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特表2022-544314ファンの現在の動作状態に従属する変数、特に、圧力変化または圧力上昇を定量的に測定する方法、および、ファン
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  • 特表-ファンの現在の動作状態に従属する変数、特に、圧力変化または圧力上昇を定量的に測定する方法、および、ファン 図1
  • 特表-ファンの現在の動作状態に従属する変数、特に、圧力変化または圧力上昇を定量的に測定する方法、および、ファン 図2
  • 特表-ファンの現在の動作状態に従属する変数、特に、圧力変化または圧力上昇を定量的に測定する方法、および、ファン 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ファンの現在の動作状態に従属する変数、特に、圧力変化または圧力上昇を定量的に測定する方法、および、ファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
F04D27/00 101A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509197
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 DE2020200054
(87)【国際公開番号】W WO2021032255
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102019212325.2
(32)【優先日】2019-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510334790
【氏名又は名称】ジール・アベッグ エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レルヒャー、 フリーダー
(72)【発明者】
【氏名】アンゲリス、 ヴァルター
【テーマコード(参考)】
3H021
【Fターム(参考)】
3H021BA15
3H021BA20
3H021CA07
3H021DA03
3H021EA11
3H021EA14
(57)【要約】
ファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力上昇を定量的に測定する方法において、ファンの空気体積流量または空気質量流量が既知である場合、現在の動作状態に従属する変数をファンの回転速度により測定する方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力上昇または圧力変化を定量的に測定する方法において、
前記ファンの空気体積流量または空気質量流量が既知である場合、現在の動作状態に従属する変数を前記ファンの回転速度により測定する方法。
【請求項3】
較正特性曲線が、特定の速度または特定の速度曲線に関して、任意で、特定の空気密度に関して、前記ファンに保存され、
前記較正特性曲線が、空気体積流量または空気質量流量と、動作状態に従属する変数との間の関数関係を示す、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
空気体積流量または空気質量流量が既知であると共に回転速度が既知である場合、動作状態に従属する変数が、
保存されている較正特性曲線に基づいて現在の速度に関する少なくとも1つの特性曲線を算出し、
前記現在の速度に関する算出された特性曲線と、現在測定された一定の空気体積流量または空気質量流量の直線との交点を求め、
前記交点における現在の動作状態に従属する変数を決定するか、または、読み取る、ことにより算出されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
補正係数または補正関数を用いて動作状態に従属する変数を測定し、
前記補正係数または前記補正関数が、前記ファンの設置状況および/または環境を考慮に入れることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
動作状態に従属する変数を測定するために前記較正特性曲線が用いられ、
前記較正特性曲線が、設置状況、または、設置状況をモデリングもしくはシミュレートする構成で得られて前記ファンに保存されることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
1つの動作状態または複数の動作状態に従属する変数をユーザまたは上位システムにより読み取り、
その結果、前記ユーザまたは前記上位システムが、前記1つの動作状態または複数の動作状態に従属する変数に基づいて、前記ファンの速度または換気システムを制御する、または、影響を及ぼすことを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
1つの動作状態または複数の動作状態に従属する変数を定量的に測定するファンにおいて、
少なくとも1つの現在の動作状態に従属する変数を前記ファンの既知の空気体積流量または空気質量流量に関して前記ファンの回転速度により測定する、ファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作中のファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化、特に、圧力上昇を定量的に測定する方法、および、少なくとも1つの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化、特に、圧力上昇の定量的な測定が動作中に行われるファンに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の動作状態に従属する変数を知ることは、多くの利点となる場合がある。
例えば、ファンを、1つまたは複数のこれら変数に応じて、制御し、調整することができる。
また、ファンが設けられて動作する上位システムも、1つまたは複数のこれら変数に応じて、制御し、調整することができる。
さらに、これら変数を、記録し、時間積分し、そして様々に用いることができる。
【0003】
ファンを動作させる場合、例えば、現在の圧力上昇を知ることが望ましい。
現在の圧力上昇の知識を有利に用いることができる。
ユーザは、これを用いて、エアハンドリングシステムの現在の状態、例えば、熱交換器の着氷状態、フィルタの目詰まりの度合、ダンパの臨界状態、または、現在の風荷重を監視し、チェックすることができる。
【0004】
ファン側において、圧力上昇を知ることで、例えば、破損する可能性があるファンの圧力リザーブ部を監視できる。
ファンが、許容動作範囲内で動作しているか否かを判定することができ、また、例えば、いわゆるドラムロータが、低過ぎる圧力で動作しているか否かを判定することもできる。
【0005】
従来技術から圧力上昇を差圧センサにより測定することが知られている。
これには時間がかかり、通常の場合、直接的にファンに適用することはできない。
大抵の場合、綿密な配管または電気配線が必要とされる。
【0006】
差圧センサにより差圧を測定するもう一つの不利な点は、測定された差圧が圧力センサの位置に依存することであり、これにともなって、そのような圧力センサを、どこに、そして、どのようにして収容するか、または、取り付けるかという問題がある。
【0007】
また、後方湾曲ラジアルインペラの場合に軸トルクを用いて空気体積流量を測定すること、入口ノズルでの差圧測定により空気体積流量を測定すること、インペラアネモメータまたは熱式アネモメータを用いて空気体積流量を測定することも、従来技術からすでに知られている。
【0008】
上記実施形態によると、圧力センサを用いてファンの圧力変化または圧力上昇を測定することができ、特に、ファンの速度監視またはトルク監視も可能である。
これにより、フィルタの目詰まり、または、着氷を間接的に測定することができる。
【0009】
ファンの現在の音放射の測定を利用して、例えば、音放射に関するある所定の限界値を超えないようにファンを制御することができる。
【0010】
ファンの現在の駆動トルクの測定を利用してある所定の限界駆動トルクを超えないように、例えば、駆動モータに対して過負荷にならないように、ファンを制御することができる。
【0011】
ファンの現在の効率の測定を利用して可能な限り高い効率が達成されるように、1つのファンまたは複数のファンを備えるシステムを制御することができる。
【0012】
先行技術文献に関して、一例として、特許文献1を参照する。
この文献から、レンジフードのファンの動作状態を測定する方法が知られている。
この動作状態は、電気モータの速度および電力消費の関数として定義されている。
しかし、空気体積流量をモータトルクを用いて測定することは、後方湾曲ファンにおいては不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2013 204 137 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、動作中のファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化または圧力上昇を定量的に測定する方法を規定することである。
本方法によれば、ファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化または圧力上昇のそれぞれを、複雑なセンサ、例えば、圧力センサを用いることなく、ある特定のファンに限定されることなく、十分に正確に実現可能である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、請求項1の特徴により達成され、ファンに関しては、請求項14の特徴により達成される。
これらの特徴によれば、ファンの空気体積流量または空気質量流量が既知である場合、現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化または圧力上昇が、ファンの回転速度により定量的に測定される。
【0016】
現在の圧力上昇の測定に関して、本発明は、ファンが、例えば、圧力上昇を克服するために必要なパワーを加えることから、そこで生じる圧力変化または圧力上昇を「間違いなく」測定するものであるという、基本的な概念/知見に基づいている。
【0017】
ユーザまたは上位システムは、測定された現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化または圧力上昇を読み取ることができ、これを用いてファンまたは換気システム全体を制御することができることも有利である。
また、現在の動作状態に従属する変数またはその時間推移を用いて、換気システム、または、そのような換気システムの1つの構成要素または複数の構成要素のメンテナンス、清掃、または、除氷の時間を明確に定めることも考えられる。
【0018】
本発明に係る1つの実施形態おいて、ファンは、圧力センサを用いることなく圧力上昇中にそれにかかる背圧を測定し、出力することができる。
この背圧は、ファンにおいて、つまり、何らかの手段により圧力上昇が発生または生成する「源」において、測定される。
外部圧力センサシステムを用いる場合と比較して、センサシステムに関連する測定装置の測定誤差およびサセプティビリティ(Susceptibilities)が除去される。
このことは、特に、圧力センサそれぞれの選択位置と、圧力センサ上、または、その周辺の現在の流れの状況とに対する測定結果の依存に関してあてはまる。
これには、例えば、ある動作条件下で発生する場合がある剥離および乱流が含まれる。
圧力センサ、配線、および、圧力センサと電子システムとの間のデータ伝送の障害の可能性が除去されることになる。
【0019】
本発明に係る特徴は、高い正確さを有し、有利には、流速場の分析に基づく方法によるファンの空気体積流量または空気質量流量の測定に基づいている。
ここでは、ファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、ファンの圧力上昇を、現在の速度、必要に応じて、現在の密度に関する測定情報または推定情報、および、ファンに保存されている特性曲線を考慮に入れて測定する。
【0020】
デフォルトで空気体積流量または空気質量流量を一定に制御可能なファンの場合、特定の空気体積流量または空気質量流量を直接的に用いることができるため、センサにより空気体積流量または空気質量流量を測定する必要はない。
その一方、そのような一定の空気体積流量による制御または一定の空気質量流量による制御の構成を有するファンは、通常の場合、空気体積流量または空気質量流量を直接的または間接的に測定するためのセンサに依然として基づくものである。
【0021】
先行技術とは対照的に、ファンの現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力変化、特に、圧力上昇の測定は、例えば、複雑なセンサ、例えば、圧力センサ、音センサ、または、トルクセンサを用いることなく、ここでは、ファン近傍で行われ、可能な限り正確に現在の空気体積流量を上流で測定することが必要である。
空気体積流量または空気質量流量を直接的または間接的に測定するためには、センサ1つのみが必要とされてよい。
【0022】
ファンの空気体積流量または空気質量流量が既知である場合、速度を用いて、現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力上昇、音響放射、駆動トルク、駆動パワー、効率、振動、または、軸推力を測定する。
現在の周囲温度または現在の空気湿度における現在の空気密度の影響を考慮に入れてよい。
空気体積流量の測定は、高正確な周知の方法を用いて予め行われる。
現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力上昇、または、圧力変化を測定するためには、少なくとも1つの較正特性曲線を対象となる動作状態に従属する変数のそれぞれに関して保存する必要がある。
較正特性曲線は、空気体積流量または空気質量流量と、特定の速度または速度曲線、特定の密度における、目的に適う動作状態に従属する変数との間の関数関係(例えば、特定
的に示すものである。
同等の特性曲線を用いてよく、例えば、空気体積流量または空気質量流量が任意の方法により既知である場合、静圧上昇と全圧上昇との間の変換を行ってよい。
【0023】
ファンは、算出された現在の動作状態に従属する変数を用いてファン自身を制御してよい。
例えば、現在測定された圧力上昇の関数としての速度制御が可能である。
【0024】
また、圧力上昇または別の現在の動作状態に従属する変数をユーザまたは上位システムにより読み取ることができ、その結果、ユーザまたは上位システムが、この情報に基づいてファンの速度または換気システムを制御することができるか、これに影響を及ぼすことができることも考えられる。
【0025】
また、さらなる最適化を実行可能とするために、現在の動作状態に従属する変数、または、その時間履歴を、保存し、かつ/または、ユーザまたはファン製造者に伝送してよい。
このことは、ファンの基本的な選択、または、ファンの設計の最適化もしくは技術的最適化に有用となる場合がある。
【0026】
一般に、圧力上昇/圧力変化Δpは、静圧上昇(全圧対静圧)、全圧上昇(全圧対全圧)、または、必要に応じて、圧力上昇の別の定義として理解されてよい。
所望の圧力上昇を測定するために用いることができる較正特性曲線のみを求め、ファンに保存する必要がある。
【0027】
一般に、対象変数の速度依存性が、少なくとも実質的に既知である限り、現在の動作状態に従属する変数を測定するために本方法を用いることができる。
例えば、圧力上昇(nに略比例)、駆動トルク(nに略比例)、音響放射(n4~6に略比例)、軸推力(nに略比例)、または、振動変数(この場合、nへの従属は、具体的にファンに関して定める必要がある)を測定することが考えられる。
また、導出された現在の動作状態に従属する特性曲線値も求めることができ、例えば、速度と駆動トルクとを用いて駆動パワーを求めることができ、空気体積流量と圧力上昇と駆動パワーとを用いて効率を求めることもできる。
それぞれの場合について、対応する較正特性曲線を求め、ファンに保存する必要がある。
【0028】
ここで、本発明の特徴を有利に具現化し、さらに発展させることができる様々な形態が存在する。
この目的のために、一方では、請求項1に従属する請求項が、他方では、以下、図面を参照して説明する本発明に係る方法または本方法を用いるファンの好ましい例示的な実施形態が、参照される。
図面に基づく、本発明の好ましい例示的な実施形態の説明に関して、これら特徴の好ましい実施形態および発展形態も、一般的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1
図2図2は、ファンについて、特定の流体密度で、4つの相異なる流量に関する、速度nの関数としての圧力上昇Δpの4つの曲線を示す図である。
図3
【発明を実施するための形態】
【0030】
線が、それぞれの場合における2つの相異なる一定の速度nについて図示されている。
これらの特性曲線は、一例に過ぎない。
これらの特性曲線は、特定のファンの実験計測に基づいて測定されたものであり、ファンによっては、定量的に、また、曲線の形状の点で、異なる可能性がある。
pとの間の関数関係であり、この関数関係は多くの場合一定の速度について示されるが、定められた変数の速度曲線について示されてもよい。
状態に従属する変数であることを見て取ることができる。
【0031】
このようにして、他の動作状態に従属する変数の特性曲線を特定の速度または特定の速度曲線について測定し保存してよい。
この場合、これらの他の動作状態に従属する変数を対応する特性曲線により既知の空気体積流量または空気質量流量を用いて測定することもできる。
【0032】
を示す。
通常、ファンの圧力上昇Δpを測定するためには、特定の速度に関する1つの特性曲線のみを測定すれば十分である。
それ以外は、本例においても行われているように、変換により得ることができる。
ここでは、固定されたファンの幾何形状の相似則が用いられており、この相似則による
および既知の速度nについて、以下のようにして測定することができる:
1.保存されている較正特性曲線(例:n_calibration=1800rpmの較正特性曲線、現在の速度=2200rpm)から、現在の速度nの特性曲線(例え
の直線との交点を求め、
3.交点における現在の圧力上昇Δpを読み取る。
【0033】
さらに、圧力上昇が密度に比例するという、密度の影響を考慮に入れてもよい。
このために、較正特性曲線に対応する密度に対する現在の密度の比率を決定または推定する必要がある。
【0034】
このようにして、他の動作状態に従属する変数も、特に、空気体積流量または空気質量流量、および、現在の速度を用いて測定してよい。
保存する必要があるのは、望ましい目標値の算出を可能にする較正特性曲線のみである。
なお、相異なる対象変数は、速度nに対して相異なる依存性を有するものであり、これら依存性をそれぞれについて考慮に入れる必要があることに留意すべきである。
【0035】
実施において、圧力上昇またはファンの他の動作状態に従属する変数は、ファンの設置環境の影響を受ける場合がある。
圧力上昇または別の動作状態に従属する変数を測定する際、ファンの設置状況に依存する補正係数または補正関数を考慮に入れると有利である。
代替的には、較正特性曲線を、設置状況または設置状況をモデリングする構成で、測定してよく、ファンに保存してよく、動作状態に従属する変数を測定するために用いてよい。
現在の動作状態に従属する変数の測定を最も正確に達成するためには、特に、現在の空
数における比較的大きな誤差が、すでに生じる可能性がある。
空気体積流量/空気質量流量測定の正確さは、実際値からの偏差が5%以内であり、そして、特別な正確さ要件の場合には、現在の空気体積流量/空気質量流量の正確さは、実際値からの偏差が2%以内であると有利である。
空気体積流量/空気質量流量測定のそのような高い正確さ要件は、特に、ファンの領域の好適な点における流速場の分析に基づく方法を用いると満たされることが証明されている。
一例として、そのような方法は、インペラアネモメータの速度計測に基づく。
【0036】
動作状態に従属する変数の数秒の時間平均、例えば、10秒以下の時間平均が有利であることも証明されている。
【0037】
図2には、特定の例示的なファンにおいて、速度nの関数としての圧力上昇Δpが、い
そのような変数は、図1の記載と同様に、既知の較正特性曲線、および、対象変数、この場合、圧力上昇Δpの既知の速度依存性のみから導出することができる。
ることが容易に見て取れる。
この場合も、空気密度を考慮に入れた圧力上昇の補正を図1と同様に行う必要がある。
【0038】
て行われる。
知の方法により測定される。
圧力上昇Δpの密度補正は、もはや必要ではない。
す較正特性曲線は、ファンに保存されてよい。
空気質量流量を測定する方法は、空気体積流量を測定する方法と略同様である。
メータ速度に加えて現在の空気密度も測定または推定される必要があり、現在の空気密度を空気質量流量の算出に含める必要がある。
【0039】
図2に示されるのと同様のグラフを圧力上昇Δp以外の動作状態に従属する対象変数についてもプロットしてよい。
速度依存性が、様々な対象について様々な性質であることを考慮に入れるべきである。
多くの場合、速度依存性は、ファンに関する一般的な法則から導出されてよく、例えば、圧力上昇、駆動トルク、または、軸推力は、近似を用いれば速度の2乗に比例する。
空気体積流量または空気質量流量は、つねに、速度に対して線形にスケールされる必要がある。
音響パワーレベルまたは音圧は、回転速度の4乗~6乗に比例する。
さらに、導出された対象変数は、2以上の対象変数からなってよい。
速度依存性が(ファンの)一般的な法則から導出できない対象変数については、速度依存性は、試験またはシミュレーションに基づいて推定されてもよい。
【0040】
在の動作状態に従属する変数の測定が行われる、ファン1の1つの実施形態を示す斜視図、かつ、インペラ3の回転軸を通る平面で切断した断面図である。
体積流量測定ホイール2は、ハブ7とそれに取り付けられるブレード6とにより構成される。
体積流量測定ホイール2と、流入側の構成、この場合、流入側格子26へのその取り付けとが、明瞭に図示されている。
体積流量測定ホイール2を取り付ける軸13は、取り付け領域31を介して流入側格子26の中央領域30に取り付けられている。
【0041】
体積流量測定ホイール2は、ベアリングを用いて軸13に取り付けられており、実施形態例においては不図示の2つのベアリングが設けられている。
体積流量測定ホイール2において、ベアリングは受け入れ領域20において挿入され、受け入れ領域20はハブ7内にこの目的のために設けられている。
このようにして、体積流量測定ホイール2は、流入側格子26に対して、ファン1のインペラ3を駆動するモータ4のロータ11に依存せず、自由に回転することができる。
正確さで推定することができる。
【0042】
ファン1のインペラ3は、インペラ3内に鋳造され、ロータ11上に押圧される薄板金属ディスクとして設計されている取り付け部材15を用いて、モータ4のロータ11に取り付けられている。
体積流量測定ホイール2の速度nAneを測定して推定することにより、インペラ速度n
る。
【0043】
と、本実施形態例においては、図1および図2を参照して説明したように、現在の動作状態に従属する変数、例えば、圧力上昇Δpは、これに基づいて測定される。
特に、カバーリング8とハブリング10とそれらの間に延在するインペラブレード9とにより構成されるインペラ3の速度n、したがって、ステータ12とロータ11とにより構成されるモータ4の速度nは、既知である必要がある。
これは、モータ4内で容易に測定可能である。
温度センサまたは湿度センサを用いて、ポンプにより輸送される媒体の現在の密度を測定してよい。
代替的には、密度は、単純に推定されるか、または、モータ4にインタフェースを介して上位システムから供給されてよい。
【0044】
モータ4は、少なくとも1つの現在の状態に従属する変数を上位システムに伝送するためのインタフェースをさらに有すると有利である。
1つまたは複数の状態に従属する変数の時間履歴が、好適な時間分解能で、モータ4に保存されてよく、必要に応じて読み取られるとさらに有利である。
【0045】
完全を期すために、ファン1のすべての構成要素が図3に記載されているわけではないことに留意されたい。
特に、モータ4のステータ11を、例えば、ノズルプレート29に取り付けるモータの取り付け部は、明瞭性の観点から記載されていない。
ファン1は、記載されていない多くの他の構成要素を備えてよい。
【符号の説明】
【0046】
1・・・ファン
2・・・体積流量測定ホイール
3・・・ファンインペラ
4・・・モータ
5・・・入口ノズル
6・・・体積流量測定ホイールのブレード
7・・・体積流量測定ホイールのハブ
8・・・インペラのカバーリング
9・・・インペラのブレード
10・・・インペラのハブリング
11・・・モータのロータ
12・・・モータのステータ
13・・・体積流量測定ホイールのベアリングの軸
15・・・モータ上のインペラの取り付け部材
20・・・ベアリング用の体積流量測定ホイールの取り付け部
26・・・流入側格子
29・・・ノズルプレート
30・・・流入側格子の中央領域
31・・・流入側格子におけるシャフトの受け入れ領域
図1
図2
図3
【国際調査報告】