(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】制御された密度の熱可塑性多層フィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 5/18 20060101AFI20221012BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B32B5/18
B32B27/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507401
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 US2020044959
(87)【国際公開番号】W WO2021026204
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522047505
【氏名又は名称】フレックス フィルムス(ユーエスエー) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サージェント、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】オルティス-グローブ、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】グッドマン、ダコタ
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK02A
4F100AK02B
4F100AK42A
4F100AK42B
4F100BA05
4F100BA08A
4F100BA08B
4F100DJ00
4F100DJ06
4F100GB07
4F100GB15
4F100GB41
4F100JA06A
4F100JA06B
4F100JA13
4F100JB16A
4F100JB16B
4F100JN06
(57)【要約】
二軸配向多層フィルムは、n個の層単位A―Bのスタック(A―B)nを含み、ここで、nは32以上であり、各層単位A―Bは、第1の層Aおよび第1の層Aに重なる第2の層Bを含む個々の層を有する。二軸配向多層フィルムは、スタック内の個々の層の一部内に層内空隙を含む。層内空隙は、20:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する。層単位の第1の層は第1の組成物を有し、層単位の第2の層は第2の組成物を有する。第1の組成物は、第1の熱可塑性物質および第1の熱可塑性物質と非混和性の第1のポリマーを含む。第2の組成物は、第1の熱可塑性物質と同じであってもよくまたは第1の熱可塑性物質と異なっていてもよい第2の熱可塑性物質を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二軸配向多層フィルムであって、前記二軸配向多層フィルムが、
n個の層単位A―Bのスタック(A―B)
nであって、nが32以上であり、各層単位A―Bが、第1の層Aおよび前記第1の層Aに重なる第2の層Bを含む個々の層を有する、n個の層単位A―Bのスタック(A―B)
nと、
前記スタックにおける前記個々の層の一部内の層内空隙であって、20:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する、層内空隙と、を含み、
前記層単位の前記第1の層が第1の組成物を有し、前記第1の組成物が、第1の熱可塑性物質および前記第1の熱可塑性物質と非混和性の第1のポリマーを含み、
前記層単位の前記第2の層が第2の組成物を有し、前記第2の組成物が第2の熱可塑性物質を含み、および
前記第2の熱可塑性物質が、前記第1の熱可塑性物質と同じかまたは異なる、二軸配向多層フィルム。
【請求項2】
260℃で、前記第1の組成物が第1の溶融粘度η
1を有し、前記第2の組成物が第2の溶融粘度η
2を有し、|η
1-η
2|/η
1が1から1.1である、請求項1記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項3】
前記第1の組成物が、前記第1の組成物の総重量に基づいて、0重量%超からおよそ10重量%の第1のポリマーを含む、請求項1または2に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項4】
少なくとも250の層単位を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項5】
少なくとも500の層単位を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項6】
少なくとも1000の層単位を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項7】
前記第1の熱可塑性物質がポリエチレンテレフタレート(PET)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項8】
前記第1の熱可塑性物質および前記第2の熱可塑性物質がPETである、請求項1~7のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項9】
前記第1のポリマーが、シクロオレフィンコポリマー(COC)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項10】
熱可塑性フィルムが、ASTM D1003によって測定された、20未満のバルクヘイズを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項11】
前記第2の組成物が、前記第2の熱可塑性物質と非混和性の第2のポリマーをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項12】
前記第1の組成物が、前記第1の組成物の総重量に基づいて、80重量%から95重量%のPETおよび5重量%から20重量%のCOCを含み、および
前記第2の組成物が、前記第2の組成物の総重量に基づいて、80重量%から100重量%のPETおよび0重量%から20重量%のCOCを含む、請求項11記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項13】
前記第1の組成物が、前記第1の組成物の総重量に基づいて、80重量%から95重量%のPETおよび5重量%から20重量%のPBTを含み、および
前記第2の組成物が、前記第2の組成物の総重量に基づいて、80重量%から100重量%のPETおよび0重量%から20重量%のPBTを含む、請求項11記載の二軸配向多層フィルム。
【請求項14】
層内空隙が500nm未満の高さを有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の二軸配向多層フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年8月5日に出願された米国特許出願第62/882,821号の優先権を主張し、その開示全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、概して、二軸配向多層フィルム、より具体的には、より低い密度および改善された透明性を示す二軸配向多層フィルムに関する。
【0003】
熱可塑性フィルム状材料が当技術分野で周知されている。このような材料は、可撓性パッケージ、日射調整ウィンドウフィルム、電子機器製造用基板の構築、および多くの他の重要で価値のある用途に一般に使用される。製造業者らは、その技術によってもたらされる性能面およびコスト面での優位性により、実質的な利益のある数量のこれらのプラスチック材料の生産を積極的に実行してきた。
【0004】
そのようなフィルム状材料を製造するために使用されるポリマーおよび樹脂は、多くの商業的供給源から得ることができる。たとえば、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート材料の場合などの石油源の変換、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエンおよび他の材料の場合などの天然ガス源の変換、セルロース誘導体、デンプン誘導体、ポリ乳酸、およびポリエチレンフロネートのような炭水化物ポリマーの場合などの自然過程を介して得ることができる。さらに、コストと供給の問題のバランスを取るための方法論として熱可塑性樹脂材料を製造するために、材料源の組み合わせも使用される。
【0005】
さまざまな所望の特性を有するフィルムを製造することは、熱可塑性フィルムの製造に使用する材料のタイプに加えて加工技術にも大きく依存している。フィルム用の熱可塑性材料の特性は、成型(casting)および延伸プロセスを変更することによって修正され得る。これらの変更は、最先端の連続二軸配向ライン、インフレーションフィルムライン、成型およびシート押出ライン内で一般に利用可能である。ポリプロピレンまたはポリエチレンのような熱可塑性材料の場合、低密度で結晶性の低いフィルム状材料は、低い押出成型および延伸条件で作ることができる。このような材料は、他の材料に容易に熱融着される。しかし、高い延伸比は、材料の結晶化度を大幅に増大させ、結果として、これら同じ材料の耐熱性、バリア性、および耐溶剤性を向上させる。所望の最終用途の特性を達成するために、処理温度、延伸比、熱硬化条件、処理速度、および他の機械関連プロセスを変動させることは当技術分野で周知である。
【0006】
密度は、ポリマー材料およびブレンドの十分に言い表された性質である。熱可塑性フィルム状材料の密度を低下させるために、キャビテーションまたはよりかさ密度の低い混和性材料との混合が使用され得る。高配向性フィルムの場合、キャビテーションによってフィルムの密度を低下させることができる。密度の低下は、同等の厚さの材料を作るために使用する材料が少なくてすむという理由などの多くの理由から求められており、したがって、コストを削減する可能性を秘めている。さらに、微小空隙形成またはキャビテーションにより、不透明度の高い材料が生成され得る。加えて、より少ない材料の使用は、潜在的な環境上の利益のための軽量化包装構造の望ましい目標である。
【0007】
低密度の高透明性熱可塑性フィルム材料の製造の場合、現在利用可能な唯一の実用的な解決策は、本質的に低密度である樹脂に依存することである。たとえば、PETフィルムは、多くの場合、二軸配向ナイロン(BON)フィルムに置き換えることができる。PET樹脂よりももともと低密度であるナイロン樹脂によって、同等の厚さで、より高い収率、または質量単位あたりの表面積がより大きい材料が生成される。しかし、より低い密度のBON材料を利用するために、バリア性および熱抵抗性などのPETフィルム状材料の他の属性を犠牲にする必要があり得る。
【0008】
透明なフィルム材料が存在し、低密度のフィルム材料も存在するが、透明度を低下させることなく密度を低下させたフィルム材料に対しては、依然として継続的なニーズがある。
【発明の概要】
【0009】
本開示の実施形態は二軸配向多層フィルムに関する。二軸配向多層フィルムは、n個の層単位A―Bのスタック(A―B)nを含み、ここで、nは32以上であり、各層単位A―Bは、第1の層Aおよび第1の層Aに重なる第2の層Bを含む個々の層を有する。二軸配向多層フィルムは、スタック内の個々の層の一部内に層内空隙を含む。層内空隙は、20:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する。層単位の第1の層は第1の組成物を有し、層単位の第2の層は第2の組成物を有している。第1の組成物は、第1の熱可塑性物質および第1の熱可塑性物質と非混和性の第1のポリマーを含む。第2の組成物は、第1の熱可塑性物質と同じであってもよくまたは第1の熱可塑性物質と異なっていてもよい第2の熱可塑性物質を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態によるスタックの例示的な実施形態である。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による単位の例示的な実施形態である。
【
図3】本開示の一実施形態による多層フィルムの断面SEM顕微鏡写真である。
【
図4】
図3の多層フィルムの断面SEM顕微鏡写真である。
【
図5】本開示の実施形態による多層フィルムに存在する層内空隙の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態による多層フィルムとの比較例として製造された多層フィルムのSEM顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態は二軸配向多層フィルムを含む。二軸配向多層フィルムは、n個の層単位A―Bのスタック(A―B)nを含み、ここで、nは32以上であり、各層単位A―Bは、第1の層Aおよび第1の層Aに重なる第2の層Bを含む個々の層を有する。二軸配向多層フィルムは、スタック内の個々の層の一部内に層内空隙を含む。層内空隙は、20:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する。層単位の第1の層は第1の組成物を有し、第1の組成物は、第1の熱可塑性物質および第1の熱可塑性物質と非混和性の第1のポリマーを含む。層単位の第2の層は第2の組成物を有し、第2の組成物は第2の熱可塑性物質を含む。第2の熱可塑性物質は、第1の熱可塑性物質と同じであるか、または異なるものである。
【0012】
さまざまな実施形態では、二軸配向多層フィルムは、n個の層単位A―Bのスタック(A―B)nを含み、ここで、nは32以上であり、各層単位A―Bは、第1の層Aおよび第1の層Aに重なる第2の層Bを含む個々の層を有する。二軸配向多層フィルムは、スタック内の個々の層の一部内に層内空隙を含む。層内空隙には、20:1から500:1の幅対高さのアスペクト比がある。層単位の第1の層は第1の組成物を有し、層単位の第2の層は第2の組成物を有している。第1の組成物は、第1の熱可塑性物質および空隙形成剤を含む。空隙形成剤は、第1の熱可塑性物質に空隙を生み出す。第1の熱可塑性物質に空隙を生み出すのに適し得るさまざまな空隙形成剤があることを理解されたい。第2の組成物は、第1の熱可塑性物質と同じであってもよくまたは第1の熱可塑性物質と異なっていてもよい第2の熱可塑性物質を含む。
【0013】
「含む(comprising)」という用語は、他の特定されていない要素を除外しない開放型の用語として本明細書および請求項で使用される。特に他に明記されていない限り、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、「含む(comprising)」と同義語である。
【0014】
明細書および添付の請求項で使用されるように、冠詞「a」、「an」、または「the」が先行する単数名詞は、文脈が明らかに他に示さない限り、複数形を含むと理解されるべきである。
【0015】
実施形態では、多層フィルムはスタックを含む。
図1はスタックを例示している。スタック100は複数の単位120を含む。
図2は単位120を例示している。各単位120は、第1の層121および第2の層122を含む。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、第1の層は第1の熱可塑性物質を含む。さまざまな実施形態では、第2の層は第2の熱可塑性物質を含む。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、第1の熱可塑性物質および第2の熱可塑性物質は、ホモポリマー、コポリマー、C2からC8のα-オレフィンのターポリマー、ポリアミド、ポリアセテート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(アクリル酸)、およびポリ(エチレンテレフタレート)、または前述の材料の任意のブレンドまたは混合物から選択され得る。いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性物質、第2の熱可塑性物質、またはその両方は、ポリプロピレンベースのホモポリマーまたはコポリマーである。他の実施形態では、第1の熱可塑性物質、第2の熱可塑性物質、またはその両方は、ポリエチレンベースのホモポリマーまたはコポリマー(たとえば、LLDPE)である。
【0018】
さまざまな実施形態では、第1の熱可塑性物質はポリエチレンテレフタレート(PET)を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性物質はPETを含み得、1つ以上の実施形態では、第1の熱可塑性物質および第2の熱可塑性物質はPETを含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性物質はポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む。いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性物質はPBTを含み、1つまたは複数の実施形態では、第1の熱可塑性物質および第2の熱可塑性物質は両方ともPBTを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性物質はPETを含み、第2の熱可塑性物質はPBTを含む。
【0021】
二軸配向多層フィルムの実施形態では、第1の組成物は、第1の熱可塑性物質と非混和性の第1のポリマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の組成物は、第2の熱可塑性物質と非混和性の第2のポリマーをさらに含み得、第2のポリマーは、第1のポリマーと同じであってもよくまたは異なっていてもよい。第1のポリマーは、第1の熱可塑性物質の密度よりも低い密度を有するポリマーから選択され得る。第2のポリマーは、存在する場合、第2の熱可塑性物質の密度よりも低い密度を有するポリマーから選択され得る。
【0022】
二軸配向多層フィルムの1つまたは複数の実施形態では、第1のポリマーは1つまたは複数のシクロオレフィンポリマーを含み得る。シクロオレフィンポリマーは、重合したシクロオレフィン単位、および随意に、非環式オレフィンコモノマーを含む、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。適切なシクロオレフィンポリマーは、それぞれ、シクロオレフィンポリマーの総質量に基づいて、0.1重量%から100重量%のシクロオレフィン単位、または10重量%から99重量%のシクロオレフィン単位、または50重量%から95重量%のシクロオレフィン単位を含む。いくつかの実施形態では、シクロオレフィンポリマーは、以下の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、または(VI)のいずれか1つに従う構造を有し得る。
【0023】
【0024】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、または(VI)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は同じであるかまたは異なり、互いに独立して、水素原子または(C1-C30)ヒドロカルビルを示す。「ヒドロカルビル」という用語は炭化水素ラジカルを指す。随意に、式(I)~(VI)のいずれかにおけるラジカルR1からR8の任意の2つまたはそれ以上は、互いに周期的に結合され得る。(C1-C30)ヒドロカルビルラジカルの例としては、直鎖または分枝の(C1-C8)アルキル、(C6-C18)アリール、(C7-C20)アルキレンアリール、および(C3-C20)シクロアルキルが挙げられる。「アルキル」という用語は、分枝アルカンラジカルまたは非分枝アルカンラジカルを指す。「アリール」という用語は、芳香環の炭素原子上にラジカルを有する芳香環構造を指す。「アルキレンアリール」という用語は、アルキル基の炭素上にラジカルを有するアルキル芳香族構造を指す。
【0025】
シクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンポリマーの総質量に基づいて、式(VII)の少なくとも1つの単環式オレフィンの0重量%から45重量%の重合単位を含み得る。
【0026】
【0027】
式(VII)中、nは3から10までの整数である。
【0028】
シクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンポリマーの総質量に基づいて、式(VIII)の非環式オレフィンの0重量%から99重量%重合単位をさらに含み得る。
【0029】
【0030】
式(VIII)中、R9、R10、R11、およびR12は、水素原子(-H)、(C1-C10)ヒドロカルビル、(C1-C8)アルキル、または(C6-C14)アリールから独立して選択される。
【0031】
同様に原則的に適切なものは、式(I)から(VI)のモノマーの少なくとも1つの開環重合およびその後の水素化によって得られるシクロオレフィンポリマーである。
【0032】
シクロオレフィンホモポリマーは、式(I)から(VI)のいずれかの1つのモノマーから合成される。
【0033】
式(VIII)の非環式オレフィンの重合単位の割合は、それぞれのシクロオレフィンコポリマーの総重量に基づいて、最大99重量%、5重量%から80重量%、または10重量%から60重量%である。
【0034】
さまざまな実施形態では、シクロオレフィンコポリマー(COC)は、式(VIII)の多環式オレフィンの重合単位を含み、ここで、R9、R10、R11、およびR12のうちの1つは、式(I)ノルボルネン親構造を有するシクロヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、COCは、式(III)のノルボルネンまたはテトラシクロドデセンの重合単位を含み、ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は水素である。
【0035】
他の実施形態では、第1のポリマーは、エチレンなどの非環式オレフィンの重合単位を含むCOCを含む。いくつかの実施形態では、第1のポリマーは、コポリマーの重量に基づいて、5重量%から80重量%のエチレン単位、または10重量%から60重量%のエチレン単位を含む、ノルボルネン/エチレンおよびテトラシクロドデセン/エチレンのコポリマーを含む。
【0036】
COCは、任意の既知の合成経路に従って、有機金属化合物を用いた不均一系または均一系の触媒作用によって製造された化合物を含み得る。アルミニウムオルガニルと組み合わせたチタン化合物および/またはバナジウム化合物の共触媒に基づく適切な触媒系。
【0037】
シクロオレフィンコポリマーは、当該技術分野で周知のように、顆粒または顆粒化濃縮物のいずれかの形態で出発物質として二軸配向多層フィルムに組み込まれ得る。ポリエステル顆粒、および任意のさらなる成分は、この目的のために予め混合され、その後、混合物は押出機に供給される。押出機内で、成分はさらに混合され、処理温度まで加熱される。本発明の製造プロセスに関して、押出温度がシクロオレフィンコポリマー(COC)のガラス転移温度Tgよりも十分に高い、すなわち、概して、シクロオレフィンコポリマー(COC)のガラス転移温度よりも少なくとも30℃、40℃から230℃、または50℃から200℃高いことに利点がある。
【0038】
さまざまな実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の総重量に基づいて、0.5重量%から10重量%の第1のポリマーを含む。1つまたは複数の実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の総重量に基づいて、0.5重量%から5重量%の第1のポリマーを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の総重量に基づいて、第1の熱可塑性物質として80重量%から95重量%のPETおよび第1のポリマーとして5重量%から20重量%のCOCを含み、第2の組成物は、第2の組成物の総重量に基づいて、第2の熱可塑性物質として80重量%から100重量%のPETおよび第2のポリマーとして0重量%から20重量%のCOCを含む。
【0040】
二軸配向多層フィルムの実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の総重量に基づいて、第1の熱可塑性物質として80重量%から95重量%のPTEおよび第1のポリマーとして20重量%から5重量%のPBTを含み、第2の組成物は、第2の組成物の総重量に基づいて、第2の熱可塑性物質として80重量%から100重量%のPETおよび第2のポリマーとして0重量%から20重量%のPBTを含む。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の総重量に基づいて、第1の熱可塑性物質として85重量%から95重量%のPTEおよび第1のポリマーとして15重量%から5重量%のPBT、または第1の熱可塑性物質として90重量%から95重量%のPETおよび第1のポリマーとしての10重量%から5重量%のPBTを含む。さまざまな実施形態では、第2の組成物は、第2の組成物の総重量に基づいて、第2の熱可塑性物質として90重量%から100重量%のPETおよび第2のポリマーとして0重量%から10重量%のPBTを含む。
【0041】
1つまたは複数の実施形態では、二軸配向多層フィルムは、ASTM D 1003によって測定された、20%以下のバルクヘイズ(bulk haze)を有する。「バルクヘイズ」という用語は、入射光の方向から2.5度を超えて偏向または散乱されるフィルムを透過する入射白熱光のパーセンテージを指す。一方で、「光透過率」という用語は、フィルムを通過する入射光のパーセンテージを指す。二軸配向多層フィルムのバルクヘイズは、ASTM法D 1003を使用して、分光光度計または透過率計で測定され得る。1つまたは複数の実施形態では、二軸配向多層フィルムのバルクは20%以下である。他の実施形態では、ヘイズは、18%以下、15%以下、12%以下、10%以下、8%以下、5%以下、3%以下、または2%以下である。
【0042】
二軸配向多層フィルムは、スタックにおける個々の層の一部内に層内空隙を含む。二軸配向多層フィルムにおける層内空隙は、第1の熱可塑性物質と非混和性である第1のポリマーを含む。第1のポリマーは、第1の熱可塑性物質と非混和性であるため、熱可塑性ポリマー内に空隙を形成するが、ここには熱可塑性ポリマーは存在しない。第1の熱可塑性物質と非混和性の第1のポリマーから形成された空隙は、所望の数の単位A―Bが形成されると、層内空隙となる。層内空隙は、第1層Aまたは第2層Bなどの単層、または単一の単位A―Bに限定されている空隙である。
【0043】
二軸配向多層フィルムの1つまたは複数の実施形態では、層内空隙は、0超および0.4μm未満の高さを有する。いくつかの実施形態では、層内空隙は、0超および0.3μm未満の高さを有する。層内空隙の高さが可視光の波長範囲未満である場合、二軸配向多層フィルムは、層内空隙が可視光の波長範囲よりも高い高さを有する場合よりも、バルクヘイズが少なく、ひいては可視光の透過率が高くなると考えられる。
【0044】
二軸配向多層フィルムの1つまたは複数の実施形態では、層内空隙は、20:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、層内空隙は、100:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する。さらなる実施形態では、層内空隙は、250:1から500:1の幅対高さのアスペクト比を有する。
【0045】
図6は、比較例として製造された多層フィルムのSEM顕微鏡写真である。
図6の比較例は、非混和性ポリマーおよび熱可塑性物質を含む単層フィルムである。非混和性ポリマーは熱可塑性物質に空隙を形成する。比較例の空隙は0.4μm超の高さを有する。
【0046】
1つまたは複数の実施形態では、スタックは複数の単位(A―B)nを含み、ここで、nはA―B単位の層の数を表す。いくつかの実施形態では、(A―B)nの下付きnは50以上である。いくつかの実施形態では、nは、55から600、100から550、または200から550である。たとえば、(A―B)nの下付きnが50であり、単位A―Bに第1層Aおよび第2層Bのみが存在する場合、スタックは100の個々の層を含み、ここでは、ABABの繰り返しパターンがある。1つまたは複数の実施形態では、単位A―Bは3つの層を含み、そのようなスタックには、ACB、AAB、またはABBの繰り返しパターンがあり、ここでCは第3の熱可塑性物質である。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、260℃で、第1の組成物は第1の溶融粘度η1を有し、第2の組成物は第2の溶融粘度η2を有し、ここで、|η1-η2|/η1は0超から0.2以下である。いくつかの実施形態では、|η1-η2|/η1は、0超から0.10、0.01から0.1、0.01から0.05、または0.001から0.02である。粘度の広範な層間変動は、多層系で層流を不安定にすることが周知されている。流れが不安定になると、結果として、典型的なフィルム化プロセスで交差方向または縦方向の厚さプロファイルが低下しかねない。多層化プロセス内でフィルムの平坦性を維持するためには、粘度プロファイルを適切に管理する必要がある。
【0048】
任意の特定の理論に縛られることを意図することなく、2つのポリマーまたはポリマーの2つのブレンドには、典型的な押出溶融条件およびおよそ10~100s-1の適切なせん断速度での5%の相対粘度など、溶融粘度の比較的小さな差があるはずであり、低密度かつ低ヘイズで二軸配向多層フィルムを作成することができると考えられる。粘度の比較的小さな差によって、ポリマーまたはポリマーブレンドが溶融状態にある(ポリマー温度が、ポリマーまたはポリマーブレンドの溶融温度よりも高いなど)ときの層の混合が制限される。粘度の比較的小さな差によって、2つのポリマーまたはポリマーブレンドを分割して積み重ね、A―B単位のスタックを形成することが可能になる。分割および積み重ねは複数回行われ得、A―B繰り返し層の16、32、64、128、256、512、または1024の個々の層が形成される。所望の層数に達すると、溶融物は、押出ダイに押し通され、水冷ローラ上に流し込まれ、回転コアに巻き付けられるか、または厚いプラスチックフィルムとしてのさらなる処理に引き継がれる。同様の溶融温度での5%超の溶融粘度の差を有する材料は、個々のサブミクロン層間でレオロジー応力を示し得る。応力は、空隙構造を変形させてストレスを与え(distress)、凝集体を形成させ、それによって、フィルムのバルクヘイズを増加させ得る。
【0049】
多層フィルムを製造するためのさまざまな方法が存在する。多層フィルムを形成する1つの方法の例は、2つの別個のメルトストリーム(melt streams)を組み合わせて二層系を形成することを含む。二層系は、二層系をスタッキング平面に垂直に分割するフィードブロックを通過する。分割された二層系は、垂直方向に離れて誘導され、ダイを通過して、平らにされ、互いに積み重ねられる。これにより、交互の層の数が効果的に二倍になる。複数のフィードブロックが直列に追加され、その1つを層が通過するたびに層の量が2倍になり得る。この技術の例は、米国特許第3,557,265号明細書、第3,565,985号明細書、第3,759,647号明細書、第5,380,479号明細書、第3,328,003号明細書、第3,565,985号明細書、第3,479,425号明細書、および米国特許出願公開第2012/0288696号明細書で見ることができる。
【0050】
本開示のすべての数値範囲、たとえば「1から10」は、別個の実施形態としての、範囲内のすべての個々の値、ならびに範囲内のすべてのサブ範囲を開示するものとして理解されるべきである。たとえば、「1から10」の範囲は、別個の実施形態として、1および10を含む1から10までのすべての個々の値、ならびに限定されないが、「5から10」、「2から8」、「5から8」および「3から9」を含むサブ範囲を開示している。
【実施例】
【0051】
実施例1~7が、本開示に記載される実施形態を例示するために提供され、本開示またはその添付の請求項の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実施例1~3は方法Aによって製造され、各実施例は異なる数の層を有する。方法Aでは、製造したフィルムはA/B/A/Bの層を有し、層AはPETであり、層BはPET/COCであった。実施例4~6は方法Bによって製造され、各実施例は異なる数のA/B/A/Bの層を有する。方法Bでは、フィルムが製造され、層AはPET/COCであり、層BはPET/COCであった。実施例7は方法Cによって製造され、方法Cから製造したフィルムは、PET層およびPTE/PBT層を含んだ。
【0052】
方法A - 実施例1~3の製造
熱可塑性材料のA―B単位のスタックを押し出すことによって、多層熱可塑性フィルムを製造した。熱可塑性材料は、PETの層および10重量%のCOCと混合したPETの別の層を含んだ。成型(casting)後、フィルムを、Karo IVオフラインフィルム延伸機で配向した。この機器はブルックナー社(Brukner Incorporated)から市販されている。選択したポリエステル樹脂は、0.69の固有粘度(IV)を有し、これを、ポリクエスト インダストリーズ(Polyquest Industries)社からグレードPCQ69として商業的に購入した。選択されたCOCを、トパス(Topas)社によってグレード5013-Fとして製造された。押出成形前に、押出成形の溶融強度を維持するために、PET樹脂を乾燥させて水分を除去した。必須ではないが、試験でのメルトフローを強化するために、ダブレットスタックの両側にポリエチレンキャッピング層を押し出した。
【0053】
その後、成型された多層フィルムを、オフラインまたはインラインの延伸および配向という2つの方法のうちの1つを介して両方の主軸方向に延伸する。小規模のオフライン延伸の場合、このような方法は、新しいフィルム配合の試験および評価に便利である。この場合、四角形のフィルム(squares of film)は、(ブルックナー社 Karo IVテストマシンにおけるような)オーブン内の機械的にリンクされたクランプのシステムによって同時にまたは順次に配向することができる。
【0054】
オンライン延伸:最初に、成型されたフィルムを加熱し、一対のローラによって機械方向に延伸した。概して、フィルムを、ローラ間で、圧力下で保持したか、または挟んだ。ローラの第2のセットはローラの第1のセットの2~4倍の速度で回転するため、成型されたフィルムは、より長く薄いウェブに引き出され、より高速で移動する。フィルムを静的オーブンに移動させ、ここで、可動チェーンに取り付けられたクリップのペアが、フィルムの端を連続的に捕捉し、短い加熱時間の後に強制的に引き離された。チェーンが強制的に引き離されると、フィルムの幅が3~4倍増大し、フィルムは同じ値だけ薄くなる。この二軸延伸により、典型的にフィルム内の高分子材料の歪み誘起結晶化を介して、フィルムの強度が劇的に向上する。
【0055】
実施例1の層フィルムは、方法Aに記載された共押出と、続く9つの四角形の混合要素(square mixing elements)によって製造した。
【0056】
実施例2の層フィルムを、方法Aに記載された共押出と、続く8つの四角形の混合要素によって製造した。
【0057】
実施例3の層フィルムを、方法Aに記載された共押出と、続く7つの四角形の混合要素によって製造した。
【0058】
方法B - 実施例4~6の製造
実施例4~6の多層フィルムを製造する場合、多層熱可塑性フィルムを、8%のCOCと混合したPETの層および10重量%のCOCと混合した別のPETの層からなる熱可塑性材料のダブレットスタックを押し出すことによって製造した。成型後、フィルムを、Karo IVオフラインフィルム延伸機で配向した。選択したポリエステル樹脂は、0.69の固有粘度(IV)を有し、これを、ポリクエスト インダストリーズ社からグレードPCQ69として商業的に購入した。選択されたCOCを、トパス社によってグレード5013-Fとして製造した。押出成形前に、押出成形の溶融強度を維持するために、PET樹脂を乾燥させて水分を除去した。必須ではないが、試験でのメルトフローを強化するために、ダブレットスタックの両側にポリエチレンキャッピング層を押し出した。
【0059】
実施例4の層フィルムを、方法Bに記載された共押出と、続く9つの四角形の混合要素によって製造した。
【0060】
実施例5の層フィルムを、方法Bに記載された共押出と、続く8つの四角形の混合要素によって製造した。
【0061】
実施例6の層フィルムを、方法Bに記載された共押出と、続く7つの四角形の混合要素によって製造した。
【0062】
方法C - 実施例7の製造
実施例7の多層フィルムを、PETの層および10重量%のポリブチレンテレフタレート(PBT)と混合したPETのもう1つの層の熱可塑性材料のダブレットスタックを押し出すことによって製造した。選択したPBTは、PETと同様の溶融粘度を有し、デュポン(Dupont a)社から供給された。成型後、フィルムを、Karo IVオフラインフィルム延伸機で配向した。選択したポリエステル樹脂は、0.69の固有粘度(IV)を有し、これを、ポリクエスト インダストリーズ社からグレードPCQ69として商業的に購入した。押出成形前に、押出成形の溶融強度を維持するために、PET樹脂を乾燥させて水分を除去した。必須ではないが、試験でのメルトフローを強化するために、ダブレットスタックの両側にポリエチレンキャッピング層を押し出した。
【0063】
実施例7の層フィルムを、方法Cによる共押出と、続く8つの四角形の混合要素によって製造した。
【0064】
比較例C1
比較例C1の多層フィルムを、PETの層および10重量%のPBTと炭酸カルシウムとを混合したPETのもう1つの層からなる熱可塑性材料のダブレットスタックを押し出すことによって製造した。PBT/炭酸カルシウムのマスターバッチは、多くの供給元から市販されている。成型後、フィルムを、Karo IVオフラインフィルム延伸機で配向した。選択したポリエステル樹脂は、0.69の固有粘度(IV)を有し、これを、ポリクエスト インダストリーズ社からグレードPCQ69として商業的に購入した。押出成形前に、押出成形の溶融強度を維持するために、PET樹脂を乾燥させて水分を除去した。必須ではないが、試験でのメルトフローを強化するために、ダブレットスタックの両側にポリエチレンキャッピング層を押し出した。
【0065】
比較例C1のフィルムを、共押出と、続く8つの四角形の混合要素によって製造した。
【0066】
比較例C2
多層熱可塑性フィルムを、PETの層および10重量%のポリプロピレンと混合したPETのもう1つの層のからなる熱可塑性材料のダブレットスタックを押し出すことによって製造した。一連の四角形のミキサーがメルトストリームに続き、樹脂材料をチルドロール上に流し込んだ。成型後、フィルムを、Karo IVオフラインフィルム延伸機で配向した。選択したポリエステル樹脂は、0.69の固有粘度(IV)を有し、これを、ポリクエスト インダストリーズ社からグレードPCQ69として商業的に購入した。選択されたPP(Pinnacle 1703)。押出成形前に、押出成形の溶融強度を維持するために、PET樹脂を乾燥させて水分を除去した。必須ではないが、ダイからポリマー溶融物を引き出すのを助けるために、ダブレットスタックの両側にポリエチレンキャッピング層を押し出した。
【0067】
比較例C2の層フィルムを、Eに記載されるような共押出と、続く7つの四角形の混合要素によって製造した。このサンプルでは非常に高いヘイズが見られた。層構造のSEM分析は、PP樹脂が254の多層スタックの界面境界を越え、結果として低密度で高い透明度に必要とされる円形の空隙をもたらさないことを示している。
【0068】
比較例C3
0.62のIVを有する92%のPTEを含む単層フィルムを、8重量%のCOCと混合した。押出成型およびクエンチした材料を、米国特許第9580798号明細書および米国特許第10131122号明細書に記載されるような従来の方法によって、MD方向およびTD方向に配向した。フィルム密度の低下とともに、高いヘイズおよび高い不透明度が認められた。
【0069】
比較例C4
米国特許第9580798号明細書および米国特許第10131122号明細書に記載される従来の方法に従って、未使用のPETを含む3層フィルムを製造した。
【0070】
発明の実施例1~7および比較例C1~C4の特性は表1に報告される。
【0071】
【0072】
実施例1~7の多層フィルムは、少なくとも512の層および20未満のバルクヘイズを有していた。実施例1~7の多層フィルムは、1.40g/cm2未満の密度を有していた。比較例C1の多層フィルムは1.17g/cm2の低密度を有していたが、そのバルクヘイズは55.3であり、フィルムは不透明であった。同様に、比較例C2の多層フィルムは、0.86g/cm2の低い密度を有していたが、比較例C1の多層フィルムのバルクヘイズよりも大きい、92.2の大きなバルクヘイズを有していた。
【0073】
比較例C3のフィルムは単層フィルムであった。密度は低く、1.23g/cm2を測定したが、単層フィルムのバルクヘイズは高く、86と測定した。対照的に、三層フィルムである比較例C4の多層フィルムは、バルクヘイズ4を有する良好な光学的品質を有していたが、フィルムの密度は、1.40g/cm2より大きく、具体的には1.41g/cm2であった。
【0074】
測定方法
ヘイズの測定は、ASTM D1003または同等の技術などを用いて当技術分野で周知なように行うことができる。密度は、ASTM D792などの周知の方法のいずれかによって、またはヘリウムまたは窒素のピクノメトリーを使用して測定することができる。
【国際調査報告】