(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】メイクアップ除去のための無水組成物および物品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/33 20060101AFI20221012BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20221012BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A61K8/33
A61Q1/14
A61K8/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507345
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 US2020044916
(87)【国際公開番号】W WO2021026177
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チオウ,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】原 竜二
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC331
4C083AC341
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD261
4C083AD271
4C083AD281
4C083AD431
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB11
4C083CC23
4C083CC24
4C083DD12
4C083DD23
4C083DD28
4C083DD30
4C083EE07
(57)【要約】
メイクアップ除去組成物は少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステル;ジアルキル化エーテルおよび炭酸ジアルキルの1つまたは組み合わせ;少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;および少なくとも1つの植物由来油を含み、組成物は水を本質的に含まない。物品は非水溶性または水溶性基材に注入された組成物を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステル;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキル;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;および
iv.少なくとも1つの植物由来油
を含む、メイクアップ除去組成物であって、
前記組成物は水を本質的に含まない、組成物。
【請求項2】
i.前記少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルの各々は前記組成物の約10重量%~約70重量%で存在し;
ii.前記少なくとも1つのジアルキル化エーテル、炭酸ジアルキル、およびそれらの組み合わせの各々は前記組成物の約1重量%~約10重量%で存在し;
iii.前記少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の各々は前記組成物の約0.5重量%~約5重量%で存在し;ならびに
iv.前記少なくとも1つの植物由来油の各々は前記組成物の約20重量%~約60重量%で存在する、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項3】
i.分枝アルキル化アルコールエステルの総量は前記組成物の約40重量%~約70重量%で存在し;
ii.ジアルキル化エーテル、炭酸ジアルキル、およびそれらの組み合わせの総量は前記組成物の約2重量%~約20重量%で存在し;
iii.非イオン性界面活性剤の総量は前記組成物の約0.5重量%~約5重量%で存在し;ならびに
iv.植物由来油の総量は前記組成物の約20重量%~約60重量%で存在する、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項4】
i.前記少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシルの1つ以上を含み;
ii.前記少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキルはジカプリリルエーテルおよび炭酸ジカプリリルの1つ以上を含み;
iii.前記少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、オレイン酸ポリグリセリル-2およびジオレイン酸ポリグリセリル-10の1つ以上を含み;ならびに
iv.前記少なくとも1つの植物由来油はトウモロコシ(コーン)油またはアブラナ(ナタネ)種子油の1つ以上を含む、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項5】
イソヘキサデカンを含む溶媒を含む、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項6】
400g/mol以下の分子量を有する前記少なくとも1つの極性皮膚軟化薬は前記組成物の約5重量%~約10重量%で存在する、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項7】
前記組成物はシリコーンおよび鉱物油の1つまたは両方を本質的に含まない、請求項1に記載のメイクアップ除去組成物。
【請求項8】
a.基材;
b.前記基材に含浸された、下記を含むクレンジング組成物;
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステル;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキル;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;および
iv.少なくとも1つの植物由来油
を含む、メイクアップ除去およびクレンジング物品であって、
前記組成物は水を本質的に含まず、ならびに
前記クレンジング組成物は、前記基材上に、前記基材の重量に対して100重量%~1000重量%の前記クレンジング組成物の浸漬率で含浸される、メイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項9】
前記基材は不水溶性である、請求項8に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項10】
前記基材は水溶性である、請求項8に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項11】
前記クレンジング組成物は前記基材上に、前記基材の重量に対して250重量%~400重量%の前記クレンジング組成物の浸漬率で含浸される、請求項8に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項12】
前記物品は不織繊維を含む化粧除去ワイプであり、前記繊維は、(1)パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿の1つまたは組み合わせを含む天然起源繊維、(2)ヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、およびパイナップルの1つまたは組み合わせを含む天然繊維、ならびに(3)綿を含む再生もしくはリサイクル繊維、ならびにこれらの組み合わせから選択される天然生分解性の、持続的に供給される繊維から形成される、請求項8に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項13】
前記組成物はシリコーンおよび鉱物油の1つまたは両方を本質的に含まない、請求項8に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項14】
a.化粧用ワイプを含む水溶性基材;
b.前記水溶性基材に含浸された、下記を含むクレンジング組成物;
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステル;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキル;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;および
iv.少なくとも1つの植物由来油
を含むメイクアップ除去およびクレンジング物品であって、
前記組成物は水を本質的に含まず、ならびに
前記クレンジング組成物は前記基材上に、前記基材の重量に対して250重量%~400重量%の前記クレンジング組成物の浸漬率で含浸される、メイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項15】
前記組成物はシリコーンおよび鉱物油の1つまたは両方を本質的に含まない、請求項14に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項16】
前記メイクアップ除去およびクレンジング物品は水溶性繊維を含む1つ以上の不織シートを含み、前記シートは30℃以下の温度を有する流水または静水に可溶性であり、前記組成物の重量に基づき5%以下の水を含む無水製剤と接触した時に耐久性がある、請求項14に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項17】
前記メイクアップ除去およびクレンジング物品は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ(C1-C6)アルキルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ゼラチン、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む水溶性繊維を含む、請求項14に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項18】
前記1つ以上のシートの少なくとも1つのシートは紡糸-巻回(spun-wound)不織シートまたはニードルパンチ不織シートである、請求項14に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項19】
前記水溶性繊維はポリビニルアルコール繊維を含むものとして特徴付けられ、機械的処理、化学的処理、またはコーティングにより機能的に改変され、疎水性コーティングを含む、請求項14に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【請求項20】
前記物品は2つの隣接シート間のクレンジングポッドを含み、前記クレンジングポッドは水溶性不織ワイプまたは水溶性フィルムに封入されたクレンジング組成物を含む、請求項14に記載のメイクアップ除去およびクレンジング物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権および関連出願
この特許出願は、2019年8月5日に出願された、「メイクアップ除去のための無水組成物および物品(ANHYDROUS COMPOSITIONS AND ARTICLES FOR MAKEUP REMOVAL)」と題する米国特許出願第16/532,018号についての優先権の恩典を主張する。その開示は参照により本明細書で完全に書き直されたかのように組み込まれる。
【0002】
分野
この発明は、少なくとも1つの非水溶性基材、または1つの水溶性基材を有する物品、特にワイプ上に含浸されたメイクアップ除去およびクレンジングジュース組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
頑固なメイクアップの除去は常に難題および消費者の痛点であり、特に、ウォータープルーフのマスカラ、長持ちするファンデーションおよび長く持続するリップ製品についてそうである。典型的なメイクアップ除去製品は頑固なメイクアップを除去するには無効であり、よって、皮膚および/または繊細な眼域上で引いたりこすったりを繰り返す必要があり、刺激が引き起こされる。いくつかのオイル系メイクアップ除去製品はメイクアップ除去を容易にする可能性があるが、不快な脂っぽい皮膚感触が後に残る。したがって、使用後の清浄で心地良い皮膚感触に加えて容易で有効なメイクアップ除去を提供する組成物およびクレンジングワイプ物品が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、様々な実施形態では、下記を含むメイクアップ除去組成物であって:
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステル;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキル;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;および
iv.少なくとも1つの植物由来油
組成物は水を本質的に含まない組成物を提供する。
【0005】
様々な実施形態によれば、本開示による組成物は下記の少なくとも各々を含み:1つの分枝アルキル化アルコールエステル;ジアルキル化エーテルおよび炭酸ジアルキルの1つまたは組み合わせ;非イオン性界面活性剤;および植物由来油、組成物は水を本質的に含まない。様々な実施形態では、組成物は成分の各々の2つ以上を含むことができ、保存剤、活性剤、皮膚軟化薬および香料を含む1つ以上の添加物をさらに含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態によれば:
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルの各々は組成物の約10重量%~約70重量%で存在し;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテル、炭酸ジアルキル、およびそれらの組み合わせの各々は組成物の約1重量%~約10重量%で存在し;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の各々は組成物の約0.5重量%~約5重量%で存在し;ならびに
iv.少なくとも1つの植物由来油の各々は組成物の約20重量%~約60重量%で存在する。
【0007】
いくつかの実施形態によれば:
i.分枝アルキル化アルコールエステルの総量は組成物の約40重量%~約70重量%で存在し;
ii.ジアルキル化エーテル、炭酸ジアルキル、およびそれらの組み合わせの総量は組成物の約2重量%~約20重量%で存在し;
iii.非イオン性界面活性剤の総量は組成物の約0.5重量%~約5重量%で存在し;ならびに
iv.植物由来油の総量は組成物の約20重量%~約60重量%で存在する。
【0008】
いくつかの実施形態によれば:
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシルの1つ以上を含み;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキルはジカプリリルエーテルおよび炭酸ジカプリリルの1つ以上を含み;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、オレイン酸ポリグリセリル-2およびジオレイン酸ポリグリセリル-10の1つ以上を含み;ならびに
iv.少なくとも1つの植物由来油はトウモロコシ(コーン)油またはアブラナ(ナタネ)種子油の1つ以上を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも1つの保存剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの保存剤は、組成物の約1重量までで存在する。いくつかの実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、組成物はシリコーンおよび鉱物油の1つ以上を本質的に含まない。
【0011】
いくつかの実施形態では、下記を含むメイクアップ除去およびクレンジング物品が提供され:
a.化粧用ワイプを含む基材;
b.基材に含浸された、下記を含むクレンジング組成物;
i.少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステル;
ii.少なくとも1つのジアルキル化エーテルまたは炭酸ジアルキル;
iii.少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;および
iv.少なくとも1つの植物由来油
組成物は水を本質的に含まず、ならびに
クレンジング組成物は基材上に、基材の重量に対して250重量%~400重量%のクレンジング組成物の浸漬率で含浸される。
【0012】
様々な実施形態によれば、メイクアップ除去およびクレンジング物品は合成材料から形成され、または、天然生分解性の、持続的に供給される天然起源繊維、天然繊維、または再生もしくはリサイクル天然繊維から形成される。いくつかの実施形態では、クレンジング物品は不水溶性基材から形成される。いくつかの実施形態では、クレンジング物品は水溶性基材から形成される。いくつかの特定の実施形態では、物品は水溶性基材および非水溶性基材の組み合わせを含む。
【0013】
いくつかの特定の実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品は不織繊維を含み、繊維は、(1)パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿の1つまたは組み合わせを含む天然起源繊維、(2)ヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、およびパイナップルの1つまたは組み合わせを含む天然繊維、ならびに(3)綿を含む再生もしくはリサイクル繊維、ならびにこれらの組み合わせから選択される天然生分解性の、持続的に供給される繊維から形成される。
【0014】
いくつかの特定の実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品は水溶性繊維を含む1つ以上の不織シートを含み、シートは30℃以下の温度を有する流水または静水に可溶性であり、5wt%以下の水を含む無水製剤と接触した時に耐久性がある。
【0015】
いくつかの特定の実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ(C1-C6)アルキルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ゼラチン、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む水溶性繊維を含む。
【0016】
発明のこれらのおよび他の態様は、添付の特許請求の範囲において提示され、発明の詳細な説明においてより詳細に記載される。
【0017】
この開示は、一般的な発明概念にしたがい例示的な実施形態を記載し、決して本発明の範囲を制限することを意図しない。実際、明細書で記載される発明は本明細書で明記される例示的な実施形態より広く、これにより制限されず、本明細書で使用される用語はそれらの完全に普通の意味を有する。
【0018】
前記概要および下記詳細な説明はどちらも例示であり、説明にすぎず、本開示を制限しようとするものではないことが理解されるべきである。
【0019】
一般的な発明概念の特徴および利点は、添付の図面を参照してなされる下記詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示による発明の組成物および比較組成物のメイクアップ除去効力を示す2Dグラフの形態のデータプロットである。
【
図2A】本開示による発明物品の一実施形態を使用する、特定的には、メイクアップを、例えば、オイル系/無水の発明のジュース組成物を用いて除去するための物品を使用する、代表的なフェイシャルクレンジングルーチンにおける第1のステップを示す。
【
図2B】本開示による発明物品の一実施形態、特定的にはウェットクレンジングシートを、それを水中で軽くすすぐことにより水と共に使用する、代表的なフェイシャルクレンジングルーチンにおける第2のステップを示す。
【
図2C】本開示による発明物品の一実施形態を使用する、特定的には顔上で、水ですすいだシートを使用する、代表的なフェイシャルクレンジングルーチンにおける第3のステップを示す。
【
図2D】本開示による発明物品の一実施形態を使用する、代表的なフェイシャルクレンジングルーチンにおける第4のステップを示し、特定的には、どのように物品が溶解して、使用者がすすぎ落とす、またはさらなるクレンジングのために使用することができる泡になるかを示す。
【
図3A】標準の不織単一層ワイプの形態の例示的な物品を示す。
【
図3B】ヒートシールされた縁を有する標準の不織単一シートワイプの形態の例示的な物品を示す(
図2B)。
【
図3C】ヒートシールされた縁を有する標準の不織層状パッドワイプの形態の例示的な物品を示す(
図2C)。
【
図3D】1つの側にオイルを浸漬させたポリビニルアルコール(PVA)繊維層(メイクアップ除去)シート、他方の側にPVAクレンジングシート、および内側に埋め込まれたPVAフィルムを有する標準の不織層状ワイプの形態の例示的な物品を示す。
【
図4】例示的なワイプを使用したメイクアップ除去およびクレンジングの一連の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
「物品」という用語はここでは、非水溶性支持体および支持体上に含浸された組成物からなる組み合わせを意味すると理解される。この物品は特にワイプとすることができるが、それはまた、以下で記載されるものを含む任意の形態を有することができる。非水溶性基材は吸収性で、その使用中に崩壊しないように十分強い。以上で規定される物品の使用は、皮膚または毛髪の手入れをする、および/またはメイクアップを皮膚からきれいにする、および/または除去する、および/または皮膚をスクラビングするためである。
【0022】
いくつかの実施形態では、物品は合成材料、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート、またはポリエステル)およびPP(ポリプロピレン)から形成することができ、それらは、単独で、または天然ベースの材料と組み合わせて使用され得る。および、いくつかの実施形態では、物品は、(1)天然起源繊維に基づく不織布、例えばパルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、綿、(2)天然繊維に基づく不織布、例えばヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、パイナップル、および(3)再生もしくはリサイクル繊維に基づく不織布、例えば綿などの、起源由来の持続可能な生分解性基材から形成することができる。
【0023】
ワイプなどの多くの従来の化粧物品は化石系ポリマ材料、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート、またはポリエステル)およびPP(ポリプロピレン)(単独で、または天然ベースの材料と組み合わせて使用され得る)から形成される。そのような合成基材は望ましく、というのも、それらは、比較的より安価に生成され、良好な引張強さを提供するからであるが、しかしながら、それらは本質的に決して分解しないので、それらは環境に不利に貢献してしまう。化粧品業界において持続可能性へ焦点を合わせることが増加するにつれ、(1)天然起源繊維に基づく不織布、例えばパルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、綿、(2)天然繊維に基づく不織布、例えばヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、パイナップル、および(3)再生もしくはリサイクル繊維に基づく不織布、例えば綿などの起源から得られた固体基材を使用する化粧物品が必要である。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書における物品は持続可能な起源から得られ、生分解性である基材から形成される。いくつかの特定の実施形態では、これらの材料は、パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿などの繊維を使用して不織布に形成された天然起源繊維から選択される。および、ある一定の実施形態では、化粧物品を形成するために使用される基材はリヨセルの不織布である。天然生分解性の、持続的に供給される繊維を含むそれらの実施形態によれば、実現される明らかな利益は、環境負荷を低減させる機会である。他の利益もまた、持続可能な生分解性基材を使用して達成され得る。本明細書でさらに記載されるように、持続可能な生分解性基材、特にリヨセル不織布を使用する例示物品は、予想外の機械的、テクスチャ、および吸収特性ならびに合成材料を使用する競合化粧物品と比較して、著しく増強された性能を示す。また、本明細書で記載されるように、持続可能な生分解性基材、特にリヨセル不織布を使用する例示物品は、合成基材に染み込ませたこの発明の組成物と比較しても増強された性能を示す。
【0025】
本開示による物品は手触りがしっとりしている。それは皮膚への適用中、心地良く、油性相の存在のために栄養効果を有するという利点を示す。それがメイクアップを皮膚からきれいにするまたは除去するために使用される場合、本開示による物品は皮膚上を通過させられ、その間、できる限り、それはメイクアップ製品が物品の含浸組成物中に溶解されるのに十分な時間適用されたままとされ、次いで、皮膚が拭われる。皮膚はまた、任意で、その後すすぐことができる。本発明による物品は顔、身体または手の皮膚の手入れをするおよび/または処理をする、およびメイクアップを顔および/または身体の皮膚からきれいにするまたは除去するのに適切な化粧物品である。それはまた、毛髪の手入れをする、およびメイクアップを目から除去するために使用することができる。
【0026】
本開示による物品は所望の目的に適切な任意の形態を有することができる。それは一般に長方形、正方形または他の形状を有するワイプを構成することができ、一重、多重とすることができ、および、折り畳むことができ、または折り畳まれていない。物品はまた、手袋、ミトンの形態または顔または身体上での実用的用途に適切な任意の他の形態、例えば、目、鼻および/または口の部位用の穴を有する顔の形態、またはメイクアップをまつげから除去する際の適用のためのメイクアップ除去指サックの形態、または、片面または、特に異なる組成物で含浸された2面を有することができる両面ディスクの形態とすることができる。物品はまた、皮膚の剥脱(スクラビング)を可能にする粗い表面を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書における物品は、本明細書でさらに記載されるように、可溶性、特に水溶性であり、または実質的に水溶性である基材を含み、および、これから形成される。様々な実施形態では、物品は水溶性繊維で形成された1つ以上のシートを含み得る。いくつかの実施形態では、物品は不水溶性層および水溶性層の両方を含み得る。水溶性基材を用いて形成された物品層は消費者の手の掌において溶けることができ、完全な、好都合な「瓶を含まない」および本質的にゴミの出ないクレンジング機会を提供することができる。様々な実施形態では、物品はメイクアップおよび汚れ除去、皮膚細胞の剥脱、および皮膚クレンジングを含む機能を含み得る。
【0028】
「無水」および「水を含まない」という用語は、本明細書では、物品のためのこの組成物および基材の1つ以上との関連で、水を、組成物または基材の総重量に基づき、5重量%未満、例えば3重量%未満、例えば1重量%未満である量で含むことを意味する。
【0029】
「美容的に許容される」は任意のケラチン基体と適合する担体を意味する。
【0030】
「ケラチン基体」および「ケラチン組織」としては各々、皮膚、毛髪、および爪が挙げられるが、それらに限定されない。
【0031】
本明細書では、「天然起源繊維」という用語は、天然繊維に基づく誘導体を提供する化学処理により形成された繊維材料を示し;「天然繊維」は天然繊維の非誘導形態を意味し、および「再生/リサイクル」はそのような繊維を用いて形成された品物から復活された天然繊維を意味する。
【0032】
「シリコーンを含まない」および「鉱物油を含まない」という用語は本明細書では各々、組成物の総活性重量に基づき、5重量%未満、例えば3重量%未満、例えば1重量%未満の、例えばジメチコンおよび他のシリコーン油、およびシリコンエラストマーから選択されるシリコーンポリマーなどのシリコーン、ならびに鉱物油を含むことを意味する。
【0033】
本明細書では、「水溶性」という用語は、水に、特に本明細書で記載される温度にて曝露された場合、実質的にまたは完全に溶解する材料または物体を説明するために使用される。本明細書で使用され得る水溶性基材に関して使用される「実質的に水溶性」という用語は、基材は、完全には溶解しない10%未満の名目量の含量を含み得る可能性を反映し、不溶量は故意ではない。「非水溶性」および「不溶性」という用語は、本明細書では、物品を形成するための基材に関して、本開示に従い、水および/または無水組成物に曝露させると、実質的にまたは完全に可溶性ではなく、溶解しない材料または物体を説明するために使用される。
【0034】
「ワイプ」および「パッド」という用語は本開示による物品に関して同じ意味で使用され;同様に、「シート」および「層」という用語は、本開示を通して同じ意味で使用される。本明細書で開示されるワイプはいくつかの実施形態では、1つ以上の、繊維のシートの形態である。本明細書では、不織シートは薄膜とは異なるシートである。
【0035】
本開示によれば、発明の組成物は先行技術の欠点を克服し、全体のメイクアップ除去の容易さおよび容易なファンデーション除去および容易なマスカラ除去(通常およびウォータープルーフ)を含み、こすることがなく、シリコーンおよび鉱物油の1つ以上を含むものを含む市販の比較組成物と比較して全体として改善された効力を有する予想外の利益を提供し、清浄および新鮮さ、柔らかおよび滑らかな皮膚感触が残り;基材(ワイプ)のサイズおよび厚さを満たし;乾燥しすぎず;べたべたせず;残渣が残らず;心地良い芳香;望ましい天然系繊維を含み;ならびに、部分的または全体的な水溶性繊維基材を含むことができる。
【0036】
メイクアップ除去効力の専門家評価によれば、本開示による組成物およびワイプは、ウォータープルーフのマスカラおよび長持ちするファンデーションの除去において、現在のところ市販されているメイクアップ除去ワイプ(例えばNeutrogena(商標)Makeup Remover Cleansing TowelettesおよびGarnier(商標)SkinActive Clean+ Refreshing Remover Cleansing Towelettesが含まれ、どちらも、クレンジング組成物を染み込ませた合成繊維基材を用いて形成される)、および、オイル系ワイプ、Shiseido - Cle de Peau Beaute Eye and Lip Makeup Remover Towelettesと比較して著しくより良好な性能を示した。本開示による発明の組成物は、特に、シリコーンおよび鉱物油を含むオイル系比較物と比べて、ファンデーションおよびマスカラの両方の除去における改善された性能を含む、メイクアップ除去効力においてより良好な性能を示しただけではなく、それらはまた、より気持ちがよい経験を提供し、使用後に比較的より良好な皮膚感触を与えた。天然繊維および水溶性繊維を使用して形成された発明の物品は、比較組成物と比べて同様の増強された性能を示した。本開示による組成物は適用されると清浄な感じを有し、脂っぽいまたはべとべとした皮膚感触を残さない。
【0037】
本開示による組成物は下記の少なくとも各々を含む:1つの分枝アルキル化アルコールエステル;ジアルキル化エーテルおよび炭酸ジアルキルの1つまたは組み合わせ;非イオン性界面活性剤;および植物由来油。組成物は水を含まない、または本質的に含まない。様々な実施形態では、組成物は成分の各々の2つ以上を含むことができ、保存剤、活性剤、皮膚軟化薬および香料を含む1つ以上の添加物をさらに含み得る。
【0038】
(i)分枝アルキル化アルコールエステル
本開示によれば、組成物は少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、本開示に従い使用され得る好適な分枝アルキル化アルコールエステルはミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソプロピル、オレイン酸エチルヘキシル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸ミリスチル、カプリン酸/カプリル酸2-エチルヘキシル(またはカプリン酸/カプリル酸オクチル)、ネオペンタン酸イソステアリル、エチルヘキサン酸セテアリル、イソステアリン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、アジピン酸ジイソプロピル、およびそれらの組み合わせ、乳酸および12または13個の炭素原子を含む脂肪アルコールのエステル、およびそれらの組み合わせから選択され得る。
【0040】
いくつかの特定の実施形態では、少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルとしては、ミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は2つ以上の分枝アルキル化アルコールエステルを含む。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルはミリスチン酸イソプロピルおよび1つ以上の追加の分枝アルキル化アルコールエステルを含む。いくつかの特定の実施形態では、組成物はミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびパルミチン酸エチルヘキシルを含む。
【0041】
様々な実施形態によれば、少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルの各々は組成物の重量に基づき、重量で、組成物の約10重量%~約70重量%、または約10重量%~約60重量%、または約10%~約40%、または約10%~約30%、または約12%~約25%、または18%~約20%またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲で存在する。組成物中に存在する分枝アルキル化アルコールエステルの総量は組成物の重量に基づき、重量で、約40重量%~約70重量%、または約50重量%~約65重量%、または約55%~約58%またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲の範囲で存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0042】
よって、組成物中の少なくとも1つの分枝アルキル化アルコールエステルの各々は、重量で、組成物の総重量に基づき、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65~約70パーセントで存在することができ、その中およびその間のインクリメントおよび範囲が含まれる。
【0043】
(ii)ジアルキル化エーテル、炭酸ジアルキル
様々な実施形態によれば、組成物は少なくとも1つのジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキルを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキルは、ジカプリリルエーテル、炭酸ジカプリリル、ジステアリルエーテル、ヒドロキシステアリルベヘニルエーテル、ヒドロキシステアリルアルキルC18/C22エーテル、ジイソノニルエーテル、PPG-11ステアリルエーテル、イソソルビドオクチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、炭酸プロピレン、炭酸ジエチルブチル、炭酸ジイソアミル、およびそれらの組み合わせから選択され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、組成物は1つのジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は少なくともジアルキル化エーテルおよび少なくとも1つの炭酸ジアルキルを含む。いくつかの実施形態では、ジカプリリルエーテルおよび炭酸ジカプリリルの少なくとも1つならびに1つ以上の追加のジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキル。いくつかの特定の実施形態では、組成物はジカプリリルエーテルおよび炭酸ジカプリリルを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、組成物中の少なくとも1つのジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキルの各々は、組成物の重量に基づき、重量で、約1%~約10%、または約1%~約5%、または約2%~約3%、または約2%~約4%、または約3%~約5%、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲で存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0046】
いくつかの特定の実施形態では、ジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキルの総量は約2%~約20%、または約2%~約10%、または約2%~約4%、または約3%~約5%で存在する。いくつかの実施形態では、アルキル化グリセロールエステル/界面活性剤の総量は約2%を超えない。いくつかの特定の実施形態では、アルキル化グリセロールエステル/界面活性剤の総量は約2%未満である。
【0047】
よって、少なくとも1つのジアルキル化エーテルおよび/または炭酸ジアルキルの各々は重量で、組成物の総重量に基づき、約1、2、3、4、~約5パーセントで存在し、その中およびその間のインクリメントおよび範囲が含まれる。
【0048】
(iii)非イオン性界面活性剤
様々な実施形態によれば、組成物は少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤はポリグリセリル非イオン性界面活性剤から選択され得、それらはポリグリセリルエステル、ポリグリセリルエーテル、ポリグリセリルソルビタン脂肪酸エステル、その2つ以上の組み合わせなどからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、ポリグリセリルエステル、ポリグリセリルエーテル、およびその2つ以上の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、オレイン酸ポリグリセリル-2、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-5、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-6、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-7、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-8、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-9、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10、カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリン酸ポリグリセリル-5、カプリン酸ポリグリセリル-6、カプリン酸ポリグリセリル-7、カプリン酸ポリグリセリル-8、カプリン酸ポリグリセリル-9、カプリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-4、ラウリン酸ポリグリセリル-5、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-7、ラウリン酸ポリグリセリル-8、ラウリン酸ポリグリセリル-9、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-6、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-7、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-8、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-9、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-11、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-12、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-7、ミリスチン酸ポリグリセリル-8、ミリスチン酸ポリグリセリル-9、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-11、ミリスチン酸ポリグリセリル-12、オレイン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-11、オレイン酸ポリグリセリル-12、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-11、ステアリン酸ポリグリセリル-12、およびその2つ以上の組み合わせから選択される。
【0049】
いくつかの実施形態では、組成物は1つの非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも2つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、オレイン酸ポリグリセリル-2、およびジオレイン酸ポリグリセリル-10を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物中の少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の各々は組成物の重量に基づき、重量で、約0.5%~約5%、または約0.5%~約3%、または約1%~約3%、または約2%~約4%、または約1%~約2%、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲で存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0051】
いくつかの特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤の総量は、組成物の重量に基づき、重量で、約0.5%~約5%、または約2%~約4%、または約2%~約3%、または約3%~約5%、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲で存在する。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0052】
よって、少なくとも1つのジアルキル化エーテルおよび/または非イオン性界面活性剤の各々は重量で、組成物の総重量に基づき、約0.5、1、2、3、4~約5パーセントで存在し、その中およびその間のインクリメントおよび範囲が含まれる。
【0053】
(iv)植物由来油
様々な実施形態によれば、組成物は少なくとも1つの植物由来油を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの植物由来油はトウモロコシ(コーン)油、アブラナ(ナタネ)種子油、ブチロスパーマム・パーキー(シア)バター、アーモンド(スイートアーモンド)油、アンズ(アプリコット)核油、およびヒマワリ(ひまわり)種子油、カロフィルム、パーム、トウゴマ(ヒマシ)、アブラヤシ(パーム)、アボカド油、シモンドシア・キネンシス(ホホバ)種子油、オレア・エウロパエア(オリーブ)油、ココヤシ(ココナツ)油、および穀類胚芽油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ゴマ(胡麻)種子油、トリチカムウルガレ(コムギ)胚芽油、アルガニアスピノサ(argania spinose)核油、グリシン・ソヤ(ダイズ)油、キャノーラ油、イネ(コメ)ぬか油、およびそれらの組み合わせから選択され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は1つの植物由来油を含む。いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも2つの植物由来油を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの植物由来油は、トウモロコシ油およびナタネ油の1つである。いくつかの特定の実施形態では、組成物はトウモロコシ油およびナタネ油を含む。
【0055】
様々な実施形態によれば、少なくとも1つの植物由来油の各々は、組成物の重量に基づき、重量で、組成物の約20重量%~約60重量%、または約25重量%~約55重量%、または約30%~約45%、または約35%~約40%、または約20%~約25%、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲で存在する。
【0056】
組成物中に存在する植物由来油の総量は、組成物の重量に基づき、重量で、約20重量%~約60重量%、または約20重量%~約40重量%、または約20%~約25%、または約35重量%~約40重量%またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲の範囲である。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0057】
よって、組成物中の少なくとも1つの植物由来油の各々は、組成物の総重量に基づき、重量で、約20、25、30、35、40、45、50、55~約60パーセントで存在することができ、その中およびその間のインクリメントおよび範囲が含まれる。
【0058】
溶媒
本開示によれば、組成物は1つ以上の溶媒を含み得る。いくつかの実施形態では、溶媒はC11~C20の炭素鎖長を有する分枝または直鎖、液体アルカンである。様々な実施形態では、液体アルカンはC11~C20の炭素鎖長を有するものから選択され得る。液体アルカンは、C11~C20、またはC15~C19の炭素鎖長を有するもの、またはC11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18~C19のものから選択され得る。いくつかの特定の実施形態では、本開示に従い使用され得る好適な液体アルカンとしては、8~16個の炭素原子を含む炭化水素系油、とりわけC8-C16イソアルカンなどの分枝C8-C16アルカンが挙げられる。いくつかの特定の実施形態では、そのような液体アルカンはイソパラフィン、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカン、およびイソヘキサデカンから選択され得る。
【0059】
いくつかの特定の実施形態では、組成物はイソヘキサデカンを含み得る。
【0060】
少なくとも1つの溶媒の各々の量は、存在する場合、組成物の重量に基づき、重量で、約0.5重量%~約15重量%、または約0.5重量%~約5重量%、または約1%~約2%の範囲またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲である。しかしながら、当業者であれば、他の範囲が発明の範囲内にあることを認識するであろう。
【0061】
よって、組成物中の少なくとも1つの溶媒の各々は、組成物の総重量に基づき、重量で、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14~約15パーセントで存在することができ、その中およびその間のインクリメントおよび範囲が含まれる。
【0062】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の溶媒、例えば、モノアルコール、例えば1価C1-C8アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、およびベンジルアルコール、およびフェニルエチルアルコールを含むことができる。
【0063】
任意的な添加物
組成物はまた、本発明による組成物の特性に影響しない、化粧品分野で使用される少なくとも1つの添加物、例えば香料、保存剤/抗菌剤、活性剤(例えば、ビタミン、パンテノール、トコフェロール)、着色材料を含むことができ;精油;クエン酸、塩化ナトリウム;中和またはpH調整剤(例えば、トリエチルアミン(TEA)および水酸化ナトリウム)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
任意的な添加物が例として与えられるが、当技術分野で知られている化粧用途と適合可能な、本質的に無水の組成物に好適である、他の任意的な成分が使用され得ることが認識されるであろう。
【0065】
様々な実施形態によれば、単独で、または組み合わせて、組成物中に存在する1つ以上の活性剤および添加物の量は、本開示による組成物中に、組成物の総重量に基づき、重量で、約0.001重量%~約20重量%、または約0.005%~約0.01%、または約0.01%~約0.1%、または約0.15%~約5%、または約0.40%~約4%、または約0.5重量%~約2.5重量%、または約1%~約2%の範囲、またはその任意の好適な組み合わせ、部分的組み合わせ、範囲、もしくは部分範囲で存在することができる。
【0066】
よって、活性剤および添加物のいずれか1つまたは組み合わせは、組成物の総重量に基づき、重量で、各々1つまたは組み合わせで、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.20、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.0、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19~約20重量パーセントで存在することができ、その中およびその間のインクリメントおよび範囲が含まれる。
【0067】
物品/基材
様々な実施形態によれば、発明のメイクアップ除去組成物を染み込ませた固体基材を含む物品が提供される。メイクアップ除去およびクレンジング物品は合成材料から形成され、または、天然生分解性の、持続的に供給される天然起源繊維、天然繊維、または再生もしくはリサイクル天然繊維から形成される。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、基材は不織材料である。不織材料の概要はRiedel “Nonwoven Bonding Methods and Materials”, Nonwoven World (1987)において提供される。これらの基材は不織材料の調製のための技術の普通の方法により得られる。
【0069】
基材が不織材料である場合、球にならず、かつ、皮膚に適用されても崩壊せず、綿毛状にならないように十分頑丈である不織材料が使用され得る。それは、特に目からのメイクアップの除去のために、少なくとも1つの側が吸収性で柔らかくなければならない。適切な不織材料として、例えば、BBAによりUltraloft 15285-01、Ultraloft 182-008、Ultraloft 182-010およびUltraloft 182-016という名、FreudenbergによるVilmed M1519 Blau、Vilmed M 1550Nおよび112-132-3で販売されるもの、Jacob Holm IndustriesによりNorafin 11601-010Bという名で販売されるもの、UniFlockageによりUnivel 109およびUnivel 119という名で販売されるフロック不織材料およびSandlerにより供給されるビスコース/PLAで製造されるものが言及され得る。
【0070】
物品を含むいくつかの実施形態によれば、不水溶性基材が使用される。非水溶性基材は、1つ以上の層を含むことができ、それは、織材料、不織材料、フォーム、スポンジ、詰め綿、シート、ボールまたはフィルムからなる群より選択することができる。それは特に、天然起源の繊維(亜麻、羊毛、綿、絹、ビスコース、竹でできた繊維)または合成起源の繊維(セルロース誘導体、ポリビニル誘導体、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PET)またはポリプロピレン、ポリアミド、例えばナイロン、またはアクリル誘導体)およびそれらの混合物、例えばビスコース/PET、ポリ乳酸(PLA)またはビスコース/ポリ乳酸(ビスコース/PLA)に基づく不織基材とすることができる。
【0071】
1つの実施形態によれば、基材は、水流交絡プロセスによる、ビスコースからなる不織材料、またはビスコース/マイクロビスコース混合物からなる不織材料である。
【0072】
いくつかの特定の実施形態では、メイクアップ除去およびクレンジング物品は不織繊維を含み、繊維は、(1)パルプ、ビスコース、リヨセル、酢酸セルロース、および綿の1つまたは組み合わせを含む天然起源繊維、(2)ヘンプ、亜麻、海藻、ラミー、バナナ、およびパイナップルの1つまたは組み合わせを含む天然繊維、および(3)綿を含む再生もしくはリサイクル繊維、ならびにこれらの組み合わせから選択される、天然生分解性の、持続的に供給される繊維から形成される。
【0073】
1つの実施形態によれば、基材は、生分解性材料、例えばリヨセルから形成される不織材料である。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、基材は、同一または異なる特性を有する、ならびに、弾性および柔らかさの特性ならびに所望の用途に適切な他の特性を有する1つ以上の層を含むことができる。基材は、例えば、文書WO-A-99/13861号に記載されるように、異なる弾性特性を有する2つの部分を含むことができ、または文書WO-A-99/25318号に記載されるように、異なる密度を有する単一層を含むことができ、または文書WO-A-98/18441号に記載されるように、異なるテクスチャの2つの層を含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、物品が身体のために使用される場合、基材は、同時に、皮膚をマッサージするまたは皮膚をスクラビングすることを可能にするために少なくとも1つの粗い側を含むことができる。
【0076】
様々な実施形態によれば、基材は、所望の目的に適切である任意のサイズおよび任意の形状を有することができる。さらに、それは一般に、0.005m2~0.1m2、または0.01m2~0.05m2の表面積を有する。基材の重量は30gsm~200gsm(グラム/平方メートル)、または40gsm~60gsmの範囲とすることができる。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、本開示による物品は、このメイクアップ除去組成物が注入された水溶性基材の1つ以上のシートまたは層を含む。そのような水溶性シートを含む物品は使用者に、メイクアップリムーバおよびクレンザーなどの必要な成分全てを含み、追加の液体成分の使用を必要としない、フェイシャルクレンジングルーチンのための完成品を提供することができる。例えば、1つの実施形態では、ワイプは、メイクアップ除去シートとして使用することができる少なくとも1つのシート、例えば、あるテクスチャを有する繊維を含む不織シートを含む。このシートはまた、本開示によるメイクアップ除去組成物を組み入れることができ、いくつかの実施形態では、界面活性剤成分または以下で記載される他のオイルクレンザーを含む追加の層または部分を含み得る。そのようなワイプを使用してメイクアップおよび/または油および汚れを皮膚の表面(例えば、顔)から除去した後、ワイプは消費者の手の掌において直ちに溶解させることができ、洗い流すことができ固体廃棄物はなしか、または無視でき、あるいは、さらなるクレンジングのために使用することができる液体界面活性剤を再構成ために使用することができる。いくつかの実施形態では、ワイプは2つ以上の層またはシートを含むことができ、それらははっきりと異なる機能を有し、および/または明確に機能化される。例えば、1つの実施形態では、ワイプは本開示によるメイクアップ除去組成物を含む1つ以上のメイクアップ除去シート、1つの実施例では、シートと関連している界面活性剤組成物、例えば、乾燥界面活性剤組成物を含むクレンジングシートを含む。ある一定の実施形態では、ワイプは1つ以上の剥脱シートをさらに含み得る。およびいくつかの実施例では、ワイプを含む物品は水溶性ではない1つ以上のシートを含み得る。
【0078】
1を超えるシートを含み、水溶性基材を含む物品はいかなるようにも配列することができる。いくつかの実施例では、1つ以上のメイクアップ除去シートは1つ以上のクレンジングおよび/または剥脱シートの上に配置される。使用者はメイクアップ除去シートをワイプから引き離し、シートを使用して皮膚を拭い、メイクアップおよび/または汚れを除去することができる。次いで、使用されたシートは、流水下で流す、または溶解させることにより廃棄することができる。メイクアップ除去後、使用者は残った1つまたは複数のシートを水中で再構成し、界面活性剤クレンザーを提供し、クレンザーを使用して皮膚を洗浄することができる。
図2および
図4は、水溶性基材を含むシートの使用の別の描写を示す。ここで
図3について説明すると、ワイプを含む物品は縁で一緒に密閉された2つ以上のシートおよび2つの隣接シート間のクレンジングポッドを含むことができ、クレンジングポッドは水溶性不織ワイプまたは水溶性フィルムに封入されたクレンジング組成物を含む。いくつかの実施形態では、ワイプが2つ以上のシートを含む場合、2つ以上のシートは分離可能である。本明細書の記載は可溶性および不溶性基材のどれか一方から形成されるシートに関連することができるが、当業者であれば、層状ワイプのいくつかの例に関する
図3で示される画像では、そのような例は可溶性および不溶性層の1つまたは両方を含み得ることを認識するであろうことが認識されるであろう。
【0079】
一般に、本明細書で開示されるワイプを含む物品に関しては、ワイプは任意の形状、例えば、使用目的、例えば、目の周りのメイクアップの除去のために適切な形状を有することができる。例えば、ワイプは、使用目的に好適な寸法を有する長方形、円形、まめ(kidney)、または卵形形状を有することができる。よって、ワイプは、約2cm~15cmの長さおよび約1cm~10cmの幅の卵形形状、約2cm~15cmの直径を有するディスク形状、または約5cm~15cmの辺を有する正方形の形態、または約5cm~15cm長さの長方形の形態を有することができる。
【0080】
水溶性基材を含むワイプの実施形態によれば、基材はフェイシャルクレンジングに好適な温度、例えば、30℃以下の温度の水道水に完全にまたは少なくとも実質的に可溶性である。本明細書では、「30℃以下」は、30℃を超えないが0℃未満ではない温度、例えば約0℃~約30℃の温度、または、例えば、約0℃超~約30℃、約5℃~約30℃、約10℃~約30℃、約15℃~約30℃、または約20℃~約30℃の範囲の温度を意味する。ある一定の実施形態では、ワイプ全体は30℃以下の温度の水中で可溶性である。水溶性基材を含むワイプのそのような実施形態によれば、非水溶性繊維を実質的に含まないシートを含む。いくつかの実施形態では、ワイプは水溶性である繊維から構成されるシートを含み、例えば、ワイプ自体が完全に水溶性である。発明の1つの実施形態によれば、シートは非水溶性繊維を有さず、すなわち、シートは、水溶性繊維のみから構成され、そのため、シート全体が水に完全に可溶性である。
【0081】
任意の好適な水溶性繊維は本明細書で開示されるワイプの製造において使用することができ、例えば天然、人工、または合成水溶性ポリマ繊維である。いくつかの実施形態では、水溶性繊維は水溶性ポリマ材料を含む。紡糸して繊維にすることができる任意の水溶性材料は、本明細書で開示されるワイプのシートの調製において使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ(C1-C6)アルキルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ゼラチン、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、およびそれらの組み合わせから選択される材料である。
【0082】
ある一定の実施形態では、水溶性繊維は、ポリビニルアルコール(PVA)を用いて、繊維の要求される水溶性を提供する方法により製造されるポリビニルアルコール(PVA)繊維である。繊維において使用されるPVAは様々な重合度を有することができる。例えば、30℃以下の温度の水に可溶性であるPVA繊維としては、日本企業Kuarayにより商標名Kuralon K-II WN2で市販されているPVA繊維が挙げられる。その繊維は、水溶性PVA系ポリマを第1の有機溶媒に溶解することによる紡糸液の調製を含む方法により調製され、溶液は第2の有機溶媒中で紡糸され固化した糸が得られ、第1の溶媒を除去した糸の湿式延伸を実施し、それらは、次いで、乾燥され、熱処理を受ける。これらの繊維は、例えば、Kuraray Co LtdのUS6106945A号に記載されるように、円形断面および少なくとも2.7g/dtex(3g/d)の引張強さを有することができ、その開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。PVAに加えて、またはその代わりに、他の型の繊維が、本明細書で開示されるワイプのシートにおいて使用でき、例えば、限定はされないがLysac TechnologiesによりLysornb(商標)という名で市販される多糖繊維、またはグルコマンナンまたはデンプンなどのポリホロシドポリマー系繊維である。繊維の組み合わせが本明細書で開示されるワイプで使用される場合、適切な場合には、繊維は異なる温度、例えば30℃以下の異なる温度で水溶性である様々な繊維の混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のシートの各シートは2つ以上の型の水溶性繊維を含む。他の実施形態では、ワイプは2つ以上のシートを含むことができ、少なくとも2つのシートは異なる型の水溶性材料を含む。
【0083】
本開示による物品が水溶性基材の1つ以上のシートまたは層を含む実施形態によれば、そのようなワイプは少なくとも1つの不織シートを含むであろう。いくつかの実施形態では、不織シートは紡糸-巻回(spun-wound)シートまたはニードルパンチシートである。不織材料を繊維から製造するための任意の好適な技術は本明細書で開示されるワイプの製造において使用することができる。例えば、繊維は押出加工により形成させ、コンベヤー上に堆積させることができ、繊維のシートが形成され、これが、次いで、従来の繊維接着技術、例えばニードリング、熱接着、カレンダー処理により固められる。いくつかの実施形態では、熱気ジェットによる接着(すなわち、通気接着)、熱気が吹くトンネルをシートが通過する技術が使用でき、例えば、シートが、2つの型の材料を含む繊維からなる場合である。そのような繊維としては、異なる融点または軟化点の少なくとも2つのグレードのポリビニルアルコール(PVA)を含む繊維が挙げられる。これらの繊維は、繊維が繊維のコアに位置する少なくとも1つの第1のグレードのPVAおよび繊維の周辺に位置する少なくとも1つの第2のグレードのPVAを有するように同時押出することができ、例えば、コアの周りにシースが形成される。そのようなコア-シース繊維の接着はシースがコアより低い融点を有する場合により簡単に達成することができる。本明細書で開示されるワイプが複数のシートを含む場合、2つ以上のシートは様々な方法で、例えば、溶接、糊付け、またはスティッチングにより、例えば、それ自体水溶性である糸を用いたスティッチングにより、一緒に接合させることができる。いくつかの実施形態では、ワイプが複数の不織シートを含む場合、これらのシートは、ヒートシーリングにより、例えば、ワイプの縁またはそれらの周辺でのヒートシーリングにより一緒に接合させることができ、内部空洞を有するワイプが提供される。
【0084】
ある一定の実施形態では、水溶性繊維の表面は、好適な処理、例えば機械的処理、化学的処理、コーティング、またはそれらの組み合わせにより、機能的に改変され、または機能化される。機械的および/またはコーティングおよび/または化学的手段により実施される機能化が使用され、特定の特性、例えば限定はされないがクレンジング、吸収、皮膚剥脱、活性材料成分の封じ込め、活性材料成分の堆積、耐久性、またはそれらの組み合わせが提供される。ある一定の実施形態では、繊維は機械的に処理され、または改変される。機械的処理、例えば、マイクロクリ-ピング(カレンダー圧力および熱)、機械的接着、およびそれらの組み合わせから選択される処理を使用して、シート体積を増加させ、物理的テクスチャを生成させ、または吸収特性を変化させる(例えば、より多くの体積またはより高い吸収率を提供する)ことができる。ある一定の実施形態では、機械的接着、例えば熱成形および/またはシーリングは物理的テクスチャを生成させ、吸収および溶解特性を変化させる(すなわち、接着は溶解時間を増加させ、吸収率を低減させ、および粗い/耐久性のある領域を生成させる)ことができ、または、尖った、線形、線状パターン、または共平面シールを生成させるために使用することができる。ある一定の実施形態では、繊維はコーティングを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは疎水性コーティングである。本明細書で開示されるワイプの繊維のコーティングは任意の好適な様式で水溶性繊維を疎水性組成物と接触させることにより達成することができ、例えば、コーティングはカレンダー加工され、PVA不織シートなどの不織シート上に噴霧され、これに融合され、またはこれ内/上で浸漬/飽和され得る。疎水性コーティングは不織シートの片側または両側で、水との溶解性を阻止し、または、バリアを提供することができる。加えて、フィルムコーティングは、明らかな利益または効果を提供する必要がある不適合製剤が含浸された1つ以上の不織シート(例えば、PVAシート)への、またはそれらの間のバリアとして機能することができ、例えば、メイクアップ除去のために油中に浸漬されたPVAシートを、クレンジングおよび「せっけん水で洗う」効果のための粉末界面活性剤組成物が含浸されたPVAシートから分離し、これは、水と接触すると、使用者にとって主な効力キューとして機能する。例えば、例示的なワイプはオイルなどのメイクアップ除去製剤でコートされた繊維を有する1つ以上のメイクアップ除去シートを含むことができる。メイクアップ除去製剤の例は当技術分野で知られている。
【0085】
水溶性基材を含むワイプのある一定の実施形態では、シートを構成する繊維は疎水性コーティングを含む。好適な疎水性コーティングとしては、シリコーン、炭化水素、天然油、グリセリン、ヒカゲノカズラ粉末、水置換溶媒、またはそれらの組み合わせを含むコーティング挙げられる。コーティングはさらに、追加の機能性、例えば粉末洗浄剤または界面活性剤組成物または剥脱組成物のための接着剤として機能することができる。界面活性剤および剥脱剤は当技術分野で知られている。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるワイプは、テクスチャードPVAシートまたはメイクアップ除去剤、例えば本開示によるメイクアップ除去組成物、またはそれと関連している追加のクレンジングオイルを有するPVAシートであるメイクアップ除去シートを含む。他の実施形態では、ワイプは、以上で記載される通り、繊維と関連している無水界面活性剤組成物をさらに含む。好適な界面活性剤組成物はSLS、脂肪、アルカリ、精油、香料、グリセリン、ブレンド、カカオバターを含むことができる。界面活性剤は乾燥(粉末)または他の無水形態(例えば、約5重量%未満、約3重量%未満、または約1重量%未満の水を有する)とすることができる。その上、さらなる実施形態では、本明細書で記載されるシートに加えて、ワイプは、少なくとも1つの剥脱シート、例えば、シートと関連している剥脱剤を有するシートをさらに含む。よって、いくつかの実施形態では、ワイプは複数のシート、例えば、2つ以上のシート、3つ以上のシート、または4つ以上のシートを含む。いくつかの実施形態では、ワイプが2つ以上のシートを含む場合、2つ以上のシートの少なくとも2つはヒートシールされる。本明細書で開示されるワイプは2つの隣接シート、例えば、不適合の機能性または製剤を有するシート間にバリアフィルムをさらに含むことができる。フィルムは水溶性材料から構成され、例えば、いくつかの実施形態では、フィルムはポリビニルアルコールを含む。PVAフィルムは当技術分野で知られており、多くの製造業者により商業的に提供される。いずれの厚さのシートも本明細書で開示されるワイプにおいて使用することができる。ある一定の実施形態では、シートは約0.3mm~約0.5mmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、シートは約0.40mm~約0.45mmの厚さを有する。
【0087】
本明細書で開示されるワイプは、当技術分野で知られている方法、例えば、米国特許7465266号および米国特許6202845号(それらは全体として本明細書に組み込まれる)で開示されるプロセスにより製造することができる。例えば、例示的な多層不織PVAワイプは、不織PVAシートをPVAフィルムと融合させ、不適合製剤を分離する多層ワイプを生成させることにより製造することができる。
図3Dに示されるように、3つのウェブ、例えば、メイクアップ除去不織PVA繊維シート、PVAフィルム、および上記特性を有するクレンジングPVAシートが、インライン製造プロセスにおいて、シーリング(層対層)ステップおよび切断/スコアリングステップ(「z折り」が可能になる)を使用して一緒に獲得され、交互の「z折り」は、ワイプの交互側面上の適合製剤が接触するのを可能にし、2つの不適合製剤が互いに接触することが回避される。方法は製剤が含浸されたおよび/またはこれでコートされた基材を分離して、多層不織ワイプの製造およびパッケージング中、および消費者使用を通して反応(例えば、油/界面活性剤フォーム中和)を回避するのに有用である(すなわち、ワイプは逆「z折り」で分配する)。
【0088】
一般に、1つ以上の不溶性および水溶性基材を含むものを含むこの物品は、本明細書で開示される少なくとも1つのワイプを含むキットまたはパッケージで提供することができる。いくつかの実施形態では、キットは複数のワイプを含む。ある一定の実施形態では、ワイプは互いに取り外し可能に付着され、および/または、以上で記載される逆z折りに折り畳まれる。
【0089】
様々な実施形態によれば、基材上への組成物の含浸率は、一般に基材の重量の100%~1000%、いくつかの実施形態では、約150%~約700%、または約250%~約400%の範囲である。基材に組成物を含浸させるための技術はよく知られており、全て、本発明で適用することができる。一般に、含浸組成物は、浸漬、コーティング、噴霧、などを含む1つ以上の技術により、加熱され、基材に付加される。
【0090】
本発明による下記の実施例は例として提供され、制限する性質は有さない。名称は、化学名またはINCI名である。量はその中では、別記されない限り、重量パーセント(%)で与えられる。
【0091】
【0092】
実施例2:発明の組成物:
発明の組成物および物品の様々な代表的な実施形態が本明細書で例示される。場合によっては、組成物は「ジュース」と呼ばれる。ジュース形態(基材に染み込まされていない)の発明の組成物は数字識別子を用いて指定され(例えば、「発明の組成物1」または「INV1」);物品形態(基材に染み込まされている)の発明の組成物は英数字識別子を用いて指定される(例えば、「発明の組成物1A」または「INV1A」(水溶性PVOH不織布に染み込ませたジュース);「発明の組成物1B」または「INV1B」(合成不織基材に染み込ませたジュース))。
【表2】
【0093】
実施例3:発明の組成物調製手順:
ジュース製剤の調製:1.相Aを主ケトル(MK)に添加し、室温でよく混合し、透明な、淡黄色液体を得る。2.副ケトル(SK)において、相Bを予混合し、70-75℃まで加熱する。よく混合し、相Bが完全に溶解していることを確認し、無色透明な液体を得る。3.相Bが完全に分散されている場合、相BをMKに徐々に添加する。相Bが徐々に添加される間MKの混合を維持し、確実に、混合物を完全に均一にする。4.相BがMKに添加されるにつれ、バッチはより半透明、および透明になる。製剤は半透明の、淡黄色を有する。5.室温まで冷却し、バッチを終える。
【0094】
発明の組成物は本質的に無水の、透明な液体であり、いくらか淡黄色の着色があるか、またはない。
【0095】
メイクアップ除去ワイプの調製:選択した不織基材にジュース製剤を、1:2.5(基材:ジュース製剤)の重量パーセント比で均質に浸漬させる。ウェット基材を所望の形状に折り畳み、折り畳まれたウェットワイプを積層させ、使いやすいように好適なパッケージに詰める。
【0096】
【0097】
実施例5:比較組成物
【表4】
【表5】
【表6】
【0098】
実施例6:専門家評価:
頑固なメイクアップおよびマスカラ除去における発明の組成物対比較組成物の有効性の証明
発明の組成物の有効性を、固体基材に注入された一般に同様の成分を有する市販のメイクアップ除去ウェットワイプ(比較組成物)と比べて評価するために試験を実施した。研究では、ジュース組成物が含浸されたワイプ基材を熟練/専門家エステティシャンが使用して、濃いフェースメイクアップ(Maybelline(商標)Super Stay Full Coverage Foundation)、およびマスカラ(Maybelline(商標)Colossal Big Shot Waterproof Mascara)を除去した。クレンジングワイプは、液体クリーニング組成物をワイプ基材に特定の重量パーセンテージ比、典型的には2.5:1(ジュース:基材)で浸漬させることにより調製した。メイクアップ除去効力を、エステティシャンが頑固なメイクアップ製品を六(6)人のコーカサス女性に適用するプロトコルに従うことにより決定した。30分後、エステティシャンはメイクアップを、試験品(発明および比較)を用いて除去し、除去の程度を、Lancome(商標)Bi-Facil(商標)Makeup Remover(2相メイクアップ除去製品)を、綿パッド上に2mL、最大6つの綿パッドについて使用することにより除去した残留メイクアップの量により評価した。試験製剤のメイクアップ除去効力が高いほど、除去するのに必要となるBi-Facil(商標)を有する綿パッドが少なくなる。というのも、残留メイクアップがより少なくなるであろうからである。メイクアップ除去効力データを
図1に示されるように2Dグラフを使用してプロットし;
図1で示されるデータは表7に表される。
【表7】
【0099】
試験した発明の組成物はどちらもファンデーションおよびマスカラ除去において比較組成物の各々と比較してより効率的であり、発明の組成物はどちらも審美的に許容される結果を提供した。
【0100】
本開示について、記載される実施形態を参照して記載してきたが、当業者には、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な変更が可能であり、等価物が、その要素の代わりになり得ることが理解されるであろう。加えて、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために、その本質的な範囲から逸脱せずに多くの改変が可能である。そのため、本開示は、この開示を実施するために企図される最良の様式として開示される特定の実施形態に限定されず、本開示は添付の特許請求の範囲内にある全ての実施形態を含むことが意図される。
【0101】
冠詞「1つの(a、an)」は本明細書では、明細書および特許請求の範囲で記載される本開示の実施形態における任意の特徴に適用される場合、1つ以上を意味する。「1つの(a、an)」の使用は、そのような制限が特定的に記載されない限り、その意味を単一の特徴に制限しない。単数または複数名詞または名詞句の前にくる冠詞「その(the)」は、1つまたは複数の特別な特定される特徴を示し、それが使用される文脈によって単数または複数の意味合いを有し得る。形容詞「任意の」は量に関係なく、1つ、いくつか、または全てを意味する。
【0102】
「少なくとも1つ」は本明細書では、1つ以上を意味し、よって個々の成分ならびに混合物/組み合わせを含む。
【0103】
「を含む」、「から本質的に構成される」および「から構成される」という移行用語は、添付の特許請求の範囲において、元の、および補正形態で使用される場合、どの列挙されていない追加の特許請求要素またはステップが、あるとすれば、特許請求の範囲(複数可)から排除されるかに関して特許請求の範囲を規定する。「を含む」という用語は、包含するまたは制限しないことを意図し、いずれの追加の、列挙されていない要素、方法、ステップまたは材料も排除しない。「から構成される」という用語は特許請求の範囲において特定されているもの以外のいずれの要素、ステップまたは材料も排除し、後者の場合、特定される材料(複数可)と通常関連している不純物が排除される。「から本質的に構成される」という用語は、特許請求の範囲を、特定される要素、ステップまたは材料(複数可)ならびに特許請求される開示の基本および新規特性(複数可)に実質的に影響しないものに制限する。本開示を具体化する本明細書で記載される材料および方法は全て、別の実施形態では、移行用語「を含む」「から本質的に構成される」および「から構成される」のいずれかにより、より特定的に規定することができる。
【0104】
「を含まない」および「を欠く」という用語は、確実に測定可能な排除される材料は、組成物中に存在しない、典型的には、組成物の総重量に基づき0重量%であることを示す。「を本質的に含まない」という用語は、排除される材料が組成物中に存在しないことが好ましいが、非常に少量の排除される材料が発明の組成物中に存在する可能性があることを意味し、ただし、これらの量は組成物の有利な特性に実質的に影響しないことを条件とする。特に、「を本質的に含まない」は、排除される材料は、組成物中に、組成物の総重量に基づき、約0.1重量%未満の量で存在する可能性があることを意味する。
【0105】
動作実施例の場合、または別記される場合以外では、材料成分の量および/または反応条件を表す全ての数値は全ての場合において「約」という用語により修飾されるものとして理解されるべきであり、指定数値の10%以内が意味される(例えば「約10%」は9%-11%を意味し、「約2%」は1.8%-2.2%を意味する)。
【0106】
パーセンテージおよび比は全て別記されない限り重量により計算される。パーセンテージは全て、別記されない限り、総組成物に基づき計算される。一般に、本明細書で明示的に別記されない限り、「重量」または「量」は、本明細書で、材料成分のパーセント量に関して使用されるように、材料成分を含む原料の量を示し、原料は材料成分の100%活性未満および最大それまでを占めるように本明細書で記載され得る。よって、組成物中の活性物の重量パーセントは、使用される活性物を含む原料の量として表され、活性物の最終パーセンテージを反映しても、しなくてもよく、活性物の最終パーセンテージは原料中の活性物の重量パーセントに依存する。
【0107】
「重量パーセント」および「wt%」という用語は同じ意味で使用され得、例えば、組成物、物品または材料の成分である相、または系に関して特定され得るものを除き、組成物、物品または材料の総重量に基づく重量によるパーセントを意味する。本明細書で与えられる全ての範囲および量は任意の開示される点を終点として使用する部分範囲および量を含むことが意図される。よって、「1%~10%、例えば2%~8%、例えば3%~5%」の範囲は、「1%~8%」、「1%~5%」、「2%~10%」などの範囲を包含することが意図される。全ての数値、量、範囲、などは、そのように明確に述べられているかどうかに関係なく「約」という用語により修飾されることが意図される。同様に、「約1%~10%」の与えられる範囲は1%および10%終点の両方を修飾する「約」という用語を有することが意図される。さらに、成分の量が与えられた場合、別記されない限り、活性材料の量が特定されることが意図されることが理解される。
【0108】
本開示の広い範囲を明記する数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、別記されない限り、具体例で明記された数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、本質的に、それらの個々の試験測定において見られる標準偏差に必然的に起因するある一定の誤差を含む。続く実施例は本開示の実施形態を説明するように機能するが、しかしながら、本質的に制限しない。
【0109】
この明細書で引用される全ての刊行物および特許出願は、いずれかおよび全ての目的のために、各個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることを特定的にかつ個々に示されたかのように、本明細書で参照により組み込まれる。本開示と参照により本明細書に組み込まれるいずれかの刊行物または特許出願の間に矛盾があった場合には、本開示が制御する。
【国際調査報告】