック図である。
図3】本開示の他の実施例に係る電気自動車の統合コントローラの構成ブロック図である。
図4】本開示の第1実施例に係る電気自動車の統合制御システムの構成ブロック図である。
図5】本開示の第2実施例に係る電気自動車の統合制御システムの構成ブロック図である。
図6】本開示の第1具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図7】本開示の第3実施例に係る電気自動車の統合制御システムの構成ブロック図である。
図8】本開示の第2具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図9】本開示の第4実施例に係る電気自動車の統合制御システムの構成ブロック図である。
図10】本開示の第3具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図11】本開示の第5実施例に係る電気自動車の統合制御システムの構成ブロック図である。
図12】本開示の第4具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図13】本開示の第5具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図14】本開示の第6具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図15】本開示の第7具体例に係る電気自動車の統合制御システムの概略構成図である。
図16】本開示の一例に係る車両を充電する場合の概略構成図である。
図17】本開示の実施例に係る電気自動車の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例が図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的なものに過ぎず、本開示を解釈するものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0018】
以下、本開示の実施例に係る電気自動車及びその統合コントローラ、統合制御システムについて図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本開示の実施例に係る電気自動車の統合コントローラの構成ブロック図である。
【0020】
該実施例において、電気自動車は、パワーバッテリ及び交流充放電ポートを含み、交流充放電ポートは、外部交流電源又は外部負荷に接続される。
【0021】
図1に示すように、電気自動車の統合コントローラ100は、第1制御チップ110及び第2制御チップ120を含む。第1制御チップ110は、第1コア111及び第2コア112を含み、第1コア111は、モータMへの駆動を実現するように、電子制御モジュール210を制御し、第2コア112は、電気自動車の車両コントローラとして用いられ、第2制御チップ120は、1つのコアを含んでもよく、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、車載充電モジュール220を制御する。
【0022】
これにより、該電気自動車の統合コントローラ100は、制御チップを共用することにより、アセンブリのコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0023】
一例として、電子制御モジュール210の直流端子は、パワーバッテリに接続され、電子制御モジュール210の交流端子は、モータMに接続され、車載充電モジュール220の第1直流端子は、パワーバッテリに接続され、車載充電モジュール220の交流端子は、交流充放電ポートに接続される。第1コア111は、電子制御モジュール210を制御し、パワーバッテリは、モータMへの駆動を実現するように、モータに給電し、第2コア112は、電気自動車の車両コントローラとして、車両制御に参加し、第2制御チップ120は、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、車載充電モジュール220を単独に制御することができる。
【0024】
一例として、電気自動車は、低電圧バッテリをさらに含み、低電圧バッテリは、車載充電モジュール220の第2直流端子に接続される。第2制御チップ120は、さらに、パワーバッテリが低電圧バッテリを充電することを実現するように、車載充電モジュール220を制御する。
【0025】
なお、低電圧バッテリは、車両の低電圧負荷に給電する。
【0026】
一例として、図2に示すように、統合コントローラ100は、第1駆動回路130及び第2駆動回路140をさらに含み、第1駆動回路130は、第1制御チップ110に接続され、第2駆動回路140は、第2制御チップ120に接続され、第1制御チップ110、第2制御チップ120、第1駆動回路130及び第2駆動回路140は、電源モジュールを共用し、第1駆動回路130は、電子制御モジュール210を駆動し、第2駆動回路140は、車載充電モジュール220を駆動する。
【0027】
図2に示すように、共用される電源モジュールは、電源151、第1電圧変換ユニット152、第2電圧変換ユニット153、第1電源ユニット154、第2電源ユニット155、第1絶縁ユニット156及び第2絶縁ユニット157を含み、電源151は、それぞれ第1電圧変換ユニット152、第2電圧変換ユニット153、第1絶縁ユニット156及び第2絶縁ユニット157に接続され、第1電圧変換ユニット152は、それぞれ第1電源ユニット154、第2電源ユニット155、第1駆動回路130に接続され、第1絶縁ユニット156は、第1駆動回路130に接続され、第2電圧変換ユニット153は、第2駆動回路140に接続され、第2絶縁ユニット157は、第2駆動回路140に接続され、第1電源ユニット154は、第1制御チップ110に接続され、第2電源ユニット155は、第2制御チップ120に接続される。
【0028】
電源151は、12V電圧を提供することができ、第1電圧変換ユニット152及び第2電圧変換ユニット153は、いずれも12V電圧を5V電圧に変換することができ、第1絶縁ユニット156及び第2絶縁ユニット157は、いずれも12V絶縁電源を提供することができる。これにより、本開示は、1つの回路基板のみを用いて(すなわち1セットの電源のみを用いて)、各制御チップ及び各駆動回路への給電を実現することができ、従来技術における各コントローラ及び各駆動回路などがいずれも1セットの電源を用いて給電される設置方式に比べて、本開示に係る給電設置方式に用いられる装置がより少なく、コストがより低く、アセンブリの体積及び重量がより小さい。
【0029】
一例として、図2に示すように、統合コントローラ100は、アナログ信号収集インタフェース161をさらに含み、第1制御チップ110及び第2制御チップ120は、いずれもアナログ信号収集インタフェース161に接続され、アナログ信号は、スロットル信号、ブレーキ信号、大気圧信号、真空圧信号、電流信号、電圧信号及び温度情報のうちの1つ又は複数を含む。これにより、同じアナログ信号に対して、1つの信号収集インタフェースのみを設置してもよく、該信号収集インタフェースは、いずれも第1制御チップ110及び第2制御チップ120に接続される。
【0030】
図2に示すように、統合コントローラ100は、第1制御チップ110に接続されたスイッチ信号収集インタフェース162及びモータ情報収集インタフェース163をさらに含み、第1コア111及び第2コア112は、スイッチ信号収集インタフェース162により収集されたスイッチ信号と、モータ情報収集インタフェース163により収集されたモータの位置情報とを共用する。
【0031】
一例として、電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、直流充放電ポートは、外部直流電源又は外部負荷に接続され、第1コア111は、さらに、外部直流電源がパワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが直流充電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現するように、電子制御モジュール210を制御する。
【0032】
該例において、直流充放電ポートは、第1ポートが順にモータM及び電子制御モジュール210を介してパワーバッテリの第1電極に接続され、第2ポートがパワーバッテリの第2電極に接続される。
【0033】
一例として、電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、直流充放電ポートは、外部直流電源又は外部負荷に接続され、直流充放電ポートとパワーバッテリとの間に昇圧充電モジュール230が設置され、図3に示すように、第1コア111は、さらに、外部直流電源がパワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現するように、昇圧充電モジュール230を制御する。
【0034】
一例として、第1コア111と第2制御チップ120は、同時に動作することができ、第1コア111は、電子制御モジュール210を制御し、かつ第2制御チップ120は、車載充電モジュール220を制御することにより、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現する。
【0035】
該例において、交流充放電ポートは、第1ポートがモータを介して電子制御モジュール210に接続され、第2ポートが車載充電モジュール220に接続され、電子制御モジュール210は、車載充電モジュール220に接続される。
【0036】
以下、いくつかの動作条件により統合コントローラ100の制御作用を説明する。
【0037】
動作モード1(モータMの動作):
対応するアナログ信号収集インタフェース161は、モータMの電圧情報、電流情報などを収集し、モータ情報収集インタフェース163は、モータの位置情報を収集し、第1コア111は、モータの位置情報、電圧情報及び電流情報などに基づいて駆動制御信号を生成し、かつ該駆動制御信号に基づいて第1駆動回路130によりモータMを動作させる。
【0038】
動作モード2(電気自動車の衝突):
スイッチ信号収集インタフェース162は、衝突情報を収集し、モータ情報収集インタフェース163は、モータの位置情報(車速を計算するために用いられる)を収集し、第1コア111は、該衝突情報、車速情報などに基づいて制御コマンドを生成し、かつ制御コマンドに基づいて三相短絡ポリシー又は六相開回路ポリシーを実行することにより、電子制御モジュール210を制御してモータMの動作を停止させる。車速が車速閾値(例えば、60KW/h)より高い場合、第1コア111は、三相短絡ポリシーを実行することができ、車速が車速閾値より低い場合、第1制御チップ110は、六相開回路ポリシーを実行することができる。なお、異なる電気自動車に対して、設定された車速閾値は、異なってもよい。
【0039】
スイッチ信号収集インタフェース162は、ハードワイヤによる収集速度が速いため、第1コア111に直接的に接続され、車両コントローラ(すなわち第2コア112)から衝突情報を取得する必要がなく、情報伝送遅延を回避し、応答速度が速く、さらに非常ブレーキがより安全であるという効果を達成する。
【0040】
動作モード3(直流充電):
対応するアナログ信号収集インタフェース161は、電圧情報及び電流情報を収集し、第1制御チップ110は、電圧情報及び電流情報に基づいて直流充電制御信号を生成し、かつ直流充電制御信号に基づいて電子制御モジュール210又は昇圧充電モジュール230を動作させるように制御することにより、外部直流電源がパワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現する。
【0041】
動作モード4(交流充放電):
対応するアナログ信号収集インタフェース161は、電圧情報及び電流情報を収集し、充電ガン情報収集モジュールは、充電ガンの充電情報を収集し、第2制御チップ120は、電圧情報、電流情報及び充電ガンの充電情報に基づいて交流充放電制御コマンドを生成し、かつ該交流充放電制御コマンドに基づいて車載充電モジュール220を動作させるように制御することにより、外部交流電源がパワーバッテリに交流充放電を行うことを実現する。
【0042】
動作モード5(低電圧バッテリに対する充電):
対応するアナログ信号収集インタフェース161は、電圧情報及び電流情報を収集し、電圧情報は、パワーバッテリ側の電圧情報及び低電圧バッテリ側の電圧情報を含み、第2制御チップ120は、パワーバッテリ側の電圧情報、低電圧負荷側の電圧情報及び電流情報に基づいて降圧制御信号を生成し、かつ該降圧制御信号に基づいて車載充電モジュール220を動作させるように制御することにより、パワーバッテリが低電圧バッテリを充電することを実現する。
【0043】
前記のように、本開示の実施例に係る電気自動車の統合コントローラは、制御チップを共用し、電源モジュール及び同じ信号収集インタフェースを再利用することにより、部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、体積を減少させ、アセンブリの重量を減少させることができる。
【0044】
図4は、本開示の一実施例に係る電気自動車の統合制御システムの構成ブロック図である。
【0045】
該実施例において、図4に示すように、電気自動車は、パワーバッテリ及び交流充放電ポートを含み、交流充放電ポートは、外部交流電源又は外部負荷に接続され、統合制御システムは、上記実施例に係る電気自動車の統合コントローラ100及び駆動ユニット200を含む。
【0046】
図4に示すように、統合コントローラ100は、第1制御チップ110及び第2制御チップ120を含み、第1制御チップ110は、第1コア111及び第2コア112を含み、駆動ユニット200は、電子制御モジュール210、モータM、車載充電モジュール220を含む。第1コア111は、モータMへの駆動を実現するように、電子制御モジュール210を制御し、第2コア112は、車両コントローラとして用いられ、第2制御チップ120は、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するように、車載充電モジュール220を制御する。
【0047】
これにより、該電気自動車の統合制御システムは、上記統合コントローラを用い、制御チップを共用することにより、部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、体積を減少させ、アセンブリの重量を減少させることができる。
【0048】
一例として、図4に示すように、電子制御モジュール210は、直流端子がパワーバッテリに接続され、交流端子がモータMに接続され、車載充電モジュール220は、第1直流端子がパワーバッテリに接続され、交流端子が交流充放電ポートに接続される。
【0049】
一例として、図5に示すように、電気自動車は、低電圧バッテリをさらに含み、第2制御チップ120は、さらに、パワーバッテリが低電圧バッテリを充電することを実現するように、車載充電モジュール220を制御する。
【0050】
図5に示すように、車載充電モジュール220は、交流端子が交流充放電ポートに接続され、第1直流端子がパワーバッテリに接続され、第2直流端子が低電圧バッテリに接続される。
【0051】
該例において、第2制御チップ120は、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが低電圧バッテリを充電することを実現するように、車載充電モジュール220を制御する。
【0052】
具体的には、図6に示すように、車載充電モジュール210は、第1Hブリッジ(スイッチトランジスタQ9、Q10、Q11及びQ12で構成される)、変圧器T、第2Hブリッジ(スイッチトランジスタQ5、Q6、Q7及びQ8で構成される)、第3Hブリッジ(スイッチトランジスタQ1、Q2、Q3及びQ4で構成される)、第1インダクタL1及び第1AC/DC変換回路221を含み、第1Hブリッジは、直流端子がパワーバッテリに接続され、交流端子が変圧器Tの第1二次コイルに接続され、第2Hブリッジは、交流端子が変圧器Tの一次コイルに接続され、直流端子が第3Hブリッジの直流端子に接続され、第3Hブリッジは、1つのブリッジアームの中間点が第1インダクタL1の一端に接続され、第1インダクタL1の他端は、交流充放電ポートの第1ポートに接続され、第3Hブリッジは、もう1つのブリッジアームの中間点が交流充放電ポートの第2ポートに接続され、第1AC/DC変換回路221は、交流端子が変圧器Tの第2二次コイルに接続され、直流端子が低電圧バッテリに接続される。これにより、交流充放電モジュールと低電圧バッテリ電源モジュールが1つのHブリッジ及び1つの変圧器を再利用することにより、電気部品の使用を減少させ、コストを低減し、体積を減少させ、アセンブリの重量を減少させることができる。
【0053】
なお、パワーバッテリと駆動ユニット200との間にさらに制御可能なスイッチ、ブリーダ抵抗器などが接続されてもよく、駆動ユニット200は、LCフィルタ回路、フィルタコンデンサ、ブリーダ抵抗器などをさらに含み、その具体的な接続方式は、図6に示すとおりであり、当然のことながら、設計者は、必要に応じて、LCフィルタ回路、フィルタコンデンサ、ブリーダ抵抗器などの数、接続位置などを適応的に調整してもよく、ここで限定しない。
【0054】
一例として、図7に示すように、電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、直流充放電ポートは、第1ポートが順にモータM及び電子制御モジュール210を介してパワーバッテリの第1電極(例えば正極)に接続され、第2ポートがパワーバッテリの第2電極(例えば負極)に接続される。
【0055】
該例において、第1コア111は、外部直流電源がパワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現するか、又は、モータMへの駆動を実現するように、電子制御モジュール210を時分割で制御する。
【0056】
具体的には、図6図8に示すように、電子制御モジュール210は、第1相ブリッジアーム(直列接続されたスイッチトランジスタT1、T2で構成される)、第2相ブリッジアーム(直列接続されたスイッチトランジスタT3、T4で構成される)及び第3相ブリッジアーム(直列接続されたスイッチトランジスタT5、T6で構成される)を含み、第1相ブリッジアーム、第2相ブリッジアーム、第3相ブリッジアームは、並列接続されて第1バス端子及び第2バス端子を形成し、第1バス端子は、パワーバッテリの第1電極に接続され、第2バス端子は、パワーバッテリの第2電極に接続される。
【0057】
図6図8に示すように、モータMは、第1相コイルLa、第2相コイルLb及び第3相コイルLcを含み、第1相コイルLa、第2相コイルLb及び第3相コイルLcの一端は、接続されてスター型接続点を形成し、第1相コイルLaの他端は、第1相ブリッジアームの中間点に接続され、第2相コイルLbの他端は、第2相ブリッジアームの中間点に接続され、第3相コイルLcの他端は、第3相ブリッジアームの中間点に接続され、スター型接続点は、直流充放電ポートの第1ポートに接続される。
【0058】
該例において、第1コア111は、電子制御モジュール210を制御して、直流充放電を実現する場合、ある相ブリッジアームのみを持続的に制御して、該相ブリッジアーム及びその対応する相コイルにより直流充放電を実現してもよく、二相又は三相ブリッジアームを交互に制御して、直流充放電を実現してもよい。
【0059】
これにより、ブリッジアーム及びインダクタを再利用することにより、電気部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0060】
一例として、図9に示すように、電気自動車は、直流充放電ポートをさらに含み、駆動ユニット200は、昇圧充電モジュール230をさらに含み、昇圧充電モジュール230は、直流充放電ポートとパワーバッテリとの間に設置される。
【0061】
第1コア111は、さらに、外部直流電源がパワーバッテリに昇圧直流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが直流充放電ポートを介して外部負荷に直流放電を行うことを実現するように、昇圧充電モジュール230を制御する。
【0062】
具体的には、図10に示すように、昇圧充電モジュール230は、直列接続された2つのスイッチトランジスタ(すなわちT7、T8)で構成された第1変換ブリッジアームと、第2インダクタL2とを含む。第1変換ブリッジアームは、一端がパワーバッテリの第1電極に接続され、他端がパワーバッテリの第2電極に接続され、第2インダクタL2は、一端が第1変換ブリッジアームの中間点に接続され、他端が直流充放電ポートの第1ポートに接続され、直流充放電ポートの第2ポートは、パワーバッテリの第2電極に接続される。
【0063】
一例として、図11に示すように、交流充放電ポートは、第1ポートがモータMを介して電子制御モジュール210に接続され、第2ポートが車載充電モジュール220に接続され、電子制御モジュール210は、車載充電モジュール220に接続される。第1コア111と第2制御チップ120は、同時に動作し、第1コア111は、電子制御モジュール210を制御し、かつ第2制御チップ120は、車載充電モジュール220を制御することにより、外部交流電源がパワーバッテリに交流充電を行うことを実現するか、又は、パワーバッテリが交流充放電ポートを介して外部負荷に交流放電を行うことを実現する。
【0064】
具体的には、図12に示すように、車載充電モジュール220は、第1Hブリッジ(スイッチトランジスタQ9、Q10、Q11及びQ12で構成される)、変圧器T、第2Hブリッジ(スイッチトランジスタQ5、Q6、Q7及びQ8で構成される)、直列接続された2つのスイッチトランジスタ(Q3、Q4)で構成される第2変換ブリッジアーム、及び第2AC/DC変換回路222を含み、第1Hブリッジは、直流端子がパワーバッテリに接続され、交流端子が変圧器Tの第1二次コイルに接続され、第2Hブリッジは、交流端子が変圧器Tの一次コイルに接続され、直流端子の第1ポートが第2変換ブリッジアームの一端に接続され、直流端子の第2ポートが第2変換ブリッジアームの他端に接続され、第2変換ブリッジアームの中間点は、交流充放電ポートの第2ポートに接続され、第2AC/DC変換回路222は、一端が変圧器Tの第2二次コイルに接続され、他端が低電圧バッテリに接続される。
【0065】
図12に示すように、電子制御モジュール210は、第1相ブリッジアーム(直列接続されたスイッチトランジスタT1、T2で構成される)、第2相ブリッジアーム(直列接続されたスイッチトランジスタT3、T4で構成される)及び第3相ブリッジアーム(直列接続されたスイッチトランジスタT5、T6で構成される)を含み、第1相ブリッジアーム、第2相ブリッジアーム、第3相ブリッジアームは、並列接続されて第1バス端子及び第2バス端子を形成し、第1バス端子は、それぞれパワーバッテリの第1電極、第2変換ブリッジアームの一端に接続され、第2バス端子は、それぞれパワーバッテリの第2電極、第2変換ブリッジアームの他端に接続される。モータMは、第1相コイルLa、第2相コイルLb及び第3相コイルLcを含み、第1相コイルLa、第2相コイルLb及び第3相コイルLcの一端は、接続されてスター型接続点を形成し、第1相コイルLaの他端は、第1相ブリッジアームの中間点に接続され、第2相コイルLbの他端は、第2相ブリッジアームの中間点に接続され、第3相コイルLcの他端は、第3相ブリッジアームの中間点に接続され、スター型接続点は、交流充放電ポートの第1ポートに接続される。
【0066】
これにより、ブリッジアーム及びインダクタを再利用することにより、電気部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0067】
一例として、図13に示すように、車載充電モジュール220は、第3インダクタL3をさらに含み、第3インダクタL3は、一端がスター型接続点に接続され、他端が交流充放電ポートの第1ポートに接続される。交流充電モードの場合、高周波で、モータMの固定子巻線のインダクタンスが小さいため、第3インダクタL3を設置することにより、インダクタンスを増加させ、力率改善機能をより効果的に実現することができる。
【0068】
好ましくは、図12図13に示すように、車載充電モジュール220は、第2AC/DC変換回路222をさらに含んでもよい。図8図10に比べて、図12図13における第2AC/DC変換回路222は、4つのスイッチトランジスタを含み、4つのスイッチトランジスタを2つずつ交互に制御することにより、スイッチトランジスタの過熱現象の発生を減少させるか又は回避し、第2AC/DC変換回路222の耐用年数を延長させることができる。
【0069】
一例として、図14に示すように、直流充放電ポートは、正極接触器K3及び負極接触器K4を介してパワーバッテリに接続されてもよい。
【0070】
一例として、図15に示すように、直流充放電ポートは、正極接触器K3のみを介してパワーバッテリに接続されてもよい。当然のことながら、直流充放電ポートは、負極接触器K4のみを介してパワーバッテリに接続されてもよい。図14に示す例に比べて、図15に示す例において、接触器の使用を減少させ、コストがより低い。
【0071】
本開示の実施例において、図16に示すように、充電は、直流充電と交流充電に分けられ、充電する場合、充電杭からの電流又は220Vの家庭用交流電流は、ファイブインワンにより変換されてパワーバッテリを充電し、車両が正常に運転するように駆動される場合、電流は、パワーバッテリからファイブインワンによりモータMへ流れて、車両を正常に運転するように駆動する。
【0072】
以上より、本開示の実施例に係る電気自動車の統合制御システムは、電気部品を共用するか又は再利用することにより、電気部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0073】
図17は、本開示の実施例に係る電気自動車の構成ブロック図である。
【0074】
図17に示すように、電気自動車1000は、上記実施例に係る電気自動車の統合制御システム300を含む。
【0075】
本開示の実施例に係る電気自動車は、上記実施例に係る電気自動車の統合制御システムを用いて、電気部品を共用するか又は再利用することにより、電気部品の使用を減少させることができ、さらにコストを低減し、アセンブリの体積及び重量を減少させることができる。
【0076】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0077】
なお、本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないと指示するか又は暗示するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0078】
また、用語「第1」、「第2」は、説明目的のためのみに用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示し、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に明示するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は黙示的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0079】
本開示において、明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、明確な限定がない限り、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、2つの素子の間の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0080】
本開示において、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接的に接触することであってもよく、第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることであってもよく、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表すことであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることであってもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表すことであってもよい。
【0081】
以上、本開示の実施例を示して説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本開示を限定するものとして理解してはならず、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
具体的には、図6に示すように、電子制御モジュール210は、第1Hブリッジ(スイッチトランジスタQ9、Q10、Q11及びQ12で構成される)、変圧器T、第2Hブリッジ(スイッチトランジスタQ5、Q6、Q7及びQ8で構成される)、第3Hブリッジ(スイッチトランジスタQ1、Q2、Q3及びQ4で構成される)、第1インダクタL1及び第1AC/DC変換回路221を含み、第1Hブリッジは、直流端子がパワーバッテリに接続され、交流端子が変圧器Tの第1二次コイルに接続され、第2Hブリッジは、交流端子が変圧器Tの一次コイルに接続され、直流端子が第3Hブリッジの直流端子に接続され、第3Hブリッジは、1つのブリッジアームの中間点が第1インダクタL1の一端に接続され、第1インダクタL1の他端は、交流充放電ポートの第1ポートに接続され、第3Hブリッジは、もう1つのブリッジアームの中間点が交流充放電ポートの第2ポートに接続され、第1AC/DC変換回路221は、交流端子が変圧器Tの第2二次コイルに接続され、直流端子が低電圧バッテリに接続される。これにより、交流充放電モジュールと低電圧バッテリ電源モジュールが1つのHブリッジ及び1つの変圧器を再利用することにより、電気部品の使用を減少させ、コストを低減し、体積を減少させ、アセンブリの重量を減少させることができる。
【国際調査報告】