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特表2022-544508介入及び外科処置において使用するためのデバイス、並びにその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】介入及び外科処置において使用するためのデバイス、並びにその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/092 20060101AFI20221012BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20221012BHJP
   A61M 25/098 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
A61M25/092 500
A61B34/20
A61M25/092 510
A61M25/098
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508881
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2020000676
(87)【国際公開番号】W WO2021033025
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/888,288
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516201939
【氏名又は名称】ボディ・ビジョン・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Body Vision Medical Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アヴァーバッチ、ドリアン
(72)【発明者】
【氏名】アミール、エリロン
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ、ボアズ
(72)【発明者】
【氏名】セズガノフ、ディーマ
(72)【発明者】
【氏名】ニーマン、ローネン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB26
4C267BB40
4C267BB43
4C267BB52
4C267BB63
4C267CC21
4C267EE01
4C267GG34
4C267HH08
4C267HH11
(57)【要約】
デバイスは、近位端、遠位端、及び近位端から遠位端までシースを通って延びる内腔を有するシースであって、解放位置に付勢されるシースと、シースに沿って延びており、遠位端においてシースに結合されている引っ張りワイヤであって、引っ張りワイヤ及びシースは、引っ張りワイヤを近位端に向かって引っ張ると遠位端がアクティブ位置をとることになり、引っ張りワイヤを解放すると遠位端が解放位置に戻ることになるように協働するように構成された、引っ張りワイヤと、シースの近位端及び引っ張りワイヤに結合された制御部分であって、引っ張りワイヤをシースの近位端に向かって引っ張る、又は引っ張りワイヤを解放するように選択的に動作可能な制御要素を含む制御部分とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端、前記近位端の反対側の遠位端、及び内腔を有するシースであって、前記内腔は前記近位端から前記遠位端まで前記シースを通して延び、前記シースは解放位置にバイアスされている、シースと、
前記シースに沿って前記近位端から前記遠位端まで延び、また前記遠位端において前記シースに結合された引っ張りワイヤであって、
前記引っ張りワイヤを前記シースの前記近位端に向かって引っ張ることにより前記シースの前記遠位端がアクティブ位置になるように、また前記引っ張りワイヤを解放することにより前記シースの前記遠位端が前記解放位置に戻るように、前記引っ張りワイヤ及び前記シースは協働するように構成されている、引っ張りワイヤと、
前記シースの前記近位端及び前記引っ張りワイヤに結合された制御部分であって、前記引っ張りワイヤを前記シースの前記近位端に向かって引っ張るように、又は前記引っ張りワイヤを解放するように、選択的に動作可能な制御要素を含む制御部分と
を有するデバイス。
【請求項2】
前記シースは、複数の放射線不透過性マーカーを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記複数の放射線不透過性マーカーは、前記シースに沿って所定のパターンで配置される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記シースは、直径が2.8mmの作業チャネルを有する気管支鏡内に収容されるような大きさ及び形状であって、2.0mmの内径の作業チャネル内に適合するように構成された内視鏡治療アクセサリを前記内腔の前記シース内に収容可能な大きさ及び形状である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記解放位置は直線位置であり、前記アクティブ位置は湾曲位置である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記湾曲位置の曲率は、前記引っ張りワイヤが前記シースの前記近位端に向かって引っ張られる度合いに応じて可変である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項7】
前記制御部分は、前記引っ張りワイヤを前記シースの前記近位端に向かって引っ張るためにユーザによって操作可能なレバーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
選択された位置で前記レバーをロックするようにユーザによって操作可能なロック機構をさらに有する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項9】
前記制御部分は、注射器を収容し且つ前記注射器を前記シースに結合するように構成されたルアーロックをさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスをアプリケータに結合するように構成されたハンドル接続機構をさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
(1)シース、引っ張りワイヤ及び制御部分を含むデバイスを提供するステップであって、
前記シースは、近位端、前記近位端の反対側の遠位端、及び前記近位端から前記遠位端まで前記シースを通して延びる内腔を含み、前記シースは解放位置にバイアスされており、前記シースは、前記シースに沿って位置決めされた複数の放射線不透過性マーカーを含み、
前記引っ張りワイヤは、前記近位端から前記遠位端まで前記シースに沿って延び、且つ前記遠位端において前記シースに結合され、
前記引っ張りワイヤを前記シースの前記近位端に向かって引っ張ることにより前記シースの前記遠位端がアクティブ位置になるように、また前記引っ張りワイヤを解放することにより前記シースの前記遠位端が前記解放位置に戻るように、前記引っ張りワイヤ及び前記シースは協働するように構成され、
前記制御部分は、前記シースの前記近位端及び前記引っ張りワイヤに結合され、前記制御部分は、前記引っ張りワイヤを前記シースの前記近位端に向かって引っ張るように、又は前記引っ張りワイヤを解放するように、選択的に動作可能な制御要素を含む、
ステップと、
(2)前記シースの前記遠位端が前記体腔内の分岐に位置決めされるように、前記シースを患者の体腔内に進めるステップと、
(3)医用イメージングデバイス内で得られたリアルタイム医用イメージングモダリティによって前記体腔内の前記シースのビューを表示するステップと、
(4)前記分岐を越えて前記シースを進めるために前記シースの前記遠位端の最適な位置を決定するステップと、
(5)前記最適な位置に前記シースの前記遠位端を位置決めするように前記制御部分を操作するステップと、
(6)前記分岐を越えて前記シースを進めるステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記シース及び前記分岐を表示するために前記医用イメージングデバイスの最適な姿勢を決定するステップと、
前記医用イメージングデバイスを前記最適な姿勢に位置決めするステップと、
前記シース及び前記分岐の更新されたビューを表示するステップであって、前記最適な位置は前記更新されたビューに基づいて決定される、ステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記体腔は気管支気道である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
さらなる分岐においてステップ(3)、(4)、(5)及び(6)を繰り返すステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(3)、(4)、(5)及び(6)は、前記シースの前記遠位端が標的領域に到達するまで、さらなる分岐において繰り返される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「DEVICES FOR USE IN INTERVENTIONAL AND SURGICAL PROCEDURES AND METHODS OF USE THEREOF」という名称で2019年8月16日に出願された、同一出願人が所有する同時係属米国仮特許出願第62/888,288号に関連し、その利益を主張する国際(PCT)特許出願であり、この仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医用イメージング(medical imaging)に関する。より詳細には、本発明は、気管支鏡の遠位端に装着し、デバイスが患者の体内に位置決めされるときのデバイスのナビゲーションを可能にし、患者の体内に位置決めされたデバイスを示す二次元医療画像に基づいてデバイスの深さの判定を可能にするように構成されたデバイスに関する。本発明はまた、そのようなデバイスを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
気管支鏡は、患者の体内(例えば患者の肺の中)の体腔の画像を取得するのに使用される医療デバイスである。気管支鏡を使用して取得された画像を適切に評価するために、三次元(すなわち、体内での気管支鏡の深さを含む)で気管支鏡の位置を知る必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第62/888,288号
【特許文献2】国際特許出願公開第2015/101948号
【特許文献3】国際特許出願公開第2017/153839号
【特許文献4】国際特許出願公開第2020/035730号
【発明の概要】
【0005】
一実施例において、気管支鏡に装着されるように構成されたデバイスは、アプリケータ、シャフト、カテーテル、ガイドワイヤ、コネクタ、ハンドル及び放射線不透過性材料を含み、アプリケータは、近位端、遠位端、及び近位端から遠位端まで延びる内部チャネルを有し、シャフトは、近位端、遠位端、及び近位端から遠位端まで延びる内部チャネルを有し、シャフトは、アプリケータの内部チャネルの中に摺動可能に収容されるように構成されており、カテーテルは、シャフトの内部チャネル内に位置決めされるように構成されており、ガイドワイヤは、カテーテルの中に位置決めされ、コネクタは、アプリケータの遠位端に装着されるように構成されており、気管支鏡に係合するように係合され、且つシャフトに対して回転可能であるように構成されており、ハンドルは、アプリケータの近位端に装着され、ハンドルは、アプリケータに対するシャフトの摺動運動を選択的にロック又はアンロックするように動作可能なトリガーを備え、放射線不透過性材料は、デバイスの外側部分に装着され、放射線不透過性材料は、所定のパターンで位置決めされている。
【0006】
一実施例において、パターンは、不均一である。一実施例において、パターンは、第1の場所に第1の密度を有し、第2の場所に第2の密度を有する放射線不透過性材料を含み、第1の密度と第2の密度は互いに異なっている。一実施例において、放射線不透過性材料は、(a)カテーテル上、(b)ガイドワイヤ上、又は(c)カテーテルとガイドワイヤの両方の上に位置決めされる。
【0007】
一実施例において、アプリケータの近位端は、ルアーロック入口を含む。一実施例において、コネクタは、アプリケータの近位端のルアーロック入口に接続されるルアーロック・プラグを含む。
【0008】
一実施例において、ガイドワイヤは、可撓性、剛性、事前に湾曲された、及び/又は湾曲されるように構成されるかのいずれかである。一実施例において、カテーテルは、ガイドワイヤの曲率を制御するように構成された引っ張りワイヤを含む。一実施例において、グリップハンドルは、シャフトに対して回転するように構成される。一実施例において、デバイスはまた、シャフト内に位置決めされ、カテーテルの移動を案内するように構成されたポリテトラフルオロエチレン管を含む。
【0009】
一実施例において、医用イメージングのための方法は、気管支鏡を提供するステップを含み、方法はまた、気管支鏡に装着されるように構成されたデバイスを提供するステップであって、デバイスは、アプリケータ、シャフト、カテーテル、ガイドワイヤ、コネクタ、ハンドル及び放射線不透過性材料を含み、アプリケータは、近位端、遠位端及び近位端から遠位端まで延びる内部チャネルを有し、シャフトは、近位端、遠位端及び近位端から遠位端まで延びる内部チャネルを有し、シャフトは、アプリケータの内部チャネルの中に摺動可能に収容されるように構成されており、カテーテルは、シャフトの内部チャネル内に位置決めされるように構成されており、ガイドワイヤは、カテーテルの中に位置決めされ、コネクタは、アプリケータの遠位端に装着されるように構成され、気管支鏡に係合するように係合され、且つシャフトに対して回転可能であるように構成されており、ハンドルは、アプリケータの近位端に装着され、ハンドルは、アプリケータに対するシャフトの摺動運動を選択的にロック又はアンロックするように動作可能なトリガーを備え、放射線不透過性材料は、デバイスの外側部分に装着され、放射線不透過性材料は、所定のパターンで位置決めされているステップを含み、方法はまた、デバイスを気管支鏡に装着するステップを含み、方法はまた、気管支鏡を患者の身体の体腔内に配置するステップを含み、方法はまた、体腔を含む、患者の身体の少なくとも一部の少なくとも1つの医療用画像を取得するステップを含み、方法はまた、少なくとも所定のパターン及び少なくとも1つの医療用画像に基づいて体内のデバイスの深さを判定するステップを含む。
【0010】
一実施例において、医療用画像は、X線である。
【0011】
いくつかの実施例において、デバイスは、近位端、近位端の反対側の遠位端、及び近位端から遠位端までシースを通って延びる内腔(ルーメン)を有するシースであって、解放位置(released position;解放姿勢)に付勢されるシースと、シースに沿って近位端から遠位端まで延びており、遠位端においてシースに結合されている引っ張りワイヤであって、引っ張りワイヤ及びシースは、引っ張りワイヤをシースの近位端に向かって引っ張るとシースの遠位端がアクティブ位置(active position;動作姿勢)になり、引っ張りワイヤを解放するとシースの遠位端が解放位置に戻るように協働するように構成されている、引っ張りワイヤと、シースの近位端及び引っ張りワイヤに結合された制御部分であって、引っ張りワイヤをシースの近位端に向かって引っ張る、又は引っ張りワイヤを解放するように選択的に動作可能な制御要素を含む制御部分とを含む。
【0012】
いくつかの実施例において、シースは、複数の放射線不透過性マーカーを含む。いくつかの実施例において、複数の放射線不透過性マーカーは、シースに沿ってパターンで配置される。
【0013】
いくつかの実施例において、シースは、2.8mmの直径をもつ作業チャネルを有する気管支鏡の中に収容されるとともに、2.0mmの内径の作業チャネル内に収まるように構成された内視鏡治療アクセサリを内腔のシースの中に収容可能である大きさ及び形状になっている。
【0014】
いくつかの実施例において、解放位置は直線位置(straight position;真っ直ぐな姿勢)であり、アクティブ位置は湾曲位置(curved position;湾曲姿勢)である。いくつかの実施例において、湾曲した位置の曲率は、引っ張りワイヤがシースの近位端に向かって引っ張られる度合いに応じて可変である。
【0015】
いくつかの実施例において、制御部分は、引っ張りワイヤをシースの近位端に向かって引っ張るためにユーザによって操作可能であるレバーを含む。いくつかの実施例において、デバイスはまた、選択された位置でレバーをロックするためにユーザによって操作可能なロック機構を含む。
【0016】
いくつかの実施例において、制御部分はまた、注射器を収容し、注射器をシースに結合するように構成されたルアーロックを含む。
【0017】
いくつかの実施例において、デバイスはまた、デバイスをアプリケータに結合するように構成されたハンドル接続機構を含む。
【0018】
いくつかの実施例において、方法は、(1)シース、引っ張りワイヤ及び制御部分を含むデバイスを提供するステップであって、シースは、近位端、近位端の反対側の遠位端、及び近位端から遠位端までシースを通って延びる内腔を含み、シースは解放位置に付勢され、シースは、シースに沿って位置決めされた複数の放射線不透過性マーカーを含み、引っ張りワイヤは、近位端から遠位端までシースに沿って延び、遠位端においてシースに結合され、引っ張りワイヤ及びシースは、引っ張りワイヤをシースの近位端に向かって引っ張るとシースの遠位端がアクティブ位置をとることになり、引っ張りワイヤを解放するとシースの遠位端が解放位置に戻ることになるように協働するように構成されており、制御部分は、シースの近位端及び引っ張りワイヤに結合され、制御部分は、引っ張りワイヤをシースの近位端に向かって引っ張る、又は引っ張りワイヤを解放するように選択的に動作可能な制御要素を含む、ステップと、(2)シースの遠位端が体腔内の分岐に位置決めされるように、シースを患者の体腔内に進めるステップと、(3)医用イメージングデバイスで取得されたリアルタイムの医用イメージングモダリティによって体腔内のシースのビューを表示するステップと、(4)分岐を越えてシースを進めるためにシースの遠位端の最適な位置を判定(決定)するステップと、(5)最適な位置でシースの遠位端を位置決めするように制御部分を操作するステップと、(6)分岐を越えてシースを進めるステップとを含む。
【0019】
いくつかの実施例において、方法はまた、シース及び分岐を表示するために医用イメージングデバイスの最適な姿勢を判定するステップと、医用イメージングデバイスを最適な姿勢に位置決めするステップと、シース及び分岐の更新されたビューを表示するステップであって、最適な位置は更新されたビューに基づいて判定されるステップとを含む。
【0020】
いくつかの実施例において、体腔は、気管支気道である。
【0021】
いくつかの実施例において、方法はまた、さらなる分岐においてステップ(3)、(4)、(5)及び(6)を繰り返すステップを含む。いくつかの実施例において、ステップ(3)、(4)、(5)及び(6)は、シースの遠位端が標的領域に到達するまで、さらなる分岐において繰り返される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示の方法のフローチャートである。
図2A】例示のデバイスの長さに沿った放射線不透過性材料の密度のグラフを示す図である。
図2B図2Aのデバイスの蛍光透視画像におけるグレースケール強度のグラフを示す図である。
図2C】デバイスの一部が閉塞した状態の、図2Aのデバイスの蛍光透視画像におけるグレースケール強度のグラフを示す図である。
図2D】撮像されたデバイスのグレースケール強度と放射線不透過性材料の密度の相関関係を示す図である。
図2E】患者の肺の中に位置決めされ、部分的に閉塞したときの、放射線不透過性材料のパターンを含む例示のデバイスのレンダリングを示す図である。
図2F】例示のデバイス上の放射線不透過性材料の第1の例示のパターンのチャートを示す図である。
図2G】患者の肺の中に位置決めされ、部分的に閉塞したときの、放射線不透過性材料のパターンを含む例示のデバイスのレンダリングを示す図であって、デバイスは、図2Aに示される密度の放射線不透過性材料を有する図である。
図2H】例示のデバイスの長さに沿って変動するサイズ及び変動する間隔の放射線不透過性材料の例示のリングを示す図である
図2I】例示のデバイス上の放射線不透過性材料の第2の例示のパターンのチャートを示す図である。
図3A】アプリケータ、カテーテル及びガイドを含み、解体されて示されている例示のデバイスを示す図である。
図3B】伸張位置にある図3Aのアプリケータを示す図である。
図3C】後退位置にある図3Aのアプリケータを示す図である。
図4A】組み立てられて示されている、図3Aのデバイスを示す図である。
図4B】ガイドワイヤが伸張された状態でデバイスが示されている、図4Aのデバイスを示す図である。
図5図3Aに示されるアプリケータの分解組立図である。
図6A】アプリケータのトリガーがアンロック位置で示されている、図3Aのアプリケータを示す図である。
図6B】アプリケータのトリガーがロック位置で示されている、図3Aのアプリケータを示す図である。
図7A図6Aに示されるアプリケータの部分断面図である。
図7B図6Bに示されるアプリケータの部分断面図である。
図8A】アプリケータを図3Aに示されるものから反対の方向から見ている、図3Aのアプリケータの一部分を示す図である。
図8B図3Aのアプリケータの部分断面図である。
図9A】デバイスのアプリケータが、伸張位置で、分離されたコネクタ部分に近接して示されている、図4Aの例示の組み立て後のデバイスを示す図である。
図9B】シャフトの遠位部分が取り外し可能コネクタ部分に近接して示されている、図4Aの例示の組み立て後のデバイスを示す図である。
図10図3Aの例示のアプリケータの例示のシャフトの分解組立図である。
図11A図3Aの例示のアプリケータの例示のワイヤ引き出しボタンの断面図である。
図11B図11Aの例示のワイヤ引き出しボタンの分解組立図である。
図12図3Aの例示のアプリケータのシースのルアーロック入口を示す図である。
図13A図3Aのアプリケータの例示のコネクタに係合するように構成された例示のルアーロック・プラグを示す図である。
図13B図3Aのアプリケータの例示のコネクタに係合している、図13Aの例示のルアーロック・プラグを示す図である。
図13C】密封構成でのコネクタ部分の組み立て後の図である。
図13D図13Cのコネクタ部分の分解組立図である。
図14】操縦可能なシースが解放構成で示されている、操縦機構を備える例示の操縦可能シースを示す図である。
図15】操縦可能なシースがアクティブ構成で示されている、操縦機構を備える図14の例示の操縦可能シースを示す図である。
図16A図14の例示の操縦可能シースの分解組立図である。
図16B】例示の操縦可能シース及びハンドル接続機構の一実施例の分解組立図である。
図16C】別の視点からの、図16Bの例示の操縦可能シース及びハンドル接続機構の分解組立図である。
図17A】操縦可能シースがアクティブ構成で示されている、図14の例示の操縦可能シースの断面図である。
図17B】操縦可能シースが解放構成で示されている、図14の例示の操縦可能シースの断面図である。
図17C】ハンドル接続機構が解放構成で示されている、図16Bの例示のハンドル接続機構の斜視図である。
図17D】ハンドル接続機構が解放構成で示されている、図16Bの例示のハンドル接続機構の側面図である。
図17E】ハンドル接続機構がアクティブ構成で示されている、図16Bの例示のハンドル接続機構の斜視図である。
図17F】ハンドル接続機構がアクティブ且つアンロック構成で示されている、図16Bの例示のハンドル接続機構の斜視図である。
図17G図17Fの例示のハンドル接続機構の部分切欠き図である。
図17H】ハンドル接続機構がアクティブ且つロック構成で示されている、図16Bの例示のハンドル接続機構の斜視図である。
図17I図17Hの例示のハンドル接続機構の部分切欠き図である。
図18A図3Aに示されるものなど、例示のアプリケータのハンドルに対する接続プロセスの第1段階における、図14の例示の操縦可能シースを示す図である。
図18B】接続プロセスの第2段階における、図18Aの例示の操縦可能シース及び例示のハンドルを示す図である。
図18C】接続プロセスの第3段階における、図18Aの例示の操縦可能シース及び例示のハンドルを示す図である。
図19A】アプリケータのコネクタ要素が後退位置で示されている、図3Aに示されるものなど例示のアプリケータに接続された図14の例示の操縦可能シースを示す図である。
図19B】アプリケータのコネクタ要素が伸張位置で示されている、図19Aの例示の操縦可能シース及び例示のアプリケータの図である。
図20】代表的な解剖学的分岐を示す図である。
図21】いくつかの分岐を通過する、解剖学的空洞を通る器具のナビゲーションの繰り返しプロセスのフローチャートである。
図22A】操縦機構の制御部分の一実施例の斜視図である。
図22B図22Aの操縦機構の制御部分の分解組立図である。
図22C】制御部分が解放構成に位置決めされている、図22Aの操縦機構の制御部分の断面図である。
図22D】制御部分がアクティブ構成に位置決めされている、図22Aの操縦機構の制御部分の断面図である。
図23】例示の放射線不透過性要素がその上に位置決めされた状態の例示の組紐の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、添付の図面を参照してさらに説明され、図面中では、いくつかの図を通して同様の構造は、同様の数字によって参照される。示される図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに強調が一般になされ、本発明の原理を例示している。さらに一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張される場合もある。
【0024】
図面は、この明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施例を含んでおり、その種々の目的及び特徴を例示する。さらに図面は必ずしも縮尺どおりではなく、一部の特徴は特定の構成要素の詳細を示すために誇張される場合もある。加えて、図面に示される任意の測定値、仕様などは、例示であることが意図されており、限定するものではない。したがって本明細書に開示される特有の構造及び機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に、本発明を様々に利用するために当業者に教示するための代表的な基本として解釈されるべきである。
【0025】
開示されているそのような利益及び改善点の中でも、本発明の他の目的及び利点は、添付の図面と併せた以下の説明から明らかになるであろう。本発明の詳細な実施例は、本明細書に開示されるが、開示される実施例は、種々の形態で具現化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。加えて、本発明の種々の実施例と関連して与えられる実例の各々は、例示であることが意図されており、限定するものではない。
【0026】
明細書及び特許請求の範囲を通して、以下の用語は、文脈がそうでないことをはっきりと指示しなければ、本明細書に明白に関連する意味を取る。フレーズ「一実施例」及び「いくつかの実施例」は本明細書で使用されるとき、必ずしも同一の実施例を指すものではないが、そうである場合もある。さらに、フレーズ「別の実施例では」及び「いくつかの他の実施例では」は、本明細書で使用されるとき、必ずしも異なる実施例を指すものではないが、そうである場合もある。よって、以下に記載されるように、本発明の種々の実施は、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく容易に組み合わされてよい。
【0027】
用語「に基づいて」は、排他的ではなく、文脈がそうでないことをはっきりと指示しなければ、記載されない追加の要素に基づいていることを許容する。加えて、明細書を通して、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」の意味は複数の言及を含む。「~の中」の意味は、「~の中」と「~の上」を含む。
【0028】
本明細書で使用されるとき、用語「放射線不透過性」は、電磁放射(X線を含むが、これに限定されない)がそのような材料を通過することができないことを特徴とする材料を指す。
【0029】
いくつかの実施例において、本発明は、
アプリケータ、
シャフト、
カテーテル、
ガイドワイヤ、
コネクタ、
ハンドル、
トリガー、
ルアーロック・プラグ及び
放射線不透過性材料
を備えるデバイスであり、
アプリケータは、アプリケータの近位端から遠位端までの内側開放チャネルを有し、
アプリケータの内側開放チャネルは、シャフトを収容するのに十分なサイズであり、
シャフトは、カテーテル及びガイドワイヤを収容するのに十分なサイズであり、
カテーテル及びガイドワイヤは、ガイドワイヤがカテーテルから外に突出するのを可能にする引き出しボタンを有するように構成され、
カテーテル及びガイドワイヤは、事前に湾曲された遠位先端を有するように構成され、
カテーテルの近位端は、ルアーロック入口を有するように構成され、
ガイドワイヤは、カテーテルに接続される、又はカテーテルから切り離されるように構成され、
シャフトは、アプリケータの内側及び外側での移動を可能にするように構成され、
シャフトの遠位端は、シャフトが回転するのを可能にするように構成され、
シャフトの遠位端は、コネクタに接続される、又はコネクタから切り離されるように構成され、
アプリケータの遠位端は、コネクタに装着され、
コネクタは気管支鏡に装着するように構成され、
コネクタは、気管支鏡に接続される、又は気管支鏡から切り離されるように構成され、
コネクタは、ルアーロック・プラグを含むように構成され、
アプリケータの近位端は、ハンドルに装着され、
ハンドルは、ハンドルをロック及びアンロックするように構成されたスイッチを備え、
ハンドルは、開放位置から閉鎖位置まで回転するように構成され、
シャフトは、ハンドルと共に回転するように構成され、
放射線不透過性材料は、デバイスの外側部分に装着される。
【0030】
いくつかの実施例において、放射線不透過性材料は、パターンで分散される。
【0031】
いくつかの実施例において、このパターンは不均一である。
【0032】
いくつかの実施例において、分散されたパターンは、デバイスの外側部分にある放射線不透過性材料の複数の堆積密度を有する。
【0033】
いくつかの実施例において、堆積密度の第1の堆積密度は、堆積密度の第2の堆積密度と同一ではない。
【0034】
いくつかの実施例において、パターンは、少なくとも1つの形状を有する。
【0035】
いくつかの実施例において、少なくとも1つの形状はリングであり得る。
【0036】
いくつかの実施例において、リングは、とぎれていないリングであり得る。
【0037】
いくつかの実施例において、リングはとぎれたリングであり得る。
【0038】
いくつかの実施例において、パターンは、アプリケータを基準として長手方向の形態にある。
【0039】
いくつかの実施例において、グリップハンドルは、シャフトに対して自由に回転する。いくつかの実施例において、グリップハンドルは、シャフトに対して回転しないように抑制される。いくつかの実施例において、グリップハンドルは選択的に、シャフトに対して自由に回転するか、又はシャフトに対して回転しないように抑制されるかである。いくつかの実施例において、グリップハンドルのシャフトに対する回転の選択的な自由又は制限は、シャフトの長手方向運動の制限とは独立している。
【0040】
いくつかの実施例において、ガイドワイヤは湾曲される。
【0041】
いくつかの実施例において、カテーテルは湾曲される。
【0042】
いくつかの実施例において、カテーテルは、カテーテルの遠位端の曲率が操作されることを可能にする引っ張りワイヤを有する。
【0043】
いくつかの実施例において、シャフトは、ハンドルの回転が制御されることを可能にする機構を含む。
【0044】
いくつかの実施例において、デバイスは、カテーテルが長手方向軸の周りを回転することを可能にしつつ、デバイスの長手方向軸に沿ったカテーテルの移動を選択的にロック又はアンロックするように構成されたロック機構を含む。
【0045】
いくつかの実施例において、シャフトは、カテーテルがシャフトの側面に沿って挿入されることを可能にする溝を含む。
【0046】
いくつかの実施例において、デバイスは、カテーテルを保持し、カテーテルをシャフトの外に案内するために、シャフトの内側に配置されたポリテトラフルオロエチレン管を含む。
【0047】
いくつかの実施例において、ガイドワイヤは、デバイスの遠位先端の有効曲率を制御するために、要求によってカテーテルから抜き出すことができる。いくつかの実施例において、デバイスは、ガイドワイヤの運動を制御するように構成されたマニピュレータを含む。
【0048】
いくつかの実施例において、ガイドワイヤは、カテーテルから切り離すことができる。
【0049】
いくつかの実施例において、カテーテルは、ハンドルから切り離すことができる。
【0050】
いくつかの実施例において、ハンドルは、最初にカテーテル及び/又はガイドワイヤをデバイスから抜き出すことなく、コネクタから切り離されるように構成される。
【0051】
いくつかの実施例において、コネクタは、最初にカテーテル及び/又はガイドワイヤをデバイスから抜き出すことなく、気管支鏡から切り離すことができるように構成される。
【0052】
いくつかの実施例において、コネクタは、スリップチップ又はルアーロックシリンジの接続を可能にするために、その中に位置決めされるように構成されたルアーロック・プラグを含む。
【0053】
いくつかの実施例において、カテーテルは、スリップチップ又はルアーロックシリンジの接続を可能にするために、その中に位置決めされるように構成されたルアーロック入口を含む。
【0054】
いくつかの実施例において、カテーテルは、ガイドワイヤなしで使用され得る。
【0055】
いくつかの実施例において、ハンドルは、データ記憶及び非接触通信を提供するように構成された構成要素を有する。いくつかの実施例において、デバイスは、(例えば、無線自動識別又は近距離無線通信技術を通して)非接触方式で読み取ることができる独自の識別子を記憶する。いくつかの実施例において、ハンドルは、汎用コンピューティング、データ記憶及び無線通信能力を有する電子デバイスを含む。いくつかの実施例において、独自の識別子は、ハンドル内に記憶される。いくつかの実施例において、ハンドル独自の識別子は、バーコードリーダによって読み取ることができる独自のバーコードを含む。いくつかの実施例において、バーコードは、ハンドル上に刻印される。いくつかの実施例において、バーコードは、ハンドルパッケージ上に刻印される。いくつかの実施例において、バーコードは、製品ラベルに含まれる。
【0056】
いくつかの実施例において、放射線不透過性材料は、バリウム、ヨウ素又はそれらの任意の組み合わせを含む材料を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、2つ以上の放射線不透過性材料が互いに組み合わせて使用される。
【0057】
図3Aは、例示のデバイス1の要素を示す。いくつかの実施例において、デバイス1は、アプリケータ10、カテーテル11及びガイドワイヤ12を含む。いくつかの実施例において、アプリケータ10は、ユーザがグリップハンドル13を引っ張る、押す又は閉鎖(後退)位置から開放(伸張)位置まで回転させることを可能にするグリップハンドル13を含む。いくつかの実施例において、アプリケータ10は、グリップハンドル13が、アプリケータ・シャフト16とグリップハンドル13との間の相対回転を回避しつつ、アプリケータ・シャフト16に沿って(すなわち長手方向軸に沿って)摺動するのを可能にするアプリケータ・シャフト16を含む。いくつかの実施例において、アプリケータ・シャフト16は、カテーテル11を収容するように構成された内部通路を含む。結果として、いくつかの実施例において、グリップハンドル13の回転によってアプリケータ・シャフト16はそれと一緒に回転する。いくつかの実施例において、アンロックされたとき、グリップハンドル13がシャフト16に対して自由に回転するように、シャフト16に対するグリップハンドル13の回転は選択的にロック又はアンロックすることができる。いくつかの実施例において、アプリケータ10は、いずれの商業的に使用される気管支鏡にもアプリケータ10の接続を可能にするコネクタ要素15を含む。いくつかの実施例において、コネクタ要素15は、シャフト16に永久的に接続されるコネクタ部分40を含む。いくつかの実施例において、コネクタ部分40は、いずれの商業的に使用される気管支鏡にもデバイスを接続するように構成される。いくつかの実施例において、コネクタ部分40は、さる環リング43をコネクタ継手44に向かって移動させ、コネクタ継手44を気管支鏡に対して押し当てるために、さる環リング43を一方向に手動で回転させることによって気管支鏡に接続される。いくつかの実施例において、デバイス1を気管支鏡から切り離すために、さる環リング43は、他の方向に手動で回転され、それによりさる環リング43がコネクタ継手44から離れるように移動し、コネクタ継手44による気管支鏡に対する圧力を解放する。
【0058】
いくつかの実施例において、コネクタ要素15は、シャフト16から切り離すことができるコネクタ部分41と、シャフト16から切り離すことができるコネクタ部分42とを含む。いくつかの実施例において、コネクタ部分41及びコネクタ部分42は、シャフト16の遠位端32に配置されるスナップ45によってシャフト16に接続されてよい。いくつかの実施例において、コネクタ部分41は、コネクタ部分41を気管支鏡の入口ポートの上で摺動させることによって、商業的に利用可能な気管支鏡に接続することができる。いくつかの実施例において、コネクタ部分41は、気管支鏡の入口ポートの上を摺動し、それにより接続部分41を気管支鏡にロックするように構成されたコネクタ・スライダ47を含む。いくつかの実施例において、コネクタ部分41は、コネクタ部分41を気管支鏡から解放するように動作可能な解放ボタン48を含む。いくつかの実施例において、コネクタ部分42は、コネクタ・クラスプ46を含む。いくつかの実施例において、コネクタ部分42は、コネクタ・クラスプ46を気管支鏡の入口ポートに対して閉鎖することによって、商業的に利用可能な気管支鏡に接続することができる。いくつかの実施例において、コネクタ部分42は、コネクタ・クラスプ46を開放することによって、商業的に利用可能な気管支鏡から取り外すことができる。いくつかの実施例において、コネクタ部分41及びコネクタ部分42は、アプリケータ10がない状態で気管支鏡に接続され得る。
【0059】
いくつかの実施例において、グリップハンドル13は、(例えばアプリケータ・シャフト16に沿った)その開放位置と閉鎖位置との間のその移動距離に沿った任意の位置でグリップハンドル13をロックするように構成されたトリガー14を含む。いくつかの実施例において、シャフト16の遠位端は、さる環として機能するように構成され、シャフト16及びグリップハンドル13が長手方向軸に沿って任意の所望の角度までコネクタ要素15に対して回転することを可能にする。
【0060】
図3Bは、その開放(伸張)位置における図3Aのデバイス1を示す。コネクタ要素15は、グリップハンドル13から遠位方向に伸張されている。図3Cは、図3Bからのデバイス1をその閉鎖(後退)位置で示す。コネクタ要素15は、グリップハンドル13に最も接近して近接している。図4Aは、カテーテル11及びガイドワイヤ12が共にグリップハンドル13に接続されて構成されているときの図3Aのデバイス1を示す。図4Bは、図4Aのデバイス1を示しているが、ガイドワイヤ12が伸張されている。いくつかの実施例において、デバイス1は、ワイヤ引き出しボタン33を含み、これは、ガイドワイヤ12が伸張されることを可能にするように構成される。いくつかの実施例において、図4Bに示されるようにガイドワイヤ12は可撓性であり、必要に応じて位置決めすることができる。
【0061】
図5は、アプリケータ10の分解組立図を示す。グリップハンドル13は、2つの側部13Aと13Bに分割される。ねじ28が、2つの側部13A及び13Bを互いに接続するように構成される。アプリケータ10は、トリガー14、レバー17、ヒンジ19及びばね27を含み、これらは以下の図6A及び図6Bを参照して詳細に記載される。アプリケータ10はまた、カテーテル11を収容するように構成された入口管21を含む。
【0062】
図6Aは、トリガー14がそのアンロック位置にある状態のデバイス1を示し、その位置においてシャフト16は、グリップハンドル13に対して移動することが可能である。図6Bは、トリガー14がそのロック位置にある状態のデバイス10を示し、その位置においてシャフト16は、グリップハンドル10に対して移動することが可能である。図7Aは、トリガー14がそのアンロック位置にある状態のデバイス1の断面図である。図7Bは、トリガー14がそのロック位置にある状態のデバイス1の断面図である。デバイス1は、ヒンジ19と枢動可能に係合されるロックレバー17を含む。シャフト16は溝付きの部分20を有する。トリガー14は、トリガー14がそのロック位置にあるとき、ロックレバー17と係合し、トリガー14がそのアンロック位置にあるとき、ロックレバー17との係合を解除するように構成された角度付き表面18を有する。トリガー14の角度付き表面18がロックレバー17と係合するとき(例えば図7Bに示されるように)、ロックレバー17は、ロックレバー17がシャフト16の溝付きの部分20に係合するような位置までヒンジ19を中心に枢動し、それによりシャフト16がグリップハンドル13に対して軸方向に運動するのを阻止する。逆に、トリガー14の角度付き表面18が、ロックレバー17との係合を解除するとき(例えば図7Aに示されるように)、ロックレバーは、ロックレバー17がシャフト16の溝付きの部分20と係合せず、それによりシャフト16がグリップハンドル13に対して軸方向に移動することを可能にするような位置までヒンジ19を中心に枢動する。
【0063】
図8Aは、グリップハンドル13の遠位端の方に向いている方向でのグリップハンドル13の斜視図を示す。グリップハンドル13は、カテーテル11のアプリケータ10への挿入を可能にする入口ポート22を含む。図8Bは、グリップハンドル13の一部の断面図を示す。グリップハンドル13は、入口ポート22からシャフト16の内部通路まで延び、カテーテル11の通過を可能にするように構成された入口管21を含む。
【0064】
図9A及び図9Bは、入口管21がその伸張位置(すなわち図3Bに示されるような)からその閉鎖位置(すなわち図3Cに示されるような)まで摺動することを可能にする、シャフト16に沿った開口24を示す。いくつかの実施例において、デバイス1に接続された気管支鏡内の摩擦によるカテーテル11及びガイドワイヤ12の座屈、及びシャフト16からの飛び出しを阻止するために、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」DuPontによる商標名TEFLONの下に販売される材料など)管23が可撓性のバリアとして作用するためにシャフト16の内側に位置決めされる。いくつかの実施例において、PTFE管23は、シャフト16の内側ではなくシャフト16の周りに位置決めされる。いくつかの実施例において、PTFE管23ではなく、ばね、伸縮する材料又は座屈力に耐えることができる他の可撓性材料が使用される。図9Aは、伸張位置にあるPTFE管23を示す。図9Bは、圧縮位置にあるPTFE管23を示す。いくつかの実施例において、PTFE管23は、PTFE管23の遠位端においてコネクタ要素15に接続され、PTFE管23の近位端において入口管21に接続される。図9Bに示されるようにコネクタ要素15がグリップハンドル13に近接して位置決めされるとき、PTFE管23は圧縮される。
【0065】
図10は、シャフト16の分解組立図を示す。いくつかの実施例において、シャフト16は、旋回機構を含む。いくつかの実施例において、PTFE管23は、可撓性のバリアとして作用するためにシャフト16内に位置決めされる。いくつかの実施例において、シャフトの遠位端32は、シャフト16に対して自由に回転する。いくつかの実施例において、旋回機構はまた、2つのワッシャ29及び30、並びに回転に対する制御を与える2つのOリング31を含む。いくつかの実施例において、シャフトの遠位端32は、コネクタ15に装着されるように構成される。
【0066】
図11A及び図11Bは、ワイヤ引き出しボタン33の断面図と分解組立図をそれぞれ示す。いくつかの実施例において、ワイヤ引き出しボタン33は、ばね35を押圧し、これが、ワイヤ引き出しボタン33がガイドワイヤ12の移動を抑制する位置にワイヤ引き出しボタン33を付勢する。いくつかの実施例において、ワイヤ引き出しボタン33は、シース・ルアーロック入口34に取り外し可能に結合され、シース・ルアーロック入口は、注射器への接続を可能にするように構成されている。いくつかの実施例において、ワイヤ引き出しボタン33は、シース・ルアーロック入口34を露出させるために取り外すことができる。図12は、シース・ルアーロック入口34が露出された状態のアプリケータ10の近位部分を示す。
【0067】
図13Aは、ルアーロック・プラグ36を示しており、これは、コネクタ15への注射器の接続を可能にするためにコネクタ部分41又はコネクタ部分42に接続することができる。図13Bは、コネクタ15に接続されたときのルアーロック・プラグ36を示す。
【0068】
いくつかの実施例において、コネクタ部分41は、一体化された密封構成を含む。図13C及び図13Dは、一体化された密封構成を有するコネクタ部分41の、組み立て後の図と、分解組立図をそれぞれ示す。いくつかの実施例において、密封構成は、上部シール1302と、下部シール1304とを含む。いくつかの実施例において、上部シール1302は、カテーテルが存在しない場合、ユーザが、流体の吸引又は流体の注入を行うことを可能にするように構成される。いくつかの実施例において、下部シール1304は、コネクタ部分41と気管支鏡との間に流体密封シールを提供するように構成される。いくつかの実施例において、密封構成は、上部シール1302を覆うように構成された密封キャップ1306を含む。いくつかの実施例において、コネクタ部分41は、コネクタ部分41を気管支鏡から解放するように動作可能な解放ボタン1308を含む。
【0069】
いくつかの実施例において、本発明は、デバイス上の放射線不透過性パターンに関し、放射線不透過性パターンは、ユーザ(例えば医師など)によって視覚化することができ、例えば、X線画像上で見ることができるデバイスの部分を放射線不透過性材料の観察された密度と相関させることによって、デバイスの特有の一部分を識別するのに使用することができる。いくつかの実施例において、放射線不透過性材料は、デバイス1のカテーテル11上に位置決めされる。いくつかの実施例において、放射線不透過性材料は、デバイス1のガイドワイヤ12上に位置決めされる。いくつかの実施例において、放射線不透過性材料は、デバイス1のカテーテル11とガイドワイヤ12の両方の上に位置決めされ、これらは、協働して、デバイス1上の放射線不透過性材料の組み合わされた「有効な」パターンを生み出す。
【0070】
いくつかの実施例において、現発明のデバイス1は、(例えばこれに限定するものではないが、デバイスのX線画像を使用して)観察することができるパターンで位置決めされた放射線不透過性材料を有し、この場合、パターンは、デバイスに沿って可変の量の放射線不透過性材料を適用することによって作成されている。いくつかの実施例において、デバイスに沿った放射線不透過性材料の密度の関数と、X線画像におけるグレースケール強度の関数との間の相関関係は、画像上の他の放射線不透過性物体による部分的な閉塞にも関わらず、蛍光透視画像上のデバイスの特有の部分の検出を可能にする。いくつかの実施例において、デバイス内の放射線不透過性材料の密度が高いほど、X線画像によって視覚化されるグレースケール強度が低い結果となり、その逆もまた同様である。図2Aは、デバイスの長さ(X軸)に対してグラフ化されたときの、デバイスの一実施例の長さ(Y軸)に沿った放射線不透過性材料の密度のプロットを示す。図2Bは、デバイスの長さ(X軸)に沿って蛍光透視鏡によって撮像されたときの図2Aに示されるような材料密度を有するデバイスの一次元グレースケール・レベル(Y軸)を示す。これらをもとに、図2A及び図2Bは、放射線不透過性材料の密度がグレースケール画像関数と相関されることを示す。
【0071】
図2Cは、デバイスの長さ(X軸)に沿って蛍光透視鏡によって撮像された、気管支鏡から突出している(デバイスの全体像を例示する図2Bと比べたときの)一部のデバイスの一次元グレースケール・レベル(Y軸)を示す。X軸に沿った位置x2と位置x3との間のゼロ値は、この間隔内でX線照射をブロックする閉塞を例示する。図2Dは、部分的に撮像されたデバイス(すなわち図2Cに示されるような)と、放射線不透過性材料の密度(すなわち図2Aに示されるような)との間の相関関数の絶対値を示す。図2Dにおけるピークの位置は、図2Cにおけるピクセルと、図2Aにおける3次元モデル座標との間の変換を計算するのに利用することができる。図2Eは、患者の胸の中に位置決めされたときの、気管支鏡241と、放射線不透過性材料を有するデバイス242(例えばデバイス1)とを示すX線画像の描写を示す。位置243において、デバイス242はECGパッチによって閉塞される。
【0072】
いくつかの実施例において、放射線不透過性材料は、パターンでデバイス1に沿って配置される。いくつかの実施例において、パターンは、デバイスの周りに延び異なる大きさのリングを含む。いくつかの実施例において、パターンは、デバイスに沿って不規則に離間されたリングを含む。図2Fは、互いから異なる間隔のところに配置され、異なる長さを有する放射線不透過性材料のリングを含む第1のパターンを示す表を示す。図2Iは、互いから異なる間隔のところに配置され、異なる長さを有する放射線不透過性材料のリングを含む第2のパターンを示す表を示す。図2F及び図2Iによって表現される特有のパターンは、単なる例示であり、他のパターンが可能であることは当業者に明らかであろう。
【0073】
図2Gは、気管支鏡261と、図2Aに示されるようにパターン化された放射線不透過性材料を有するデバイス262(例えばデバイス1)とを示すX線画像の描写を示す。図2Hは、デバイス(例えばデバイス1)の外側部分に沿って変動する間隔で所定の位置に配置された、可変サイズのリングを包含する放射線不透過性材料のパターンの例示を示す。
【0074】
非制限的な実例では、放射線不透過性材料のパターンの一部を見ることができる場合、ユーザは、撮像されたパターンと密度関数との間の一次元変換(例えば相関)を計算することができる。デバイスの放射線不透過性とグレースケール・レベルとの間の関係をこの目的のために使用することができる。別の非制限的な実例では、ユーザは、画像中のデバイスの可視部分のグレースケール・レベルとデバイスの放射線不透過性密度プロファイルとの間の最も高い相関関係を探すテンプレート・マッチング法を使用することができる。そのような方法は、X線管から画像増強装置までの投影方向に対してデバイスの後ろ、又はデバイスの上にある物体によって生じる閉塞及びノイズに対して堅固である。いくつかの実施例において、図2Dは、図2Cに示されるようなデバイスの一部の画像と、図2Aに示されるような放射線不透過性材料密度のデバイスのパターンとの間の例示の相関関数を示す。例えば、図2Aにおける点x0における密度関数と図2Cでの点x1におけるピクセル・グレースケール・レベルとの間の変換は、図2Dに示される相関関数における点x4におけるピーク位置に対応する。結果として、図2Cによって表現されるようなデバイスは、部分的に見ることができ、点x2とx3との間の領域において部分的に閉塞されているが、画像上でデバイスの定位を行い、図2Dによって表現されるような可視デバイスの各ピクセルを、図2Aによって表現されるようなデバイスについての既知のモデルに相関させることが可能である。
【0075】
いくつかの実施例において、独自の放射線不透過性パターンは、図2Hに例示されるように、デバイスの経度方向軸に沿った特有の位置でデバイスに可変サイズの放射線不透過性リングを装着することを通して作成される。独自の放射線不透過性パターンは、ユーザが、撮像されたデバイスのピクセルと作成するために事前に設計されたデバイス・モデルとの間の変換関数を推定するのを助ける。この変換関数は、異なるマーカーの大きさ及びデバイス上の位置によって課される制約を満たす関数を見つけることによって推定することができる。そのような設計に関する非制限的な実例は、X線画像上のいくつかのマーカーの閉塞に対して堅固であり、図2Fに提供される。
【0076】
いくつかの実施例において、患者の体内に位置決めされたデバイス1(すなわち放射線不透過性材料を含む)での患者の身体の少なくとも一部の医療用画像(例えばX線画像)を分析して、放射線不透過性材料の位置決めを知ることに基づいて体内のデバイスの深さを判定することができる。いくつかの実施例において、現発明は、そのようなケースにおいて3次元深さ情報を回復させるための方法に関し、この場合、X線画像又はビデオ画像シーケンスなどの入力としての2次元画像の閉塞及びノイズに起因して、一部のマーカーは、例えば図2Aに示されるようなデバイス上の独自のパターンを利用して検出されない場合がある。入力画像又はビデオ画像シーケンスの閉塞及びノイズは、図2Eに例示されるように、医療用デバイスの閉塞、肋骨などの高密度組織、患者のペースメーカー、ECGケーブルなどによって生じる場合がある。
【0077】
図1は、例示のデバイス(例えば図3Aのデバイス1)の深さを判定するためのプロセスのフローチャートを示す。プロセスは、入力として、デバイスに沿った放射線不透過性材料の密度モデル(例えば図2Aに示される情報)(101)と、患者の体内に位置決めされたデバイスを示す蛍光透視画像データ(102)を受け取る。モデルと画像ピクセルとの間の変換関数(104)が、テンプレート・マッチング法(103)を使用して計算される。いくつかの実施例において、テンプレート・マッチング法は、図2A図2Dを参照して上記に記載したように行われる。変換関数は、深さ情報回復のために使用される(105)。
【0078】
いくつかの実施例において、デバイスの深さは、特有の放射線不透過性パターンの物理的寸法を事前に知ることに基づいて単一の画像から計算することができる。例えば、手術時の画像において識別され位置が突き止められた2つの点の間の既知の物理的距離が与えられるとすると、これら2つの点の間の相対的な深さを判定することができる。いくつかの実施例において、相対的な深さを判定するためのそのような技術は、国際特許出願公開第2015/101948号に記載されるように実行され、この特許の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。より詳細には、いくつかの実施例において、既知の長さ「L3」を有し、患者の体内の三次元空間に配置されたデバイス(例えばデバイス1)又はその一部(例えば図2Hに示される縞のうちの2つの間の部分)は、そのようなデバイスを含む投影像を形成するために撮像面に投影される。二次元撮像面内の同一デバイス(又はデバイスの一部)の観察された(すなわち投影された)長さは、「L2」である。国際特許出願公開第2015/101948号の図12に示されるように、空間内のデバイス(又はデバイスの一部)の角度αは、式L2=L3cosαを解くことによって判定することができる。2つの端部の間の相対的な深さDはその後、D=L3sinαを計算することによって判定することができる。
【0079】
いくつかの実施例において、デバイスの深さは、国際特許出願公開第2017/153839号に記載される方法を使用して計算することができ、この特許の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施例において、そのような判定は以下のプロセスに従って行われる。いくつかの実施例において、デバイスは、手術時のデバイスによって撮像され、撮像面に投影される。いくつかの実施例において、デバイス上の2つ(図2Hに示される縞のうちの2つ)の放射線不透過性領域「F」と「G」との間の所定の距離「m」は、入力として考慮される。いくつかの実施例において、点「F」は、互いと異なる深さを有する2つの可能な3D位置A及びBの投影に起因する。いくつかの実施例において、点「G」は、互いと異なる深さを有する2つの可能な深さ位置C及びDの投影に起因し、この場合Cは、Aに対応し、DはBに対応する。いくつかの実施例において、逆投影された位置のペアAC及びBD間の3D距離が測定される。いくつかの実施例において、AC及びBDの3D距離は、距離「m」と比較され、点A及びC又は点B及びDのいずれかが、最適な適合度に基づいて選択される。いくつかの実施例において、深さは、位置の選択されたペアに対応している深さである。
【0080】
いくつかの実施例において、深さの回復は、既知の患者の解剖学的構造と姿勢推定アプローチの組み合わせを使用して行うことができる。いくつかの実施例において、独自の放射線不透過性パターンを知ることは、患者の解剖学的気管支樹(例えば術前画像から抽出されるような)を知ること、及び患者に対する撮像デバイスの現在の姿勢を知ること(例えば撮像デバイスから取得した現在の画像に術前画像からの3D情報の投影を可能にする観点)と組み合わせることができる。器具は、別々の解剖学的空間の内側に配置されるため、現在の姿勢推定情報を使用して、可能な解決法を限定することができる。さらに、器具の位置と気管支樹上の可能な解剖学的位置のマッチングは、以下のパラメータ、すなわち器具の解剖学的位置の想定、姿勢の推定、及び潜在的な3D解剖学的変化に対する最適化問題を解決することによって回復させることができる。いくつかの実施例において、そのようなアプローチは、国際特許出願公開第2015/101948号により詳細に記載される。
【0081】
いくつかの実施例において、深さの推定は、a)例えば視覚的類似性による追跡又は照合によって2つのビューにおける対応する点を見つけること、(b)例えばジグ、ヒトの解剖学的構造又は任意の他の姿勢推定アルゴリズム(例えば国際特許出願公開第2017/153839号に記載されるもの)を使用して姿勢の相対的な違いを見つけること、及び(c)当分野で知られる方法(例えば三角測量、ステレオ対応点ベース技術、非ステレオ対応輪郭法、表面レンダリング技術など)を使用して既知の姿勢を有する複数の画像から照合点の三次元情報を再構築することによって2つ以上の画像のシーケンスから行うことができる。
【0082】
いくつかの実施例において、デバイスは、典型的な方法と比べて、体腔、例えば、これに限定するものではないが気管支気道内部での高い操縦性を提供する。いくつかの実施例において、デバイスは図3A図13Bに示される非制限的な実例に見られるようなものである。いくつかの実施例において、例示のデバイスによって、片方の手でナビゲーションしながら高い精度を可能にし、もう一方の手から標準的な診断及び治療のためのデバイスの侵入をサポートする。いくつかの実施例において、ガイドワイヤは事前に湾曲される。いくつかの実施例において、カテーテルは事前に湾曲される。いくつかの実施例において、ガイドワイヤとカテーテルは共に事前に湾曲される。いくつかの実施例において、ガイドワイヤは直線である。いくつかの実施例において、カテーテルは直線である。いくつかの実施例において、ガイドワイヤとカテーテルは共に直線である。いくつかの実施例において、ガイドワイヤは、必要に応じて曲げられるように構成される。いくつかの実施例において、カテーテルは、必要に応じて曲げられるように構成される。ガイドワイヤとカテーテルは必要に応じて曲げられるように構成される。いくつかの実施例において、ガイドワイヤは、デバイスに余分な曲げを加えつつ、カテーテルの先端を越えて突出するように構成される。この特徴は、肺の内部でのナビゲーション中のデバイスの高い操縦性を可能にする。
【0083】
いくつかの実施例において、放射線不透過性材料を含むデバイスは、内視鏡、気管支腔器具及び/又はロボットアームを含む。
【0084】
いくつかの実施例において、カテーテルは、対象物(例えば、内視鏡治療アクセサリ、超音波プローブなど)を標的領域まで案内するように構成された操縦可能シースを有する。いくつかの実施例において、標的領域は呼吸系の内部である。いくつかの実施例において、操縦可能シースは、ユーザがシースの遠位端(例えば体内に位置決めされる端部)を操縦し制御することを可能にするように構成された機構を含む。いくつかの実施例において、操縦可能シースは、シースの遠位端が所望の位置にロックされることを可能にする機構を有するように構成される。いくつかの実施例において、操縦可能シースは、シースの長さに沿って1つ又は複数の放射線不透過性マーカーを含む。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカーは、患者の体内でのシースの位置が、拡張画像上で判定される、及び/又は示されることを可能にする。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカーは、シースに沿って放射線不透過性マーカーの事前に設計されたパターンで位置決めされる。
【0085】
いくつかの実施例において、シースは、シースがハンドルに装着される、又はハンドルから切り離されることを可能にするように構成された機構を含む。いくつかの実施例において、シースは、対象物(例えば、内視鏡治療アクセサリ、超音波プローブなど)がその中に導入されることを可能にするのに十分な大きさに決められる。いくつかの実施例において、シースは、標準的な気管支鏡を通して導入されるのに十分な大きさに決められる。いくつかの実施例において、シースは、注射器接続が流体の注入及び吸引を可能にするためにルアーロック機構を有する。いくつかの実施例において、シースは、1人の患者に対して複数回使用できるように構成される。
【0086】
図14及び図15は、制御部分1410及び操縦可能シース1420を含む例示のデバイス1400の斜視図を示す。図14は、解放構成1420aに位置決めされた操縦可能シース1420を示す。図15は、アクティブ構成1420bに位置決めされた操縦可能シース1420を示す。
【0087】
図16Aは、図14及び図15の例示のデバイス1400の分解組立図を示す。図17A及び図17Bは、それぞれアクティブ構成及び解放構成における、図14及び図15の例示のデバイス1400の断面図を示す。いくつかの実施例において、操縦可能シース1420は、操縦可能シース1420の中を通って操縦可能シース1420の遠位端1608まで延びる引っ張りワイヤ1606を含む。いくつかの実施例において、引っ張りワイヤ1606は、操縦可能シース1607の遠位端1608の曲率の操作を可能にする。
【0088】
いくつかの実施例において、制御部分1410は、ハウジング1601内に収容された操縦機構を含む。いくつかの実施例において、操縦機構は、操縦レバー1602、操縦シャフト1603、操縦シャフト1603内に位置決めされた引っ張りワイヤロックシャフト1604及びロックノブ1605を含む。いくつかの実施例において、操縦可能シース1420の遠位端1608の反対の引っ張りワイヤ1606の端部は、引っ張りワイヤロックシャフト1604に固定される。いくつかの実施例において、操縦レバー1602の移動(例えば図14に示される位置と図15に示される位置との間が、操縦シャフト1603をハウジング1601内で移動させ、引っ張りワイヤロックシャフト1604及び引っ張りワイヤ1606の対応する運動を引き起こす。いくつかの実施例において、操縦機構は、操縦可能シース1420の遠位端を所望の角度まで偏向する、又は真っ直ぐにするために、操縦レバー1602を移動させることができるように構成され、それにより操縦可能シース1420の遠位端1608の曲率を操作することを可能にする。
【0089】
いくつかの実施例において、制御部分1410はまた、ロック機構を含む。いくつかの実施例において、ロック空洞を有するロックノブ1605がハウジング1601上に形成される。いくつかの実施例において、操縦レバー1602は、ロックノブ1605のロック空洞に選択的にロックされ得、それにより操縦可能シース1420の遠位端1608の移動をロックする、又はアンロックすることができ、その一方で操縦可能シース1420がその長手方向軸を中心に回転されることを可能にする。
【0090】
いくつかの実施例において、デバイス1400は、シースがハンドル(例えば図3Aに示されるアプリケータ10のハンドル)に接続される、又はハンドルから切り離されることを可能にするように構成されたハンドル接続機構1610を含む。図18は、図3Aに示されるアプリケータ10のハンドルに接続されているデバイス1400の連続する図を示す。図19は、コネクタ要素15が後退位置又は伸張位置のいずれかに位置決めされた状態で、図3Aに示されるアプリケータ10のハンドルに接続されたときのデバイス1400を示す。
【0091】
いくつかの実施例において、操縦可能シース1420は、2.8mmの直径をもつ作業チャネルを有する標準的な気管支鏡にシースが導入されることを可能にし、2.0mmの内径の作業チャネル内に収まるように指定された内視鏡治療アクセサリをその中に収容しそれを案内することができるような十分な薄さの壁を有する。
【0092】
いくつかの実施例において、デバイス1400は、操縦可能シース1420への注射器接続を可能にするように構成されたルアーロック機構1611を含む。
【0093】
図16B及び図16Cは、例示のハンドル接続機構1650及び操縦可能シース1420を含む例示のデバイス1648の異なるそれぞれの視点からの分解組立図を示す。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、以下に記載される点以外はハンドル接続機構1610と同様である。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、以下に記載される点以外は操縦レバー1602と同様の操縦レバー1652を含む。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、操縦レバー1652及び引っ張りワイヤ1606に結合され、上記に記載した引っ張りワイヤロックシャフト1604と同様の方法で動作する引っ張りワイヤロックシャフト1654を含む。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、上記に記載したロックノブ1605と同様のロックノブ1656を含む。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、操縦可能シース1420への注射器接続を可能にするように構成されたルアーロック機構1658を含む。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、ロック歯1662を有する位置ロッカー1660を含む。いくつかの実施例において、位置ロッカー1660は、操縦レバー1652に結合され、操縦レバー1652に対して横方向に摺動可能である。いくつかの実施例において、ハンドル接続機構1650は、可撓性の引っ張りワイヤ1606を覆い、引っ張りワイヤ1606が、曲がることなく押されたり、引っ張られたりすることを可能にし、それにより引っ張りワイヤ1606を疲労破壊から保護する引っ張り/押しワイヤ・プロテクタ1664を含む。
【0094】
図17C及び図17Dは、操縦レバー1652がデバイス1648を解放構成にするように位置決めされた状態の、デバイス1648の斜視図及び側面図をそれぞれ示す。図17Eは、操縦レバー1652がデバイス1648をアクティブ構成にするように位置決めされた状態の、デバイス1648の側面図を示す。図17Fは、操縦レバー1652がデバイス1648をアクティブ構成にするように位置決めされ、且つ位置ロッカー1660がアンロック位置に位置決めされた状態の、デバイス1648の斜視図を示す。図17Gは、操縦レバー1652及び位置ロッカー1660が図17Fに示されるように位置決めされた状態の、デバイス1648の部分切欠き図を示す。図17Gの部分切欠き図では、アンロック位置での、ロック歯1662がロックノブ1656の側部に位置決めされ、ロックノブ1656に係合しておらず、それにより操縦レバー1652を移動させることができるのを示すために操縦レバー1652の一部は省略されている。図17Hは、操縦レバー1652がデバイス1648をアクティブ構成にするように位置決めされ、且つ位置ロッカー1660がロック位置に位置決めされた状態の、デバイス1648の斜視図を示す。図17Iは、操縦レバー1652及び位置ロッカー1660が図17Hに示されるように位置決めされた状態の、デバイス1648の部分切欠き図を示す。図17Iの部分切欠き図では、ロック位置では、ロック歯1662は、ロックノブ1656に係合し、それにより操縦レバー1652が移動するのを阻止しているのを示すために、操縦レバー1652の一部は省略されている。
【0095】
いくつかの実施例において、操縦可能シース1420は、放射線不透過性マーカー1609を含む。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカー1609は、パターンで位置決めされる。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカー1609のパターンは、操縦可能シース1420の周りに延び異なる大きさのリングを含む。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカー1609のパターンは、操縦可能シース1420に沿って不規則に離間されたリングを含む。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカー1609のパターンは、操縦可能シース1420の3D曲率が、単一面X線スナップショットから識別することができるような方法で、操縦可能シース1420の周りに延び異なる形状のリングを含む。
【0096】
いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカー1609のパターンは、単一の蛍光透視画像から6度の自由度の中で、回転を含めた、シース及びその先端の位置の導出を可能にする。いくつかの実施例において、パターンは、操縦可能シース1420に沿ってらせん状に延びる組紐に沿って装着された複数のマーカー1609を含む。図23は、放射線不透過性マーカー1709のうちの1つがそれに沿って位置決めされる例示の組紐2300を示す。図23は、放射線不透過性マーカー1709のうちの1つを有する組紐2300を示しているが、これは単なる例示であり、実際の実装形態には、いくつかの放射線不透過性マーカー1609が含まれることは当業者にとって明白であろう。いくつかの実施例において、放射線不透過性マーカーは、所定の距離のところで組紐2300に装着され、それにより同一面内にない点の3D構造を形成する。いくつかの実施例において、少なくとも4つのマーカー1609の3D構成を知ることは、6度の自由度でのシースの姿勢の推定を可能にする。いくつかの実施例において、4つ未満のマーカーの使用は、そのままでは独自の姿勢を提供しないが、他の情報源で補うことによって独自の姿勢を判定することができる。いくつかの実施例において、リアルタイムでシースの姿勢(例えば位置及び配向)を知ることは、器具を標的付近に配置するために、器具をどのように操作すればよいかについての医師へのこの知識のガイダンスとして有用である。いくつかの実施例において、そのようなガイダンスは、シースを押す及び/又は引っ張るため、並びにシースを回転させることによって先端の配向を変更するための指示を含んでよい。
【0097】
いくつかの実施例において、操縦可能シースは、中央内腔、体内でカテーテルを操縦するためのハンドル、少なくとも1つの引っ張りワイヤ、少なくとも1つの引っ張りワイヤを移動させるように構成された機構及び操縦可能シース上の放射線不透過性パターンを含む。
【0098】
いくつかの実施例において、少なくとも1つの引っ張りワイヤの移動は、電気モータによって制御することができる。いくつかの実施例において、電気モータは、ハンドルの内部に一体化される。いくつかの実施例において、電気モータは、ハンドルに装着される。いくつかの実施例において、モータは、ハンドル上に配置された制御装置によって制御可能である。いくつかの実施例において、ハンドル上に配置された制御装置は、少なくとも1つのボタン及び/又はジョイスティックを含む。いくつかの実施例において、モータは、ハンドル内に配置され、内部デバイスからの命令を受け取るように構成されたコントローラによって制御可能である。いくつかの実施例において、コントローラは、有線接続を通して命令を受け取るように構成される。いくつかの実施例において、コントローラは、無線接続を通して命令を受け取るように構成される。いくつかの実施例において、ハンドルは電源を含む。いくつかの実施例において、ハンドルは、外部電源への接続部を含む。いくつかの実施例において、ハンドルは、バッテリを含む。いくつかの実施例において、ハンドルは、無線で充電されるように構成された電力貯蔵要素を含む。
【0099】
いくつかの実施例において、体腔内で計画された経路に沿って操縦可能で追跡可能なカテーテルのフィードバック・ループ・ナビゲーション及びガイダンスのための方法が提供される。いくつかの実施例において、操縦可能で追跡可能な器具を、動いており、動的に変化する体腔(例えば気管支気道の構造)の内部で所望の位置まで正確にナビゲートするために、例示の実施例は、連続するフィードバック・ループでリアルタイムのガイダンスをユーザに提供する。そのような実施例では、拡張蛍光透視法などのリアルタイムの拡張撮像が、リアルタイムのナビゲーション・モダリティとして機能する。いくつかの実施例において、ライブ蛍光透視画像は、処置の拡張情報に対してナビゲートされている器具の位置に関する情報を提供する。いくつかの非制限的な実例では、そのような処置の拡張情報は、強調された標的領域、経路、分岐、隣接する気道及び/又は血管を含むことができ、これらのいずれもが、器具の位置決めのガイダンスを提供するのに使用することができる。いくつかの実施例において、そのようなガイダンスの使用を通して、プッシュ及びトルク法を使用して、及び任意選択で器具の遠位先端領域を操縦して、簡素な器具を患者の身体の外側から操作することができる。いくつかの実施例において、器具の操作は手動である。いくつかの実施例において、器具の操作は、電動式である(例えばロボットアームを使用する)。いくつかの実施例において、連続するフィードバック・ループは、手術前の撮像変調と手術時の撮像変調との間の記録において使用するための追加で重み付けされたデータとして拡張画像データを提供するシステムに正しい標的位置(例えば計算された位置ではなく実際の位置)を与えることを通して、標的の定位及び拡張画像上の視覚化の精度を高める。いくつかの実施例において、正しい標的位置は、C-アーム、コンピュータ断層撮影法(「CT」)又は円錐ビーム・コンピュータ断層撮影法(「CBCT」)などのX線デバイスから獲得された、或いは放射型気管支腔超音波(「rEBUS」)プローブによって取得された超音波画像データから再構成された断層撮影病変の再構成などの技術、これに限定されるものではないが、によって周期的に取得される。
【0100】
いくつかの実施例において、トルク(例えば器具の回転)は、単一面内での部分的に操縦可能な器具の先端の動作を可能にすること、又は全方向において操縦可能な器具の先端の動作を可能にすることによって、部分的に又は完全に回避することができる。いくつかの実施例において、単一面の操縦可能機構は、シース壁の内側で1本又は2本の引っ張りワイヤを使用することによって実現することができる。いくつかの実施例において、全方向操縦可能機構は、シース壁の内側で4本の引っ張りワイヤを使用することによって実現することができる。
【0101】
いくつかの実施例において、リアルタイム撮像モダリティに対するガイダンスは、国際特許出願公開第2015/101948号に記載される拡張オーバーレイのものなどの形態であり得る。
【0102】
いくつかの実施例において、器具を標的までナビゲートすることは、標的までの途中でいくつかの分岐を通ってナビゲートすることを必要とする。そのような分岐は、それぞれ独自の対応する三次元解剖学的構造を有する。図20は、代表的な分岐の解剖学的構造を示す。いくつかの実施例において、器具が内腔Aを通って分岐に接近するとき、内腔Bと内腔Cの投影の間の見かけの角度を最大にする、C-アームなどの撮像デバイスの最適な姿勢が存在する。いくつかの実施例において、例示の方法は、そのような最適な姿勢を算出し、器具をナビゲートするために最適な姿勢を使用する。
【0103】
図21は、そのような例の方法のフローチャートを示す。ステップ2110において、リアルタイムの撮像モダリティ(例えば手術時の画像)上にナビゲーション・ガイダンスが表示される。ステップ2120において、ナビゲーションの繰り返しが、対象の領域までの経路の所与の部分(例えば分岐)についてトリガーされる。ステップ2130において、関連する解剖学的構造の最適なビューを提供するために(例えば図20に示されるように内腔Bと内腔Cとの間の見かけの観察角度を最大にするために)撮像デバイスの最適な姿勢が計算される。ステップ2140において、撮像デバイス(例えば手術時の撮像モダリティ)は、ステップ2130で計算された最適な姿勢に基づいて調節される。ステップ2150において、撮像デバイスの調節の後に少なくとも1つの追加の画像が取得される。ステップ2160において、器具の先端の(例えば上記で考察したような操縦可能スリーブ1420の遠位端1608の)必要とされる角度変更の大きさが計算される。ステップ2170において、(例えば、上記で考察したような操縦可能スリーブ1420の遠位端1608の位置を調節するための引っ張りワイヤ1606の使用を通して)器具の先端の方向が調節される。ステップ2180において、器具を、経路のその後の部分に沿って摺動するように突き出す。ステップ2180の後に、方法は、ステップ2120に戻り、器具が対象の領域に到達するまで、必要に応じてその後の繰り返しがトリガーされる。
【0104】
いくつかの実施例において、器具(例えば気管支腔器具)を体腔内にナビゲートする方法は、(1)リアルタイムの撮像モダリティ上にガイダンスを表示するステップと、(2)経路の各部分について動的に、又は別々の方法のいずれかで、(a)関連する解剖学的構造(器具に近接する計画された経路又は血管の一部分など)の最適な視認性のために、必要であれば、撮像デバイスの姿勢の変更を推奨するステップと、(b)経路のその後の部分と位置合わせさせるために、器具の先端の屈曲角度の変更を推奨するステップと、(c)経路のその後の部分に沿って摺動するように器具を突き出すステップとを実行するステップとを含む。
【0105】
いくつかの実施例において、操縦機構の制御部分は円形である。図22A図22Fは、円形である制御部分の一実施例の要素及び動作を例示する。図22Aは、例示の制御部分2200を例示する。図22Bは、例示の制御部分2200の分解組立図を例示する。いくつかの実施例において、制御部分2200は、ハンドル側部2202、2204から形成されたハンドル2202を含む。いくつかの実施例において、制御部分2200は、ハンドル側部2202と2204との間に保持されたルアー接続部2208を含む。いくつかの実施例において、制御部分2200は、ハンドルの側部2202と2204との間に保持され、ハンドル側部2202、2204の内側のねじ山とねじ込み式に係合される押し/引っ張りさる環2210を含む。いくつかの実施例において、制御部分2200は、プロテクタ2212を含む。いくつかの実施例において、図22A及び図22Bに示されるように引っ張りワイヤ1606は、押し/引っ張りさる環2208に装着される。いくつかの実施例において、ユーザが制御部分2200のハンドル2202を回転させるとき、押し/引っ張りさる環2210は、押し/引っ張りさる環2210とハンドル2202のねじ込み係合により、ハンドル接続機構1610に沿って上方又は下方に移動させられ、それにより上記に記載したように引っ張りワイヤ1606を引っ張る、又は解放し、引っ張りワイヤ1606の遠位端を偏向させる、又はこれを解放する。いくつかの実施例において、押し/引っ張りさる環2210は、ハンドル接続機構1610内の突出部の内部に配置されたノッチによって固定され、それにより、ハンドル接続機構1610に沿って長手方向に移動することのみが許され、ハンドル接続機構1610に対して回転することは阻止される。いくつかの実施例において、ルアー接続部2208がシースの作業チャネルに結合されて、シースの作業チャネルに内視鏡治療用器具が導入されることを可能にする。いくつかの実施例において、ワイヤ・プロテクタ2212が可撓性の引っ張りワイヤを覆い、引っ張りワイヤが曲がることなく、押し込まれ、引っ張られることを可能にし、それにより引っ張りワイヤを疲労破壊するのを阻止する。図22Cは、押し/引っ張りさる環2210が、ハンドル接続機構1610に最も近いハンドル2202の一端に位置決めされ、その位置では引っ張りワイヤ1606は引っ張られず、シースはそれにより解放位置に位置決めされた状態でのハンドル2202の断面図を示す。図22Dは、押し/引っ張りさる環2210が、ハンドル接続機構1610から最も遠いハンドル2202の一端に位置決めされ(例えば、押し/引っ張りさる環2210を図22Cに示される位置からハンドル2202に沿って移動させるために、ハンドル2202が回転されている)、その位置では引っ張りワイヤ1606は、ハンドル2202に向かって引っ張られており、シースはそれによりアクティブ位置に位置決めされた状態でのハンドル2202の断面図を示す。一部のケースでは、器具は、最適な位置ではないが、対象の領域内に位置決めすることができる。例えば医師は、針をシースを通して押し込み、標的内部に達するために、器具の先端を正確に標的の中心に向けさせる(例えば最適な位置は、標的の中心に正確に向けられる)ことに関心を持つ場合がある。いくつかの実施例において、標的に関する器具の現在の3D位置は、蛍光透視法などのリアルタイムの撮像モダリティに基づいた方法を使用して推定することができる。いくつかの実施例において、位置推定の方法は、これに限定するものではないが国際特許出願公開第2017/153839号に記載されるような複数面からの立体映像推定を含むことができる。加えて、位置推定は、これに限定するものではないが国際特許出願公開第2020/035730号に記載されるような、CBCT又は限定された角度の断層撮影法などのコンピュータ断層撮影ベースの方法を含むことができ、この特許の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施例において、器具は、3Dの器具の位置を推定するための(例えば器具内に位置決めされた、器具の表面に位置決めされたなどの)放射線不透過性マーカーを含む。
【0106】
いくつかの実施例において、動的に繰り返す器具の位置合わせの方法は、(1)リアルタイムの撮像を使用して標的に対する器具の3D位置を推定するステップと、(2)標的に対する器具の推定された3D位置から、先端の必要な回転の量及び曲率の変化を算出するステップと、(3)器具の先端の回転及び方向を変更するステップと、(4)必要であれば、検証及び追加の繰り返し(例えばステップ(2)及び(3)の反復)のためにリアルタイムの撮像を使用して標的に対する器具の3D位置を推定するステップとを含む。
【0107】
いくつかの実施例において、実際の先端の位置及び方向を知ることに基づいて、ユーザに、必要な軌道からの逸脱をどのようにユーザへの1つ又は複数の命令に変換するかについての1つ又は複数の命令が与えられる。いくつかの実施例において、そのような命令は、これに限定するものではないが、(1)器具に加えられることを必要とする方向及び回転の量、(2)操縦可能な先端の角度の方向及び変更の大きさ、(3)器具の長手方向軸に沿った必要な移動の大きさ、及び/又は(4)器具の段階的な回転中に十分な回転が達成される定性指示を含むことができる。
【0108】
いくつかの実施例において、器具の先端の偏向角度を変える制御装置など、器具の制御装置の動作を簡素化するために、そのような制御装置は、位置の間で所定の間隔又はジャンプ(例えばクリック)を伴って別々の位置を有する。
【0109】
いくつかの実施例において、ワイヤなしでのナビゲーションを伴う用途の場合、シースのみが使用される。いくつかの実施例において、中央内腔が開放した状態のシースが、追加の気管支腔器具を同時に使用するのに有益である。例えば放射型気管支腔超音波(「rEBUS」)プローブは、再度ナビゲーションするためにそれを引っ張り出すことなく、体内のその位置を素早く検証するために、シースをナビゲートしながら、シースの内部に位置決めすることができる。
【0110】
当業者にはおそらく知られているように、中空シース又は伸張した作業チャネルなど操縦可能な事前に湾曲されたカテーテルを使用する場合、そのようなカテーテルの内部での器具の配置は、カテーテルの先端を強化し、それによりナビゲーション中に達成される先端の方向を変更し得る。操縦可能な可撓性カテーテルの使用を通して実践される例示の実施例は、必要に応じてカテーテルの屈曲角度を変更する能力を通して、このような欠陥を改善する。例えば、シースを標的に対して位置合わせしている間、針をそのようなシース内に維持することができる。結果として、針は、所望の位置合わせが達成された後、容易に抜き取ることができる。
【0111】
本発明のいくつかの実施例が記載されてきたが、これらの実施例は単なる例示であり、制限的ではないこと、また多くの改良が当業者には明らかになり得ることを理解されたい。さらに、種々のステップは、任意の所望の順序で実行されてよい(及び任意の所望のステップが追加されてよい、及び/又は任意の所望のステップが排除されてもよい)。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図17I
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図23
【国際調査報告】