(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法および少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための装置を備えた圧延機
(51)【国際特許分類】
B21B 38/00 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
B21B38/00
B21B38/00 E
B21B38/00 D
B21B38/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022503890
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 DE2020100493
(87)【国際公開番号】W WO2021032233
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102019122129.3
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019122381.4
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019132389.4
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510320690
【氏名又は名称】エスエムエス グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ドウベ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ナルザク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヒンメル,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ジョブスト,アネット
(72)【発明者】
【氏名】ラドシュン,マリオ
(57)【要約】
本発明は、少なくとも2本のローラ(12)を圧延スタンド(11)上に備える圧延機(10)において、圧延ライン(13)に沿って圧延材(20)を圧延する際の、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法に関する。圧延材(20)は、圧延時、少なくとも1つの測定装置(31)を通り過ぎる、あるいは、通過し、該測定装置(31)は、圧延材(20)の長手方向延伸(21)に沿って、圧延材(20)の変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号(40)を出力する。(i)測定信号(40)は、周波数空間に伝達され、圧延パラメータは、周波数空間に伝達された測定信号(40)から検出される、および/または、(ii)圧延材のパラメータの変化における周波数(41)を、測定信号(40)から検出し、圧延パラメータを所定の周波数(41)に基づいて検出する、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本のローラ(12)を圧延スタンド(11)上に備える圧延機(10)における、圧延ライン(13)に沿って圧延材(20)を圧延する際の、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法であって、
前記圧延材(20)は、圧延時、少なくとも1つの測定装置(31)を通り過ぎる、あるいは、通過し、
前記測定装置(31)は、前記圧延材(20)の長手方向延伸(21)に沿って、前記圧延材(20)の変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号(40)を出力し、
(i)前記測定信号(40)は、周波数空間に伝達され、前記圧延パラメータは、前記周波数空間に伝達された前記測定信号(40)から検出される、および/または、
(ii)前記圧延材のパラメータの変化における周波数(41)を、前記測定信号(40)から検出し、前記圧延パラメータを所定の前記周波数(41)に基づいて検出する、ことを特徴とする、検出方法。
【請求項2】
前記圧延パラメータの検出において、さらに、前記ローラのうち少なくとも1つの周速、回転数、および/または、圧延速度、あるいは、比例するパラメータが使用される、ことを特徴とする、請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記圧延スタンド(11)における、前記ローラ(12)のうち少なくとも1つは、所定の前記周波数(41)および/または検出された前記圧延パラメータによって制御され、必要であれば、前記ローラ(12)のうち少なくとも1つの周速、回転数、および/または、圧延速度、あるいは、比例するパラメータによって制御される、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の検出方法。
【請求項4】
圧延スタンド(11)上に配置され、圧延ライン(13)に沿って圧延材(20)を圧延するための少なくとも2本のローラ(12)と、
少なくとも1つの圧延パラメータをオンライン検出するための検出装置(30)と、
を備え、
前記検出装置(30)は、少なくとも1つの測定装置(31)を備え、該測定装置は、前記圧延ライン(13)上に配置され、前記圧延材(20)の前記長手方向延伸(21)に沿って、該圧延材の、変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号(40)を出力可能であり、
前記検出装置(30)は、周波数分析のための手段(32)を備える、ことを特徴とする、圧延機(10)。
【請求項5】
前記ローラ(12)のうち少なくとも1つを制御する制御装置(15)は、前記検出装置(30)に接続される、ことを特徴とする、請求項4に記載の圧延機(10)。
【請求項6】
前記制御装置(15)および前記検出装置(30)、制御ループ内で互いに接続される、ことを特徴とする、請求項5に記載の圧延機(10)。
【請求項7】
少なくとも圧延時において、前記測定装置(31)は、前記圧延機(10)に対して静止する、ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【請求項8】
前記測定装置(31)は、前記圧延ライン(13)に垂直に、前記圧延材(20)の円周全体を、積分的および/または平均的に測定し、好ましくは、渦電流センサおよび/またはインピーダンス測定器を備える、ことを特徴とする、請求項1乃至3および7のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【請求項9】
少なくとも2つの測定装置(13)が、好ましくは、それぞれが前記圧延スタンド(11)の前後に配置され、前記圧延ライン(13)に沿って配置されている、ことを特徴とする、請求項1乃至3、7、および8のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至8のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【請求項10】
前記圧延材(20)が棒状あるいは管状、および/または金属製である、ことを特徴とする、請求項1乃至3および7乃至9のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至9のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延機において、圧延材の圧延ラインに沿って圧延材を圧延する際の、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法に関する。圧延機は、少なくとも2本のローラを圧延スタンド上に備える。圧延材は、圧延時、少なくとも1つの測定装置に案内され、あるいは、通過し、測定装置は、圧延材の長手方向延伸に沿って、変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号を出力する。本発明はまた、圧延スタンド上に少なくとも2本のローラを備え、圧延ラインに沿って圧延材を圧延する圧縮機と、少なくとも1つの圧延パラメータをオンライン検出するための装置と、に関する。ここで、検出装置は、圧延ライン上に配置された、少なくとも1つの測定装置を備え、測定装置は、圧延材の長手方向延伸に沿って、圧延材の、変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号を出力する。
【背景技術】
【0002】
基本的に、圧延機で圧延する際、例えば、金属シート、厚板、ブロック、中空ブロック、中空の棒、ワイヤ、あるいは管といった圧延材は、少なくとも1つの圧延スタンドを通り過ぎる、あるいは、通過する。圧延機は、少なくとも2本のローラを備え、通り過ぎる、あるいは、通過する圧延材に適宜作用する。特定の圧延機においては、圧延スタンドは、2本より多い本数のローラを支持できることが知られ、全てのローラが圧延材を形成する役割を担っているわけではない。少なくとも2本のローラが、圧延材の形成に利用されていればよく、その他のローラは、圧延材を推進または案内するよう、作用すればよい。したがって、特に、複数の圧延スタンドが設けられていてもよく、ここで、各圧延スタンドは、特定の機能を有し、対応するローラを支持可能となっている。
【0003】
基本的に、圧延材は、通常、比較的高い温度でしか充分に形を変えることができないため、圧延は、比較的、好ましいとは言えない環境条件において実施される。こうした圧延機の周辺では、水垢、埃、蒸気といったものが大量に存在する。その結果、特に、圧延材は、通常、比較的速いスピードで、圧延ラインに沿って圧延スタンドに案内され、あるいは、通過することも相まって、圧縮工程をオンラインで監視することは、比較的難易度が高いものであった。このため、検出の結果をオンラインで確認をする場合は、対応する測定結果を、比較的短いタイムスパンで提供する必要があった。
【0004】
例えば、既知のものとして、特許文献1の測定装置がある。該装置では、その構造と冷却機能により、圧延材の長手方向延伸に沿って変化する、あるいは、高温、水垢、埃といった好ましくない環境条件下で変化する、圧延材の圧延材パラメータを測定することができる。なお、先行技術には、圧延材の長手方向延伸に沿って、圧延材変数を測定するその他のアプローチが存在する。
【0005】
特に、非特許文献1、非特許文献2、および非特許文献3は、インピーダンスセンサを開示している。当該センサにより、パラメータである、圧延材の断面積の変化を、圧延材の長手方向延伸に沿って測定することができる。また、非特許文献4では、圧延溝を残す場合における、圧延材の周辺歳差のオフライン測定について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015119548号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J. Weidemuller, “Optimization of Encircling Eddy Current Sensors for Online Monitoring of Hot Rolled Round Steel Bars”, 2014年,ISBN 9783844027945
【非特許文献2】SMS group株式会社,ニュースレター“Das Magazin”,デュッセルドルフ,2016年2月
【非特許文献3】M. Radschun, A. Jobst, O. Kanoun, J. Himmel, “Non-contacting Velocity Measurements of Hot Rod and Wire Using Eddy-Current Sensors”, 2019 IEEE Workshop, ミュールハイム・アン・デア・ルール,2019年
【非特許文献4】R. Hinkforth, “Bulk forming process”, Wissenschaftsverlag Mainz, アーヘン,2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、少なくとも1つの圧延パラメータをオンライン検出するための方法と、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出する装置であって、圧延パラメータを、比較的容易かつ確実にオンラインで提供可能な装置を備える圧延機と、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、独立項に記載の特徴を有する、少なくとも1つの圧延パラメータをオンライン検出するための方法と、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出する装置を備える圧延機と、によって達成される。さらに、必要であれば、上記に加え、従属項および以下の説明に好ましい実施形態を示す。
【0010】
よって、少なくとも2本のローラを圧延スタンド上に備える圧延機において、圧延ラインに沿って圧延材を圧延する際の、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法であって、ここで、圧延材は、圧延時、少なくとも1つの測定装置を通り過ぎる、あるいは、必要であれば、通過し、測定装置は、圧延材の長手方向延伸に沿って、圧延材の、変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号を出力する。該方法は、測定信号が周波数空間に伝達され、周波数空間に伝達された測定信号から圧延パラメータが検出されることを特徴とする。これにより、比較的容易かつ確実に、圧延パラメータがオンラインで確認できるようになる。
【0011】
その長手方向延伸に沿って変化する圧延材パラメータを有する圧延材が、測定装置を通過すると、測定信号が圧延材パラメータの変化に合わせて、追従する。測定信号が周波数空間に伝達されることにより、容易かつ比較的確実性の高い測定信号の周波数分析が行われる。この周波数分析、または、周波数空間に伝達された測定信号に基づいて、圧延パラメータが検出できる。必要であれば、その長手方向延伸に沿って、圧延材が均一に形成されることが理想ではあるものの、こうした均一性からの逸脱を検出し、圧延パラメータの決定に利用できるという前提に立ってもよい。これは、特に、回転や旋回による特定の均整によって、ローラが圧延材に作用することが推察される場合に、適用される。ローラの対応する真円度またはその他の指標は、それに合致した変動する測定信号を必要とする。ここで、周波数空間において、特定のローラ、または、これらローラを支持する圧延スタンドに割り当てられる個々の周波数が生成される。こうした割当は、周波数空間において、比較的容易かつ確実に実行される。これにより、割当後、圧延パラメータも、比較的容易かつ確実に、オンラインで提供されることとなる。
【0012】
特に、周波数空間に伝達された測定信号の、顕著な周波数ピークは、測定信号を発出する測定装置の前面に直接配置される圧延スタンドの複数のローラのうちの一つの作用によって、生成されることが判明した。これは、例えば、ローラの自己弾性、低い真円度、最小誤差のみならず、圧延スタンドの固有振動数や、その他の影響によるものである。
【0013】
なお、ユニットとして、周波数を有する空間であれば、任意に、周波数空間として使用することができる。この周波数空間には、経時的に記録される測定信号、つまり、周期内で初期に記録される測定信号が、充分に確実に、そして、充分な速度で伝達される。特に、ここでは、フーリエ変換による伝達が推奨される。非常に高い周波数および非常に低い周波数のどちらも、関連するアサーションを形成することは期待されないため、周波数空間を一つに定めることは理にかなっている。周期内の測定信号を周波数空間に伝達可能な、素早いフーリエ変換または類似の変換は、この点において、さらなる手間をかけることなく、利用することができる。
【0014】
比較的容易かつ確実に、オンラインで圧延パラメータを得るために、少なくとも2本のローラを圧延スタンド上に備える圧延機において、圧延ラインに沿って圧延材を圧延する際の、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法が提供される。圧延材は、圧延時、少なくとも1つの測定装置を通り過ぎる、あるいは、通過し、測定装置は、圧延材の長手方向延伸に沿って、圧延材の変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号を出力する。これに追加、あるいは代替のかたちで、パラメータの変化における周波数を測定信号から検出し、圧延パラメータが、所定の周波数に基づいて検出されることを特徴とする。
【0015】
測定信号から決定するために、上述したように、パラメータの変化における周波数、例えば、周波数空間への伝達が行われる。これは、比較的容易かつ確実に実施することができる。一方、特に、特定の周波数を探索するために、適切なフィルタを用いることも検討される。これにより、より速い周波数検出が可能になる。従って、周波数検出において、適切なものであれば、いかなる方法も使用されることが理解される。これにより、ここで顕著となった周波数を測定信号から検出することが可能となる。
【0016】
これに追加、あるいは代替のかたちで、圧延機は、圧延ラインに沿って圧延材を圧延する圧延スタンド上に少なくとも2本のローラと、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための装置と、を備えるため、圧延パラメータが、オンラインで比較的容易かつ確実に提供される。ここで、検出装置は、圧延ライン上に配置された、少なくとも1つの測定装置を備え、測定装置は、圧延材の長手方向延伸に沿って変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号を出力可能である。これに追加、あるいは代替のかたちで、検出装置が周波数分析手段を備えることを特徴とする。
【0017】
上述のように、周波数分析によって、つまり、周波数分析手段によって、圧延材パラメータの変化における周波数を、測定信号から、比較的容易かつ確実に検出することができる。したがって、これにより、所定の周波数に基づいて、検出対象の圧延パラメータを、比較的容易かつ確実に検出することができる。上述のように、特に、フィルタやその他の適切な周波数分析手段により、周波数検出が実行できる。特に、周波数分析手段は、測定信号の周波数空間への伝達を実現し、これにより、周波数空間に伝達された測定信号から、圧延パラメータを決定することができる。
【0018】
圧延パラメータの検出には、少なくとも1つのローラの周速、回転周波数、および/または、圧延速度を追加で利用してもよい。これにより、測定信号の評価を、他の圧延パラメータと比較することができる。検出対象の圧延パラメータの取得が困難である場合に、これら他の圧延パラメータは、検出対象の圧延パラメータをオンラインで決定することができるよう、比較的正確な値で取得可能となっている。なお、必要であれば、周速、回転数、および/または、圧延速度については、それらの比例する変数を用いて、検出対象の圧延パラメータを決定してもよい。ここで、一般的に、変換定数をどのように決定するかが焦点になってくる。変換定数の決定により、測定信号を互いに割り当て、それぞれの圧延パラメータの決定を可能にする。
【0019】
ローラの周速は、下記式(数1)によって、比較的平易に表すことができる。
【0020】
【0021】
ここで、周波数空間へ伝達し、frollを回転数frollで、またその逆を表すことができる。ローラの圧延速度に関しても同様であるが、計測学的観点からすると、直接検出するのは困難である。しかしながら、ローラに作用する圧力等のその他圧延パラメータ、任意の方法で計測された圧延溝、およびローラの調節位置を利用することで、所望の圧延パラメータの検出が可能であることは理解されるであろう。
【0022】
圧延工程の設計によって、圧延材料は、圧延時、その長手方向延伸に沿って動かすことができる。この結果、圧延スタンドの背後にある、変形される圧延材は、対応する圧延スタンドのローラの周速または圧延速度よりも速い圧延材速度で、移動する。この、「周辺歳差Κf」と呼ばれる効果は、対応する回転または対応するローラの周速vrollおよび連動した圧延スタンドの背面にある圧延材の圧延材速度vrod。に関連する。
【0023】
【0024】
周辺歳差Κfが通常、正になるよう、圧延材の圧延材速度vrodが、対応するローラの周速vrollよりも速いことが考慮され、周波数空間へ伝達可能となる。
【0025】
【0026】
ここで、圧延材の圧延材速度vrodに割り当てられる、圧延材の断面積の変化における周波数が、ローラの巻き戻しの周波数 froll、つまり、周速vrollよりも低いため、因数-1が考慮されていなければならない。そうでない場合、周辺歳差Κfは負の数となる。稀ではあるが、周辺歳差Κfが負の数である場合もある。しかし、式(2)および式(3)内の比を正しく捉えるため、依然として、因子(-1)が考慮される。
【0027】
周辺歳差Κfの式より、以下(数4)が導かれる。
【0028】
【0029】
圧延スタンドの背面にある圧延材の圧延材速度vrodは、測定信号から検出された周波数 froll、または、周波数空間に伝達された測定信号に基づいて、決定される。
【0030】
したがって、周辺歳差Κfは、圧延パラメータとして、オンラインで直接検出されることも理解されるであろう。
【0031】
この目的において、さらなる圧延パラメータとして、または、さらなる測定信号として、周速vrollまたは回転数froll、あるいは、必要であれば、圧延速度のみが検出される。こうした検出は、先行技術で既知のもののみで充分である。
【0032】
したがって、周辺歳差Κfと、圧延スタンドの背面の圧延材、複数の圧延スタンドが使用されている場合は、各圧延スタンドの背面の圧延材の圧延材速度vrodと、の両方を検出することができる。しかしながら、張力変化もまたオンラインで検出される。さらに、摩擦係数および/または中立点の変化もオンラインで決定されることが考えられる。これらの変数はすべて、現状、オフラインでのみ取得可能であり、したがって、当然、圧延スタンド間での取得は不可能である。
【0033】
なお、特に、圧延材の長手方向延伸に沿って、変化する圧延材パラメータを測定することで、特に、複数のローラのうちの1つの周期性および対応する測定信号の周波数空間への伝達において、圧延材に導入する場合、対応する測定信号の周波数分析、および/または、測定信号からの圧延材パラメータに特有の周波数の検出により、さらに、圧延工程の、オンラインあるいは現場での診断における新局面を可能にする。特に、この診断は、容易かつ確実に、さらに、適切な実施形態においては、非常に素早く、実行可能であり、そのため、オンラインまたは現場で結果を利用し、圧延工程を結果に応じて制御・規制することができる。
【0034】
先行技術において、圧延機内の少なくとも1つのローラを、制御装置を介して制御することが充分に知られている。例えば、ロール調節によって、ローラが、圧延ラインに向かって、あるいは、圧延ラインから離間するように調節されることで、圧延溝に影響することなどが挙げられる。こうした調節は、例えば、特定の力を掛けることにより、または、対応するローラの位置合わせにより、実現可能である。同様に、制御装置により、ローラが駆動され、それにより、周速、回転周波数、または圧延速度が調節される。この場合、制御装置は、特に、圧延材と連動したローラの挙動を変更する、好ましくは、特定の変更を実施する圧延機の手段や装置を備える。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つのローラに対する制御装置は、検出装置と連動しており、これにより、検出された圧延パラメータおよび/または所定の周波数を、制御装置の制御パラメータとして利用できる。ここで、必要であれば、周速、回転数、および/または、圧延速度、または、その他の圧延パラメータ同様、比例するパラメータも、この制御において、利用できることが理解される。
【0036】
特に、制御装置および検出装置が互いに制御ループ内で接続されていることが好ましく、これにより、対応するローラの制御を、制御ループを介して実行することができる。該ループは、検出装置の測定および/または検出された圧延パラメータを適宜利用して、制御を行う。
【0037】
なお、必要であれば、対応する圧延機の、複数、または、全てのローラを、適宜制御・規制することも可能となる。
【0038】
好ましくは、少なくとも圧延時において、測定装置は、圧延機に対して、静止状態で配置される。これにより、圧延材は、測定装置を通り過ぎる、あるいは、通過するよう案内され、比較的素早くかつ比較的正確な測定値が記録できる。さらに、予想通り、確実な測定値が得られるため、それぞれの圧延パラメータも、オンラインで、比較的容易かつ確実に取得することができる。
【0039】
これに追加、あるいは代替のかたちで、測定装置は、圧延ラインに垂直に、圧延材の円周全体を、積分的および/または平均的に測定することが好ましい。これにより、空間分解能を省いたとしても、比較的素早くかつ確実な測定が可能になり、圧延材の円周全体を測定できる。
【0040】
特に、上述の周波数分析、測定信号の周波数空間への伝達、または、測定信号からの周波数検出により、こうした積分的または平均的測定が、2本のローラのうち1本、または、圧延スタンドの全てのローラに影響を与えることができるようになる。また、さらなる分析を行う場合は、後続の圧延スタンドあるいは上流の圧延機のローラにも影響を与えることができ、圧延材に作用する他の装置にも影響することができる。これにより、検出対象の圧延パラメータを適宜決定でき、また、より正確に検出することができる。
【0041】
測定装置は、特に、渦電流センサおよび/またはインピーダンス測定器を備えていてもよい。こうしたものによる測定方法は、好ましいとは言えない環境下の使用にも、特に適しているためであり、圧延機でよく見られるものである。なお、他の測定装置を、追加的あるいは代替的に、使用することができる。これにより、検出対象の圧延パラメータを最終的に検出することができ、圧延パラメータの検出において、測定対象の圧延材パラメータを一つに決定する。
【0042】
特に、インピーダンス測定では、圧延材の長手方向延伸に垂直な平面状に圧延材を取り囲むコイルの形状で測定が行われ、これにより、積分的および/または平均的に、圧延材の円周における測定結果を直接取得することができる。そのため、インピーダンス測定は、有利であることが証明された。さらに、こうしたインピーダンス測定は、高温、大量の水垢、大量の埃や、大量の蒸気等の、好ましくない状況下にあっても、また、空間がかなり制限されている場合であっても、ローラに近接して、または、圧延スタンド間で実施することが可能である。
【0043】
好ましくは、少なくとも2つの測定装置を、圧延ラインに沿って配置し、より正確な測定結果を得る。特に、測定装置の一つを、圧延スタンドの前、もう一つの測定装置を圧延スタンドの背後に配置することが検討される。これにより、圧延材の長手方向延伸に沿って変化する圧延材パラメータを、上流の圧延スタンドおよび下流の圧延スタンドで測定することができる。比較が可能になるため、対応する圧延パラメータをより正確に検知することが可能になる。
【0044】
なお、特定の必須条件によっては、圧延ラインに複数の圧延スタンドがある場合など、圧延スタンド間に適した測定装置を設けることとする。充分であれば、1つの測定装置を、圧延ラインの終端のみに設けることも検討される。
【0045】
特定の必須条件によっては、上述の測定や、上述した特定の周波数分析、上述の測定信号の周波数空間への伝達、または、上述の測定信号からの周波数検出は、非特許文献3で説明したような、周期内の関連した測定結果といった、さらなる検出結果や、その他の測定結果やそこから検出された圧延パラメータとともに利用されてもよい。これにより、圧延工程における状況をさらに決定でき、圧延パラメータをさらに決定できる。こうしたさらなる検出結果や圧延パラメータは、周波数空間では取得できず、周波数空間に伝達されるのみであることが検討される。また、上述の周波数分析、上述の測定信号の周波数空間への伝達、または上述の測定信号からの周波数検出によって検出された圧延パラメータは、さらに処理されるが、その前に、これらのパラメータは、周波数空間から周期に戻され、そこでさらなる処理を行うことが検討される。
【0046】
特に、複数の測定装置を、例えば、圧延スタンド間で、あるいは圧延スタンドの前後で使用する場合、周波数空間の、または周波数分析後のそれぞれの測定信号を関連付けることが検討され得る。また、上述の周波数検出による測定信号を、対応する検出周波数と関連付けることが検討される。こうした関連付けにより、圧延工程に関するさらなる情報を取得することができる。つまり、1つの、または、複数のさらなる圧延パラメータを決定することができる。
【0047】
この場合では、圧延材が棒状、ワイヤ状、あるいは管状であることが好ましい。圧延材をこうした形状から選択すれば、圧延材の円周にわたって、平易な構造で、かつ、積分的および/または平均的に、測定を実施することができる。例えば、インピーダンス測定、または、類似の積分的または平均的測定が実施される場合、棒状、ワイヤ状、あるいは管状の断面形状が正確であることは、ここでは必須とされない。さらに、一般的に、棒や管が圧延工程の処理対象となることが多く、ここにおいて、本発明は、その有効性を発揮できる。特に、圧延材や、厚板、インゴット、中空ブロック、中空形状を有するものといった半製品の大きさが大きければ大きいほど、それに合わせた圧延、および圧延材変数に対する測定が行われる。
【0048】
一方、関連した測定装置が適切に選択されれば、シート状や短冊状の、平面状の材料も、圧延材として利用できることが理解される。
【0049】
好ましくは、圧延材は金属製である。特に、金属製の圧延材に対し、対応する圧延工程は、非常に好ましくない環境条件下によって行われることが多い。ここにおいて、特に、ローラの制御または制御ループにおける制御で利用され得る、取得が困難な圧延パラメータであっても、検出が可能となる。しかしながら、特に、圧延材が金属製であることによって、例えば、圧延ライン上に配置された圧延材を囲むコイルにより、インピーダンスや渦電流測定が可能となる。
【0050】
なお、本例において、周波数分析、特に、周波数空間において、および/または、周波数の検出時において、測定された圧延材パラメータは、好ましくは、ローラの回転に対応した周波数とともに圧延材に導入される。こうすることにより、加工製品に導入される圧延材変数、例えば、加工製品の固有振動数と比較して、例えば、対応する圧延材変数の周波数が、より高くなる。これらの数値は、上述した装置や方法によって検出可能であるが、自然回転数は、それ自体が圧延材パラメータを表すわけではなく、圧延材の長手方向延伸において変化し得る。
【0051】
上述のように、圧延工程、特に、ローラによって大きく影響を受けるものであれば、圧延材の圧延材パラメータのうち、任意の対応するものを、圧延材の長手方向延伸に沿って変化する圧延材の圧延材パラメータとして利用してもよい。特に、圧延材の長手方向延伸に沿った圧延材変数の変動の場合を考える。ここで、圧延材変数の変動は、連動したローラによる圧延材の圧延工程によって直接引き起こされる圧延材の周期的変化によるものであって、少なくとも1つのローラで圧延材を圧延することで圧延材に導入される。こうした周期的変化は、例えば、ローラのエラー、不完全な真円度、それぞれのローラまたは連動した圧延スタンドの固有振動数または残留応力が原因となって、引き起こされる。
【0052】
上記の問題解決のための手段、または、下記の請求項に記載の特徴は、利点を累積的に実装できるようにするため、必要に応じて組み合わせることが可能であることが理解されるであろう。
【0053】
図面を参照しながら、下記実施の形態の説明をもとに、本発明のさらなる利点、目的、および特徴について明らかにする。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図4】
図4は、
図1乃至
図3の圧延機の測定装置によって記録され得る、棒状圧延材の周波数スペクトルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1乃至
図3に示す圧延機10は、ローラ12を支持する圧延スタンド11を備え、圧延材20を、圧延ライン13に沿って、圧延方向14に圧延可能である。
【0056】
ここで、
図1の圧延機10は、このような圧延スタンド11を1つ備えている一方で、
図2および
図3の圧延機10は、圧延スタンド11を5つ備えている。他の実施形態において、設けられる圧延スタンド11の個数は、上記以外であってもよい。ここで、圧延スタンド11間の距離、圧延スタンド11をそれぞれ支持するローラ12の数、圧延ライン13周辺における配置等は、特定の圧延機10にあわせて、様々に選択され得る。
【0057】
本実施形態の圧延機10は、圧延スタンド11が保持されるスタンド16を備える。なお、特定の圧延機10によっては、スタンド16は、圧延スタンドガード、フレーム等といった構造として設計され得る。
【0058】
圧延スタンド11それぞれにおいて、圧延機10は、ローラ12を制御可能な制御装置15を備える。本実施形態において、制御装置15はそれぞれ、ローラ12を圧延ライン13に対して垂直に調節可能な調節手段を備えており、これにより、特定の圧延溝または特定の圧延材20にローラが適用される。さらに、制御装置15はまた、ローラ2用の駆動を備え、これにより、圧延機10内で、圧延ライン13に沿って、圧延方向14に、圧延材20を移動させることができる。
【0059】
なお、特定の実施形態によっては、同様の圧延機10はまた、例えば、一部のローラ12や、ブレーキ、冷却、ヒーターといった、圧延工程に影響する部材に有効な制御装置15を備えていてもよい。特に、全てのローラ12が駆動されなくてもよく、該当する箇所においてのみ、ローラ12を駆動することも考えらえる。
【0060】
圧延機10は、それぞれ、長手方向延伸21に延伸する圧延材20を想定して設計され、圧延材20は、基本的に、圧延ライン13と平行に揃えられる。特定の圧延工程において、圧延ライン13上で、圧延材20の長手方向延伸21が可能な限り揃えられる。しかしながら、ここにおいて、回避し難い公差や、場合によって、圧延材20の断面によって、小さなずれを完全に防ぐことはできない。
【0061】
シート状や短冊状の圧延材20に対し、圧延機10を扱うことは容易だが、今回、圧延機10は、棒状、ワイヤ状、あるいは管状の圧延材20を想定して設計されている。
【0062】
圧延機10は、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための検出装置を備える。
【0063】
この場合、検出装置は、圧延スタンド11の後ろに設けられた、少なくとも1つの測定装置31を備える。一例として、
図3に示す圧延機10の場合、測定装置31は、圧延方向14における、第1圧延スタンド11の前側にも設けられている。
【0064】
測定装置31は、圧延材20の長手方向延伸21に沿って、圧延材20の、変化する圧延材パラメータに関与し、対応する測定信号40を出力するよう、設計されている。
【0065】
本実施形態において、測定装置31によって、詳細には、圧延ライン13に対して垂直に揃えられたコイルによって、インピーダンス測定が行われる。このコイルは、圧延ライン13に、圧延ライン13に沿って圧延材20が延在している場合は、圧延材に巻き回されている。その結果、インピーダンス測定を実施でき、ひいては、圧延材20の断面積を直接的に測定できる。これにより、本実施形態において、各測定装置31が通過する際の、あるいは、各測定装置31を測定する際の、圧延材20の断面積の変化は、検出対象の圧延パラメータを示す。断面積の変化において、圧延材20に作用し得るローラ12や、その他の部材の影響が、圧延材20の長手方向延伸21を通して、パラメータにあらわれる。
【0066】
なお、上記とは異なる圧延材20の場合、他の圧延材変数と関連付けてもよく、また、異なる設計を有する測定装置31が使用されてもよい。
【0067】
検出装置30の周波数分析手段32によって、例えば、
図4に示されるような、周波数空間に伝達される、対応する測定信号40から、圧延材のパラメータ変化、つまり断面図変化に特有の、特定の周波数41が検出される。
図4に明確に示されるこの周波数を使用して、対応するローラ12が周速v
rollである、各圧延スタンド11に対して、式(8)で表される、圧延材20の圧延パラメータである圧延材速度v
rod、または、式(3)で表される、圧延パラメータである周辺歳差Κ
fを決定することができる。ここで、対応するローラ12は、各測定装置31の上流にあり、あるいは、式(1)を考慮しながら、その回転数f
rollが測定される。必要であれば、張力変化や摩擦係数、および中立点の変化を、適宜オンラインで検出してもよい。
【0068】
なお、他の実施形態において、測定信号40のさらに詳細な分析を行ってもよく、これにより、他の圧延パラメータをさらに決定してもよい。この目的において、必要であれば、複数の測定装置や、他の測定装置を設けてもよい。
【0069】
図2の実施形態では、各演算部33を接続するバス34が設けることで、測定装置31の測定信号40をさらに利用することが考えられ、各圧延スタンド11の周波数分析手段32および制御装置15への出力部が、それぞれ変換される。その結果、特に、測定装置31の測定信号40、または演算部33が検出した圧延パラメータを、他の演算部33も利用可能なものにできる。
【0070】
図3に示す実施形態では、中央演算部33が機能することで、信号を制御装置15に送信する。一方、中央周波数分析手段32は、演算部33とは別体として形成され、適宜、測定装置31の全ての測定信号を分析する。
【0071】
なお、他の実施形態では、各測定装置31が、対応する周波数分析手段32および演算部33を利用可能な状態であることのみが必須であり、バス34、演算部33、および周波数分析手段32といった組み合わせは、任意に変更である。
【0072】
なお、演算部33の特定の実施形態によっては、特段の手間をかけずに、周波数分析手段32を備えることが検討される。また、別体の演算部が周波数分析手段32を備えていてもよい。演算部33によって、あるいは、他箇所で重複して、あるいは追加して使用される演算部33によって、各演算部33から、制御装置15または複数の制御装置15への信号送信を行ってもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 圧延機
11 圧延スタンド
12 ローラ
13 圧延ライン
14 圧延方向
15 制御装置
16 圧延機10のスタンド
20 圧延材
21 圧延材20の長手方向延伸
30 検出装置
31 測定装置
32 周波数分析手段
33 演算部
34 バス
40 測定信号
41 所定の周波数
【手続補正書】
【提出日】2020-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本のローラ(12)を圧延スタンド(11)上に備える圧延機(10)における、圧延ライン(13)に沿って圧延材(20)を圧延する際の、少なくとも1つの圧延パラメータのオンライン検出のための方法であって、
前記圧延材(20)は、棒状あるいは管状であり、
前記圧延材(20)は、圧延時、少なくとも1つの測定装置(31)を通り過ぎる、あるいは、通過し、
前記測定装置(31)は、前記圧延材(20)の長手方向延伸(21)に沿って、前記圧延材(20)の変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号(40)を出力し、
前記測定装置(31)は、前記圧延ライン(13)に垂直に、前記圧延材(20)の円周全体を、積分的および/または平均的に測定し、
(i)前記測定信号(40)は、周波数空間に伝達され、前記圧延パラメータは、前記周波数空間に伝達された前記測定信号(40)から検出される、および/または、
(ii)前記圧延材のパラメータの変化における周波数(41)を、前記測定信号(40)から検出し、前記圧延パラメータを所定の前記周波数(41)に基づいて検出する、ことを特徴とする、検出方法。
【請求項2】
前記圧延パラメータの検出において、さらに、前記ローラのうち少なくとも1つの周速、回転数、および/または、圧延速度、あるいは、比例するパラメータが使用される、ことを特徴とする、請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記圧延スタンド(11)における、前記ローラ(12)のうち少なくとも1つは、所定の前記周波数(41)および/または検出された前記圧延パラメータによって制御され、必要であれば、前記ローラ(12)のうち少なくとも1つの周速、回転数、および/または、圧延速度、あるいは、比例するパラメータによって制御される、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の検出方法。
【請求項4】
圧延スタンド(11)上に配置され、圧延ライン(13)に沿って圧延材(20)を圧延するための少なくとも2本のローラ(12)と、
少なくとも1つの圧延パラメータをオンライン検出するための検出装置(30)と、
を備え、
前記圧延材(20)は、棒状あるいは管状であり、
前記検出装置(30)は、少なくとも1つの測定装置(31)を備え、該測定装置は、前記圧延ライン(13)上に配置され、前記圧延材(20)の前記長手方向延伸(21)に沿って、該圧延材の、変化する圧延材パラメータに作用し、測定信号(40)を出力可能であり、
前記測定装置(31)は、前記圧延ライン(13)に垂直に、前記圧延材(20)の円周全体を、積分的および/または平均的に測定し、
前記検出装置(30)は、周波数分析のための手段(32)を備える、ことを特徴とする、圧延機(10)。
【請求項5】
前記ローラ(12)のうち少なくとも1つを制御する制御装置(15)は、前記検出装置(30)に接続される、ことを特徴とする、請求項4に記載の圧延機(10)。
【請求項6】
前記制御装置(15)および前記検出装置(30)、制御ループ内で互いに接続される、ことを特徴とする、請求項5に記載の圧延機(10)。
【請求項7】
少なくとも圧延時において、前記測定装置(31)は、前記圧延機(10)に対して静止する、ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【請求項8】
前記測定装置(31)は
、渦電流センサおよび/またはインピーダンス測定器を備える、ことを特徴とする、請求項1乃至3および7のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【請求項9】
少なくとも2つの測定装置(13)が、好ましくは、それぞれが前記圧延スタンド(11)の前後に配置され、前記圧延ライン(13)に沿って配置されている、ことを特徴とする、請求項1乃至3、7、および8のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至8のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【請求項10】
前記圧延材(20)
は、金属製である、ことを特徴とする、請求項1乃至3および7乃至9のいずれか一項に記載の検出方法、または、請求項4乃至9のいずれか一項に記載の圧延機(10)。
【国際調査報告】