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特表2022-544468測位用の角度報告のための構成可能な座標系
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】測位用の角度報告のための構成可能な座標系
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/12 20060101AFI20221012BHJP
   G01S 3/14 20060101ALI20221012BHJP
   G01S 13/74 20060101ALI20221012BHJP
   H04W 4/02 20180101ALI20221012BHJP
【FI】
G01S5/12
G01S3/14
G01S13/74
H04W4/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507378
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 US2020045946
(87)【国際公開番号】W WO2021030444
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】20190100349
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(31)【優先権主張番号】16/990,197
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】マノラコス、アレクサンドロス
(72)【発明者】
【氏名】アッカラカラン、ソニー
(72)【発明者】
【氏名】オプスハウ、ギュトルム・リングスタッド
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、スベン
(72)【発明者】
【氏名】ソリアガ、ジョセフ・ビナミラ
【テーマコード(参考)】
5J062
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC14
5J070AB10
5J070AC02
5J070AE09
5J070AF01
5J070BC13
5K067AA21
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ53
(57)【要約】
ワイヤレス通信のための技法が開示される。一態様では、基地局は、第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施し(1110)、測位エンティティに対して、1つまたは複数の角度ベースの測定値を、ローカル座標系(LCS)において報告するか、またはグローバル座標系(GCS)において報告するかを決定し(1120)、決定に基づいて、LCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を測位エンティティに報告する(1130)。一態様では、測位エンティティは、基地局から、基地局のLCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信し、1つまたは複数の角度ベースの測定値が、LCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかを決定し、決定に基づいて、1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局によって実施されるワイヤレス通信の方法であって、
第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施することと、
測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を、ローカル座標系(LCS)において報告するか、またはグローバル座標系(GCS)において報告するかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記LCSまたは前記GCSにおける前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記測位エンティティに報告することと
を備える、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、1つもしくは複数のアップリンクアジマス到達角度(AoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンクアジマス放射角度(AoD)測定値、1つもしくは複数のアップリンク天頂到達角度(ZoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンク天頂放射角度(ZoD)測定値、またはこれらの任意の組合せを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、ユーザ機器(UE)から前記基地局において受信される1つまたは複数のアップリンク参照信号であり、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記基地局から前記UEへの方向を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測位エンティティから、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値および前記基地局と前記UEとの間の距離に基づいた、前記UEのロケーションの推定値を受信することと、
前記UEの前記ロケーションの前記推定値を前記UEへ送信することと
をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局と前記UEとの間の前記距離が、前記UEに関連付けられるラウンドトリップ時間プロシージャまたはタイミングアドバンスに基づいて推定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記決定することが、前記LCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告すると決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値に関連する支援データを報告すること
をさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記支援データが、前記基地局の向きが変更されなかった間に、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値のうちのどれが取得されたかについてのインジケーションを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値の各々に関連付けられたタイムスタンプと、前記基地局の向きが変化した時間とを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションと、前記向きにおける前記変化の量とを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記決定することが、前記GCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告すると決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSから前記GCSに変換すること
をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記変換することが、前記基地局の向きに関連する情報に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基地局の前記向きは、前記GCSに対する前記LCSにおける方位角、ダウンチルト角、およびアンテナ傾斜角(α、β、γ)のセットとして表現される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基地局が、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSまたは前記GCSにおいて報告することを、前記基地局の向きを決定するための前記基地局の能力に基づいて決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局が、前記基地局の前記向きを決定することができることに基づいて、前記基地局は、前記GCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告することを決定し、前記方法が、
前記測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記GCSにおいて報告されているというインジケーションを報告すること
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基地局が、前記基地局の前記向きを決定することができないことに基づいて、前記基地局は、前記LCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告することを決定し、前記方法が、
前記測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記LCSにおいて報告されているというインジケーションを報告すること
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記決定することが、
前記測位エンティティから、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSまたは前記GCSにおいて報告するためのインジケーションを受信すること
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の座標系が、前記LCSである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
測位エンティティによって実施されるワイヤレス通信の方法であって、
基地局から、前記基地局のローカル座標系(LCS)またはグローバル座標系(GCS)における1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信することと、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記LCSにおけるものか、または前記GCSにおけるものかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理することと
を備える、方法。
【請求項22】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、1つもしくは複数のアップリンクアジマス到達角度(AoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンクアジマス放射角度(AoD)測定値、1つもしくは複数のアップリンク天頂到達角度(ZoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンク天頂放射角度(ZoD)測定値、またはこれらの任意の組合せを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、ユーザ機器(UE)から前記基地局において受信される1つまたは複数のアップリンク参照信号であり、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記基地局から前記UEへの方向を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記処理することが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値および前記基地局と前記UEとの間の距離に基づいて、前記UEのロケーションの推定値を計算することを備え、前記方法が、
前記UEの前記ロケーションの前記推定値を前記UEへ送信すること
をさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記基地局と前記UEとの間の前記距離が、前記UEに関連付けられるラウンドトリップ時間プロシージャまたはタイミングアドバンスに基づいて推定される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記LCSにおいて受信される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記基地局から、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値に関連する支援データを受信すること
をさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記支援データが、前記基地局の向きが変更されなかった間に、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値のうちのどれが取得されたかについてのインジケーションを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値の各々に関連付けられたタイムスタンプと、前記基地局の向きが変化した時間とを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションと、前記向きにおける前記変化の量とを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記処理することが、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSから前記GCSに変換すること
を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記GCSにおいて受信される、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記基地局の向きは、前記GCSに対する前記LCSにおける方位角、ダウンチルト角、およびアンテナ傾斜角(α、β、γ)のセットとして表現される、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記決定することが、
前記基地局が、前記基地局の前記向きを決定することができることに基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記GCSにおいて報告されているというインジケーションを前記基地局から受信すること
を備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記決定することが、
前記基地局が、前記基地局の前記向きを決定することができないことに基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記LCSにおいて報告されているというインジケーションを前記基地局から受信すること
を備える、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記決定することが、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSまたは前記GCSにおいて報告するためのインジケーション前記基地局へ送信すること
を備える、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
基地局であって、
メモリと、
少なくとも1つの送受信機と、
前記メモリおよび前記少なくとも1つの送受信機に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施し、
測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を、ローカル座標系(LCS)において報告するか、またはグローバル座標系(GCS)において報告するかを決定し、
前記少なくとも1つの送受信機に、前記決定に基づいて、前記LCSまたは前記GCSにおける前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記測位エンティティに報告させる
ように構成される、基地局。
【請求項39】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、1つもしくは複数のアップリンクアジマス到達角度(AoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンクアジマス放射角度(AoD)測定値、1つもしくは複数のアップリンク天頂到達角度(ZoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンク天頂放射角度(ZoD)測定値、またはこれらの任意の組合せを備える、請求項38に記載の基地局。
【請求項40】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、ユーザ機器(UE)から前記基地局において受信される1つまたは複数のアップリンク参照信号であり、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記基地局から前記UEへの方向を表す、請求項38に記載の基地局。
【請求項41】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記測位エンティティから、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値および前記基地局と前記UEとの間の距離に基づいた、前記UEのロケーションの推定値を受信し、
前記少なくとも1つの送受信機に、前記UEの前記ロケーションの前記推定値を前記UEへ送信させる
ようにさらに構成される、請求項40に記載の基地局。
【請求項42】
前記基地局と前記UEとの間の前記距離が、前記UEに関連付けられるラウンドトリップ時間プロシージャまたはタイミングアドバンスに基づいて推定される、請求項41に記載の基地局。
【請求項43】
決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、前記LCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告することを決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項38に記載の基地局。
【請求項44】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの送受信機に、前記測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値に関連する支援データを報告させる
ようにさらに構成される、請求項43に記載の基地局。
【請求項45】
前記支援データが、前記基地局の向きが変更されなかった間に、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値のうちのどれが取得されたかについてのインジケーションを備える、請求項44に記載の基地局。
【請求項46】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値の各々に関連付けられたタイムスタンプと、前記基地局の向きが変化した時間とを備える、請求項44に記載の基地局。
【請求項47】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションを備える、請求項44に記載の基地局。
【請求項48】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションと、前記向きにおける前記変化の量とを備える、請求項44に記載の基地局。
【請求項49】
決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、前記GCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告することを決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項38に記載の基地局。
【請求項50】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSから前記GCSに変換する
ようにさらに構成される、請求項49に記載の基地局。
【請求項51】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値の、前記LCSから前記GCSへの変換が、前記基地局の向きに関連する情報に基づく、請求項50に記載の基地局。
【請求項52】
前記基地局の前記向きは、前記GCSに対する前記LCSにおける方位角、ダウンチルト角、およびアンテナ傾斜角(α、β、γ)のセットとして表現される、請求項51に記載の基地局。
【請求項53】
前記基地局が、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSまたは前記GCSにおいて報告することを、前記基地局の向きを決定するための前記基地局の能力に基づいて決定する、請求項38に記載の基地局。
【請求項54】
前記基地局が、前記基地局の前記向きを決定することができることに基づいて、前記基地局は、前記GCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告することを決定し、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの送受信機に、前記測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記GCSにおいて報告されているというインジケーションを報告させるようにさらに構成される、請求項53に記載の基地局。
【請求項55】
前記基地局が、前記基地局の前記向きを決定することができないことに基づいて、前記基地局は、前記LCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告することを決定し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの送受信機に、前記測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記LCSにおいて報告されているというインジケーションを報告させるようにさらに構成される、請求項53に記載の基地局。
【請求項56】
決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記測位エンティティから、前記LCSまたは前記GCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告するためのインジケーションを受信する
ように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項38に記載の基地局。
【請求項57】
前記第1の座標系が、前記LCSである、請求項38に記載の基地局。
【請求項58】
測位エンティティであって、
メモリと、
通信デバイスと、
前記メモリおよび前記通信デバイスに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記通信デバイスを介して基地局から、前記基地局のローカル座標系(LCS)またはグローバル座標系(GCS)における1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信し、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記LCSにおけるものか、または前記GCSにおけるものかを決定し、
前記決定に基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理する
ように構成される、測位エンティティ。
【請求項59】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、1つもしくは複数のアップリンクアジマス到達角度(AoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンクアジマス放射角度(AoD)測定値、1つもしくは複数のアップリンク天頂到達角度(ZoA)測定値、1つもしくは複数のダウンリンク天頂放射角度(ZoD)測定値、またはこれらの任意の組合せを備える、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項60】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、ユーザ機器(UE)から前記基地局において受信される1つまたは複数のアップリンク参照信号であり、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記基地局から前記UEへの方向を表す、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項61】
処理するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値および前記基地局と前記UEとの間の距離に基づいて、前記UEのロケーションの推定値を計算するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記通信デバイスに、前記UEの前記ロケーションの前記推定値を前記UEへ送信させるようにさらに構成される、請求項60に記載の測位エンティティ。
【請求項62】
前記基地局と前記UEとの間の前記距離が、前記UEに関連付けられたラウンドトリップ時間プロシージャまたはタイミングアドバンスに基づいて推定される、請求項61に記載の測位エンティティ。
【請求項63】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記LCSにおいて受信される、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項64】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記通信デバイスを介して前記基地局から、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値に関連する支援データを受信する
ようにさらに構成される、請求項63に記載の測位エンティティ。
【請求項65】
前記支援データが、前記基地局の向きが変更されなかった間に、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値のうちのどれが取得されたかについてのインジケーションを備える、請求項64に記載の測位エンティティ。
【請求項66】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値の各々に関連付けられたタイムスタンプと、前記基地局の向きが変化した時間とを備える、請求項64に記載の測位エンティティ。
【請求項67】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションを備える、請求項64に記載の測位エンティティ。
【請求項68】
前記支援データが、前記1つまたは複数の角度ベースの測定を前記基地局が実施していた間に前記基地局の向きが変化したというインジケーションと、前記向きにおける前記変化の量とを備える、請求項64に記載の測位エンティティ。
【請求項69】
処理するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記LCSから前記GCSに変換する
ように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項63に記載の測位エンティティ。
【請求項70】
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記GCSにおいて受信される、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項71】
前記基地局の向きは、前記GCSに対する前記LCSにおける方位角、ダウンチルト角、およびアンテナ傾斜角(α、β、γ)のセットとして表現される、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項72】
決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記基地局の前記向きを前記基地局が決定することができることに基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記GCSにおいて報告されているというインジケーションを、前記通信デバイスを介して前記基地局から受信する
ように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項71に記載の測位エンティティ。
【請求項73】
決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記基地局の前記向きを前記基地局が決定することができないことに基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記LCSにおいて報告されているというインジケーションを、前記通信デバイスを介して前記基地局から受信する
ように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項71に記載の測位エンティティ。
【請求項74】
決定するように構成される前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記通信デバイスに、前記LCSまたは前記GCSにおいて前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を報告するためのインジケーションを前記基地局へ送信させる
ように構成される前記少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項75】
前記通信デバイスが、ロケーションサーバの少なくとも1つのネットワークインターフェースを備え、
前記通信デバイスは、前記基地局の少なくとも1つの送受信機を備え、または
前記通信デバイスは、ユーザ機器(UE)の少なくとも1つの送受信機を備える、請求項58に記載の測位エンティティ。
【請求項76】
第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施するための手段と、
測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を、ローカル座標系(LCS)において報告するか、またはグローバル座標系(GCS)において報告するかを決定するための手段と、
前記決定に基づいて、前記LCSまたは前記GCSにおける前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記測位エンティティに報告するための手段と
を備える、基地局。
【請求項77】
基地局から、前記基地局のローカル座標系(LCS)またはグローバル座標系(GCS)における1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信するための手段と、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が前記LCSにおけるものか、または前記GCSにおけるものかを決定するための手段と、
前記決定に基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理するための手段と
を備える、測位エンティティ。
【請求項78】
ワイヤレス通信のためのコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、
第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施するように、基地局に命令する少なくとも1つの命令と、
測位エンティティに対して、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を、ローカル座標系(LCS)において報告するか、またはグローバル座標系(GCS)において報告するかを決定するように、前記基地局に命令する少なくとも1つの命令と、
前記決定に基づいて、前記LCSまたは前記GCSにおける前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を前記測位エンティティに報告するように、前記基地局に命令する少なくとも1つの命令と
を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項79】
ワイヤレス通信のためのコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、
基地局から、前記基地局のローカル座標系(LCS)またはグローバル座標系(GCS)における1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信するように、測位エンティティに命令する少なくとも1つの命令と、
前記1つまたは複数の角度ベースの測定値が、前記LCSにおけるものか、または前記GCSにおけるものかを決定するように、前記測位エンティティに命令する少なくとも1つの命令と、
前記決定に基づいて、前記1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理するように、前記測位エンティティに命令する少なくとも1つの命令と
を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本特許出願は、2019年8月12日に出願され、「CONFIGURABLE COORDINATE SYSTEM FOR ANGLE REPORTING FOR POSITIONING」という名称のギリシャ特許出願第20190100349号、および2020年8月11日に出願され、「CONFIGURABLE COORDINATE SYSTEM FOR ANGLE REPORTING FOR POSITIONING」という名称の米国非仮特許出願第16/990,197号の米国特許法第119条の下での優先権を主張するものであり、これらの出願の両方は、本出願の譲受人に譲渡され、それらの全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信などに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ワイヤレス通信システムは、第1世代アナログワイヤレス電話サービス(1G)、第2世代(2G)デジタルワイヤレス電話サービス(暫定2.5Gネットワークを含む)、第3世代(3G)高速データインターネット対応ワイヤレスサービス、ならびに第4世代(4G)サービス(たとえば、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))、WiMax(登録商標))を含む様々な世代を通して発展してきた。現在、セルラーおよびパーソナル通信サービス(PCS)システムを含む多くの異なるタイプのワイヤレス通信システムが使用されている。知られているセルラーシステムの例は、セルラーアナログアドバンストモバイルフォンシステム(AMPS:cellular Analog Advanced Mobile Phone System)と、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、グローバルシステムフォーモバイル通信(GSM(登録商標):Global System for Mobile communication)などに基づくデジタルセルラーシステムとを含む。
【0004】
[0004]第5世代(5G)モバイル標準は、改善の中でもとりわけ、より速いデータ転送速度、より多数の接続、およびより良いカバレッジを必要とする。5G標準(New Radioまたは「NR」とも呼ばれる)は、次世代モバイルネットワークアライアンスによれば、毎秒数十メガビットのデータレートを何万人ものユーザの各々に提供するように設計され、毎秒1ギガビットをオフィスフロアの何十人もの労働者に提供する。大規模なセンサ配置をサポートするには、数十万個の同時接続がサポートされるべきである。したがって、5Gモバイル通信のスペクトル効率は、現在の4G/LTE標準と比較して著しく向上されるべきである。さらに、現在の標準と比較して、シグナリング効率が向上されるべきであり、レイテンシがかなり低減されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
[0005]以下に、本明細書で開示される1つまたは複数の態様に関する簡略化された概要を提示する。したがって、後続の概要は、企図されるすべての態様に関する広範な概観と見なされるべきではなく、また、企図されるすべての態様に関する重要なもしくはクリティカルな要素を識別するもの、またはいずれか特定の態様に関連する範囲を示すものと見なされるべきでもない。したがって、後続の概要は、本明細書で開示されるメカニズムに関する1つまたは複数の態様に関するいくつかの概念を、後で提示される詳細な記述に先行して簡略化された形で提示することのみを目的とする。
【0006】
[0006]一態様では、基地局によって実施されるワイヤレス通信の方法は、第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施することと、測位エンティティに対して、1つまたは複数の角度ベースの測定値を、ローカル座標系(LCS)において報告するか、またはグローバル座標系(GCS)において報告するかを決定することと、決定に基づいて、LCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を測位エンティティに報告することとを含む。
【0007】
[0007]一態様では、測位エンティティによって実施されるワイヤレス通信の方法は、基地局から、基地局のLCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信することと、1つまたは複数の角度ベースの測定値が、LCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかを決定することと、決定に基づいて、1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理することとを含む。
【0008】
[0008]一態様では、基地局は、メモリと、少なくとも1つの送受信機と、メモリおよび少なくとも1つの送受信機に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサが、第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施し、測位エンティティに対して、1つまたは複数の角度ベースの測定値を、LCSにおいて報告するか、またはGCSにおいて報告するかを決定し、少なくとも1つの送受信機に、決定に基づいて、LCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を測位エンティティに報告させるように構成される。
【0009】
[0009]一態様では、測位エンティティは、メモリと、通信デバイスと、メモリおよび通信デバイスに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサが、通信デバイスを介して基地局から、基地局のLCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信し、1つまたは複数の角度ベースの測定値がLCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかを決定し、決定に基づいて、1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理するように構成される。
【0010】
[0010]一態様では、基地局は、第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施するための手段と、測位エンティティに対して、1つまたは複数の角度ベースの測定値を、LCSにおいて報告するか、またはGCSにおいて報告するかを決定するための手段と、決定に基づいて、LCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を測位エンティティに報告するための手段とを含む。
【0011】
[0011]一態様では、測位エンティティは、基地局から、基地局のLCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信するための手段と、1つまたは複数の角度ベースの測定値がLCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかを決定するための手段と、決定に基づいて、1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理するための手段とを含む。
【0012】
[0012]一態様では、ワイヤレス通信のためのコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施するように、基地局に命令する少なくとも1つの命令と、測位エンティティに対して、1つまたは複数の角度ベースの測定値を、LCSにおいて報告するか、またはGCSにおいて報告するかを決定するように、基地局に命令する少なくとも1つの命令と、決定に基づいて、LCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を測位エンティティに報告するように、基地局に命令する少なくとも1つの命令とを備える、コンピュータ実行可能命令を含む。
【0013】
[0013]一態様では、ワイヤレス通信のためのコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体は、基地局から、基地局のLCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信するように、測位エンティティに命令する少なくとも1つの命令と、1つまたは複数の角度ベースの測定値が、LCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかを決定するように、測位エンティティに命令する少なくとも1つの命令と、決定に基づいて、1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理するように、測位エンティティに命令する少なくとも1つの命令とを備える、コンピュータ実行可能命令を含む。
【0014】
[0014]本明細書で開示される態様に関連する他の目的および利点は、添付図面および詳細な記述に基づいて当業者には明らかであろう。
【0015】
[0015]添付図面は、本開示の様々な態様についての記述を助けるために提示されるものであり、態様を限定するのではなく例証するためのみに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[0016]本開示の様々な態様による例示的なワイヤレス通信システムを示す図。
図2A】[0017]本開示の様々な態様による例のワイヤレスネットワーク構造を示す図。
図2B】本開示の様々な態様による例のワイヤレスネットワーク構造を示す図。
図3A】[0018]UEにおいて採用され得るコンポーネントのいくつかのサンプル態様の簡略ブロック図。
図3B】基地局において採用され得るコンポーネントのいくつかのサンプル態様の簡略ブロック図。
図3C】ネットワークエンティティにおいて採用され得るコンポーネントのいくつかのサンプル態様の簡略ブロック図。
図4】[0019]本開示の様々な態様による、例示的なUEと通信する例示的な基地局を例示する図。
図5】[0020]本開示の様々な態様による、複数の基地局から得られる情報を使用して、UEの位置を決定するための例示的な技法を例示する図。
図6】[0021]本開示の態様による、基地局とUEとの間で交換されるラウンドトリップ時間測定信号の例示的なタイミングを示す図。
図7】[0022]本開示の様々な態様による、例示的なアップリンク到達角度(UL-AoA)ベースの測位プロシージャを例示する図。
図8】[0023]本開示の態様による、x軸、y軸、z軸による座標系、球面角、および球面単位ベクトルの定義を例示する図。
図9A】[0024]本開示の態様による、GCSとLCSとを関連付ける回転のシーケンスを例示する図。
図9B】[0025]本開示の態様による、GCSとLCSの両方における球座標および単位ベクトルの定義を例示する図。
図10】[0026]本開示の態様による、角度測定値を報告する例示的な方法1000を例示する図。
図11】[0027]本開示の態様による、ワイヤレス通信の例示的な方法を示す図。
図12】本開示の態様による、ワイヤレス通信の例示的な方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0028]例証の目的で提供される様々な例に向けられた後続の記述および関連する図面において、本開示の態様が提供される。本開示の範囲を逸脱することなく、代替の態様が考案されてもよい。加えて、本開示の関連性のある詳細を曖昧にしないために、本開示の周知の要素は、詳細に記述されないかまたは省略されることになる。
【0018】
[0029]「例示的」および/または「例」という言葉は、本明細書では、「例、事例、または例証としての働きをする」ことを意味するのに使用される。本明細書で「例示的」および/または「例」として記述されるどんな態様も、他の態様よりも好適または有利であると解釈されることには必ずしもならない。同様に、「本開示の態様」という用語は、論じられる特徴、利点、または動作モードを本開示のすべての態様が含むことを必要としない。
【0019】
[0030]後述される情報および信号が、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを、当業者なら理解するであろう。たとえば、以下の記述の全体を通して参照されることのあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、特定の適用例、所望の設計、対応する技術などに部分的に応じて、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはこれらの任意の組合せによって表されることがある。
【0020】
[0031]さらに、多くの態様は、コンピューティングデバイスの要素によってたとえば実施されることになるアクションのシーケンスの点から記述される。本明細書で記述される様々なアクションが、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、またはプログラム命令が1つもしくは複数のプロセッサにより実行されることによって、またはこれらの組合せによって実施されることが可能であることは、認識されるであろう。加えて、本明細書で記述されるアクションのシーケンスは、対応するコンピュータ命令のセットが記憶された任意の形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に完全に組み入れられると見なされることが可能であり、コンピュータ命令のセットは、実行されたとき、デバイスの関連するプロセッサに、本明細書で記述される機能性を実施させることになるかまたは実施するよう命令することになる。したがって、本発明の様々な態様は、いくつかの異なる形で具体化されることがあり、これらはすべて、特許請求される主題の範囲内にあることが企図されている。加えて、本明細書で記述される態様の各々につき、任意のそのような態様の対応する形は、本明細書では、たとえば、記述されるアクションを実施する「ように構成されたロジック」として記述されることがある。
【0021】
[0032]本明細書において、「ユーザ機器」(UE)および「基地局」という用語は、別段の記載がない限り、いずれか特定の無線アクセス技術(RAT)に固有のものまたは他の方法で限定されるものとは意図されない。一般に、UEは、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するためにユーザによって使用される任意のワイヤレス通信デバイス(たとえば、モバイルフォン、ルータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、トラッキングデバイス、ウェアラブル(たとえば、スマートウォッチ、眼鏡、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ヘッドセットなど)、車両(たとえば、自動車、オートバイ、自転車など)、モノのインターネット(IoT)デバイスなど)であってよい。UEは、モバイルであるかまたは(たとえばいくつかの時点では)静的であることがあり、無線アクセスネットワーク(RAN)と通信することがある。本明細書において、「UE」という用語は、「アクセス端末」もしくは「AT」、「クライアントデバイス」、「ワイヤレスデバイス」「加入者デバイス」、「加入者端末」、「加入者局」、「ユーザ端末」もしくは「UT」、「モバイルデバイス」、「モバイル端末」、「移動局」、またはこれらの変形と交換可能に呼ばれることがある。一般に、UEは、RANを介してコアネットワークと通信することができ、コアネットワークを介して、UEは、インターネットなどの外部ネットワーク、および他のUEと接続されることが可能である。当然、有線アクセスネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)ネットワーク(たとえば、IEEE802.11などに基づく)を介するものなど、コアネットワークおよび/またはインターネットに接続する他のメカニズムもまたUEにとって可能である。
【0022】
[0033]基地局は、基地局が配置されているネットワークに応じて、UEと通信する際にいくつかのRATのうちの1つに従って動作してよく、基地局は、アクセスポイント(AP)、ネットワークノード、NodeB、進化型(evolved)NodeB(eNB)、次世代eNB(ng-eNB)、New Radio(NR)NodeB(gNBまたはgNodeBとも呼ばれる)などと代替的に呼ばれることがある。基地局は、サポートされるUEについてのデータ、音声、および/またはシグナリング接続を含む、UEによるワイヤレスアクセスをサポートするために主に使用され得る。いくつかのシステムでは、基地局は、純粋にエッジノードシグナリング機能を提供することがあり、他のシステムでは、基地局は、追加の制御および/またはネットワーク管理機能を提供することがある。UEが基地局に信号を送る際に経由することができる通信リンクは、アップリンク(UL)チャネル(たとえば、逆方向トラフィックチャネル、逆方向制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。基地局がUEに信号を送る際に経由することができる通信リンクは、ダウンリンク(DL)または順方向リンクチャネル(たとえば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書において、トラフィックチャネル(TCH)という用語は、UL/逆方向またはDL/順方向トラフィックチャネルのいずれかを指すことができる。
【0023】
[0034]「基地局」という用語は、単一の物理送受信ポイント(TRP)、または、コロケートされているかもしくはそうでない場合のある複数の物理TRPを指すことがある。たとえば、「基地局」という用語が、単一の物理TRPを指す場合、物理TRPは、基地局のセル(または、いくつかのセルセクタ)に対応する基地局のアンテナであってよい。「基地局」という用語が、コロケートされている複数の物理TRPを指す場合、物理TRPは、基地局のアンテナのアレイ(たとえば、他入力多出力(MIMO)システムにおけるような、または、基地局がビームフォーミングを採用する場合の)であってよい。「基地局」という用語が、コロケートされていない複数の物理TRPを指す場合、物理TRPは、分散型アンテナシステム(DAS)(トランスポート媒体を介して共通ソースに接続された、空間的に分離されたアンテナのネットワーク)、またはリモート無線ヘッド(RRH)(サービング基地局に接続されたリモート基地局)であってよい。代替として、コロケートされていない物理TRPは、UEから測定報告を受信するサービング基地局、または、その参照RF信号(もしくは単純に「参照信号」)をUEが測定している近隣基地局であってもよい。TRPは基地局がワイヤレス信号を送受信するポイントなので、本明細書では、基地局からの送信または基地局における受信への言及は、基地局の特定のTRPへの言及と理解されたい。
【0024】
[0035]UEの測位をサポートするいくつかの実装形態では、基地局は、UEによるワイヤレスアクセスをサポートしなくてもよい(たとえば、UEについてのデータ、音声、および/もしくはシグナリング接続をサポートしなくてもよい)が、代わりに、UEによって測定されることになる参照信号をUEへ送信してもよく、ならびに/または、UEによって送信された信号を受信および測定してもよい。そのような基地局は、測位ビーコン(たとえば、UEへ信号を送信する場合)ならびに/またはロケーション測定ユニット(たとえば、UEからの信号を受信および測定する場合)と呼ばれ得る。
【0025】
[0036]「RF信号」は、送信機と受信機との間の空間を介して情報を搬送する所与の周波数の電磁波を備える。本明細書において、送信機は、単一の「RF信号」または複数の「RF信号」を受信機に送信することがある。しかし、受信機は、マルチパスチャネルを介したRF信号の伝搬特性のせいで、各送信RF信号に対応する複数の「RF信号」を受信することがある。送信機と受信機との間の異なる経路上の同じ送信RF信号は、「マルチパス」RF信号と呼ばれることがある。本願明細書において使用されるように、「信号」という用語がワイヤレス信号またはRF信号を指すことが文脈から明らかである場合、RF信号は、「ワイヤレス信号」または単に「信号」とも呼ばれ得る。
【0026】
[0037]様々な態様によれば、図1は、例示的なワイヤレス通信システム100を示す。ワイヤレス通信システム100(ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)と呼ばれることもある)は、様々な基地局102および様々なUE104を含んでよい。基地局102は、マクロセル基地局(高出力セルラー基地局)および/またはスモールセル基地局(低出力セルラー基地局)を含んでよい。一態様では、マクロセル基地局は、ワイヤレス通信システム100がLTEネットワークに対応する場合のeNBおよび/またはng-eNB、またはワイヤレス通信システム100がNRネットワークに対応する場合のgNB、または両方の組合せを含んでよく、スモールセル基地局は、フェムトセル、ピコセル、マイクロセルなどを含んでよい。
【0027】
[0038]基地局102は、RANを集合的に形成し、バックホールリンク122を通じてコアネットワーク170(たとえば、進化型パケットコア(EPC)または5Gコア(5GC))とインターフェースし、コアネットワーク170を通じて、1つまたは複数のロケーションサーバ172(これらは、コアネットワーク170の一部であってもよく、またはコアネットワーク170の外部にあってもよい)にインターフェースし得る。他の機能に加えて、基地局102は、ユーザデータの転送、無線チャネル暗号化および暗号化解除、保全性保護、ヘッダ圧縮、モビリティ制御機能(たとえば、ハンドオーバ、デュアルコネクティビティ)、セル間干渉協調、接続セットアップおよび解放、負荷平衡化、非アクセス層(NAS)メッセージのための配信、NASノード選択、同期、RAN共有、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)、加入者および機器トレース、RAN情報管理(RIM)、ページング、測位、ならびに警告メッセージの送達、のうちの1つまたは複数に関係する機能を実施してよい。基地局102は、有線またはワイヤレスであり得るバックホールリンク134を介して、相互と直接にまたは間接的に(たとえばEPC/5GCを介して)通信してよい。
【0028】
[0039]基地局102は、UE104とワイヤレス通信してよい。基地局102の各々は、それぞれの地理的カバレッジエリア110についての通信カバレッジを提供してよい。一態様では、各地理的カバレッジエリア110中で、1つまたは複数のセルが基地局102によってサポートされてよい。「セル」は、基地局(たとえば、キャリア周波数、コンポーネントキャリア、キャリア、帯域などと呼ばれる何らかの周波数リソースを介した)通信のために使用される論理通信エンティティであり、同じまたは異なるキャリア周波数を介して動作するセルを区別するために識別子(たとえば、物理セル識別子(PCI)、仮想セル識別子(VCI)、セルグローバル識別子(CGI))に関連付けられてもよい。場合によっては、異なるセルが、異なるタイプのUEのためのアクセスを提供し得る異なるプロトコルタイプ(たとえば、マシンタイプ通信(MTC)、ナローバンドIoT(NB-IoT)、エンハンストモバイルブロードバンド(eMBB)、またはその他)に従って構成されることがある。セルは特定の基地局によってサポートされるので、「セル」という用語は、文脈に応じて、論理通信エンティティとそれをサポートする基地局とのいずれかまたは両方を指すことがある。また、TRPは、典型的には、セルの物理的な送信ポイントであるので、「セル」および「TRP」という用語は、互換的に使用され得る。場合によっては、「セル」という用語はまた、地理的カバレッジエリア110の何らかの部分内でキャリア周波数が検出され通信に使用されることが可能である限り、基地局の地理的カバレッジエリア(たとえばセクタ)を指すこともある。
【0029】
[0040]近隣マクロセル基地局102の地理的カバレッジエリア110は、(たとえば、ハンドオーバエリア内で)部分的に重複し得る一方で、地理的カバレッジエリア110のうちのいくつかは、より大きな地理的カバレッジエリア110によって実質的に重複されてもよい。たとえば、(図1において「SC」として表される)小さなセル基体局102’、1つまたは複数のマクロセル基地局102の地理的カバレッジエリア110と実質的に重複する地理的カバレッジエリア110’を有し得る。スモールセル基地局とマクロセル基地局の両方を含むネットワークは、ヘテロジニアスネットワークとして知られることがある。ヘテロジニアスネットワークはまた、ホームeNB(HeNB)も含むことがあり、HeNBは、クローズド加入者グループ(CSG)として知られる制限されたグループにサービスを提供してよい。
【0030】
[0041]基地局102とUE104との間の通信リンク120は、UE104から基地局102へのUL(逆方向リンクとも呼ばれる)送信、および/または、基地局102からUE104へのダウンリンク(DL)(順方向リンクとも呼ばれる)送信を含んでよい。通信リンク120は、空間多重化、ビームフォーミング、および/または送信ダイバーシティを含めた、MIMOアンテナ技術を使用してよい。通信リンク120は、1つまたは複数のキャリア周波数を介して実装されてよい。キャリアの割振りは、DLとULとで非対称であってよい(たとえば、キャリアがULよりもDLに多くまたは少なく割り振られてよい)。
【0031】
[0042]ワイヤレス通信システム100はさらに、免許不要周波数スペクトル(たとえば5GHz)中で通信リンク154を介してWLAN局(STA)152と通信するワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイント(AP)150を含んでよい。免許不要周波数スペクトル中で通信するとき、WLAN STA152および/またはWLAN AP150は、チャネルが利用可能かどうか決定するために、通信前にクリアチャネルアセスメント(CCA)またはリッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実施してよい。
【0032】
[0043]スモールセル基地局102’は、免許および/または免許不要周波数スペクトル中で動作してよい。免許不要周波数スペクトル中で動作するとき、スモールセル基地局102’は、LTEまたはNR技術を採用してよく、WLAN AP150によって使用されるのと同じ5GHz免許不要周波数スペクトルを使用してよい。免許不要周波数スペクトル中でLTE/5Gを採用するスモールセル基地局102’は、アクセスネットワークに対するカバレッジを増強すること、および/またはアクセスネットワークの容量を増大させることができる。免許不要スペクトルにおけるNRは、NR-Uと呼ばれることがある。免許不要スペクトルにおけるLTEは、LTE-U、ライセンストアシステッドアクセス(LAA:licensed assisted access)、またはMulteFireと呼ばれることがある。
【0033】
[0044]ワイヤレス通信システム100はさらに、UE182との通信においてミリメートル波(mmW)周波数および/または近mmW周波数で動作し得るmmW基地局180を含んでよい。極高周波(EHF)は、電磁スペクトル中のRFの一部である。EHFは、30GHz~300GHzのレンジ、および1ミリメートルと10ミリメートルとの間の波長を有する。この帯域中の電波は、ミリメートル波と呼ばれることがある。近mmWは、100ミリメートルの波長を伴う3GHzの周波数まで下方に及ぶことがある。超高周波(SHF)帯域は、3GHzと30GHzとの間に及び、センチメートル波とも呼ばれる。mmW/近mmW無線周波数帯域を使用する通信は、高い経路損失および比較的短いレンジを有する。mmW基地局180およびUE182は、mmW通信リンク184を介したビームフォーミング(送信および/または受信)を利用して、非常に高い経路損失および短いレンジを補償してよい。さらに、代替構成では、1つまたは複数の基地局102もまた、mmWまたは近mmWおよびビームフォーミングを使用して送信してよいことは、理解されるであろう。したがって、前述の例証が例にすぎず、本明細書で開示される様々な態様を限定するものと解釈されるべきでないことは、理解されるであろう。
【0034】
[0045]送信ビームフォーミングは、RF信号の焦点を特定の方向に合わせるための技法である。従来、ネットワークノード(たとえば基地局)がRF信号をブロードキャストするとき、ネットワークノードは、信号をすべての方向に(全方向に)ブロードキャストする。送信ビームフォーミングを用いて、ネットワークノードは、所与のターゲットデバイス(たとえばUE)がどこに位置するか(送信側ネットワークノードに対して相対的に)を決定して、その特定の方向により強いダウンリンクRF信号を発射し、それにより、より高速な(データレートの点からみて)、より強いRF信号を受信側デバイスに提供する。送信時にRF信号の方向性を変更するために、ネットワークノードは、RF信号をブロードキャストしている1つまたは複数の送信機の各々において、RF信号の位相および相対振幅を制御することができる。たとえば、ネットワークノードは、アンテナのアレイ(「フェーズドアレイ」または「アンテナアレイ」と呼ばれる)を使用してよく、このアンテナのアレイは、アンテナを実際に動かすことなく、種々の方向を指すように「ステアリング」されることが可能なRF波のビームを生み出す。具体的には、送信機からのRF電流が、正しい位相関係で個々のアンテナに供給され、それにより、別々のアンテナからの電波が、合わさって望ましい方向の放射を増大させ、相殺して望ましくない方向の放射を抑制する。
【0035】
[0046]送信ビームは疑似コロケートされてよく、これは、ネットワークノードの送信アンテナ自体が物理的にコロケートされているか否かにかかわらず、受信側(たとえばUE)には送信ビームが同じパラメータを有するように見えることを意味する。NRでは、4つのタイプの疑似コロケーション(QCL)関係がある。具体的には、所与のタイプのQCL関係は、ソースビーム上のソース参照RF信号に関する情報から、第2のビーム上の第2の参照RF信号に関するいくつかのパラメータが導出されることが可能であることを意味する。したがって、ソース参照RF信号がQCLタイプAである場合、受信側は、ソース参照RF信号を使用して、同じチャネル上で送信される第2の参照RF信号のドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、および遅延拡散を推定することができる。ソース参照RF信号がQCLタイプBである場合、受信側は、ソース参照RF信号を使用して、同じチャネル上で送信される第2の参照RF信号のドップラーシフトおよびドップラー拡散を推定することができる。ソース参照RF信号がQCLタイプCである場合、受信側は、ソース参照RF信号を使用して、同じチャネル上で送信される第2の参照RF信号のドップラーシフトおよび平均遅延を推定することができる。ソース参照RF信号がQCLタイプDである場合、受信側は、ソース参照RF信号を使用して、同じチャネル上で送信される第2の参照RF信号の空間受信パラメータを推定することができる。
【0036】
[0047]受信ビームフォーミングでは、受信側ユーザは、受信ビームを使用して、所与のチャネル上で検出されたRF信号を増幅する。たとえば、受信側は、特定の方向でアンテナのアレイの利得設定を増大させることおよび/または位相設定を調整することで、その方向から受信されたRF信号を増幅する(たとえば、その利得レベルを引き上げる)ことができる。したがって、受信側が、ある方向にビームフォーミングすると言われる場合、これは、その方向のビーム利得が、他の方向に沿ったビーム利得に対して相対的に高いこと、または、その方向のビーム利得が、受信側に利用可能な他のすべての受信ビームのその方向のビーム利得と比較して最も高いことを意味する。この結果、その方向から受信されるRF信号の受信信号強度(たとえば、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、信号対干渉プラス雑音比(SINR)など)は、より強い。
【0037】
[0048]受信ビームは、空間的に関係し得る。空間的関係は、第1の参照信号についての受信ビームに関する情報から、第2の参照信号についての送信ビームのパラメータが導出されることが可能であることを意味する。たとえば、UEは、基地局から、1つまたは複数の参照ダウンリンク参照信号(たとえば、測位参照信号(PRS)、ナビゲーション参照信号(NRS)、追跡参照信号(TRS)、セル固有参照信号(CRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、同期信号ブロック(SSB)など)を受信するために特定の受信ビームを使用してもよい。次いで、UEは、受信ビームのパラメータに基づいて、その基地局へ1つまたは複数のアップリンク参照信号(たとえば、アップリンク測位参照信号(UL-PRS)、サウンディング参照信号(SRS)、復調参照信号(DMRS)など)を送るために、送信ビームを形成することができる。
【0038】
[0049]「ダウンリンク」ビームは、それを形成するエンティティに応じて、送信ビームまたは受信ビームのいずれかであり得ることに留意されたい。たとえば、基地局が、UEに参照信号を送信するためにダウンリンクビームを形成している場合は、ダウンリンクビームは送信ビームである。しかし、UEがダウンリンクビームを形成している場合は、これはダウンリンク参照信号を受信するための受信ビームである。同様に、「アップリンク」ビームは、それを形成するエンティティに応じて、送信ビームまたは受信ビームのいずれかであり得る。たとえば、基地局がアップリンクビームを形成している場合は、それはアップリンク受信ビームであり、UEがアップリンクビームを形成している場合は、それはアップリンク送信ビームである。
【0039】
[0050]5Gでは、ワイヤレスノード(たとえば、基地局102/180、UE104/182)が動作する周波数スペクトルは、複数の周波数レンジFR1(450~6000MHz)、FR2(24250~52600MHz)、FR3(52600MHzよりも上)、およびFR4(RF1とFR2との間)に分割される。5Gなどのマルチキャリアシステムでは、キャリア周波数のうちの1つは、「プライマリキャリア」または「アンカーキャリア」または「プライマリサービングセル」または「PCell」と呼ばれ、残りのキャリア周波数は、「セカンダリキャリア」または「セカンダリサービングセル」または「SCell」と呼ばれる。キャリアアグリゲーションでは、アンカーキャリアは、UE104/182によって利用されるプライマリ周波数(たとえばFR1)上で動作するキャリアであり、UE104/182が初期無線リソース制御(RRC)接続確立プロシージャの実施またはRRC接続再確立プロシージャの開始のいずれかを行うセルである。プライマリキャリアは、すべての共通およびUE固有の制御チャネルを担持し、免許周波数中のキャリアであってよい(しかし常にそうとは限らない)。セカンダリキャリアは、UE104とアンカーキャリアとの間でRRC接続が確立された後で構成されて追加の無線リソースの提供に使用され得る、第2の周波数(たとえばFR2)上で動作するキャリアである。場合によっては、セカンダリキャリアは、免許不要周波数中のキャリアであることがある。セカンダリキャリアは、必要なシグナリング情報のみを含むことがあり、信号、たとえばUE固有の信号は、セカンダリキャリア中にないことがある。というのは、プライマリアップリンクキャリアとダウンリンクキャリアの両方が通常はUE固有だからである。このことは、セル中の異なるUE104/182が、異なるダウンリンクプライマリキャリアを有し得ることを意味する。同じことが、アップリンクプライマリキャリアについても当てはまる。ネットワークは、いつでも任意のUE104/182のプライマリキャリアを変更することができる。これはたとえば、異なるキャリア上の負荷を平衡化するために行われる。「サービングセル」(PCellであろうとSCellであろうと)は、何らかの基地局が通信しているキャリア周波数/コンポーネントキャリアに対応するので、「セル」、「サービングセル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア周波数」などの用語は、交換可能に使用されることが可能である。
【0040】
[0051]たとえば、引き続き図1を参照すると、マクロセル基地局102によって利用される周波数のうちの1つは、アンカーキャリア(または「PCell」)であってよく、マクロセル基地局102および/またはmmW基地局180によって利用される他の周波数は、セカンダリキャリア(「SCell」)であってよい。複数のキャリアの同時送信および/または受信により、UE104/182は、そのデータ送信および/または受信レートを著しく増加させることができる。たとえば、マルチキャリアシステム中のアグリゲートされた2つの20MHzキャリアは、理論的には、単一の20MHzキャリアによって達成されるデータレートと比較して、データレートが2倍(すなわち40MHz)になることになる。
【0041】
[0052]ワイヤレス通信システム100はさらに、1つまたは複数のデバイスツーデバイス(D2D)ピアツーピア(P2P)リンクを介して1つまたは複数の通信ネットワークに間接的に接続する、UE190などの1つまたは複数のUEを含んでよい。図1の例では、UE190は、基地局102のうちの1つに接続されるUE104のうちの1つとのD2D P2Pリンク192(たとえば、それを介してUE190はセルラー接続性を間接的に得てよい)と、WLAN AP150に接続されるWLAN STA152とのD2D P2Pリンク194(それを介してUE190はWLANベースのインターネット接続性を間接的に得てよい)とを有する。一例では、D2D P2Pリンク192および194は、LTE Direct(LTE-D)、WiFi Direct(登録商標)(WiFi(登録商標)-D)、Bluetooth(登録商標)など、いずれかの周知のD2D RATを用いてサポートされてよい。
【0042】
[0053]ワイヤレス通信システム100はさらに、通信リンク120を介したマクロセル基地局102との通信、および/またはmmW通信リンク184を介したmmW基地局180との通信を行い得るUE164を含んでよい。たとえば、マクロセル基地局102は、UE164のためにPCellおよび1つまたは複数のSCellをサポートしてよく、mmW基地局180は、UE164のために1つまたは複数のSCellをサポートしてよい。一態様では、UE164は、本明細書において説明されるUE動作をUE164が実施することを可能にし得る角度ベースの測定マネージャ166を含み得る。図1における1つのUEのみが、角度ベースの測定マネージャ166を有するものとして例示されているが、図1におけるUEのいずれも、本明細書において説明されるUE動作を実施するように構成され得ることに留意されたい。
【0043】
[0054]様々な態様によれば、図2Aは、例のワイヤレスネットワーク構造200を示す。たとえば、(次世代コア(NGC)とも呼ばれる)5GC210は、コアネットワークを形成するために協同的に動作する、制御プレーン機能214(たとえば、UE登録、認証、ネットワークアクセス、ゲートウェイ選択など)およびユーザプレーン機能212(たとえば、UEゲートウェイ機能、データネットワークへのアクセス、IPルーティングなど)として機能的に見られることが可能である。ユーザプレーンインターフェース(NG-U)213および制御プレーンインターフェース(NG-C)215は、gNB222を5GC210に、具体的には、制御プレーン機能214およびユーザプレーン機能212に、接続する。追加の構成では、ng-eNB224がまた、制御プレーン機能214へのNG-C215とユーザプレーン機能212へのNG-U213とを介して、5GC210に接続されてよい。さらに、ng-eNB224は、バックホール接続223を介してgNB222と直接に通信してよい。いくつかの構成では、New RAN220は、1つまたは複数のgNB222のみを有してよく、他の構成は、ng-eNB224とgNB222の両方のうちの1つまたは複数を含む。gNB222またはng-eNB224のいずれかが、UE204(たとえば、図1に描かれるUEのいずれか)と通信してよい。別の任意選択の態様は、ロケーションサーバ230を含んでよく、ロケーションサーバ230は、UE204のためのロケーション支援を提供するために5GC210と通信してよい。ロケーションサーバ230は、複数の別々のサーバ(たとえば、物理的に別々のサーバ、単一のサーバ上の異なるソフトウェアモジュール、複数の物理サーバに散在する異なるソフトウェアモジュールなど)として実装されることが可能であり、または別法として、各々が単一のサーバに対応してよい。ロケーションサーバ230は、コアネットワーク、5GC210、および/またはインターネット(図示せず)を介してロケーションサーバ230に接続できるUE204のために、1つまたは複数のロケーションサービスをサポートするように構成されることが可能である。さらに、ロケーションサーバ230は、コアネットワークのコンポーネントに統合されてもよく、または別法として、コアネットワークの外部にあってもよい。
【0044】
[0055]様々な態様によれば、図2Bは、別の例のワイヤレスネットワーク構造250を示す。たとえば、5GC260は、機能的に、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)264によって提供される制御プレーン機能、ならびに、ユーザプレーン機能(UPF)262によって提供されるユーザプレーン機能として見られることが可能であり、これらは、コアネットワーク(すなわち5GC260)を形成するために協同的に動作する。ユーザプレーンインターフェース263および制御プレーンインターフェース265が、ng-eNB224を5GC260に、具体的にはUPF262およびAMF264にそれぞれ接続する。追加の構成では、gNB222がまた、AMF264への制御プレーンインターフェース265とUPF262へのユーザプレーンインターフェース263とを介して、5GC260に接続されてよい。さらに、ng-eNB224は、5GC260へのgNB直接接続性ありまたはなしで、バックホール接続223を介してgNB222と直接に通信してよい。いくつかの構成では、New RAN220は、1つまたは複数のgNB222のみを有してよく、他の構成は、ng-eNB224とgNB222の両方のうちの1つまたは複数を含む。gNB222またはng-eNB224のいずれかが、UE204(たとえば、図1に描かれるUEのいずれか)と通信してよい。New RAN220の基地局は、N2インターフェースを介してAMF264と通信し、N3インターフェースを介してUPF262と通信する。
【0045】
[0056]AMF264の機能は、登録管理、接続管理、到達可能性管理、モビリティ管理、合法的傍受、UE204とセッション管理機能(SMF)266との間のセッション管理(SM)メッセージのための搬送、SMメッセージをルーティングするためのトランスペアレントプロキシサービス、アクセス認証およびアクセス認可、UE204とショートメッセージサービス機能(SMSF)(図示せず)との間のショートメッセージサービス(SMS)メッセージのための搬送、ならびにセキュリティアンカー機能性(SEAF)を含む。AMF264はまた、認証サーバ機能(AUSF)(図示せず)およびUE204と対話し、UE204認証プロセスの結果として確立された中間キーを受け取る。UMTS(ユニバーサルモバイル遠隔通信システム)加入者識別モジュール(USIM)に基づく認証の場合、AMF264は、AUSFからセキュリティ材料を取り出す。AMF264の機能はまた、セキュリティコンテキスト管理(SCM)も含む。SCMは、アクセスネットワーク固有のキーを導出するのに使用するキーをSEAFから受け取る。AMF264の機能性は、規制サービスのためのロケーションサービス管理、UE204と(ロケーションサーバ230として作用する)ロケーション管理機能(LMF)270との間のロケーションサービスメッセージのための搬送、New RAN220とLMF270との間のロケーションサービスメッセージのための搬送、進化型パケットシステム(EPS)とのインターワーキングためのEPSベアラ識別子割振り、およびUE204モビリティイベント通知も含む。加えて、AMF264はまた、非3GPP(登録商標)アクセスネットワークのための機能性もサポートする。
【0046】
[0057]UPF262の機能は、RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイントとしての働きをすること(適用可能なとき)、データネットワーク(図示せず)への相互接続の外部プロトコルデータユニット(PDU)セッションポイントとしての働きをすること、パケットルーティングおよび転送を提供すること、パケット検査、ユーザプレーンポリシ規則施行(たとえば、ゲーティング、リダイレクション、トラフィックステアリング)、合法的傍受(ユーザプレーン収集)、トラフィック使用報告、ユーザプレーンのためのサービス品質(QoS)の扱い(たとえば、UL/DLレート施行、DLにおけるリフレクティブQoSマーキング)、ULトラフィック検証(サービスデータフロー(SDF)とQoSフローとのマッピング)、ULおよびDLにおけるトランスポートレベルパケットマーキング、DLパケットバッファリングおよびDLデータ通知トリガリング、ならびに、1つまたは複数の「エンドマーカ」をソースRANノード(図示せず)に送出および転送することを含む。UPF262は、UE204と、セキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)ロケーションプラットフォーム(SLP)272などのロケーションサーバとの間のユーザプレーンを介したロケーションサービスメッセージの搬送もサポートする。
【0047】
[0058]SMF266の機能は、セッション管理、UEインターネットプロトコル(IP)アドレス割振りおよび管理、ユーザプレーン機能の選択および制御、トラフィックを適正な宛先にルーティングするためのUPFに262おけるトラフィックステアリングの構成、ポリシ施行およびQoSの一部の制御、ならびにダウンリンクデータ通知を含む。SMF266がAMF264と通信する際に経由するインターフェースは、N11インターフェースと呼ばれる。
【0048】
[0059]別の任意選択の態様はLMF270を含んでよく、LMF270は、UE204のためのロケーション支援を提供するために5GC260と通信してよい。LMF270は、複数の別々のサーバ(たとえば、物理的に別々のサーバ、単一のサーバ上の異なるソフトウェアモジュール、複数の物理サーバに散在する異なるソフトウェアモジュールなど)として実装されることが可能であり、または別法として、各々が単一のサーバに対応してよい。LMF270は、コアネットワーク、すなわち5GC260を介して、および/またはインターネット(図示せず)を介して、LMF270に接続することができるUE204のための1つまたは複数のロケーションサービスをサポートするように構成され得る。SLP272は、LMF270に対する同様の機能をサポートし得るが、LMF270は、(たとえば、音声またはデータではなく、シグナリングメッセージを伝達するように意図されたインターフェースおよびプロトコルを使用して)制御プレーンを介して、AMF264、New RAN220、およびUE204と通信し得る一方で、SLP272は、(たとえば、送信制御プロトコル(TCP)および/またはIPのような、音声および/またはデータを担持するように意図されたプロトコルを使用して)ユーザプレーンを介して、UE204および外部クライアント(図2Bに図示せず)と通信し得る。
【0049】
[0060]図3A図3B、および図3Cは、いくつかの例示的なコンポーネント(対応するブロックによって表される)を示し、これらのコンポーネントは、本明細書で教示されるファイル送信動作をサポートするために、UE302(本明細書で記述されるUEのいずれかに対応し得る)、基地局304(本明細書で記述される基地局のいずれかに対応し得る)、ならびにネットワークエンティティ306(ロケーションサーバ230、LMF270、およびSLP272を含めた、本明細書で記述されるネットワーク機能のいずれかに対応し得るかまたはそれを具体化し得る)に組み込まれてよい。これらのコンポーネントが、異なる実装形態では異なるタイプの装置中で(たとえば、ASIC中で、システムオンチップ(SoC)中で、など)実装されてよいことは、理解されるであろう。図示のコンポーネントはまた、通信システム中の他の装置に組み込まれてもよい。たとえば、システム中の他の装置は、記述されるコンポーネントと同様のコンポーネントを含んで同様の機能を提供し得る。また、所与の装置が、コンポーネントのうちの1つまたは複数を含んでよい。たとえば、装置は、装置が複数のキャリア上で動作することおよび/または異なる複数の技術を介して通信することを可能にする、複数の送受信機コンポーネントを含んでよい。
【0050】
[0061]UE302および基地局304は各々、NRネットワーク、LTEネットワーク、GSMネットワーク、および/またはその他など1つまたは複数のワイヤレス通信ネットワーク(図示せず)を介して通信するように構成された、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)送受信機310および350をそれぞれ含む。WWAN送受信機310および350は、対象のワイヤレス通信媒体(たとえば、特定の周波数スペクトル中の時間/周波数リソースの何らかのセット)を介して少なくとも1つの指定されたRAT(たとえば、NR、LTE、GSMなど)により他のUE、アクセスポイント、基地局(たとえば、ng-eNB、gNB)など他のネットワークノードと通信するために、1つまたは複数のアンテナ316および356にそれぞれ接続されてよい。WWAN送受信機310および350は、指定されたRATに従って、信号318および358(たとえば、メッセージ、インジケーション、情報など)をそれぞれ送信および符号化するために、また反対に、信号318および358(たとえば、メッセージ、インジケーション、情報、パイロットなど)をそれぞれ受信および復号するために、様々に構成されてよい。具体的には、送受信機310および350は、信号318および358をそれぞれ送信および符号化するための1つまたは複数の送信機314および354をそれぞれ含み、信号318および358をそれぞれ受信および復号するための1つまたは複数の受信機312および352をそれぞれ含む。
【0051】
[0062]UE302および基地局304はまた、少なくともいくつかの場合には、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)送受信機320および360をそれぞれ含む。WLAN送受信機320および360は、対象のワイヤレス通信媒体を介して少なくとも1つの指定されたRAT(たとえば、WiFi、LTE-D、Bluetoothなど)により他のUE、アクセスポイント、基地局など他のネットワークノードと通信するために、1つまたは複数のアンテナ326および366にそれぞれ接続されてよい。WLAN送受信機320および360は、指定されたRATに従って、信号328および368(たとえば、メッセージ、インジケーション、情報など)をそれぞれ送信および符号化するために、また反対に、信号328および368(たとえば、メッセージ、インジケーション、情報、パイロットなど)をそれぞれ受信および復号するために、様々に構成されてよい。具体的には、送受信機320および360は、信号328および368をそれぞれ送信および符号化するための1つまたは複数の送信機324および364をそれぞれ含み、信号328および368をそれぞれ受信および復号するための1つまたは複数の受信機322および362をそれぞれ含む。
【0052】
[0063]少なくとも1つの送信機と少なくとも1つの受信機とを含む送受信機回路は、いくつかの実装形態では、一体型デバイス(たとえば、単一の通信デバイスの送信機回路および受信機回路として具体化される)を備えてよく、いくつかの実装形態では、別個の送信機デバイスおよび別個の受信機デバイスを備えてよく、または、他の実装形態では、他の方法で具体化されてよい。一態様では、送信機は、アンテナアレイなど、本明細書で記述されるような送信「ビームフォーミング」をそれぞれの装置が実施するのを可能にする複数のアンテナ(たとえば、アンテナ316、326、356、366)を含むかまたはそれらに結合されてよい。同様に、受信機は、アンテナアレイなど、本明細書で記述されるような受信ビームフォーミングをそれぞれの装置が実施するのを可能にする複数のアンテナ(たとえば、アンテナ316、326、356、366)を含むかまたはそれらに結合されてよい。一態様では、送信機と受信機は、同じ複数のアンテナ(たとえば、アンテナ316、326、356、366)を共有してよく、それにより、それぞれの装置は、受信と送信の両方を同時に行うことはできず、所与の時点で受信または送信のみを行うことができる。UE302のワイヤレス通信デバイス(たとえば、送受信機310および320のうちの一方もしくは両方)ならびに/または基地局304のワイヤレス通信デバイス(たとえば、送受信機350および360のうちの一方もしくは両方)は、様々な測定を実施するために、ネットワークリッスンモジュール(NLM)なども含んでもよい。
【0053】
[0064]UE302および基地局304はまた、少なくともいくつかの場合には、衛星測位システム(SPS)受信機330および370を含む。SPS受信機330および370は、全地球測位システム(GPS)信号、全地球航法衛星システム(GLONASS)信号、ガリレオ信号、北斗信号、インド地域航法衛星システム(NAVIC)、準天頂衛星システム(QZSS)などのSPS信号338および378をそれぞれ受信するために、1つまたは複数のアンテナ336および376にそれぞれ接続されてよい。SPS受信機330および370は、SPS信号338および378をそれぞれ受信および処理するための、任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えてよい。SPS受信機330および370は、他のシステムに情報および動作を適宜要求し、任意の適切なSPSアルゴリズムによって得られた測定値を使用して、UE302および基地局304の位置を決定するのに必要な計算を実施する。
【0054】
[0065]基地局304およびネットワークエンティティ306は各々、他のネットワークエンティティと通信するために、少なくとも1つのネットワークインターフェース380および390を含む。たとえば、ネットワークインターフェース380および390(たとえば、1つまたは複数のネットワークアクセスポート)は、ワイヤベースのまたはワイヤレスのバックホール接続を介して1つまたは複数のネットワークエンティティと通信するように構成されてよい。いくつかの態様では、ネットワークインターフェース380および390は、ワイヤベースのまたはワイヤレスの信号通信をサポートするように構成された送受信機として実装されてよい。この通信は、たとえば、メッセージ、パラメータ、および/または他のタイプの情報を送出および受信することを含み得る。
【0055】
[0066]UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306はまた、本明細書で開示される動作に関連して使用され得る他のコンポーネントを含んでもよい。UE302は、測位動作にたとえば関係する機能性を提供するためおよび他の処理機能性を提供するための処理システム332を実装するプロセッサ回路を含む。基地局304は、本明細書で記述される測位動作にたとえば関係する機能性を提供するためおよび他の処理機能性を提供するための処理システム384を含む。ネットワークエンティティ306は、本明細書で記述される測位動作にたとえば関係する機能性を提供するためおよび他の処理機能性を提供するための処理システム394を含む。一態様では、処理システム332、384、および394は、たとえば、1つまたは複数の汎用プロセッサ、マルチコアプロセッサ、ASIC、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイスもしくは処理回路を含んでよい。
【0056】
[0067]UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306は、情報(たとえば、予約済みリソース、しきい値、パラメータなどを示す情報)を維持するために、メモリコンポーネント340、386、および396(たとえば、各々がメモリデバイスを含む)をそれぞれ実装するメモリ回路を含む。いくつかの場合において、UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306は、角度ベースの測定マネージャ342、388、および398をそれぞれ含んでもよい。角度ベースの測定マネージャ342、388、および398は、それぞれ処理システム332、384、および394の一部であるかまたはそれに結合された、ハードウェア回路であってよく、このハードウェア回路は、実行されたとき、本明細書で記述される機能性をUE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306に実施させる。他の態様では、角度ベースの測定マネージャ342、388、および398は、処理システム332、384、および394の外部にあってよい(たとえば、モデム処理システムの一部であるか、別の処理システムと統合されるなど)。別法として、角度ベースの測定マネージャ342、388、および398は、メモリコンポーネント340、386、および396にそれぞれ記憶されたメモリモジュール(図3A図3Cに示されるように)であってよく、このメモリモジュールは、処理システム332、384、および394(またはモデム処理システム、別の処理システムなど)によって実行されたとき、本明細書で記述される機能性をUE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306に実施させる。
【0057】
[0068]UE302は、WWAN送受信機310、WLAN送受信機320、および/またはSPS受信機330によって受信された信号から導出されるモーションデータから独立した動きおよび/または配向情報を提供するために、処理システム332に結合された1つまたは複数のセンサ344を含んでよい。例として、センサ344は、加速度計(たとえば、マイクロエレクトリカルメカニカルシステムズ(MEMS)デバイス)、ジャイロスコープ、地磁気センサ(たとえばコンパス)、高度計(たとえば気圧高度計)、および/またはいずれか他のタイプの動き検出センサを含んでよい。その上、センサ344は、複数の異なるタイプのデバイスを含んでよく、モーション情報を提供するためにそれらの出力を結合してよい。たとえば、センサ344は、2Dおよび/または3D座標系における位置を計算する能力を提供するために、多軸加速度計と配向センサの組合せを使用してよい。
【0058】
[0069]加えて、UE302は、インジケーション(たとえば、可聴および/もしくは視覚的インジケーション)をユーザに提供するため、ならびに/またはユーザ入力を(たとえば、キーパッド、タッチ画面、マイクロフォンなどの感知デバイスのユーザ作動時に)受け取るために、ユーザインターフェース346を含む。図示されていないが、基地局304およびネットワークエンティティ306もまた、ユーザインターフェースを含んでよい。
【0059】
[0070]処理システム384をより詳細に参照すると、ダウンリンクでは、ネットワークエンティティ306からのIPパケットが処理システム384に提供されてよい。処理システム384は、RRCレイヤ、パケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、および媒体アクセス制御(MAC)レイヤのための機能性を実装してよい。処理システム384は、システム情報(たとえば、マスタ情報ブロック(MIB)、システム情報ブロック(SIB))のブロードキャスト、RRC接続制御(たとえば、RRC接続ページング、RRC接続確立、RRC接続修正、およびRRC接続解放)、RAT間モビリティ、およびUE測定報告のための測定構成に関連する、RRCレイヤ機能性;ヘッダ圧縮/圧縮解除、セキュリティ(暗号化、暗号化解除、保全性保護、保全性検証)、およびハンドオーバサポート機能に関連する、PDCPレイヤ機能性;上位レイヤパケットデータユニット(PDU)の転送、自動再送要求(ARQ)を介した誤り訂正、RLCサービスデータユニット(SDU)のコンカチネーションとセグメンテーションと再アセンブリ、RLCデータPDUの再セグメンテーション、およびRLCデータPDUの並べ替えに関連する、RLCレイヤ機能性;ならびに、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、スケジューリング情報報告、誤り訂正、優先順位の扱い、および論理チャネル優先順位付けに関連する、MACレイヤ機能性を提供してよい。
【0060】
[0071]送信機354および受信機352は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1機能性を実装してよい。レイヤ1は物理(PHY)レイヤを含み、トランスポートチャネル上での誤り検出、トランスポートチャネルの順方向誤り訂正(FEC)コーディング/復号、インタリービング、レートマッチング、物理チャネル上へのマッピング、物理チャネルの変調/復調、およびMIMOアンテナ処理を含んでよい。送信機354は、様々な変調方式(たとえば、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)、直角位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、M直交振幅変調(M-QAM))に基づく信号コンステレーションへのマッピングを扱う。コーディングされ変調されたシンボルは、次いで、並列ストリームに分離されてよい。次いで各ストリームは、直交周波数分割多重化(OFDM)サブキャリアにマッピングされ、時間および/または周波数領域で参照信号(たとえばパイロット)と多重化され、次いで逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して結合されて、時間領域OFDMシンボルストリームを担持する物理チャネルが生成されてよい。OFDMシンボルストリームは、空間的にプリコーディングされて、複数の空間ストリームが生成される。コーディング変調方式を決定するため、ならびに空間処理のために、チャネル推定器からのチャネル推定値が使用されてよい。チャネル推定値は、UE302によって送信された、参照信号および/またはチャネル条件フィードバックから導出されてよい。次いで、各空間ストリームは、1つまたは複数の異なるアンテナ356に提供されてよい。送信機354は、送信のためにそれぞれの空間ストリームを用いてRFキャリアを変調してよい。
【0061】
[0072]UE302において、受信機312は、そのそれぞれのアンテナ316を介して信号を受信する。受信機312は、RFキャリア上に変調された情報を回復し、情報を処理システム332に提供する。送信機314および受信機312は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1機能性を実装する。受信機312は、情報に対して空間処理を実施して、UE302に宛てられたどんな空間ストリームも回復してよい。複数の空間ストリームがUE302に宛てられている場合、これらは、受信機312によって単一のOFDMシンボルストリームに結合されてよい。次いで受信機312は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、OFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号の各サブキャリアにつき別々のOFDMシンボルストリームを備える。各サブキャリア上のシンボル、および参照信号は、基地局304によって送信された最も可能性の高い信号コンステレーションポイントを決定することによって、回復および復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器によって計算されたチャネル推定値に基づいてよい。次いで、軟判定は復号されデインタリーブされて、元々基地局304によって物理チャネル上で送信されたデータおよび制御信号が回復される。次いで、データおよび制御信号は処理システム332に提供され、処理システム332は、レイヤ3およびレイヤ2機能性を実装する。
【0062】
[0073]ULでは、処理システム332は、コアネットワークからのIPパケットを回復するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重化解除、パケット再アセンブリ、暗号化解除、ヘッダ圧縮解除、および制御信号処理を提供する。処理システム332はまた、誤り検出も担う。
【0063】
[0074]基地局304によるDL送信に関連して記述された機能性と同様、処理システム332は、システム情報(たとえば、MIB、SIB)獲得、RRC接続、および測定報告に関連する、RRCレイヤ機能性;ヘッダ圧縮/圧縮解除、およびセキュリティ(暗号化、暗号化解除、保全性保護、保全性検証)に関連する、PDCPレイヤ機能性;上位レイヤPDUの転送、ARQを介した誤り訂正、RLC SDUのコンカチネーションとセグメンテーションと再アセンブリ、RLCデータPDUの再セグメンテーション、およびRLCデータPDUの並べ替えに関連する、RLCレイヤ機能性;ならびに、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、トランスポートブロック(TB)上へのMAC SDUの多重化、TBからのMAC SDUの多重化解除、スケジューリング情報報告、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)を介した誤り訂正、優先順位の扱い、および論理チャネル優先順位付けに関連する、MACレイヤ機能性を提供する。
【0064】
[0075]基地局304によって送信された参照信号またはフィードバックからチャネル推定器によって導出されたチャネル推定値が、送信機314によって使用されて、適切なコーディング変調方式が選択され、空間処理が容易にされてよい。送信機314によって生成された空間ストリームは、異なる複数のアンテナ316に提供されてよい。送信機314は、送信のためにそれぞれの空間ストリームを用いてRFキャリアを変調してよい。
【0065】
[0076]UL送信は、UE302における受信機機能に関連して記述されたのと同様にして、基地局304において処理される。受信機352は、そのそれぞれのアンテナ356を介して信号を受信する。受信機352は、RFキャリア上に変調された情報を回復し、情報を処理システム384に提供する。
【0066】
[0077]ULでは、処理システム384は、UE302からのIPパケットを回復するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重化解除、パケット再アセンブリ、暗号化解除、ヘッダ圧縮解除、制御信号処理を提供する。処理システム384からのIPパケットは、コアネットワークに提供されてよい。処理システム384はまた、誤り検出も担う。
【0067】
[0078]便宜上、UE302、基地局304、および/またはネットワークエンティティ306は、図3A図3Cでは、本明細書で記述される様々な例に従って構成され得る様々なコンポーネントを含むものとして示されている。しかし、図示されるブロックが、異なる設計では異なる機能性を有してよいことは、理解されるであろう。
【0068】
[0079]UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306の様々なコンポーネントは、それぞれデータバス334、382、および392を介して相互と通信してよい。図3A図3Cのコンポーネントは、様々な方法で実装されてよい。いくつかの実装形態では、図3A図3Cのコンポーネントは、たとえば1つもしくは複数のプロセッサおよび/または1つもしくは複数のASIC(各々が1つもしくは複数のプロセッサを含み得る)など、1つまたは複数の回路中で実装されてよい。ここで、各回路は、この機能性を提供するために回路によって使用される情報または実行可能コードを記憶するための、少なくとも1つのメモリコンポーネントを使用してよく、および/または組み込んでよい。たとえば、ブロック310~346によって表される機能性のいくつかまたはすべては、UE302のプロセッサおよびメモリコンポーネントによって(たとえば、適切なコードの実行、および/またはプロセッサコンポーネントの適切な構成によって)実装されてよい。同様に、ブロック350~388によって表される機能性のいくつかまたはすべては、基地局304のプロセッサおよびメモリコンポーネントによって(たとえば、適切なコードの実行、および/またはプロセッサコンポーネントの適切な構成によって)実装されてよい。また、ブロック390~398によって表される機能性のいくつかまたはすべては、ネットワークエンティティ306のプロセッサおよびメモリコンポーネントによって(たとえば、適切なコードの実行、および/またはプロセッサコンポーネントの適切な構成によって)実装されてよい。簡単にするために、本明細書では、様々な動作、行為、および/または機能が、「UEによって」、「基地局によって」、「測位エンティティによって」実施されるなどと記述される。しかし、理解されるであろうが、そのような動作、行為、および/または機能は、実際には、処理システム332、384、394、送受信機310、320、350、および360、メモリコンポーネント340、386、および396、角度ベースの測定マネージャ342、388、および398など、UEや基地局や測位エンティティなどの具体的なコンポーネント、またはコンポーネントの組合せによって実施されてよい。
【0069】
[0080]NRは、レガシー4G/LTE解決策に加えて、いくつかの新しい測位技法、たとえば、角度ベースの測位技法(たとえば、到達角度(AoA:angle-of-arrival)測位技法、放射角度(AoD:angle-of-departure)測位技法、到達天頂角(ZoA:zenith angle of arrival)測位技法、および放射天頂角(ZoD:zenith angle of departure)測位技法)、UEベースの測位技法、ならびにマルチセルラウンドトリップ時間(RTT)測位技法(「マルチRTT」とも呼ばれる)などを可能にする。ダウンリンクAoD測位技法を特に参照すると、これらの技法は、タイミングベースのダウンリンク専用測位技法、たとえば、LTEにおける観測到達時間差(OTDOA)、およびNRにおけるダウンリンク到達時間差(DL-TDOA)などに使用される同じダウンリンク参照信号を再使用することができる。そのような参照信号は、PRS、NRS、CRS、TRS、CSI-RS、PSS、SSS、SSBなどを含んでもよい。
【0070】
[0081]高レベルにおいて、DL-AoD測位プロシージャを実施するために、基地局(NRにおける「gNB」)は、FR2におけるビームスウィーピングによって、そのカバレッジエリア内のUEへ参照信号を送信する。UEは、ビームの一部または全部を測定し、各ビームの信号強度(たとえば、RSRP)を基地局に報告する。基地局は、UEの信号強度報告に基づいてUEへのAoDを推定し、AoDを測位エンティティに報告する。測位エンティティは、UE、基地局、またはロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)に位置してもよい。測位エンティティは、基地局によって報告されるAoDに基づいて、UEのロケーションを推定する。いくつかの場合において、UEごとに複数の関与する基地局があってもよく、各基地局が、推定されたAoDを測位エンティティに報告することができる。次いで、測位エンティティは、付加的なAoDに基づいて、UEの推定されたロケーションをさらに精緻化することができる。
【0071】
[0082]図4は、本開示の様々な態様による、例示的なUE404(本明細書において説明されるUEのうちのいずれかに対応し得る)と通信する、例示的な基地局(BS)402(本明細書において説明される基地局のうちのいずれかに対応し得る)を例示する図400である。図4を参照すると、基地局402は、それぞれのビームを識別するためにUE404によって使用され得るビーム識別子を各々が有する、1つまたは複数の送信ビーム402a、402b、402c、402d、402e、402f、402g、402h上で、ビームフォーミングされた信号をUE404へ送信し得る。基地局402が、アンテナの単一のアレイ(たとえば、単一のTRP)を用いてUE404へビームフォーミングしている場合、基地局402は、最後にビーム402hを送信するまで、第1のビーム402a、次いでビーム402bなどを送信することによって、「ビームスウィープ」を実施し得る。代替として、基地局402は、送信ビーム402a~402hを何らかのパターンで、たとえば、ビーム402a、次いでビーム402h、次いでビーム402b、次いでビーム402gなどで、送信してもよい。基地局402が、アンテナの複数のアレイ(たとえば、複数のTRP)を使用してUE404へビームフォーミングしている場合、各アンテナアレイは、ビーム402a~402hのサブセットのビームスウィープを実施し得る。代替として、ビーム402a~402hの各々が、単一のアンテナまたはアンテナアレイに対応してもよい。
【0072】
[0083]UE404は、1つまたは複数の受信ビーム404a、404b、404c、404d上で、基地局402からのビームフォーミングされた信号を受信し得る。簡単にするために、図4に例示されるビームは、基地局402およびUE404のうちのどちらが送信しており、どちらが受信しているかに依存して、送信ビームまたは受信ビームのいずれかを表すことに留意されたい。したがって、UE404は、ビーム404a~404dのうちの1つまたは複数上で、ビームフォーミングされた信号を基地局402へ送信してもよく、基地局402は、ビーム402a~402hのうちの1つまたは複数上で、ビームフォーミングされた信号をUE404から受信してもよい。
【0073】
[0084]一態様では、基地局402およびUE404は、基地局402およびUE404の送信ビームおよび受信ビームをアラインするためにビームトレーニングを実施してもよい。たとえば、環境条件および他の要因に依存して、基地局402およびUE404は、最良の送信ビームおよび受信ビームが、それぞれ402dおよび404bである、またはそれぞれビーム402eおよび404cであると決定してもよい。基地局402にとっての最良の送信ビームの方向は、最良の受信ビームの方向と同じであっても、または同じでなくてもよく、同様に、UE404にとっての最良の受信ビームの方向は、最良の送信ビームの方向と同じであっても、または同じでなくてもよい。ただし、送信ビームと受信ビームとをアラインすることは、AoD測位プロシージャを実施するために必要ではないことに留意されたい。
【0074】
[0085]AoD測位プロシージャを実施するために、基地局402は、各ビームが異なる重みを有する、ビーム402a~402hのうちの1つまたは複数上で、参照信号(たとえば、PRS、NRS、CRS、TRS、CSI-RS、PSS、SSSなど)をUE404へ送信し得る。ビームの異なる重みは、UE404における異なる受信信号強度(たとえば、RSRP、RSRQ、SINRなど)をもたらすことになる。さらに、チャネルインパルス応答は、基地局402とUE404との間の実際の見通し線(LOS)経路410からより遠い送信ビームに対して、LOS経路410により近い送信ビームに対してよりも、小さくなることになる。同様に、受信信号強度は、LOS経路410により近い送信ビームに対してよりも、LOS経路410からより遠い送信ビームに対して、より低くなることになる。
【0075】
[0086]図4の例において、基地局402が、ビーム402c、402d、402e上で、参照信号をUE404へ送信する場合、送信ビーム402dは、LOS経路410と最も良くアラインされる一方で、送信ビーム402cおよび402eはアラインされない。そのため、ビーム402dは、ビーム402cおよび402eよりも、UE404において、強いチャネルインパルス応答および高い受信信号強度を有することになる。UE404は、各測定される送信ビーム402c、402d、402eのチャネルインパルス応答および受信信号強度を、または代替として、最も強いチャネルインパルス応答および最も高い受信信号強度を有する送信ビーム(図4の例ではビーム402d)の識別を、基地局402に報告することができる。いずれの場合も、基地局402は、基地局自体からUE404への角度を、UE404において最も高い受信信号強度および最も強いチャネルインパルス応答を有する送信ビーム、ここでは、送信ビーム402dのAoDとして、推定することができる。
【0076】
[0087]AoDベースの測位の一態様では、関与する基地局402が1つのみである場合、基地局402およびUE404は、基地局402とUE404との間の距離を決定するために、(図5を参照して下記に論じられるような)RTTプロシージャを実施することができる。したがって、基地局402(もしくはロケーションサーバまたは他の測位エンティティ)は、UE404のロケーションを推定するために、(AoD測位を使用して)UE404への方向と(RTT測位を使用して)UE404への距離の両方を決定することができる。最も高い受信信号強度および最も強いチャネルインパルス応答を有する送信ビームのAoDは、必ずしも図4に示されるようにLOS経路410に沿って存在するとは限らないことに留意されたい。ただし、AoDベースの測位目的のために、そのように存在すると想定される。
【0077】
[0088]AoDベースの測位の別の態様では、関与する基地局402が複数ある場合、各基地局402は、UE404への決定されたAoDを測位エンティティ(たとえば、ロケーションサーバ、サービング基地局402、UE404)に報告する。測位エンティティは、複数のそのようなAoDを、UE404についての複数の関与する基地局402(または、他の地理的に分離された送信ポイント)から受信する。この情報、および基地局402の地理的ロケーションの知識により、測位エンティティは、UE404のロケーションを、受信されたAoDの交点として推定することができる。二次元の(2D)ロケーション解決策の場合、少なくとも3つの関与する基地局402があるべきであるが、認識されるであろうように、測位プロシージャに関与する基地局402が多ければ多いほど、UE404の推定されるロケーションは正確になることになる。
【0078】
[0089]UEおよび少なくとも3つの基地局(または他の送信ポイント)は、UEのロケーション推定値を決定するために、RTT測位プロシージャも実施し得る。ネットワークセントリックなRTT推定において、サービング基地局は、2つ以上の近隣基地局(および、少なくとも3つの基地局が必要であるため、典型的にはサービング基地局)からのRTT測定信号をスキャン/受信するようにUEに指示し、またはサービング基地局がRTT測定信号をスキャン/受信し得ることをUEに通知する。
【0079】
[0090]図5は、本開示の態様による、例示的なワイヤレス通信システム500を例示する。図5の例において、UE504(本明細書において説明されるUEのうちのいずれかに対応し得る)は、そのロケーションの推定値を計算しようと、または別の測位エンティティ(たとえば、サービング基地局もしくはコアネットワークコンポーネント、別のUE、ロケーションサーバ、サードパーティアプリケーション等)が、そのロケーションの推定値を計算することを支援しようと試行している。UE504は、RF信号と、RF信号の変調および情報パケットの交換のための標準化されたプロトコルとを使用して、基地局(BS)502(たとえば、本明細書において説明される基地局のうちのいずれか)とワイヤレスで通信し得る。
【0080】
[0091]ロケーション推定をサポートするために、基地局502は、そのカバレッジエリア内のUE504へ、参照信号(たとえば、PRS、NRS、CRS、TRS、CSI-RS、SSB、PSS、SSS等)を、UE504がそのような参照信号の特性を測定することを可能にするべく、ブロードキャストし得る。たとえば、UE504は、基地局502とRTTおよび/またはDL-AoD測位方法を実施するために、基地局502によって送信される特定の参照信号の到達時間(ToA)と信号強度(たとえば、RSRP)とを測定し得る。UE504が、基地局502からの参照信号の特性を測定するものとして説明されているが、UE504は、基地局502によってサポートされる複数のセルまたはTRPのうちの1つからの参照信号を測定してもよいことに留意されたい。
【0081】
[0092]UE504と基地局502との間の距離510は、RTT測位プロシージャを使用して決定され得る。具体的には、本技術分野において知られているように、UE504と基地局502との間で交換されるRF信号のRTTは、基地局502を中心とした半径を定義する距離510を計算するために使用され得る。UE504のロケーションは、ある程度の不確実性と共に、その半径上に存在すると想定される。UE504の推定されたロケーションをさらに精緻化するために、基地局502およびUE504は、基地局502とUE504との間の角度を決定するべく、(図4を参照して上述したような)AoD測位プロシージャも実施することができる。具体的には、UE504は、図4を参照して上記に論じられたように、基地局502から受信される参照信号について最も高い信号強度および/または最も強いチャネルインパルス応答を提供するダウンリンク送信ビーム512の識別を決定および報告し得る。
【0082】
[0093]RTTおよびDL-AoD測位プロシージャの結果、またはこれらのプロシージャ期間中に取得された測定値は、測位エンティティへ転送され、測位エンティティは、UE504、基地局502、サービング基地局(基地局502ではない場合)、またはロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)であってもよい。UE504の(たとえば、x-y座標またはx-y-z座標における)ロケーションを決定するために、測位エンティティは、基地局502のロケーションも知る必要がある。UE504が、そのロケーションを決定する場合、基地局502のロケーションは、基地局502のロケーション(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP 272)の知識を有する基地局502またはロケーションサーバによってUE504へ提供され得る。そうでない場合、基地局502のロケーションは、基地局502またはロケーションサーバに知られるべきである。
【0083】
[0094]RTTおよびAoD測位プロシージャは実施されると、測位エンティティは、(AoD測位プロシージャから)UE504への角度、(RTT測位プロシージャから)UE504への距離、および基地局502の知られているロケーションを使用して、UE504のロケーションを求めることができる。RTTおよびAoD測位プロシージャからの測定値のみが報告された場合、測位エンティティは、まず、基地局502とUE504との間の距離と角度とを計算し、次いで、それらの結果を使用して、UE504のロケーションを計算する。
【0084】
[0095]図6は、本開示の態様による、基地局602(本明細書において説明される基地局のうちのいずれかに対応し得る)とUE604(本明細書において説明されるUEのうちのいずれかに対応し得る)との間で交換されるRTT測定信号の例示的なタイミングを示す図600である。図6の例において、基地局602は、時間TにおいてUE604へRTT測定信号610(たとえば、PRS、NRS、CRS、CSI-RS等)を送る。基地局602のベースバンド(「BB」)がRTT測定信号610を生成する時間と、アンテナ(「Ant」)がRTT測定信号610を送信するとの間には、送信遅延TBS,Txがある。RTT測定信号610は、基地局602からUE604へ進む際に、いくらかの伝搬遅延TPropを有する。
【0085】
[0096]UE604におけるRTT測定信号610の受信時に、UE604のアンテナがRTT測定信号610を受信/検出する時間と、ベースバンドが時間TにおいてRTT測定信号610を処理する時間(UE604におけるRTT測定信号610のToAと見なされる)との間には、遅延TUE,Rxがある。いくらかのUE処理時間TRx→Tx612の後に、UE604は、時間TにおいてRTT応答信号620を送信する。UE604のベースバンドがRTT応答信号620を生成する時間と、アンテナがRTT応答信号620を送信するとの間には、送信遅延TUE,Txがある。
【0086】
[0097]伝搬遅延TPropの後、基地局602のアンテナは、RTT応答信号620を受信/検出する。アンテナがRTT応答信号620を受信/検出する時間と、ベースバンドが時間T(基地局602におけるRTT応答信号620のToAと見なされる)においてRTT応答信号620を処理する時間との間には、受信遅延TBS,Rxがある。
【0087】
[0098]RTT応答信号620は、時間Tと時間Tとの間の差(すなわち、TRx→Tx612)を明示的に含み得る。代替として、その差は、タイミングアドバンス(TA)、すなわち、相対的なアップリンク/ダウンリンクフレームタイミングおよびアップリンク参照信号の仕様ロケーションから導出されてもよい。TAは通常、基地局とUEとの間のRTTであること、または一方向における伝播時間の2倍であることに留意されたい。この測定値および時間Tと時間Tとの間の差(すなわち、TTx→Rx622)を使用して、基地局602は、UE604への距離を以下のように計算することができる。
【0088】
【数1】
【0089】
ただし、cは光の速度である。
【0090】
[0099]一般に、UE604は、RTT報告がUE604のアンテナからの遅延を反映するように、UE604のRFフロントエンド(RFFE)グループ遅延を較正し、それらを補償する。基地局602は、基地局602とUE604との間の最終的な距離を決定するために、較正されたRFFEグループ遅延を減算する。
【0091】
[00100]基地局602および/またはUE604は、RTTおよび基地局602の知られているロケーションに基づいて、ロケーションサーバがUE604のロケーションを推定することを可能にするために、ロケーションサーバ(または他の測位エンティティ)へRTTを報告し得る。図5を参照して上述したように、UE604のロケーションのより正確な推定値を提供するために、ロケーションサーバは、基地局602とUE604との間で実施されたAoD測位プロシージャの結果と、RTT測位プロシージャの結果とを組み合わせることができる。したがって、ロケーションサーバは、UE604のロケーションをより良好に推定するために、(AoD測位を使用して)基地局602からUE604への方向と、(RTT測位を使用して)基地局602からUE604への距離の両方を決定することができる。
【0092】
[00101]図7は、本開示の態様による、例示的なUL-AoA測位プロシージャを例示する。図7の例において、基地局702(たとえば、本明細書において説明される基地局のうちのいずれか)は、複数のアップリンク受信ビーム710上で、UE704(たとえば、本明細書において説明されるUEのうちのいずれか)から、1つまたは複数の参照信号(たとえば、UL-PRS、SRS、DMRS等)を受信する。基地局702は、UE704からの1つまたは複数の参照信号を受信するために使用される最良の受信ビーム710の角度を、基地局702自体からUE704へのAoAとして決定する。具体的には、受信ビーム710の各々は、基地局702における1つまたは複数の参照信号の異なる受信信号強度(たとえば、RSRP、RSRQ、SINR等)をもたらすことになる。さらに、1つまたは複数の参照信号のチャネルインパルス応答は、LOS経路により近い受信ビーム710に対するよりも、基地局702とUE704との間の実際のLOS経路からより遠い受信ビーム710に対して、より小さくなることになる。同様に、受信信号強度は、LOS経路により近い受信ビーム710に対してよりも、LOS経路からより遠い受信ビーム710に対して、より低くなることになる。そのため、基地局702は、最も高い受信信号強度および最も強いチャネルインパルス応答をもたらす受信ビーム710を識別し、基地局702自体からUE704への角度を、その受信ビーム710のAoAとして推定する。AoDベースの測位と同じように、最も高い受信信号強度および最も強いチャネルインパルス応答をもたらす受信ビーム710のAoAは、必ずしもLOS経路に沿って存在するとは限らないことに留意されたい。ただし、AoAベースの測位目的のために、そのように存在すると想定される。
【0093】
[00102]基地局702は、UE704と共にRTT測位プロシージャを実施することによって、またはUE704についてのタイミングアドバンスから、基地局702自体とUE704との間の距離も推定することができる。上述したように、タイミングアドバンスは、典型的には、基地局とUEとの間のRTTであり、または一方向における伝播時間の2倍であり、したがって、実際のRTTプロシージャと同じように、基地局702とUE704との間の距離を推定するために使用され得る。
【0094】
[00103]UE704が、UE704のロケーションを推定している場合(すなわち、UEは測位エンティティである)、UE704は、基地局702の地理的ロケーションを得る必要がある。UE704は、たとえば、基地局702自体またはロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)から、ロケーションを得てもよい。(RTTまたはタイミングアドバンスに基づいた)基地局702への距離、(最良の受信ビーム710のAoAに基づいた)基地局702とUE704との間の角度、および基地局702の知られている地理的ロケーションについての知識を用いて、UE704は、UE704のロケーションを推定することができる。
【0095】
[00104]代替として、基地局702またはロケーションサーバなどの測位エンティティが、UE704のロケーションを推定している場合、基地局702は、UE704から受信された参照信号のうちで最も高い受信信号強度および最も強いチャネルインパルス応答をもたらす受信ビーム710のAoA、またはすべての受信ビーム710についてのすべての受信信号強度およびチャネルインパルス応答を報告する(これは測位エンティティが最良の受信ビーム710を決定することを可能にする)。基地局702は、付加的に、UE704への距離を報告してもよい。次いで、測位エンティティは、基地局702へのUE704の距離、識別された受信ビーム710のAoA、および基地局702の知られている地理的ロケーションに基づいて、UE704のロケーションを推定することができる。
【0096】
[00105](たとえば、UE504についての)ロケーション推定値は、他の名称、たとえば、位置推定値、ロケーション、位置、位置固定、固定等などによって呼ばれてもよい。位置推定値は、測地学的であって、座標(たとえば、緯度、経度、および場合により高度)を含んでもよく、または、都市的であって、所在地住所、郵便住所、もしくはロケーションの何らかの他の口頭説明を含んでもよい。ロケーション推定値は、何らかの他の知られているロケーションに関してさらに定義されてもよく、または(たとえば、緯度、経度、および場合により高度を使用して)絶対条件で定義されてもよい。ロケーション推定値は、(たとえば、何らかの特定された信頼度またはデフォルト信頼度で、ロケーションが含まれると予想されるエリアまたは体積を含むことによって)予想される誤差または不確実性を含んでもよい。ロケーション推定値を得る手段は、「測位」、「ロケーティング」、または「位置固定」と総称的に呼ばれてもよい。ロケーション推定値を得るための特定の解決策は、「ロケーション解決策」と呼ばれてもよい。ロケーション解決策の一部としてロケーション推定値を得る特定の方法は、たとえば、「ロケーション方法」または「測位方法」と呼ばれてもよい。
【0097】
[00106]基地局またはUEが、測定された/推定された/導出された/計算された角度値(たとえば、AoD、AoA)を測位エンティティ(たとえば、サービング基地局、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)に報告する場合、基地局またはUEは、ローカル座標系(LCS)またはグローバル座標系(GCS)のいずれかにおいて角度値を報告することができる。座標系は、図8に示されるように、x軸、y軸、z軸、球面角および球面単位ベクトルによって定義される。図8は、本開示の態様による、デカルト座標系800における球面角および球面単位ベクトルの定義を例示する。図8において、θはデカルト座標系800における天頂角であり、φはアジマス角である。さらに、
【0098】
【数2】
【0099】
は、所与の方向であり、
【0100】
【数3】
【0101】
および
【0102】
【数4】
【0103】
は、球面基底ベクトルである。天頂までθ=0ポイントであり、水平線までθ=90°ポイントであることに留意されたい。
【0104】
【数5】
【0105】
の方向におけるフィールド成分は、Fθによって与えられ、
【0106】
【数6】
【0107】
の方向におけるフィールド成分は、Fφによって与えられる。
【0108】
[00107]GCSは、複数の基地局およびUEを備えるシステムについて定義される。基地局またはUEについてのアレイアンテナは、LCSにおいて定義され得る。GCSは、(たとえば、絶対緯度および絶対経度を単位とした)絶対参照フレームを有するのに対して、LCSは、(たとえば、車両、基地局、アンテナアレイ等に関する)相対参照フレームを有する。LCSは、アレイにおける各アンテナ素子の、パターンおよび偏波であるベクトル遠距離場を定義するための基準として使用される。遠距離場は、公式によってLCSにおいて知られていると想定される。GCS内のアンテナアレイの配置は、アンテナアレイについてのGCSとLCSとの間の並進によって定義される。GCSに対するアンテナアレイの向きは、一般に、回転のシーケンス(公に利用可能であり、その全体が本明細書に組み込まれている3GPP技術仕様書(TS)38.900において説明されている)によって定義される。この向きは、一般に、GCSの向きと異なるので、アレイ素子のベクトル場をLCSからGCSにマッピングする必要がある。このマッピングは、アレイの向きに依存し、3GPP TS 38.900内の等式から与えられる。アレイの任意の機械的な向きは、GCSに対してLCSを回転させることによって達成され得ることに留意されたい。
【0109】
[00108]図9Aおよび図9Bにおいて、座標(x,y,z,θ,φ)および単位ベクトル
【0110】
【数7】
【0111】
を有するGCSと、「プライミングされた(primed)」座標(x’,y’,z’,θ’,φ’)および「プライミングされた」単位ベクトル
【0112】
【数8】
【0113】
を有するLCSとは、共通の原点により定義される。図9Aは、本開示の態様による、GCS座標(x,y,z)をLCS座標
【0114】
【数9】
【0115】
に関連付ける回転のシーケンスを例示する。より具体的には、図9Aは、角度α、β、γによって与えられるGCSに対するLCSの任意の三次元(3D)回転を例示する。角度α、β、γのセットは、GCSに対するアンテナアレイの向きとも称され得る。任意の3D回転は、多くとも3つの要素の回転によって特定されることが可能であり、図9Aのフレームワークに従って、z軸、
【0116】
【数10】
【0117】
軸、および
【0118】
【数11】
【0119】
軸を中心とする一連の回転が、この順序で想定される。ドット付きのマークおよび2つのドット付きのマークは、回転が固有であることを示し、このことは、それらが1回(・)または2回の(・・)中間回転の結果であることを意味する。言い換えれば、
【0120】
【数12】
【0121】
軸は、z軸を中心とした第1の回転後の元のy軸であり、
【0122】
【数13】
【0123】
軸は、z軸を中心とした第1の回転および
【0124】
【数14】
【0125】
軸を中心とした第2の回転後の元のx軸である。
【0126】
[00109]zを中心とした第1の回転αは、アンテナ方位角(すなわち、基地局アンテナ素子についてのセクタ指向方向)を設定する。
【0127】
【数15】
【0128】
を中心とする第2の回転βは、アンテナダウンチルト角を設定する。最後に、
【0129】
【数16】
【0130】
を中心とする第3の回転γは、アンテナ傾斜角を設定する。3つの回転すべての後のx軸、y軸およびz軸の向きは、
【0131】
【数17】
【0132】
【0133】
【数18】
【0134】
、および
【0135】
【数19】
【0136】
として表され得る。これらの3つのドット付きの軸は、LCSの最終的な向きを表し、表記上の目的のために、x’軸、y’軸、およびz’軸として表される(ローカル座標系または「プライミングされた」座標系)。LCSからGCSへの変換は、角度α、β、γのみに依存することに留意されたい。角度αは、方位角と呼ばれ、βは、ダウンチルト角と呼ばれ、γは、傾斜角と呼ばれる。
【0137】
[00110]図9Bは、本開示の態様による、GCSとLCSの両方における球座標および単位ベクトルの定義を例示する。図9Bは、GCS座標(x,y,z)およびLCS座標(x’,y’,z’)の座標方向および単位ベクトルを示す。アンテナアレイ素子のベクトル場は、LCSにおいて定義されることに留意されたい。
【0138】
[00111]上述したように、基地局またはUEが、測位エンティティに角度値(たとえば、AoD、AoA)を報告する場合、基地局またはUEは、そのLCSまたはネットワークのGCSのいずれかにおける角度値を報告する。GCSにおける測定値を報告する利点と同様に、LCSにおける測定値を報告する利点がある。GCSを使用する理由は、(たとえば、図7を参照して上述したように、AoAベースの測位について)LTEシステムにおいてGCSが既にサポートされているということである。また、(測定エンティティのLCSにおいて常に実施される)測定を実施するエンティティは、測定値をGCSへ変換することを担う。さらに、UEは、UE自体のLCSからGCSへの変換を実施するために、GCSベースの角度および公式を転送される必要があるだけなので、GCSを使用することは、基地局におけるDL-AoD測定値またはUL-AoA測定値によって支援される、より容易なUEベースの測位を促進し得る。
【0139】
[00112]角度値を報告するためにLCSを使用する理由として、角度測定値を報告するエンティティが、エンティティ自体の向きを認識していないこと、またはそのLCSをGCSへ変換するための手法を有していないことがあり、したがって、エンティティは、そのLCSにおける測定値のみを報告することができる。そのようなエンティティは、たとえば、そのアンテナ傾斜および/もしくは回転を示す基地局アルマナック(BSA:base station almanac)なしの基地局、または、たとえば、ジャイロスコープ、加速度計、および/もしくは磁力計を有しないことが理由で、その向きを認識していないUEであってもよい。
【0140】
[00113]ある場合にはGCSにおいて、および他の場合にはLCSにおいて測定値を報告する利点に起因して、本開示は、両方のオプションが許容される技法を提供し、どちらが使用されるかの選択は、特定の状況に応じて構成される。たとえば、基地局とロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)との間、またはUEとロケーションサーバとの間のシグナリングは、GCSベースの角度測定報告またはLCSベースの角度測定報告のどちらかを選ぶために使用され得る。
【0141】
[00114]たとえば、基地局とロケーションサーバとは、NR測位プロトコルタイプA(NRPPa:NR positioning protocol type A)セッション、またはLTE測位プロトコルタイプA(LPPa:LTE(登録商標) positioning protocol type A)セッション上で通信し得る。一態様では、ロケーションサーバが、特定の座標系における測定値を提供することを基地局に要求する場合、ロケーションサーバは、NRPPaセッションのMeasurementQuantitiesValueメッセージに「LCSorGCSReport」フィールドを含めることができる。または、基地局が、基地局が選んだ座標系における測定値を報告する場合、基地局は、NRPPaセッションのMeasuredResultsValueメッセージに「LCSorGCSReport」フィールドを追加することができる。LCSorGCSReport値は、2つの値、すなわち、「0」または「1」のうちの1つを取ることができ、これらのビットの意味(たとえば、「1」=GCSおよび「0」=LCS、またはこの逆)は、適用可能な標準において指定され、または基地局とロケーションサーバとの間でネゴシエートされる。また、LCSorGCSReportフィールドは、任意選択としてもよく、LCSorGCSReportフィールドが存在する場合は常に、LCSorGCSReportフィールドは、2つの値(すなわち、LCSまたはGCS)のうちの1つとして解釈される。
【0142】
[00115]UEとロケーションサーバとは、LTE測位プロトコル(LPP)セッション(またはNR測位プロトコルセッション)上で通信し得る。UEが、ロケーションサーバに角度測定値を報告する場合、UEは、基地局とロケーションサーバとの間のNRPPaメッセージングに同様に、LPPメッセージにLCSorGCSReportフィールドを含めることができる。代替として、どの座標系を使用するべきかに関してロケーションサーバがUEに指示する場合、ロケーションサーバは、基地局とロケーションサーバとの間のNRPPaメッセージングと同様に、LPPメッセージにLCSorGCSReportフィールドを含めてもよい。
【0143】
[00116]本明細書において開示されている第1の構成において、角度報告エンティティ(たとえば、基地局またはUE)は、そのLCSにおける角度測定値をロケーションサーバに報告することができ、第2の構成において、報告エンティティは、ネットワークのGCSにおける角度測定値をロケーションサーバに報告することができる。第1の構成を参照すると、報告エンティティがUEである場合、UEは、そのLCSにおける角度測定値(たとえば、DL-AoA、DL-ZoA、UL-AoD、UL-ZoD)をLPPシグナリング上でロケーションサーバに報告することができる。この構成は、たとえば、UEが、(たとえば、ジャイロスコープ、加速度計、および/または磁力計を有しないことに起因して)UEの向きを決定することができない場合に選ばれてもよく、したがって、LCSベースの角度測定値のみをロケーションサーバへ送ることができる。UEは、UEの向きを知らないことがあり得るので、ロケーションサーバが、UEのLCSにおいて報告された角度測定値をGCS角度測定値へ変換することを支援するために、UEは、付加的な情報をロケーションサーバに提供するべきである。
【0144】
[00117]そのような支援情報についての第1のオプションとして、UEは、測定報告におけるどの測定値が同じUEの向きで取得されたのかについてのインジケーションを提供してもよい。第2のオプションとして、所与の測定報告内のすべての測定値が、同じUEの向きで取得されたことを、UEが示してもよく、または、ロケーションサーバが想定してもよい。代替としてまたは付加的に、UEは、各角度測定値にタイムスタンプを付け、UEの向きが変更された時間を提供してもよい。その情報を用いて、ロケーションサーバは、測定期間中にGCSにおけるUEの向きを決定する際に、タイムスタンプが付けられた角度測定値を正確な向きに関連付けることができる。
【0145】
[00118]代替としてまたは付加的に、ロケーションサーバは、セルラーシステムの外部の他の源からUEの向きを決定してもよい。たとえば、ロケーションサーバは、UEの向きを決定するために、ナビゲーションアプリケーションなどの他のアプリケーションからの報告を使用してもよい。代替としてまたは付加的に、ロケーションサーバは、UEの向きの異なる仮説に対するUEの新しいロケーションの確率について、(たとえば、UEの以前に利用可能な測位に基づいて)一定の想定を行い、盲目的に推定してもよい。少なくとも向きが変化していないことを知ることは、向きが変化していない場合には測定値が一貫している必要があるという事実を利用することによって、UEの向きとロケーションの両方のそのような盲目的な推定を実施するのに役立つ。
【0146】
[00119]第3のオプションとして、UEが、UEの正確な向きを決定することができない場合であっても、UEは、UEの向きが変化したことを知り得る。その場合には、UEは、測定期間中にUEの向きが変化したことと、任意選択で、報告された測定値のどれとどれとの間であるかとを報告し得る。第4のオプションとして、UEは、UEの向きが変化したことを検出することができてもよいだけでなく、変化を測定することができてもよい。しかし、UEは、UEの絶対的な向きを測定することができないことがある(たとえば、UEが、ジャイロスコープと加速度計とを有するが、磁力計を有しない場合)。この場合において、UEは、角度測定値と共に、向きにおける検出された変化を報告し得る。
【0147】
[00120]一態様では、ロケーションサーバが、UEのLCSをGCSに変換し、測位アルゴリズムを実行することを可能にするために、UEは、(UEが、UEの向きを測定することができたセンサを有すると想定して)UEの向きに関する別個のシグナリングをロケーションサーバへ送り得る。このシグナリングは、LPPとは異なるプロトコル、たとえば、アプリケーションレイヤメッセージングまたは帯域外シグナリング(たとえば、RATに依存しないプロシージャ)を使用し得る。このシグナリングは、セルラー通信標準以外の、実装ベースのものであってもよい。
【0148】
[00121]第2の構成を参照すると、UEは、GCSを使用して、LPPシグナリング上でロケーションサーバに角度測定値(たとえば、DL-AoA、DL-ZoA、UL-AoD、UL-ZoD)を報告することができる。この構成は、UEがGCSに関するUEの絶対的な向きを決定することができる場合に、選ばれ得る。この構成において、ロケーションサーバは、角度報告を受信し、角度測定値をUEのLCSからGCSに変換する必要なしに、測位アルゴリズムを実行する。
【0149】
[00122]角度報告エンティティが基地局である場合、(報告エンティティが、そのLCSにおける角度測定値を報告する)本明細書において説明される第1の構成について、基地局は、基地局のLCSを使用して、NRPPaまたはLPPaシグナリング上でロケーションサーバに角度測定値(たとえば、DL-AoD、DL-ZoD、UL-AoA、UL-AoZ)を報告する。基地局のLCSをGCSに変換するために、ロケーションサーバは、基地局のBSAにおける基地局の向きを単に調べて、LCS角度測定値をGCS角度測定値に変換し、測位アルゴリズムを実行することができる。
【0150】
[00123]しかし、いくつかの場合において、基地局の向きが知られていないことがある。その場合には、ロケーションサーバは、複数の基地局からのAoA/AoD測定値を使用し、基地局の未知の向きを「減算し(subtract out)」または推定し得る。より具体的には、未知の向きを有する基地局は、知られている向きを有する基地局によって受信される、(図4を参照して上述したような)ビームフォーミングされた信号を送信することができる。受信側基地局、またはロケーションサーバは、図4を参照して上述した技法と同様に、受信された送信ビームのAoAおよび関連付けられた信号強度に基づいて、送信側基地局のアンテナアレイの相対的な方向および向きを推定することができる。次いで、ロケーションサーバは、知られている向きを有する基地局からの情報に基づいて、未知の向きを有する基地局の向きを推定することができる。この技法は、UEの変化するビームパターンに起因して、UEにとって可能ではないことがあることに留意されたい。
【0151】
[00124]ここで、(報告エンティティが、GCSにおける角度測定値を報告する)本明細書において説明される第2の構成を参照すると、UEに関して、基地局は、GCSを使用して、NRPPa/LPPaシグナリング上でロケーションサーバに角度測定値(たとえば、DL-AoD、DL-ZoD、UL-AoA、UL-AoZ)を報告する。ロケーションサーバは、角度報告を受信し、角度測定値を基地局のLCSからGCSに変換する必要なしに、測位アルゴリズムを実行する。
【0152】
[00125]角度報告エンティティは、様々な手法で、そのLCS(第1の構成)またはGCS(第2の構成)のいずれかにおける角度測定値を報告するように構成/トリガされ得る。図10は、本開示の態様による、LCSまたはGCSのいずれかにおける角度測定値を報告する例示的な方法1000を例示する。1010において、第1の任意選択の動作として、ロケーションサーバ1002(これは、ロケーションサーバ230、LMF270、またはSLP 272に対応し得る)は、報告エンティティのLCSまたはネットワークのGCSのいずれかにおける角度測定値を報告するように、角度報告エンティティ1004(本明細書において説明される基地局またはUEのうちのいずれか)を構成することができる。一態様では、角度ベースの測位プロシージャが実施されている場合、ロケーションサーバ1002は、報告エンティティ1004をこのように構成しさえすればよい。ロケーションサーバ1002は、報告エンティティ1004とのLPPセッション(UEの場合)またはNRPPaもしくはLPPaセッション(基地局の場合)期間中に、構成信号を送ることができる。
【0153】
[00126]一態様では、ロケーションサーバ1002は、GCSを使用するために報告エンティティ1004を構成し得るが、報告エンティティ1004は、GCSにおける角度測定値を決定することができないことがある。その場合には、報告エンティティ1004は、そのLCSを使用し、測定値がそのLCSにおけるものであることをロケーションサーバ1002に通知する。このインジケーションは、(1040における)角度測定報告と共に含まれることが可能であり、または、別個の信号とすることができる。たとえば、報告エンティティ1004は、LPPセッション(UEの場合)またはNRPPa/LPPaセッション(基地局の場合)期間中に、ロケーションサーバ1002へインジケーションを送ることができる。
【0154】
[00127]第2の任意選択の動作として、1020において、角度報告エンティティ1004は、(1040における)角度測定値をLCSにおいて報告するか、またはGCSにおいて報告するかを、それ自体で選ぶことができる。次いで、報告エンティティ1004は、角度測定値がLCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかをロケーションサーバ1002に自律的に通知することができる。このインジケーションは、(1040における)角度測定報告と共に含まれることが可能であり、または別個の信号(図示せず)とすることができる。たとえば、報告エンティティ1004は、LPPセッション(UEの場合)またはNRPPa/LPPaセッション(基地局の場合)上でロケーションサーバ1002へインジケーションを送ることができる。報告エンティティ1004が、そのLCSを使用することを選ぶか、またはGCSを使用することを選ぶかは、報告エンティティ1004が、報告エンティティ1004の向きについての知識を有するかどうか(たとえば、UEにおける向きセンサ、または基地局におけるBSA)に依存し得る。報告エンティティ1004は、角度ベースの測位プロシージャを実施している場合、このパラメータを報告しさえすればよい。
【0155】
[00128]動作1010および1020は、1つのみが実施する必要があるので、任意選択である。つまり、ロケーションサーバ1002が、LCSまたはGCSにおける角度測定値を報告するように報告エンティティ1004を構成することになる(1010)か、または、報告エンティティ1004が、測定値を報告する座標系を決定する(1020)かのいずれかである。
【0156】
[00129]1030において、報告エンティティ1004が、UEである場合、報告エンティティ1004は、基地局または他の送信ポイントから受信される1つまたは複数の参照信号のDL-AoA、DL-ZoA、UL-AoD、および/またはUL-ZoDを測定する。報告エンティティ1004が、基地局または他の送信ポイントである場合、1030において、報告エンティティ1004は、UEによって送信される1つまたは複数の参照信号のDL-AoD、DL-ZoD、UL-AoA、および/またはUL-AoZを測定する。1040において、報告エンティティ1004は、角度測定値を含有する測定報告をロケーションサーバ1002へ送る。報告は、上述したように、角度測定値がLCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかについてのインジケーションを含み得る。
【0157】
[00130]図11は、本開示の態様による、ワイヤレス通信の例示的な方法1100を例示する。一態様では、方法1100は、本明細書において説明される基地局のうちのいずれかなどの、基地局によって実施され得る。
【0158】
[00131]1110において、基地局は、第1の座標系において、1つまたは複数の角度ベースの測定を実施する。一態様では、動作1110は、基地局304のWWAN送受信機350、処理システム384、メモリコンポーネント386、および/または角度ベースの測定マネージャ388によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。
【0159】
[00132]1120において、基地局は、測位エンティティ(たとえば、測定されているUE、サービング基地局、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)に対して、1つまたは複数の角度ベースの測定値を、LCSにおいて報告するか、またはGCSにおいて報告するかを決定する。一態様では、動作1120は、基地局304のWWAN送受信機350、処理システム384、メモリコンポーネント386、および/または角度ベースの測定マネージャ388によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。
【0160】
[00133]1130において、UEは、決定に基づいて、LCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を測位エンティティに報告する。一態様では、動作1130は、基地局304のWWAN送受信機350、処理システム384、メモリコンポーネント386、および/または角度ベースの測定マネージャ388によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。
【0161】
[00134]図12は、本開示の態様による、ワイヤレス通信の例示的な方法1200を例示する。一態様では、方法1200は、UE、サービング基地局、ロケーションサーバ230、LMF270、またはSLP272などの、測位エンティティによって実施され得る。
【0162】
[00135]1210において、測位エンティティは、基地局から、基地局のLCSまたはGCSにおける1つまたは複数の角度ベースの測定値を受信する。一態様では、測位エンティティがUEに位置する場合、動作1210は、UE302のWWAN送受信機310、処理システム332、メモリコンポーネント340、および/または角度ベースの測定マネージャ342によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。測位エンティティが基地局に位置する場合、動作1210は、基地局304のWWAN送受信機350、処理システム384、メモリ385、および/または角度ベースの測定マネージャ388によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。測位エンティティがロケーションサーバに位置する場合、動作1210は、ネットワークエンティティ306のネットワークインターフェース390、処理システム394、メモリ396、および/または角度ベースの測定マネージャ398によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。
【0163】
[00136]1220において、測位エンティティは、1つまたは複数の角度ベースの測定値がLCSにおけるものか、またはGCSにおけるものかを決定する。図10を参照して上述したように、測位エンティティは、1つもしくは複数の角度ベースの測定値をLCSもしくはGCSにおいて報告するように基地局を構成済みであってもよく、および/または、測位エンティティは、1つもしくは複数の角度ベースの測定値がGCSのLCSにおけるものであるというインジケーションを受信済みであってもよい。一態様では、測位エンティティがUEに位置する場合、動作1220は、UE302のWWAN送受信機310、処理システム332、メモリコンポーネント340、および/または角度ベースの測定マネージャ342によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。測位エンティティが基地局に位置する場合、動作1220は、基地局304のWWAN送受信機350、処理システム384、メモリ385、および/または角度ベースの測定マネージャ388によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。測位エンティティがロケーションサーバに位置する場合、動作1220は、ネットワークエンティティ306のネットワークインターフェース390、処理システム394、メモリ396、および/または角度ベースの測定マネージャ398によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。
【0164】
[00137]1230において、測位エンティティは、決定に基づいて、1つまたは複数の角度ベースの測定値を処理する。一態様では、測位エンティティがUEに位置する場合、動作1230は、UE302のWWAN送受信機310、処理システム332、メモリコンポーネント340、および/または角度ベースの測定マネージャ342によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。測位エンティティが基地局に位置する場合、動作1230は、基地局304のWWAN送受信機350、処理システム384、メモリ385、および/または角度ベースの測定マネージャ388によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。測位エンティティがロケーションサーバに位置する場合、動作1230は、ネットワークエンティティ306のネットワークインターフェース390、処理システム394、メモリ396、および/または角度ベースの測定マネージャ398によって実施され得、これらのいずれかまたは全部が、この動作を実施するための手段と考えられ得る。
【0165】
[00138]当業者は、多様な異なる技術および技法のいずれかを使用して情報および信号が表され得ることを理解するであろう。たとえば、上記説明の全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子、または、これらの任意の組合せによって表されてよい。
【0166】
[00139]さらに、当業者は、本明細書において開示されている態様に関連して説明される、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または、両方の組合せとして実装されてよいことを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、一般にそれらの機能性の観点から上述されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途およびシステム全体に課される設計制約条件に依存する。熟練した職人は、説明された機能性を特定の用途ごとに様々な手法で実装し得るが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきでない。
【0167】
[00140]本明細書において開示されている態様に関連して説明される、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または、本明細書において説明される機能を実施するように設計された、これらの任意の組合せを用いて、実装または実施されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替案において、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを併用する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または、任意の他のそのような構成としても実装され得る。
【0168】
[00141]本明細書において開示されている態様に関連して説明される方法、シーケンスおよび/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または、この2つの組合せにおいて、具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または、本技術分野において知られている任意の他の形式の記憶媒体に存在してもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替案において、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在してよい。ASICは、ユーザ端末(たとえば、UE)に存在してよい。代替案において、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末においてディスクリート部品として存在してもよい。
【0169】
[00142]1つまたは複数の例示的な態様において、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、これらの任意の組合せにおいて実装され得る。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶されてもよく、または送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを担持もしくは記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に名付けられる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、撚線対、デジタル加入者線(DSL)、または無線技術、たとえば、赤外線、無線、およびマイクロ波などを使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔源から送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、撚線対、DSL、または無線技術、たとえば、赤外線、無線、およびマイクロ波は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書において使用されるように、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ただし、ディスク(disk)は、通常は、データを磁気的に再生し、一方で、ディスク(disc)は、レーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきものである。
【0170】
[00143]前述の開示は、本開示の例示的な態様を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な変更および変形が本明細書において行われ得ることが留意されるべきである。本明細書において説明される本開示の態様による方法請求項の機能、ステップおよび/またはアクションは、いかなる特定の順序においても実施される必要はない。さらに、本開示の要素は、単数で説明または特許請求され得るが、単数に対する限定が明示的に述べられない限り、複数が想定される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
【国際調査報告】