(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】危険車両および道路状態を通信するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20221012BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221012BHJP
B60Q 1/52 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
B60Q1/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509044
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 US2020045930
(87)【国際公開番号】W WO2021030435
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519084250
【氏名又は名称】イーエスエス-ヘルプ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,デヴィッド・エム
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,スティーヴン・ティー
(72)【発明者】
【氏名】インコルバイア,マイク
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,オースティン・リース
【テーマコード(参考)】
3K339
5H181
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA22
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5H181AA01
5H181BB04
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(57)【要約】
車両の危険状態を通知するためのシステムは、車両を巻き込む危険状態を示す車両からの電子信号を受信するように構成されたマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと動作可能に通信している第1の無線送信機とを含む。危険事象を示す信号を受信したことに応答して、マイクロプロセッサは、第1の無線送信機を介して、車両が危険状態に巻き込まれたことを示す第1のワイヤレス信号を送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両上の危険状態を通知するためのシステムであって、
前記車両を巻き込む危険状態を示す前記車両からの電子信号を受信するように構成されたマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサと動作可能に通信している第1の無線送信機と
を備え、
危険事象を示す前記信号を受信したことに応答して、前記マイクロプロセッサが、前記第1の無線送信機を介して、前記車両が前記危険状態に巻き込まれたことを示す第1のワイヤレス信号を送信する、
システム。
【請求項2】
前記車両に対応する位置データを前記マイクロプロセッサに提供する全地球測位システムユニットをさらに備え、前記第1のワイヤレス信号が前記位置データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
パーソナル電子デバイスと動作可能に通信している第2の無線送信機をさらに備え、前記パーソナル電子デバイスが、前記第1のワイヤレス信号に含まれる位置データを前記マイクロプロセッサに提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサと動作可能に通信している無線受信機
をさらに備え、
前記マイクロプロセッサが、前記無線受信機を介して別の車両の危険状態の指示を受信し、その旨の指示を前記車両内に提供する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサが、別の車両の前記危険状態の前記指示を前記車両内の別のシステムに電子的に提供する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサが、別の車両の前記危険状態の前記指示を前記車両の乗員に視覚的に提供する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
ヘッドアップディスプレイをさらに備え、別の車両の前記危険状態の前記視覚的指示が、前記ヘッドアップディスプレイを使用して前記車両の乗員に提供される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサが、別の車両の前記危険状態の前記指示を前記車両の乗員に可聴式に提供する、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサが、別の車両の前記危険状態の前記指示を前記車両の乗員に関連付けられたパーソナル電子デバイスに提供する、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記マイクロプロセッサが、他の車両が危険状態にあることの指示を前記他の車両から検出し、前記第1の無線送信機を介して前記他の車両が前記危険状態にあることを示す第2のワイヤレス信号を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記他の車両からの前記指示が見通し内通信である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記他の車両からの前記指示が、前記マイクロプロセッサに通信可能に結合された前向きセンサからの指示である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記前向きセンサがカメラを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
緊急車両安全システムであって、
前記車両を巻き込む危険状態の通知を受信するマイクロプロセッサと、
前記車両の外部から見ることができ、前記マイクロプロセッサに動作可能に結合された視覚インジケータと、
前記マイクロプロセッサと動作可能に結合された無線送信機と
を備え、
前記マイクロプロセッサが、前記車両を巻き込む危険状態の前記通知を受信すると、前記視覚インジケータ上に高視認性視覚信号を提供し、
前記マイクロプロセッサが、前記車両を巻き込む危険状態の前記通知を受信すると、前記無線送信機を介して第1の無線通信を提供する、
緊急車両安全システム。
【請求項15】
前記無線送信機が、携帯電話タワーに前記第1の無線通信を提供する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記無線送信機が、別の車両の受信機に前記第1の無線通信を提供する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記無線送信機が、衛星システムに前記第1の無線通信を提供する、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記視覚インジケータが、ハザードランプまたは方向指示灯として動作可能な一組のライトを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記高視認性視覚信号が、ハザードランプとして前記一組のライトを使用することに関連付けられたフラッシュ速度を上回り、方向指示灯として前記一組のライトを使用することに関連付けられたフラッシュ速度を上回るフラッシュ速度を有する信号を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記マイクロプロセッサは、前記視覚インジケータがハザードランプまたは方向指示器として使用されるときに、前記無線送信機を介して前記第1の無線信号を提供しない、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記マイクロプロセッサが、前記車両内部のユーザ操作スイッチから、前記車両を巻き込む危険状態の通知を受信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロプロセッサが、車両安全サブシステムから、前記車両を巻き込む危険状態の通知を受信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記マイクロプロセッサが、パーソナル電子デバイスから、前記車両を巻き込む危険状態の通知を受信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
前記マイクロプロセッサが、全地球測位システムユニットから前記車両の位置データを受信し、前記第1の無線通信内で前記位置データを提供する、請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記全地球測位システムユニットが、部分的にはパーソナル電子デバイスによって提供される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
危険な車両状態のリアルタイム指示を提供するためのシステムであって、
第1の車両の第1のマイクロプロセッサと通信しているサーバであって、前記第1のマイクロプロセッサは危険状態を示す前記第1の車両からの信号を受信するように動作可能である、サーバを備え、
前記サーバが、前記第1のマイクロプロセッサから前記危険状態の前記指示を受信し、第2の車両に前記指示を提供する、
システム。
【請求項27】
前記第2の車両が、前記危険状態の前記指示を受信し、前記第2の車両の乗員に警告を提供する、前記サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1のマイクロプロセッサが、前記第1の車両に関連付けられた全地球測位システムと通信しており、そこからの位置データは危険状態を示す前記信号に含まれる、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記第2の車両が、前記危険状態の前記指示を受信し、前記第1の車両が前記第2の車両の車道経路内に位置するときのみ前記第2の車両の乗員に警告を提供する、前記サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記第2の車両の前記乗員への前記警告が視覚的指示である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記視覚的指示がヘッドアップディスプレイ上に提供される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記第2の車両の前記乗員への前記警告が音声警告である、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記第2の車両が、前記警告が提供されたときに作動する高視認性外部視覚インジケータを備えている、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記第2の車両のオペレータが、前記第2の車両が前記第1の車両の前記位置に近づくにつれて減速するときに、前記高視認性外部視覚インジケータが作動する、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
前記高視認性外部視覚インジケータが、前記第2の車両の後部にあるライトを閃光させるように作動する、請求項29に記載のシステム。
【請求項36】
前記第2の車両が、前記危険状態の前記指示を受信し、前記第1の車両が前記第2の車両からしきい値距離内に位置するときのみ前記第2の車両の乗員に警告を提供する、前記サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている、請求項28に記載のシステム。
【請求項37】
前記第2のマイクロプロセッサが、前記第2の車両が前記第1の車両を妨害するコース上にあるときに前記警告を提供するだけである、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記第2の車両が、前記警告が提供されたときに作動する高視認性外部視覚インジケータを備えている、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記第2の車両が、前記危険状態の前記指示を受信し、前記第1の車両が前記第2の車両の車道経路内かつしきい値距離内に位置するときのみ前記第2の車両の乗員に警告を提供する、前記サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第2の車両が、前記警告が提供されたときに作動する高視認性外部視覚インジケータを備えている、請求項39に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月12日に出願された米国仮特許出願第62/885,659号の利益を主張し、この時点で完全に記載されたものとしてその仮出願を参照により本出願に組み込む。
【0002】
本開示は、一般に、車両に対する緊急状態の通信に関し、より詳細には、車両間、または車両と他の受信機との間の、緊急、危険、および他の事象の自動化された電子通信に関する。
【背景技術】
【0003】
遭難、故障、または緊急の状態にある車両のために拡張画像通信システムを提供するシステムが存在する。拡張画像通信システムはまた、車両がエアバッグの作動、またはけん引制御、ABS、または同様の自動安全システムの作動を行ったときに配備される場合がある。拡張画像通信システムは、車両の信号灯、または補助灯もしくはリモートビーコンを含む場合がある他のライトのフラッシュ速度(たとえば、閃光)の増大に依存する場合がある。旧来の速度が遅い標準ハザードランプシステムよりも効率的に注目を惹くかまたは伝達するように設計された方式で、様々なフラッシュパターンが利用される場合がある。車両の信号灯の利用に依存するそのような拡張画像通信システムの例が、Tuckerらによる米国特許第9481331号明細書およびTuckerらによる米国特許第9616810号明細書に記載されている。
【0004】
ストロボライトまたは他の視覚強化に依存する拡張画像通信システムは、警告が発動されるべき遭難した車両に近接する他のドライバに通知するためにはよく機能するが、それらは、極端に遠く離れているか、他の車両の後ろにあるか、道路のカーブもしくは湾曲部を回っているか、または他の障害物によって妨げられているかもしれないドライバに通知する能力がどうしても制限される。拡張画像通信システムはまた、他のドライバによって払われている少なくともある程度の注意、ならびにそれらの反応時間および緊急もしくは遭難の画像通信を正確に評価するか、または適切に反応する能力に依然として依存する。
【0005】
その上、さらなる遭難事象(たとえば、衝突)の機会を軽減する、またはそれらのまわりの他の交通に適切に通知するように機能し得る自身の安全システムをどのように展開するか、またはいつ展開するかを知ることは、個々のドライバに委ねられたままとなる。ドライバが、遭難している別の車両または別の緊急事態に遭遇すると、自分の後ろまたは近くのドライバに先制して警告するために、自分の非常灯を作動することは、時々観察される。これは役に立つが、万人向けからはほど遠い。さらに、ハザードランプの単なる作動は、元の事象が見えないところにいて、何が起こったかまたはどう反応するべきかを知らないドライバに情報を提供することができない。たとえば、場合によっては、注意を増した状態を続けることが完全に適切である(たとえば、道路上の動物)が、他の場合には、緊急事態に対する最も良い反応は、完全に停止することである(たとえば、前方の横転したガソリントラック)。
【0006】
部分的または完全な自動運転である車はすでに現実に存在し、常識になることが予想される。道路および高速道路上で安全に運転するために、自動運転車が可能な限り自分のまわりを認識するように、コンピュータビジョン、レーダー、GPS、および他の技術が配備されている。統計的に、自動運転車は、すでに人間のドライバよりも安全である可能性がある。しかしながら、自動運転車は、依然として、人間のドライバとほとんど同じように道路上の別の車の遭難事象を「見る」または「聞く」ことをしなければならない。自動運転車は、遭難の警告を示す可能性がある事象を「視る」ことができるが、視野、他の車両、障害物などによって制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
必要とされるものは、上記および関連する懸案事項に対処するためのシステムおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の発明は、その一態様において、車両上の危険状態を通知するためのシステムを含む。システムは、車両を巻き込む危険状態を示す車両からの電子信号を受信するように構成されたマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと動作可能に通信している第1の無線送信機とを有する。危険事象を示す信号を受信したことに応答して、マイクロプロセッサは、第1の無線送信機を介して、車両が危険状態に巻き込まれたことを示す第1のワイヤレス信号を送信する。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムは、車両に対応する位置データをマイクロプロセッサに提供する全地球測位システムユニットを含むか、またはそれとインターフェースし、第1のワイヤレス信号は位置データを含む。第2の無線送信機は、パーソナル電子デバイスと動作可能に通信している場合があり、パーソナル電子デバイスは、第1のワイヤレス信号に含まれる位置データをマイクロプロセッサに提供する。
【0010】
場合によっては、無線受信機も、マイクロプロセッサと動作可能に通信している。マイクロプロセッサは、無線受信機を介して別の車両の危険状態の指示を受信し、その旨の指示を車両内に提供することができる。マイクロプロセッサは、別の車両の危険状態の指示を車両内の別のシステムに電子的に提供することができる。マイクロプロセッサは、別の車両の危険状態の指示を車両の乗員に視覚的に提供することができる。場合によっては、マイクロプロセッサは、別の車両の危険状態の指示を車両の乗員に関連付けられたパーソナル電子デバイスに提供することができる。システムはヘッドアップディスプレイを含む場合があり、その結果、別の車両の危険状態の視覚的指示は、ヘッドアップディスプレイを使用して車両の乗員に提供される。マイクロプロセッサはまた、別の車両の危険状態の指示を車両の乗員に可聴式に提供することができる。
【0011】
いくつかの実施形態は、他の車両が危険状態にあることの指示を当該他の車両から検出し、第1の無線送信機を介して他の車両が危険状態にあることを示す第2のワイヤレス信号を送信するように構成されたマイクロプロセッサを有する。他の車両からの指示は、マイクロプロセッサに通信可能に結合された前向きセンサからの見通し内通信または視覚的指示であり得る。場合によっては、前向きセンサはカメラを備える。
【0012】
本開示の発明は、その別の態様において、車両を巻き込む危険状態の通知を受信するマイクロプロセッサと、車両の外部から見ることができ、マイクロプロセッサに動作可能に結合された視覚インジケータと、マイクロプロセッサに動作可能に結合された無線送信機とを有する緊急車両安全システムを含む。マイクロプロセッサは、車両を巻き込む危険状態の通知を受信すると、視覚インジケータ上に高視認性視覚信号を提供し、車両を巻き込む危険状態の通知を受信すると、無線送信機を介して第1の無線通信を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、無線送信機は、携帯電話タワーに第1の無線通信を提供する。無線送信機は、別の車両の受信機または衛星システムに第1の無線通信を提供することができる。
【0014】
視覚インジケータは、ハザードランプまたは方向指示灯として動作可能な一組のライトを備える場合がある。高視認性視覚信号は、ハザードランプとして一組のライトを使用することに関連付けられたフラッシュ速度を上回り、方向指示灯として一組のライトを使用することに関連付けられたフラッシュ速度を上回るフラッシュ速度を有する信号を含む場合がある。場合によっては、マイクロプロセッサは、視覚インジケータがハザードランプまたは方向指示器として使用されるときに無線送信機を介して第1の無線信号を提供しない。
【0015】
マイクロプロセッサは、車両内部のユーザ操作スイッチから、車両安全サブシステムから、かつ/またはパーソナル電子デバイスから、車両を巻き込む危険状態の通知を受信することができる。マイクロプロセッサは、全地球測位システムユニットから車両の位置データを受信し、第1の無線通信内で位置データを提供することができる。場合によっては、全地球測位システムユニットは、部分的にはパーソナル電子デバイスによって提供される。
【0016】
本開示の発明は、その別の態様において、危険な車両状態のリアルタイム指示を提供するためのシステムを含む。システムは、第1の車両の第1のマイクロプロセッサと通信しているサーバを含み、第1のマイクロプロセッサは、危険状態を示す第1の車両からの信号を受信するように動作可能である。サーバは、第1のマイクロプロセッサから危険状態の指示を受信し、第2の車両に指示を提供する。
【0017】
場合によっては、第2の車両は、危険状態の指示を受信し、第2の車両の乗員に警告を提供する、サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている。第1のマイクロプロセッサは、第1の車両に関連付けられた全地球測位システムと通信している場合があり、そこからの位置データを危険状態を示す信号に含める。第2の車両は、危険状態の指示を受信し、第1の車両が第2の車両の車道経路内に位置するときのみ第2の車両の乗員に警告を提供する、サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている場合がある。
【0018】
第2の車両は、警告が提供されたときに作動する高視認性外部視覚インジケータを備えている場合がある。第2の車両は、危険状態の指示を受信し、第1の車両が第2の車両からしきい値距離内に位置するときのみ第2の車両の乗員に警告を提供する、サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている場合がある。警告は、場合によってはヘッドアップディスプレイ上に提供される視覚的指示を含む場合がある。警告はまた、音声警告を含む場合がある。
【0019】
第2の車両はまた、警告が提供されたときに作動する高視認性外部視覚インジケータを備えている場合がある。高視認性外部視覚インジケータが作動する場合があり、第2の車両のオペレータは、第2の車両が第1の車両の位置に近づくにつれて減速する。高視認性外部視覚インジケータは、第2の車両の後ろにあるストロボライトとして作動する場合がある。
【0020】
別のケースでは、第2の車両は、危険状態の指示を受信し、第1の車両が第2の車両の車道経路内かつしきい値距離内に位置するときのみ第2の車両の乗員に警告を提供する、サーバと通信している第2のマイクロプロセッサを備えている。場合によっては、第2のマイクロプロセッサは、第2の車両が第1の車両を妨害するコース上にあるときに警告を提供するだけである。繰り返すが、第2の車両は、警告が提供されたときに作動する高視認性外部視覚インジケータを備えている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の態様による、車両緊急通信システムの概略図である。
【
図2】本開示の態様による、車両緊急通信システムの一実施形態の通信リンク図である。
【
図3】本開示の態様による、緊急通信システムリンク図の別の実施形態の通信リンク図である。
【
図4】道路網上の運転車両と故障車両との間の潜在的な関係を示す図である。
【
図5】本開示の態様による、緊急車両通信システムの動作の1つの方法に対応するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示によれば、車両が、車道上に危険な状況が存在することを、緊急サービス、車両監視および制御システムなどの、他の車両、それらの車両の(人間であるかコンピュータであるかにかかわらず)オペレータなどと通信することを可能にする様々な方法およびシステムが提供される。本開示のシステムはまた、車両に関係する他の情報、他の車両、または他の状態もしくは情報を通信することができる。別の車両との間の通信の場合、システムは、車両間通信システム(たとえば、V2V)と呼ばれる場合がある。しかしながら、通信は、車両から離れたデバイスおよびシステム、たとえば、緊急サービス、交通監視システム、街灯、料金徴収システムなどから送受信される場合がある。そのようなシステムは、車両対すべてまたは車両対環境システム(たとえば、V2X)と呼ばれる場合がある。
【0023】
車両、車、自動車、および同様の用語は、車道上で動作する任意の乗り物を指すものであることを理解されたい。これには、自動操縦か手動運転かにかかわらず、乗客を運ぶか、商品を運ぶか、空であるかにかかわらず、限定なしで、車、トラック、バン、SUV、トラクタ/トレーラ、バス、およびオートバイが含まれる。本開示の目的のために、ワイヤレスの信号または通信は、断続的または進行中/連続的な信号または通信であり得ることも理解されたい。それはアナログ通信またはデジタル通信を表すことができる。デジタルの場合、任意の1つのワイヤレスの通信または信号は、送信用に分割され、元の通信または信号を完成させるために受信機によって再び集められる、いくつかのより小さいデジタルの通信または信号を含む場合がある。
【0024】
図1は、本開示による例示的なシステムである。
図1は、車両上に高視認性視覚インジケータを展開することができ、またそのような展開の存在を他の車両またはシステムに通信するシステム100の簡略化された概略図を示す。本開示のシステムは、従来のハザードランプならびに高視認性視覚インジケータの存在または作動に依存することができる-実際に展開された特定のライトまたは危険/警告システムに必ずしも依存しないことを理解されたい。本開示の目的のために、高視認性視覚インジケータは、可変もしくは増大するフラッシュ速度、可変もしくは増大するコントラスト、可変もしくは増大する明るさ、変更されたもしくは可変の色、および/またはこれらの組合せに基づいて、ヘッドランプ、標識灯、パーキングライト、ブレーキライト、信号灯、または従来のハザードランプから弁別可能な、車両の外部で目に見えるランプまたはライトである。
【0025】
数十年の間車両に取り付けられてきた従来のハザードランプおよび信号灯は、一般に、最大毎秒約2サイクル、すなわち2Hzのフラッシュ速度を有する。これは、元々、これらのシステムが開発されたときに最新技術であった白熱型照明およびアナログ回路に部分的に起因していた。このサイクル速度は、車両照明システムが車体制御モジュール(BCM)または他のマイクロコントローラによって完全に制御される場合でも、最近まで現代に持ち込まれていた。しかしながら、たとえば、マイクロコントローラによって動作する最新の発光ダイオード(LED)は、サイクル速度、明度、および他のパラメータに関してかなり広い範囲の動作が可能である。本開示の目的のために、ハザードランプは、照明システムが実際にはLEDおよび/またはマイクロコントローラベースである場合でも、旧来の白熱電球およびアナログ回路によってサポートされる遅いフラッシュ速度(たとえば、約2Hz)に従って動作する照明システムであると見なされる。
【0026】
いくつかの実施形態では、システム100はマイクロプロセッサ102ベースである。それは、マイクロプロセッサ102上で実行するために符号化された制御ルーチンを有する場合がある。他の実施形態では、プログラム可能ではなく、再プログラム可能でもない「ハードコーディングされた」シリコンチップが使用される場合がある。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ102は、マイクロコントローラと見なされ、それ自体のメモリ、I/Oコントローラ、A/D、D/Aなどを含む場合がある。マイクロプロセッサ102(および全体的なシステム100)は、(たとえば、車両の製造時に)当初の機器として、サードパーティによるアフターマーケットにおいてディーラが取り付けるシステムとして、または任意の他の方式で取り付けられたスタンドアロンデバイスであってもよい。システム100はまた、(車両安全スイートなどの)より大きく、より包括的なシステムの副構成要素であってもよい。
【0027】
マイクロプロセッサ102は、車両が組み立てられたときに取り付けられたBCMの構成要素または副構成要素であってもよい。場合によっては、マイクロプロセッサの機能は、最初に製造されたときに車両の構成要素であるBCMとしてカプセル化されてもよい。そのような場合、
図1に示されたBCM106およびマイクロプロセッサ102は、すべての図示された接続(および場合によってはさらに多くの接続)を有する単一の構成要素として組み合わされる。BCMは、通常、マイクロプロセッサ/マイクロコントローラベースであってもよく、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または必要な制御およびルーチンを実装することが可能な他の論理デバイスが利用されてもよい。
【0028】
一実施形態では、マイクロプロセッサ102は、ハザードスイッチ104から信号を受信する。これは、ハザードランプまたは高視認性照明デバイスを作動させるために使用されるユーザアクセス可能なハザードランプスイッチであってもよい。他の実施形態では、スイッチ104は、具体的に、車両に車両通知ルーチンを開始させるために使用される専用スイッチまたは補助スイッチである。いくつかの実施形態では、スイッチ104は、車両多目的ディスプレイまたはメニューシステム116上で作動する「ソフトスイッチ」である。本明細書でさらに説明されるように、スイッチ104は、本明細書に記載された様々な機能のためにシステム100を作動させる1つの方法にすぎない。いくつかの実施形態では、展開は、スイッチ104の代わりに、またはそれに加えて、自動式であってもよい。ディスプレイ116は、車両のOEM構成要素、アフターマーケットデバイス、またはパーソナル電子デバイスに関連付けられたデバイスを備える場合がある。本開示の目的のために、パーソナル電子デバイスには、必ずしも車両の必須の構成要素ではないが、それにもかかわらず、有線またはワイヤレスのインターフェースを介して車両に効果的な通信を提供することができる、電話、タブレット、ラップトップ、または任意の他のデバイスが含まれる場合がある。
【0029】
音声作動は、システム100がそれによって制御され得るさらなる方法を提供する。そのために、マイクロフォン119が提供される場合がある。マイクロフォン119は、マイクロプロセッサ102専用であってもよく、Bluetoothなどによって通信するハンドフリーナビゲーションシステムまたは携帯電話もしくは他のパーソナル電子デバイスなどの、既存のシステムの一部であってもよい。したがって、システム100は、ユーザが完全に有能ではないか、または部分的に無能である場合でも有用である。今日の一部の車両は、カメラまたは他の手段により、ドライバの集中が適切な目の前の作業(たとえば、運転)から移っていると判断することが可能であることも知られている。したがって、システム100は、ドライバが明示的にそうしていない場合でも、かつ関連付けられた車が任意の他の安全システム(たとえば、けん引制御、エアバッグなど)をまだ展開していない場合でも、危険状態を通知するために作動する場合がある。
【0030】
マイクロプロセッサ102は、フラッシュ、ストロボ、または他の伝達パターンで、車両に関連付けられたライト108の1つまたは複数のセットを作動させるために、関連付けられた車体制御モジュール(「BCM」)に通信を提供することができる。ライト108は、一組のOEM信号ランプを備える場合がある。これらは、マイクロプロセッサ102および/またはBCM106による制御に基づいて、ハザードランプとして、または高視認性視覚インジケータとして使用される場合がある。
【0031】
いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ102はBCM106自体を備えることを理解されたい。言い換えれば、それは既知のBCMを置き換えることができるか、またはそれはハードウェアもしくはソフトウェアを介して既存のBCMに追加される機能を備えることができる。そのような追加および修正は、OEMとアフターマーケットの両方の構成を含むことを理解されたい。
【0032】
車両はまた、マイクロコントローラ110により、本明細書に表された自動化車両システムを介して、危険モードまたは遭難モードに置かれる場合がある。マイクロコントローラ110は専用デバイスであってもよく、スリップ、横滑りなどに対して1つまたは複数の車輪112を監視するABSコンピュータまたはセンサであってもよい。それはまた、けん引制御コンピュータであってもよい。マイクロコントローラ110は、1つまたは複数のエアバッグ114を制御するためのエアバッグコントローラまたはセンサであってもよい。マイクロコントローラはまた、加速度計を備える場合がある。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ110は、マイクロプロセッサ102および/またはBCM106を備える。さらなる実施形態では、本開示の車両および/またはシステムに関連付けられた1つまたは複数のマイクロコントローラは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスまたは別のネットワークもしくはプロトコルを介して通信する。
【0033】
カメラ、レーダー、ソナー、または他の検出システムなどの前向きセンサ(FLS)120は、車両に関連付けられた車道または他の位置から情報を収集することができる構成要素として図示されている。FLS120は、たとえば、自動化クルーズ制御システム、ドライバ覚醒システム、または自動運転システムなどの車両安全または自動化システムの構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、FLS120は、分析用にマイクロプロセッサ102に直接情報を供給することができる。しかしながら、FLS120は、BCM106または関連付けられた車両安全システム(たとえば、自動運転)に供給することもでき、次いで、それがマイクロプロセッサ102に情報を提供する。そのように提供される情報には、たとえば、車両が車線または車道を離れたこと、衝突が発生したかもしくは差し迫っていること、動物もしくは障害物が道路にあること、別の車両が道路にあること、または他の危険が存在することが含まれる場合がある。そのような危険を認識する能力が当技術分野で現在知られている。様々な実施形態では、本開示は、前方のそのような危険を外部システム、ならびに、さもなければそのような危険に気づくことができない車両およびドライバに伝達するためのシステムおよび方法を提供する。
【0034】
動作中、上述された危険のうちのいずれか、もしくは他の危険が示された場合、または横滑り、車両けん引制御、ABS作動、エアバッグ展開、もしくは任意の他の安全関連事象が発生したことがマイクロコントローラ110によって検出された場合、この情報はマイクロプロセッサ102に中継される場合があり、高視認性視覚インジケータが作動する。タイヤ圧力の減少、エンジン冷却剤の減少、トランスミッションの過熱、ガソリン残量の低下または空、および他の事象も、遭難または危険状態に車両を置くために利用される場合があり、結果として、高視認性視覚インジケータが作動することも理解されたい。図示されたように、これはライト108を使用して行われてもよい。しかしながら、個別のビーコンまたは補助ライトを使用することもできる。
【0035】
マイクロプロセッサ102によって実行されたか、またはさもなければマイクロプロセッサ102に示された高視認性視覚インジケータの任意の種類の作動の結果として、システム100は、システムが作動したこと、およびシステムが何のモードにあるかの音声警報をドライバに提供することができる。スピーカ119が提供される場合があり、または車両音声システムもしくは別のシステムを介して可聴式キューが提供される場合がある。同様に、ディスプレイスクリーン116、スイッチ104の照明、ヘッドアップディスプレイ117を介して、または他の機構によって、視覚キューが提供される場合がある。様々なシステムは、高視認性視覚インジケータの複数のモードならびに従来の危険モードが可能であり得る。したがって、展開された特定の高視認性視覚インジケータまたは危険モードは、(たとえば、音声コマンド、ディスプレイパネル116、スイッチ104、または他の機器を介して)ユーザによってアクセス可能であり、変更可能でさえあり得る。
【0036】
ユーザまたは車両のドライバに指示またはフィードバックを提供することに加えて、システム100は、危険、遭難、または緊急の状態を他の車両または受信機に電子的に伝達することができる。危険/遭難/緊急状態の前方伝達は、自動的に行われる場合がある。いくつかの実施形態では、ユーザは、そのような伝達を開始することができる、または車両外部へのその伝達を防止することができる。たとえば、方向指示器(たとえば、ライト108)は、本当の遭難または緊急と関係がない検査目的または視覚効果のために作動する場合があり、偽の信号が他の車両に伝搬されることを回避するために、そのような伝達を抑制することが望ましい場合がある。
【0037】
アウトバウンド通信用にアンテナ118が提供される場合がある。アンテナは、システム100による使用専用であってもよく、2つ以上の使用が可能なダイバーシティアンテナであってもよい。アンテナは、OEMまたはアフターマーケットのアイテムであってもよい。2つ以上のタイプのアンテナが利用されてもよいことも理解されたい。たとえば、必要に応じて、システム100は、wi-fiアンテナ、セルラーネットワークアンテナ、Bluetoothアンテナなどを含む場合がある。
【0038】
マイクロプロセッサ102は、車両に関するデータを提供する際に使用するために、またはそれが取り付けられた車両の位置に受信された信号をマッピングする目的で、GPSデータにアクセスすることができる。GPSユニット125は、例示の目的でマイクロプロセッサ102と通信している状態で示されている。GPSユニット125は、システム100、個別の車両サブシステム、またはサブシステムの構成要素による使用専用であってもよく、あるいはGPSデータ、またはユーザもしくは乗員のパーソナル電子デバイスからの「アプリ」を表示することさえできる。
【0039】
緊急事象の通信は、地域内の車両が遭難状態であることの、適切な受信機を有する万人向けの簡単な指示であり得る。しかしながら、さらなる有用な情報が伝達される場合もある。システム100を介して伝達され得る情報には、緊急を通知した車両システム(ABS、けん引、エアバッグ、手動作動など)、(たとえば、GPSを介する)車両の位置、速度、車両の機械状態(動作可能か否か)、車両の向き(横転または他の状態)、エアバッグの展開、およびドライバの見かけの状態(制御に関与しているかまたは他の状態)が含まれるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、カメラまたは他のセンサを介して、そのような情報がマイクロプロセッサ102に利用可能な場合、車両の乗員の数、シートベルトの状態などを伝達することが可能であり得る。システムは、そのようなデータ、特にGPS位置データを使用して、システムを備えている車両が緊急状態の妨害コース上にいつ進むかを計算し、緊急状態を通知した車両に遭遇する可能性が高い車両のオペレータにのみ通知して、非妨害コース上にいる近くの車両への不要な警告を最小化することができる。いくつかの実施形態では、他のシステム装備車両への通知は、システムに組み込まれているか、または車両エンターテインメントシステムへのインターフェースを介する、音声指示または視覚的指示であってもよい。加えて、車両がヘッドアップディスプレイを備えている場合、視覚的指示が投影されてもよい。GPS情報を使用して、システムはまた、遭難状態の車両の位置を車両内のGPSマップディスプレイに表示することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、システム100は、別の車両の緊急状態または危険状態に関係する可能性がある伝達を、(アンテナ118または別のアンテナを介して)ワイヤレスに受信することができる場合がある。したがって、マイクロプロセッサ102は、送信機と受信機の両方を有するか、またはそれらに通信可能に結合することができる。これにより、(地形、交通、建物、気象条件などに起因して)乗員が車両を視覚的に観察することができない場合でも、近くの車両が危険状態にあるかもしれないことを、システム100が乗員に知らせることが可能になる。これにより、また、ドライバが用心をするか、または停止するかもしくは速度を落とす準備をすることができるように、EMS、消防、警察などの車両が車道にいることを、車両が知らされることが可能になる場合がある。システム100はまた、通常の一般人の交通としてのみ識別された近くにいる他の車両よりも多くの情報が、警官または救急隊員(たとえば、幾人かの乗員)に提供されることを可能にすることができる。当然、プライバシーに対する懸念は、任意のそのようなシステムの考慮に入れる必要があり得る。
【0041】
次に
図2を参照すると、本開示の車両間通信機構などの、システムを利用する車両間通信機構の様々な例が示されている。ここで、車両202は、車道204上で第2の車両206から離れた距離に示されている。車両は図示よりもかなり遠く離れている場合があり、地形、障害物、および他の車が、図示された2つの例示的な車両の間に存在し得ることを理解されたい。車両202/206はまた、システム100または同様のシステムなどの危険または安全通信システムを備えていると見なされる。
【0042】
本例では、車両202は、車両がそれによって危険、緊急、または遭難の状態になった、危険、故障、衝突、または他の事象に遭遇している。高視認性視覚インジケータが展開される場合がある。高視認性視覚インジケータが前部信号灯222および後部信号灯224を備える場合、両方とも高速で閃光し、かつ/または方向ストロボ(たとえば、右から左)を提供している場合がある。これは、ドライバもしくは別の乗員によって手動で行われるか、または1つもしくは複数の自動車両システムによって自動で行われる場合がある。他のドライバに事前警告を提供するために、または緊急サービスを要求するために、または他の理由で、危険状態はワイヤレスに伝達される場合がある。
【0043】
図示された例では、車両202は車両206に危険状態を伝達し、したがって、車両206が、自動的に、またはそのドライバによる制御のために、車206の位置から見えない可能性がある前方の緊急事態に向けて準備されることを可能にする。いくつかの実施形態では、無線通信208が直接車両間で行われる場合がある。この直接方式で通信された信号は、そのような目的で確保された専用無線周波数上で発生したデジタル信号またはアナログ信号である可能性がある。しかしながら、それは、限定はしないが、携帯電話ネットワークまたは衛星ベースのネットワークなどの、外部構築基盤を有するネットワークシステムを介して行われる場合もある。
【0044】
2つ以上の車が車両202からの緊急事態の指示を受信する場合があることを理解されたい。たとえば、2つ以上の車両がローカルにブロードキャストされた信号を受信する場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、車両206は、受信された情報をデイジーチェーンのような方式で自動的にさらに中継することができる。いくつかの実施形態では、緊急指示または危険が中継され得る回数または距離には制限があり得る。たとえば、危険に遭遇する可能性がまったくないか、または任意の妥当な時間フレーム内にない、道路の数マイル先にいる車両にメッセージを中継する利益がほとんどまたはまったくない場合がある。元の送信した車両からの受信した車両の距離は、利用可能なGPSデータ、セルタワーデータ、またはマイクロプロセッサ102に利用可能な他の情報に基づく場合がある。
【0045】
本開示のシステムによる直接通信、ワイヤレス通信、または車両間通信は、任意の既知のワイヤレス無線周波数プロトコルによって行うことができると考えられる。車両間通信は、可視光通知(たとえば、カメラ120などによる車両202上のライトの高周波閃光を監視する車両206)を介して、(関連付けられた車両と統合されたIRトランシーバによる)赤外線を介して、または他の光ベースの通信方法を介して行うことができることも理解されたい。
【0046】
例示されたように、車両202は、通信リンク212によって示されたように、タワー210によってここに表されたワイヤレスの電話またはデータネットワーク(たとえば、セルラー)に、現在の危険状態を伝達する。ネットワーク210は、3G/4G/5Gまたは他のネットワークなどの電話およびデータネットワークを含む場合がある。本開示のシステムおよび方法は、任意の既知のネットワークによる動作向けである。ネットワーク210は、リンク214によって示されたように、地域内の他の車両に緊急または危険を伝達することができる。ここで繰り返すが、地域内のすべての車両が、必ずしも車両202が遭遇した特定の危険によって影響を受けるとは限らない。警告された車両に搭載されたシステムは、(提供された場合)緊急事態の位置およびタイプに基づいて、警告された車両に影響を及ぼす危険か、または影響を及ぼさない危険かを区別することができる。たとえば、隣接する街路上の危険は、ネットワーク210から危険の指示を受信した車両に対して、必ずしも警告または任意の他のアクションを引き起こすことはない。
【0047】
別の実施形態では、危険の存在は、衛星ネットワーク216を介して関係車両および他のデバイスに中継される場合がある。そのような場合、車両202は、緊急または危険および関連付けられた関係データを衛星ネットワーク216に搬送することができる。次いで、そのような情報は、ネットワーク216によって車両206または他の車両に中継される場合がある。衛星ネットワーク216は2つ以上の衛星を提供することができることを理解されたい。本開示のシステムおよび方法は、いかなる特定の衛星システム実装形態にも限定されるものではない。
【0048】
車両206などの他の車両に加えて、危険は緊急サービス230に伝達される場合がある。これは、本明細書で説明された方法のうちのいずれかを介する場合がある。緊急サービスには、消防、警察、救急、および路側支援サービスが含まれる場合があるが、それらに限定されない。危険を通知した車両によって提供された情報が十分詳細である場合、遭難した車両に最も関係するサービスを派遣することによって時間が節約される場合がある。たとえば、危険または遭難が機械的な故障の結果のみである場合、路側支援および恐らくは警察が通知を受ける可能性があるが、EMSまたは消防は通知を受けないかもしれない。
【0049】
次に
図3を参照すると、本開示の態様による、緊急通信システムリンク300の別の実施形態の通信リンク図である。システム300は、車両に取り付けられた構成要素をシステム100と共有するが、明確にするためにすべては図示されない。ここで、特定の車両202は論理的な境界線として示されている。高視認性視覚インジケータ222/224は、それらが車両202の外部(たとえば、前方または後方)で見えていることを意味するために、車両202の境界の外側に示されている。システム100の内部構成要素は車両202内に示され、ディスプレイスクリーン116およびオプションのスイッチギヤ302が見えている。当初の機器またはアフターマーケットアドオンとしてヘッドアップディスプレイ117が提供された場合、それは、警告、メッセージ、または他の情報を受信し表示するために、システム100に通信可能に結合される場合がある。アンテナ118も車両202の外部に示されているが、それは、実際には、それがネットワーク210との通信リンクを確立することができる限り、車両の境界内にあってもよい。明確にするために単一の車両202のみが概略的に示されているが、本明細書に記載された警告を発行および受信することに参加することができるように、複数の車両がシステム100または同様のシステムを備えている場合があることを理解されたい。
【0050】
ネットワーク210は、前述されたように、車両202および他の車両との間で通信を送受信することができる。ここで、しかしながら、ネットワーク210が、TCP/IPまたは別の適切なプロトコルを使用して、インターネット301を介してデータを送信する。データは、当技術分野で知られているように、暗号化されるか、または他の方法で保護される場合がある。車両202からのデータは、最終的にデータサーバ302に提供される。サーバ302は、GPS位置または他のデータに基づいて車両を追跡することができる。したがって、サーバ302は、次いで、任意の受信された危険または緊急の状態通知が他の車両のどれに中継されるべきかに関して区別することができる。サーバ302はまた、自動的にEMSまたは他のサービスを要求するために接続される場合がある。GPSおよび他の既知のデータは、サーバ302により、より高速の応答時間で関連サービスに提供され得る。サーバ302は、当技術分野で知られているソフトウェア方法を使用して、危険状態および位置データの指示を処理し、分析し、優先順位を付け、かつ配布する役割を果たすことが可能な任意のデバイスであり得ることを理解されたい。サーバ302は、複数の冗長なサーバを備えることができ、当技術分野で知られているクラウドベースのサービスを備えることができる。
【0051】
システム100と通信しているパーソナル電子デバイス、電話314の一例も
図3に示されている。通信は、Bluetoothまたは別のワイヤレスプロトコルを介して、またはテザリング/有線接続を介して行うことができる。場合によっては、電話314は、場合によっては乗員/ユーザデータおよび/またはGPS情報を提供するシステム100との相互作用を提供することができる。システム100は、アプリまたは別の適切なインターフェースを介して、電話314を介して部分的または完全に制御可能であり得る。システム100はまた、Apple CarPlay(登録商標)、Android Auto(登録商標)などのよく知られたプロトコルを介して、電話314とインターフェースするように動作可能であり得る。
【0052】
次に、
図4を参照すると、道路網上の運転車両と故障車両との間の潜在的な関係を示す
図400が示されている。
図400は、現実的なシナリオで配備された本開示によるデバイスおよびシステムの機能のうちの少なくともいくつかを示すものである。カーブセクション406につながる直線セクション404を有する車道402が示されている。直線セクション404がカーブセクション406につながるところでは、車道402の明瞭な視認が建物408によってブロックされる(ただし、建物408は、木、地形、ガードレール、または気象条件に起因する制限された視界を含む、任意の他の障害物であり得る)。直線セクション404で車道402につながる側道410も示されている。例示目的で、様々な車両420、422、424、426が様々な位置に示されている。
【0053】
基本的な例では、車両422が(限定はしないが、上記で提供された例のうちのいずれかなどの)危険状態に遭遇しており、車両422が本開示によりシステム(たとえば、システム100)を備えている場合、車両422は、危険を示す送信されるワイヤレス信号をもたらす高視認性視覚インジケータを(手動または自動で)展開することができる。車両420が正しく装備されていると仮定すると、それは、危険がドライバによって認識されるよりも恐らくはかなり前に、(直接またはネットワーク210から)信号を受信し、したがって警告される場合がある。車両420がクルーズ制御を作動させている場合、それはキャンセルされる場合があるか、ブレーキが作動する場合があるか、または自動化車両制御システムに基づく任意の数の予備手段が行われる場合がある。
【0054】
車両424も正しく装備されている場合、危険指示は、(車両420またはネットワーク210から)車両424にも伝達される場合がある。このように、車両424が車両420のために道路の先の方で制限された視界しかもつことができないか、またはさもなければ、車両420の減速もしくは回避以外のいかなる危険の指示ももたない場合でも、車両424は直ちに警告され得、ドライバまたは運転システムは適切な予防措置をとることができる。とられた任意の自動ステップ、または人間のドライバに提供された警告のレベル(たとえば、より音が大きいアラーム、目に見えるフラッシュライトなど)は、近接度、速度、道路状態、または他の要因に応じて故障したかまたは危険にぶつかった車両422に対する車両420、424のいずれかの近接度に基づいて増大する可能性がある。
【0055】
いくつかの状況では、近くの車両から危険状態の指示を受信した車両は、その高視認性視覚インジケータを自動的に展開することができる。たとえば、車両420または424は、必要でない場合に偽の信号を提供しないように、危険にぶつかった車両422に十分近いとき、それらは、本開示によるシステムを備えていない車両に警告を提供するために、それら自体の高視認性視覚インジケータを展開することができる。
【0056】
別の例では、車両420が車道で故障した場合、車両424は、車両420に遭遇すると自身の高視認性視覚インジケータを自動的に展開し、建物408のまわりの制限された視認に起因して高い危険状況にあるので、危険状態を示す信号をネットワーク210に、かつ/またはローカルブロードキャストを介して自動的に送信することができる。そのようなアクションは、ドライバが反応しない場合でも、たとえば、車両424内に配備されたシステム100によってとられる場合がある。マイクロプロセッサ102は、GPSデータ、カメラデータ、または他のデータに基づいて、車両424が車道で停止してしまい、それが交通渋滞または他の比較的無害の状態の結果ではないことを知らされる場合がある。近づいてくる車両426は、したがって、自身のシステム(たとえば、システム100)に基づいて警告され、それがそのように備えていない場合、ドライバは、少なくとも車両424の増大した視認性に基づいて適時かつ適切な方式で反応する改善された機会を有する。
【0057】
別の例では、車両428は、側道410で大破し、交通の2車線を占有している。車両428がそのように(たとえば、100などのシステムを)備えている場合、車両428は高視認性視覚インジケータを自動的に展開し、直接ブロードキャストにより、かつ/またはネットワーク210を介してローカルにその状況およびGPS位置の通信を展開することができる。車両420は故障車両428の非常に近くを通過している可能性があるが、自身のマイクロプロセッサ102がGPSデータに基づいて、車両420が必ずしも車両428にまったく遭遇しないことを算出することができるので、自身の高視認性視覚インジケータは展開しない可能性がある。したがって、故障車両428に対応する信号が誤って伝搬されて、場合によっては車両424、426から減速または衝突の積み重ねを引き起こすことがない可能性がある。
【0058】
これらの例は例示的であるにすぎず、本開示のシステムおよび方法は、多くの他の動作モードおよび多くの他の機能を有する場合があることを理解されたい。直接車両間通信およびネットワーク210を介する通信に加えて、例示された車両は、衛星および/もしくはサーバベースのシステム(たとえば、300)またはこれらの組合せを介して通信することができることも理解されたい。
【0059】
次に、
図5を参照すると、本開示の態様による、緊急車両通信システムの動作の1つの方法に対応するフローチャート500が示されている。チャート500は、本開示によるシステム(たとえば、100、300)が、別の車両が危険状態に遭遇したことの通知を受信するときの潜在的な動作フローを示す。ステップ502において、システム100は危険/緊急通知を受信する。本例では、システムは元のブロードキャスティングデータからGPS座標を受信する。ステップ504において、システムは、(たとえば、GPSユニット125から)自身のGPS位置データを取得する。ステップ508において、マイクロプロセッサは、ブロードキャストした車両のGPS位置が自身の道路経路上の位置を表すかどうかを判定することができる。本開示の目的のために、道路経路は、方向を考慮して、受信する車両が走行している車道であるか、または車両が取る可能性が高い側道、カーブ、出口などにある。
【0060】
はいである(ブロードキャストした車両の位置が受信した車両の道路経路上にある)場合、ステップ510において、システムは、ブロードキャストした車両が直ちにドライバまたは車両に警告することを必要とするしきい値以内にいるかどうかをさらに判定することができる。判定は、速度制限、時間または曜日、道路状態などに基づく場合がある。たとえば、別の車両からブロードキャストされ受信された危険をドライバに警告することは、受信した車両がすでに停止しているか、駐車しているか、または隣接する車道にいる場合、役に立たない可能性がある。しかしながら、低いしきい値の警告(たとえば、車内部の非緊急警告指示)が依然として与えられる可能性がある。
【0061】
ブロードキャストした車両がしきい値以内にいる場合、ステップ512において、適切な警告が提供される場合がある。これは、(たとえば、CANバスまたは他の接続を介する)車両のドライバと車両自体の両方に対してである。警告は、クルーズ制御を停止するか、他の予防措置をとるか、または自動運転システムが停止、ルート変更などを準備するために、車両の自動制御システムによって使用される場合がある。
【0062】
ステップ514において、受信した車両自体が現在危険状態にあるかどうかを判定するために、第2のしきい値がチェックされる場合がある。これは、GPS、カメラ、または他のデータ、全体的な状態、ブロードキャストした車両に対する近接度、および他の要因からの車道内の場所に基づく場合がある。ステップ514において、それが保証されるとシステム100が判断した場合、受信した車両は自身の高視認性視覚的表示システムを作動させることができる。
【0063】
ブロードキャストした車両が受信した車両の道路経路上になく(ステップ508)、警告しきい値(ステップ510)または危険しきい値(ステップ514)以内にない場合、ステップ518において、システムは、それにもかかわらず、ブロードキャストされた警告が自身の接続サーバ(たとえば、サーバ302)から受信されたかどうかを判定することができる。そうでない(たとえば、ワイヤレスに、光センサを介するなどにより、ブロードキャストした車両から直接的にのみ信号が受信された)場合、ステップ520において、システムは自身のサーバに危険状態警告を転送することができる。このように、ブロードキャストされた事象は、サーバ302によってインターフェースされた他の車両に利用可能になる。システムが自身の高視認性視覚的表示システムを展開した場合、これは元々ブロードキャストされた危険状態が拡張または伝搬された可能性があることを示すので、システムは、ステップ302においてサーバにこれを報告することもできる。
【0064】
「含む」、「備える」という用語、およびそれらの文法的変形形態は、1つまたは複数の構成要素、特徴、ステップ、もしくは整数、またはそれらのグループの追加を排除しないこと、ならびにそれらの用語が構成要素、特徴、ステップ、または整数を指定すると解釈されるべきことを理解されたい。例示および記載された実施形態が、図示されていないさらなる構成要素を有する場合があり、それらの不在によって排除されるものではないことも理解されたい。しかしながら、他の実施形態は明確に参照されたそれらの構成要素のみを含み、他の構成要素および機能は、したがって排除される。当業者によって容易に把握され、存在すると理解されたすべての構成要素およびステップが、必ずしも明確に記載または例示されるとは限らない。
【0065】
動作可能な接続、通信可能な結合、および同様の用語は、述べられた機能を提供するために適切な構造が存在する場合があることを示す。
明細書または特許請求の範囲が「さらなる」要素を参照する場合、それは2つ以上のさらなる要素が存在することを排除しない。
【0066】
特許請求の範囲または明細書が「1つの」要素を参照する場合、そのような参照は、ただ1つのその要素が存在すると解釈されるべきでないことを理解されたい。
構成要素、特徴、構造、または特性が含まれる「場合がある」、「かもしれない」、「ことができる」、または「可能性がある」と明細書が述べた場合、その特定の構成要素、特徴、構造、または特性は含まれる必要がないことを理解されたい。
【0067】
該当する場合、実施形態を記載するために状態図、フロー図、または両方が使用される場合があるが、本発明は、それらの図または対応する説明に限定されない。たとえば、フローは、各々の例示されたボックスもしくは状態を初めから終わりまで、または例示および記載された順序とまったく同じ順序で移動する必要はない。
【0068】
本発明の方法は、手動、自動、またはそれらの組合せで、選択されたステップまたはタスクを実行または完了することによって実施される場合がある。
「方法」という用語は、本発明が属する技術分野の実践者にとって既知であるか、または実践者によって既知の方式、手段、技法、および手順から容易に開発された方式、手段、技法、および手順を含むが、それらに限定されない、所与のタスクを遂行するための方式、手段、技法、および手順を指すことができる。
【0069】
その後に数が続く「少なくとも」という用語は、本明細書では、(定義された変数に応じて、上限をもつか、または上限をもたない範囲であり得る)その数から始まる範囲の開始を表記するために使用される。たとえば、「少なくとも1」は、1または2以上を意味する。その後に数が続く「多くとも」という用語は、本明細書では、(定義された変数に応じて、その下限として1もしくは0をもつ範囲、または下限をもたない範囲であり得る)その数で終わる範囲の終了を表記するために使用される。たとえば、「多くとも4」は、4または4未満を意味し、「多くとも40%」は、40%または40%未満を意味する。
【0070】
本文書では、範囲は、「(第1の数)から(第2の数)」または「(第1の数)~(第2の数)」として与えられ、これは、その下限が第1の数であり、その上限が第2の数である範囲を意味する。たとえば、25から100は、その下限が25であり、その上限が100である範囲を意味するように解釈されるべきである。さらに、範囲が与えられた場合、文脈上他の意味を示さない限り、その範囲内のあらゆる可能な部分範囲または間隔も具体的に意図されることに留意されたい。たとえば、指定が25から100の範囲を示す場合、そのような範囲はまた、26~100、27~100など、25~99、25~98など、ならびに述べられた範囲内の下限値と上限値の任意の他の可能な組合せ、たとえば、33~47、60~97、41~45、28~96などの部分範囲を含むものである。整数の範囲値は例示目的のみでこの段落で使用されており、小数および分数の値(たとえば、46.7~91.3)も、具体的に排除されない限り、可能な部分範囲の端点として意図されると理解されるべきである。
【0071】
本明細書において、2つ以上の定義されたステップを含む方法に対して参照が行われた場合、定義されたステップは、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)任意の順序または同時に遂行され得、方法はまた、(文脈がその可能性を排除する場合を除き)定義されたステップのいずれかより前に、定義されたステップのうちの2つの間に、または定義されたステップのすべての後に遂行され得る1つまたは複数の他のステップを含むこともできることに留意されたい。
【0072】
さらに、近似の用語(たとえば、「約」、「実質的に」、「おおよそ」など)は、本明細書において別段の指示がない限り、関連する技術分野で使用されるように、それらの普通および通常の意味に従って解釈されるべきであることに留意されたい。本開示内に具体的な定義がない限り、かつ関連する技術分野で普通および通常の使用がない限り、そのような用語は、基底値のプラスマイナス10%であるように解釈されるべきである。
【0073】
このように、本発明は目的を遂行し、上述された目標および利点ならびにその中に固有の目標および利点を達成するためにうまく適合している。本発明のデバイスは、いくつかの好ましい実施形態を、それらに添付された図面との関連で参照することによって本明細書に記載および例示されているが、本明細書に図示または示唆されたものは別として、様々な変更およびさらなる修正は、本発明の概念の趣旨および以下の特許請求の範囲によって決定されるべき範囲から逸脱することなく、当業者によってその中で行われる場合がある。
【国際調査報告】