(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】3成分コードブックに基づくCSI報告
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0417 20170101AFI20221012BHJP
H04B 7/0456 20170101ALI20221012BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221012BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221012BHJP
【FI】
H04B7/0417 100
H04B7/0456 100
H04W24/10
H04W16/28 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022509079
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2020071968
(87)【国際公開番号】W WO2021028284
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテーシュ、ラミレディ
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン、マルクス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067KK03
5K067LL05
5K067LL11
(57)【要約】
本発明は、無線通信システム(A)において1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態でCSIフィードバックを提供するユーザ機器(UE)によって実行される方法に関し、方法は、MIMOチャネルを介してネットワークノード(gNB)から、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、ダウンリンク基準信号の構成に関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を受信することであって、無線信号は、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に関連付けられたダウンリンク基準信号を含む、受信すること、受信した1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、推定すること、各CSIリポート構成について、推定されたチャネル行列と、2つのコードブックであって、プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック及びプリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む、2つのコードブックと、1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数とに基づいて、プリコーディング行列を決定すること、ネットワークノードに、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを報告することを含み、各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子PMI及びランク識別子RIの形態で、選択されたプリコーディング行列を含み、ランク識別子(RI)はプリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは2つの部分:CSI部分1及びCSI部分2を含み、CSI部分1は固定されたペイロードサイズを有し、CSI部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、CSI部分2は少なくとも、CSIリポートの選択された非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、CSI部分2の一部又は全体は、CSIリポートからの省略に利用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態でCSIフィードバックを提供するユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
MIMOチャネルを介してネットワークノード(gNB)から、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、前記ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を受信することであって、前記無線信号は、前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従った前記ダウンリンク基準信号を含む、前記受信すること、
受信した前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、前記ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、前記ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、前記推定すること、
各CSIリポートについて、推定された前記チャネルと、2つのコードブックであって、
プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
前記プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む前記2つのコードブックと、前記1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、
前記ネットワークノードに、前記1つ又は複数のCSIリポート構成の前記1つ又は複数のCSIリポートを報告すること、を備え、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択された前記プリコーディング行列を含み、前記ランク識別子(RI)は、前記プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは、CSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、前記CSIリポートの選択された前記非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、前記CSIリポートからの省略に利用可能である、方法。
【請求項2】
CSI部分1は少なくとも、全てのRI層にわたる非ゼロ結合係数の選択された数についての情報と、選択された前記プリコーディング行列の前記RI層の前記送信ランクの指示と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
CSI部分2は少なくとも、選択された前記プリコーディング行列の前記RI層について、
前記空間コードブックからの選択された前記SD基底ベクトルを示す回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、前記回転オーバーサンプリングファクタを含む空間領域(SD)基底サブセットインジケータと、
前記遅延コードブックからの選択された前記DD基底ベクトルを示す1つ又は複数の遅延領域(DD)基底サブセットインジケータと、
選択された前記非ゼロ遅延領域結合係数の前記位相及び振幅と、
層ごとの最強係数と関連付けられた前記DD及びSDベクトルを示す最強係数インジケータ(SCI)と、
層ごとの偏波基準振幅と、
層ごとの前記非ゼロ結合係数を示すビットマップと、
前記DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記N
REP個のCSIリポートのCSI部分2は、TN
REP+1個のCSIサブグループにセグメント化され、T個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられ、1つのCSIサブグループは全てのN
REP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含み、各CSIサブグループは優先度(優先度レベル)と関連付けられる、請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
全てのN
REP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含む前記CSIサブグループは、最高優先度(優先度レベル0)を有し、残りのTN
REP個のCSIサブグループは、より低い優先度レベル1からTN
REPまでと関連付けられ、最後のCSIサブグループTN
REPは最低優先度レベルTN
REPと関連付けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記CSIサブグループは、
優先度0:CSIリポート1~N
REPの部分2のジョイントCSIサブグループ
優先度1:CSIリポート1の部分2のCSIサブグループ1
・・・
優先度T:CSIリポート1の部分2のCSIサブグループT
優先度T+1:CSIリポート2の部分2のCSIサブグループ1
・・・
優先度2T:CSIリポート2の部分2のCSIサブグループT
・・・
優先度T(N
REP-1)+1:CSIリポートN
REPの部分2のCSIサブグループ1
・・・
優先度TN
REP:CSIリポートN
REPの部分2のCSIサブグループT
に従った優先度を有する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
省略の場合、前記UEは、前記CSIリポートの前記ペイロードサイズが前記gNBからのリソース割り振りと一致するまで、優先度がより低い前記CSIサブグループをドロップする、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
特定の優先度レベルのCSIサブグループを省略する場合、前記UEはその優先度レベルの全ての前記CSI内容を省略する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パラメータTは、CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示し、CSIリポートから省略された前記CSI内容の粒度に関連し、高値のTは高粒度を示し、低値のTは低粒度を示し、前記パラメータTに値2が与えられる場合、各CSIリポートは2つのCSIサブグループのみと関連付けられる、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記パラメータTは、CSIレポートに含まれる情報内容に依存する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パラメータTは、前記CSIレポートで示される非ゼロ係数K
NZの数に依存し、前記CSIレポートで示される非ゼロ係数の数が、
【数1】
のように特定の閾値よりも大きい場合、T=2であり、その他の場合、T=1である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
優先度レベル0と関連付けられた前記ジョイントCSIサブグループは、全てのN
REP個のCSIリポートのCSI情報を含み、前記ジョイントCSIサブグループは、
前記回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、前記回転オーバーサンプリングファクタを含む選択された前記SD基底サブセットインジケータと、
前記RI層の前記SCIと、
を含む複数のパラメータのうちの少なくとも1つの情報を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
CSIリポートの最高優先度を有する前記CSIサブグループは少なくとも、
前記RI層の選択された前記DD基底サブセットインジケータと、
前記RI層の前記偏波基準振幅値と、
前記RI層のK
NZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップと、
前記DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータと、
を含む複数のパラメータの情報を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
CSIリポートの最高優先度を有する前記CSIサブグループは少なくとも、
前記RI層の選択された前記DD基底サブセットインジケータ、
前記RI層の前記偏波基準振幅値、
前記RI層のK
NZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、及び
窓パラメータM
init
を含む複数のパラメータの情報を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
CSIサブグループは、全てのRI層のビットマップを含み、サイズ2UD×RIのビットマップはD個のセグメントにセグメント化され、各セグメントは、2UD×RIのサイズを有し、単一のDD基底インデックスと関連付けられる、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
サイズ2UD×RIの各セグメント内のビットは、最初のRIビットが全てのRI層の前記第1のSD基底ベクトルインデックスと関連付けられ、その後に、前記第2のSD基底インデックスと関連付けられた次のRIビットが続き、以降同様であるように順序付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
最高優先度を有するCSIサブグループの第1のセグメントは、DD基底ベクトルインデックス0と関連付けることができる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記UEは、CSIリポートについて、インデックス0を有するDD基底ベクトルが前記SCIと関連付けられるように前記SCIと関連付けられた前記DD基底ベクトルに関して、選択された前記結合係数及び前記層毎に選択されるDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように設定されている、請求項1~17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
CSIリポートごとで最高優先度を有するCSIサブグループは、選択された前記非ゼロ遅延領域結合係数の前記振幅及び位相値の第1の部分の情報を含み、優先度のより低い残りのT-1個のCSIサブグループは、前記CSIリポートの振幅及び位相値の残りの部分を含む、請求項4~6又は13~18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、前記RI層の前記ビットマップの少なくとも一部分と、前記K
NZ個の結合係数の一部分の位相及び振幅情報と、を含むことができる、請求項4~6又は13~19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、前記RI層の前記ビットマップの一部と関連付けられた前記結合係数の前記振幅及び位相情報を含む、請求項4~6又は13~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
単一のCSIリポートと関連付けられた最高優先度を有する各CSIサブグループは少なくとも、前記ビットマップの前記一部分及び前記RI層の前記SCIの前記DD基底ベクトルインデックスと関連付けられた前記結合係数の前記情報を含む、請求項4~6又は13~21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは少なくとも、前記CSIリポートで示される前記プリコーディング行列の前記RI層についての1つ又は複数のDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた前記ビットマップを含み、前記CSIサブグループは、前記ビットマップと関連付けられた前記結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報を含むことができる、請求項4~6又は13~22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記結合係数の一部分の情報を含む各CSIサブグループは、CSIリポートの
【数2】
個の結合係数の最大と関連付けられた位相及び振幅値を含み、優先度のより低い残りのCSIサブグループは、前記CSIリポートの残りの位相及び振幅値を含む、請求項19~23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記結合係数の前記位相及び振幅値は、T=2且つx=2の場合、2つのCSIサブグループにセグメント化され、前記第1のCSIサブグループは、
【数3】
個の結合係数と関連付けられた前記位相及び振幅値を含み、前記第2のCSIサブグループは、CSIリポートの残りの
【数4】
個の結合係数と関連付けられた前記位相及び振幅を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
CSIサブグループの前記結合係数の前記振幅及び位相情報は、X個の結合係数の前記振幅情報(Xaビット)の後に、X個の結合係数の前記位相情報(Xbビット)が続くように順序付けられる、請求項19~25の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
単一のCSIリポート及び最高優先度と関連付けられた前記CSIサブグループのビット幅は固定され、A+Bによって与えられ、Aは、非ゼロ結合係数の数から離れた前記CSIサブグループに含まれる全ての成分の結合ビット幅であり、Bは、前記結合係数
【数5】
の一部分の前記振幅情報(a)及び位相情報(b)と関連付けられたビット幅である、請求項4~6又は13~26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
無線通信システムにおいて1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態のCSIフィードバックを受信するネットワークノード(gNB)によって実行される方法であって、
MIMOチャネルを介してユーザ機器(UE)に、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、前記ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を送信することであって、前記無線信号は、前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従った前記ダウンリンク基準信号を含む、前記送信すること、
前記UEから、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを受信すること、を備え、
前記1つ又は複数のCSIリポートは、前記UEが、
受信した前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、前記ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、前記ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、前記ダウンリンクMIMOチャネルを推定すること、
各CSIリポートについて、推定された前記チャネルと、2つのコードブックであって、
プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
前記プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブック、を含む前記2つのコードブックと、前記1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、を行うことによって生成され、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択された前記プリコーディング行列を含み、前記ランク識別子(RI)は、前記プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは、CSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、前記CSIリポートの選択された前記非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、前記CSIリポートからの省略に利用可能である、方法。
【請求項29】
プロセッサ及びメモリを備えたユーザ機器(UE)であって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムコードを含み、それにより、前記UEは、請求項1~27の何れか一項に記載の主題を実行するように動作可能である、ユーザ機器。
【請求項30】
プロセッサ及びメモリを備えたネットワークノードであって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムコードを含み、それにより、前記ネットワークノードは、請求項28に記載の主題の何れか1つを実行するように動作可能である、ネットワークノード。
【請求項31】
コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサが請求項1~27の何れか一項に記載の主題を実行できるようにする、コンピュータプログラム製品。
【請求項32】
コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサが請求項28の主題の何れか1つを実行できるようにする、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関し、特に、ユーザ機器から、無線通信システムにおいてチャネル状態情報(CSI)フィードバックを1つ又は複数のCSIリポートの形態で提供する方法、ユーザ機器、ネットワークノード、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP第五世代無線通信システム又は略して5Gとも呼ばれるNew Radio等の無線通信システムでは、ダウンリンク(downlink : DL)信号及びアップリンク(uplink : UL)信号は、データ信号、DL制御情報(DL control information : DCI)及び/又はアップリンク制御情報(uplink control information : UCI)を含む制御信号、及び異なる目的で使用される幾つかの基準信号(reference signal : RS)を搬送する。無線ネットワークノード、又は無線基地局、又はgノードB(又はgNB又はgNB/TRP(Transmit Reception Point : 送信受信ポイント))は、いわゆる物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel : PDSCH)及び物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel : PDCCH)を通してデータ及びDCIをそれぞれ送信する。
【0003】
UEは、いわゆる物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel : PUSCH)及び物理アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel : PUCCH)を通してデータ及びUCIをそれぞれ送信する。さらに、gNB、すなわちユーザ機器(user equipment)(UE又は無線デバイス)のDL又はUL信号はそれぞれ、チャネル状態情報RS(channel state information RS : CSI-RS)、復調RS(demodulation RS : DM-RS)、及びサウンディングRS(sounding RS : SRS)を含む1つ又は複数のタイプのRSを含み得る。CSI-RS(SRS)は、DL(UL)システム帯域幅部分で送信され、CSI取得のためにUE(gNB)において使用される。DM-RSは、各PDSCH/PUSCHの帯域幅部分でのみ送信され、データ復調のためにUE/gNBによって使用される。
【0004】
5Gの多くの主要特徴の1つは、前世代のモバイルシステムと比較して高いシステムスループットを達成するために多入力多出力(multi-input multi-output : MIMO)伝送方式を使用することである。MIMO伝送では一般に、データ及び制御情報のプリコーディング行列を使用して信号をプリコーディングするために、gNBで使用される正確なCSIの可用性が求められる。したがって、現在の第三世代パートナーシッププロジェクトリリース15仕様(3GPPリリース15)は、CSI報告の包括的な枠組みを提供している。CSIは、UEにおける第1のステップにおいて、gNBによって送信された受信CSI-RS信号に基づいて取得される。UEは第2のステップにおいて、推定されたチャネル行列に基づいて、「コードブック」と呼ばれる予め定義された行列セットからプリコーディング行列を決定する。第3のステップにおいて、選択されたプリコーディング行列は、プリコーディング行列識別子(precoding matrix identifier : PMI)及びランク識別子(rank identifier : RI)の形態でgNBに報告される。
【0005】
3GPPリリース15のデュアルステージプリコーディング及びCSI報告
現在のリリース15NR仕様では、CSI報告に2つのタイプ(タイプI及びタイプII)が存在し、両タイプともデュアルステージ、すなわち2成分W1W2コードブックに依拠する。第1の成分、すなわち第1ステージプリコーダW1は、ビームベクトルの数及び設定されている場合には回転オーバーサンプリングファクタ(rotation oversampling factors)を空間コードブックとも呼ばれる離散フーリエ変換ベース(Discrete Fourier Transform-based : DFTベース)の行列から選択するのに使用される。空間コードブックは、次元N1N2×N1O1N2O2のDFT又はオーバーサンプリングDFT行列を含み、O1及びO2はそれぞれコードブックの第1及び第2の次元に関するオーバーサンプリングファクタを示す。コードブックにおけるDFTベクトルは(q1,q2)、0≦q1≦O1-1、0≦q2≦O2-1サブグループにグループ化され、ここで、各サブグループはN1N2個のDFTベクトルを含み、パラメータq1及びq2は回転オーバーサンプリングファクタとして示される。第2の成分、いわゆる第2ステージプリコーダW2は、選択されたビームベクトルの結合に使用される。
【0006】
構成(N1,N2,2)を有するgNBにおけるランクR伝送及びデュアル偏波アンテナアレイを仮定すると、s番目のサブバンド及びr番目の送信層について[1](非特許文献1)に開示されるリリース15ダブルステージプリコーダは、
【0007】
【0008】
によって与えられ、プリコーダ行列W(r)(s)は、アンテナポート数に対応する2N1N2行及び報告サブバンド/PRBのS列を有する。行列
【0009】
【0010】
は全てのS個のサブバンドで同一である両偏波で2U個の空間ビームを含むワイドバンド第1ステージプリコーダであり、FAは、2U個の空間ビームと関連付けられた2U個のワイドバンド振幅を含む対角行列であり、
【0011】
【0012】
は、2U個のサブバンド、サブバンド振幅及び位相、s番目のサブバンドの2U個の空間ビームと関連付けられた複素周波数領域結合係数を含む第2ステージプリコーダである。
3GPPリリース15のデュアルステージタイプIIのCSI報告では、第2ステージプリコーダW2は、
【0013】
【0014】
の列の数が、設定されたサブバンドの数に依存するようにサブバンドベースで計算される。ここで、サブバンドは隣接する物理的リソースブロック(physical resource block : PRB)のグループを指す。タイプIIのCSIフィードバックの1つの主な欠点は、結合係数をサブバンドベースで報告するためのフィードバックオーバーヘッドが大きいことである。フィードバックオーバーヘッドは、サブバンド数に伴って概ね線形に増え、サブバンドが多数の場合、かなり大きくなる。リリース15タイプIIのCSI報告方式の高フィードバックオーバーヘッドを解消するために、最近、3GPPRAN#81[2](非特許文献2)(3GPP無線アクセスネットワーク(RAN)3GPPRAN#81)において、第2ステージプリコーダW2のフィードバック圧縮方式を研究することが決定された。幾つかの寄稿[3]及び[4](非特許文献3,4)では、小さなDFT基底ベクトルセットを使用するW2を遅延領域に変換する場合、W2におけるビーム結合係数の数が劇的に低下し得ることが実証された。対応する3ステージプリコーダは、3ステージ、即ち3成分
【0015】
【0016】
コードブックに依拠する。行列W1によって表される第1の成分は、リリース15NRの成分と同一であり、層(r)から独立し、空間コードブックから選択される幾つかの空間領域(spatial domain : SD)基底ベクトルを含む。行列W3
(r)によって表される第2の成分は、層依存であり、遅延コードブックとも呼ばれる離散フーリエ変換ベース(Discrete Fourier Transform-based : DFTベース)の行列から幾つかの遅延領域(delay domain : DD)基底ベクトルを選択するのに使用される。行列W2
(r)によって表される第3の成分は層依存であり、空間及び遅延コードブックからそれぞれ選択されたSD基底ベクトル及びDD基底ベクトルを結合するのに使用される結合係数の数を含む。
【0017】
ランクR伝送を仮定すると、2N1N2構成のアンテナ/DL-RSポート及びN3構成のサブバンドの3成分プリコーダ行列又はCSI行列は、アンテナポートの第1の偏波及びr番目の送信層について
【0018】
【0019】
として表され、アンテナポートの第2の偏波及びr番目の送信層について
【0020】
【0021】
として表され、式中、bu=(u=0,・・・,U-1)は空間コードブックから選択されるu番目のSD基底ベクトルを表し、
【0022】
【0023】
は遅延コードブックから選択されるr番目の層と関連付けられたd番目のDD基底ベクトルであり、γ(p,u,d)
(r)は、u番目のSD基底ベクトル、d番目のDD基底ベクトル、及びp番目の偏波と関連付けられた複素遅延領域結合係数であり、Uは設定されたSD基底ベクトルの数を表し、Dは設定されたDD基底ベクトルの数を表し、α(l,p)は正規化スカラーである。
【0024】
式(2)における3成分CSI報告方式の主な利点は、プリコーダ行列又はCSI行列の結合係数を報告するフィードバックオーバーヘッドがもはや、設定される周波数領域サブバンドの数に依存しないことであり、即ちシステム帯域幅から独立することである。さらに、プリコーダ行列又はCSI行列のフィードバックオーバーヘッド及び性能は、層ごとに又は全ての層で、第3の成分W2
(r)に含めることができ、UEによって報告される最大数の非ゼロ結合係数KをUEに設定することにより、gNBによって制御することができる。非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報のみが報告されるため、層ごとの2UD個の係数の何れかがUEによって選択され報告されるかを示すビットマップ等のインジケータが必要とされる。[5](非特許文献5)によれば、r番目の層の選択された非ゼロ係数がビットマップによって示され、ここで、ビットマップ中の各ビットは偏波インデックス(p∈{1,2})、SD基底インデックス(0≦u≦U-1)、及びDD基底インデックス(0≦d≦D-1)と関連付けられる。ビットマップ中の「1」は、偏波インデックスp、SD基底インデックスu、及びDD基底インデックスと関連付けられた結合係数が非ゼロであり、UEによって選択され報告されることを示す。ビットマップ中の「0」は、偏波インデックスp、SD基底ベクトルu、及びDD基底インデックスdと関連付けられる結合係数がゼロであることを示し、したがって、UEによって報告されない結合係数であることを示す。
【0025】
[6](非特許文献6)によれば、層ごとの最強結合係数は1に正規化され、報告されない。層の2UD個の係数の何れかが最強結合係数であるかを示すために、最強係数インジケータ(strongest coefficient indicator : SCI)が層ごとにUEによって報告される。
【0026】
[6](非特許文献6)によれば、非ゼロ結合係数γ(p,u,d)
(r)(W2
(r)に含まれる)は以下:
【0027】
【0028】
として量子化され、式中、結合係数の振幅γ(p,u,d)
(r)は2つの振幅、即ちPref
(r,p)及びa(p,u,d)
(r)によってそれぞれ示される第1及び第2の振幅によって与えられる。ここで、Pref
(r,p)は、偏波p(p=1,2)と関連付けられた全ての振幅値に共通する各偏波に定義される偏波基準振幅を示す。Uの偏波インデックスでは、SCI(Pref
(r,p)=1)と関連付けられたSD成分は報告されない。他の偏波Pref
(p’),p’≠pと関連付けられた偏波基準振幅はa’ビットを用いて量子化される。加えて、各結合係数γ(p,u,d)
(r)の振幅a(p,u,d)
(r)及び位相θ(p,u,d)
(r)はそれぞれaビット及びbビットを用いて量子化される。
【0029】
3成分CSI方式の構成及び報告
プリコーダ行列又はCSI行列の構成について、CSIリポート構成は、gNBからUEに上位層(例えばRRC)を介してシグナリングされ得、上位層CSIリポート構成は以下の情報を含み得る[7](非特許文献7):
- W1の計算のために空間コードブックからUEによって選択すべきSD基底ベクトルの数を示すパラメータU、
- W3
(r)の計算のために遅延コードブックから層ごとにUEによって選択すべきDD基底ベクトルの数を示すパラメータD又はそのバリアント(variants)、
- 層ごと又は全ての層で行列W2
(r)に含まれ、選択されたSD基底ベクトルとDD基底ベクトルとを結合するのにUEによって使用される非ゼロ係数の最大数を示すパラメータK又はそのバリアント、
- CSI行列の周波数領域サブバンドの数及び遅延コードブック内のDD基底ベクトルの次元を示すパラメータN3、並びに
- DD基底ベクトルの報告構成の追加のパラメータ。
【0030】
CSIリポートは少なくとも、CSI行列の層の選択された数を示すランクインジケータ(rank indicator : RI)と、全ての層KNZにわたる非ゼロ結合係数の選択された数の数と、CSI行列の3つの成分を定義するPMIとを含み得、PMIは少なくとも以下の情報を含む[7](非特許文献7):
- CSI行列のRI層の空間コードブックから選択されたU個のSD基底ベクトルと、設定されている場合、選択されたオーバーサンプリング回転ファクタ(oversampling rotation factors)を示す空間領域サブセットインジケータ(spatial domain subset indicator : SD基底インジケータ)、
- 層ごとの選択されたDD基底ベクトルを示す遅延領域サブセットインジケータ(delay domain subset indicator : DD基底インジケータ)、
- 報告されない、最強結合係数と関連付けられたSD基底インデックス又はSD及びDD基底インデックスを示す層ごとの最強係数インジケータ(strongest coefficient indicator : SCI)、
- 層ごとのKNZ,r個の選択された非ゼロ量子化遅延領域結合係数と関連付けられた振幅及び位相情報、
- 層ごとのKNZ,r個の非ゼロ係数と関連付けられたSD基底インデックス及びDD基底インデックスを示す層ごとのビットマップ、
- 層ごとの偏波固有基準振幅、並びに
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0031】
3GPPリリース15のCSI報告のUCI省略
PUSCHベースのリソース割り振り及びCSI報告でのUCI省略[1](非特許文献1)が3GPPリリース15で導入された。それにより、UEは、PUSCHリソース割り振りがCSIリポートの内容全体を搬送するのに十分ではない場合、1つ又は複数のCSIリポートの幾つかの部分をドロップすることができる。UCI省略は、CSIリポートのスケジュール時、基地局がPUSCHリソースを正確に割り振らなかった場合、行われ得る。例えば、基地局は、ランク1(RI=1)CSIリポートにリソースを割り振り得るが、UEはランク2送信を決定し、割り振られたPUSCHリソースのサイズよりも大きなサイズのランク2(RI=2)CSIリポートを報告する。そのような場合、UEはUCI内容の一部をドロップする必要がある。3GPPリリース15では、ドロップは、CSIリポートと関連付けられたUCIペイロードをより小さな複数の部分、いわゆる複数の優先度レベルに分解することによって達成される。[1](非特許文献1)の表5.2.3-1参照。この表では、優先度レベル0は最高優先度を有し、NREPは、PUSCH上で搬送されるように設定されたCSIリポートの総数を表す。各優先度レベルはCSIリポートの部分と関連付けられる。UEは、CSIリポートのペイロードサイズがPUSCHリソース割り振りと一致するように、優先度の低いCSI部分をドロップする。さらに、CSIペイロードは2つの部分:CSI部分1及びCSI部分2に分割される。CSI部分1は、RIと、CSI部分2のサイズを示すインジケータと、を含む。CSI部分1のサイズは固定され、一方、CSI部分2のサイズは、UEによって決定されたRI及び幾つかの他のファクタに応じて様々である。gNBは、CSI部分2を復号化するためにCSI部分1を知る必要があるため、UCI省略はCSI部分2に対してのみ実行される。
【0032】
CSI部分2は、2NREP+1個のCSI部分で作られる。ここで、2NREP個のCSI部分、いわゆるサブバンドPMIは、NREP個のCSIリポートの偶数及び奇数のサブバンドと関連付けられたCSI内容を含む。さらに、各サブバンドPMIは、インデックス1から始まる2NREPまでの優先度レベルと関連付けられる。加えて、優先度レベルインデックス0と関連付けられた第1のCSI部分は、全ての2NREP個のサブバンドPMI、即ちCSI報告帯域全体の情報を含む。リリース15のサブバンドベースのCSI分解及び省略法の背後にある動機は、CSIリポートnの第1のサブバンドPMIを省略する場合、gNBがCSIリポートnの報告された第2のサブバンドPMIのCSI内容を使用し、補間方式を使用することにより、省略された第1のサブバンドPMIのCSIを推定し得ることである。このようにして、隣のサブバンドは典型的には高度に相関するため、性能の深刻な低下を回避することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】3GPP TS 38.214 V15.3.0:「3GPP;TSGRAN;NR;データの物理層手順(リリース15)(3GPP;TSGRAN;NR;Physicallayerproceduresfordata(Rel.15)).」、2018年9月
【非特許文献2】サムスン(Samsung)著「WID改訂:NRに向けたMIMOの改良(Revised WID:EnhancementsonMIMOforNR」)、RP-182067、3GPPRAN#81、豪国ゴールドコースト、2018年9月10日~13日
【非特許文献3】R1-1806124、フラウンホーファーIIS(Fraunhofer IIS)、フラウンホーファーHHI(FraunhoferHHI)、タイプIICSI報告方式の改良(EnhancementsonType-IICSIreportingscheme)、RAN1#93、韓国釜山、2018年5月21日~5月25日
【非特許文献4】R1-1811088、フラウンホーファーIIS(Fraunhofer IIS)、フラウンホーファーHHI(FraunhoferHHI)、タイプIICSI報告方式の改良(EnhancementsonType-IICSIreportingscheme)、RAN1#94-Bis、中国成都、2018年10月8日~10月12日
【非特許文献5】議長メモ(Chairman’s Notes)、RAN1#96、ギリシャアテネ、2019年2月25日~3月1日
【非特許文献6】R1-1902304、サムスン、MU-MIMOへのCSI改良の概要(Summary ofCSIenhancementforMU-MIMO)、RAN1#96、2019年2月25日~3月1日
【非特許文献7】R1-1905629、サムスン、MU-CSIの主要特徴概要-選択された問題の改訂(FeatureleadsummaryforMU-CSI-revisiononselectedissues)、中国西安、2019年4月12日~16日
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0034】
既知の3成分CSI報告方式について、サブバンドベースのPMIは存在せず、CSI部分2を幾つかのサブバンドPMIに分解することは可能ではないため、3GPPリリース15のUCI省略手順は再使用することができない。したがって、新しいUCI省略ルールが必要とされる。
【0035】
なお、3成分CSI報告方式では、CSIリポートのCSIペイロードは、報告すべき非ゼロ係数の数によってUEにより制御することができる。UCI省略の場合、UEは単に、利用可能なPUSCHリソースに基づいて、CSIリポートの1つ又は複数で報告すべき非ゼロ係数の数を少なくし得る。しかしながら、非ゼロ結合係数の数を低減するには、結合係数、1つ又は複数のCSIリポートのCSI行列のSD及びDD基底ベクトルの再計算が必要であり、追加のUEリソースを占有する。そのような追加のUEリソースは、UEでは利用可能ではない。したがって、UCI省略方式は、1つ又は複数のCSIリポートのCSI行列の再計算を必要とすべきではない。
【0036】
3成分CSI報告方式では、CSIリポートのペイロードのサイズは主に、CSIリポートの報告される非ゼロ結合係数のビットマップ並びに振幅及び位相情報によって決まる。
【0037】
本発明では、3成分CSI報告方式でのCSIリポートの報告される非ゼロ結合係数のビットマップ並びに振幅及び位相情報の異なるセグメント化方式が提案される。
本発明の一解決策では、UCI省略方式は、CSIリポートの非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報の一部をドロップすることに基づく。
【0038】
本発明の別の解決策では、UCI省略方式は、非ゼロ結合係数の振幅及び/又は位相情報の一部と、ドロップされた結合係数と関連付けられたビットマップの一部とをドロップすることに基づく。
【0039】
本発明は、無線通信システムにおいて1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態でCSIフィードバックを提供するユーザ機器(UE)によって実行される方法を提供し、本方法は、
- MIMOチャネルを介してネットワークノード(gNB)から、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を受信することであって、無線信号は、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従ったダウンリンク基準信号を含む、受信すること、
- 受信した1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、推定すること、
- 各CSIリポート構成について、推定されたチャネル行列と、2つのコードブックであって、
- プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
- プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む2つのコードブックと、1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、
- ネットワークノードに、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを報告すること、を備える。
【0040】
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択されたプリコーディング行列を含み、ランク識別子(RI)は、プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートはCSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、CSI部分1は固定されたペイロードサイズを有し、CSI部分2のペイロードのサイズを示す情報を含む。CSI部分2は少なくとも、CSIリポートの選択された非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、CSI部分2の一部又は全体は、CSIリポートからの省略に利用可能である。
【0041】
本発明の提案される一態様によれば、CSI部分1は少なくとも、全てのRI層にわたる非ゼロ結合係数の選択された数についての情報と、選択されたプリコーディング行列のRI層の送信ランクの指示と、を含む。
【0042】
CSI部分2は少なくとも、選択されたプリコーディング行列のRI層についての以下の情報:
- 空間コードブックからの選択されたSD基底ベクトルを示す回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、回転オーバーサンプリングファクタを含む空間領域(SD)基底サブセットインジケータ、
- 遅延コードブックからの選択されたDD基底ベクトルを示す1つ又は複数の遅延領域(DD)基底サブセットインジケータ、
- 選択された非ゼロ遅延領域結合係数の位相及び振幅、
- 層ごとの最強係数と関連付けられたDD及びSDベクトルを示す最強係数インジケータSCI、
- 層ごとの偏波基準振幅、
- 層ごとの非ゼロ結合係数を示すビットマップ、並びに
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ
を含むことも提案される。
【0043】
本発明の特定の態様は、NREP個のCSIリポートの部分2は、TNREP個のCSIサブグループにセグメント化することができ、T個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられ、各CSIサブグループは優先度、即ち優先度レベルと関連付けられることを教示する。
【0044】
本発明の別の態様は、NREP個のCSIリポートの部分2は、TNREP+1個のCSIサブグループにセグメント化することができ、T個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられ、1つのCSIサブグループは全てのNREP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含み、各CSIサブグループは優先度、即ち優先度レベルと関連付けられ、全てのNREP個のレポートに関連付けられた情報を含むCSIサブグループは最も高い優先度、即ち「0」の優先度レベルを有することを教示する。
【0045】
省略の場合、UEは、CSIリポートのペイロードサイズがgNBからのリソース割り振りと一致するまで、優先度がより低いCSIサブグループをドロップし得ることが提案される。特定の優先度レベルのCSIサブグループを省略する場合、UEはその優先度レベルの全てのCSI内容を省略し得る。
【0046】
パラメータTは、CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示し得、CSIリポートから省略されたCSI内容の粒度に関連し得、高値のTは高粒度を示し、低値のTは低粒度を示し、パラメータTに「2」の値が与えられる場合、各CSIリポートは2つのCSIサブグループのみと関連付けられる。
【0047】
パラメータTは、以下のような場合、CSIレポートに含まれる情報内容に依存し得る:
パラメータTは、CSIレポートに示されたRI値に依存し得、ここで、CSIレポートに示されたRI値が特定の閾値よりも大きい場合、T=2であり、CSIレポートのRI値が特定の閾値よりも小さい場合、T=1である、又は
パラメータTは、CSIレポートで示される非ゼロ係数KNZの数に依存し、ここで、CSIレポートで示される非ゼロ係数の数が、
【0048】
【0049】
のように特定の閾値よりも大きい場合、T=2であり、その他の場合、T=1である。
本発明の提案される一態様は、優先度レベル0と関連付けられた最初のCSIサブグループは、全てのNREP個のCSIリポートのCSI情報を含み、ジョイントCSIサブグループは、以下のパラメータ:
- 回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ及び
- RI層のSCI
の少なくとも1つの情報を含むことを教示する。
【0050】
CSIリポートの最高優先度を有するCSIサブグループは少なくとも、以下のパラメータ:
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層の偏波基準振幅値、
- RI層のKNZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、及び
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ
の情報を含み得ることも提案される。
【0051】
また、CSIリポートの最高優先度を有するCSIサブグループは少なくとも、以下のパラメータ:
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層の偏波基準振幅値、
- RI層のKNZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、及び
- 窓パラメータMinit
の情報を含むことも提案される。
【0052】
結合係数の一部分の情報を含む各CSIサブグループは、CSIリポートの
【0053】
【0054】
個の結合係数の最大と関連付けられた振幅値、又は位相及び振幅値を含み得、優先度のより低い残りのCSIサブグループは、CSIリポートの残りの振幅値、又は残りの位相及び振幅値を含み得ることが提案される。
【0055】
最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは少なくとも、CSIリポートで示されるプリコーディング行列のRI層についての1つ又は複数のDD基底ベクトル又は1つ又は複数のDD基底ベクトルインデックスの全てのSD成分と関連付けられたビットマップを含み得、CSIサブグループは、ビットマップと関連付けられた結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報を含み得ることも提案される。
【0056】
本発明の他の態様は、CSIリポートのRI層についてのビットマップ及び結合係数の情報は、D個のセグメントにセグメント化され、ここで、各セグメントは、プリコーディング行列の全てのRI層の単一のDD基底インデックスの全てのSD成分と関連付けられたサブビットマップを含み、最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられたCSIサブグループは、D個のセグメントの1つ又は複数を含むことを教示する。
【0057】
ここでは、各セグメントは、サブビットマップと関連付けられたRI層についての結合係数の関連付けられた振幅及び/又は位相情報を含み得ることが提案される。
CSIリポートの最高優先度と関連付けられたCSIサブグループは少なくとも、RI層の第1のサブセットについての非ゼロ結合係数を示すビットマップと、CSIリポートで示されたプリコーディング行列のRI層の第1のサブセットと関連付けられ、選択された非ゼロ遅延領域結合係数の振幅及び位相値の第1の部分とを含み得る。
【0058】
NREP個のCSIレポートに関連付けられたCSI情報を含むCSIサブグループは、1つまたは複数のCSIレポートについて、RI層についてのSCI、ビットマップの一部分、及び各CSIレポートのRI層についての全てのSD成分及びDD基底ベクトルインデックス0に関連付けられた結合係数の振幅および/または位相情報を含み得ることが提案される。
【0059】
単一のCSIリポートと関連付けられたサイズ2UD×RIの全てのRI層のビットマップが単一のCSIサブグループに含まれる場合、ビットマップはRI個のセグメントにセグメント化され、2UDビットの各々は層数に関して昇順であり、各セグメントは、層の全てのSD及びDD基底インデックスと関連付けられることが提案される。
【0060】
CSIサブグループが全てのRI層のビットマップを含む場合、サイズ2UD×RIのビットマップはD個のセグメントにセグメント化され、各セグメントはサイズ2U×RIを有し、単一のDD基底ベクトルインデックスと関連付けられることが提案される。サイズ2U×RIの各セグメントはRI個のセグメントにセグメント化され、各セグメントはサイズ2U×1を有し、単一のDD基底ベクトルインデックスおよび単一の層インデックスに関連付けられることも提案される。
【0061】
各CSIサブグループは、RI層のビットマップの一部、またはD個のセグメントのビットマップの一部に関連付けられた結合係数の振幅および/または位相情報を含むことが提案される。
【0062】
単一のCSIリポート及び最高優先度と関連付けられたCSIサブグループのビット幅は固定され得、A+Bによって与えられ、Aは、非ゼロ結合係数の数から離れたCSIサブグループに含まれる全ての成分の結合ビット幅であり、Bは、結合係数
【0063】
【0064】
の一部分の振幅情報(a)及び位相情報(b)と関連付けられたビット幅である。
本発明は、無線通信システムにおいて1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態のCSIフィードバックを受信するネットワークノード(gNB)によって実行される方法にも関し、本方法は、
- MIMOチャネルを介してユーザ機器(UE)に、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を送信することであって、無線信号は、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従ったダウンリンク基準信号を含む、送信すること、
- UEから、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを受信すること、を備え、1つ又は複数のCSIリポートは、UEが、
- 受信した1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して提供される、推定すること、
- 各CSIリポートについて、推定されたチャネルと、2つのコードブックであって、
- プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
- プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む、2つのコードブックと、1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、を行うことによって生成され、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択されたプリコーディング行列を含み、ランク識別子(RI)は、プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートはCSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、CSIリポートの選択された非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、CSIリポートからの省略に利用可能である。
【0065】
本発明は、プロセッサ及びメモリを備えたユーザ機器(UE)にも関し、メモリは、プロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムコードを含み、それにより、UEは、UEによって実行される本発明の方法の主題の何れか1つを実行するように動作可能である。
【0066】
本発明は、プロセッサ及びメモリを備えたネットワークノードにも関し、メモリは、プロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムコードを含み、それにより、ネットワークノードは、ネットワークノードによって実行される本発明の方法の主題の何れか1つを実行するように動作可能である。
【0067】
本発明は、コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品にも関し、コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサがUEによって実行される本発明の方法の主題の何れか1つを実行できるようにする。
【0068】
本発明はコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品にも関し、コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサがネットワークノードによって実行される本発明の方法の主題の何れか1つを実行できるようにする。
【0069】
本発明は、1つ又は複数のCSIリポートのCSI行列の結合係数、SD及びDD基底ベクトルを再計算する必要なく、既知の3成分CSI報告方式を使用するUEが省略手順を利用できるようにする新しいUCI省略ルールが実施される方法を提供する。
【0070】
本明細書における実施形態の例及び実施形態の利点について添付図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】無線基地局と通信するユーザ機器の概略簡易図である。
【
図2】一例の幾つかのCSIサブグループへのCSI部分2の分解を示す方式1の図であり、優先度レベル(t-1)N
REPからtN
REP-1(1≦t≦T)を有するN
REP個のCSIサブグループは常に、N
REP個のCSIリポートと関連付けられる。
【
図3】幾つかのCSIサブグループへのCSI部分2の分解を示す方式1の図であり、優先度レベル(n-1)TからnT-t(1≦n≦N
REP)を有するT個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられる。
【
図4】幾つかのCSIサブグループへのCSI部分2の分解の一例を示す方式2の図であり、最高優先度を有する第1のCSIサブグループは、CSIリポート1からN
REPの情報を含み、優先度レベル(n-1)T+1からnT(1≦n≦N
REP)を有するT個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられる。
【
図5】幾つかのCSIサブグループへのCSI部分2の分解の一例を示す方式2の図であり、最高優先度を有する第1のCSIサブグループは、CSIリポート1からN
REPの情報を含み、優先度レベル(t-1)N
REP+1からtN
REP(1≦t≦T)を有するN
REP個のCSIサブグループは常に、N
REP個のCSIリポートと関連付けられる。
【
図6】優先度レベル0を有する第1のジョイントCSIサブグループに含まれるCSI内容と、最高優先度を有し、単一のCSIリポートnと関連付けられるCSIサブグループのCSI内容との一例の図である。
【
図7】優先度レベル0を有する第1のジョイントCSIサブグループに含まれるCSI内容と、CSIリポートnと関連付けられるT個のCSIサブグループのCSI内容との例の図である。
【
図8】分解方式1の第3の方法に関するT=2個のCSIサブグループのCSI内容の図である。
【
図9】D個のセグメントへのセグメント化を用いるCSIリポートtに関連付けられた第1及び第2のCSIサブグループのCSI内容の図であり、ここで、DはCSIリポートtのCSI行列の層ごとの設定された遅延ベクトルの数を示す。
【
図10】サブセグメントへのセグメントkのさらなるセグメント化の図であり、各サブセグメントは、単一の層の全てのSD成分及びDD基底インデックスと関連付けられる。
【
図11】k
r,2U個のサブセグメントへのセグメントkのセグメント化の図であり、各サブセグメントは、単一の層の全てのSD成分及びDD基底インデックスと関連付けられる。
【
図12】各々が2UDビットであるRIセグメントへのCSIサブグループに含まれるビットマップのセグメント化の図である。
【
図13】各々がサイズ2U×1であるサブセグメントへのサイズ2UD×1のビットマップのセグメント化の図である。
【
図14】各々がサイズ2D×1であるサブセグメントへのサイズ2UD×1のビットマップのセグメント化の図である。
【
図15】各々がサイズD×1であるサブセグメントへのサイズ2UD×1のビットマップのセグメント化の図である。
【
図16】各々がサイズ2U×RIビットであるDセグメントへのビットマップのセグメント化の図である。
【
図17】各々が2RIビットであるサブセグメントへの2U×RIビットセグメントのセグメント化の図である。
【
図18】各々がRIビットであるサブセグメントへの2U×RIビットセグメントのセグメント化の図である。
【
図19】各々が2Uビットであるサブセグメントへの2U×RIビットのセグメント化の図である。
【
図20】各結合係数の振幅情報の後に続く位相情報の図である。
【
図21】全てのX個の結合係数の位相情報の後に続く全てのX個の結合係数の振幅情報の図である。
【
図22】全てのX個の結合係数の振幅情報の後に続く全てのX個の結合係数の位相情報の図である。
【
図23】ユーザ機器及びコンピュータプログラム製品の概略簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、図面と併せて幾つかのシナリオでの例示的な実施形態の詳細な説明を提示して、本明細書に記載の解決策をより容易に理解できるようにする。
先に述べたように、3GPPの新たな無線システムでは、UCI省略手順がリリース15で標準化され、省略手順は、サブバンドベースのPMIが存在せず、CSI部分2を幾つかのサブバンドPMIに分解する(decomposition)ことは可能ではないため、再使用することができない。したがって、新たなUCI省略ルールが必要とされる。
【0073】
図1は、ユーザ機器(UE)及び無線基地局(gNB)によって実行されて、無線通信システムAにおいてチャネル状態情報(channel state information : CSI)リポートの形態でCSIフィードバックを提供する方法の簡易図であり、該方法は、
- MIMOチャネルを介してネットワークノード(gNB)から、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、ダウンリンク基準信号の構成に関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を受信することであって、無線信号は、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成によるダウンリンク基準信号を含む、受信すること、
- 受信した1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、推定すること、
- 各CSIリポート構成について、推定されたチャネル行列と、2つのコードブックであって、
- プリコーダの1つ又は複数の空間領域(spatial domain : SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
- プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(delay domain : DD)基底成分を含む遅延コードブック、を含む2つのコードブックと、1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数とに基づいて、プリコーディング行列を決定すること、
- ネットワークノードに、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを報告すること、を含む。
【0074】
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(precoding matrix identifier : PMI)及びプリコーディング行列のRI層の送信ランクを示すランク識別子(rank identifier : RI)の形態で、選択されたプリコーディング行列を含み、各CSIリポートは2つの部分:CSI部分1及びCSI部分2を含み、CSI部分1は固定されたペイロードサイズを有し、CSI部分2のペイロードのサイズを示す情報を含む。CSI部分2は少なくとも、CSIリポートの選択された非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、CSI部分2の一部又は全体がCSIリポートからの省略に利用可能である。
【0075】
一実施形態によれば、UEには、PUSCHで搬送すべきNREP個のCSIリポートが設定され、各CSIリポートは2つの部分:CSI部分1及びCSI部分2を含み得、CSI部分1は固定されたペイロードサイズを有し、CSI部分2のペイロードのサイズを示すのに使用される。CSI部分1は少なくとも、全ての層にわたる結合係数の数についての情報と、選択されたプリコーディング行列のRI層の送信ランク(RI)とを含み得る。CSIリポートのCSI部分2は少なくとも、設定されたアンテナポート及びサブバンドについて選択されたCSI行列のRI層についての以下の情報を含み得る:
- (設定された場合)回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ、
- 層ごとの選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- 層ごとの選択された非ゼロ遅延領域結合係数の位相及び振幅、
- 層ごとの最強係数インジケータ(strongest coefficient indicator : SCI)、
- 層ごとの偏波基準振幅、
- 層ごとの非ゼロ結合係数を示すビットマップ、並びに
- DD基底サブセット指示と関連付けられる追加の可能性のあるパラメータ。
【0076】
CSI部分2の分解(Decomposition for CSI part 2) - 方式1
実施形態によれば、第1の分解方式(方式1)では、NREP個のCSIリポートのCSI部分2は、NREP個のCSIサブグループにセグメント化され得、T個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられる。さらに、各CSIサブグループは優先度レベルと関連付けられ、第1のサブグループは最高優先度レベル0を有する。残りのTNREP-1個のCSIサブグループはより低い優先度レベル1からTNREP-1までと関連付けられる。最後のCSIサブグループTNREP-1は、最低優先度レベルTNREP-1と関連付けられ得る。
【0077】
図2は方式1の第1の例を示し、
図2では、優先度レベル(t-1)N
REPからtN
REP-1(1≦t≦T)を有し、N
REP個のCSIリポートと関連付けられたN
REP個のCSIサブグループは常に、一緒にグループ化される。
【0078】
図3は方式1の第2の例を示し、
図3では、優先度レベル(n-1)TからnT-t(1≦n≦N
REP)を有し、単一のCSIリポートと関連付けられたT個のCSIサブグループは常に、一緒にグループ化される。
【0079】
パラメータTは、CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示し、CSIリポートから省略されたCSI内容の粒度(granularity)に関連する。高値のTは高粒度を示し、低値のTは低粒度を示す。パラメータTに「2」の値が与えられる場合、各CSIリポートは2つのCSIサブグループのみと関連付けられる。
【0080】
CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示すパラメータTは、CSIリポートに依存することもできる。一例では、パラメータTはCSIリポートで示されるランクに依存し得る。例えば、CSIリポートで示されるランクが1よりも大きい(RI>1)である場合、T=2であり、CSIリポートで示されるランクが1である(RI=1)である場合、T=1である。別の例では、パラメータTは、CSIリポートで示される非ゼロ係数KNZの数に依存し得る。例えば、CSIリポートで示される非ゼロ係数の数が特定の閾値よりも大きい、即ち
【0081】
【0082】
である場合、T=2であり、その他の場合、T=1である。
第1のCSIサブグループが全てのNREP個のCSIリポートの情報を含むリリース15のCSI分解とは対照的に、提案される分解での各サブグループは、単一のCSIリポートと関連付けられた情報のみを含む。
【0083】
UCI省略の場合、UEは、CSIリポートのペイロードサイズがPUSCHリソース割り振りと一致するまで、優先度のより低いCSIサブグループをドロップする。特定の優先度レベルのCSIサブグループを省略する場合、UEはその優先度レベルの全てのCSI内容を省略する。
【0084】
CSI部分2の分解 - 方式2
図2及び
図3に示す上記CSI分解方式1の欠点は、単一のCSIリポートと関連付けられた全てのCSIサブグループがドロップされる場合、完全なCSIリポートがドロップされることである。CSIリポートのCSI内容の完全なドロップを回避するために、以下の実施形態は、最高優先度である優先度レベル0を有する第1のCSIサブグループを除き、全てのCSIサブグループがUEによってドロップされても、gNBが全てのN
REP個のCSIサブグループのCSI行列を部分的に再計算できるようにするCSI分解を提案する。
【0085】
実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI部分2はTNREP+1個のCSIサブグループにセグメント化され得、ここで、T個のCSIサブグループは常にCSIリポートと関連付けられる。CSIの第1のサブグループは、全てのNREP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含む。
【0086】
各CSIサブグループは優先度レベルと関連付けられ、第1のサブグループは最高優先度レベル0を有する。残りのTNREP個のCSIサブグループは、より低い優先度レベル1からTNREPまでと関連付けられ、最後のCSIサブグループTNREPは最低優先度レベルTNREPと関連付けられる。
【0087】
パラメータTは、CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示し、CSIリポートから省略されたCSI内容の粒度に関連する。高値のTは高粒度を示し、低値のTは低粒度を示す。パラメータTに値2が与えられる場合、各CSIリポートは2つのCSIサブグループのみと関連付けられる。
【0088】
CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示すパラメータTは、CSIリポートに依存することもできる。一例では、パラメータTはCSIリポートで示されるランクに依存し得る。例えば、CSIリポートで示されるランクが1よりも大きい、即ちRI>1である場合、T=2であり、CSIリポートで示されるランクが1である、即ちRI=1である場合、T=1である。別の例では、パラメータTは、CSIリポートで示される非ゼロ係数KNZの数に依存し得る。例えば、CSIリポートで示される非ゼロ係数の数が特定の閾値よりも大きい、即ち
【0089】
【0090】
である場合、T=2であり、その他の場合、T=1である。
UCI省略の場合、UEは、CSIリポートのペイロードサイズがPUSCHリソース割り振りと一致するまで、優先度のより低いCSIサブグループをドロップする。特定の優先度レベルのCSIサブグループを省略する場合、UEはその優先度レベルの全てのCSI内容を省略する。
【0091】
図4は、方式2の第1の例を示し、優先度レベル(n-1)T+1からnT(1≦n≦N
REP)を有し、単一のCSIリポートと関連付けられるT個のCSIサブグループは常に、一緒にグループ化される。
【0092】
図5は方式2の第2の例を示し、
図5では、優先度レベル(t-1)N
REP+1からtN
REP(1≦t≦T)を有し、N
REP個のCSIリポートと関連付けられたN
REP個のCSIサブグループは常に、一緒にグループ化される。
【0093】
CSIサブグループの内容
実施形態によれば、(最高優先度レベル0と関連付けられた)第1のCSIサブグループが全てのNREP個のCSIリポートのCSI情報を含む場合、ジョイントCSIサブグループは以下のパラメータの少なくとも1つを含み得る:
- 設定された場合、回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ、
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- RI層のKNZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0094】
方式2でのN
REP個のCSIリポートの位相及び振幅値のセグメント化のために、2つの分割手法が以下に提案される。
第1の手法では、N
REP個のCSIリポートの選択された非ゼロ遅延領域結合係数の位相及び振幅値の第1の部分は、最高優先度を有する第1のジョイントCSIサブグループに含まれる。第1の手法に関した第1のジョイントCSIサブグループのCSI内容と、最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられたCSIサブグループとの一例を
図6に示す。
【0095】
第2の手法では、最高優先度を有する第1のCSIサブグループは、N
REP個のCSIリポートの選択された非ゼロ遅延領域結合係数の任意の位相及び振幅値を含まず、残りのCSIサブグループのみが非ゼロ結合係数の情報を含む。第2の手法に関した第1のジョイントCSIサブグループのCSI内容と、単一のCSIリポートと関連付けられたCSIサブグループとの一例を
図7に示す。
【0096】
加えて、優先度レベル0を有する第1のジョイントCSIサブグループのCSI内容に応じて、最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、第1のジョイントCSIサブグループで既に列記されていない場合、以下のパラメータを含み得る:
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- RI層のKNZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、及び
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0097】
UEが分解方式1に関してNREP個のCSIリポートのCSIペイロードを分割するように設定され、UEが、単一のCSIリポートと関連付けられたT-1までのCSIサブグループをドロップする場合、gNBはなお、そのCSIリポートと関連付けられた残りのドロップされないCSIサブグループに基づいてRI層のCSI行列の部分を再計算することが可能なはずである。このようにして、CSIリポートのCSI内容の大部分がドロップされる場合であっても、特定の最低性能を保証し得る。CSIリポートからCSI行列の一部分を再計算するために、gNBは、CSIリポートから、選択されたSD及びDD基底サブセットインジケータ、SCI、ビットマップ、及びRI層の偏波基準振幅値、窓パラメータMinit等の少なくとも幾つかのパラメータを知る必要がある。この情報は、最高優先度を有するCSIサブグループにおいて各CSIリポートで含まれなければならない。
【0098】
実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードが幾つかのCSIサブグループに分割され、各CSIサブグループが、単一のCSIリポートのみと関連付けられたCSI情報を含む場合、CSIリポートの最高優先度を有するCSIサブグループは少なくとも以下のパラメータの情報を含み得る:
- 設定されている場合、回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ、
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- RI層のKNZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0099】
振幅及び位相値をCSIサブグループに分割するために、幾つかの方法が以下に提案される。第1の方法では、CSIリポートごとに最高優先度を有するCSIサブグループは、選択された非ゼロ結合係数のいかなる情報も含まず、優先度のより低い残りのT-1個のCSIサブグループのみが、CSIリポートの選択された非ゼロ結合係数の振幅及び位相値を含む。第2の方法では、CSIリポートごとに最高優先度を有するCSIサブグループは、選択された非ゼロ遅延領域結合係数の振幅値の第1の部分の情報を含み得、優先度のより低い残りのT-1個のCSIサブグループは、CSIリポートの振幅値及び全ての位相値の残りの部分を含む。第3の方法では、CSIリポートごとに最高優先度を有するCSIサブグループは、選択された非ゼロ遅延領域結合係数の振幅及び位相値の第1の部分の情報を含み得、優先度のより低い残りのT-1個のCSIサブグループは、CSIリポートの振幅及び位相値の残りの部分を含む。
【0100】
図8は、第3の方法に関して振幅及び位相値を分割する場合、単一のCSIリポートと関連付けられた2つのCSIサブグループのCSI内容と、各CSIサブグループの対応するCSI内容とを示す。
【0101】
図2に示すUCI省略及びCSI分割の場合、UEはまず、非ゼロ結合係数に関連するCSI情報を含むCSIサブグループをドロップする。残りのCSIサブグループはなお、CSIリポートで示されるCSI行列を部分的に再計算するのに使用することができるCSI内容を含む。UEがCSIリポートと関連付けられたT個全てのCSIサブグループをドロップする場合のみ、完全なCSIリポートがドロップされる。
【0102】
図3に示すUCI省略及びCSI分割の場合、UEはまず、最低優先度を有するCSIリポートの非ゼロ遅延領域結合係数に関連するCSI情報を含むCSIサブグループをドロップする。UEが、最低優先度を有するCSIリポートと関連付けられたT個全てのCSIサブグループをドロップする場合、完全なCSIリポートがドロップされる。
【0103】
実施形態によれば、結合係数の部分の情報を含む各CSIサブグループは、CSIリポートの最大で
【0104】
【0105】
個の結合係数と関連付けられた振幅値又は位相及び振幅値を含み得る。優先度がより低い残りのCSIサブグループは、CSIリポートの残りの振幅値又は残りの位相及び振幅値を含み得る。
【0106】
例えば、T=2且つx=2の場合、結合係数の位相及び振幅値は2つのCSIサブグループにセグメント化され、第1のCSIサブグループは、
【0107】
【0108】
個の結合係数と関連付けられた位相及び振幅値を含み、第2のCSIサブグループは、CSIリポートの残りの
【0109】
【0110】
個の結合係数と関連付けられた位相及び振幅を含む。
ビットマップ及び結合係数のセグメント化
CSI部分2のペイロードは主に、ビットマップと、非ゼロ結合係数の位相及び振幅情報とによって決まる。
【0111】
提案される方式1では、CSIリポートのRI層のうちの1つ又は複数のビットマップは、最高優先度を有する第1のCSIサブグループに含まれる。したがって、このCSIサブグループのペイロードサイズは、他のCSIサブグループのペイロードサイズよりも大きいサイズであることができる。ペイロードサイズがより大きいことに起因して、UCI省略率が高い場合、即ちUEがCSI部分2の内容の大部分をドロップする必要がある場合、UEは幾つかの場合、ビットマップを含むCSIサブグループ、ひいては完全なCSIリポートをドロップし得る。
【0112】
同様に、提案される方式2では、NREP個のCSIリポートのRI層の全てのビットマップは第1のジョイントCSIサブグループに含まれ得、又は最高優先度を有する第1のCSIサブグループにCSIリポートごとに含まれ得る。この/これらのCSIサブグループのペイロードサイズは大きなサイズであることができ、UEは幾つかの場合、UCI省略率が高い場合、RI層のビットマップを含むCSIサブグループをドロップし得る。
【0113】
以下の実施形態は、ビットマップ並びに結合係数の位相及び振幅情報を異なるCSIサブグループに分割することにより、ビットマップを含むCSIサブグループのペイロードサイズを低減し、ひいてはこの/これらのCSIサブグループをドロップする確率を下げる様々な方式を提案する。
【0114】
DD基底サブセットに関するセグメント化
第1のセグメント化方式は、CSIリポートのDD基底ベクトルインデックスの数に関して複数のビットマップ及び複数の結合係数を分割する。
【0115】
UEがCSIサブグループをドロップする場合、より高い優先度を有する残りのCSIサブグループのCSI内容は、gNBがCSIリポートで示されるRI層のCSI行列を部分的に再構築できるようにすべきである。これを行うために、gNBは、層ごとの最強結合係数と関連付けられたSD及びDD基底インデックスの知識を必要とする。この情報は、RI層のビットマップ及びSCIから得ることができる。SCIを正しく解釈するために、第1のジョイントCSIサブグループ又は単一のCSIリポートと関連付けられた第1のCSIサブグループは少なくとも、ビットマップの一部分と、RI層のSCIのDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた結合係数の情報を含むべきである。
【0116】
一実施形態によれば、最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは少なくとも、CSIリポートで示されるCSI行列のRI層の1つ若しくは複数のDD基底ベクトル(又は1つ若しくは複数のDD基底ベクトルインデックス)の全てのSD成分と関連付けられたビットマップを含み得る。加えて、CSIサブグループは、CSI行列のRI層の結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報を含み得る。
【0117】
CSIサブグループのRI層のビットマップ及び結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報は、D’個のセグメントにセグメント化され得、ここで、各セグメントは単一のDD基底ベクトル(又はDD基底ベクトルインデックス)と関連付けられたRI層の1つ又は複数のビットマップと、結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報とを含む。ここで、D’≦Dであり、Dは、CSI行列のRI層の各々についてUEに設定されたDD基底ベクトル数を示す。
【0118】
CSIサブグループでD’<Dの場合、より低い優先度を有するCSIサブグループ及び/又は存在する場合にはジョイントCSIサブグループは、残りのDD基底ベクトル(DD基底ベクトルインデックス)と関連付けられた残りのセグメントを含み得る。
【0119】
一実施形態によれば、最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、ビットマップ及びRI層のSCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスの全てのSD成分と関連付けられた結合係数の情報の一部分を含み得る。
【0120】
セグメント化の例
一実施形態によれば、CSIサブグループに含まれるビットマップ及び振幅及び/又は位相情報は、1つ又は複数のセグメントにセグメント化され、ここで、各セグメントはRI層の各々でビットマップの一部分であるサブビットマップと、サブビットマップと関連付けられた結合係数の関連付けられた振幅及び/又は位相情報とを含み得る。
【0121】
T=2の構成例では、単一のCSIリポートと関連付けられた2つのCSIサブグループのCSI内容を
図9に示す。図から観測されるように、サブビットマップ並びにRI層の全てのSD成分及びDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた結合係数の位相及び振幅情報は常に、単一のセグメントに一緒にパッキングされる(packed)。
【0122】
なお、CSIサブグループの最後のセグメントは、サブビットマップの一部分のみ又はそのサブビットマップと関連付けられた振幅及び/又は位相情報の部分のみを含み得る。そのような場合、CSIサブグループに含まれないサブビットマップの残りの部分又はそのサブビットマップと関連付けられた振幅及び/又は位相情報の残りの部分は、同じCSIリポートの優先度のより低いCSIサブグループに含まれ得る。
【0123】
一実施形態によれば、CSIサブグループに含まれるビットマップ及び振幅及び/又は位相情報は、1つ又は複数のセグメントにセグメント化され、ここで、各セグメントはRI層の各々でビットマップの一部分であるサブビットマップと、サブビットマップと関連付けられた結合係数の関連付けられた振幅及び/又は位相情報とを含み得る。
【0124】
一例では、k番目のセグメントはRI個のサブセグメントにさらにセグメント化され、ここで、各サブセグメントは、単一の層の全てのSD成分及びDD基底ベクトルインデックスと関連付けられたサブビットマップと、サブビットマップと関連付けられた結合係数とを含む。
図10参照。
【0125】
一事例では、r番目の層と関連付けられた各サブセグメントk
rは、
図11に示すように、k
r,2U個のサブセグメントにさらにセグメント化され得る。各k
r,u個のサブセグメントは、サブビットマップからの単一のビットと、結合係数の対応する振幅及び位相情報とを含む。なお、k
r,uが「0」である場合、ビットk
r,uの直後にサブセグメントk
r,u+1が続く。これは、ビットk
r,uと関連付けられた振幅及び位相情報がないことに起因する。
【0126】
一実施形態によれば、CSIリポートのRI層のビットマップ及び結合係数の情報は、D個のセグメントにセグメント化され、ここで、各セグメントは全てのRI層の単一のDD基底インデックスの全てのSD成分と関連付けられたビットマップ、即ちサブビットマップを含む。加えて、各セグメントは、サブビットマップと関連付けられたRI層の結合係数の関連付けられた振幅及び/又は位相情報を含み得る。最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられたCSIサブグループは、D個のセグメントの1つ又は複数を含み得る。
【0127】
最高優先度を有する各CSIサブグループは加えて、gNBがRI層のビットマップの部分に基づいてCSI行列を再計算可能であり得るようにCSIリポートから必要とされるパラメータセットと、CSIサブグループに含まれる結合係数の振幅及び/又は位相情報を含み得る。
【0128】
一実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードは、幾つかのCSIサブグループに分解され、各CSIサブグループは、単一のCSIリポートのみと関連付けられたCSI情報を含み、加えて、UEがDD基底ベクトルインデックスに関してビットマップ及び結合係数の振幅及び/又は位相情報のCSIサブグループへのセグメント化を実行するように設定される場合、最高優先度を有する各CSIサブグループは加えて、少なくとも以下のパラメータを含み得る:
- 回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ、
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0129】
実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードは、幾つかのCSIサブグループに分解され、第1のCSIサブグループは、NREP個のCSIリポートに関連付けられたCSI情報を含み、加えて、UEがDD基底ベクトルインデックスに関してビットマップ及び結合係数の振幅及び/又は位相情報のCSIサブグループへのセグメント化を実行するように設定される場合、ジョイントCSIサブグループは少なくとも以下のパラメータを含み得る:
- (設定されている場合)回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ、
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0130】
残りのCSIサブグループは少なくとも、RI層のビットマップと関連付けられたCSI内容と、結合係数の位相及び振幅情報とを含む。最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは少なくとも、RI層のビットマップの一部分と、KNZ個の結合係数の一部分の位相及び振幅情報とを含み得る。
【0131】
最高優先度である優先度レベル0を有するジョイントCSIサブグループの構造に応じて、単一のCSIリポートと関連付けられ、最高優先度を有する各CSIサブグループは、ジョイントCSIサブグループに既に列記されていない場合、以下のパラメータを含むこともできる:
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0132】
UEが、選択された結合係数及びSCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスに関した層ごとの選択されたDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように実施される場合、循環シフト演算後、最強結合係数と関連付けられたSD及びDD基底インデックスを識別するために、全てのSD基底ベクトル及び第1のDD基底ベクトルであるDD基底ベクトルインデックス0と関連付けられたビットマップの一部分のみがRI層の各々で必要とされる。SCIを正しく解釈するために、第1のCSIサブグループはDD基底ベクトルインデックス0と関連付けられたビットマップの部分及び結合係数の情報を含むべきである。
【0133】
なお、SCIが
【0134】
【0135】
ビットインジケータによって与えられる場合、SCIは、DD基底ベクトルインデックス0と関連付けられたサブビットマップで示されなくてもよく、したがって、層ごとのサブビットマップは2U×1の代わりに2U-1×1のサイズを有し得る。
【0136】
一実施形態によれば、UEが、CSIリポートに関して、SCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスに関して層ごとの選択された結合係数及び選択されたDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように設定される場合、CSIリポートと関連付けられた最高優先度を有するCSIサブグループは、DD基底ベクトルインデックス0と関連付けられたサブビットマップと、RI層のそのサブビットマップと関連付けられた結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報とを含む。例えば、最高優先度を有するCSIサブグループの第1のセグメントは、DD基底ベクトルインデックス0と関連付けられ得る。
【0137】
UEが、SCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスに関して層ごとの選択された結合係数及び選択されたDD基底ベクトルに対して循環シフトを実行するように実施されない場合、最強結合係数と関連付けられたSD及びDD基底ベクトルインデックスを識別するために、層ごとの全ての選択されたSD及びDD基底ベクトルの完全なビットマップがgNBによって必要とされ得る。したがって、DD基底ベクトルインデックスに関するビットマップ及び結合係数の上記セグメント化は可能ではないことがある。
【0138】
一実施形態によれば、UEが、CSIリポートに関して、SCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスに関して層ごとの選択された結合係数及び選択されたDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように実施されない場合、最高優先度を有するCSIリポートのCSIサブグループは少なくとも、RI層のビットマップと、CSIリポートのCSI行列の結合係数の位相及び/又は振幅情報の全て又は一部分とを含み得る。CSIサブグループが結合係数の位相及び/又は振幅情報の一部分のみを含む場合、優先度がより低いCSIリポートの残りのCSIサブグループは、CSI行列の結合係数の位相及び/又は振幅情報の残りの部分を含み得る。
【0139】
一実施形態によれば、UEが、CSIリポートに関して、SCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスに関して層ごとの選択された結合係数及び選択されたDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように実施されず、且つNREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードが、NREP個のCSIリポートに関連付けられたCSI情報を含むジョイントCSIサブグループを構成する幾つかのCSIサブグループに分解される場合、ジョイントCSIサブグループはそのCSIリポートのRI層のビットマップを含み得る。
【0140】
複数の層に関するセグメント化
第2のセグメント化方式は、CSIリポートについて、CSIリポートで示されるCSI行列のRI層に関してビットマップ及び結合係数を分割する。
【0141】
実施形態によれば、CSIリポートの最高優先度と関連付けられたCSIサブグループは少なくとも、RI層の第1のサブセットの非ゼロ結合係数を示すビットマップと、CSIリポートで示されたCSI行列のRI層の第1のサブセットと関連付けられ、選択された非ゼロ遅延領域結合係数の振幅及び位相値の第1の部分とを含み得る。
【0142】
同じCSIリポートと関連付けられた優先度のより低い残りのCSIサブグループは少なくとも、RI層の残り(第2のサブセット)のビットマップと、CSIリポートのRI層の第2のサブセットと関連付けられた振幅及び位相値の残りの部分とを含み得る。
【0143】
UEが上記方式1に関してCSIペイロードを分解するように設定される場合、CSIリポートごとに最高優先度を有するCSIサブグループは加えて、以下のパラメータを含み得る:
- (設定されている場合)回転オーバーサンプリングファクタを含む選択されたSD基底サブセットインジケータ、
- RI層の第1のサブセットの選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層の第1のサブセットのSCI、
- RI層の第1のサブセットの偏波基準振幅値、
- RI層の第1のサブセットの非ゼロ結合係数を示すビットマップ、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0144】
UEが上記方式2に関してCSIペイロードを分解するように設定される場合、CSIリポートのCSIリポートごとの最高優先度を有するCSIサブグループは加えて、(ジョイントCSIサブグループに既に列記されていない場合)以下のパラメータを含むこともできる:
- RI層の選択されたDD基底サブセットインジケータ、
- RI層のSCI、
- RI層の偏波基準振幅値、
- DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータ。
【0145】
広帯域CSI情報
3GPPリリース15では、CSI部分2の分解は、優先度レベル0を有する第1のCSI部分に、NREP個のCSIリポートのいわゆる広帯域振幅を含む。第1のCSI部分中のこれらの広帯域振幅に基づいて、gNBは、UEが優先度レベル0を有する第1のCSI部分を除く全ての部分をドロップした場合であっても、設定されたサブバンドの広帯域CSI行列をCSIリポートごとに再構築することができる。上述した第2のCSI分解方式を適用する場合、2つのコードブックベースのCSI報告方式でも同様の広帯域CSI行列を定義することができる。gNBは、結合係数の振幅情報及びRI層の各々の「最強」DD基底ベクトルインデックスと関連付けられたビットマップの一部分についての知識を有する場合、CSIリポートの広帯域CSI行列を導出し得る。多くの場合、層ごとの「最強」DD基底ベクトルインデックスは、SCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスに対応する。したがって、SCI、SCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスと関連付けられたビットマップ、及び結合係数の振幅情報に基づいて、gNBは、以下の実施形態で提案するように広帯域CSI行列を再構築し得る。
【0146】
一実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードが幾つかのCSIサブグループに分解され、第1のCSIサブグループが、NREP個のCSIリポートに関連付けられたCSI情報を含む場合、ジョイントCSIサブグループは、RI層のSCI、ビットマップの一部分、及び1つ又は複数のCSIリポートのRI層のSCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスの全てのSD成分と関連付けられた結合係数の振幅及び/又は位相情報を含み得る。ジョイントCSIサブグループに含まれる情報に基づいて、gNBは、1つ又は複数のCSIリポートの各々の広帯域CSI行列を再計算することが可能である。
【0147】
上記の循環シフト演算の考察と同様に、UEが、CSIリポートについて、選択された結合係数及びSCIと関連付けられたDD基底ベクトルに関して層ごとの選択されたDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように設定される場合、DD基底ベクトルインデックス0はSCIと関連付けられる。
【0148】
一実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードが幾つかのCSIサブグループに分解され、第1のCSIサブグループが、NREP個のCSIリポートに関連付けられたCSI情報を含む場合、ジョイントCSIサブグループは、1つ又は複数のCSIリポートについて、RI層のSCIと、ビットマップの一部分と、CSIリポートごとのRI層の全てのSD成分及びDD基底ベクトルインデックス0と関連付けられた結合係数の振幅及び/又は位相情報とを含み得る。
【0149】
さらに、先に考察したように、UEが、CSIリポートについて、選択された結合係数に対して循環シフト演算を実行するように実施されない場合、層ごとの全ての選択されたSD及びDD基底ベクトルインデックスの完全なビットマップ及び少なくともRI層のSCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた結合係数の振幅及び/又は位相情報が、そのCSIリポートの広帯域行列の計算に必要とされる。
【0150】
一実施形態によれば、NREP個のCSIリポートのCSI情報を含むCSIペイロードが幾つかのCSIサブグループに分解され、第1のCSIサブグループが、NREP個のCSIリポートに関連付けられたCSI情報を含み、且つUEが、CSIリポートの選択された結合係数に対して循環シフト演算を実行するように実施されない場合、ジョイントCSIサブグループは、層ごとの全ての選択されたSD及びDD基底ベクトルインデックスの完全なビットマップと、少なくとも、そのCSIリポートのRI層のSCIと関連付けられたDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた結合係数の振幅及び/又は位相情報とを含み得る。
【0151】
ジョイントCSIサブグループのサイズは、1つ又は複数のCSIリポートのSCIのDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた非ゼロ結合係数の数に依存する。したがって、gNBは、CSIペイロードのCSI部分1の復号化の後であっても、ジョイントCSIサブグループのペイロードサイズを知らないことがある。以下、ジョイントCSIサブグループのペイロードサイズを固定する方法を提示する。
【0152】
一実施形態によれば、ジョイントCSIサブグループは少なくとも、RI層のSCIと、ビットマップの部分と、最高優先度を有するN個のCSIリポートでのRI層のSCIの全てのSD成分及びDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた結合係数の振幅及び/又は位相情報とを含む。
【0153】
パラメータNの値は、gNBによって設定される上位層であってもよく、UEによって事前に既知、例えば仕様によって固定されてもよく、又はUEによって決定される。
例えば、UEは、ジョイントCSIサブグループのペイロードサイズが固定されるように、パラメータNの値、即ち最高優先度を有するCSIリポートの数を決定し得る。
【0154】
RI層のビットマップが単一のCSIサブグループに含まれる場合の読み出し/パッキングルール
先に説明したように、最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられたCSIサブグループは、全てのRI層のビットマップと、結合係数の位相及び/又は振幅情報の一部分のみとを含み得る。
【0155】
以下の実施形態は、CSIサブグループの数に関した結合係数の位相及び/又は振幅情報の分解方式を提示する。結合係数の位相及び/又は振幅情報の分解は、CSIリポートのRI層の関連付けられたビットマップのビットシーケンスの順序付けに依存し得る。
【0156】
実施形態によれば、単一のCSIリポートと関連付けられたサイズ2UD×RIの全てのRI層のビットマップが単一のCSIサブグループに含まれる場合、ビットマップはRI個のセグメントにセグメント化され、2UDビットの各々は層数に関して昇順である。各セグメントは、層の全てのSD及びDD基底インデックスと関連付けられる。
図12参照。UCI省略の場合、UEはまず、上位層の1つ又は複数と関連付けられたCSI内容をドロップし、次いで下位層の1つ又は複数と関連付けられたCSI内容をドロップする。例えば、RI=4であり、T=2である場合、UEはまず、優先度がより低い層3及び4のCSIサブグループと関連付けられたCSI内容をドロップし得、次いでCSIリポートの高優先度を有する層1及び2のCSIサブグループと関連付けられたCSI内容をドロップし得る。
【0157】
各セグメント内のビットシーケンスは、以下の2つの方式の一方に関して順序付け得る。第1の順序付け方式(方式1)では、サイズ2UD×1の各セグメント内のビットは、最初の2Uビットが第1のDD基底インデックスの全ての2U個のSD成分と関連付けられ、その後に、第2のDD基底インデックスの全ての2U個のSD成分と関連付けられた2Uビットが続き、以下同様であるように順序付けられる。
図13参照。第2の順序付け方式(方式2)では、サイズ2UD×1の各セグメント内のビットは、最初のDビットが第1のSD基底インデックスの全てのD個のDD基底インデックスと関連付けられ、その後に、第2のSD基底インデックスの全てのD個のDD基底インデックスと関連付けられたDビットが続き、以下同様であるように順序付けられる。
図14又は
図15参照。
【0158】
ビットマップが
図13、
図14、又は
図15に示すように順序付けられる場合、CSIサブグループに含まれる結合係数の位相及び/又は振幅情報の部分は常に、CSIリポートのRI層のサブセットのみと関連付けられる。そのような順序付け/パッキングは、全てのRI層の結合係数の位相及び/又は振幅情報の部分のみをドロップするのと比較して、大きな性能損失に繋がり得る。以下の実施形態は、CSIリポートの1つ又は複数の層の結合係数のドロップを回避するビットマップ及び結合係数の代替の順序付け/セグメント化を提示する。
【0159】
実施形態によれば、CSIサブグループが全てのRI層のビットマップを含む場合、サイズ2UD×RIのビットマップはD個のセグメントにセグメント化され、各セグメントはサイズ2U×RIを有し、単一のDD基底ベクトルインデックスと関連付けられる。
図16参照。UCI省略の場合、UEはまず、全てのRI層の1つ又は複数のDD基底インデックスと関連付けられたCSI内容をドロップし、次いで全てのRI層の残りのDD基底インデックスと関連付けられたCSI内容をドロップする。例えば、D=4の場合、UEはまず、DD基底インデックス3及び4に関連付けられたCSI内容をドロップし得、次いでCSIリポートのDD基底インデックス1及び2と関連付けられたCSI内容をドロップし得る。
【0160】
各セグメント内のビットシーケンスは、以下の2つの方式の一方に関して順序付け得る。第1の順序付け方式(方式1)では、サイズ2U×RIの各セグメント内のビットは、最初のRIビットが全てのRI層の第1のSD基底ベクトルインデックスと関連付けられ、その後に全てのRI層の第2のSD基底インデックスと関連付けられた次のRIビットが続き、以下同様であるように順序付けられる。
図17及び
図18参照。第2の順序付け方式(方式2)では、サイズ2U×RIの各セグメント内のビットは、最初の2Uビットが第1の層と関連付けられたDD基底インデックスの全ての2U個のSD成分と関連付けられ、その後に第2の層と関連付けられたDD基底インデックスの全ての2U個のSD成分と関連付けられた2Uビットが続き、以下同様であるように順序付けられる。
図19参照。
【0161】
結合係数のパッキング/順序付けルール
一実施形態で説明したように、CSIリポートと関連付けられたCSIサブグループは、結合係数の一部分の振幅及び位相情報を含み得、ここで、振幅及び位相値の異なる順序付け方式を適用し得る。
【0162】
一実施形態によれば、CSIサブグループ内の複数の結合係数の振幅及び位相情報は、以下の方式の1つによって順序付け得る。方式1では、CSIサブグループ内の各結合係数について,振幅情報aビットの後に、位相情報bビットが続く。
図20参照。ここで、XはCSIサブグループに含まれる結合係数の数を示す。方式2では、X個の結合係数の振幅情報Xaビットの後に、X個の結合係数の位相情報Xbビットが続く。
図21参照。方式3では、X個の結合係数の位相情報Xbビットの後に、X個の結合係数の振幅情報Xaビットが続く。
図22参照。
【0163】
サブグループのビット幅
実施形態によれば、単一のCSIリポート及び最高優先度と関連付けられた第1のCSIサブグループのビット幅は、固定し得、A+Bによって与えられ得、ここで、Aは、非ゼロ結合係数の数は別として第1のサブグループに含まれる全ての成分の結合ビット幅であり、Bは結合係数
【0164】
【0165】
の一部分の振幅情報(a)及び位相情報(b)と関連付けられたビット幅である。
例えば、T=2であり、第1のサブグループが、全ての層のビットマップ及び結合係数
【0166】
【0167】
の一部分のみを有する場合、第1のCSIサブグループ及び第2のCSIサブグループ2のビット幅はそれぞれ、
【0168】
【0169】
によって与えられる。
一例では、x=Tである。
本発明の他の提案される態様は、ネットワークノード(gNB)によって実行される方法を示す
図1を再度参照して説明される。本発明は、ネットワークノード(gNB)が、無線通信システムにおいて1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態のCSIフィードバックを受信することを提案する。
【0170】
本方法は、
- MIMOチャネルを介してユーザ機器(UE)に、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を送信することであって、無線信号は、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従ったダウンリンク基準信号を含む、送信すること、
- UEから、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを受信すること、を備える。
【0171】
1つ又は複数のCSIリポートは、UEが、
- 受信した1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して提供される、推定すること、
- 各CSIリポートについて、推定されたチャネルと、2つのコードブックであって、
- プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
- プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む、2つのコードブックと、1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、を行うことによって生成される。
【0172】
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択されたプリコーディング行列を含み、ランク識別子(RI)は、プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートはCSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み得、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、CSIリポートの選択された非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、CSIリポートからの省略に利用可能である。
【0173】
先に述べた方法ステップ及びUEの動作を実行するために、
図23に示すようにUE30も提供され、UE30は、プロセッサ31、処理回路、処理モジュール、プロセッサ、又は手段;受信機回路又は受信機モジュール34;送信機回路又は送信機モジュール35;メモリモジュール32;送信機回路35及び受信機回路34を含み得る送受信機回路又は送受信機モジュール33を備える。UE30は、少なくともUE30との間で信号を送受信するアンテナ回路を含むアンテナシステム36をさらに備える。
【0174】
先に述べたネットワークノードの方法ステップ及び動作を実行するために、
図1に示すようにネットワークノード(gNB)も提供され、ネットワークノード(gNB)は、プロセッサ又は処理回路又は処理モジュール又はプロセッサ又は手段と、受信機回路又は受信機モジュールと、送信機回路又は送信機モジュールと、メモリモジュールと、送信機回路および受信機回路を含み得る送受信機回路又は送受信機モジュールと、を備える。ネットワークノード(gNB)は、少なくともネットワークノードgNBとの間で信号を送受信するアンテナ回路を含むアンテナシステムをさらに備える。
【0175】
本発明はコンピュータプログラム製品37にも関し、これは図中、メモリモジュール32に記憶され、コンピュータプログラム製品37は、プロセッサ31によって実行されると、プロセッサ31がUEによって実行される本発明の方法の主題の何れか1つを実行できるようにするコンピュータプログラムコード38を含む。
【0176】
本発明はコンピュータプログラム製品にも関し、コンピュータプログラム製品は、ネットワークノード(gNB)のプロセッサによって実行されると、プロセッサがネットワークノード(gNB)によって実行される本発明の方法の主題の何れか1つを実行できるようにするコンピュータプログラムコードを含む。
【0177】
参考文献
[1]3GPP TS 38.214 V15.3.0:「3GPP;TSGRAN;NR;データの物理層手順(リリース15)(3GPP;TSGRAN;NR;Physicallayerproceduresfordata(Rel.15)).」、2018年9月
[2]サムスン(Samsung)著「WID改訂:NRに向けたMIMOの改良(Revised WID:EnhancementsonMIMOforNR」)、RP-182067、3GPPRAN#81、豪国ゴールドコースト、2018年9月10日~13日
[3]R1-1806124、フラウンホーファーIIS(Fraunhofer IIS)、フラウンホーファーHHI(FraunhoferHHI)、タイプIICSI報告方式の改良(EnhancementsonType-IICSIreportingscheme)、RAN1#93、韓国釜山、2018年5月21日~5月25日
[4]R1-1811088、フラウンホーファーIIS(Fraunhofer IIS)、フラウンホーファーHHI(FraunhoferHHI)、タイプIICSI報告方式の改良(EnhancementsonType-IICSIreportingscheme)、RAN1#94-Bis、中国成都、2018年10月8日~10月12日
[5]議長メモ(Chairman’s Notes)、RAN1#96、ギリシャアテネ、2019年2月25日~3月1日
[6]R1-1902304、サムスン、MU-MIMOへのCSI改良の概要(Summary ofCSIenhancementforMU-MIMO)、RAN1#96、2019年2月25日~3月1日
[7]R1-1905629、サムスン、MU-CSIの主要特徴概要-選択された問題の改訂(Feature leadsummaryforMU-CSI-revisiononselectedissues)、中国西安、2019年4月12日~16日
【手続補正書】
【提出日】2021-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム
(A)において1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態でCSIフィードバックを提供するユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
MIMOチャネルを介してネットワークノード(gNB)から、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、前記ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を受信することであって、前記無線信号は、前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従った前記ダウンリンク基準信号を含む、前記受信すること、
受信した前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づいて、前記ダウンリンクMIMOチャネルを推定することであって、前記ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、前記推定すること、
各CSIリポートについて、推定された前記チャネルと、2つのコードブックであって、
プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
前記プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む前記2つのコードブックと、前記1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、
前記ネットワークノードに、前記1つ又は複数のCSIリポート構成の前記1つ又は複数のCSIリポートを報告すること、を備え、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択された前記プリコーディング行列を含み、前記ランク識別子(RI)は、前記プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは、CSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、前記CSIリポートの選択された前記非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、前記CSIリポートからの省略に利用可能である、方法。
【請求項2】
CSI部分1は少なくとも、全てのRI層にわたる非ゼロ結合係数の選択された数についての情報と、選択された前記プリコーディング行列の前記RI層の前記送信ランクの指示と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
CSI部分2は少なくとも、選択された前記プリコーディング行列の前記RI層について、
前記空間コードブックからの選択された前記SD基底ベクトルを示す回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、前記回転オーバーサンプリングファクタを含む空間領域(SD)基底サブセットインジケータと、
前記遅延コードブックからの選択された前記DD基底ベクトルを示す1つ又は複数の遅延領域(DD)基底サブセットインジケータと、
選択された前記非ゼロ遅延領域結合係数の前記位相及び振幅と、
層ごとの最強係数と関連付けられた前記DD及びSDベクトルを示す最強係数インジケータ(SCI)と、
層ごとの偏波基準振幅と、
層ごとの前記非ゼロ結合係数を示すビットマップと、
前記DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記N
REP個のCSIリポートのCSI部分2は、TN
REP+1個のCSIサブグループにセグメント化され、T個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられ、1つのCSIサブグループは全てのN
REP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含み、各CSIサブグループは優先度(優先度レベル)と関連付けられる、請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
全てのN
REP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含む前記CSIサブグループは、最高優先度(優先度レベル0)を有し、残りのTN
REP個のCSIサブグループは、より低い優先度レベル1からTN
REPまでと関連付けられ、最後のCSIサブグループTN
REPは最低優先度レベルTN
REPと関連付けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記CSIサブグループは、
優先度0:CSIリポート1~N
REPの部分2のジョイントCSIサブグループ
優先度1:CSIリポート1の部分2のCSIサブグループ1
・・・
優先度T:CSIリポート1の部分2のCSIサブグループT
優先度T+1:CSIリポート2の部分2のCSIサブグループ1
・・・
優先度2T:CSIリポート2の部分2のCSIサブグループT
・・・
優先度T(N
REP-1)+1:CSIリポートN
REPの部分2のCSIサブグループ1
・・・
優先度TN
REP:CSIリポートN
REPの部分2のCSIサブグループT
に従った優先度を有する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
省略の場合、前記UEは、前記CSIリポートの前記ペイロードサイズが前記gNBからのリソース割り振りと一致するまで、優先度がより低い前記CSIサブグループをドロップする、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
特定の優先度レベルのCSIサブグループを省略する場合、前記UEはその優先度レベルの全ての前記CSI内容を省略する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パラメータTは、CSIリポートごとのCSIサブグループの数を示し、CSIリポートから省略された前記CSI内容の粒度に関連し、高値のTは高粒度を示し、低値のTは低粒度を示し、前記パラメータTに値2が与えられる場合、各CSIリポートは2つのCSIサブグループのみと関連付けられる、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記パラメータTは、CSIレポートに含まれる情報内容に依存する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パラメータTは、前記CSIレポートで示される非ゼロ係数K
NZの数に依存し、前記CSIレポートで示される非ゼロ係数の数が、
【数1】
のように特定の閾値よりも大きい場合、T=2であり、その他の場合、T=1である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
優先度レベル0と関連付けられた前記ジョイントCSIサブグループは、全てのN
REP個のCSIリポートのCSI情報を含み、前記ジョイントCSIサブグループは、
前記回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、前記回転オーバーサンプリングファクタを含む選択された前記SD基底サブセットインジケータと、
前記RI層の前記SCIと、
を含む複数のパラメータのうちの少なくとも1つの情報を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
CSIリポートの最高優先度を有する前記CSIサブグループは少なくとも、
前記RI層の選択された前記DD基底サブセットインジケータと、
前記RI層の前記偏波基準振幅値と、
前記RI層のK
NZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップと、
前記DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータと、
を含む複数のパラメータの情報を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
CSIリポートの最高優先度を有する前記CSIサブグループは少なくとも、
前記RI層の選択された前記DD基底サブセットインジケータ、
前記RI層の前記偏波基準振幅値、
前記RI層のK
NZ個の非ゼロ結合係数を示すビットマップ、及び
窓パラメータM
init
を含む複数のパラメータの情報を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
CSIサブグループは、全てのRI層のビットマップを含み、サイズ2UD×RIのビットマップはD個のセグメントにセグメント化され、各セグメントは、2UD×RIのサイズを有し、単一のDD基底インデックスと関連付けられる、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
サイズ2UD×RIの各セグメント内のビットは、最初のRIビットが全てのRI層の前記第1のSD基底ベクトルインデックスと関連付けられ、その後に、前記第2のSD基底インデックスと関連付けられた次のRIビットが続き、以降同様であるように順序付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
最高優先度を有するCSIサブグループの第1のセグメントは、DD基底ベクトルインデックス0と関連付けることができる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記UEは、CSIリポートについて、インデックス0を有するDD基底ベクトルが前記SCIと関連付けられるように前記SCIと関連付けられた前記DD基底ベクトルに関して、選択された前記結合係数及び前記層毎に選択されるDD基底ベクトルに対して循環シフト演算を実行するように設定されている、請求項1~17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
CSIリポートごとで最高優先度を有するCSIサブグループは、選択された前記非ゼロ遅延領域結合係数の前記振幅及び位相値の第1の部分の情報を含み、優先度のより低い残りのT-1個のCSIサブグループは、前記CSIリポートの振幅及び位相値の残りの部分を含む、請求項4~6又は13~18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、前記RI層の前記ビットマップの少なくとも一部分と、前記K
NZ個の結合係数の一部分の位相及び振幅情報と、を含むことができる、請求項4~6又は13~19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、前記RI層の前記ビットマップの一部と関連付けられた前記結合係数の前記振幅及び位相情報を含む、請求項4~6又は13~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
単一のCSIリポートと関連付けられた最高優先度を有する各CSIサブグループは少なくとも、前記ビットマップの前記一部分及び前記RI層の前記SCIの前記DD基底ベクトルインデックスと関連付けられた前記結合係数の前記情報を含む、請求項4~6又は13~21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは少なくとも、前記CSIリポートで示される前記プリコーディング行列の前記RI層についての1つ又は複数のDD基底ベクトルインデックスと関連付けられた前記ビットマップを含み、前記CSIサブグループは、前記ビットマップと関連付けられた前記結合係数の対応する振幅及び/又は位相情報を含むことができる、請求項4~6又は13~22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記結合係数の一部分の情報を含む各CSIサブグループは、CSIリポートの
【数2】
個の結合係数の最大と関連付けられた位相及び振幅値を含み、優先度のより低い残りのCSIサブグループは、前記CSIリポートの残りの位相及び振幅値を含む、請求項19~23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記結合係数の前記位相及び振幅値は、T=2且つx=2の場合、2つのCSIサブグループにセグメント化され、前記第1のCSIサブグループは、
【数3】
個の結合係数と関連付けられた前記位相及び振幅値を含み、前記第2のCSIサブグループは、CSIリポートの残りの
【数4】
個の結合係数と関連付けられた前記位相及び振幅を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
CSIサブグループの前記結合係数の前記振幅及び位相情報は、X個の結合係数の前記振幅情報(Xaビット)の後に、X個の結合係数の前記位相情報(Xbビット)が続くように順序付けられる、請求項19~25の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
単一のCSIリポート及び最高優先度と関連付けられた前記CSIサブグループのビット幅は固定され、A+Bによって与えられ、Aは、非ゼロ結合係数の数から離れた前記CSIサブグループに含まれる全ての成分の結合ビット幅であり、Bは、前記結合係数
【数5】
の一部分の前記振幅情報(a)及び位相情報(b)と関連付けられたビット幅である、請求項4~6又は13~26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
無線通信システム
(A)において1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態のCSIフィードバックを受信するネットワークノード(gNB)によって実行される方法であって、
MIMOチャネルを介してユーザ機器(UE)に、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、前記ダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を送信することであって、前記無線信号は、前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従った前記ダウンリンク基準信号を含む、前記送信すること、
前記UEから、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを受信すること、を備え、
前記1つ又は複数のCSIリポートは
、
受信した前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号に関する測定に基づい
た前記ダウンリンクMIMOチャネル
の推
定であって、前記ダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、前記ダウンリンクMIMOチャネル
の推
定、
各CSIリポートについて、推定された前記チャネルと、2つのコードブックであって、
プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
前記プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブック、を含む前記2つのコードブックと、前記1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づい
たプリコーディング行列
の決
定を含み、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択された前記プリコーディング行列を含み、前記ランク識別子(RI)は、前記プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは、CSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、前記CSIリポートの選択された前記非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、前記CSIリポートからの省略に利用可能である、方法。
【請求項29】
プロセッサ
(31)及びメモリ
(32)を備えたユーザ機器(UE)
(30)であって、前記メモリ
(32)は、前記プロセッサ
(31)によって実行可能であるコンピュータプログラムコード
(38)を含み、それにより、前記UE
(30)は、請求項1~27の何れか一項に記載の主題を実行するように動作可能である、ユーザ機器。
【請求項30】
プロセッサ及びメモリを備えたネットワークノードであって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムコードを含み、それにより、前記ネットワークノードは、請求項28に記載の主題の何れか1つを実行するように動作可能である、ネットワークノード。
【請求項31】
コンピュータプログラムコード
(38)を含むコンピュータプログラム製品
(37)であって、前記コンピュータプログラムコード
(38)は、プロセッサ
(31)によって実行されると、前記プロセッサ
(31)が請求項1~27の何れか一項に記載の主題を実行できるようにする、コンピュータプログラム製品。
【請求項32】
コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサが請求項28の主題の何れか1つを実行できるようにする、コンピュータプログラム製品。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム(A)において1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態でCSIフィードバックを提供するユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
ネットワークノード(gNB)から、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を受信することであって、前記無線信号は、前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従った前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号を含
み、前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号は、設定された数の周波数領域リソース、時間領域リソース、及び1つ又は複数のポートを介して供給される、前記
受信すること、
各CSIリポートについて、前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号と、2つのコードブックであって、
プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
前記プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブックを含む前記2つのコードブックと、前記1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づいて、プリコーディング行列を決定すること、
前記ネットワークノードに、前記1つ又は複数のCSIリポート構成の前記1つ又は複数のCSIリポートを報告すること、を備え、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択された前記プリコーディング行列を含み、前記ランク識別子(RI)は、前記プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは、CSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、前記CSIリポートの選択された前記非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、前記CSIリポートからの省略に利用可能である、方法。
【請求項2】
CSI部分1は少なくとも、全てのRI層にわたる非ゼロ結合係数の選択された数についての情報と、選択された前記プリコーディング行列の前記RI層の前記送信ランクの指示と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
CSI部分2は少なくとも、選択された前記プリコーディング行列の前記RI層について、
前記空間コードブックからの選択された前記SD基底ベクトルを示す回転オーバーサンプリングファクタが設定される場合、前記回転オーバーサンプリングファクタを含む空間領域(SD)基底サブセットインジケータと、
前記遅延コードブックからの選択された前記DD基底ベクトルを示す1つ又は複数の遅延領域(DD)基底サブセットインジケータと、
選択された前記非ゼロ遅延領域結合係数の前記位相及び振幅と、
層ごとの最強係数と関連付けられた前記DD及びSDベクトルを示す最強係数インジケータ(SCI)と、
層ごとの偏波基準振幅と、
層ごとの前記非ゼロ結合係数を示すビットマップと、
前記DD基底サブセット指示と関連付けられた追加の可能性があるパラメータと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
N
REP個の
前記CSIリポートのCSI部分2は、TN
REP+1個のCSIサブグループにセグメント化され、T個のCSIサブグループは常に、単一のCSIリポートと関連付けられ、1つのCSIサブグループは全てのN
REP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含み、各CSIサブグループは優先度(優先度レベル)と関連付けられる、請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
全てのN
REP個のCSIリポートと関連付けられた情報を含む前記CSIサブグループは、最高優先度(優先度レベル0)を有し、残りのTN
REP個のCSIサブグループは、より低い優先度レベル1からTN
REPまでと関連付けられ、最後のCSIサブグループTN
REPは最低優先度レベルTN
REPと関連付けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
CSIサブグループは、全てのRI層のビットマップを含み、サイズ2UD×RIのビットマップはD個のセグメントにセグメント化され、各セグメントは、2UD×RIのサイズを有し、単一のDD基底インデックスと関連付けられる、請求項
4又は
5に記載の方法。
【請求項7】
サイズ2UD×RIの各セグメント内のビットは、最初のRIビットが全てのRI層の前記第1のSD基底ベクトルインデックスと関連付けられ、その後に、前記第2のSD基底インデックスと関連付けられた次のRIビットが続き、以降同様であるように順序付けられる、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
最高優先度を有し、単一のCSIリポートと関連付けられた各CSIサブグループは、前記RI層の前記ビットマップの少なくとも一部分と
、K
NZ個の
前記結合係数の一部分の位相及び振幅情報と、を含むことができる、請求項4~
7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
単一のCSIリポートと関連付けられた最高優先度を有する各CSIサブグループは少なくとも、前記ビットマップの前記一部分及び前記RI層の前記SCIの前記DD基底ベクトルインデックスと関連付けられた前記結合係数の前記情報を含む、請求項4~
8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記結合係数の一部分の情報を含む各CSIサブグループは、CSIリポートの
【数1】
個の結合係数の最大と関連付けられた位相及び振幅値を含み、優先度のより低い残りのCSIサブグループは、前記CSIリポートの残りの位相及び振幅値を含む、請求項
8又は9に記載の方法。
【請求項11】
無線通信システム(A)において1つ又は複数のチャネル状態情報(CSI)リポートの形態のCSIフィードバックを受信するネットワークノード(gNB)によって実行される方法であって、
ユーザ機器(UE)に、1つ又は複数のダウンリンク基準信号の上位層構成、前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成と関連付けられた1つ又は複数のCSIリポート構成、及び無線信号を送信することであって、前記無線信号は、前記1つ又は複数のダウンリンク基準信号の構成に従った前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号を含む、前記送信すること、
前記UEから、1つ又は複数のCSIリポート構成の1つ又は複数のCSIリポートを受信すること、を備え、
各CSIリポートは、
前記
1つ又は複数のダウンリンク基準信号
と、2つのコードブックであって、
プリコーダの1つ又は複数の空間領域(SD)基底成分を含む空間コードブック、及び
前記プリコーダの1つ又は複数の遅延領域(DD)基底成分を含む遅延コードブック、を含む前記2つのコードブックと、前記1つ又は複数のSD及びDD基底ベクトルを複素結合する1つ又は複数の非ゼロ結合係数と、に基づい
て決定されたプリコーディング行
列を含み、
各CSIリポートは、プリコーディング行列識別子(PMI)及びランク識別子(RI)の形態で、選択された前記プリコーディング行列を含み、前記ランク識別子(RI)は、前記プリコーディング行列のRI層の送信ランクを示し、各CSIリポートは、CSI部分1及びCSI部分2の2つの部分を含み、部分1は固定されたペイロードサイズを有し、部分2のペイロードのサイズを示す情報を含み、部分2は少なくとも、前記CSIリポートの選択された前記非ゼロ結合係数の振幅及び位相情報を含み、部分2の一部又は全体は、前記CSIリポートからの省略に利用可能である、方法。
【請求項12】
プロセッサ(31)及びメモリ(32)を備えたユーザ機器(UE)(30)であって、前記メモリ(32)は、前記プロセッサ(31)によって実行可能であるコンピュータプログラムコード(38)を含み、それにより、前記UE(30)は、請求項1~
10の何れか一項に記載の主題を実行するように動作可能である、ユーザ機器。
【請求項13】
プロセッサ及びメモリを備えたネットワークノードであって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムコードを含み、それにより、前記ネットワークノードは、請求項
11に記載の主
題を実行するように動作可能である、ネットワークノード。
【請求項14】
コンピュータプログラムコー
ドを含むコンピュータプログラム製品(37)であって、前記コンピュータプログラムコー
ドは、
ユーザ機器(UE)のプロセッサ(31)によって実行されると、前記プロセッサ(31)が請求項1~
10の何れか一項に記載の主題を実行できるようにする、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムコードは、
ネットワークノード(gNB)のプロセッサによって実行されると、前記プロセッサが請求項
11に記載の主題を実行できるようにする、コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】