(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】エアロゾル生成システム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20221012BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20221012BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505630
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 KR2021009205
(87)【国際公開番号】W WO2022015111
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0088466
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、ギョウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミン セオク
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ジョン セオン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン チュル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD20
(57)【要約】
エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成装置に収容されるシガレットの互いに異なる部分を加熱し、互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタ、サセプタを加熱するコイル、コイルと連結された複数のキャパシタ、及びキャパシタのうち、コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定し、組合わせによってコイルに電流を印加することで、組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを加熱させるプロセッサを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成システムにおいて、
エアロゾル生成装置に収容されるシガレットの互いに異なる部分を加熱し、互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタと、
前記複数のサセプタを加熱するコイルと、
前記コイルと連結された複数のキャパシタと、
前記複数のキャパシタのうち、前記コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定し、前記組合わせによって前記コイルに電流を印加することで、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを加熱させるプロセッサと、を含む、エアロゾル生成システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記組合わせによる共振周波数を有する電流を前記コイルに印加する、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
1回の喫煙動作に対応する時間内で、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを既設定の時間ほど加熱させた後、前記組合わせを変更することで、前記変更された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを残余時間だけ加熱させる、請求項1または2に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記組合わせによる共振周波数に対応しない少なくとも1つのサセプタを前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタよりも低い温度に加熱させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項5】
前記サセプタは、前記エアロゾル生成装置に収容されるシガレットの長手方向に沿って前記エアロゾル生成装置または前記シガレットに配置され、
前記コイルは、前記サセプタを取り囲む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項6】
前記キャパシタは、
互いに並列に連結され、前記コイルと直列に連結された、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項7】
前記エアロゾル生成システムは、
前記サセプタそれぞれと直列に連結されたスイッチをさらに含み、
前記プロセッサは、
前記組合わせによって前記スイッチをオン/オフ制御する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項8】
前記エアロゾル生成システムは、
シガレットをさらに含み、
前記シガレットは、
前記互いに異なる部分に互いに異なる物質を含み、
前記組合わせに対応するサセプタが加熱されることにより、前記エアロゾル生成システムから互いに異なる成分のエアロゾルが生成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項9】
前記エアロゾル生成システムは、
シガレットをさらに含み、
前記シガレットは、
前記互いに異なる部分に互いに異なる量の保湿剤を含み、
前記組合わせに対応するサセプタが加熱されることにより、前記エアロゾル生成システムから互いに異なる量のエアロゾルが生成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項10】
エアロゾル生成システムの動作方法において、
コイルと連結された複数のキャパシタのうち、前記コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定する段階と、
前記組合わせによって前記コイルに電流を印加する段階と、
前記コイルに電流を印加することで互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタのうち、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを加熱する段階と、を含む、方法。
【請求項11】
前記印加する段階は、
前記組合わせによる共振周波数を有する電流を前記コイルに印加する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記加熱する段階は、
1回の喫煙動作に対応する時間内で、前記サセプタを既設定の時間ほど加熱させ、
前記方法は、
前記組合わせを変更する段階と、
前記1回の喫煙動作に対応する時間内で、前記変更された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを残余時間だけ加熱する段階と、をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記加熱する段階は、
前記組合わせによる共振周波数に対応しない少なくとも1つのサセプタを前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタよりも低い温度に加熱する段階をさらに含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成システム及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成する方法に係わる需要が増加している。
【0003】
エアロゾル生成物質を加熱するために、内部加熱方式、外部加熱方式以外にも、コイルとサセプタとを用いた誘導加熱方式が用いられている。また、エアロゾル生成装置がシガレットの一領域を加熱してエアロゾルを生成することが一般的であるが、ユーザの満足感を向上させために、シガレットの複数の領域それぞれを時間差を置いて加熱したり、互いに異なる温度に加熱したりする技術が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成システム及びその動作方法を提供することである。具体的に、コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定することで、複数のサセプタのうち、組合わせに対応するサセプタを加熱させるシステムを提供することである。一方、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によるエアロゾル生成システムは、エアロゾル生成装置に収容されるシガレットの互いに異なる部分を加熱し、互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタ;前記サセプタを加熱するコイル;前記コイルと連結された複数のキャパシタ;及び前記キャパシタのうち、前記コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定し、前記組合わせによって前記コイルに電流を印加することで、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを加熱させるプロセッサ;を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明のエアロゾル生成システムは、複数のサセプタのうち加熱させるサセプタを決定し、喫煙動作最中に加熱させるサセプタを変更することで、ユーザに一貫した喫煙感及び満足感を提供することができる。本発明の効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】シガレットが内部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された一例を示す図面である。
【
図2】シガレットが外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された例を示す図面である。
【
図3】シガレットが外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された他の例を示す図面である。
【
図4】誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【
図5】誘導加熱方式を説明するための例示的な図面である。
【
図6A】互いに異なる共振周波数を有するサセプタの周波数別に動作を説明するための例示的な図面である。
【
図6B】互いに異なる共振周波数を有するサセプタの周波数別に動作を説明するための例示的な図面である。
【
図7】エアロゾル生成システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】キャパシタが互いに並列に連結された回路を含むエアロゾル生成システムの一例を示す図面である。
【
図9】シガレットを含むエアロゾル生成システムの一例を示す図面である。
【
図10】
図7によるエアロゾル生成システムの動作方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一側面によるエアロゾル生成システムは、エアロゾル生成装置に収容されるシガレットの互いに異なる部分を加熱し、互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタ;前記サセプタを加熱するコイル;前記コイルと連結された複数のキャパシタ;及び前記キャパシタのうち、前記コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定し、前記組合わせによって前記コイルに電流を印加することで、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを加熱させるプロセッサ;を含む。
【0009】
また、前記プロセッサは、前記組合わせによる共振周波数を有する電流を前記コイルに印加する。
【0010】
また、前記プロセッサは、1回の喫煙動作に対応する時間内において、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを既設定の時間ほど加熱させた後、前記組合わせを変更することで、前記変更された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを残余時間だけ加熱させる。
【0011】
また、前記プロセッサは、前記組合わせによる共振周波数に対応しない少なくとも1つのサセプタを前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタより低い温度に加熱させる。
【0012】
また、前記サセプタは、前記装置に収容されるシガレットの長手方向に沿って前記装置または前記シガレットに配置され、前記コイルは、前記サセプタを取り囲む。
【0013】
また、前記キャパシタは、互いに並列に連結され、前記コイルと直列に連結される。
【0014】
また、前記エアロゾル生成システムは、前記サセプタそれぞれと直列に連結されたスイッチをさらに含み、前記プロセッサは、前記組合わせによって前記スイッチをオン/オフ制御する。
【0015】
また、前記エアロゾル生成システムは、シガレットをさらに含み、前記シガレットは、前記互いに異なる部分に互いに異なる物質を含み、前記組合わせに対応するサセプタが加熱されることにより、前記システムから互いに異なる成分のエアロゾルが生成される。
【0016】
また、前記エアロゾル生成システムは、シガレットをさらに含み、前記シガレットは、前記互いに異なる部分に互いに異なる量の保湿剤を含み、前記組合わせに対応するサセプタが加熱されることにより、前記システムから互いに異なる量のエアロゾルが生成される。
【0017】
他の側面によるエアロゾル生成システムの動作方法は、コイルと連結された複数のキャパシタのうち、前記コイルに印加される電流が通過するキャパシタの組合わせを決定する段階;前記組合わせによって前記コイルに電流を印加する段階;及び前記コイルに電流を印加することで、互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタのうち、前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを加熱する段階;を含む。
【0018】
また、前記印加する段階は、前記組合わせによる共振周波数を有する電流を前記コイルに印加する。
【0019】
また、前記加熱する段階は、1回の喫煙動作に対応する時間内で、前記サセプタを既設定の時間ほど加熱させ、前記方法は、前記組合わせを変更する段階;及び前記1回の喫煙動作に対応する時間内において、前記変更された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを残余時間だけ加熱する段階;をさらに含む。
【0020】
また、前記加熱する段階は、前記組合わせによる共振周波数に対応しない少なくとも1つのサセプタを前記組合わせによる共振周波数に対応するサセプタより低い温度に加熱する段階をさらに含む。
【0021】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態によっても具現され、ここで、説明する実施例に限定されない。
【0022】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0024】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態によっても具現され、ここで、説明する実施例に限定されない。
【0025】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用されるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0027】
図1は、シガレットが内部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された一例を示す図面である。
【0028】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130を含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、シガレット200が挿入されうる。
【0029】
図1に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0030】
図1には、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130が一列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、
図1に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、プロセッサ120、及びヒータ130の配置は変更されうる。
【0031】
シガレット200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ130によって発生したエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。
【0032】
必要によって、シガレット200がエアロゾル生成装置100に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130を加熱することができる。
【0033】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130が加熱されるように電力を供給し、プロセッサ120の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0034】
プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的に、プロセッサ120は、バッテリ110及びヒータ130だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0035】
プロセッサ120は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0036】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、シガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ130は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0037】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかし、ヒータ130は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0038】
例えば、ヒータ130は、細長形(例えば、棒状、針状、ブレード状)であるか、円筒状でもあり、加熱要素の形状によってシガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0039】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130が複数個配置されうる。その際、複数個のヒータ130は、シガレット200の内部に挿入されるように配置され、シガレット200の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ130のうち、一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット200の外部に配置されうる。また、ヒータ130の形状は、
図1に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0040】
一方、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120、及びヒータ130以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、シガレット200が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0041】
図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置100とが結合された状態でヒータ130が加熱されうる。
【0042】
シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む媒質部とフィルタなどを含むフィルタ部に区分されうる。または、シガレット200のフィルタ部にもエアロゾル生成物質が含まれうる。例えば、顆粒状またはカプセル状に作られたエアロゾル生成物質がフィルタ部に挿入されうる。
【0043】
エアロゾル生成装置100の内部には、媒質部の全体が挿入され、フィルタ部は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置100の内部に媒質部の一部だけ挿入され、また媒質部の全体及びフィルタ部の一部が挿入されうる。ユーザは、フィルタ部を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。その際、エアロゾルは、外部空気が媒質部を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、フィルタ部を通過してユーザの口に伝達される。
【0044】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気通路の開閉及び/または、空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット200の内部に流入されうる。
【0045】
図2は、シガレットが外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された例を示す図面である。
【0046】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、
図1に図示された構成以外に蒸気化器140をさらに含む。
図2のシガレット200、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130は、
図1のシガレット200、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130に対応しうる。したがって、重複説明は省略する。
【0047】
図2に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図2に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0048】
また、
図2には、エアロゾル生成装置100にヒータ130が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ130は省略されうる。
【0049】
図2には、バッテリ110、プロセッサ120、蒸気化器140及びヒータ130が一列に配置されていると図示されている。
【0050】
シガレット200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130及び/または蒸気化器140を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ130及び/または蒸気化器140によって発生したエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。
【0051】
バッテリ110は、蒸気化器140が加熱されるように電力を供給することができる。プロセッサ120は、蒸気化器140の動作を制御する。
【0052】
蒸気化器140は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達するように構成されうる。
【0053】
例えば、蒸気化器140は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含んでもよいが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置100に含まれてもよい。
【0054】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器140から/に脱/付着されるように作製され、蒸気化器140と一体として作製されうる。
【0055】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0056】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素として伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス・ファイバー、多孔性セラミックのような芯(wick)でもあるが、それらに限定されない。
【0057】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどでもあるが、それらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる、構造に配置されうる。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0058】
例えば、蒸気化器140は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、その限りではない。
【0059】
図3は、シガレットが外部加熱型エアロゾル生成装置に挿入された他の例を示す図面である。
【0060】
図3のシガレット200、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130、及び蒸気化器140は、
図2のシガレット200、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130及び蒸気化器140に対応しうる。したがって、重複説明は省略する。
図3には、蒸気化器140及びヒータ130が並列に配置された例が図示されている。すなわち、蒸気化器140及びヒータ130は、
図2に図示されたところのように一列に配置され、
図3に図示されたところのように並列に配置されうる。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、
図2及び
図3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130及び蒸気化器140の配置は変更されうる。
【0061】
図4は、誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【0062】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120、コイル410及びサセプタ420を含む。また、エアロゾル生成装置100の空洞430には、シガレット200の少なくとも一部が収容されうる。
図4のシガレット200、バッテリ110、及びプロセッサ120は、
図1から
図3のシガレット200、バッテリ110、及びプロセッサ120に対応しうる。また、コイル410及びサセプタ420は、ヒータ130に含まれうる。したがって、重複説明は省略する。
【0063】
図4に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図4に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0064】
コイル410は、空洞430周辺に位置することができる。
図4には、コイル410が空洞430を取り囲むように配置されていると図示されているが、それに限定されない。
【0065】
シガレット200がエアロゾル生成装置100の空洞430に収容されれば、エアロゾル生成装置100は、コイル410が磁場を発生させるようにコイル410に電力を供給することができる。コイル410によって発生した磁場がサセプタ420を貫通することにより、サセプタ420が加熱されうる。
【0066】
そのような誘導加熱現象は、ファラデーの誘導法則(Faraday's Law of induction)によって説明される公知された現象である。具体的に、サセプタ420内の磁気誘導が変化する場合、電場がサセプタ420内に生成されることで、渦電流(eddy current)がサセプタ420内に流れる。渦電流は、サセプタ420内で電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0067】
サセプタ420が渦電流によって加熱され、シガレット200内のエアロゾル生成物質は、加熱されたサセプタ420によって加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。エアロゾル生成物質から生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。
【0068】
バッテリ110は、コイル410が磁場を発生させうるように電力を供給することができる。プロセッサ120は、コイル410と電気的に連結されうる。
【0069】
コイル410は、バッテリ110から供給された電力によって磁場を発生させる導電性コイルでもある。コイル410は、空洞430の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。コイル410によって発生した磁場は、空洞430の内側端部に配置されるサセプタ420に印加されうる。
【0070】
サセプタ420は、コイル410から発生する磁場が貫通されることで加熱され、金属または炭素を含んでもよい。例えば、サセプタ420は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)、及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0071】
また、サセプタ420は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、サセプタ420は、前述した例に限定されず、磁場が印加されることで、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当されうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0072】
シガレット200がエアロゾル生成装置100の空洞430に収容されれば、サセプタ420は、シガレット200の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。したがって、加熱されたサセプタ420は、シガレット200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0073】
図4には、サセプタ420がシガレットの少なくとも一部を取り囲むように配置されていると図示されているが、それに限定されない。例えば、サセプタ420は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0074】
また、エアロゾル生成装置100には、サセプタ420が複数個配置されうる。その際、複数個のサセプタ420は、シガレット200の外部に配置され、内部に挿入されるように配置されうる。また、複数個のサセプタ420のうち、一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット200の外部に配置されうる。また、サセプタ420の形状は、
図4に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0075】
図5は、誘導加熱方式を説明するための例示的な図面である。
【0076】
コイルは、バッテリから交流電流を供給されうる。バッテリから交流電流を供給されたコイルによって磁場が発生する。コイルによって発生した磁場が部下(例えば、サセプタ)を貫通することで負荷が加熱されうる。
【0077】
図5を参照すれば、コイルは、RLC回路510で表現されうる。コイルは、インダクタンスL、抵抗R及びキャパシタンスCを含む。RLC回路510のトータルインピーダンスZ
TOTALは、インダクタンスのインピーダンスZ
L、抵抗のインピーダンスZ
R及びキャパシタンスのインピーダンスZ
Cの和で算出される。
【0078】
インダクタンスのインピーダンスZ
L、抵抗のインピーダンスZ
R及びキャパシタンスのインピーダンスZ
Cそれぞれは、下記数式1のように表現されうる。
【数1】
【0079】
一方、共振(resonance)とは、振動系がその固有振動数のような振動数を有する外力を周期的に受けて振幅が明らかに増加する現象を言う。共振は、力学的振動及び電気的振動など全ての振動で起こる現象である。一般に外部で振動系に振動させうる力を加えたとき、その振動系の固有振動数と外部から加えられる力の振動数が同一であれば、その振動は、激しくなり、振幅も大きくなる。
【0080】
同じ原理によって、一定距離以内から離れている複数の振動体が互いに同一周波数で振動する場合、前記複数の振動体は、互いに共振し、その場合、前記複数の振動体間には抵抗が減少する。
【0081】
RLC回路510の共振周波数f
resoは、例えば、下記数式2によって決定されうる。
【数2】
【0082】
図5のグラフ520を参照すれば、RLC回路510に共振周波数f
resoを有する交流電流が印加されるとき、負荷(例えば、サセプタ)側に最大電力を伝達することができる。RLC回路510に印加される交流電流の周波数が共振周波数f
resoと互いに異なるほど負荷側に伝達される電力値が減少する。
【0083】
一方、数式2を参照すれば、RLC回路510の共振周波数fresoは、コイルのインダクタンスL及びコイルと連結されるキャパシタのキャパシタンスCによって決定される。コイルを使用して磁場を形成する回路においてインダクタンスLは、コイルの回転数などによって決定され、キャパシタンスCは、コイルと連結されるキャパシタの設定値などによって決定されうる。
【0084】
図6A及び
図6Bは、互いに異なる共振周波数を有するサセプタの周波数別に動作を説明するための例示的な図面である。
【0085】
図6Aを参照すれば、互いに異なる共振周波数を有する第1サセプタ621及び第2サセプタ622がプロセッサ120(または、バッテリ)と並列に連結される。
【0086】
サセプタの共振周波数は、サセプタをなす物質の種類及び構成の比率によって互いに異なるように決定されうる。
【0087】
コイル610の全般にわたって回転数、間隔、面積などが一定している場合、サセプタも全般にわたって一定温度に加熱される。
【0088】
図6Aのように、第1サセプタ621、第2サセプタ622、及びそれらを取り囲むコイル610がプロセッサ120と並列に連結された場合、第1サセプタ621及び第2サセプタ622それぞれに対応するコイル610の部分は、プロセッサ120から同一周波数の交流電流を供給されうる。その際、第1サセプタ621及び第2サセプタ622の共振周波数が異なる場合、第1サセプタ621及び第2サセプタ622のそれぞれに伝達される電力が異なってもいる。
【0089】
例えば、第1サセプタ621が共振周波数f1を有し、第2サセプタ622が共振周波数f2を有してもよい。その際、プロセッサ120からf1周波数の交流電流がコイル610に印加される場合、第1サセプタ621は、コイル610から最大電力を伝達されうるが、第2サセプタ622は、コイル610から最大電力よりも低い電力を伝達されることになる。
【0090】
図6Bには、互いに異なる共振周波数を有する2つのサセプタ621、622に対する周波数別電力値に対するグラフ630が図示される。
【0091】
第1サセプタ621に対するグラフ631を見れば、第1サセプタ621は、共振周波数f1を有し、第2サセプタ622に対するグラフ632を見れば、第2サセプタ622は、共振周波数f2を有する。
【0092】
第1サセプタ621及び第2サセプタ622を加熱するコイル610にf1周波数を印加する場合、第1サセプタ621は、共振して最大電力P1が伝達されうるが、第2サセプタ622は、f1が共振周波数に該当しないところ、最大電力P1よりも低い電力P2が伝達されうる。
【0093】
図7は、エアロゾル生成システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0094】
図7を参照すれば、エアロゾル生成システム700は、プロセッサ120、複数のサセプタ710、コイル720及び複数のキャパシタ730を含んでもよい。
図7のプロセッサ120、サセプタ710、及びコイル720は、
図1から
図4のプロセッサ120、サセプタ420、及びコイル720に対応しうる。
【0095】
図7に図示されたエアロゾル生成システム700には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図7に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成システム700にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0096】
サセプタ710は、エアロゾル生成装置100に収容されるシガレット200の互いに異なる部分を加熱することができる。例えば、第1サセプタは、シガレット200の第1部分に対応する部分に配置されて第1部分を加熱し、第2サセプタは、シガレット200の第2部分に対応する部分に配置されて第2部分を加熱することができる。
【0097】
サセプタ710は、互いに異なる共振周波数を有してもよい。サセプタ710は、互いに異なる構成物質を含むか、同じ構成物質を互いに異なる比率で含んでもよい。例えば、第1サセプタは、f1の共振周波数を有し、第1サセプタは、f2の共振周波数を有してもよい。サセプタ710の共振周波数が互いに異なるので、同一周波数及び強度の電流がコイル720に印加されても、サセプタ710が加熱される程度は、互いに異なってもいる。
【0098】
コイル720は、サセプタ710を加熱することができる。
図4を参照して前述したように、電流を印加されたコイル720から磁場が発生し、磁場の影響によってサセプタ710が加熱されうる。
【0099】
キャパシタ730は、コイル720と連結されうる。プロセッサ120の制御によってバッテリ110から出力される電流がコイル720に伝達される経路にキャパシタ730が位置することができる。バッテリ110から出力される電流は、キャパシタ730を通過した後、コイル720に印加されうる。
【0100】
プロセッサ120は、キャパシタ730のうち、コイル720に印加される電流が通過するキャパシタ731の組合わせを決定することができる。コイル720及びキャパシタ730からなる回路の共振周波数は、コイル720のインダクタンス及びキャパシタ730の組合わせで決定されるキャパシタンスに基づいて決定されうる。したがって、プロセッサ120は、キャパシタ730のうち、電流が通過するキャパシタ731の組合わせを決定することで、コイル720及びキャパシタ730からなる回路の共振周波数を決定することができる。
【0101】
プロセッサ120は、決定された組合わせによってコイル720に電流を印加することができる。プロセッサ120は、決定された組合わせに含まれた少なくとも1つのキャパシタ731にのみ電流が通過するように回路を調整することによって決定された組合わせによって、コイル720に電流を印加することができる。
【0102】
プロセッサ120は、決定された組合わせによってコイル720に電流を印加することで、サセプタ710のうち、決定された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタ711を加熱させうる。一実施例において、プロセッサ120は、決定された組合わせによる共振周波数を有するサセプタ711のみを加熱させうる。その場合、シガレット200からサセプタ711に対応する部分のみ加熱されうる。他の実施例において、プロセッサ120は、決定された組合わせによる共振周波数を有するサセプタ711を加熱させるが、残りのサセプタは、さらに低い温度に加熱させうる。その場合、残りのサセプタに対応するシガレット200の部分は、さらに低い温度に加熱されうる。
【0103】
一方、プロセッサ120は、決定された組合わせによる共振周波数を有する電流をコイル720に印加することができる。回路の共振周波数とサセプタ711の共振周波数とが一致しても、コイル720に印加される電流の周波数が一致しない場合、共振が発生せず、最大電力がサセプタ711に伝達されない。したがって、プロセッサ120は、決定された組合わせによる共振周波数を有する電流をコイル720に印加するために、電流の周波数を調整することができる。例えば、プロセッサ120は、バッテリ110から出力される電流に対するPWM(pulse width modulation)制御によって生成されるPWM信号の周波数を調整することで、コイル720に印加される電流の周波数を回路の共振周波数で調整することができる。
【0104】
図8は、キャパシタが互いに並列に連結された回路を含むエアロゾル生成システムの一例を示す図面である。
【0105】
図8を参照すれば、エアロゾル生成システム700は、プロセッサ120、コイル720、複数のサセプタ811、812、複数のキャパシタ831、832、833及び複数のスイッチ851、852、853を含んでもよい。
図8のプロセッサ120、コイル720、サセプタ811、812、及びキャパシタ831、832、833は、
図7のプロセッサ120、コイル720、複数のサセプタ710及び複数のキャパシタ730に対応しうる。
【0106】
図8に図示されたエアロゾル生成システム700には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図8に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成システム700にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0107】
キャパシタ831、832、833は、互いに並列に連結され、コイル720とは直列に連結されうる。スイッチ851、852、853は、サセプタ811、812それぞれと直列に連結されうる。コイル720は、サセプタ811、812を取り囲むことができる。
【0108】
プロセッサ120は、電流が通過するキャパシタの組合わせによってスイッチ851、852、853をオン/オフ制御することができる。スイッチオンとなる場合、電流がスイッチを通過し、スイッチオフとなる場合、電流がスイッチを通過することができない。例えば、第1スイッチ851及び第2スイッチ852のみオンとなる場合、電流は、第1キャパシタ831及び第2キャパシタ832のみを通過し、第3キャパシタ833は通過できなくなる。
【0109】
電流が第1キャパシタ831のみを通過するように決定された回路の共振周波数と第1サセプタ811の共振周波数とが同一である場合、プロセッサ120は、第1サセプタ811を加熱させるために、第1スイッチ851のみをオン制御することができる。また、電流がキャパシタ831、832、833をいずれも通過するように決定された回路の共振周波数と、第2サセプタ812の共振周波数とが同一である場合、プロセッサ120は、第2サセプタ812を加熱させるために、全てのスイッチ851、852、853をオン制御することができる。
【0110】
例えば、第1キャパシタ831のキャパシタンスが47nF、第2キャパシタ832及び第3キャパシタ833のキャパシタンスが150nF、コイル720のインダクタンスが2uHに設定された場合、第1サセプタ811は、回路のキャパシタンスが47nFであるときの共振周波数に対応し、第2サセプタ812は、回路のキャパシタンスが347nFであるときの共振周波数に対応しうる。プロセッサ120は、第1サセプタ811に最大電力を伝達して第1サセプタ811を加熱させるために、第1スイッチ851だけオン制御することで、回路のキャパシタンスを47nFに設定することができる。その場合、第2サセプタ812は、加熱されないか、第1サセプタ811よりも低い温度に加熱されうる。また、プロセッサ120は、第2サセプタ812に最大電力を伝達して第2サセプタ812を加熱させるために、スイッチ851、852、853をいずれもオン制御することで、回路のキャパシタンスを347nFに設定することができる。その場合、第1サセプタ811は、加熱されないか、第2サセプタ812よりも低い温度に加熱されうる。サセプタ811、812に使用されるサセプタの種類としては、SUS304及びSUS430などが使用されうる。但し、キャパシタ831、832、833のキャパシタンス、コイル720のインダクタンス及びサセプタの種類は、例示に過ぎず、それに限定されない。
【0111】
第1サセプタ811の共振周波数に対応して組合わせが決定された場合、コイル720に電流が印加されることにより、一実施例では、第1サセプタ811のみ加熱され、他の実施例では、第1サセプタ811が加熱されると共に、第2サセプタ812が第1サセプタ811よりも低い温度に加熱されうる。
【0112】
プロセッサ120は、1回の喫煙動作に対応する時間内で、決定された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを既設定の時間ほど加熱させうる。1回の喫煙動作に対応する時間は、エアロゾルを生成するために、シガレット200の加熱開始時点からシガレット200の加熱終了時点までの時間を意味する。既設定の時間は、1回の喫煙動作に対応する時間以下に設定される時間であって、サセプタ及びシガレット200の種類などに基づいて互いに異なるように設定されうる。
【0113】
プロセッサ120は、既設定の時間の間、サセプタを加熱した後、キャパシタの組合わせを変更することができる。プロセッサ120は、変更された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタを残余時間だけ加熱させうる。ここで、変更された組合わせによる共振周波数は、既存の組合わせによる共振周波数と互いに異なるので、残余時間だけ加熱されるサセプタは、既設定の時間の間、加熱されたサセプタと互いに異なる。一方、残余時間は、1回の喫煙動作に対応する時間内で既設定の時間経過以後の時間を意味する。
【0114】
エアロゾル生成システム700は、1回の喫煙動作最中に加熱させるサセプタを変更することで、シガレット200で加熱される部分も変更することができる。したがって、エアロゾル生成システム700は、シガレット200の同一部分が1回の喫煙動作の全般にわたって加熱されるものではなく、既設定の時間の間、シガレット200の一定部分が加熱され、残余時間の間は、他の部分が加熱されるように電流供給を制御することができる。エアロゾル生成システム700は、1回の喫煙動作の前半部及び後半部において互いに異なる喫煙感が提供されることを防止し、均一な喫煙感をユーザに提供することができる。
【0115】
図9は、シガレット200を含むエアロゾル生成システム700の一例を示す図面である。
【0116】
図9を参照すれば、エアロゾル生成システム700は、バッテリ110、プロセッサ120、複数のサセプタ811、812、コイル720及びエアロゾル生成装置100に収容されたシガレット200を含んでもよい。シガレット200は、第1部分911及び第2部分912を含んでもよい。
図9のバッテリ110、シガレット200、プロセッサ120、複数のサセプタ811、812及びコイル720は、
図1から
図4のバッテリ110、シガレット200、
図7のプロセッサ120、複数のサセプタ710及びコイル720に対応しうる。
【0117】
図9に図示されたエアロゾル生成システム700には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図9に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成システム700にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0118】
サセプタ811、812は、エアロゾル生成装置100に収容されるシガレット200の長手方向に沿って配置されうる。一実施例において、サセプタ811、812は、エアロゾル生成装置100に含まれうる。例えば、サセプタ811、812は、シガレット200が収容される空洞430に配置されて空洞430の長手方向に沿って延びうる。他の実施例において、サセプタ811、812は、シガレット200に含まれうる。例えば、サセプタ811、812は、シガレット200の内部に含まれてシガレット200の長手方向に沿って延びるか、シガレット200の外側面に位置してシガレット200の長手方向に沿って延びうる。
【0119】
第1サセプタ811は、シガレット200の第1部分911に対応するように配置されてシガレット200の第1部分911を加熱し、第2サセプタ812は、シガレット200の第2部分912に対応するように配置されてシガレット200の第2部分912を加熱することができる。コイル720は、サセプタ811、812をいずれも加熱可能なようにサセプタ811、812をいずれも取り囲んでもよい。
【0120】
一実施例において、シガレット200は、互いに異なる部分に互いに異なる物質を含んでもよい。キャパシタの組合わせに対応するサセプタが加熱されることにより、シガレット200の特定部分が加熱され、当該部分をなす物質が含まれたエアロゾルが生成されうる。したがって、互いに異なるサセプタが加熱される場合、シガレット200の互いに異なる部分が加熱されるので、互いに異なる成分のエアロゾルが生成されうる。例えば、シガレット200が第1部分911に第1香味物質を含み、第2部分912に第2香味物質を含む場合、第1サセプタ811が加熱される場合、第1香味を含むエアロゾルが生成され、第2サセプタ812が加熱される場合、第2香味を含むエアロゾルが生成されうる。また、1回の喫煙動作最中に組合わせが変更されることで、加熱されるサセプタが変更される場合、1回の喫煙動作最中にもエアロゾルの成分(例えば、香味)が変更されうる。
【0121】
他の実施例において、シガレット200は、互いに異なる部分に互いに異なる量の保湿剤を含んでもよい。互いに異なるサセプタが加熱される場合、シガレット200の互いに異なる部分が加熱されるので、互いに異なる量のエアロゾルが生成されうる。例えば、シガレット200が第1部分911に比較的多量の保湿剤を含み、第2部分912に比較的少量の保湿剤を含む場合、第1サセプタ811が加熱される場合、第2サセプタ812が加熱される場合に比べて、多量のエアロゾルが生成されうる。エアロゾル生成システム700は、加熱させるサセプタを決定することで、エアロゾルの霧化量を決定することができる。
【0122】
さらに他の実施例において、シガレット200は、互いに異なる部分に互いに異なる量のニコチン物質を含んでもよい。エアロゾル生成システム700は、加熱されるサセプタを決定することで、エアロゾルに含まれるニコチンの含有量を決定することができる。
【0123】
図10は、
図7によるエアロゾル生成システムの動作方法の一例を示すフローチャートである。
【0124】
図10を参照すれば、エアロゾル生成システム700の動作方法の一例は、
図7に図示されたエアロゾル生成システム700において時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、
図7から
図9に図示されたエアロゾル生成システム700について前述した内容は、
図10のエアロゾル生成システム700の動作方法にも適用されうるということが分かる。
【0125】
段階1010において、エアロゾル生成システム700は、コイル720と連結された複数のキャパシタ730のうち、コイル720に印加される電流が通過するキャパシタ731の組合わせを決定することができる。
【0126】
キャパシタ730は、互いに並列に連結されてコイル720と直列に連結されうる。
【0127】
段階1020において、エアロゾル生成システム700は、決定された組合わせによってコイル720に電流を印加することができる。
【0128】
エアロゾル生成システム700は、決定された組合わせによる共振周波数を有する電流をコイル720に印加することができる。
【0129】
エアロゾル生成システム700は、サセプタ710それぞれと直列に連結されたスイッチをオン/オフ制御することによって決定された組合わせによって、コイル720に電流を印加することができる。
【0130】
段階1030において、エアロゾル生成システム700は、コイル720に電流を印加することで、互いに異なる共振周波数を有する複数のサセプタ710のうち、決定された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタ711を加熱することができる。
【0131】
エアロゾル生成システム700は、1回の喫煙動作に対応する時間内で、決定された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタ711を既設定の時間の間、加熱することができる。
【0132】
エアロゾル生成システム700は、組合わせを変更し、1回の喫煙動作に対応する時間内で、変更された組合わせによる共振周波数に対応するサセプタ711を残余時間だけ加熱することができる。
【0133】
エアロゾル生成システム700は、決定された組合わせによる共振周波数に対応しない少なくとも1つのサセプタを組合わせによる共振周波数に対応するサセプタ711よりも低い温度に加熱することができる。
【0134】
サセプタ710は、エアロゾル生成装置100に収容されるシガレット200の長手方向に沿って装置またはシガレット200に配置され、コイル720は、サセプタ710を取り囲みうる。
【0135】
一方、一実施例において、シガレット200は、互いに異なる部分に互いに異なる物質を含み、決定された組合わせに対応するサセプタ711が加熱されることにより、エアロゾル生成システム700から互いに異なる成分のエアロゾルが生成されうる。
【0136】
他の実施例において、シガレット200は、互いに異なる部分に互いに異なる量の保湿剤を含み、決定された組合わせに対応するサセプタ711が加熱されることにより、エアロゾル生成システム700から互いに異なる量のエアロゾルが生成されうる。
【0137】
一方、上述した実施例は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な非一時的な(non-transitory)記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、上述した実施例で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取可能な記録媒体に様々な手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的記録媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0138】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれると解釈されねばならない。
【国際調査報告】