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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-18
(54)【発明の名称】材料取り扱いシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20221011BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508888
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 US2020046562
(87)【国際公開番号】W WO2021030779
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】62/886,602
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509196718
【氏名又は名称】オペックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス、 アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリンスキー、 ジョセフ
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE04
3F022EE07
3F022FF01
3F022JJ11
3F022KK14
3F022KK15
3F022MM11
(57)【要約】
材料取り扱いシステムは、アイテムを運搬する運搬車両と、複数の格納場所を有する複数の格納ラックと、を含んでもよい。格納ラックは、1つ以上の通路を形成するように配置されてもよい。運搬車両は、経路に沿って水平に駆動するように構成され、この経路は、通路と平行な格納ラックの下の経路に沿って延伸してもよい。さらに、運搬車両は、格納ラックの1つの下に配置されている間に回転するように作動されてもよい。運搬車両は、格納ラックの下を進み、1つ以上の通路を横切って、通路のうちの1つの特定の垂直列に到達してもよい。運搬車両は、特定の垂直列内で上方に上り、垂直列内の格納場所からアイテムを回収する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納場所にアイテムを運搬し、前記格納場所からアイテムを回収する方法であって、
各格納ラックが複数の垂直列を含み、前記各垂直列が複数の前記格納場所を含む、互いに離間して複数の通路を形成する複数の格納ラックを提供するステップと、
各運搬車両が、前記運搬車両を水平面に沿って駆動させるように作動可能な水平駆動機構と、前記運搬車両を垂直に駆動させるように作動可能な垂直駆動機構と、前記運搬車両と前記格納場所の1つとの間でアイテムを移動させるように作動可能な移載機構と、を含む、複数の前記運搬車両を提供するステップと、
前記運搬車両のうちの1つの第1運搬車両を駆動させて、前記第1運搬車両を前記格納ラックへ駆動させるステップと、
前記格納ラックのうちの1つの第1格納ラックが前記通路のうちの1つの第1通路に隣接し、第1経路が前記第1通路と平行な方向に前記第1通路から離間して延伸する、前記第1格納ラックの下で前記第1経路に沿って前記第1運搬車両を駆動させるステップと、
前記第1運搬車両が前記第1格納ラックの下にある間に、前記第1運搬車両を回転させるステップと、
前記第1運搬車両を前記第1通路内に駆動させるステップと、
前記第1運搬車両を前記通路内で上方に前記格納場所のうちの1つの第1格納場所へ駆動させるステップと、
前記第1運搬車両と前記第1格納場所との間でアイテムを移動させるステップと、
前記第1運搬車両が水平面に位置するまで、前記第1運搬車両を前記通路内で下方に駆動させるステップと、
前記第1運搬車両を前記通路内で下方に駆動させる前記ステップの後で、前記第1通路を横切って前記第1運搬車両を駆動させるステップと、
前記第1通路を横切って前記第1運搬車両を駆動させる前記ステップの後で、前記第1運搬車両を駆動させて前記格納ラックの下から出すステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
複数の垂直柱が、前記第1格納ラックの第1垂直列を形成し、
前記第1運搬車両が、前記第1運搬車両の第1側から前記第1運搬車両の第2側に延びる第1の幅を有し、
前記第1運搬車両が前記垂直駆動機構の外縁間の距離に相当する第2の幅を有するように、前記第2の幅が前記第1の幅より大きいように、前記第1運搬車両の前記垂直駆動機構が、前記第1側及び前記第2側から外側に突出し、
前記第1垂直列の前記複数の垂直柱が、前記第1の幅よりも大きく、前記第2の幅よりも小さい距離だけ離間している請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の垂直軌道区域が、前記第1垂直列の複数の垂直柱に取り付けられ、
前記第1運搬車両を前記第1通路内に駆動させる前記ステップが、前記第1運搬車両の前記垂直駆動機構を前記垂直軌道区域と整列させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1運搬車両を前記第1通路内に駆動させる前記ステップが、前記垂直駆動機構の第1の部分を駆動させて前記垂直軌道区域に通すステップと、前記垂直駆動機構の第2の部分を駆動させて前記垂直軌道区域と動作可能に係合させるステップと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1格納ラックが複数の垂直柱から形成され、前記第1運搬車両が長さと幅を有し、前記長さが前記幅よりも大きく、
前記第1経路に沿って前記第1運搬車両を駆動させる前記ステップが、前記第1運搬車両の長さの半分よりも大きい距離だけ前記垂直柱から離間した経路に沿って前記第1運搬車両を駆動させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1運搬車両を駆動させて前記格納ラックの下から出す前記ステップの後で、前記第1運搬車両を作業所に駆動させて、アイテムをオペレータに渡すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1通路を横切って前記第1運搬車両を駆動させる前記ステップが、前記格納ラックのうちの第2格納ラックの下で前記第1運搬車両を駆動させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1運搬車両を回転させる前記ステップが、前記第1運搬車両を通って延伸する垂直軸を軸として前記第1運搬車両を回転させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記垂直軸が、前記第1経路を通って延伸する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1運搬車両が前記第1経路に沿って進む際に、前記運搬車両のうちの第2運搬車両が前記第1運搬車両を通り過ぎるように、前記第1経路と平行な第2経路に沿って前記第1格納ラックの下で前記第2運搬車両を駆動させるステップを含む、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
格納場所にアイテムを運搬し、前記格納場所からアイテムを回収する材料取り扱いシステムであって、
長手方向に伸び、それぞれが複数の前記格納場所を含む複数の垂直列を有する第1格納ラックと、
長手方向に伸び、それぞれが複数の前記格納場所を含む複数の垂直列を有する第2格納ラックと、を含み、
前記第2格納ラックが、前記第1格納ラックから離間し、前記第1格納ラックと第2格納ラックとの間に通路を提供し、
各運搬車両が長さと幅を有する複数の運搬車両と、をさらに含み、
前記各運搬車両が、前記運搬車両を水平面に沿って駆動させるように作動可能な水平駆動機構と、前記運搬車両を垂直に駆動させるように作動可能な垂直駆動機構と、前記運搬車両と前記格納場所の1つとの間でアイテムを移動させるように作動可能な移載機構と、を備え、
前記通路に配置された軌道を含み、
前記垂直駆動機構が、前記軌道と連携して前記運搬車両を垂直上方に駆動させるように構成され、
前記通路に平行な方向に前記第1格納ラックの下で延伸する第1の水平経路と、
前記通路に平行な方向に前記第1格納ラックの下で延伸する第2の水平経路と、をさらに含み、
前記水平駆動機構が、前記運搬車両を通って延伸する垂直軸を軸として前記運搬車両を回転させることによって、前記第1格納ラックの下で前記運搬車両を回転させるように構成され、
前記第1格納ラックが、複数の垂直柱を含み、前記第1の水平経路と前記第2の水平経路とが、それぞれ、前記運搬車両の長さの半分よりも大きい距離だけ前記垂直柱から離間し、
前記第1格納ラックの下の前記第1の水平経路が、前記運搬車両の幅よりも大きい距離だけ前記第2の水平経路から離間していることを特徴とする、材料取り扱いシステム。
【請求項12】
前記垂直駆動機構が、水平軸の周囲をそれぞれ回転する複数の回転部材を含み、
前記水平駆動機構が、前記垂直駆動部材の回転軸を横断する水平軸の周囲をそれぞれ回転する複数の回転部材を含む、請求項11に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項13】
前記複数の垂直柱が、前記第1格納ラックの第1垂直列を形成し、
前記運搬車両が、前記運搬車両の第1側から前記運搬車両の第2側に延びる第1の幅を有し
前記運搬車両が前記垂直駆動機構の外縁間の距離に相当する第2の幅を有するように、前記第2の幅が前記第1の幅より大きいように、前記運搬車両の前記垂直駆動機構が、前記第1側及び前記第2側から外側に突出し、
前記第1垂直列の前記複数の垂直柱が、前記第1の幅よりも大きく、前記第2の幅よりも小さい距離だけ離間している、請求項12に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項14】
水平軸を軸として前記垂直駆動機構を回転させることが、前記運搬車両を前記軌道に沿って上方に駆動させるために機能するように、前記軌道が、前記垂直駆動機構と連携するように構成された複数の駆動部材を含む、請求項11に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項15】
前記軌道が、上部及び下部を含み、
前記複数の駆動部材が、前記上部よりも前記下部でさらに離間して、前記下部に間隙を提供する、請求項14に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項16】
前記運搬車両が前記下部を通り過ぎて駆動するとき、前記垂直駆動機構が前記下部に接触することなく前記間隙を通るのを容易にするように、前記間隙が構成されている、請求項15に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項17】
格納場所にアイテムを運搬し、前記格納場所からアイテムを回収する方法であって、
水平駆動機構と、運搬車両の前端に隣接した前側の回転部材及び前記運搬車両の後端に隣接した後側の回転部材を含む垂直駆動機構と、を有する前記運搬車両を提供するステップと、
前記前側の回転部材と連携して前記運搬車両を上方に駆動させるように構成された駆動部材を有する第1垂直軌道を第1垂直列の第1側に提供するステップと、
前記後側の回転部材と連携して前記運搬車両を上方に駆動させるように構成された駆動部材を有する第2垂直軌道を第1垂直列の第2側に提供するステップと、を含み、
前記垂直駆動機構が回転して誤整列されたとき、前記垂直軌道が水平軌道に沿った前記運搬車両の変位を妨げるように、前記垂直駆動機構並びに前記第1及び第2垂直軌道が構成され、
前記垂直駆動機構を整列させるステップをさらに含み、前記垂直駆動機構を整列させる前記ステップが、
前記水平経路とほぼ平行な水平軸を軸として前記前側の回転部材を回転させて、前記前側の回転部材を前記第1垂直軌道及び第2垂直軌道内の間隙と整列させるステップと、
前記水平経路とほぼ平行な水平軸を軸として前記後側の回転部材を回転させて、前記後側の回転部材を前記第1垂直軌道及び第2垂直軌道内の間隙と整列させるステップと、を備え、
前記垂直駆動機構を整列させる前記ステップの後で、前記第1垂直軌道に向けて前記水平経路に沿って前記運搬車両を駆動させるステップを含み、
前記運搬車両を駆動させる前記ステップが、前記前側の回転部材が前記第2垂直軌道内の前記間隙を通るように前記運搬車両を駆動させるステップを備え、
前記水平経路に沿って前記運搬車両を駆動させ続けて、前記前側の回転部材を前記第1軌道と動作可能に係合させ、前記後側の回転部材を前記第2軌道と動作可能に係合させるステップと、
前記前側の回転部材及び後側の回転部材を回転させて、第1格納場所に向けて上方に前記運搬車両を駆動させるステップと、
前記第1格納場所から前記運搬車両に第1のアイテムを運ぶステップと、
前記第1のアイテムを載せた前記運搬車両を下方に駆動させるステップと、
前記後側の回転部材が前記第1垂直軌道内の間隙を通るように、前記水平経路に沿って前記第1のアイテムを載せた前記運搬車両を駆動させるステップと、をさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記前側及び後側の回転部材を回転させる前記ステップが、前記前側及び後側の回転部材を同期的に駆動させて、前記運搬車両の方向を水平線に対して維持しながら、前記運搬車両を垂直上方に駆動させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記水平経路に沿って前記第1のアイテムを載せた前記運搬車両を駆動させる前記ステップの後で、前記運搬車両を駆動させて格納ラックの下から出すステップを含む、請求項17又は請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記運搬車両が複数の格納ラックの1つの下にある間に、前記水平経路に対して直角な経路に前記運搬車両を向けるステップを含む、請求項17乃至請求項19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のアイテムを載せた前記運搬車両を作業所に駆動させて、前記第1のアイテムをオペレータに渡すステップを含む、請求項17乃至請求項20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記水平経路に沿って前記運搬車両を駆動させる前記ステップが、前記水平経路に対してほぼ直角な水平軸を軸として、前記複数の水平駆動部材を回転させるステップを含む、請求項17乃至請求項21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
格納場所にアイテムを運搬し、前記格納場所からアイテムを回収する方法であって、
各格納ラックが複数の垂直列を含み、前記各垂直列が複数の前記格納場所を含む、互いに離間して複数の通路を形成する複数の格納ラックを提供するステップと、
各運搬車両が、前記運搬車両を水平面に沿って駆動させるように作動可能な水平駆動機構と、前記運搬車両を垂直に駆動させるように作動可能な垂直駆動機構と、前記運搬車両と前記格納場所の1つとの間でアイテムを移動させるように作動可能な移載機構と、を含む、複数の前記運搬車両を提供するステップと、
前記通路のうちの第1通路において前記垂直列のうちの第1垂直列内に第1運搬車両を駆動させるステップを含む、1つ以上の通路と交差する経路に沿って1つ以上の前記格納ラックの下で前記運搬車両のうちの1つの第1運搬車両を駆動させるステップと、
前記第1運搬車両が前記格納場所のうちの1つの第1格納場所に隣接するまで、前記第1通路内で垂直上方に前記第1運搬車両を駆動させるステップと、
前記第1格納場所から前記第1運搬車両にアイテムを運ぶステップと、
前記第1通路内で垂直下方に前記第1運搬車両を駆動させるステップと、
前記格納ラックの少なくとも1つの下で延伸する経路を通って前記第1運搬車両を駆動させて前記第1通路から追い出すステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項24】
前記経路が、前記格納ラックの1つの下を通り、前記通路の1つに平行に延伸する部分を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1運搬車両が前記格納ラックの1つの下の前記経路の前記部分に沿って駆動する際に、前記1つの格納ラックの下で前記第1運搬車両を通り過ぎて前記運搬車両のうちの1つの第2運搬車両を駆動させるステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1運搬車両が前記格納ラックの1つの下にある間に前記第1運搬車両を回転させるステップを含み、
前記第1運搬車両を回転させる前記ステップが、前記第1運搬車両を回転させて、前記第1運搬車両を、前記第1通路に対して直角な通路と整列させるステップを含む、請求項23乃至請求項25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1運搬車両を回転させる前記ステップが、前記第1運搬車両を通る垂直軸を軸として前記第1運搬車両を回転させるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2019年8月14日に出願された米国仮特許出願第62/886,602号に対して米国特許法119条の下で優先権を主張する。
米国特許出願第62/886,602号の開示全体が、引用により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、倉庫、保管庫、及び/又は流通環境で用いることが可能な自動材料及び物品取り扱いシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
通信販売の倉庫、サプライチェーン流通センター及び特注品の製造施設で用いられるような現代の材料取り扱いシステムは、在庫物品のリクエストに応じる上で重大な課題に直面している。
一般に、企業は、その初期段階において、少なくとも現在のニーズには十分なレベルの自動化に投資するものである。
しかし、在庫管理システムの規模が、より多数かつ多種の物品を収容すべく拡大するにつれ、在庫管理システムが対象としている梱包、格納、補充及びその他の在庫管理タスクを同時に終えるように在庫管理システムを運用する費用と複雑性も大きくなる。
【0004】
在庫管理施設においてスペース、設備及び労働力のような資源を効率的に活用することができないと、処理量が低下し、応答時間が長くなり、及び、未完了のタスクが未処理のまま増大する結果となる。
施設の既存の自動化インフラストラクチャーの能力を徐々に増大することによって、特に、この増大がよく練られた成長計画に従うものである場合は、一時的には、効率の増大がしばしば達成されるかもしれない。
しかし、遅かれ早かれ、収穫逓減点に直面する。
すなわち、能力及び/又は機能性における更なる増大を達成することは、仮にそのような増大が実現可能であるとしても、利用可能な代替案と比べて、法外な費用がかかるものとなる。
収穫逓減点に達すると、施設の運営者は、既存の材料取り扱いインフラストラクチャーを廃して、このインフラストラクチャーを全く新しい自動化プラットフォームで置き換えることを強いられる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、材料取り扱い及び/又は格納及び回収プロセスに関する多数の発明を提供する。
【0006】
一態様によると、本発明は、格納場所にアイテムを運搬し、この格納場所からアイテムを回収する方法を提供する。
前記方法は、互いに離間して複数の通路を形成する複数の格納ラックを提供するステップを含んでもよい。
各格納ラックは、複数の垂直列を含んでもよく、各垂直列は、複数の格納場所を含んでもよい。
前記方法は、各運搬車両が、運搬車両を水平面に沿って駆動させるように作動可能な水平駆動機構を含む、複数の運搬車両を提供するステップを含んでもよい。
そして、運搬車両は、この運搬車両を垂直に駆動させるように作動可能な垂直駆動機構と、運搬車両と格納場所の1つとの間でアイテムを移動させるように作動可能な移載機構とを含んでもよい。
前記方法は、運搬車両のうちの1つの第1運搬車両を駆動させて、この第1運搬車両を格納ラックへ駆動させるステップを含んでもよい。
前記方法は、格納ラックのうちの1つの第1格納ラックが通路のうちの1つの第1通路に隣接し、第1経路が第1通路と平行な方向に第1通路から離間して延伸する、前記第1格納ラックの下で第1経路に沿って第1運搬車両を駆動させるステップを含む。
前記方法は、第1運搬車両が第1格納ラックの下にある間に第1運搬車両を回転させるステップを含んでもよい。
さらに、前記方法は、第1運搬車両を第1通路内に駆動させるステップと、この第1運搬車両を通路内で上方に前記格納場所のうちの1つの第1格納場所へ駆動させるステップと、を含む。
アイテムは、第1運搬車両と第1格納場所との間で移動してもよい。
前記第1運搬車両は、それから、水平面に位置するまで通路内で下方に駆動してもよい。
そして、この第1運搬車両は、それから、第1通路を横切って、それから、第1通路を横切って第1運搬車両を駆動させる前記ステップの後で、格納ラックの下から出てもよい。
【0007】
他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1格納ラックの第1垂直列を形成する複数の垂直柱と、第1運搬車両の第1側から第1運搬車両の第2側に延びる第1の幅を有する第1運搬車両と、を含んでもよい。
そして、この第1運搬車両は、垂直駆動機構の外縁間の距離に相当する第2の幅を有するように、この第2の幅が第1の幅より大きいように、第1側及び第2側から外側に突出する垂直駆動機構を含んでもよく、第1垂直列の前記複数の垂直柱は、第1の幅よりも大きく、第2の幅よりも小さい距離だけ離間している。
【0008】
さらに他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1垂直列の複数の垂直柱に取り付けられた複数の垂直軌道区域を含んでもよく、第1運搬車両の垂直駆動機構を垂直軌道区域と整列させるステップを含んでもよい。
【0009】
他の態様によると、本発明は、第1運搬車両の垂直駆動機構の第1の部分を駆動させて垂直軌道区域に通し、垂直駆動機構の第2の部分を駆動させて垂直軌道区域と動作可能に係合させるステップを含む、アイテムを運搬する方法を提供してもよい。
【0010】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1運搬車両の長さの半分よりも大きい距離だけ前記垂直柱から離間した経路に沿って第1運搬車両を駆動させることによって、第1経路に沿って第1運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
【0011】
さらに他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1運搬車両を駆動させて格納ラックの下から出した後で、この第1運搬車両を作業所に駆動させてアイテムをオペレータに渡すステップを含んでもよい。
【0012】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する方法は、格納ラックのうちの第2格納ラックの下で第1運搬車両を駆動させることによって、第1通路を横切って第1運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
【0013】
他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1運搬車両を通って延伸する垂直軸を軸として第1運搬車両を回転させることによって、第1運搬車両を回転させるステップを含んでもよい。
前記垂直軸は、第1経路を通って延伸してもよい。
【0014】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1運搬車両が第1経路に沿って進む際に、第2運搬車両が第1運搬車両を通り過ぎるように、第1経路と平行な第2経路に沿って第1格納ラックの下で第2運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
【0015】
さらなる態様によると、格納場所にアイテムを運搬し、格納場所からアイテムを回収する材料取り扱いシステムが提供される。
そして、この前記材料取り扱いシステムは、長手方向に伸び、それぞれが複数の格納場所を含む複数の垂直列を有する第1格納ラックと、長手方向に伸び、それぞれが複数の格納場所を含む複数の垂直列を有する第2格納ラックと、を含んでもよい。
この第2格納ラックは、第1格納ラックから離間し、この第1格納ラックと第2格納ラックとの間に通路を提供してもよい。
さらに、前記材料取り扱いシステムは、複数の運搬車両を含んでもよい。
各運搬車両は、長さと幅を有し、各運搬車両は、この運搬車両を水平面に沿って駆動させるように作動可能な水平駆動機構と、運搬車両を垂直に駆動させるように作動可能な垂直駆動機構と、運搬車両と格納場所の1つとの間でアイテムを移動させるように作動可能な移載機構と、を有してもよい。
そして、この材料取り扱いシステムは、通路に配置された軌道を含んでもよい。
さらに、前記垂直駆動機構は、軌道と連携して運搬車両を垂直上方に駆動させるように構成されてもよい。
前記材料取り扱いシステムは、通路に平行な方向に第1格納ラックの下で延伸する第1の水平経路と、通路に平行な方向に第1格納ラックの下で延伸する第2の水平経路を含んでもよい。
前記水平駆動機構は、運搬車両を通って延伸する垂直軸を軸として運搬車両を回転させることによって、第1格納ラックの下で運搬車両を回転させるように構成されてもよい。
さらに、この第1格納ラックは、複数の垂直柱を含み、第1の水平経路と第2の水平経路とが、それぞれ、運搬車両の長さの半分よりも大きい距離だけ垂直柱から離間してもよい。
さらに、この第1格納ラックの下の第1の水平経路は、運搬車両の幅よりも大きい距離だけ第2の水平経路から離間してもよい。
【0016】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する材料取り扱いシステムは、水平軸の周囲をそれぞれ回転する複数の回転部材を有する垂直駆動機構を含んでもよい。
さらに、前記材料取り扱いシステムは、垂直駆動部材の回転軸を横断する水平軸の周囲をそれぞれ回転する複数の回転部材を含む水平駆動機構を含んでもよい。
【0017】
さらに他の態様によると、本発明は、第1格納ラックの第1垂直列を形成する複数の垂直柱と、運搬車両の第1側から運搬車両の第2側に延びる第1の幅を有する運搬車両と、を含む、アイテムを運搬する材料取り扱いシステムを提供してもよい。
そして、前記運搬車両は、垂直駆動機構の外縁間の距離に相当する第2の幅を有するように、第2の幅が第1の幅より大きいように、運搬車両の垂直駆動機構が、第1側及び前記第2側から外側に突出してもよい。
前記第1垂直列の前記複数の垂直柱は、第1の幅よりも大きく、第2の幅よりも小さい距離だけ離間している。
【0018】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する材料取り扱いシステムは、水平軸を軸として垂直駆動機構を回転させることが、運搬車両を軌道に沿って上方に駆動させるために機能するように、垂直駆動機構と連携するように構成された複数の駆動部材を含む軌道を含んでもよい。
そして、この軌道は、上部及び下部を含み、複数の駆動部材は、上部よりも下部でさらに離間して、この下部に間隙を提供する。
【0019】
前記運搬車両が下部を通り過ぎて駆動するとき、垂直駆動機構が下部に接触することなく間隙を通るのを容易にするように、間隙が構成されている。
【0020】
追加的な態様によると、本発明は、格納場所にアイテムを運搬し、この格納場所からアイテムを回収する方法を提供してもよい。
前記方法は、水平駆動機構と、運搬車両の前端に隣接した前側の回転部材及び前記運搬車両の後端に隣接した後側の回転部材を含む垂直駆動機構と、を有する運搬車両を提供するステップと、第1垂直軌道を第1垂直列の第1側に提供するステップと、を含んでもよい。
前記第1垂直軌道は、前側の回転部材と連携して運搬車両を上方に駆動させるように構成された駆動部材を有してもよい。
前記方法は、後側の回転部材と連携して運搬車両を上方に駆動させるように構成された駆動部材を有する第2垂直軌道を第1垂直列の第2側に提供するステップを含んでもよい。
そして、この垂直駆動機構が回転して誤整列されたとき、垂直軌道が水平軌道に沿った運搬車両の変位を妨げるように、垂直駆動機構並びに第1垂直軌道及び第2垂直軌道は構成されてもよい。
さらに、前記方法は、垂直駆動機構を整列させるステップを含んでもよく、この垂直駆動機構を整列させる前記ステップは、水平経路とほぼ平行な水平軸を軸として前側の回転部材を回転させて、前側の回転部材を第1垂直軌道及び第2垂直軌道内の間隙と整列させるステップと、水平経路とほぼ平行な水平軸を軸として後側の回転部材を回転させて、この後側の回転部材を第1垂直軌道及び第2垂直軌道内の間隙と整列させるステップと、を備えてもよい。
前記垂直駆動機構を整列させる前記ステップの後で、前記方法は、第1垂直軌道に向けて前記水平経路に沿って運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
前記運搬車両を駆動させる前記ステップは、前側の回転部材が第2垂直軌道内の間隙を通るように運搬車両を駆動させるステップを備えてもよい。
前記方法は、水平経路に沿って運搬車両を駆動させ続けて、前側の回転部材を第1軌道と動作可能に係合させ、後側の回転部材を第2軌道と動作可能に係合させるステップを含んでもよい。
前記前側の回転部材及び後側の回転部材は、回転されて、第1格納場所に向けて上方に運搬車両を駆動させてもよい。
さらに、第1のアイテムは、第1格納場所から運搬車両に運ばれてもよく、この運搬車両は、第1のアイテムを載せて下方に駆動してもよく、運搬車両は、後側の回転部材が第1垂直軌道内の間隙を通るように、水平経路に沿って第1のアイテムを載せて駆動してもよい。
【0021】
さらに他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、前側の回転部材及び後側の回転部材を同期的に駆動させることによって、前側の回転部材及び後側の回転部材を回転させて、運搬車両の方向を水平線に対して維持しながら、運搬車両を垂直上方に駆動させるステップを含んでもよい。
【0022】
さらに他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、水平経路に沿って前記第1のアイテムを載せた運搬車両を駆動させた後で、運搬車両を駆動させて格納ラックの下から出すステップを含んでもよい。
【0023】
他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、運搬車両が沿って進んでいる水平経路に対して直角な経路に運搬車両を向けるステップを含んでもよい。
前記運搬車両を向ける前記ステップは、運搬車両が複数の格納ラックの1つの下にある間に行われてもよい。
【0024】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する方法は、水平経路に沿って運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
前記水平経路に沿って運搬車両を駆動させる前記ステップは、水平経路に対してほぼ直角な水平軸を軸として、複数の水平駆動部材を回転させるステップを含んでもよい。
【0025】
追加的な態様によると、アイテムを運搬する方法は、複数の格納ラックを提供するステップと、複数の運搬車両を提供するステップと、を含んでもよい。
前記複数の格納ラックは、互いに離間して複数の通路を形成してもよく、各格納ラックは、複数の垂直列を含んでもよく、各垂直列は、複数の格納場所を含んでもよい。
そして、各運搬車両は、運搬車両を水平面に沿って駆動させるように作動可能な水平駆動機構を含んでもよい。
また、各運搬車両は、運搬車両を垂直に駆動させるように作動可能な垂直駆動機構を含んでもよい。
さらに、前述した移載機構は、運搬車両と格納場所の1つとの間でアイテムを移動させるように作動可能であってもよい。
前記方法は、1つ以上の通路と交差する経路に沿って1つ以上の格納ラックの下で前記運搬車両のうちの1つの第1運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
そして、この第1運搬車両を駆動させる前記ステップは、通路のうちの第1通路において垂直列のうちの第1垂直列内に第1運搬車両を駆動させるステップを含んでもよい。
また、第1運搬車両は、格納場所のうちの1つの第1格納場所に隣接するまで、第1通路内で垂直上方に第1運搬車両を駆動してもよい。
アイテムは、第1格納場所から第1運搬車両に運ばれてもよい。
そして、この第1運搬車両は、それから、第1通路内で垂直下方に駆動して、それから、格納ラックの少なくとも1つの下で延伸する経路を通って駆動して第1通路から追い出されてもよい。
【0026】
さらに他の態様によると、アイテムを運搬する方法は、格納ラックの1つの下を通り、前記通路の1つに平行に延伸する部分を含む、経路を含んでもよい。
第2運搬車両は、第1運搬車両が格納ラックの1つの下の経路の前記部分に沿って駆動する際に、前記1つの格納ラックの下で第1運搬車両を通り過ぎてもよい。
【0027】
さらなる態様によると、アイテムを運搬する方法は、第1運搬車両が格納ラックの1つの下にある間に第1運搬車両を回転させるステップを含んでもよい。
そして、この第1運搬車両を回転させる前記ステップは、第1運搬車両を回転させて、第1運搬車両を、第1通路に対して直角な通路と整列させるステップを含んでもよい。
この第1運搬車両を回転させる前記ステップは、第1運搬車両を通る垂直軸を軸として第1運搬車両を回転させるステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明が詳細に理解されるように、以上のとおり簡潔に要約された本発明のより詳細な説明は、図面で示す実施形態を参照することができる。
ただし、添付の図面は、この発明の代表的な実施形態を示すものに過ぎず、本発明は、他の実施形態を認めてもよいので、この発明は、その範囲を限定されない。
【0029】
図1は、材料取り扱いシステムの斜視図である。
【0030】
図2は、図1で示す材料取り扱いシステムの自動搬送車両の斜視図である。
【0031】
図3は、図2で示す自動搬送車両の背面図である。
【0032】
図4は、図2で示す自動搬送車両の側面図である。
【0033】
図5は、図2で示す自動搬送車両の平面図である。
【0034】
図6は、図1で示す材料取り扱いシステムのラック部分の拡大部分透視図である。
【0035】
図7は、図1で示す材料取り扱いシステムのラックシステムの通路の正面図である。
【0036】
図8は、図7で示す通路の側面図である。
【0037】
図9は、図7で示す通路の平面図である。
【0038】
図10は、図9で示す通路の拡大部分側面図である。
【0039】
図11は、1つ以上の実施形態による、複数の自動搬送車両のサブシステムを示すブロック図である。
【0040】
図12は、図1で示す材料取り扱いシステムの制御装置の略ブロック図である。
【0041】
図面を例示することで、材料取り扱いシステム及び方法を本明細書で説明する。
しかし、機能付属モジュールを用いて在庫管理タスクの各サブセットを実行するための材料取り扱いシステム及び方法は、実施形態や図面に限定されない。
図面及びその詳細な説明は、特定の実施形態を限定することを意図していない。
むしろ、特許請求の範囲によって定義される、対応する機能付属モジュールを用いて在庫管理タスクの各サブセットを実行するための材料取り扱いシステム及び方法の範囲内にあるすべての修正、同等及び代替態様を網羅する。
本明細書で使用する見出しは、文章構成のためであり、特許請求の範囲を限定することを意図していない。
本明細書で使用される「してもよい」という単語は、強制的な意味(すなわち、必須を意味するもの)ではなく、許容的な意味(すなわち、潜在的可能性を有することを意味するもの)で使用される。
同様に、「含む」という単語は、構成要素を含むことを意味し、構成要素を限定することを意味していない。
【発明を実施するための形態】
【0042】
在庫管理システムにおいて在庫管理タスクを実行するための方法と装置のさまざまな実施形態が記載される。
以下の詳細な説明では、クレームされた主題の十分な理解を与えるため、多数の具体的詳細が記載される。
しかし、クレームされた主題は、これらの具体的詳細なしに実行してもよい。
他の例では、当業者に知られる方法、装置又はシステムは、クレームされた主題を分かりにくくしないように、詳細に記載されていない。
【0043】
後述する詳細な説明の一部は、特定装置、専用計算装置又は専用計算プラットフォームの、メモリに格納されている2値デジタル信号に対する演算のアルゴリズム又は記号的な表象の観点で提示されている。
この明細書において、特定装置などの用語には、プログラムソフトウェアからの指令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされている、汎用コンピュータが含まれる。
アルゴリズム的記述又は記号的な表象は、信号処理又は関連技術の当業者によって、他の当業者にその仕事の内容を伝えるために用いられる技術の例示である。
ここで、アルゴリズムは、所望の結果につながる自己無撞着の一連の演算又は同様の信号処理であり、一般にそのようにみなされている。
この文脈では、演算又は処理には、物理量の物理的処理が含まれる。
必ずではないが、通常、このような物理量は、格納、転送、組み合わせ、比較、又はその他の処理が可能な、電気信号又は磁気信号の形態をとることができる。
主に、一般的に使用されているという理由で、これらの信号を、ビット、データ、値、部材、記号、文字、用語、数、数字などとする。
しかし、これらの用語や同様の用語は全て、適切な物理量に関係し、単なる都合のよいラベルに過ぎない。
【0044】
特に明記されていない限り、「処理」、「計算」、「判断」などの用語を使用する本明細書の議論では、専用計算機又は同様の専用電子計算装置などの特定の装置の、アクション又はプロセスを指す。
したがって、本明細書の文脈において、専用コンピュータ又は同様の専用電子計算装置は、メモリ、レジスタ、又は他の情報記憶装置、伝送装置、専用計算機又は同様の専用電子計算装置の表示装置内の、物理的な電子量又は磁気量として通常表現される信号を処理又は変換可能である。
【0045】
次に、本発明について詳細に言及し、図面に示す。
可能な限り、同じ参照符号が、同一または同様の部品を参照するために、図面全体にわたって使用される。
【0046】
ここで、図1を参照すると、アイテムを格納し回収するための設備である材料取り扱いシステムは、10で示されている。
材料取り扱いシステム10は、格納ラック800又はフローラック600に配置された格納エリアのような、複数の格納場所の1つにアイテムを運搬し、及び/又は、複数の格納場所の1つからアイテムを回収するための1つ以上の運搬機構を含む。
そして、この運搬機構は、アイテムを運ぶ1つ以上の車両100を含んでもよい。
たとえば、この車両100は、格納ラック800内の格納場所820からアイテムを回収し、また、オペレータが車両100からアイテムを回収することができる作業所500にアイテムを運搬してもよい。
そして、この車両100は、格納ラック800内の格納エリアに戻って、オペレータによって回収されなかった残りのアイテムを格納してもよい。
また、車両100は、それから、別の格納エリアまで進み、回収される次のアイテムを取得することができる。
このように、材料取り扱いシステム10は、アイテムをオペレータに渡すことができるように、さまざま格納エリアにアイテムを格納し、さまざま格納エリアからアイテムを回収するための機構を有してもよい。
軌道などの案内は、車両100が垂直に格納ラック800を上ってこの格納ラック800からアイテムを回収することができるように、格納ラック800に隣接して配置されてもよい。
そして、この材料取り扱いシステム10は、車両100によって運ばれるように構成された可動ラック700を含んでもよい。
この車両100は、可動ラック700を格納ラック800に隣接した位置に運んでもよい。
さらに、この車両100は、それから、可動ラック700を垂直に上って、車両100と格納ラック800内の格納場所820との間でアイテムを運んでもよい。
【0047】
この材料取り扱いシステム10全体のさまざまなアイテム及びサブアセンブリは、単独で、又は、図面に示され、以下に記載されている材料取り扱いシステム10とは異なる構造又は動作を有する材料取り扱いシステムと組み合わせて、使用することができる。
【0048】
図1および図7で示すように、材料取り扱いシステム10は、1つ以上の格納ラック800を組み込んでもよい。
各格納ラック800は、複数の格納場所820を含んでもよい。
格納場所820は、1つ以上の垂直列810に配列されてもよい。
たとえば、図1は、複数の格納ラック800を示し、また、各格納ラック800は、複数の垂直列810を含んでもよく、各垂直列810は、複数の格納場所820を含む。
また、この材料取り扱いシステム10によって取り扱われるアイテムは、格納場所820に直接格納されてもよい。
アイテムは、容器又はトート55に格納されてもよく、格納場所820は、図1及び図6図9で示すように、トート55を格納するように構成されてもよい。
したがって、以下の説明では、特に明記しない限り、トートと言及するとき、このトートとの用語は、単に必ずしもコンテナに収容されないアイテムであることはもちろんのこと、1つ以上のアイテムを収容するためのコンテナを含むほど、広い。
そして、この材料取り扱いシステム10は、トート55を用いるものとして記載されているが、パレット又は同様のプラットフォームのような多種の格納機構のいずれかを用いることができる。
<車両>
【0049】
図2は、図1で示す車両100の1つの詳細を示している。
上述のように、材料取り扱いシステム10が車両100を組み込む場合、車両100の構造は変わる可能性がある。
したがって、後述される車両100の特徴のそれぞれは、用途に応じて変更され、除去される可能性がある、選択的な特徴である。
【0050】
そして、車両100は、この車両100を駆動するための車載用電源を含む、自律システムであってもよい。
また、車両100は、中央制御装置450のような、各車両100と制御部材との間で制御信号を無線で受信し送信するための通信システムを含んでもよい。
このように、車両100は、アイテムを回収する位置、及び、車両100がアイテムを運搬する位置に関する制御信号を受信してもよい。
【0051】
図2で示す車両100は、この車両100を水平方向に駆動するための水平駆動アセンブリ120を含んでもよい。
そして、この水平駆動アセンブリ120は、軌道に沿って、又は、床面のような開放水平面に沿って車両100を駆動させるように構成されてもよい。
たとえば、水平駆動アセンブリ120のための一選択肢は、車輪又はローラのような複数の回転部材を含む。
そして、この回転部材の向きを変えるために、1つ以上の駆動機構が提供されてもよい。
さらに、回転部材は、左右に向きを変えて、車両100を操舵してもよい。
【0052】
図3図5で示すように、車両100は、車軸の周囲など、第1軸の周囲を回転可能な複数のローラ122、123、124から形成された水平駆動アセンブリ120を有してもよい。
さらに、各ローラ122、123、124は、単軸の周囲の回転に制限されてもよい。
たとえば、図3図5で示す実施形態では、水平駆動アセンブリ120は、一対の中央ローラ124並びに第1組の及び第2組の外側ローラ122、123を含む。
第1組の外側ローラ122は、中央ローラ124の前方に配置され、さらに、第2組の外側ローラ123は、中央ローラ124の後方に配置される。
図3で示すように、外側ローラ122、123の各組が、車両100の片側に第1の外側ローラ122aを、この車両100の反対の側に第2の外側ローラ122bを含むように、外側ローラ122、123は、水平軸の長さに沿って離間した外側ローラを含んでもよい。
さらに、図3で示すように、外側ローラ122、123の各組は、車両100の各側に一対のローラ122bを含んでもよい。
【0053】
上述のように、車両100は、この車両100の進行方向を制御する多種の操舵機構のいずれかを有してもよい。
たとえば、任意の操舵機構は、実質的に前進することなく車両100の方向を変えることができるゼロ旋回機構である。
そして、このゼロ旋回機構は、車両100を貫通して延びる垂直軸の周りで車両100を回転させるための手段を提供する。
【0054】
このゼロ旋回機構は、車両100の片側の車輪又はローラを、この車両100の反対側の車輪又はローラと異なる速度で回転できるようにするリンク機構を含む。
そして、このリンク機構は、車両100の片側の車輪又はローラを、この車両100の反対側の車輪又はローラと異なる方向に回転できるようにする。
このように、車両100の片側の車輪又はローラの速度及び/又は回転方向を、この車両100の反対側の車輪又はローラの速度及び/又は回転方向に対して変化させることによって、ゼロ旋回機構は、進行方向を変えて、車両100を操舵する。
【0055】
そして、材料取り扱いシステム10は、車両100が進む際に、車両100を案内する又は整列させる1つ以上の案内880を含んでもよい。
たとえば、図9を参照すると、この案内880は、ルート又は溝を含んでもよく、また、車両100は、案内880と連携して、車両100の移動を制御する、対応する案内部材を含んでもよい。
案内部材の一例は、フォロワ126である。
そして、このフォロワ126は、案内880と係合する又は連携するように構成されたいかなる部材であってもよい。
車両100は、垂直軸の周囲を回転する軸受のような回転部材を含む、中央フォロワ126を含む。
この中央フォロワ126は、案内880内のルートに係合して、車両100の水平移動を抑制する。
【0056】
さらに、車両100は、1つ以上の側面案内部材127を含んでもよい。
そして、この側面案内部材127は、案内880の外面と連携して、車両100の移動を抑制してもよい。
たとえば、案内880は、車両100の回転を案内するための周面を有する円形ガイドを含んでもよい。
また、車両100は、案内880の周面の直径に等しい距離だけ互いに離間した一対の側面案内部材127を有してもよい。
このように、側面案内部材127は、案内880の周面に係合し、車両100が回転移動するのを抑制する。
【0057】
前述した水平駆動アセンブリの水平駆動機構120に加えて、車両100は、格納ラック800内で車両100を垂直に駆動させるための垂直駆動機構140を含んでもよい。
特に、上述のように、材料取り扱いシステム10は、格納ラック800に隣接して配置された軌道840のような垂直案内機構を含んでもよい。
この垂直駆動機構140は、垂直案内機構840と連携して、車両100を垂直に駆動させてもよい。
【0058】
図2図3は、複数の回転可能な垂直駆動ギア145を含む垂直駆動機構140を示すが、この垂直駆動機構140は、車両100を垂直に駆動させるための複数の駆動機構のいずれかを含んでもよい。
図3を参照すると、垂直駆動機構140は、水平駆動機構120の水平回転軸を横切る水平軸の周囲を回転する垂直駆動ギア145を含んでもよい。
特に、図3で示すように、車両100は、垂直駆動ギア145bのうちの1つの第1の垂直駆動ギアの歯が車両100の第1の側から外側に突出し、垂直駆動ギア145dのうちの1つの第2の垂直駆動ギアの歯が車両100の第2の側から外側に突出するように、互いに離間した一対の垂直駆動ギア145を含む。
これらの第1垂直駆動ギア145b及び第2の垂直駆動ギア145dは、同期されて駆動する。
さらに、図2で示すように、車両100は、車両100の長さ方向に沿って互いに離間した二対の垂直駆動部材を含んでもよい。
特に、車両100は、車両100の第1端に一対の垂直駆動部材145a、垂直駆動部材145cの第1の対を含み、また、車両100の第2端に一対の垂直駆動部材145b、垂直駆動部材145dの第2の対を含む。
【0059】
図1及び図6図7を参照すると、第1格納ラック上の軌道840aが、第1組の垂直駆動部材145aと第2組の垂直駆動部材145bとの間の間隔に相当する距離だけ、第2格納ラック上の軌道840bから離間するように、格納ラック800は構成されてもよい。
このように、第1の垂直駆動部材145aは、第1軌道840aと連携して、車両100を第1軌道840aの上方へ駆動させ、さらに、第2の垂直駆動部材145bは、第2軌道840bと連携して、車両100を第2軌道840bの上方へ駆動させる。
2つの垂直駆動部材145a、垂直駆動部材145bは、車両100が水平移動から垂直移動に変化する際に水平方向を維持するように、同期的に駆動する。
【0060】
その開示全体が米国仮特許出願第62/886,602号に記載されているように、、車両100が水平移動から垂直移動に移行する際に垂直駆動機構140がほぼ一定に保たれた幅を有するように、垂直駆動機構140は構成されてもよい。
このように、垂直駆動機構140は、水平駆動から垂直駆動に移行するために、自在に伸縮して外側に延伸する必要はない。
たとえば、図2図3を参照すると、前側の上昇用垂直駆動ギア145b及び上昇用垂直駆動ギア145dは、それぞれ、水平回転軸を有し、また、車両100が水平に移動している間、及び、車両100が上昇している間、垂直駆動ギア145bの水平回転軸間の間隔は、垂直駆動ギア145dの水平回転軸に対して固定される。
【0061】
そして、前記車両100は、この車両100と、格納場所820のなどの行き先との間でアイテムを移動する選択的な移載機構を含んでもよい。
【0062】
たとえば、移載機構150は、車両100のプラットフォーム面と、複数の行き先エリア820の1つとの間で、アイテムを移動するように動作可能であってもよい。
図2で示すように、前記プラットフォーム面は、複数のローラの外表面によって定義される。
【0063】
そして、この移載機構150は、アイテムを車両100に積み、この車両100からアイテムを格納エリア820の1つに降ろす多種の機構のいずれかであってもよい。
さらに、前記移載機構150は、特定の用途に特に合わせられてもよい。
この移載機構150は、格納場所820に格納されたアイテムと係合し、このアイテムを車両100に乗せるように構成された1つ以上の変位可能な部材を含む。
より具体的には、車両100は、格納場所820でトート55に向かって移動し、着脱自在にトート55と係合するように構成された1つ以上の変位可能な部材を含む。
そして、この変位可能な部材がトート55に係合した後、各変位可能な部材は格納場所820から離れて変位し、それによってトート55を車両100に乗せる。
【0064】
そして、移載機構150の変位可能な部材は、バー、ロッド又はたとえばトート55のなどの、アイテムと係合するように構成された他の部材のような、多種のアイテムのいずれかであってもよい。
たとえば、図2図3を参照すると、移載機構150は、1つ以上の変位可能なピン152を含んでもよい。
さらに、移載機構150は、ピン152を変位させる駆動部材を含んでもよい。
たとえば、移載機構150は、駆動ベルト又は図示された駆動チェーン154のような無端搬送体の形態の2つの駆動部材を含む。
そして、前記各ピン152は、車両100の長手方向の中心線に向かって突出し又は内側に延伸する。
移載機構150は、望ましくは、トート55の1つと連携して、着脱可能にトート55と係合するように構成される。
たとえば、ピン152は、移載機構150がトート55と係合できるように、トート55上の窪みと接続するように構成される。
しかし、移載機構150は、移動して車両100に積まれ、この車両100から降ろされるアイテムと係合するための多種の部材のいずれかを含んでもよいことが認識されるべきである。
【0065】
前記車両100は、移載機構150を駆動するための1つ以上の駆動部材を含む。
この車両100は、移載機構150を駆動する1つ以上のモータを含む。
たとえば、車両駆動システムの1つ以上のモータは、駆動チェーン154を駆動させて、格納場所820に向けて又は格納場所820から駆動チェーン154及びピン152を移動してもよい。
【0066】
そして、車両100が格納場所820に近づいてトート55を回収する際に、ピン152がトート55の底面の溝又は切り欠きの下にあるように、駆動チェーン154は、格納場所820に向かって変位可能なピン152を駆動してもよい。
このピン152が溝又は切り欠きに配置されるまで、車両100は、上方に短い距離を進む。
駆動チェーン154は、それから、ピン152が格納場所820から離れるまで、反転する。
そして、このピン152が格納場所820から離れる際に、ピン152は、切り欠き内でトート55と係合するので、トート55を車両100の表面に乗せる。
このように、移載機構150は、格納場所820からアイテムを回収するように作動可能である。
同様に、格納場所820のような格納場所にアイテムを格納するために、移載機構150の駆動チェーン154は、アイテムが格納場所820に位置するまで、格納場所820に向かってピン152を駆動させる。
車両100は、それから、下方に移動して、トート55からピン152を外し、それによってトート55を解放する。
【0067】
図7に見られるように、トート55のような2つ以上のトートは、それぞれ、組み合わせコネクタを用いて、連結され、互いに分離されてもよい。
そして、トート55は、車両100の動きによって実行される一連の持ち上げ動作及び分離動作を通じて、連結され、互いに分離されてもよい。
移載機構150は、前向きの(“先頭の”)トート55を、車両100によって完全に支持されるように、車両100の表面に乗せるように作動してもよい。
もし、トート55が着脱可能に接続されていると、この乗せる動作は、背向するトート55(すなわち、先頭のトート55のすぐ後についているもの)を、通路に面する場所に進ませる。
車両100の垂直駆動機構140は、それから、車両100が先頭のトート55を背向するトート55から分離するのに十分な垂直距離を進むように作動する。
分離が完了すると、駆動システムが再び作動し、先頭のトート55を車両100の中心に置く。
【0068】
また、前記車両100は、移載機構150を駆動させるための別個の駆動部材を含んでもよい。
あるいは、移載機構150は、車両100の水平部材又は駆動部材の1つと相互に接続されてもよい。
具体的には、駆動システムが、車両100の駆動と、移載機構150の駆動との間で、動作可能であるように、移載機構150は、駆動システムの1つと接続されてもよい。
【0069】
たとえば、移載機構150は、第1の配向において駆動システムが車両100を水平に駆動させ、また、第2の配向において駆動システムが移載機構150を駆動させるような選択可能な接続を有する水平駆動機構の1つと接続されてもよい。
任意のクラッチ機構は、係合され及び解除されて、それぞれ、水平駆動機構のモータから移載機構150まで、動力の伝達を開始し及び終了することが可能であり、それによって、第2の駆動システムが、移載機構150から独立して作動してもよい。
この例では、クラッチ機構は、車両100の長手方向の中心線に対して対称的に配置された2つのクラッチ組立部品として構成されてもよい。
【0070】
車両100は、半自律的又は代替的に完全に自律的であってもよい。
後者の点については、絶対座標で自動搬送車両100の実際の位置を連続的に決定し、及び、航行パラメータ(たとえば、X、Y及び進行方向)を初期化して累積誤差を空値にし、それによって車両を再参照する目的で、多数の非接触システムが提案されている。
これらのいずれかが、本開示の実施形態と一致する在庫管理システムにおける自動搬送車両100のための位置参照の実施に利用されてもよい。
このような参照システムは、事実上、超音波、無線周波数(RF)又は光学的なものとなり得、超音波及び光学は屋内の状況に特に適している。
これら後者2つのカテゴリーでは、光学システムは、概して、より正確であり、商業的な実務において、より広く採用されている。
【0071】
位置検出システムは、予め定められ実測された現場に配置された固定ロケーションと連携して作動するスキャン機構を利用する。
このようなスキャン機構は、固定能動ビーコンエミッタ付きのスキャン検出器、受動再帰反射性目標付きの走査エミッタ/検出器、能動トランスポンダ目標付きの走査エミッタ/検出器、及び、固定検出器目標付きの回転エミッタを含んでもよい。
【0072】
そして、車両100は、走査型レーザ三角測量スキーム(SLTS)により、この車両100の車載型自立航法システムに位置の更新情報を提供してもよい。
たとえば、1分間あたり2回転で回転するレーザエミッタは、車両100からおよそ15メートル離れた既知の位置にある壁又は支柱に貼り付けられた受動再帰反射性バーコード目標を照らす。
このバーコードは、参照目標を積極的に特定し、動作領域内で他の反射面からの誤った戻りによる曖昧さを取り除くのに用いられる。
各車両100の車載型コンピュータは、単純な三角測量によってX-Y位置の更新情報を算出し、累積誤差を空値にする。
【0073】
あるいは、各車両100は、範囲及び角度方向の両方を各車両100が決定することができる態様で、動作領域中に分配された再帰反射性目標を利用してもよい。
たとえば、車両100上のサーボ機構で制御される回転鏡は、たとえば、20Hzの更新レートで、90度の水平弧によって近赤外線のレーザ光線を全面的に動かしてもよい。
レーザ光線が既知の寸法の目標をさっと走査すると、有限の持続時間の帰還信号が検出器によって感知される。
再帰反射性目標がすべて同じ大きさである場合は、近い目標によって生成された信号は、遠くの目標からのものよりも長い持続時間となる。
スキャナが、右から、反射信号の検出がタイミングシーケンスを終わらせる左へと、首を振り始めると、角度測定が開始される。
【0074】
車両100に採用される可能性のある、さらに別の位置参照技術としては、レーザを利用した走査ビーコンシステムが、反射板付きの協調電子トランスポンダを用いて車両位置と進行方向を算出することがある。
このようなスキャン機構は、インクリメンタル方式光学エンコーダの垂直軸に対して、たとえば、45度の角度で取り付けられた回転鏡を含む。
方位角の正確性を改善するために、、タイマーが、エンコーダによるカウントの間を補間する。
扇形のレーザ光線は、でこぼこした床面を横切りながら遠距離の目標検出を確かにするため、4度の広がり角で垂直に発散する。
各目標は、一意的に符号化され、多くの(たとえば、32個の)目標は、車両100のX-Y位置が100ミリ秒ごとに算出されて、単一走査で処理されることができる。
【0075】
また、各車両100は、施設内の自身の位置の内蔵マップをメモリに保持してもよい。
さらに、各車両100は、走行平面上の位置、速度、角度方向のようなデータを含む信号を中央制御装置450に提供し、走行データの選択された経路を施設内の他の車両に提供する。
車両100は、他の車両100に関するそのようなデータを受信することができるように、受信機を含んでもよい。
車両100は、他の車両100に関するそのようなデータを、他の車両100から直接、又は、中央制御装置450から、いずれかから受信してもよい。
車両データを用いて、各車両100は、当該車両100が割り当てられた在庫管理施設内の特定区域におけるすべての車両100の位置を反映する、動的に更新された地図を保持する。
動的に更新された位置データが各車両100でローカルに入手可能となるとき、タスクは、中央制御装置450によって車両100に割り当てられ、割り当てられたタスクの部材が実行される位置に到達するために車両100が通る経路区域が車両100によって選択されることを含んでもよい。
【0076】
各車両100は、メモリに格納された航行プロセスの複数のステップを実行するように構成されたプロセッサを含んでもよく、複数のステップは、車両100の現在の位置から、割り当てられたタスクの次のサブタスクが実行される行き先への最短経路を、車両100に進ませる。
中央制御装置450は、(バックアップ制御方式が望まれない限り)交通管制及び衝突回避機能を実行するように構成される必要はないが、この中央制御装置450は、各車両100に割り当てられる次のタスクを特定し、それらのタスクが実行される施設内のさまざまな場所を指定する命令を表す信号を送信するように構成されてもよい。
一方、車両100は、タスク割り当て承認、位置更新、状況更新(たとえば、完了又は実行中のサブタスク、現在の電力状態など)、及び、車両100が割り当てを待つタスクを実行する相対能力を評価するのに中央制御装置450が必要とする他の情報を表す信号を中央制御装置450に送信するように構成されてもよい。
【0077】
完全に自律的な方式では、各車両100は、在庫管理施設の1つ以上の区域において下層支持面に取り付けられたしるしを感知して、移動の速度と方向を決定し、その位置データを施設内の他の車両100と交換し、さらに動的に更新された局所地図を保持して、他の位置検出手法を用いた上述したのと同様の態様で、分散型交通管制の一形態を実現するローカルプロセッサを利用してもよい。
【0078】
自動搬送車両(AGV)とも呼ばれる車両100の半自律的な構成では、制御装置450のような中央制御装置が、たとえば、車両100同士の衝突、及び/又は、車両100の一部が割り当てられた施設の1つ以上の区域に存在する可能性のある車両100の移動に対するあらゆる潜在的な障害との衝突を防ぐために必要とされる交通管制機能を提供する。
そのような中央制御装置450は、車両100から伝達される更新信号の形で、現在の位置と方位のデータを受信する。
受信した位置と方位のデータは、中央制御装置450によって車両100に伝達された以前の速度と進行方向の命令から中央制御装置450が導き出した推定と比較される。
この比較に基づいて、中央制御装置450は、衝突を防ぐために必要とされる1台以上の車両100の1つ以上の速度と方向に対する補正を決定し、もしそうであれば、これらの命令を車両100に伝達する。
【0079】
1つ以上の半自律的な実施形態では、各車両100は、車両100が走行する下層支持面に取り付けられた、及び/又は、格納エリア820(図1参照)の配列に合わせられたアクセス列に位置するしるしを読み取る読み取り機を含んでもよい。
第1グループのしるしの各しるしは、格子位置を形成する固有の位置に対応する。
これらの位置は、車両100のプロセッサ、中央制御装置450のプロセッサ又は両者のプロセッサにアクセス可能なメモリ内のデータ表に記憶されてもよい。
これらのしるしの特定の配列と交差するように設計された通路を進むことによって、各車両100は、車両100の半自律的な誘導が中央制御装置450によって車両100に伝達された命令によって実現するとすぐに、しるしを通過して、しるしを確認する際に、しるしの識別子を中央制御装置450に伝達してもよい。
この情報及び各車両100によって伝えられる他のデータから、中央制御装置450は、各車両100の移動の速度、方向及び経路を確認することができる。
この中央制御装置450は、速度と方向のデータを利用して、衝突回避の方策を実施し、各車両100の位置及びパワーリザーブ状態に応じて在庫管理タスクを割り当て、及び、安全のために、エリア内で許可されたあらゆる職員から適切な距離を保つ。
【0080】
さらなるしるしが、各格納場所820に隣接した位置において、アクセス列内に、又は、格納されたトート55それ自体に貼り付けられてもよい。
ここで、各しるしは、固有のバーコードを持ち、含んでもよく、各車両100の読み取り装置は、アイテムが運搬され又は回収される格納場所820の周囲のエリアをスキャンしてもよい。
そして、中央プロセッサ450が有する、車両100が進まなければならない経路に関するデータ、及び、第1駆動モータ230の回転に関するデータに基づいて車両100が進んだ距離に関するデータは、車両100が格納エリア内の適当な格納場所820に配置されるか否かを決定するのに十分である可能性がある。
そのような場合であっても、格納エリアに隣接するしるしは、アイテムが適当な格納場所820に降ろされ又は適当な格納場所820から回収される前に、車両100の位置の冗長検査を容認する。
したがって、スキャナは、車両100が停止される位置の格納場所820に関する情報をスキャンし読み込むように作動されてもよい。
このスキャンされたデータが、格納場所820が適当な格納場所であることを示す場合、車両100は、そのアイテムを格納場所820に降ろす。
同様に、車両100は、この車両100の後端に隣接するしるしを読み取る第2の読み取り装置を有してもよい。
この第2の読み取り装置は、図1で示すように、システムが、アクセス列の前側に沿った一連の第1格納場所、及び、アクセス列の後側に沿った一連の第2の格納場所を利用するように構築される用途に用いられてもよい。
【0081】
そして、車両100の自律的な又は半自律的な誘導の機能は、機能性付属品である可動ラック700に組み込まれてもよい。
このような手法は、在庫管理施設内のいくつかの区域では正確な位置検出が必要とされるが、他の区域では正確性がより低い位置検出手法が容認可能であってもよい場合に有用である可能性がある。
たとえば、図1では、機能性付属品、すなわち、可動ラック700は、作業所500においてオペレータへのアイテムの必要な供給を維持するために補助的な役割を果たすものとして示される。
【0082】
上述の説明では、車両100は、垂直駆動機構140を有し、この垂直駆動機構140は、格納ラック800の格納エリア820に隣接して配置された軌道840と相互に作用するような寸法にされ、配置されている。
そして、この垂直駆動機構140の垂直駆動ギア145は、第1駆動モータ230の回転方向に応じて、車両100の上昇又は下降をもたらす。
その上、機能性付属品である可動ラック700は、車両100が関係している機能性付属品700を上げ下げすることを許すように垂直駆動機構140と連携する軌道840を組み込んでもよい。
【0083】
各車両100の中央プロセッサは、中央プロセッサ450から受信された信号に応じて車両100の動作を制御する。
さらに、車両100は、軌道840に沿って進む際に中央プロセッサ450と継続的に通信できるように無線トランシーバを含む。
いくつかの用途では、車両100が移動する可能性のある経路に沿って複数のセンサ又は標識を組み込むのが望ましい場合がある。
車両100は、センサ又は標識に応じて車両100の動作を制御する中央プロセッサ450のみならず、センサ信号及び/又は標識を感知する読み取り機を含んでもよい。
【0084】
図1で示すように、材料取り扱いシステム10は、多くの異なる作業所又はエリアを含んでもよい。
たとえば、材料取り扱いシステム10は、多くの格納ラック800に配置された多数の格納場所820を含んでもよい。
そして、格納ラック800は、何千又は何万もの格納場所820を収容してもよい。
<自律的格納>
【0085】
図1及び図6を参照すると、材料取り扱いシステム10は、行又は通路850を形成するように配列されてもよい複数の格納ラック800を含んでもよい。
たとえば、通路850aが2つの格納ラック800の間に形成されるように、第1格納ラック800aは、第2格納ラック800bから離間されてもよい。
特に、第1格納ラック800aは、第2格納ラック800bとほぼ平行で、ほぼ一様な幅を有する通路850を形成してもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、複数の通路850を形成する複数の格納ラック800を含んでもよい。
そして、この通路850は、図6に平行なものとして示されているが、もし、材料取り扱いシステム10が複数の格納ラック800を組み込むのであれば、格納ラック800は多種の構成に配列されてもよく、もし、材料取り扱いシステム10が複数の通路850を含むのであれば、通路850は平行である必要はない。
車両100に割り当てられた在庫管理タスクの1つは、格納場所820からアイテムを回収することであってもよい。
この在庫管理タスクは、車両100の現在の位置又は開始位置から出ること、開始位置と格納場所820の配列への進入地点に隣接する中間目的地との間で車両100を運ぶ経路を通過すること、及び、中間目的地において、車両100を進入地点に整列させることを含む、一連のサブタスクとして見ることができる。
回収タスクのさらなるサブタスクとして、整列された車両100は、格納場所820の配列に入って、車両100がその中で配列される列に到達するまで、その整列を維持し、さらに他のサブタスクによると、格納エリア820の目標エリアに到達するまで上がるように作動される。
回収タスクのさらなるサブタスクとして、車両100の移載機構150は、アイテムを回収し、車両100が下層支持面の上に載るまで、垂直列810内を下降し、それから、格納場所820の配列を出るように作動される。
回収タスクの最後のサブタスクとして、車両100は、経路860に沿って作業所500に進み、そこで、オペレータは、車両100からアイテムを回収することができる。
【0086】
そして、前記材料取り扱いシステム10は、格納場所820からトート55を格納し、回収する自動部材を含む。
そのような自動部材は、自律車両100である。
たとえば、自動部材は、複数の自律車両100を含んでもよい。
さらに、この自律車両100は、トート55を作業所500に運ぶように構成されてもよい。
作業所500では、1つ以上のアイテムが、車両100のうちの1台の上のトート55から取り除かれてもよい。
人間のオペレータが、車両100からアイテムを取り除いてもよい。
しかし、自動機構が車両100からアイテムを取り除いてもよい。
したがって、作業所500でアイテムを取り扱うオペレータは、人間のオペレータ又は自動機構又はこの2つの組み合わせであってもよい。
【0087】
そして、材料取り扱いシステム10及び/又は材料取り扱いシステム10のさまざまな構成部材は、マイクロコンピュータのような中央制御装置450によって制御されてもよい。
そして、この中央制御装置450は、センサのようなさまざまな部材から信号を受信し、さまざまな構成部材から受信された信号に基づいて、材料取り扱いシステム10のさまざまな側面を制御してもよい。
この中央制御装置450は、材料取り扱いシステム10から回収されるさまざまなアイテムの場所に関するデータを格納してもよい。
さらに、中央制御装置450は、顧客の注文に応じたアイテムの数及びそうしたアイテムの量のような、受信されるアイテムの識別に関するデータを含んでもよい。
このように、中央制御装置450は、様々な部材の動作を制御及び調整し、多種のアイテムの格納場所820からの回収及び処理の予定を立ててもよい。
【0088】
図6は、図1で示す材料取り扱いシステム10の一部を形成し、自律車両100を利用して、集荷エリアと格納場所820の垂直配列との間で行ったり来たり、在庫アイテムのコンテナ55を移動させる在庫管理システムの一部を示す部分透視図である。
この在庫管理システムは、車両100及び格納場所820の配列を、自動格納回収システム(AS/RS)の部材として組み込んでもよい。
車両100は、上述の車両100の態様で構成されてもよい。
しかし、この車両100は、材料取り扱いシステム内の他のタスクのための変更点を有してもよい。
【0089】
ここで、図1及び図6図10を参照して、格納場所820の配列内におけるアイテムの格納及び回収のための材料取り扱いシステムが、説明される。
まず、図1及び図6を参照すると、自動搬送する複数の車両100a乃至車両100fが、格納ラック800の内部又は周囲で動作するものとして示されている。
前述の複数の実施形態のように、車両100a-車両100fは、さまざまなアイテム補充及び/又はアイテム回収タスクを実行し、この例では、それらのタスクのいくつかは、格納場所820からコンテナ55を回収すること、又は、コンテナ(若しくはトート)55を格納場所820に戻すことを伴う。
【0090】
上述のように、材料取り扱いシステム10は、離間して1つ以上の通路850を形成する複数の格納ラック800を含んでもよい。
そして、軌道840は、1つ以上の格納ラック800に沿って配列されてもよい。
たとえば、この軌道840は、格納ラック800に固定して接続されてもよい。
さらに、車両100が垂直列810を上がったり下がったりして垂直列810内の格納場所820に運ばれることができるように、軌道840は、車両100を垂直に案内するように構成されてもよい。
さらに、第1軌道840aを、第1格納ラック800aに沿ってなど、通路850の片側の格納ラック800に沿って、第2軌道840bを、第2格納ラック800bに沿ってなど、通路850の反対側の格納ラック800に沿って配置するのが望ましい場合がある。
車両100の片側が第1格納ラック800aの軌道840に沿って垂直に移動しながら、移動する通路850aを車両100が進み、同時に、車両100の第2側が第2格納ラック800bの軌道840に沿って垂直に移動するように、車両100は構成されてもよい。
【0091】
各垂直列810は、複数の垂直柱815によって形成されてもよい。
図7図10で示すように、複数の垂直柱815が垂直列810の片側で平行関係に整列され、また、複数の垂直柱815が第1側の垂直柱815の反対側にある垂直列810の第2側で平行関係に整列されるように、垂直柱は配置されてもよい。
図7で示すように、それぞれの側の垂直柱815は、垂直列810の奥行き方向に延伸する複数の水平支持部材817によって相互に接続されてもよい。
【0092】
この水平支持部材817は、垂直列810に構造支持体を提供する別個の部材であってもよい。
また、この水平支持部材817は、格納場所820に格納されたアイテムを支持してもよい。
たとえば、水平支持部材817は、棚が格納場所820を形成するように、この棚を形成する平面部材であってもよい。
しかし、水平支持部材817は、多種の構成のいずれかであってもよい。
たとえば、図8では、この水平支持部材817は、長尺の水平棚を形成し、格納場所820の奥行き方向にトート55の縁を支持するL字型ブラケット817である。
そして、この水平支持部材817は、垂直柱815の高さまで互いに離間して、水平に離間した格納場所820の垂直列810を形成してもよい。
【0093】
そして、格納ラック800の垂直列810は、図7から見て、水平支持部材817の長さと同様の奥行を有する。
さらに、垂直列810は、トート55の長さと同様の又はそれを超える奥行を有する。
たとえば、垂直列810は、少なくとも1つのトート55を収容するのに十分な奥行きを有してもよい。
しかし、トート55は、通路850から張り出してもよく、垂直列810は、トート55の長さよりもわずかに短い奥行きを有することになる。
図7で示すように、垂直列810は、端から端まで配置された複数のトート55を収容するのに十分な奥行きを有してもよい。
図7では、各格納場所820が、端から端まで整列され、各トート55が車両100の長さとほぼ同様である、3つのトート55を収容できるように、格納ラック800は、十分な奥行きがある。
【0094】
上述のように、車両100は、長さと幅を有する。
図5で示すように、車両100は、その幅“W2”よりも十分に長い長さ“L”を有する。
図6図10を参照すると、各垂直列810が、その奥行よりも大幅に短い幅を有するように格納ラック800は構成される。
具体的には、各垂直列810の幅は、車両100の幅と同様であり、また、垂直列810の奥行きは、車両100の幅よりも大幅に長い。
図7及び図10で示すように、垂直列810は、車両100の幅の2倍を超える奥行きを有する。
さらに、垂直列810の奥行きは、車両100の長さよりも長くてもよい。
【0095】
図7は、格納ラック800及び格納場所820に対して異なる向きの複数の車両100を示す。
たとえば、第1の車両100aは、通路850の長さを横断する経路860cに沿って、水平移動のために配向されている。
第2の車両100b、cは、通路850の長さと平行な経路860b、860b’に沿って、格納ラック800の下で水平移動のために配向されている。
さらに、第3の車両100dは、通路850内に配置され、通路850のいずれか一方の側で、格納ラック800に沿って、垂直な軌道を上がる。
第4の車両100eも、通路850内に配置され、垂直列810の上部の格納場所820へと軌道840a、bを上がる。
最後に、第5車両100fは、格納ラック800の下に配置され、車両100aの方向と車両100bの方向との間の中間位置に配向されている。
特に、格納ラック800は、車両100が格納ラック800の下で水平回転するのを容易にするように構成されてもよい。
第5の車両100fは、第1経路から第2経路へと、格納ラック800の下で回転する途中の車両100を示す。
【0096】
上述のように、格納ラック800は、車両100が格納場所820の下のさまざま場所に入り、さまざま場所から出ることができるような寸法にされ、配置されて、集荷所及び/又は補充所の設置の際の柔軟性を許容する。
材料取り扱いシステム10が1つ以上の格納ラック800及び1つ以上の格納ラック800を利用する場合、車両100が材料取り扱いシステム10に組み込まれる可能性がある1つ以上の通路850を通って又は通路850に沿って進むことができるだけでなく、格納ラック800の下を進むことができるように、格納ラック800は構成されてもよい。
たとえば、図6を参照すると、車両100は、通路850に平行な又は通路850を横断する可能性がある1つ以上の経路区域に沿って進む経路860をたどってもよい。
そのような第1経路は、経路860aで表される。
第1経路860aは、通路850aの長さ以内で、この通路850aの長さに平行である。
そのような第2経路は、通路850aの長さに平行であるが、この通路850aから離間する経路860bで表される。
具体的には、第2経路860bは、第2格納ラック800bの下に位置する。
第2格納ラック800bは、車両100が通路850aの長さに平行な経路860bに沿って格納ラック800bの下を通ることができるように、最下の格納場所820の下に車両100の移動用の間隔を提供するように構成されてもよい。
第3の経路は、経路860a及び経路860bを横断する経路860cで表される。
図6で示すように、経路860cは、垂直列810の奥行きに平行である。
【0097】
図7及び図9を参照すると、格納ラック800の垂直列810が、通路850の長さにほぼ平行な各垂直列810の下で、多数の経路860を提供するのに十分な奥行きを有するように、格納ラック800は構成される。
具体的には、図7に示すように、通路850に隣接する垂直柱815は、通路850から離れた垂直柱815から離間して、車両100の幅の2倍を超える幅を有する開口部を形成してもよい。
【0098】
図9は、通路850に平行な経路860bに沿って移動する第2の車両100b、及び、経路860bに平行な経路860b’に沿って移動する第3の車両100cを示す。
望ましくは、経路860b’は、通路850に隣接した垂直柱815から、車両100の長さ“L”の半分を超えて離間した中心線を有する(図5参照)。
同様に、望ましくは、経路860bは、通路850から離れた垂直列810の後端の垂直柱815から、車両100の長さの半分を超える距離だけ離間した中心線を有する。
【0099】
そして、前記通路850に平行な格納ラック800の下の経路860b、860b’は、離間して、経路860bに沿って進む車両100bが、経路860b’に沿って反対方向に進む車両のような、経路860b’に沿って配列された車両100cを通過させることができる間隙を提供してもよい。
たとえば、経路860bは、車両100の幅“W2”を超える距離だけ、経路860b’から離間してもよい(図5参照)。
【0100】
さらに、上述のように、この車両100は、車両100を貫通する垂直回転軸の周囲を回転することによって方向を変えてもよい。
特に、垂直回転軸は、車両100の中心を貫通してもよい。
垂直列810は、望ましくは、車両100が格納ラック800の下で垂直列810に配列されながら、車両100が垂直回転軸の周囲を回転するのを容易にするのに十分な奥行きを有する。
具体的には、経路860b、860b’のそれぞれは、望ましくは、垂直回転軸から車両100の角のそれぞれまでの距離を超える距離だけ垂直柱815から離間している。
【0101】
車両100が格納ラック800の下で回転するとき、車両100は、さまざまな角度のいずれに回転してもよい。
車両100は、90度ずつ回転してもよい。
特に、車両100が通路850内の軌道840を上った後、格納ラック800の下で通路850に平行に進むように、車両100は、通路850から出た後、90度又は270度のいずれか回転する。
【0102】
図8は、トートTa、Tb、Tc及びTdを含む多数のコンテナ又はトートが投入された複数の垂直列810a-垂直列810fを含む、格納ラック800を示す側面図である。
複数の車両100は、在庫管理システムの一部として、さまざまなアイテム補充及び/又はアイテム回収タスクを実行するように作動している。
ここで、車両100aは、最左端の垂直駆動列810aに入ったところであるのが示されている。
図9を参照すると、格納ラック800が、レール間の間隙gGを定める、レールR1及びR2のような平行な案内レールの配列を組み込んでもよい。
この間隙は、車両100の対応する整列構造を受け入れて、車両100が互いに対して、及び、以下でさらに議論されるように、格納ラック800に損傷を与えることなく、車両100が進入、退出及び方向再設定できるようにする寸法にされ、配置されている。
【0103】
この材料取り扱いシステム10は、車両100が進む際に、車両100を案内する又は整列させる1つ以上の案内880を含んでもよい。
たとえば、図9を参照すると、案内880は、ルート又は溝を含んでもよく、また、車両100は、案内880と連携して、車両100の移動を制御する、対応する案内部材126を含んでもよい。
案内部材126の一例は、フォロワ126である。
フォロワ126は、案内880と係合する又は連携するように構成されたいかなる部材であってもよい。
車両100は、垂直軸の周囲を回転する軸受のような回転部材を含む、中央フォロワ126を含む。
フォロワ126が車両100の下面から下方へなど、車両100の面から離れて突出するように、中央フォロワ126はシャフトを含む。
そして、この中央フォロワ126は、案内880内のルートに係合して、車両100の水平移動を抑制する。
【0104】
前記車両100は、1つ以上の側面案内部材127を含んでもよい。
そして、この側面案内部材127は、案内880の外面と連携して、車両100の移動を抑制してもよい。
たとえば、案内880は、車両100の回転を案内するための周面を有する円形ガイドを含んでもよい。
車両100は、案内880の周面の直径に等しい距離だけ互いに離間した一対の側面案内部材127を有してもよい。
このように、この側面案内部材127は、案内880の周面に係合し、車両100が回転移動するのを抑制する。
【0105】
図9を参照すると、、案内880は、複数の交差する案内路を含む。
たとえば、案内880は、車両100の中央フォロワ126の幅と実質的に同様の距離を離間した壁を有する溝又はルートの形態で第1の案内路882を含んでもよい。
第1の案内路882は、経路860に平行に延伸するように配向されてもよい。
さらに、案内880は、車両100のフォロワ126の幅と実質的に同様の距離を離間した壁を有する溝又はルートの形態で第2の案内路884を含んでもよい。
第2の案内路884は、経路860を横断して延伸するように配向されてもよい。
本例では、第2の案内路884は、経路860と実質的に直角に延伸する。
このように、案内880の第1の案内路882及び第2の案内路884は、望ましくは通路850と平行な又は直角な直線方向に延伸する。
【0106】
そして、案内880は、直線でない案内路を含む。
たとえば、案内880の外周は、図9に886で特定された非線形の案内面を形成してもよい。
具体的には、案内880は、環状軸受面を形成するほぼ円形の外形を有してもよい。
円形の外形の直径は、車両100の側面案内部材127の間の距離に相当する直径を有してもよい(図3参照)。
【0107】
さらに、案内880の案内路は、車両100が進行方向を変えるのを容易にするように交差する。
たとえば、第1の案内路882は、第2の案内路884と交差して、通路850に対して平行から、通路850に対して直角に、又は、その反対に、車両100が方向を変えるのを容易にしてもよい。
そして、第1の案内路882及び第2の案内路884は、案内880の中心点で交差してもよい。
このように、案内880は、車両100が垂直軸の周囲を回転するのを容易にし、第1の案内路882に沿った進行方向から、第2の案内路884に沿った第2の進行方向に、車両100を回転させる。
【0108】
以下のように、案内880は、車両100を案内して、方向を変えてもよい。
そして、この車両100は、中央フォロワ126が第1の案内路882又は第2の案内路884と係合して、線形経路から離れて横方向に変位するのを妨げながら、線形経路に沿って移動してもよい。
車両100の側面案内部材127が環状の案内路886に係合しながら、中央フォロワ126が案内880の中心点に配置されるまで、車両100は、線形経路に沿って水平方向に進む。
車両100は、垂直軸の周囲を回転して、進行方向を変える。
たとえば、車両100の片側の駆動輪124は、第1方向に回転してもよく、さらに、車両100の反対側の駆動輪124は、ゼロ半径回転を実行するために、第1方向とは反対の第2方向に回転してもよい。
この駆動輪124が、回転軸を軸として車両100を回転させる間、側面案内部材127は、車両100が回転経路から離れて横方向に変位するのを妨げる。
【0109】
そして、案内880は、(通路850に隣接する)垂直列810の前又は(通路850から離れた)垂直列810の後ろの垂直柱815の間の開口部に車両100の幅を合わせながら、垂直列810に合わせられて、垂直列810内での車両100の回転を容易にする。
【0110】
図9で示すように、材料取り扱いシステム10は、間隙gGを離された一対の板状部材からなる、床面取り付け型の側面整列システム890を含んでもよい。
車両100が、駆動列D1乃至D6内で概して一定の回転角度を維持しながら、構造の全幅を素早くかつ容易に横切ることができるように、側面整列システム890によって定められる間隙は、整列システム895によって定められた間隙に合わせて配向される。
【0111】
上述のように、軌道部材840のような複数の案内部材は、格納ラック800に取り付けられ、車両100を床面の上に配置された格納場所820と整列させて案内する。
たとえば、軌道840は、複数の垂直な軌道区画を含んでもよい。
具体的には、垂直な軌道区画は、通路850内の各垂直柱815に取り付けられてもよい。
図10を参照すると、垂直な軌道区画は、車両100の垂直駆動機構140と係合する形状を有するものであってもよい。
たとえば、軌道840は、垂直柱815の高さまで延伸する格納ラック800を形成する、複数の歯を有するものであってもよい。
【0112】
図7に示すように、第1軌道840aが垂直列810の第1側に沿って垂直上方に延伸し、第2軌道840bが垂直列810の第2側に沿って上方に延伸するように、軌道840は、通路850にまたがっていてもよい。
たとえば、図7の柱D1及び車両100eが、図10で示されている。
柱D1は、幅を有する開口部を形成する、2つの離間した垂直柱815を有する。
具体的には、第1の柱は、第1垂直端E1及び第2垂直端E2を有し、また、第2の柱は、第1垂直端E3及び第2垂直端E4を有する。
第2垂直端E2と第1垂直端E3との間の距離は、車両100の幅W1を超える(図5参照)。
そして、第2垂直端E2と第1垂直端E3との間の距離は、車両100の幅W2未満である。(図5参照)。
このように、垂直列810の幅は、車両100の垂直駆動機構140の垂直駆動ギア145の外側の頂点間の距離未満であってもよい。
したがって、垂直列810の大部分は、車両100の幅の最も広い部位より狭くてもよい。
【0113】
そして、前記軌道840は、この軌道840の第1垂直端E1が第1垂直列に向かって突出して第1垂直列に案内面を提供し、また、軌道840の第2垂直端E2が第2垂直列に向かって突出して隣接する垂直列に案内面を提供するように構成されてもよい。
たとえば、軌道840は、駆動列D1に向かって突出する一組の第1歯、及び、駆動列D2に向かって突出する一組の第2歯を提供してもよい。
【0114】
さらに、垂直柱815は、車両100が軌道840を上る際に車両100の横方向の変位を妨げる停止位置を提供するように構成されてもよい。
たとえば、図10を参照すると、垂直柱815の第1垂直端E3が、軌道840の歯の歯底を超えて、望ましくは、軌道840の頂上に向かって延伸するように、垂直柱815は軌道840の歯と重複する。
このように、垂直柱815が垂直駆動機構140を垂直列810の奥行きに横方向に平行に変位するのを妨げつつ、垂直軌道機構140の歯は、軌道840とかみ合う。
【0115】
そして、前記車両100の垂直駆動機構140は、この垂直駆動ギア145が垂直駆動ギア145間の距離を縮めるように内側に変位可能なように構成されてもよい。
このように、垂直駆動ギア145は、内側に移動して、車両100が垂直列810に入る際に、軌道840と垂直駆動ギア145との間に間隔を提供することができる。
上述のように、垂直駆動ギア145は、各垂直駆動ギア145の回転軸が水平な進行方向にほぼ平行になるように駆動軸に取り付けられてもよい。
さらに、垂直駆動ギア145の回転軸は、垂直駆動ギア145の各組の間の横方向距離がほぼ一定となるように、ほぼ一定であってもよい。
垂直駆動ギア145の歯は、垂直柱815に入るために、この垂直駆動ギア145の歯が軌道840の歯を通るように、軌道840の歯と整列される。
【0116】
図10を参照すると、垂直駆動ギア145が軌道840に対して移動されたとき、この軌道840に衝突又は接触しないように、この軌道840と垂直駆動ギア145とは、整列されてもよい。
たとえば、この軌道840の歯間の間隔は、垂直駆動ギア145が垂直駆動ギア145の回転軸に平行な線に沿って水平に移動するとき、垂直駆動ギア145の歯が軌道840の歯の間の間隙を通るのに十分な間隔を提供する。
より具体的には、垂直駆動ギア145の歯先円(addendum circle)が軌道840の歯の歯先線(addendum line)と重複するように、垂直駆動ギア145及び軌道840は、構成され、配置されてもよい。
そして、この垂直駆動ギア145の歯先円(addendum circle)が軌道840の歯先線(addendum line)と重複しながら、垂直駆動ギア145の歯は、軌道840内の歯の間の間隙を通るように構成され、配向される。
【0117】
図10を参照すると、前記垂直駆動ギア145及び軌道840は、車両100が垂直列810の幅を形成する垂直柱815の間の開口部に入るとき(すなわち、垂直駆動ギア145の回転軸が通路850に対して直角な水平方向に移動するように垂直駆動ギア145が移動するとき)、垂直駆動ギア145が軌道840を通るように間隔を増すように構成され、配向されてもよい。
たとえば、軌道840は、上部及び下部842を有してもよい。
そして、この上部は、垂直駆動ギア145の歯と接続する歯ピッチ及び構成を有してもよい。
下部842は、上部の歯ピッチとほぼ同様の歯ピッチを有してもよいが、下部842の歯形は、上部と大きく異なってもよい。
たとえば、下部842の歯は、上部の歯よりも大幅に狭くてもよい。
たとえば、下部842の歯は、少なくとも、10%狭くてもよく、望ましくは、20%狭くてもよい、
さらに、下部842の歯は、上部の歯元のたけ(dedendum)よりも大幅に大きい歯元のたけ(dedendum)を有してもよい。
たとえば、歯の歯底(root)が上部の歯の歯底(root)よりも大きな距離だけ垂直駆動ギア145から離れて内側に延伸するように、下部842の歯元のたけ(dedendum)が上部の歯元のたけよりも大きくてもよい。
たとえば、下部842の歯元のたけは、10%大きくてもよく、望ましくは、20%大きい。
【0118】
さらに、歯が下部842の高さに進むにつれて、隣り合う歯の間の間隔が次第に小さくなるように、下部842は、先細のピッチ線を有してもよい。
言い換えれば、下部842の下側の隣り合う歯の間の間隔845が最大であり、下部842の上側の隣り合う歯の間の間隔728が最小であり、間隔が最大から最低へと次第に小さくなる。
【0119】
そして、前記垂直柱815は、垂直駆動ギア145が垂直柱815の間の開口部を通るのを容易にする可変幅を有する。
たとえば、上述のように、垂直柱815は、この垂直柱815の第1垂直端E3が軌道840の歯の歯底を超えて延伸するように、第1の幅を有してもよい。
さらに、垂直柱815の下部816a、816bは、垂直柱815の上部に対して狭められた幅を有してもよい。
具体的には、垂直柱815は、垂直柱815の端が歯の歯底の下で終わるように、狭められた幅を有してもよい。
このように垂直柱815の下部816a、816bは、垂直柱815の上部よりも狭い幅を有する。
同様に、下部の垂直柱816aと下部の垂直柱816bとの間の距離は、第2垂直端E2と第1垂直端E3との間の距離を超える。
さらに、垂直柱815の下部816aと下部816bとの間の垂直列810の開口部は、車両100の最も広い幅W2を超える。
【0120】
上述のように構成されて、垂直駆動機構140は、この垂直駆動機構140が軌道840と整列されるように、軌道840の開口部を通るように構成されてもよい。
以上でさらに説明したように、垂直駆動機構140が軌道840と整列された後、この垂直駆動機構140は、軌道840と連携して、この軌道840を持ち上げる又は/及び軌道840を上がるように配置される。
【0121】
上述のように、中央制御装置450は、車両100を制御する制御信号を提供してもよい。
たとえば、中央制御装置450は、車両100が格納ラック800を通って経路860をたどり、格納ラック800内の垂直列810の1つの格納場所820からトート55を回収する動作を制御してもよい。
車両100は、地面に沿って経路860をたどり、車両100の幅を、格納ラック800の2つの垂直柱815の間の開口部を通って延伸する経路860と整列させてもよい。
車両100は、格納ラック800内の複数の垂直列810を通って横切る経路860に沿って進んでもよい。
そして、中央制御装置450は、車両100cが第1経路に対して平行な第2経路に沿って進むように、そして、車両100bと同じ格納ラック800の下で、車両100cが格納ラック800の下で車両100bを追い越すように、車両100cを制御する信号を提供してもよい。
【0122】
車両100が格納ラック800の下で複数の垂直列810を通った後、車両100は、選ばれた格納場所820が位置する格納ラック800内の垂直列810に到達する。
そして、中央制御装置450は、車両100の経路860に沿った前進を停止する信号を提供する。
この中央制御装置450は、格納ラック800の下で車両100を回転させ、車両100を垂直列810内の開口部と整列させる信号を提供する。
回転後、車両100は、垂直列810内の開口部を通って通路850に入るように、垂直列810の奥行きと平行な経路860に沿って前進する。
車両100を通路850内に前進させるステップは、垂直駆動部材を垂直列810内の開口部の間隙と整列させるステップを含む。
そして、通路850内で一度、車両100が所望の格納場所820と整列されるまで、車両100は垂直上方に駆動する。
車両100は、移載機構210を作動させ、格納場所820から車両100上にアイテムを移動させる。
格納場所820は、この格納場所820の前端にアイテムを含んでもよく、格納場所820で、所望のアイテムから車両100を分離させる。
したがって、車両100は、格納場所820の前端のアイテムを車両100に移動させ、今度は、所望のアイテムを格納場所820の前端に乗せる。
車両100は、それから、アイテムを受け取る開放型の場所を有する格納場所820へ垂直に駆動する。
車両100は、それから、開放型の場所に向かってアイテムを移動させる。
車両100は、それから、所望のアイテムを有する格納場所820に垂直に移動し、移載機構140を駆動させて、所望のアイテムを車両100上に移動させる。
所望のアイテムを回収した後、車両100は、垂直駆動機構140を作動させて、車両100が床面のような水平駆動面と係合するまで、垂直列810を下降する。
車両100の水平駆動は、通路850を横切る方向に垂直列810内の開口部を通って車両100を駆動させるように係合する。
通路850から出た後、車両100は、水平方向に駆動し続け、格納ラック800を出る。
たとえば、車両100は、通路850を横切る経路860に沿って進み続け、1つ以上のさらなる格納ラック800の下を通り、1つ以上のさらなる通路850を横切る。
そのような経路860をたどって、車両100が通る各垂直列810の開口部と、車両100の幅が整列されるように、この車両100の経路860は、制御される。
あるいは、車両100が格納ラック800の下にとどまっている間に、車両100は、通路850に沿った経路860に合わせられながら、車両100を回転させる垂直軸の周囲を回転する。
そして、この車両100は、それから、車両100が格納ラック800の下から出るまで、格納ラック800の1つ以上の垂直列810の下を横切る。
【0123】
車両100が格納ラック800を出た後、中央制御装置450は、車両100を制御し、車両100を複数の作業所500の1つに移動させてもよい。
作業所500で、車両100は、オペレータに提示され、オペレータは車両100から1つ以上のアイテムを取り除く。
中央制御装置450は、それから車両100を制御して、車両100を経路860に沿って移動させ、車両100が運んでいるアイテムを格納ラック800内のオープン型格納場所820に格納させ、さらに別の格納場所820で次のアイテムを回収させる。
このように、中央制御装置450は、複数の車両100に制御信号を提供し、車両100を複数の経路860の1つに沿って移動させ、格納場所820から複数のアイテムを回収させ、アイテムを作業所500に運搬させる。
<制御プロセス>
【0124】
図11は、複数の搬送車両100-1乃至搬送車両100-nのサブシステムを示すブロック図である。
各車両100は、搬送車両100-1のように、中央処理ユニット(CPU)286と、メモリ287と、通信インタフェース284とを含んでもよい。
そして、通信インタフェース284は、IEEE 802.11のような対応する無線伝送プロトコルに準拠している1つ以上の無線トランシーバからなり、車両100の通信インタフェース284は、ピア・ツー・ピア型トポロジにおけるように他の車両100と、又は、中央制御装置450と通信するのに用いられている。
後者の点については、搬送車両100-1乃至搬送車両100-nは、位置センサ280及び物体センサ282を含み、通信インタフェース284を用いて、感知した情報を中央制御装置450のような主幹制御器とやりとりする。
前記位置センサ280は、1つ以上の実施形態では、車両100が下層支持面に配置された基準マーク上をいつ通過したかを決定する、機載画像センサを含む。
しかし、搬送車両100-1乃至搬送車両100-nは、互いに対するそれぞれの位置を決定する、又は、中央制御装置450が決定できるようにする信号の三角測量法及び/又はその他の従来技術を利用してもよい。
【0125】
各搬送車両100-1は、電源288を含み、この電源288は、たとえば、ウルトラキャパシタ、1つ以上の電池、又は、これらの組み合わせからなる充電可能な電源であってもよい。
そして、電源288は、第1駆動システムの第1駆動モータ230を駆動させる。
第1駆動システムは、第1駆動モータ230によって駆動され、たとえば、車両100を垂直に駆動させるのに用いられる歯車をさらに含んでもよい。
本例では、電源288は、第2駆動システムにも電力を供給し、第2駆動システムは、第2駆動モータ250aと、第3駆動モータ250bとを含む。
【0126】
CPU286は、データ処理及び保管を容易にする1つ以上の商業的に入手可能なマイクロプロセッサ又はマイクロ制御装置を含んでもよい。
さまざまな支持回路が、CPU286の動作を容易にし、1つ以上のクロック回路、電源、キャッシュ、入力/出力回路などを含む。
メモリ287は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ディスク駆動記憶装置、光記憶装置、リムーバブル記憶装置などのうちの少なくとも1つを含む。
【0127】
図12は、倉庫自動システム(WMS)940から受信した命令に応答して、AGVタスクグループ902-1、904-1、906-1及び908-1に割り当てられたもののような、複数の車両100及び部分組立品(たとえば、可動ラック700又はフローラック600)による在庫管理タスク活動の割り当て及び実行を調整することが可能な中央制御装置450の略ブロック図である。
そして、この中央制御装置450は、中央処理ユニット(CPU)951と、支持回路955と、メモリ952と、ユーザインタフェース構成部材954(たとえば、タッチ式スクリーン付きのディスプレイ又は別個のキーボード)と、通信インタフェース953とからなる。
サーバ450は、IEEE 802.11のような対応する無線伝送プロトコルに準拠している1つ以上の無線トランシーバを含む。
【0128】
前記CPU951は、データ処理及び保管を容易にする1つ以上の商業的に入手可能なマイクロプロセッサ又はマイクロ制御装置を含んでもよい。
さまざまな支持回路955が、CPU951の動作を容易にし、1つ以上のクロック回路、電源、キャッシュ、入力/出力回路などを含む。
メモリ952は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ディスク駆動記憶装置、光記憶装置、リムーバブル記憶装置などのうちの少なくとも1つを含む。
このメモリ952は、オペレーティングシステム956と、1つ以上の在庫管理アプリケーションとを含む。
そして、この在庫管理アプリケーションは、タスクエージェントマネージャモジュール960と、AGV交通管理モジュール970と、状態/事象監視モジュール980と、データリポジトリ990とを含む。
【0129】
そして、タスクエージェントマネージャモジュール960は、在庫管理タスクプロセッサ961、動的在庫投入解析プログラム962、サブタスク順序識別子963、タスク優先順位マネージャ964、事象通知検知器965、状態遷移検知器966及びAGVセレクタ967によって構成されている。
さらに、在庫管理タスクプロセッサ961は、CPU951による命令の実行によって、WMS940から受け取った在庫管理タスク要求を処理する。
【0130】
AGVの交通管理は、中央制御装置450の交通管理モジュール470によって実行される。
そのような場合、位置、速度及び方向のデータが、中央制御装置450によって、一定の間隔をおいて車両100から収集される。
位置データは、分析され、経路区域セレクタ974は、次回の制御インターバルにわたる各車両100の経路を選択し、他の車両100、職員又は固定構造物との衝突がないことを確認する。
進路と方位を含む、経路選択に応じて更新された命令は、中央制御装置450によって、車両100に戻って伝達される。
しかし、車両100は、相対位置決め命令のためではなく、むしろ方位とタスク割り当てのためだけに、中央制御装置450に頼ることなく、車両100は、代わりに、内部データ収集及び空間分析能力に頼る。
【0131】
前述の動作を容易にするために、図12の中央制御装置450は、施設内の車両位置のマップだけでなく、管理及び配置責任がWMSによって割り当てられているすべての在庫アイテムの最新のロケーションを反映するデータリポジトリを含む。
さらに、予防保守手順のスケジューリングを容易にするために、稼働統計が、可動部品を有するすべてのAGVについて収集されるので、一定の間隔をおいて、部品を検査し、潤滑油を差し、及び/又は交換することができる。
【0132】
本明細書内に記載されている本方法の順序を変更してもよく、さまざまな部材を追加し、並べ替え、組み合わせ、省略し、又は他の方法で修正してもよい。
本明細書に記載されているすべての実施例は、非限定的に提示されている。
様々な修正及び変更を加えてもよい。
複数の実施形態による実施方法を、特定の実施形態の文脈で説明してきた。
これらの実施形態は、例示的であり、限定することを意味しない。
多くの変形、修正、追加及び改良が可能である。
したがって、本明細書で一例として記載されている構成部材に、複数の例を適用してもよい。
さまざまな部材、動作、及びデータストアの間の境界は多少恣意的であり、特定の動作が、特定の文脈で示されている。
機能の割り当てが異なることも想定され、そのような場合でも、後述の請求の範囲に含まれる場合がある。
最後に、構成例で別個の構成部材として提示されている構造と機能とを、組み合わされた構造又は構成部材として実施してもよい。
これらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、後述の特許請求の範囲で定義される実施形態の範囲内に含まれる場合がある。
【0133】
したがって、上述の内容は、本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他の及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】