(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-18
(54)【発明の名称】圧縮ガスのための乾燥機、乾燥機を備えた圧縮機設備、及び圧縮ガスの乾燥方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
B01D53/26 220
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503512
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2020057661
(87)【国際公開番号】W WO2021033099
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ヘレマンス ヘールト
(72)【発明者】
【氏名】クレパン ティボー
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA01
4D052AA02
4D052CB01
4D052DA02
4D052DB01
4D052GA01
4D052GA04
4D052GB00
(57)【要約】
圧縮ガスのための乾燥機は、乾燥ゾーン及び再生ゾーンを含む圧力容器と;再生可能な乾燥剤を備えた回転対称部分の中のドラムと;乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するようにこのドラムを回転させる駆動手段と;乾燥される圧縮空気を乾燥ゾーンに供給するための入口と;乾燥された圧縮ガスを排出するための出口と;乾燥された圧縮ガスの部分流れを分岐させ、この部分流れを再生ゾーンに移送するための第1の接続ラインと、を備える。乾燥ゾーンの出口側は、仕切板を用いて、乾燥された圧縮ガスのために出口が接続される第1の出口ゾーンと、第1の接続ラインが接続される第2の出口ゾーンとに分割されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスのための乾燥機(10;20;30;40)であって、
乾燥ゾーン(12)及び再生ゾーン(13)を含む回転対称部分を有する圧力容器(11)と、
前記回転対称部分に設置された、再生可能な乾燥剤を備えるドラム(14)と、
前記乾燥剤が前記乾燥ゾーン及び前記再生ゾーンを通って連続的に移動するように、前記ドラムを回転対称部分に対して回転させるか又はその逆でもって回転させる駆動手段と、
乾燥される圧縮ガスを供給するための入口(15)と
乾燥された圧縮ガスを排出するための出口(16)と、
前記乾燥される圧縮ガス又は前記乾燥された圧縮ガスの部分流れを取り出し、前記部分流れを前記再生ゾーンに送るための第1の接続ライン(17)と、
を備え、
前記乾燥ゾーンの出口側は、仕切板(18)を用いて、前記乾燥された圧縮ガスのために出口(16)が接続される第1の出口ゾーン(21;31)と、前記第1の接続ライン(17;27)が接続される第2の出口ゾーン(22;32)とに分割されることを特徴とする、乾燥機。
【請求項2】
前記第1の出口ゾーン(31)は、ドラムの回転方向から見て、前記第2の出口ゾーン(32)の前に配置される、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記第1の出口ゾーン(31)は、ドラムの回転方向から見て、前記第2の出口ゾーン(32)の隣に配置される、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記乾燥機は、前記乾燥ゾーンの前記出口ゾーン上に、前記第1の出口ゾーン、前記第2の出口ゾーン、及び/又は前記仕切板を位置決めするための位置決め要素を備える、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記再生ゾーン(13)は、前記ドラムの45°から135°の領域に広がる、請求項1から4のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項6】
前記第1の出口ゾーン(21,31)は、前記ドラムの90°から180°の領域に広がる、請求項1から5のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項7】
前記第2の出口ゾーン(22、32)は、前記ドラムの45°から135°の領域に広がる、請求項1から6のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項8】
前記再生ゾーン(13)及び前記第2の出口ゾーン(22、32)は、ほぼ同じサイズの領域に広がる、請求項1から7のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項9】
前記圧力容器は、前記ドラムを冷却するための冷却ゾーン(19)をさらに備え、それにより、前記ドラムの回転方向から見て、前記冷却ゾーンは、前記再生ゾーン(13)の後ろかつ前記乾燥ゾーン(12)の前に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項10】
前記第1の接続ラインは、再生のために分岐された前記部分流れを加熱するための加熱要素を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項11】
前記第1の接続ライン(27)及び前記加熱要素(29)は、前記圧力容器の中に配置される、請求項10に記載の乾燥機。
【請求項12】
前記加熱要素は、前記乾燥機に供給された前記乾燥される圧縮ガスで再生するために取り出された前記部分流れを加熱するために設けられた熱交換器(29)である、請求項10又は11に記載の乾燥機。
【請求項13】
前記乾燥機に前記乾燥される圧縮ガスを供給するための前記入口(15)は、前記熱交換器(29)の高さに位置し、前記圧力容器の中には、前記乾燥される圧縮ガスを前記熱交換器から前記乾燥ゾーンの前記入口側に供給するための第2の接続ライン(38)が存在する、請求項12に記載の乾燥機。
【請求項14】
前記第2の接続ラインは、再生に使用された前記部分流れと前記乾燥される圧縮ガスの流れを合体するためのベンチュリエジェクタ(58)を備える、請求項13に記載の乾燥機。
【請求項15】
前記ベンチュリエジェクタ(58)は、調整可能な開口を有し、前記乾燥機は、前記調整可能な開口を操作するためのアクチュエータを含む、請求項14に記載の乾燥機。
【請求項16】
前記乾燥機は、前記供給された乾燥される圧縮ガスを冷却するための冷却ユニット(57)を隣に備え、それによって、前記冷却要素は、前記乾燥ゾーンの前記入口側の圧力容器の中に配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項17】
前記乾燥機は、前記乾燥ゾーンに送られる前記乾燥されるガスを第1の冷却剤を用いて冷却するための冷却要素(57)をさらに備え、前記冷却要素(57)は、第1の冷却剤を用いて前記乾燥されるガスを冷却するために設けられた第1の冷却回路と、前記第1の冷却回路の下流に設けられ、前記第1の冷却剤よりも低温の第2の冷却剤を用いて前記乾燥されるガスをさらに冷却するために設けられた第2の冷却回路とを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項18】
前記冷却要素の前記第1及び第2の冷却剤は、同じ冷却剤であり、前記乾燥機は、前記第2の冷却回路の前に、前記第2の冷却剤を冷却するための追加の第2の回路を備える、請求項17に記載の乾燥機。
【請求項19】
前記乾燥機は、前記乾燥ゾーンの前記入口側に設置された、前記乾燥されるガスから液滴を除去するためのデミスターを備え、前記圧力容器は、前記デミスターの位置で前記圧力容器の壁にメンテナンスハッチを備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項20】
前記ドラムを回転対称部分に対して回転させるための動力供給装置は、スタート/ストップスイッチを装備するモータを備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の乾燥機。
【請求項21】
前記スタート/ストップスイッチは、前記モータの最大回転速度と停止との間で切り替えることができるように、前記モータのオン/オフを切り替えるために設けられている、請求項20に記載の乾燥機。
【請求項22】
圧縮機(50)及び請求項1から21のいずれか一項に記載の乾燥機(10;20;30;40)を備える圧縮機設備。
【請求項23】
乾燥ゾーン及び再生ゾーンを取り囲む回転対称部分を含む圧力容器及び前記回転対称部分に設置され、再生可能な乾燥剤を備えたドラムを含む乾燥機を用いて、圧縮ガスを乾燥させる方法であって、
前記乾燥剤が前記乾燥ゾーン及び前記再生ゾーンを通って連続的に移動するように、駆動手段を用いて前記ドラムを回転対称部分に対して回転させるか又はその逆でもって回転させるステップと、
乾燥される圧縮ガスを、前記圧力容器の前記乾燥ゾーンの入口側への入口を介して供給するステップと、
乾燥された圧縮ガスを、前記圧力容器の出口側から排出するステップと、
前記乾燥された圧縮ガスの部分流れを方向転換し、前記部分流れを第1の接続ラインを介して前記再生ゾーンに送るステップと、
を含み、
前記乾燥された圧縮ガスは、第1の出口ゾーンから排出され、再生のための前記部分流れは、第2の出口ゾーンから方向転換され、それにより前記第1及び第2の出口ゾーンは、前記乾燥ゾーンの前記出口側の別々の部分であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガスのための乾燥機、この形式の乾燥機を備えた圧縮機設置、及び空気などの圧縮ガスの乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮ガスのための乾燥機は公知であり、このような乾燥機は、乾燥ゾーン及び再生ゾーン、場合によっては冷却ゾーンを備える圧力容器と、再生可能な乾燥剤を備えた圧力容器内の回転ドラムとを備える。圧力容器は、乾燥される圧縮ガスを乾燥ゾーンに供給するための吸入口及び乾燥ガスを取り出すための排出口を含む。暖かい再生ガスは、乾燥剤を再生するための再生ゾーンに導かれる。また、乾燥機は、乾燥剤が実質的に乾燥ゾーン及び再生ゾーンを移動するようにドラムを回転させるための駆動装置を含む。
【0003】
圧縮によって加熱され、結果的に相対湿度が低い圧縮ガスは、乾燥剤を再生するための再生ガスとして使用することができる。公知の第1の設計では、圧縮ガスの供給流の一部は、再生のために取り出され、その後、接続ラインを介して圧縮ガスの流れに再び加えられる。公知の第2の設計では、圧縮ガスの供給流の一部は、再生のために取り出されて加熱され、その後、接続ラインを介して圧縮ガスの流れに再び追加される。公知の第3の設計では、供給流全体が乾燥され、圧縮ガスは最初に再生ゾーンを通って導かれ、次に乾燥ゾーンを通る。
【0004】
国際公開第2015/039193号のような他の設計も公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、従来技術の1又は2以上の欠点を是正することである。
【0007】
また、発明の目的は、乾燥された圧縮ガスの特性(例えば、圧力露点)、及び/又は、乾燥機の機能(例えば、効率)を改善することができる圧縮ガスのための乾燥機又は乾燥ユニットを作ることである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、よりコンパクトな構造を有する圧縮ガスのための乾燥機又は乾燥ユニットを作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
圧縮ガスは、例えば、空気であるが、他のガスとすることができる。乾燥されたガスは、下流の圧縮空気ネットワークにおいて、空気輸送、空気圧で駆動される工具の駆動などのあらゆる種類の用途に使用することができる。
【0010】
第1の態様によれば、本明細書に記載された他の態様又は設計と組み合わせるか否かにかかわらず、本発明は、乾燥ゾーン及び再生ゾーンを含む回転対称(円筒形など)部分を有する圧力容器と;回転対称部分内の再生可能な乾燥剤を備えるドラムと;乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するように、ドラムを回転対称部分内で回転させる、すなわちドラムを回転させる及び/又は回転対称部分を回転させる駆動手段と;乾燥ゾーンに乾燥される圧縮空気を供給するための入口と;乾燥された圧縮ガスを排出するための出口と;乾燥された圧縮ガスの部分流れを分岐させ、この部分流れを再生ゾーンに移動させるための第1の接続ラインと、を備える、圧縮ガスの乾燥のための乾燥機又は乾燥ユニットを作る。乾燥ゾーンの出口側は、仕切板を用いて、乾燥された圧縮ガスのために出口が接続される第1の出口ゾーンと、第1の接続ラインが接続される第2の出口ゾーンとに分割される。換言すると、第1の出口ゾーン及び第2の出口ゾーンは、乾燥ゾーンの出口側の圧力容器の中の分離された部分又は空間である。
【0011】
本発明者らは、乾燥ゾーンの出口側を第1の出口ゾーン及び第2の出口ゾーンへ分割することを、換言すれば、再生に使用される部分流れと、出口に移動される乾燥された圧縮ガスの流れの分割が、既に乾燥されたガスの全ての流れがドラムから排出される位置にあるようにすることで、出口に移動される乾燥された圧縮ガスの特性を向上させることができること、又は少なくともより正確に決定することができることを見出した。
【0012】
また、本発明者らは、乾燥ゾーンの出口側を第1の出口ゾーン及び第2の出口ゾーンに分割することを、換言すれば、再生に使用される部分流れと、出口に移動される乾燥された圧縮ガスの流れとの分割が、既に乾燥されたガスの全ての流れがドラムから排出される位置にあるようにすることで、乾燥機の機能を向上させることができることを見出した。これは、一方では、供給された圧縮ガスの内在的な熱を最適に利用し、他方では、乾燥剤の極端な乾燥を達成することができ、それによって、乾燥機から出る圧縮ガスの相対湿度を可能な限り低く維持することができる。加えて、本発明は、できるだけ多くの使用条件において、乾燥機の効率をできるだけ最適に保証することができる。
【0013】
上記及び他の効果は、以下に説明するように、第1及び第2の出口ゾーンの領域に関する互いの位置の特定の選択によって達成することができる。例えば、シミュレーションにより、第1及び第2の出口ゾーンの互いの位置、及びそれらの範囲及び/又は相互の比率の事前に決定された選択により、処理ガスの圧力露点を低下させること及び/又はより安定に保つことができることが示されている。
【0014】
本発明による設計では、第1の出口ゾーンは、ドラムの回転方向から見て、第2の出口ゾーンの前に配置することができる。これは、乾燥された圧縮ガスのための出口が、相対的に乾燥されたガスが排出される乾燥ゾーンの部分ゾーンに接続されることを意味する。
【0015】
本発明による設計では、第1の出口ゾーンは、ドラムの回転方向から見て、第2の出口ゾーンの後に配置することができる。これは、再生ゾーンへの部分流れのための第1の接続ラインが、相対的に乾燥されたガスが排出される乾燥ゾーンの部分ゾーンに接続されることを意味する。
【0016】
本発明による乾燥機は、乾燥ゾーンの出口ゾーン上に、第1の出口ゾーン、第2の出口ゾーン、及び/又は仕切板を位置決めするための位置決め要素を備えることができる。このような位置決め要素を用いることで、例えば、圧力容器の中にゾーンを形成する仕切板のための上手く決定された位置及び設定を定めることができる。このようにして、乾燥機の構造が簡素化される。
【0017】
本発明による設計では、再生ゾーン及び/又は第2の出口ゾーンは、ドラムから45°から135°の領域に広がることができる。好ましくは、再生ゾーン及び第2の出口ゾーン(再生のための部分流れ)は、ほぼ同じ領域に広がる。再生ゾーンは、好ましくは、80°から100°の領域に広がる。第1の出口ゾーンは、好ましくは、90°から180°の領域に広がる。
【0018】
発明による設計では、回転対称部分は、ドラムを冷却するための冷却ゾーンを有することもでき、それによって、ドラムの回転方向に見て、冷却ゾーンは、好ましくは、再生ゾーンの後ろかつ乾燥ゾーンの前に配置される。好ましくは、この冷却のために、部分流れは、分岐され、好ましくは乾燥ゾーンに隣接する側から冷却ゾーンに移される。
【0019】
第2の態様によれば、本明細書に記載された他の態様又は設計と組み合わせるか否かにかかわらず、本発明は、乾燥ゾーン及び再生ゾーンを含む回転対称(円筒形など)部分を有する圧力容器と;回転対称部分内の再生可能な乾燥剤を備えるドラムと;乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するように、ドラムを回転対称部分内で回転させる、すなわちドラムを回転させる及び/又は回転対称部分を回転させる駆動手段と;乾燥ゾーンに乾燥される圧縮空気を供給するための入口と;乾燥された圧縮ガスを排出するための出口と;乾燥された圧縮ガスの部分流れを分岐させ、この部分流れを再生ゾーンに移動させるための第1の接続ラインと、を備える、圧縮ガスの乾燥のための乾燥機又は乾燥ユニットを作る。第1の接続ラインは、再生のために分岐した部分流れを加熱するための加熱ユニットを備える。第1の接続ライン及び加熱ユニットは、圧力容器の中に配置されている。第1の接続ライン及び加熱ユニットを圧力容器の中に組み込むことで、よりコンパクトな構造を実現することができる。
【0020】
本発明による設計では、加熱要素は、乾燥機に供給された乾燥される圧縮ガスで再生するために取り出された部分流れを加熱するために設けられた熱交換器とすることができる。
【0021】
本発明による設計では、乾燥される圧縮ガスを乾燥機に供給するための入口は、熱交換器の高さに位置し、圧力容器の中には、乾燥される圧縮ガスを熱交換器から乾燥ゾーンの入口側に供給するための第2の接続ラインが存在する。圧力容器の中に第2の接続ラインを組み込むことで、乾燥機の構造をよりコンパクトにするのにさらに貢献することができる。
【0022】
本発明による設計では、第2の接続ラインは、再生に使用される部分流れと乾燥される圧縮ガスの流れを合体するためのベンチュリエジェクタを備えることができる。ベンチュリエジェクタを圧力容器の中に統合することで、乾燥機の構造をよりコンパクトにすることができる。ベンチュリエジェクタは、調整可能な開口を備えることができ、乾燥機は、調整可能な開口を制御するための駆動装置を含むことができる。
【0023】
本発明による設計では、乾燥機は、供給された乾燥される圧縮ガスを冷却するための冷却ユニットも備えており、それによって、冷却要素は、乾燥ゾーンの入口側の圧力容器の中に配置される。圧力容器の中に冷却装置を組み込むことで、乾燥機の構造をよりコンパクトにするのにさらに貢献することができる。
【0024】
本発明による乾燥機の追加の態様は、請求項17から21に示されるものである。
【0025】
本発明の追加の態様は、圧縮機と、本明細書に記載された態様又は設計のうちの1つによる乾燥機とを備える圧縮機設置を含む。
【0026】
本発明の追加の態様は、本明細書に記載された態様又は設計のうちの1つによる乾燥機を用いて、圧縮ガスを乾燥させる方法を含む。
【0027】
以下、本発明による設計例の図面を用いて、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術による乾燥機を備える圧縮機設備の概略図を示す。
【
図2】本発明による乾燥機を備える圧縮機設備の概略図を示す。
【
図3a】概略的な比較のための従来技術による乾燥機を示す。
【
図3b】概略的な比較のための本発明による乾燥機を示す。
【
図3c】概略的な比較のための本発明による乾燥機を示す。
【
図4】本発明の第2の設計による乾燥機を備える圧縮機設備の概略図を示す。
【
図5】本発明の第3の設計による乾燥機を備える圧縮機設備の概略図を示す。
【
図6】本発明の第4の設計による乾燥機を備える圧縮機設備の概略図を示す。
【
図7】第4の設計による乾燥機の圧力容器の概略的な断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、特定の設計に関して及び特定の図面を参照して説明されることになるが、本発明はこれらに限定されるものではなく結論によってのみ決定される。説明される図面は、単に概略的で限定的である。図面において、特定の要素の寸法は、説明のために誇張されており、縮尺通りに描かれていない。寸法及び相対的な寸法は、本発明の実際の実用設計とは必ずしも一致しない。
【0030】
加えて、説明及び結論では、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されており、必ずしも連続的な又は時系列的な順序を示すものではない。これらの用語は、適切な状況下では交換可能であり、本発明の設計は、本明細書に説明又は図示した以外の順序で適用することができる。
【0031】
加えて、説明及び結論では、上部(top)、底部(bottom)、上方(over)、下方(under)などの用語は、説明のために使用されており、必ずしも相対的な位置を表すものではない。使用される用語は、適合する状況下では交換可能であり、記載される本発明の設計は、本明細書に記載又は図示される以外の方向に適用することができる。
【0032】
さらに、「好ましい設計」と呼ばれる場合でも、様々な設計は、本発明の範囲を限定するものではなく、むしろ本発明をどのように設計することができるかを示す例示の一態様と見なす必要がある。
【0033】
結論で使用される「包含する(encompassing)」という用語は、その後ろに記載されているリソース又はステップに限定されると解釈すべきではない。この用語は、他の要素やステップを除外するものではない。この用語は、参照される列挙された特徴、要素、ステップ又は構成要素の存在について規定していると解釈すべきであるが、1又は2以上の他の特徴、要素、ステップ又は構成要素又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。「リソースA及びBを包含する設計」という表現の範囲は、A及びBのみからなる設計に限定されるものではない。本発明に関しては、発明は、設計の構成要素A及びBのみが要約されており、結論はさらに、これらの構成要素の均等物も含むと解釈する必要がある。
【0034】
図1は、圧縮ガスのための乾燥機1を備える圧縮機設備で構成される公知の設計を示す。乾燥機1は、乾燥ゾーン2及び再生ゾーン3を備えた圧力容器と、再生可能な乾燥剤を備えた圧力容器内の回転可能なドラム4と、乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に導かれるようにドラムを回転させる駆動手段と、圧力容器の乾燥ゾーンの入口側に接続され、乾燥される圧縮ガスの移送のために設けられた入口5と、圧力容器の乾燥ゾーンの出口側に接続され、乾燥された圧縮ガスの排出のために設けられた出口6とを備える。乾燥される入力ガスは、第1の圧縮段51、第2の圧縮段52、及びインタークーラ(IC)53を含むことができる圧縮機50によってもたらされる。供給ラインは、最初に熱交換器(HE)及び冷却要素(アフタークーラAC)に沿って圧縮ガスを移動させる。乾燥機の出口6には、乾燥された圧縮ガスの部分流れ(partial stream)を分岐させるために設けられた接続ライン7がある。この部分流れは、圧縮によって供給流れ(supply stream)に存在する熱を利用して暖めるために熱交換器HEを通って導かれ、次に再生ゾーン3にさらに導かれる。再生後、部分流れは、乾燥される圧縮ガスの供給流れと再び合体される。これは、凝縮分離器(再生クーラRC)及びベンチュリエジェクタ8を備えた冷却要素によって生じる。
【0035】
図2は、本発明によるユニットの第1の設計を示し、圧縮ガスのための乾燥機10を備える圧縮機設備50を含む。乾燥機10は、乾燥ゾーン12及び再生ゾーン13が画定された回転対称部分を含む圧力容器11と、回転対称部分に設置され、再生可能な乾燥剤を備えたドラム14と、乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するように、回転対称部分内でドラムを回転させる、すなわち回転対称部分内でドラム14を回転させるか又は回転対称部分を静止したドラム14の周りで回転させるための駆動手段と、を備える。回転対称部分は、好ましくは円筒形であるが、これは必須ではなく、他の形態の回転対称部分も可能である。また、乾燥機は、圧力容器11の乾燥ゾーンの入口側に接続され、乾燥される圧縮ガスの供給のために設けられた入口15と、圧力容器11の乾燥ゾーンの出口側に接続され、乾燥された圧縮ガスの排出のために設けられた出口16とを含む。乾燥される入力ガスは、第1の圧縮段51、第2の圧縮段52、及びインタークーラ(IC)53を含むことができる圧縮機50によってもたらされる。供給ラインは、最初に熱交換器(HE)54及び冷却要素(アフタークーラAC)55に沿って圧縮ガスを移動させる。乾燥機の出口6には、乾燥された圧縮ガスの部分流れを分岐させるために設けられた接続ライン17がある。この部分流れは、圧縮によって供給流れに存在する熱を利用して暖めるために熱交換器54を通って導かれ、次に再生ゾーン13にさらに導かれる。再生後、部分流れは、乾燥される圧縮ガスの供給流れと再び合体される。これは、凝縮分離器(再生クーラRC)56及びベンチュリエジェクタ58を備えた冷却要素によって、又は、例えばブロワのような圧力差を生じさせて再生のために部分流れを維持する他の手段によって生じる。
【0036】
乾燥ゾーンの出口側は、仕切板18を用いて、乾燥された圧縮ガスのために出口16が接続される第1の出口ゾーン21と、第1の接続ライン17が接続される第2の出口ゾーン22とに分割される。この仕切板18は、圧力容器11の容積内に配置され、乾燥ガスの流れをドラム14から排出される位置(図ではドラムの上面を意味する)で分離するのを可能にする。
図2による設計では、ドラムの回転方向で見て、第1の出口ゾーン21は、第2の出口ゾーン22の後に配置されるが、これは逆とすることもできる。仕切板18は、例えば、半径方向に延び、圧力容器の上部に形成される壁又はリブとして設計すること、又は、設けられた位置決めユニットに取り付けられた可動壁として設計すること、又は、例えば、さらに説明する熱交換器のように、ドラム14の上に配置される別個の要素の一部として設計することができる。
【0037】
図3a-cは、従来技術による乾燥機(
図3a)と、本発明によるいくつかの乾燥機(
図3b-d)との比較を示す。
図3aの公知の乾燥機の場合、再生のための部分流れは、出口ライン6から分岐する。
【0038】
図3bによる設計では、乾燥機は、再生ゾーン13と、再生ゾーン13に回転方向で続く冷却ゾーン19と、第2の出口ゾーン22に回転方向で続き、第1の出口ゾーン21を含む乾燥ゾーンとに分けられる。点線18は、乾燥ゾーンを分ける仕切板を示す。第2の出口ゾーン22に流入した部分流れは、出口6から離間する接続ライン17及び加熱ユニット24(熱交換器54など)を介して再生ゾーン13に進む。接続ライン17及び加熱ユニット24は、本明細書の別の場所で説明したように、圧力容器の容積内に設けることができる。第1の出口ゾーン21に排出されたガスの部分流れは、乾燥機の出口16に移送される。冷却ゾーン19には、乾燥ゾーンの隣接部分からより小さな部分流れが供給される。このことは熟練者に知られており、ここではさらに説明しない。
【0039】
図3bによる設計では、再生ゾーン13及び第2の出口ゾーン22は、約90°の領域範囲を有する。冷却ゾーン19は、より小さな領域に広がり、残りは第1の出口ゾーン21によって形成され、このため第2の出口ゾーンよりも大きな領域に広がる。これらのゾーンの範囲は、本明細書の他の箇所で説明したように、より大きくすること又はより小さくすることができる。
【0040】
図3cよる設計は、
図3bの設計と同等である。1つの相違点は、第1及び第2の出口ゾーンが逆になっている点である。つまり、出口16に接続されている第1の出口ゾーン31は、ドラムの回転方向において、接続ライン27に接続されている第2の出口ゾーン32の前に配置される。
【0041】
図4は、圧縮ガスのための乾燥機20を備えた圧縮機設備50を含む、本発明による設備の第2の設計を示す。乾燥機20は、乾燥ゾーン12及び再生ゾーン13が画定された対称回転部分を含む圧力容器11と、回転対称部分に設置され、再生可能な乾燥剤を備えたドラム15と、乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するように、回転対称部分に関して前述のドラムを回転させる駆動手段とを含む。回転対称部分は、好ましくは円筒形であるが、これは必須ではなく、他の形態の回転対称部分も可能である。また、乾燥機は、圧力容器11の乾燥ゾーンの入口側に接続され、乾燥される圧縮ガスの供給のために設けられた入口15と、乾燥された圧縮ガスの排出のために設けられた圧力容器11の乾燥ゾーンの出口側に接続された出口16とを含む。乾燥される入力ガスは、第1の圧縮段51、第2の圧縮段52、及びインタークーラ(IC)53を含むことができる圧縮機50によってもたらされる。供給ラインは、最初に熱交換器(HE)54及び冷却素子57に沿って圧縮ガスを移動させる。乾燥機の出口6には、乾燥された圧縮ガスの部分流れを分岐させるために設けられた接続ライン17がある。この部分流れは、圧縮によって供給流れに存在する熱を利用して暖めるために熱交換器54を通って導かれ、次に再生ゾーン13にさらに送られる。再生後、部分流れは、乾燥される圧縮ガスの供給流れと再び合体される。これは、ベンチュリエジェクタ58によって、又は、例えばブロワのような圧力差を生じさせて再生のために部分流れを維持する他の手段によって生じる。
【0042】
図4による設計では、乾燥される圧縮ガスの主流れ(main stream)と再生に使用される部分流れの組み合わせは、冷却の前に生じる。従って、冷却は、ベンチュリエジェクタ58と圧力容器11の入口15との間に配置された冷却要素57(プロセスクーラPC)において、両方の流れに対して共通に生じ得る。この冷却要素57は、好ましくは、凝縮分離器を備える。他の設計では、この冷却要素57は、圧力容器に、より正確には、入口15と乾燥ゾーン12の入口側との間の底部に組み込むこともできる。
【0043】
図2と同様に、
図4による設計では、乾燥ゾーンの出口側は、仕切板18を用いて、乾燥された圧縮ガスのために出口16が接続される第1の出口ゾーン21と、第1の接続ライン17が接続される第2の出口ゾーン22とに分割される。
図4による設計では、ドラムの回転方向で見て、第1の出口ゾーン21は、第2の出口ゾーン22の後に配置されるが、
図3で説明したように、これは逆にすることができる。
【0044】
図5は、圧縮ガスのための乾燥機30を備えた圧縮機設備50を含む、本発明による設備の第2の設計を示す。乾燥機30は、乾燥ゾーン12及び再生ゾーン13が画定された回転対称部分を含む圧力容器11と、回転対称部分に設置され、再生可能な乾燥剤を備えたドラム14と、乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するように、回転対称部分に関して前述のドラムを回転させる駆動手段とを含む。回転対称部分は、好ましくは円筒形であるが、これは必須ではなく、他の形態の回転対称部分も可能である。また、乾燥機は、圧力容器11の乾燥ゾーンの入口側に接続され、乾燥される圧縮ガスの供給のために設けられた入口15と、乾燥された圧縮ガスの排出のために設けられた圧力容器11の乾燥ゾーンの出口側に接続された出口16とを含む。乾燥される入力ガスは、第1の圧縮段51、第2の圧縮段52、及びインタークーラ(IC)53を含むことができる圧縮機50によってもたらされる。
【0045】
図5による設計では、圧縮ガスの供給流れは、最初に、圧力容器11の上部に取り付けられた供給ライン28を介して熱交換器29を通って導かれ、次に圧力容器11の入口15にさらに導かれる。熱交換器29は、再生のための部分流れ27を加熱するために設けられており、また、この設計では、再生のための部分流れを出口16に導かれかつ再生ゾーン13に方向転換される乾燥された圧縮ガスの流れから分離する、仕切板18及び第1の接続ライン27を形成する。従って、この設計では、第1の接続ライン27及び熱交換器29は、圧力容器11に組み込まれている。
【0046】
図5による設計では、乾燥ゾーン12の分割は、
図3cに示すようなものであり、より具体的には、出口16に接続された第1の出口ゾーン31は、ドラムの回転方向で接続ライン27に接続された第2の出口ゾーン32の前に配置される。他の設計では、これは逆にすることができる。
【0047】
再生後、部分流れは、乾燥される圧縮ガスの供給流れと再び合体される。これは、ベンチュリエジェクタ58によって、又は、例えばブロワのような圧力差を生じさせて再生のために部分流れを維持する他の手段によって生じる。
図5による設計は、
図4の設計と同等であり、乾燥される圧縮ガスの主流れと再生に使用する部分流れの組み合わせは、冷却の前に生じる。従って、冷却は、ベンチュリエジェクタ58と圧力容器11の入口15との間に配置された、好ましくは、凝縮分離器を備えた冷却要素57(プロセスクーラPC)において、両方の流れに対して共通に生じ得る。他の設計では、この冷却要素57は、圧力容器に、より正確には、入口15と乾燥ゾーン12の入口側との間の底部に組み込むこともできる。この冷却要素57は、通常、産業用設備の他の場所で利用可能な、冷却剤として冷却水が使用される受動的な設備、又は冷却機(chiller)のような能動的な設備、又はそれらの組み合わせとすることができる。
図2に相当する本発明の1つの変形例では、主流れ及び部分流れは、合体される前にそれぞれアフタークーラAC及び再生クーラRCを使用して別々に冷却することができ、それによって再生クーラRCのみが圧力容器に組み込まれる。
【0048】
図6は、圧縮ガスのための乾燥機40を備えた圧縮機設備50を含む、本発明による設備の第4の設計を示す。乾燥機40は、乾燥ゾーン12及び再生ゾーン13が画定された回転対称部分を含む圧力容器11と、回転対称部分に設置され、再生可能な乾燥剤を備えたドラム14と、乾燥剤が乾燥ゾーン及び再生ゾーンを通って連続的に移動するように、回転対称部分に関して前述のドラムを回転させるための駆動手段とを含む。回転対称部分は、好ましくは円筒形であるが、これは必須ではなく、他の形態の回転対称部分も可能である。また、乾燥機は、乾燥される圧縮ガスを供給するための圧力容器11上の入口15と、乾燥された圧縮ガスを排出するために設けられた圧力容器11上の出口16とを含む。乾燥される入力ガスは、第1の圧縮段51、第2の圧縮段52、及びインタークーラ(IC)53を含むことができる圧縮機50によってもたらされる。
【0049】
図6による設計では、圧縮ガスの供給流れは、最初に、圧力容器11の上部に取り付けられた供給ライン28を介して熱交換器29を通って導かれる。熱交換器29は、再生のための部分流れ27を加熱するために設けられており、また、この設計では、再生のための部分流れを、出口16に導かれかつ再生ゾーン13に方向転換される乾燥された圧縮ガスの流れから分離する、仕切板18及び第1の接続ライン27を形成する。従って、この設計では、第1の接続ライン27及び熱交換器29は、圧力容器11に組み込まれている。
【0050】
図6による設計では、乾燥ゾーン12の分割は、
図3cに示すようなものであり、より具体的には、出口16に接続された第1の出口ゾーン31は、ドラムの回転方向で、接続ライン27に接続された第2の出口ゾーン32の前に配置される。他の設計では、これは逆にすることができる。
【0051】
図6による設計では、乾燥される圧縮空気の入口15は、熱交換器29の高さに位置し、圧力容器11内の圧縮ガスの供給流れは、さらに乾燥ゾーンの入口側に導かれる。これは、図に示すように、好ましくは、ドラム14の中央を通る中央ライン又は経路38によって生じる。ベンチュリエジェクタ58は、このライン38に組み込むこともでき、第2の中央ライン又は経路39を介して再生に使用される部分流れを吸引する。他の設計では、乾燥される圧縮ガスの主流れは、ドラムの外壁(outer mantle)に沿ったライン又は経路を介して圧力容器内にさらに導くこともでき、主流れと再生のための部分流れとを合体するためのベンチュリエジェクタは、このライン又は経路に取り付けることができる。ドラムの底部には、
図4及び
図5と同じように、合体された流れ(主流れ及び再生のための部分流れ)を冷却するための共通の冷却要素57(プロセスクーラPC)があり、これは好ましくは圧力容器に組み込まれる。
図2に相当する本発明の1つの変形例では、主流れ及び部分流れは、合体される前にそれぞれアフタークーラAC及び再生クーラRCを使用して別々に冷却することができ、それによって再生クーラRCのみが圧力容器に組み込まれる。その結果、供給流れの冷却及び両方の流れの合体は、圧力容器の外部で生じる。
【0052】
図6による設計のような本発明の設計では、乾燥機40のほぼすべての部品は圧力容器に組み込まれる。より正確には、この部品は、第1の接続ライン27を含む熱交換器29、熱交換器29から乾燥ゾーンの入口側への主流れのための接続部38、ベンチュリエジェクタ58、及び凝縮分離器60を備えた冷却要素57である。このように、圧縮ガスのための1つの入口15及び出口16のみを備えた、非常にコンパクトな乾燥機又は乾燥設備を設計することができる。
図7は、このタイプの一体型乾燥機40の設計を示す。
【0053】
上述した本発明の設計では、供給流れと再生のための部分流れとの間の圧力差を維持するために、調整可能なユニットを設けることができ、少なくとも部分流れの流れを調整することができる。このタイプの調整可能なユニットは、例えば、ベンチュリエジェクタ(58)が調整可能な開口を有し、乾燥機が調整可能な開口の操作のためのアクチュエータを含むように設計することができる。このアクチュエータは、例えば、制御ユニットによって設定される制御信号によって制御することができ、制御ユニットは、例えば、制御信号及び結果的に調整可能な開口の位置を決定するために乾燥プロセスの1又は2以上のプロセスパラメータを評価することができる。
【0054】
上述した設計は、乾燥ゾーンを出る乾燥された圧縮空気の一部が分岐されて再生ゾーン又はその一部のゾーンに方向転換されるすべての設計に適用可能である。また、これは、「フルフロー(full flow)」設計を含み、ここでは、乾燥される圧縮空気の全ての供給流れが、最初に再生ゾーンを通過し、次に乾燥ゾーンを通過し、それによって排出された乾燥ガスの流れの一部が分岐されて追加的な再生のために加熱される。
【0055】
再生のために分岐された部分流れを加熱するための加熱ユニットは、説明された設計と同様に、圧縮後の圧縮ガスに本質的に存在する熱を利用する熱交換器であることが好ましい。代替設計では、例えば、能動的な電気加熱又は別の工業プロセスから熱を吸収する熱交換器などの、前述の熱交換器と場合によっては組み合わせて、他の加熱設備を使用することもできる。
【0056】
上述した設計の要素は、本明細書の保護範囲で組み合わせ得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0057】
10 乾燥機
11 圧力容器
12 乾燥ゾーン
13 再生ゾーン
14 ドラム
15 入口
16 出口
17 第1の接続ライン
18 仕切板
21 第1の出口ゾーン
22 第2の出口ゾーン
【国際調査報告】