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特表2022-544522調整可能な光バンドパスフィルタを使用して、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合わせる方法およびシステム
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  • 特表-調整可能な光バンドパスフィルタを使用して、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合わせる方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】調整可能な光バンドパスフィルタを使用して、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合わせる方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/353 20060101AFI20221012BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20221012BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20221012BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G01D5/353 C
G02B6/12 301
G02B6/125
G02F1/01 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508961
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 IB2020057443
(87)【国際公開番号】W WO2021028794
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】102019000014790
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】カモッツィ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】シェウチク,ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ファラッリ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ディ パスクヮーレ,ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ナンニピエリ,ティツィアーノ
【テーマコード(参考)】
2F103
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2F103BA10
2F103BA41
2F103BA43
2F103CA04
2F103CA06
2F103EB05
2F103EB06
2F103EB12
2F103EB16
2F103EC09
2F103EC16
2F103ED01
2F103ED27
2F103FA02
2H147AA02
2H147AB05
2H147AB16
2H147AC05
2H147BD03
2H147BE15
2H147CA12
2H147CA25
2H147DA12
2H147GA29
2K102AA28
2K102BA26
2K102BB02
2K102BC04
2K102BC10
2K102BD09
2K102CA18
2K102DA04
2K102DB02
2K102DC07
2K102DD03
2K102EA05
2K102EB02
2K102EB06
2K102EB08
2K102EB16
2K102EB20
2K102EB22
(57)【要約】
調整可能な光バンドパスフィルタを使用した、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサの問合せ方法およびシステム。ファイバブラッググレーティング型のFBGの少なくとも1つの光ファイバセンサを問い合わせるための方法が記載される。本方法は広帯域励起光放射OAでファイバブラッググレーティング型FBGの光ファイバセンサを照明するステップ、光ファイバセンサFBGによって送信OTまたは反射ORされた光スペクトルを、互いに相補的である第1の取出ポート1および第2の送信ポート2を有する少なくとも一つのチューナブル光バンドパスフィルタBPFに送り、FBGセンサのファイバブラッググレーティングの公称動作波長によって一定の動作波長で光バンドパスフィルタBPFをチューニングするステップ、光バンドパスフィルタの第1の取出ポート1から出るそれぞれの第1の光信号L1を検出するステップ、第1の光電子受信機PD1によって、前記第1の光信号L1を、FBG光ファイバセンサのブラッググレーティングによって反射または透過されるスペクトルの、公称動作波長に対する波長シフトΔλを代表するそれぞれの第1の電気信号E1に変換するステップを実行する。この方法は、光バンドパスフィルタBPFの第2の送信ポート2から出る、第1の光信号L1にスペクトル的に相補的な第2の光信号L2を検出するステップ、この第2の光信号L2を、第2の光電子受信機PDTによって、光基準パワーを代表するそれぞれの第2の電気信号E2に変換するステップであって、フィルタリング波長に実質的に依存せず、広帯域励起光放射のパワー、および全体の光路の損失に対して、それぞれの第1の電気信号E1によって受ける依存性と等しい依存性を有している、変換するステップを含む。この方法は、光ファイバセンサFBGによって反射または伝送されるスペクトルの、公称動作波長に対する波長シフトΔλを、第1の電気信号の検出が光放射パワーの変動および光路上の損失の変動に関して補償されるように、検出された第1の電気信号および第2の電気信号に基づいて、決定することを含む。ファイバブラッググレーティング型のFBGの少なくとも1つの光ファイバセンサを問合せるための対応するシステムも記載されており、前述の光バンドパスフィルタBPFと前述の第1及び第2の光電子受信機PD1,PDTは、フォトニック集積回路(「フォトニック集積回路」-PIC)に集積されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサに問い合わせるための方法であって、
広帯域励起光放射(OA)で前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の前記少なくとも1つの光ファイバセンサを照明するステップと、
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバによって送信(OT)された光スペクトル又は反射(OR)された光スペクトルを、互いに相補的である第1の取出ポート(1)および第2の送信ポート(2)を有する少なくとも1つの調整可能光バンドパスフィルタ(BPF)に送るステップと
前記光ファイバセンサ(FBG)の前記ファイバブラッググレーティングの公称動作波長に応じて、一定の動作波長(λi)で前記光バンドパスフィルタ(BPF)を調整するステップと、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)の第1の取出ポート(1)から出る少なくとも1つの第1の光信号(LI)を検出するステップであって、前記第1の光信号(LI)は、前記光フィルタ(BPF)の前記一定の動作波長(λi)周辺の前記光ファイバセンサ(FBG)の前記ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルまたは反射スペクトル(OT、OR)の狭帯域光フィルタリングであるステップと 、
第1の光電子受信機(PD1)により、前記第1の光信号(LI)を、前記光ファイバセンサ(FBG)のブラッググレーティングによって反射されたスペクトルまたは透過されたスペクトル(OT、OR)の前記公称動作波長(λi)に対する波長シフト(Δλ)を表す第1の電気信号(E1)へ変換するステップと、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)の前記第2の送信ポート(2)から出る第2の光信号(L2)を検出するステップであって、前記第2の光信号(L2)は前記第1の光信号(LI)に対してスペクトル的に相補的である、ステップと、
第2の光電子受信機(PDT)により、前記第2の光信号(L2)を第2の電気信号(E2)に変換するステップであって、前記第2の電気信号(E2)は基準光パワーを表し、前記基準光パワーは、フィルタリング波長に実質的に依存せず、広帯域励起光放射のパワーおよび光路全体の損失に対する依存性を有し、前記依存性は前記第1の光信号によって受ける依存性に等しい、ステップと、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)の前記第1の取出ポート(1)から出る光信号(LI)に由来する、検出された第1の電気信号(E1)に基づいて、また、前記光バンドパスフィルタ(BPF)の前記第2の送信ポート(2)から出力される前記第2の光信号(L2)に由来する、検出された基準光パワーを表す第2の電気信号(E2)に基づいて、前記光ファイバセンサ(FBG)の前記ブラッググレーティングによって反射されたスペクトルまたは透過したスペクトル(OR、OT)の、公称動作波長(λi)に対する波長シフト(Δλ)を決定するステップであって、前記第1の電気信号の検出が、広帯域励起光放射のパワーの変動および光路損失の変動に関して補償されるステップとを含み、
前記ブラッググレーティングによって反射されたスペクトルまたは前記ブラッググレーティングを透過したスペクトル(OR、OT)の前記決定された波長シフト(Δλ)は、前記光ファイバセンサ(FBG)によって測定された物理的大きさを表し、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)と前記第1の光電子受信機(PD1)と前記第2の光電子受信機(PDT)が、フォトニック集積回路(PIC)に集積されている、方法。
【請求項2】
前記波長可変光バンドパスフィルタ(BPF)が、前記第1取出ポート(1)及び前記第2送信ポート(2)とは異なる第3の入力ポート(3)を備え、
前記送るステップが、前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の前記少なくとも一つの光ファイバセンサによって送信された(OT)又は反射された(OR)光スペクトルを前記波長可変光バンドパスフィルタ(BPF)の前記第3入力ポートに送る、請求項1の方法。
【請求項3】
前記光バンドパスフィルタ(BPF)は、光マイクロリング共振器フィルタである、請求項1または2の方法。
【請求項4】
前記調整するステップは、前記光ファイバセンサ(FBG)の前記ファイバブラッググレーティングの前記公称反射又は透過スペクトルの線形領域又はほぼ線形な領域に位置する一定の動作波長で前記光バンドパスフィルタ(BPF)を調整することを含み、
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の前記光ファイバセンサの反射スペクトル又は透過スペクトルの波長のシフト又は変動が、前記第1の光信号(LI)のパワー又は強度の線形又はほぼ線形な変動に相当する、請求項1から3のいずれかの方法。
【請求項5】
カスケード接続された前記ファイバブラッググレーティング型の複数の光ファイバセンサ(FBG1-FBGn)に問い合わせるように構成されており、
前記複数の光ファイバセンサはそれぞれの公称動作波長(λ1-λn)によって特徴付けられる方法であって、
前記送るステップは、前記光ファイバセンサ(FBG)のカスケード接続された前記光ファイバセンサから全透過光スペクトル(OT)または全反射光スペクトル(OR)を、カスケード接続された調整可能な光バンドパスフィルタ(BPF1~BPFn)に送ることを含み、
前記調整するステップは、前記光バンドパスフィルタ(BPF1-BPFn)のそれぞれを、前記ファイバブラッググレーチング型の光ファイバセンサ(FBG1-FBGn)の前記交渉動作波長の一つにそれぞれ対応するそれぞれの波長(λ1-λn)付近に調整することを含み、
前記第1の光信号を検出するステップは、前記光バンドパスフィルタ(BPF1~BPFn)のそれぞれの第1の取出ポートから出る複数の第1の光信号(L11~L1n)を、一定に保たれたそれぞれの動作波長で、それぞれ検出することを含み、
前記変換するステップは、複数の第1フォトダイオード(PD1~PDn)により、前記複数の第1光信号(L11~L1n)を複数の第1電気信号(E11~E1n)にそれぞれ変換することを含み、
第2の光信号(L2)を検出するステップは、第2の光電子受信機(PDT)によって、カスケード接続された光バンドパスフィルタの最後の光バンドパスフィルタ(BPFn)の第2の送信ポートから出る光信号を検出し、前記第2の光信号(L2)をそれぞれの第2の電気信号(E2)に変換することを含み、
- 前記決定するステップは、検出された複数の第1の電気信号(E11~E1n)および検出された第2の電気信号(E2)に基づいて、前記ファイバブラッググレーティング型(FBG1~FBGn)の光ファイバセンサのそれぞれによって反射または透過したスペクトルのそれぞれの、公称動作波長に対する波長シフト(Δλi)を求めることを含む、請求項1から4のいずれかの方法。
【請求項6】
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の1つの光ファイバセンサのみを広い波長範囲で問い合わせるように構成されており、
前記送るステップは、前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサによって、透過(OT)または反射(OR)した光スペクトルを、カスケード接続された調整可能な光バンドパスフィルタ(BPF1~BPFn)に送ることを含み、
前記調整するステップは、前記光バンドパスフィルタ(BPF1~BPFn)のそれぞれを、前記センサによって透過または反射される前記光スペクトルの広い波長範囲に属する、一定に保たれるそれぞれの動作波長(λ1~λn)で調整することを含み、
前記少なくとも1つの第1光信号を検出するステップは、前記光バンドパスフィルタ(BPF1~BPFn)の各々の前記第1取出ポートから出る複数の第1光信号(L11~L1n)を検出することを含み、
前記少なくとも第1の光信号を変換するステップは、複数の第1のフォトダイオード(PD1~PDn)により、前記複数の第1の光信号(L11~L1n)をそれぞれ複数の第1の電気信号(E11~E1n)に変換することを含み、
前記第2の光信号を検出するステップ(L2)は、カスケード接続された光バンドパスフィルタの最後の光バンドパスフィルタ(BPFn)の第2の送信ポートから出る光信号を検出することを含み、
前記第2の光信号(L2)を変換するステップは、第2の光電子受信機(PD2)により、前記第2の光信号をそれぞれの第2の電気信号(E2)に変換することを含み、
- 前記決定するステップは、検出された複数の第1の電気信号(E11~E1n)、および検出された第2の電気信号(E2)に基づいて、前記広帯域波長範囲内で、前記FBGセンサの反射波長または透過波長のピークを決定することを含む、請求項1~4のいずれかの方法。
【請求項7】
前記搬送ステップの前に、光スプリッタ(D)によって、全光パワーを分割し、その一部を第3の光電子受信機(PDD)に送り、さらなる補償をサポートするように適合された第3の電気信号(E3)を得るステップをさらに備える、請求項1から6のいずれかの方法。
【請求項8】
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサに問い合わせるためのシステム(10)であって、
前記システム(10)は、
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサと、
広帯域励起光放射(OA)で前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサを照明するように構成された、広帯域光放射源(S)と、
互いに相補的である第1の取出ポート(1)および第2の送信ポート(2)を有し、前記第1の取出ポート(1)および前記第2の送信ポート(2)とは異なる入力ポート(3)をさらに有し、前記センサによって送信(OT)または反射(OR)された光スペクトルを受信するために、前記ファイバブラッググレーティング(FBG)型の前記少なくとも一つの光ファイバのセンサに動作的に接続されている少なくとも一つの調整可能な光バンドパスフィルタ(BPF)とを含み、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)が、前記光ファイバセンサ(FBG)のファイバブラッググレーティングの公称動作波長に応じて、一定の動作波長(λi)で、波長範囲を調整可能で、
前記システム(10)はまた、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)の前記第1の取出ポート(1)に動作的に接続されて、それぞれの第1の光信号(LI)を受信し、前記第1の光信号(LI)をそれぞれの第1の電気信号(E1)に変換するように構成された第1の光電子受信器(PD1)であって、前記第1の光信号(LI)が、前記光学フィルタの一定の動作波長における前記光ファイバセンサ(FBG)の前記ファイバブラッググレーチングの透過(OT)または反射(OR)スペクトルの狭帯域光フィルタリングである、光電子受信器(PD1)と、
第2の光信号(L2)を受信するために光バンドパスフィルタ(BPF)の前記第2の送信ポート(2)に動作可能に接続され、フィルタリング波長に実質的に依存せず、広帯域励起光放射のパワーおよび光路全体の損失に対する依存性が、第1の光信号によって受ける依存性に等しい基準電力値を得るように、前記第2の光信号(L2)をそれぞれの第2の電気信号(E2)に変換するように構成された、第2の光電子(PDT)レシーバと、
前記第1の光電子受信機(PD1)および前記第2の光電子受信機(PDT)に動作可能に接続され、前記第1の光信号(L1)に由来する、検出された第1の電気信号(E1)に基づいて、また、前記第2の光信号に由来し、検出された基準光パワーを表す前記第2の電気信号(E2)に基づいて、前記光ファイバセンサ(FBG)の前記ブラッググレーティングによって反射(OR)または透過(OT)されるスペクトルの、公称動作波長に対する波長シフト(Δλ)を決定するように構成されている電子処理手段(4)であって、前記第1の電気信号の検出が、広帯域励起光放射パワーの変動および光路損失の変動に関して補償される、電子処理手段(4)を含み、
決定された前記ブラッググレーティングによって反射または透過されたスペクトルの前記波長シフト(Δλ)が、前記光ファイバセンサ(FBG)によって測定された物理的な大きさを表し、
前記光バンドパスフィルタ(BPF)と前記第1の光電子受信機(PD1)と前記第2の光電子受信機(PDT)が、フォトニック集積回路(PIC)に集積されている、ことを特徴とする、システム(10)。
【請求項9】
前記光バンドパスフィルタ(BPF)は、光マイクロリング共振器フィルタである請求項8のシステム(10)。
【請求項10】
前記光マイクロリング共振器フィルタが、1つの光リングからなるシングルリングタイプである、請求項9のシステム(10)。
【請求項11】
前記光学マイクロリング共振器フィルタが、2つの光学リングからなるダブルリングタイプである、請求項9のシステム(10)。
【請求項12】
前記広帯域光放射源(S)は、前記フォトニック集積回路(PIC)に集積されている、請求項8~11のいずれかのシステム(10)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光ファイバセンサは、線形形状の反射スペクトルを有するファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサである、請求項8~12のいずれかのシステム(10)。
【請求項14】
それぞれが公称動作波長(λ1-λn)により特徴付けられる、カスケード接続されたファイバブラッググレーチング型(FBG1-FBGn)の複数の光ファイバセンサと、
カスケード接続された複数の波長可変光バンドパスフィルタ(BPF1-BPFn)であって、それぞれが、前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサの公称動作波長のそれぞれの1つに対応するそれぞれの波長(λ1-λn)付近に調整可能である、複数の波長可変光バンドパスフィルタ(BPF2)と、
複数の第1の光信号(L11~L1n)を受信し、前記複数の第1の光信号(L11~L1n)をそれぞれの複数の第1の電気信号(E11~E1n)に変換するように構成された、複数の第1の光電子(PD1~PDn)受信器と、
カスケード接続された前記光バンドパスフィルタの最後の光バンドパスフィルタ(BPFn)の第2の送信ポート(2)に動作的に接続され、前記第2の光信号(L2)を受信して第2の電気信号(E2)に変換する第2の光電子受信器(PDT)とを備え、
前記電子処理手段(4)は、検出された複数の第1の電気信号(E11~E1n)、および第2の電気信号(E2)に基づいて、ファイバブラッググレーティング型(FBG1~FBGn)の光ファイバセンサのそれぞれによって反射または透過されたスペクトルのそれぞれの、公称動作波長に対する波長シフト(Δλ)を決定するように構成されている、請求項8~12のいずれかのシステム(10)。
【請求項15】
広帯域の波長で動作し問い合わせが可能なファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサと、
カスケード接続された複数の波長可変光バンドパスフィルタ(BPF1-BPFn)であって、それぞれが、前記センサによって透過または反射される前記光スペクトルの広い波長範囲に属する、一定のままであるそれぞれの動作波長(λ1-λn)において調整可能である、複数の波長可変光バンドパスフィルタ(BPF2)と、
複数の第1の光信号(L11~L1n)をそれぞれの複数の第1の電気信号(E11~E1n)に変換するように構成された複数の第1の光電子受信機(PD1~PDn)と、
第2の光電子受信機(PDT)であって、カスケード接続された光バンドパスフィルタの最後の光バンドパスフィルタ(BPFn)の第2の送信ポート(2)に動作可能に接続され、第2の光信号(L2)を受信し、それをそれぞれの第2の電気信号(E2)に変換する、第2の光電子受信機(PDT)とを含み、
前記電子処理手段(4)は、検出された複数の第1の電気信号(E11~E1n)、および検出された第2の電気信号(E2)に基づいて、前記広い波長範囲における、前記FBGセンサの反射波長または透過波長のピークを決定するように構成された、請求項12又は13のいずれかのシステム(10)。
【請求項16】
前記波長可変光フィルタ(BPF)の上流に配置された光帯域分割器(D)と、第3の光電子受信器(PDD)とをさらに備え、
前記光帯域分割器(D)は、全光パワーを分割してその一部を前記第3の光電子受信器(PDD)に送るように構成され、
前記第3の光電子受信器(PDD)は、さらなる補償をサポートするために適合した第3の電気信号(E3)を得るために構成された、請求項8から15のいずれかのシステム(10)。
【請求項17】
前記第1の光電子受信機(PD1)および/または前記第2の光電子受信機(PDT)および/または前記第3の光電子受信機(PDD)の各々は、考慮される波長での光信号を検出し電気信号に変換するように構成された少なくとも一つのそれぞれの半導体フォトダイオードを備える、請求項8から16のいずれかのシステム(10)。
【請求項18】
前記広帯域光放射源(S)に接続された第1のポートと、ファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサを含む光ファイバ(F)に接続された第2のポートと、少なくとも1つの光バンドパスフィルタ(BPF)に接続された第3のポートとを有する光サーキュレータ(5)をさらに備え、
前記光サーキュレータ(5)は、前記第1のポートから受信した広帯域光放射(OA)を、前記第2のポートを介して、前記光ファイバセンサ(FBG)を含む光ファイバ(F)に送信するように構成され、さらに、第2のポートから受信した、ファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサによって反射されたスペクトルを、第3のポートを介して、少なくとも一つの光バンドパスフィルタ(BPF)へ送信するように構成されている、請求項8から17のいずれかのシステム(10)。
【請求項19】
前記光サーキュレータ(5)は、前記フォトニック集積回路(PIC)に統合されている、請求項18のシステム(10)。
【請求項20】
カスケード接続されたファイバブラッググレーティング型(FBG1-FBGn)の複数の光ファイバセンサであって、それぞれがそれぞれの公称動作波長(λ1-λn)により特徴付けられる、複数の光ファイバセンサと、
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG1-FBGn)の複数の光ファイバセンサによって送信または反射されたスペクトルを分波し、それぞれのi番目の出力ポートに異なる波長(λi)の光信号を提供するように構成された粗WDM波長分割デマルチプレクサと、
それぞれが前記粗WDM波長分割デマルチプレクサの出力に接続され、それぞれの波長(λi)でそれぞれの光信号を受信し、それぞれが前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサの公称動作波長のそれぞれの1つに対応する前記それぞれの波長(λi)付近に調整可能な複数の調整可能光バンドパスフィルタ(BPF1-BPFn)と、
複数の第1の光信号(L11~L1n)を受信し、前記複数の第1の光信号(L11~L1n)をそれぞれの複数の第1の電気信号(E11~E1n)に変換するように構成された、複数の第1の光電子(PD1~PDn)受信器と、
前記粗WDM波長分割多重化装置のそれぞれのi番目の出力に接続されたそれぞれのi番目の光バンドパスフィルタ(BPFi)の第2の送信ポート(2)にそれぞれ動作的に接続され、それぞれの第2の光信号(L2)を受信してそれぞれの第2の電気信号(E2)に変換する複数の第2の光電子受信器(PDT)とを備え、
前記電子処理手段(4)は、検出された複数の第1の電気信号(E11~E1n)および第2の電気信号(E2)に基づいて、前記ファイバブラッググレーティング型(FBG1~FBGn)の光ファイバセンサのそれぞれによって反射または透過されたスペクトルのそれぞれの、公称動作波長に対する波長シフト(Δλ)を決定するように構成された、請求項8から12のいずれかのシステム(10)。
【請求項21】
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサの各々は、センサがある位置に作用する汚れを検出するように構成されている、請求項8から20のいずれかのシステム(10)。
【請求項22】
前記ファイバブラッググレーティング型(FBG)の光ファイバセンサが、ブレーキパッド内で動作するように構成されているか、ブレーキキャリパに組み込まれているか、ブレーキキャリパと結合されているか、ブレーキキャリパ支持体とブレーキキャリパとの間に配置されるように適合されたワッシャ装置に組み込まれており、ファイバブラッググレーティング型(FBG)の少なくとも1つの光ファイバセンサによって検出された少なくとも1つの歪みがブレーキキャリパに働く締付力および/または制動トルクを代表している、請求項21のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを使用することによって物理パラメータを測定する方法およびシステムに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、調整可能な光バンドパスフィルタを使用して、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合わせるための方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
ファイバブラッググレーティング型光ファイバセンサ(FBGセンサ)は、簡便かつ高精度という特性から、歪みや温度などの物理量を測定するために頻繁に使用されるようになってきている。このようなセンサは受動的であり、目的の物理量を測定するためには、光放射によって照らされ、それによって反射または透過したスペクトルを分析する必要がある。
【0004】
実際、検出された物理的大きさの変動は、スペクトル及び/又はFBGセンサの反射ピーク波長のシフトを引き起こすので、最も一般的な既知の解決策では、結果を判定するために、ある範囲の波長を走査することが必要である。
【0005】
典型的には、既知の解決策において、これは、波長可変である光源(例えば、波長可変レーザ)による照明と、広帯域受信、すなわち電気的または光学的に可変な受信機(例えば、Arrayed WaveGuide Grating、AWGまたはスペクトロメータ)による広帯域の照明及び受信、の二つの代替方法で行うことが可能である。
【0006】
言い換えれば、送信側または受信側のいずれかは、調整装置でなければならない。調整装置は、FBGセンサの各照会/問い合わせに対して、ある範囲に属する複数の動作波長上で順次光学的または電気的に同調することによって、波長上で走査を実行しなければならない。
【0007】
そのために重要な欠点を生じる。この欠点は、要求される装置の複雑さ(例えば、送信時に調整可能なレーザや受信時の分光器)と、波長範囲の順次調整の時間枠(これも大きくなり得る)による応答の遅さやダイナミクスの制限という問題の両方に関連する。
【0008】
受信側での1つの可能な進化は、調整可能な光学フィルタ(例えば、複数の形態では、各単一フィルタに対して1つまたは2つのリングを有するマイクロリング共振器フィルタ)の使用に由来する。しかしながら、そのようなシステムの動作は、FBGセンサのスペクトルのピークを特定するために、中心波長の周りで、FBGセンサのスペクトルの、定期的に実施される連続スキャンによって、調整可能な光学フィルタを調整することを含むので、そのようなソリューションは、比較的遅いダイナミクスに悩まされてもいる。したがって、このようなデバイスの動的性能は、比較的遅いマイクロリングの共振波長の走査速度に依存する。
【0009】
この解決策(他の先に述べた既知の解決策と同様)に現れる別の問題は、レーザ発光パワー変動および光ビームによってカバーされる光路のスプリアス可変損失によるスプリアスパワーの変動の影響に由来するものである。
【0010】
上記に照らして、集積光学系で得られる、前述の技術的問題を緩和することができ、以下の基準を満たす、FBGセンサを問い合わせるためのシステムおよび方法に対する必要性が強く感じられる。その基準は、(i)コンパクトでシンプルな構造およびコンパクトでシンプルな使用、(ii)迅速に応答する、動的性能の向上、(iii)光照明電力のスプリアス損失および/または変動に対するより高い耐性、(iv)低コスト、(v)過酷な環境に対する堅牢性、などである。
【0011】
このようなニーズは、ブレーキシステムのパッドとキャリパーで実施される測定の重要な応用分野を含む、幅広い応用分野で使用されるFBGセンサの問い合わせ方法に対して感じられる。
【0012】
既に述べたように、上記のニーズは、先行技術によって現在提供されている解決策では完全に満たされない。
【0013】
本発明の目的は、調整可能な光バンドパスフィルタを使用する、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサの問い合わせ方法を提供することであり、これにより、先行技術を参照して説明した上記の欠点を少なくとも部分的に解消し、当該技術分野で特に感じられる上記のニーズに対応することができるようになる。
【発明の概要】
【0014】
これら及び他の目的は、請求項1による調整可能な光バンドパスフィルタを使用する、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサの問診方法によって達成される。
【0015】
このような方法のいくつかの有利な実施形態は、従属請求項2から7の主題である。
【0016】
本発明の目的はまた、調整可能な光学バンドパスフィルタを使用して、ファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問診するための、対応するシステムを提供することである。
【0017】
この目的は、請求項8によるシステムによって達成される。
【0018】
このようなシステムのいくつかの有利な実施形態は、従属請求項9から22の主題である。
【0019】
本発明による方法およびシステムのさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な説明として提供される、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、機能ブロック図によって、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムの実施形態を示す。
図2図2は、機能ブロック図によって、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムの実施形態を示す。
図3図3は、機能ブロック図によって、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムの実施形態を示す。
図4図4は、機能ブロック図によって、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムの実施形態を示す。
図5図5は、機能ブロック図によって、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムの実施形態を示す。
図6図6は、本発明によるシステムの一実施形態に含まれる光バンドパスフィルタの機能図であり、さらに、光フィルタに入り、光フィルタの第1の取出ポートから出て、光フィルタの第2の送信ポートから出る光スペクトルの一例を示す図である。
図7図7は、システムの一実施形態に構成される、光マイクロリング共振器バンドパスフィルタの構造図である。
図8A図8Aは、広帯域光信号が入力に注入されたときに、光フィルタの第1の取出ポートおよび第2の送信ポートからそれぞれ出るスペクトルを示す図である。
図8B図8Bは、広帯域光信号が入力に注入されたときに、光フィルタの第1の取出ポートおよび第2の送信ポートからそれぞれ出るスペクトルを示す図である。
図9図9は、光ファイバセンサFBGの反射スペクトルと、図7および図8の光バンドパスフィルタによる狭帯域サンプリングの一例を示す図である。
図10図10は、光ファイバセンサFBGで反射された光スペクトルを入力に入射したときの、光フィルタの第1の取出ポートおよび第2の透過口からのスペクトルをそれぞれ示す図である。
図11図11は、光ファイバセンサFBGで反射された光スペクトルを入力に入射したときの、光フィルタの第1の取出ポートおよび第2の透過口からのスペクトルをそれぞれ示す図である。
図12図12は、図10及び図11のスペクトルの詳細を拡大して示す図であり、図12は、図10及び図11のスペクトルを拡大して示す図である。
図13図13は、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムのさらに2つのそれぞれの実施形態を、機能ブロック図によって示す。
図14図14は、本発明によるファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサを問い合せるためのシステムのさらに2つのそれぞれの実施形態を、機能ブロック図によって示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、ファイバブラッググレーティング型FBGの少なくとも1つの光ファイバセンサ(以下、簡潔にするために「FBGセンサ」とも呼ばれる)を問い合わせるための方法を、図1から図14を参照して説明する。
【0022】
この方法は、まず、広帯域励起光放射OAでファイバブラッググレーティング型FBGの前記少なくとも1つの光ファイバセンサを照明するステップと、ファイバブラッググレーティング型FBGの少なくとも1つの光ファイバセンサによって透過した光スペクトルOT又は反射した光スペクトルORを、互いに相補である第1の取出ポート1及び第2の送信ポート2を有する少なくとも1つの調整可能光バンドパスフィルタBPFに送るステップを含む。
【0023】
この方法はまた、光ファイバセンサFBGのファイバブラッググレーティングの公称動作波長に応じて、一定の動作波長λiで光バンドパスフィルタBPFをチューニングすることを含む。
【0024】
次に、本方法は、光バンドパスフィルタの第1の取出ポート1を出るそれぞれの第1の光信号L1を検出するステップを含む。このような第1の光信号は、光バンドパスフィルタBPFの一定の動作波長λiの付近の光ファイバセンサFBGのファイバブラッググレーティングの透過スペクトルOTまたは反射スペクトルORの狭帯域光フィルタリングである。
【0025】
次に、本方法は、第1の光電子受信機PD1によって、前述の第1の光信号L1を、光ファイバセンサFBGのブラッググレーティングによって反射または透過されたスペクトルを、公称動作波長に対する波長シフトΔλを代表するそれぞれの第1の電気信号E1に変換することを提供する。
【0026】
異なる実施形態において、この第1の電気信号E1は、電流または電圧である。
【0027】
好ましい実施形態では、第1の電気信号E1は、第1の光電子受信機PD1に入射する光パワーに比例する、電気電圧を代表する(またはそれに対応する)ものであり、したがって、光ファイバセンサFBGによって反射または伝送されるスペクトルの前述の波長シフトΔλに関連する(例えば、比例する)。
【0028】
次に、この方法は、光バンドパスフィルタBPFの第2送信ポート2から出る、第1光信号L1とスペクトル的に相補的な第2光信号L2を検出するステップ、および第2の光電子受信機PDTによって、そのような第2の光信号L2を、光基準パワーを代表するそれぞれの第2の電気信号E2に変換するステップを含む。第2の電気信号は、フィルタリング波長に実質的に依存せず、広帯域励起光放射のパワー、および光路全体の損失に対して、第1の光信号によって受ける依存性と等しい依存性を有する。
【0029】
異なる実施形態において、そのような第2の電気信号E2は、電流または電圧である。
【0030】
好ましい実施形態では、第2の電気信号E2は、第2の光電子受信機PDTに入射する光パワーに比例する電圧を代表する(またはそれに対応する。
【0031】
最後に、本方法は、光バンドパスフィルタBPFの第1の取出ポート1を出る光信号L1に由来する、検出された第1の電気信号E1に基づいて、また、光バンドパスフィルタBPFの第2送信ポート2から出力される第2光信号L2に由来する、検出された基準光パワーを代表する第2電気信号E2に基づいて、光ファイバセンサFBGのブラッググレーティングによって反射または透過されるスペクトルの、公称動作波長に関する波長シフトΔλを決定することを提供する。これにより、第1電気信号の検出が、広帯域励起光放射のパワー変動および光路上の損失変動に関して補償される。
【0032】
決定されたブラッググレーティングによって反射ORまたは透過OTされたスペクトルの前記波長シフトΔλは、光ファイバセンサFBGによって測定される物理的な大きさを代表するものである。
【0033】
前記光バンドパスフィルタBPFと前記第1光電子受信機PD1及び第2光電子受信機PDTは、フォトニック集積回路(Photonic Integrated Circuit)-PICに集積されている。
【0034】
典型的な動作条件では、光バンドパスフィルタBPFは、FBGセンサの送信または反射スペクトルの帯域よりも狭い帯域幅(典型的にははるかに狭い)を有するように設計されており、すなわち、同様に、FBGセンサは、光バンドパスフィルタの帯域よりもはるかに大きいものが選択される(図9から12に示されるように)。この特徴により、フィルタの第2の送信ポートによって検出される総光パワーは、FBGセンサによって測定される物理的大きさの検出範囲において実質的に一定に保たれる。
【0035】
光バンドパスフィルタBPFの調整は、FBGセンサのスペクトルに関して光フィルタの共振を好都合に位置づける目的で、初期設定中に行われる(例えば、以下によく開示するFBGセンサの応答のほぼ線形領域に限らない)。
【0036】
調整後、光学バンドパスフィルタBPFは、チューニングされた波長を一定に保って動作し、FBGセンサによって反射または透過された光学スペクトルを、決定された波長λiでフィルタリングする。測定したい物理現象による、ピークの波長およびFBGセンサで反射または透過した光スペクトル全体の変動、すなわちシフトΔλは、光バンドパスフィルタでフィルタリングされた光スペクトルの一部に結果として変動を生じさせ、最終的に光バンドパスフィルタの出力における光パワー変動を決定し、FBGセンサのスペクトルの波長シフト/変動と既知の方法で相関を有する。
【0037】
本方法の一実施形態によれば、調整可能な光バンドパスフィルタBPFは、前述の第1取出ポート1及び第2送信ポート2とは異なる第3入力ポート3を有する。この場合、送るステップは、ファイバブラッググレーティング型FBGの少なくとも1つの光ファイバセンサによって送信OTまたは反射ORされた光スペクトルを、波長可変光バンドパスフィルタBPFの前記第3入力ポート3に送ることを含む。
【0038】
一実施形態によれば、本方法は、光バンドパスフィルタとして、本発明によるシステムの以下の説明でさらに詳細に開示される光マイクロリング共振器フィルタ(すなわち「マイクロリング共振器MRR」)を使用する。
【0039】
以下に図示する実施形態によれば、光学マイクロリング共振器フィルタは、シングルリングタイプであり、1つの光学リング8を有する。
【0040】
別の実施形態によれば、光学マイクロリング共振器フィルタは、ダブルリングタイプであり、2つの光学リングを有する(例えば、科学論文「Low-Power-Consumption Integrated Tunable Filters for WDM Switching Applications in Silicon Photonics」-Manganellira-IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 30, No.18, September 15, 2018に示されている)。
【0041】
一実施形態によれば、本方法は、第1の光電子受信機PD1及び第2の光電子受信機PDTとして、本発明によるシステムの以下の説明でさらに詳細に示す、第1及び第2のフォトダイオードをそれぞれ使用する。
【0042】
好ましい実施形態によれば、前記調整ステップは、光ファイバセンサFBGのファイバブラッググレーティングの公称反射または透過スペクトルの線形またはほぼ線形領域上に位置する一定の動作波長λiで、ファイバブラッググレーティング型FBGのこのような光ファイバセンサの反射または透過スペクトルの波長ΔLのシフトまたは変動が第1の光信号のパワーまたは強度の線形またはほぼ線形変動に対応するような形で、光バンドパスフィルタBPFを調整することを含む。この状況は、図9から図12に示されている。
【0043】
実施形態によれば、本方法は、線形形状を有する反射スペクトル、例えばチャープされたファイバブラッググレーティングを有するファイバブラッググレーティング型の少なくとも1つの光ファイバセンサに質問することを含む。
【0044】
図1に示す実施態様によれば、本方法は、FBGセンサの反射スペクトルORで動作する、ファイバブラッググレーティング型のFBGの1つの光ファイバセンサのみを問い合わせることを含む。
【0045】
図2に示す別の実施形態によれば、本方法は、FBGセンサの送信スペクトルOT上で動作する、ファイバブラッググレーティング型のFBGの1つの光ファイバセンサのみを問い合わせることを提供する。
【0046】
さらなる実施形態(図3に示す)によれば、本方法は、それぞれがそれぞれの公称動作波長λ1-λnによって特徴付けられる、カスケード内のファイバブラッググレーティング型FBG1-FBGnの複数の光ファイバセンサに問い合わせることを含む。
【0047】
この場合、送るステップは、ファイバブラッググレーティングFBG1-FBGn型の光ファイバセンサのカスケードによって透過OTまたは反射ORされた全光スペクトルを、チューナブル光バンドパスフィルタBPF1-BPFnのカスケードに伝送することを含み、調整ステップは、ファイバブラッググレーティング型FBG1-FBGnの光ファイバセンサのそれぞれの公称動作波の1つに対応するそれぞれの波長λ1-λn付近で光バンドパスフィルタBPF1-BPFnのそれぞれを調整することを含む。
【0048】
少なくとも1つの第1光信号L1を検出するステップは、光バンドパスフィルタBPF1~BPFnのそれぞれの第1の出口から出る複数の第1光信号L11~L1nを、一定に保たれたそれぞれの動作波長λ1~λnでそれぞれ検出することを含み、変換ステップは、複数の第1光電子受光素子PD1~PDn(例えば、第1フォトダイオードで構成)により、複数の第1光信号L11~L1nをそれぞれの複数の第1電気信号E11~E1nにそれぞれ変換することを含む。
【0049】
第2の光信号L2を検出するステップは、光バンドパスフィルタのカスケードの最後の光バンドパスフィルタ(BPFn)の第2の送信ポート2から出る光信号を検出することを含み、変換するステップは、第2の光電子受信器PDTによって、前記第2の光信号L2をそれぞれの第2の電気信号E2に変換することを含む。
【0050】
決定ステップは、検出された複数の第1の電気信号E11~E1nと、検出された第2の電気信号E2とに基づいて、ファイバブラッググレーティング型FBG1~FBGnの光ファイバセンサのそれぞれによる反射ORまたは透過OTのそれぞれのスペクトルの、公称動作波長に対する波長シフトΔλiを決定することから構成されている。
【0051】
別の実施形態(図4に示す)によれば、この方法は、ファイバブラッググレーティング型FBGの1つの光ファイバセンサのみを広い範囲の波長で問い合せることを含む。
【0052】
この場合、伝送ステップは、ファイバブラッググレーティング型FBGの光ファイバセンサによって透過OTまたは反射ORされた光スペクトルを、調整可能な光バンドパスフィルタBPF1~BPFnのカスケードに搬送することを含み、調整ステップは、FBGセンサによって透過または反射した前記光スペクトルの広い波長範囲に属する、一定のままにされるそれぞれの動作波長λ1~λnで光バンドパスフィルタBPF1~BPFnを各々調整することを含む。
【0053】
少なくとも1つの第1光信号を検出するステップは、光バンドパスフィルタBPF1~BPFnの各々の第1取出ポート1から出る複数の第1光信号L11~L1nを検出することを含み、少なくとも1つの第1光信号を変換するステップは、複数の第1光電子受光器PD1~PDn(例えば、第1フォトダイオードからなる)により、複数の第1光信号L11~L1nを各々の複数の第1電気信号E11~E1nに変換することを含む。
【0054】
第2の光信号L2を検出するステップは、光バンドパスフィルタのカスケードの最後の光バンドパスフィルタBPFnの第2の送信ポート2から出る光信号を検出することを含み、第2の光信号L2を変換するステップは、第2の光電子受信器PDTによって、この第2の光信号をそれぞれの第2の電気信号E2に変換することを含む。
【0055】
決定するステップは、検出された複数の第1の電気信号E11~E1nと、検出された第2の電気信号E2とに基づいて、前記広い波長範囲内で、前記FBGセンサの反射波長または透過波長のピークを決定することを含む。
【0056】
好ましい実施態様によれば、(グループE11~E1nに属する)第1の電気信号E1iの各々は、それぞれの光電子受信器Pdi(光電子受信器PD1~PDnのグループに属する)に入射する光パワーに比例する電圧を表しており、したがって、それぞれの光ファイバセンサFBGi(センサFBG1~FBGnのグループに属する)によって反射または透過するスペクトルの各波長シフトΔλiに関係(たとえば、比例)している。
【0057】
さらなる実施形態(図5に示す)によれば、方法は、搬送ステップの前に、光スプリッタDによって、全光パワーを分割し、その一部を第3の光電子受信機PDDに送り、さらなる補償をサポートするように適合された第3の電気信号E3を得るステップをさらに含む。
【0058】
上述のように(そして図6に描かれているように)、光バンドパスフィルタ、例えばマイクロリング共振器は、共振リングの共振周波数でFBGセンサによって反射(または送信)された信号の一部を、光マイクロリングフィルタの取出ポート1(「ドロップポート」)上でフィルタリングし、また、送信スペクトル(前述のフィルタリング部分なしのFBGセンサのスペクトルに相当)を光マイクロリングフィルタの送信ポート2(「スルーポート」)上で得ることを可能にする。
【0059】
要約すると、先に開示したように、この方法は、2つの相補的なポートを有する光バンドパスフィルタと、そのような相補的なポートの各々に1つずつ設けられた2つの光検出器とに基づいている。
【0060】
特に、一実施形態では、単一のFBGセンサ又は複数のFBGセンサを問い合わせるために、1つ以上の2ポートマイクロリング共振器が、マイクロリング共振器の2つの「ドロップ」及び「スルー」出力ポートに接続された、それぞれのマイクロリング共振器に対して統合された2つの光検出器と共に使用される。
【0061】
再び図1~14を参照して、次に、ファイバブラッググレーティングFBGタイプの少なくとも1つの光ファイバセンサを問い合わせするためのシステム10を説明する。
【0062】
このようなシステムは、ファイバブラッググレーティングFBGタイプの少なくとも1つの光ファイバセンサ、広帯域光放射源S、少なくとも1つのチューナブル光バンドパスフィルタBPF、第1の光電子受信器PD1、第2の光電子受信器PDTおよび電子処理手段4を有する。
【0063】
広帯域光放射源Sは、広帯域励起光放射OAでファイバブラッググレーティング型FBGの少なくとも1つの光ファイバセンサを照明するように構成される。
【0064】
システムの異なる可能な実施形態によれば、広帯域光放射源Sは、スーパールミネセントLED(SLED)、またはエルビウム添加光増幅器(EDFA)の自然増幅発光(AE)を含み得る。
【0065】
実施形態によれば、広帯域光放射源Sは、光バンドパスフィルタBPFと第1光電子受信器PD1及び第2光電子受信器PDTが集積されたフォトニック集積回路PICの外部にある部品である。
【0066】
別の実施形態(例えば図13に示す)によれば、広帯域光放射源Sは、光バンドパスフィルタBPFと第1のオプトエレクトロニクス受信器PD1と第2のオプトエレクトロニクス受信器PDTとが統合されたフォトニック集積回路PIC内に統合される。この目的のために、適切な集積技術を使用することができる。これらの技術は、例えば、III-V族からの半導体に基づく、シリコン-オン-インシュレータSOI技術から知られている。(例えば、科学論文「Hybrid Silicon Laser Technology」、A Thermal Perspective” - M.N. Sysak et al. - IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, Vol.17, No.6, Nov./Dec.(IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, Vol.17, No.6, Nov./Dec.、2011)
【0067】
少なくとも1つのチューナブル光バンドパスフィルタBPFは、互いに相補的である第1取出ポート1及び第2送信ポート2を有し、さらに、ファイバブラッググレーティング型FBGの少なくとも1つの光ファイバセンサに動作的に接続されて、かかるセンサによって送信OT又は反射ORされた光スペクトルを受信する第3入力ポート3(前記第1取出ポート1及び第2送信ポート2とは異なる)を有する。
【0068】
前記光バンドパスフィルタBPFは、前記光ファイバセンサFBGのファイバブラッググレーティングの公称動作波長に応じて、一定の動作波長λiで、波長範囲が調整可能である。
【0069】
第1の光電子受信機PD1は、光バンドパスフィルタBPFの第1の取出ポート1に動作的に接続されて、それぞれの第1の光信号L1を受信し、かかる第1の光信号L1をそれぞれの第1の電気信号E1に変換するように構成される。前記第1光信号は、光フィルタの一定動作波長における光ファイバセンサFBGのファイバブラッググレーティングの透過スペクトルOTまたは反射スペクトルORを狭帯域光フィルタリングしたものである。
【0070】
第2の光電子PDT受信機は、第2の光信号L2を受信するために光バンドパスフィルタBPFの第2の送信ポート2に動作的に接続され、それは、前記第2の光信号L2を、フィルタリング波長に実質的に依存せず、広帯域励起光放射のパワーおよび全体の光路の損失に対する依存性が第1の光信号によって受ける依存性に等しい、光参照パワーを代表するそれぞれの第2の電気信号E2へ変換するように構成される。
【0071】
電子処理手段4は、前述の第1の光電子受信機PD1および第2の光電子受信機PDTに動作可能に接続されており、それらは、第1の光信号L1に由来する、検出された第1の電気信号E1に基づいて、また、第1の光信号L2に由来する、検出された基準光パワーを表す第2の電気信号E2に基づいて、光ファイバセンサFBGのブラッググレーティングによって反射ORまたは透過OTのスペクトルの、公称動作波長に対する波長シフトΔλを決定するように構成される。これにより、第1の電気信号の検出は、広帯域励起光放射のパワーの変動および光路上の損失の変動に関して補償される。
【0072】
ブラッググレーティングによって反射または透過されるスペクトルの前記波長シフトΔλは、光ファイバセンサFBGによって測定される物理的な大きさを代表するものである。
【0073】
前記光バンドパスフィルタBPFと前記第1光電子受信器PD1及び第2光電子受信器PDTは、光集積フォトニック回路(「Photonic Integrated Circuit」-PIC)に集積されている。
【0074】
異なる実施形態によれば、このような第1の電気信号E1は、電流または電圧である。
【0075】
好ましい実施形態では、第1の電気信号E1は、光電子受信機に入射する光パワーに比例する電圧を代表し(またはそれに対応し)、したがって、光ファイバセンサFBGによって反射または伝送されるスペクトルの前述の波長シフトΔλに関連する(例えば、比例する)。
【0076】
本システムの一実施形態によれば、前記光バンドパスフィルタBPFは、光マイクロリング共振器フィルタ(すなわち、「マイクロリング共振器MRR」)である。
【0077】
既に開示したように、2つの可能な実施態様によれば、光マイクロリング共振器フィルタは、シングルリングタイプであり、単一のリング8から構成され、または光マイクロリング共振器フィルタは、ダブルリングタイプであり、2つの光リングから構成される。
【0078】
リング共振器は、光導波路をループ状に閉じた構造であり、特定の共振波長の光がリングを建設的干渉で通過すると、リング内部で光の強度が増大し、リング共振器フィルタの取り出し/監視ポートから(共振波長の)光を取り出して見ることができるようになる。
【0079】
図6に示すように、広帯域入力スペクトルをマイクロリング共振器6の入力ポート3に注入した後、リング6の共振波長のみが取出ポート1から抽出される。これは、共振波長の光の成分が、構成的干渉で閉じたリングの中に伝播するものであるためである。
【0080】
逆に、入力スペクトルの他の非共振波長はすべてBPF共振器フィルタの透過ポート2を透過する。
【0081】
このように、マイクロリング共振器フィルタBPFの取出ポート1と透過口2から出る2つのスペクトルは互いに相補的であり、共振器リングは取出ポート1に対してバンドパスフィルタとして機能する。
【0082】
マイクロリング共振器の共振波長は、材料の屈折率およびデバイスの形状(導波路寸法およびリング直径)に依存し、共振波長は、光ガイドの屈折率の小さな修正、例えば局所マイクロヒータ9(例えば図7に示す)に基づく熱調整によって、制御された方法で、すなわちチューニングで、変化させることが可能である。
【0083】
光バンドパスフィルタBPFの取出ポート1が、測定すべき物理パラメータの変動によるFBGセンサの動作波長のシフトΔλを、集積光検出器またはフォトダイオードによって検出されるパワー変動(フォトダイオードの上流における光パワーの変動、図7参照)に変換することは注目に値する。光バンドパスフィルタBPFの送信ポート2からは、取出ポート1から出た信号に対して相補的なスペクトルを持つ回帰反射信号が出力される。
【0084】
FBGセンサの光バンドの幅がフィルタの帯域幅よりも大きい(典型的には、はるかに大きい)ため、送信ポート2の出力における電力は、FBGセンサのスペクトルの総電力にほぼ等しい(言い換えれば、取出ポート1でフィルタされ抽出される部分は総電力に関して無視できる)。
【0085】
したがって、光バンドパスフィルタの両ポート(取り出しと送信)での二重検出を考慮した差動検出により、スプリアスファイバ損失やレーザなどの光源のパワー変動に影響されない測定が可能となる。
【0086】
実施形態(例えば図7に示す)によれば、光学マイクロリング共振器6は、シリコン(マイクロリング共振器が集積されている)の熱光学効果によって波長を調整することができる。つまり、電圧または電力による指令信号を印加することにより、波長フィルタの伝達関数(すなわち、図8Aに描かれた「ドロップ」ポートのスペクトル)を移動させることができる。
【0087】
いくつかの典型的な実装例によれば、半径十数μmを有するマイクロリング共振器フィルタ上で、数十mWの熱パワーが散逸する、数ボルトのオーダーの信号の適用は、5~8nmの間のスペクトルシフトを引き起こすことが可能である。
【0088】
図8Aに示す例では、マイクロリング共振器フィルタの取出ポートのスペクトルは、1540nmから1565nmの間の波長範囲に示されている。共振フィルタであるため、スペクトルは周期的であり、決定された自由スペクトル範囲(FSR)を持ち、図8の例では、10nmに等しくなっている。光マイクロリング共振器フィルタは、FSRパラメータがFBGセンサの動作波長の最大シフト量Δλより大きくなるように設計される。
【0089】
図8Bに示す例では、1540nmから1565nmの間の同じ範囲の波長で、マイクロリング共振器フィルタの送信ポートのスペクトルを示す。この場合も共振フィルタであるため、スペクトルは周期的であり、FSR(Free Spectral Range)が決定され、図8Bの例では、これも10nmに等しくなっている。既に上に開示したように、抽出スペクトル(図8A)と透過スペクトル(図8B)は互いに相補的である。
【0090】
図9は、光ファイバセンサFBGの反射スペクトルと、光バンドパスフィルタBPFの送信ポート2のスペクトルの一例を示す図である。
【0091】
図10および図11は、光ファイバセンサFBGで反射された光スペクトルを入力に入射した場合、光フィルタの第1の取出ポート1および第2の透過口2からそれぞれ出てくるスペクトルを示す図である。
【0092】
図12は、図10および図11のスペクトルの波長λi付近の詳細を拡大したものである。
【0093】
構造的な観点から、マイクロリング共振器はコンパクトで柔軟なデバイスであり、シリコン(Si)またはInP上のフォトニクスなど、異なる技術プラットフォーム上の光集積回路PICに統合することができ、さらに、高速広帯域応答を提供できる統合光検出器を同じプラットフォーム上で得ることができる。
【0094】
既に述べたように、いくつかの実施形態において、光サーキュレータ5及び/又は広帯域光放射源Sもまた、同じプラットフォーム上に統合することができる。
【0095】
ファイバブラッググレーティング技術における前述の1つ以上の光ファイバセンサ(以下、「FBG」センサとも定義する)を参照すると、FBGセンサが、例えば、歪みや温度などの様々な物理パラメータを測定するための高感度で汎用性の高い光学デバイスであることに留意することが可能である。FBGセンサは、光ファイバの「コア」に内接する屈折率を空間的に周期的に変調させることで得られる、最も単純な形態のセンサである。
【0096】
FBGセンサは、λB=2neffΛ(neffは光ファイバの基本モードの実効屈折率、Λはグレーティングの空間ピッチ(周期性))で定義される、いわゆる「ブラッグ波長」λBで入射した光を反射する共振状態の存在を利用する。
【0097】
FBGセンサの動作原理は、歪みや温度などの外的影響によって有効屈折率やグレーティングピッチが変化すると、動作波長(ブラッグ波長)のシフト量Δλが変化する性質に基づいており、数式1から導き出すことができる。
【0098】
【数1】
【0099】
ここで、Δλ=λ―λは基準ブラッグ波長λ に対するブラッグ波長の変化、kはスケールファクタ、α は熱光学係数である。ブラッグ波長シフトは縦ひずみεに線形依存し、感度は約 1.0 に等しい値である。2pm/με、温度変化は 1550 nm の範囲のシリコンファイバで約11pm/℃ に等しい感度を持つ。このような依存関係は、歪みと温度変化の範囲において、特に大きく、考慮される特定のタイプのFBGセンサに依存する非線形の特徴を有することができる。
【0100】
FBGセンサは「パッシブ」センサであり、電力を供給する必要はないが、照明によって、つまり、センサ内のグレーティングが得られる光ファイバセクションに、適切な波長(例えば、ブラッグ波長)で、光活性化放射を送ることによって、活性化される。これに応答して、FBGセンサは、入射放射線だけでなく、グレーティング自体が受けるひずみや温度条件にも依存する光(すなわち、フォトニック)信号を反射または伝送する。以下に例示する本方法の様々な実施形態において、そのような光信号は、送信される光信号(又は光スペクトル)又は反射される光信号(又は光スペクトル)であることができる。
【0101】
システム10の特定の実施形態によれば、ファイバブラッググレーティング型のFBGの少なくとも1つの光ファイバセンサは、線形形状を有する反射スペクトルを有するファイバブラッググレーティング型の光ファイバセンサとすることができる。
【0102】
この実施形態は、線形反射フィルタとしてのFBGセンサの応答の高度な線形形状を利用し、歪みまたは温度測定のための高められた動的尋問性能および広いダイナミックレンジを保証するものである。線形応答を有するFBGセンサの使用はまた、インテロゲータの較正を単純化する。
【0103】
システム10の実施形態によれば、前述の第1の光電子レシーバPD1は、第1のフォトダイオードからなり(又は構成され)、前述の第2の光電子レシーバPDTは、第2のフォトダイオードからなる(又は構成される)。
【0104】
前記第1及び第2のフォトダイオードは、例えば、それ自体既知のタイプの半導体フォトダイオードであり、考えられる波長での光信号を検出し、電気信号に変換するように設計されている。
【0105】
図1に示す実施形態によれば、システム10は、ファイバブラッググレーティング型のFBGの1つの光ファイバセンサのみを問い合わせるように構成されており、FBGセンサの反射スペクトルORに作用している。
【0106】
図2に示す別の実施形態によれば、システム10は、FBGセンサの送信スペクトルOTに作用する、ファイバブラッググレーティング型のFBGの1つの光ファイバセンサのみを問い合わせるように構成されている。
【0107】
図3に示す別の実施形態によれば、システムは、それぞれがそれぞれの公称動作波長λ1~λnによって特徴付けられる、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBGnタイプの複数のカスケード式光ファイバセンサと、複数のカスケード式チューナブル光バンドパスフィルタBPF1~BPFnを有する(すなわち、フィルタの送信ポートが、連続的に設けられた次の入力ポートに接続されている。)複数の波長可変光バンドパスフィルタBPF1~BPFnは、それぞれが、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBGnタイプの光ファイバセンサの公称動作波長λ1~λnのそれぞれの1つに対応するそれぞれの波長周りで調整可能である。
【0108】
システム10は、複数の第1光信号L11~L1nを受信し、かかる複数の第1光信号L11~L1nをそれぞれの複数の第1電気信号E11~E1nに変換するように構成された複数の光電子受信機(PD1~PDn)、および第2光バンドパスフィルタのカスケードの最後の光バンドパスフィルタBPFの第2送信ポート2に動作的に接続されて第2光信号L2を受信して、それをそれぞれの第2電気信号E2に変換する第2光電子受信機PDTをさらに具備している。
【0109】
この場合、電子処理手段4は、検出された複数の第1電気信号E11~E1nと第2電気信号E2とに基づいて、ファイバブラッググレーティング型FBG1~FBGnの各光ファイバセンサで反射または透過したスペクトルの各々の公称動作波長に対する波長シフトΔLを決定するように構成される。
【0110】
このような実施形態では、i番目のBPFリング共振器フィルタは、i番目のFBGiセンサを問い合せるためのある波長λiで同調され、各単一のBPFiバンドパスフィルタは異なる波長λiで同調され、N個の光検出器による信号の複合取得は、異なるN個のFBGセンサそれぞれの波長ピークの測定値を提供する。
【0111】
別の実施形態(図4に示す)によれば、システム10は、広範な波長に沿って動作し、問い合わせるのに適したファイバブラッググレーティングFBGタイプの少なくとも1つの光ファイバセンサから構成される。
【0112】
この場合、システム10は、カスケード接続された複数の調整可能な光バンドパスフィルタBPF1~BPFnをさらに備え、各々は、センサによって透過または反射される前述の光スペクトルの広い波長範囲に属する、一定のままであるそれぞれの動作波長λ1~λnで調整可能になっている。
【0113】
システムは、複数の第1光信号L11~L1nをそれぞれの複数の第1電気信号E11~E1nに受信するように構成された複数の第1光電子受信機PD1~PDnと、光バンドパスフィルタのカスケードの最後の光バンドパスフィルタBPFの第2送信ポート2に作動的に接続され、第2光信号L2を受信してそれぞれの第2電気信号E2に転換する第2光電子受信機PDTをさらに備えている。
【0114】
この場合、電子処理手段4は、検出された複数の第1の電気信号E11~E1nと、検出された第2の電気信号E2とに基づいて、前記広い波長範囲における、FBGセンサの反射波長または透過波長のピークを決定するように構成される。
【0115】
このような実施形態では、1つのFBGセンサが、極端な環境条件(例えば、熱暴走)により、波長ピークに大きな変動が生じている場合に、問い合わせを行うことが可能である。リング共振器のN個の取出ポートにおけるN個の光検出器による複合的な取得は、例えば、温度または歪みの大きな変化による波長変動の広い範囲に沿ったピーク波長の測定を提供する。
【0116】
実施形態によれば、複数の光フィルタがある場合を参照して、CWDM(Coarse WDM)デマルチプレクサが、異なる光フィルタを(カスケードに配置する代わりに)供給するために用いられ、有利には、光路上の損失を低減することができる。有用には、CWDMデマルチプレクサのi番目のチャネルは、i番目の光ファイバセンサFBGiのブラッグ波長λiが対応するi番目のチャネルの光帯域内で可変であることを照会するために使用されることが可能である。
【0117】
好ましい実施オプションによれば、第1の電気信号E1iの各々(グループE11~E1nに属する)は、それぞれの光電子受信機Pdi(光電子受信機PD1~PDnのグループに属する)に入射する光パワーに比例する、電気電圧を代表し、したがって、それぞれの光ファイバセンサFBGi(センサFBG1~FBGnのグループに属する)によって反射または送信されるスペクトルのそれぞれの波長シフトΔiに相関(例えば比例)している。
【0118】
なお、複数の光バンドパスフィルタを含む実施形態では、当該光バンドパスフィルタの各々は、固定フィルタとして用いられ、チューナブルフィルタとしては用いられない(チューニングは初期設定時のみ行われ、動作時には行われない)。
【0119】
さらに、そのような実施形態では、自由スペクトル範囲は、光学バンドパスフィルタの各々に許容されるチューニングエクスカーションの総和よりも大きくなければならない。この目的のために、リングの半径Rは、設計中に、そのような半径Rを自由スペクトル範囲FSRに結合する以下の関係を考慮して定義することができる。
【0120】
【数2】

ここで、λresは FBGセンサのブラッグ波長、n は伝搬導波路の群指数である。
【0121】
さらなる実施形態(図5に示す)によれば、システム10は、調整可能な光フィルタBPFの上流に配置された光バンドスプリッタDと、第3の光電子受信機PDDとをさらに備え、光バンドスプリッタDは、全光パワーを分割してその一部を第3の光電子受信機PDDに送るように構成され、第3の光電子受信機PDDは、さらなる補償を支えるように適応した第3の電気信号E3を得るように構成される。
【0122】
図1~5に示す実施形態によれば、システム10は、広帯域光放射源Sに接続された第1のポートと、ファイバブラッググレーティング型FBGの光ファイバセンサを含む光ファイバFに接続された第2のポートと、少なくとも一つの光バンドパスフィルタBPFに接続された第3のポートとを有する光サーキュレータ5をさらに備えている。
【0123】
光サーキュレータ5は、第1のポートによって受信された広帯域光放射Sを、第2のポートを介して、光ファイバセンサFBGを含む光ファイバFに伝送するように構成され、それはさらに、第2のポートによって受信された、ファイバブラッググレーティング型のFBGの光ファイバセンサによる反射スペクトルORを、第3のポートを通じて、少なくとも1つの光バンドパスフィルタBPFに伝送するように構成される。
【0124】
1つの実施形態によれば、光サーキュレータ5は、光バンドパスフィルタBPFと第1PD1及び第2光電子受信器PDTが統合されたフォトニック集積回路PICの外部のコンポーネントである。
【0125】
別の実施形態によれば、光サーキュレータ5は、光バンドパスフィルタBPF、第1のPD1及び第2の光電子受信器PDTが集積されたフォトニック集積回路PICに集積される。この目的のために、それ自体既知の適切な集積技術を使用することができ、例えば、Silicon-On-Insulator SOI技術プラットフォーム上の磁気光学材料および接合技術に基づいて(例えば、科学論文「Broadband TE Optical Isolators and Circulators in Silicon Photonics through CE: YIGボンディング」-P. Pintusら、Journal of Lightwave Technology, Vol.37, No.5, March 1, 2019)に示されている。
【0126】
システム10の実施形態によれば、ファイバブラッググレーティング型FBGの少なくとも1つの光ファイバセンサの各センサは、センサがある位置に作用する歪みを検出するように構成されている。
【0127】
システムのいくつかの重要な使用例によれば、ファイバブラッググレーティングFBGタイプの光ファイバセンサは、ブレーキパッド内で作用するように構成されるか、ブレーキキャリパに組み込まれるか、または結合されるか、あるいはブレーキキャリパ支持体とブレーキキャリパとの間に配置されるように適合されたワッシャデバイスに組み込まれるように構成されている。この場合、ファイバブラッググレーティングFBG型の少なくとも1つの光ファイバセンサによって検出される少なくとも1つの歪みは、ブレーキキャリパに作用する締め付け力および/またはブレーキトルクを代表するものである。
【0128】
実施形態によれば、電子処理手段4は、ソフトウェアプログラムを記憶し実行するように適合された、それ自体既知のタイプの少なくとも1つの電子プロセッサまたはマイクロプロセッサ40からなる。
【0129】
異なる実施形態によれば(図1~5に示すように)、システム10は、例えば、ADCアナログ-デジタル変換器、トランスインピーダンス増幅器41、電気信号を調整するためのASIC42デバイス、および適切な光接続(図1~5に連続線で示す)および電気接続(図1~5に点線で示す)といったそれ自体既知のさらなる電子システムで構成することが可能である。
【0130】
他の可能な実施形態によれば、機能ブロック42は、アナログ信号を調整する(すなわち、変換され増幅された信号の適応)ためのブロックとして意図されており、機能ブロック40は、デジタル信号変換および処理ブロック40であり、出力で適切なインターフェース/バス上の処理されたデータを提供する。
【0131】
実施形態によれば、機能ブロック40と、少なくとも部分的に、機能ブロック42は、例えばASICまたはFPGAタイプの単一の集積回路によって得ることができる。
【0132】
光バンドパスフィルタの取出ポート1で検出されるパワーとFBGセンサの波長シフトΔλとの間の関係を参照して、異なる実験的または分析的アプローチを使用することができる。
【0133】
例えば、特性評価中に実施された測定に基づいて、測定された電圧値とFBGセンサのピーク波長のシフト値との関係を確立するテーブル(例えば、ルックアップテーブル)を電子処理手段(例えば、変換・処理ブロック40)に格納することができる。
【0134】
別の実施例によれば、以下のような簡略化された解析的関係が考慮され得る。
【0135】
光検出器SOPT(λ)によって見られる光スペクトルは、定数Cを介して、FBGセンサとマイクロリング共振器MRR(取出ポートにおいて)のスペクトルの積に比例する。
【0136】
【数3】
【0137】
測定される光パワーは波長の積分であり、λFBG に依存する。
【0138】
【数4】
【0139】
光バンドパスフィルタの送信ポートで光信号を検出することによって可能になるパワー補償に関しては、例えば、送信ポートで検出されたパワーに対する取出ポートで検出されたパワーの正規化によって実施することができる。
【0140】
別の実施形態によれば、取出ポートで検出されたパワーと送信ポートで検出されたパワーとの和に対して、取出ポートで検出されたパワーと送信ポートで検出されたパワーとの差を正規化することが可能である。
【0141】
実施形態によれば、本発明による方法およびシステムは、チップの温度の能動的制御および相対的な電子補償を含んでおり、例えば、熱エクスカーションの上昇した環境において、広い温度範囲でのその動作を可能にするようにする。
【0142】
注目されるように、本発明の目的は、その機能的および構造的特徴により、上記に開示された方法およびシステムによって完全に達成される。
【0143】
実際、従来技術を説明する部分で言及した技術的問題を参照すると、本発明によるシステムは、本質的な構成要素が(例えば、PIC技術における光集積回路において)集積された、単純かつコンパクトなシステムである。
【0144】
この集積は、シリコン技術によって実施することができ、特に、本発明によるシステムは、同じプロセスを用いて製造されるハイブリッドチップにおける光回路と電子回路の両方の集積に適している。
【0145】
さらに、所望により、上述の技術的解決策は、光フィルタ及び光検出器が集積された同一の集積回路に広帯域光源及び/又は光サーキュレータを集積することも可能にし、顕著な設計の柔軟性を提供するものである。
【0146】
さらに、本発明のシステムおよび方法は、FBGセンサによって透過または反射されたスペクトルの一部を取る光バンドパスフィルタの波長を一定に保つ(これは、初期設定ステップにおいてのみ調整される)ことによって機能する。このようなスペクトルは、測定対象の変数に関連する影響によって移動するため、マイクロリング光学フィルタによる一定の波長サンプリングは、検出パワーの変動という形でその変動を記録する。
【0147】
このため、動的性能は、光学バンドパスフィルタの調整時間に依存せず、光検出ブロックの速度のみに依存し、したがって、先に述べた既知の解決策に関して、より迅速な動的応答を提供する。
【0148】
さらに、本発明によるシステム及び方法は、取出ポート及び送信ポートの両方における光パワーの同時検出を利用し、光照明パワーにおけるスプリアス損失及び/又は変動に関して改善された耐性を有する。
【0149】
また、請求された解決策は、動作波長の周りのFBG光ファイバセンサの送信又は反射スペクトルの狭帯域光フィルタリングを含むことに留意されたい(例えば、ファブリペローフィルタに基づく解決策を使用して得られるものとは異なり、その帯域幅は、問い合わせられるFBGセンサの光信号のそれと比較され得る)。問い合わせられたFBGセンサによって反射されたスペクトルの帯域幅が、本ソリューションで使用される光学フィルタの共振スペクトルの線幅よりも大きい(特に、マイクロリング光共振器フィルタの使用を含む実施形態においてはるかに大きい)という事実は、フィルタの送信ポートから出るスペクトルをできるだけ乱さない可能性や、スペクトル動的分解能の点でインタロゲータの性能を改善するために、光学フィルタの共振スペクトルの「フィネス」を重要な設計パラメータとして選択できる可能性を含む、様々な利点を提供する。
【0150】
上述した方法及びシステムは、さらに、広い受信帯域で応答を得ることを可能にする。実際、この帯域は、使用されるフォトダイオードの受信帯域に依存し、すなわち、非常に広い帯域に作用することができる部品に依存する(例えば、PINタイプの集積フォトダイオードが知られており、吸収材料として、MHzから最大40GHzまでの帯域を有するゲルマニウムが使用される。本明細書で検討する用途では、数百KHz以下の帯域の現象を観察することが必要であり、これは本発明によるシステムによって容易に保証される)。
【0151】
本発明による方法およびシステムの他の利点は、PIC上の集積デバイスの低消費電力、PIC光学チップおよびEIC電子チップの製造のためのCMOS製造プロセスとの互換性、チップの温度のアクティブ制御および高熱偏差環境での動作のための電子補償によって得られる広い温度範囲に沿って動作する能力である。
【0152】
偶発的かつ特定のニーズを満たすために、当業者は、以下の請求項の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に対していくつかの変更および適応を行い、機能的に同等である他の要素に置き換えることが可能である。可能な実施形態に属するものとして説明された各特徴は、説明された他の実施形態とは無関係に得ることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】