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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-18
(54)【発明の名称】熱拡散防止部材を含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20221011BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20221011BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20221011BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20221011BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20221011BHJP
   H01M 50/251 20210101ALI20221011BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20221011BHJP
   H01M 10/627 20140101ALI20221011BHJP
【FI】
H01M50/204 401Z
H01M10/658
H01M50/507
H01M50/503
H01M50/249
H01M50/251
H01M10/625
H01M10/627
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509692
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 KR2020016213
(87)【国際公開番号】W WO2021112453
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0160872
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン・クン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】サン・ヨン・ジョン
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE03
5H031KK02
5H040AA37
5H040AS01
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY10
5H040DD04
5H040DD07
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA05
5H043CA08
5H043CA22
5H043DA05
5H043FA04
5H043FA08
5H043FA26
5H043FA36
5H043JA01F
5H043JA03F
5H043JA06F
(57)【要約】
本発明は、熱拡散防止部材を含む電池パックに関するものであって、電池パック内に受容された電池モジュールのうちのいずれかの一つの電池モジュールから発生された熱または火災の拡散を効果的に遮断することができ、自動車または電力貯蔵装置などに多様に適用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーチカルビームによって分割された多数の区画を含み、かつ上部面が開放された構造の電池パック受容部と、
前記電池パック受容部の分割された各区画に受容される電池モジュールと、
前記電池パック受容部の上部面を覆い、かつバーチカルビームの上端に対応される領域にスリットが形成されたリードアセンブリと、
前記リードアセンブリのスリットに挿入され、バーチカルビームの上端に装着される熱拡散防止部材を含む、電池パック。
【請求項2】
前記熱拡散防止部材は、
バーチカルビームの上端に装着される垂直方向ボディーと、
前記垂直方向ボディーの上端に形成され、リードアセンブリに形成されたスリットより広い面積に形成された水平方向ボディーを含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記熱拡散防止部材において、
垂直方向ボディーは、互いに平行な2個の板状部材を含み、
前記2個の板状部材の間にバーチカルビームの上端が挿入された構造である、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記バーチカルビームの高さは、電池パック受容部に受容された電池モジュールの高さの50~80%の範囲にあり、
前記熱拡散防止部材は、バーチカルビームの上端に装着された状態で、バーチカルビームの上端から延長されてリードアセンブリまでの離隔距離を遮蔽する構造である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記熱拡散防止部材は、シリケート含有無機物で形成される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記熱拡散防止部材は、下記化学式1で表される成分で形成され、
[化学式1]
4-620(OH、F)
前記化学式1において、
Xは、K、Na及びCaのうちの1種以上であり、
Yは、Al、Mg及び、Feのうちの1種以上であり、
Zは、Si及びAlのうちの1種以上である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記熱拡散防止部材は、マイカシートで形成された構造である、請求項5に記載の電池パック。
【請求項8】
前記電池モジュールは、
電極タブが一方向に配向された複数の電池セルと、
前記電池セルが収容されたモジュールフレームと、
前記電極タブと電気的に連結され、モジュールフレームの外側に延長および突出されたバスバーを含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電池モジュールは電極リードをさらに含み、
前記電極リードの一側端部は電極タブと接続し、他側端部はバスバーと接続する構造である、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記バスバーはモジュールフレームの上端に突出および折曲された構造であり、
前記電池モジュールは、電池モジュールの上端面とバスバーの折曲された部位との間に位置するシリケート含有無機シートを含む、請求項8に記載の電池パック。
【請求項11】
前記バスバーは、隣接した電池モジュール間を電気的に連結するインターバスバーである、請求項8に記載の電池パック。
【請求項12】
前記シリケート含有無機シートはマイカシートである、請求項10に記載の電池パック。
【請求項13】
請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の電池パックを含む、自動車。
【請求項14】
請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の電池パックを含む、電力貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年12月05日付の韓国特許出願第10-2019-0160872号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、熱拡散防止部材を含む電池パックに関するものである。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加により、二次電池の需要も急激に増している。その中でも、リチウム二次電池は、エネルギー密度と作動電圧が高く、保存と寿命特性に優れるという点で、各種モバイル機器はもちろん、多様な電子製品のエネルギー源として広く使われている。
【0004】
二次電池に対する適用分野が広がるにつれて、より高容量の二次電池に対する需要が増している。高容量の二次電池を提供する方法として、多数の単位セルを集合した電池モジュールまたは電池パックを形成することが可能である。
【0005】
図1は、従来の電池パックの断面構造を図示した模式図である。図1を参照すると、電池パックは、多数の電池モジュール10が組み合わされた構造であって、具体的には、バーチカルビーム20によって分割された区画を含み、かつ上部面が開放された構造の電池パック受容部と、上記電池パック受容部の分割された区画に収容される電池モジュール10と、上記電気パック収納部の上部面を覆うリードアセンブリ30とを含む。また、上記バーチカルビーム20の上部は空の空間であり、一定間隔で支持ボルト21が形成されてリードアセンブリ30を支持することになる。
【0006】
電池パックのいずれか一つの電池モジュールから発熱または火災が発生する場合、火災が発生した電池モジュールの高電圧端子(HV terminal)から隣接する他の電池モジュールに熱または火炎が伝達されながら爆発が起こり得る。図1に図示した電池パックの場合には、バーチカルビーム20によってパック受容部が区画されているが、バーチカルビーム20の上端には別途の隔壁が形成されない構造である。そのような空き空間を通じて、熱または炎が隣接する電池モジュールに拡散され得る。
【0007】
また、図2は、リードアセンブリが締結される前の電池パックの上部を図示した斜視図である。図2を参照すると、従来の電池パックは、上記バーチカルビーム20によって区画されたパック受容部内に電池モジュール10が収容された構造である。上記バーチカルビーム20の上端には一定の間隔で支持ボルト21が形成される。また、各電池モジュール10の一側には、単位セルの電極タブが電気的に接続された電極リード11が突出された構造である。上記電極リード11は、上端のバスバー12と接続された構造である。上記バスバー12は、電池モジュール10間を電気的に連結するインターバスバーである。具体的には、上記バスバー12の両端部は、2個の電池モジュール10の各電極リード11と電気的に接続された構造である。上記バスバー12は、電池モジュール10の上端に突出及び折曲された構造である。電池パックに収容された電池モジュール10が発火される場合、発火された電池モジュール10からモジュールフレームによって他の電池モジュールに印加される電位と、モジュール内部の二次電池から高電圧端子を通じてバスバーに印加される電位との間の電位差が大きくなるにつれて、スパーク発生または隣接する電池モジュールの追加発火の危険性がある。
【0008】
したがって、電池モジュールまたは電池パックにおいて、火災の発生を防止し、あるいは発生した火災の拡散を効果的に遮断するなど、モジュール発火時の安全性確保に対する技術開発の必要性が認められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、電池パック内の電池モジュールが発火時に安全性を確保し得るように、熱拡散防止部材を含む電池パック、それを含む自動車及び電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一例において、本発明に係る電池パックは、バーチカルビームによって分割された多数の区画を含み、かつ上部面が開放された構造の電池パック受容部と、上記電池パック受容部の分割された各区画に収容される電池モジュールと、上記電池パック受容部の上部面を覆い、かつバーチカルビームの上端に対応する領域にスリットが形成されたリードアセンブリと、上記リードアセンブリのスリットに挿入され、バーチカルビームの上端に装着される熱拡散防止部材を含む。
【0011】
具体例において、上記熱拡散防止部材は、バーチカルビームの上端に装着される垂直方向のボディーと、上記垂直方向ボディーの上端に形成され、リードアセンブリに形成されたスリットより広い面積に形成された水平方向ボディーを含む。
【0012】
例えば、上記熱拡散防止部材において、垂直方向ボディーは、互いに平行な2個の板状部材を含み、上記2個の板状部材の間にバーチカルビームの上端が挿入された構造である。
【0013】
一例において、バーチカルビームの高さは、パック収納部に収納された電池モジュールの高さの50~80%の範囲にある。また、上記熱拡散防止部材は、バーチカルビームの上端に装着された状態で、バーチカルビームの上端から延長されてリードアセンブリまで離隔距離を遮蔽する構造である。
【0014】
一例でにおいて、上記熱拡散防止部材はシリケート含有無機物から形成される。
【0015】
具体例において、上記熱拡散防止部材は、下記化学式(1)で表される成分から形成される。
[化学式1]
4-620(OH、F)
上記化学式1において、
Xは、K、Na及びCaのうちの1種以上であり、
Yは、Al、Mg及び、Feのうちの1種以上であり、
Zは、Si及びAlのうちの1種以上である。
【0016】
例えば、上記熱拡散防止部材は、マイカ(mica)シートで形成された構造である。
【0017】
別の一例において、上記電池モジュールは、電極タブが一方向に配向された複数の電池セルと、上記電池セルが受容されたモジュールフレームと、上記電池タブと電気的に連結され、モジュールフレームの外側に延長及び突出されたバスバーを含む。
【0018】
具体例において、上記電池モジュールは電極リードをさらに含み、上記電極リードの一側端部は電極タブに接続し、他側端部はバスバーと接続する構造である。
【0019】
一例において、上記バスバーはモジュールフレームの上端に突出および折曲された構造であり、上記電池モジュールの上端面とバスバーの屈曲された部位との間に位置するシリケート含有無機シートを含む。
【0020】
具体例において、上記バスバーは、隣接した電池モジュール間を電気的に連結するインターバスバーである。
【0021】
上記シリケート含有無機シートはマイカシートであり得る。
【0022】
また、本発明は、上述した電池パックを含む自動車を提供する。
【0023】
また、本発明は、上述した電池パックを含む電力記憶装置を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る電池パックは、特定の電池モジュールで発生された熱や火災の拡散を効果的に遮断することができ、自動車または電力貯蔵装置などに多様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来の電池パックの断面構造を図示した模式図である。
図2】リードアセンブリが締結される前の電池パックの上部を図示した斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電池パックの断面構造を図示した模式図である。
図4図3のA部分を示した拡大図である。
図5】本発明の別の一実施形態に係る電池パックの上部を図示したじゃしずであり、リードアセンブリが締結される前の様子を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明について詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲で使用された用語または単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は彼自身の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義し得るという原則に立脚して、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0027】
一実施形態において、本発明は電池パックに関するものであって、バーチカルビームによって分割された多数の区画を含み、かつ上部面が開放された構造の電池パック受容部と、上記パック受容部の分割された核区画に受容される電池モジュールと、上記電池パック受容部の上部面を覆い、かつバーチカルビームの上端に対応される領域にスリットが形成されたリードアセンブリと、上記リードアセンブリのスリットに挿入され、バーチカルビームの上端に装着される熱拡散防止部材を含む。
【0028】
電池パックは多数の電池モジュールを含む。電池パックは、バーチカルビームを通じて電池パック受容部の区画を分割する。しかし、バーチカルビームは、電池パック受容部の底面から一定の高さまでのみに、形成された構造である。また、上記バーチカルビルの上端には、一定の間隔で支持ボルトが形成され、リードアセンブリは上記支持ボルトによって支持される。したがって、バーチカルビームの上部とリードアセンブリの下部との間には、別途の隔壁が形成されない空の領域が形成される。これは、電池パックの組立工程の効率性及び維持補修の容易性などのためのものである。
【0029】
しかし、電池パックに受容された多数の電池モジュールのうちのいずれか一つの電池モジュールから発熱または火災が発生すると、上述したバーチカルビームの上部とリードアセンブリの下部との間の空き領域を通じて、隣接する他の電池モジュールに熱、あるいは火炎が伝達されながら、火災の範囲が広がり、爆発が発生し得る。具体的には、電池パック内のいずれか一つの電池モジュールが発火すると、電池モジュールの高電圧端子(HVターミナル)から吹き出る火炎(flame)によって隣接する他の電池モジュールが損傷され、これにより、急速に連鎖発火される現象が発生し得る。本発明では、上記バーチカルビームの上部とリードアセンブリの下部との間の空き領域を遮蔽する熱拡散防止部材を提供する。上記熱拡散防止部材は、電池モジュールを電池パックに受容する一次パッケージングを行った後、リードアセンブリに形成されたスリットを通じて装着することになる。したがって、上記熱拡散防止部材は、電池パックを製造するパッケージング工程の効率を阻害せず、必要に応じては脱着が可能である。
【0030】
一実施形態において、上記熱拡散防止部材は垂直方向ボディーと水平方向ボディーとを含む。具体的には、上記熱拡散防止部材は、バーチカルビームの上端に装着された垂直方向ボディーと、上記垂直方向ボディーの上端に形成され、リードアセンブリに形成されたスリットより広い面積に形成された水平方向ボディーとを含む。
【0031】
上記垂直方向ボディーは、バーチカルビームの上端に装着されて、熱拡散防止部材の下部を固定する役割を果たしながら、バーチカルビームの上部とリードアセンブリの下部との間を遮蔽することになる。また、上記水平方向ボディーは、熱拡散防止部材の上部を固定する役割を果たし、必要に応じてはリードアセンブリに形成されたスリットを遮蔽する役割を果たす。
【0032】
上記熱拡散防止部材において、垂直方向ボディーはバーチカルビームの上端に装着されながらバーチカルビームの上部とリードアセンブリの下部と間を連結する隔壁を形成し得るのであれば、その形状は特に限定されない。具体的な実施例で、上記熱拡散防止部材において、垂直方向ボディーは互いに平行な2個の板状部材を含み、上記2個の板状部材の間にバーチカルビームの上端が挿入された構造である。すなわち、垂直方向ボディーの一端部がバーチカルビームの上端に装着された構造である。
【0033】
また、板状部材はシート状であってもよい。このとき、上記垂直方向ボディーの一端部はバーチカルビームの上端に装着されることができ、他の一端部はスリットの間に挿入され得る。上記スリットの間に挿入された垂直方向ボディーの一端部は、リードアセンブリとの固定のために、スリットを通じてリードアセンブリの外側に延長された部分を折曲されてリードアセンブリ上に付着され得る。この場合、垂直方向ボディーは、スリットを覆う水平方向ボディーによって安定的にリードアセンブリに固定され得る。
【0034】
上記バーチカルビームの高さは、電池パック受容部に受容された電池モジュールの高さの50~80%の範囲にあり、上記熱拡散防止部材は、バーチカルビームの上端に装着された状態で、バーチカルビームの上端から延長されてリードアセンブリまでの離隔距離を遮蔽する構造である。すなわち、上記のように、モジュールの高電圧端子の間に熱拡散防止部材を装着することによって、火災発生時にモジュールから吹き出る火炎が他のモジュールに拡散されることを遮蔽し得る。
【0035】
一実施形態において、上記熱拡散防止部材はシリケート含有無機物から形成される。本発明では、上記熱拡散防止部材をシリケート含有無機物で形成することによって、難燃または不燃特性を付与し、火炎の拡散を遮断し得る。
【0036】
具体的な実施例において、上記熱拡散防止部材は、下記化学式1で表される成分から形成される。
【0037】
[化学式1]
4-620(OH、F)
上記化学式1において、
Xは、K、Na及びCaのうちの1種以上であり、
Yは、Al、Mg及び、Feのうちの1種以上であり、
Zは、Si及びAlのうちの1種以上である。
【0038】
より詳細には、上記熱拡散防止部材はマイカ(mica)シートであり得る。
【0039】
別の一実施形態において、上記電池モジュールは、電極タブが一方向に配向された複数の電池セルと、上記電池セルが受容されたモジュールフレームと、上記電極タブと電気的に連結され、モジュールフレームの外側に延長及び突出されたバスバーとを含む。具体的には、上記電池モジュールは電極リードをさらに含み、上記電極リードの一側端部は電極タブと接続し、他側端部はバスバーと接続する構造である。すなわち、電池セル内部の電極タブが連結された電極リードがバスバーを通じて電気的に連結される構造である。上記電極リードとバスバーは高電圧端子部を形成することになる。
【0040】
一実施形態において、上記バスバーは、モジュールフレームの上端に突出及び折曲された構造であり、上記電池モジュールは、電池モジュールの上端面とバスバーの屈曲された部位との間に位置するシリケート含有無機シートを含む。より具体的には、上記シリケート含有無機シートはマイカシートであり得る。
【0041】
具体的な実施例において、上記バスバーは隣接した電池モジュールの間を電気的に連結するインターバスバーである。すなわち、上記バスバーは、隣接した各電池モジュールフレームの上端に突出及び折曲されて連結された構造である。このとき、各電池モジュールの上端面とバスバーの屈曲された部位との間にそれぞれ位置するシリケート含有無機シートを含む。このとき、隣接した電池モジュールとは、バーチカルビームによって分割された区画のうち、同一の区画内で連続的に配置された一対の電池モジュールを意味する。
【0042】
本発明では、電池モジュールの上端面とバスバーの屈曲された部位との間に位置するシリケート含有無機シートを形成することによって、該当部位に静電気またはスパーク発生を防止する。これは、発火された電池モジュールから、モジュールフレームによって他の電池モジュールに印加される電位と、モジュール内部の二次電池から高電圧端子を通じてインターバスバーに印加される電位との間の電位差が大きいからであるが、電池モジュールの上端面と、バスバーの折曲された部位の間にシリケート含有無機シートを付着することによって、バスバーとモジュールケースとの間に絶縁性を確保し、電池モジュールの安全性を担保することができる。
【0043】
上記シリケート含有無機シートは、例えば、板状構造であり、バスバーを囲む形態であり得るが、具体的には、シートの一側に溝が形成されているか、或いはシートの中央に貫通ホールが形成された構造である。シリケート含有無機シートは、モジュールとバスバーの連結部位から、バスバーの周囲を包み込むように、バスバーが突出された部位に向かって、シリケート含有無機シートの溝を位置した状態で電池モジュール上に装着することによって、安定的な締結と効果的な絶縁範囲を具現し得る。
【0044】
また、本発明は、上述した電池パックを含む自動車を提供する。例えば、上記自動車はハイブリッドまたは電気自動車である。本発明に係る電池パックは、高出力を具現することによって、火災の発生まは拡散を効果的に遮断し得る。
【0045】
本発明は、上述した電池パックを含む電力貯蔵装置を提供する。大容量電力貯蔵装置の場合には、安定的な電力貯蔵性能のみならず、火災または爆発の危険性を低下させることができる安全装置が要求される。本発明に係る電池パックは、電池パックの性能を阻害することなく、火災の発生または拡散を効果的に遮断することができる。
【0046】
以下、図面等を通じて本発明をより詳細に説明する。
【0047】
[第1実施形態]
図3は、本発明の一実施形態に係る電池パックの断面構造を図示した模式図であり、図4は、図3のA部分を示した拡大図である。図3および図4を参照すると、本発明に係る電池パックは、バーチカルビーム120によって分割された多数の区画を含み、かつ上部面が開放された構造の電池パック受容部101と、上記電池パック受容部の分割された各区画に重要される電池モジュール110(a)、110(b)と、電池パック受容部の上部面を覆い、かつバーチカルビーム120の上端に対応される領域にスリット122が形成されたリードアセンブリ130と、上記リードアセンブリ130のスリット122に挿入され、バーチカルビーム120の上端に装着される熱拡散防止部材140とを含む。電池モジュール110(a)、110(b)の端部には、モジュールフレームの上端に突出および折曲されて連結された構造のバスバー112が形成されている。
【0048】
また、上記バーチカルビーム120の上端部は空き空間であり、一定間隔で支持ボルト121が形成されてリードアセンブリ130を支持することになる。上記熱拡散防止部材140は、バーチカルビーム120の上端に装着された状態で、バーチカルビーム120の上端から延長されてリードアセンブリ130までの離隔距離を遮蔽することになる。これにより、電池パック内のいずれか一つの電池モジュールが発火された場合、発火された電池モジュールのターミナル(terminal)から吹き出される火炎(flame)が他の電池モジュールの方に拡散しながら連鎖発火される現象を遮断することになる。
【0049】
上記熱拡散防止部材140は、バーチカルビームの上端に装着される垂直方向ボディー141および上記垂直方向ボディー141の上端に形成され、リードアセンブリ130に形成されたスリット122より広い面積で形成された水平方向ボディー142を含む構造である。上記垂直方向ボディー141は、バーチカルビーム120の上端に装着されて熱拡散防止部材の下部を固定する役割を果たしながら、バーチカルビーム120の上部とリードアセンブリ130の下部との間を遮蔽することになる。水平方向ボディー142は、スリットを覆うことによって、垂直方向ボディーを安定して固定させ、スリットから出る火炎を遮断することができる。上記熱拡散防止部材を形成する垂直方向ボディー141と水平方向ボディー142とは、マイカ(mica)シートで形成される。
【0050】
上記垂直方向ボディー141は、互いに平行な2個の板状部材を含み、上記2個の板状部材の間にバーチカルビーム120の上端が挿入された構造である。上記バーチカルビーム120の高さは、電池パック受容部に収容された電池モジュール110(a)、110(b)の高さの約70%のレベルである。垂直方向ボディー141は、バーチカルビーム120の上端から延長されてリードアセンブリ130までの離隔距離内に位置しながら、バーチカルビームを間に置いた状態で対向する電池モジュール110(a)、110(b)の間を遮蔽することになる。
【0051】
[第2実施形態]
図5は、本発明の一実施形態に係る電池パックの上部を図示したものであって、リードアセンブリが締結される前の電池パックの上部を図示した斜視図である。図5を参照すると、本発明に係る電池パックは、バーチカルビーム220によって区画された電池パック受容部内に電池モジュール210(a)、210(b)が収容された構造である。上記バーチカルビーム220の上端には、一定の間隔で支持ボルト221が形成される。また、各電池モジュール210(a)、210(b)の一側には、単位セルの電極タブが電気的に接続された電極リード211がバスバー212と電気的に連結された構造である。上記バスバー212は、電池モジュール210(a)、210(b)の上端に突出および折曲された構造である。電池モジュール210の上端面とバスバー212の屈曲された部位との間に位置するシリケート含有無機シート250が位置する。シリケート含有無機シート250は、具体的には、マイカ(mica)シートである。
【0052】
具体的には、上記バスバー212は、隣接した電池モジュール210(a)、210(b)間を電気的に連結するインターバスバーであり、上記バスバー212は電池モジュール210(a)、210(b)のフレーム上端面に突出および折曲されて連結された構造である。また、本発明は、電池モジュール210の上端面とバスバー212の折曲された部位との間にそれぞれ位置するシリケート含有無機シート250を含む。
【0053】
具体的には、シリケート含有無機シート250は、「コ」字の形態で掘られた溝が形成されており、上記溝にバスバー212の突出された部分が挿入され、バスバー212の周囲をシリケート含有無機シート250が囲んでいる形態である。シリケート含有無機シートにおいて、溝が形成されない領域は、モジュールフレーム上付着され得る。
【0054】
電池パックに受容された多数の電池モジュールのうちのいずれか一つの電池モジュールが発火される場合、発火された電池モジュールからモジュールフレームによって他の電池モジュールに印加される電位と、モジュール内部の二次電池から高電圧端子を通じてバスバーに印加される電位との間の電位差が大きい。そのため、これによる静電気およびスパークなどが発生する可能性がある。電池モジュールの上端面とバスバーの屈曲された部位との間にシリケート含有無機シートを付着することによって、バスバーとモジュールケースとの間に絶縁性を確保し、火災拡散を遮断することができ、電池モジュールの安全性を担保することができる。
【0055】
以上、図面などを通じて本発明をより詳細に説明した。しかし、本明細書に記載された図面又は実施形態などに記載された構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替しえる多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0056】
10、110(a)、110(b)、210(a)、210(b):電池モジュール
11、211:電極リード
21、121、221:支持ボルト
122:スリット
12、112、212:バスバー
20、120、220:バーチカルビーム
30、130:リードアセンブリ
140:熱拡散防止部材
141:垂直ボディー
142:水平ボディー
250:シリケート含有無機シート
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】