(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
D06F 67/04 20060101AFI20221012BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20221012BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20221012BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20221012BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20221012BHJP
G06V 10/82 20220101ALI20221012BHJP
【FI】
D06F67/04
D06F95/00
B25J15/00 C
G06T7/70 Z
G06T7/00 350C
G06V10/82
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509050
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 NL2020050512
(87)【国際公開番号】W WO2021034190
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522055429
【氏名又は名称】ランドリー ロボティックス ベスローテン ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー マルティヌス ファン ニーウェンハイゼン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター ポール テン ハーゲン
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ コベル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス コベル
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ホーファー
(72)【発明者】
【氏名】マルク ヨハネス ヘンドリック マリヌス ファン ベークホルト
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン コルネリス ヘルマナス ヨハネス マーセン
【テーマコード(参考)】
3C707
5L096
【Fターム(参考)】
3C707DS02
3C707DS03
3C707ES03
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS06
3C707KT01
3C707KT06
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3C707LW15
3C707NS10
3C707NS29
5L096BA05
5L096CA02
5L096FA12
5L096FA67
5L096FA69
5L096HA11
(57)【要約】
本発明は、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するシステム及び方法に関する。これによると、フラットワーク物品の第1及び第2の角部が検出され、第1及び第2のグリッパが使用されて、搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に後に供給され得るフラットワーク物品の検出された第1又は第2の角部を把持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給する方法であって、
a)画像におけるフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習された少なくとも1つのニューラルネットワークを提供するステップと、
b)少なくとも1つのフラットワーク物品を提供するステップと、
c)前記フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するステップと、
d)前記第1の画像を前記ニューラルネットワークに提供するステップと、
e)前記フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の可能性ある位置及び/又は向きを前記ニューラルネットワークから受信するステップと、
f)第1のグリッパを前記フラットワーク物品の特定された角部に向けて移動させるステップと、
g)前記第1のグリッパによって前記角部を把持するステップと、
h)把持された前記角部によって前記フラットワーク物品を、好ましくは略水平な向きに、移動させるステップと、
i)前記フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部が実質的に垂れ下がるように、クランプによって第1の角部に対向する遠端を保持するステップと、
j)前記フラットワーク物品を支持面上に、好ましくは前記第2の角部が前記支持面上に配置されるように、移動させるステップと、
k)前記フラットワーク物品の前記第2の角部の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するステップと、
l)前記第2の画像を前記ニューラルネットワークに提供するステップと、
m)前記フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の可能性ある位置及び/又は向きを前記ニューラルネットワークから受信するステップと、
n)前記フラットワーク物品の特定された前記第2の角部に向けて第2のグリッパを移動させるステップと、
o)前記特定された第2の角部を前記第2のグリッパによって把持するステップと、
p)任意選択的に、前記フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
q)少なくとも1つのフラットワーク物品の複数の画像を取得するステップであって、各画像が前記フラットワーク物品の少なくとも1つの角部を示す、ステップと、
r)前記フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報で各画像に注釈付けするステップと、
s)フラットワーク物品の注釈付きの前記画像をニューラルネットワークに保存するステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
t)前記第1のグリッパによる前記特定された角部の前記把持が成功したかを判定するステップ、
u)前記ステップb)において作成された少なくとも1つの第1の画像に、少なくとも1つの角部の前記位置及び/又は向きの情報で注釈付けするステップ、及び
v)注釈付きの前記画像を少なくとも1つのニューラルネットワークに付加するステップ、並びに/又は
w)前記第2のグリッパによる前記第2の角部の前記把持が成功したかを判定するステップ、
x)前記ステップk)において作成された少なくとも1つの第2の画像に、前記第2の角部の前記位置及び/又は向きの情報で注釈付けするステップ、及び
y)注釈付きの前記第2の画像を少なくとも1つのニューラルネットワークに付加するステップ、
をさらに備える請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
z)前記第1の角部から最短の距離にある第2の角部が垂れ下がるように、前記ステップj)の前に前記フラットワーク物品を振り動かすステップ、
を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップo)は、
o1)前記フラットワーク物品の前記第2の角部を吸引によって持ち上げるステップと、
o2)前記第2の角部の少なくとも一部を前記第2のグリッパによって、特に前記第2のグリッパの締付け要素によって、包囲することによって前記第2の角部を把持するステップと、
を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
aa)前記フラットワーク物品が前記ステップj)の後に、かつ好ましくは前記ステップk)の前に、前記支持面に押圧されるように、前記支持面の下部から空気を吸引するステップと、
bb)前記第2のグリッパが前記第2の角部を把持した後に前記空気の吸引を停止するステップと、
をさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記フラットワーク物品が前記支持面から押し離されるように前記支持面に空気を吹き抜けさせるステップをさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
cc)複数のフラットワーク物品を提供するステップと、
dd)少なくとも1枚のフラットワーク物品をピッカーによって摘まみ取るステップと、
ee)前記フラットワーク物品を略水平面上に配置するステップと、
を備える請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ff)前記ニューラルネットワークから少なくとも1つのフラットワーク物品の各検出された第1の角部を評価するステップと、
gg)所定の閾値スコアよりも高いスコアを有する把持対象の角部を選択するステップ、及び/又は
hh)前記スコアが前記閾値スコアよりも低い場合に前記フラットワーク物品を破棄するステップと、
をさらに備える請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のグリッパは、複数の角部が特定される場合に最も近い角部を把持するように制御される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
二次的な第1のグリッパが、前記ステップg)の後に前記第1の角部を引き継ぐ、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
三次的な第1のグリッパが、前記ステップj)の前に前記第1の角部を引き継ぐ、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
好ましくは請求項1から12のいずれか一項に記載の方法によってフラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するシステムであって、
-フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するように構成された少なくとも1つの第1の視覚的撮像装置と、
-フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するように構成された少なくとも1つの第2の視覚的撮像装置と、
-画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークと、
-フラットワーク物品の第1の角部を把持するように構成された少なくとも1つの変位可能な第1のグリッパと、
-前記フラットワーク物品の第2の角部を把持するように構成された変位可能な第2のグリッパと、
-フラットワーク物品の少なくとも一部を支持するように構成された支持面と、
を備えるシステム。
【請求項14】
前記第1のグリッパは、前記フラットワーク物品の角部の少なくとも一部を包囲するように構成された把持口部を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のグリッパを前記ニューラルネットワークによって特定された場所に向けて移動させるための駆動部をさらに備える請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1つの第1のグリッパ、特に前記把持口部は、回転軸に対して少なくとも180度、好ましくは360度にわたって回転可能である、請求項13から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2のグリッパが、前記角部を把持する前に前記第2の角部の少なくとも一部を持ち上げるように構成された、請求項13から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記支持面は、少なくとも部分的に通気可能である、請求項13から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の角部に対向する前記フラットワーク物品の遠端を保持するように構成された少なくとも1つのクランプを備える請求項13から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの前記第1のグリッパ及び前記第2のグリッパは、独立して可動かつ制御可能である、請求項13から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の視覚的撮像装置及び/又は前記第2の視覚的撮像装置はカメラを備える、請求項13から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも1つのエアナイフを備える請求項13から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
請求項13から22のいずれか一項に記載のシステムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するための方法に関する。本発明は、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するためのシステムにも関する。本発明はさらに、このようなシステムの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ランドリーサービスは、例えば、ホテル、レストラン、ジム、温泉、学校、ケアホーム、老人ホーム、又は更なる他の施設のためのフルサービスのランドリーソリューションを提供することを専門にしている。これは、このような団体からの汚れた洗濯物が産業用ランドリーサービスに提供され、クリーニングされると返却されることを意味する。したがって、大量の使用された又は汚れた洗濯物は、使用される場所に返却可能なように、区分けされ、洗濯され、乾燥され、任意選択的にアイロンがけされ又はプレス加工され、その後に折り畳まれる必要がある。洗濯及び乾燥工程は、一連の洗濯機、乾燥機及び/又はプレス並びに自動化された搬送システムを使用することによってほぼ完全自動化されている。洗濯物の折り畳みも、折り畳み装置を使用することによって自動化され得る。ただし、一部のステップについては、洗濯物は、いくらか特定の配置において、以下の加工手段に提供される必要がある。例えば、一塊の洗濯物の区分けは、手動で行われる。他の例は、供給コンベア若しくは皺伸ばし機への洗濯物の供給又は折り畳み機へのテキスタイルの挿入である。後者について、例えば、シーツ(又はタオル)は、2つの上下に配置されたローラに又はコンベア上に挿入される場合には、通常は長方形又は正方形のシーツの第1の辺は搬送方向に垂直となり、シーツの2つの角部が相互に平行となるように配置されることが重要である。この特定のアラインメントは、従来の折り畳み装置及びこの技術分野で使用される更なる機械類の通常の要件である。シーツのこの特定の向きのゆえに、このステップの自動化は困難であり、又は達成不可能でさえある。したがって、当該ステップは、今日では未だに手動で行われている。手動で行われるステップを未だに有する全体工程は幾つかの理由で望ましくなく、これは、例えば、労力及びコストの双方がかかるためである。また、これは、肉体的に過酷な作業であり、かつ比較的時間のかかる作業でもあるため、全体工程の中での制限要因となっている。したがって、システム全体の更なる自動化のニーズがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、産業用ランドリー工程の更なる自動化に寄与し得る方法及び/又はシステムを提供することである。
【0004】
本発明は、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給する方法であって、
a)画像におけるフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習された少なくとも1つのニューラルネットワークを提供するステップと、
b)少なくとも1つのフラットワーク物品を提供するステップと、
c)当該フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するステップと、
d)第1の画像をニューラルネットワークに提供するステップと、
e)フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の可能な位置及び/又は向きをニューラルネットワークから受信するステップと、
f)第1のグリッパをフラットワーク物品の特定された角部に向けて移動させるステップと、
g)当該第1のグリッパによって角部を把持するステップと、
h)把持された角部によってフラットワーク物品を、好ましくは略水平な向きに、移動させるステップと、
i)フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部が実質的に垂れ下がるように、クランプによって、把持された第1の角部に対向する遠端を保持するステップと、
j)フラットワーク物品を支持面上に、好ましくは第2の角部が当該支持面上に配置されるように、移動させるステップと、
k)フラットワーク物品の第2の角部の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するステップと、
l)第2の画像をニューラルネットワークに提供するステップと、
m)フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の可能な位置及び/又は向きをニューラルネットワークから受信するステップと、
n)当該フラットワーク物品の特定された第2の角部に向けて第2のグリッパを移動させるステップと、
o)特定された第2の角部を当該第2のグリッパによって把持するステップと、
p)任意選択的に、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するステップと、
を備える方法をここに提供する。
【0005】
本発明による方法によって、第1の角部及び第2の角部の自動化された把持が可能となる。上記に概説したように、通常は、第1及び第2の角部は、相互に実質的に平行となる必要があり、フラットワークの第1の辺は、後続の装置に供給される際に搬送方向に対して垂直とならなければならない。第1及び第2の角部を把持することによって、フラットワーク物品を搬送コンベア、フラットワーク処理装置及び/又はフラットワーク物品の更なる加工若しくは処理のために構成された更なる任意の装置に供給可能とすることができる。フラットワーク物品を摘まみ取り、角部を把持し、フラットワーク物品を供給する従来的な手動のステップは、本発明による方法によってほぼ完全に置き換え可能となる。したがって、この方法は、産業用ランドリー工程の更なる自動化に寄与し得る。その追加的な利点は、ランドリー工程の全体効率が向上可能となることである。
【0006】
本発明による方法は、その後にフラットワーク物品の第1の角部及び第2の角部を検出及び把持する正確かつ反復可能な態様を提供する。画像内にフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習され、少なくとも1つの第1の画像及び少なくとも1つの第2の画像の情報を提供するように構成されたニューラルネットワークの提供によって、フラットワーク物品の角部の場所及び/又は向きが比較的単純かつ効率的に特定可能となる。取得された第1又は第2の画像を少なくとも1つのニューラルネットワーク内で使用すると、ニューラルネットワークからフラットワーク物品の第1及び第2の角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信することになる。基本的に、本発明による方法は、現実的な態様で画像認識を利用する。まず、フラットワーク物品の少なくとも1つの第1の角部の向き及び/又は位置が特定されることになる。第1の角部の位置及び/又は向きがニューラルネットワークによって特定されると、第1のグリッパは、フラットワーク物品の角部を把持するように移動及び作動される。この方法の利点は、フラットワーク物品を事前に配置決めすることを要さずに、フラットワーク物品の第1の角部の位置及び/又は向きの特定が可能となることである。学習済みのニューラルネットワークを用いることによって、フラットワーク物品がどのように配置決めされるのかは重要ではなくなる。ここで、追加の配置決めステップが省略可能となる。方法によって、山積みされた複数のフラットワーク物品からの1枚のフラットワーク物品の第1の角部の検出も可能となる。第1のグリッパによる検出された第1の角部の特定の把持は、1枚のフラットワーク物品のみが把持されることを確実とすることができる。また、方法によって、フラットワーク物品の縁又は折り畳み部分ではなく角部が検出されることを保証可能とすることができる。本発明による方法は、フラットワーク物品の第1の角部を検出及び把持する確実かつ反復可能な態様を提供する。第1の角部という用語は、把持される第1の角部を意味する。第1の角部を把持するためのステップa)~g)は、幾つかの点で従来技術に対して有益なものとなる。現行技術による方法又はシステムは、通常、最も下部に垂れ下がる角部が検出及び把持されるように、フラットワーク物品をランダムに把持し、それがその後に吊るされる。これは、比較的面倒であり、第1の角部の確実かつ反復可能な把持を保証することができない。また、表面プロファイルの特定を利用するシステムは、角部自体の正確かつ反復可能な把持を保証することができない。本発明による方法は、フラットワーク物品がマーキングされることもフラットワーク物品に識別手段自体が設けられることも必要としない。把持された第1の角部によってフラットワーク物品を好ましくは略水平な向きに移動させることの利点は、フラットワーク物品の比較的制御された移動が開始可能となることである。例えば、フラットワーク物品をガイド装置によって誘導する手段によって水平向きが可能となることが考えられる。フラットワーク物品は、少なくとも2つの隣接するガイドローラなどのガイド要素を介して移動され得る。これにより、そのようなガイドローラは、フラットワーク物品が略水平な向きに通過できるように、上下に配置され得る。フラットワーク物品を略水平な位置に移動させることの利点は、フラットワーク物品及びその移動が、フラットワーク物品を鉛直の、すなわち、垂れ下がる向きに移動させることと比較して、より制御可能となることである。略水平の向きは、第1の角部に対向する遠端を例えばクランプによって保持することによって維持され得る。これは、通常は、フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部が実質的に垂れ下がるようにして行われる。これは、把持対象の第2の角部である。前述のガイドローラがクランプの保持機能を担うことも考えられる。また、そのようなクランプを使用すると、フラットワーク物品はその略水平の向きを少なくとも一時的に確実に維持することができる。これは、例えば、支持面上にフラットワーク物品を移動させている間に、支持面上でのフラットワーク物品の正しい配置を実現することに寄与し得る。遠端は、例えば、検出手段及び/又は視覚的撮像手段を用いることによって特定され得る。本発明による方法の任意のステップにおいてエアナイフが使用されてフラットワーク物品の位置及び/又は向きを制御及び/又は誘導することも考えられる。その後、フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の向き及び/又は位置は、第2の画像の入力を用いてニューラルネットワークによって特定される。第2の画像の位置及び/又は向きは、特に、支持面に対するその位置及び/又は向きである。通常、フラットワーク物品は、少なくとも移動及び/又は検出ステップ中には、少なくとも部分的に略水平の向きにある。支持面に対して第2の角部の位置及び/又は向きを特定する方が、垂れ下がる第2の角部に対してそれを特定するよりも正確となる。また、これにより、第2の角部を特定する速度、並びにその後に当該第2の角部を把持する速度及び容易さが増すことになる。また、検出及び/又は把持の成功率も、従来の方法に対して上昇するので反復性も高くなる。
【0007】
本発明による方法のステップは、標準的には連続するステップである。少なくとも1つの第1又は第2の画像の取得は、例えば、視覚的撮像手段又は視覚的撮像装置によって行われ得る。これは任意の従来的な視覚的撮像手段であればよく、その非限定的な例は2Dカメラ及び3Dカメラである。フラットワーク物品とは、従来的なフラットワーク物品の一種であり得る。本発明によるフラットワーク物品の非限定的な例は、タオル、布、(ベッド用)シーツ、ナプキン、ベッド用リネン製品、羽毛布団、テーブルクロス及び/又は枕カバーである。そのようなフラットワーク物品は、通常は略長方形又は正方形である。通常、フラットワーク物品は、少なくとも1つの角部、好ましくは少なくとも2つの角部を有し、より好ましくは4個の角部を有する。フラットワーク物品は、通常は、少なくとも部分的にテキスタイル又はファブリックで構成され、それらは織物であっても非織物であってもよい。ただし、フラットワーク物品が衣服であることも考えられる。したがって、フラットワーク物品の更なる非限定的な例は、トップス、シャツ、ブラウス、セーター、ズボン及び/又はドレスである。
【0008】
本発明に関して、角部という用語は例示にすぎず、これはフラットワーク物品の任意の所定の部分であってもよい。その非限定的な例は、縁部、角領域、肩部、襟、袖、ボタン及び/又はジッパーである。したがって、本発明は、フラットワーク物品の所定の部分を検出及び把持する方法にも関し、ニューラルネットワークは、画像内のフラットワーク物品の所定の部分を認識して当該所定部分の位置及び/又は向きを示すように学習され、第2のグリッパがフラットワーク物品の特定された角部に向けて移動可能となるように、フラットワーク物品の当該所定の部分の可能性ある位置及び/又は向きがニューラルネットワークから受信される。
【0009】
方法の更なる可能な実施形態は、少なくとも1つのフラットワーク物品の複数の画像を取得するステップであって、各画像がフラットワーク物品の少なくとも1つの(第1の)角部を示す、ステップと、当該フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報で各画像に特に手動で注釈付けするステップと、フラットワーク物品の注釈付きの画像をニューラルネットワークに含めるステップと、を備える。標準的には、これらのステップは、方法ではニューラルネットワークが提供される前に実行される。したがって、これらのステップは、本発明による方法のステップa)の前に行われる。(手動の)画像の注釈付けは一回のみ行われればよいので、これは実際のところ工程全体を大幅に制限することにはならない。フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報は、2D及び/又は3Dに関連するものであり得る。画像の注釈付けはコンピュータ制御されるものであることも考えられる。画像の注釈付けの間に角部が観察されないことも考えられる。これは、角部が視覚的に観察可能とならないようにフラットワーク物品が支持面上に正しく配置されないことも考えられるため、有用である。
【0010】
方法が、第1のグリッパによる特定された角部の把持が成功したかを判定するステップ、ステップb)において作成された少なくとも1つの第1の画像に、少なくとも1つの角部の位置及び/若しくは向きの情報で注釈付けするステップ、及び注釈付きの画像をニューラルネットワークに付加するステップ、並びに/又は第2のグリッパによる第2の角部の把持が成功したかを判定するステップ、ステップk)において作成された少なくとも1つの第2の画像に、第2の角部の位置及び/若しくは向きの情報で注釈付けするステップ、及び注釈付きの第2の画像をニューラルネットワークに付加するステップをさらに備えることが考えられる。取得された第1の画像に位置及び/又は向きの情報で注釈付けすること並びにこの注釈付き画像をニューラルネットワークに付加することは、新たに取得される第1の画像において角部をより速く及び/又はより良く認識する方法の能力に寄与し得る。注釈付きの第1の画像をニューラルネットワークに含めることで、方法の信頼性がさらに高まり得る。第1の画像の注釈付けは、例えば、手動で行われてもよい。ただし、第1の画像の注釈付けはコンピュータ制御されることも考えられる。基本的に、フラットワーク物品の角部を特定する連続的な方法を得ることができる。方法は、連続的なディープラーニングシステムとして適し得る。(第1の)角部の把持は、例えば、第1のグリッパがフラットワーク物品を更なる加工ステップに持ち込むことができるように角部が第1のグリッパによって把持される場合に、成功したものと分類され得る。角部が適宜に把持されなかった場合、第1のグリッパは角部を、したがってフラットワーク物品を把持し損ねたことになる。例えば、更なる視覚的撮像装置によってこれが検出された場合、把持は成功したものと分類されることはない。把持が成功しなかった場合には画像は注釈付けされず及び/又はニューラルネットワークに付加されないことが考えられる。したがって、画像の注釈付け及び付加は、把持が成功したものと分類される場合にのみ行われ得る。第2の画像に注釈付けし及び/又は第2の角部の把持が成功したかを判定する態様は、第1の角部について上述した態様と同じであればよい。
【0011】
本発明による方法は、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して、当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習された第1のニューラルネットワークの提供を含んでいてもよく、第1のニューラルネットワークはフラットワーク物品の少なくとも1つの第1の角部の可能性ある位置及び/又は向きを特定するのに使用される。方法は、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習された第2のニューラルネットワークの提供を含んでいてもよく、第2のニューラルネットワークはフラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の可能性ある位置及び/又は向きを特定するのに使用される。
【0012】
好適な実施形態では、方法は、第1の角部から最短の距離にある第2の角部が垂れ下がるように、ステップj)の前にフラットワーク物品を振り動かすステップを備える。このステップがステップi)の後に行われることも考えられる。このステップは、支持面に向けて又は支持面上に移動される前のフラットワーク物品の準備に寄与し得る。これにより、角部が検出及び把持のために適所に運ばれる前の、フラットワーク物品の第2の角部のより良い開始位置が可能となる。フラットワーク物品が、例えば、捻じれていたり、折り畳まれていたり、又は皺状となっていたりした場合に、振り動かすことによって、フラットワーク物品の構造が解れることになる。振り動かすという用語では、いずれかの振動又は発振動作が理解されるべきである。また、激しく振動させること又は揺動させることも意味され得る。振り動かす動作の目的は、第2の角部の移動のために及び第2の角部の識別のためにフラットワーク物品を準備することである。
【0013】
他の好適な実施形態では、方法のステップo)は、フラットワーク物品の第2の角部を吸引又は空気の吸入によって持ち上げる(後続の)ステップと、第2の角部の少なくとも一部を第2のグリッパによって、特に第2のグリッパの締付け要素によって包囲することによって第2の角部を把持するステップと、を備える。したがって、第2のグリッパは、好ましくは(可動の)締付け要素との組合せで吸引要素を備える。吸引によってフラットワーク物品の第2の角部を持ち上げるステップは、例えば、真空引きを適用することによって行われ得る。吸引とは、標準的には空気の吸引を意味する。吸引は、好ましくは、一時的に行われ、第2の角部が第2のグリッパによって把持されると停止され得る。締付け要素は、例えば、把持口部であり得る。第2の角部の少なくとも一部を包囲することは、第2のグリッパによる、角部の、したがってフラットワーク物品の確実かつ強固な係合を与え得る。第2の角部の上昇及び把持の組合せによって、多くの場合にはテキスタイルなどのフラットワーク物品は制御された態様で把持可能となる。フラットワーク物品が典型的にはテキスタイル又はファブリックで構成されることに起因して、支持面などの略平坦面上に配置される角部を把持することが困難となる。フラットワーク物品の制御された更なる移動が可能となるように、第2の角部が第2のグリッパによって角部の少なくとも一部を包囲することによって把持されることが好ましい。第1及び第2の角部が第1又は第2のグリッパによって各角部の少なくとも一部を包囲することによって把持される場合、フラットワーク物品の制御された更なる移動が可能となる。したがって、方法は、通常は手動で行われるステップに等しいため、この手動のステップを代替することができる。
【0014】
好ましくは、特定された第1の角部は、第1のグリッパによって、特に当該第1のグリッパの把持口部によって、フラットワーク物品の当該角部の少なくとも一部を包囲することによって把持される。したがって、第1のグリッパ、特に第1のグリッパの把持口部は、角部の少なくとも一部の両面係合を与えることができる。第1の角部の少なくとも一部の包囲は、第1のグリッパによって、角部、したがってフラットワーク物品の確実かつ強固な係合を与えることができる。本発明による方法によって第1の角部の位置及び/又は向きを特定することによって、ランダムに配置されたフラットワーク物品の、又は山積みされたフラットワーク物品における1枚のフラットワーク物品からも、角部を把持することも可能となる。
【0015】
特定された第1の角部は、把持される前に、好ましくは気流を与えることによって少なくとも部分的に持ち上げられてもよい。あるいは、特定された第1の角部は、把持対象の角部にわたって気流を与えることによって把持される。第1のグリッパは、例えば、物品が把持可能なようにフラットワーク物品を(一時的に)持ち上げるために空気の揚力を利用するコアンダグリッパであり得る。例えば、第1のグリッパが圧縮空気及び/又は加圧空気を利用することが考えられる。
【0016】
真空引き又は空気の吸引を利用する従来的なグリッパは、フラットワーク物品の角部を把持するのには使用可能ではない。フラットワーク物品の複数の部分が吸引によって相互に係合し及び/又は張り付き得るので、そのようなグリッパはフラットワーク物品の最上層のみが把持されることを保証できない。
【0017】
方法は、フラットワーク物品がステップj)の後にかつ好ましくはステップk)の前に支持面に押圧されるように、支持面の下部から空気を吸引し又は空気を吸入するステップと、第2のグリッパが第2の角部を把持した後に空気の吸引を停止又は中断するステップと、を備えると有利である。例えば、真空引きが、支持面の下部に適用され得る。したがって、空気の吸引が生成されることにより、フラットワーク物品を支持面に向けて引き出すことができる。支持面は、標準的には少なくとも部分的に通気可能である。支持面は、例えば、少なくとも1つの空気孔を備える。真空引き又は吸気は、通常は、第2の角部が検出及び把持された後に解放される。更なる可能な実施形態では、方法は、フラットワーク物品が支持面から押し離されるように支持面に空気を吹き抜けさせるステップを備える。したがって、空気の吸引に加えて、第2の角部が第2のグリッパによって把持された後にフラットワーク物品を誘導するための気流を用いることもできる。そのような気流は、例えば、少なくとも1つのファンによって生成され得る。支持面上へのフラットワーク物品の配置を補助するために及び/又はフラットワーク物品を支持面から除去する際に少なくとも1つのエアナイフが使用されることが考えらえる。
【0018】
あるいは、方法は、複数のフラットワーク物品を提供するステップと、少なくとも1枚のフラットワーク物品をピッカーによって摘まみ取るステップと、フラットワーク物品を略水平面上に配置するステップと、を備える。これらのステップは、標準的にはステップb)の前に行われる。複数のフラットワーク物品は、例えば、コンベア上に提供され得る。ただし、フラットワーク物品が保存装置又はホッパーに提供されることも考えられる。ピッカーは、標準的には少なくとも1枚、好ましくは1枚のフラットワーク物品をランダムに把持する。ピッカーは、例えば、フラットワーク物品を摘まみ取るための爪を備え得る。フラットワーク物品は、好ましくは、上記略水平面上に横置き姿勢で提供される。フラットワーク物品は、任意の向きを有し得る。フラットワーク物品が非固定姿勢にあることが重要である。上述したように、方法によって、フラットワーク物品の事前の配置決めが省略可能となる。
【0019】
方法の他の可能な実施形態は、ニューラルネットワークから少なくとも1枚のフラットワーク物品の各検出された第1の角部のスコアを受信するステップと、所定の閾値スコアよりも高いスコアを有する把持対象の角部を選択するステップ及び/又はスコアが閾値スコアよりも低い場合にフラットワーク物品を破棄するステップと、を備える。閾値スコアは、例えば、取得された第1の画像とニューラルネットワークにおける画像との間の類似度に基づいて決定され得る。例えば、少なくとも50%類似の閾値スコアが設定可能である。ただし、これは、他の、好ましくはより高い閾値スコアであってもよい。角部が閾値スコア以下のスコアを有する場合、角部は破棄され得る。取得された第1の画像において、いずれの角部も閾値スコア以上のスコアを有さない場合には、そのようなフラットワーク物品は破棄され得る。ただし、フラットワーク物品がわずかに移動され、その後に新たな画像が取得され、角部特定が再開されることも考えられる。フラットワーク物品の移動は、例えば、フラットワーク物品を移動すること及び/又は振り動かすことであり得る。
【0020】
複数の角部が特定又は検出される場合には、第1のグリッパが最も近い角部を把持するように制御されることが可能である。特に、第1のグリッパは、複数の角部が検出される場合に所定の閾値スコア以上のフラットワーク物品の最も近い角部を把持するように制御され得る。最も近い角部を把持することで、工程全体の効率を高めることができる。
【0021】
方法の効率及びあるいはシステム全体の生産容量をさらに向上するために、複数の第1のグリッパが適用されることが考えられる。したがって、二次的な第1のグリッパは、ステップg)の後に、特に(一次的な)第1のグリッパから第1の角部を引き継ぐことができる。したがって、ステップf)及びg)は、例えば、一次的な第1のグリッパによって実行され、それに続いて第1の角部が二次的な第1のグリッパによって引き継がれてもよい。そして、二次的な第1のグリッパは、ステップh)の少なくとも一部を実行し得る。二次的な第1のグリッパがステップj)及び任意選択的にステップp)を実行することも考えられる。ただし、三次的な第1のグリッパがステップj)の前に第1の角部を引き継ぐこともできる。2以上の第1のグリッパを用いることで、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給する工程全体を大幅に高速化することができる。方法の連続的な適用を可能とすること及び/又は後続のステップに供給されるフラットワーク物品の出力を増加させることにさらに寄与し得る。それぞれの第1のグリッパは、それらの技術的構成において実質的に等しい。ただし、二次的な第1のグリッパ及び/又は三次的な第1のグリッパは異なる設計を有することも考えられる。
【0022】
本発明は、好ましくは上述した本発明による方法によってフラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するシステムにも関し、システムは、フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するように構成された少なくとも1つの第1の視覚的撮像装置と、フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するように構成された少なくとも1つの第2の視覚的撮像装置と、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習された少なくとも1つのニューラルネットワークと、フラットワーク物品の第1の角部を把持するように構成された少なくとも1つの変位可能な第1のグリッパと、フラットワーク物品の第2の角部を把持するように構成された変位可能な第2のグリッパと、フラットワーク物品の少なくとも一部を支持するように構成された支持面と、を備える。本発明によるシステムは、本発明による方法について説明したものと同一又は類似の利益を享受する。
【0023】
少なくとも1つの第1のグリッパが、フラットワーク物品の角部の少なくとも一部を包囲するように構成された把持口部を備えることが可能である。把持口部は、角部の少なくとも一辺から所定の距離において、好ましくは角部の両辺から所定の距離においてフラットワーク物品の角部を掴むように構成され得る。したがって、フラットワーク物品の角部の反復可能かつ確実な把持を得ることができる。複数の第1のグリッパ、例えば、一次的な第1のグリッパ、二次的な第1のグリッパ及び三次的な第1のグリッパが適用されることも可能である。全ての第1のグリッパが把持口部を備えることも考えられる。好ましくは、把持口部は、把持及び/又は移動中にフラットワーク物品を損傷させないように構成される。第1のグリッパは、気流を与えるように構成されてもよい。したがって、特定された角部は、把持対象の角部にわたって気流を与えることによって把持可能となる。第1のグリッパは、例えば、物品が把持可能となるように、フラットワーク物品を(一時的に)持ち上げるために空気の揚力を利用するコアンダグリッパであり得る。例えば、第1のグリッパが圧縮空気及び/又は加圧空気を利用することが考えられる。
【0024】
好適な実施形態では、システムは、第1のグリッパをニューラルネットワークによって決定される位置に向けて移動させるための駆動部をさらに備える。
【0025】
少なくとも1つの第1のグリッパ、特に把持口部は、好ましくは、回転軸に対して少なくとも180度、好ましくは360度にわたって回転可能である。これにより、比較的大きな自由度を有するグリッパとなる。これにより、角部が第1のグリッパによって到達及び把持され得ることの柔軟性も高まる。
【0026】
システムの第2のグリッパは、好ましくは、第2の角部の少なくとも一部を、当該角部を把持する前に持ち上げるように構成される。好ましくは、第2のグリッパは、可動の締付け要素との組合せで吸引要素を備える。第2のグリッパは、例えば、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部を少なくとも部分的に持ち上げるように構成された少なくとも1つの吸引要素並びに当該フラットワーク物品を締め付けて係合するための少なくとも1つの締付け要素を備え得る。締付け要素は、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部の少なくとも一部を包囲するように構成される。
【0027】
支持面が少なくとも部分的に通気可能であると有利である。支持面は、例えば、少なくとも1つの空気孔を備えていればよく、及び/又は少なくとも部分的にメッシュ若しくはメッシュ構造によって構成され得る。したがって、支持面は、支持面を通る気流が適用可能となるようにすることができる。これにより、フラットワーク物品を支持面に向けて引き付け(引く又は引っ張る)又はフラットワーク物品をそこから押し離すことができる。これは、フラットワーク物品の移動又は静止を制御するのに有利となり得る。通常、支持面は、少なくとも部分的に略平坦である。略平坦な支持面は、フラットワーク物品の支持性の向上をもたらし得る。
【0028】
システムは、さらに、第1の角部に対向するフラットワーク物品の遠端を保持するように構成された少なくとも1つのクランプをさらに備え得る。クランプは、フラットワーク物品の一部を保持し又は締め付けるように構成された任意の従来的なクランプであればよい。クランプの機能は、システムの使用中にフラットワークの遠端を誘導することである。クランプは、例えば、爪であり得る。
第1のグリッパ及び第2のグリッパは、好ましくは、独立して可動及び/又は制御可能である。これは、システム全体の効率をさらに向上し得る。第1のグリッパ、特に把持口部及び/又は第2のグリッパ、特にその締付け要素は、好ましくは、回転軸に対して少なくとも180度、好ましくは360度にわたって回転可能である。これにより、比較的高い自由度を有するグリッパがもたらされることになる。システムは、1以上のグリッパ及び/又はクランプを駆動する少なくとも1つの駆動部を備え得る。
第1の視覚的撮像装置及び/又は第2の視覚的撮像装置は、カメラを備え得る。視覚的撮像装置は任意の従来的な視覚的撮像手段であればよく、その非限定的な例は2Dカメラ及び3Dカメラである。
【0029】
あるいは、システムは、少なくとも1つのエアナイフを備える。エアナイフは、比較的簡素かつ確実にフラットワーク物品の位置及び/又は向きを制御及び/又は誘導するために適用可能である。
【0030】
本発明はまた、本発明によるシステムの使用にも関する。
【0031】
上述のランドリー工程をさらに自動化する際の難しさは、フラットワーク物品などの1枚の洗濯物の角部を制御された反復可能な態様で検出して掴むことができる装置を開発するのが困難なことである。角部及び縁部を識別することは自動化システムには困難なものと思われ、これは検出された縁部又は角部の後の把持にも当てはまる。したがって、本発明の目的は、産業用ランドリー工程の更なる自動化に寄与し得る方法及び/又はシステムを提供することである。
【0032】
本発明は、特に条項1に記載されるような、フラットワーク物品の第1の角部又は第1の縁部のようなフラットワーク物品の所定の部分を検出及び把持する方法をここに提供する。その方法は、画像内におけるフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して、当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークを提供するステップと、少なくとも1つのフラットワーク物品を提供するステップと、当該フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するステップと、第1の画像をニューラルネットワークに提供するステップと、ニューラルネットワークからフラットワーク物品の少なくとも1つの所定の部分、特にフラットワーク物品の角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信するステップと、第1のグリッパをフラットワーク物品の特定された部分、特に角部に向けて移動させるステップと、当該第1のグリッパによって部分、特に角部を把持するステップと、を備える。
【0033】
画像内のフラットワーク物品の、これに限定されないが角部など、少なくとも1つの所定の部分を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習され、本発明による方法のステップC1)において作成された少なくとも1つの第1の画像の情報を提供するように構成されたニューラルネットワークの提供によって、フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置若しくは場所及び/又は向きを特定することが可能となる。取得された第1の画像をニューラルネットワーク内で使用すると、ニューラルネットワークからの(ステップB1)において提供された)フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信することになる。基本的に、本発明による方法は、画像認識及び/又は分類を現実的な態様で利用する。ニューラルネットワークは、これにより、特定されるべきフラットワーク物品の少なくとも1つの角部の向き及び/又は位置を特定するように学習される。角部の位置及び/又は向きに関する情報がニューラルネットワークによって提供されると、第1のグリッパがフラットワーク物品の角部を把持するように移動及び作動される。この方法の利点は、フラットワーク物品を前もって配置することを要さずにフラットワーク物品の角部の位置及び/又は向きの特定が可能となることである。学習済みのニューラルネットワークの使用によって、フラットワーク物品がどのように配置されるのかは重要ではなくなる。ここで、追加の配置決めステップが省略可能となる。方法により、山積みされた複数のフラットワーク物品からの1枚のフラットワーク物品の角部の検出も可能となる。第1のグリッパによる検出角部の特定の把持は、1枚のみのフラットワーク物品が把持されることを確実とすることができる。また、方法によって、フラットワーク物品の縁又は折り畳み部分ではなく角部が検出されることを保証可能とすることができる。本発明による方法は、フラットワーク物品の角部を検出及び把持する確実かつ反復可能な態様を提供する。当該角部は、特に第1の角部であり、これは把持対象の第1の角部を意味する。方法は、幾つかの点で従来技術に対して有益なものとなる。現行技術による方法又はシステムは、通常、最も下部に垂れ下がる角部が検出及び把持可能となるように、フラットワーク物品をランダムに把持し、それがその後に吊るされる。これは、比較的面倒であり、角部の確実かつ反復可能な把持を保証することができない。また、表面プロファイルの特定を利用するシステムは、角部自体の正確かつ反復可能な把持を保証することができない。本発明による方法は、フラットワーク物品がマーキングされることもフラットワーク物品に識別手段自体が設けられることも必要としない。
【0034】
好適な実施形態では、方法は、少なくとも1つのフラットワーク物品の複数の画像を取得するステップであって、各画像が少なくとも1つのフラットワーク物品を示す、ステップと、当該フラットワーク物品の少なくとも1つの角部、好ましくは全ての角部の位置及び/又は向きの情報で各画像に(手動で)注釈付けするステップと、フラットワーク物品の注釈付きの画像をニューラルネットワークに含めるステップと、をさらに備えることが考えられる。標準的には、これらのステップは、ニューラルネットワークがこの方法に与えられる前に実行される。したがって、これらのステップは、本発明による方法のステップA1)の前に行われる。画像の注釈付けは、手動で行われ得るが一回のみ行われればよく、これは実際のところ全体工程を大幅に制限することにはならない。第1の画像の注釈付けはコンピュータ制御されることも考えられる。画像の注釈付けの間に角部が観察されないことも考えられる。これも、特定されるべき物理的なフラットワーク物品が、角部が視覚的に観察できない位置にあることも考えられるため、有用である。
【0035】
方法が、第1のグリッパによる特定された角部の把持が成功したかを判定するステップと、ステップC1)において作成された少なくとも1つの第1の画像に、少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報で注釈付けするステップと、注釈付けされた画像をニューラルネットワークに付加するステップと、を備えることも可能である。取得された第1の画像に位置及び/又は向きの情報で注釈付けすること並びにこの注釈付けされた画像をニューラルネットワークに付加することは、新たに取得される第1の画像内に角部をより速く及び/又はより良く認識する方法の能力に寄与し得る。注釈付けされた第1の画像をニューラルネットワークに含めることで、方法の信頼性がさらに高まり得る。第1の画像の注釈付けは、例えば、手動で行われ得る。ただし、第1の画像の注釈付けがコンピュータ制御されることも考えられる。基本的に、フラットワーク物品の角部を特定する連続的な方法を得ることができる。方法は、連続的なディープラーニングシステムとしても適し得る。(第1の)角部の把持は、例えば、第1のグリッパがフラットワーク物品を更なる加工ステップに持ち込むことができるように角部が第1のグリッパによって把持される場合に、成功したものと分類され得る。角部が適宜に把持されなかった場合、第1のグリッパは角部を、したがってフラットワーク物品を把持し損ねたことになる。例えば、更なる視覚的撮像装置によってこれが検出された場合、把持は成功したものと分類されることはない。把持が成功しなかった場合には画像は注釈付けされず及び/又はニューラルネットワークに付加されないことが考えられる。したがって、画像の注釈付け及び付加は、把持が成功したものと分類される場合にのみ行われ得る。
【0036】
特定された角部は、好ましくは気流を与えることによって、把持される前に少なくとも部分的に持ち上げられてもよい。あるいは、特定された部分又は角部は、把持対象の角部にわたって気流を与えることによって把持される。第1のグリッパは、例えばコアンダグリッパであり得る。第1のグリッパは、例えば、フラットワーク物品、特にその特定された部分が把持可能なようにフラットワーク物品を(一時的に)持ち上げるために空気の揚力を利用するコアンダグリッパであり得る。例えば、第1のグリッパが圧縮空気及び/又は加圧空気を利用することが考えられる。真空引き又は空気の吸引を利用する従来的なグリッパは、フラットワーク物品の角部を把持するのには使用可能ではない。フラットワーク物品の複数の部分が吸引によって相互に係合し及び/又は張り付き得るので、そのようなグリッパはフラットワーク物品の最上層のみが把持されることを保証できない。
【0037】
好ましくは、特定された角部は、第1のグリッパによって、特に当該第1のグリッパの把持口部によって、フラットワーク物品の当該角部の少なくとも一部を包囲することによって把持される。したがって、第1のグリッパ、特に第1のグリッパの把持口部は、角部の少なくとも一部の両面係合を与えることができる。角部の少なくとも一部の包囲は、第1のグリッパによって、角部、したがってフラットワーク物品の確実かつ強固な係合を与えることができる。本発明による方法によって角部の位置及び/又は向きを特定することによって、ランダムに配置されたフラットワーク物品の、又は山積みされたフラットワーク物品における1枚のフラットワーク物品からも、角部を把持することが可能となる。
【0038】
フラットワーク物品は、ステップB1)において横置き姿勢で提供されることが考えられる。これは、例えば、フラットワーク物品が略水平な面上に提供されることを意味する。フラットワーク物品は、任意の向きを有し得る。フラットワーク物品がステップB1)において略水平な向きに提供されることも考えられる。フラットワーク物品が非固定姿勢にあることが重要である。上述したように、方法によって、フラットワーク物品の事前の配置決めが省略可能となる。
【0039】
可能な実施形態では、方法は、把持された角部によってフラットワーク物品を略水平の向きに移動させるステップをさらに備える。これは、特に、ステップG1)の後に行われる。例えば、水平の向きは、フラットワーク物品をガイド装置によって誘導する手段を介して可能となることが考えられる。フラットワーク物品は、ガイドローラなどの少なくとも2つの隣接するガイド要素を介して移動され得る。これにより、そのようなガイドローラは、フラットワーク物品が略水平な向きに通過できるように、上下に配置され得る。フラットワーク物品を略水平な位置に移動させることの利点は、フラットワーク物品を鉛直の、すなわち、垂れ下がる向きに移動させることと比較して、フラットワーク物品及びその移動がより制御可能となることである。
【0040】
本発明による方法の更なる可能な実施形態は、ニューラルネットワークから(ステップC1)において取得された)少なくとも1つのフラットワーク物品の各角部のスコアを受信するステップと、所定の閾値スコアよりも高いスコアを有する把持対象の角部を選択するステップ及び/又はスコアが閾値スコアよりも低い場合にフラットワーク物品を破棄するステップと、を備える。閾値スコアは、例えば、取得された第1の画像とニューラルネットワークにおける画像との間の類似度に基づいて決定され得る。例えば、少なくとも50%類似の閾値スコアが設定可能である。ただし、これは、他の、好ましくはより高い閾値スコアであってもよい。角部が閾値スコア以下のスコアを有する場合、角部は破棄され得る。取得された第1の画像において、閾値スコア以上のスコアを有する角部が検出されない場合には、そのようなフラットワーク物品は破棄され得る。ただし、フラットワーク物品がわずかに移動され、その後に新たな画像が取得され、角部特定が再開されることも考えられる。フラットワーク物品の移動は、例えば、フラットワーク物品の移動及び/又は振動であり得る。
【0041】
複数の角部が特定又は検出される場合には、第1のグリッパは最も近い角部を把持するように制御されることが可能である。特に、第1のグリッパは、複数の角部が検出される場合に所定の閾値スコア以上のスコアのフラットワーク物品の最も近い角部を把持するように制御され得る。最も近い角部を把持することで、全体工程の効率を高めることができる。
【0042】
本発明は、好ましくは上述の方法によってフラットワーク物品の第1の角部を検出及び把持するシステムにも関する。そのシステムは、フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するように構成された少なくとも1つの視覚的撮像装置と、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークと、フラットワーク物品の角部を把持するように構成された変位可能な第1のグリッパと、を備える。本発明によるシステムは、本発明による対応する方法について上述したものと同じ利益及び実施形態を享受することができる。
【0043】
第1のグリッパは、好ましくは、フラットワーク物品の角部の少なくとも一部を包囲するように構成された把持口部を備える。把持口部は、角部の少なくとも一辺から所定の距離において、好ましくは角部の両辺から所定の距離においてフラットワーク物品の角部を掴むように構成され得る。したがって、フラットワーク物品の角部の反復可能かつ確実な把持を得ることができる。好ましくは、把持口部は、把持及び/又は移動中にフラットワーク物品を損傷させないように構成される。第1のグリッパは、気流を与えるように構成されてもよい。したがって、特定された角部は、把持対象の角部にわたって気流を与えることによって把持可能となる。第1のグリッパは、例えば、物品が把持可能となるように、フラットワーク物品を(一時的に)持ち上げるために空気の揚力を利用するコアンダグリッパであり得る。例えば、第1のグリッパが圧縮空気を利用することが考えられる。
【0044】
好適な実施形態では、システムは、第1のグリッパをニューラルネットワークによって特定された場所に向けて移動させるための少なくとも1つの駆動部をさらに備える。第1のグリッパ、特に把持口部は、好ましくは、回転軸に対して少なくとも180度、好ましくは360度にわたって回転可能である。これにより、比較的大きな自由度を有するグリッパとなる。これにより、角部が第1のグリッパによって到達及び把持され得ることの柔軟性も高まる。システムの視覚的撮像装置は、例えば、カメラを備え得る。視覚的撮像装置は任意の従来的な視覚的撮像手段であればよく、その非限定的な例は2Dカメラ及び3Dカメラである。
【0045】
上述のランドリー工程をさらに自動化する際の別の難しさは、第1の角部が検出及び/又は把持されてから、フラットワーク物品などの1枚の洗濯物の第2の角部を制御された反復可能な態様で検出して掴むことができる装置を開発するのが困難なことである。角部及び縁部を識別することは自動化システムには困難なものと思われ、これは検出された縁部又は角部の後の把持にも当てはまる。1又は2個の角部が識別されてからフラットワーク物品の第2又は第3の角部を識別することが知られている。フラットワーク物品は、例えば、垂れ下がった角部が検出及び把持され得るように、吊り下げられた姿勢にあり得る。しかし、垂れ下がった角部の把持をあまり高い精度では行うことはできない。したがって、本発明の目的は、産業用ランドリー工程の更なる自動化に寄与するためにフラットワーク物品の第2又は第3の角部を識別する方法を改善することである。
【0046】
本発明は、特に条項16に記載されるような、フラットワーク物品の第2の角部などのフラットワーク物品の所定の部分を検出及び把持する方法をここに提供する。その方法は、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークを提供するステップと、第1のグリッパによって第1の角部において締め付けられ、好ましくは、少なくとも1つの第2の角部が実質的に垂れ下がるようにクランプによって第1の角部に対向する遠端において保持されるフラットワーク物品を提供するステップと、フラットワーク物品を支持面上に、好ましくは第2の角部が当該支持面上に配置されるように移動させるステップと、フラットワーク物品の第2の角部の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するステップと、第2の画像をニューラルネットワークに提供するステップと、ニューラルネットワークから(ステップB2)において提供された)フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信するステップと、第2のグリッパを当該フラットワーク物品の特定された第2の角部に向けて移動させるステップと、特定された第2の角部を当該第2のグリッパによって把持するステップと、を備える。
【0047】
本発明による方法は、フラットワーク物品の第2の角部を検出及び把持する正確かつ確実な態様を提供する。画像内にフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習され、ステップD2において作成された少なくとも1つの第2の画像の情報を提供するように構成されたニューラルネットワークの提供によって、フラットワーク物品の第2の角部の場所及び/又は向きが比較的単純かつ効率的に特定可能となる。取得された第2の画像をニューラルネットワーク内で使用すると、ニューラルネットワークから(ステップB2)で提供された)フラットワーク物品の第2の角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信することになる。基本的に、本発明による方法は、現実的な態様で画像認識及び/又は分類を利用する。ニューラルネットワークは、フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の向き及び/又は位置を特定するように学習される。第2の画像の位置及び/又は向きは、特に、支持面に対するその位置及び/又は向きである。通常、フラットワーク物品は、少なくとも部分的に略水平の向きにある。支持面に対して第2の角部の位置及び/又は向きを特定する方が、垂れ下がる第2の角部に対してそれを特定するよりも、正確となる。また、これにより、検出速度、並びにその後に把持する速度及び容易さが増すことになる。また、検出及び/又は把持の成功率も、従来の方法に対して上昇するので反復性も高くなる。
【0048】
好ましくは、フラットワーク物品は、クランプによって第1の角部に対向する遠端において保持される。第1の角部が第1のグリッパによって締め付けられてフラットワーク物品の遠端が同様に締め付けられると、少なくとも1つの第2の角部は、通常は垂れ下がる。また、そのようなクランプを使用すると、フラットワーク物品はその略水平の向きを少なくとも一時的に確実に維持することができる。これは、例えば、支持面上にフラットワーク物品を移動させている間に、支持面上でのフラットワーク物品の正しい配置を実現することに寄与し得る。本発明による方法の任意のステップにおいてエアナイフが使用されてフラットワーク物品の位置及び/又は向きを制御及び/又は誘導することも考えられる。第2のグリッパは、第2の角部を解放するようにも構成される。本発明による方法のステップは、標準的には連続するステップである。少なくとも1つの第2の画像の取得は、例えば、視覚的撮像手段又は視覚的撮像装置によって行われ得る。これは任意の従来的な視覚的撮像手段であればよく、その非限定的な例は2Dカメラ及び3Dカメラである。
【0049】
方法の更なる実施形態が考えられ、方法は、第1のグリッパ及び第2のグリッパを相互に対して、好ましくは、フラットワーク物品の第1及び第2の角部が実質的に配列され又は相互に平行となるように、移動させるステップを備える。このステップにより、フラットワーク物品は、比較的単純な態様で更なる加工ステップのために準備可能となる。相互に離間する方向への第1及び第2のグリッパの手動の移動によって、フラットワーク物品の第1及び第2の角部の配列が可能となる。その後、この第1及び第2の角部の配列によって、当該第1の角部と第2の角部の間に位置するフラットワーク物品の第1の縁部又は第1の辺が引き伸ばされる。したがって、フラットワーク物品は、幾つかの更なる加工ステップのために準備される。フラットワーク物品は、例えば、適所に運ばれ、コンベアなどの更なる装置に挿入され得る。第1の縁部は、搬送方向に略垂直である。第1及び第2のグリッパは、標準的には独立して制御可能であり、それは方法及び/又はシステム全体の効率をさらに向上し得る。
【0050】
方法は、少なくとも1つのフラットワーク物品の複数の画像を取得するステップであって、好ましくはフラットワーク物品は支持面上に配置され、各画像がフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を示す、ステップと、当該フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報で各画像に特に手動で注釈付けするステップと、フラットワーク物品の注釈付きの画像をニューラルネットワークに含めるステップと、をさらに備えることも可能である。標準的には、これらのステップは、ニューラルネットワークの提供前に実行される。画像の手動の注釈付けは一般に一回のみ行われればよく、これは実際のところ工程全体を大幅に制限することにはならない。フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報は、2D及び/又は3Dに関連するものであり得る。画像の注釈付けはコンピュータ制御されるものであることも考えられる。第1の画像の注釈付けの間に角部が観察されないことも考えられる。これも、角部が視覚的に観察可能とならないようにフラットワーク物品が支持面上に正しく配置されないことも考えられるため、有用である。
【0051】
方法は、第2のグリッパによる第2の角部の把持が成功したかを判定し、ステップD2)で作成された少なくとも1つの画像に第2の角部の位置及び/又は向きの情報で注釈付けするステップと、注釈付けされた第2の画像をニューラルネットワークに付加するステップと、をさらに備え得る。好ましくは、画像の注釈付けは、第2の把持が成功したと分類される場合にのみ行われる。取得された第1の画像に位置及び/又は向きの情報で注釈付けすること並びにこの注釈付けされた画像をニューラルネットワークに付加することは、新たに取得される第2の画像において角部をより速く及び/又はより良く認識する方法の能力に寄与し得る。注釈付きの第2の画像をニューラルネットワークに含めることで、方法の信頼性がさらに高まり得る。第2の画像の注釈付けは、例えば、手動で行われてもよい。ただし、第1の画像の注釈付けはコンピュータ制御されることも考えられる。基本的に、フラットワーク物品の第2の角部を特定する連続的な方法を得ることができる。方法は、連続的なディープラーニングシステムとしても適し得る。第2の角部の把持は、例えば、好ましくは第1の角部を保持する第1のグリッパとの共同動作において第2のグリッパがフラットワーク物品を更なる加工ステップに持ち込むことができるように第2のグリッパによって把持される場合に、成功したものと分類され得る。第2の角部が適宜に把持されなかった場合、第2のグリッパは角部を把持し損ねたことになる。例えば、更なる視覚的撮像装置によってこれが検出された場合、把持は成功したものと分類されることはない。そして、フラットワーク物品全体が破棄され得る。把持が成功しなかった場合には第2の画像は注釈付けされず及び/又はニューラルネットワークに付加されないことが考えられる。したがって、画像の注釈付け及び付加は、把持が成功したものと分類可能な場合にのみ行われ得る。
【0052】
フラットワーク物品を支持面上で、好ましくは第2の角部が当該支持面上に配置されるように移動させることは、少なくとも第1のグリッパによって第1の角部を移動させることによって実行され得る。第1のグリッパは、フラットワーク物品の少なくとも一部の略水平の向きを達成するために、好ましくは支持面に略平行に移動される。その移動は、第1のグリッパによって第1の角部を移動させることによって、及びクランプによってフラットワーク物品の遠端を移動させることによって達成されることも考えられる。後者の方法によると、フラットワーク物品の、より制御された移動が達成可能となる。また、これにより、その移動中にフラットワーク物品の略水平な向きが可能となる。
【0053】
好ましくは、フラットワーク物品の少なくとも一部は、第2の角部の検出及び/又は把持の間に略水平の向きにある。第2の角部の検出及び/又は把持の間にフラットワーク物品が略水平の向きにあることで、当該第2の角部の検出及び/又は把持がさらに簡素化可能となる。例えば、支持面に支持されているためにフラットワーク物品が略水平の向きにある場合の角部の検出及び把持は、自由度の低下に起因して、垂れ下がる角部の検出及び把持よりも容易となる。
【0054】
方法が、ステップC2)の後に第1の角部と第2の角部の間の距離を特定するステップ、並びにその距離が所定の閾値距離を超えない場合にはフラットワーク物品を破棄するステップ、及び/又は2以上の第2の角部が検出される場合に第2のグリッパによる把持のために第1の角部に最も近い距離にある第2の角部を選択するステップを備えることも可能である。2個以上の第2の角部が第2の画像内に識別されることが可能となる。これは、例えば、フラットワーク物品が、実質的に四角形及び/若しくは正方形であり、並びに/又は比較的小さい場合の状況となり得る。2個の角部が検出される場合、第1の角部に最も近い角部が図示されるべきである。これは、フラットワーク物品の最短の辺が識別されることを一般に意味する。特定された距離が所定の距離を超えない場合、第2の角部の代わりに第1の角部が偶発的に検出される可能性がある。また、フラットワーク物品の移動中に何らかの不具合があった可能性もある。閾値距離の非限定的な寸法は、例えば、200mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは100mm以下である。
【0055】
ステップC2)の前に、第1の角部から最短距離にある少なくとも第2の角部が垂れ下がるようにフラットワーク物品を振り動かすステップが適用されることも可能である。このステップは、支持面に向けて又は支持面上に移動される前のフラットワーク物品の準備に寄与し得る。これにより、角部が検出及び把持のための位置に運ばれる前の、フラットワーク物品の第2の角部のより良い開始位置が可能となる。振り動かすことによって、フラットワーク物品が、例えば、捻じれていたり、折り畳まれていたり、又は皺状となっていたりした場合に、フラットワーク物品の構造が解れることになる。振り動かすという用語では、いずれかの振動又は発振動作が理解されるべきである。また、激しく振動させること又は揺動させることも意味され得る。振り動かす動作の目的は、第2の角部の移動のために又は識別のためにフラットワーク物品を準備することである。
【0056】
本発明による方法の好適な実施形態では、ステップH2)は、(後続の)フラットワーク物品の第2の角部を吸引によって持ち上げるステップと、第2の角部の少なくとも一部を第2のグリッパによって、特に第2のグリッパの締付け要素によって包囲することによって第2の角部を把持するステップと、を備える。したがって、第2のグリッパは、好ましくは(可動の)締付け要素との組合せで吸引要素を備える。吸引によってフラットワーク物品の第2の角部の上昇は、例えば、真空引きを適用することによって行われ得る。吸引とは、標準的には空気の吸引を意味する。吸引は、好ましくは、一時的に行われ、第2の角部が第2のグリッパによって把持されると停止され得る。締付け要素は、例えば、把持口部であり得る。第2の角部の少なくとも一部の包囲は、第2のグリッパによる、角部の、したがってフラットワーク物品の確実かつ強固な係合を与え得る。第2の角部の上昇及び把持の組合せによって、多くの場合にはテキスタイルなどのフラットワーク物品は制御された態様で把持可能となる。フラットワーク物品は標準的にはテキスタイル又はファブリックで構成されることに起因して、支持面などの略平坦面上に配置される角部を把持することが困難となる。フラットワーク物品の制御された更なる移動が可能となるように、第2の角部が第2のグリッパによって角部の少なくとも一部を包囲することによって把持されることが好ましい。第1及び第2の角部が第1又は第2のグリッパによって各角部の少なくとも一部を包囲することによって把持される場合、フラットワーク物品の制御された更なる移動が可能となる。したがって、方法は、通常は手動で行われるステップに等しいため、この手動のステップを代替することができる。
【0057】
方法の有益な実施形態では、方法は、ステップC2)の後で、かつ好ましくはステップD2)の前に、フラットワーク物品が支持面に押圧されるように支持面の下部から空気を吸引するステップと、第2のグリッパが第2の角部を把持した後に空気の吸引を停止又は中断するステップと、をさらに備える。例えば、真空引きが、支持面の下部に適用され得る。したがって、空気の吸引が生成されることにより、フラットワーク物品を支持面に向けて引き出すことができる。支持面は、標準的には少なくとも部分的に通気可能である。支持面は、例えば、少なくとも1つの空気孔を備える。真空引き又は空気の吸引は、通常は、第2の角部が検出及び把持された後に解放される。更なる可能な実施形態では、方法は、フラットワーク物品が支持面から押し離されるように支持面に空気を吹き抜けさせるステップを備える。したがって、空気の吸引に加えて、第2の角部が第2のグリッパによって把持された後にフラットワーク物品を誘導するために気流を用いることもできる。そのような気流は、例えば、少なくとも1つのファンによって生成され得る。
【0058】
あるいは、方法は、フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するステップも備える。その非限定的な例は、折り畳み機及び/又は皺伸ばし機である。
【0059】
本発明は、好ましくは上述の方法によってフラットワーク物品の第2の角部を検出及び把持するシステムにも関する。そのシステムは、フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するように構成された少なくとも1つの視覚的撮像装置と、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークと、フラットワーク物品の第1の角部を把持するように構成された変位可能な第1のグリッパと、フラットワーク物品の第2の角部を把持するように構成された変位可能な第2のグリッパと、フラットワーク物品の少なくとも一部を支持するように構成された支持面と、を備える。本発明によるシステムは、対応する方法に関して上述したものと同じ利点を享受する。したがって、システムによって、制御された反復可能な態様でのフラットワーク物品の第2の角部の検出及び把持が可能となる。
【0060】
システムの第2のグリッパは、好ましくは、第2の角部の少なくとも一部を、当該角部を把持する前に持ち上げるように構成される。好ましくは、第2のグリッパは、可動の締付け要素との組み合わせで吸引要素を備える。第2のグリッパは、例えば、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部を少なくとも部分的に持ち上げるように構成された少なくとも1つの吸引要素、並びに当該フラットワーク物品を締め付けて係合するための少なくとも1つの締付け要素を備え得る。締付け要素は、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部の少なくとも一部を包囲するように構成される。
【0061】
支持面が少なくとも部分的に通気可能であると有利である。支持面は、例えば、少なくとも1つの空気孔を備えていればよく、かつ/又は少なくとも部分的にメッシュ若しくはメッシュ構造によって構成され得る。したがって、支持面は、支持面を通る気流を適用可能とすることができる。これは、フラットワーク物品を支持面に向けて引き付け(引く又は引っ張る)又はフラットワーク物品をそこから押し離すことができる。これは、フラットワーク物品の移動又は静止を制御するのに有利となり得る。通常、支持面は、少なくとも部分的に略平坦である。略平坦な支持面は、フラットワーク物品の支持性の向上をもたらし得る。
【0062】
システムは、さらに、第1の角部に対向するフラットワーク物品の遠端を保持するように構成された少なくとも1つのクランプをさらに備え得る。クランプは、フラットワーク物品の一部を保持し又は締め付けるように構成された任意の従来的なクランプであればよい。クランプの機能は、システムの使用中にフラットワーク物品の遠端を誘導することである。クランプは、例えば、爪であり得る。第1のグリッパ及び第2のグリッパは、好ましくは、独立して可動かつ制御可能である。これは、システム全体の効率をさらに向上し得る。第1のグリッパ、特に把持口部及び/又は第2のグリッパ、特にその締付け要素は、好ましくは、回転軸に対して少なくとも180度、好ましくは360度にわたって回転可能である。これにより、比較的高い自由度を有するグリッパがもたらされることになる。システムは、1以上のグリッパ及び/又はクランプを駆動する少なくとも1つの駆動部を備え得る。システムの視覚的撮像装置は、例えば、カメラであり得る。視覚的撮像装置は任意の従来的な視覚的撮像手段であればよく、その非限定的な例は2Dカメラ及び3Dカメラである。本発明は、本発明によるシステムの使用にも関する。
【0063】
本発明は、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部を把持するためのグリッパにも関する。グリッパは、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部を少なくとも部分的に持ち上げるように構成された吸引要素、並びに当該フラットワーク物品を締め付けて係合するための締付け要素を備え、締付け要素は、フラットワーク物品の当該縁部及び/又は角部の少なくとも一部を保持及び/又は包囲するように構成される。そのようなグリッパは、本発明による方法及びシステムにおける使用のために構成され、かつそれに適する。吸引要素は、標準的には、空気を吸引するように構成される。空気の吸引によって、フラットワーク物品の少なくとも一部は、吸引要素に向けて引かれ、少なくとも一時的に保持され得る。吸引要素及び締付け要素は、好ましくは相互に変位可能である。例えば、締付け要素を吸引要素に対して枢動可能とすることが考えられる。吸引要素がフラットワーク物品の少なくとも一部を持ち上げた後に、締付け要素は、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部を締め付けて係合するために移動及び使用可能となる。吸引要素の吸気は、締付け係合が確立されると中断され得る。
【0064】
フラットワーク物品とは、従来的なフラットワーク物品の一種であり得る。フラットワーク物品は、典型的には、平らな加工対象物である。本発明によるフラットワーク物品の非限定的な例は、タオル、布、(ベッド用)シーツ、ナプキン、ベッド用リネン製品、羽毛布団、テーブルクロス及び/又は枕カバーである。そのようなフラットワーク物品は、通常は略長方形又は正方形である。通常、フラットワーク物品は、少なくとも1つの角部、好ましくは少なくとも2つの角部、より好ましくは4個の角部を有する。フラットワーク物品は、通常は、少なくとも部分的にテキスタイル又はファブリックで構成され、それらは織物であっても非織物であってもよい。ただし、フラットワーク物品が衣服であることも考えられる。したがって、フラットワーク物品の更なる非限定的な例は、トップス、シャツ、ブラウス、セーター、ズボン及び/又はドレスである。
【0065】
本発明に関して、角部という用語は例示にすぎず、これはフラットワーク物品の任意の所定の部分又は領域であってもよい。その非限定的な例は、縁部、角領域、肩部、襟、袖、ボタン及び/又はジッパーである。角部という用語が使用される場合、縁部、角領域、肩部、襟、袖、ボタン及び/又はジッパーの用語も使用され得る。したがって、本発明は、フラットワーク物品の所定の部分を検出及び把持する方法にも関し、ニューラルネットワークは、画像内のフラットワーク物品の所定の部分を認識して当該所定部分の位置及び/又は向きを示すように学習され、第1のグリッパがフラットワーク物品の特定された角部に向けて移動可能となるように、フラットワーク物品の当該所定の部分の可能性ある位置及び/又は向きがニューラルネットワークから受信される。
【0066】
本発明は、本書類において記載されるように、グリッパ、特に第1のグリッパにも関する。このグリッパは、好ましくは、層状気流を与えるように構成される。そのような層状気流は、好ましくは、テキスタイル及び/又はフラットワーク物品の少なくとも一部を一時的に持ち上げるように構成される。これは、基本的にはコアンダ効果が生成されるように、気流の速度及び空気圧の差によって説明可能である。テキスタイルの少なくとも一部は、通常は与えられた気流の方向に持ち上げられる。層状気流の揚力によって、物品の少なくとも一部は、その物品が比較的容易に把持され得るように持ち上げられることになる。リネンの掴みたい部分となるとすぐに、それを掴んで気流を停止する。
【0067】
グリッパは、標準的には空気、特に圧縮空気の吸入のための空気吸入口を備える。好ましくは、(圧縮された)空気がグリッパの上側からグリッパの内部に引き込まれるように、空気吸入口がグリッパの上部領域に設けられる。グリッパ、特にグリッパの内部は、好ましくは、空気の分散を可能とするように構成された内部構造物を備える。グリッパは、標準的には少なくとも1つの空気排出口を備える。少なくとも1つの空気排出口は、例えば、略四角形、円形及び/又は長方形であり得る分散部分を備え得る。非限定的な例は、25~75mmの間、例えば約50mmの幅を有する分散部分を有する空気排出口である。空気排出口の空気孔は、例えば、0.1~0.3mmの範囲、例えば、約0.2mmの直径を有し得る。空気孔は、好ましくは、比較的小さなものである。空気は、通常は比較的高い速度で空気孔から排出される。グリッパ、特に空気排出口は、好ましくは、制御された空気の流出のために構成された少なくとも1つのガイド面を備える。グリッパは、テキスタイル及び/又はフラットワーク物品の少なくとも一部を締め付けて把持するように構成された把持口部をさらに備え得る。グリッパ、特に把持口部は、任意選択的に気流を少なくとも部分的に中断するように構成された少なくとも1つの境界要素を備え得る。例えば、グリッパが少なくとも2つの対向する境界要素を備え、境界要素は気流を少なくとも部分的に中断し及び/又は気流を誘導するように構成されることも考えられる。グリッパには、空気の分散を可能とするように構成された外部構造物が設けられてもよい。グリッパが特に層状の境界層を乱流境界層とするように構成された少なくとも1つのタービュレータ又はタービュレータ要素を備えることが考えられる。気流内のテキスタイルの少なくとも一部のフラッターを防止し及び/又はテキスタイルの少なくとも一部が安定的に気流に追従することを確実にするために、少なくとも1つのタービュレータが適用されてもよい。そのようなタービュレータの寸法は、標準的にはテキスタイルの種類、把持対象のテキスタイルの所定の部分、及び/又は気流の関連する速度に依存する。タービュレータの目的は、テキスタイル及び/又はフラットワーク物品のフラッター現象が防止されるべきグリッパ付近の場所に乱流境界層を生成することである。
【0068】
上記グリッパは、本発明によるシステム又は方法と組み合わせて使用可能である。
【0069】
本発明を、以下の条項に提示される非限定的な実施形態例に基づいてさらに説明する。
【0070】
1.フラットワーク物品の角部などの所定の部分を検出及び把持する方法であって、
A1)画像内におけるフラットワーク物品の少なくとも1つの所定の部分、特にフラットワーク物品の角部を認識して、フラットワーク物品の前記少なくとも1つの所定の部分、特に前記少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークを提供するステップと、
B1)少なくとも1つのフラットワーク物品を提供するステップと、
C1)前記フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するステップと、
D1)前記第1の画像を前記ニューラルネットワークに提供するステップと、
E1)前記ニューラルネットワークから前記フラットワーク物品の少なくとも1つの所定の部分、特に少なくとも1つの角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信するステップと、
F1)第1のグリッパを前記フラットワーク物品の前記所定の部分、特に前記所定の角部に向けて移動させるステップと、
G1)前記第1のグリッパによって前記所定の部分、特に角部を把持するステップと、
を備える方法。
【0071】
2.条項1に記載の方法であって、
H1)少なくとも1つのフラットワーク物品の複数の画像を取得するステップであって、各画像が少なくとも1つのフラットワーク物品を示す、ステップと、
I1)前記フラットワーク物品の少なくとも1つの所定の部分、特に前記フラットワーク物品の角部、好ましくは全ての角部の位置及び/又は向きの情報で各画像に注釈付けするステップと、
J1)フラットワーク物品の前記注釈付きの画像をニューラルネットワークに含めるステップと、
をさらに備える方法。
【0072】
3.条項1又は2に記載の方法であって、
K1)前記第1のグリッパによる前記所定の部分、特に前記角部の前記把持が成功したかを判定するステップと、
L1)前記ステップC1)において作成された少なくとも1つの第1の画像に、少なくとも1つの所定の部分、特に少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報で注釈付けするステップと、
M1)前記注釈付けされた画像を前記ニューラルネットワークに付加するステップと、
をさらに備える方法。
【0073】
4.特定された前記部分、特に特定された前記角部は、好ましくは気流を与えることによって、把持される前に少なくとも部分的に持ち上げられる、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
5.特定された前記部分、特に特定された前記角部は、前記第1のグリッパによって、特に前記第1のグリッパの把持口部によって前記フラットワーク物品の前記部分、特に前記角部の少なくとも一部を包囲することによって把持される、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
6.前記フラットワーク物品は、前記ステップB1)において横置き姿勢で提供される、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0076】
7.条項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、
N1)把持された前記部分、特に角部によって前記フラットワーク物品を略水平な向きに移動させるステップ、
をさらに備える方法。
【0077】
8.条項1から7のいずれか一項に記載の方法であって、
O1)前記ニューラルネットワークから少なくとも1つのフラットワーク物品の各所定の部分、特に各角部のスコアを受信するステップと、
P1)所定の閾値スコアよりも高いスコアを有する所定の部分、特に把持対象の角部を選択するステップ、及び/又は
Q1)前記スコアが前記閾値スコアよりも低い場合に前記フラットワーク物品を破棄するステップと、
をさらに備える方法。
【0078】
9.複数の所定の部分、特に角部が特定される場合に、前記第1のグリッパは最も近い所定の部分、特に角部を把持するように制御される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
10.好ましくは条項1から9のいずれか一項に記載の方法によってフラットワーク物品の第1の角部などのフラットワーク物品の所定の部分を検出及び把持するシステムであって、
-フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第1の画像を取得するように構成された少なくとも1つの視覚的撮像装置と、
-画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの所定の部分、特に角部を認識して該少なくとも1つの所定の部分、特に前記角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークと、
-フラットワーク物品の所定の部分、特に角部を把持するように構成された変位可能な第1のグリッパと、
を備えるシステム。
【0080】
11.前記第1のグリッパは、前記フラットワーク物品の所定の部分、特に角部の少なくとも一部を包囲するように構成された把持口部を備える、条項10に記載のシステム。
【0081】
12.前記第1のグリッパを前記ニューラルネットワークによって特定された場所に向けて移動させるための駆動部をさらに備える条項10又は11に記載のシステム。
【0082】
13.前記第1のグリッパ、特に前記把持口部は、回転軸に対して少なくとも180度、好ましくは360度にわたって回転可能である、条項10から12のいずれか一項に記載のシステム。
【0083】
14.前記視覚的撮像装置はカメラを備える、条項10から13のいずれか一項に記載のシステム。
【0084】
15.条項10から14のいずれかに記載のシステムの使用。
【0085】
16.フラットワーク物品の角部などの所定の部分を検出及び把持する方法であって、
A2)画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークを提供するステップと、
B2)第1のグリッパによって第1の角部において締め付けられ、好ましくは、少なくとも1つの第2の角部が実質的に垂れ下がるようにクランプによって前記第1の角部に対向する遠端において保持されるフラットワーク物品を提供するステップと、
C2)前記フラットワーク物品を支持面上に、好ましくは前記第2の角部が前記支持面上に配置されるように移動させるステップと、
D2)前記フラットワーク物品の前記第2の角部の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するステップと、
E2)前記第2の画像を前記ニューラルネットワークに提供するステップと、
F2)前記ニューラルネットワークから前記フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の可能性ある位置及び/又は向きを受信するステップと、
G2)第2のグリッパを前記フラットワーク物品の特定された前記第2の角部に向けて移動させるステップと、
H2)前記特定された第2の角部を前記第2のグリッパによって把持するステップと、
を備える方法。
【0086】
17.条項16に記載の方法であって、
I2)前記第1のグリッパ及び前記第2のグリッパを相互に対して移動させるステップをさらに備える方法。
【0087】
18.条項16又は17に記載の方法であって、
J2)少なくとも1つのフラットワーク物品の複数の画像を取得するステップであって、好ましくは前記フラットワーク物品は支持面上に配置され、各画像は前記フラットワーク物品の少なくとも1つの角部を示す、ステップと、
K2)前記フラットワーク物品の少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きの情報で各画像に注釈付けするステップと、
L2)フラットワーク物品の前記注釈付きの画像をニューラルネットワークに含めるステップと、
をさらに備える方法。
【0088】
19.条項16から18のいずれか一項に記載の方法であって、
M2)前記第2のグリッパによる前記第2の角部の前記把持が成功したかを判定するステップと、
N2)前記ステップD2)において作成された少なくとも1つの画像に、前記第2の角部の位置及び/又は向きの情報で注釈付けするステップと、
O2)前記注釈付きの第2の画像を前記ニューラルネットワークに付加するステップと、
をさらに備える方法。
【0089】
20.前記ステップC2)は、少なくとも、前記第1の角部を前記第1のグリッパによって移動させることによって実行される、条項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
21.前記フラットワーク物品の少なくとも一部は、前記第2の角部の前記検出及び/又は把持中に略水平な向きにある、条項16から20のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
22.条項16から21のいずれか一項に記載の方法であって、
P2)前記ステップC2)の後に前記第1の角部と前記第2の角部の間の距離を特定するステップ、並びに
Q2)前記距離が所定の閾値距離を超えない場合には前記フラットワーク物品を破棄するステップ、及び/又は
R2)2以上の第2の角部が検出される場合、前記第2のグリッパによる把持のために前記第1の角部に最も近い距離にある前記第2の角部を選択するステップ、
を備える方法。
【0092】
23.条項16から22のいずれか一項に記載の方法であって、
S2)前記第1の角部から最短距離にある第2の角部が垂れ下がるように前記ステップC2)の前に前記フラットワーク物品を振り動かすステップ、
を備える方法。
【0093】
24.前記ステップH2)は、
H2a)前記フラットワーク物品の前記第2の角部を吸引によって持ち上げるステップと、
H2b)前記第2の角部の少なくとも一部を前記第2のグリッパによって、特に該第2のグリッパの締付け要素によって包囲することによって前記第2の角部を把持するステップと、
を備える条項16から23のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
25.条項16から24のいずれか一項に記載の方法であって、
T2)前記ステップC2)の後で、かつ好ましくは前記ステップD2)の前に、前記フラットワーク物品が前記支持面に押圧されるように前記支持面の下部から空気を吸引するステップと、
U2)前記第2のグリッパが前記第2の角部を把持した後に空気の前記吸引を停止するステップと、
をさらに備える方法。
【0095】
26.前記フラットワーク物品が前記支持面から押し離されるように前記支持面に空気を吹き抜けさせるステップをさらに備える条項25に記載の方法。
【0096】
27.条項16から26のいずれか一項に記載の方法であって、
V2)前記フラットワーク物品を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置に供給するステップ、
をさらに備える方法。
【0097】
28.好ましくは条項16から27のいずれか一項に記載の方法によってフラットワーク物品の第2の角部などのフラットワーク物品の所定の部分を検出及び把持するシステムであって、
-フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するように構成された少なくとも1つの視覚的撮像装置と、
-画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークと、
-フラットワーク物品の第1の角部を把持するように構成された変位可能な第1のグリッパと、
-前記フラットワーク物品の第2の角部を把持するように構成された変位可能な第2のグリッパと、
-フラットワーク物品の少なくとも一部を支持するように構成された支持面と、
を備えるシステム。
【0098】
29.前記第2のグリッパは、前記角部を把持する前に前記第2の角部の少なくとも一部を持ち上げるように構成される、条項28に記載のシステム。
【0099】
30.前記支持面は、少なくとも部分的に通気可能である、条項28又は29に記載のシステム。
【0100】
31.前記第1の角部に対向する前記フラットワーク物品の遠端を保持するように構成された少なくとも1つのクランプを備える条項28から30のいずれか一項に記載のシステム。
【0101】
32.前記第1のグリッパ及び前記第2のグリッパは、独立して可動かつ制御可能である、条項28から31のいずれか一項に記載のシステム。
【0102】
33.前記第2のグリッパは、可動の締付け要素との組合せで吸引要素を備える、条項28から32のいずれか一項に記載のシステム。
【0103】
34.前記視覚的撮像装置はカメラを備える、条項28から33のいずれか一項に記載のシステム。
【0104】
35.条項28から34のいずれかに記載のシステムの使用。
【0105】
36.フラットワーク物品の少なくとも一部を把持するように構成されたグリッパであって、前記フラットワーク物品の少なくとも一部を一時的に持ち上げるように構成された層状気流を与えるように構成されたグリッパ。
【0106】
37.空気、特に圧縮空気の流出のための少なくとも1つの空気排出口を備える条項36に記載のグリッパ。
【0107】
38.前記気流を少なくとも部分的に中断するように構成された少なくとも1つの境界要素を備える条項36又は37に記載のグリッパ。
【0108】
39.空気分散を可能とするように構成された少なくとも1つの内部構造物及び/又は外部構造物を備える条項36から38のいずれか一項に記載のグリッパ。
【0109】
40.少なくとも1つのタービュレータを備える条項36から39のいずれか一項に記載のグリッパ。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【
図2】本発明によるシステムに用いる、本発明による第2のグリッパの模式図である。
【
図3a】本発明によるシステムの可能な実施形態の模式図である。
【
図3b】本発明によるシステムの可能な実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0111】
本発明を、以下の図面に提示される非限定的な実施形態例に基づいてさらに説明する。
【0112】
図1は、本発明によるシステム100の模式図を示す。システム100は、フラットワーク物品101を搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置(不図示)に供給するように構成される。システム100は、フラットワーク物品101を本発明による方法による更なる装置に供給するように構成される。方法のステップを、以下に説明する。複数のフラットワーク物品101は、コンベア120によって提供され、ホッパー121に回収される。1枚のフラットワーク物品101は、爪を備えるピッカー122によって摘まみ取られる。ピッカー122は、フラットワーク物品101を略水平な面103上に配置する。当該ステップは、例示的なステップである。フラットワーク物品101は、その他の方法で提供されることも考えられる。好ましくは、フラットワーク物品101は、横置き姿勢で提供される。フラットワーク物品101が存在すれば、少なくとも1つの第1の画像が第1の視覚的撮像装置102によって取得される。システムは、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識するように学習されて当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習された少なくとも1つのニューラルネットワーク(不図示)を備える。フラットワーク物品101の少なくとも1つの角部101aの位置及び/又は向きは、学習済みニューラルネットワークによって特定される。角部101aの位置及び/又は向きが特定されると、第1のグリッパ104はフラットワーク物品101の特定された角部101aに向けて移動され、特定された角部101aはその後に把持される。そして、フラットワーク物品101は、把持された角部101aを保持する第1のグリッパ104によって移動される。これは、標準的には略水平方向で行われる。2つの隣接したガイド要素105、特にガイドローラ(ガイド要素)105は、移動の間、フラットワーク物品101の略水平向きを保証する。ガイドローラ105は縦方向に配置され、フラットワーク物品101はガイドローラ105を介して移動される。フラットワーク物品101の第1の角部101aに対向する遠端Dが、クランプ106によって保持される。これは、フラットワーク物品101の少なくとも1つの第2の角部101bが、実質的に垂れ下がるように行われる。例えば、これは、この時点でフラットワーク物品101を振り動かすことによって可能とされ得る。第2の角部101bは、第1の角部101aからの最短距離にある角部である。そして、フラットワーク物品101は、支持面107上を移動される。これは、標準的には第2の角部101bが当該支持面107上に配置されるように行われる。フラットワーク物品101の第2の角部101bの少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像は、第2の視覚的撮像装置108によって取得される。ニューラルネットワークは、第2の角部101bの位置及び/又は向きを特定するのに使用される。これが行われると、第2のグリッパ109はフラットワーク物品101の特定された第2の角部101bに向けて移動され、特定された第2の角部101bはその後に当該第2のグリッパ109によって把持される。そして、フラットワーク物品101は、搬送コンベア及び/又はフラットワーク処理装置などの更なる処理装置へ供給され得る。矢印は、システム100内のフラットワーク物品101の移動方向を示す。図示する実施形態では、システム100は、複数の第1のグリッパ104を備える。一次的な第1のグリッパ104aは、第1の角部101aを把持し、フラットワーク物品101をガイド要素105まで移動するように構成される。二次的な第1のグリッパ104bは、一次的な第1のグリッパ104aから第1の角部を引き継ぎ、さらにフラットワーク物品101を移動し得る。三次的な第1のグリッパ104cは、支持面107上でフラットワーク物品101を移動するために、第1の角部101aを引き継ぎ得る。説明した一次的、二次的及び三次的な第1のグリッパ104a、104b及び104cの使用は単なる例示であり、他の数の第1のグリッパ104が使用されることが考えられる。ただし、より多くのフラットワーク物品101が同時に取扱い可能となるので、複数の第1のグリッパ104を用いれば、全体工程を大幅に高速化し得る。少なくとも1つの第1のグリッパ104は、好ましくは、フラットワーク物品101の角部の少なくとも一部を包囲するように構成された把持口部を備える。システム100は、少なくとも第1のグリッパ104及びあるいは第2のグリッパ109をも移動するために少なくとも1つの駆動部(不図示)を備え得る。第2のグリッパ109は、好ましくは、当該角部101bが把持される前に、第2の角部101bの少なくとも一部を持ち上げるように構成される。第2のグリッパ109の可能な実施形態を
図2に示す。図示する支持面107は、少なくとも部分的に通気可能である。フラットワーク物品101が支持面107上に配置されると、真空引きが適用され得る。したがって、フラットワーク物品が支持面107に押圧されるように、空気が支持面107を通じて引かれる。支持面107の下部の矢印は、空気の吸引を示す。このステップは、標準的には第2のグリッパ109が第2の角部101bを把持した後に中断する。
【0113】
図2は、本発明による方法及びシステムに使用されるように構成された、本発明による第2のグリッパ209の可能な実施形態の模式図を示す。グリッパ209は、フラットワーク物品(不図示)の縁部及び/又は角部を把持するために構成される。グリッパ209は、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部を少なくとも部分的に持ち上げるように構成された吸引要素210、並びに当該フラットワーク物品を締め付けて係合するための締付け要素211を備える。締付け要素211は、フラットワーク物品の縁部及び/又は角部の少なくとも一部を保持及び/又は包囲するように構成される。締付け要素211及び吸引要素210は、相互に変位可能である。標準的には、締付け要素211は、吸引要素210に対して変位可能である。矢印は、締付け要素211及び吸引要素210の可能な移動方向を示す。図示する実施形態では、締付け要素211は、吸引要素210に対して枢動可能に変位可能である。吸引要素210も、変位可能である。吸引要素210は、例えば、伸縮アームを備えていてもよい。締付け要素211が吸引要素210に対して変位可能であることに起因して、角部又は縁部は、強固に把持可能となる。標準的には、吸引要素210は、空気を装置に引き込み、それによってフラットワーク物品を引き付ける。そして、グリッパ209、特に吸引要素210は、フラットワーク物品が支持面上に配置されなくなるように持ち上げられる。そして、フラットワーク物品の角部及び/又は縁部との締め付け係合を与えるように、締付け要素211は移動される。吸引要素210の吸気は、締め付け係合が確立されると中断され得る。
【0114】
図3a~3bは、本発明によるシステム300の模式図を示す。システム300は、好ましくは本発明による方法によって、フラットワーク物品301の第2の角部301bを検出及び把持するように構成される。システム300は、画像内のフラットワーク物品の少なくとも1つの角部を認識して当該少なくとも1つの角部の位置及び/又は向きを示すように学習されたニューラルネットワークを備える。システム300は、フラットワーク物品の少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像を取得するように構成された視覚的撮像装置308も備える。方法に関して、
図3aは、第1のグリッパ304によって第1の角部301aにおいて締め付けられ、図示する実施形態では、クランプ306によって第1の角部301aに対向する遠端Dにおいて保持されるフラットワーク物品301が提供されることを示す。これにより、少なくとも1つの第2の角部301bが実質的に垂れ下がることが可能となる。その後、フラットワーク物品301は、支持面307上で移動される。矢印は、移動方向を示した。支持面307は、少なくとも部分的に通気可能である。支持面307は実質的に平坦であり、複数の空気孔307aを備える。
【0115】
図3bは、支持面307上に配置されたフラットワーク物品301を示す。第2の角部301bは、当該支持面307上に配置される。そして、フラットワーク物品301の第2の角部301bの少なくとも一部の少なくとも1つの第2の画像は、視覚的撮像装置308によって取得されることになる。その後、ニューラルネットワークは、フラットワーク物品の少なくとも1つの第2の角部の可能性のある位置及び/又は向きを提供する。そして、第2のグリッパ309は、その後に把持され得る特定された第2の角部301bに向けて移動されることになる。本発明は、ここに提示及び記載されている実施形態例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲又は条項の範囲内で多数の変形例が可能であり、それは当業者にとって自明であることは明らかである。上述した実施形態の変形例の種々の発明概念及び/又は技術的手段は、添付の特許請求の範囲又は条項に記載された発明概念から逸脱することなく、完全に又は部分的に組み合わせられ得ると考えられる。
【0116】
本特許明細書で使用される動詞「備える(comprise)」及びその活用型は、文言「備える(comprise)」だけでなく、「含む(include)」、「実質的に~から構成される(consist essentially of)」、「により構成/形成される(formed by)」及びその活用型も意味する。
【0117】
単語「把持する(gripping)」が使用される場合、掴む(grasping)、摘まみ取る(picking)、保持する(holding)、掴む(grabbing)及び/又は掴む(clasping)の用語も意味し得る。フラットワーク物品の角部に言及する場合、フラットワーク物品の2つの縁部の交点を意味する。角部は、例えば、シャツ又は(バス)ローブの肩部分でもあり得る。角部は、典型的にはテキスタイルの両面係合によって把持される。第1の画像の位置及び/又は向きは、2D及び/又は3D配置の両方で特定され得る。第1及び第2のグリッパは、発明によるこれらのステップが完了した後に標準的にはフラットワーク物品の把持された部分を解放するようにも構成される。
【国際調査報告】